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特開2022-118289電柱設置イメージ表示システム及び電柱設置イメージ表示方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022118289
(43)【公開日】2022-08-15
(54)【発明の名称】電柱設置イメージ表示システム及び電柱設置イメージ表示方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20120101AFI20220805BHJP
【FI】
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021014705
(22)【出願日】2021-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126561
【弁理士】
【氏名又は名称】原嶋 成時郎
(72)【発明者】
【氏名】伊木 惇
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】煩雑な手間を省け、簡単にARコンテンツとしての電柱オブジェクトを画像中に表示できる電柱設置イメージ表示システムを提供する。
【解決手段】電柱設置イメージ表示システム1において、撮影手段20は、電柱を設置する場所を撮影する。表示手段30は、撮影手段20により撮影した画像を表示する。GNSS受信手段60は、GNSS(全球測位衛星システム)から位置情報を取得する。情報処理手段40は、撮影手段20により撮影した画像中の電柱の設置箇所の設置位置情報をGNSS受信手段が取得した位置情報に基づいて取得し、表示手段30の、撮影手段20により撮影した画像中であって、取得した電柱の設置位置情報に対応した箇所に、記憶手段70に記憶されている電柱のARコンテンツとしての3D電柱3を表示させる制御を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電柱を設置する場所を撮影する撮影手段と、前記撮影手段により撮影した画像を表示する表示手段と、全球測位衛星システム(GNSS)から位置情報を取得するGNSS受信手段と、前記撮影手段により撮影した画像中の電柱の設置箇所の設置位置情報を前記GNSS受信手段が取得した位置情報に基づいて取得する設置位置情報取得手段と、電柱のARコンテンツとしての電柱オブジェクトを記憶する記憶手段と、を備え、
前記撮影手段により撮影した画像中であって、前記設置位置情報取得手段により取得した電柱の設置位置情報に対応した箇所に、前記記憶手段に記憶されている前記電柱オブジェクトを表示する、
ことを特徴とする電柱設置イメージ表示システム。
【請求項2】
前記記憶手段には複数の電柱オブジェクトが記憶され、所望の電柱オブジェクトを選択して前記撮影手段により撮影した画像中の前記設置位置情報に対応した箇所に表示する、ことを特徴とする請求項1に記載の電柱設置イメージ表示システム。
【請求項3】
電柱を設置する場所を撮影する撮影手段と、前記撮影手段により撮影した画像を表示する表示手段と、全球測位衛星システム(GNSS)から位置情報を取得するGNSS受信手段と、前記撮影手段により撮影した画像中の電柱の設置箇所の設置位置情報を前記GNSS受信手段が取得した位置情報に基づいて取得する設置位置情報取得手段と、を備えた携帯型端末機器による電柱設置イメージ表示方法であり、
前記電柱の設置箇所に前記携帯型端末機器をかざして、前記GNSS受信手段により前記電柱の設置箇所の位置情報を取得するとともに、
前記撮影手段により撮影した前記画像中の前記設置位置情報に対応した箇所に、前記携帯型端末機器に内蔵のもしくは外部の記憶手段に記憶されている電柱のARコンテンツとしての電柱オブジェクトを表示する、
ことを特徴とする電柱設置イメージ表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電柱の新設・移設・撤去に伴い、電柱の建替え後のイメージを表示することができる電柱設置イメージ表示システム及び電柱設置イメージ表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、新たに家が建つ場合や、従来家があった場所が更地になる場合において、電柱の新設・移設・撤去が行われることがある。このような場合、近隣の住民などからどのような電柱がどこに、どのように設置されるか、設置後の状態、状況をイメージとして予め把握したいという要望がある。
【0003】
従来は、現場で口頭にて説明を行ったり、現場で撮影した写真に編集ソフト等で電柱のイメージを描き、その編集後の写真と平面図等を住民などに確認してもらったりなどしていた。
【0004】
そのため、電柱設置後の状態、状況を説明するための資料の作成に手間がかかるという問題や電柱設置前と設置後で住民理解に齟齬が生じるという問題があった。
【0005】
そこで、電柱を移設する場合に、AR(Augmented Reality:拡張現実)技術を活用して、既設の電柱が設置された場所を電柱とともに撮影し、移設後の設置箇所にARマーカを設けて、撮影した電柱の画像をARコンテンツ(又はオブジェクト)として記憶して、該ARコンテンツとしての電柱オブジェクトを前記撮影画面の中のARマーカ上に表示する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019-95890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の電柱移設イメージ表示装置にあっては、既設の電柱を新たな場所に移設するものであり、既設の電柱を撮影手段により撮影したものをARコンテンツとして登録する必要があり、手間が煩雑になるという問題があった。
【0008】
また、電柱の移設箇所にARマーカを置くことが必要であり、撮影し画面上にARコンテンツを表示させるまでに時間がかかるという問題もあった。
【0009】
さらに、電柱の移設箇所に既設の電柱とは異なる電柱を設置しようとする場合には、ARマーカをその分、複数用意しなければならず、管理の手間などが増加するという問題もあった。
【0010】
そこでこの発明は、電柱を新設する場合にも適用することができ、ARマーカを電柱設置箇所に置かなくても、簡単にARコンテンツとしての電柱オブジェクトを設置場所の周辺の画像とともに表示することができる電柱設置イメージ表示システム及び電柱設置イメージ表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、電柱を設置する場所を撮影する撮影手段と、前記撮影手段により撮影した画像を表示する表示手段と、全球測位衛星システム(GNSS)から位置情報を取得するGNSS受信手段と、前記撮影手段により撮影した画像中の電柱の設置箇所の設置位置情報を前記GNSS受信手段が取得した位置情報に基づいて取得する設置位置情報取得手段と、電柱のARコンテンツとしての電柱オブジェクトを記憶する記憶手段と、を備え、前記撮影手段により撮影した画像中であって、前記設置位置情報取得手段により取得した電柱の設置位置情報に対応した箇所に、前記記憶手段に記憶されている前記電柱オブジェクトを表示する、ことを特徴とする電柱設置イメージ表示システムである。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電柱設置イメージ表示システムにおいて、前記記憶手段には複数の電柱オブジェクトが記憶され、所望の電柱オブジェクトを選択して前記撮影手段により撮影した画像中の前記設置位置情報に対応した箇所に表示する、ことを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明は、電柱を設置する場所を撮影する撮影手段と、前記撮影手段により撮影した画像を表示する表示手段と、全球測位衛星システム(GNSS)から位置情報を取得するGNSS受信手段と、前記撮影手段により撮影した画像中の電柱の設置箇所の設置位置情報を前記GNSS受信手段が取得した位置情報に基づいて取得する設置位置情報取得手段と、を備えた携帯型端末機器による電柱設置イメージ表示方法であり、前記電柱の設置箇所に前記携帯型端末機器をかざして、前記GNSS受信手段により前記電柱の設置箇所の位置情報を取得するとともに、前記撮影手段により撮影した前記画像中の前記設置位置情報に対応した箇所に、前記携帯型端末機器に内蔵のもしくは外部の記憶手段に記憶されている電柱のARコンテンツとしての電柱オブジェクトを表示する、ことを特徴とする電柱設置イメージ表示方法である。
【発明の効果】
【0014】
請求項1及び請求項3に記載の発明によれば、予め、電柱の設置箇所にARマーカを置くことなく、ARコンテンツとしての電柱オブジェクトを、撮影手段により撮影した画像中であって、設置位置情報取得手段により取得した電柱の設置位置情報に対応した箇所に、表示することができるため、新たに電柱を新設する場合に適用することができるとともに、電柱を撮影してARコンテンツとして登録する必要もないので、その分簡単に電柱オブジェクトを画像中に表示させることができる。このため、電柱設置後の状態、状況を説明するための資料作成の手間を大幅に低減させることが可能となり、また、電柱設置前と設置後で住民理解に齟齬が生じるという問題を回避することが可能となる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、予め複数のARコンテンツとしての電柱オブジェクトを記憶手段に記憶させており、適宜選択することで所望の電柱オブジェクトを、電柱の設置位置情報に対応した箇所に、表示することができるため、実際に設置される電柱と同じもしくは類似した電柱を的確に表示することが可能となり、また、電柱オブジェクトを表示するまでの時間を早くすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施の形態1に係る電柱設置イメージ表示システム1の概略構成図である。
図2】電柱を設置する場所を表示した表示画面を示す図である。
図3】電柱設置箇所に携帯型端末機器をかざした状態を示す斜視図である。
図4】電柱設置箇所に携帯型端末機器をかざした状態の平面図である。
図5】携帯型端末機器をかざした状態を示す図である。
図6】ARコンテンツとしての3D電柱の概略図である。
図7】ARマーカシールを示す斜視図である。
図8】ARマーカ杭を示す斜視図である。
図9】実施の形態2に係る電柱設置イメージ表示システム1Aの構成図である。
図10】既設の電柱の近傍に3D電柱を表示させた図である。
図11】既設の電柱と3D電柱とを撮影した図である。
図12】既設の電柱を消去する様子を示す図である。
図13】既設の電柱を消去し、3D電柱を表示させた図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1は、この実施の形態1に係る電柱設置イメージ表示システム1を示す概略構成図であり、この実施の形態1は、電柱設置箇所2に新たな電柱を新設する場合である。
【0018】
この電柱設置イメージ表示システム1は、いわゆるスマートフォン、タブレットPCなど携帯型端末機器10を用い、AR(Augmented Reality:拡張現実)技術を活用して、携帯型端末機器10により、電柱を設置する場所を撮影した画像に、ARコンテンツとしての3D電柱3を合成して表示しようとするものである。
【0019】
携帯型端末機器10は、撮影手段20と、表示手段30と、情報処理手段40と、操作手段50と、全球測位衛星システム(GNSS)受信手段60と、記憶手段70と、慣性センサ80とを備える。
【0020】
撮影手段20は、携帯型端末機器10に実装されたカメラであり、実空間を撮影して電柱設置箇所2付近の画像情報を得て、この画像情報を情報処理手段40へ出力する。
【0021】
表示手段30は、携帯型端末機器10に実装されたモニタであり、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイにより構成され、CPUの制御に応じて各種情報を表示する。また、上記撮影手段20より撮影したものを画像として表示する。
【0022】
情報処理手段40は、GNSS受信手段60からの情報に基づき電柱設置箇所2の設置位置情報を取得するプログラム(設置位置情報取得手段)、電柱設置イメージ表示アプリ(ARアプリ)、ARエンジンなどのプログラムを有し、このほか、撮影画像とARコンテンツとを合成させる画像合成プログラム、画像を編集する画像編集プログラム、複数のARコンテンツを選択する選択プログラムなどを有する。
【0023】
操作手段50は、例えば、タッチパネルによって構成され、表示手段30に表示されるアイコンなどに対するタッチ操作を検出し、タッチ操作の検出結果を、情報処理手段40へ出力する。
【0024】
全球測位衛星システム(GNSS)受信手段60は、GPS、GLONASS、Galileo、準天頂衛星(QZSS)などの航法衛星によって送信された航法信号を受信し、該航法信号を復調する。そして、復調した航法信号に基づいて、所定の測位演算を行うことによって携帯型端末機器10の測位を行い、絶対的な位置情報を取得する。
【0025】
記憶手段70は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリなどで、携帯型端末機器10に実装/内蔵されたものである。なお、記憶手段70は、携帯型端末機器10に実装/内蔵されたものに限らず、外部のストレージサーバなど、携帯型端末機器10がネットワークを介してアクセス可能な外部装置により実現してもよい。
【0026】
記憶手段70には、情報処理手段40により実行されるプログラム、電柱設置イメージ表示アプリ(ARアプリ)、ARエンジンなどのプログラムのほか、ARコンテンツとしての3D電柱3に関する情報が記憶される。なお、3D電柱3の情報としては、電柱の種類(素柱、腕金付電柱、支線付電柱)のほか、高さ、直径などが異なる複数のARコンテンツが用意され、適宜選択できるようになっている。
【0027】
慣性センサ80は、加速度センサ、角速度センサ(ジャイロセンサ)、電子コンパスなどで、携帯型端末機器10に実装されたものである。この慣性センサ80により携帯型端末機器10の自己の姿勢(方位、向き、傾き)が特定される。
【0028】
なお、電柱設置箇所2のまさにその地点(または、その近傍)に携帯型端末機器10を位置させることができる場合には、携帯型端末機器10の絶対的位置情報がそのまま電柱設置箇所2の位置情報として取得されるが、電柱設置箇所2と携帯型端末機器10とが離れている場合には、携帯型端末機器10の撮影手段20により電柱設置箇所2を含む場所を撮影することで、電柱設置箇所2の絶対的位置情報を取得することができる。
【0029】
具体的には、上記慣性センサ80により携帯型端末機器10の自己の姿勢が特定されていることも利用して、前記撮影手段20により撮影された電柱設置箇所2を含む場所の画像を画像解析したり、前記撮影手段20により撮影されて表示手段30に表示された電柱設置箇所2を含む場所の画像において前記電柱設置箇所2を指定したり(具体的には例えば、タッチ操作したり)するなどして電柱設置箇所2を特定し、特定された電柱設置箇所2と携帯型端末機器10との位置関係を算出することで、電柱設置箇所2と携帯型端末機器10との相対的位置関係が求められる。そして、上述のように携帯型端末機器10の絶対的位置情報が取得できているため、電柱設置箇所2の絶対的位置情報を取得することができる。
【0030】
この電柱設置箇所2の絶対的位置情報は、電柱設置箇所2にARマーカを置くことなく、撮影画面上の電柱設置箇所2にARコンテンツとしての3D電柱3を表示することができる。しかも、ARコンテンツとしての3D電柱3を表示させるプログラム、電柱設置イメージ表示アプリ(ARアプリ)、ARエンジンなどがインストールされている携帯型端末機器10であれば、いずれの携帯型端末機器10でも表示画面上の画像に3D電柱3を表示させることができる。
【0031】
次に、実施の形態1に係る電柱設置イメージ表示システム1を用いて、携帯型端末機器10の表示手段30上に、撮影手段20により撮影した実空間の画像中の電柱設置箇所2に所望の3D電柱3を表示する手順について説明する。
【0032】
(ステップS1)
新たに設置する電柱の電柱設置箇所2を現場で確認する。
【0033】
(ステップS2)
確認した電柱設置箇所2へと向けて携帯型端末機器10をかざし、携帯型端末機器10の平面(水平)を検出する(図3参照)。携帯型端末機器10が平面を検出できたか否かは、上記慣性センサ80により確認することができる。なお、携帯型端末機器10は傾いていても良く、携帯型端末機器10を動かすことで、奥行きなどを知得することもできる。
【0034】
(ステップS3)
携帯型端末機器10の平面を検出したら、操作手段(タッチパネル)50をタップする(図4参照)。これにより、電柱設置箇所2の絶対的位置情報を取得でき、電柱設置箇所2の絶対的位置情報を記憶手段70に記憶する。電柱設置箇所2の絶対的位置情報を記憶することで、これをARマーカとして登録でき、ARマーカとして機能させることが可能となり、日を改めて現地調査するときなどに、電柱設置箇所2の位置情報を取得する手間を省くことができる。
【0035】
なお、表示手段30に表示される、電柱設置箇所2を含む場所の画像において(図2参照)前記電柱設置箇所2を指定する(具体的には例えば、タッチ操作する)ことによって電柱設置箇所2を特定し、特定された電柱設置箇所2と携帯型端末機器10との位置関係を算出することで、電柱設置箇所2の絶対的位置情報を取得するようにしてもよい。
【0036】
(ステップS4)
操作手段(タッチパネル)50をタップすると、記憶手段70に記憶されたARコンテンツとしての3D電柱3が読み込まれ、表示画面上の電柱設置箇所2に、3D電柱3が表示される(図5参照)。
【0037】
なお、図5では腕金付電柱3を3D電柱として表しており、支線付きの3D電柱3aあるいは素柱の電柱3b(図6参照)を設置したい場合には、予め記憶手段70に支線付きの3D電柱3aあるいは素柱の電柱3bを記憶しておき、ステップS4の以前の段階で、腕金付電柱3か、支線付きの3D電柱3aか、あるいは素柱の3D電柱3bかを選択しておくことにより、所望の3D電柱3を表示させることができる。
【0038】
(ステップS5)
表示手段30に表示された3D電柱3を確認することにより、電柱設置箇所2にどのような状態に設置されるかをイメージとして具体的に把握することができる。また、表示画面上で3D電柱3を指先でロングタップして(触れて)指先を動かすことで、所望の位置に移動させたり、回転させて向きを変更させたりることができる。
【0039】
(ステップS6)
表示手段30に表示した3D電柱3と、実空間における絶対的位置情報を結び付け、記憶手段70に記憶する。これにより、ARコンテンツとしての3D電柱3をいつでも表示画面上の当該絶対的な位置に表示することが可能となる。
【0040】
(ステップS7)
表示手段30に表示した3D電柱3の長さなどは編集画面から編集することができ、標準の電柱のほか、長くした電柱あるいは短くした電柱などを表示することができ、異なる電柱を設置した場合をイメージとして具体的に提供することができる。
【0041】
(ステップS8)
上記撮影手段20は写真機能を備え、動画のほか、静止画も撮影することができるようになっており、電柱設置場所において、所望の3D電柱3を表示した写真を撮る(言い換えると、3D電柱3を含む画像を保存する)ことができる。これにより、写真として複数の住民に提供することができる。
【0042】
(ステップS9)
また、電柱設置箇所2にARマーカシール4aやARマーカ杭4bを打つこともできる。記憶手段70に電柱設置箇所2の位置情報を記憶していない携帯型端末機器10にあっても、ARマーカ4と記憶手段70に記憶した3D電柱3とを紐づけておくことで、表示手段30の表示画面上の電柱設置箇所2に3D電柱3を表示させることができる。
【0043】
なお、記憶手段70に記憶させた電柱設置箇所2の位置情報が平面座標(緯度情報、経度情報)である場合には、3D電柱3の中心点を高さ方向(Z軸方向)のどこに合わせれば良いか不明となるが、ARマーカ4を設置しておくことにより、ARマーカシール4aの中心点XとARコンテンツとしての3D電柱3の中心点Xを合わせれば、3D電柱3の高さ(Z軸)方向の位置を決定することができ、表示手段30の画面上の所望の位置に3D電柱3を表示させることができる。
【0044】
ARマーカシール4aの中心点Xはシール4aの表面上の中心であるが(図7参照)、ARマーカ杭4bの中心点Xは、杭4bの下部が地中に埋設されるため、埋設されたときの地表とほぼ同じ高さの杭4bの中心となる(図8参照)。
【0045】
そして、予めARマーカ4を置いておくことで、高さ(Z軸)方向の位置がずれた状態で表示されてしまう場合の、表示後の高さ方向(Z軸)の位置の修正を不要にすることができる。なお、電柱における中心点Xは、電柱の中心線上であって、その埋設されたときに地表に一致する位置である。また、ARマーカ杭4bの中心点Xは、杭4bの中心線上のうちの地表に一致する位置である。
【0046】
以上のように、実施の形態1に係る電柱設置イメージ表示システム1によれば、3D電柱3をARコンテンツとして予め記憶するとともに、電柱設置箇所2に携帯型端末機器10をかざすことで、GNSS受信手段60に基づく電柱設置箇所2の絶対的位置情報を取得することができ、予めARマーカ4を設置しなくても、3D電柱3を撮影手段20による撮影画面中に表示することができ、よって、電柱が建てられていない電柱設置箇所2に新設として3D電柱3を表示することができる。
(実施の形態2)
図9は、この実施の形態2に係る電柱設置イメージ表示システム1Aを示す概略構成図であり、この実施の形態2は、既設の電柱5を電柱設置箇所2に移設する場合である。
【0047】
この実施の形態2にあっては、上記実施の形態1と同様に3D電柱3を新設した後、表示手段30の表示画面上において、既設の電柱5の画像を消去するという作業が加えられる。なお、電柱の移設であるため、ARコンテンツとしての3D電柱は既設の電柱5と同様のものが選択される。
【0048】
実施の形態2に係る電柱設置イメージ表示システム1Aの情報処理手段40には、インペインティング(inpainting)機能を有するプログラムが設けられている。
【0049】
そして、実施の形態1で説明した手順で、表示画面上の電柱設置箇所2に3D電柱3を表示させ、以下のステップS10に進む。
【0050】
(ステップS10)
撮影手段20により撮影した既設の電柱5を含む画像が表示画面上に表示されている状態において、上記ステップS1~ステップS9と同様に3D電柱3を表示手段30の画面上に表示させる(図10参照)。
【0051】
(ステップS11)
表示手段30の画面上に3D電柱3を表示させた後、携帯型端末機器10Aの写真機能を使い、撮影手段20で写真を撮影する(図11参照)。これにより表示手段30の画面上に既設の電柱5と3D電柱3とが表示された静止画が表示される。
【0052】
(ステップS12)
次に、既設の電柱5を消去するため、情報処理手段40に設けられたインペインティング(inpainting)機能を使う。具体的には、表示手段30の表示画面中の既設の電柱5の画像を指先又はタッチペンなどで囲うように滑らせ、消去する範囲を選択する(図12参照)。
【0053】
(ステップS13)
情報処理手段40のインペインティング(inpainting)機能を起動することで、既設の電柱5は消去される(図13参照)。
【0054】
これにより、携帯型端末機器10の表示画面には、撮影手段20により撮影した画像のうち、既設の電柱5の画像が除かれ、移設した3D電柱3が表示された画像にすることができる。
【0055】
以上のように、実施の形態2に係る電柱設置イメージ表示システム1Aによれば、既設の電柱5の画像を消去することで、あたかも、電柱としては、移設した3D電柱3のみが表示された画像を製作することができ、電柱を移設した状態のイメージを具体的に表現することができる。
【0056】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。
【0057】
例えば、上記の実施の形態では記憶手段70の中に、各種プログラムやARコンテンツとしての3D電柱を記憶させたものについて説明したが、当該携帯型端末機器10に通信機能を持たせることで、クラウドサービスや外部デバイスに各種プログラムやARコンテンツを記憶させるようにしても良い。
【符号の説明】
【0058】
1 電柱設置イメージ表示システム
2 電柱設置箇所
3 腕金付3D電柱(電柱オブジェクト)
3a 支線付3D電柱(電柱オブジェクト)
3b 素柱の3D電柱(電柱オブジェクト)
10 携帯型端末機器
20 撮影手段
30 表示手段
60 GNSS受信手段
70 記憶手段
1A 電柱設置イメージ表示システム
10A 携帯型端末機器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13