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  • 特開-消火スプリンクラーおよび偏向器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022118139
(43)【公開日】2022-08-12
(54)【発明の名称】消火スプリンクラーおよび偏向器
(51)【国際特許分類】
   A62C 37/11 20060101AFI20220804BHJP
【FI】
A62C37/11
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022099400
(22)【出願日】2022-06-21
(62)【分割の表示】P 2020050854の分割
【原出願日】2017-08-30
(31)【優先権主張番号】62/385,273
(32)【優先日】2016-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510218928
【氏名又は名称】ビクターリック カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】トーマス エフ. ワンチョ
(57)【要約】
【課題】好適な消火スプリンクラーおよび偏向器を提供すること。
【解決手段】消火スプリンクラーは、偏向器支持アームと整合される2つのスロットを伴う偏向器を有する。2つのスロットは、スプリンクラーの流動軸を通過する共通線に沿って、偏向器の周辺の両側から延在する。2つのスロットは、偏向器が取り付けられる支持アームの端部におけるスプリンクラーの突出部の下にある点まで延在する。他のスロットは、スプリンクラー流動軸を通過しない線に沿って、偏向器の周辺から延在する。他のスロットは、突出部に対して離間された関係にある点まで延在する。第1および第2のスロットを囲繞する偏向器周辺の領域は、周辺の他の領域よりも流動軸により近い。第1および第2のスロットのそれぞれの面積は、偏向器プレート内の他の任意のスロットの面積を上回る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2016年9月9日に出願された米国仮出願第62/385,273号に基づき、およびそれに対して優先権を主張する。上記文献は、参照することによって本明細書において援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、消火スプリンクラーと、消火スプリンクラーと併用される偏向器とに関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
早期制圧速動型(ESFR)消火スプリンクラーは、倉庫天井と物品との間に大きいクリアランスを有する倉庫内の物品を保護するために使用されるとき、難題に直面する。40フィートおよびそれを超える天井高を有する倉庫は、床から20フィートおよびそれ未満の高さで棚置される物品を有し、(スプリンクラーが位置付けられる近傍の)天井と物品との間に20フィートまたはそれを超えるクリアランスを残し得る。そのようなクリアランスにおいて動作するESFRスプリンクラーへの難題は、スプリンクラー自体の下方の火を鎮圧させるために十分な密度と速度とを有する消化液の中心流動を維持する一方で、また、外囲「傘」噴霧パターンを維持し、所望される面積を保護するために要求される放出ならびに外部傘パターンと中心流動との間の中間範囲内に十分な流動を提供し、中間区域内の火が、成長し、外部傘を圧倒しないように防止することを含む。しかしながら、いくつかの従来技術のESFRスプリンクラー設計に関して、スプリンクラーと物品との間の大きいクリアランス距離は、噴霧パターンが、過大面積に放出されることを可能にし、それによって、特に、中間区域における噴霧パターン密度、故に、スプリンクラーの消火有効性を低減させる。そのような状態はまた、中心区域内の火炎プルームによって作成される上昇気流が外部傘噴霧パターンを阻止かつ持ち上げることを可能にし、いくつかの場合では、隣接するスプリンクラーの湿潤および冷却を引き起こし、それによって、それらの動作を防止または遅延させ得る。この現象は、火の熱プルームが、そうでなければ最も良好に設置されて消化する、近傍の冷却されたスプリンクラーを「スキップ」させるため、「スキッピング」として公知である。さらに、スキッピングはまた、火からより遠隔にあるスプリンクラーをトリガし、したがって、消火においてより非有効的にさせやすい。結果として、火災と戦うために呼ばれる消防士への火および水の両方の損傷ならびに付加的なリスクが、増加する。
【0004】
高クリアランス倉庫火災保護の難題を取り扱うために、消火スプリンクラー、特に、ESFRタイプのスプリンクラーを改良する機会が、明確に存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(要約)
本発明は、消火スプリンクラーに関する。例示的実施形態では、スプリンクラーは、ボアを囲繞する本体を備える。ボアは、ボアと同軸に配列される流動軸を画定する。第1および第2のアームは、本体の両側に搭載され、そこから流動軸に沿った方向に延在する。突出部は、アームの端部上に搭載される。突出部は、流動軸と同軸に位置付けられる。偏向器は、突出部上に搭載される。例示的実施形態では、偏向器は、流動軸に対して横方向に配向されるプレートを備える。プレートは、複数の歯部を画定する複数のスロットを備える。第1および第2のスロットは、流動軸に対して半径方向に配列され、かつ、それぞれ、第1および第2のアームと整合される。第1および第2のスロットは、プレートの周辺から、突出部の下にある個別の点まで延在する。残りのスロットは、周辺から突出部から、離間された関係にある個別の点まで延在する。
【0006】
例示的実施形態では、歯部は、第1および第2のスロットの両側に位置付けられ、流動軸から第1の距離において端部を有する。残りのスロットの両側に位置付けられる歯部は、第1の距離を上回る第2の距離において端部を有する。
【0007】
実施例として、第1および第2のスロットは、個別の第1および第2の面積を画定する。第1および第2の面積はそれぞれ、残りのスロットのうちの任意のスロットによって画定される任意の面積を上回る。また、実施例として、残りのスロットは、第1のスロットに隣接する、スロットの第1の対と、第2のスロットに隣接する、スロットの第2の対とをさらに備える。
【0008】
例示的実施形態では、第1および第2の対を備えるスロットは、流動軸と交差しない個別の線に沿って延在する。
【0009】
さらに、実施例として、第1および第2の対を備えるスロットはそれぞれ、個別の線に対して非対称である。例示的実施形態では、残りのスロットは、第1のスロットに隣接する、スロットの第3の対と、第2のスロットに隣接する、スロットの第4の対とをさらに備える。スロットの第1の対は、第1のスロットとスロットの第3の対との間にあり、スロットの第2の対は、第2のスロットとスロットの第4の対との間にある。
【0010】
実施例として、第1、第2、第3、および第4の対を備えるスロットはそれぞれ、流動軸と交差しない個別の線に沿って延在する。別の実施例では、第1、第2、第3、および第4の対を備えるスロットはそれぞれ、個別の線に対して非対称である。
【0011】
例示的実施形態では、第1の対のスロットは、周辺から突出部に対して離間された関係にある第1の個別の点まで延在し、第2の対のスロットは、周辺から突出部に対して離間された関係にある第2の個別の点まで延在する。第2の点は、第1の点よりも突出部からより遠い。また、実施例として、残りのスロットは、個別の中間スロットをさらに備える。各中間スロットは、複数のスロットのうちの2つのスロットの間にある。
【0012】
例示的実施形態では、中間スロットは、周辺から突出部に対して離間された関係にある第3の個別の点まで延在する。第3の個別の点は、第2の点よりも突出部からより遠い。
【0013】
実施例として、第1および第2のスロットはそれぞれ、周辺に近接する第1の幅と、周辺から遠位にある第2の幅とを有する。第2の幅は、第1の幅を上回る。さらに、実施例として、第1および第2のアームは、突出部に近接する第1の厚さと、本体に近接する第2の厚さとを有する。第1および第2のスロットの第1の幅は、アームの第1の厚さを上回る。例示的実施形態では、第1および第2のスロットの第2の幅は、アームの第2の厚さを上回る。
【0014】
本発明によるスプリンクラーの例示的実施形態は、ボアの上にある本体と除去可能に係合される、シール部材をさらに備える。感熱性トリガは、所定の周囲温度が達成されるとき、シール部材を本体との係合から解放するための、突出部とシール部材との間に延在する。例示的実施形態では、シール部材は、プラグを備え、感熱性トリガは、感熱性流体を含有する、脆弱なガラスバルブを備える。
【0015】
例示的実施形態では、スプリンクラーは、14~34のk係数を有してもよい。特定の事例では、スプリンクラーは、16.8のk係数を有してもよい。さらに、実施例として、偏向器は、ある厚さを有する。1つの例示的実施形態では、偏向器は、偏向器の厚さの2倍に等しい距離において、アームの端部に対して離間された関係に搭載される。別の例示的実施形態では、偏向器は、偏向器の厚さの3倍に等しい距離において、アームの端部に対して離間された関係に搭載される。
【0016】
本発明はまた、消火スプリンクラーのための偏向器を包含する。例示的実施形態では、偏向器は、中心を囲繞する周辺を有する、円形プレートを備える。第1および第2のスロットは、周辺上の正反対の点から共通直径に沿って中心に向かって延在するプレート内にある。第1の複数のスロットは、第1のスロットと第2のスロットとの間にプレートの周辺に位置付けられる。第1の複数のスロットはそれぞれ、周辺から円形プレートの個別の弦に沿って延在する。第2の複数のスロットは、プレートの周辺に位置付けられる。第2の複数のスロットの各スロットは、第1のスロットと第2のスロットとの間に位置付けられ、周辺から円形プレートの個別の半径に沿って中心に向かって延在する。
【0017】
さらに、実施例として、第1および第2のスロットは、中心から第1の距離において、個別の端部を有する。第1の複数のスロットの第1の半分は、中心から第2の距離において個別の端部を有する。第1の複数のスロットの第2の半分は、中心から第3の距離において個別の端部を有する。第2の複数のスロットは、中心から第4の距離において個別の端部を有する。例示的実施形態では、第1の距離は、第2の距離未満であり、第2の距離は、第3の距離未満であり、かつ第3の距離は、第4の距離未満である。
【0018】
さらなる例示的実施形態では、第1および第2のスロットは、個別の第1および第2の面積を画定する。例示的実施形態では、第1および第2の面積はそれぞれ、第1および第2の複数のスロットの任意のスロットによって画定される任意の面積を上回る。実施例として、それぞれ、第1および第2のスロットに隣接する、周辺の第1および第2の領域はそれぞれ、周辺のうちの残りの半径未満である半径を有する。
【0019】
実施例として、第1の複数のスロットのスロットはそれぞれ、それに沿って第1の複数のスロットのそれぞれが延在する円形プレートの個別の弦に対して非対称である。さらに、実施例として、第2の複数のスロットのスロットはそれぞれ、それに沿って第2の複数のスロットのそれぞれが延在する円形プレートの個別の半径に対して対称である。
【0020】
例示的実施形態では、第1および第2のスロットはそれぞれ、周辺に近接する第1の領域にわたる第1の幅と、第1の領域と中心との間に位置付けられる第2の領域にわたる第2の幅とを有する。例示的実施形態では、第1の幅は、第2の幅未満である。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
消火スプリンクラーであって、前記スプリンクラーは、
ボアを囲繞する本体であって、前記ボアは、前記ボアと同軸に配列された流動軸を画定する、本体と、
前記本体の両側に搭載され、そこから前記流動軸に沿った方向に延在する、第1および第2のアームと、
前記アームの端部上に搭載された突出部であって、前記突出部は、前記流動軸と同軸に位置付けられている、突出部と、
前記突出部上に搭載された偏向器であって、前記偏向器は、前記流動軸に対して横方向に配向され、かつ複数の歯部を画定する複数のスロットを備える、プレートを備え、前記スロットのうちの第1および第2のスロットは、前記流動軸に対して半径方向に配列され、かつ、それぞれ、前記第1および第2のアームと整合されており、前記第1および第2のスロットは、前記プレートの周辺から、前記突出部の下にある個別の点まで延在し、前記スロットのうちの残りは、前記周辺から、前記突出部から離間された関係にある個別の点まで延在する、偏向器と
を備える、スプリンクラー。
(項目2)
前記第1および第2のスロットの両側に位置付けられた前記歯部は、前記流動軸から第1の距離において端部を有し、前記スロットのうちの前記残りの両側に位置付けられた前記歯部は、前記第1の距離を上回る第2の距離において端部を有する、項目1に記載のスプリンクラー。
(項目3)
前記第1および第2のスロットは、個別の第1および第2の面積を画定し、前記第1および前記第2の面積はそれぞれ、前記スロットのうちの前記残りのうちの任意のスロットによって画定される任意の面積を上回る、項目1に記載のスプリンクラー。
(項目4)
前記スロットのうちの前記残りは、前記第1のスロットに隣接する、スロットの第1の対と、前記第2のスロットに隣接する、スロットの第2の対とをさらに備える、項目1に記載のスプリンクラー。
(項目5)
前記スロットは、前記流動軸と交差しない個別の線に沿って延在する、前記第1および第2の対を備える、項目4に記載のスプリンクラー。
(項目6)
前記スロットのそれぞれは、前記個別の線に対して非対称である、前記第1および第2の対を備える、項目5に記載のスプリンクラー。
(項目7)
前記スロットのうちの前記残りは、第1のスロットに隣接する、スロットの第3の対と、前記第2のスロットに隣接する、スロットの第4の対とをさらに備え、前記スロットの第1の対は、前記第1のスロットと前記スロットの第3の対との間にあり、前記スロットの第2の対は、前記第2のスロットと前記スロットの第4の対との間にある、項目4に記載のスプリンクラー。
(項目8)
前記第1、第2、第3、および第4の対を備える前記スロットのそれぞれは、前記流動軸と交差しない個別の線に沿って延在する、項目7に記載のスプリンクラー。
(項目9)
前記第1、第2、第3、および第4の対を備える前記スロットは、前記個別の線に対して非対称である、項目8に記載のスプリンクラー。
(項目10)
前記第1の対の前記スロットは、前記周辺から、前記突出部に対して離間された関係にある第1の前記個別の点まで延在し、前記第2の対のスロットは、前記周辺から、前記突出部に対して離間された関係にある第2の前記個別の点まで延在し、前記第2の点は、前記第1の点よりも前記突出部からより遠い、項目7に記載のスプリンクラー。
(項目11)
前記スロットのうちの前記残りは、個別の中間スロットをさらに備え、各前記中間スロットは、前記複数のスロットのうちの2つのスロットの間にある、項目10に記載のスプリンクラー。
(項目12)
前記中間スロットは、前記周辺から、前記突出部に対して離間された関係にある第3の前記個別の点まで延在し、前記第3の前記個別の点は、前記第2の点よりも前記突出部からより遠い、項目11に記載のスプリンクラー。
(項目13)
前記第1および第2のスロットのそれぞれは、前記周辺に近接する第1の幅と、前記周辺から遠位にある第2の幅とを有し、前記第2の幅は、前記第1の幅を上回る、項目1に記載のスプリンクラー。
(項目14)
前記第1および第2のアームは、前記突出部に近接する第1の厚さと、前記本体に近接する第2の厚さとを有し、前記第1および第2のスロットの前記第1の幅は、前記アームの前記第1の厚さを上回り、前記第1および第2のスロットの前記第2の幅は、前記アームの前記第2の厚さを上回る、項目13に記載のスプリンクラー。
(項目15)
前記ボアの上にある前記本体と除去可能に係合されている、シール部材と、
所定の周囲温度が達成されるとき、前記シール部材を前記本体との係合から解放するための、前記突出部と前記シール部材との間に延在する、感熱性トリガと
をさらに備える、項目1に記載のスプリンクラー。
(項目16)
前記シール部材は、プラグを備え、前記感熱性トリガは、感熱性流体を含有する、脆弱なガラスバルブを備える、項目1に記載のスプリンクラー。
(項目17)
14~34のk係数を有する、項目1に記載のスプリンクラー。
(項目18)
16.8のk係数を有する、項目1に記載のスプリンクラー。
(項目19)
前記偏向器は、ある厚さを有し、前記偏向器は、前記偏向器の厚さの2倍に等しい距離において、前記アームの前記端部に対して離間された関係に搭載されている、項目1に記載のスプリンクラー。
(項目20)
前記偏向器は、ある厚さを有し、前記偏向器は、前記偏向器の厚さの3倍に等しい距離において、前記アームの前記端部に対して離間された関係に搭載されている、項目1に記載のスプリンクラー。
(項目21)
消火スプリンクラーのための偏向器であって、前記偏向器は、
中心を囲繞する周辺を有する、円形プレートと、
前記周辺上の正反対の点から共通直径に沿って前記中心に向かって延在する、前記プレート内の第1および第2のスロットと、
前記第1のスロットと前記第2のスロットとの間に前記プレートの周辺に位置付けられた第1の複数のスロットであって、前記第1の複数のスロットのうちの前記スロットのそれぞれは、前記周辺から前記円形プレートの個別の弦に沿って延在する、第1の複数のスロットと、
前記プレートの周辺に位置付けられた第2の複数のスロットであって、前記第2の複数のスロットのうちの各スロットは、前記第1のスロットと前記第2のスロットとの間に位置付けられ、前記周辺から前記円形プレートの個別の半径に沿って前記中心に向かって延在する、第2の複数のスロットと
を備える、偏向器。
(項目22)
前記第1および第2のスロットは、前記中心から第1の距離において個別の端部を有し、
前記第1の複数のスロットの第1の半分は、前記中心から第2の距離において個別の端部を有し、
前記第1の複数のスロットの第2の半分は、前記中心から第3の距離において個別の端部を有し、
前記第2の複数のスロットは、前記中心から第4の距離において個別の端部を有し、
前記第1の距離は、前記第2の距離未満であり、前記第2の距離は、前記第3の距離未満であり、前記第3の距離は、前記第4の距離未満である、項目21に記載の偏向器。
(項目23)
前記第1および第2のスロットは、個別の第1および第2の面積を画定し、前記第1および前記第2の面積はそれぞれ、前記第1および第2の複数のスロットの任意のスロットによって画定される任意の面積を上回る、項目21に記載の偏向器。
(項目24)
それぞれ、前記第1および第2のスロットに隣接する、前記周辺の第1および第2の領域はそれぞれ、前記周辺のうちの残りの半径未満である半径を有する、項目21に記載の偏向器。
(項目25)
前記第1の複数のスロットのうちの前記スロットのそれぞれは、それに沿って前記第1の複数のスロットのうちの前記スロットのそれぞれが延在する、前記円形プレートの前記個別の弦に対して非対称である、項目21に記載の偏向器。
(項目26)
前記第2の複数のスロットのうちの前記スロットの前記それぞれは、それに沿って前記第2の複数のスロットのうちの前記スロットのそれぞれが延在する、前記円形プレートの前記個別の半径に対して対称である、項目21に記載の偏向器。
(項目27)
前記第1および第2のスロットのそれぞれは、前記周辺に近接する第1の領域にわたる第1の幅と、前記第1の領域と前記中心との間に位置付けられた第2の領域にわたる第2の幅とを有し、前記第1の幅は、前記第2の幅未満である、項目21に記載の偏向器。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本発明による、例示的消火スプリンクラーの側面図である。
図2図2は、図1に示される消火スプリンクラーの横断面図である。
図3図3は、図1に示される消火スプリンクラーの端面図である。
図4図4は、消火スプリンクラーのための本発明による、例示的偏向器の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(詳細な説明)
図1および2は、本発明による、例示的消火スプリンクラー10を示す。スプリンクラー10は、例えば、約14~約34の、具体的には16.8の「k係数」を有する早期制圧速動型(ESFR)スプリンクラーであってもよい。k係数は、公式Q=k(p)1/2によって、スプリンクラーからの放水率「Q」と、スプリンクラー内の圧力「p」とに関連する。
【0023】
スプリンクラー10は、ボア14を囲繞する本体12を備える。ボア14は、ボアと同軸に配列される流動軸16を画定する。本体10は、スプリンクラー10の消火システム(図示せず)の配管網への接続のための雄ねじ管継手18と、取付の間、スプリンクラーにトルクを印加するためのスパナを受容する複数の平坦表面20とを備えてもよい。第1および第2のアーム22、24は、本体12の両側から流動軸16に沿って延在し、アームの端部上に搭載される突出部26を支持する。突出部26は、流動軸16と同軸に位置付けられ、感熱性トリガ28を支持する。突出部26は、アーム22および24の端部ならびに距離29を越えて延在し、それによって、偏向器がアーム22および24の端部に対して離間された関係にある突出部26上に搭載されることを可能にする、有利には、円筒形である部分27を有する。
【0024】
本実施例では、感熱性トリガ28は、感熱性流体32を含有する、脆弱なガラスバルブ30を備える。バルブ30は、突出部26とシール部材34、本実施例では、本体12との係合を通してボア14の上にあり、かつそれをシールするプラグ36との間に延在する。突出部26はまた、バルブ30と整合された突出部26上のボア40内に螺合される、止めねじ38を備える。止めねじ38は、バルブ30のスプリンクラー10内への組立およびバルブ上の圧縮力の調節を可能にする。バルブ30は、その閉鎖される構成(図示済み)にスプリンクラー10を維持するために、プラグ36を支持する。周囲温度が、所定の値に到達する、例えば、火災を示すとき、バルブ30が、破損する。バルブが、破損するとき、それは、もはや本体12との係合から解放されるプラグ36を支持せず、スプリンクラー10を開放し、水または他の消火液が放出されることを可能にする。所定の温度において融解し、スプリンクラーが開放することを可能にするはんだによってともに保持される成分を有するもの等の他の感熱性トリガもまた、実現可能である。
【0025】
偏向器42が、突出部26上に搭載される。図2および3に示されるように、例示的偏向器42は、流動軸16に横方向に配向される略円形のプレート44を備え、厚さ43を有する。偏向器42は、距離29において、アーム22および24の端部に対して離間された関係に位置付けられる。例示的実施形態では、距離29は、偏向器42の厚さ43の2倍を上回る。好ましい実施形態では、距離29は、偏向器42の厚さ43の約3倍である。
【0026】
プレート44内の複数のスロット46は、複数の歯部48を画定する。スロット46および歯部48は、NFPA 13「スプリンクラーシステムの取付に関する規格」を含む、アメリカ消火協会(NFPA)等の当局によって確立された規定および規格下で取り付けられることが可能にされるように、放水率、網羅面積サイズ、および形状を管理する規格ならびに他の性能規格を満たすように、突出部26、アーム22および24、ならびにボア14と併せて設計される。適合スプリンクラーが合格しなければならない、要求される試験は、FM GlobalおよびUL等の国家承認試験研究所によって発布された規格に記載されており、そのような規格は、UL 1767と、FM 2008とを含む。これらの規格は、高クリアランス用途に具体的に焦点が当てられた火災試験を含むUL 1767を用いた、水流および分布試験、実散水密度(ADD)試験、ならびに実地火災試験を含む、適合スプリンクラーが合格しなければならない種々の試験を述べる。
【0027】
例示的スプリンクラー10は、40フィート高およびそれを超える天井を伴い、保護されるべき保管物品が倉庫の床から20フィートおよびそれを下回る高さで棚置され、かつ天井と物品との間に20フィートまたはそれを上回るクリアランスをもたらす倉庫において使用され得るESFRスプリンクラーに対するUL1767基準を満たすように設計される。この目標を達成するために、偏向器42は、プレート44内に第1および第2のスロット50、52を備える。スロット50および52は、流動軸16に対して半径方向に配向され、図3から明白であるように、それぞれ、第1および第2のアーム22、24と整合される。スロット50および52は、プレート44の周辺54から突出部26の下にある個別の点56および58まで延在する。下記に詳述されるように、複数のスロット46のうちの残り46aは、周辺54から突出部26から離間された関係にある個別の点まで延在する。
【0028】
例示的偏向器42では、スロット50および52は、周辺54に近接する第1の幅60と、周辺から遠位にある第2の幅62とを有する。第2の幅62は、第1の幅60を上回る。図1および3にさらに示されるように、アーム22および24は、突出部26に近接する第1の厚さ64と、本体12に近接する第2の厚さ66とを有する。スプリンクラー10に関して図3に示されるように、第1および第2のスロット50、52の第1の幅60は、アーム22および24の第1の厚さ64を上回り、スロット50および52の第2の幅62は、アーム22および24の第2の厚さ66を上回る。加えて、第1および第2のスロット50、52は、個別の第1および第2の面積68、70を画定する。各面積68および70は、残りのスロット46aのうちの任意のスロットによって画定される任意の面積を上回る。
【0029】
図3にさらに示されるように、第1および第2のスロット50、52の両側に位置付けられる歯部72および74はそれぞれ、流動軸16から測定される第1の距離76において端部を有する。残りのスロット46aの両側に位置付けられる歯部48はそれぞれ、第1の距離76を上回る第2の距離78において端部を有する。偏向器42の実践的実施例では、第1の距離76は、約0.729インチ~約0.779インチの範囲に及び、約0.754インチの第1の距離が、有利であると予期される。上記に記載されるように、第1の距離が、約0.754インチであるとき、第2の距離78は、約0.754インチ~約0.804インチの範囲に及び、約0.779インチの第2の距離が、有利であると予期される。
【0030】
残りのスロット46a(すなわち、第1および第2のスロット50、52以外のスロット)は、スロットの対として編成される。第1の対のスロット80は、第1のスロット50に隣接し(すなわち、両側に位置付けられ)、第2の対のスロット82は、第2のスロット52に隣接する。スロット80および82は、流動軸16を通過しない個別の線84および86に沿って延在する。スロット80および82はさらに、スロット80および82の片側のみに存在する湾曲される周囲領域88によって立証されるように、個別の線84および86に対して非対称である。第3の対のスロット90はまた、第1のスロット50に隣接し、第4の対のスロット92はまた、第2のスロット52に隣接する。図3の例示的実施形態では、第1の対のスロット80は、第1のスロット50と第3の対のスロット90との間に位置付けられ、第2の対のスロット82は、第2のスロット52と第4の対のスロット92との間に位置付けられる。スロット90および92は、流動軸16を通過しない個別の線94、96に沿って延在する。スロット90および92はさらに、スロット90および92の片側のみに存在する湾曲される周囲領域98によって立証されるように、個別の線94および96に対して非対称である。
【0031】
残りのスロット46aは、中間スロット100をさらに備える。各中間スロット100は、複数のスロット46(プレート44内の全てのスロットを含む複数のスロット)のうちの2つのスロットの間に位置付けられる。中間スロット100は、流動軸16を通過する個別の線102に沿って延在し、かつそれに対して対称である。第1および第2のスロット50、52とは異なり、残りのスロット46aを構成するスロット80、82、90、92、および100はそれぞれ、プレート44の周辺54から突出部26に対して離間された関係にある個別の点まで延在する。第1および第2の対のスロットを備えるスロット80、82は、第1の点104まで延在し、第2の対のスロットを備えるスロット90および92は、第2の点106まで延在し、かつ中間スロット100は、第3の点108まで延在する。第3の点108は、第1の点104よりも流動軸16からより遠い、第2の点106よりも流動軸16からより遠い。
【0032】
図4は、スプリンクラー本体から分離された例示的偏向器110を図示する。本実施例では、偏向器110は、中心116を囲繞する周辺114を有する円形プレート112を備える。プレート112内の第1および第2のスロット118、120は、周辺上の正反対の点から共通直径122に沿って中心116に向かって延在する。第1の複数のスロット124は、プレート112の周囲に位置付けられる。第1の複数のスロットの各スロット124は、プレート周辺114から円形プレート112の個別の弦126に沿って延在する。第2の複数のスロット128は、プレート112の周囲に位置付けられる。第2の複数のスロットの各スロット128は、第1のスロット118と第2のスロット120との間に位置付けられ、周辺112から円形プレート112の個別の半径130に沿って中心116に向かって延在する。
【0033】
図4にさらに示されるように、第1および第2のスロット118、120は、中心116から第1の距離136において個別の端部132、134を有する。第1の複数のスロット124の第1の半分124aは、中心116から第2の距離140において個別の端部138を有し、第1の複数のスロット124の第2の半分124bは、中心116から第3の距離144において個別の端部142を有する。第2の複数のスロット128は、中心116から第4の距離148において個別の端部146を有する。本例示的実施形態では、第1の距離136は、第2の距離140未満であり、第2の距離は、第3の距離144未満であり、かつ第3の距離は、第4の距離148未満である。
【0034】
第1および第2のスロット118、120は、第1および第2の面積150、152を画定する。第1および第2の面積はそれぞれ、第1および第2の複数のスロット124、128の任意のスロットによって画定される任意の面積を上回る。プレート112はさらに、それぞれ、第1および第2のスロット118、120に隣接する、第1および第2の周辺領域154、156を備える。各周辺領域154、156は、周辺114のうちの残り162の半径160未満である半径158を有する。
【0035】
図4にさらに描写されるように、第1の複数のスロットの各スロット124は、それに沿ってそれが延在する個別の弦126に対して非対称である。非対称性は、スロット124の片側にある湾曲される周囲領域164によって明白である。第2の複数のスロットのスロット128は、それに沿ってそれらが延在する個別の半径に対して対称である。加えて、第1および第2のスロットはそれぞれ、周辺114に近接する第1の領域170にわたる第1の幅168と、第1の領域170と中心116との間に位置付けられる第2の領域174にわたる第2の幅172とを有する。本例示的実施形態では、第1の幅168は、第2の幅172未満である。
【0036】
本発明による消火スプリンクラーは、UL 1767に記載されるものを含む、ESFRスプリンクラーに関する規格を満足するまたは上回り、天井と保護されている物品との間に大きいクリアランスを有する倉庫内での利用に好適であることが予期される。
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】