(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022117918
(43)【公開日】2022-08-12
(54)【発明の名称】固体撮像素子
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20220804BHJP
【FI】
H01L27/146 D
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021119274
(22)【出願日】2021-07-20
(31)【優先権主張番号】17/164,114
(32)【優先日】2021-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】507296388
【氏名又は名称】采▲ぎょく▼科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】VisEra Technologies Company Limited
【住所又は居所原語表記】No.12,Dusing Rd.1, Hsinchu Science Park,Hsin-Chu City,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】とこしえ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】林 正軒
(72)【発明者】
【氏名】張 育淇
(72)【発明者】
【氏名】塗 宗儒
【テーマコード(参考)】
4M118
【Fターム(参考)】
4M118AA06
4M118AB01
4M118AB03
4M118BA10
4M118BA14
4M118CA02
4M118CA22
4M118FA27
4M118FA28
4M118GA09
4M118GB03
4M118GB07
4M118GB11
4M118GC08
4M118GC20
4M118GD04
4M118GD07
(57)【要約】
【課題】 ハイブリッド層を含む固体撮像素子を提供する。
【解決手段】 第1の光電変換素子と少なくとも1つの第2の光電変換素子とを有する半導体基板、前記第1の光電変換素子と前記少なくとも1つの第2の光電変換素子との間に配置された分離構造、前記半導体基板上に配置され、前記第1の光電変換素子に対応する第1のカラーフィルタセグメントと、前記少なくとも1つの第2の光電変換素子に対応する第2のカラーフィルタセグメントとを有するカラーフィルタ層、および前記半導体基板と前記カラーフィルタ層との間に配置され、前記分離構造に対応するように配置された第1のパーティション構造と、前記第1のパーティション構造に囲まれた第2のパーティション構造と、前記第1のパーティション構造と前記第2のパーティション構造の透明層とを含むハイブリッド層を含み、前記第1のパーティション構造の屈折率および前記第2のパーティション構造の屈折率は、前記透明層の屈折率より低い固体撮像素子。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の光電変換素子と少なくとも1つの第2の光電変換素子とを有する半導体基板、
前記第1の光電変換素子と前記少なくとも1つの第2の光電変換素子との間に配置された分離構造、
前記半導体基板上に配置され、前記第1の光電変換素子に対応する第1のカラーフィルタセグメントと、前記少なくとも1つの第2の光電変換素子に対応する第2のカラーフィルタセグメントとを有するカラーフィルタ層、および
前記半導体基板と前記カラーフィルタ層との間に配置され、前記分離構造に対応するように配置された第1のパーティション構造と、前記第1のパーティション構造に囲まれた第2のパーティション構造と、前記第1のパーティション構造と前記第2のパーティション構造の間に位置する透明層とを含むハイブリッド層を含み、
前記第1のパーティション構造の屈折率および前記第2のパーティション構造の屈折率は、前記透明層の屈折率より低い固体撮像素子。
【請求項2】
前記第2のパーティション構造の高さは、前記第1のパーティション構造の高さより低く、
前記ハイブリッド層の上面から見たときに、前記第2のパーティション構造は、正方形、長方形、または2つの交差した長方形に形成される請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項3】
前記第1のパーティション構造は第1のパーティションセグメントを含み、前記第2のパーティション構造は第2のパーティションセグメントを含み、
前記固体撮像素子の断面から見たときに、各前記第1のパーティションセグメントおよび各前記第2のパーティションセグメントは、異なる形状であり、各前記第1のパーティションセグメントは長方形に形成され、各前記第2のパーティションセグメントは三角形または半円形に形成される請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項4】
前記第2のパーティション構造は、前記第1のパーティション構造と直接接触している請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項5】
前記第2のパーティション構造の高さは、前記第1のパーティション構造の高さより高く、
前記第2のパーティション構造の一部は、前記第1のカラーフィルタセグメント内に配置される請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項6】
前記半導体基板は第2の光電変換素子を有し、
前記第2のパーティション構造は前記第1の光電変換素子または前記第2の光電変換素子に対応し、
前記第1のカラーフィルタセグメントおよび前記第2のカラーフィルタセグメントは、赤色カラーフィルタセグメント、緑色カラーフィルタセグメント、青色カラーフィルタセグメント、黄色カラーフィルタセグメント、白色カラーフィルタセグメント、シアン色カラーフィルタセグメント、マゼンタ色カラーフィルタセグメント、またはIR/NIRカラーフィルタセグメントを含み、
複数の前記第1のパーティション構造の高さは一定であり、複数の前記第2のパーティション構造の高さは互いに異なり、
前記第1のカラーフィルタセグメントに対応する前記第2のパーティション構造の高さは、前記第2のカラーフィルタセグメントに対応する前記第2のパーティション構造の高さと異なる請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項7】
固体撮像素子は、前記カラーフィルタ層上に配置された集光構造をさらに含み、
前記集光構造は、前記第1の光電変換素子に対応する第1のマイクロレンズ、および前記少なくとも1つの第2の光電変換素子に対応する第2のマイクロレンズを含み、
前記第1のマイクロレンズは、m×nの第1の光電変換素子に対応し、mおよびnは正の整数である請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項8】
前記第1のパーティション構造は、前記固体撮像素子の端部領域において前記分離構造に対してシフトさせた構造である、請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項9】
前記第1のパーティション構造の底部に配置された金属グリッドをさらに含む請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項10】
前記透明層の屈折率は1.0より大きく、
前記第1のパーティション構造の屈折率と前記第2のパーティション構造の前記屈折率は異なり、
前記ハイブリッド層の厚さは、0.01μm~2.0μmの範囲である請求項1に記載の固体撮像素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンサに関するものであり、特に、ハイブリッド層を含む固体撮像素子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
固体撮像素子(例えば、電荷結合素子(CCD)イメージセンサ、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサなど)は、デジタル静止画カメラ、デジタルビデオカメラなどの様々な撮像装置に広く用いられている。固体撮像素子の光検知部は、複数の画素のそれぞれに形成され、信号電荷が光検知部で受光した受光量に応じて発生される。また、光検知部で発生した信号電荷が伝達されて増幅されることにより、画像信号が得られる。
【0003】
固体撮像素子では、異なる波長を有する光が半導体基板の異なる深さで吸収されることがある。しかしながら、斜め入射光が固体撮像素子に入射すると、同じ色を吸収するように形成された2つの隣接する光電変換素子でエネルギーの不均衡を起こす可能性がある。従って、固体撮像素子の設計と製造には、依然としてさまざまな課題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ハイブリッド層を含む固体撮像素子を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のいくつかの実施形態では、固体撮像素子は、半導体基板とカラーフィルタ層との間に配置されたハイブリッド層を含み、これはカラーフィルタ層(カラーフィルタセグメント)からの光の分離を助け、これにより光電変換素子の感度の均一性を向上させ、固体撮像素子の光電変換素子からの画像信号の品質を向上させることができる。
【0006】
本開示のいくつかの実施形態によれば、固体撮像素子が提供される。固体撮像素子は、第1の光電変換素子と少なくとも1つの第2の光電変換素子とを有する半導体基板を含む。固体撮像素子は、第1の光電変換素子と第2の光電変換素子との間に配置された分離構造も含む。固体撮像素子は、半導体基板上に配置され、第1の光電変換素子に対応する第1のカラーフィルタセグメントと、第2の光電変換素子に対応する第2のカラーフィルタセグメントとを有するカラーフィルタ層をさらに含む。また、固体撮像素子は、半導体基板とカラーフィルタ層との間に配置されたハイブリッド層も含む。ハイブリッド層は、分離構造に対応するように配置された第1のパーティション構造を含む。ハイブリッド層は、第1のパーティション構造に囲まれた第2のパーティション構造も含む。ハイブリッド層は、第1のパーティション構造と第2のパーティション構造の間に位置する透明層をさらに含む。第1のパーティション構造の屈折率および第2のパーティション構造の屈折率は、透明層の屈折率よりも低い。
【0007】
いくつかの実施形態では、第2のパーティション構造の高さは、第1のパーティション構造の高さより低い。
【0008】
いくつかの実施形態では、固体撮像素子の断面から見たときに、第1のパーティション構造は第1のパーティションセグメントを含み、第2のパーティション構造は第2のパーティションセグメントを含み、各第1のパーティションセグメントおよび各第2のパーティションセグメントは、
異なる形状を有する。
【0009】
いくつかの実施形態では、各第1のパーティションセグメントは長方形に形成され、各第2のパーティションセグメントは三角形または半円形に形成される。
【0010】
いくつかの実施形態では、ハイブリッド層の上面から見たときに、第2のパーティション構造は、正方形、長方形、または2つの交差した長方形に形成される。
【0011】
いくつかの実施形態では、第2のパーティション構造は、第1のパーティション構造と直接接触している。
【0012】
いくつかの実施形態では、第2のパーティション構造の高さは、第1のパーティション構造の高さより高い。
【0013】
いくつかの実施形態では、第2のパーティション構造の一部は、第1のカラーフィルタセグメント内に配置される。
【0014】
いくつかの実施形態では、半導体基板は第2の光電変換素子を有し、第2のパーティション構造は第1の光電変換素子または第2の光電変換素子に対応する。
【0015】
いくつかの実施形態では、第1のカラーフィルタセグメントおよび第2のカラーフィルタセグメントは、赤色カラーフィルタセグメント、緑色カラーフィルタセグメント、青色カラーフィルタセグメント、黄色カラーフィルタセグメント、白色カラーフィルタセグメント、シアン色カラーフィルタセグメント、マゼンタ色カラーフィルタセグメント、またはIR/NIRカラーフィルタセグメントを含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、第1のパーティション構造の高さは一定であり、第2のパーティション構造の高さは可変、即ち、互いに異なる構造である。
【0017】
いくつかの実施形態では、第1のカラーフィルタセグメントに対応する第2のパーティション構造の高さは、第2のカラーフィルタセグメントに対応する第2のパーティション構造の高さと異なる。
【0018】
いくつかの実施形態では、固体撮像素子は、カラーフィルタ層上に配置された集光構造をさらに含む。集光構造は、第1の光電変換素子に対応する第1のマイクロレンズ、および第2の光電変換素子に対応する第2のマイクロレンズを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、第1のマイクロレンズは、m×nの第1の光電変換素子に対応し、mおよびnは正の整数である。
【0020】
いくつかの実施形態では、第2のマイクロレンズは、1つの第2の光電変換素子に対応する。
【0021】
いくつかの実施形態では、第1のパーティション構造は、固体撮像素子の端部領域において分離構造に対してシフトを有する。
【0022】
いくつかの実施形態では、固体撮像素子は、第1のパーティション構造の底部に配置された金属グリッドをさらに含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、透明層の屈折率は1.0より大きい。
【0024】
いくつかの実施形態では、第1のパーティション構造の屈折率と第2のパーティション構造の屈折率は異なる。
【0025】
いくつかの実施形態では、ハイブリッド層の厚さは、0.01μm~2.0μmの範囲である。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、光電変換素子の感度の均一性を改善し、像信号の品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1A】
図1Aは、本開示のいくつかの実施形態による固体撮像素子の一部を示す断面図である。
【
図1B】
図1Bは、本開示のいくつかの実施形態による固体撮像素子の一部を示す断面図である。
【
図2】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による固体撮像素子のもう一部を示す断面図である。
【
図3A】
図3Aは、本開示の一実施形態によるハイブリッド層を示す部分上面図である。
【
図3B】
図3Bは、本開示のもう一つの実施形態によるハイブリッド層を示す部分上面図である。
【
図3C】
図3Cは、本開示のまたもう一つの実施形態によるハイブリッド層を示す部分上面図である。
【
図4】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による固体撮像素子の一部を示す断面図である。
【
図5】
図5は、本開示のいくつかの実施形態による固体撮像素子のもう一部を示す断面図である。
【
図6】
図6は、本開示のいくつかの実施形態による固体撮像素子の一部を示す断面図である。
【
図7】
図7は、本開示のいくつかの他の実施形態による固体撮像素子の一部を示す断面図である。
【
図8】
図8は、本開示のいくつかの実施形態による固体撮像素子の一部を示す断面図である。
【
図9】
図9は、本開示のいくつかの実施形態による固体撮像素子の一部を示す断面図である。
【
図10】
図10は、本開示のいくつかの実施形態による固体撮像素子の一部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次の開示では、異なる特徴を実施するために、多くの異なる実施形態または実施例を提供する。本開示を簡潔に説明するために、複数の要素および複数の配列の特定の実施形態が以下に述べられる。これらはもちろん単に例示するためであり、それに限定するという意図はない。例えば、下記の開示において、第1の特徴が第2の特徴の上に形成されるということは、第1と第2の特徴が直接接触して形成される複数の実施形態を含むことができ、且つ第1と第2の特徴が直接接触しないように、付加的な特徴が第1と第2の特徴間に形成される複数の実施形態を含むこともできる。
【0029】
追加のステップが、例示された方法の前、間、または後に実施されてもよく、例示された方法のその他の実施形態では、いくつかのステップが置き換えられるか、または省略されてもよい。
【0030】
さらに、「下の方」、「下方」、「下部」、「上」、「上方」、「上部」およびこれらに類する語のような、空間的に相対的な用語は、図において1つの要素または特徴の、別の(複数の)要素と(複数の)特徴との関係を記述するための説明を簡潔にするために用いられる。空間的に相対的な用語は、図に記載された方向に加えて、使用または操作する装置の異なる方向を包含することを意図している。装置は、他に方向づけされてもよく(90度回転、または他の方向に)、ここで用いられる空間的に相対的な記述は、同様にそれに応じて解釈され得る。
【0031】
本開示では、「約」、「およそ」、および「実質的に」という用語は、一般的に、記載されている値の+/-20%を意味し、より一般的に、記載されている値の+/-10%を意味し、より一般的に、記載されている値の+/-5%を意味し、より一般的に、記載されている値の+/-3%を意味し、より一般的に、記載されている値の+/-2%を意味し、より一般的に、記載されている値の+/-1%を意味し、さらにより一般的に、記載されている値の+/-0.5%を意味する。本開示で記載されている値は、近似値である。即ち、「約」、「およそ」、および「実質的に」という用語の具体的な説明がないとき、記載されている値は、「約」、「およそ」、および「実質的に」の意味を含む。
【0032】
特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術的及び科学的用語を含む)は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。さらに、一般的に使用される辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈における意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されていない限り、理想化された又は過度に形式的な意味で解釈されない。
【0033】
本開示は、以下の実施形態において同じ構成要素の符号または文字を繰り返し用いる可能性がある。繰り返し用いる目的は、簡易化した、明確な説明を提供するためのもので、説明される様々な実施形態および/または構成の関係を限定するものではない。
【0034】
図1Aおよび
図1Bは、本開示のいくつかの実施形態による固体撮像素子100の一部を示す断面図である。
図2は、本開示のいくつかの実施形態による固体撮像素子100のもう一部を示す断面図である。例えば、
図1Aおよび
図1Bは、中央領域にある固体撮像素子100の断面図を示しており、
図2は、中央領域を囲む端部領域にある固体撮像素子100の断面図を示しているが、本開示はそれらに限定されない。簡略化のため、
図1A、
図1B、および
図2では、固体撮像素子100の一部の構成要素が省略されることとしてもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、固体撮像素子10は、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)画像センサまたは電荷結合素子(CCD)画像センサであるが、本開示はそれらに限定されない。
【0036】
図1A、
図1B、および
図2に示すように、固体撮像素子100は、半導体基板10を含む。いくつかの実施形態では、半導体基板10は、ウェハまたはチップである。例えば、半導体基板10はシリコンを含んでもよいが、本開示はそれに限定されない。
図1A、
図1B、および
図2に示されるように、半導体基板10は、第1の光電変換素子11および第2の光電変換素子13を有することができる。いくつかの実施形態では、第1の光電変換素子11および第2の光電変換素子13は、異なる色を受光するフォトダイオードである。例えば、第1の光電変換素子11は緑色光を受光するように用いられ、第2の光電変換素子13は赤色光を受光するように用いられることができるが、本開示はそれらに限定されない。いくつかの他の実施形態では、第1の光電変換素子11および第2の光電変換素子13は、同じ色を受光するフォトダイオードであってもよい。例えば、第1の光電変換素子11と第2の光電変換素子13の両方が位相検出オートフォーカス(PDAF)機能用に緑色光を受光するように用いられてもよい。
【0037】
図1A、
図1B、および
図2に示すように、固体撮像素子100は、第1の光電変換素子11と第2の光電変換素子13の間に配置された分離構造15を含む。いくつかの実施形態では、分離構造15は、シャロートレンチアイソレーション(STI)またはディープトレンチアイソレーション(DTI)を含んでもよい。例えば、分離構造15は、エッチングプロセスを用いて半導体基板10内にトレンチを形成し、トレンチに絶縁材料または誘電体材料を充填するように形成されることができるが、本開示はそれに限定されない。
【0038】
図1Aおよび
図2に示されるように、分離構造15は、第1の光電変換素子11と第2の光電変換素子13とを分離することができる。即ち、半導体基板10内の第1の光電変換素子11および第2の光電変換素子13は、分離構造15によって互いに分離されてもよいが、本開示はそれに限定されない。
【0039】
図1Bに示されるように、分離構造15は、複数の第1の光電変換素子11の間に配置されてもよい。即ち、分離構造15は、複数の第1の光電変換素子11を互いから分離することができる。または、分離構造15は、複数の第2の光電変換素子13の間に配置されてもよい。即ち、分離構造15は、複数の第2の光電変換素子13を互いから分離することができる。
【0040】
図1A、
図1B、および
図2に示すように、固体撮像素子100は、半導体基板10の上に配置されたカラーフィルタ層20を含む。いくつかの実施形態では、
図1A、
図1B、および
図2に示されるように、カラーフィルタ層20は、第1の光電変換素子11に対応する緑色カラーフィルタセグメント20SGと、第2の光電変換素子13に対応する赤色カラーフィルタセグメント20SRとを有することができるが、本開示はそれらに限定されない。
【0041】
いくつかの実施形態では、カラーフィルタ層20は、青色カラーフィルタセグメント、黄色カラーフィルタセグメント、白色カラーフィルタセグメント、シアン色カラーフィルタセグメント、マゼンタ色カラーフィルタセグメント、IR/NIRカラーフィルタセグメント、または、第1の光電変換素子11または第2の光電変換素子13に対応する他の適用可能なカラーフィルタセグメントを有してもよい。例えば、カラーフィルタ層20のいくつかのカラーフィルタセグメントは、赤色、緑色、および青色の1つに対応し、カラーフィルタ層20の他のカラーフィルタセグメントは、赤色、緑色、および青色の他に対応することができるが、本開示は、それらに限定されない。
【0042】
図1A、
図1B、および
図2に示すように、固体撮像素子100は、半導体基板10とカラーフィルタ層20との間に配置されたハイブリッド層30を含む。特に、ハイブリッド層30は、第1のパーティション構造31、第2のパーティション構造33、および透明層32を含む。
図1A、
図1B、および
図2に示されるように、第1のパーティション構造31は、それが分離構造15に対応するように配置されることができ、第2のパーティション構造33は、第1の光電変換素子11または第2の光電変換素子13に対応することができ、透明層32は、第1のパーティション構造31と第2のパーティション構造33との間に配置されることができるが、本開示はそれに限定されない。
図1A及び
図2の例では、第2のパーティション構造33は第1の光電変換素子11の上側(Z軸に沿う方向の上側)と第2の光電変換素子13の上側にそれぞれ配置されている。
図1Bの例では、第2のパーティション構造33は、複数の第1の光電変換素子11の間を隔てる分離構造15の上側、及び、複数の第2の光電変換素子13の間を隔てる分離構造15の上側にそれぞれ配置されている。
【0043】
本開示の実施形態では、第1のパーティション構造31の屈折率および第2の仕切り構造33の屈折率は、透明層32の屈折率よりも低い。例えば、第1のパーティション構造31の屈折率および第2のパーティション構造33の屈折率は、約1.0~約1.99の範囲であってもよく、透明層32の屈折率は、約1.0(例えば、約3.0)より大きくてもよいが、本開示はそれらに限定されない。
【0044】
いくつかの実施形態では、第1のパーティション構造31および/または第2のパーティション構造33は、半導体基板10上に誘電体層を堆積させ、次いでフォトリソグラフィおよびエッチングプロセスを用いて誘電体層をパターン化して第1のパーティション構造31および/または第2のパーティション構造33を形成することによって形成されることができるが、本発明はそれに限定されない。
【0045】
いくつかの実施形態において、第1のパーティション構造31の材料と第2のパーティション構造33の材料は同じであるが、本開示はこれに限定されない。いくつかの他の実施形態では、第1のパーティション構造31の材料と第2のパーティション構造33の材料は異なっていてもよい。即ち、第1のパーティション構造31の屈折率と第2のパーティション構造33の屈折率は異なっていてもよい。
【0046】
いくつかの実施形態では、透明層32は有機層であるが、本開示はそれに限定されない。いくつかの実施形態では、透明層32の材料は、ガラス、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリウレタン、任意の他の適用可能な材料、またはそれらの組み合わせを含むことができるが、本開示はそれらに限定されない。透明層32は、蒸着プロセスにより形成されることができる。
【0047】
図1A、
図1B、および
図2に示された実施形態では、第1のパーティション構造31および第2のパーティション構造33は、同じ高さを有することができるが、本開示はそれに限定されない。いくつかの実施形態では、
図1Aおよび
図1Bに示されるように、ハイブリッド層30の厚さTは、約0.01μm~約2.0μmの範囲である。即ち、第1のパーティション構造31の高さおよび第2のパーティション構造33の高さは、約0.01μm~約2.0μmの範囲であるが、本開示はそれに限定されない。
【0048】
いくつかの実施形態では、固体撮像素子100の構造は、固体撮像素子100の端部領域にシフトを有することができる。例えば、
図2に示されるように、第1のパーティション構造31は、固体撮像素子100の端部領域において、分離構造15に対してシフトSを有することができる。言い換えれば、
図2に示される断面図では、第1のパーティション構造31の中心軸C2と分離構造15の中心軸C1との間の距離は、シフトSであることができるが、本開示はそれに限定されない。中心軸C1は、半導体基板10、カラーフィルタ層20、及びハイブリッド層30の積層方向を軸方向とし、分離構造15の上面の中心点を通る軸に相当する。ハイブリッド層30は、半導体基板10の積層面において、当該積層面に沿って(X軸方向に沿って)シフトS分ずれることで、第1のパーティション構造31が、分離構造15のうち、第1の光電変換素子11と第2の光電変換素子13とを隔てている部分に対して、シフトSの長さ分、X軸方向に沿ってずれている。
【0049】
また、
図2に示されるように、第2のパーティション構造33は、緑色カラーフィルタセグメント20SGの中心軸CGに対してシフトS1を有し、固体撮像素子100の端部領域において、赤色カラーフィルタセグメント20SRの中心軸CRに対してシフトS2を有することができる。言い換えれば、
図2に示された断面図では、第2パーティション構造33の中心軸C3と緑色カラーフィルタセグメント20SGの中心軸CGとの間の距離は、シフトS1であることができ、第2のパーティション構造33の中心軸C3と赤色カラーフィルタセグメント20SRの中心軸CRとの間の距離は、シフトS2であることができるが、本開示はそれらに限定されない。いくつかの実施形態では、シフトS1とシフトS2は異なってもよく、シフトS1とシフトS2の両方がシフトSと異なってもよいが、本開示はそれらに限定されない。
【0050】
同様に、
図2に示されるように、カラーフィルタ層20は、固体撮像素子100の端部領域において、分離構造15に対してシフトSを有してもよい。しかしながら、分離構造15に対するカラーフィルタ層20のシフトは、シフトSとは異なり、実際の必要に応じて調整されることができる。
【0051】
図1A、
図1B、および
図2に示されるように、入射光Lが固体撮像素子100に入射し、緑色カラーフィルタセグメント20SGまたは赤色カラーフィルタセグメント20SRを通過した後、それは、第2のパーティション構造33によって分離されることができ、それにより、第1の光電変換素子11および第2の光電変換素子13の感度の均一性を改善し、固体撮像素子100の第1の光電変換素子11および第2の光電変換素子13からの画像信号の品質を向上させることができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、
図1A、
図1B、および
図2に示されるように、固体撮像素子100は、半導体基板10上に配置された金属グリッド50を含んでもよい。特に、金属グリッド50は、第1のパーティション構造31の底部に配置される。いくつかの実施形態では、金属グリッド50の材料は、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、金属窒化物(例えば、窒化チタン(TiN))、他の適切な材料、またはそれらの組み合わせを含むことができるが、本開示は、それらに限定されない。金属グリッド50は、半導体基板10上に金属層を堆積させ、次いでフォトリソグラフィおよびエッチングプロセスを用いて金属層をパターン化して金属グリッド50を形成することによって形成されることができるが、本開示はそれに限定されない。
【0053】
いくつかの実施形態では、
図1A、
図1B、および
図2に示されるように、固体撮像素子100は、カラーフィルタ層20上に配置された集光構造40をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、集光構造40は、入射光Lを集光するように使われることができる。いくつかの実施形態では、集光構造40の材料は、透明層32の材料と同じまたは類似していてもよい。例えば、集光構造40の材料は、ガラス、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン、任意の他の適用可能な材料、またはそれらの組み合わせを含むことができるが、本開示はそれらに限定されない。いくつかの実施形態では、集光構造40は、フォトレジストリフロー法、ホットエンボス法、任意の他の適用可能な方法、またはそれらの組み合わせによって形成されることができる。いくつかの実施形態では、集光構造40を形成するステップは、スピンコーティングプロセス、リソグラフィプロセス、エッチングプロセス、任意の他の適用可能なプロセス、またはそれらの組み合わせを含むことができるが、本開示はそれらに限定されない。
【0054】
いくつかの実施形態では、
図1A、
図1B、および
図2に示されるように、集光構造40は、第1の光電変換素子11および第2の光電変換素子13に対応するマイクロレンズ40mを含むことができる。例えば、各マイクロレンズ40mは、4個(2×2)の第1の光電変換素子11または4個(2×2)の第2の光電変換素子13に対応することができるが、本開示はそれらに限定されない。いくつかの実施形態では、マイクロレンズ40mは、m×n個の第1の光電変換素子11またはm×n個の第2の光電変換素子13に対応することができ、mおよびnは正の整数であるが、本開示はそれらに限定されない。いくつかの他の実施形態では、マイクロレンズ40mは、1つの第2の光電変換素子13に対応してもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、マイクロレンズ40mは、半凸レンズまたは凸レンズであることができるが、本開示はそれに限定されない。いくつかの他の実施形態では、集光構造40は、マイクロピラミッド構造(例えば、円錐、四角錐など)であってもよく、またはマイクロ台形(micro-trapezoidal)構造(例えば、平頂円錐、平頂四角錐など)であってもよい。あるいは、集光構造40は、屈折率勾配(gradient-index)構造であってもよい。
【0056】
同様に、
図2に示されるように、集光構造40は、固体撮像素子100の端部領域において、カラーフィルタ層20に対してシフトSを有してもよい。しかしながら、カラーフィルタ層20に対する集光構造40のシフトは、シフトSとは異なり、実際の必要に応じて調整されることができる。
【0057】
図3Aは、本開示の一実施形態によるハイブリッド層30を示す部分上面図である。
図3Bは、本開示のもう一つの実施形態によるハイブリッド層30を示す部分上面図である。
図3Cは、本開示のまたもう一つの実施形態によるハイブリッド層30を示す部分上面図である。例えば、
図1A、
図1B、および
図2は、
図3A、
図3B、または
図3CのA-A’線に沿ったハイブリッド層30の部分断面図を含んでいてもよいが、本開示はそれに限定されない。
【0058】
図3A~
図3Cに示すように、第2のパーティション構造33は、第1のパーティション構造31に囲まれている。いくつかの実施形態では、
図3Aに示されるように、ハイブリッド層30の上面から見たときに、第2のパーティション構造33は、第1のパーティション構造31から分離された正方形に(第2のパーティション構造33を上面から見たときの形状が正方形になるように)形成されることができるが、本開示はそれに限定されない。
【0059】
いくつかの実施形態では、
図3Bに示されるように、ハイブリッド層30の上面から見たときに、第2のパーティション構造33は、第1のパーティション構造31に接続された長方形(第2のパーティション構造33を上面から見たときの形状が長方形になるように)に形成されることができる。即ち、第2のパーティション構造33は、第1のパーティション構造31と直接接触することができるが、本開示はそれに限定されない。
【0060】
いくつかの実施形態では、
図3Cに示されるように、ハイブリッド層30の上面から見たときに、第2のパーティション構造33は、第1のパーティション構造31に両方とも接続された2つの交差した長方形に形成されることができる。即ち、第2のパーティション構造33は、第1のパーティション構造31と直接接触することができるが、本開示はそれに限定されない。
【0061】
いくつかの他の実施形態では、ハイブリッド層30の上面から見たときに、第2のパーティション構造33は、第1のパーティション構造31から分離または接続される他の多角形に形成されることができる。
【0062】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による固体撮像素子102の一部を示す断面図である。
図5は、本開示のいくつかの実施形態による固体撮像素子102のもう一部を示す断面図である。例えば、
図4は、中央領域にある固体撮像素子102の断面図を示しており、
図5は、中央領域を囲む端部領域にある固体撮像素子102の断面図を示しているが、本開示はそれらに限定されない。簡略化のため、
図4および
図5では、固体撮像素子102の一部の構成要素が省略されることとしてもよい。
【0063】
図4および
図5に示された固体撮像素子102は、
図1Aおよび
図2に示された固体撮像素子100と同様の構造を有する。
図1Aおよび
図2に示された固体撮像素子100との相違点の1つは、
図4および
図5に示された固体撮像素子102の第1のパーティション構造31および第2のパーティション構造34が異なる高さを有することを含んでもよいことである。特に、第2のパーティション構造34の高さT2は、第1のパーティション構造31の高さT1より低いことができるが、本開示はそれに限定されない。
【0064】
同様に、
図5に示されるように、第1のパーティション構造31は、固体撮像素子102の端部領域において、分離構造15に対してシフトSを有することができる。言い換えれば、
図5に示された断面図では、第1のパーティション構造31の中心軸C2と分離構造15の中心軸C1との間の距離は、シフトSであることができるが、本開示はそれに限定されない。
【0065】
また、
図5に示されるように、第2のパーティション構造34は、固体撮像素子102の端部領域において、緑色カラーフィルタセグメント20SGの中心軸CGに対してシフトS1を有し、赤色カラーフィルタセグメント20SRの中心軸CRに対してシフトS2を有することができる。言い換えれば、
図5に示された断面図では、第2のパーティション構造34の中心軸C3と緑色カラーフィルタセグメント20SGの中心軸CGとの間の距離は、シフトS1であることができ、第2のパーティション構造34の中心軸C3と赤色カラーフィルタセグメント20SRの中心軸CRとの間の距離は、シフトS2であることができるが、本発明はそれらに限定されない。いくつかの実施形態では、シフトS1とシフトS2は異なってもよく、シフトS1とシフトS2の両方がシフトSと異なってもよいが、本開示はそれらに限定されない。
【0066】
図1Aおよび
図2に示された実施形態のような上述の実施形態では、固体撮像素子100の断面から見たときに、第1のパーティション構造31は第1のパーティションセグメント31Sに分割され、第2のパーティション構造33は第2のパーティションセグメント33Sに分割され、各第1のパーティションセグメント31Sおよび各第2のパーティションセグメント33Sは、同じ形状(例えば、長方形)を有することができるが、本開示はそれに限定されない。
【0067】
図6は、本開示のいくつかの実施形態による固体撮像素子104の一部を示す断面図である。
図7は、本開示のいくつかの他の実施形態による固体撮像素子の一部を示す断面図である。
【0068】
図6に示されるように、固体撮像素子104の断面では、第1のパーティション構造31の各第1のパーティションセグメント31Sは、長方形に形成されることができ、第2のパーティション構造35の各第2のパーティションセグメント35Sは、三角形に形成されることができるが、本開示はそれらに限定されない。
【0069】
図7に示されるように、固体撮像素子106の断面では、第1のパーティション構造31の各第1のパーティションセグメント31Sは、長方形に形成されることができ、第2のパーティション構造36の各第2のパーティションセグメント36Sは、半円形に形成されることができるが、本開示はそれらに限定されない。いくつかの実施形態では、第1のパーティションセグメントの形状または第2のパーティションセグメントの形状は、実際の必要に応じて調整されることができる他の適切な形状であってもよい。
【0070】
図8は、本開示のいくつかの実施形態による固体撮像素子108の一部を示す断面図である。
図8に示された固体撮像素子108は、
図1Aおよび
図2に示された固体撮像素子100と同様の構造を有する。
図1Aおよび
図2に示された固体撮像素子100との相違点の1つは、
図8に示された固体撮像素子108の第1のパーティション構造31および第2のパーティション構造37が異なる高さを有することを含んでもよいことである。特に、第2のパーティション構造37の高さT2’は、第1のパーティション構造31の高さT1より高いことができるが、本開示はそれに限定されない。
【0071】
いくつかの実施形態では、
図8に示されるように、第2のパーティション構造37の一部はカラーフィルタ層20内に配置されてもよい。より詳細には、第2のパーティション構造37の一部は、緑色カラーフィルタセグメント20SGおよび赤色カラーフィルタセグメント20SR内に配置されることができるが、本開示はそれらに限定されない。いくつかの他の実施形態では、第2のパーティション構造37の一部は、カラーフィルタ層20の他のカラーセグメント内に配置されてもよい。
【0072】
図9は、本開示のいくつかの実施形態による固体撮像素子110の一部を示す断面図である。
図9に示された固体撮像素子110は、
図1Aおよび
図2に示された固体撮像素子100と同様の構造を有する。
図1Aおよび
図2に示された固体撮像素子100との相違点の1つは、カラーフィルタ層20が青色カラーフィルタセグメント20SBをさらに有することを含んでもよいことである。
【0073】
また、本実施形態では、第1のパーティション構造31の高さは一定であることができ、第2のパーティション構造38の高さは可変、即ち、互いに異なる高さであることができる。例えば、
図9に示すように、第1のパーティション構造31の第1のパーティションセグメント31Sの高さT1は、第2のパーティション構造38の第2のパーティションセグメント38S-1の高さT2-1と等しくてもよく、第2のパーティション構造38の第2のパーティションセグメント38S-1の高さT2-1(緑色カラーフィルタセグメント20SGに対応する)は、第2のパーティション構造38の第2のパーティションセグメント38S-2の高さT2-2(赤色カラーフィルタセグメント20SRに対応する)より低く、且つ第2のパーティション構造38の第2のパーティションセグメント38S-3の高さT2-3(青色カラーフィルタセグメント20SBに対応する)より高くてもよいが、本開示はそれらに限定されない。
【0074】
図10は、本開示のいくつかの実施形態による固体撮像素子112の一部を示す断面図である。
図10に示された固体撮像素子112は、
図1Aおよび
図2に示された固体撮像素子100と同様の構造を有する。
図1Aおよび
図2に示された固体撮像素子100との相違点の1つは、集光構造40’が第1の光電変換素子11に対応する第1のマイクロレンズ40m、および第2の光電変換素子13に対応する第2のマイクロレンズ40m’を含んでもよいことである。
【0075】
図10に示されるように、第1のマイクロレンズ40mは、少なくとも2つ(即ち、2つ以上)の第1の光電変換素子11に対応することができ、各第2のマイクロレンズ40m’は、1つの第2の光電変換素子13に対応することができるが、本開示は、それらに限定されない。第1のマイクロレンズ40mの数または第2のマイクロレンズ40m’の数は、
図10に示された実施形態に限定されるものではなく、実際の必要に応じて調整されることができる。
【0076】
要約すると、本開示の実施形態による固体撮像素子は、半導体基板とカラーフィルタ層との間に配置されたハイブリッド層を含み、これはカラーフィルタ層(カラーフィルタセグメント)からの光の分離を助け、これにより光電変換素子の感度の均一性を向上させ、固体撮像素子の光電変換素子からの画像信号の品質を向上させることができる。
【0077】
上述の内容は、当業者が本開示の態様をよりよく理解できるように、いくつかの実施形態の特徴を概説している。当業者は、同じ目的を実行するため、および/または本明細書に導入される実施形態の同じ利点を達成するための他のプロセスおよび構造を設計または修正するための基礎として本開示を容易に使用できることを理解できる。当業者はまた、そのような同等の構造が本開示の精神および範囲から逸脱せず、且つそれらは、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書で様々な変更、置換、および代替を行うことができることを理解するべきである。従って、保護の範囲は請求項を通じて決定される必要がある。さらに、本開示のいくつかの実施形態が上記に開示されているが、それらは、本開示の範囲を限定することを意図していない。
【0078】
本明細書全体にわたる特徴、利点、または同様の用語への言及は、本開示で実現され得る全ての特徴および利点が、本開示の任意の単一の実施形態で実現されるべきまたは実現され得ることを意味するのではない。むしろ、特徴および利点に言及する用語は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、利点、または特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味すると理解される。従って、本明細書全体にわたる特徴および利点、ならびに類似の用語の議論は、必ずしもそうではないが、同じ実施形態を指すことがある。
【0079】
さらに、1つまたは複数の実施形態では、本開示の説明された特徴、利点、および特性は、任意の適切な方法で組み合わせることとしてもよい。当業者は、本明細書の説明に基づいて、特定の実施形態の1つまたは複数の特定の特徴または利点なしに本開示を実施できることを認識するであろう。他の例では、本開示の全ての実施形態に存在しない可能性がある、追加の特徴および利点が特定の実施形態において認識され得る。
【符号の説明】
【0080】
100、102、104、106、108、110、112 固体撮像素子
10 半導体基板
11 第1の光電変換素子
13 第2の光電変換素子
15 分離構造
20 カラーフィルタ層
20SB 青色カラーフィルタセグメント
20SG 緑色カラーフィルタセグメント
20SR 赤色カラーフィルタセグメント
30 ハイブリッド層
31 第1のパーティション構造
31S 第1のパーティションセグメント
32 透明層
33、34、35、36、37、38 第2のパーティション構造
33S、35S、36S、38S-1、38S-2、38S-3 第2のパーティションセグメント
40 集光構造
40m、40m’ マイクロレンズ
50 金属グリッド
A-A’ 線
C1、C2、C3、CG、CR 中心軸
L 入射光
S、S1、S2 シフト
T 厚さ
T1、T2、T2’、T2-1、T2-2、T2-3 高さ
X、Y、Z 座標軸
【手続補正書】
【提出日】2022-07-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の光電変換素子と第2の光電変換素子とを有する半導体基板、
前記第1の光電変換素子と前記第2の光電変換素子との間に配置され、複数の前記第1の光電変換素子の間、及び/又は、複数の前記第2の光電変換素子の間に配置される分離構造、
前記半導体基板上に配置され、前記第1の光電変換素子に対応する第1のカラーフィルタセグメントと、前記第2の光電変換素子に対応する第2のカラーフィルタセグメントとを有するカラーフィルタ層、および
前記半導体基板と前記カラーフィルタ層との間に配置され、前記第1の光電変換素子と前記第2の光電変換素子との間に配置された前記分離構造に対応するように配置された第1のパーティション構造と、前記第1のパーティション構造に囲まれた第2のパーティション構造と、前記第1のパーティション構造と前記第2のパーティション構造の間に位置する透明層とを含むハイブリッド層を含み、
前記第1のパーティション構造の屈折率および前記第2のパーティション構造の屈折率は、前記透明層の屈折率より低く、
前記第2のパーティション構造は、前記複数の前記第1の光電変換素子の間を分離する前記分離構造、及び/又は、前記複数の前記第2の光電変換素子の間を分離する前記分離構造の上に配置される固体撮像素子。
【請求項2】
前記第2のパーティション構造の高さは、前記第1のパーティション構造の高さより低く、
前記ハイブリッド層の上面から見たときに、前記第2のパーティション構造は、正方形、長方形、または2つの交差した長方形に形成される請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項3】
第1の光電変換素子と少なくとも1つの第2の光電変換素子とを有する半導体基板、
前記第1の光電変換素子と前記少なくとも1つの第2の光電変換素子との間に配置された分離構造、
前記半導体基板上に配置され、前記第1の光電変換素子に対応する第1のカラーフィルタセグメントと、前記少なくとも1つの第2の光電変換素子に対応する第2のカラーフィルタセグメントとを有するカラーフィルタ層、および
前記半導体基板と前記カラーフィルタ層との間に配置され、前記分離構造に対応するように配置された第1のパーティション構造と、前記第1のパーティション構造に囲まれた第2のパーティション構造と、前記第1のパーティション構造と前記第2のパーティション構造の間に位置する透明層とを含むハイブリッド層を含み、
前記第1のパーティション構造の屈折率および前記第2のパーティション構造の屈折率は、前記透明層の屈折率より低く、
前記第1のパーティション構造は第1のパーティションセグメントを含み、前記第2のパーティション構造は第2のパーティションセグメントを含み、
固体撮像素子の断面から見たときに、各前記第1のパーティションセグメントおよび各前記第2のパーティションセグメントは、異なる形状であり、各前記第1のパーティションセグメントは長方形に形成され、各前記第2のパーティションセグメントは三角形または半円形に形成される固体撮像素子。
【請求項4】
前記第2のパーティション構造は、前記第1のパーティション構造と直接接触している請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項5】
第1の光電変換素子と少なくとも1つの第2の光電変換素子とを有する半導体基板、
前記第1の光電変換素子と前記少なくとも1つの第2の光電変換素子との間に配置された分離構造、
前記半導体基板上に配置され、前記第1の光電変換素子に対応する第1のカラーフィルタセグメントと、前記少なくとも1つの第2の光電変換素子に対応する第2のカラーフィルタセグメントとを有するカラーフィルタ層、および
前記半導体基板と前記カラーフィルタ層との間に配置され、前記分離構造に対応するように配置された第1のパーティション構造と、前記第1のパーティション構造に囲まれた第2のパーティション構造と、前記第1のパーティション構造と前記第2のパーティション構造の間に位置する透明層とを含むハイブリッド層を含み、
前記第1のパーティション構造の屈折率および前記第2のパーティション構造の屈折率は、前記透明層の屈折率より低く、
前記第2のパーティション構造の高さは、前記第1のパーティション構造の高さより高く、
前記第2のパーティション構造の一部は、前記第1のカラーフィルタセグメント内に配置される請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項6】
第1の光電変換素子と少なくとも1つの第2の光電変換素子とを有する半導体基板、
前記第1の光電変換素子と前記少なくとも1つの第2の光電変換素子との間に配置された分離構造、
前記半導体基板上に配置され、前記第1の光電変換素子に対応する第1のカラーフィルタセグメントと、前記少なくとも1つの第2の光電変換素子に対応する第2のカラーフィルタセグメントとを有するカラーフィルタ層、および
前記半導体基板と前記カラーフィルタ層との間に配置され、前記分離構造に対応するように配置された第1のパーティション構造と、前記第1のパーティション構造に囲まれた第2のパーティション構造と、前記第1のパーティション構造と前記第2のパーティション構造の間に位置する透明層とを含むハイブリッド層を含み、
前記第1のパーティション構造の屈折率および前記第2のパーティション構造の屈折率は、前記透明層の屈折率より低く、
前記半導体基板は第2の光電変換素子を有し、
前記第2のパーティション構造は前記第1の光電変換素子または前記第2の光電変換素子に対応し、
前記第1のカラーフィルタセグメントおよび前記第2のカラーフィルタセグメントは、赤色カラーフィルタセグメント、緑色カラーフィルタセグメント、青色カラーフィルタセグメント、黄色カラーフィルタセグメント、白色カラーフィルタセグメント、シアン色カラーフィルタセグメント、マゼンタ色カラーフィルタセグメント、またはIR/NIRカラーフィルタセグメントを含み、
複数の前記第1のパーティション構造の高さは一定であり、複数の前記第2のパーティション構造の高さは互いに異なり、
前記第1のカラーフィルタセグメントに対応する前記第2のパーティション構造の高さは、前記第2のカラーフィルタセグメントに対応する前記第2のパーティション構造の高さと異なる固体撮像素子。
【請求項7】
固体撮像素子は、前記カラーフィルタ層上に配置された集光構造をさらに含み、
前記集光構造は、前記第1の光電変換素子に対応する第1のマイクロレンズ、および前記第2の光電変換素子に対応する第2のマイクロレンズを含み、
前記第1のマイクロレンズは、m×nの第1の光電変換素子に対応し、mおよびnは正の整数である請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項8】
前記第1のパーティション構造は、前記固体撮像素子の端部領域において前記分離構造に対してシフトさせた構造である、請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項9】
前記第1のパーティション構造の底部に配置された金属グリッドをさらに含む請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項10】
前記透明層の屈折率は1.0より大きく、
前記第1のパーティション構造の屈折率と前記第2のパーティション構造の前記屈折率は異なり、
前記ハイブリッド層の厚さは、0.01μm~2.0μmの範囲である請求項1に記載の固体撮像素子。