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特開2022-11807リハビリテーション支援装置及びリハビリテーション支援システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022011807
(43)【公開日】2022-01-17
(54)【発明の名称】リハビリテーション支援装置及びリハビリテーション支援システム
(51)【国際特許分類】
   A61H 1/02 20060101AFI20220107BHJP
【FI】
A61H1/02 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020113178
(22)【出願日】2020-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】503369495
【氏名又は名称】帝人ファーマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】北條 真紀
(72)【発明者】
【氏名】土谷 智之
【テーマコード(参考)】
4C046
【Fターム(参考)】
4C046AA33
4C046AA47
4C046AA50
4C046BB04
4C046BB08
4C046DD36
4C046EE02
4C046EE06
4C046EE10
4C046EE15
4C046EE23
4C046EE24
4C046EE25
4C046EE32
4C046EE37
(57)【要約】
【課題】取得又は生成されたデータの消失又は漏洩のリスクを最小限に抑えることが可能なリハビリテーション支援装置及びリハビリテーション支援システムを提供する。
【解決手段】リハビリテーション支援装置2が、使用者の上肢又は下肢の運動によって移動可能に設けられた可動部20と、使用者の上肢又は下肢のリハビリテーションに関連するリハビリテーション情報を記憶する第1記憶部70と、第1記憶部70に記憶されたリハビリテーション情報を、管理端末3に送信し、リハビリテーション情報の受信に基づいて管理端末3から送信された、受信完了信号を受信する第1通信部53と、受信完了信号の受信に基づいて、第1記憶部70に記憶されたリハビリテーション情報の少なくとも一部を削除する情報削除部62と、を具備する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の上肢又は下肢の運動によって移動可能に設けられた可動部と、
使用者の上肢又は下肢のリハビリテーションに関連するリハビリテーション情報を記憶する第1記憶部と、
前記第1記憶部に記憶された前記リハビリテーション情報を、管理端末に送信し、前記リハビリテーション情報の受信に基づいて前記管理端末から送信された、受信完了信号を受信する通信部と、
前記受信完了信号の受信に基づいて、前記第1記憶部に記憶された前記リハビリテーション情報の少なくとも一部を削除する情報削除部と、を具備することを特徴とするリハビリテーション支援装置。
【請求項2】
前記リハビリテーション情報が、使用者による前記可動部に対する運動情報と、使用者を特定するための使用者情報と、使用者がすべき前記可動部に対する運動を規定した訓練情報とのうちの少なくとも1つを含む請求項1に記載のリハビリテーション支援装置。
【請求項3】
使用者の前記可動部に対する運動が終了したタイミングで、前記リハビリテーション情報が前記通信部によって前記管理端末に送信されるように構成されている請求項1又は2に記載のリハビリテーション支援装置。
【請求項4】
前記リハビリテーション情報が、使用者がすべき前記可動部に対する運動を規定した訓練情報を含み、使用者の前記可動部に対する運動が終了した前記タイミングが、前記訓練情報に基づく使用者の前記可動部に対する運動が中断したタイミング、前記訓練情報に基づく使用者の前記可動部に対する運動が終了したタイミング、又は、前記訓練情報に基づく使用者の前記可動部に対する運動が終了した後に継続された運動が終了したタイミングのいずれかである請求項3に記載のリハビリテーション支援装置。
【請求項5】
前記リハビリテーション情報が前記管理端末に送信された後、前記受信完了信号が受信されない場合、前記通信部によって、前記リハビリテーション情報が再送信されるように構成されている請求項1乃至4のいずれか一項に記載のリハビリテーション支援装置。
【請求項6】
前記リハビリテーション情報が、使用者を特定するための使用者情報及び使用者がすべき前記可動部に対する運動を規定した訓練情報を含み、使用者の前記可動部に対する運動の開始前に、当該使用者の前記使用者情報及び前記訓練情報を前記管理端末から受信するように構成されている請求項1乃至5のいずれか一項に記載のリハビリテーション支援装置。
【請求項7】
リハビリテーション支援装置と管理端末とを具備し、
前記リハビリテーション支援装置が、
使用者の上肢又は下肢の運動によって移動可能に設けられた可動部と、
使用者の上肢又は下肢のリハビリテーションに関連するリハビリテーション情報を記憶する第1記憶部と、
前記第1記憶部に記憶された前記リハビリテーション情報を前記管理端末に送信し、前記リハビリテーション情報の受信に基づいて前記管理端末から送信された、受信完了信号を受信する通信部と、
前記受信完了信号の受信に基づいて、前記第1記憶部に記憶された前記リハビリテーション情報の少なくとも一部を削除する情報削除部と、を有し、
前記管理端末が、前記リハビリテーション支援装置から送信された前記リハビリテーション情報を記憶する第2記憶部を有することを特徴とするリハビリテーション支援システム。
【請求項8】
前記リハビリテーション情報が、使用者による前記可動部に対する運動情報と、使用者を特定するための使用者情報と、使用者がすべき前記可動部に対する運動を規定した訓練情報とのうちの少なくとも1つを含む請求項7に記載のリハビリテーション支援システム。
【請求項9】
使用者の前記可動部に対する運動が終了したタイミングで、前記リハビリテーション情報が前記通信部によって前記管理端末に送信されるように構成されている請求項7又は8に記載のリハビリテーション支援システム。
【請求項10】
前記リハビリテーション情報が、使用者がすべき前記可動部に対する運動を規定した訓練情報を含み、使用者の前記可動部に対する運動が終了した前記タイミングが、前記訓練情報に基づく使用者の前記可動部に対する運動が中断したタイミング、前記訓練情報に基づく使用者の前記可動部に対する運動が終了したタイミング、又は、前記訓練情報に基づく使用者の前記可動部に対する運動が終了した後に継続された運動が終了したタイミングのいずれかである請求項9に記載のリハビリテーション支援システム。
【請求項11】
前記リハビリテーション情報が前記管理端末に送信された後、前記受信完了信号が受信されない場合、前記通信部によって、前記リハビリテーション情報が再送信されるように構成されている請求項7乃至10のいずれか一項に記載のリハビリテーション支援システム。
【請求項12】
前記管理端末が、受信した前記リハビリテーション情報について改竄又は破損のチェックを行うように構成されている請求項7乃至11のいずれか一項に記載のリハビリテーション支援システム。
【請求項13】
前記管理端末の前記第2記憶部には、複数の前記リハビリテーション支援装置から送信された、複数の使用者及び対応する複数の前記リハビリテーション情報が記憶されるように構成されている請求項7乃至12のいずれか一項に記載のリハビリテーション支援システム。
【請求項14】
前記管理端末が、複数の使用者の複数の前記リハビリテーション情報を表示可能な表示部を有する請求項7乃至13のいずれか一項に記載のリハビリテーション支援システム。
【請求項15】
前記リハビリテーション情報が、使用者を特定するための使用者情報及び使用者がすべき前記可動部に対する運動を規定した訓練情報を含み、使用者の前記可動部に対する運動の開始前に、当該使用者の前記使用者情報及び前記訓練情報が前記管理端末から送信されるように構成されている請求項7乃至14のいずれか一項に記載のリハビリテーション支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の上肢及び下肢等のリハビリテーションを支援するリハビリテーション支援装置及びリハビリテーション支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
脳卒中などの患者の片麻痺した上肢や下肢の運動機能回復を目的とするリハビリテーション及びリハビリテーションの過程における運動機能評価は、一般に、理学療法士や作業療法士(以下、まとめて「医療者」という。)により労働集約的に行われる。したがって、医療者によるリハビリテーション及び運動機能評価において、効率化を図るには限界がある。
【0003】
例えば、上肢のリハビリテーションでは、主には麻痺した上肢の正確な動作を、現状の関節可動域よりわずかに広い動作範囲で、他動的又は能動的に、可能な限り反復することが求められる。すなわち、医療者は、患者に正確な動作を教授し、手技により、主には患者の麻痺した上肢に他動的な負荷を加え、又は、患者の能動的な動作を誘導して、適切な動作範囲での反復動作を患者に行わせ、それによって運動機能回復を図っている。
【0004】
かかるリハビリテーションでは、医療者の疲労や医療保険制度上のリハビリテーション時間の上限によって、医療者が運動機能回復に充てる動作の反復回数や運動機能評価に充てる時間が制限される。また、リハビリテーションは、医療者と患者とによって一対一で行われることから、医療者の経験や熟練度によって、リハビリテーションの医学的な質、つまりは運動機能回復の程度についても差やばらつきが生ずる可能性がある。したがって、医療者による訓練を補助し、医学的な質を標準化するためのリハビリテーション支援装置(トレーニング装置)が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-307107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載のリハビリテーション支援装置では、一連の運動によって収集された訓練情報等のデータ及び収集されたデータに基づき生成された評価情報等のデータは、患者、すなわち使用者の個人情報のデータと紐付けられた状態で装置内の記憶部に記憶される。1つのリハビリテーション支援装置は、複数の使用者によって使用される。したがって、積極的に削除処理を行わない限り、1つのリハビリテーション支援装置には複数の使用者の複数のデータが蓄積される。
【0007】
そのため、蓄積されたデータが管理端末等の他の装置に転送される前に、リハビリテーション支援装置の不具合又は記憶部の故障等によって、データを消失する可能性がある。また、リハビリテーション支援装置の記憶部に対して不正にアクセスされた場合、漏洩するデータの量が多く、且つ、データの性質上、その深刻性も大きい
【0008】
本発明は、取得又は生成されたデータの消失又は漏洩のリスクを最小限に抑えることが可能なリハビリテーション支援装置及びリハビリテーション支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、使用者の上肢又は下肢の運動によって移動可能に設けられた可動部と、使用者の上肢又は下肢のリハビリテーションに関連するリハビリテーション情報を記憶する第1記憶部と、前記第1記憶部に記憶された前記リハビリテーション情報を、管理端末に送信し、前記リハビリテーション情報の受信に基づいて前記管理端末から送信された、受信完了信号を受信する通信部と、前記受信完了信号の受信に基づいて、前記第1記憶部に記憶された前記リハビリテーション情報の少なくとも一部を削除する情報削除部と、を具備することを特徴とするリハビリテーション支援装置が提供される。また、本発明の別の態様によれば、リハビリテーション支援装置と管理端末とを具備し、前記リハビリテーション支援装置が、使用者の上肢又は下肢の運動によって移動可能に設けられた可動部と、使用者の上肢又は下肢のリハビリテーションに関連するリハビリテーション情報を記憶する第1記憶部と、前記第1記憶部に記憶された前記リハビリテーション情報を前記管理端末に送信し、前記リハビリテーション情報の受信に基づいて前記管理端末から送信された、受信完了信号を受信する通信部と、前記受信完了信号の受信に基づいて、前記第1記憶部に記憶された前記リハビリテーション情報の少なくとも一部を削除する情報削除部と、を有し、前記管理端末が、前記リハビリテーション支援装置から送信された前記リハビリテーション情報を記憶する第2記憶部を有することを特徴とするリハビリテーション支援システムが提供される。
【0010】
前記リハビリテーション情報が、使用者による前記可動部に対する運動情報と、使用者を特定するための使用者情報と、使用者がすべき前記可動部に対する運動を規定した訓練情報とのうちの少なくとも1つを含むようにしてもよい。使用者の前記可動部に対する運動が終了したタイミングで、前記リハビリテーション情報が前記通信部によって前記管理端末に送信されるように構成されていてもよい。前記リハビリテーション情報が、使用者がすべき前記可動部に対する運動を規定した訓練情報を含み、使用者の前記可動部に対する運動が終了した前記タイミングが、前記訓練情報に基づく使用者の前記可動部に対する運動が中断したタイミング、前記訓練情報に基づく使用者の前記可動部に対する運動が終了したタイミング、又は、前記訓練情報に基づく使用者の前記可動部に対する運動が終了した後に継続された運動が終了したタイミングのいずれかであってもよい。前記リハビリテーション情報が前記管理端末に送信された後、前記受信完了信号が受信されない場合、前記通信部によって、前記リハビリテーション情報が再送信されるように構成されていてもよい。前記リハビリテーション情報が、使用者を特定するための使用者情報及び使用者がすべき前記可動部に対する運動を規定した訓練情報を含み、使用者の前記可動部に対する運動の開始前に、当該使用者の前記使用者情報及び前記訓練情報を前記管理端末から受信するように構成されていてもよい。前記管理端末が、受信した前記リハビリテーション情報について改竄又は破損のチェックを行うように構成されていてもよい。前記管理端末の前記第2記憶部には、複数の前記リハビリテーション支援装置から送信された、複数の使用者及び対応する複数の前記リハビリテーション情報が記憶されるように構成されていてもよい。前記管理端末が、複数の使用者の複数の前記リハビリテーション情報を表示可能な表示部を有していてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の態様によれば、取得又は生成されたデータの消失又は漏洩のリスクを最小限に抑えることが可能なリハビリテーション支援装置及びリハビリテーション支援システムを提供するという共通の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の実施形態によるリハビリテーション支援システムの斜視図である。
図2図2は、図1のリハビリテーション支援システムの概略構成を示すブロック図である。
図3図3は、8方向空中保持の訓練図である。
図4図4は、8方向リーチ(左回り)の訓練図である。
図5図5は、リハビリテーション支援システムの概略構成の一例を示す図である。
図6図6は、使用者画面の一例を示す図である。
図7図7は、管理者画面の一例を示す図である。
図8図8は、管理者画面の別の例を示す図である。
図9図9は、リハビリテーション支援システムの使用方法のフローチャートである。
図10図10は、リハビリテーション支援システムの使用方法の別のフローチャートである。
図11図11は、運動評価処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳細に説明する。全図面に亘り、対応する構成要素には共通の参照符号を付す。
【0014】
図1は、本発明の実施形態によるリハビリテーション支援システム1の斜視図であり、図2は、図1のリハビリテーション支援システム1の概略構成を示すブロック図である。
【0015】
リハビリテーション支援システム1は、患者(使用者)が使用するリハビリテーション支援装置2と、医療者又は管理者が使用する管理端末3とを有している。本実施形態によるリハビリテーション支援装置2は、上肢片麻痺の患者を対象として構成されており、患者用の椅子4と共に使用される。
【0016】
リハビリテーション支援装置2は、装置本体10と、可動部20と、第1表示部であるディスプレイ30と、駆動部40とを有している。可動部20は、保持部21と、アーム部22とを有している。また、リハビリテーション支援装置2は、入出力部50と、中央処理部60と、第1記憶部70とを有している。装置本体10は、リハビリテーション支援装置2の状態を示す各種ランプ及び緊急停止ボタンを備えたフロントパネル11と、患者が使用するコントローラ12と、運搬用のハンドル13及びキャスタ14とを有している。管理端末3は、第2表示部であるディスプレイ80を有している。
【0017】
右腕の訓練を行う場合には、図1に示されるように、椅子4及びディスプレイ30を患者の正面に配置するために、リハビリテーション支援装置2に対して左側に配置する。他方、左腕の訓練を行う場合には、椅子4及びディスプレイ30をリハビリテーション支援装置2に対して右側に配置する。右腕の訓練を行う場合、椅子4に着座した患者は、右手の掌を下に向けて保持部21に対して固定する。
【0018】
アーム部22は、その下端が自在継手によって装置本体10に取り付けられているかのように動作可能である。すなわち、アーム部22、特に保持部21を、所定の角度範囲内で球面上の任意の経路に沿って移動させることができるように構成されている。また、アーム部22の長手方向の長さを調節することができるように構成されている。したがって、リハビリテーション支援装置2は、3次元(3自由度の運動)でリハビリテーションの訓練を行うことが可能である。
【0019】
リハビリテーション支援装置2は、駆動部40におけるポテンショメータ等の各種センサを有し、アーム部22の移動に関し、位置、角度、力及び圧力、時間等を検出可能である。各種センサによる検出結果に基づいて、駆動部40を制御することによって、アーム部22の揺動を補助するようにアーム部22を移動させることができ、又は、アーム部22の揺動に抵抗するように、すなわち患者の感じる負荷を増大させるようにアーム部22を移動させることができる。
【0020】
図2を参照しながら、リハビリテーション支援装置2の入出力部50、中央処理部60及び第1記憶部70について説明する。
【0021】
入出力部50は、可動部20と、ディスプレイ30と、駆動部40と、運動情報取得部51と、入力部52と、第1通信部53と、生体情報取得部54を有している。運動情報取得部51は、上述したポテンショメータ等の各種センサを有している。入力部52は、キーボードやマウス等の入力デバイスを有している。入力部52は、ディスプレイ30と一体となったタッチパネルであってもよい。第1通信部53は、無線又は有線による通信手段である。本実施形態では、第1通信部53は、無線による通信手段であり、例えばWiFiモジュール又はBluetooth(登録商標)モジュールである。生体情報取得部54は、指紋や掌紋等の生体情報を取得するスキャナデバイスを有している。生体情報取得部54は、患者、医療者又は管理者の生体情報を取得し、個人の特定やリハビリテーション支援装置2に対するログイン等のために使用される。
【0022】
中央処理部60は、1つ又は複数のプロセッサ及びその周辺回路を有する。中央処理部60は、リハビリテーション支援装置2の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。中央処理部60は、予め第1記憶部70に記憶されているコンピュータプログラムに基づいて処理を行う。中央処理部60は、制御部61と、情報削除部62とを有している。中央処理部60が有する制御部61及び情報削除部62は、中央処理部60が有するプロセッサ上で実行されるプログラムによって実装される機能モジュールである。その実行される処理の際に、中央処理部60は、入出力部50から信号を受信し、信号を送信する。例えば、中央処理部60は、駆動部40に対しては、制御信号を送信すると共にそのフィードバック信号や各種センサからの信号を受信する。なお、管理端末3が、情報削除部62を有していてもよい。
【0023】
第1記憶部70は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置又はハードディスク等の固定ディスク装置を有している。第1記憶部70には、リハビリテーション支援装置2の各種処理に用いられる制御プログラム等のコンピュータプログラム(ドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)、データベース及びテーブル等が記憶されている。
【0024】
管理端末3は、ディスプレイ80、第2通信部81及び入力部82を備えた入出力部と、中央処理部84と、第2記憶部90とを有している。第2通信部81は、無線又は有線による通信手段である。本実施形態では、第2通信部81は、無線による通信手段であり、例えばWiFiモジュール又はBluetooth(登録商標)モジュールである。リハビリテーション支援装置2の第1通信部53と管理端末3の第2通信部81とは、双方向にデータの送受信が可能となるように、リハビリテーション支援装置2及び管理端末3が構成されている。入力部82は、キーボードやマウス等の入力デバイスを有している。入力部82は、ディスプレイ80と一体となったタッチパネルであってもよい。生体情報取得部83は、指紋や掌紋等の生体情報を取得するスキャナデバイスを有している。生体情報取得部83は、医療者又は管理者の生体情報を取得し、個人の特定や管理端末3に対するログイン等のために使用される。
【0025】
中央処理部84は、1つ又は複数のプロセッサ及びその周辺回路を有する。中央処理部84は、管理端末3の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。中央処理部84は、予め第2記憶部90に記憶されているコンピュータプログラムに基づいて処理を行う。中央処理部84は、情報チェック部85と運動評価部86とを有している。中央処理部84が有する情報チェック部85及び運動評価部86は、中央処理部84が有するプロセッサ上で実行されるプログラムによって実装される機能モジュールである。なお、リハビリテーション支援装置2が、運動評価部86を有していてもよい。
【0026】
第2記憶部90は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置又はハードディスク等の固定ディスク装置を有している。第2記憶部90には、管理端末3の各種処理に用いられる制御プログラム等のコンピュータプログラム(ドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)、データベース及びテーブル等が記憶されている。
【0027】
次に、患者が訓練のためにアーム部22を動作させる方向及び軌跡を規定した基本訓練パターンについて説明する。基本訓練パターンは、「8方向空中保持」、「8方向リーチ(左回り)」、「8方向リーチ(右回り)」、「ジグザグ軌跡」、「円軌跡」、「多角軌跡1」、「多角軌跡2」、「前方リーチ」、「回旋リーチ」、「外転リーチ(2次元)」、「放射リーチ(2次元)」、「放射リーチ(3次元)」、「放射リーチ(上方)」、「放射リーチ(下方)」、「模擬リーチ(口元)」、「模擬リーチ(肩)」及び「模擬リーチ(頭部)」の17パターンを含む。しかしながら、その他の訓練パターンを基本訓練パターンとして含むようにしてもよい。
【0028】
図3及び図4は、リハビリテーション支援装置2のディスプレイ30又は管理端末3のディスプレイ80に表示される基本訓練パターンの訓練図の一例である。訓練図には、模式的なアーム部22と共に、アーム部22の開始点からアーム部22を動作させるべき方向、位置、角度及び順番等が、目標点として示されている。言い換えると、アーム部22の動作を示すことによって、患者の行うべき訓練の動作を示している。丸印は目標点を表し、目標点が複数ある場合には、丸印の横に付した数字の順番にアーム部22を動作させる。点Aは、基本位置、すなわち初期位置である。目標点及び基本位置を結ぶ線は、辿るべき経路を示している。
【0029】
図3は、8方向空中保持の訓練図である。8方向空中保持の訓練は、中心点と8方向の目標点から構成されている。患者は、肩関節外転70度且つ肘関節屈曲90度のように、胸の高さから訓練を開始し、目標点に向かって力を加える。目標点に到達すると、目標点の色が赤から黄に変化するので、患者は、黄色の状態を維持するように数秒間、アーム部22を保持する。図4は、8方向リーチ(左回り)の訓練図である。同様にして、その他の基本訓練パターンについて構成される。
【0030】
次に、訓練モードについて説明する。訓練モードは、患者の訓練動作をリハビリテーション支援装置2がどのように支援するかに応じて異なる、「全介助運動」、「自動介助(初動時負荷)」、「自動介助(段階的)」、「自動運動(軌道アシスト)」及び「自動運動」の5つのモードを含む。訓練モードは、この記載した順番で、より高度な訓練モードとなり、症状に応じて訓練モードを選択できる。すなわち症状が重度であれば、より容易な訓練モードを、症状が軽度であれば、より高度な訓練モードを選択する。しかしながら、その他の訓練モードを含むようにしてもよい。
【0031】
例えば、全介助運動モードでは、アーム部22が訓練パターンの軌道に沿って自動的に動作する。すなわち、全介助運動モードでは、患者が能動的に動作させることはなく、アーム部22は、リハビリテーション支援装置2によって他動的に動作する。全介助運動モードは、介助によって随意運動を促す徒手療法と同様の訓練に相当する。自動介助(初動時負荷)モードでは、患者が、アーム部22の初動時において訓練パターンに応じた正しい方向に力を加えることで、アーム部22が、訓練パターンの軌道に沿って自動的に動作する。したがって、自動介助(初動時負荷)モードは、目標点まで到達する筋力のない患者に対して随意運動を促し、目標点への到達を補助する。
【0032】
患者の状態に合わせて調整された同一種類又は異なる種類の複数の訓練パターンの組み合わせ、各訓練パターンに対応する訓練モード、及び、その実施の順序及び時間を定めた一連の訓練計画のことをセッションという。1つ又は複数のセッションを訓練情報ともいう。訓練情報の内容は、患者の状態の変化、すなわち通常は回復の状態に応じて、変更され、最適化されるべきものである。
【0033】
行われた訓練の結果は、日付及び時刻、各種センサによって検出された位置、角度、力及び圧力、時間等の情報を含む、様々な訓練ログとして、第1記憶部70に記憶される。訓練ログは、例えば、保持部21の速度及び加速度、関節の可動域、訓練時移動距離、理想軌道との距離の差、訓練実施時間(ルート到達時間)及び空間での荷重ベクトル等が挙げられる。ここで、訓練ログに加えて、これに対応する訓練情報の内容、すなわち訓練モード及び訓練パターンを含む情報を、運動情報と称する。すなわち、訓練終了後の第1記憶部70には、訓練開始前から記憶されている訓練情報の内容と共に訓練ログを含む運動情報が記憶されている。
【0034】
ここで、リハビリテーションに関連する情報をリハビリテーション情報と称する。リハビリテーション情報は、訓練情報を含む。訓練情報は、日付及び時刻に関する情報を含んでいてもよい。リハビリテーション情報は、訓練情報に対応する運動情報及び評価情報を含んでいてもよい。リハビリテーション情報は、運動情報に対応する患者を特定するための使用者情報、リハビリテーション支援装置2の個体を特定する装置情報等その他情報を含んでいてもよい。使用者情報は、リハビリテーション支援システム1によって管理されている患者の識別情報と、患者の生年月日、氏名及び住所等の個人情報と、年齢、性別、身長及び体重等の身体的情報と、リハビリテーションが必要な部位及びその状態等の疾患情報と、指紋等の生体情報と、アーム部22の長手方向の長さ等のリハビリテーション支援装置2の設定情報との少なくとも1つを含んでいてもよい。要するに、リハビリテーション情報は、患者による可動部20に対する運動情報と、患者を特定するための使用者情報と、患者がすべき可動部20に対する運動を規定した訓練情報の少なくとも1つを含んでいてもよい。リハビリテーション情報は、管理端末3が接続されたリハビリテーション支援装置2の可動部20に対する制御情報を含んでいてもよい。
【0035】
リハビリテーション情報の一部又は全部が管理端末3の第2記憶部90に記憶されていてもよい。この場合、リハビリテーション支援装置2の第1記憶部70に記憶されているリハビリテーション情報と管理端末3の第2記憶部90に記憶されているリハビリテーション情報とが、重複していてもよく、いずれか一方にのみ存在していてもよい。
【0036】
次に、行った訓練の訓練情報の内容とその結果に基づいて、訓練の評価を行う運動評価部86について説明する。すなわち、運動評価部86は、訓練情報及び運動情報に基づいて評価情報を生成する。
【0037】
運動評価部86は、例えば、運動情報、特に訓練ログから算出される「抵抗の割合」、「随意運動の割合」、「介助運動の可動域」、「開始点から目標点までの時間」、「自動運動の可動域」、「力の方向正確性」、「運動軌跡の正確性」及び「運動の滑らかさ」といった評価情報を生成する。
【0038】
抵抗の割合とは、訓練中に正しい方向に力を加えなかった時間の割合を示す。抵抗の割合は、運動機能が改善されると0%に近くなる。随意運動の割合とは、全介助運動モードでの動作範囲と自動運動モードでの動作範囲との割合を示す。随意運動の割合は、運動機能が改善されると100%に近くなる。介助運動の可動域とは、開始点から目標点までの直線距離と介助運動による動作範囲(距離)との割合を示す。ここで介助運動とは、自動運動モード以外のすべての訓練モードをいう。介助運動の可動域は、運動機能が改善されると100%に近くなる。開始点から目標点までの時間とは、開始点から目標点に到達するまでの時間を示す。開始点から目標点までの時間は、すべての開始点から目標点までの時間の平均値であり、運動機能が改善されると0に近くなる。
【0039】
自動運動の可動域とは、訓練で設定された距離と訓練で辿った軌道の距離との割合を示す。自動運動の可動域は、運動機能が改善されると100%に近くなる。力の方向正確性とは、目標点の方向に正しく力を加えた時間の割合を示す。力の方向正確性は、運動機能が改善されると100%に近くなる。運動軌跡の正確性とは、開始点から目標点までの直線距離と実際に辿った軌道の距離との割合を示す。運動軌跡の正確性は、運動機能が改善されると100%に近くなる。運動の滑らかさとは、開始点から目標点までの速度のピーク数と実際のピーク数との割合を示す。運動の滑らかさは、理想的な速度のピーク数が1であり、運動機能が改善されると100%に近くなる。
【0040】
なお、評価情報は、運動情報に加え、他の情報と併せて訓練ログから算出される情報を評価情報としてもよく、算出された定量的データの他に、理想軌道と実際の軌道とが描く視覚的な図形であってもよい。
【0041】
上述したように、リハビリテーション支援装置2の第1通信部53と管理端末3の第2通信部81とは、双方向にデータ、例えばリハビリテーション情報の送受信が可能に構成されている。したがって、1つの管理端末3は、1つ又は複数のリハビリテーション支援装置2に対して接続可能に構成されている。1つのリハビリテーション支援装置2が、複数の管理端末3に対して接続可能に構成されていてもよい。また、複数の管理端末3同士又は複数のリハビリテーション支援装置2同士が、互いに接続可能に構成されていてもよい。
【0042】
図5は、リハビリテーション支援システム1の概略構成の一例を示す図である。図5では、1つの管理端末3に対して、3つのリハビリテーション支援装置2がインターネット5を介して接続されている。複数のリハビリテーション支援装置2の一部又は全部が、インターネット5を介することなく、無線又は有線による通信手段で直接的に接続されていてもよい。
【0043】
図6を参照しながら、リハビリテーション支援装置2のディスプレイ30に表示される使用者画面100について説明する。図6は、使用者画面100の一例を示す図である。患者は、使用者画面100を参照しながら訓練を行う。
【0044】
使用者画面100の上部には、患者氏名欄101と、患者を担当する医療者の医療者氏名欄102と、実施するセッション番号が表示されるセッション番号欄103と、表示されたセッション番号における訓練パターンの1つが表示される訓練パターン欄104と、リハビリテーション支援装置2の個体を特定する装置情報が表示される装置情報欄105とが配置されている。これらの下方には、訓練時間領域110と、訓練履歴領域120と、訓練結果領域130と、訓練情報領域140とが配置されている。さらに、使用者画面100における右端には、制御部領域150が配置されている。
【0045】
訓練時間領域110には、例えば、セッションの進行状況、当日に患者が実施した訓練時間、これまで患者が実施した訓練時間の合計時間及び合計日数が表示される。訓練履歴領域120には、例えば、過去の訓練において図3及び図4に示されるような目標点に到達した回数、すなわちリーチ回数が日毎に棒状にグラフにて表示されており、目標リーチ回数121が同じグラフ上に表示されている。また、訓練履歴領域120の上部において、目標リーチ回数及び実際にリーチした回数が数値として示されている。
【0046】
訓練結果領域130には、訓練の結果がグラフ及び数字等によって表示されている。訓練結果領域130には、例えば、力の方向正確性及び運動軌跡の正確性が表示される。訓練情報領域140には、例えば、セッション番号欄103に表示されたセッション番号における訓練パターン、及び、訓練パターンにおける訓練モード等の詳細が表示される。制御部領域150には、患者又は医療者がリハビリテーション支援装置2を操作するための各種ボタンが配置されている。制御部領域150には、例えば、これから実施するセッションや、訓練パターン及び訓練モードを選択するためのボタンや訓練を開始するボタン等が配置されている。
【0047】
図7及び図8を参照しながら、管理端末3のディスプレイ80に表示される管理者画面200について説明する。図7は、管理者画面200の一例を示す図である。図8は、管理者画面200の別の例を示す図である。具体的には、図7は、訓練情報を作成及び編集等するための管理者画面200であり、図8は、行われた訓練の結果を表示するための管理者画面200である。
【0048】
図7及び図8において、管理者画面200の右上には、ログインしている管理者氏名欄201とログアウトボタン202とが配置されている。管理者画面200の上部には、基本メニュー領域210が配置されている。基本メニュー領域210には、例えば、戻るボタン、メニューボタン、結果一覧ボタン及び印刷ボタンが配置されている。
【0049】
図7に示された管理者画面200において、基本メニュー領域210の下方には、訓練時間領域220と、日付領域230と、メモ領域240とが配置されている。さらに、管理者画面200における右側には、訓練情報領域250が配置されている。図8に示された管理者画面200において、基本メニュー領域210の下方には、左側に、訓練パターン領域260と、訓練図領域270とが配置され、右側に、訓練条件領域280と、訓練結果領域290とが配置されている。
【0050】
訓練時間領域220には、患者氏名欄221が配置されている他に、例えば、目標リーチ回数及び訓練時間の合計時間が表示される。日付領域230には、所定月の1ヶ月分の日付がカレンダー形式で表示され、過去及び未来について任意の月を表示させることができる。入力部52によって、例えばマウスによって選択された日付は、選択日付231として、他の日付と異なる色で表示される。図7及び図8において、選択日付231は、2020年X月8日である。メモ領域240、訓練情報領域250、訓練パターン領域260、訓練図領域270、訓練条件領域280、及び、訓練結果領域290に表示される情報は、日付領域230における選択日付231と関連付けられている。
【0051】
日付領域230において、当日日付を他の日付と異なる色で表示させるようにしてもよい。過去の日付を未来の日付と異なる色、例えばグレーで表示させるようにしてもよい。日付領域230において、所定月を含み上下に配置された2ヶ月分又は3ヶ月分以上の日付を表示させるようにしてもよい。
【0052】
日付領域230において、訓練と関連付けられた日付、例えば訓練情報又は運動情報が存在する日付には識別子232が表示されている。すなわち、識別子232は、リハビリテーション情報に関連する日付と関連付けられ且つカレンダー形式で表示された日付領域230に表示される。識別子232は、訓練の実施状況、訓練情報又は運動情報の内容が把握又は予測できるように構成されていてもよい。識別子232は、図形であってもよく、文字又は記号であってもよく、これらの組み合わせ、さらには色彩及び濃淡の組み合わせであってもよい。識別子232は、円グラフ等のグラフであってもよい。
【0053】
例えば、訓練情報が存在し、訓練情報に基づきすべての訓練を実施した日付には、識別子232として黒い四角形の記号を表示させるようにしてもよい。例えば、訓練情報が存在し、訓練情報に基づき途中まで訓練を実施した日付には、識別子232としてグレーの四角又は黒い三角形の記号を表示させるようにしてもよい。例えば、訓練情報が存在し、訓練を実施していない日付には、識別子232として白い四角形の記号を表示させるようにしてもよい。
【0054】
メモ領域240には、選択日付231に対応する入力欄が表示されている。したがって、メモ領域240には、キーボード等の入力部82を介して、選択日付231に行った訓練の感想等を日誌として入力することができる。入力された内容は、第1記憶部70に記憶される。
【0055】
訓練情報領域250の上部には、選択日付231が表示されている。また、訓練情報領域250の上部には、例えば、選択日付231において実施した訓練時間の合計時間及び合計リーチ回数が表示される。選択日付231に訓練を実施していない場合には、合計時間及び合計リーチ回数はゼロである。選択日付231の下方には、選択日付231に対応する訓練情報に含まれる1つ又は複数のセッションとして、第1セッション領域251及び第2セッション領域252が表示されている。第1セッション領域251は、第2セッション領域252の上方に配置されている。3番目以降のセッションを表示させるため、訓練情報領域250をスクロール可能にしてもよい。
【0056】
第1セッション領域251及び第2セッション領域252には、例えば、医療者氏名、1つ又は複数の訓練パターン、訓練パターンの各々の訓練時間、当該セッションが実施されたか否かを表示するフラグが表示される。訓練情報領域250において、第1セッション領域251の右側には、編集部領域253が配置されている。
【0057】
編集部領域253には、例えば、選択されたセッションを編集する編集ボタン、選択されたセッションを削除する削除ボタン、選択されたセッションに基づき訓練を開始する開始ボタンが表示される。入力部52を介して編集部領域253を操作することによって、セッションの内容の編集、具体的には、訓練パターンの追加又は削除、訓練モードの設定等を自由に編集することができる。訓練情報領域250の右下には、セッションを追加するセッション追加ボタン254が配置されている。したがって、編集部領域253によって、患者の状態に応じたセッションの内容の登録、編集、削除及び確認を、日付と関連付けて行うことができる。
【0058】
図8に示された管理者画面200は、図7に示された管理者画面200から遷移した後の管理者画面200である。具体的には、図8に示された管理者画面200は、選択日付231における図7に示された訓練情報領域250において、入力部52によって選択された実施済みのセッションの訓練パターンの詳細を示している。
【0059】
訓練パターン領域260には、例えば、選択日付231と、訓練時間と、実施したセッション番号と、当該セッション番号に対応するセッションにおける訓練パターンとが表示されている。訓練図領域270には、図3及び図4を例として参照しながら上述したように、模式的なアーム部22と共に、患者の行うべき訓練の動作を示し、さらに患者が実際に行った動作の軌道等が表示されている。訓練条件領域280には、訓練パターン領域260に表示された実施した訓練パターンについて、訓練モードや回数、負荷等の訓練条件が表示されている。訓練結果領域290には、訓練パターン領域260に表示された実施した訓練パターンについて、力の方向正確性や軌跡の正確性、可動域等の訓練結果が表示されている。
【0060】
管理端末3の管理者画面200において追加されたセッション又は編集されたセッションは、訓練情報として、第2通信部81を介してリハビリテーション支援装置2に対して送信可能である。このとき、管理端末3は、訓練情報と共に、選択日付231及びリハビリテーション情報のうちの少なくとも1つ、例えば使用者情報を送信してもよい。送信された訓練情報は、リハビリテーション支援装置2において、第1通信部53を介して受信され、第1記憶部70に記憶される。患者は、新たに記憶された訓練情報に基づき、訓練を行うことができる。また、管理端末3に対して複数のリハビリテーション支援装置2が接続されている場合、管理者画面200において、表示された装置情報に基づき1つ又は複数のリハビリテーション支援装置2を選択し、選択されたリハビリテーション支援装置2に対してリハビリテーション情報を送信するように構成してもよい。
【0061】
図6に示されたリハビリテーション支援装置2の使用者画面100並びに図7及び図8に示された管理端末3の管理者画面200を参照しながら、医療者による訓練情報の作成及び編集等から、患者による訓練の実施、さらには医療者による訓練の結果の確認までの一連の流れを簡単に説明する。
【0062】
まず、医療者は、図7に示された管理者画面200の患者氏名欄221に患者の氏名を直接入力するか、又は、患者氏名欄221を選択することによって表示された患者の一覧から所定の患者の氏名を選択する。それによって、日付領域230の識別子232の表示や訓練情報領域250の内容等が、選択された患者の情報に更新される。次いで、医療者は、訓練情報を作成したい日付を選択日付231として日付領域230から選択する。それによって、選択日付231において、既にセッションが作成されている場合には、訓練情報領域250に作成済みのセッションが表示される。
【0063】
次いで、作成済みのセッションを編集又は削除する場合には、医療者は、当該セッション、例えば第2セッション領域252を選択し、編集部領域253において、編集ボタン又は削除ボタンを選択する。それによって医療者は、当該セッションの内容の編集又は当該セッションの削除を行うことができる。他方、新たなセッションを追加する場合には、セッション追加ボタン254を選択し、訓練パターンの登録、訓練モード及び訓練時間の設定等を行うことができる。
【0064】
なお、作成済みのセッション、例えば、他の日付において作成済みのセッションや他の患者用に作成されたセッションを、選択日付231の訓練情報領域250のセッションの1つとして複製することができるようにしてもよい。それによって、訓練情報の作成時間を短縮することができる。また、過去の日付を選択日付231としても、セッションの追加又は編集は行うことができない。
【0065】
当日を選択日付231とした場合、訓練情報領域250に表示されているセッションを含む訓練情報は、編集部領域253の開始ボタンを選択することによって、管理端末3に接続されたリハビリテーション支援装置2に対して送信され、訓練情報に基づく訓練を開始させることができる。さらに、管理端末3から開始させた訓練を、管理端末3から停止させることもできる。すなわち、医療者は、管理端末3を用いることによって、患者に対して容易に訓練を開始させ、停止させることができる。要するに、リハビリテーション情報に、可動部20に対する制御情報を含めることによって、管理端末3からリハビリテーション支援装置2を制御することができる。
【0066】
患者は、管理端末3から送信された訓練情報に基づく訓練を、図6に示された使用者画面100の制御部領域150の開始ボタンを選択することによって開始させることができる。また、患者は、訓練を実施しながら又は訓練を実施する前後において、使用者画面100の訓練時間領域110や訓練履歴領域120を参照し、訓練に対するモチベーションを高めることができる。
【0067】
管理端末3から送信された訓練情報に基づいて行われた訓練の結果は、後述するように、運動情報を含むリハビリテーション情報としてリハビリテーション支援装置2から管理端末3に対して送信される。医療者は、送信された訓練の結果を、図8に示された管理者画面200を参照することで確認することができる。具体的には、医療者は、日付領域230において、識別子232を参考にして訓練の実績がある日付を選択日付231とすると、選択日付231に実施された訓練の詳細が、図8に示された管理者画面200に例示されたとおり表示される。それによって、医療者は、訓練を実施した患者の現状を把握することができ、今後の訓練情報の作成等の参考にすることができる。
【0068】
上述した実施形態によれば、患者がリハビリテーションのスケジュール及び関連する情報の把握が容易なリハビリテーション支援装置2用の管理端末3及びリハビリテーション支援システム1が実現される。すなわち、管理者画面200によれば、日付領域230において訓練と関連付けられた日付に識別子232が表示されていることから、訓練の実施状況、訓練情報又は運動情報の内容が一見して把握又は予測できる。さらに、日付領域230における各日付又は各識別子232を選択することによって、訓練情報領域250等に表示された訓練情報、すなわちセッションの内容を詳細に確認することができる。さらに、管理端末3の管理者画面200において選択された当日のセッションの内容に基づく訓練を容易に開始又は停止することができる。そのため、医療者は、目の前の患者の状況及び状態を確認することができ、訓練を安全且つ確実に行うことができる。
【0069】
リハビリテーション情報、特に訓練情報を、日付と関連付け、さらにそれをカレンダー形式の日付領域230に表示させたことによって、リハビリテーションのスケジュール管理及び実績管理を視覚的に容易に行うことが可能となる。さらに識別子232の形状又は色彩等を訓練の実施状況等に応じて変化させることで、日付領域230を確認した患者のモチベーションの維持及び向上を図ることができる。
【0070】
なお、上述した実施形態では、日付領域230において選択された日付、すなわち選択日付231応じて、各領域において対応する内容が表示されたが、日付領域230において選択された識別子232に応じて、各領域において対応する内容が表示されるようにしてもよい。また、管理者画面200に表示する患者及びリハビリテーション支援装置2を、使用者情報及び装置情報の一覧からそれぞれ選択することによって切り替え可能としてもよい。管理者画面200の日付領域230又はその他領域において、一人の患者のリハビリテーション情報に代えて、複数の患者のリハビリテーション情報、例えば各日付において訓練を実施した患者数や、患者全体の訓練時間等を、数値又は円グラフ等で表示し、医療者が患者全体の訓練概要を把握することができるようにしてもよい。
【0071】
使用者画面100又は管理者画面200に、使用者情報、例えば、識別情報、個人情報、身体的情報、疾患情報及び生体情報の少なくとも1つを表示させるようにしてもよい。リハビリテーション支援装置2に管理者画面200を表示させるようにしてもよく、管理端末3に使用者画面を表示させるようにしてもよい。リハビリテーション支援装置2及び管理端末3の各々が、ログイン者に応じて使用者画面100又は管理者画面200を表示させるようにしてもよい。
【0072】
図9は、リハビリテーション支援システム1の使用方法のフローチャートである。図9及び後述する図10において、フローチャートは、リハビリテーション支援装置2の使用者画面100における制御部領域150の開始ボタンを選択することによって開始される。このとき、使用者画面100では、当日に行うべきセッションのうち未実施のセッションのみを選択可能であり、且つ、開始可能である。フローチャートは、管理端末3の管理者画面200における編集部領域253の開始ボタンの選択によって開始することもできる。このとき、管理者画面200では、日付領域230において当日を選択日付231として選択する必要がある。その上で、管理者画面200において、未実施のセッションを選択し、開始させることができる。
【0073】
図9を参照すると、まずステップS1において、患者の可動部20に対する運動、すなわち訓練の開始前に、管理端末3の第2記憶部90に記憶されている患者の使用者情報及び訓練情報を含むリハビリテーション情報がリハビリテーション支援装置2に対して送信され、第1記憶部70に記憶される。リハビリテーション支援装置2では、受信したリハビリテーション情報のうち使用者情報と共に実施すべき訓練情報が第1記憶部70から読み込まれ、読み込まれた使用者情報及び訓練情報が使用者画面100に表示される。
【0074】
次いで、ステップS2において、使用者画面100に表示された訓練情報に基づいて、患者による訓練が行われる。訓練中は、患者によって移動されるアーム部22の保持部21の運動情報が第1記憶部70に記憶されると共に、運動情報がリアルタイムにディスプレイ30に表示される。したがって、患者に対して、理想軌道と実際の軌道とが描く図形が、訓練情報として視覚的にフィードバックされる。
【0075】
次いで、ステップS3において、訓練がすべて終了したか否か判定される。訓練がすべて終了していない場合には、ステップS2へ進んで、再び訓練が行われる。訓練がすべて終了している場合には、ステップS4へ進む。
【0076】
次いで、ステップS4において、リハビリテーション支援装置2から管理端末3に対してリハビリテーション情報の送信が行われる。すなわち、リハビリテーション支援装置2の第1記憶部70に記憶された訓練情報等を含むリハビリテーション情報が、第1通信部53から管理端末3の第2通信部81に対して送信される。
【0077】
次いで、ステップS5において、リハビリテーション支援装置2が、管理端末3からの受信完了信号を受信したか否かが判定される。すなわち、ステップS4において送信されたリハビリテーション情報を受信した管理端末3において、リハビリテーション情報が第2記憶部90に記憶されると共に、第2通信部81から受信完了信号がリハビリテーション支援装置2の第1通信部53に対して送信される。また、ステップS5において、ステップS4において送信されたリハビリテーション情報に対して、受信した管理端末3の情報チェック部85による改竄又は破損のチェックが行われる。
【0078】
ステップS5において、リハビリテーション情報の送信から所定時間経過しても、通信不良等に起因して管理端末3がリハビリテーション情報を受信しなかった場合には、管理端末3の第2通信部81から受信完了信号は送信されなかったと判定される。したがって、ステップS5において、リハビリテーション支援装置2が受信完了信号を受信しなかった場合には、再びステップS4へ進んで、リハビリテーション情報の再送信が行われる。
【0079】
このとき、再びステップS4へ進むことなく、処理を終了してもよい。ステップS5における情報チェック部85によるチェックの結果、リハビリテーション情報に改竄又は破損があった場合には、処理を終了してもよい。ステップS5において、受信完了信号の受信がされなかった場合には、リハビリテーション支援装置2のディスプレイ30又は管理端末3のディスプレイ80に警告を表示してもよい。
【0080】
ステップS5において、リハビリテーション支援装置2が受信完了信号を受信した場合には、ステップS6へ進む。次いで、ステップS6において、情報削除部62によって、送信されたリハビリテーション情報の少なくとも一部の削除が行われ、ステップS10へ進む。
【0081】
次いで、ステップS10において、評価情報を生成するために、運動評価処理が実行される。ここで、図11を参照しながら運動評価処理について説明する。図11は、運動評価処理のフローチャートである。運動評価処理は、管理端末3の中央処理部84の運動評価部86によって実行される。
【0082】
図11を参照すると、まずステップS11において、訓練情報の読み込みが行われる。次いで、ステップS12において、ステップS11で読み込まれた訓練情報に基づいて行われた訓練における運動情報の読み込みが行われる。次いで、ステップS13において、読み込まれた訓練情報及び運動情報の比較が行われる。次いで、ステップS14において、ステップS13における比較結果に基づき、評価情報の生成が行われ、処理を終了する。生成された評価情報は第2記憶部90に記憶される。
【0083】
再び図9を参照すると、ステップS10において評価情報が生成された後、ステップS7において、管理端末3から評価情報を含むリハビリテーション情報の送信が行われる。送信されたリハビリテーション情報はリハビリテーション支援装置2によって受信される。次いで、ステップS8において、管理端末3から送信された評価情報が、実施した訓練の結果を患者が確認できるように、リハビリテーション支援装置2のディスプレイ30に表示される。具体的には、図6に示された使用者画面100の訓練結果領域130等に、訓練の結果として訓練情報が表示される。次いで、ステップS9において、患者による訓練結果の確認が終了した後、情報削除部62によって、第1記憶部70から評価情報が削除され、処理を終了する。患者による確認の終了とは、例えば、使用者画面100の制御部領域150における終了ボタンの選択である。
【0084】
図10は、リハビリテーション支援システムの使用方法の別のフローチャートである。図10において、図9に示されたフローチャートにおけるステップと同一のステップには、同一の符号を付している。
【0085】
図10を参照すると、図9に示されたフローチャートと同様に、ステップS1からステップS2へ進んだ後、ステップS4において、リハビリテーション支援装置2から管理端末3に対して実施した訓練情報に基づく訓練の一部についてのリハビリテーション情報の送信が行われる。すなわち、リハビリテーション支援装置2の第1記憶部70に記憶された訓練情報等を含むリハビリテーション情報が、第1通信部53から管理端末3の第2通信部81に対して送信される。
【0086】
次いで、ステップS5において、図9に示されたフローチャートと同様に、リハビリテーション支援装置2が、管理端末3からの受信完了信号を受信したか否かが判定される。ステップS5において、受信完了信号を受信した場合には、ステップS6へ進む。次いで、ステップS5において、情報削除部62によって、送信されたリハビリテーション情報の削除が行われる。次いで、図9に示されたフローチャートと同様に、ステップS10、ステップS7及びステップS8へ進む。
【0087】
ステップS8において、図6に示された使用者画面100の訓練結果領域130等に、訓練の結果として訓練情報が表示される。次いで、ステップS9において、患者による訓練結果の確認が終了した後、情報削除部62によって、第1記憶部70から評価情報が削除される。次いで、ステップS3において、訓練がすべて終了したか否か判定される。訓練がすべて終了していない場合には、ステップS2へ進んで、再び訓練が行われる。訓練がすべて終了している場合には、処理を終了する。すべての訓練が終わった際に、リハビリテーション支援装置2にてすべての訓練情報を表示して確認したい場合には、管理端末3からすべての訓練情報をリハビリテーション支援装置2に対して送信し、表示させてもよい。
【0088】
以上より、図10に示されたフローチャートは、図9に示されたフローチャートと比較して、リハビリテーション情報を送信するタイミングにおいてのみ異なる。すなわち、図9に示されたフローチャートにおいては、訓練情報に基づくすべての訓練、例えば訓練情報のうちの1つのセッション又は全部のセッションが終了してからリハビリテーション情報が送信される。したがってこの場合、訓練終了後すぐに、リアルタイム処理としてリハビリテーション情報が管理端末3に送信されるようにしてもよく、所定時刻又は所定時間毎に実行されるバッチ処理としてリハビリテーション情報が送信されるようにしてもよい。1つのセッションに基づく訓練の終了後、当該セッションに関するリハビリテーション情報の送信がすべて完了しないと、次のセッションに基づく訓練を開始することができないようにしてもよい。
【0089】
他方、図10に示されたフローチャートにおいて、訓練情報に基づく訓練の一部、例えば訓練情報のうちの1つのセッションに基づく訓練、又は、当該セッションにおける1つの訓練パターンに基づく訓練が終了した都度、リハビリテーション情報の送信と、送信されたリハビリテーション情報の削除とが行われる。したがって、訓練をスムーズに行えるように、リアルタイム処理としてリハビリテーション情報が送信される。
【0090】
リハビリテーション情報の送信がバッチ処理として行われることによって、患者の訓練中に、医療者が管理端末3を介して患者の訓練の状況をリアルタイムに確認することが可能となる。他方、リハビリテーション情報の送信がバッチ処理として行われることによって、リアルタイム処理と較べて通信負荷等のシステム上の負荷を軽減することができる。
【0091】
仮に、1つの訓練情報に基づく訓練が患者又は医療者による停止ボタンの押下等で強制的に終了された場合、それまでの訓練によるリハビリテーション情報の送信が自動的に行われるようにしてもよい。1つの訓練情報に基づく訓練が一時的に中断された場合、訓練の再開がされるまでに間に、それまでの訓練によるリハビリテーション情報の送信が自動的に行われるようにしてもよい。なお、訓練が一時的に中断された状態で、停止ボタンを押下すると、再開するか又は終了するかを選択できるようにしてもよい。
【0092】
なお、1つのセッションに基づく訓練が終了すると、訓練の継続として、次に実施するセッションを選択できるようにしてもよい。次のセッションを選択すれば、訓練を継続することができ、訓練の終了が選択できるようにしてもよい。予定していたすべてのセッションに基づく訓練を終了した場合でも、実施済みのセッションを選択し、訓練を継続してもよい。
【0093】
上述したステップS7では、情報削除部62によって、リハビリテーション情報に含まれるデータのうちの一部又は全部が削除される。削除されるリハビリテーション情報の少なくとも一部とは、例えば、図9及び図10のフローチャートのステップS7では、リハビリテーション情報に含まれるデータのうちの使用者情報のみを削除し、訓練情報、運動情報及び評価情報を残すようにしてもよい。また、使用者情報のうちの氏名等の個人情報のみを削除し、身長及び体重等の身体的情報を残すようにしてもよい。
【0094】
要するに、訓練情報に基づく患者の可動部20に対する運動の一部又は全部が終了したタイミングで、リハビリテーション情報が第1通信部53によって管理端末3に送信されることによって、リハビリテーション情報のうちの少なくとも一部、例えば運動情報が、情報削除部62によって削除されるようにしてもよい。また、訓練情報に基づく患者の可動部20に対する運動の全部が終了したタイミングで、リハビリテーション情報が第1通信部53によって管理端末3に送信されることによって、リハビリテーション情報のうちの少なくとも使用者情報が、情報削除部62によって削除されるようにしてもよい。
【0095】
患者の可動部20に対する運動が終了したタイミングが、訓練情報に基づく患者の可動部20に対する運動が中断したタイミングであってもよく、訓練情報に基づく患者の可動部20に対する運動が終了したタイミングであってもよく、訓練情報に基づく患者の可動部20に対する運動が終了した後に継続された運動が終了したタイミングであってもよい。
【0096】
管理端末3の第2記憶部90には、複数のリハビリテーション支援装置2から送信された、複数の使用者及び対応する複数のリハビリテーション情報が記憶されるようにしてもよい。この場合、管理端末3のディスプレイ80に、複数の使用者の複数のリハビリテーション情報を表示させるようにしてもよい。
【0097】
上述した実施形態によれば、取得又は生成されたデータ、例えば運動情報及び評価情報の消失又は漏洩のリスクを最小限に抑えることが可能なリハビリテーション支援システム1が実現される。すなわち、リハビリテーション支援装置2の第1記憶部70に記憶されたリハビリテーション情報は、訓練情報に基づく訓練の一部又は全部が終了した後に、管理端末3へ送信され、管理端末3の第2記憶部90に記憶される。そのため、リハビリテーション支援装置2の不具合又は第1記憶部70の故障、突然の停電等による不慮の事態等によって、データを消失することが防止され、仮にデータを消失したとしても影響を最低限に抑えることができる。なお、管理端末3の第2記憶部90は、管理端末3の外部に設けられた記憶部であってもよい。
【0098】
さらに、管理端末3は、リハビリテーション支援装置2から受信したリハビリテーション情報について、改竄又は破損のチェックを行い、管理端末3において正常に受信がなされた場合には、リハビリテーション支援装置2のリハビリテーション情報が削除される。したがって、リハビリテーション支援装置2の第1記憶部70に記憶されるリハビリテーション情報を最低限にすることができ、仮に不正にアクセスされた場合であっても、情報の漏洩を最小限に抑えることができる。
【0099】
また、複数のリハビリテーション支援装置2のリハビリテーション情報を1つの管理端末3に効率的に収集し且つ集約させることができることから、集約されたリハビリテーション情報を利用して、患者各々に最適な訓練情報の生成や患者の回復の予測等を行うことができる。
【0100】
上述した実施形態では、リハビリテーション支援装置2を上肢麻痺の患者を対象として構成したが、下肢麻痺の患者を対象とするように、アーム部を構成してもよい。さらに、リハビリテーション支援装置2を、腕以外にも手首、肘、肩又は膝等を対象とするようにアーム部を構成してもよい。
【0101】
また、本発明に係るリハビリテーション支援装置2は、その他様々な訓練用途に適用してもよく、例えば、上肢の関節の癒着及び拘縮の予防及び関節可動域の改善だけでなく、疼痛の軽減、筋緊張の軽減、座位バランスの向上、運動認知の改善及び上肢の筋力強化等に適用可能である。
【符号の説明】
【0102】
1 リハビリテーション支援システム
2 リハビリテーション支援装置
3 管理端末
10 装置本体
20 可動部
30 ディスプレイ
40 駆動部
50 入出力部
51 運動情報取得部
52 入力部
53 第1通信部
54 生体情報取得部
60 中央処理部
61 制御部
62 情報削除部
70 第1記憶部
80 ディスプレイ
81 第2通信部
82 入力部
83 生体情報取得部
84 中央処理部
85 情報チェック部
86 運動評価部
90 第2記憶部
200 管理者画面
210 基本メニュー領域
220 訓練時間領域
230 日付領域
231 選択日付
232 識別子
240 メモ領域
250 訓練情報領域
251 第1セッション領域
252 第2セッション領域
253 編集部領域
254 セッション追加ボタン
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