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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022117944
(43)【公開日】2022-08-12
(54)【発明の名称】プリントヘッドの形成方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/16 20060101AFI20220804BHJP
   B41J 2/14 20060101ALI20220804BHJP
【FI】
B41J2/16 101
B41J2/14 607
B41J2/14 613
B41J2/14 611
B41J2/14 501
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022004494
(22)【出願日】2022-01-14
(31)【優先権主張番号】17/248,642
(32)【優先日】2021-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】000201113
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148460
【弁理士】
【氏名又は名称】小俣 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100168125
【弁理士】
【氏名又は名称】三藤 誠司
(72)【発明者】
【氏名】マーラ サード・マイケル エー.
(72)【発明者】
【氏名】ウィーバー・ショーン ティー.
【テーマコード(参考)】
2C057
【Fターム(参考)】
2C057AF93
2C057AG29
2C057AG33
2C057AG46
2C057AG81
2C057AP02
2C057AP13
2C057BA04
2C057BA13
(57)【要約】
【課題】ヒータチップの形成によるプリントヘッドの形成方法。
【解決手段】縁部を有するビア領域が、ビア領域の縁部全体に沿って形成されたヒータで基板上に定義される。各ヒータと電気接続されるトレースが形成される。ヒータチップが保管された後、ビア領域のサブセットであるビア領域の選択部分のみにビアが形成される。チャネル層が、ヒータチップ上に第1の層を形成することにより、ヒータチップ上に形成される。フローチャネルが、第1の層において、ビアから、ビア領域の選択部分に沿って設けられたヒータチップ上のヒータへと形成される。バブルチャンバが、第1の層において、ビア領域の選択部分に沿って設けられたヒータチップ上のヒータのみの周囲に形成される。ノズルプレートが、第1の層上に第2の層を形成し、ビア領域の選択部分に沿って設けられたヒータチップ上のヒータのみの上方にノズルを形成することにより、チャネル層上に形成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に縁部を有するビア領域を定義することと、
前記ビア領域の縁部全体に沿ってヒータを形成することと、
各前記ヒータと電気接続されるトレースを形成することと、
前記ヒータと前記トレースを形成した後に、前記ビア領域のサブセットを含む前記ビア領域の選択部分のみに、ビアを形成することと
によりヒータチップを形成するステップと、
前記ヒータチップ上に第1の層を形成することと、
前記第1の層において、前記ビアから、前記ビア領域の前記選択部分に沿って設けられた前記ヒータチップ上の前記ヒータのみへ、フローチャネルを形成することと、
前記第1の層において、前記ビア領域の前記選択部分に沿って設けられた前記ヒータチップ上の前記ヒータのみの周囲に、バブルチャンバを形成することと
により前記ヒータチップ上にチャネル層を形成するステップと、
前記第1の層上に第2の層を形成することと、
前記第2の層において、前記ビア領域の前記選択部分に沿って設けられた前記ヒータチップ上の前記ヒータのみの上方に、ノズルを形成することと
により前記チャネル層上にノズルプレートを形成するステップと
を含む、
プリントヘッドの形成方法。
【請求項2】
前記基板がシリコン基板を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ヒータと前記トレースが堆積金属を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ヒータチップにメモリ回路を形成することを更に含み、
前記メモリ回路が前記選択部分の構成に関する情報を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
3つの前記ビア領域が存在する、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
3つの前記ビア領域が存在し、2つの前記ビア領域のみが前記選択部分である、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
3つの前記ビア領域が存在し、前記ビア領域の端部のみが前記選択部分である、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
3つの前記ビア領域が存在し、2つの前記ビア領域の端部のみが前記選択部分である、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
3つの前記ビア領域が存在し、前記ビア領域の互い違いの対向端部のみが前記選択部分である、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
基板上に縁部を有するビア領域を定義することと、
前記ビア領域の縁部全体に沿ってヒータを形成することと、
各前記ヒータと電気接続されるトレースを形成することと、
前記ヒータチップをある期間保管することと、
前記ヒータチップを保管した後、前記ビア領域のサブセットを含む前記ビア領域の選択部分のみに、ビアを形成することと
によりヒータチップを形成するステップと、
前記ヒータチップ上に第1の層を形成することと、
前記第1の層において、前記ビアから、前記ビア領域の前記選択部分に沿って設けられた前記ヒータチップ上の前記ヒータのみへ、フローチャネルを形成することと、
前記第1の層において、前記ビア領域の前記選択部分に沿って設けられた前記ヒータチップ上の前記ヒータのみの周囲に、バブルチャンバを形成することと
により前記ヒータチップ上にチャネル層を形成するステップと、
前記第1の層上に第2の層を形成することと、
前記第2の層において、前記ビア領域の前記選択部分に沿って設けられた前記ヒータチップ上の前記ヒータのみの上方に、ノズルを形成することと
により前記チャネル層上にノズルプレートを形成するステップと
を含む、
プリントヘッドの形成方法。
【請求項11】
前記基板がシリコン基板を含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ヒータと前記トレースが堆積金属を含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記ヒータチップにメモリ回路を形成することを更に含み、
前記メモリ回路が前記選択部分の構成に関する情報を含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項14】
3つの前記ビア領域が存在する、
請求項10に記載の方法。
【請求項15】
3つの前記ビア領域が存在し、2つの前記ビア領域のみが前記選択部分である、
請求項10に記載の方法。
【請求項16】
3つの前記ビア領域が存在し、前記ビア領域の端部のみが前記選択部分である、
請求項10に記載の方法。
【請求項17】
3つの前記ビア領域が存在し、2つの前記ビア領域の端部のみが前記選択部分である、
請求項10に記載の方法。
【請求項18】
3つの前記ビア領域が存在し、前記ビア領域の互い違いの対向端部のみが前記選択部分である、
請求項10に記載の方法。
【請求項19】
シリコン基板上に縁部を有するビア領域を定義することと、
前記ビア領域の縁部全体に沿ってヒータを形成することと、
各前記ヒータと電気接続されるトレースを形成することと、
前記ヒータチップをある期間保管することと、
前記ヒータチップを保管した後、前記ビア領域のサブセットを含む前記ビア領域の選択部分のみに、ビアを形成することと
によりヒータチップを形成するステップと、
前記ヒータチップ上に第1の層を形成することと、
前記第1の層において、前記ビアから、前記ビア領域の前記選択部分に沿って設けられた前記ヒータチップ上の前記ヒータのみへ、フローチャネルを形成することと、
前記第1の層において、前記ビア領域の前記選択部分に沿って設けられた前記ヒータチップ上の前記ヒータのみの周囲に、バブルチャンバを形成することと
により前記ヒータチップ上にチャネル層を形成するステップと、
前記第1の層上に第2の層を形成することと、
前記第2の層において、前記ビア領域の前記選択部分に沿って設けられた前記ヒータチップ上の前記ヒータのみの上方に、ノズルを形成することと
により前記チャネル層上にノズルプレートを形成するステップと
を含む、
プリントヘッドの形成方法。
【請求項20】
前記ヒータと前記トレースが堆積金属を含む、
請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインクジェットプリントヘッドに関する。より具体的には、本発明はいくつかの異なるリザーバ構成に適応可能な構成変更可能なインクジェットプリントヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
サーマルインクジェット技術は、とりわけ、その基本形態がリザーバとプリントヘッドとを含むインクジェットカートリッジを用いる。リザーバは、カートリッジにより放出すべき流体を保持し、該流体はインクであり得るが他の流体でもあり得る。所与のカートリッジは、吐出すべき単一の流体を有する単一のリザーバのみを有し得る。ただし、他のカートリッジは吐出すべき6つの異なる流体を含む6つのリザーバを有し得る。
【0003】
プリントヘッドはリザーバと流体連通しており、いくつかの実施形態において、3つの主要な層を含む。第1の層はエレクトロニクス層であり、ときにはシリコンに形成され、度々CMOSヒータチップと呼ばれる。チップは、チップの一方側上のリザーバから流体を受け取り、チップに形成されたビアを介し、チップの他方側上に形成されたヒータへ流体を渡す。
【0004】
流体は、プリントヘッドの第2の層であるフローチャネル層によりビアからヒータへ案内される。該チャネル層は、チップのビアから、チップ上のヒータ周囲のフロー層に形成されたバブルチャンバへの流体チャネル又は流体経路を形成する。プリントヘッドの第3の主要層はノズル層であり、ノズル層はバブルチャンバ上方に形成されたノズル孔を含み、ノズル層を介して、流体はチップのヒータが通電されたときある種の基板(例えば紙)上に放出される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
インクジェット技術は多様な応用に用いられ、このためプリンタカートリッジは多様な構成及びオプションを要する傾向にある。例えば、いくつかは1つの流体を放出することを要し、他は複数の流体を放出することを要する。更に、流体をヒータチップへと案内するリザーバのポートの構成は応用によって異なる可能性がある。
【0006】
リザーバのこれら異なる構成は、プリントヘッドの異なる構成を要する傾向にある。所与のヒータチップのためにチャネル層及びノズル層の厚さや形状を変化させることが一般的であるが、異なるチップを要する改変は実装するのに比較的コストがかかる可能性がある。加えて、いくつかの応用は流体を放出するために異なる形状を要し、これには従来において異なるチップ設計をも要した。
【0007】
このため、少なくとも部分的にであっても上述したような問題を減らし易いプリントヘッド設計が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記及び他のニーズは、プリントヘッドの形成方法により、ヒータチップを形成することにより満たされる。縁部を有するビア領域が、ビア領域の縁部全体に沿って形成されたヒータと共に基板上に定義される。各ヒータに電気接続されるトレースが形成される。いくつかの実施形態において、ヒータチップは次いである期間、保管される。ヒータチップが保管された後、ビア領域のサブセットであるビア領域の選択部分のみに、ビアが形成される。ヒータチップ上に第1の層を形成することにより、チャネル層がヒータチップ上に形成される。第1の層において、ビアから、ビア領域の選択部分に沿って設けられたヒータチップ上のヒータのみへ、フローチャネルが形成される。第1の層において、ビア領域の選択部分に沿って設けられたヒータチップ上のヒータのみの周囲に、バブルチャンバが形成される。第1の層上に第2の層を形成することにより、ノズルプレートがチャネル層上に形成され、第2の層において、ビア領域の選択部分に沿って設けられたヒータチップ上のヒータのみの上方に、ノズルを形成する。
【0009】
このようにして、ヒータチップ上の全てのヒータ及びトレースは最終的なプリントヘッドにて用いられるわけではなく、換言すれば、これらヒータ及びトレースのうちのいくつかは無関係で無駄となる。しかし、全てのヒータ及びトレースを形成することは、用いられるフォトリソグラフィ工程及び堆積工程のため、これらの一部のみを形成するよりも材料を無駄にするということはなく、ここまで単一のマスクセット及び処理フローのみでプリントヘッドを製造することに関連付く利便性とコスト削減は有意義である。後の処理において、この基本ヒータチップは所望の特定の応用のためのプリントヘッドに構成される。
【0010】
様々な実施形態において、基板はシリコン基板である。いくつかの実施形態において、ヒータとトレースは堆積金属である。いくつかの実施形態はヒータチップに形成されたメモリ回路を含み、該メモリ回路は選択部分の構成に関する情報を含む。いくつかの実施形態において、3つのビア領域が存在する。いくつかの実施形態において、3つのビア領域が存在し、2つのビア領域のみが選択部分である。いくつかの実施形態において、3つのビア領域が存在し、ビア領域の端部のみが選択部分である。いくつかの実施形態において、3つのビア領域が存在し、2つのビア領域の端部のみが選択部分である。いくつかの実施形態において、3つのビア領域が存在し、ビア領域の互い違いの端部のみが選択部分である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の更なる利点は、詳細な説明を参照し、詳細をより明確に示すよう縮尺通りではない図面と併せて考慮することで明らかとなる。ここで、同様の参照符号はいくつかの図面を通して同様の要素を示す。
図1図1は、本発明の1つの実施形態によるインクジェットリザーバの斜視図である。
図2図2は、本発明の実施形態によりインクジェットプリントヘッドの平面図及び斜視図である。
図3図3は、本発明の1つの実施形態によるプリントヘッドの断面図である。
図4図4は、本発明の1つの実施形態によるヒータチップの平面図である。
図5図5は、本発明の1つの実施形態によるチャネル層の平面図である。
図6図6は、本発明の1つの実施形態によるノズル層の平面図である。
図7図7は、本発明の第1の実施形態による改変されたチップ、チャネル層、及びノズル層の平面図である。
図8図8は、本発明の第2の実施形態による改変されたチップ、チャネル層、及びノズル層の平面図である。
図9図9は、本発明の第3の実施形態による改変されたチップ、チャネル層、及びノズル層の平面図である。
図10図10は、本発明の第4の実施形態による改変されたチップ、チャネル層、及びノズル層の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図を参照し、図1は、本発明の1つの実施形態によるインクジェットカートリッジ100の斜視図を図示している。この実施形態において、カートリッジ100は、6つのインクリザーバ102a~102fを有するリザーバ本体104を有するが、他の実施形態においてリザーバ本体104は他の数のリザーバ102を有し、リザーバ102は異なって構成されてよいことを理解されたい。プリントヘッド200(図1には明示的に図示せず)は本実施形態において位置106に取り付けられているが、他の実施形態においてプリントヘッド200は他の位置に取り付けられるか、リザーバ本体104とは分離されて流体連通していてもよい。
【0013】
図3を参照し、本発明の1つの実施形態によるプリントヘッド200の断面図を図示している。本実施形態において、プリントヘッド200は3つの層を含み、これらはヒータチップ302、フローチャネル層304、ノズルプレート層306である。図3に図示するように、チップ302は、リザーバ本体104のリザーバ102(図3には図示せず)と流体連通しているビア202を含む。このように、ビア202はプリントヘッド200の他の部分に流体を提供する。チャネル層304は、ビア202からヒータチップ302のヒータ402を囲むバブルチャンバ312へと流体を連通させるフローチャネル310を含む。ノズル層306は、チャネル層304のバブルチャンバ312とチップ302上のヒータ402の上方に設けられたノズル308を含み、ヒータが通電されたときこれを介し流体が放出される。
【0014】
プリントヘッド200のこの説明は相当に基本的なものであるが、プリントヘッド200を製造するために用いられる製造方法及び材料のより詳細な説明は他で取得できることを理解されたい。
【0015】
図4を参照し、ヒータ402と、トレース404と、ビア領域202とを含む、本発明の1つの実施形態によるヒータチップ302の平面図を図示している。導電性トレース404は、ヒータ402へ電荷を伝導する。ただし、不必要に図を煩雑にしないよう図4にはこれら電気トレースのいくつかのみを図示しており、同様の理由により他の図において全く図示していない。ビア領域202、ヒータ402、及びトレース404の数と位置は図面における例示のみであり、他の実施形態においてビア領域202、ヒータ402、及びトレース404の異なる数、位置、及び配置が存在することを理解されたい。
【0016】
以下により詳細に説明するように、ヒータチップ302の各実施形態において、全てのヒータ402と全てのトレース404が、ヒータチップ302の所望の最終的構成に関係なく―又は換言すれば、プリントヘッド200が結合されるリザーバ本体104の構成、又はヒータチップ302がその流体を受け取るリザーバ202の数に関係なく、全てのビア領域202の縁部の周囲でチップ302上に形成される。このようにして、複数の異なる設計を作成、製造、在庫管理する必要がないため、ヒータ402とトレース404を形成するために用いられる工程を介しヒータチップ302の設計と製造に関連付くコストが削減される。
【0017】
ただし、ヒータチップ302のヒータ402とトレース404が形成されると、チップ302の工程のバランス―ビア領域202内のビアの形成―が、リザーバ本体104の構成及びリザーバ102のポートの数と構成に応じてカスタマイズされる。ただし、このステップ及び後続のステップが実行される前に、ヒータチップ302の十分な備蓄が後の需要のために利用可能となるよう、ヒータチップ302が製造されてある期間在庫に置かれる。期間はヒータチップ302の製造ニーズに応じて可変である。利点は、これらユニットの備蓄が更なる処理のために出荷される前に、ヒータチップ302の単一バリエーションのみがこの時点までに製造され在庫とされることを要することである。
【0018】
1つの実施形態において、図4に図示したように、ビア領域202全体がそれらの長さ全体にわたり完全に切除される。他の実施形態において、以下にてより完全に説明するように、ビア領域202の選択部分のみが切除される、又は換言すれば、ビア領域202のサブセットのみが切除される。チップ302の設計におけるこの適応性が、チップ302、及び後続でチップ302上に形成されるカスタマイズ化層304と306を、リザーバ本体104の所望の構成のため具体的に構成されることを可能とし、これは本明細書の他の部分にて説明するようにコストを削減するのに役立つ。
【0019】
図5は、フローチャネル310とバブルチャンバ312の全数を図示した、図4のチップ302と共に用いられるチャネル層304を図示している。図6は、ノズル308の全数を図示した、図4のチップ302と共に用いられるノズルプレート層306を図示している。図4図5図6は本発明によるプリントヘッド200の完全使用と呼ばれるものを図示している。
【0020】
図2は、本発明の様々な実施形態によるインクジェットプリントヘッド200の、チップ302の底部からの平面図及び斜視図を図示している。プリントヘッド200cは図4図5図6も図示した実施形態であり、ビア領域202の全てが完全に切除され、チャネル層304とノズル層306も完全に形成されている。プリントヘッド200dは図7にてより詳細に説明される実施形態に対応しており、プリントヘッド200bは図8にてより詳細に説明される実施形態に対応しており、プリントヘッド200aは図9にてより詳細に説明される実施形態に対応しており、プリントヘッド200eは図10にてより詳細に説明される実施形態に対応している。
【0021】
図7を参照し、本発明のもう1つの実施形態によるヒータチップ302、チャネル層304、及びノズルプレート306の平面図を図示しており、ビア領域202のサブセット―2つの外側ビア領域202の―のみが切除されているが、全てのヒータ402(及び図示しないトレース404)が以前の工程を介し形成されている。同様に、ヒータチップ302の形成されたビア202に対応するチャネル層304のフローチャネル310とバブルチャンバ312のみが形成されており、ヒータチップ302の形成されたビア202に対応するノズルプレート306のノズル308のみが形成されている。この実施形態は図2の200dに対応し、リザーバ102が2つの出口(おそらく2つのリザーバ102と合致する)を有するときに使用できる。
【0022】
図8を参照し、本発明のもう1つの実施形態によるヒータチップ302、チャネル層304、及びノズルプレート306を図示しており、ビア領域202のサブセット―2つの外側ビア領域202の端部―のみが切除されているが、全てのヒータ402(及び図示しないトレース404)が以前の工程を介し形成されている。同様に、ヒータチップ302の形成されたビア202に対応するチャネル層304のフローチャネル310とバブルチャンバ312のみが形成されており、ヒータチップ302の形成されたビア202に対応するノズルプレート306のノズル308のみが形成されている。この実施形態は図2の200bに対応し、リザーバ102が4つの出口(おそらく4つのリザーバ102と合致する)を有するときに使用できる。
【0023】
図9を参照し、本発明のもう1つの実施形態によるヒータチップ302、チャネル層304、及びノズルプレート306を図示しており、ビア領域202のサブセット―3つのビア領域202全ての端部―のみが切除されているが、全てのヒータ402(及び図示しないトレース404)が以前の処理を介し形成されている。同様に、ヒータチップ302の形成されたビア202に対応するチャネル層304のフローチャネル310とバブルチャンバ312のみが形成されており、ヒータチップ302の形成されたビア202に対応するノズルプレート306のノズル308のみが形成されている。この実施形態は図2の200aに対応し、リザーバ102が6つの出口(おそらく図1に示されるような6つのリザーバ102と合致する)を有するときに使用できる。
【0024】
図10を参照し、本発明のもう1つの実施形態によるヒータチップ302、チャネル層304、及びノズルプレート306を図示しており、ビア領域202のサブセット―各3つのビア領域チャネル202の互い違いの対向端部―のみが切除されているが、全てのヒータ402(及び図示しないトレース404)が以前の処理を介し形成されている。同様に、ヒータチップ302の形成されたビア202に対応するチャネル層304のフローチャネル310とバブルチャンバ312のみが形成されており、ヒータチップ302の形成されたビア202に対応するノズルプレート306のノズル308のみが形成されている。この実施形態は図2の200eに対応し、リザーバ102が3つの出口(おそらく3つのリザーバ102と合致する)を有するときに使用できる。
【0025】
形成されたビア202、フローチャネル310、バブルチャンバ312、及びノズル308の多くの他の構成が本明細書で想定されることを理解されたい。ただし、いくつかの実施形態において、全てのヒータ402とトレース404が、いくつかは全ての実施形態で用いられることはないとはいえ形成される一方、形成されたビア202と合致するフローチャネル310、バブルチャンバ312、及びノズル308のみが形成される。
【0026】
このようにして、ヒータ402とトレース404の作成を介し完全に形成されたヒータチップ302が製造されて備蓄され、次いでこの適応可能な基本ヒータチップ302の備蓄がカスタマイズ化プリントヘッド200を形成するために利用されることができ、よって各個別の応用のためのカスタマイズ化ヒータチップ302を完全に製造することに関連付く在庫及び他のコストを省く。
【0027】
いくつかの実施形態において、特定の構成を示すため、図4に図示されたCMOSメモリ406に格納されたコードといった、識別要素がヒータチップ302に形成される。1つの実施形態は、00が3つのビア202全ての完全利用を示し、01が2ビア設計を示し、10が200bの4ビア象限設計を示す等といった、単純な所定のリストを利用する。
【0028】
もう1つの実施形態において、ビット配列が、形成されて使用可能なノズル308の領域を定義する。ビア202が3つのセグメントに分割された実施形態において、合計9つの領域が使用可能である。この実施形態において、例えば、完全使用はメモリに次のように符号化される:
111
111
111
【0029】
これは、200cにより図示されるような、全てのビア202の全領域が使用可能なノズル308を有することを示す。200dの2つのビア202の実施形態は次のようにプログラムされる:
101
101
101
【0030】
200bの4つのビア202のセグメントは次のようにプログラムされる:
101
000
101
【0031】
本発明の実施形態の上述した説明は、例示及び説明の目的で提示している。網羅的であることや、本発明を開示されたとおりの形態に限定することを意図していない。上記教示に照らし、明らかな改変又は変形が可能である。実施形態は、本発明の原理及びその実用的応用の例示を提供するために選択されて説明されており、これにより当業者が本発明を様々な実施形態において及び想定される特定の使用に適した様々な変形にて利用することを可能とする。そのような全ての改変及び変形は、それらが公正に、法的に、そして公平に権利を与えられた幅に従って解釈される場合、添付の特許請求の範囲により決定される本発明の範囲内にある。
【符号の説明】
【0032】
100:インクジェットカートリッジ
102、102a~102f:リザーバ
104:リザーバ本体
106:位置
200、200a~200e:プリントヘッド
202:ビア、ビア領域
302:ヒータチップ
304:フローチャネル層
306:ノズルプレート層
308:ノズル
310:フローチャネル
312:バブルチャンバ
402:ヒータ
404:トレース
406:CMOSメモリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10