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▶ 加納 孝義の特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022118619
(43)【公開日】2022-08-15
(54)【発明の名称】マスク操作具
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20220805BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
A41D13/11 H
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021015273
(22)【出願日】2021-02-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】521049894
【氏名又は名称】加納 孝義
(74)【代理人】
【識別番号】100093115
【弁理士】
【氏名又は名称】佐渡 昇
(72)【発明者】
【氏名】加納 孝義
(57)【要約】
【課題】必要時に、マスク本体を手で摘まむことなくマスクの位置をずらす(変更する)ことができるマスク操作具を提供する。
【解決手段】マスク20本体21と、このマスク20本体21の左右に設けられた耳かけ部22とを有するマスク20を操作するためのマスク操作具であって、使用時にマスク装着者Uの顎U1部下方に位置し得る湾曲状の操作部11と、この操作部11の左右両端に設けられ、マスク装着者Uが装着するマスク20における耳かけ部22の左右下部23にそれぞれ連結される連結部12とを備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスク本体(21)と、このマスク本体(21)の左右に設けられた耳かけ部(22)とを有するマスク(20)を操作するためのマスク操作具であって、
使用時にマスク装着者(U)の顎部下方に位置し得る湾曲状の操作部(11)と、
この操作部(11)の左右両端に設けられ、マスク装着者(U)が装着するマスク(20)における耳かけ部(22)の左右下部(23)にそれぞれ連結される連結部(12)と、
を備えていることを特徴とするマスク操作具。
【請求項2】
請求項1において、
前記連結部(12)は操作部11の左右両端が屈曲され、この屈曲部に耳かけ部(22)の左右下部(23)が嵌まり込むフック状の連結部(12)であることを特徴とするマスク操作具。
【請求項3】
請求項1または2において、
正面視で、前記湾曲状の操作部(11)は、左右方向長さ(L1)が100mm~150mm、上下方向高さ(H1)が40mm~80mmであることを特徴とするマスク操作具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスク操作具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に見られるように、
「食事やジョギング等でマスクを外したいときに容易に即時に外せて、外したマスクを清潔に維持できるマスク首掛け具」が知られている(同文献要約、課題欄)。
このマスク首掛け具は、
「使用状態から外したマスクを、手を加えずにそのまま首にかけることを可能にするマスク首掛け具1であって、首掛け可能な長さを有し、可撓性を有し、両端部に結び目をつくった紐体2a、2bと、紐体の両端部の結び目間で両端部のそれぞれの結び目近傍に挿通状態で連結された、らせんピッチをマスクの紐が挟入可能な間隔とし、かつマスクの紐をらせんに巻き付けることにより係止可能ならせんの巻き数を有する2つの螺旋体3と、を備える」(同文献要約、解決手段欄)。
【0003】
このマスク首掛け具は、
「使用者20がマスク10使用時は、図4に示すように、マスク10を一般的な方法でかける」(同文献0035段落)。
「そして、飲食をするときやジョギングで口元に汗をかいてマスクを外したいときには、図5に示すように、紐12を耳から外しマスク本体11を口や鼻から外せば、あとは手をかけなくてマスク10は自然にマスク首掛け具1により首にかけた状態になる」(同文献0035段落)。
【0004】
以上のように、このマスク首掛け具によれば、使用時には同文献図4に示すように一般的な方法でマスクを装着でき、飲食時には、同文献図5に示すように、マスクを外して、首に掛けることができる。
【0005】
しかし、このマスク首掛け具は、飲食時には、同文献図5に示すように、マスクを完全に外してしまうものであるため、昨今の新型コロナウイルス禍において、例えば、食べ物を口に入れるときだけマスクの位置をずらしたい、というような使い方には適していない。そのような場合には、マスク本体を手で摘まむ必要が生じ、感染防止の観点からは望ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3228726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、必要時に、マスク本体を手で摘まむことなくマスクの位置をずらす(変更する)ことができるマスク操作具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明のマスク操作具は、
マスク本体と、このマスク本体の左右に設けられた耳かけ部とを有するマスクを操作するためのマスク操作具であって、
使用時にマスク装着者の顎部下方に位置し得る湾曲状の操作部と、
この操作部の左右両端に設けられ、マスク装着者が装着するマスクにおける耳かけ部の左右下部にそれぞれ連結される連結部と、
を備えていることを特徴とする。
このマスク操作具は、上記の構成となっているので、次のようにして使用することができ、所望の作用効果を得ることができる。
マスク装着者は、マスクにおける耳かけ部の左右下部にそれぞれ連結部を連結することにより、マスク操作具をマスクに取り付けることができる。
マスクを通常通り使用するときは、マスクを装着した状態で、湾曲状の操作部を顎部下方に位置させることができるので、マスク操作具は邪魔にならない。
この状態から、マスクの位置を変更したい(ずらしたい)ときには、操作部を摘まんで所望の位置まで移動させると、左右の連結部が、マスクの左右両端の下部を移動させることとなり、マスクの位置を所望の位置にづらすことが可能となる。
以上のように、このマスク操作具によれば、必要時に、マスク本体を手で摘まむことなくマスクの位置をずらす(変更する)ことができる。
しかも、操作部は片手で操作できるため、マスクの位置を片手でずらす(変更する)ことができる。
したがって、例えば、飲食時等の必要時には、操作部を摘まんで顔面前方の所望の位置(例えば鼻の位置)まで持ち上げると、左右の連結部が、マスクの左右両端の下部を上方に持ち上げる状態となり、マスクの位置を所望の位置にづらすことが可能となる。
したがってまた、例えば操作部を片手で操作して口部を開放し、食べ物を口に入れることが可能となる。
【0009】
このマスク操作具においては、
前記連結部は操作部の左右両端が屈曲され、この屈曲部に耳かけ部の左右下部が嵌まり込むフック状の連結部である構成とすることができる。
このように構成すると、フック状の連結部に耳かけ部の下部を嵌め入れることにより、マスク操作具をマスクに容易に取り付けることができる。
【0010】
このマスク操作具においては、
正面視で、前記湾曲状の操作部は、左右方向長さが100mm~150mm、上下方向高さが40mm~80mmである構成とすることができる。
正面視で、湾曲状の操作部の左右方向長さが100mm未満であると、湾曲状の操作部を、マスク装着者の顎の下部にうまく位置させることができなくなるおそれがある。逆に、湾曲状の操作部の左右方向長さが150mmを超えると、装着時に操作部が邪魔になりやすくなるおそれがある。
また、操作部の上下方向高さが40mm未満であると、湾曲状の操作部を、マスク装着者の顎の下部にうまく位置させることができなくなるおそれがある。逆に、操作部の上下方向高さが80mmを超えると、装着時に操作部が邪魔になりやすくなるおそれがある。
これに対し、正面視で、前記湾曲状の操作部の左右方向長さが100mm~150mm、上下方向高さ40mm~80mmであると、湾曲状の操作部を、マスク装着者の顎の下部にうまく位置させることができるとともに、装着時に操作部が邪魔になりにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係るマスク操作具の実施の形態を示す図で、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は右側面図、(d)は底面図、(e)は図(a)におけるe-e端面図。
図2】使用状態を示す図で、(a)は正面図、(b)は右側面図。
図3】使用状態を示す図で、(a)は正面図、(b)は右側面図。
図4】使用状態を示す右側面図。
図5】使用状態を示す右側面図。
図6】使用状態を示す図で、(a)は正面図、(b)は右側面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係るマスク操作具の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図において、同一部分ないし相当する部分には、同一の符号を付してある。
【0013】
図1図2に示すように、この実施の形態のマスク操作具10は、
マスク本体21(図2参照)と、このマスク本体21の左右に設けられた耳かけ部22とを有するマスク20を操作するためのマスク操作具であって、
図2に示すように、使用時にマスク装着者Uの顎部U1の下方に位置し得る湾曲状の操作部11と、
この操作部11の左右両端に設けられ、マスク装着者Uが装着するマスク20における耳かけ部22の左右下部(マスク本体下部との連結部近く)23にそれぞれ連結される連結部12と、
を備えている。
【0014】
このマスク操作具10は、上記の構成となっているので、次のようにして使用することができ、所望の作用効果を得ることができる。
【0015】
図2に示すように、マスク装着者Uは、マスク20における耳かけ部22の左右下部23にそれぞれ連結部12を連結することにより、マスク操作具10をマスク20に取り付けて使用する。
【0016】
図2に示すように、マスク20を通常通り使用するときは、マスク20を装着した状態で、湾曲状の操作部11を顎部U1の下方に位置させることができるので、マスク操作具10は邪魔にならない。
【0017】
この状態から、マスク20の位置を変更したい(ずらしたい)ときには、操作部11を摘まんで所望の位置まで移動させる。すると、左右の連結部12が、マスク20の左右両端の下部23を移動させることとなり、マスク20の位置を所望の位置にづらすことが可能となる。
【0018】
以上のように、このマスク操作具によれば、必要時に、マスク20本体21を手で摘まむことなくマスク20の位置をずらす(変更する)ことができる。
【0019】
しかも、操作部11は片手で摘まんで操作できるため、マスク20の位置を片手でずらす(変更する)ことができる。
【0020】
したがって、飲食時等の必要時には、例えば図3に示すように、操作部11を摘まんで(つまむ手は図示していない)顔面前方の所望の位置(例えば鼻の位置)P1まで引張ながら持ち上げると、左右の連結部12が、マスク20の左右両端の下部23を顔面前方上方に持ち上げる状態となり、マスク20の位置を所望の位置にづらすことが可能となる。
したがってまた、例えば操作部11を片手で操作して口部U3を開放し、他方の手で食べ物を口に入れることが可能となる。
なお、図3は一例であって、マスク20の材質、形態等が異なれば、操作部11を摘まんで顔面前方の所望の位置P1まで引っ張って持ち上げた際のマスク本体21の状態は、例えば図6に示すように湾曲した状態となることもある。
【0021】
また、図2に示す状態から、操作部11を持って下方に引き下げれば、図4に示すように、鼻U2を開放し得るし、さらに引き下げれば、図5に示すように、マスク20を顎U1の位置まで下げることもできる。
【0022】
図4図5いずれの場合も、操作部11を持って下方に引き下げた後、操作部11から手を離せば、マスク操作具10は元の位置(図2に示す位置)に戻り、それに伴って、マスク本体21は上下方向に折られるように縮んだ状態となる。
【0023】
図1に示すように、連結部12は操作部11の左右両端が屈曲され、図2に示すように、この屈曲部(12)に耳かけ部22の左右下部23が嵌まり込むフック状の連結部12である。
【0024】
このように構成すると、フック状の連結部12に耳かけ部22の下部23を嵌め入れることにより、マスク操作具10をマスク20に容易に取り付けることができる。
【0025】
正面視(図1(a))で、湾曲状の操作部11は、左右方向長さL1が100mm~150mm、上下方向高さH1が40mm~80mmとする。
【0026】
このように構成すると、湾曲状の操作部11を、マスク装着者Uの顎U1の下部にうまく位置させることができるとともに、装着時に操作部11が邪魔になりにくくなる(図2参照)。
【0027】
正面視で、湾曲状の操作部11の左右方向長さL1が100mm未満であると、湾曲状の操作部11を、マスク装着者Uの顎U1の下部にうまく位置させることができなくなるおそれがある。逆に、湾曲状の操作部11の左右方向長さL1が150mmを超えると、装着時に操作部11が邪魔になりやすくなるおそれがある。
また、操作部11の上下方向高さH1が40mm未満であると、湾曲状の操作部11を、マスク装着者Uの顎U1の下部にうまく位置させることができなくなるおそれがある。逆に、操作部11の上下方向高さH1が80mmを超えると、装着時に操作部11が邪魔になりやすくなるおそれがある。
【0028】
これに対し、正面視で、湾曲状の操作部11の左右方向長さL1が100mm~150mm、上下方向高さH140mm~80mmであると、湾曲状の操作部11を、マスク装着者Uの顎U1の下部にうまく位置させることができるとともに、装着時に操作部11が邪魔になりにくくなる。
【0029】
マスク操作具10は、上述したような、マスクへの取付および操作が可能な適宜の材料で構成することができる。例えば、合成樹脂や金属で構成することができる。この実施の形態のマスク操作具10は、PLA樹脂で構成する。
【0030】
このマスク操作具10を取り付けて操作することができるマスクは、市販されているマスク(マスク本体21と、このマスク本体21の左右に設けられた耳かけ部22とを有するマスク)であり、耳かけ部22は、紐状、帯状のいずれでもよい。連結部12を連結できるものであれば良い。
【0031】
連結部12は、マスク20における耳かけ部22の左右下部23に連結できる構成であれば適宜の構成(開閉機能付きリングや輪バネ等)を採用し得るが、この実施の形態のように、操作部11の左右両端が屈曲され、図2に示すように、この屈曲部(12)に耳かけ部22の左右下部23が嵌まり込むフック状の連結部12とするのが望ましい。
【0032】
このように構成すると、連結部12を操作部11と一体的に形成することができる。
【0033】
フックをなす折り返し部12fの長さは適宜設定でき、例えば、8~14mm程度とする。
また、折り返し部12fと操作部11との間の隙間Cは、0.5~1mm程度とする。
操作部11及び折り返し部の幅W1は4~8mm程度とし、厚さT1は、1~3mm程度とする。
【0034】
この実施の形態のマスク操作具10は、PLA樹脂の一体成形品であり、湾曲状の操作部11は、左右方向長さL1が約130mm、上下方向高さH1が約60mm、折り返し部12fの長さは約10mm、折り返し部12fと操作部11との間の隙間Cは、入り口部分が約1mm、奥部が約0.5mm、操作部11及び折り返し部の幅W1は約6mm、厚さT1は、約2mmとなっている。
【0035】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。例えば、
【0036】
上記の実施の形態では、操作部11および折り返し部12fの断面形状は矩形(図1(e)参照)となっているが、断面形状は、円形、楕円形等適宜設定することができる。
【符号の説明】
【0037】
10: マスク操作具
11: 操作部
12: 連結部
20: マスク
21: マスク本体
22: 耳かけ部
23: 左右下部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2021-06-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスク本体(21)と、このマスク本体(21)の左右に設けられた耳かけ部(22)とを有するマスク(20)を操作するためのマスク操作具であって、
使用時にマスク装着者(U)の顎部下方に位置し得る湾曲状の操作部(11)と、
この操作部(11)の左右両端に設けられ、マスク装着者(U)が装着するマスク(20)における耳かけ部(22)の左右根元部(23)にそれぞれ連結される連結部(12)と、
を備え
前記連結部(12)は操作部(11)の左右両端が屈曲され、この屈曲部に耳かけ部(22)の左右根元部(23)が嵌まり込むフック状の連結部(12)であり、
正面視で、前記湾曲状の操作部(11)は、左右方向長さ(L1)が100mm~150mm、上下方向高さ(H1)が40mm~80mmであり、
フック状の連結部(12)をなす折り返し部(12f)の長さは8mm~14mm、折り返し部(12f)と操作部(11)との間の隙間(C)は、0.5mm~1mm、操作部(11)及び折り返し部(12f)の幅(W1)は4mm~8mm、厚さ(T1)は1mm~3mmであることを特徴とするマスク操作具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
図1図2に示すように、この実施の形態のマスク操作具10は、
マスク本体21(図2参照)と、このマスク本体21の左右に設けられた耳かけ部22とを有するマスク20を操作するためのマスク操作具であって、
図2に示すように、使用時にマスク装着者Uの顎部U1の下方に位置し得る湾曲状の操作部11と、
この操作部11の左右両端に設けられ、マスク装着者Uが装着するマスク20における耳かけ部22の左右下部(マスク本体下部との連結部近くであり、根元部)23にそれぞれ連結される連結部12と、
を備えている。