IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝メモリ株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022118667
(43)【公開日】2022-08-15
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/11582 20170101AFI20220805BHJP
   H01L 27/11556 20170101ALI20220805BHJP
   H01L 27/11548 20170101ALI20220805BHJP
   H01L 27/11575 20170101ALI20220805BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20220805BHJP
【FI】
H01L27/11582
H01L27/11556
H01L27/11548
H01L27/11575
H01L29/78 371
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021015362
(22)【出願日】2021-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹中 博幸
(72)【発明者】
【氏名】千葉 明彦
(72)【発明者】
【氏名】東辻 哲平
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 清史
(72)【発明者】
【氏名】中佐 広章
(72)【発明者】
【氏名】馬込 陽一
【テーマコード(参考)】
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F083EP02
5F083EP18
5F083EP22
5F083EP32
5F083EP76
5F083ER21
5F083GA09
5F083GA10
5F083GA27
5F083JA03
5F083JA19
5F083JA35
5F083JA36
5F083JA37
5F083JA39
5F083JA56
5F083KA01
5F083KA05
5F083MA06
5F083MA16
5F083MA19
5F083PR41
5F101BA02
5F101BA46
5F101BB02
5F101BD16
5F101BD22
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE07
5F101BH21
(57)【要約】
【課題】高集積化の容易な半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】半導体記憶装置は、第1半導体基板と、第2半導体基板と、第1半導体基板と第2半導体基板との間に設けられた第1メモリセル及び第2メモリセルと、第1メモリセルに接続された第1ワード線と、第2メモリセルに接続された第2ワード線と、第1半導体基板に設けられ第1ワード線に電気的に接続された第1トランジスタと、第2半導体基板に設けられ第2ワード線に電気的に接続された第2トランジスタと、を備える。
【選択図】図26
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1半導体基板と、
第2半導体基板と、
前記第1半導体基板と、前記第2半導体基板と、の間に設けられた第1メモリセル及び第2メモリセルと、
前記第1メモリセルに接続された第1ワード線と、
前記第2メモリセルに接続された第2ワード線と、
前記第1半導体基板に設けられ、前記第1ワード線に電気的に接続された第1トランジスタと、
前記第2半導体基板に設けられ、前記第2ワード線に電気的に接続された第2トランジスタと
を備える半導体記憶装置。
【請求項2】
第1チップ及び第2チップを備え、
前記第1チップは、
前記第1半導体基板と、
前記第1メモリセル及び前記第2メモリセルと、
前記第1ワード線と、
前記第2ワード線と、
前記第1トランジスタと、
前記第2ワード線に電気的に接続された第1貼合電極と
を備え、
前記第2チップは、
前記第2半導体基板と、
前記第2トランジスタと、
前記第2トランジスタに電気的に接続された第2貼合電極と
を備え、
前記第2チップは、前記第1貼合電極及び前記第2貼合電極を介して、前記第1チップに貼合されている
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記第1半導体基板は、前記第1トランジスタの一部として機能する第1アクティブ領域を備え、
前記第2半導体基板は、前記第2トランジスタの一部として機能する第2アクティブ領域を備え、
前記第1ワード線の延伸方向を第1方向とし、
前記第1アクティブ領域の前記第1方向における幅を第1の幅とし、
前記第2アクティブ領域の前記第1方向における幅を第2の幅とすると、
前記第1の幅は、前記第2の幅よりも大きい
請求項1又は2記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
第1チップ、第2チップ及び第3チップを備え、
前記第1チップは、
前記第1メモリセル及び前記第2メモリセルと、
前記第1ワード線と、
前記第2ワード線と、
前記第1ワード線に電気的に接続された第1貼合電極と、
前記第2ワード線に電気的に接続された第2貼合電極と
を備え、
前記第2チップは、
前記第1半導体基板と、
前記第1トランジスタと、
前記第1トランジスタに電気的に接続された第3貼合電極と
を備え、
前記第3チップは、
前記第2半導体基板と、
前記第2トランジスタと、
前記第2トランジスタに電気的に接続された第4貼合電極と
を備え、
前記第2チップは、前記第1貼合電極及び前記第3貼合電極を介して、前記第1チップに貼合され、
前記第3チップは、前記第2貼合電極及び前記第4貼合電極を介して、前記第1チップに貼合されている
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記第1半導体基板の表面と交差する第2方向に延伸する第1コンタクトを備え、
前記第1ワード線及び前記第2ワード線は、前記第2方向に並び、
前記第1コンタクトの前記第2方向における一端は、前記第1ワード線及び前記第2ワード線よりも前記第1半導体基板に近く、
前記第1コンタクトの前記第2方向における他端は、前記第1ワード線及び前記第2ワード線よりも前記第2半導体基板に近く、
前記第1ワード線は、前記第1コンタクトを介して、前記第1トランジスタに電気的に接続されている
請求項1~4のいずれか1項記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
第1半導体基板と、第2半導体基板と、これらの間に設けられた第1メモリセル及び第2メモリセルと、第1メモリセルに接続された第1ワード線と、第2メモリセルに接続された第2ワード線と、第1ワード線に電気的に接続された第1トランジスタと、第2ワード線に電気的に接続された第2トランジスタと、を備える半導体記憶装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-026518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高集積化の容易な半導体記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一の実施形態に係る半導体記憶装置は、第1半導体基板と、第2半導体基板と、第1半導体基板と第2半導体基板との間に設けられた第1メモリセル及び第2メモリセルと、第1メモリセルに接続された第1ワード線と、第2メモリセルに接続された第2ワード線と、第1半導体基板に設けられ第1ワード線に電気的に接続された第1トランジスタと、第2半導体基板に設けられ第2ワード線に電気的に接続された第2トランジスタと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態に係るメモリシステム10の構成を示す模式的なブロック図である。
図2】同メモリシステム10の構成例を示す模式的な側面図である。
図3】同構成例を示す模式的な平面図である。
図4】メモリダイMDの構成を示す模式的なブロック図である。
図5】メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な回路図である。
図6】メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な回路図である。
図7】メモリダイMDの構成例を示す模式的な分解斜視図である。
図8】メモリダイMDの構成例を示す模式的な分解斜視図である。
図9】チップCの模式的な断面図である。
図10図9のAで示した部分の模式的な拡大図である。
図11】チップCの模式的な下面図である。
図12図11のBで示した部分の模式的な拡大図である。
図13図11のCで示した部分の模式的な拡大図である。
図14図13のDで示した部分の模式的な拡大図である。
図15図14のEで示した部分の模式的な拡大図である。
図16】チップCの模式的な断面図である。
図17】メモリダイMDの構成を示す模式的な断面図である。
図18】チップCのメモリセルアレイ層LMCA1,LMCA2における構成を示す模式的な下面図である。
図19】チップCのトランジスタ層LTRにおける構成を示す模式的な下面図である。
図20】チップCの構成を示す模式的な平面図である。
図21】チップCのトランジスタ層LTRの模式的な下面図である。
図22】チップCの一部の構成を示す模式的な平面図である。
図23】第2実施形態に係る半導体記憶装置について説明するための模式的な断面図である。
図24】第3実施形態に係る半導体記憶装置について説明するための模式的な断面図である。
図25】第4実施形態に係る半導体記憶装置について説明するための模式的な断面図である。
図26】その他の実施形態に係る半導体記憶装置について説明するための模式的な断面図である。
図27】その他の実施形態に係る半導体記憶装置について説明するための模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
次に、実施形態に係る半導体記憶装置を、図面を参照して詳細に説明する。尚、以下の実施形態はあくまでも一例であり、本発明を限定する意図で示されるものではない。また、以下の図面は模式的なものであり、説明の都合上、一部の構成等が省略される場合がある。また、複数の実施形態について共通する部分には同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0008】
また、本明細書において「半導体記憶装置」と言った場合には、メモリダイを意味する事もあるし、メモリチップ、メモリカード、SSD(Solid State Drive)等の、コントローラダイを含むメモリシステムを意味する事もある。更に、スマートホン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等の、ホストコンピュータを含む構成を意味する事もある。
【0009】
また、本明細書において、第1の構成が第2の構成に「電気的に接続されている」と言った場合、第1の構成は第2の構成に直接接続されていても良いし、第1の構成が第2の構成に配線、半導体部材又はトランジスタ等を介して接続されていても良い。例えば、3つのトランジスタを直列に接続した場合には、2つ目のトランジスタがOFF状態であったとしても、1つ目のトランジスタは3つ目のトランジスタに「電気的に接続」されている。
【0010】
また、本明細書において、第1の構成が第2の構成及び第3の構成の「間に接続されている」と言った場合、第1の構成、第2の構成及び第3の構成が直列に接続され、且つ、第2の構成が第1の構成を介して第3の構成に接続されていることを意味する場合がある。
【0011】
また、本明細書において、回路等が2つの配線等を「導通させる」と言った場合には、例えば、この回路等がトランジスタ等を含んでおり、このトランジスタ等が2つの配線の間の電流経路に設けられており、このトランジスタ等がON状態となることを意味する事がある。
【0012】
また、本明細書においては、半導体基板の上面に対して平行な所定の方向をX方向、半導体基板の上面に対して平行で、X方向と垂直な方向をY方向、半導体基板の上面に対して垂直な方向をZ方向と呼ぶ。
【0013】
また、本明細書においては、所定の面に沿った方向を第1方向、この所定の面に沿って第1方向と交差する方向を第2方向、この所定の面と交差する方向を第3方向と呼ぶことがある。これら第1方向、第2方向及び第3方向は、X方向、Y方向及びZ方向のいずれかと対応していても良いし、対応していなくても良い。
【0014】
また、本明細書において「上」や「下」等の表現を使用した場合、例えば、メモリダイに含まれる2枚の半導体基板のうち、ボンディングパッド電極が設けられた方を上側の半導体基板とし、ボンディングパッド電極が設けられていない方を下側の半導体基板としても良い。更に、メモリダイに含まれる構成について言及する場合には、例えば、上記Z方向に沿って上側の半導体基板に近づく向きを上と、Z方向に沿って下側の半導体基板に近付く向きを下と呼んでも良い。また、ある構成について下面や下端と言う場合には、この構成の下側の半導体基板側の面や端部を意味する事とし、上面や上端と言う場合には、この構成の上側の半導体基板側の面や端部を意味する事としても良い。また、X方向又はY方向と交差する面を側面等と呼んでも良い。
【0015】
[第1実施形態]
[メモリシステム10]
図1は、第1実施形態に係るメモリシステム10の構成を示す模式的なブロック図である。
【0016】
メモリシステム10は、ホストコンピュータ20から送信された信号に応じて、ユーザデータの読出し、書込み、消去等を行う。メモリシステム10は、例えば、メモリチップ、メモリカード、SSD又はその他のユーザデータを記憶可能なシステムである。メモリシステム10は、複数のメモリダイMDと、コントローラダイCDと、を備える。メモリダイMDは、ユーザデータを記憶する。コントローラダイCDは、複数のメモリダイMD及びホストコンピュータ20に接続される。コントローラダイCDは、例えば、プロセッサ、RAM等を備える。コントローラダイCDは、論理アドレスと物理アドレスの変換、ビット誤り検出/訂正、ガベージコレクション(コンパクション)、ウェアレベリング等の処理を行う。
【0017】
図2は、本実施形態に係るメモリシステム10の構成例を示す模式的な側面図である。図3は、同構成例を示す模式的な平面図である。説明の都合上、図2及び図3では一部の構成を省略する。
【0018】
図2に示す様に、本実施形態に係るメモリシステム10は、実装基板MSBと、複数のメモリダイMDと、コントローラダイCDと、を備える。実装基板MSBの上面のうち、Y方向の端部の領域にはボンディングパッド電極Pが設けられる。実装基板MSBの上面のうち、Y方向の端部以外の領域は、接着剤等を介してメモリダイMDの下面に接着される。複数のメモリダイMDは、実装基板MSBに積層される。メモリダイMDの上面のうち、Y方向の端部の領域にはボンディングパッド電極Pが設けられる。メモリダイMDの上面のうち、Y方向の端部以外の領域は、接着剤等を介して他のメモリダイMD又はコントローラダイCDの下面に接着される。コントローラダイCDは、メモリダイMDに積層される。コントローラダイCDの上面のうち、Y方向の端部の領域にはボンディングパッド電極Pが設けられる。
【0019】
図3に示す様に、実装基板MSB、複数のメモリダイMD、及び、コントローラダイCDは、それぞれ、X方向に並ぶ複数のボンディングパッド電極Pを備える。実装基板MSB、複数のメモリダイMD、及び、コントローラダイCDに設けられた複数のボンディングパッド電極Pは、それぞれ、ボンディングワイヤBを介してお互いに接続される。
【0020】
尚、図2及び図3に示した構成は例示に過ぎず、具体的な構成は適宜調整可能である。例えば、図2及び図3に示す例では、複数のメモリダイMD上にコントローラダイCDが積層される。また、メモリダイMD及びコントローラダイCDは、ボンディングワイヤBによって接続される。また、複数のメモリダイMD及びコントローラダイCDが一つのパッケージ内に含まれる。しかしながら、コントローラダイCDは、メモリダイMDとは別のパッケージに含まれても良い。
【0021】
[メモリダイMDの回路構成]
図4は、第1実施形態に係るメモリダイMDの構成を示す模式的なブロック図である。図5及び図6は、メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な回路図である。
【0022】
尚、図4には、複数の制御端子等を図示している。これら複数の制御端子は、ハイアクティブ信号(正論理信号)に対応する制御端子として表される場合がある。また、複数の制御端子は、ローアクティブ信号(負論理信号)に対応する制御端子として表される場合がある。また、複数の制御端子は、ハイアクティブ信号及びローアクティブ信号の双方に対応する制御端子として表される場合がある。図4において、ローアクティブ信号に対応する制御端子の符号は、オーバーライン(上線)を含む。本明細書において、ローアクティブ信号に対応する制御端子の符号は、スラッシュ(“/”)を含む。尚、図4の記載は例示であり、具体的な態様は適宜調整可能である。例えば、一部又は全部のハイアクティブ信号をローアクティブ信号としたり、一部又は全部のローアクティブ信号をハイアクティブ信号としたりすることも可能である。
【0023】
図4に示す様に、メモリダイMDは、メモリセルアレイMCAと、周辺回路PCと、を備える。周辺回路PCは、電圧生成回路VGと、ロウデコーダRDと、センスアンプモジュールSAMと、シーケンサSQCと、を備える。また、周辺回路PCは、キャッシュメモリCMと、アドレスレジスタADRと、コマンドレジスタCMRと、ステータスレジスタSTRと、を備える。また、周辺回路PCは、入出力制御回路I/Oと、論理回路CTRと、を備える。
【0024】
[メモリセルアレイMCAの回路構成]
メモリセルアレイMCAは、図5に示す様に、複数のメモリブロックBLKを備える。これら複数のメモリブロックBLKは、それぞれ、複数のストリングユニットSUを備える。これら複数のストリングユニットSUは、それぞれ、複数のメモリストリングMSを備える。これら複数のメモリストリングMSの一端は、それぞれ、ビット線BLを介して周辺回路PCに接続される。また、これら複数のメモリストリングMSの他端は、それぞれ、共通のソース線SLを介して周辺回路PCに接続される。
【0025】
メモリストリングMSは、ドレイン側選択トランジスタSTDと、複数のメモリセルMC(メモリトランジスタ)と、ソース側選択トランジスタSTSと、ソース側選択トランジスタSTSbと、を備える。ドレイン側選択トランジスタSTD、複数のメモリセルMC、ソース側選択トランジスタSTS、及び、ソース側選択トランジスタSTSbは、ビット線BL及びソース線SLの間に直列に接続される。以下、ドレイン側選択トランジスタSTD、ソース側選択トランジスタSTS、及び、ソース側選択トランジスタSTSbを、単に選択トランジスタ(STD、STS、STSb)と呼ぶ事がある。
【0026】
メモリセルMCは、電界効果型のトランジスタである。メモリセルMCは、半導体層、ゲート絶縁膜、及び、ゲート電極を備える。半導体層は、チャネル領域として機能する。ゲート絶縁膜は、電荷蓄積膜を含む。メモリセルMCのしきい値電圧は、電荷蓄積膜中の電荷量に応じて変化する。メモリセルMCは、1ビット又は複数ビットのデータを記憶する。尚、1のメモリストリングMSに対応する複数のメモリセルMCのゲート電極には、それぞれ、ワード線WLが接続される。これらワード線WLは、それぞれ、1のメモリブロックBLK中の全てのメモリストリングMSに共通に接続される。
【0027】
選択トランジスタ(STD、STS、STSb)は、電界効果型のトランジスタである。選択トランジスタ(STD、STS、STSb)は、半導体層、ゲート絶縁膜、及び、ゲート電極を備える。半導体層はチャネル領域として機能する。選択トランジスタ(STD、STS、STSb)のゲート電極には、それぞれ、選択ゲート線(SGD、SGS、SGSb)が接続される。1つのドレイン側選択ゲート線SGDは、1つのストリングユニットSU中の全てのメモリストリングMSに共通に接続される。1つのソース側選択ゲート線SGSは、1つのメモリブロックBLK中の全てのメモリストリングMSに共通に接続される。1つのソース側選択ゲート線SGSbは、1つのメモリブロックBLK中の全てのメモリストリングMSに共通に接続される。
【0028】
[電圧生成回路VGの回路構成]
電圧生成回路VG(図4)は、例えば、降圧回路及び昇圧回路を含む。降圧回路は、例えばレギュレータ等である。昇圧回路は、例えばチャージポンプ回路等である。これら降圧回路及び昇圧回路は、それぞれ、電源電圧供給線に接続される。電源電圧供給線には、電源電圧VCC及び接地電圧VSSが供給される。電源電圧供給線は、例えば、図2図3を参照して説明したボンディングパッド電極Pに接続される。電圧生成回路VGは、複数通りの動作電圧を生成し、複数の電圧供給線に同時に出力する。これら複数通りの動作電圧は、例えば、メモリセルアレイMCAに対する読出動作、書込動作、及び、消去動作に際して、ビット線BL、ソース線SL、ワード線WL及び選択ゲート線(SGD、SGS、SGSb)に供給される。動作電圧は、シーケンサSQCからの制御信号に従って適宜調整される。
【0029】
[ロウデコーダRDの回路構成]
ロウデコーダRDは、例えば図6に示す様に、ブロックデコーダBLKDを備える。
【0030】
ブロックデコーダBLKDは、複数のブロックデコードユニットblkdを備える。複数のブロックデコードユニットblkdは、メモリセルアレイMCA中の複数のメモリブロックBLKに対応して設けられる。ブロックデコードユニットblkdは、複数のトランジスタTBLKを備える。複数のトランジスタTBLKは、メモリブロックBLK中の複数のワード線WLに対応して設けられる。トランジスタTBLKは、例えば、電界効果型のNMOSトランジスタである。トランジスタTBLKのドレイン電極は、ワード線WLに接続される。トランジスタTBLKのソース電極は、配線CGに接続される。配線CGは、ブロックデコーダBLKD中の複数のブロックデコードユニットblkdに接続される。例えば、配線CGは、ブロックデコーダBLKD中の全てのブロックデコードユニットblkdに接続されても良い。トランジスタTBLKのゲート電極は、信号供給線BLKSELに接続される。信号供給線BLKSELは、全てのブロックデコードユニットblkdに対応して複数設けられる。また、信号供給線BLKSELは、ブロックデコードユニットblkd中の全てのトランジスタTBLKに接続される。
【0031】
読出動作、書込動作等においては、例えば、アドレスレジスタADR(図4)に保持されたアドレスデータDADDに含まれるロウアドレスRAに対応する一つの信号供給線BLKSELが“H”状態となり、その他の信号供給線BLKSELが“L”状態となる。例えば、一つの信号供給線BLKSELに正の大きさを有する所定の駆動電圧が供給され、その他の信号供給線BLKSELに接地電圧VSS等が供給される。これにより、このロウアドレスRAに対応する一つのメモリブロックBLK中の全てのワード線WLが全ての配線CGと導通する。また、その他のメモリブロックBLK中の全てのワード線WLがフローティング状態となる。
【0032】
また、ロウデコーダRDは、図示しないデコード回路と、図示しないスイッチ回路と、を備える。
【0033】
図示しないデコード回路は、例えば、シーケンサSQC(図4)からの制御信号に従って順次ロウアドレスRAをデコードして、複数の信号供給線BLKSELのうちの一つを選択的に“H”状態とし、残りを“L”状態とする。スイッチ回路は、デコード回路及びシーケンサSQCの出力信号に応じて、電圧生成回路VGから出力された複数の電圧を所望の配線CGに供給する。
【0034】
[センスアンプモジュールSAMの回路構成]
センスアンプモジュールSAM(図4)は、例えば、複数のセンスアンプを備える。センスアンプは、センストランジスタと、データ配線と、ラッチ回路と、電圧転送回路と、を備える。センストランジスタのゲート電極は、ビット線BLに接続されている。センストランジスタのドレイン電極は、データ配線に接続されている。センストランジスタは、ビット線BLの電圧又は電流に応じてON状態となる。データ配線は、センストランジスタのON/OFF状態に応じて充電又は放電される。ラッチ回路は、データ配線の電圧に応じて“1”又は“0”のデータをラッチする。電圧転送回路は、ラッチ回路にラッチされたデータに応じてビット線BLを2つの電圧供給線のいずれかと導通させる。
【0035】
[キャッシュメモリCMの回路構成]
キャッシュメモリCM(図4)は、複数のラッチ回路を備える。複数のラッチ回路は、配線DBUSを介してセンスアンプモジュールSAM内のラッチ回路に接続される。これら複数のラッチ回路に含まれるデータDATは、順次センスアンプモジュールSAM又は入出力制御回路I/Oに転送される。
【0036】
また、キャッシュメモリCMには、図示しないデコード回路及びスイッチ回路が接続される。デコード回路は、アドレスレジスタADR(図4)に保持されたアドレスデータDADDに含まれるカラムアドレスCAをデコードする。スイッチ回路は、デコード回路の出力信号に応じて、カラムアドレスCAに対応するラッチ回路をバスDBと導通させる。
【0037】
[シーケンサSQCの回路構成]
シーケンサSQC(図4)は、コマンドレジスタCMRに保持されたコマンドデータDCMDに従い、ロウデコーダRD、センスアンプモジュールSAM、及び、電圧生成回路VGに内部制御信号を出力する。また、シーケンサSQCは、適宜自身の状態を示すステータスデータDSTをステータスレジスタSTRに出力する。
【0038】
また、シーケンサSQCは、レディ/ビジー信号を生成し、端子RY//BYに出力する。端子RY//BYが“L”状態の期間(ビジー期間)では、メモリダイMDへのアクセスが基本的には禁止される。また、端子RY//BYが“H”状態の期間(レディ期間)においては、メモリダイMDへのアクセスが許可される。尚、端子RY//BYは、例えば、図2図3を参照して説明したボンディングパッド電極Pによって実現される。
【0039】
[入出力制御回路I/Oの回路構成]
入出力制御回路I/Oは、データ信号入出力端子DQ0~DQ7と、トグル信号入出力端子DQS,/DQSと、複数の入力回路と、複数の出力回路と、シフトレジスタと、バッファ回路と、を備える。複数の入力回路、複数の出力回路、シフトレジスタ及びバッファ回路は、それぞれ、電源電圧VCCQ及び接地電圧VSSが供給される端子に接続される。
【0040】
データ信号入出力端子DQ0~DQ7、トグル信号入出力端子DQS,/DQS及び電源電圧VCCQが供給される端子は、例えば、図2図3を参照して説明したボンディングパッド電極Pによって実現される。データ信号入出力端子DQ0~DQ7を介して入力されたデータは、論理回路CTRからの内部制御信号に応じて、バッファ回路から、キャッシュメモリCM、アドレスレジスタADR又はコマンドレジスタCMRに出力される。また、データ信号入出力端子DQ0~DQ7を介して出力されるデータは、論理回路CTRからの内部制御信号に応じて、キャッシュメモリCM又はステータスレジスタSTRからバッファ回路に入力される。
【0041】
[論理回路CTRの回路構成]
論理回路CTRは、外部制御端子/CEn,CLE,ALE,/WE,RE,/REを介してコントローラダイCDから外部制御信号を受信し、これに応じて入出力制御回路I/Oに内部制御信号を出力する。尚、外部制御端子/CEn,CLE,ALE,/WE,RE,/REは、例えば、図2図3を参照して説明したボンディングパッド電極Pによって実現される。
【0042】
[メモリダイMDの構造]
図7及び図8は、メモリダイMDの構成例を示す模式的な分解斜視図である。尚、図8においては、半導体基板150上面の一部の領域において、トランジスタ等の構成が省略されている。この領域には、トランジスタ等の構成が複雑なパターンで配置される場合がある。
【0043】
図7に示す通り、メモリダイMDは、チップCと、チップCと、を備える。チップCの上面には、複数のボンディングパッド電極Pが設けられている。また、図8に示す様に、チップCは、半導体基板100と、半導体基板100の下面に設けられた複数のトランジスタTrと、これらの下方に設けられたメモリセルアレイMCAと、チップCの下面に設けられた複数の第1貼合電極PI1と、を備える。チップCは、半導体基板150と、半導体基板150の上面に設けられた複数のトランジスタTrと、チップCの上面に設けられた複数の第2貼合電極PI2と、を備える。チップC中のメモリセルアレイMCA及び複数のトランジスタTrは、複数の第1貼合電極PI1及び複数の第2貼合電極PI2を介して、チップC中の複数のトランジスタTrに電気的に接続されている。チップC及びチップCに設けられた複数のトランジスタTrは、それぞれ、周辺回路PC(図4)の一部として機能する。
【0044】
以下、チップC,Cについては、複数の第1貼合電極PI1又は複数の第2貼合電極PI2が設けられる面を表面と呼び、表面の反対側の面を裏面と呼ぶ。
【0045】
チップC及びチップCは、チップCの表面とチップCの表面とが対向するよう配置される。複数の第1貼合電極PI1は、複数の第2貼合電極PI2にそれぞれ対応して設けられ、複数の第2貼合電極PI2に貼合可能な位置に配置される。第1貼合電極PI1と第2貼合電極PI2とは、チップCとチップCとを貼合し、かつ電気的に導通させるための、貼合電極として機能する。
【0046】
尚、図7の例において、チップCの角部a1、a2、a3、a4は、それぞれ、チップCの角部b1、b2、b3、b4と対応する。
【0047】
[チップCの構造]
図9は、チップCの模式的な断面図である。図10は、図9のAで示した部分の模式的な拡大図である。図11は、チップCの模式的な下面図である。図12は、図11のBで示した部分の模式的な拡大図である。図13は、図11のCで示した部分の模式的な拡大図である。図14は、図13のDで示した部分の模式的な拡大図である。図15は、図14のEで示した部分の模式的な拡大図である。尚、図12においては、一部の領域(後述する第1フックアップ領域RHU1)が省略されている。
【0048】
チップCは、例えば図9に示す様に、半導体基板100の下面に設けられたトランジスタ層LTRと、トランジスタ層LTRの下方に設けられた配線層D0と、配線層D0の下方に設けられた配線層D1と、配線層D1の下方に設けられた配線層D2と、を備える。また、チップCは、配線層D2の下方に設けられたメモリセルアレイ層LMCA1と、メモリセルアレイ層LMCA1の下方に設けられたメモリセルアレイ層LMCA2と、メモリセルアレイ層LMCA2の下方に設けられた配線層M0と、を備える。また、図8に示す様に、チップCは、配線層M0の下方に設けられた配線層M1と、配線層M1の下方に設けられた配線層M2と、配線層M2の下方に設けられた配線層M3と、を備える。
【0049】
例えば図11に示す様に、半導体基板100には、X方向及びY方向に並ぶ4つのメモリセルアレイ領域RMCAが設けられる。また、メモリセルアレイ領域RMCAは、X方向に並ぶ2つのメモリホール領域RMHを備える。また、これら2つのメモリホール領域RMHの間には、X方向に並ぶ2つの第1フックアップ領域RHU1と、これらの間に設けられた第2フックアップ領域RHU2と、が設けられている。また、半導体基板100のY方向の端部には、周辺領域Rが設けられている。
【0050】
尚、以下の説明において「メモリセルアレイ領域RMCA」、「メモリホール領域RMH」、「第1フックアップ領域RHU1」、「第2フックアップ領域RHU2A」又は「周辺領域R」と言った場合には、メモリセルアレイ層LMCA1,LMCA2中の領域だけでなく、チップCに含まれる他の階層(半導体基板100、トランジスタ層LTR、及び、配線層D0,D1,D2,M0,M1,M2)中の対応する領域、並びに、チップCに含まれる階層中の対応する領域も含まれるものとする。
【0051】
[半導体基板100の構造]
半導体基板100は、例えば、ホウ素(B)等のP型の不純物を含むP型のシリコン(Si)からなる半導体基板である。例えば図9に示す様に、半導体基板100の表面には、アクティブ領域100Aと、酸化シリコン(SiO)等の絶縁領域100Iと、が設けられている。アクティブ領域100Aは、リン(P)等のN型の不純物を含むN型ウェル領域でも良いし、ホウ素(B)等のP型の不純物を含むP型ウェル領域でも良いし、N型ウェル領域及びP型ウェル領域が設けられていない半導体基板領域でも良い。
【0052】
[トランジスタ層LTRの構造]
例えば図9に示す様に、半導体基板100の下面には、図示しない絶縁層を介して、配線層GCが設けられている。配線層GCは、半導体基板100の表面と対向する複数の電極gcを含む。また、半導体基板100の各領域及び配線層GCに含まれる複数の電極gcは、それぞれ、コンタクトCSに接続されている。
【0053】
半導体基板100のアクティブ領域100Aは、それぞれ、周辺回路PCを構成する複数のトランジスタTrのチャネル領域、及び、複数のキャパシタCapの一方の電極等として機能する。
【0054】
配線層GCに含まれる複数の電極gcは、それぞれ、周辺回路PCを構成する複数のトランジスタTrのゲート電極、及び、複数のキャパシタCapの他方の電極等として機能する。
【0055】
コンタクトCSは、Z方向に延伸し、上端において半導体基板100又は電極gcの下面に接続されている。コンタクトCSと半導体基板100との接続部分には、N型の不純物又はP型の不純物を含む不純物領域が設けられている。コンタクトCSは、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。
【0056】
[配線層D0,D1,D2の構造]
例えば図9に示す様に、配線層D0,D1,D2に含まれる複数の配線は、メモリセルアレイ層LMCA中の構成、トランジスタ層LTR中の構成及び半導体基板100の少なくとも一つに、電気的に接続される。
【0057】
配線層D0,D1,D2は、それぞれ、複数の配線d0,d1,d2を含む。これら複数の配線d0,d1,d2は、例えば、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。
【0058】
[メモリセルアレイ層LMCA1,LMCA2のメモリホール領域RMHにおける構造]
例えば図12に示す様に、メモリセルアレイ層LMCA1,LMCA2には、Y方向に並ぶ複数のメモリブロックBLK(図12の例では、メモリブロックBLK~メモリブロックBLK)が設けられている。
【0059】
尚、以下の説明では、Y方向の一方側(例えば、図12のY方向負側)から数えて、1番目、4n(nは1以上の正の整数)番目及び4n+1番目のメモリブロックBLKを、メモリブロックBLKaと呼ぶ場合がある。図12には、メモリブロックBLKaとして、メモリブロックBLK,BLK,BLK,BLKが例示されている。また、以下の説明では、Y方向の一方側(例えば、図12のY方向負側)から数えて、2番目、3番目、4n+2番目及び4n+3番目のメモリブロックBLKを、メモリブロックBLKfと呼ぶ場合がある。図12には、メモリブロックBLKfとして、メモリブロックBLK,BLK,BLK,BLKが例示されている。
【0060】
メモリブロックBLKは、例えば図14に示す様に、Y方向に並ぶ複数のストリングユニットSUを備える。Y方向において隣り合う2つのメモリブロックBLKの間には、酸化シリコン(SiO)等のブロック間絶縁層STが設けられる。また、例えば図15に示す様に、Y方向において隣り合う2つのストリングユニットSUの間には、酸化シリコン(SiO)等のストリングユニット間絶縁層SHEが設けられる。
【0061】
メモリブロックBLKは、例えば図9に示す様に、Z方向に並ぶ複数の導電層110と、Z方向に延伸する複数の半導体柱120と、を備える。また、メモリブロックBLKは、例えば図10に示す様に、複数の導電層110及び複数の半導体柱120の間にそれぞれ設けられた複数のゲート絶縁膜130を備える。
【0062】
導電層110は、X方向に延伸する略板状の導電層である。導電層110は、半導体柱120(図9)に対応して設けられた複数の貫通孔を備える。これら複数の貫通孔の内周面は、それぞれ、ゲート絶縁膜130を介して半導体柱120の外周面と対向する。導電層110は、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。また、導電層110は、例えば、リン(P)又はホウ素(B)等の不純物を含む多結晶シリコン等を含んでいても良い。Z方向に並ぶ複数の導電層110の間には、酸化シリコン(SiO)等の絶縁層101(図10)が設けられている。
【0063】
導電層110の上方には、図9に示す様に、導電層111が設けられている。導電層111は、例えば、リン(P)又はホウ素(B)等の不純物を含む多結晶シリコン等を含んでいても良い。また、導電層111及び導電層110の間には、酸化シリコン(SiO)等の絶縁層が設けられている。
【0064】
導電層111の上方には、導電層112が設けられている。導電層112は、例えば、リン(P)又はホウ素(B)等の不純物を含む多結晶シリコン等を含んでいても良い。また、導電層112は、例えば、タングステン(W)等の金属、タングステンシリサイド等の導電層又はその他の導電層を含んでいても良い。また、導電層112及び導電層111の間には、酸化シリコン(SiO)等の絶縁層が設けられている。
【0065】
導電層112は、ソース線SL(図5)として機能する。ソース線SLは、例えば、メモリセルアレイ領域RMCA図11)に含まれる全てのメモリブロックBLKについて共通に設けられている。
【0066】
導電層111は、ソース側選択ゲート線SGSb(図5)及びこれに接続された複数のソース側選択トランジスタSTSbのゲート電極として機能する。導電層111は、メモリブロックBLK毎に電気的に独立している。
【0067】
また、複数の導電層110のうち、最上層に位置する一又は複数の導電層110は、ソース側選択ゲート線SGS(図5)及びこれに接続された複数のソース側選択トランジスタSTSのゲート電極として機能する。これら複数の導電層110は、メモリブロックBLK毎に電気的に独立している。
【0068】
また、これよりも下方に位置する複数の導電層110は、ワード線WL(図5)及びこれに接続された複数のメモリセルMC(図5)のゲート電極として機能する。これら複数の導電層110は、それぞれ、メモリブロックBLK毎に電気的に独立している。
【0069】
また、これよりも下方に位置する一又は複数の導電層110は、ドレイン側選択ゲート線SGD及びこれに接続された複数のドレイン側選択トランジスタSTD(図5)のゲート電極として機能する。これら複数の導電層110は、その他の導電層110よりもY方向の幅が小さい。また、Y方向において隣り合う2つの導電層110の間には、ストリングユニット間絶縁層SHE(図15)が設けられている。ドレイン側選択ゲート線SGDとして機能する複数の導電層110は、それぞれ、ストリングユニットSU毎に電気的に独立している。
【0070】
半導体柱120は、例えば図15に示す様に、X方向及びY方向に所定のパターンで並ぶ。半導体柱120は、1つのメモリストリングMS(図5)に含まれる複数のメモリセルMC及び選択トランジスタ(STD、STS)のチャネル領域として機能する。半導体柱120は、例えば、多結晶シリコン(Si)等の半導体層である。半導体柱120は、例えば、略円筒状の形状を有し、中心部分には酸化シリコン等の絶縁層125(図10)が設けられている。また、半導体柱120の外周面は、それぞれ導電層110によって囲われており、導電層110と対向している。
【0071】
半導体柱120は、図9に示す様に、メモリセルアレイ層LMCA1に設けられた半導体部120と、メモリセルアレイ層LMCA2に設けられた半導体部120と、を備える。
【0072】
半導体部120は、メモリセルアレイ層LMCA1に設けられた複数の導電層110と対向する。半導体部120の上端部には、リン(P)等のN型の不純物を含む不純物領域が設けられている。この不純物領域は、導電層112(図9)に接続される。
【0073】
半導体部120は、メモリセルアレイ層LMCA2に設けられた複数の導電層110と対向する。半導体部120の下端部には、リン(P)等のN型の不純物を含む不純物領域が設けられている。この不純物領域は、コンタクトCh及びコンタクトVyを介してビット線BLに接続される。
【0074】
ゲート絶縁膜130(図10)は、半導体柱120の外周面を覆う略円筒状の形状を有する。ゲート絶縁膜130は、例えば図10に示す様に、半導体柱120及び導電層110の間に積層されたトンネル絶縁膜131、電荷蓄積膜132及びブロック絶縁膜133を備える。トンネル絶縁膜131及びブロック絶縁膜133は、例えば、酸化シリコン(SiO)等の絶縁膜である。電荷蓄積膜132は、例えば、窒化シリコン(Si)等の電荷を蓄積可能な膜である。トンネル絶縁膜131、電荷蓄積膜132、及び、ブロック絶縁膜133は略円筒状の形状を有し、半導体柱120の外周面に沿ってZ方向に延伸する。
【0075】
尚、図10には、ゲート絶縁膜130が窒化シリコン等の電荷蓄積膜132を備える例を示した。しかしながら、ゲート絶縁膜130は、例えば、N型又はP型の不純物を含む多結晶シリコン等のフローティングゲートを備えていても良い。
【0076】
[メモリセルアレイ層LMCA2の第1フックアップ領域RHU1における構造]
図13に示す様に、第1フックアップ領域RHU1には、それぞれ、メモリブロックBLKに対応して設けられたコンタクト接続小領域rCC1が設けられている。また、第1フックアップ領域RHU1には、メモリブロックBLKfに対応して設けられたコンタクト接続小領域rC4Tが設けられている。
【0077】
コンタクト接続小領域rCC1には、図14に示す様に、ドレイン側選択ゲート線SGDとして機能する複数の導電層110のX方向における端部が設けられている。また、コンタクト接続小領域rCC1には、Z方向から見てマトリクス状に並ぶ複数のコンタクトCCが設けられている。これら複数のコンタクトCCは、Z方向に延伸し、上端において導電層110と接続されている。コンタクトCCは、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。
【0078】
X方向に並ぶ複数のコンタクトCCのうち、メモリホール領域RMHに最も近いものは、下方から数えて1番目の導電層110に接続されている。また、メモリホール領域RMHに2番目に近いものは、下方から数えて2番目の導電層110に接続されている。以下同様に、メモリホール領域RMHにa(aは1以上の正の整数)番目に近いものは、下方から数えてa番目の導電層110に接続されている。これら複数のコンタクトCCのうちの一部は、配線層M0中の配線m0等を介して、チップC又はチップC中のトランジスタTrのドレイン電極に接続されている。
【0079】
また、これら複数のコンタクトCCのうち、メモリブロックBLKf(図13)に対応するものは、それぞれ、このメモリブロックBLKfに対応する上記コンタクト接続小領域rC4T中のコンタクトC4に接続され、このコンタクトC4を介して、チップCの半導体基板100に設けられたトランジスタTrに電気的に接続されている。また、これら複数のコンタクトCCのうち、メモリブロックBLKa(図13)に対応するものは、それぞれ、このメモリブロックBLKaと隣り合うメモリブロックBLKfに対応する上記コンタクト接続小領域rC4T中のコンタクトC4に接続され、このコンタクトC4を介して、チップCの半導体基板100に設けられたトランジスタTrに電気的に接続されている。
【0080】
また、例えば図14に示す様に、第1フックアップ領域RHU1には、コンタクトCCの近傍に設けられた支持構造HRが設けられている。支持構造HRは、Z方向に延伸し、上端において導電層112に接続されている。支持構造HRは、例えば酸化シリコン(SiO)等の絶縁層を含む。
【0081】
コンタクト接続小領域rC4Tには、Y方向に並ぶ2つの絶縁層STが設けられている。これら2つの絶縁層STは、Y方向に並ぶ2つのブロック間絶縁層STの間に設けられている。また、これら2つの絶縁層STの間には、例えば図9に示す様に、Z方向に並ぶ複数の絶縁層110Aと、Z方向に延伸する複数のコンタクトC4と、が設けられている。
【0082】
絶縁層ST図14)は、X方向及びZ方向に延伸し、上端において導電層112に接続されている。絶縁層STは、例えば酸化シリコン(SiO)を含む。
【0083】
絶縁層110Aは、X方向に延伸する略板状の絶縁層である。絶縁層110Aは、窒化シリコン(Si)等の絶縁層を含んでいても良い。Z方向に並ぶ複数の絶縁層110Aの間には、酸化シリコン(SiO)等の絶縁層が設けられている。
【0084】
コンタクトC4は、X方向に複数並んでいる。コンタクトC4は、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。例えば図9に示す様に、コンタクトC4の外周面は、それぞれ絶縁層110Aによって囲われており、絶縁層110Aに接続されている。尚、例えば図9に示す様に、コンタクトC4はZ方向に延伸し、下端において配線層M0中の配線m0と接続され、上端において配線層D2中の配線d2と接続されている。
【0085】
尚、ドレイン側選択ゲート線SGDとして機能する複数の導電層110は、チップC中のトランジスタTrではなく、チップC中のトランジスタTrに接続することも可能である。この場合、これら複数の導電層110は、コンタクトCC、第1貼合電極PI1及び第2貼合電極PI2を介して、チップCの半導体基板150に設けられたトランジスタTrに電気的に接続される。また、この場合、第1フックアップ領域RHU1中のコンタクト接続小領域rC4Tを省略することも可能である。
【0086】
[メモリセルアレイ層LMCA1,LMCA2の第2フックアップ領域RHU2における構造]
図12に示す様に、第2フックアップ領域RHU2のX方向の一方側(例えば、図12のX方向負側)の領域には、複数のコンタクト接続小領域rCC2と、複数のコンタクト接続小領域rC4Tと、が設けられている。複数のコンタクト接続小領域rCC2は、メモリブロックBLKaに対応する位置に設けられている。複数のコンタクト接続小領域rC4Tは、メモリブロックBLKfに対応する位置に設けられている。
【0087】
また、図12に示す様に、第2フックアップ領域RHU2のX方向の他方側(例えば、図12のX方向正側)の領域にも、複数のコンタクト接続小領域rCC2と、複数のコンタクト接続小領域rC4Tと、が設けられている。複数のコンタクト接続小領域rCC2は、メモリブロックBLKfに対応する位置に設けられている。複数のコンタクト接続小領域rC4Tは、メモリブロックBLKaに対応する位置に設けられている。
【0088】
コンタクト接続小領域rCC2には、ワード線WL又はソース側選択ゲート線SGSとして機能する複数の導電層110の一部が設けられている。また、コンタクト接続小領域rCC2には、X方向に並ぶ複数のコンタクトCCが設けられている。例えば図9に示す様に、これら複数のコンタクトCCはZ方向に延伸し、上端において導電層110と接続されている。コンタクトCCは、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。
【0089】
X方向に並ぶ複数のコンタクトCCのうち、メモリホール領域RMHに最も近いものは、上方から数えて1番目の導電層110に接続されている。また、メモリホール領域RMHに2番目に近いものは、上方から数えて2番目の導電層110に接続されている。以下同様に、メモリホール領域RMHにb(bは1以下の正の整数)番目に近いものは、上方から数えてb番目の導電層110に接続されている。
【0090】
また、例えば図8及び図12に示す様に、これら複数のコンタクトCCのうちの一部は、それぞれ、Y方向に延伸する配線m0を介して、このメモリブロックBLKと隣り合うメモリブロックBLKに対応するコンタクト接続小領域rC4T中のコンタクトC4に接続され、このコンタクトC4を介して、チップCの半導体基板100に設けられたトランジスタTrに電気的に接続されている。また、これら複数のコンタクトCCのうちの一部は、それぞれ、第1貼合電極PI1及び第2貼合電極PI2を介して、チップCの半導体基板150に設けられたトランジスタTrに電気的に接続されている。
【0091】
[配線層M0,M1,M2,M3の構造]
図8に示す様に、配線層M0,M1,M2,M3に含まれる複数の配線は、例えば、メモリセルアレイ層LMCA1,LMCA2中の構成、トランジスタ層LTR中の構成、及び、チップC中の構成の少なくとも一つに、電気的に接続される。
【0092】
配線層M0,M1,M2は、それぞれ、複数の配線m0,m1,m2を含む。これら複数の配線m0,m1,m2は、例えば、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)等のバリア導電膜、及び、タングステン(W)、銅(Cu)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。尚、複数の配線m0のうちの一部は、ビット線BL(図5)として機能する。ビット線BLは、例えば図15に示す様に、X方向に並びY方向に延伸する。また、これら複数のビット線BLは、それぞれ、各ストリングユニットSUに含まれる1の半導体柱120に接続されている。
【0093】
配線層M3は、例えば図8に示す様に、複数の第1貼合電極PI1を含む。これら複数の第1貼合電極PI1は、例えば、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)等のバリア導電膜、及び、銅(Cu)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。
【0094】
[チップCの構造]
図16は、チップCの模式的な断面図である。チップCは、例えば、半導体基板150の上面に設けられたトランジスタ層LTR´と、トランジスタ層LTR´の上方に設けられた配線層M7と、配線層M7の上方に設けられた配線層M6と、配線層M6の上方に設けられた配線層M5と、配線層M5の上方に設けられた配線層M4と、を備える。
【0095】
半導体基板150は、例えば、ホウ素(B)等のP型の不純物を含むP型のシリコン(Si)からなる半導体基板である。半導体基板150の表面には、アクティブ領域150Aと、酸化シリコン(SiO)等の絶縁領域150Iと、が設けられている。アクティブ領域150Aは、リン(P)等のN型の不純物を含むN型ウェル領域でも良いし、ホウ素(B)等のP型の不純物を含むP型ウェル領域でも良いし、N型ウェル領域及びP型ウェル領域が設けられていない半導体基板領域でも良い。
【0096】
[トランジスタ層LTR´の構造]
例えば図16に示す様に、半導体基板150の上面には、図示しない絶縁層を介して、配線層GC´が設けられている。配線層GC´は、半導体基板150の表面と対向する複数の電極gc´を含む。また、半導体基板150の各領域及び配線層GC´に含まれる複数の電極gc´は、それぞれ、コンタクトCS´に接続されている。
【0097】
半導体基板150のアクティブ領域150Aは、それぞれ、周辺回路PCを構成する複数のトランジスタTrのチャネル領域、及び、複数のキャパシタの一方の電極等として機能する。
【0098】
配線層GC´に含まれる複数の電極gc´は、それぞれ、周辺回路PCを構成する複数のトランジスタTrのゲート電極、及び、複数のキャパシタの他方の電極等として機能する。
【0099】
コンタクトCS´は、Z方向に延伸し、下端において半導体基板150又は電極gc´の上面に接続されている。コンタクトCS´と半導体基板150との接続部分には、N型の不純物又はP型の不純物を含む不純物領域が設けられている。コンタクトCS´は、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。
【0100】
[配線層M7,M6,M5の構造]
配線層M7,M6,M5に含まれる複数の配線は、トランジスタ層LTR´中の構成及び半導体基板150の少なくとも一方に、電気的に接続される。
【0101】
配線層M7,M6,M5は、それぞれ、複数の配線m7,m6,m5を含む。これら複数の配線m7,m6,m5は、例えば、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。
【0102】
配線層M4は、複数の第2貼合電極PI2を含む。これら複数の第2貼合電極PI2は、例えば、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)等のバリア導電膜、及び、銅(Cu)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。
【0103】
[周辺回路PCを構成する各トランジスタTrの配置]
次に、図17図22を参照して、周辺回路PCを構成する各トランジスタTrの配置について説明する。図17は、メモリダイMDの構成を示す模式的な断面図である。図18は、チップCのメモリセルアレイ層LMCA1,LMCA2における構成を示す模式的な下面図である。図19は、チップCのトランジスタ層LTRにおける構成を示す模式的な下面図である。図20は、チップCの構成を示す模式的な平面図である。図21は、チップCのトランジスタ層LTRの模式的な下面図である。図22は、チップCの一部の構成を示す模式的な平面図である。図21及び図22は、Z方向から見て図12中の構成と重なる位置に設けられた構成を示している。
【0104】
尚、図18には、図11において説明を省略したメモリセルアレイ領域RMCA中の領域RBLTを図示している。領域RBLTには、例えば、ビット線BL(図9)と、チップC中のトランジスタTrと、を接続するための構成が設けられている。また、図17図22においては、図12と同様に、第1フックアップ領域RHU1が省略されている。
【0105】
[チップC中のトランジスタTrの配置]
上述の通り、チップCのトランジスタ層LTRには複数のトランジスタTrが設けられている。図18及び図19に示す様に、これら複数のトランジスタTrのうち、第2フックアップ領域RHU2に設けられたものは、図6を参照して説明したブロックデコーダBLKDの一部(トランジスタTBLK)として機能する。それ以外の領域には、例えば、トランジスタTrのかわりにキャパシタCap(図17)が設けられても良い。キャパシタCapは、例えば図9に示す様に、トランジスタTrと同様に、アクティブ領域100Aと、電極gcと、これらの間に設けられたゲート絶縁膜と、を備えていても良い。また、キャパシタCapを構成する電極gc及びゲート絶縁膜の膜厚(Z方向における厚み)は、トランジスタTrを構成する電極gc及びゲート絶縁膜の膜厚(Z方向における厚み)と同程度であっても良い。また、キャパシタCapは、電源電圧VCC又は電源電圧VCCQが供給されるボンディングパッド電極Pと、接地電圧VSSが供給されるボンディングパッド電極Pと、の間に接続されていても良い。
【0106】
図21の例では、第2フックアップ領域RHU2に、Y方向に並ぶ複数のメモリブロックBLKに対応して、Y方向に並ぶ複数のトランジスタ列が設けられている。各トランジスタ列は、それぞれ、X方向に並ぶ複数のトランジスタTrを備える。
【0107】
また、図21の例では、メモリブロックBLKに接続されたコンタクトCCを含むコンタクト接続小領域rCC2図12参照)に対応する位置に、複数のトランジスタTrが設けられている。また、BLKBに対応する位置であって、メモリブロックBLKに接続されたコンタクトC4を含むコンタクト接続小領域rC4T図12参照)に対応する位置に、複数のトランジスタTrが設けられている。これら複数のトランジスタTrのドレイン電極は、それぞれ、コンタクトC4を介して、メモリブロックBLK中のワード線WL等に電気的に接続される。また、これら複数のトランジスタTrのドレイン電極は、それぞれ、第2フックアップ領域RHU2中のコンタクトC4、配線m0,m1,m2、第1貼合電極PI1、及び、第2貼合電極PI2を介して、配線CG(図6)として機能する配線m7,m6,m5のいずれかに電気的に接続される。
【0108】
同様に、図21の例では、いずれかのメモリブロックBLKに接続されたコンタクトCCを含むコンタクト接続小領域rCC2に対応する位置に、複数のトランジスタTrが設けられている。また、このメモリブロックBLKと隣り合うメモリブロックBLKに対応する位置であって、このメモリブロックBLKに接続されたコンタクトC4を含むコンタクト接続小領域rC4Tに対応する位置に、複数のトランジスタTrが設けられている。これら複数のトランジスタTrのドレイン電極は、それぞれ、コンタクトC4を介して、対応するメモリブロックBLK中のワード線WL等に電気的に接続される。また、これら複数のトランジスタTrのドレイン電極は、それぞれ、第2フックアップ領域RHU2中のコンタクトC4、配線m0,m1,m2、第1貼合電極PI1、及び、第2貼合電極PI2を介して、配線CG(図6)として機能する配線m7,m6,m5のいずれかに電気的に接続される。
【0109】
尚、図21の例では、トランジスタTBLKに対応するアクティブ領域100AのX方向の幅を幅XTAM、Y方向の幅をYTAMとして示している。また、図21の例では、X方向において隣り合う2つのアクティブ領域100Aの間の距離を距離XTIM、Y方向において隣り合う2つのアクティブ領域100Aの間の距離を距離YTIMとして示している。
【0110】
[チップC中のトランジスタTrの配置]
上述の通り、チップCの半導体基板150の表面には複数のトランジスタTrが設けられている。図18及び図20に示す様に、これら複数のトランジスタTrのうち、第2フックアップ領域RHU2に設けられたものは、図6を参照して説明したブロックデコーダBLKDの一部(トランジスタTBLK)として機能する。また、メモリホール領域RMHに設けられたものは、センスアンプモジュールSAM又はキャッシュメモリCM(図4)の一部として機能する。
【0111】
図22の例では、第2フックアップ領域RHU2に、Y方向に並ぶ複数のメモリブロックBLKに対応して、Y方向に並ぶ複数のトランジスタ列が設けられている。各トランジスタ列は、それぞれ、X方向に並ぶ複数のトランジスタTrを備える。
【0112】
また、図22の例では、メモリブロックBLKに接続されたコンタクトCCを含むコンタクト接続小領域rCC2図12参照)に対応する位置に、複数のトランジスタTrが設けられている。また、BLKBに対応する位置であって、メモリブロックBLKに接続されたコンタクトC4を含むコンタクト接続小領域rC4T図12参照)に対応する位置に、複数のトランジスタTrが設けられている。これら複数のトランジスタTrは、それぞれ、第1貼合電極PI1及び第2貼合電極PI2を介して、メモリブロックBLK中のワード線WL等に電気的に接続される。
【0113】
同様に、図22の例では、いずれかのメモリブロックBLKに接続されたコンタクトCCを含むコンタクト接続小領域rCC2に対応する位置に、複数のトランジスタTrが設けられている。また、このメモリブロックBLKと隣り合うメモリブロックBLKに対応する位置であって、このメモリブロックBLKに接続されたコンタクトC4を含むコンタクト接続小領域rC4Tに対応する位置に、複数のトランジスタTrが設けられている。これら複数のトランジスタTrは、それぞれ、第1貼合電極PI1及び第2貼合電極PI2を介して、対応するメモリブロックBLK中のワード線WL等に電気的に接続される。
【0114】
尚、図22の例では、トランジスタTBLKに対応するアクティブ領域100AのX方向の幅を幅XTAP、Y方向の幅をYTAPとして示している。また、図22の例では、X方向において隣り合う2つのアクティブ領域100Aの間の距離を距離XTIP、Y方向において隣り合う2つのアクティブ領域100Aの間の距離を距離YTIPとして示している。
【0115】
図21及び図22の例では、幅XTAPは幅XTAMよりも小さい。また、距離XTIPは距離XTIMよりも小さい。また、幅YTAPは幅YTAMと等しい。また、距離YTIPは距離YTIMと等しい。また、例えば、半導体基板100表面においてトランジスタTBLKが設けられる領域全体のX方向における幅は、半導体基板150表面においてトランジスタTBLKが設けられる領域全体のX方向における幅より大きくても良い。この様な場合には、例えば、チップCに含まれるトランジスタTBLKが全て第2フックアップ領域RHU2の範囲内に設けられており、且つ、チップCに含まれるトランジスタTBLKが第2フックアップ領域RHU2、第1フックアップ領域RHU1及びメモリホール領域RMHの一部にわたって設けられていても良い。
【0116】
[第1実施形態の効果]
上述の通り、複数の導電層110は、複数のトランジスタTBLKに電気的に接続されている。また、トランジスタTBLKは、導電層110に対応して設けられている。即ち、トランジスタTBLKの数は、導電層110の数と同数である。ここで、半導体記憶装置のZ方向における高集積化を進める場合、Z方向に積層された導電層110の数が増大する。この場合、トランジスタTBLKの数も、導電層110の数に応じて増大する。ここで、トランジスタTBLKの回路に接続する配線レイアウトを考慮すると、トランジスタTBLKの回路は、第2フックアップ領域RHU2からX方向に延伸し配置することが配線面積の縮小化に寄与し好ましい。しかしながら、トランジスタTBLKの回路面積がX方向に大きくなってしまうと、半導体記憶装置のX方向における高集積化が困難となってしまい、高集積化の妨げとなってしまう恐れがある。
【0117】
そこで、本実施形態においては、チップC中のトランジスタTrと、チップC中のトランジスタTrと、の双方をトランジスタTBLKとして利用する。この様な構成によれば、トランジスタTBLKの回路を好適にZ方向に分割配置して、X方向における高集積化の容易な半導体記憶装置を実現することが可能である。
【0118】
また、製造工程上の理由から、チップC中のトランジスタTrは、チップC中のトランジスタTrと比較して、動作速度が遅い場合がある。ここで、トランジスタTBLKは、例えば入出力制御回路I/O(図4)等と比較して、高速動作の必要性が低い。従って、トランジスタTBLKとして使用する場合、チップC中のトランジスタTrとチップC中のトランジスタTrとを併用しても、半導体記憶装置の動作速度への影響は小さいものと考えられる。従って、本実施形態においては、動作速度への影響を抑制しつつ、半導体記憶装置の高集積化を図ることが可能である。
【0119】
また、製造工程上の理由から、チップC中のトランジスタTrは、チップC中のトランジスタTrと比較して、高集積化が難しい場合がある。そこで、本実施形態においては、チップC中のトランジスタTBLKを構成するアクティブ領域100AのX方向における幅XTAM図21)を、チップC中のトランジスタTBLKを構成するアクティブ領域150AのX方向における幅XTAP図22)よりも大きくしている。これにより、本実施形態においては、歩留まりの低下を抑制しつつ、半導体記憶装置の高集積化を図ることが可能である。
【0120】
[第2実施形態]
次に、図23を参照して、第2実施形態に係る半導体記憶装置について説明する。図23は、第2実施形態に係る半導体記憶装置について説明するための模式的な断面図である。
【0121】
例えば図17等に示す様に、第1実施形態に係るメモリダイMDは、メモリセルアレイMCAを含むチップCと、チップCに貼合されたチップCと、を備えていた。また、周辺回路PCは、主としてチップCに含まれるトランジスタTrによって構成されており、メモリセルアレイMCAに含まれるトランジスタTrは、複数のトランジスタTBLKのうちの一部のみに使用されていた。他方、例えば図23に示す様に、第2実施形態に係るメモリダイMD2は、メモリセルアレイMCAを含むチップCM2と、チップCM2に貼合されたチップCP2と、を備える。
【0122】
チップCM2は、基本的にはチップCと同様に構成されている。ただし、チップCM2は、半導体基板100のかわりに、半導体基板200を備える。半導体基板200は、基本的には半導体基板100と同様に構成されている。ただし、半導体基板200の表面に設けられた複数のトランジスタTrのうち、メモリホール領域RMHに設けられたものは、センスアンプモジュールSAM又はキャッシュメモリCM(図4)の一部として機能する。
【0123】
チップCP2は、基本的にはチップCと同様に構成されている。ただし、チップCP2は、半導体基板150のかわりに、半導体基板250を備える。半導体基板250は、基本的には半導体基板150と同様に構成されている。ただし、チップCP2の半導体基板250の表面のうち、第2フックアップ領域RHU2以外の領域には、上述したキャパシタCapが設けられている。
【0124】
[第3実施形態]
次に、図24を参照して、第3実施形態に係る半導体記憶装置について説明する。図24は、第3実施形態に係る半導体記憶装置について説明するための模式的な断面図である。
【0125】
例えば図17等に示す様に、第1実施形態に係るメモリダイMDは、メモリセルアレイMCAを含むチップCを備えており、このチップCにはトランジスタTrが設けられていた。同様に、例えば図23を参照して説明した様に、第2実施形態に係るメモリダイMD2は、メモリセルアレイMCAを含むチップCM2を備えており、このチップCM2にはトランジスタTrが設けられていた。他方、例えば図24に示す様に、第3実施形態に係るメモリダイMD3は、メモリセルアレイMCAを含むチップCM3と、チップCM3の表面(下面)に貼合されたチップCP2と、チップCM3の裏面(上面)に貼合されたチップCP3と、を備える。
【0126】
チップCM3は、基本的にはチップCと同様に構成されている。ただし、チップCM3は、半導体基板100及びトランジスタ層LTRを備えていない。また、チップCM3の裏面(上面)には、複数の第3貼合電極PI3が設けられている。これら複数の第3貼合電極PI3は、基本的には複数の第1貼合電極PI1と同様に構成されている。
【0127】
チップCP3は、基本的にはチップCと同様に構成されている。ただし、チップCP3の表面(下面)には、複数の第2貼合電極PI2のかわりに、複数の第4貼合電極PI4が設けられている。これら複数の第4貼合電極PI4は、基本的には複数の第2貼合電極PI2と同様に構成されている。ただし、複数の第4貼合電極PI4は、複数の第1貼合電極PI1ではなく、複数の第3貼合電極PI3に接続されている。また、図示は省略するものの、チップCP3の裏面(上面)には、ボンディングパッド電極Pが設けられている。
【0128】
[第4実施形態]
次に、図25を参照して、第4実施形態に係る半導体記憶装置について説明する。図25は、第4実施形態に係る半導体記憶装置について説明するための模式的な断面図である。
【0129】
例えば図17等に示す様に、第1実施形態に係るメモリダイMDは、チップC及びチップCを備えていた。また、このチップCは、メモリセルアレイ層LMCA1,LMCA2と、トランジスタ層LTRと、を備えていた。また、トランジスタ層LTRは、Z方向において、メモリセルアレイ層LMCA1,LMCA2から離間していた。他方、例えば図25に示す様に、第4実施形態に係るメモリダイMD4は、メモリセルアレイMCAを含むチップCM4と、チップCM4に貼合されたチップCP4と、を備える。
【0130】
チップCM4は、基本的にはチップCと同様に構成されている。ただし、チップCM4は、半導体基板100のかわりに、半導体基板400を備える。また、チップCM4は、トランジスタ層LTRを備えていない。半導体基板400は、基本的には半導体基板100と同様に構成されている。ただし、半導体基板400には、メモリセルアレイ領域RMCAのかわりにメモリセルアレイ領域RMCA´が設けられている。メモリセルアレイ領域RMCA´は、メモリホール領域RMH´と、メモリホール領域RMH´と隣り合う2つのフックアップ領域RHU´と、を備える。また、X方向においてメモリセルアレイ領域RMCA´と隣り合う位置には、トランジスタ領域RTRが設けられている。
【0131】
メモリセルアレイ層LMCA1,LMCA2のメモリホール領域RMH´の構成は、基本的には、チップCのメモリセルアレイ層LMCA1,LMCA2のメモリホール領域RMHの構成と同様である。ただし、メモリホール領域RMH´には、導電層112が設けられていない。また、メモリホール領域RMH中の半導体柱120の上端は、導電層112ではなく、半導体基板400に接続されている。
【0132】
フックアップ領域RHU´は、基本的には第1フックアップ領域RHU1及び第2フックアップ領域RHU2と同様に構成されている。ただし、フックアップ領域RHU´は、コンタクト接続小領域rC4Tが設けられていない。
【0133】
トランジスタ領域RTRにおいては、半導体基板400の表面(下面)に、複数のトランジスタTrが設けられている。これら複数のトランジスタTrは、ブロックデコーダBLKDの一部を構成する。これら複数のトランジスタTrは、コンタクトCC等を介してメモリセルアレイ層LMCA1中の構成に接続されている。
【0134】
チップCP4は、基本的にはチップCと同様に構成されている。ただし、チップCP4は、半導体基板150のかわりに、半導体基板450を備える。半導体基板450は、基本的には半導体基板150と同様に構成されている。ただし、半導体基板450の表面(上面)に設けられた複数のトランジスタTrのうち、フックアップ領域RHU´、及び、トランジスタ領域RTRに設けられたものは、ブロックデコーダBLKDの一部を構成する。これら複数のトランジスタTrは、コンタクトCC、第1貼合電極PI1,第2貼合電極PI2などを介して、メモリセルアレイ層LMCA1,LMCA2中の構成に接続されている。
【0135】
[その他の実施形態]
以上、第1実施形態~第4実施形態に係る半導体記憶装置について説明した。しかしながら、これらの実施形態に係る半導体記憶装置はあくまでも例示であり、具体的な構成、動作等は適宜調整可能である。
【0136】
例えば、図17図23及び図24に示す様に、第1実施形態~第3実施形態に係る半導体記憶装置においては、メモリセルアレイ領域RMCAに、X方向に並ぶ2つのメモリホール領域RMHが設けられており、これら2つのメモリホール領域RMHの間に第2フックアップ領域RHU2が設けられていた。他方、例えば、図26に例示するチップC´及びチップC´は、基本的には第1実施形態に係るチップC及びチップCと同様に構成されている。ただし、チップC´においては、メモリセルアレイ領域RMCAに、X方向に並ぶ2つの第2フックアップ領域RHU2が設けられており、これら2つの第2フックアップ領域RHU2の間にメモリホール領域RMHが設けられている。また、チップC´及びチップC´の表面に設けられた複数のトランジスタTrのうち、第2フックアップ領域RHU2に設けられたものが、ブロックデコーダBLKDの一部として機能する。
【0137】
この様な構成は、第2実施形態又は第3実施形態に係る半導体記憶装置にも適用可能である。
【0138】
また、例えば、図24に示す様に、第3実施形態に係る半導体記憶装置においては、チップCM3が半導体基板を備えていなかった。また、チップCM3の裏面(上面)には、複数の第3貼合電極PI3が設けられていた。他方、例えば図27に例示するチップCM3´は、半導体基板500を備えている。また、チップCM3´は、半導体基板500を貫通する複数の貫通電極TSVと、これら複数の貫通電極TSVの上端に設けられた電極Eと、を備える。この様な構成においては、メモリセルアレイ層LMCA1,LMCA2中の一部の導電層110が、コンタクトCC、コンタクトC4、第3貼合電極PI3、貫通電極TSV、電極E、及び、第4貼合電極PI4を介して、チップCP3中のブロックデコーダBLKDに含まれるトランジスタTrに接続される。
【0139】
また、以上の例において、メモリセルアレイ層LMCA1,LMCA2に設けられた複数の導電層110のうち、どの導電層110をチップC,CM2,CM4,C´(以下、「チップC等」と呼ぶ。)のトランジスタTrに接続し、どの導電層110をチップC,CP2,CP3,CP4,C´(以下、「チップC等」と呼ぶ。)のトランジスタTrに接続するかは、適宜調整可能である。
【0140】
例えば、メモリセルアレイ層LMCA1,LMCA2の、一方に含まれる複数の導電層110をチップC等のトランジスタTrに接続し、他方に含まれる複数の導電層110をチップC等のトランジスタTrに接続しても良い。
【0141】
また、例えば、チップC等のトランジスタTrに接続される導電層110の数が、チップC等のトランジスタTrに接続される導電層110の数より多くても良い。上述の通り、製造工程上の理由から、チップC中のトランジスタTrは、チップC中のトランジスタTrと比較して、高集積化が難しい場合がある。従って、チップC等のトランジスタTrに接続される導電層110の数を、チップC等のトランジスタTrに接続される導電層110の数より多くすることにより、回路面積を削減可能な場合がある。
【0142】
また、例えば、上方から数えて偶数番目又は奇数番目の導電層110をチップC等のトランジスタTrに接続し、上方から数えて奇数番目又は偶数番目の導電層110をチップC等のトランジスタTrに接続しても良い。また、例えば、Y方向の一方側(例えば、Y方向負側。図12参照。)から数えて偶数番目又は奇数番目のメモリブロックBLKに含まれる導電層110をチップC等のトランジスタTrに接続し、Y方向の一方側から数えて奇数番目又は偶数番目のメモリブロックBLKに含まれる導電層110をチップC等のトランジスタTrに接続しても良い。また、例えば、図12等を参照して説明したメモリブロックBLKa,BLKfの一方に含まれる導電層110をチップC等のトランジスタTrに接続し、メモリブロックBLKa,BLKfの他方に含まれる導電層110をチップC等のトランジスタTrに接続しても良い。
【0143】
[その他]
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0144】
MC…メモリセル、MCA…メモリセルアレイ、WL…ワード線、Tr…トランジスタ、PC…周辺回路、P…ボンディングパッド電極、PI1…第1貼合電極、PI2…第2貼合電極、100,150…半導体基板、110…導電層、120…半導体柱、130…ゲート絶縁膜。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27