(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022118291
(43)【公開日】2022-08-15
(54)【発明の名称】書類管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20220805BHJP
G06Q 50/18 20120101ALI20220805BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q50/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021014708
(22)【出願日】2021-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100128277
【弁理士】
【氏名又は名称】專徳院 博
(72)【発明者】
【氏名】仁保 航一郎
(72)【発明者】
【氏名】阿部 修也
(72)【発明者】
【氏名】白須 元
(72)【発明者】
【氏名】豊田 英嗣
(72)【発明者】
【氏名】天野 敏治
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
5L049CC32
(57)【要約】
【課題】管理が容易で使い易い書類管理システムを提供する。
【解決手段】書類を管理する管理者端末10と、前記管理者端末10が管理する雛形書類を用い提出書類を作成する使用者端末40と、データサーバー90とがネットワーク100を介して接続された書類管理システム1であって、管理者端末10は、データの更新に伴いバージョンファイルを作成し、データサーバー90にアップロードするデータベースバージョン更新管理手段と、データの更新毎にバージョン情報が付加された前記雛形書類を更新・作成する書類作成管理手段と、を備え、前記使用者端末40は、前記データサーバー90からバージョン情報をダウンロードするバージョンファイル取得手段と、バージョン判定手段と、前記有効バージョンの前記雛形書類を前記提出書類を更新又は作成可能に立ち上げる起動手段と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
書類を管理する管理者端末と、前記管理者端末が管理する雛形書類を用い提出書類を作成する使用者端末と、データベースを備えるデータサーバーとがネットワークを介して接続された書類管理システムであって、
前記管理者端末は、
前記書類又は前記書類で使用するデータの更新に伴いバージョン情報を含むバージョンファイルを作成し、当該バージョンファイルを前記データサーバーにアップロードするデータベースバージョン更新管理手段と、
前記書類又は前記書類で使用するデータの更新毎に前記バージョン情報が付加された前記雛形書類を更新し又は作成する書類作成管理手段と、
を備え、
前記使用者端末は、
前記データサーバーからバージョン情報をダウンロードするバージョンファイル取得手段と、
取得した前記バージョン情報を基に、前記管理者端末から送信された前記雛形書類のうち有効バージョンの雛形書類を判定するバージョン判定手段と、
前記有効バージョンの前記雛形書類を前記提出書類を更新又は作成可能に立ち上げる起動手段と、
を備えることを特徴とする書類管理システム。
【請求項2】
前記書類は、委託元と委託先又は営業所との間で使用される書類であり、
前記管理者端末は、前記委託元で使用される端末であり、
前記使用者端末は、前記委託先又は営業所で使用される端末であることを特徴とする請求項1に記載の書類管理システム。
【請求項3】
前記書類作成管理手段が作成する書類には、前記委託先又は営業所毎に個別の読み取りパスワードが設定されていることを特徴とする請求項2に記載の書類管理システム。
【請求項4】
前記管理者端末は、前記書類で使用するデータを管理するデータ管理表及び前記データ管理表を更新する手段を備え、
前記データ管理表と前記バージョン情報が付加された前記雛形書類とをリンクさせ、前記データ管理表のデータ更新に伴い前記雛形書類を自動更新又は自動作成することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の書類管理システム。
【請求項5】
前記管理者端末は、前記データ管理表のデータ更新に伴い自動更新又は自動作成された前記雛形書類を前記使用者端末に自動送信することを特徴とする請求項4に記載の書類管理システム。
【請求項6】
前記使用者端末は、前記提出書類の作成に必要な基本情報を管理する基本情報管理手段を備え、
前記基本情報と前記提出書類とをリンクさせ、前記基本情報のデータ更新に伴い前記提出書類を自動更新又は自動作成することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の書類管理システム。
【請求項7】
前記使用者端末は、前記基本情報のデータ更新に伴い自動更新又は自動作成された前記提出書類を前記管理者端末に自動送信することを特徴とする請求項6に記載の書類管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、書類を管理する書類管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
委託元と委託先との間で「特定巡視業務」等の業務委託契約がなされた場合、委託先は、業務完了後に完了届兼請求書を作成し、委託元に提出する。通常、完了届兼請求書の書式(様式)は、委託元が管理しており、委託先は委託元から提供された雛形書類(テンプレート)を使用し、完了届兼請求書を作成する。
【0003】
これまで業務委託契約及び完了届兼請求書の発行は、紙ベース(紙文書)で行われており、単価の改定等があった場合、これが請求書に正しく反映されず誤った請求書が発行される場合があった。また同じ委託業務に対して委託先毎に異なった単価が設定されている場合、誤った単価を使用して請求書が発行される場合があった。
【0004】
一方、紙文書に代えて、電子文書を使用しコンピュータを用いて管理する文書管理装置も開発されている(例えば特許文献1参照)。またサーバーを用い、定型化された書式データのバージョンをチェック可能な定型文書作成システム(例えば特許文献2参照)、書式が定められた特定の書類を作成するための書類作成システムも開発されている(例えば特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-60287号公報
【特許文献2】特開2010-146324号公報
【特許文献3】特開2002-203082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
先述の完了届、請求書等についてもこれを電子化(電子文書)し、これらの様式、単価の管理等をコンピュータ、管理用プログラムを用いて一元的に行う方法が考えられる。例えば、委託元責任者が各業務に対応した様式の雛形請求書(請求書フォーム)を作成し、これをサーバーに保管し、請求書を発行する委託先担当者が、サーバーにアクセスし雛形請求書を読み出し、それを使用する。
【0007】
この方法であれば、委託元責任者が請求書フォームの諸元を管理できるので単価の改定等も素早く反映させることができる。しかしこのような書類(文書)管理システムは、以下の課題がある。委託業務は、1社に発注されるとは限らず、同じ内容の業務が複数社に発注される場合がある。この場合、業務委託の名称は同じであっても、業務内容及び単価が異なる場合があり、委託先間で互いに他社の単価等が見られないようにしておく必要がある。よって単純にサーバー上に雛形請求書をアップロードする方法は適切ではない。
【0008】
さらに、委託元が近い将来使用する新単価の雛形請求書(新バージョン)を作成し、これをサーバー上にアップロードすると、サーバー上には同じ名称でかつ新旧のバージョンの雛形請求書が混在する。このような場合、委託先ではどのバージョンのものを使用すべきか直ちには分からず混乱が生じる。
【0009】
本発明の目的は、管理が容易で使い易い書類管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、書類を管理する管理者端末と、前記管理者端末が管理する雛形書類を用い提出書類を作成する使用者端末と、データベースを備えるデータサーバーとがネットワークを介して接続された書類管理システムであって、前記管理者端末は、前記書類又は前記書類で使用するデータの更新に伴いバージョン情報を含むバージョンファイルを作成し、当該バージョンファイルを前記データサーバーにアップロードするデータベースバージョン更新管理手段と、前記書類又は前記書類で使用するデータの更新毎に前記バージョン情報が付加された前記雛形書類を更新し又は作成する書類作成管理手段と、を備え、前記使用者端末は、前記データサーバーからバージョン情報をダウンロードするバージョンファイル取得手段と、取得した前記バージョン情報を基に、前記管理者端末から送信された前記雛形書類のうち有効バージョンの雛形書類を判定するバージョン判定手段と、前記有効バージョンの前記雛形書類を前記提出書類を更新又は作成可能に立ち上げる起動手段と、を備えることを特徴とする書類管理システムである。
【0011】
本発明に係る書類管理システムにおいて、前記書類は、委託元と委託先又は営業所との間で使用される書類であり、前記管理者端末は、前記委託元で使用される端末であり、前記使用者端末は、前記委託先又は営業所で使用される端末であることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る書類管理システムにおいて、前記書類作成管理手段が作成する書類には、前記委託先又は営業所毎に個別の読み取りパスワードが設定されていることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る書類管理システムにおいて、前記管理者端末は、前記書類で使用するデータを管理するデータ管理表及び前記データ管理表を更新する手段を備え、前記データ管理表と前記バージョン情報が付加された前記雛形書類とをリンクさせ、前記データ管理表のデータ更新に伴い前記雛形書類を自動更新又は自動作成することを特徴とする。
【0014】
本発明に係る書類管理システムにおいて、前記管理者端末は、前記データ管理表のデータ更新に伴い自動更新又は自動作成された前記雛形書類を前記使用者端末に自動送信することを特徴とする。
【0015】
本発明に係る書類管理システムにおいて、前記使用者端末は、前記提出書類の作成に必要な基本情報を管理する基本情報管理手段を備え、前記基本情報と前記提出書類とをリンクさせ、前記基本情報のデータ更新に伴い前記提出書類を自動更新又は自動作成することを特徴とする。
【0016】
本発明に係る書類管理システムにおいて、前記使用者端末は、前記基本情報のデータ更新に伴い自動更新又は自動作成された前記提出書類を前記管理者端末に自動送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、管理が容易で使い易い書類管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第1実施形態の書類管理システム1の構成図である。
【
図2】
図1の書類管理システム1を構成する管理者端末10の委託費算定管理ツール11の機能構成図である。
【
図3】
図1の書類管理システム1を構成する管理者端末10の委託費算定管理ツール11の管理ツール操作画面12である。
【
図4】
図1の書類管理システム1を構成する管理者端末10の委託費算定管理ツール11で用いる管理表である。
【
図5】
図1の書類管理システム1を構成する管理者端末10の委託費算定管理ツール11で用いる管理表である。
【
図6】
図1の書類管理システム1を構成する管理者端末10の委託費算定管理ツール11で用いる管理表である。
【
図7】
図1の書類管理システム1を構成する管理者端末10の委託費算定管理ツール11が作成する単価・様式ファイルの一例である。
【
図8】
図1の書類管理システム1を構成する使用者端末40の委託費算定ツール41の機能構成である。
【
図9】
図1の書類管理システム1を構成する使用者端末40の委託費算定ツール41の操作画面42である。
【
図10】
図1の書類管理システム1を構成する使用者端末40の委託費算定ツール41で用いる委託費算定ファイルである。
【
図11】
図1の書類管理システム1を構成する使用者端末40の委託費算定ツール41が作成する請求(報告)資料の一例である。
【
図12】
図1の書類管理システム1の使用方法を説明するフロー図である。
【
図13】
図1の書類管理システム1の使用方法を説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明の第1実施形態の書類管理システム1の構成図である。本発明の第1実施形態の書類管理システム1は、電子文書で作成された電子書類(以下、書類)を管理するシステムであり、委託元が使用する管理者端末10と、委託先又は営業所が使用する使用者端末40と、データサーバー90とがネットワーク100を介して接続されてなる。さらにネットワーク100には、電子メールの送受信を管理するメールサーバー110が接続する。電子文書は、文書作成用ソフトウエア、表計算用ソフトウエア、プレゼンテーション用ソフトウエアなどで作成された電子データ、ファイルであり、本実施形態では、委託元と委託先との間で交わされた業務委託契約に基づき発行される業務完了届・請求書、その他各種様式の書類、管理表等が書類に該当する。
【0020】
管理者端末10は、委託元、例えば本社に設置され、委託元と委託先との間で交わされた業務委託契約に基づき発行する業務完了届・請求書、その他各種様式の書類、管理表等を管理するコンピュータであり、使用者端末40、データサーバー90、その他外部機器と接続するためのインターフェースを含む通信手段、処理・制御を行う処理制御手段、データの記憶・プログラムを格納する記憶手段を備え、データを入力または読取るマウス、キーボード、CD読取り装置などのデータ入力手段80、データを表示するディスプレイなどの表示手段70と接続する。
【0021】
管理者端末10は、業務完了届・請求書、その他各種様式の書類、これら書類を管理するための管理表、委託先が使用する委託費算定ツールを作成する委託費算定管理ツール11を備える。委託元の担当者(以下、委託元者)は、この委託費算定管理ツール11を介して委託費の単価改定に伴う各種書類の更新・改定を行い、また委託先が使用する委託費算定ツールを作成し、これを委託先に送付することができる。
【0022】
図2は、管理者端末10の委託費算定管理ツール11の機能構成図、
図3は、委託費算定管理ツール11の管理ツール操作画面12、
図4~
図6は、委託費算定管理ツール11で用いる管理表、
図7は、委託費算定管理ツール11が作成する単価・様式ファイルの一例である。
【0023】
委託費算定管理ツール11は、
図2に示すようにバージョン更新管理手段16、委託名・委託先・様式更新管理手段17、単価データ更新管理手段18、新旧単価データ更新管理手段19、データベースバージョン更新管理手段20、各業務・委託別ツール作成管理手段21を備え、予めインストールしたプログラムが管理者端末10を各手段として機能させる。さらに委託費算定管理ツール11は、新旧単価データ表、委託名・委託先・単価様式管理表(
図4、
図5参照)、バージョン管理表(
図6参照)を含む管理表24を備える。
【0024】
また委託費算定管理ツール11は、
図3に示すようにメニューを記載した管理ツール操作画面12を作成し立ち上げる操作画面作成手段22を備え、管理者端末10において委託費算定管理ツール11が選択されると、操作画面作成手段22がメニューを選択可能に管理ツール操作画面12を表示手段70に表示する。メニューは、アイコンとして表示手段70に表示されるようにしてもよい。
【0025】
管理ツール操作画面12に表示されるメニューには、バージョン更新管理26、委託名・委託先・様式更新管理27、単価データ更新28、新旧単価データ更新29、DBバージョンデータ更新30、各業務・委託先別ツール作成(配布用)31、新旧単価データ表、委託名・委託先・単価様式管理表、バージョン管理表を含む管理表24が含まれる。
【0026】
管理ツール操作画面12に表示されるメニューは、それぞれ各手段と対応しており、例えば管理ツール操作画面12において、バージョン更新管理26が選択(クリック)されるとバージョン更新管理手段16が起動する。同様に管理表24のバージョン管理表が選択されるとバージョン管理表(
図6参照)が表示される。
【0027】
委託費算定管理ツール11の各手段について説明する。バージョン更新管理26が選択されるとバージョン更新管理手段16は、管理者端末10の記憶手段に格納された管理表24からバージョン管理表(
図6参照)を読み出し、データを更新可能に表示手段70に表示し、単価改定等に伴うバージョンデータが更新されると、変更後のバージョン管理表を管理者端末10の記憶手段に書き込み記憶する。データの更新には、データの修正、変更、追加が含まれる(以下、同じ)。
【0028】
委託名・委託先・様式更新管理27が選択されると委託名・委託先・様式更新管理手段17は、管理者端末10の記憶手段に格納された管理表24から委託名・委託先・単価様式管理表(
図4、
図5参照)を読み出し、データを更新可能に表示手段70に表示し、委託名・委託先・様式のデータが更新されると、変更後の委託名・委託先・単価様式管理表を管理者端末10の記憶手段に書き込み記憶する。委託名の更新は、業務委託名称の正式名称・略称の更新、委託先の更新は、委託先会社名称の正式名称・略称の更新、様式の更新は、共通様式、業務様式の更新が該当する。
【0029】
単価データ更新28が選択されると単価データ更新管理手段18は、管理者端末10の記憶手段に格納された管理表24から委託名・委託先・単価様式管理表(
図4、
図5参照)を読み出し、データを更新可能に表示手段70に表示し、単価データが更新されると、変更後の委託名・委託先・単価様式管理表を管理者端末10の記憶手段に書き込み記憶する。
【0030】
新旧単価データ更新29が選択されると新旧単価データ更新管理手段19は、管理者端末10の記憶手段に格納された新旧単価データ表を読み出し、データを更新可能に表示手段70に表示し、単価データの適用開始日・適用終了日などのデータが更新されると、変更後の新旧単価データ表を管理者端末10の記憶手段に書き込み記憶する。
【0031】
DBバージョンデータ更新30が選択されるとデータベースバージョン更新管理手段20は、データサーバー90に格納するバージョン情報を含むバージョンファイルを作成可能に表示手段70に表示する。バージョンファイルは、単価データ、委託名などの更新に伴い作成される。
【0032】
またデータベースバージョン更新管理手段20は、バージョンファイルアップロード手段(バージョンファイルアップロードプログラム)20aを有し、バージョンファイルが作成されると管理者端末10は、バージョンファイルアップロードプログラム20aを起動させ当該バージョンファイルをデータサーバー90に自動送信する。バージョンファイルには、業務委託名称、委託先会社名称、最新バージョンNo.これに対応する旧バージョンNo.が含まれる。
【0033】
各業務・委託先別ツール作成(配布用)31が選択されると各業務・委託別ツール作成管理手段21は、委託先毎にそれらが使用する委託費算定ファイル(単価・様式ファイル)を作成する。本実施形態において各業務・委託別ツール作成管理手段21が書類作成管理手段に該当する。委託費算定ファイルには、委託元に提出する請求書・完了届などの提出書類を作成するための所定の様式の雛形書類、単価表等が含まれる。委託費算定ファイルは、委託先毎に業種別単価表、業務に対応した様式、共通様式の書類(雛形書類)がそれぞれ独立した書類となっている(
図7参照)。委託費算定ファイルの書類にはバージョン情報が付加され、委託先毎に読み取りパスワードが設定されている。
【0034】
使用者端末40は、委託先又は営業所に設置され、委託元との間で交わされた業務委託契約に基づき業務完了後に委託元に提出する書類を発行するコンピュータであり、管理者端末10、データサーバー90、その他外部機器と接続するためのインターフェースを含む通信手段、処理・制御を行う処理制御手段、データの記憶、プログラムを格納する記憶手段を備え、データを入力または読取るマウス、キーボード、CD読取り装置などのデータ入力手段80、データを表示するディスプレイなどの表示手段70と接続する。
【0035】
使用者端末40は、管理者端末10が作成・送信する委託費算定ファイルを用い、委託費算定ファイルに含まれる業務完了届・請求書などの雛形書類にデータを入力し、請求(報告)資料、発注(依頼)資料を作成する委託費算定ツール41を備える。委託先又は営業所の担当者(以下、委託先者)は、この委託費算定ツール41を介して委託元に提出する提出書類を作成することができる。
【0036】
図8は、使用者端末40の委託費算定ツール41の機能構成図、
図9は、委託費算定ツール41の操作画面42、
図10は、委託費算定ツール41で用いる委託費算定ファイル、
図11は、委託費算定ツール41が作成する請求(報告)資料の一例である。
【0037】
委託費算定ツール41は、
図8に示すように基本情報設定手段46、請求(報告)資料作成手段47、発注(依頼)資料作成手段48を備え、予めインストールしたプログラムが使用者端末40を各手段として機能させる。
【0038】
さらに委託費算定ツール41は、
図9に示すようにメニューを記載した操作画面42を作成し立ち上げる操作画面作成手段50を備え、使用者端末40において委託費算定ツール41が選択されると、操作画面作成手段50がメニューを選択可能に操作画面42を表示手段70に表示する。メニューは、アイコンとして表示手段70に表示されるようにしてもよい。
【0039】
操作画面42に表示されるメニューは、基本情報設定56、請求(報告)資料作成57、発注(依頼)資料作成58を含む。操作画面42に表示されるメニューは、それぞれ各手段と対応しており、例えば操作画面42において、請求(報告)資料作成57が選択(クリック)されると請求(報告)資料作成手段47が起動する。
【0040】
委託費算定ツール41の各手段について説明する。基本情報設定56が選択されると基本情報設定手段46は、使用者端末40の記憶手段に格納された基本情報を読み出し、データを更新可能に表示手段70に基本情報設定画面を表示し、データが更新されると、変更後の基本情報を使用者端末40の記憶手段に格納する。
【0041】
請求(報告)資料作成57が選択されると請求(報告)資料作成手段47が起動する。請求(報告)資料作成手段47は、請求(報告)資料の実施期間設定、件数入力、請求資料作成を実行可能である。また請求(報告)資料作成手段47は、データサーバー90に格納されたバージョンファイルをダウンロードするバージョンファイル取得手段(バージョンファイルダウンロードプログラム)47a、バージョン判定手段47b、起動手段47cを備える。
【0042】
請求(報告)資料作成57が選択されると請求(報告)資料作成手段47は、以下の手順で有効バージョンの委託費算定ファイルを立ち上げる。請求(報告)資料作成手段47は、請求(報告)資料作成57が選択されると直ちにバージョンファイルダウンロードプログラムを起動し、データサーバー90から最新のバージョンファイルを入手する。
【0043】
また請求(報告)資料作成手段47は、使用者端末40の記憶手段に格納された委託費算定ファイルを読み出し、委託費算定ファイルを開くための読み取りパスワードを要求する。請求(報告)資料作成手段47は、正しいアクセスキー(パスワード)が入力されるとバージョン判定手段47bが、データサーバー90から入手した最新のバージョンファイルに基づき有効なバージョンの委託費算定ファイルを選出し、起動手段47cが委託費算定ファイルを動作可能に立ち上げる。これにより委託元に提出する完了届兼請求書などの雛形書類が表示手段70に表示され(
図10参照)、これを用い委託元に提出する請求(報告)資料(
図11参照)を自動作成することができる。
【0044】
一方、請求(報告)資料作成手段47は、アクセスキーが正しくないときは受付けを拒否し、バージョン判定手段47bは、使用者端末40の記憶手段に格納され読み出された委託費算定ファイルに有効なバージョンの委託費算定ファイルがないと判断するとその旨を表示手段70に表示する。
【0045】
発注(依頼)資料作成58が選択されると発注(依頼)資料作成手段48が起動する。発注(依頼)資料作成58は、実施期間設定、件数入力、依頼資料作成を実行可能であり、発注(依頼)資料作成58が選択されると、使用者端末40の記憶手段に格納された関係書類を読み出し、データを変更可能に表示手段70に表示する。委託先者は、これを用いて発注(依頼)資料を作成することができる。
【0046】
データサーバー90は、管理者端末10、使用者端末40、その他外部機器と接続するためのインターフェースを含む通信手段、処理・制御を行う処理制御手段、データを記憶・格納するデータベース、記憶手段を備え、ネットワーク100を介して管理者端末10、使用者端末40とデータを送受信可能に接続する。
【0047】
データサーバー90は、管理者端末10から送信されるバージョンファイルを記憶手段(データベース)に格納する。また使用者端末40からの要求に基づき最新のバージョンファイルを読み出し、使用者端末40に送信する。
【0048】
次に、書類管理システム1の使用方法を
図12、
図13に基づき説明する。
図12及び
図13は、書類管理システム1の使用方法を説明するフロー図であり、ここでは業務委託正式名称が遠制保守業務、委託先会社がA株式会社であり、その単価を改定する場合である。
図12及び
図13に示す書類管理システム1の使用方法は、一例であり、書類管理システム1の使用方法がこれに限定されるものではない。また
図12及び
図13のフロー図において各ステップの順番はこれに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0049】
依頼元者は、管理者端末10の委託費算定管理ツール11を立ち上げ、管理ツール操作画面12に表示されるメニューから単価データ更新28を選択し、改定後の単価データを追加する。同様に、管理ツール操作画面12に表示されるメニューからバージョン更新管理26を選択し、バージョンデータを更新する(ステップS1)。更新された単価データ、バージョンデータは、管理者端末10の記憶手段に記憶される。
【0050】
単価データの更新、バージョンデータの更新に合わせて、データベース登録用の最新バージョンデータを作成する(ステップS2)。このデータベース登録用の最新バージョンデータの作成は、管理ツール操作画面12に表示されるメニューのDBバージョンデータ更新30を選択し、データベースバージョン更新管理手段20を立ち上げ実行する。
【0051】
管理者端末10は、データベース登録用最新バージョンデータが作成されると管理者端末10の記憶手段に記憶するとともに、バージョンファイルアップロードプログラムを自動起動させ(ステップS3)、データベース登録用最新バージョンデータをバージョンファイルとしてデータサーバー90に自動送信する。データサーバー90は、バージョンファイルを受信するとデータベースに最新バージョンデータを書き込む(ステップS4)。
【0052】
また依頼元者は、単価データの更新、バージョンデータの更新に合わせて、委託費算定管理ツール11を介して新旧単価データの更新、委託名・委託先・様式及び管理表の更新を行う(ステップS5、ステップS6)。さらに依頼元者は、単価データの更新、バージョンデータの更新に合わせて委託費算定管理ツール11を介して配布用の委託費算定ファイルを作成する。本実施形態では、単価が更新されたA株式会社向けの委託費算定ファイルを作成する(ステップS7)。
【0053】
ステップS7で作成された配布用の委託費算定ファイルは、管理者端末10から配布先であるA株式会社の使用者端末40に電子メールを用いて送信される。この場合、依頼元からA株式会社を担当する営業所BにA株式会社向けの委託費算定ファイルを送信し、営業所Bから委託先であるA株式会社に委託費算定ファイルを送信するようにしてもよい。
【0054】
委託先であるA株式会社の担当者は、委託費算定ファイルを受信すると使用者端末40の記憶手段に格納する(ステップS8)。
【0055】
使用者端末40に格納された委託費算定ファイルの使用手順を説明する。使用者端末40において委託費算定ツール41が選択されると(ステップS9)、使用者端末40は、バージョンファイルをダウンロードするためのダウンロードプログラムを自動起動させ、データサーバー90にバージョンファイルを要求する(ステップS10)。
【0056】
データサーバー90は、バージョンファイル要求を受け、データベースからバージョンデータを読み出し、最新のバージョンファイルを自動作成し、使用者端末40に自動送信する(ステップS11)。
【0057】
また使用者端末40において委託費算定ツール41が選択されると(ステップS9)、使用者端末40は、委託費算定ファイルを起動するためのパスワード(アクセスキー)を要求する(ステップS12)。正しいアクセスキーが入力されると委託費算定ツール41は、データベースから取得した有効バージョンの委託費算定ファイルを立ち上げる。一方、誤ったアクセスキーが入力されると受付け拒否の表示を行い、有効なバージョンの委託費算定ファイルがないと判断するとその旨を表示手段70に表示する(ステップS13)。
【0058】
委託先者は、有効バージョンの委託費算定ファイルを用いて請求(報告)資料を作成することができる(ステップS14)。
【0059】
第1実施形態の書類管理システム1を用いて説明したように本発明に係る書類管理システムは、管理者端末が委託先毎の委託費算定ファイル及び単価・様式等の変更に伴うバージョン情報を一元的に管理するので書類の管理が容易でまた効率的な書類管理が行える。また委託先、営業所で使用する使用者端末は、有効バージョンの委託費算定ファイルのみを読み出すことができるので使い易く、単価等の入力間違い等を防止できる。さらに委託先、営業所で使用する使用者端末から他の委託先、営業所で使用する委託費算定ファイルを開くことができないので、互いに相手方の単価情報等は秘匿にされ安心して使用することができる。
【0060】
以上、第1実施形態の書類管理システム1を用いて本発明に係る書類管理システムを説明したが、本発明に係る書類管理システムは、前記実施形態に限定されるものではなく要旨を変更しない範囲で変更して使用することができる。
【0061】
第1実施形態の書類管理システム1で使用する管理者端末は、単価データの更新とそれに伴い発行するバージョン情報の更新、さらには各業務・委託先別に作成する委託費算定ファイルなどを個別に作成するが、これらを互いにリンクさせてもよい。このようにすれば単価データの更新が更新されるとそれに伴い新旧単価データ、バージョン管理表、DB用のバージョンファイル、各業務・委託先別に作成する委託費算定ファイルが自動更新される。
【0062】
同様に、委託先、営業所で使用する使用者端末も基本情報の変更と請求(報告)資料作成、基本情報の変更と発注(依頼)資料作成とをリンクさせ、基本情報が更新されるとそれに伴い請求(報告)資料の関連個所が自動更新されるようにしてもよい。
【0063】
本発明に係る書類管理システムにおいて委託業務名称、委託先会社名称、各書類などに固有の識別番号を付与し、委託業務名称、委託先会社名称、各書類などを識別番号で管理するようにしてもよい。このようにすることで検索、管理が容易となる。
【0064】
また管理者端末の委託費算定管理ツールと電子メール送信手段とをリンクさせ、委託費算定管理ツールにより委託先・営業所向けの委託費算定ファイルが作成されると自動的に該当する委託先・営業所に向け委託費算定ファイルを自動送信するようにしてもよい。このような構成は、例えば委託費算定管理ツールの管理表に委託先・営業所のメールアドレスを記載し、各業務・委託先別ツール(配布用)に送信ボタンを設け、送信ボタンがクリックされると、委託費算定管理ツールが送信すべき委託先・営業所及びそのメールアドレスを選出し、委託費算定ファイルを自動送信するように構成すればよい。
【0065】
同様に使用者端末の委託費算定ツールと電子メール送信手段とをリンクさせ、委託費算定ツールにより請求(報告)資料が作成されると自動的に委託元にこれを自動送信するようにしてもよい。このような構成は、例えば委託費算定ツールの基本情報に委託元のメールアドレスを記載し、請求(報告)資料作成に送信ボタンを設け、送信ボタンがクリックされると委託元のメールアドレスを選出し、請求(報告)資料を自動送信するように構成すればよい。
【0066】
第1実施形態の書類管理システム1では、委託元と委託先とで結ばれた業務委託契約に基づき発行する業務完了届・請求書、その他書類等を取り扱うが、本発明に係る書類管理システムで管理可能な書類は、業務完了届・請求書等に限定されるものではない。本発明に係る書類管理システムは、甲が書類の諸元・雛形を管理し、乙が甲の管理する雛形書類を使用し提出書類を作成する場合における書類管理に幅広く適用することができる。
【0067】
図面を参照しながら好適な実施形態を説明したが、当業者であれば、本明細書を見て、自明な範囲内で種々の変更及び修正を容易に想定するであろう。従って、そのような変更及び修正は、請求の範囲から定まる発明の範囲内のものと解釈される。
【符号の説明】
【0068】
1 書類管理システム
10 管理者端末
11 委託費算定管理ツール
16 バージョン更新管理手段
17 委託名・委託先・様式更新管理手段
18 単価データ更新管理手段
19 新旧単価データ更新管理手段
20 データベースバージョン更新管理手段
20a バージョンファイルアップロード手段
21 各業務・委託別ツール作成管理手段
24 管理表
40 使用者端末
41 委託費算定ツール
46 基本情報設定手段
47 請求(報告)資料作成手段
47a バージョンファイル取得手段
47b バージョン判定手段
47c 起動手段
56 基本情報設定
70 表示手段
80 データ入力手段
90 データサーバー
100 ネットワーク
110 メールサーバー