(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022118558
(43)【公開日】2022-08-15
(54)【発明の名称】木質ボード用の木質小薄片及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
B27M 3/00 20060101AFI20220805BHJP
B32B 21/02 20060101ALI20220805BHJP
B27M 1/08 20060101ALI20220805BHJP
【FI】
B27M3/00 C
B32B21/02
B27M1/08 C
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021015153
(22)【出願日】2021-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】000204985
【氏名又は名称】大建工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安井 森平
(72)【発明者】
【氏名】皆川 真澄
【テーマコード(参考)】
2B250
4F100
【Fターム(参考)】
2B250AA05
2B250BA03
2B250BA05
2B250CA11
2B250DA04
2B250EA02
2B250EA13
2B250FA21
2B250FA28
2B250FA31
2B250GA03
2B250HA01
4F100AP01A
4F100BA06
4F100CB00B
4F100DE02A
4F100DE05A
4F100EC18B
4F100YY00A
(57)【要約】
【課題】高強度で寸法安定性や表面性に優れ、製造の容易な木質ボードAが得られるようにする。
【解決手段】木質ボードAは、繊維方向に沿った表裏面を有する多数の木質小薄片1,1,…が集合状態で積層されて接着一体化されてなる。木質ボードAを構成する木質小薄片1,1,…の各々は、厚さtが0.05~0.35mm、繊維方向に沿った繊維方向寸法d1(長さ)が40mm以下、繊維方向と直交方向に沿った繊維直交方向寸法d2(幅)が40mm以下の1種類のみを用いる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維方向に沿った表裏面を有する多数の木質小薄片が集合状態で積層されて接着一体化されてなる木質ボードに用いられる上記木質小薄片であって、
厚さが0.05~0.35mm、繊維方向に沿った繊維方向寸法が40mm以下、繊維方向と直交する方向に沿った繊維直交方向寸法が40mm以下であることを特徴とする木質ボード用の木質小薄片。
【請求項2】
請求項1の木質ボード用の木質小薄片において、
厚さが0.15~0.25mm、繊維方向寸法が20mm以下、繊維直交方向寸法が5mm以下の細長形状であることを特徴とする木質ボード用の木質小薄片。
【請求項3】
請求項1又は2の木質ボード用の木質小薄片を製造する方法であって、
原木を切削して木質薄片を作る木質薄片製造工程と、
上記木質薄片製造工程で得られた木質薄片を粉砕して、該木質薄片よりも小さい木質小薄片を形成する木質小薄片製造工程とを備えたことを特徴とする木質ボード用の木質小薄片の製造方法。
【請求項4】
請求項3の木質ボード用の木質小薄片の製造方法において、
木質小薄片製造工程では、木質薄片を繊維方向に沿って割るように粉砕することを特徴とする木質ボード用の木質小薄片の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数の木質小薄片で構成される木質ボードにおいて、その木質ボードに用いられる木質小薄片、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
既存の木質ボードとしてラワン合板等の南洋材合板はよく知られており、広く利用されている。しかし、近年、南洋材合板は、原料の枯渇や環境破壊防止の点で入手自体が難しくなってきており、他の木質ボードによる置き換えが図られている。
【0003】
国産の針葉樹を原料とした合板は、原料枯渇の点では問題がないが、その表面性が十分ではないことから、強度に特化した用途に限られている。
【0004】
OSBやPB(パーティクルボード)、MDFも原料面では問題ない。しかし、OSBは強度が高いものの、その表面性が十分ではない。PBは価格が安いが、寸法安定性や強度が十分ではない。MDFは表面性がよいものの、寸法安定性が十分ではない。そして、OSBやPB、MDFは南洋材合板と比較して密度が大きい難がある。
【0005】
このように、原料の安定性に加え、強度、重量、表面性、さらに寸法安定性といった複数の要素を満足する木質ボードが存在していないのが現状である。
【0006】
この種の木質ボードの例として、従来、特許文献1~特許文献4に示されているものが提案されている。特許文献1及び特許文献2に示されている木質ボードは、多数の木材薄片を集成した芯層と、その少なくとも一方の面に積層され、多数の木材薄片を集成した表面層とを備えたものである。特許文献1の木質ボードでは、芯層の木材薄片の厚さの絶対値を0.50~1.50mmとし、表面層の木材薄片の厚さの絶対値を0.08~0.60mmとすることが提案されている。
【0007】
他方、特許文献3に示される技術では、合板、OSB、集成材等の表面に繊維マットを圧着接合し、この繊維マットを圧縮して高密度化した繊維層を作製することで、基材の表面の凹みを埋め固めるようにしている。
【0008】
また、特許文献4に示される床用化粧材では、MDF等の木質基材の裏面に透湿度7g/m2・24時間以下の防湿フィルムを積層した構造とすることで、表側に透湿性の低い化粧シートを貼っても、寸法変化の大きさに起因する反りや曳き曲がりを抑制するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平7-47514号公報
【特許文献2】特開平7-76004号公報
【特許文献3】特開2019-31104号公報
【特許文献4】特開2019-107894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特許文献1及び特許文献2に示される木質ボードは、その木質ボードを構成する上記木材薄片の厚さや大きさを表面層と芯層とで異ならせており、そのため、製造時には2種類の木材薄片を用意する必要があり、製造や管理に手間がかかるのは避けられない。また、上記特許文献に記載された木質薄片を用いた木質ボードでは表面に凹凸が生じ、例えば床用基材として使用できる表面平滑性を確保できるものではない。
【0011】
また、特許文献3の木質ボードは、基材を2次加工するために手間がかかるだけでなく、基材と繊維層との2重構造となるために、ボードの厚さを小さくすることに限度がある。また、吸湿による寸法変化を抑制することはできない。
【0012】
さらに、特許文献4の化粧材では、基材の2次加工であるために手間がかかるだけでなく、防湿フィルムの幅によって使用できる基材の幅も規制されることとなる。
【0013】
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもので、その目的は、多数の木質薄片を積層する構造の木質ボードにおいて、その木質薄片そのものに改良を施すことにより、1種類の大きさの木質薄片のみを用いて、高強度で寸法安定性や表面性に優れ、製造の容易な木質ボードが得られるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するために、この発明では、OSBの構成材料として通常使用される切削片に対して、厚さを含む大きさを微小な範囲に限定した木質薄片を用い、この木質薄片の大きさをさらに微小な範囲に限定した木質小薄片を構成材料とした。そして、その多数の木質小薄片を集合状態で積層して木質ボードとするようにする。
【0015】
尚、本明細書において、「切削片」は、OSB用途に原木から切削されるものであり、OSBの構成材料として通常使用されるものをいう。本発明に係る「木質薄片」は、「切削片」と同様に原木から切削されるものであるが、「切削片」の通常一般の厚さの範囲外でそれよりも薄くて小さい薄片をいう。本発明に係る「木質小薄片」は、「木質薄片」と同じ厚さ範囲で「木質薄片」よりも小さい薄片をいう。
【0016】
具体的には、第1の発明は、繊維方向に沿った表裏面を有する多数の木質小薄片が集合状態で積層されて接着一体化されてなる木質ボードに用いられる上記木質小薄片が対象である。
【0017】
この木質小薄片は、厚さが0.05~0.35mm、繊維方向に沿った繊維方向寸法が40mm以下、繊維方向と直交する方向に沿った繊維直交方向寸法が40mm以下であることを特徴としている。木質小薄片の厚さ、長さ及び幅はいずれも平均値である。
【0018】
この第1の発明では、木質ボードは、多数の木質小薄片が集合状態で積層されて接着一体化により構成され、その各木質小薄片は厚さ0.05~0.35mm、繊維方向に沿った繊維方向寸法40mm以下、繊維方向と直交する方向に沿った繊維直交方向寸法40mm以下の薄片である。
【0019】
このように木質ボードは、特定の厚さを有する木質薄片(例えば木質薄片製造工程で得られる)を、木質薄片の繊維方向及び繊維直交方向に粉砕した1種類の大きさの木質小薄片(例えば木質小薄片製造工程で得られる)のみで構成され、その木質小薄片は厚さが極めて薄く、0.05~0.35mmという狭い範囲内に収まっているので、多数の木質小薄片は厚さのばらつきが小さくて均一な厚さに揃ったものになる。また、木質小薄片の長さ及び幅も一定範囲内にあるので、木質ボードは大きさが一定範囲内に揃った木質小薄片が集合して均質なものとなる。そのため、木質ボードの強度が高くなるだけでなく、吸放湿による反りが発生し難くなり、南洋材合板と同程度の良好な寸法安定性が得られる。また、多数の木質小薄片が均一な大きさに揃っているので、通常のOSBのように木質ボードの表面に大きな凹凸は生じず、その木質ボードは表面性に優れたものとなる。また、均一な大きさの多数の木質小薄片を集合させて積層するので、その製造も容易となる。尚、本明細書において、木質ボードの表面性とは、例えば#150番手のサンダーで製品厚さに調整した木質ボードの表面性状をいう。
【0020】
第2の発明は、第1の発明の木質ボード用の木質小薄片において、その木質小薄片は、厚さが0.15~0.25mm、繊維方向寸法が20mm以下、繊維直交方向寸法が5mm以下の細長形状であることを特徴とする。このことで、木質ボードの寸法安定性及び表面性がさらに向上する。
【0021】
第3の発明は、第1又は第2の発明の木質ボード用の木質小薄片を製造する方法であって、この製造方法は、原木を切削して木質薄片を作る木質薄片製造工程と、上記木質薄片製造工程で得られた木質薄片を粉砕して、該木質薄片よりも小さい木質小薄片を形成する木質小薄片製造工程とを備えたことを特徴とする。
【0022】
この第3の発明では、木質薄片製造工程において、原木が切削されて木質薄片が作られ、次いで、木質小薄片製造工程において、上記木質薄片が粉砕されて、その木質薄片よりも小さい木質小薄片が形成される。このように2段階の工程を経て木質小薄片が製造されるので、その木質小薄片を容易に製造することができる。
【0023】
第4の発明は、第3の発明の木質ボード用の木質小薄片の製造方法において、上記木質小薄片製造工程では、木質薄片を繊維方向に沿って割るように粉砕することを特徴とする。こうすれば、木質薄片がスムーズに割れて目的の大きさの範囲の均質な木質小薄片を容易に形成することができ、木質小薄片の製造のより一層の容易化を図ることができる。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように、本発明によると、繊維方向に沿った表裏面を有する多数の木質小薄片が集合状態で積層されて接着一体化されてなる木質ボードに用いられる当該木質小薄片として、その木質小薄片の厚さを0.05~0.35mm、繊維方向寸法及び繊維直交方向寸法を40mm以下とした。このことにより、多数の木質小薄片はばらつきの小さい均一な大きさに揃ったものになり、木質ボードの強度を高くすることができるとともに、南洋材合板と同程度の良好な寸法安定性及び表面性が得られ、木質ボードの製造も容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る木質ボードの断面図である。
【
図2】
図2は、木質ボードの要部拡大断面図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係る木質小薄片を概略的に示す拡大斜視図である。
【
図4】
図4は、木質ボードの製造工程を示す図である。
【
図5】
図5は、木質小薄片の集合体であるマットから木質ボードを熱圧する状態を示す拡大断面図である。
【
図6】
図6は、木質ボードの特性を他の材料のボードと比較して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
【0027】
図1は本発明の実施形態に係る木質ボードAを示す。この木質ボードAは、例えば密度500~800Kg/m
3、厚さ3~12mmのものが用いられている。そのうち、厚さが3mm以上で6mm未満の薄物タイプの木質ボードAは、例えばトラック等の車両の荷台に用いられる荷台用内壁材、室内に施工されるクッションフロアの下地材、化粧面材、内装建材(蹴込板等)等の内装材等として施工されるものである。厚さが6~12mm程度の中厚タイプの木質ボードAは、例えば室内に施工される防音フロア基材、土足用床基材、玄関造作材等として施工されるものである。このように、木質ボードAは、既存の台板用合板の代替材として用いられる。この木質ボードAについて詳細に説明する。
【0028】
木質ボードAは、
図2に拡大して示すように、繊維方向に沿った表裏面を有する多数の木質小薄片1,1,…が集合状態で積層されて接着一体化されてなり、多数の木質小薄片1,1,…は1種類の厚さを有する。
【0029】
本発明の特徴は、この木質ボードAを構成している木質小薄片1にある。この木質小薄片1について詳細に説明すると、
図3に拡大して示すように、木質小薄片1の厚さtは0.05~0.35mm(0.05mm以上かつ0.35mm以下)であり、好ましくは0.10~0.30mm(0.10mm以上かつ0.30mm以下)、より好ましくは0.15~0.25mm(0.15mm以上かつ0.25mm以下)、さらに好ましくは0.15~0.20mm(0.15mm以上かつ0.20mm以下)である。この薄い厚さtの木質小薄片1,1,…により木質ボードAの特性が決定づけられている。上記木質小薄片1の厚さは平均値である。換言すれば、本発明に係る木質小薄片1は、通常一般のOSBのエレメント(構成材料)として使用されるストランド(本発明では切削片ともいう)が一般的には厚さが0.6~1.5mm程度であるのに対し、それよりも厚さの薄い薄片である。
【0030】
木質小薄片1は、導管や仮導管等による繊維1a,1a,…を有し、その繊維1aに沿った方向の繊維方向寸法d1が、繊維方向と直交する方向に沿った繊維直交方向寸法d2よりも長い細長形状(短冊形状)である。繊維方向寸法d1を長さとし、繊維直交方向寸法d2を幅とすると、長さd1は40mm以下、好ましくは35mm以下、より好ましくは30mm以下、より一層好ましくは25mm以下、さらに好ましくは10~20mm(10mm以上かつ20mm以下)である。また、幅d2は40mm以下、好ましくは15mm以下、より好ましくは0.5~5mm(0.5mm以上かつ5mm以下)である。木質小薄片1の長さd1及び幅d2はいずれも平均値とする。換言すれば、本発明に係る木質小薄片1,1,…は、通常一般のOSBの構成材料として使用される切削片の繊維方向に沿う長さが一般的に110mm(長いものでは150~250mm程度)、幅が一般的に15~25mm(長いものでは長さの1/3程度)であるのに対し、それよりも大きさの小さい薄片である。しかも、本実施形態に係る木質小薄片1は、図示しないが、後述するように、原木から切削されたままの木質薄片(切削後木質薄片ともいう)が破砕されてそれよりも小さくなったものであり、その切削後の木質薄片とは異なるものを定義する意味で、その切削後の木質薄片に対して「木質小薄片」という。
【0031】
木質小薄片1,1,…に用いられる樹種は特に限定されず、例えば南洋樹や広葉樹を用いてもよいし、それ以外の樹種を用いてもよい。例えばスギ、ヒノキ、ベイマツ等のファー材、アカシア、アスペン、ポプラ、パイン系(ハードパイン、ソフトパイン、ラジアータパイン等)、バーチ、ゴム(ゴムの木)等があるが、これらの樹種に限定されず、さらに様々な樹種を用いることができる。様々な樹種としては、トドマツ、カラマツ、エゾマツ、サワラ、ヒバ、カヤ、栂、槙、種々の松、桐、楓、樺(白樺)、椎、ブナ、樫、樅、櫟、楢、楠、ケヤキ等の国産材、米ヒノキ、米ヒバ、米杉、米樅、スプルース、米栂、レッドウッド等の北米材、アガチス、ターミナリア、ラワン、メランチ、ジュンコン、カメレレ、カランパヤン、アンベロイ、メリナ、チーク、アピトン、センゴンラウト等の南洋材、バルサ、セドロ、マホガニー、リグナムバイタ、アカシアマンギューム、地中海松、竹、コウリャン、カメレレのような他の外材等があり、どのような材料でも使用可能である。
【0032】
木質小薄片1の物性に関し、その密度は好ましくは250kg/m3以上、より好ましくは300kg/m3以上であり、また好ましくは800kg/m3以下、より好ましくは500kg/m3以下、さらに好ましくは400kg/m3以下である。密度が250kg/m3以下であると、同密度・同強度の木質ボードAを形成するために必要なマットの厚さが大きくなるとともに、プレス成形工程での熱圧プレス処理に係るプレス圧を高める必要がある。
【0033】
木質小薄片1の密度は800kg/m3を超えてもよいが、そのような木質小薄片1を容易に得ることが難しいからである。すなわち、800kg/m3を超える木質小薄片1を容易に得ることができるのであれば、密度の上限値は800kg/m3に限定されず、さらに高い値であってもよい。
【0034】
また、木質小薄片1の含水率は、2~20%程度であることが好ましく、2~8%であることがより好ましい。含水率が2%未満の場合、プレス成形工程での熱圧プレス処理において軟化に時間がかかってプレス時間が長くなり、強度が下がる虞れがある。
【0035】
また、木質小薄片1の含水率が20%を超えると、同熱圧プレス処理において加熱・圧縮に時間がかかるためであり、さらには接着剤の硬化が阻害されて強度が下がる虞れがある。
【0036】
上記木質ボードA内に積層一体化されている多数の木質小薄片1,1,…は、その繊維1a,1a,…に沿った方向である繊維方向(長さ方向)が基準方向に配向されていてもよいが、この繊維方向の配向性は必須ではなく、繊維方向がランダムに配向されていてもよい。尚、繊維方向(長さ方向)が基準方向に配向されているとは、木質ボードA内において、全ての木質小薄片1,1,…の繊維1a,1a,…が正確に同一方向を向いていること、換言すると、配向された木質小薄片1,1,…の繊維方向が互いに平行になっていることを限定しない。一部の木質小薄片1,1,…として、繊維方向が基準方向に対してある程度(例えば20°程度)傾いている木質小薄片1,1,…が含まれていてもよい。
【0037】
次に、上記木質小薄片1を製造する方法について
図4により説明する。併せて、その木質小薄片1から上記木質ボードAを製造する方法についても
図4により説明する。木質小薄片1の製造方法は、木質薄片製造工程P1及び木質小薄片製造工程P2を有する。また、木質ボードAの製造方法は、さらにその後の接着剤塗布工程P3、マットフォーミング工程P4及び熱圧工程P5を有する。
【0038】
(木質薄片製造工程P1)
材料となる丸太や間伐材等の原木を必要な場合には短くカットして樹皮を除去した後、外刃型や内刃型の切削装置(ストランダー)により切削して、OSBの構成材料として通常使用される切削片よりも薄くて小さい多数の切削片(切削後木質薄片)を形成する。建築現場等で発生する端材や廃材、廃パレット材から形成することもできる。切削装置は一般的なものが用いられる。切削装置に原木を送り込む速度により切削片の厚さを調整する。この切削により形成された木質薄片(切削後木質薄片)は、実施形態の木質ボードAを構成する木質小薄片1とは異なり、それよりも大きさの大きいものである。
【0039】
このとき、各木質薄片の表裏面に繊維が直線状に表れるように切削し、その切削厚さが木質小薄片1の厚さtとなるように切削する。以降の工程では、基本的に木質小薄片1の厚さtが切削後木質薄片の厚さから変わらず、この切削後木質薄片の厚さがそのまま木質小薄片1の厚さtとなるからである。
【0040】
(木質小薄片製造工程P2)
次いで、上記切削後の木質薄片(切削後木質薄片)をハンマーミル、ピンミル、ジェットミル等の刃物を使用しない粉砕機やナイフフレーカーやカッターミル等の刃物を使用した粉砕機を用いて粉砕し、切削直後の木質薄片(切削後木質薄片)の繊維直交方向の大きさよりもよりも小さくして、木質ボードAを構成する木質小薄片1,1,…を形成する。このとき、切削後木質薄片を繊維方向(長さ方向)に沿って割れるように幅方向に粉砕すると、細長形状の木質小薄片1,1,…を作ることができる。つまり、切削後木質薄片に繊維方向に直交する繊維直交方向に沿って力(衝撃)を加えると、割れ難いが、繊維方向に平行に沿って力を加えると、簡単に割れるようになる。切削後木質薄片がカールしていても、その粉砕により平面状に分割される。
【0041】
上記切削後木質薄片に加える力の方向は、上記の繊維方向に平行な方向に限定されない。切削後木質薄片に対してランダムな方向に力を加えると、通常、切削後木質薄片は力の弱い部分から割れていく(力の弱い方向に割れ易い)。切削後木質薄片の各繊維がつながる力(繊維直交方向の力)は繊維方向の力よりも圧倒的に弱いため、上記の一般的な粉砕機で切削片をランダムな方向に粉砕すれば(力を加えると)、切削後木質薄片が繊維方向に沿って割れて繊維直交方向に短くなり、細長形状の木質小薄片1,1,…が得られる。
【0042】
また、切削後木質薄片に木材の節があったとしても、その節は他の部分よりも脆いので、粉砕により節が粉状になり、後の選別工程で除去される。
【0043】
このように原木を切削する工程のみの1段階ではなく、その後に破砕する工程を加えて2段階の工程を経由させることで、切削片よりも薄くて小さい切削後木質薄片から、必要な大きさで節部分のない高強度の木質小薄片1,1,…を容易に製造することができる。
【0044】
上記粉砕工程で得られた木質小薄片1,1,…を篩等に通過させて、木質小薄片1,1,…の大きさを選別(分級)する(分級工程)。このことで、多数の木質小薄片1,1,…は細かくて大きさや形状がより一層均質に揃ったものになる。以上によって木質小薄片1が製造される。
【0045】
木質小薄片製造工程P2で行った具体的な製造条件を以下に記載する。
(1)上記切削後木質薄片を、直径320mmのハンマーミルを用いて、1125rpm(約1130m/分)、数秒間(例えば1~3秒程度)粉砕した。その後、Φ20mmのメッシュで選別し、当該メッシュを通過したものを木質小薄片1,1,…とした。これにより、細かくて大きさや形状が均質に揃った木質小薄片1,1,…が得られた。
(2)上記切削後木質薄片を、直径540mmのハンマーミルを用いて、1500rpm(約2545m/分)、数秒間(例えば1~3秒程度)粉砕した。その後、Φ15mmのメッシュで選別し、当該メッシュを通過したものを木質小薄片1,1,…とした。これにより、上記(1)で得られた木質小薄片1,1,…よりも少し細かく、大きさや形状がより一層均質に揃った木質小薄片1,1,…が得られた。
(3)上記切削後木質薄片を、直径200mmのハンマーミルを用いて、2000rpm(1256m/分)、数秒間(例えば1~3秒程度)粉砕した。その後、Φ10mm~Φ20mmのメッシュで選別し、当該メッシュを通過したものを木質小薄片1,1,…とした。これにより、上記(1)及び(2)で得られた木質小薄片1,1,…と同様に、細かくて大きさや形状が均質に揃った木質小薄片1,1,…が得られた。
【0046】
(接着剤塗布工程P3)
上記木質小薄片1,1,…の製造工程P2において、選別により細かくて大きさや形状が均質に揃った多数の木質小薄片1,1,…が得られると、その後、それらの木質小薄片1,1,…から木質ボードAを製造する。最初の接着剤塗布工程P3において、木質小薄片1,1,…を接着剤塗布装置に搬入して接着剤を塗布する。接着剤としては、例えばイソシアネート系の接着剤を用いることができ、その他、例えばフェノール樹脂、ユリア樹脂やメラミン樹脂等のアミン系接着剤、天然系接着剤を用いてもよい。また、接着剤と共に、一般に使用される撥水剤を併用してもよい。
【0047】
(マットフォーミング工程P4)
次に、
図5左側に示すように、上記接着剤の塗布された多数の木質小薄片1,1,…を繊維方向に配向して又は配向せずに、厚さ方向に集合させた状態で所定厚さ(高さ)まで積層する(積み重ねる)ことで、木質小薄片1,1,…のマットA1を形成する。例えば厚さ4mmの木質ボードAを形成する場合には、マットA1の厚さ(高さ)が40mm程度の厚さになるように、厚さtが0.2mmの木質小薄片1,1,…を積み重ねる。
【0048】
(熱圧工程P5)
そして、上記マットA1を熱圧プレス装置に搬入して熱盤間にセットし、熱圧プレス装置によりマットA1を所定の圧力及び温度で熱圧プレス処理して圧縮し、かつ接着剤の硬化により一体に成形する。このことで、
図1に示す木質ボードAが形成される。
【0049】
このとき、
図5に示すように、上記例示した40mm程度の厚さのマットA1は例えば4mmの木質ボードAに圧縮され、厚さが1/10まで圧縮される。熱圧プレス処理に係るプレス温度は、特に限定されないが、例えば100~180℃である。熱圧プレス処理に係るプレス圧は、例えば2~4N/mm
2であり、プレス時間は例えば1~2分間である。尚、プレス時間は、木質ボードAの厚さによって変動するものであり、1分未満で終了する場合もあれば、2分以上要する場合もある。また、熱圧プレス装置による熱圧プレス処理の前に、加熱装置による予備加熱処理を行ってもよい。
【0050】
また、木質小薄片1,1,…は、節部分が除去されており、ばらつきがなくて細かい範囲内の大きさのものに保たれているので、マットA1全体で均質になり、このことによって木質ボードAの強度のばらつきがなくなる。つまり、大きなストランド(切削片)を用いるストランドボードでは、例えば節部分を含む不均一なマットにより部分的(スポット的)に薄くて低強度部分が生じ、強度のばらつきがでるが、それがなくなる。しかも、木質小薄片1,1,…も薄い方がマットA1の均質性が高くなり、木質ボードAの強度が出易くなる。一般に大きなストランド(切削片)を用いるストランドボードは強度を大きくできるのに対し、本発明では切削片よりも薄くて小さい木質薄片(切削後木質薄片)を粉砕によりさらに小さくした木質小薄片1によって木質ボードAの均質性と強度とを兼ねている。
【0051】
さらに、木質小薄片1,1,…は小さくて均一な大きさであり、マットA1において、木質小薄片1,1,…の間に隙間が均一的に形成されているので、仮にマットA1の木質小薄片1,1,…に比較的多量に水分が含まれた状態のままで熱圧しても、その水分の蒸発によって生成された蒸気はスムーズにマットA1から抜け出るようになる。つまり、
図5左側に示すように、マットA1内には、互いに隣接する木質小薄片1,1,…間に多数の微小な空隙が存在している。この空隙は、木質小薄片1,1,…の繊維方向及び繊維直交方向だけでなく、厚さ方向にも連通し、三次元的に連続している。そのため、木質ボードAに対する加圧を停止したときのパンクは生じ難くなる。
【0052】
このような工程を経て、密度が500~800kg/m
3でありかつ曲げヤングが3.5~7.0GPaの木質ボードAが成形される。この木質ボードAは、
図5右側に示すように、その内部に、三次元的に連続する小さな空隙が多数存在している(残っている)。そのため、木質ボードAは通気性にも優れることとなる。
【0053】
上記木質ボードAの製造方法において、その他の工程として、上記熱圧工程P5の後に、上記木質ボードAを平衡含水率まで養生させてから表裏面をサンダーにより研削し、最終厚さを調整する仕上げ工程を設けてもよい。サンダーは、一般に使用されるものを使用でき、例えば#150番手等が挙げられる。この仕上げ工程を経ることで、表面性により一層優れた木質ボードAが得られる。
【0054】
尚、木質ボードAは、その表面における二乗平均平方根高さSqが0.005~0.015μm又は表面における算術平均高さSaが0.002~0.007μmであることが好ましい。木質ボードAの表面は、上記仕上げ工程後の木質ボードAの表面をいい、例えば#150番手のサンダーで製品厚さに調整した木質ボードAの表面をいう。二乗平均平方根高さSq及び算術平均高さSaは、ISO25178で規定される表面性状を表す面粗さのパラメータである。すなわち、木質ボードAは、その表面性状を特定するパラメータSq,Saをそれぞれ特定の範囲に制御することで、表面性に優れたものとなる。
【0055】
二乗平均平方根高さSqは、平均面からの距離の標準偏差に相当するパラメータであり、高さの標準偏差に相当する。そのため、木質ボードAは、その表面における二乗平均平方根高さSqの値が小さいほど、表面の凹凸の大きさのばらつきが小さい表面になるため、表面性に優れたものとなる。具体的には、木質小薄片1,1,…の厚さtが0.35mm以下であれば、木質ボードAの表面における二乗平均平方根高さSqは0.005μm以上かつ0.015μm以下程度となり、木質小薄片1,1,…の厚さtが0.25mm以下(好ましくは0.20mm以下)であれば、木質ボードAの表面における二乗平均平方根高さSqは0.005μm以上かつ0.008μm以下程度となり、表面性に優れるMDF並みの表面粗さになるため、木質ボードAはさらに表面性が優れたものとなり好ましい。
【0056】
算術平均高さSaは、表面の平均面に対して、各点の高さの差の絶対値の平均を表す。そのため、木質ボードAは、その表面における算術平均高さSaの値が小さいほど、大きな凹凸が少ない表面になるため、表面性に優れたものとなる。具体的には、木質小薄片1,1,…の厚さtが0.35mm以下であれば、木質ボードAの表面における算術平均高さSaは0.002μm以上かつ0.007μm以下程度となり、木質小薄片1,1,…の厚さtが0.25mm以下(好ましくは0.20mm以下)であれば、木質ボードAの表面における算術平均高さSaは0.002μm以上かつ0.005μm以下程度となり、表面性に優れるMDF並みの表面粗さになるため、木質ボードAはさらに表面性が優れたものとなり好ましい。
【0057】
木質ボードAの表面性状は、二乗平均平方根高さSq及び算術平均高さSaに限定されず、例えば、スキューネスSsk、最大谷深さSv、最大山高さSpと最大谷深さSvとの和を示す最大高さSz、クルトシスSku等で特定されていてもよい。
【0058】
したがって、上記実施形態については以下の作用効果を奏することができる。上記木質ボードAは、厚さtが極めて薄く、その平均値が0.05~0.35mm、繊維方向に沿った繊維方向寸法d1(長さ)が40mm以下、繊維方向と直交方向に沿った繊維直交方向寸法d2(幅)が40mm以下の多数の木質小薄片1,1,…が集合状態で積層されて接着一体化により単層に構成されている。
【0059】
すなわち、単層の木質ボードAは、1種類の木質小薄片1,1,…のみで構成され、その木質小薄片1,1,…の厚さtが極めて薄く、その平均値が0.05~0.35mmという狭い範囲内に収まっているので、多数の木質小薄片1,1,…は厚さtのばらつきが小さくて均一な厚さtに揃ったものになる。また、木質小薄片1,1,…の繊維方向寸法d1(長さ)及び繊維直交方向寸法d2(幅)も一定範囲内にあるので、木質ボードAは大きさが一定範囲内に揃った木質小薄片1,1,…が集合して均質なものとなる。そのため、木質ボードAの強度が高くなるだけでなく、吸放湿による反りが発生し難く、南洋材合板と同程度の良好な寸法安定性が得られる。また、多数の木質小薄片1,1,…が均一な大きさに揃っているので、木質ボードAの表面に、通常のOSBのような大きな凹凸が生じることはなく、木質ボードAは表面性に優れたものとなる。また、均一な大きさの多数の木質小薄片1,1,…を集合させて積層するので、その製造も容易となる。
【0060】
特に、上記木質ボードAにおける木質小薄片1,1,…の厚さtの平均値が0.15~0.25mm、繊維方向寸法d1の平均値が20mm以下、繊維直交方向寸法d2の平均値が5mm以下の細長形状であると、木質ボードAの寸法安定性及び表面性がさらに向上する。
【0061】
図6は、本発明に係る木質ボードAの特性を他の材料のボードと比較して例示したものであり、木質ボードAは、曲げヤング、吸放湿時の長さ変化率、平滑性がラワン合板程度に大きく、ラワン合板に比べ寸法安定性での異方性や表面性における色調・色均質性が優れている。また、木質ボードAは、OSBに比べ、曲げヤングが縦横に均一であり、寸法安定性での異方性や表面性における平滑性、色調・色均質性が良好である。すなわち、木質ボードAは、高強度で寸法安定性や表面性に優れる。
【0062】
このように、高強度で寸法安定性や表面性に優れた製造の容易な木質ボードAを用いて、床材や壁材等の内装材として施工することで、それら内装材や床材を容易に製造することができる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、均一な大きさに揃った木質小薄片で構成され、強度が高くて南洋材合板と同程度の良好な寸法安定性及び表面性を持つ木質ボードが得られるので、極めて有用であり、産業上の利用可能性が高い。
【符号の説明】
【0064】
A 木質ボード
A1 マット
P1 木質薄片製造工程
P2 木質小薄片製造工程
P3 接着剤塗布工程
P4 マットフォーミング工程
P5 熱圧工程
1 木質小薄片
1a 繊維
t 厚さ
d1 繊維方向寸法(長さ)
d2 繊維直交方向寸法(幅)
【手続補正書】
【提出日】2022-02-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
具体的には、第1の発明は、繊維方向に沿った表裏面を有する細長形状の多数の木質小薄片が集合状態で積層されて接着一体化されてなる木質ボードに用いられる上記木質小薄片が対象である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
この木質小薄片は、上記表裏面間の厚さが0.05mm以上0.35mm以下、上記繊維方向に沿った長さが10mm以上40mm以下、上記繊維方向と直交する方向に沿った幅が0.5mm以上15mm以下であることを特徴としている。木質小薄片の厚さ、長さ及び幅はいずれも平均値である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
この第1の発明では、木質ボードは、細長形状の多数の木質小薄片が集合状態で積層されて接着一体化により構成され、その各木質小薄片は上記表裏面間の厚さが0.05mm以上0.35mm以下、上記繊維方向に沿った長さが10mm以上40mm以下、上記繊維方向と直交する方向に沿った幅が0.5mm以上15mm以下の薄片である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
第2の発明は、第1の発明の木質ボード用の木質小薄片において、その木質小薄片は、厚さが0.15~0.25mm、長さが20mm以下、幅が5mm以下の細長形状であることを特徴とする。このことで、木質ボードの寸法安定性及び表面性がさらに向上する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維方向に沿った表裏面を有する細長形状の多数の木質小薄片が集合状態で積層されて接着一体化されてなる木質ボードに用いられる上記木質小薄片であって、
上記表裏面間の厚さが0.05mm以上0.35mm以下、上記繊維方向に沿った長さが10mm以上40mm以下、上記繊維方向と直交する方向に沿った幅が0.5mm以上15mm以下であることを特徴とする木質ボード用の木質小薄片。
【請求項2】
請求項1の木質ボード用の木質小薄片において、
厚さが0.15~0.25mm、長さが20mm以下、幅が5mm以下の細長形状であることを特徴とする木質ボード用の木質小薄片。
【請求項3】
請求項1又は2の木質ボード用の木質小薄片を製造する方法であって、
原木を切削して木質薄片を作る木質薄片製造工程と、
上記木質薄片製造工程で得られた木質薄片を粉砕して、該木質薄片よりも小さい木質小薄片を形成する木質小薄片製造工程とを備えたことを特徴とする木質ボード用の木質小薄片の製造方法。
【請求項4】
請求項3の木質ボード用の木質小薄片の製造方法において、
木質小薄片製造工程では、木質薄片を繊維方向に沿って割るように粉砕することを特徴とする木質ボード用の木質小薄片の製造方法。