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  • 特開-ローターレンチ装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022118642
(43)【公開日】2022-08-15
(54)【発明の名称】ローターレンチ装置
(51)【国際特許分類】
   B25B 13/00 20060101AFI20220805BHJP
   B25B 13/02 20060101ALI20220805BHJP
【FI】
B25B13/00 E
B25B13/02 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021015319
(22)【出願日】2021-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】521049975
【氏名又は名称】陳怡富
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】陳怡富
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ローターレンチを提供する。
【解決手段】接続部11及び2つのラグ部12を含み、2つのラグ部と接続部との間には枢動スペース13を形成し、且つ接続部の他端の端面にはソケット部14を設けているアダプター1と、枢動スペースに設置しているディテント組立部材2であって、2つのラグ部の一端からそれぞれ貫設していると共にディテント組立部材をロックする2つのロック部材3をさらに設置し、ディテント組立部材は枢動スペース内で枢動し、且つ外輪ブロック21及び駆動組み立て部22をさらに含み、外輪ブロックを貫通している取付孔をさらに設け、駆動組み立て部は取付孔内に装設し、且つスピン制御部221及び接合部222を備えている。アダプターのソケット部に手工具を装設して使用可能にし、ディテント組立部材が枢動スペース内で回転することにより作業方向を改変し、且つスピン制御部の制御により接合部の回転方向を調整する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続部及び前記接続部の一端から上に向けて弧状に延伸している2つのラグ部を含み、前記2つのラグ部と前記接続部との間には枢動スペースを形成し、前記接続部の他端面にはソケット部を設けているアダプターと、
前記枢動スペースに設置しているディテント組立部材であって、前記2つのラグ部の一端からそれぞれ貫設していると共に前記ディテント組立部材をロックする2つのロック部材をさらに設置し、前記ディテント組立部材は前記2つのロック部材のロックセットにより前記枢動スペース内で枢動し、且つ外輪ブロック及び駆動組み立て部をさらに含み、前記外輪ブロックを貫通している取付孔をさらに設け、前記駆動組み立て部は前記取付孔内に装設し、且つ前記取付孔の外にそれぞれ突出しているスピン制御部及び接合部を具備し、前記スピン制御部の回転により前記接合部の回転方向を変更することと、を備え、
前記アダプターのソケット部を設けることで手工具を装設して使用可能にし、前記ディテント組立部材が前記枢動スペース内で回転することにより作業方向を改変し、且つ前記スピン制御部が制御することにより前記接合部の回転方向を調整し、こうして多機能な使用法を提供することを特徴とするローターレンチ装置。
【請求項2】
前記2つのラグ部の上端面には第一延長線をさらに定義し、前記2つのラグ部と前記接続部との接続箇所には第二延長線を定義し、前記接続部の下端の端面には第三延長線を定義し、前記第二延長線から前記第三延長線までの距離は前記第一延長線から第二延長線までの距離より短いことを特徴とする請求項1に記載のローターレンチ装置。
【請求項3】
前記2つのロック部材を基準として横軸を定義し、前記接続部を基準軸方向として縦軸を定義し、前記横軸は前記縦軸と交差し、且つ前記ディテント組立部材の擺動方向は前記横軸を枢軸とし、前記接合部が前記縦軸の一側から他側まで擺動する方向を擺動方向とすることを特徴とする請求項1に記載のローターレンチ装置。
【請求項4】
前記接続部の外形は六角形または異形を呈し、前記ソケット部は前記接続部の下端の端面を貫通する孔であり、前記ソケット部の孔形は四角形、六角形、八角形、または多辺形を呈し、或いは、前記ソケット部は前記接続部の下端面に凹設している溝であり、前記ソケット部の溝形は四角形、六角形、八角形、または多辺形を呈していることを特徴とする請求項1に記載のローターレンチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローターレンチ装置に関し、詳しくは、手工具分野に適用する技術に関し、可正逆に駆動するように操作可能であり、且つ反転調整することで使用方向を改変し、挿着、被装等の方式で装設することで使用する手工具に組み合わせ、手間と労力を減らす極めて実用的な発明である。
【背景技術】
【0002】
レンチは現在多くのユーザーが作業時に役立てており、ユーザーが多くの物品を着脱できるようにしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前述した従来のレンチ技術では、レンチを異なる物品の寸法、大きさ等に適合させるため、寸法の設計では非常に多くの型番号を有している。場所の大きさによる制限もあり、レンチには同じ長さの多くの仕様が存在し、ユーザーは異なる仕様の多くのレンチを携帯して使用せねばならず、重量がむやみに増え、操作にも影響を及ぼした。このため、現在ユーザーがより楽に作業を行えるようにすることが求められている。
【0004】
そこで、本発明者は上記の欠点が改善可能と考え、鋭意検討を重ねた結果、合理的設計で上記の課題を効果的に改善する本発明の提案に至った。
【0005】
本発明は、以上の従来技術の課題を解決する為になされたものである。即ち、本発明の目的は、ローターレンチ装置を提供することである。つまり、ユーザーが現場の環境に合わせて作業方向を適合する形態に随時調整可能にする。さらに重要な点は、ユーザーが携帯する上での重量を減らし、従来の技術について指摘されている問題点を改善する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のローターレンチ装置は、
接続部及び前記接続部の一端から上に向けて弧状に延伸している2つのラグ部を含み、前記2つのラグ部と前記接続部との間には枢動スペースを形成し、前記接続部の他端面にはソケット部を設けているアダプターと、
前記枢動スペースに設置しているディテント組立部材であって、前記2つのラグ部の一端からそれぞれ貫設していると共に前記ディテント組立部材をロックする2つのロック部材をさらに設置し、前記ディテント組立部材は前記2つのロック部材のロックセットにより前記枢動スペース内で枢動し、且つ外輪ブロック及び駆動組み立て部をさらに含み、前記外輪ブロックを貫通している取付孔をさらに設け、前記駆動組み立て部は前記取付孔内に装設し、且つ前記取付孔の外にそれぞれ突出しているスピン制御部及び接合部を具備し、前記スピン制御部の回転により前記接合部の回転方向を変更することと、を備えている。
前記アダプターのソケット部を設けることで手工具を装設して使用可能にし、前記ディテント組立部材が前記枢動スペース内で回転することにより作業方向を改変し、且つ前記スピン制御部が制御することにより前記接合部の回転方向を調整し、こうして多機能な使用法を提供する。
【発明の効果】
【0007】
以上を総合すると、ユーザーは施工時に、ディテント組立部材を有しているアダプターを携帯するのみでよく、レンチ、モンキーレンチ、スリーブを付設しているレンチ等の常用の手工具と組み合わせて使用することで、ユーザーは様々な仕事環境で容易に作業を行えるようになる。前記ディテント組立部材を前記枢動スペース内で枢動することで前記駆動組み立て部の駆動方向を変更し、こうしてユーザーはどのような施工環境であっても着脱作業を行えるようになり、各種の寸法の重いレンチをいくつも携帯する必要がなくなる。前記接合部とスリーブとを装設させるのみで作業が行えるようになり、いくつも携帯する負担が減り、ユーザーがより楽に施工を行えるようになる。よって、本発明は非常に高い実用性及び進歩性を有した発明であり、産業界で推進し、広く社会一般に広める価値がある。
【0008】
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係るローターレンチ装置を示す外観斜視図である。
図2】本発明を他の角度から見た外観斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係るローターレンチ装置を示す平面概略図である。
図4図1のIV-IV線に沿う部分の断面模式図である。
図5】本発明のディテント組立部材が回転を行うときの作動模式図である。
図6】本発明の他の実施形態による接続部が六角形である斜視概略図である。
図7図6のVII-VII線に沿うソケット部が溝状を示す他の実施形態部分の断面模式図である。
図8】本発明とT型レンチにより組み立てを示す使用概略図である。
図9】本発明とソケットおよびレンチにより組み立てを示す使用概略図である。
図10図9の分解概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【0011】
以下、図1~10を参照しながら、本発明のローターレンチ装置をさらに詳しく説明する。本発明のローターレンチ装置は、Y字形を呈し、接続部11及び前記接続部11の一端から上に向けて弧状に延伸している2つのラグ部12を含み、前記接続部11は柱状であり、且つ前記2つのラグ部12と一体成形し、前記2つのラグ部12は弧状片であり、前記2つのラグ部12と前記接続部11との間に枢動スペース13を形成し、前記接続部11の他端面にはソケット部14を設け、前記ソケット部14及び前記接続部11には他の手工具10を装設しているアダプター1と、前記枢動スペース13に設置しているディテント組立部材2であって、前記2つのラグ部12の一端からそれぞれ貫設していると共に前記ディテント組立部材2をロックする2つのロック部材3をさらに設置し、前記ディテント組立部材2は前記2つのロック部材3のロックセットにより前記枢動スペース13内で枢動し、且つ外輪ブロック21及び駆動組み立て部22をさらに具備し、前記外輪ブロック21を貫通している取付孔23をさらに設け、前記駆動組み立て部22は前記取付孔23内に装設し、且つ前記取付孔23の外にそれぞれ突出しているスピン制御部221及び接合部222を含むことと、を備えている。なお、前記スピン制御部221の回転により前記接合部222の回転方向を変更し、前記接合部222には手工具10(この手工具10はスリーブ)を装設する。前記アダプター1のソケット部14を設けることにより手工具10を装設して使用可能にし、前記ディテント組立部材2が前記枢動スペース13内で回転することにより作業方向を改変する。なお、前記スピン制御部221が制御することにより前記接合部222の回転方向を調整し、多機能の使用法を提供している。
【0012】
一般的な従来の部材の着脱作業では、大部分のユーザーは多くの寸法のレンチを携帯して各種部材に対応しなければならないが、多くのレンチは一定の長さ、体積、重量を有しているため、ユーザーは作業時に非常に重い工具箱を携帯して上り下りしなければならず、作業現場に十分な広さがない場合、手足を伸ばして作業できなかった。このため、この問題を解決するために、本発明は前記アダプター1及び前記ディテント組立部材2を装設することで、ユーザーが本発明に加えて少量の手工具10を携帯するのみで、手工具10の駆動接続部11を利用し、前記ディテント組立部材2の接合部222に手工具10(この手工具10はスリーブ)を組み合わせることで、ユーザーが施工環境の広さに応じて枢動スペース13内での前記ディテント組立部材2の擺動方向を調整し、環境の空間に適合させることができる。また、スピン制御部221が回転することにより前記接合部222の駆動方向を時計回りまたは反時計回りに回転するように変更し、これにより部材を取り外すか装設して施工を行えるようにしている。ユーザーは少量の手工具10を携帯し、本発明を組み合わせた後に任意の現場で施工を行えるようになり、制限もなく、各種寸法のレンチを携帯するのに比べてユーザーが負担する重量も大きく減少し、楽に施工を行えるようになる。
【0013】
上述の説明に加え、さらに本発明の他の技術的特徴の細部について以下に説明する。まず、図3に示されるように、本発明はスリーブのように短小で携帯しやすいが、全体的な長さの設計では一般的なレンチの把持箇所が欠落している。より子細な特徴は、前記2つのラグ部12の上端面には第一延長線Aをさらに定義し、前記2つのラグ部12と前記接続部11との接続箇所には第二延長線Bを定義し、前記接続部11の底端面には第三延長線Cを定義している。前記第二延長線Bから前記第三延長線Cまでの距離は前記第一延長線Aから第二延長線Bまでの距離より短い。この設置方式により前記接続部11及び手工具10の装設時に堅固に力をかけやすくなるほか、前記2つのラグ部12は前記ディテント組立部材2及び手工具10(この手工具10はスリーブ)を接合した後の駆動力を受容し、本発明が確実に部材の着脱作業に使用可能になる。
【0014】
また、前記接続部11と前記2つのラグ部12との間の距離比が制限されている以外、前記ディテント組立部材2の枢動も制限されている。前記ディテント組立部材2の枢動は前記2つのロック部材3を基準として横軸Dを定義し、前記接続部11を基準軸方向として縦軸Eを定義し、前記横軸Dは前記縦軸Eと交差している。なお、前記ディテント組立部材2の擺動方向は、前記横軸Dを枢軸として前記接合部222が前記縦軸Eの一側から他側まで擺動する方向とし、図5に示す前記縦軸Eの両側の矢印により前記ディテント組立部材2の枢動方向を示す。これにより、ユーザーは異なる施工環境に合わせて前記ディテント組立部材2を枢動し、最良の操作形態にして部材の着脱作業を行う。
【0015】
最後に、本発明に各種手工具10を装設可能にするための前記接続部11及び前記ソケット部14の設計を図9及び図10に示す。まず、前記接続部11の外形は六角形または異形を呈し、このように設けることでモンキーレンチ及び開口レンチに適合して使用可能になる。ユーザーはモンキーレンチ及び開口レンチを前記接続部11の外側から挿入し、且つ前記接続部11の外形に相互に係合することで本発明を駆動させる。なお、図9及び図10に示されるように、前記接続部11及び手工具10(この手工具10はスリーブにレンチを加えたもの)を組み合わせて使用し、接続部11を手工具10(この手工具10はスリーブ)の一端に挿入し、手工具10(この手工具10はスリーブ)の一端はレンチに組み合わせ、本発明を駆動して使用する。また、本発明はソケット部14の設計上2種類の異なる形態を有し、図4によると前記ソケット部14は前記接続部11の底端面を貫通する孔であり、前記ソケット部14の孔形は四角形、六角形、八角形、または多辺形を呈している。図6及び図7によれば、前記ソケット部14は前記接続部11の底端面に内設している溝であり、前記ソケット部14の溝形は四角形、六角形、八角形、または多辺形を呈している。前記ソケット部14の異なる形態もT型レンチ等の各種手工具10に組み合わせて使用可能である(図8参照)。各種造形の接続部11に組み合わせて使用するために上述のソケット部14は溝または孔の造形で設け、図示する形状に制限せず、本発明により前記接続部11、前記ソケット部14、及び各種手工具10を多元的な組み合わせで使用可能にし、ユーザーが弾力的に操作可能になり、且つ携帯する手工具10も重くならず、施工に影響を生じない。
【0016】
以上を総合すると、本発明により多くの手工具10を組み合わせて使用可能になり、様々に異なる環境でも最良の施工品質を維持し、部材の着脱を堅固に実行し、余計な重量負担を減らし、ユーザーが楽に施工可能になる。従来の技術では施工毎に毎回異なる寸法の重いレンチを多く携帯しなければならず、重量の負担が大きかったが、本発明では従来の問題を確実に解決し、大衆が使用するのにより適合し、本発明は明らかに一定程度の進歩性及び実用性を有している。
【0017】
従って、本明細書に開示された実施例は、本発明を限定するものではなく、説明するためのものであり、このような実施例によって本発明の思想と範囲が限定されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲により解釈すべきであり、それと同等の範囲内にある全ての技術は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈すべきである。
【符号の説明】
【0018】
10 手工具
1 アダプター
11 接続部
12 ラグ部
13 枢動スペース
14 ソケット部
2 ディテント組立部材
21 外輪ブロック
22 駆動組み立て部
221 スピン制御部
222 接合部
23 取付孔
3 ロック部材
A 第一延長線
B 第二延長線
C 第三延長線
D 横軸
E 縦軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10