(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022118466
(43)【公開日】2022-08-15
(54)【発明の名称】情報管理サーバ、情報管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/00 20120101AFI20220805BHJP
【FI】
G06Q30/00 340
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021015025
(22)【出願日】2021-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】000110217
【氏名又は名称】トッパン・フォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100206999
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 綾夏
(72)【発明者】
【氏名】後藤 聡
(72)【発明者】
【氏名】福田 智洋
(72)【発明者】
【氏名】緒方 俊哉
(72)【発明者】
【氏名】三田 貴之
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB25
(57)【要約】 (修正有)
【課題】利用者によって申請された携帯電話番号に誤りがないか確認することができる情報管理サーバ、情報管理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】引越手続サービス提供システムにおいて、情報管理サーバ30は、手続を依頼した利用者の利用者端末から通話アプリケーションを用いて通知されたメッセージを取得し、利用者によって手続が依頼された際に申請された携帯電話番号とメッセージの通知元となる携帯電話番号とが一致した場合、利用者の携帯電話番号に誤りがないと判定する番号確定部335と、番号確定部335によって誤りがないと判定された利用者の携帯電話番号を取得する電話番号取得部(引越情報取得部331)と、電話番号取得部によって取得された利用者の携帯電話番号を用いて利用者が依頼した手続を実行する手続実行部333と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話番号を宛先とする通話アプリケーションに設定された企業アカウントを利用する顧客に関する顧客情報であって、前記顧客が携帯キャリアと契約している携帯電話番号を含む顧客情報を記憶する記憶部と、
手続を依頼した利用者の利用者端末から前記通話アプリケーションを用いて通知されたメッセージを取得し、前記利用者によって手続が依頼された際に申請された携帯電話番号と前記メッセージの通知元となる携帯電話番号とが一致した場合、前記利用者の携帯電話番号に誤りがないと判定する番号確定部と、
前記番号確定部によって誤りがないと判定された前記利用者の携帯電話番号を取得する電話番号取得部と、
前記電話番号取得部によって取得された前記利用者の携帯電話番号を用いて前記利用者から依頼された手続を実行する手続実行部と、
を備える情報管理サーバ。
【請求項2】
前記番号確定部は、
前記メッセージにおいて前記利用者を特定する利用者特定情報が暗号化された暗号コードと前記利用者によって申請された携帯電話番号を含む情報を取得し、
前記利用者特定情報が改ざんされているか否かを判定し、
前記利用者特定情報が改ざんされておらず、前記メッセージにて通知された携帯電話番号と前記メッセージの通知元である携帯電話番号とが一致した場合、前記利用者の携帯電話番号に誤りがないと判定する、
請求項1に記載の情報管理サーバ。
【請求項3】
前記番号確定部は、前記利用者によって申請された携帯電話番号を、手続を受け付ける窓口となる手続窓口サーバから取得し、
前記メッセージにおいて前記利用者を特定する利用者特定情報が暗号化された暗号コードを含む情報を取得し、
前記利用者特定情報が改ざんされておらず、前記手続窓口サーバから取得した携帯電話番号と前記メッセージの通知元である携帯電話番号とが一致し、前記一致した携帯電話番号が割り当てられた携帯電話を前記携帯キャリアと契約した場合、前記利用者の携帯電話番号に誤りがないと判定する、
請求項1に記載の情報管理サーバ。
【請求項4】
前記電話番号取得部によって取得された電話番号、及び前記記憶部に記憶された顧客情報に基づいて、前記利用者と前記利用者によって依頼された手続の主体である手続主体とが同一であるか否かを判定する本人確認を行う本人確認部を更に備え、
前記手続実行部は、前記本人確認部による本人確認の結果に応じて前記利用者が依頼した手続を実行する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報管理サーバ。
【請求項5】
通話アプリケーションに設定された企業アカウントを利用する顧客に関する顧客情報であって、前記顧客が携帯キャリアと契約している携帯電話の電話番号を含む顧客情報を記憶する記憶部を備えるコンピュータ装置である情報管理サーバが行う情報管理方法であって、
番号確定部が、手続を依頼した利用者の利用者端末から前記通話アプリケーションを用いて通知されたメッセージを取得し、前記利用者によって手続が依頼された際に申請された携帯電話番号と前記メッセージの通知元となる携帯電話番号とが一致した場合、前記利用者の携帯電話番号に誤りがないと判定し、
電話番号取得部が、前記番号確定部によって誤りがないと判定された前記利用者の携帯電話番号を取得し、
手続実行部が、前記電話番号取得部によって取得された前記利用者の携帯電話番号を用いて前記利用者から依頼された手続を実行する、
情報管理方法。
【請求項6】
コンピュータを、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の情報管理サーバとして動作させるためのプログラムであって、前記コンピュータを前記情報管理サーバが備える各部として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報管理サーバ、情報管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
引越しに際し、様々な行政機関や民間事業者に対して氏名や新住所等の情報を個別に届け出る必要があり、その都度、手続負担が生じている。また、必要な手続は個人によって異なり、かつ、手続を行うべき相手方が多岐に渡る。このため、必要な手続の全体像を把握できず、手続漏れが発生しやすい。
【0003】
これらの問題に対して、引越しに伴う手続の負担を軽減し、また、手続漏れを防止するためのサービスが推進されている。このようなサービスでは、例えば、行政機関(自治体)及び民間事業者等に対する引越しに伴う手続を一括で行う窓口となるポータルサイトが提供される。利用者は、ポータルサイトに氏名や新住所等の情報を登録することにより、ポータルサイトを介して、行政機関や民間事業者に対してオンラインで引越しに伴う手続を一括で行うことができる。例えば、特許文献1には、行政機関や民間事業者等、複数の事業者に登録されている氏名や住所等の利用者情報の変更の届出等を一括して受け付け、受け付けた情報を各々の事業者に提供する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなサービスでは、ポータルサイトを介して利用者により入力された携帯電話番号などの個人情報に基づいて登録が扱われる。しかしながら、この場合入力ミス等に起因する携帯電話番号の誤りが発生し易いので、入力された携帯電話番号をそのまま用いてしまうと正しい手続を行うことができない可能性があるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、利用者によって申請された携帯電話番号に誤りがないか確認することができる情報管理サーバ、情報管理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上述した課題を解決するために、本発明は、携帯電話番号を宛先とする通話アプリケーションに設定された企業アカウントを利用する顧客に関する顧客情報であって、前記顧客が携帯キャリアと契約している携帯電話番号を含む顧客情報を記憶する記憶部と、手続を依頼した利用者の利用者端末から前記通話アプリケーションを用いて通知されたメッセージを取得し、前記利用者によって手続が依頼された際に申請された携帯電話番号と前記メッセージの通知元となる携帯電話番号とが一致した場合、前記利用者の携帯電話番号に誤りがないと判定する番号確定部と、前記番号確定部によって誤りがないと判定された前記利用者の携帯電話番号を取得する電話番号取得部と、前記電話番号取得部によって取得された前記利用者の携帯電話番号を用いて前記利用者が依頼した手続を実行する手続実行部と、を備える情報管理サーバである。
【0008】
また、本発明の情報管理サーバでは、前記番号確定部は、前記メッセージにおいて前記利用者を特定する利用者特定情報が暗号化された暗号コードと前記利用者によって申請された携帯電話番号を含む情報を取得し、前記利用者特定情報が改ざんされているか否かを判定し、前記利用者特定情報が改ざんされておらず、前記メッセージにて通知された携帯電話番号と前記メッセージの通知元である携帯電話番号とが一致した場合、前記利用者の携帯電話番号に誤りがないと判定する。
【0009】
また、本発明の情報管理サーバでは、前記番号確定部は、前記利用者によって申請された携帯電話番号を、手続を受け付ける窓口となる手続窓口サーバから取得し、前記メッセージにおいて前記利用者を特定する利用者特定情報が暗号化された暗号コードを含む情報を取得し、前記利用者特定情報が改ざんされておらず、前記手続窓口サーバから取得した携帯電話番号と前記メッセージの通知元である携帯電話番号とが一致し、前記一致した携帯電話番号が割り当てられた携帯電話を前記携帯キャリアと契約した場合、前記利用者の携帯電話番号に誤りがないと判定する。
【0010】
また、本発明の情報管理サーバでは、前記電話番号取得部によって取得された電話番号、及び前記記憶部に記憶された顧客情報に基づいて、前記利用者と前記利用者によって依頼された手続の主体である手続主体とが同一であるか否かを判定する本人確認を行う本人確認部を更に備え、前記手続実行部は、前記本人確認部による本人確認の結果に応じて前記利用者が依頼した手続を実行する。
【0011】
また、本発明は、通話アプリケーションに設定された企業アカウントを利用する顧客に関する顧客情報であって、前記顧客が携帯キャリアと契約している携帯電話の電話番号を含む顧客情報を記憶する記憶部を備えるコンピュータ装置である情報管理サーバが行う情報管理方法であって、番号確定部が、手続を依頼した利用者の利用者端末から前記通話アプリケーションを用いて通知されたメッセージを取得し、前記利用者によって手続が依頼された際に申請された携帯電話番号と前記メッセージの通知元となる携帯電話番号とが一致した場合、前記利用者の携帯電話番号に誤りがないと判定し、電話番号取得部が、前記番号確定部によって誤りがないと判定された前記利用者の携帯電話番号を取得し、手続実行部が、前記電話番号取得部によって取得された前記利用者の携帯電話番号を用いて前記利用者が依頼した手続を実行する、情報管理方法である。
【0012】
また、本発明は、コンピュータを、上記に記載の情報管理サーバとして動作させるためのプログラムであって、前記コンピュータを前記情報管理サーバが備える各部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、利用者によって申請された携帯電話番号に誤りがないか確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施形態に係る情報管理サーバ30が適用される引越手続サービス提供システム1における処理の流れの概要を示す図である。
【
図2】実施形態に係る利用者端末10の構成の例を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る引越手続窓口サーバ20の構成の例を示すブロック図である。
【
図4】実施形態に係る引越情報220の構成の例を示す図である。
【
図5】実施形態に係る情報管理サーバ30の構成の例を示すブロック図である。
【
図6】実施形態に係る顧客情報320の構成の例を示す図である。
【
図7】実施形態に係る手続情報321の構成の例を示す図である。
【
図8】実施形態に係る顧客情報320が作成される処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図9】実施形態に係る引越手続サービス提供システム1が行う処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図10A】実施形態に係る表示部14に表示される画面の一例を示す図である。
【
図10B】実施形態に係る表示部14に表示される画面の一例を示す図である。
【
図10C】実施形態に係る表示部14に表示される画面の一例を示す図である。
【
図11】実施形態に係る表示部14に表示される画面の一例を示す図である。
【
図12】実施形態に係る引越手続サービス提供システム1が行う処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図13】実施形態の変形例に係る引越手続サービス提供システム1が行う処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。以下では、引越に係る手続を行う場合を例示して説明するが、これに限定されない。窓口となるポータルサイトを介して行政機関及び民間事業者等に対する様々な手続を一括で行う場合に広く本実施形態を適用することができる。
【0016】
図1は、実施形態に係る情報管理サーバ30が適用される引越手続サービス提供システム1における処理の流れの概要を示す図である。
【0017】
引越手続サービス提供システム1は、引越手続サービスを提供するシステムである。引越手続サービスは、引越に伴って発生する様々な手続を一括してオンラインで実行するサービスである。
【0018】
引越手続サービス提供システム1では、引越に伴う手続を、本人確認を要しない手続と本人確認を要する手続とに分けそれぞれの手続を実行する。ここでの本人確認は、手続を申請する者と、手続の主体となる本人との同一性を確認することである。引越手続サービス提供システム1では、本人確認を要する手続については、利用者と手続主体との同一性を確認した上で手続を実行する。
【0019】
以下では、引越に伴って発生する手続として、行政機関への手続、ライフラインに係る手続、その他引越に伴う手続を行う場合を例に説明する。行政機関への手続は、例えば、住民票を移動させるための転出届及び転入届等を提出する手続である。ライフラインに係る手続は、水道、電気、ガスなどの利用に関する手続である。ライフラインに係る手続は、例えば、ライフラインの使用停止や使用開始に係る手続、及び使用料金の支払いに口座振替を申し込む場合に生じる手続等である。その他引越に伴う手続は、ライフラインの使用以外で引越に伴って発生する手続であり、例えば、引越元で契約していたインターネットプロバイダの契約を解約したり、引越先で新規にインターネットプロバイダと契約したりする手続や、プロバイダ料金の支払いに口座振替を申し込む場合に生じる手続等である。また、以下では、引越に伴う手続のうち、行政機関への手続、及び、ライフラインの使用とその他引越に伴う手続のうちの口座振替に係る手続を、本人確認を要する手続とする場合を例に説明する。
【0020】
しかしながら、これに限定されることはなく、引越に伴う手続のうちの何れの手続を、本人確認を要する手続とするかは、任意に決定されてよい。例えば、法令等によって本人確認が義務付けられている手続を、本人確認を要する手続と決定するようにしてもよいし、法令等による義務はないが、手続の内容を鑑みて、犯罪を防止する観点や個人情報を保護する観点から特定の手続を、本人確認を要する手続と決定するようにしてもよい。
【0021】
図1に示すように、引越手続サービス提供システム1は、例えば、利用者端末10と、引越手続窓口サーバ20と、情報管理サーバ30と、行政手続窓口サーバ40と、自治体サーバ50と、ライフライン事業者サーバ60と、業者サーバ70と、携帯キャリアサーバ80とを備える。
【0022】
利用者端末10は、引越手続サービスを利用する利用者のコンピュータ装置である。利用者端末10は、例えば、マートフォン、タブレット端末、携帯電話、PCなどである。
【0023】
(ステップS11)
利用者端末10は、引越手続窓口サーバ20に利用申請を行う。利用申請は、引越手続サービスを利用する旨の申請である。
(ステップS12)
利用者端末10は、引越手続窓口サーバ20から結果通知を受信する。結果通知は、利用申請により依頼した手続における手続結果等の通知である。
【0024】
引越手続窓口サーバ20は、引越手続サービスの窓口となるポータルサイトを運用するコンピュータ装置である。引越手続窓口サーバ20は、例えば、サーバ装置、PCなどである。引越手続窓口サーバ20は、利用者端末10から利用申請を受け付け、引越手続サービスを利用するために必要な情報を利用者端末10から取得する。引越手続窓口サーバ20は、引越情報220を用いて、利用者から依頼された手続を行う。
【0025】
(ステップS13)
引越手続窓口サーバ20は、利用者から依頼された手続のうちの一部の手続について、業者サーバ70に手続を申請し、その手続結果を受信する。ここで、引越手続窓口サーバ20から業者サーバ70に依頼する手続は、行政手続及びライフラインの使用以外で引越に伴って発生するその他の手続であり、例えば、本人確認を要しない手続である。
【0026】
(ステップS14)
引越手続窓口サーバ20は、利用者から依頼された手続のうちの他の一部の手続について、ライフライン事業者サーバ60に手続を申請し、その手続結果を受信する。ここで、引越手続窓口サーバ20からライフライン事業者サーバ60に依頼する手続は、ライフラインの使用に係る手続であり、例えば、本人確認を要しない手続である。
【0027】
(ステップS15)
引越手続窓口サーバ20は、利用者から依頼された手続のうち、本人確認を要する手続に関する情報を情報管理サーバ30に通知し、情報管理サーバ30に本人確認を要する手続の実行を依頼する。引越手続窓口サーバ20は、本人確認を要する手続を実行した結果を情報管理サーバ30から受信する。
【0028】
情報管理サーバ30は、利用者が依頼した手続のうち、本人確認を要する手続を実行するコンピュータ装置である。情報管理サーバ30は、例えば、企業が運用するサーバ装置、PCなどである。情報管理サーバ30は、引越手続窓口サーバ20から利用者に関する情報を取得し、取得した情報を用いて、利用者と手続主体となる本人との同一性を確認する。情報管理サーバ30は、携帯キャリアサーバ80から得られる情報を用いて利用者と手続主体となる本人との同一性を確認する(符号M)。情報管理サーバ30が、利用者と手続主体となる本人との同一性を確認する方法にいては後で詳しく説明する。
【0029】
(ステップS16)
情報管理サーバ30は、引越手続窓口サーバ20から依頼された手続のうちの一部の手続について、ライフライン事業者サーバ60に手続を申請し、その手続結果を受信する。ここで、情報管理サーバ30からライフライン事業者サーバ60に依頼する手続は、ライフラインの使用に係る手続であり、本人確認を要する手続である。
【0030】
(ステップS17)
情報管理サーバ30は、引越手続窓口サーバ20から依頼された手続のうちの他の一部の手続について、業者サーバ70に手続を申請し、その手続結果を受信する。ここで、情報管理サーバ30から業者サーバ70に依頼する手続は、行政手続及びライフラインの使用以外で引越に伴って発生するその他の手続であり、本人確認を要する手続である。
【0031】
(ステップS18)
情報管理サーバ30は、引越手続窓口サーバ20から依頼された手続のうちの行政手続について、行政手続窓口サーバ40に手続を申請し、その手続結果を受信する。
【0032】
行政手続窓口サーバ40は、行政手続サービスの窓口となるポータルサイトを運用するコンピュータ装置である。行政手続窓口サーバ40は、例えば、省庁が運用するサーバ装置、PCなどである。行政手続窓口サーバ40は、情報管理サーバ30から行政手続の申請を受け付け、行政手続に必要な情報を取得する。
【0033】
(ステップS19)
行政手続窓口サーバ40は、情報管理サーバ30から取得した情報を用いて、自治体サーバ50に行政手続を申請し、その手続結果を自治体サーバ50から受信する。
【0034】
自治体サーバ50は、行政手続を行うコンピュータ装置である。自治体サーバ50は例えば、自治体により運用されるサーバ装置、PCなどである。自治体サーバ50は、行政手続窓口サーバ40から、行政手続を申請する旨、及びその行政手続に要する情報を受信し、受信した情報に基づいて行政手続を行う。自治体サーバ50は、手続結果を行政手続窓口サーバ40に通知する。
【0035】
ライフライン事業者サーバ60は、水道、電気、ガスなどのライフラインの利用に係る手続を行うコンピュータ装置である。ライフライン事業者サーバ60は、例えば、ライフライン事業者により運用されるサーバ装置、PCなどである。ライフライン事業者サーバ60は、引越手続窓口サーバ20から本人確認を要しない手続の申請に基づいて手続を行い、手続結果を引越手続窓口サーバ20に通知する。また、ライフライン事業者サーバ60は、情報管理サーバ30から本人確認を要する手続の申請に基づいて手続を行い、手続結果を情報管理サーバ30に通知する。
【0036】
業者サーバ70は、ライフライン以外で引越に伴って発生する手続を行うコンピュータ装置である。業者サーバ70は、例えば、民間事業者により運用されるサーバ装置、PCなどである。業者サーバ70は、引越手続窓口サーバ20から本人確認を要しない手続の申請に基づいて手続を行い、手続結果を引越手続窓口サーバ20に通知する。また、業者サーバ70は、情報管理サーバ30から本人確認を要する手続の申請に基づいて手続を行い、手続結果を情報管理サーバ30に通知する。
【0037】
携帯キャリアサーバ80は、携帯電話による通信通話サービスを提供するコンピュータ装置である。携帯キャリアサーバ80は、利用者が契約する携帯キャリア(携帯電話事業者)により運用されるサーバ装置、PCなどである。携帯キャリアサーバ80は、携帯電話同士でテキストや写真、静止画像や動画像などのメッセージの送受信を行うことができるアプリケーションプログラム(以下、通話アプリという)を提供する。通話アプリでは、携帯電話の電話番号を宛先としてメッセージの送受信が行われる。
【0038】
通話アプリでは、企業のアカウント(以下、企業アカウントという)が設定されている。携帯電話の契約者は、通話アプリ上で企業アカウントをフォローする(利用する)ことによって、その企業とメッセージと情報のやり取りを行うことが可能である。
【0039】
このような企業と契約者とが情報をやり取りする場を提供するにあたり、通話アプリでは企業と契約者との間における取引の安全性を向上させる仕組みが設けられている。具体的には、通話アプリで設定する企業アカウントを、携帯電話事業者の審査を通過した企業に限定している。また、通話アプリが利用された場合に、通話アプリを利用した携帯電話の電話番号が不正な番号でないかを確認し、不正な番号でないことが確認できた番号のみを企業に通知する。これにより、不正な番号でないことが確認された携帯電話のみが、通話アプリを利用することができる。ここでの不正な番号とは、不正に入手された携帯電話の電話番号であり、例えば、契約時に携帯電話事業者が本人確認を実施していない携帯電話の電話番号である。
【0040】
引越手続サービス提供システム1では、この通話アプリの仕組みを利用して本人確認を行う。具体的には、通話アプリに、情報管理サーバ30に係る企業アカウント(例えば、情報管理サーバ30を運用等する企業の企業アカウント)が設定されているものとする。また、利用者端末10には、通話アプリがインストールされており、利用者端末10によって、情報管理サーバ30係る企業アカウントがフォローされているものとする。すなわち、利用者端末10が不正に入手されたものでない限り、利用者端末10の携帯電話番号が、情報管理サーバ30に係る企業に通知されていることを前提とする。
【0041】
図2は、第1の実施形態に係る利用者端末10の構成の例を示すブロック図である。利用者端末10は、例えば、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、表示部14とを備える。通信部11は、引越手続窓口サーバ20、及び情報管理サーバ30と通信を行う。記憶部12は、利用者端末10の各種の処理を実行するためのプログラム、及び各種の処理を行う際に利用される一時的なデータを記憶する。例えば、記憶部12には、通話アプリをインストールする際にダウンロードされたアプリケーションプログラムが記憶される。表示部14は、表示画面を備え、制御部13の制御に基づく画像を表示画面に表示する。
【0042】
制御部13は、利用者端末10を統括的に制御する。例えば、制御部13は、利用者の入力操作に応じて、引越手続窓口サーバ20が提供するポータルサイトに対応する所定のURL(Uniform Resource Locator)にアクセスする。制御部13は、アクセスしたサイトから、引越手続サービスの利用申請を行うための所定の入力フォーム画面を取得し、取得した画面を表示部(不図示)に表示させる。制御部13は、利用者の操作等によって、表示させた入力フォーム画面に利用申請に必要な情報が入力され、入力した情報を送信する旨の操作がなされると、引越に係る情報を引越手続窓口サーバ20に送信する。これによって、利用者端末10から引越手続窓口サーバ20に利用申請が行われる。
【0043】
図3は、第1の実施形態に係る引越手続窓口サーバ20の構成の例を示すブロック図である。引越手続窓口サーバ20は、例えば、通信部21と、記憶部22と、制御部23とを備える。通信部21は、利用者端末10、情報管理サーバ30、ライフライン事業者サーバ60、及び業者サーバ70と通信を行う。
【0044】
記憶部22は、引越手続窓口サーバ20の各種の処理を実行するためのプログラム、及び各種の処理を行う際に利用される一時的なデータを記憶する。記憶部22は、例えば、引越情報220を記憶する。引越情報220は、利用者の引越に関する情報である。引越情報220は、例えば、利用者端末10による引越手続サービスの利用申請に伴って、利用者端末10から通知された情報によって構成される。引越情報220は、例えば、利用者の氏名、旧住所、新住所、引越日、引越手続サービスを利用して行う手続の内容などを示す情報である。
【0045】
制御部23は、引越手続窓口サーバ20を統括的に制御する。例えば、制御部23は、ポータルサイトに係る各種の処理を実行する。制御部23は、ポータルサイトにアクセスしてきた利用者端末10からの要求に応じて、引越手続サービスを利用するための所定の入力フォーム画面等の情報を利用者端末10に通知する。また、制御部23は、通信部21が利用者端末10から入力フォーム画面に入力された情報の利用申請に係る情報を受信した場合、通信部21を介してその情報を取得し、取得した情報を用いて引越情報220を作成し、作成した引越情報220を記憶部22に記憶させる。
【0046】
また、制御部23は、利用申請にて依頼された手続に本人確認を要する手続が含まれている場合、引越情報220を情報管理サーバ30に通知する。制御部23は、利用申請にて依頼された手続にライフライン事業者に対して行う手続が含まれている場合、引越情報220をライフライン事業者サーバ60に通知する。制御部23は、利用申請にて依頼された手続に他の業者に対して手続が含まれている場合、引越情報220を業者サーバ70に通知する。
【0047】
制御部23は、引越情報220を情報管理サーバ30に通知した場合、情報管理サーバ30から手続結果を受信する。制御部23は、引越情報220をライフライン事業者サーバ60に通知した場合、ライフライン事業者サーバ60から手続結果を受信する。制御部23は、引越情報220を業者サーバ70に通知した場合、業者サーバ70から手続結果を受信する。
【0048】
図4は、実施形態に係る引越情報220の構成の例を示す図である。引越情報220は、例えば、引越手続サービスにおける利用申請ごとに作成される。引越情報220は、例えば、引越情報ID、利用者属性情報、引越関連情報などの項目を備える。引越情報IDは引越情報220を一意に識別する識別情報である。利用者属性情報は、引越手続サービスに利用申請を行った利用者の属性を示す情報であって、少なくとも、利用者コードと利用者の携帯電話番号を示す情報である。この図の例では、利用者属性情報として、利用者コードと、氏名と、携帯電話番号と、生年月日と、カナ氏名と、漢字氏名などを備える場合が示されている。利用者コードは、利用者を特定する情報である。利用者コードは、例えば、利用者から利用申請が行われた際に引越手続窓口サーバ20によって作成される。引越関連情報は、引越情報IDで特定される利用申請の際に申請された引越に関する情報である。引越関連情報は、例えば、引越日、旧住所、新住所、手続1、手続2、…などの項目を備える。引越日は引越を行う予定である日付を示す情報である。旧住所は引越元の住所を示す情報である。新住所は引越先の住所を示す情報である。手続1、手続2、…、は引越手続サービスを利用して行う手続内容を示す情報である。
【0049】
図5は、実施形態に係る情報管理サーバ30の構成の例を示すブロック図である。情報管理サーバ30は、例えば、通信部31と、記憶部32と、制御部33と備える。通信部31は、利用者端末10、引越手続窓口サーバ20、行政手続窓口サーバ40、ライフライン事業者サーバ60、業者サーバ70、及び携帯キャリアサーバ80と通信を行う。
【0050】
記憶部32は、記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、または、これらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。記憶部32は、情報管理サーバ30の各種の処理を実行するためのプログラム、及び各種の処理を行う際に利用される一時的なデータを記憶する。
【0051】
記憶部32は、例えば、顧客情報320と、手続情報321とを記憶する。顧客情報320は、通話アプリに設定された企業アカウントをフォローする(利用する)携帯電話の契約者(顧客)に関する情報である。顧客情報320には、少なくとも、顧客の携帯電話番号を示す情報が含まれる。顧客の携帯電話番号は、顧客が企業アカウントをフォローし、顧客が企業アカウントと情報をやり取りするための顧客アカウントが作成された際に、携帯キャリアサーバ80から企業側の装置(例えば、情報管理サーバ30)に通知される。
【0052】
手続情報321は、引越手続サービスにおいて利用者から依頼された手続のうち、本人確認を要する手続に関する情報である。手続情報321は、引越手続窓口サーバ20から通知される引越情報220の全部または一部の情報を用いて作成される情報である。
【0053】
制御部33は、情報管理サーバ30の各構成を制御する。制御部33は、例えば、情報管理サーバ30のCPU(Central Processing Unit)が記憶部52に予め記憶されたプログラムを実行することにより実現される。また、制御部33は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の集積回路として実現されてもよい。制御部33は、例えば、企業アカウント制御部330と、引越情報取得部331と、本人確認部332と、手続実行部333と、装置制御部334と、番号確定部335とを備える。
【0054】
企業アカウント制御部330は、通話アプリに設定された企業アカウントを介したサービスを提供する。企業アカウントを介したサービスの内容は任意であってよいが、例えば、顧客の個人情報を預かり、顧客の同意を得た上で顧客の個人情報を手続先と連携させることで諸手続をオンラインで行うサービス等である。顧客は、企業アカウントを介したサービスを利用することにより、諸手続きを、安全に且つ手間を少なくして実行することが可能となる。
【0055】
例えば、企業アカウント制御部330は、携帯キャリアサーバ80から通知される顧客の携帯電話番号を取得する。ここでの顧客の携帯電話番号は、企業アカウントをフォローした携帯電話を契約した契約者(顧客)に割り当てられた携帯電話番号である。企業アカウント制御部330は、取得した情報を用いて、その顧客の顧客情報320を新規に作成する。また、企業アカウント制御部330は、取得した顧客の携帯電話の電話番号あてにメッセージを通知する。
【0056】
ここで通知するメッセージは、例えば、企業アカウントを介したサービスへの登録を促すものである。顧客は、例えば、メッセージの案内に応じて、企業アカウントを介したサービスを利用するためのログインパスワードや、サービスを利用して行う手続先、及びその手続に要する個人情報などを入力し、入力内容を確認した上で送信する操作を行う。これにより、企業アカウント制御部330は、顧客の個人情報等を取得し、取得した情報に基づいて顧客の顧客情報320を更新し、更新した顧客情報320を記憶部32に記憶させる。
【0057】
なお、上記では、情報管理サーバ30が備える機能部(企業アカウント制御部330)が、企業アカウントを運用する場合を例示して説明したが、これに限定されない。情報管理サーバ30は、少なくとも、顧客情報320を記憶していればよい。例えば、情報管理サーバ30とは異なる外部サーバにより企業アカウントが運用され、顧客の携帯電話番号や個人情報が情報管理サーバ30に通知される構成であってもよい。この場合、情報管理サーバ30は、外部サーバから顧客の携帯電話番号が通知された場合にその情報を用いて顧客情報320を新規に作成し、顧客の個人情報が通知された場合にその顧客の顧客情報320を更新する。
【0058】
引越情報取得部331は、引越手続窓口サーバ20から通知される引越情報220を取得する。引越情報取得部331は、取得した情報を用いて手続情報321を作成し、作成した手続情報321を記憶部32に記憶させる。引越情報取得部331は、取得した引越情報220のうちの利用者の携帯電話番号を、本人確認部332に出力する。
【0059】
ここで、引越情報取得部331は、手続前に行う本人確認においては引越情報220のうち少なくとも利用者の携帯電話番号を取得し、取得した電話番号を本人確認部332に出力できればよい。利用者の携帯電話番号が、本人確認部332による本人確認に用いられるためである。この場合、引越情報取得部331は、本人確認において、利用者と利用者が依頼する手続に係る主体との同一性が確認された場合に、残りの情報(引越情報220のうち利用者の携帯電話番号以外の情報)を取得する。
【0060】
本人確認部332は、利用者と、利用者が依頼する手続に係る主体との同一性を確認する。本人確認部332は、手続情報321を参照し利用者の携帯電話番号を取得する。本人確認部332は、取得した携帯電話番号を用いて顧客情報320を検索し、利用者の携帯電話番号と同じ電話番号が登録された顧客情報320が存在するか否かを判定する。利用者の携帯電話番号と同じ電話番号が登録された顧客情報320が存在する場合、利用者の携帯電話番号と同じ電話番号で携帯電話を契約した顧客が、架空の人物でなく実在する人物であることが判る。また、その顧客の携帯電話は不正に入手された携帯電話でないことが判る。
【0061】
また、本人確認部332は、利用者の携帯電話番号と同じ番号が登録された顧客情報320が存在する場合、利用者と、同じ電話番号で紐づけられる顧客情報320に対応する顧客(対応顧客)とが、一致することを確認する。本人確認部332は、利用者と対応顧客とが一致した場合に、利用者と利用者が依頼する手続に係る主体との同一性が確認されたと判定する。
【0062】
本実施形態では、利用者に、対応顧客を特定可能な情報(特定情報)を回答させることにより、利用者と対応顧客とが一致することを確認する。特定情報は、例えば、対応顧客しか知りえない(と推定される)事項に関する情報である。「対応顧客しか知りえない事項」を回答させることにより、利用者と対応顧客とが一致することを確認する。以下では、「対応顧客しか知りえない事項」として、「対応顧客が企業アカウントにログインするためのパスワード」を用いる場合を例に説明する。
【0063】
ここでのパスワードは、少なくとも、対応顧客と企業アカウントで共有された情報であって、他に開示されていない情報であればよい。対応顧客が企業アカウントをフォローした際に企業アカウントから通知されるものであってもよいし、対応顧客が設定して企業アカウントに通知するものであってもよいし、企業アカウントが設定した後に対応顧客によって変更されたものであってもよい。また、「対応顧客しか知りえない事項」は、パスワードに限定されることはない。「対応顧客しか知りえない事項」は、対応顧客が企業アカウントをフォローしたり、その後に企業アカウントと情報のやり取りを行ったりする過程において、対応顧客と企業アカウントで共有された情報であって、他に開示されていない情報であればよい。パスワードに代えて、利用者の指紋や顔などの生体情報が、特定情報として用いられてもよい。
【0064】
本人確認部332は、利用者の携帯電話番号と同じ番号が登録された顧客の顧客情報320が存在する場合、ワンタイムURLが表示されたメッセージを作成する。ワンタイムURLは、一度のみ、或いは限定された時間帯や回数しかアクセスが受け付けられない等の制限つきのURLである。そして、本人確認部332は、作成したメッセージを利用者端末10の電話番号あてに送付する。ここで、ワンタイムURLに対応するサイトには、顧客が企業アカウントにログインするためのパスワードを入力する入力欄と、入力欄に入力されたテキストを送信するための送信ボタンが示された画面が表示されるように設定されているものとする。
【0065】
この場合において、メッセージには、ワンタイムURLと共に、コメントが付されていてもよい。コメントは、例えば、メッセージに示されたワンタイムURLにアクセスして本人確認を行うように要請する内容、及び、本人確認か行われないと引越手続が実行されないことや、ワンタイムURLの有効期限などを伝える内容である。
【0066】
利用者は、情報管理サーバ30から送付されたメッセージを視認してメッセージに示されたワンタイムURLにアクセスする。利用者は、そのURLに対応するサイトに表示された画面にしたがって、入力欄にパスワード(対応顧客が企業アカウントにログインするためのパスワード)を入力する。また、利用者は、入力欄に入力したパスワードを確認した後に送信ボタンをタッチ操作する。これにより、利用者によって入力されたパスワードが情報管理サーバ30に通知される。
【0067】
本人確認部332は、利用者によって入力されたパスワードを取得する。本人確認部332は、取得したパスワードと、対応顧客の顧客情報320とを突合させる。本人確認部332は、取得したパスワードが、対応顧客の顧客情報320に設定されているパスワードと一致した場合、利用者と対応顧客とが同一であると判定する。すなわち、利用者と利用者が依頼する手続に係る主体との同一性が確認されたと判定する。本人確認部332は、本人か確認を行った結果(確認結果)を手続実行部333に出力する。
【0068】
手続実行部333は、利用者から依頼された手続を実行する。手続実行部333は、本人確認部332から本人確認を行った結果を取得する。手続実行部333は、本人確認部332によって利用者と利用者が依頼する手続に係る主体との同一性が確認された場合、手続を実行する。
【0069】
手続実行部333は、まず、利用者に、情報を連携させることについての同意を得る処理を行う。ここでの「情報を連携させる」とは、手続に用いられる個人情報を、手続先の装置(行政手続窓口サーバ40、ライフライン事業者サーバ60、又は業者サーバ70)に送信することである。例えば、手続実行部333は、情報を連携させることについて同意するか否かを質問するメッセージを作成し、作成したメッセージを利用者端末10の電話番号あてに送信する。手続実行部333は、利用者端末10から、情報を連携させることについての同意する旨の応答が得られた場合、手続に必要な情報を手続情報321又は、引越手続窓口サーバ20から取得し、取得した情報を手続先(行政手続窓口サーバ40、ライフライン事業者サーバ60、又は業者サーバ70)に送信する。そして、手続実行部333は、手続先から手続結果を受信する。
【0070】
装置制御部334は、情報管理サーバ30を統合的に制御する。例えば、装置制御部334は、通信部31が引越手続窓口サーバ20から受信した引越情報220を引越情報取得部331に出力する。装置制御部334は、本人確認部332や手続実行部333が作成したメッセージを、通信部31を介して利用者端末10に送信し、利用者端末10からメッセージに対する応答が得られた場合、その応答の内容を本人確認部332や手続実行部333に出力する。
【0071】
番号確定部335は、引越手続窓口サーバ20と連携し、利用者によって申請された利用者の携帯電話番号に誤りがないか判定(確認)する。番号確定部335は、利用者の携帯電話番号に誤りがないと判定した場合、その番号を確定させる。すなわち、番号確定部335は、利用者の携帯電話番号に誤りがないと判定した場合、その誤りのない(確定された)携帯電話番号が引越情報取得部331に取得されるようにする。
【0072】
例えば、番号確定部335は、携帯電話番号が確定された旨を引越手続窓口サーバ20に通知する。これにより、引越手続窓口サーバ20から確定された携帯電話番号(及び対応する引越情報220の全部または一部)が情報管理サーバ30に通知される。或いは、番号確定部335は、携帯電話番号が確定された旨を引越手続窓口サーバ20に通知すると共に、引越情報取得部331に確定された携帯電話番号を出力するようにしてもよい。番号確定部335が、携帯電話番号を確定させる方法については後で詳しく説明する。
【0073】
図6は、実施形態に係る顧客情報320の構成の例を示す図である。顧客情報320は、企業アカウントをフォローし、顧客が企業アカウントと情報をやり取りするための顧客アカウントが作成された場合に顧客ごとに作成される。情報管理サーバ30は、顧客アカウントが作成された際、例えば、その顧客の本人確認を行い、本人と確認された場合に、顧客情報320を取得し、取得した情報を記憶部32に記憶させる。顧客情報320は、例えば、顧客情報IDと、携帯電話番号と、ログインPW(パスワード)と、顧客属性情報などの項目を備える。顧客情報IDは、顧客情報320を一意に識別する識別情報である。携帯電話番号は、顧客が企業アカウントをフォローした際に携帯キャリアサーバ80から通知された電話番号である。ログインPWは、企業アカウントにログインするためのパスワードである。顧客属性情報は、顧客情報IDで特定される顧客情報320に対応する顧客の属性情報である。顧客属性情報は、例えば、氏名、住所、生年月日、免許証番号、口座番号などの項目を備える。電氏名、住所、生年月日、免許証番号、口座番号などは、顧客によって企業アカウントに登録がなされた際に入力される等して得られた顧客の個人情報である。
【0074】
図7は、実施形態に係る手続情報321の構成の例を示す図である。手続情報321は、引越手続窓口サーバ20から通知される引越情報220ごとに作成される。手続情報321は、例えば、手続情報IDと、引越情報IDと、本人確認の結果と、情報連携の同意と、利用者属性情報と、引越関連情報などの項目を備える。手続情報IDは、手続情報321を一意に識別する識別情報である。引越情報IDは、手続情報IDで特定される手続情報321に対応付けられた引越情報220の引越情報IDである。本人確認の結果は、本人確認部332によって行われた本人確認の結果である。情報連携の同意は、手続実行部333によって行われた情報の連携に対する同意が得られたか否かを示す情報である。利用者属性情報は、引越情報IDで特定される引越情報220の利用者属性情報である。引越関連情報は、引越情報IDで特定される引越情報220の引越関連情報である。
【0075】
図8は、実施形態に係る顧客情報320が作成される処理の流れを示すシーケンス図である。
(ステップS30)
利用者端末10は、画面に表示された通話アプリのアイコンがタッチ操作される等、利用者によって通話アプリを起動する操作がなされると、通話アプリの起動要求を、携帯キャリアサーバ80に送信する。
(ステップS31)
携帯キャリアサーバ80は、利用者端末10から通話アプリの起動要求を受信すると、通話アプリのチャット画面を利用者端末10に送信する等して、利用者端末10で通話アプリを起動させる。
(ステップS32)
利用者端末10は、通話アプリの画面に表示された企業アカウントがタッチ操作される等、利用者によって通話アプリで設定された企業アカウントをフォローする操作がなされると、企業アカウントをフォローする旨の要求を、携帯キャリアサーバ80に送信する。
【0076】
(ステップS33)
一方、情報管理サーバ30は、定期的(例えば、一日に一回)に、携帯キャリアサーバ80に問い合わせを行い、企業アカウントをフォローした顧客の携帯電話番号が示されたリスト(顧客リスト)を要求する。
(ステップS34)
携帯キャリアサーバ80は、情報管理サーバ30からの問合せに応じて、企業アカウントをフォローした顧客の携帯電話番号のうち不正な番号を除く番号のリストを顧客リストとして、情報管理サーバ30に送信する。
(ステップS35)
情報管理サーバ30は、携帯キャリアサーバ80から通知された顧客リストを用いて、企業アカウントをフォローした顧客に係る顧客情報320を新規に作成する。
(ステップS36)
情報管理サーバ30は、企業アカウントをフォローした顧客にメッセージを通知し、企業アカウントに顧客の個人情報を登録するように促す。ここで、情報管理サーバ30は、顧客が企業アカウントにログインするためのパスワードを設定するようにしてもよい。
(ステップS37)
利用者端末10は、情報管理サーバ30から通知されたメッセージに応答することにより、情報管理サーバ30に顧客の個人情報を送信する。
(ステップS38)
情報管理サーバ30は、利用者端末10から通知された顧客の個人情報を用いて、その顧客の顧客情報320を更新する。
【0077】
図9は、実施形態に係る引越手続サービス提供システム1が行う処理の流れを示すシーケンス図である。
【0078】
このシーケンス図では、まず引越手続窓口サーバ20から情報管理サーバ30に、引越情報220の一部(利用者端末10の携帯電話番号)のみが通知され、本人確認が終了した後に残りの引越情報220が通知される場合の処理の流れが示されている。
【0079】
(ステップS40)
利用者端末10は、引越手続窓口サーバ20に、引越手続サービスの利用申請を通知する。利用者端末10は、例えば、引越手続窓口サーバ20のポータルサイトに表示された利用申請に係る入力フォームにしたがって必要事項を入力し、入力した事項を送信する操作を行うことによって、利用申請を行う。利用申請では、引越手続サービスに依頼したい手続の内容、及び利用者の携帯電話の電話番号が、引越手続窓口サーバ20に通知される。
(ステップS41)
引越手続窓口サーバ20は、利用者の携帯電話番号を確定させる処理(番号確定処理)を実行する。利用者の携帯電話番号を確定させる処理の詳細については後で詳しく説明する。
(ステップS42)
引越手続窓口サーバ20は、利用者の携帯電話番号が確定した場合に、その利用者の携帯電話番号を情報管理サーバ30に通知する。この処理に先立ち、引越手続窓口サーバ20は、利用者の引越情報を情報管理サーバ30と連携する旨の承諾を得るようにしてもよい。この場合、例えば、引越手続窓口サーバ20は、ポータルサイトに、利用者が引越情報の連携先を選択する画面を表示する。引越手続窓口サーバ20は、引越情報の連携先の候補として、情報管理サーバ30に対応する企業アカウントを表示する。そして、引越手続窓口サーバ20は、利用者端末10から情報管理サーバ30に対応する企業アカウントを引越情報の連携先として選択する旨の通知があり、且つ、利用者の携帯電話番号が確定した場合に、その利用者の携帯電話番号を情報管理サーバ30に通知する。
【0080】
(ステップS43)
情報管理サーバ30は、利用者の携帯電話番号を取得し、取得した電話番号に基づいて手続情報321を作成する。
(ステップS44)
情報管理サーバ30は、ワンタイムURLを作成する。ここで、情報管理サーバ30は、引越手続窓口サーバ20から利用者の携帯電話番号を受信した場合、受信した利用者の携帯電話番号に基づいて顧客情報320を参照する。情報管理サーバ30は、利用者の携帯電話番号と同じ番号が割り当てられた携帯電話を契約した顧客(対応顧客)の顧客情報320が記憶されていた場合、ワンタイムURLを作成する。
(ステップS45)
情報管理サーバ30は、作成したワンタイムURLを表示したワンタイムURL付きのメッセージを、企業アカウントを介して利用者端末10の電話番号あてに通知する。ここで通知するメッセージにコメントが付されていてもよい。コメントには、例えば、メッセージに示されたワンタイムURLにアクセスして本人確認を行うように要請する内容、及び、本人確認か行われないと引越手続が実行されないことや、ワンタイムURLの有効期限などが示される。
【0081】
(ステップS46)
利用者は、情報管理サーバ30から通知されたメッセージにしたがって、ワンタイムURLに対応するサイトにアクセスする。利用者はサイトに表示された画面にしたがって、対応顧客を特定可能な情報(対応顧客が企業アカウントにログインする際のパスワード等、「特定情報」の一例)を入力し、入力した事項を送信する旨の操作を行う。これにより利用者端末10からの応答として、対応顧客しか知りえない情報(対応顧客が企業アカウントにログインする際のパスワード等)が情報管理サーバ30に通知される。
【0082】
(ステップS47)
情報管理サーバ30は、利用者が入力したパスワードを取得し、取得したパスワードに基づいて本人確認を行う。情報管理サーバ30は、利用者が入力したパスワードと、対応顧客の顧客情報320に示されたパスワードとを突合させる。情報管理サーバ30は、両パスワードが一致した場合、本人確認ができたと判定する。一方、情報管理サーバ30は、両方のパスワードが一致しない場合、或いは予め定めた制限時間内にワンタイムURLに対応するサイトにパスワードが入力されない場合、本人確認ができなかったと判定する。この場合、例えば、情報管理サーバ30は、利用者の本人確認ができなかった旨を、引越手続窓口サーバ20などに通知するようにしてもよい。
【0083】
(ステップS48)
情報管理サーバ30は、本人確認ができた場合、その利用者端末10の電話番号あてに情報連携の同意を確認するメッセージを作成する。メッセージには、例えば、手続に要する個人情報を手続先に送信することに同意するか否かの応答を要請する内容、及び、利用者が同意しない場合には手続先に個人情報を送信することはない旨などが示される。なお、ここでの情報連携には、情報管理サーバ30が、引越手続窓口サーバ20から、利用者の引越情報220を取得することが含まれる。
(ステップS49)
情報管理サーバ30は、ステップS48で作成したメッセージを、企業アカウントを介して利用者端末10に通知する。例えば、メッセージには、「手続に要する個人情報を手続先に送信してよいでしょうか」等の質問と共に、「はい」、「いいえ」等、利用者が同意するか否かを意思表示するための選択ボタンが設定される。
(ステップS50)
利用者は、情報管理サーバ30から通知されたメッセージを視認し、「はい」又は「いいえ」が示された選択ボタンのいずれかをタッチ操作する。これにより、利用者が同意するか否かを示す応答メッセージが、利用者端末10から情報管理サーバ30に通知される。
【0084】
(ステップS51)
情報管理サーバ30は、利用者端末10からの応答メッセージに、利用者が同意する旨の情報が示されていた場合、引越手続窓口サーバ20に、利用者の引越情報220(携帯電話番号以外の情報)を要求する。
(ステップS52)
引越手続窓口サーバ20は、情報管理サーバ30からの要求に応じて、利用者の引越情報220(携帯電話番号以外の情報)を、情報管理サーバ30に送信する。
(ステップS53)
情報管理サーバ30は、利用者の引越情報220(携帯電話番号以外の情報)を取得し、取得した情報に基づいて手続情報321を更新する。
【0085】
なお、上記のシーケンス図では、ステップS43にて顧客情報320を作成した後に、ステップS44~S47にて本人確認を行う場合の流れを説明したが、これに限定されない。情報管理サーバ30は、本人確認を行った後に、顧客情報320を作成するようにしてもよい。
【0086】
また、ステップS45にて、情報管理サーバ30は、企業アカウントが連携する手続先の事業者を介して、利用者端末10の電話番号あてに、ワンタイムURLを通知するようにしてもよい。この場合、情報管理サーバ30がワンタイムURLを送信しているが、利用者端末10の利用者には、あたかも手続先の事業者からワンタイムURLが通知されたように見える。「情報管理サーバ30が利用者端末10の電話番号あてに、ワンタイムURLを通知する」という構成には、このような態様が含まれる。
【0087】
また、ステップS49にて、情報管理サーバ30が利用者端末10の電話番号あてに情報連携の同意を確認するメッセージを通知する場合を例示して説明した。しかしながら、これに限定されない。引越手続窓口サーバ20が、情報連携の同意を確認するメッセージを通知するようにしてもよい。この場合、ステップS48にて情報管理サーバ30は、本人確認ができた場合、その旨を、引越手続窓口サーバ20に通知する。引越手続窓口サーバ20は、情報管理サーバ30から本人確認ができた旨の通知を受けると、情報連携の同意を確認するメッセージを作成し、作成したメッセージを利用者端末10の電話番号あてに通知する。
【0088】
ここで、利用者の携帯電話番号を確定させる処理について詳しく説明する。
【0089】
引越手続窓口サーバ20は、利用者端末10から利用申請を受信した場合、利用者コードを作成する。利用者コードは、利用者を特定する情報である。引越手続窓口サーバ20は、例えば、ランダムに発生させた数値や文字列(ランダムキー)を利用者コードとする。或いは、引越手続窓口サーバ20は、ランダムに発生させた数値や文字列(ランダムキー)に、利用者の個人情報(生年月日やカナ氏名等)を連結させたものを利用者コードとしてもよい。生年月日やカナ氏名等の利用者の個人情報は、例えば、利用申請時に、引越手続サービスの利用申請を行うための所定の入力フォーム画面に個人情報が入力されることにより、利用者端末10から引越手続窓口サーバ20に通知される。或いは、引越情報220の利用者属性情報の項目に記憶された情報の全部又は一部が、利用者の個人情報として用いられてもよい。
【0090】
引越手続窓口サーバ20は、利用者コードと携帯電話番号を暗号化した暗号コードを作成する。以下の説明では、暗号コードにおいて暗号化される前の情報(ここでは、利用者コードと携帯電話番号)を「暗号化前情報」という。引越手続窓口サーバ20は、例えば、予め記憶された暗号キーなどを用いて暗号化前情報を暗号化することにより暗号コードを作成する。或いは、暗号化は、暗号化前情報のハッシュ値を算出し、算出したハッシュ値を暗号コードとするようにしてもよい。
【0091】
引越手続窓口サーバ20は、利用者から利用申請がなされた画面に、利用者から申請された携帯電話番号、及び暗号コードを表示させる。この際、引越手続窓口サーバ20は、通話アプリを利用したメッセージがやり取りされるトークルームに繋がるリンク(いわゆる、ディープリンク)を示す情報(以下、リンク情報という)を、暗号コード等と共に表示させる。
【0092】
【0093】
図10Aには、利用者から利用申請がなされた場合に、引越手続窓口サーバ20がポータルサイトに表示させる画面の例が示されている。この図の例に示すように、引越手続窓口サーバ20は、「以下のボタンをクリックし…」の案内を示す文面と共に、利用者の携帯電話番号(符号N1)、暗号コード(符号N2)、及びボタンLを表示する。ボタンLにはリンク情報が埋め込まれている。なお、この図の例では、利用者の携帯電話番号を「お客様の電話番号」とし、暗号コードを「パスコード」として示している。
なお、引越手続窓口サーバ20がポータルサイトに表示させる画面は、
図10Aの例に限定されない。例えば、ボタンLに、利用者の携帯電話番号(符号N1)、暗号コード(符号N2)に基づいて通話アプリが起動されるような、リンク情報が埋め込まれている場合、引越手続窓口サーバ20は、ポータルサイトにボタンLのみを表示させればよい。また、例えば、ボタンLに、利用者の携帯電話番号(符号N1)に基づいて通話アプリが起動されるリンク情報が埋め込まれているが、起動された通話アプリのトークルームに通知するメッセージの内容(例えば、暗号コード(符号N2))が自動でセットされない場合には、ポータルサイトにボタンLのみならず、暗号コード(符号N2)を表示させる必要がある。
【0094】
利用者は、表示部14に表示された
図10Aに示すような画面を視認し、例えば、電話番号を確認した上でボタンLをタップ操作(タッチ操作)する。ボタンLがタップ操作されることにより、ボタンLに埋め込まれたリンク情報に基づいて通話アプリが起動され、起動された通話アプリのトークルームが表示される。
【0095】
図10Bには、ボタンLがタップ操作された場合に表示部14に表示される画面の例が示されている。この図の例に示すように、ボタンLがタップ操作されると、通話アプリのトークルームが表示される。この図の例では、通信相手を企業アカウントとするトークルームが示されている。トークルームの通信相手は、企業アカウントに限定されることはなく、ボタンLに埋め込まれたリンク情報によって任意に設定されてよい。例えば、トークルームの通信相手が引越手続窓口サーバ20に設定されていてもよい。
【0096】
また、この図の例に示すように、トークルームのメッセージ入力欄MGには、通知するメッセージの内容(例えば、暗号コード)が自動でセットされていてもよい。この場合、ボタンLに埋め込まれたリンク情報によって、通知するメッセージの内容が自動でセットされるようにしてもよい。或いは、利用者が、メッセージ入力欄MGに、通知するメッセージの内容を手入力で入力するようにしてもよい。利用者によって送信ボタンBがタップ操作されると、通信相手にメッセージ(暗号コード)が送信される。
【0097】
図10Cには、送信ボタンBがタップ操作された場合に表示部14に表示される画面の例が示されている。この図の例に示すように、送信ボタンBがタップ操作されると、メッセージが通知され、例えば、通知されたメッセージの内容(暗号コード)が収められた吹き出し画像MG1となって表示される。この図の例では、通知されたメッセージに対する応答があり、利用者の携帯電話番号が確定された旨の応答メッセージが収められた吹き出し画像MG2が示されている。
【0098】
本実施形態では、情報管理サーバ30の番号確定部335によって、利用者により申請された携帯電話番号を確定させる処理が実行される。トークルームの通信相手が企業アカウントである場合、情報管理サーバ30にメッセージの内容が通知される。この場合、情報管理サーバ30は、番号確定部335によって電話番号を確定させる処理を行い、その処理結果を、
図10Cのように通知されたメッセージに対する応答として通知する。
【0099】
トークルームの通信相手が引越手続窓口サーバ20に設定されている場合、引越手続窓口サーバ20にメッセージの内容が通知される。この場合、引越手続窓口サーバ20は、例えば、メッセージを受信した旨の御礼を示す応答を行う。そして、引越手続窓口サーバ20は、受信したメッセージの内容(暗号コード)と、携帯電話番号(メッセージの通知元としてキャリアから引越手続窓口サーバ20に通知された携帯電話番号)を情報管理サーバ30に送信する。情報管理サーバ30は、番号確定部335によって電話番号を確定させる処理を行い、その処理結果を、引越手続窓口サーバ20に送信する。引越手続窓口サーバ20は、情報管理サーバ30から受信した処理結果をトークルームに通知する。
【0100】
図11は、引越手続窓口サーバ20がポータルサイトに表示させる画面の他の例が示されている。
図11には、Webサービスによって提供されるポータルサイト(以下、Web版のポータルサイトという)の例が示されている。利用者がPCなどを利用して引越手続サービスを利用する場合、Web版のポータルサイトにアクセスする。この場合、利用申請がなされると、引越手続窓口サーバ20は、ポータルサイトにこの図の例に示すような二次元コードC付きの画像を表示させる。二次元コードCにはリンク情報が埋め込まれている。この場合、利用者は、利用者端末10で二次元コードCを撮像する等して二次元コードCに埋め込まれたリンク情報を取得し、取得したリンク情報に基づいて、
図10Bに示すようなトークルームを表示させる。
【0101】
図12は、実施形態に係る引越手続サービス提供システム1が行う処理の流れを示すシーケンス図である。
【0102】
(ステップS60)
利用者端末10は、ステップS40と同様に、引越手続窓口サーバ20により提供されるポータルサイトに引越手続サービスの利用申請を行う。
(ステップS61)
引越手続窓口サーバ20は、利用者コードを作成する。利用者コードは利用者を一意に識別する識別情報である。引越手続窓口サーバ20は、例えば、ランダムに発生させた数値や文字列(キー)を利用者コードとする。或いは、ランダムに発生させた数値や文字列(キー)に、利用者の個人情報(生年月日やカナ氏名等)を連結させたものを利用者コードとする。
(ステップS62)
引越手続窓口サーバ20は、暗号コードを作成する。暗号コードは、利用者コードと携帯電話番号(暗号化前情報)を暗号化した情報である。引越手続窓口サーバ20は、例えば、予め記憶された暗号キーなどを用いて暗号化前情報を暗号化する。或いは暗号化前情報のハッシュ値を暗号コードとするようにしてもよい。
(ステップS63)
引越手続窓口サーバ20は、リンク情報を作成する。リンク情報は、トークルームに繋がる情報である。引越手続窓口サーバ20は、トークルームのメッセージ入力欄MGに、通知する暗号コードが自動でセットされるようなリンク情報を作成するようにしてもよい。
(ステップS64)
引越手続窓口サーバ20は、ポータルサイトに、リンク情報を埋め込んだボタンLを表示させる。この場合において、引越手続窓口サーバ20は、
図10Aに示すような「以下のボタンをクリックし…」のような案内を示す文面や、利用者によって申請された携帯電話番号、及び暗号コードを表示するようにしてもよい。
(ステップS65)
利用者は、利用者端末10の表示部14に表示されたポータルサイトのボタンLをクリック(タップ操作)する。これにより、リンク情報に示された処理が実行される。
(ステップS66)
利用者端末10は、リンク情報に基づいて通話アプリを起動する。なお、利用者端末10に通話アプリがインストールされていない場合には、通話アプリをインストールするように促すメッセージが表示され、例えば、通話アプリをダウンロードすることが可能なサイトが表示される。
(ステップS67)
利用者端末10は、リンク情報に基づいて通話アプリのトークルームを表示する。トークルームのメッセージ入力欄には、通知するメッセージの内容(暗号コード)が自動でセットされる。ここでの暗号コードの一部に携帯電話番号が埋め込まれている。或いは、利用者の手入力により通知するメッセージの内容(暗号コード)が入力される。
(ステップS68)
利用者によって送信ボタンBがタップ操作されると、利用者端末10から情報管理サーバ30にメッセージが通知され、利用者の暗号コードが情報管理サーバ30に送信される。
【0103】
(ステップS69)
情報管理サーバ30は、利用者端末10からのメッセージを受信し、利用者の暗号コードを取得する。情報管理サーバ30の番号確定部335は、暗号コードを復号する。暗号コードが暗号キーを用いて暗号化されたものである場合、番号確定部335は、暗号コードの暗号化に対応する復号用の暗号キーを用いて暗号コードを復号する。なお、番号確定部335は、暗号コードがハッシュ値である場合、暗号コードを復号しない。
【0104】
(ステップS70)
番号確定部335は、通知された暗号コードにおける改ざんの有無を判定(確認)する。暗号コードが暗号キーを用いて暗号化されたものである場合、番号確定部335は、暗号コードを復号した結果に基づいて暗号コードが改ざんされたか否かを判定する。例えば、番号確定部335は、暗号コードを復号できない場合、暗号コードが改ざんされたと判定する。一方、番号確定部335は、暗号コードを復号できた場合、暗号コードが改ざんされていないと判定する。
【0105】
暗号コードがハッシュ値である場合、番号確定部335は、メッセージで受信したハッシュ値(第1ハッシュ値という)と、暗号化前情報から算出されるハッシュ値(第2ハッシュ値)とが一致するか否かを判定する。番号確定部335は、第1ハッシュ値と、第2ハッシュ値とが一致する場合、暗号コードが改ざんされていないと判定する。一方、番号確定部335は、第1ハッシュ値と、第2ハッシュ値とが一致しない場合、暗号コードが改ざんされたと判定する。
【0106】
なお、番号確定部335が、暗号化前情報からハッシュ値(第2ハッシュ値)を算出する場合、番号確定部335は事前に暗号化前情報を取得する必要がある。この場合、例えば、ステップS61で引越手続窓口サーバ20によって利用者コードが作成された際などに、引越手続窓口サーバ20が利用者コードとその利用者の携帯電話番号とを暗号化前情報として情報管理サーバ30に通知するようにしてもよい。
或いは、番号確定部335が、事前にハッシュ値(第2ハッシュ値)取得しておき、事前に取得したハッシュ値(第2ハッシュ値)と、メッセージで受信したハッシュ値(第1ハッシュ値)とが一致するか否かを判定するようにしてもよい。この場合、例えば、番号確定部335は、ステップS62で引越手続窓口サーバ20によって暗号コード(ハッシュ値)が作成された場合に、引越手続窓口サーバ20が暗号コードを情報管理サーバ30に通知する。
また、番号確定部335は、携帯電話番号に基づいて本人確認を行うようにしてもよい。例えば、番号確定部335は、事前に取得した利用者の携帯電話番号と、今回取得した暗号コードに示された携帯電話番号とが一致する場合に本人確認が正しく行われたと判定する。
【0107】
(ステップS71)
番号確定部335は、携帯電話番号に誤りがないかの判定(確認)を行う。番号確定部335は、メッセージで受信した暗号コードを復号して得られる携帯電話番号(第1番号という)と、メッセージの通知元としてキャリアから通知された携帯電話番号(第2番号という)とが一致するか否かを判定する。番号確定部335は、第1番号と第2番号とが一致する場合、利用者によって申請された携帯電話番号に誤りがない判定する。一方、番号確定部335は、第1番号と第2番号とが一致しない場合、利用者によって申請された携帯電話番号に誤りがあると判定する。
番号確定部335は、メッセージで受信した暗号コードが改ざんされておらず、且つ、利用者によって申請された携帯電話番号に誤りがない場合、その番号を確定させる。この場合、利用者の携帯電話番号に加えて、利用者の個人情報(生年月日やカナ氏名等)が一致するか否かを確認することができ、利用者の個人情報に誤りがないかを確認することが可能となる。
(ステップS72)
番号確定部335は、利用者によって申請された携帯電話番号を確定させた場合、携帯電話番号が確定された旨を引越手続窓口サーバ20に通知する。なお、番号確定部335は、利用者によって申請された携帯電話番号を確定させた場合、顧客情報320と紐づけを行うようにしてもよい。具体的に、番号確定部335は、確定された携帯電話番号が記憶されている顧客情報320を抽出し、抽出した顧客情報320の顧客と、今回確定された携帯電話番号を申請して利用申請を行った利用者とを紐づける。これにより、顧客情報320と紐付ける場合に、利用者の携帯電話番号に加えて、利用者の個人情報(生年月日やカナ氏名等)が一致するか否かを確認することができ、利用者の個人情報に誤りがないことについての確実性を向上させることが可能となる。
【0108】
以上説明したように、実施形態の情報管理サーバ30は、番号確定部335と、引越情報取得部331(「電話番号取得部」の一例)と、記憶部32と、手続実行部333とを備える。記憶部32は、顧客情報320を記憶する。顧客情報320は、通話アプリに設定された企業アカウントを利用する顧客に関する情報であって、その顧客が携帯キャリアと契約している携帯電話の電話番号を含む情報である。番号確定部335は、手続を依頼した利用者の利用者端末から前記通話アプリケーションを用いて通知されたメッセージを取得する。番号確定部335は、前記利用者によって手続が依頼された際に申請された携帯電話番号と前記メッセージの通知元となる携帯電話番号とが一致した場合、前記利用者の携帯電話番号に誤りがないと判定する。引越情報取得部331は、番号確定部335によって誤りがないと判定された利用者の携帯電話番号を取得する。手続実行部333は、引越情報取得部331によって取得された前記利用者の携帯電話番号を用いて、利用者から依頼された手続を実行する。
【0109】
これにより、実施形態の情報管理サーバ30では、確定された番号を用いて各種の手続を行うことが可能となる。したがって、利用者によって申請された携帯電話番号が、その番号が割当てられていない他の携帯電話から通知された場合や、顧客の入力ミスにより誤った番号が申請された場合などに番号を確定させないようにして、利用者の利用者端末10とは異なる他人の端末にメッセージが通知されてしまうような事態を抑止することができる。
【0110】
また、実施形態の情報管理サーバ30では、番号確定部335は、メッセージにおいて暗号コードと、利用者によって申請された携帯電話番号を含む情報を取得する。暗号コードは、暗号化前情報が暗号化された情報である。暗号化前情報は、利用者コードと携帯電話番号とで構成される情報であり、「利用者を特定する利用者特定情報」の一例である。番号確定部335は、暗号コードが改ざんされているか否かを判定する。番号確定部335は、暗号コードが改ざんされておらず、メッセージにて通知された携帯電話番号とメッセージの通知元である携帯電話番号とが一致した場合、利用者の携帯電話番号を確定させる。これにより、実施形態の情報管理サーバ30では、暗号コードが改ざんされた場合に番号を確定させないようにすることができる。したがって、利用者のなりすまし等による不正な手続を抑制することができる。
【0111】
また、実施形態の情報管理サーバ30では、本人確認部332を更に備える。本人確認部332は、引越情報取得部331によって取得された電話番号、及び記憶部32に記憶された顧客情報320に基づいて、利用者と、利用者によって依頼された手続の主体である手続主体とが同一であるか否かを判定する本人確認を行う。手続実行部333は、本人確認部332による本人確認の結果に応じて、利用者から依頼された手続を実行する。これにより、実施形態の情報管理サーバ30では、誤りのない(確定された)携帯電話番号に基づいて本人確認を行うことができ、手続をより正確に行うことができる。
【0112】
(実施形態の変形例)
図13は、実施形態の変形例に係る引越手続サービス提供システム1が行う処理の流れを示すシーケンス図である。本変形例では、上述した実施形態と相違する点について説明し、上述した実施形態と同様の構成につては同じ符号を付してその説明を省略する。具体的には、ステップS80~S81、S85~S92、及びS94は、上述した実施形態のステップS60~S61、S62~S70、及びS72と同様であるためその説明を省略する。すなわち、本実施形態では、ステップS82、S83、及びS71が上述した実施形態と相違する点である。
【0113】
(ステップS82)
引越手続窓口サーバ20は、ステップS81で作成した利用者コードと、利用者によって申請された携帯電話番号とを情報管理サーバ30に送信する。
(ステップS82)
情報管理サーバ30は、引越手続窓口サーバ20から利用者コードと、利用者によって申請された携帯電話番号とを受信し、受信した情報を記憶部32に記憶させる。
(ステップS84)
引越手続窓口サーバ20は、利用者コードを暗号化することにより暗号コードを作成する。この場合、暗号化前情報は利用者コードのみであり、携帯電話番号は含まれない。引越手続窓口サーバ20が暗号化を行う手法は、ステップS63と同様であるため、その説明を省略する。
(ステップS93)
番号確定部335は、携帯電話番号の確認を行う。番号確定部335は、ステップS82で引越手続窓口サーバ20から受信した携帯電話番号(第1番号という)と、メッセージの通知元としてキャリアから通知された携帯電話番号(第2番号という)とが一致するか否かを判定する。番号確定部335は、第1番号と第2番号とが一致する場合、利用者によって申請された携帯電話番号が確定されたと判定する。一方、番号確定部335は、第1番号と第2番号とが一致しない場合、利用者によって申請された携帯電話番号が確定されないと判定する。また、この場合において、装置制御部334は、ステップS82で引越手続窓口サーバ20から受信した利用者コード(第1コードという)と、メッセージの通知元としてキャリアから通知された暗号コードを復号して得られた利用者コード(第2コードという)とが一致するか否かを判定するようにしてもよい。この場合、利用者の携帯電話番号に加えて、利用者の個人情報(生年月日やカナ氏名等)が一致するか否かを確認することができ、利用者の個人情報に誤りがないかを確認することが可能となる。
【0114】
以上説明したように、実施形態の変形例にかかる情報管理サーバ30では、番号確定部335は、利用者によって申請された携帯電話番号を、引越手続窓口サーバ20(手続を受け付ける窓口となる手続窓口サーバ)から取得する。番号確定部335は、メッセージにおいて暗号コードを含む情報を取得する。暗号コードは、暗号化前情報が暗号化された情報である。ここでの暗号化前情報は、利用者コードであり、「利用者を特定する利用者特定情報」の一例である。番号確定部335は、暗号コードが改ざんされているか否かを判定する。番号確定部335は、暗号コードが改ざんされておらず、引越手続窓口サーバ20から通知された携帯電話番号とメッセージの通知元である携帯電話番号とが一致した場合、利用者の携帯電話番号を確定させる。これにより、実施形態の情報管理サーバ30では、暗号コードが改ざんされた場合に番号を確定させないようにすることができる。したがって、利用者のなりすまし等による不正な手続を抑制することができる。利用者コードは、ランダムキーのみで構成されてもよい。利用者の個人情報(生年月日やカナ氏名等)を用いる場合と比較して、精度が低下する場合があるものの、ランダムキーのみを用いて利用者の個人情報に誤りがないかを確認することができる。また、暗号化前情報は、利用者の携帯電話番号のみで構成されてもよい。
【0115】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0116】
1…引越手続サービス提供システム
10…利用者端末
20…引越手続窓口サーバ
30…情報管理サーバ
40…行政手続窓口サーバ
50…自治体サーバ
60…ライフライン事業者サーバ
70…業者サーバ
80…携帯キャリアサーバ
32…記憶部
320…顧客情報
321…手続情報
330…企業アカウント制御部
331…引越情報取得部(電話番号取得部)
332…本人確認部
333…手続実行部
334…装置制御部
335…番号確定部