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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022118408
(43)【公開日】2022-08-15
(54)【発明の名称】ラベルおよびラベル付き被着体
(51)【国際特許分類】
   G09F 3/14 20060101AFI20220805BHJP
   G09F 3/02 20060101ALI20220805BHJP
   G09F 3/10 20060101ALI20220805BHJP
   B65D 25/20 20060101ALN20220805BHJP
【FI】
G09F3/14 E
G09F3/02 C
G09F3/10 A
B65D25/20 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021014903
(22)【出願日】2021-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】313004403
【氏名又は名称】株式会社フジシール
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】稲川 和樹
(72)【発明者】
【氏名】出水 敏博
【テーマコード(参考)】
3E062
【Fターム(参考)】
3E062AA01
3E062BA08
3E062BB06
3E062BB10
3E062DA02
3E062DA07
(57)【要約】
【課題】環境に優しく、保形性を十分に確保できるラベルおよび、当該ラベルが貼着されたラベル付き被着体を提供することにある。
【解決手段】ラベル20は、貼着状態において被着体に当接する当接部と当接部から突出する突出部とを含むものであり、当該ラベル20は、第1基材21および第2基材22と、接着層24と、を備え、第1基材21は、紙材を含む。第2基材22は、第1基材21よりもこわさが大きい。第1基材21は、第1端縁部21cを含む。第2基材22は、第2端縁部22cを含む。第2端縁部22cの少なくとも一部は、ラベル20を正面から見た場合に、当接部と突出部との境界部と第1端縁部21cとの間に位置する。接着層24は、ラベル20を正面から見た場合に、第1端縁部21cのうち最も第2端縁部22c側に位置する端部を通り境界部と平行となる仮想線と、境界部との間に位置する領域R5に、接着領域を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被着体に貼着された貼着状態において、被着体に当接する当接部と、被着体から離間するように前記当接部から突出する突出部とを有するラベルであって、
おもて面および裏面を有し、前記当接部および前記突出部を含む第1基材と、
前記第1基材の前記おもて面側に重ね合わされた第2基材と、
前記第1基材の前記裏面に設けられ、前記第1基材を被着体に貼着するための接着層と、を備え、
前記第1基材は、紙材を含み、
前記第2基材は、前記第1基材よりもこわさが大きく、前記第1基材が有する前記おもて面側に配置され、
前記第1基材は、前記貼着状態において、前記突出部が前記当接部から突出する突出方向とは反対側において、前記当接部の端縁部を構成する第1端縁部を含み、
前記第2基材は、前記貼着状態において、前記突出方向とは反対側に第2端縁部を含み、
前記第2端縁部の少なくとも一部は、前記貼着状態において前記ラベルを正面から見た場合に、前記当接部と前記突出部との境界部と、前記第1端縁部との間に位置し、
前記接着層は、前記貼着状態において前記ラベルを正面から見た場合に、前記第2端縁部のうち最も前記第1端縁部側に位置する端部を通り前記境界部と平行となる仮想線と、前記境界部との間に位置する領域に、接着領域を有する、ラベル。
【請求項2】
前記紙材は、透明性を有する、請求項1に記載のラベル。
【請求項3】
前記第2基材は、前記第1基材に対向する対向面を含み、
前記対向面は、前記貼着状態において前記ラベルを正面から見た場合に、前記突出部において前記第1基材と重なる第1領域と、前記当接部において前記第1基材と重なる第2領域とを有し、
前記第1領域と前記第1基材との間には、前記第2基材と前記第1基材とを接着する接着部が設けられており、
前記第2領域と前記第1基材との間には、前記第2基材と前記第1基材とを接着させない非接着部、あるいは、前記接着部よりも接着力が弱い弱接着部が設けられている、請求項1または2に記載のラベル。
【請求項4】
前記第1基材は、前記貼着状態において、前記突出方向に第3端縁部を有し、
前記貼着状態において前記ラベルを正面から見た場合に、前記境界部に平行な方向における前記第2端縁部の中央部は、前記境界部に平行な方向における前記第2端縁部の両端よりも前記第3端縁部側に位置する、請求項1から3のいずれか1項に記載のラベル。
【請求項5】
前記第1基材の前記裏面は、前記貼着状態において前記ラベルを正面から見た場合に、前記第1端縁部側において、前記境界部に平行な方向における両側に一対のコーナー領域を有し、
前記一対のコーナー領域に設けられた前記接着層には、前記一対のコーナー領域の間に設けられた前記接着層よりも接着力が弱くなるように弱接着処理が施されている、または、非接着処理がなされている、請求項4に記載のラベル。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載のラベルと、
前記被着体とを備え、
前記ラベルが、前記被着体に当接する前記当接部と、前記被着体から離間するように前記当接部から突出する前記突出部とを含むように、前記被着体に貼着された、ラベル付き被着体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ラベルおよびラベル付き被着体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々な物品を包装箱(被着体)に包装した商品には、主として広告宣伝目的のため、一部分を商品から突出させるPOPラベル(以下、単にラベルと称する場合がある。)が貼着されている。
【0003】
このようなPOPラベルとして、たとえば、特開2001-134190号公報には、第2基材と第1基材とを積層接着した積層体構造を有するラベルが開示されている。第1基材は、被着体に貼着する貼着部と、当該貼着部に連設する表示部とを含み、第2基材は、当該表示部に貼着されている。貼着部は、第2基材から露出しており、当該ラベルが被着体に貼着された貼着状態においては、第2基材が、被貼着面の稜線(縁部)から全体的に突出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-134190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示のラベルにおいて、第1基材は、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム等の合成樹脂フィルムによって構成されている。当該合成樹脂フィルムは環境に対する負荷が大きく、環境負荷を低減させることが要求されている。
【0006】
一方で環境負荷を考慮して、単に第1基材に紙材を用いた場合には、紙材は、合成樹脂フィルムよりも腰が弱く、また、カールしやすいため、倒れやすい。
【0007】
本開示は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本開示の目的は、環境に優しく、保形性を十分に確保できるラベルおよび、当該ラベルが貼着されたラベル付き被着体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に基づくラベルは、被着体に貼着された貼着状態において、被着体に当接する当接部と、被着体から離間するように上記当接部から突出する突出部とを有するものである。当該ラベルは、おもて面および裏面を有し、上記当接部および上記突出部を含む第1基材と、上記第1基材の上記おもて面側に重ね合わされた第2基材と、上記第1基材の上記裏面に設けられ、上記第1基材を被着体に貼着するための接着層と、を備える。上記第1基材は、紙材を含む。上記第2基材は、上記第1基材よりもこわさが大きく、上記第1基材が有する上記おもて面側に配置されている。上記第1基材は、上記貼着状態において、上記突出部が上記当接部から突出する突出方向とは反対側において、上記当接部の端縁部を構成する第1端縁部を含む。上記第2基材は、上記貼着状態において、上記突出方向とは反対側に第2端縁部を含む。上記第2端縁部は、上記貼着状態において上記ラベルを正面から見た場合に、上記当接部と上記突出部との境界部と、上記第1端縁部との間に位置する。上記接着層は、上記貼着状態において上記ラベルを正面から見た場合に、上記第2端縁部のうち最も上記第1端縁部側に位置する端部を通り上記境界部と平行となる仮想線と、上記境界部との間に位置する領域に、接着領域を有する。
【0009】
上記本開示に基づくラベルにあっては、上記紙材は、透明性を有していてもよい。
上記本開示に基づくラベルにあっては、上記第2基材は、上記第1基材に対向する対向面を含み、上記対向面は、上記貼着状態において上記ラベルを正面から見た場合に、上記突出部において上記第1基材と重なる第1領域と、上記当接部において上記第1基材と重なる第2領域とを有する。上記第1領域と上記第1基材との間には、上記第2基材と上記第1基材とを接着する接着部が設けられている。この材には、上記第2領域と上記第1基材との間には、上記第2基材と上記第1基材とを接着させない非接着部、あるいは、上記接着部よりも接着力が弱い弱接着部が設けられていてもよい。
【0010】
上記本開示に基づくラベルにあっては、上記第1基材は、上記貼着状態において、上記突出方向に位置する第3端縁部を有する。この場合には、上記貼着状態において上記ラベルを正面から見た場合に、上記境界部に平行な方向における上記第2端縁部の中央部は、上記境界部に平行な方向における上記第2端縁部の両端よりも上記第3端縁部側に位置していてもよい。
【0011】
上記本開示に基づくラベルにあっては、上記第1基材の上記裏面は、上記貼着状態において上記ラベルを正面から見た場合に、上記第1端縁部側において、上記境界部に平行な方向における両側に一対のコーナー領域を有する。この場合には、上記一対のコーナー領域に設けられた上記接着層には、上記一対のコーナー領域の間に設けられた上記接着層よりも接着力が弱くなるように弱接着処理が施されている、または、非接着処理がなされていてもよい。
【0012】
本開示に基づくラベル付き被着体は、上記ラベルと、上記被着体とを備える。上記ラベルは、上記被着体に当接する上記当接部と、上記被着体から離間するように上記当接部から突出する上記突出部とを含むように、上記被着体に貼着されている。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、環境に優しく、保形性を十分に確保できるラベルおよび、当該ラベルが貼着されたラベル付き被着体を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施の形態1に係るラベル付き被着体の斜視図である。
図2】実施の形態1に係るラベル付き被着体の側面図である。
図3】実施の形態1に係る被着体に貼着されたラベルを正面から見た図である。
図4】実施の形態1に係るラベル付き被着体が梱包され、ラベルが曲げられた状態を示す側面図である。
図5】実施の形態1に係るラベル付き被着体において、曲げられたラベルを復帰させる様子を示す図である。
図6】実施の形態1に係るラベル付き被着体において、曲げられたラベルが復帰した状態を示す図である。
図7】変形例1に係る貼着状態のラベルを正面から見た図である。
図8】変形例2に係る貼着状態のラベルを正面から見た図である。
図9】変形例3に係る貼着状態のラベルを正面から見た図である。
図10】変形例4に係る貼着状態のラベルを正面から見た図である。
図11】変形例5に係る貼着状態のラベルを正面から見た図である。
図12】実施の形態2に係るラベル付き被着体の正面図である。
図13】実施の形態2に係るラベルにおける第1基材の裏面側を示す図である。
図14】実施の形態2に係るラベル付き被着体において、ラベルが曲げられた状態を示す側面図である。
図15】実施の形態2に係るラベル付き被着体において、ラベルが 曲げられた状態を示す上面図である。
図16】変形例6に係るラベルにおいて第1基材の裏面側を示す図である。
図17】変形例7に係るラベルにおいて第1基材の裏面側を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係るラベル付き被着体の斜視図である。図2は、実施の形態1に係るラベル付き被着体の側面図である。図1および図2を参照して、実施の形態1に係るラベル付き被着体100について説明する。
【0017】
図1および図2に示すように、実施の形態に係るラベル付き被着体100は、被着体10にラベル20が貼着されたものである。被着体10は、たとえば、薬、菓子、または化粧品等の様々な物品を収容した包装箱である。被着体10は、ラベル20が貼着される被貼着面11と、当該被貼着面11に接続された接続面12とを有する。被貼着面11と接続面12との境界部には、稜線13が形成されている。被貼着面11は、接続面12が接続される一端側に稜線13を有する。
【0018】
ラベル20は、稜線13近傍に位置する被貼着面11に貼着される。当該ラベル20が被貼着面11に貼着された貼着状態においては、ラベル20は、被貼着面11から稜線13の外側に一部が突出する。ラベル20は、貼着状態において、被着体10に被着体に当接する当接部31と、被着体10から離間するように当接部31から突出する突出部32を有する。
【0019】
被貼着面11には、意匠15が形成されている。当該意匠15に後述する第1基材21が重なるように、ラベル20が被貼着面11に貼着される。本実施の形態においては、ラベル20が被貼着面11に貼着された貼着状態において、当該意匠15が第1基材21(より特定的には、第2基材22から露出する部分の第1基材21)を介して視認されるようになっている。
【0020】
ラベル20は、第1基材21、第2基材22、接着部231、弱接着部232、および接着層24を含む。
【0021】
第1基材21は、表裏関係にあるおもて面21aおよび裏面21b、ならびに、第1端縁部21cおよび第3端縁部21dを有する。第1端縁部21cは、上記貼着状態において、突出部32が当接部31から突出する突出方向とは反対側において、当接部31の端縁部を構成する。第1端縁部21cは、上記貼着状態において、被貼着面11に重なる。第3端縁部21dは、貼着状態において、上記突出方向に位置する第1基材21の端縁部である。第3端縁部21dは、上記突出方向と平行な方向において、上記第1端縁部21cが位置する側とは反対側に位置する。
【0022】
裏面21bは、突出領域R3と、重複領域(当接領域)R4とを有する。突出領域R3は、貼着状態において稜線13よりも外側に突出している。重複領域R4は、貼着状態において稜線13の内側(被貼着面11側)に位置し、被貼着面11に重なる。重複領域R4は、貼着状態において、被貼着面11に当接している。
【0023】
上記裏面21bには、第1基材21を被貼着面11に貼着するための接着層24が設けられている。接着層24は、たとえば、感圧型接着剤、感熱型接着剤等によって構成されている。
【0024】
突出領域R3においては、接着層24は、全体的に設けられているが、当該突出領域R3に設けられた接着層24には非接着処理層25が設けられている。これにより、ラベル20が接続面12側に曲げられた場合であっても、突出領域R3が接続面12に接着することを防止できる。
【0025】
重複領域R4においては、接着層24は、後述する第2基材22の第2端縁部22cのうち最も第1端縁部21c側に位置する端部を通り、上記当接部31と上記突出部32との境界部に平行となる仮想線VL1(図3参照)と当該境界部との間に位置する領域R5に、少なくとも接着領域を有する。なお、本実施の形態においては、上記境界部は、稜線13に沿うように延在する。
【0026】
本実施の形態においては、重複領域R4において、接着層24は全体的に設けられており、重複領域R4に設けられた接着層24が全体的に被貼着面11と接着する。これにより、第1基材21をより安定して被貼着面11に貼り付けることができる。なお、接着層24は、少なくとも上記領域R5の一部に接着領域を有する限り、重複領域R4に部分的に設けられていてもよい。
【0027】
第1基材21は、ラベルの大面積を占めるため、植物由来性、または天然素材からなる透明性がある薄い基材であることが好ましく、紙材を使用する場合には、より環境負荷を低減することができる。第1基材21は、紙材を主材とすることがより好ましく、紙と植物性由来素材を積層した構成であってもよい。
【0028】
上述のように、第1基材21は、紙材を含む。なお、第1基材21は、紙材単体によって構成されていてもよい。当該紙材としては、Haze値が、99%以下であるものが好ましく、75%以下であるものがさらに好ましい。なお、上記Haze値は、たとえば、紫外可視分光光度計UV-2600(株式会社島津製作所制)およびヘーズメータNDH7000(日本電色工業株式会社制)等の機器を用いて計測された値である。
【0029】
このようなHaze値を有する紙材として、たとえば、トレーシングペーパー、グラシン紙等を採用することができる。トレーシングペーパーのHaze値は、75%より大きく、99%以下であり、半透明性を有する。このような半透明性を有する紙材を用いた場合には、貼着状態において、被貼着面11に形成されている意匠15がうっすら透けて見えるようになる。これにより、透け感を与えることができる。
【0030】
一方、グラシン紙のHaze値は、75%以下であり、透明性を有する。グラシン紙は、トレーシングペーパーよりも紙厚が薄く、こわさが低くなっている。このようなこわさが低い紙材を選択する場合においては、後述するように本発明を好適に適用することができる。また、グラシン紙を用いた場合には、貼着状態において、被貼着面11に形成されている意匠15がより透けて見えるようになる。この場合には、より鮮明に透け感を与えることができる。
【0031】
なお、第1基材21のおもて面21aには、第1基材21の透明性を向上させる塗料が塗布されていてもよい。当該塗料としては、たとえばワニスを採用することができる。ワニスとしては、たとえば、例えば、ポリイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、又はエポキシ系樹脂を用いたもの等、公知の各種のワニスを用いることができる。
【0032】
塗料をおもて面21aに塗布することにより、おもて面21aの平滑性が向上し、これより光の散乱が抑制され、透明性が向上する。たとえば、塗料が塗布された部分のHaze値を55%以下にすることができる。
【0033】
塗料は、おもて面21aの全体に塗布してもよいし、一部に塗布してもよい。塗料は、第1基材21の透明性を向上させたい部分に塗布することもできる。たとえば、塗料は、上記重複領域R4に対応する部分のおもて面21aに塗布してもよいし、第2基材22から露出する部分のおもて面21aに塗布してもよい。
【0034】
塗料は、第2基材22が第1基材21に接着される前に塗布してもよいし、第2基材22から露出する部分のおもて面21aに塗料を塗布する場合には、第2基材22が第1基材21に接着された後、あるいは、ラベル20を被着体10に非着した後においても、塗料を塗布することができる。
【0035】
なお、グラシン紙の圧縮強度は、PET基材(K2411)の圧縮強度よりも小さい。圧縮強度は、ISO12192に基づいて測定されるものであり、たとえば、AUTOGRAPH AG-X 500N(株式会社島津製作所製)を用いて測定される。たとえば、グラシン紙の圧縮強度は、9~12N程度であり、PET基材(K2411)の圧縮強度は、20~23N程度である。このように、グラシン紙単体では、腰がほとんど無く、折れたり、カールしたりしやすい。
【0036】
第2基材22は、表裏関係にあるおもて面22aおよび裏面22b、ならびに第2端縁部22cを有する。第2基材22は、第1基材21のおもて面21a側に配置されている。第2端縁部22cは、貼着状態において、上記突出方向とは反対側に位置する。第2端縁部22cは、貼着状態において、被貼着面11に重なる。なお、おもて面22aには、デザイン層が形成されていてもよい。
【0037】
第2基材22の裏面22bは、第1基材21(より特定的にはおもて面21a)に対向する対向面として機能する。
【0038】
裏面22bは、第1領域R1と、第2領域R2とを有する。第1領域R1は、上記貼着状態においてラベル20を正面から見た場合(第1基材21と第2基材22とが積層される積層方向に沿って見た場合)に、上記突出部32において第1基材21と重なる。第1領域R1は、稜線13よりも外側に突出している。第2領域R2は、上記貼着状態においてラベル20を正面から見た場合に、当接部31において第1基材21と重なる。第2領域R2は、稜線13の内側で第1基材21と重なる。
【0039】
第1領域R1と第1基材21との間には、第2基材22と第1基材21とを接着する接着部231が設けられている。接着部231は、たとえば、感圧型接着剤、感熱型接着剤等によって構成されている。
【0040】
第2領域R2と第1基材21との間には、接着部231よりも接着力が弱い弱接着部232が設けられている。弱接着部232は、第2領域R2において第2基材22が第1基材21から剥離可能となるように設けられている。
【0041】
弱接着部232は、当該第2領域R2に部分的に、感圧型接着剤、感熱型接着剤を塗布することで形成されてもよいし、第2領域R2に全体的に形成された接着部に対して、全体的あるいは部分的に弱接着処理を行なうことで形成されてもよい。
【0042】
弱接着処理としては、たとえば、シリコーン樹脂などの剥離剤を含む液体(例えば紫外線硬化型インキなど)や微粒子を含む塗工液(例えば艶消しインキなど)などの表面処理液を所定範囲に塗工する。
【0043】
なお、弱接着部232に代えて、第2基材22と第1基材21とを接着させない非接着部が設けられていてもよい。非接着部は、第2領域R2と第1基材21との間に、接着部を形成しないことにより構成されてもよいし、第2領域R2と第1基材21との間に設けられた接着部に接着性を失わせる処理を行なってもよい。
【0044】
第2基材22は、第1基材21よりもこわさが大きい。すなわち、第2基材22の圧縮強度は、第1基材21よりも大きい。
【0045】
第2基材22としては、上記のように、第1基材21よりもこわさが大きい限り、普通紙、合成紙、蒸着紙、グロス紙、合成樹脂フィルム等を適宜採用することができる。合成樹脂フィルムとしては、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状オレフィン、ポリエチレンを含む共重合ポリマーなどのポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系、ポリアミド系、ポリスチレン系などのフィルムを用いることができる。また、第2基材22に、植物由来性、または天然素材からなる基材、あるいは紙材を使用する場合には、より環境負荷を低減することができる。
【0046】
図3は、実施の形態1に係るラベルを正面から見た図である。図2および図3を参照して、ラベル20の貼着状態について説明する。
【0047】
図2および図3に示すように、接着層24は、上述のように、少なくとも上記領域R5に接着領域を有し、これにより、第1基材21を被貼着面11に貼着させることができる。
【0048】
第2端縁部22cは、上記貼着状態においてラベル20を正面から見た場合に、直線状に設けられおり、稜線13と平行な方向に沿って延びる。第2端縁部22cは、貼着状態においてラベル20を正面から見た場合に、当接部31と突出部32との境界部と、第1端縁部21cとの間に位置する。
【0049】
ここで、第1基材21は、上述のようにこわさが小さく(腰がほぼない)ため、第1基材21単体では、第1基材21がカールしたり、倒れたりするが、本実施の形態においては、第1基材21よりもこわさが大きい(腰が強い)第2基材22を第1基材21に重ねて接着させている。これにより、第1基材21を第2基材22によって補強することができる。
【0050】
この際、第2端縁部22cが、正面から見た場合に上記境界部と第1端縁部21cとの間に位置することにより、貼着状態において当接部31(稜線13の内側)に位置する部分の第1基材21も補強することができる。これにより、第1基材21が上記境界部で折れにくくなる。
【0051】
この結果、実施の形態1に係るラベル20にあっては、貼着状態において安定した姿勢を維持することができ、保形性を十分に確保できる。また、少なくとも第1基材21が紙材を含むことにより、環境への負荷を低減することもできる。
【0052】
さらに、実施の形態1においては、以下に説明するように、曲げられた場合であっても、容易に起立した状態に復帰させることができる。
【0053】
一般的に、流通過程においてラベル付き被着体が梱包材に梱包されて搬送される場合には、被着体から突出する部分のラベルが、梱包材の内表面等で押圧されることにより、折り曲げられる場合がある。特に基材として、こわさが小さく(腰がほぼない)紙材を用いる場合には、紙材はデッドホールド性を有するため、当該紙材が折り曲げられると、元の姿勢に復帰することが困難となる。
【0054】
これに対して、本実施の形態においては、以下図4から図6を用いて説明するように、第1基材21に紙材を用いた場合であっても、曲げられたラベル20を容易に起立した状態に復帰させることができる。
【0055】
図4は、実施の形態1に係るラベル付き被着体が梱包され、ラベルが曲げられた状態を示す側面図である。図5は、実施の形態1に係るラベル付き被着体において、曲げられたラベルを復帰させる様子を示す図である。図6は、実施の形態1に係るラベル付き被着体において、曲げられたラベルが復帰した状態を示す図である。
【0056】
流通過程等において、図4に示すように、被着体10から突出している部分のラベル20が接続面12に向けて曲げられた場合には、上述のように弱接着部232は接着力が弱いため、第2領域R2において第2基材22が第1基材21から剥離する。これにより、第2基材22は折り曲げられることなく、姿勢が変更される。第2基材22の姿勢が変更された状態においては、第2基材22の第2端縁部22c側は、接続面12を正面から見た場合に、接続面12から外側に突出する。
【0057】
図5に示すように、折り曲げられたラベル20を起立した状態に復帰させる場合には、図中矢印に示すように、接続面12から外側に突出している部分の第2基材22を被貼着面11に向けて押す。
【0058】
ここで、第2基材22は、第1基材21よりもこわさが大きく、腰が強くなっている。このため、接続面12から外側に突出している部分の第2基材22を被貼着面11に向けて押した場合には、図6に示すように、第2基材22の腰を利用して、ラベル20が全体的に起立する。さらに、ラベル20が起立した状態においては、接続面12から外側に突出している部分の第2基材22が、再度、弱接着部232に接着される。これにより、ラベル20は、さらに安定した姿勢を維持することができる。
【0059】
以上のように、実施の形態1に係る20においては、ラベル20が曲げられた場合であっても、容易に起立した状態に復帰させることもできる。
【0060】
なお、実施の形態1における第2基材22の第2端縁部22cは、以下に示す変形例1から5のように変更することも可能である。図7から図11は、変形例1から5に係る貼着状態のラベルを正面から見た図である。
【0061】
図7に示すように、変形例1に係るラベル20Aにあっては、第2端縁部22cは、当接部31と突出部32との境界部に平行な方向(稜線13に平行な方向)における両側に湾曲部22dを有する。湾曲部22dは、上記境界部に平行な方向において外側に向かうにつれて、第2端縁部22cと反対側に位置する第2基材22の端縁部22hに近づくように湾曲している。上記境界部に平行な方向を第2基材22の幅方向とした場合に、湾曲部22dの開始点S1は、幅方向における第2端縁部22cの中央部よりも、幅方向における第2端縁部22cの両端側に位置する。より特定的には、湾曲部22dの開始点S1は、上記幅方向における第2端縁部22cの両端寄りに位置する。
【0062】
図8に示すように、変形例2に係るラベル20Bにあっては、変形例1に係るラベル20Aと比較した場合に、湾曲部22dの開始点S1が、上記幅方向における第2端縁部22cの中央部と幅方向におけるラベル20の両端の各々との略中間の位置に位置する。
【0063】
図9に示すように、変形例3に係るラベル20Cにおいては、第2端縁部22cは、上記境界部に平行な方向における両側に傾斜部22eを有する。傾斜部22eは、上記境界部に平行な方向において外側に向かうにつれて、第2端縁部22cと反対側に位置する第2基材22の端縁部22hに近づくように傾斜している。
【0064】
図10に示すように、変形例4に係るラベル20Dにおいては、第2端縁部22cは、幅方向における両端部側のみが上記境界部よりも第1端縁部21c側に位置している。第2端縁部22cのうち両端部側以外の部分は、略直線状であり、上記境界部とほぼ同じ位置に位置する。第2端縁部22cは、幅方向における両側に湾曲部22fを有する。湾曲部22fは、上記境界部に平行な方向において外側に向かうにつれて、第1端縁部21cに近づくように湾曲している。
【0065】
図11に示すように、変形例5に係るラベル20Eにおいては、第2端縁部22cは、複数の張出部22gを有する。複数の張出部22gの各々は、貼着状態においてラベル20を正面から見た場合に、上記境界部よりも第1端縁部21c側に位置する。複数の張出部22gの各々は、たとえば、略半円、略半オーバル形状を有する。
【0066】
以上の変形例1から変形例5のように、第2端縁部22cの形状を変形してもよい。なお、変形例1から変形例5は例示であり、第2基材22が、貼着状態において、稜線13よりも第1基材21の第1端縁部21c側で、第1基材21に重なる領域を有する限り、第2端縁部22cの形状は、適宜変更することができる。この場合においても、実施の形態1とほぼ同様の効果が得られる。
【0067】
(実施の形態2)
図12は、実施の形態2に係るラベル付き被着体の正面図である。図12を参照して、実施の形態2に係るラベル付き被着体100Fについて説明する。
【0068】
図12に示すように、実施の形態2に係るラベル付き被着体100Fは、実施の形態1に係るラベル付き被着体100と比較して、第2基材22の第2端縁部22cの形状が異なっており、これに伴い、後述するように重複領域R4に形成される接着層24の形状が相違する(図13参照)。その他の構成については、ほぼ同様である。
【0069】
第2端縁部22cは、貼着状態においてラベル20を正面から見た場合に、上記境界部に平行な方向において、中央部P1、および両端部P2,P3を有する。中央部P1の位置は、両端部P2,P3よりも上記第3端縁部21d側に位置する。
【0070】
なお、中央部P1の位置は、上記境界部よりも突出部32側に位置していてもよいし、上記境界部に重なる位置にあってもよいし、上記境界部よりも当接部31側に位置していてもよい。すなわち、中央部P1は、稜線13よりも第3端縁部21d側に位置していてもよいし、稜線13と重なる位置にあってもよいし、稜線13よりも第1端縁部21c側に位置していてもよい。
【0071】
この場合においては、第2端縁部22cの少なくとも一部は、貼着状態においてラベル20Fを正面から見た場合に、上記境界部と第1端縁部21cとの間に位置する。中央部P1が、境界部と重なる位置、あるいは、境界部よりも当接部31側に位置する場合には、第2端縁部22cの全てが、上記境界部と第1端縁部21cとの間に位置する。
【0072】
なお、実施の形態2においては、中央部P1と両端部P2,P3とを結ぶ線が直線状である場合を例示しているが、これに限定されない。中央部P1と両端部P2,P3とを結ぶ線は、湾曲していてもよいし、ギザギザ形状、波形状等適宜選択することができる。
【0073】
図13は、実施の形態2に係るラベルにおける第1基材の裏面側を示す図である。図13を参照して、第1基材21の裏面21bに設けられた接着層24について説明する。
【0074】
図13に示すように、第1基材21の裏面21bは、貼着状態においてラベル20Fを正面から見た場合に、上記境界部に平行な方向における両側に一対のコーナー領域26を有する。
【0075】
裏面21bは、上記第2端縁部22cの中央部P1と両端P2,P3に対応する位置に、点P4,P5,P6を有する。また、第1端縁部21cは、一対のコーナー領域26の開始点P7,P8を有する。上述の一対のコーナー領域26とは、第1基材21のうち、第1端縁部21c側に位置する上記幅方向のコーナー部27を含有するコーナー部含有領域を意味し、本実施の形態においては、点P4、点P5、および開始点P7を結ぶ線によって囲まれる領域、および、点4、点6、および開始点P8を結ぶ線によって囲まれる領域である。
【0076】
ここで、実施の形態2においては、接着層24は、裏面21bに全体的に設けられている。接着層24のうち、点P4と点P5,点P6とを結ぶ線から、第1端縁部21cとは反対側に位置する第3端縁部21dまでの領域に設けられたものには、非接着処理層25が形成されている。
【0077】
接着層24のうち、点P4、開始点P7、および開始点P8を結ぶ線によって囲まれる領域に設けられたものは、非接着処理あるいは弱接着処理はなされておらず、通常の接着力を有する。すなわち、接着層24のうち、一対のコーナー領域26の間に設けられた接着層24には、非接着処理あるいは弱接着処理はなされていない。
【0078】
接着層24のうち、前記一対のコーナー領域26に設けられたものには、上記一対のコーナー領域26の間に設けられた接着層24よりも接着力が弱くなるように弱接着処理、あるいは、非接着処理がなされている。
【0079】
この場合においても、接着層24は、貼着状態においてラベル20Fを正面から見た場合に、第2端縁部22cのうち最も第1端縁部21c側に位置する端部P2,P3を通り上記境界部と平行となる仮想線VL1(図12参照)と、上記境界部との間に位置する領域R5(図12参照)に、接着領域を有している。
【0080】
このような構成を有することにより、実施の形態2に係るラベル20においても、貼着状態において安定した姿勢を維持することができ、保形性を十分に確保できる。また、少なくとも第1基材21が紙材を含むことにより、環境への負荷を低減することもできる。
【0081】
さらに、上記のような第2端縁部22cの形状、ならびに上記のように接着層24の構成とすることにより、被着体として、袋状のもの、あるいは、筒状容器等の湾曲面を有する容器を用いる場合に、より好適に安定した姿勢に維持することができる。
【0082】
加えて、上記のような第2端縁部22cの形状とし、上記のように接着層24を設けることにより、以下に示すように、搬送時等において、ラベル20が曲げられた際に、第1基材21に折リ目が形成されることを抑制することができる。
【0083】
図14および図15は、実施の形態2に係るラベル付き被着体において、ラベルが曲げられた状態を示す側面図および上面図である。
【0084】
図14および図15に示すように、被貼着面11から突出する部分のラベル(突出部32)が、曲げられた場合にあっては、一対のコーナー領域26に形成された接着層24は、弱接着処理、あるいは非接着処理がされていることにより、一対のコーナー領域26が被貼着面11に接着されない。このため、ラベル20に作用する曲げ応力を一対のコーナー領域26に逃がすことができる。
【0085】
このため、第1基材21の両端P2,P3側が被貼着面11から浮き上がり、第1基材21の中央部P1側が稜線13あるいは接続面12に近づくように曲げられる。同様に、第2基材22の両端側(点P5,点P6側)が被貼着面11から浮き上がり、第2基材22の中央部側(点P4側)が稜線13あるいは接続面12に近づくように曲げられる。これにより、第2基材22が折り曲げられて折り目が形成されることを抑制できる。この結果、ラベル20Fが曲げられた場合であっても、容易に起立した状態に復帰させることもできる。
【0086】
なお、実施の形態2における接着層24は、以下に示す変形例6および7のように変更することができる。図16および図17は、変形例6および変形例7に係るラベルにおいて第1基材の裏面側を示す図である。
【0087】
図16に示すように、変形例6に係るラベル20Gにおいては、点P4と点P5を結ぶ線上に点P9が存在し、点P4と点P6とを結ぶ線上に点P10が存在する。点P9と点P10とは、第1基材21の中心線に対して線対称の位置にある。本変形例においては、点P9、点P5、開始点P7を結ぶ線によって囲まれる領域、および、点P10、点P6、開始点P8を結ぶ線によって囲まれる領域が、一対のコーナー領域26となる。
【0088】
接着層24は、裏面21bに全体的に設けられている。接着層24のうち、点P4と点P5,点P6とを結ぶ線から、第1端縁部21cとは反対側に位置する第3端縁部21dまでの領域に設けられたものには、非接着処理層25が形成されている。
【0089】
接着層24のうち、点P4、点P9、開始点P7、開始点P8、点P10を結ぶ線によって囲まれる領域に設けられたものは、非接着処理あるいは弱接着処理はなされておらず、通常の接着力を有する。すなわち、接着層24のうち、一対のコーナー領域26の間に設けられた接着層24には、非接着処理あるいは弱接着処理はなされていない。
【0090】
接着層24のうち、前記一対のコーナー領域26に設けられたものには、上記一対のコーナー領域26の間に設けられた接着層24よりも接着力が弱くなるように弱接着処理、あるいは、非接着処理がなされている。すなわち点P9、点P5、開始点P7を結ぶ線によって囲まれる領域、および、点P10、点P6、開始点P8を結ぶ線によって囲まれる領域に設けられた接着層24には、弱接着処理、あるいは、非接着処理がなされている。
【0091】
この場合においても、接着層24は、貼着状態においてラベル20Gを正面から見た場合に、第2端縁部22cのうち最も第1端縁部21c側に位置する端部P2,P3を通り、上記境界部と平行となる仮想線VL1(図16において不図示)と、上記境界部との間に位置する領域に、接着領域を有している。
【0092】
図17に示すように、変形例7に係るラベル20Hにおいては、第1端縁部21c上において、開始点P7および開始点P8の内側に点P11と点P12とを有する。点P9と点P10とは、第1基材21の中心線に対して線対称の位置にある。本変形例においては、点P9、点P5、点11を結ぶ線によって囲まれる領域、および、点P10、点P6、点P12を結ぶ線によって囲まれる領域が、一対のコーナー領域26となる。
【0093】
接着層24は、裏面21bに全体的に設けられている。接着層24のうち、点P4と点P5,点P6とを結ぶ線から、第1端縁部21cとは反対側に位置する第3端縁部21dまでの領域に設けられたものには、非接着処理層25が形成されている。
【0094】
接着層24のうち、点P4、点P9、点P11、点P12、点P10を結ぶ線によって囲まれる領域に設けられたものは、非接着処理あるいは弱接着処理はなされておらず、通常の接着力を有する。すなわち、接着層24のうち、一対のコーナー領域26の間に設けられた接着層24には、非接着処理あるいは弱接着処理はなされていない。
【0095】
接着層24のうち、一対のコーナー領域26に設けられたものには、上記一対のコーナー領域26の間に設けられた接着層24よりも接着力が弱くなるように弱接着処理、あるいは、非接着処理がなされている。すなわち点P9、点P5、点11を結ぶ線によって囲まれる領域、および、点P10、点P6、点P12を結ぶ線によって囲まれる領域に設けられた接着層24には、弱接着処理、あるいは、非接着処理がなされている。
【0096】
この場合においても、接着層24は、貼着状態においてラベル20Hを正面から見た場合に、第2端縁部22cのうち最も第1端縁部21c側に位置する端部P2,P3を通り、上記境界部と平行となる仮想線VL1(図17において不図示)と、上記境界部との間に位置する領域に、接着領域を有している。
【0097】
なお、変形例6および変形例7においても、被貼着面11から突出する部分のラベル(突出部32)が曲げられた場合にあっては、一対のコーナー領域26に形成された接着層24が、弱接着処理、あるいは非接着処理がされていることにより、一対のコーナー領域26が被貼着面11に接着されない。このため、ラベル20に作用する曲げ応力を一対のコーナー領域26に逃がすことができる。この結果、実施の形態2とほぼ同様の効果が得られる。
【0098】
上述した実施の形態2および変形例6、7においては、一対のコーナー領域26に形成された接着層24が、弱接着処理、あるいは非接着処理がされている場合を例示して説明したが、これに限定されない。一対のコーナー領域26に接着層24を設けないことにより、一対のコーナー領域26が非接着となるようにしてもよい。
【0099】
なお、上述した実施の形態1、2および変形例1~7においては、被着体が、包装箱である場合を例示して説明したが、ラベルが被着体に貼着された貼着状態において当接部と突出部とを有する限り、被着体は、ペットボトル等の合成樹脂で構成されるボトルや、ガラス製の容器、軟質なブロー容器、またはデラミボトル等であってもよいし、チューブ状の容器であってもよい。なお、被着体を、紙材、植物由来性、または天然素材からなる素材で構成する場合には、さらに環境負荷を低減することができる。
【0100】
以上、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0101】
10 被着体、11 着面、12 接続面、13 稜線、15 意匠、20,20A,20B,20C,20D,20E,20F,20G,20H ラベル、21 第1基材、21a おもて面、21b 裏面、22a おもて面、22b 裏面、21c 第1端縁部、21d 第3端縁部、22 第2基材、22c 第2端縁部、22d 湾曲部、22e 傾斜部、22f 湾曲部、22g 張出部、22h 端縁部、24 接着層、25 非接着処理層、26 コーナー領域、27 コーナー部、31 当接部、32 突出部、100,100F ラベル付き被着体、231 接着部、232 弱接着部、P1 中央部、P2,P3 端部、P4,P5,P6,P9,P10,P11,P12 点、P7,P8 開始点、S1 開始点、R1 第1領域、R2 第2領域、R3 突出領域、R4 重複領域、R5 領域。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17