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特開2022-118532環境発電方法、環境発電装置及び電子装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022118532
(43)【公開日】2022-08-15
(54)【発明の名称】環境発電方法、環境発電装置及び電子装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 6/26 20060101AFI20220805BHJP
   H01M 12/06 20060101ALI20220805BHJP
   H01M 50/20 20210101ALI20220805BHJP
【FI】
H01M6/26 Z
H01M12/06 Z
H01M2/10 E
H01M2/10 U
H01M12/06 J
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021015112
(22)【出願日】2021-02-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】390014306
【氏名又は名称】防衛装備庁長官
(74)【代理人】
【識別番号】100067323
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 教光
(74)【代理人】
【識別番号】100124268
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 典行
(72)【発明者】
【氏名】大越 昌幸
【テーマコード(参考)】
5H025
5H032
5H040
【Fターム(参考)】
5H025AA12
5H025AA14
5H025CC33
5H025CC35
5H025CC38
5H032AA01
5H032AA02
5H032AS01
5H032EE13
5H032HH10
5H040AA39
5H040AS11
5H040AT10
(57)【要約】
【課題】電気伝導性を有する海水等の液体を利用して環境中から電力を取り出せる環境発電装置及びこれを応用した電子装置を提供する。
【解決手段】電子装置11は、環境発電装置3と電子デバイス10を含む。環境発電装置は、電気伝導性を有する液体Lに接した表面の一部に気体領域Aが形成される基体6と、気体領域と液体の両方に跨がるように基体に配置された種類が異なる2つの金属の第1電極1及び第2電極2を有する。気体領域は、基体に設けられた撥水性表面9の上方に生成される。気体領域内において両電極1,2の一端部1a,2a間に生じる電位差により電子デバイス10に電力を供給する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気伝導性を有する液体に接した物体の表面に気体領域を形成し、前記気体領域と前記液体の両方に跨がるように種類が異なる2つの金属を設置し、前記気体領域内において2つの前記金属の間に生じる電位差により電力を得ることを特徴とする環境発電方法。
【請求項2】
前記物体の撥水性表面に前記気体領域を形成することを特徴とする請求項1記載の環境発電方法。
【請求項3】
前記物体の表面に設けた凸部と前記凸部以外の前記物体の表面との境界部又は前記物体の表面に設けた凹部の底部の少なくとも何れか一方に前記気体領域を形成することを特徴とする請求項1記載の環境発電方法。
【請求項4】
電気伝導性を有する液体に接した表面の一部に気体領域が形成される物体と、
前記物体に形成された前記気体領域と前記液体の両方に跨がるように前記物体に配置された種類が異なる2つの金属と、
を有し、
前記気体領域内において2つの前記金属の間に生じる電位差により電力を発生させることを特徴とする環境発電装置。
【請求項5】
前記気体領域が形成される前記物体の表面が撥水性表面であることを特徴とする請求項4記載の環境発電装置。
【請求項6】
前記物体の表面には凸部と凹部の少なくとも何れか一方が形成されており、
前記凸部と前記凸部以外の前記物体の表面との境界部又は前記凹部の底部の少なくとも何れか一方に前記気体領域が形成されることを特徴とする請求項4記載の環境発電装置。
【請求項7】
請求項4に記載の環境発電装置を複数有し、これらの環境発電装置を、並列接続と直列接続を含む接続態様群から選択した1以上の接続態様により電気的に接続したことを特徴とする環境発電装置。
【請求項8】
請求項4乃至7の何れか一つに記載の環境発電装置と、
前記環境発電装置からの電力で機能する電子デバイスと、
を備えたことを特徴とする電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身の回りにある微弱なエネルギーを電力に変換する環境発電(energy harvesting )法及び同方法を利用した環境発電装置と、この環境発電装置を電源とする電子装置に係り、特に、電気伝導性を有する液体に浸漬した物体の表面に気体領域を形成し、この気体領域と液体の両方に跨るように種類の異なる2つの金属を設置して気体領域で発電することを特徴とする環境発電方法及び環境発電装置と、この環境発電装置を電源とする電子装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
環境発電とは、光、振動、熱、電磁波等、身の回りに種々の形態で存在する微弱なエネルギーを電力に変換する発電方法である。あらゆるものがネットにつながるIoT(Internet of Things )の時代を迎え、データを得るための電子デバイスであるセンサを至る所に取り付ける必要性が生じている。センサを動作させるためには電源が必要であるが、小さなセンサを個々にコンセントに接続し、又は継続的な交換が必要な電池を各センサごとに設けることは、センサ数が膨大であることを考慮すると現実的とは言えない。そこで、本願発明者は、多数の小さなセンサに電力を供給するために環境発電法を利用するとの発想を得たが、身の回りにある微弱なエネルギーをどこから、またどのような手段・方法で収穫するかについて有用な技術を具体的に提示している例を本願発明者は知らない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、本願発明者は、環境発電法を利用して多数の電子デバイス(例えばセンサ等)に長期に亘って安定的に電力を供給する手段・方法について多角的に検討した。その結果、本願発明者は、例えば海水のような電気伝導性を有する液体を利用した環境発電法によって電力を取り出すことは用途として必要性が高く、また有望な技術的課題であるとも考えるに至ったが、そのような技術で実用性があるものは知られていないため、その後、さらに鋭意、研究を進めてきた。
【0004】
本発明は、以上説明した本願発明者の環境発電に関する知見と研究に基づいてなされたものであり、海水のような電気伝導性を有する液体と空気の間に電極を配置して電力を取り出すことができる環境発電法と、同方法を好適に実行できる環境発電装置、さらにこのような環境発電装置を電源として有する電子装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載された環境発電方法は、
電気伝導性を有する液体に接した物体の表面に気体領域を形成し、前記気体領域と前記液体の両方に跨がるように種類が異なる2つの金属を設置し、前記気体領域内において2つの前記金属の間に生じる電位差により電力を得ることを特徴としている。
【0006】
請求項2に記載された環境発電方法は、請求項1記載の環境発電方法において、
前記物体の撥水性表面に前記気体領域を形成することを特徴としている。
【0007】
請求項3に記載された環境発電方法は、請求項1記載の環境発電方法において、
前記物体の表面に設けた凸部と前記凸部以外の前記物体の表面との境界部又は前記物体の表面に設けた凹部の底部の少なくとも何れか一方に前記気体領域を形成することを特徴としている。
【0008】
請求項4に記載された環境発電装置は、
電気伝導性を有する液体に接した表面の一部に気体領域が形成される物体と、
前記物体に形成された前記気体領域と前記液体の両方に跨がるように前記物体に配置された種類が異なる2つの金属と、
を有し、
前記気体領域内において2つの前記金属の間に生じる電位差により電力を発生させることを特徴としている。
【0009】
請求項5に記載された環境発電装置は、請求項4記載の環境発電装置において、
前記気体領域が形成される前記物体の表面が撥水性表面であることを特徴としている。
【0010】
請求項6に記載された環境発電装置は、請求項4記載の環境発電装置において、
前記物体の表面には凸部と凹部の少なくとも何れか一方が形成されており、
前記凸部と前記凸部以外の前記物体の表面との境界部又は前記凹部の底部の少なくとも何れか一方に前記気体領域が形成されることを特徴としている。
【0011】
請求項7に記載された環境発電装置は、
請求項4に記載の環境発電装置を複数有し、これらの環境発電装置を、並列接続と直列接続を含む接続態様群から選択した1以上の接続態様により電気的に接続したことを特徴としている。
【0012】
請求項8に記載された電子装置は、
請求項4乃至7の何れか一つに記載の環境発電装置と、
前記環境発電装置からの電力で機能する電子デバイスと、
を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載された環境発電方法によれば、液体と物体の間に形成された気体領域内では2つの金属間に電位差が生じるため、気体領域内の2つの金属間に負荷を接続すれば電力を得ることができる。
【0014】
請求項2に記載された環境発電方法によれば、前記物体の表面の少なくとも一部を撥水性表面とすれば、この撥水性表面に前記気体領域を形成することができる。
【0015】
請求項3に記載された環境発電方法によれば、前記物体の表面に凸部と凹部の少なくとも何れか一方を設ければ、凸部と前記物体の表面との境界部又は前記凹部の底部の少なくとも何れか一方に前記気体領域を形成することができる。
【0016】
請求項4に記載された環境発電装置によれば、液体と物体の間に形成された気体領域内では2つの金属間に電位差が生じるため、気体領域内の2つの金属間に負荷を接続すれば電力を得ることができる。
【0017】
請求項5に記載された環境発電装置によれば、前記物体の表面の少なくとも一部に形成された撥水性表面に前記気体領域を形成することができる。
【0018】
請求項6に記載された環境発電装置によれば、凸部と前記物体の表面との境界部又は前記凹部の底部の少なくとも何れか一方に前記気体領域を形成することができる。
【0019】
請求項7に記載された環境発電装置によれば、請求項4に記載の複数個の環境発電装置を、並列接続又は直列接続して発電ユニットを構成し、複数の発電ユニットを並列接続又は直列接続することによって目的に応じた機能を有する発電装置を得ることができる。
【0020】
請求項8に記載された電子装置によれば、電気伝導性を有する液体に接した環境発電装置によって電力を生成し、これによって電子デバイスを機能させることができる。例えば、電気伝導性を有する液体である海水を利用して環境発電ができるため、所望の機能を有するセンサや通信素子等の電子デバイスと、電子デバイスの電源として環境発電装置を一つのユニットに構成すれば、海水の存在下においてリアルタイムで情報収集を行い、収集した情報を送信する利便性の高いIoTデバイスを実現することができる。さらに、この環境発電装置及び環境発電方法は、広く電気電子工学分野におけるデバイス作製の基礎技術に適用可能であるため、その用途はあらゆる分野に敷衍することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】分図(a)は第1実施形態の電子装置の正面図であり、分図(b)は同平面図である。
図2】分図(a)は第2実施形態の電子装置の正面図であり、分図(b)は同平面図である。
図3】第3実施形態の電子装置の正面図である。
図4】第4実施形態の電子装置の正面図である。
図5】第5実施形態の電子装置の断面図である。
図6】第6実施形態の電子装置の断面図である。
図7】第7実施形態の電子装置の断面図である。
図8】第8実施形態の電子装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図1図8を参照して説明する。
図1は、第1実施形態の電子装置11を、電気伝導性を有する液体Lに浸漬して使用している状態を示している。図中、液体Lの部分は薄墨(グレー着色)で示している。この電子装置11は、物体に形成した撥水性表面を利用する環境発電装置を電源として備えている。
【0023】
図1に示すように、この電子装置11が有する環境発電装置3は、物体としての基体6と、基体6の上側の表面(以下、上面と称する。)に取り付けられた2つの電極(第1電極1と第2電極2)を有している。基体6は、絶縁性で、その内部と外部で電波による通信が可能である電波透過性を持つ材料で構成された矩形板である。また、基体6の上面の一部には、楕円形状の撥水加工された領域があるが、この撥水性を有する領域を撥水性表面9と称する。第1電極1と第2電極2は、互いに種類が異なる2つの金属から構成された矩形の棒状体であり、撥水性表面9と、それ以外の上面との間に跨がって配置され、基体6に固定されている。
【0024】
図1に示すように、この電子装置11は、前記基体6の内部に電子デバイス10を備えている。図1(b)に示すように、撥水性表面9の側にある第1電極1と第2電極2の各一端部1a,2aは、この電子デバイス10に接続されている。この電子デバイス10には、電子装置11の外部の状態を検知するセンサと、センサによって検知された情報を外部に送信する通信素子が含まれる。この電子デバイス10によれば、センサによって環境中の情報を検知し、これを直ちに送信して遠隔地で取得することができる。ただし、環境中に配置された電子装置11を回収することが前提であるなら、電子デバイス10としては一定の記憶機能を備えたセンサのみであっても情報の収集に不都合はない。
【0025】
図1に示すように電子装置11の全体を電気伝導性を有する液体L(例えば海水)に浸漬するか、又は少なくとも電子装置11の基体6の上面を前記液体Lに接触させると、基体6の上面の撥水性表面9の上には、空気の気泡が生成される。この気泡(空気)又は気泡の内部の空間を気体領域Aと称する。基体6に気体領域Aが生成された結果、第1電極1と第2電極2は、それぞれ気体領域Aと液体Lの両方に跨がるように配置されることとなる。種類が異なる第1電極1と第2電極2の各一端部1a,2aは気体領域Aにあり、各他端部1b,2bは電気伝導性を有する液体Lの中にあるので、気体領域A内において第1電極1と第2電極2の各一端部間1a,2aには電気化学的に電位差が生じる。このため、第1電極1と第2電極2の各一端部1a,2a間に接続された負荷である電子デバイス10(センサ及び通信素子)は電力を得ることができる。
【0026】
本実施形態の電子装置11が有する環境発電装置3の構成乃至製造方法をより具体的に説明する。
まず、基体6を構成する絶縁性の材料としては、例えばSi-O-Si結合を含む固体化合物であるシリコーンゴムを用いることができる。
【0027】
次に、シリコーンゴムからなる基体6を採用した場合、その上面の一部に撥水性表面9を発現させるためには、以下に説明するような光化学的な手法で微細隆起構造を形成することができる。そこで、本願発明者が行なった実験の結果に基づき、シリコーンゴムの基体6に撥水性表面9を発現させる光化学的な工程で採用しうる加工条件の範囲について、より具体的に説明する。
【0028】
直径2.5μmのシリカガラス製微小球をエタノールに分散させ、それをシリコーンゴムの基体6(厚さ2mm)の表面に滴下した。その後、自然乾燥をさせ、一部多層となった微小球を任意の手段で物理的に除去することにより、シリコーンゴムの基体6の表面に微小球を単層で整列させた。その試料に、波長193nmのArFエキシマレーザーを、単一パルスのフルエンス10~50mJ/cm2 、パルス繰り返し周波数1~20Hz、ショット数900~3600(照射時間1.5~60min)の範囲で照射した。その際、レーザーの光路(長さ80mm)をArあるいはN2 ガスでパージした。レーザー照射後、試料を1wt%のHF水溶液中に浸漬し、さらにエタノール中での超音波洗浄を行って微小球を除去した。
【0029】
シリコーンゴムの基体6に撥水性表面9を発現させる工程で採用しうる上述した一般的な加工条件において実施した加工条件の一例について説明する。
シリコーンゴムの基体6の表面に微小球を単層で整列させるまでは、上述した一般的な加工条件と同一である。その後、波長193nmのArFエキシマレーザーを、単一パルスのフルエンス10mJ/cm2 、パルス繰り返し周波数1Hz、ショット数1800(照射時間30min)の範囲で照射した。レーザー照射後の後処理は上述した一般的な加工条件と同一である。
【0030】
上記条件で加工したシリコーンゴムの基体6の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。加工後、微小球を除去した後のシリコーンゴムの基体6の表面には、直径約1.5μm、高さ約1μmの微細隆起構造が2.5μmの間隔で形成されていることがわかった。これは、レーザー光が微小球のレンズ効果によりシリコーンゴムの表面上に集光され、主鎖構造の光開裂に伴う隆起が局所的に誘起されたものと考えられる。条件を変えて実験した結果、この隆起構造の直径ならびに高さは、フルエンス、パルス繰り返し周波数ならびにショット数により変化することも判明した。
【0031】
上記条件で加工したシリコーンゴムの撥水性表面9の撥水性を評価するために、水との接触角を測定した。接触角の測定では、シリコーンゴムの基体6に形成した撥水性表面9に超純水10μLを滴下し、その真横から写真撮影をした。未照射のシリコーンゴムの基体6の表面では、接触角は約90度であることがわかった。一方、先に説明した好ましい加工条件の一例、すなわちフルエンス10mJ/cm2 、パルス繰り返し周波数1Hz、ショット数1800(照射時間30min)でレーザー照射を行なった場合、接触角が約155度となることがわかった。また、実験の結果によれば、この撥水性の発現は、概ねCassie-Baxter の式で説明できることも判明した。
【0032】
上記条件で加工したシリコーンゴムの基体6を水中に入れたところ、微細隆起構造が形成された撥水性表面9のみに、厚さ約0.5mmの気体(空気)領域が自動的に形成されることが見出された。また、シリコーンゴムに撥水性表面9を形成する前述した加工条件の範囲内で、種々に数値を変えて複数の実験を行なった結果、上記加工条件の範囲内であれば、撥水性表面9の接触角は145度以上となり、基体6を液中に浸漬すれば気体領域Aの生成が確実に行なわれることが分かった。なお、表面工学においては、一般的に接触角が150度以上の場合に「超撥水」の用語を使用しているため、本発明で必要な気体領域Aを生成するための撥水性は超撥水性を含み、さらに超撥水性には入らない一定の範囲をも包含するものとなる。
【0033】
次に、以上のようにして撥水性表面9が形成されたシリコーンゴムの基体6に設けられる電極について、より具体的に説明する。
第1電極1と第2電極2を構成する種類が異なる金属としては、例えばアルミニウムと銅を採用することができる。具体的には、シリコーンゴムの上面に、細線状のアルミニウムおよび銅を、撥水性表面9の内と外に跨がって設置する。この環境発電装置3を、濃度3wt%のNaCl水溶液に浸漬すると、撥水性表面9には気体領域Aが形成された。ここで細線状のアルミニウムおよび銅は、NaCl水溶液と気体領域Aの両方に跨るように配置されているため、気体領域A内のアルミニウムの一端部と銅の一端部の両端間には約500mVの電圧が電気化学的に生じた。気体領域A内のアルミニウムの一端部と、銅の一端部との間に負荷を接続すれば電力が得られ、当該電力によって負荷を作動、機能させることができる。
【0034】
電極を構成する2つの種類が異なる金属とは、各金属に固有の物性値である電極電位が異なるとの意味である。電極電位は、一般に標準電極電位からの±の差分を示すV値で表される。例えば海水に浸漬した場合の電極電位の値については測定結果が得られており、これは概ねイオン化傾向に一致する。
【0035】
第1実施形態では、シリコーンゴムに微細隆起構造を形成し必要な撥水性を発現させるための光源として波長193nmのArFエキシマレーザーを用いたが、同様の工程において光源としてNd:YAGレーザーの第4高調波(波長266nm)を用いることもできる。この場合も、シリコーンゴムの表面に、微小球の整列間隔に対応した凹凸構造が形成できた。また、シリコーンゴムに含まれる炭素の遊離に起因して撥水性表面9には変色が認められたので、電極を配置する際に位置決めの目安となる。
【0036】
シリコーンゴムに微細隆起構造を形成するための光源は、一般的には波長が長いほど対象物に吸収されにくいため、微細隆起構造を形成することが困難になるとも考えられるが、例えば波長380~400nm程度の紫外線光であっても、シリコーンゴムにカーボン粒子等のエネルギー吸収物質を混入しておけば、上述した2種類のレーザー利用の場合と同等の微細隆起構造をシリコーンゴムに形成することができる。
【0037】
第1実施形態の電子装置11によれば、海水を代表とする電気伝導性を有する液体L中での環境発電ができるため、組み込まれたセンサと通信素子は、外部からの電源の供給や電池がなくても、液体L存在下において、安定して長期間にわたってリアルタイムで情報収集を行い、収集した情報を送信することができる。このような電子装置11は、IoTデバイスとして非常に有用である。さらに、この環境発電方法を利用した環境発電装置3は、広く電気電子工学分野におけるデバイス作製の基礎技術に適用可能であるため、その用途はあらゆる分野に敷衍することが可能である。
【0038】
図2は、第2実施形態の電子装置12を示している。
第2実施形態は、基本的な構造が第1実施形態と共通しているので、共通の構成については図1において使用した第1実施形態の符号を図2に付して説明を省略し、構成が異なる部分を中心に説明する。
【0039】
第2実施形態の第1電極1と第2電極2は、所定間隔をおいて基体6の撥水性表面9に垂直に設置されている。図2に示すように電子装置12の全体を電気伝導性を有する液体L(例えば海水)に浸漬するか、又は少なくとも基体6の上面を前記液体Lに接触させると、撥水性表面9には気体領域Aが生成され、第1電極1と第2電極2の各一端部1a,2a(下端部)は気体領域A内にあり、同各他端部1b,2b(上端部)は液体L内に存在することとなり、第1実施形態と同様、気体領域A内にある第1電極1と第2電極2の各一端部1a,2aの間に電位差が生じる。このため、第1電極1と第2電極2の各一端部1a,2a間に接続された電子デバイス10(センサ及び通信素子)は電力を得ることができる。
【0040】
図3は、複数個の第1実施形態の環境発電装置3を備えた第3実施形態の電子装置13を、電気伝導性を有する液体Lに浸漬して使用している状態を示す正面図である。図3中、液体Lの部分は薄墨(グレー着色)で示している。第3実施形態の説明においては、第1実施形態と共通の構成については図1において使用した第1実施形態の符号を図3に付して説明を省略し、構成が異なる部分を中心に説明する。
【0041】
図3に示すように、この電子装置13では、3つの第1実施形態の環境発電装置3が、所定高さのスペーサ8を挟んで縦に重ねられている。最上段の環境発電装置3の基体6の上には、同形状のスペーサ8を挟んで基体6と同形状の上部基体6aが取り付けられており、全体としてブロック状の外形をなしている。基体6と基体6の間にあるスペーサ8と、上部基体6aと基体6の間にあるスペーサ8は、基体6の外周に沿って間隔をおいて配置されているため、基体6と基体6の間の2つの空間と、上部基体6aと基体6の間の1つの空間は、電子装置13の外側に連通している。従って、電子装置13が液体L中に侵漬されれば、基体6と基体6の間の空間と、上部基体6aと基体6の間の空間には液体Lが入ってくる。しかしながら、基体6には撥水性表面9が設けられているので、前記各空間が液体Lで完全に充満することはなく、基体6と基体6の間及び上部基体6aと基体6の間には所定体積の気体領域Aが形成される。
【0042】
図3に示すように、電子装置13の3つの環境発電装置3は、直列に接続されている。すなわち、上段の環境発電装置3の第2電極2と中段の環境発電装置3の第1電極1が接続され、中段の環境発電装置3の第2電極2と下段の環境発電装置3の第1電極1が接続され、下段の第2電極2と上段の第1電極1が、上部基体6a内に埋め込まれた電子デバイス(センサと通信素子)10に接続されている。第1電極1と第2電極2を接続する配線と、電子デバイス10と第1電極1及び第2電極2を接続する配線は、基体6及び上部基体6aを適宜貫通して引き回されている。
【0043】
第3実施形態の電子装置13によれば、第1及び第2実施形態に較べ、電子デバイス10に供給する電圧を高くすることができる効果が得られる。
【0044】
なお、第3実施形態の電子装置13が有する3つの環境発電装置3からなる発電ユニットを複数個用意し、これらを並列に接続して電子デバイス10の電源とすることもできる。また、複数個のユニットを直列に接続して電子デバイス10の電源とすることもできる。
【0045】
図4は、複数個の第1実施形態の環境発電装置3を備えた第4実施形態の電子装置14を、電気伝導性を有する液体Lに浸漬して使用している状態を示す正面図である。図4中、液体Lの部分は薄墨(グレー着色)で示している。第4実施形態の説明においては、第1実施形態及び第3実施形態と共通の構成については図1及び図3において使用した第1実施形態及び第3実施形態の符号を図4に付して説明を省略し、構成が異なる部分を中心に説明する。
【0046】
図4に示すように、この電子装置14では、3つの第1実施形態の環境発電装置3が、所定高さのスペーサ8を挟んで縦に重ねられており、その構造は第3実施形態(図3参照)と同じである。
【0047】
図4に示すように、電子装置14の3つの環境発電装置3は、並列に接続されている。すなわち、上段と中段と下段の環境発電装置3の各第1電極1は配線で接続されており、上段と中段と下段の環境発電装置3の各第2電極2は配線で接続されており、中段の第1電極1と第2電極2が上部基体6a内に埋め込まれた電子デバイス( センサと通信素子)10に接続されている。第1電極1と第1電極1を接続する配線と、第2電極2と第2電極2を接続する配線と、電子デバイス10と第1電極1及び第2電極2を接続する配線は、基体6及び上部基体6aを適宜貫通して引き回されている。
【0048】
第4実施形態の電子装置14によれば、3つのうちの一つ又は2つの環境発電装置3が故障しても、電子デバイス10による機能を維持することができる効果が得られる。
【0049】
なお、第4実施形態の電子装置14が有する3つの環境発電装置3からなる発電ユニットを複数個用意し、これらを並列に接続して電子デバイス10の電源とすることもできる。また、複数個の発電ユニットを直列に接続して電子デバイス10の電源とすることもできる。
【0050】
図5は、第5実施形態の電子装置15を、電気伝導性を有する液体Lに浸漬して使用している状態を示す断面図である。図5中、液体Lの部分は薄墨(グレー着色)で示している。この電子装置15は、第1~第4実施形態における環境発電装置3とは異なり、気体領域Aを形成するために撥水性表面9を利用しておらず、基体7の表面に設けた凹部の底部に気体領域Aを形成している。
【0051】
図5に示すように、基体7の表面には凹部20が形成されている。基体7の材質は特に限定しないが、対象となる液体Lに対する耐性と、絶縁性を有する材料が好ましい。凹部20は円筒形であるが、その他の形状でもよい。凹部20の内径と深さは、対象となる液体Lの表面張力との関係で、液体L中に浸漬した場合に凹部20内が液体Lで充満することなく、所定容積の気体領域Aが底部に形成される程度に設定すればよい。このような凹部20は、公知のレーザー加工技術によって容易に形成できる。
【0052】
図5に示すように、凹部20の内側面には、2つの電極(第1電極1と第2電極2)が取り付けられている。第1電極1と第2電極2は、互いに種類が異なる2つの金属から構成された矩形の棒状体である。第1電極1と第2電極2は、それぞれ気体領域A内の底部に近接した位置から、凹部20の開口から突出する位置まで連続しており、従って使用時には、気体領域Aと液体Lの間に跨がって配置されることとなる。
【0053】
図5に示すように、基体7の内部には電子デバイス10(センサ及び通信素子)が埋め込まれており、気体領域Aの内部にある第1電極1と第2電極2の各一端部1a,2aが電子デバイス10に接続されている。
【0054】
第5実施形態の電子装置15は、液体Lに浸漬して使用する場合には、図5に示すように凹部20の開口を上に向けてもよいし、図示はしないが下に向けてもよい。また、液体Lに浸漬して使用するのではなく、凹部20が開口している基体7の表面が液体Lの表面に接触するように、電子装置15の全体を液体Lの上に浮かべて使用することもできる。
【0055】
第5実施形態の電子装置15によれば、撥水性表面9を加工する必要がなく、凹部20を形成するというより簡単な工程で第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0056】
図6は、第6実施形態の電子装置16を、電気伝導性を有する液体Lの表面に接触させて使用している状態を示す断面図である。図6中、液体Lの部分は薄墨(グレー着色)で示している。この電子装置16は、第1~第4実施形態における環境発電装置3とは異なり、気体領域Aを形成するために撥水性表面9を利用しておらず、基体7の表面に設けた凸部21の根元の周囲に気体領域Aを形成している。
【0057】
図6に示すように、基体7の表面には凸部21が形成されている。基体7の材質は特に限定しないが、対象となる液体Lに対する耐性と、絶縁性を有する材料であることが好ましい。凸部21は基体7の表面に近い側が細く、基体7から離れた側が太い円錐台形であるが、根元が細いその他の形状でもよい。凸部21の外径と高さは、対象となる液体Lの表面張力との関係で、次のような状況が得られる程度に設定する。すなわち、液体L中に浸漬した場合に、凸部21以外の基体7の表面と凸部21の根元との境界部が液体Lで充満することなく、当該部分に所定容積の気体領域Aが形成される程度に設定する。このような凸部21は、公知のレーザー加工技術によって容易に形成できる。
【0058】
図6に示すように、凸部21の根元に近い基体7の表面には、凸部21を挟んで互いに反対側に、2つの電極(第1電極1と第2電極2)が取り付けられている。第1電極1と第2電極2は、互いに種類が異なる2つの金属から構成された矩形の棒状体である。第1電極1と第2電極2は、それぞれ気体領域A内の凸部21の根元に近接した位置から、離れた位置まで連続しており、従って使用時には、気体領域Aと液体Lの間に跨がって配置されることとなる。
【0059】
図6に示すように、大気中に露出している基体7の他の表面には電子デバイス10(センサ及び通信素子)が取り付けられており、気体領域Aの内部にある第1電極1と第2電極2の各一端部1a,2aが、基体7を貫通する配線を介して電子デバイス10に接続されている。
【0060】
第6実施形態の電子装置16は、電子装置16を液体Lの上に浮かべ、液体Lの表面から液内に向けて凸部21が没入する状態で使用しているが、電子デバイス10を耐水性の筐体で覆うか、又は電子デバイス10を水密状態で基体7内に埋め込むこととすれば、電子装置16の全体を液体Lに浸漬して使用することもできる。液体Lに浸漬して使用する場合には、凸部21を上に向けてもよいし、下に向けてもよい。
【0061】
第6実施形態の電子装置16によれば、撥水性表面9を加工する必要がなく、凸部21を形成するというより簡単な工程で第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0062】
図7は、複数個の第5実施形態の環境発電装置4を備えた第7実施形態の電子装置17を、電気伝導性を有する液体Lの表面に浮かべて使用している状態を示す断面図である。図7中、液体Lの部分は薄墨(グレー着色)で示している。第7実施形態の説明においては、第5実施形態と共通の構成については図5において使用した第5実施形態の符号を図7に付して説明を省略し、構成が異なる部分を中心に説明する。
【0063】
図7に示すように、この電子装置17では、第5実施形態の構造を有する3つの環境発電装置4が、共通の基体7に対して横に並ぶように作り込まれている。そして、これら3つの環境発電装置3は直列に接続されている。すなわち、左の環境発電装置3の第1電極1と中央の環境発電装置3の第2電極2が接続され、中央の環境発電装置3の第1電極1と右の環境発電装置3の第2電極2が接続され、左の環境発電装置3の第2電極2と右の環境発電装置3の第1電極1が、基体7の上側の表面に設けられた電子デバイス10(センサと通信素子)に接続されている。第1電極1と第2電極2を接続する配線、第1電極1及び第2電極2と電子デバイス10を接続する配線は、基体7を適宜貫通し、また基体7の表面に沿って引き回されている。
【0064】
第7実施形態の電子装置17は、図7に示すように液体Lに浮かべて使用するのでなく、第5実施形態(図5)と同様に液体L中に全体を浸漬して使用することもできる。この場合、電子デバイス10は耐水性の筐体で覆うか、又は図5と同様に電子デバイス10を水密状態で基体7内に埋め込むことが好ましい。また、凹部20の開口は上向きでも下向きでも使用できる。
【0065】
第7実施形態の電子装置17によれば、第5実施形態に較べ、電子デバイス10に供給する電圧を高くすることができる効果が得られる。
【0066】
なお、第7実施形態の電子装置17が有する3個の環境発電装置3からなる発電ユニットを複数個用意し、これらを並列に接続して電子デバイス10の電源とすることもできる。また、複数個の発電ユニットを直列に接続して電子デバイス10の電源とすることもできる。
【0067】
また、第7実施形態の変形例として、図7において3つの環境発電装置3を並列に接続することもできる。また、並列に接続した3つの環境発電装置3からなる発電ユニットを複数用意し、これら複数の発電ユニットを直列又は並列に接続して電子デバイス10に接続してもよい。
【0068】
図8は、複数個の第6実施形態の環境発電装置5を備えた第8実施形態の電子装置18を、電気伝導性を有する液体L中に浸漬して使用している状態を示す断面図である。図8中、液体Lの部分は薄墨(グレー着色)で示している。第8実施形態の説明においては、第6実施形態と共通の構成については図6において使用した第6実施形態の符号を図8に付して説明を省略し、構成が異なる部分を中心に説明する。
【0069】
図8に示すように、この電子装置18では、第6実施形態の構造を有する3つの環境発電装置5が、共通の基体7に対して横に並ぶように作り込まれている。そして、これら3つの環境発電装置5は直列に接続されている。すなわち、左の環境発電装置3の第1電極1と中央の環境発電装置3の第2電極2が接続され、中央の環境発電装置3の第1電極1と右の環境発電装置3の第2電極2が接続され、左の環境発電装置3の第2電極2と右の環境発電装置3の第1電極1が、基体7内に埋め込まれた電子デバイス10(センサと通信素子)に接続されている。第1電極1と第2電極2を接続する配線と、第1電極1及び第2電極2と電子デバイス10を接続する配線は、基体7を適宜貫通して引き回されている。
【0070】
第8実施形態の電子装置18は、図8に示すように液体L中に浸漬して使用するのでなく、第6実施形態(図6)と同様に、液体Lの上に浮かべ、液体Lの表面から液内に向けて凸部21が没入する状態で使用することもできる。
【0071】
第8実施形態の電子装置18によれば、第6実施形態に較べ、電子デバイス10に供給する電圧を高くすることができる効果が得られる。
【0072】
なお、第8実施形態の電子装置18が有する3個の環境発電装置3からなる電源ユニットを複数個用意し、これらを並列に接続して電子デバイス10の電源とすることもできる。また、複数個の電源ユニットを直列に接続して電子デバイス10の電源とすることもできる。
【0073】
また、第8実施形態の変形例として、図8において3つの環境発電装置3を並列に接続することもできる。また、並列に接続した3つの環境発電装置3からなる電源ユニットを複数用意し、これら複数の電源ユニットを直列又は並列に接続して電子デバイス10に接続してもよい。
【0074】
また、凹部20により気体領域Aを形成する第5実施形態及び第7実施形態と、凸部21により気体領域Aを形成する第6実施形態及び第8実施形態とを任意に組み合わせ、1以上の凹部20と1以上の凸部21を有する環境発電装置3又は電源ユニットを構成することもできる。
【0075】
以上説明したように、本発明によれば、海水等の電気伝導性を備えた環境内の液相中において、電気化学的な手法により、微弱ではあるが、継続的かつ安定的に電力を得ることができる。本発明が適用可能な電気伝導性を備えた液体Lとしては、典型的には前述した海水であるが、その他にも、湖沼水、河川水等も相応の電解質を含んでおり一定の電気伝導性を備えているため、電気化学的な条件が成立すれば、これらに対して本発明を適用することは可能である。
【0076】
本発明の用途としては、例えば海難救助において海上付近を飛行する飛行機やヘリコプターが、救助活動に必要な海流の向き及び速度、風向き及び風速を観測するのに有用である。あるいは、海洋における科学観測のために、電子デバイスとしてセンサと短距離通信素子を備えた電子装置を海中に浮遊させ、リアルタイムで情報を収集・処理する用途にも有用である。さらに、魚類の回遊ルートに関する情報をリアルタイムで収集・処理する用途にも有用である。このように、本願発明の環境発電装置及びこれを電源とした電子装置は、あらゆるIoT関連分野において必要不可欠な技術である。さらにまた、本発明によれば、海洋のような環境中の液相だけでなく、発汗機能を有する人間や動物の皮膚やその近傍、あるいは農業や林業において必要な情報をリアルタイムで収集・処理する目的にも適用可能であるなど、今後IoT技術を利用して発展するあらゆる分野に多大に利用可能である。
【符号の説明】
【0077】
1…金属としての第1電極
2…金属としての第2電極
3,4,5…環境発電装置
6,7…物体としての基体
9…撥水性表面
10…電子デバイス
11,12,13,14,15,16,17…電子装置
20…凹部
21…凸部
A…気体領域
L…液体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2022-02-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
電気伝導性を有する液体に接した物体の表面に、前記物体と前記液体によって区画された気体領域を形成し、前記気体領域と前記液体の両方に跨がるように種類が異なる2つの金属を設置し、前記気体領域内において2つの前記金属の間に生じる電位差により電力を得ることを特徴とする環境発電方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項4】
電気伝導性を有する液体に少なくとも表面の一部が接触する物体であって、前記液体に接した表面の一部に、前記物体と前記液体によって区画された気体領域が形成される物体と、
前記物体に形成された前記気体領域と前記液体の両方に跨がるように前記物体に配置された種類が異なる2つの金属と、
を有し、
前記気体領域内において2つの前記金属の間に生じる電位差により電力を発生させることを特徴とする環境発電装置。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
請求項1に記載された環境発電方法は、
電気伝導性を有する液体に接した物体の表面に、前記物体と前記液体によって区画された気体領域を形成し、前記気体領域と前記液体の両方に跨がるように種類が異なる2つの金属を設置し、前記気体領域内において2つの前記金属の間に生じる電位差により電力を得ることを特徴としている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
請求項4に記載された環境発電装置は、
電気伝導性を有する液体に少なくとも表面の一部が接触する物体であって、前記液体に接した表面の一部に、前記物体と前記液体によって区画された気体領域が形成される物体と、
前記物体に形成された前記気体領域と前記液体の両方に跨がるように前記物体に配置された種類が異なる2つの金属と、
を有し、
前記気体領域内において2つの前記金属の間に生じる電位差により電力を発生させることを特徴としている。