(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022118351
(43)【公開日】2022-08-15
(54)【発明の名称】管理システム
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220805BHJP
【FI】
A63F7/02 328
A63F7/02 352F
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021014796
(22)【出願日】2021-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】000137203
【氏名又は名称】株式会社マースエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100101557
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100167634
【弁理士】
【氏名又は名称】扇田 尚紀
(74)【代理人】
【識別番号】100187849
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 隆史
(74)【代理人】
【識別番号】100212059
【弁理士】
【氏名又は名称】三根 卓也
(72)【発明者】
【氏名】井出 平三郎
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088CA02
2C088CA07
2C088CA21
2C088CA27
2C088CA31
(57)【要約】 (修正有)
【課題】遊技客が当初予定していた金額を使用したら遊技を継続することができないような、いわゆるのめり込みを防止する。
【解決手段】遊技場における遊技客の使用金額を管理する管理システムであって、遊技客の発行希望に基づき記憶媒体に対し有価価値を対応付ける発券機と、発券機と通信可能に接続された管理装置とを有し、発券機には遊技客の顔画像を撮像する撮像手段を備える。管理装置は、遊技客の顔画像と使用予定金額とを対応付けたデータが予め登録される記憶部と、撮像手段により撮像され発券機から受信した顔画像と記憶部に登録された顔画像とを照合比較する照合比較部(照合比較工程S103)と、遊技客の使用予定金額を参照して既に発行済みの金額との差異を判定する判定部(判定工程S104)と、遊技客の発行希望によって発行金額が使用予定金額に達した場合に発券機を介して報知を行う出力部(出力工程S105)と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技場における遊技客の使用金額を管理する管理システムであって、
前記遊技客の発行希望に基づき記憶媒体に対し有価価値を対応付ける発券機と、
前記発券機と通信可能に接続された管理装置と、
を有し、
前記発券機は、有価価値の発行を希望する前記遊技客の顔画像を撮像する撮像手段を備え、
前記管理装置は、
遊技客の顔画像と当該遊技客の使用予定金額とを対応付けたデータが予め登録される記憶部と、
前記撮像手段により撮像され前記発券機から受信した顔画像と、前記記憶部に登録された顔画像と、を照合比較する照合比較部と、
前記遊技客の使用予定金額を参照して既に発行済みの金額との差異を判定する判定部と、
遊技客の発行希望によって発行金額が使用予定金額に達した場合に前記発券機を介して報知を行う出力部と、を備えることを特徴とする、管理システム。
【請求項2】
発行金額が使用予定金額に達した場合に、前記記憶媒体への有価価値の対応付けを不可能とすることを特徴とする、請求項1に記載の管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場において遊技に使用される遊技媒体を貸し出すための有価価値が対応付けられた記憶媒体を管理するための管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばパチンコ機やスロットマシンなどの遊技機を備えた遊技場(遊技ホール)においては、遊技に使用される遊技媒体を遊技客に貸し出すための、有価価値が対応付けられた記憶媒体が用いられる。ここで、遊技媒体とは例えばパチンコ玉やメダルであり、記憶媒体とは例えば会員用カードや非会員用カードといったICチップ及びアンテナを有する非接触タイプの媒体である。または遊技客の所持している携帯電話や電子マネー媒体等を記憶媒体として用いても良い。
【0003】
特許文献1には、記憶媒体を用いて遊技媒体を遊技客に貸し出す際に用いられるシステムが開示されており、発券機により記憶媒体に有価価値を対応付けることに関する種々の運用方法が記載されている。特許文献1によれば、発券機に高額紙幣を入金することで記憶媒体に有価価値を対応付けることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方で、昨今のパチンコ機やスロットマシンなどの遊技機の遊技においては、遊技客が所定の金額を使用したにも関わらず遊技が止められず、当初予定していた金額以上の負債を抱えてしまうといった、いわゆる遊技客ののめり込みが問題となっている。上記特許文献1には、有価価値が対応付けられた記憶媒体の運用技術の一例が開示されているものの、いわゆる「のめり込み問題」に対する対処方法については何ら言及されていない。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、遊技機の遊技においていわゆるのめり込みを防止することが可能な管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するため、本発明は、遊技場における遊技客の使用金額を管理する管理システムであって、前記遊技客の発行希望に基づき記憶媒体に対し有価価値を対応付ける発券機と、前記発券機と通信可能に接続された管理装置と、を有し、前記発券機は、有価価値の発行を希望する前記遊技客の顔画像を撮像する撮像手段を備え、前記管理装置は、遊技客の顔画像と当該遊技客の使用予定金額とを対応付けたデータが予め登録される記憶部と、前記撮像手段により撮像され前記発券機から受信した顔画像と、前記記憶部に登録された顔画像と、を照合比較する照合比較部と、前記遊技客の使用予定金額を参照して既に発行済みの金額との差異を判定する判定部と、遊技客の発行希望によって発行金額が使用予定金額に達した場合に前記発券機を介して報知を行う出力部と、を備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、遊技機の遊技においていわゆるのめり込みを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】遊技用システムの構成の概略を示す説明図である。
【
図2】使用予定額管理コンピュータとしての機能を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る管理方法の主な工程を示すフロー図である。
【
図4】本発明の変形例に係る管理方法の主な工程を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0011】
<遊技用システム1>
先ず、本実施形態に係る遊技用システムの全体について説明する。
図1は、遊技用システム1の構成の概略を示す説明図である。
【0012】
図1に示すように、遊技用システム1では、複数のパチンコ機2(遊技機)、複数の台間機3、4(遊技用装置)、複数のスロットマシン5(遊技機)、複数の台間機6(遊技用装置)が島コンピュータ7を介してネットワーク8に接続されている。複数の台間機3、4は、複数のパチンコ機2にそれぞれ接続されている。複数の台間機6は、スロットマシン5間にそれぞれ設けられている。また、ネットワーク8は、例えばLANなどのネットワークである。なお、複数のパチンコ機2及び台間機3、複数のパチンコ機2及び台間機4、複数のスロットマシン5及び台間機6は、それぞれ列設された「島」を形成している。
【0013】
遊技用システム1には、様々な機器が設けられる。ネットワーク8には、計数機10、精算機11、景品管理機(POS)12、再プレー受付機13、発券機14、ウェアラブル端末17なども接続されている。景品管理機(POS)12には、景品払出機18を併設することもできる。
【0014】
前記機器からの情報は、ネットワーク8を介して管理装置20に出力され、さらに、プロトコルコンバータ21、モデム22を介してカードセンタ23に送信される。また、管理装置20は、例えば、パーソナルコンピュータ24などとも接続されている。パーソナルコンピュータ24は、管理装置20で管理している各情報にアクセスことができるので、各情報の表示や印刷をすることができる。さらに、パーソナルコンピュータ24では、例えば、再プレー手数料の設定などの管理装置20の種々の設定や会員登録などを行うこともできる。なお、管理装置20からの情報は、ネットワーク8を介して各機器に出力される。また、モデム22からカードセンタ23への情報の通信は、一般通信回線を介して行われる。
【0015】
遊技用システム1では、遊技客は、会員用カード30(記憶媒体)、非会員用カード31(記憶媒体)、スマートフォンなどの遊技客所有の携帯端末(記憶媒体)などを用いてパチンコやスロットなどの遊技を行うことができる。具体的には、遊技用システム1では、貨幣、会員用カード30、非会員用カード31により特定可能な度数(有価価値)によって遊技ホールと遊技客(会員の遊技客、非会員の遊技客)との間で、パチンコ玉やメダル(コイン)などの遊技媒体の貸借が行われ、遊技客は、貸借されたパチンコ玉やメダルを使用して遊技を行う。ここで、「度数」とは、入金された金額を遊技によって消費される数値に変換(度数化)したもので、例えば、1万円を度数化すると100度数となる。
【0016】
なお、以上の遊技用システム1を構成する記憶媒体や各機器のそれぞれには、例えば特開2017-148575号公報、特開2020-14892号公報に開示されたように公知の構成が用いられる。以下の説明では、本発明にかかる発券機14と管理装置20について説明する。
【0017】
<発券機14>
発券機14は、紙幣挿入口から挿入された紙幣額に対して購入度数ボタンで選択された金額に対応する度数を、会員用カード30や非会員用カード31などの記憶媒体に記録あるいは更新する。もしくは後述する管理装置20へ記憶媒体の識別番号とともに度数を送信し、記憶媒体に直接記録せずに管理装置20で記憶させても良い。遊技客が記憶媒体を所有していない場合には、その金額に対応する度数が記録された非会員用カード31の発行が行われても良い。即ち、発券機14は、遊技客の希望(有価価値の発行希望)に基づき、有価価値(度数)を会員用カード30や非会員用カード31等の記憶媒体に対応付ける機能を備える。また、記憶媒体として遊技客の所持する携帯電話や電子マネー媒体を利用する場合に、発券機14において有価価値の記録や更新が行われても良い。なお、本発明の発券機には
図1の発券機14のような形態に限られず、紙幣入金機能を備える台間機3、4、6のような遊技用装置も含まれる。
【0018】
図1に示すように、発券機14には、記憶媒体である会員用カード30等を挿入するためのカード挿入口40と、記憶媒体に有価価値を記録する(入金する)ために紙幣を投入する紙幣挿入口41が設けられている。併せて、電子マネー等によって記憶媒体に入金を行うための読み取り部41aも設けられている。これら紙幣挿入口41や読み取り部41aは会員用カード30や非会員用カード31等の記憶媒体に有価価値(度数)を記録する際の入金手段として機能する。なお、カード挿入口40と合わせて携帯電話やICカードに対して非接触で通信可能な記憶媒体受付部を設けてもよい。その場合、記憶媒体をカード挿入口40に挿入することに代えて記憶媒体受付部に記憶媒体を近づける。また、発券機14には、記憶媒体への入金額を指定するために押下され、複数の入金額(例えば、1000円、5000円、10000円)に対応する購入度数ボタン42(42a~42c)が備えられても良い。そのほかにも、一度紙幣挿入口41から挿入された紙幣やおつりを返却するための紙幣返却口(図示せず)なども設けてもよい。
【0019】
また、発券機14の前面上部には、撮像手段としてのユニットカメラ45が設けられている。ユニットカメラ45は、発券機14において記憶媒体への有価価値(度数)の記録や更新を行う遊技客の方向に向いて当該遊技客の顔画像を撮像するものである。ユニットカメラ45では、発券機14での有価価値(度数)の記録や更新ごとに遊技客の撮像が行われる。また、撮像は、紙幣や記憶媒体が挿入されたタイミングに行われる。ユニットカメラ45で撮像された画像データは、ネットワーク8を介して管理装置20に送信される。
【0020】
また、発券機14の前面には、例えば液晶パネル等の表示部50が設けられている。表示部50には、例えば、記憶媒体に記録された有価価値の残高や、有価価値の更新前と更新後の残高などが表示できる。具体的には、挿入された入金額、お釣りの額、カード挿入口40から挿入されたカードの度数残高、持玉数、貯玉数等の有価価値の確認ができ、入金のタイミングを図ることができる。表示部50に表示される情報は特に限定されるものではなく、有価価値以外のメッセージなどの情報を表示しても良い。
【0021】
<管理装置20>
次に
図2を用いて、管理装置20について説明する。
図2は、管理装置20の機能(後述する使用予定額管理コンピュータとしての機能)を示すブロック図である。管理装置20は、ホールコンピュータとしての機能、カード管理コンピュータとしての機能、景品管理コンピュータとしての機能、会員管理コンピュータとしての機能、使用予定額管理コンピュータとしての機能などを備える。
【0022】
ホールコンピュータとしての機能とは、各遊技機の遊技にかかる各種情報を遊技機毎に管理する機能である。具体的には、各種遊技機の調整を行うための遊技機毎の遊技情報(個別台履歴情報、平均値などの集計情報)、一部遊技機グループ毎の遊技情報(平均値などの集計情報)、遊技ホール全体の遊技情報などを記憶管理し、指示に応じて出力する機能である。
【0023】
カード管理コンピュータとしての機能とは、記憶媒体(会員用カード30、非会員用カード31)毎に異なる識別情報であるID情報に基づいて、各種有価価値(度数情報、持玉数情報など)を記憶管理する機能である。具体的には、入金から台間機3、4、6による遊技への利用、精算機11による残度数の現金への精算、獲得した持玉での景品交換処理迄の有価価値を記憶媒体(会員用カード30、非会員用カード31)のID情報に基づいて記憶管理し、指示に応じて出力する機能である。
【0024】
景品管理コンピュータとしての機能とは、各種景品の入出庫数、在庫数、景品交換に必要な景品交換用有価価値数、景品交換による景品交換用有価価値の減算と更新を行う機能である。
【0025】
会員管理コンピュータとしての機能とは、前述した会員の遊技客の情報を管理する機能である。具体的には、会員の遊技動向情報、貯玉数情報、再プレー用貯玉数情報、ポイント情報、再プレーに関連したデータ(再プレー手数料を含む)を会員用カード30のID情報に基づいて記憶管理する機能である。
【0026】
使用予定額管理コンピュータとしての機能とは、本発明の実施形態にかかる機能である。これは、発券機14での記憶媒体に対する有価価値(度数)の記録や更新において、遊技客等の、求めに応じ規定された使用予定金額を参照し、使用予定金額に関する報知を行う機能である。この機能により、遊技客が使用予定金額以上の金額を使用してしまい、当初予定していた金額以上の負債を抱えてしまうといったいわゆる「のめり込み問題」の解消を図ることができる。
図2は、この使用予定額管理コンピュータとしての機能を示すブロック図である。
【0027】
図2に示すように、管理装置20は、入力部101、記憶部102、照合比較部103、判定部104、カメラ制御部105、及び出力部110を有している。これら入力部101、記憶部102、照合比較部103、判定部104、カメラ制御部105、及び出力部110は、例えば、ICチップなどの電子素子、電気回路、外付けタイプの装置(外部装置)やこれらを動作させる種々のプログラムによって実現される。
【0028】
管理装置20は、1台のコンピュータで構成してもよいし、複数のコンピュータをケーブルやネットワークで接続して全体で一つの管理装置20として機能するように構成してもよい。
【0029】
管理装置20は、
図1に示した各機器と様々な情報を送受信する。この送受信に使用されるプロトコルは特に限定されないが、どのようなものであっても、管理装置20が受信した情報の送信元の機器を、この管理装置20が識別可能なように構成される。例えば、IPアドレス、MACアドレス、固有の識別子を管理装置20へ送信する情報に付加することで管理装置20は各機器を個別に識別することができる(管理装置20以外の各機器も同様である)。
【0030】
制御部100は、演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)から主に構成され、CPUでは、ROMやRAMに格納されたプログラムやデータなどを用いて各種の演算処理を実行する。
【0031】
制御部100は、入力部101、記憶部102、照合比較部103、判定部104、カメラ制御部105、出力部110を制御したり、島コンピュータ7、パチンコ機2、スロットマシン5、台間機3、4、6、及び景品管理機(POS)12など
図1に示した遊技用システム1を構成する各機器とネットワーク8を介して情報通信をしたりする。
【0032】
入力部101は、ネットワーク8を介して、
図1に示した各機器からのデータ(信号)を受信するためのインターフェースである。入力部101には、各機器からのデータを受信する。例えば入力部101は、発券機14のユニットカメラ45で撮像された画像データを受信する。また、例えば入力部101は、パーソナルコンピュータ24やウェアラブル端末17で入力された事象を受信する。また、例えば入力部101は、発券機14において遊技客が記憶媒体に有価価値(度数)を記録・更新した際の、記憶媒体への入金額、入金回数、入金頻度といった遊技客の情報を受信する。また、例えば入力部101は、遊技機や
図1に示した遊技用システム1を構成する各機器から遊技客による遊技の情報(例えば大当たりの発生、遊技の勝ち負け、入金、カード返却など)や、エラー、トラブルなどの発生、各処理が行われたことを示す情報などを受信する。また、遊技客等が所有するスマートフォンなどの携帯端末へ入力された情報などを受信してもよい。入力部101に入力されたデータは、記憶部102に送信される。
【0033】
記憶部102は、管理装置20の各部のデータを記憶するデータベースである。例えば記憶部102は、ユニットカメラ45で撮像された画像データや、発券機14において遊技客が記憶媒体に有価価値(度数)を記録・更新した際の、記憶媒体への入金額、入金回数、入金頻度といった遊技客の情報などを記憶する。
【0034】
また、記憶部102は、後述する照合比較部103において照合比較するための照合元データや照合元画像データなどを記憶する。照合元データとは、予め事前に登録され、例えば遊技客の顔画像と当該遊技客の使用予定金額とを対応付けたデータである。また、記憶部102では、遊技客の顔画像と使用予定金額に加え、当該遊技客の会員用カード30や非会員用カード31のID情報を対応付けて記憶しても良い。
【0035】
遊技客の顔画像や使用予定金額の登録は予め事前に行われ、例えば遊技客本人によって行われる。また、顔画像や使用予定金額の登録は、写真や携帯電話等の利用により、遊技客の家族などの本人以外の関係者による代理申請によって行われても良い。
【0036】
また、記憶部102には、前述したホールコンピュータや会員管理コンピュータの機能として管理される、遊技機の遊技情報や会員の遊技客と非会員の遊技客の情報が記憶される。具体的には、遊技客毎の当日または一定期間における遊技への使用金額や入金額、遊技客毎の遊技や遊技機毎の遊技に関わる情報、会員の遊技動向情報、非会員の遊技動向情報、再プレーに関連したデータ(再プレー手数料を含む)、会員の属性などを例えば会員用カード30や非会員用カード31のID情報に対応付けて記憶管理する。
【0037】
さらに、記憶部102には、遊技用システム1の制御を行うための各種プログラムが格納される。
【0038】
照合比較部103は、記憶部102に登録された遊技客の顔画像と当該遊技客の使用予定金額とが対応付けられた照合元データと、ユニットカメラ45において撮像された遊技客の画像データと、を照合比較する。例えば、記憶部102に登録された遊技客の顔画像データ(照合元データ)と、ユニットカメラ45において撮像された遊技客の顔画像データとを照合比較し、一致した場合には登録済みの使用予定金額が参照される。その際、当該遊技客の記憶媒体への入金額、入金回数、入金頻度といった情報が参照されても良い。
【0039】
判定部104は、照合比較部103において比較照合され、一致した遊技客に関し登録済みの使用予定金額と、当該遊技客の現在の使用金額、記憶媒体への入金額、入金回数、入金頻度などの情報(即ち、発行済みの金額)を比較し、使用予定金額との差異を判定する。また、追加購入(記憶媒体への有価価値(度数)の記録・更新)が可能か否かの判定を行う。例えば、所定の遊技客による発券機14での入金希望(有価価値の発行希望)があった場合に、当該遊技客の使用予定金額が参照され、使用予定金額内か、あるいは使用予定金額に達しているか、あといくらの入金希望により使用予定金額に達するか、などの判定がなされる。
【0040】
カメラ制御部105は、発券機14に備えられたユニットカメラ45の動作を制御する。具体的に、ユニットカメラ45の撮像タイミングを制御する。本実施形態では、発券機14において遊技客が紙幣を紙幣挿入口41に挿入した段階で撮像を行う。なお、これらカメラは常時撮像してもよいし、所定の時間ごとに撮像してもよい。
【0041】
出力部110は、ネットワーク8を介して、
図1に示した各機器にデータ(信号)を送信するためのインターフェースである。出力部110は、記憶部102に登録された照合元データと、ユニットカメラ45において撮像された遊技客の画像データとを照合比較部103において照合比較し、判定部104において判定された使用予定金額との差異の結果について出力を行う。具体的には、所定の遊技客が入金を希望した場合に、判定部104において使用予定金額に達する際にはその旨を発券機14に出力し、発券機14を介して当該遊技客への報知が行われる。また、この使用予定金額に関わる報知は、使用予定金額の登録が遊技客の家族による代理申請である場合に、携帯電話等を通じて家族に対して行われても良い。また、使用予定金額に関わる報知は、遊技客と併せて遊技場の従業員に対して行われても良い。なお、使用金額に関わる報知とは、使用予定金額にすでに達している旨の報知、あといくらの入金により使用予定金額に達するかの報知、また、後述するように使用予定金額に達した場合にそれ以上の記憶媒体への有価価値(度数)の記録・更新(即ち、入金・追加購入)を不可能とする場合においては入金不可の旨の報知、また、使用予定金額までの入金可能残額が低い場合は残りいくらまでの入金であれば可能である旨の報知などが含まれる。
【0042】
また、出力部110では、該当する遊技客に対し使用予定金額に関わる報知に加え、記憶媒体への有価価値(度数)の記録・更新(即ち、入金・追加購入)を不可能とする信号を発券機14に対し出力しても良い。あるいは、該当する遊技客に対し入金不可の旨の報知に加え、発券機14などにおいて所定の追加操作があった場合には入金を許可するといった信号を出力しても良い。
【0043】
追加操作の一例として、発券機14において入金不可の表示と併せて了解ボタンを表示し、了解ボタンを押下する操作が考えられる。また、追加操作の一例として、遊技場の従業員による発券機14自体に対する操作、もしくはウェアラブル端末17などのリモコンへの操作でも良い。また、使用予定金額の登録が遊技客の家族による代理申請である場合には、追加操作の一例として、遊技客の家族が携帯電話等を介して承認を行うといった操作が行われても良い。
【0044】
<本発明の実施形態に係る管理方法>
次に、本発明の実施形態に係る管理方法について説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る管理方法の主な工程を示すフロー図である。
【0045】
[S101:登録工程]
先ず、遊技客あるいはその家族の希望に基づき、当該遊技客の顔画像と所定期間(例えば1日や1週間や1か月)での使用予定金額を記憶部102に登録する。登録する当該遊技客の顔画像は、発券機14に備えられたユニットカメラ45、従業員の所持する携帯端末、当該遊技客自身やその家族の携帯電話などにより撮像された画像を登録することができる。遊技客の顔画像の登録は遊技客が遊技する前に事前登録として実施されることが好ましく、登録されたデータは管理装置20において管理・記憶される。
【0046】
[S102:撮像工程]
そして、遊技客が発券機14において入金を希望する際、例えば紙幣を紙幣挿入口41に挿入したタイミングに、ユニットカメラ45で各遊技客を撮像する。このカメラで撮像された画像データは管理装置20に出力される。管理装置20では、入力部101がその画像データを受信し、さらにその画像データは記憶部102に送信される。
【0047】
この際、カメラ制御部105では、ユニットカメラ45の動作を制御する。具体的には、発券機14において遊技客が紙幣を紙幣挿入口41に挿入した場合に、当該遊技客の顔画像の撮像が行われるよう制御される。その際、遊技客の顔画像を複数撮像し、複数の画像データを参照し、遊技客を正面から撮像した画像データを選択し採用するといった制御が行われても良い。
【0048】
[S103:照合比較工程]
照合比較部103において、入金希望時に撮像された画像データと、既に登録済みの画像データ(照合元データ)と、が照合比較される。そして、撮像された画像データと照合元データとが一致した場合には、該当する遊技客(以下、対象遊技客)において、既に記憶部102に登録済みの使用予定金額が参照される。ここで、対象遊技客の使用金額、記憶媒体への入金額、入金回数、入金頻度といった情報も併せて参照されても良い。また、遊技客が会員であってカード挿入口40に会員用カード30が挿入された場合には、照合比較部103において用いられる照合元データとして登録済みの画像データに加え、会員番号を併せて用いても良い。
【0049】
[S104:判定工程]
判定部104において、対象遊技客の使用予定金額と、既に入金を行った金額とが比較され、使用予定金額と既に入金を行った入金額の差異を判定する。例えば、使用予定金額と既に入金を行った入金額との差異がある場合を「差異有り判定」、使用予定金額と既に入金を行った入金額との差異が無い場合を「差異無し判定」としても良い。この使用予定金額との差異については、種々の判定基準を設けても良く、例えば1日単位の使用予定金額、1週間単位の使用予定金額、1か月単位の使用予定金額、と各期間での既に入金を行った入金額といった判定基準に基づき判定を行っても良い。なお、比較対象として既に入金を行った入金額ではなく既に遊技に使用した使用金額を対象として判定してもよい。
【0050】
判定結果としていわゆる「差異有り判定」の場合、使用予定金額に対する既に入金を行った入金額の差分の範囲において、遊技客の希望に沿って発券機14での記憶媒体への有価価値(度数)の記録・更新がなされる。その際、発券機14には、遊技客の使用予定金額まであといくら入金可能であるかを表示しても良いし、入金可能な金額の購入度数ボタン42だけ押下可能とし、例えば入金可能な金額の購入度数ボタン42は点灯させ、入金不可能な金額の購入度数ボタン42は消灯させ、入金不可能とするなどの区別を行い、遊技客に識別できるようにしてもよい。具体的には、使用予定金額までの差異が6000円の状況で10000円紙幣が紙幣挿入口41に挿入された場合に、1000円の購入度数ボタン42、および5000円の購入度数ボタン42は点灯し、且つ押下可能として、一方10000円の購入度数ボタン42は消灯し、且つ押下しても反応しないようにする。
一方で、判定結果として既に入金を行った額が使用予定金額に達している場合(いわゆる差異無し判定)には、以下の出力工程S105で発券機14に対し後述するような出力がなされる。
【0051】
なお、判定部104での判定は、同じ遊技客に対し所定の期間内(例えば1日)に複数回行うことがある。その場合、判定部104における判定は、遊技客が有価価値として記憶媒体に入金を行った額を積算していき、その積算額に基づき判定を行っても良い。あるいは、予め登録された使用予定金額から遊技客が有価価値として入金した金額を減算していき、減算後の金額に基づき判定を行っても良い。
【0052】
[S105:出力工程]
出力部110によって、判定部104において判定された差異に基づいて発券機14に対し出力を行う。即ち、遊技客が紙幣を紙幣挿入口41に挿入した場合に、既に入金を行った入金額が使用予定金額に達している際(即ち、差異無し判定)には、その旨を発券機14に出力し、発券機14において当該遊技客への報知(使用予定金額入金済み報知)が行われる。なお、1日単位の使用予定金額に基づいて当日の差異判定を行っている場合において、使用予定金額入金済み報知は当日のみならず、例えば次の来店時の初回入金時に前回来店時に使用予定金額を使用した旨の報知を行ってもよい。また、既に当該遊技客の使用予定金額に達しているにも関わらず、上述の追加操作を行い追加入金している場合には、発券機14において例えば、超過して追加入金している金額や追加入金回数などの報知を行っても良い。
【0053】
遊技客の既に入金を行った入金額が当該遊技客の使用予定金額に達している場合の、当該遊技客に対する報知の内容や形態は種々のものが考え得る。例えば、
図3に示すように、発券機14での入金を禁止する旨の報知(入金不可)を行っても良い。また、発券機14において、入金禁止である旨の報知と併せて、遊技客が当該報知を了解したことを確認する手段(例えば表示ボタン)を表示しても良い。また、遊技客への報知に加え、従業員にも同様の報知を行っても良い。また、使用予定金額の登録が遊技客の家族による代理申請である場合、遊技者本人への報知に加え、遊技客の家族への報知を行っても良く、家族への報知は携帯電話等を介して行っても良い。
【0054】
このような報知を行うことにより、遊技客は当初予定していた使用予定金額以上に負けて負債を抱えるといった事象を回避することができ、いわゆる「のめり込み問題」の解消が図られる。
【0055】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0056】
<本発明の変形例>
次に、本発明の変形例に係る管理方法について説明する。
図4は、本発明の変形例に係る管理方法の主な工程を示すフロー図である。なお、本変形例は、上記本発明の実施形態の出力工程S105以降の工程に関する変形例であり、その他の工程については上記実施形態と同様の構成であるためここでの説明は省略する。
【0057】
[S105:出力工程]
上記実施形態において、出力工程S105では、判定工程S104において超過判定とされた遊技客に対しては、発券機14において入金禁止である旨の報知を行うものとしてフロー図(
図3参照)を示し説明したが、本発明はこのような形態に限られるものではない。即ち、遊技客が入金希望した際に、超過判定とされた場合であっても、所定の追加操作(追加操作S106)を行うことで入金が可能となるように構成しても良い。
【0058】
[S106:追加操作]
例えば、出力工程S105において差異無し判定とされ、入金禁止である旨の報知がされた際に、併せて、遊技客が当該報知を了解したことを確認する手段(例えば表示ボタン)を表示し、遊技客が了解の意思を示す追加操作(例えば表示ボタンの押下)を行うことで追加入金が可能となるような信号を出力部110によって発券機14に対し出力しても良い。
【0059】
また、出力工程S105において差異無し判定とされ、入金禁止である旨の報知がされた際に、併せて、遊技場の従業員に同様の報知がなされる場合がある。その場合には、従業員が所定の追加操作を行うことで追加入金が可能となるような信号を出力部110によって発券機14に対し出力しても良い。
【0060】
また、使用予定金額の登録が遊技客の家族による代理申請である場合に、出力工程S105において差異無し判定とされ、遊技客に対し入金禁止である旨の報知がされた際に、併せて、遊技客の家族に同様の報知がなされる場合がある。その場合には、当該家族による追加操作が行われることで追加入金が可能となるような信号を出力部110によって発券機14に対し出力しても良い。この場合、当該家族による追加操作は、例えば当該家族が所持する携帯電話に対して行われる。
【0061】
なお、本変形例において説明した追加操作に伴う追加入金には種々の制限がかけられても良い。例えば、追加入金回数は、例えば1回のみなど所定回数に制限されても良く、あるいは追加入金額は、例えば1000円のみなど所定金額以下に制限されても良く、追加入金回数と追加入金額の両方が制限されても良い。
【0062】
本変形例に係る構成によれば、遊技客が当初予定していた使用予定金額を使い切った後に追加入金を希望した際に、所定の追加操作が必要となる。そのため、追加入金額が最小限に留まることになり、遊技客がいわゆるのめり込みによって大きな負債を抱えてしまうといった問題を抑制することができる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、遊技場において遊技に使用される遊技媒体を貸し出すための有価価値が対応付けられた記憶媒体を管理するための管理システムに適用できる。
【符号の説明】
【0064】
1 遊技用システム
14 発券機
20 管理装置
45 ユニットカメラ
102 記憶部
103 照合比較部
104 判定部
110 出力部