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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022118684
(43)【公開日】2022-08-15
(54)【発明の名称】保冷剤整列搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/28 20060101AFI20220805BHJP
   F25D 3/00 20060101ALI20220805BHJP
【FI】
B65G47/28 D
F25D3/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021072364
(22)【出願日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】P 2021014799
(32)【優先日】2021-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】515012804
【氏名又は名称】サンナイス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114605
【弁理士】
【氏名又は名称】渥美 久彦
(72)【発明者】
【氏名】長屋 俊司
【テーマコード(参考)】
3F081
3L044
【Fターム(参考)】
3F081AA10
3F081BA01
3F081BC13
3F081BD08
3F081BD15
3F081BE03
3F081BE09
3F081BF04
3F081BF16
3F081CA04
3F081CB01
3F081CC08
3F081CE10
3L044AA04
3L044BA02
3L044DC04
3L044KA04
(57)【要約】
【課題】取り扱いが困難な凍結保冷剤を、人手に頼らずに、コンテナから取り出して保冷剤整列ライン上に整列させて搬送することができる保冷剤整列搬送装置を提供すること。
【解決手段】本発明の保冷剤整列搬送装置70は、コンテナ21を保持する本体72と、コンテナ21からの凍結保冷剤11の落下を規制する規制部材73と、本体72を上下反転させる反転装置と、規制部材73及び反転装置の動作を制御する制御装置とを備える。制御装置は、本体72が反転する前に、規制部材73による規制を行う。そして、制御装置は、本体72の反転が完了した状態で、規制部材73による規制を徐々に解除しながら凍結保冷剤11を排出させ、凍結保冷剤11を保冷剤整列ラインL1上にてもたれ重なるような状態で載置する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
凍結保冷剤の外しが完了した状態の前記凍結保冷剤入りのコンテナから前記凍結保冷剤を取り出し、取り出した前記凍結保冷剤を保冷剤整列ライン上に整列させて搬送する保冷剤整列搬送装置であって、
前記コンテナを保持する本体と、前記コンテナからの前記凍結保冷剤の落下を規制する規制部材と、前記本体を上下反転させる反転装置と、前記規制部材及び前記反転装置の動作を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記本体が反転する前に、前記規制部材による規制を行い、
前記本体の反転が完了した状態で、前記規制部材による規制を徐々に解除しながら複数の前記凍結保冷剤を排出させ、複数の前記凍結保冷剤を前記保冷剤整列ライン上にてもたれ重なるような状態で載置する
ことを特徴とする保冷剤整列搬送装置。
【請求項2】
凍結保冷剤の外しが完了した状態の前記凍結保冷剤入りのコンテナから前記凍結保冷剤を取り出し、取り出した前記凍結保冷剤を保冷剤整列ライン上にて整列させて搬送する保冷剤整列搬送装置であって、
前記保冷剤整列ライン上における複数の前記凍結保冷剤のもたれ重なり状態を解消しつつ複数の前記凍結保冷剤を整列させながら搬送する整列搬送部を備え、
前記整列搬送部は、
前記保冷剤整列ラインを構成し、前記凍結保冷剤の移載位置を有するベルトコンベア装置と、
前記移載位置よりも下流側に配置され、他の前記凍結保冷剤上に重なっている前記凍結保冷剤に接触して押圧することにより、もたれ重なり状態を解消するもたれ解消部材と、
前記ベルトコンベア装置の動作を制御する制御装置と
を備えることを特徴とする保冷剤整列搬送装置。
【請求項3】
前記コンテナを保持する本体と、前記コンテナからの前記凍結保冷剤の落下を規制する規制部材と、前記本体を上下反転させる反転装置とを備え、
前記制御装置は、
前記規制部材及び前記反転装置の動作を制御するものであり、
前記本体が反転する前に、前記規制部材による規制を行い、
前記本体の反転が完了した状態で、前記規制部材による規制を徐々に解除しながら複数の前記凍結保冷剤を排出させ、複数の前記凍結保冷剤を前記保冷剤整列ライン上にてもたれ重なるような状態で載置する
ことを特徴とする請求項2に記載の保冷剤整列搬送装置。
【請求項4】
前記ベルトコンベア装置は、前記移載位置の両脇に設けられたはみ出し防止部材を備えることを特徴とする請求項2または3に記載の保冷剤整列搬送装置。
【請求項5】
前記保冷剤整列搬送装置は、上下反転した前記本体を上下動させる昇降装置をさらに備えることを特徴とする請求項1または3に記載の保冷剤整列搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凍結保冷剤入りのコンテナから凍結保冷剤を取り出し、取り出した凍結保冷剤を保冷剤整列ライン上に整列させて搬送する保冷剤整列搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、生鮮食料品や冷凍品などの商品の輸送には、保冷剤が用いられている。このような保冷剤は、例えばコンテナに入れられた状態で、冷凍庫内にて凍結される(例えば、特許文献1,2参照)。そして、凍結した保冷剤は、人手によってコンテナから取り出されてライン上に整列された後、搬送装置によって搬送され、商品が入った宅配箱内に入れられて出荷されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-32124号公報(図1図5等)
【特許文献2】実用新案第2585816号公報(段落[0003]、図3等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、凍結した保冷剤は膨張して変形するため、コンテナから取り出しにくくなっている。この場合、コンテナをハンマーで叩くなどしなければ、コンテナから保冷剤を取り出すことは困難である。また、保冷剤は、凍結した状態で扱われるために非常に冷たいが、溶けを防止するために、作業者は、非常に寒い環境下で作業を行わなければならない。さらに、保冷剤は、凍結時の変形によって形がばらついたり、中の保冷液が偏った状態で凍結することによって重量バランスがばらついたりするため、取り扱いが非常に困難なワークである。
【0005】
なお、現状では、凍結保冷剤を扱う作業を人手に頼っているが、作業が大変であるうえ、作業時間や人件費もかかってしまうという問題がある。そこで、取り扱いが困難な凍結保冷剤を素早くコンテナから取り出してライン上に整列させて搬送する装置が求められているが、現時点では、このような装置は存在していない。また、近年、宅配等が増える傾向にあるため、上記の作業を素早く行いたいという社会的ニーズが高まっている。
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、取り扱いが困難な凍結保冷剤を、人手に頼らずに、コンテナから取り出して保冷剤整列ライン上に整列させて搬送することができる保冷剤整列搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、凍結保冷剤の外しが完了した状態の前記凍結保冷剤入りのコンテナから前記凍結保冷剤を取り出し、取り出した前記凍結保冷剤を保冷剤整列ライン上に整列させて搬送する保冷剤整列搬送装置であって、前記コンテナを保持する本体と、前記コンテナからの前記凍結保冷剤の落下を規制する規制部材と、前記本体を上下反転させる反転装置と、前記規制部材及び前記反転装置の動作を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記本体が反転する前に、前記規制部材による規制を行い、前記本体の反転が完了した状態で、前記規制部材による規制を徐々に解除しながら複数の前記凍結保冷剤を排出させ、複数の前記凍結保冷剤を前記保冷剤整列ライン上にてもたれ重なるような状態で載置することを特徴とする保冷剤整列搬送装置をその要旨とする。
【0008】
従って、請求項1に記載の発明によれば、保冷剤整列搬送装置が備える本体によって凍結保冷剤入りのコンテナを保持し、同じく保冷剤整列搬送装置が備える反転装置によって本体を上下反転させることにより、コンテナ内の凍結保冷剤が自動的に排出される。しかも、保冷剤整列搬送装置が備える規制部材によって、コンテナからの凍結保冷剤の落下が規制され、本体の反転の完了後に規制部材による規制が徐々に解除される。これにより、複数の凍結保冷剤が保冷剤整列ライン上にてもたれ重なるような状態で載置されるため、凍結保冷剤が自動的に保冷剤整列ライン上に整列される。よって、取り扱いが困難な凍結保冷剤を、人手に頼らずに、素早くコンテナから取り出して保冷剤整列ライン上に整列させて搬送することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、凍結保冷剤の外しが完了した状態の前記凍結保冷剤入りのコンテナから前記凍結保冷剤を取り出し、取り出した前記凍結保冷剤を保冷剤整列ライン上にて整列させて搬送する保冷剤整列搬送装置であって、前記保冷剤整列ライン上における複数の前記凍結保冷剤のもたれ重なり状態を解消しつつ複数の前記凍結保冷剤を整列させながら搬送する整列搬送部を備え、前記整列搬送部は、前記保冷剤整列ラインを構成し、前記凍結保冷剤の移載位置を有するベルトコンベア装置と、前記移載位置よりも下流側に配置され、他の前記凍結保冷剤上に重なっている前記凍結保冷剤に接触して押圧することにより、もたれ重なり状態を解消するもたれ解消部材と、前記ベルトコンベア装置の動作を制御する制御装置とを備えることを特徴とする保冷剤整列搬送装置をその要旨とする。
【0010】
従って、請求項2に記載の発明によれば、保冷剤整列ラインを構成するベルトコンベア装置によって、保冷剤整列ラインに載置された凍結保冷剤が自動的に移載位置よりも下流側に搬送される。そして、移載位置よりも下流側に配置されたもたれ解消部材が、他の凍結保冷剤上に重なっている凍結保冷剤に接触して押圧することにより、複数の凍結保冷剤のもたれ重なり状態が自動的に解消される。その結果、取り扱いが困難な凍結保冷剤を、人手に頼らずに、コンテナから取り出して素早く保冷剤整列ライン上に整列させて搬送することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2において、前記コンテナを保持する本体と、前記コンテナからの前記凍結保冷剤の落下を規制する規制部材と、前記本体を上下反転させる反転装置とを備え、前記制御装置は、前記規制部材及び前記反転装置の動作を制御するものであり、前記本体が反転する前に、前記規制部材による規制を行い、前記本体の反転が完了した状態で、前記規制部材による規制を徐々に解除しながら複数の前記凍結保冷剤を排出させ、複数の前記凍結保冷剤を前記保冷剤整列ライン上にてもたれ重なるような状態で載置することをその要旨とする。
【0012】
従って、請求項3に記載の発明では、保冷剤整列搬送装置が備える本体によって凍結保冷剤入りのコンテナを保持し、同じく保冷剤整列搬送装置が備える反転装置によって本体を上下反転させることにより、コンテナ内の凍結保冷剤が自動的に排出される。しかも、保冷剤整列搬送装置が備える規制部材によって、コンテナからの凍結保冷剤の落下が規制され、本体の反転の完了後に規制部材による規制が徐々に解除される。これにより、複数の凍結保冷剤が保冷剤整列ライン上にてもたれ重なるような状態で載置されるため、凍結保冷剤が自動的に保冷剤整列ライン上に整列される。よって、取り扱いが困難な凍結保冷剤を、人手に頼らずに、素早くコンテナから取り出して保冷剤整列ライン上に整列させて搬送することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項2または3において、前記ベルトコンベア装置は、前記移載位置の両脇に設けられたはみ出し防止部材を備えることをその要旨とする。
【0014】
従って、請求項4に記載の発明では、はみ出し防止部材により、凍結保冷剤が、移載位置からはみ出すことなく整列される。これにより、凍結保冷剤を、確実に保冷剤整列ライン上に整列させて搬送することができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1または3において、前記保冷剤整列搬送装置は、上下反転した前記本体を上下動させる昇降装置をさらに備えることをその要旨とする。
【0016】
従って、請求項5に記載の発明では、本体に保持されたコンテナの開口部が保冷剤整列ラインに近付くため、コンテナ内にある複数の凍結保冷剤を整列させやすくなる。また、反転装置の反転時において、本体とベルトコンベア装置との干渉を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0017】
以上詳述したように、請求項1~5に記載の発明によると、取り扱いが困難な凍結保冷剤を、人手に頼らずに、コンテナから取り出して保冷剤整列ライン上に整列させて搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施形態の保冷剤全自動供給システムを示す説明図。
図2】段バラシ移載装置を示す概略側面図。
図3】(a)は、把持手段によってコンテナ(実コンテナ)を挟んだ状態を示す概略平面図、(b)は、把持手段によってコンテナ(実コンテナ)を挟んだ状態を示す概略側面図。
図4】(a)は、保冷剤外し装置を示す概略側面図、(b)は、コンテナから凍結保冷剤を外す前の状態を示す断面図、(c)は、コンテナから凍結保冷剤を外すときの状態を示す断面図。
図5】保冷剤整列搬送装置を示す側面図。
図6】反転部及び保冷剤排出部を示す側面図。
図7】(a)~(d)は、反転部及び保冷剤排出部の動きを示す側面図。
図8】(a),(b)は、反転部及び保冷剤排出部の動きを示す側面図。
図9】もたれ解消部材等を示す概略断面図。
図10】(a)は、はみ出し防止部材の動きを示す概略断面図、(b)は、はみ出し防止部材の動きを示す側面図。
図11】保冷剤ライン間移送装置及び保冷剤全自動投入装置等を示す概略平面図。
図12】保冷剤ライン間移送装置を始端側から見たときの状態を示す側面図。
図13】保冷シート全自動投入装置を示す概略断面図。
図14】保冷シート全自動投入装置による保冷シートの投入方法を示す概略断面図。
図15】保冷剤全自動投入装置を示す概略断面図。
図16】(a)は、凍結保冷剤と下縁支持部材との位置関係を示す概略平面図、(b)は、凍結保冷剤が投入された宅配箱を示す概略平面図。
図17】保冷剤全自動投入装置による凍結保冷剤の投入方法を示す概略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を保冷剤全自動供給システムに具体化した一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0020】
図1に示されるように、本実施形態の保冷剤全自動供給システム1は、凍結保冷剤11入りのコンテナ21から取り出した凍結保冷剤11を宅配箱31に投入するシステムである。保冷剤全自動供給システム1は、工場の保冷剤整列ラインL1、宅配箱供給ラインL2及び空コンテナ排出ラインL3等に適用される。また、保冷剤全自動供給システム1は、段バラシ移載装置41、空台車全自動段積装置51、保冷剤外し装置61、保冷剤整列搬送装置70、保冷剤ライン間移送装置101、保冷シート全自動投入装置121、保冷剤全自動投入装置111及び空コンテナ段積装置131を備えている。
【0021】
図2図3に示されるように、段バラシ移載装置41は、コンテナ搬送台車141上に段積みされた状態の凍結保冷剤11入りのコンテナ21(実コンテナ)を段バラシして、保冷剤外し装置61のコンベア62上に載置する装置である。なお、本実施形態のコンテナ搬送台車141は実コンテナ台車(ドーリー台車)である。また、段バラシ移載装置41は、把持手段42、水平移動用アクチュエータ43、上下移動用アクチュエータ44及び制御装置(図示略)を備えている。把持手段42は、コンテナ21を側方及び前方から把持するようになっている。具体的に言うと、把持手段42は、コンテナ21の持ち手孔22(図3(b)参照)に自身を引っ掛けた状態でコンテナ21を持ち上げるようになっている。これにより、コンテナ21が1段ずつかつ2個ずつ把持される(図3(a),(b)参照)。また、把持手段42は、上方からコンテナ21の上面のコーナー部23(図3(a)参照)を押圧することにより、コンテナ21の傾きを防止するようになっている。
【0022】
図1に示されるように、空台車全自動段積装置51は、コンテナ21の段バラシにより空になったコンテナ搬送台車141の車輪142(図2参照)の向きを整えつつコンテナ搬送台車141を段積みする装置である。空台車全自動段積装置51は、コンテナ搬送台車141を持ち上げた状態で、持ち上げたコンテナ搬送台車141の下側に次のコンテナ搬送台車141を配置し、この状態で持ち上げたコンテナ搬送台車141を下ろすことにより、コンテナ搬送台車141を段積みするようになっている。
【0023】
図4に示されるように、保冷剤外し装置61は、凍結保冷剤11入りのコンテナ21から凍結保冷剤11を外す装置である。保冷剤外し装置61は、コンテナ21を搬送するコンベア62と、一対のコンテナ保持部材63と、複数の保冷剤押圧部材64と、制御装置(図示略)とを備えている。なお、保冷剤押圧部材64は、通常時において、コンベア62の搬送面よりも下方に退避しており、凍結保冷剤11を外す際に、搬送面の上方に突出する。そして、各保冷剤押圧部材64は、各コンテナ保持部材63でコンテナ21を浮かないように保持した状態で、コンテナ21の底面に付着している凍結保冷剤11を、コンテナ21の孔部24を介して下から上に向けて突くようになっている。このとき、保冷剤外し装置61は、複数の保冷剤押圧部材64で同時に凍結保冷剤11を突くようになっている。このため、凍結保冷剤11を外す作業にかかる時間を短縮することができる。なお、本実施形態の保冷剤押圧部材64は、孔部24の幅よりも薄い金属片である。このため、保冷剤外し装置61は、各保冷剤押圧部材64を孔部24の内壁面に接触させずにコンテナ21内に挿入することができる。
【0024】
図5図10に示されるように、保冷剤整列搬送装置70は、凍結保冷剤11の外しが完了した状態の2個のコンテナ21から凍結保冷剤11を取り出し、取り出した凍結保冷剤11を保冷剤整列ラインL1上に整列させて搬送する装置である。保冷剤整列搬送装置70は、反転部71及び保冷剤排出部81を有している。反転部71は、本体72、保冷剤出庫シャッター73(規制部材)、反転装置74及び昇降装置75を備えている。さらに、反転部71は、保冷剤出庫シャッター73、反転装置74及び昇降装置75の動作を制御する制御装置(図示略)を備えている。
【0025】
本体72は、保冷剤外し装置61のコンベア62から搬出されてきた2個のコンテナ21を保持する機能を有している。本体72は、コンテナ21を支持する本体側コンベア161と、同本体側コンベア161に対して垂直に配置された壁部162と、本体側コンベア161と平行に配置された天井部163とによって箱状に形成されている。
【0026】
図5図7に示されるように、保冷剤出庫シャッター73は、本体72を構成する天井部163の外側に取り付けられている。本実施形態の保冷剤出庫シャッター73は、天井部163の面方向(図6では左右方向)にスライドすることにより、天井部163の開口部分(図示略)を閉じる閉状態、及び、開口部分を開く開状態に変位するスライド板(板状物)である。なお、保冷剤出庫シャッター73は、凍結保冷剤11が並ぶ方向に沿ってスライドするようになっている。そして、保冷剤出庫シャッター73を徐々に開放するのに伴い、コンテナ21の開口部25が徐々に開くため、凍結保冷剤11がコンテナ21から1枚ずつ落下する(図7(c)参照)。一方、保冷剤出庫シャッター73が閉状態に変位した際には、2個のコンテナ21の開口部25が保冷剤出庫シャッター73によって閉じられるため、コンテナ21からの凍結保冷剤11の落下が規制される。また、保冷剤出庫シャッター73の一端部(壁部162側の端部)には、コンテナ21からの凍結保冷剤11の急激な落下を防止するための矩形板状の落下防止板77(落下防止部材)が設けられている。なお、凍結保冷剤11は、先端部が落下防止板77にもたれかかりながら徐々に倒れていくため(図8(b)参照)、凍結保冷剤11の急激な落下が防止される。
【0027】
図5図7に示されるように、反転装置74は、本体側コンベア161の下側に取り付けられている。反転装置74は、コンテナ21からの凍結保冷剤11の落下を保冷剤出庫シャッター73で規制した状態で、本体72(及び、本体72に保持された2個のコンテナ21)を、モータ76の回転軸76aを中心として上下反転(180°反転)させる機能を有している。
【0028】
また、昇降装置75は、上下反転した本体72を上下動させる機能を有している。仮に、昇降装置75が、反転していない本体72を上下動させると、下降した状態で本体72を反転させた際に、本体72がベルトコンベア装置92aに接触するからである。昇降装置75は、無端状のチェーン164と、チェーン164が巻回される一対のスプロケット165と、スプロケット165を駆動するモータ(図示略)とを含んで構成されている。チェーン164は、本体72が接続された状態で駆動することにより、本体72を上下方向に移動させるようになっている。なお、本体73が下降したときに、ベルトコンベア装置92aの搬送面92(図5参照)から本体72の天井部163までの距離は、凍結保冷剤11の長手方向の長さと同程度となる。
【0029】
図5図7に示されるように、保冷剤排出部81は、凍結保冷剤11の外し及び2個のコンテナ21の反転が完了した状態で、保冷剤出庫シャッター73を徐々に開放するのに伴ってコンテナ21の開口部25を徐々に開くことにより、複数の凍結保冷剤11を排出させる。その結果、各凍結保冷剤11は、保冷剤整列ラインL1上にてもたれ重なるような状態で載置される。また、保冷剤整列搬送装置70は、凍結保冷剤11が排出されることで空になったコンテナ21(空コンテナ)を自動的に空コンテナ排出ラインL3(図1参照)に排出する空コンテナ高速排出機構(図示略)を備えている。空コンテナ高速排出機構は、コンテナ21(空コンテナ)を保持する本体72を反転前の状態(図5図6参照)に戻した後で、図5図6の紙面に直交する方向にコンテナ21を排出するようになっている。このようにすれば、コンテナ21(空コンテナ)を手動で空コンテナ排出ラインL3に排出する場合よりも作業が楽になる。
【0030】
図5図10に示されるように、保冷剤整列搬送装置70は、保冷剤整列ラインL1上における各凍結保冷剤11のもたれ重なり状態を解消しつつ各凍結保冷剤11を整列させながら搬送する2列の整列搬送部91を有している。また、各整列搬送部91は、4つのベルトコンベア装置92a,92b,92c,92dと、3段のもたれ解消部材93a,93b,93cとを備えている。ベルトコンベア装置92a~92d及びもたれ解消部材93a~93cは、2つの整列搬送部91において共通して用いられるものである。ベルトコンベア装置92a~92dは、進行方向F1に沿って配列されており、保冷剤整列ラインL1を構成している。また、各ベルトコンベア装置92a~92dのうち、最上流に位置するベルトコンベア装置92aは、各凍結保冷剤11の移載位置A1を有している。また、ベルトコンベア装置92aは、正逆方向に駆動可能であり、最初に各凍結保冷剤11の姿勢が斜めの状態になるように自動制御する。そして、ベルトコンベア装置92aは、搬送の最初に各凍結保冷剤11がもたれ重なった状態になるように制御する。
【0031】
図5図9に示されるように、各もたれ解消部材93a~93cは、他の凍結保冷剤11上に重なっている凍結保冷剤11に接触して押圧することにより、もたれ重なり状態を解消する部材である。各もたれ解消部材93a~93cは、進行方向F1とは直交する方向に延びる矩形板状の錘部材171と、錘部材171の上端面に取り付けられた一対の取付部材172とを備えている。両取付部材172は、錘部材171の長手方向において離間して配置されている。そして、錘部材171は、各取付部材172を通した2本の紐173により、支持フレーム174の天井部175から吊り下げられている。よって、本実施形態の各もたれ解消部材93a~93cは、進行方向F1に揺動可能な振り子構造を有している。また、各もたれ解消部材93a~93cは、各凍結保冷剤11の移載位置A1よりも下流側に配置されている。そして、各もたれ解消部材93a~93cは、進行方向F1に沿って配置されており、高さ(具体的には、ベルトコンベア装置92a~92dの搬送面92からもたれ解消部材93a~93aの下端面までの高さ)が、下流側に行くに従って徐々に低くなっている。本実施形態では、図5に示されるように、最上段のもたれ解消部材93a及び中段のもたれ解消部材93bの高さは、互いに等しくなっている。一方、最下段のもたれ解消部材93cの高さは、もたれ解消部材93a,93bの高さよりも低くなっている。
【0032】
図10に示されるように、ベルトコンベア装置92aは、移載位置A1の両脇にそれぞれはみ出し防止部材94を備えている。各はみ出し防止部材94は、はみ出し防止板181及び押圧部材182を備えている。はみ出し防止板181は、進行方向F1に沿ってベルトコンベア装置92a全体に亘って延びており、矩形状なしている。また、はみ出し防止板181は、進行方向F1に沿って延びる回動軸181aを中心として回動可能になっている。さらに、押圧部材182は、倒れた状態にあるはみ出し防止板181(図10(a),(b)の破線部分を参照)を上方に押圧するためのものである。これにより、はみ出し防止板181が回動軸181aを中心として回動して直立するため(図10(a),(b)の実線部分を参照)、移載位置A1の両脇への凍結保冷剤11のはみ出しが、はみ出し防止板181によって防止される。なお、本実施形態の押圧部材182は、ロッド183を有するエアシリンダである。押圧部材182のロッド183は、上下方向に進退し、はみ出し防止板181の裏面184(図10(b)参照)における中央部を押圧するようになっている。
【0033】
図9図10(a)に示されるように、進行方向F1から見たときにベルトコンベア装置92aの中央となる箇所には、進行方向F1に沿って延びるはみ出し防止レール185が設けられている。なお、はみ出し防止レール185は、2列の整列搬送部91の境界部分に配置されている。これにより、隣接する整列搬送部91への凍結保冷剤11のはみ出しが、はみ出し防止レール185によって防止される。
【0034】
また、図1に示されるように、各整列搬送部91は、それぞれ4本の押さえワイヤ部材95を備えている。各押さえワイヤ部材95は、進行方向F1に沿って延びており、ベルトコンベア装置92dに対して上下動可能に取り付けられている。なお、押さえワイヤ部材95は、自重で凍結保冷剤11を押さえる機能を有しており、能動的に上下動する訳ではない。本実施形態では、2本の押さえワイヤ部材95が1枚の凍結保冷剤11の上面13に接触することにより、凍結保冷剤11を押さえるようになっている。また、押さえワイヤ部材95は、凍結保冷剤11の搬送時に、凍結保冷剤11の両端を押さえるようになっている。これにより、凍結保冷剤11のバタツキを防止することができる。
【0035】
さらに、図5に示されるように、各整列搬送部91は、複数のストッパ機構96を備えている。ストッパ機構96は、ベルトコンベア装置92cとベルトコンベア装置92dとの間、及び、ベルトコンベア装置92dと保冷剤ライン間移送装置101との間(図11参照)に配置されている。また、各ストッパ機構96は、ベルトコンベア装置92c,92dの下方から出没可能になっている。具体的に言うと、ストッパ機構96は、通常時において、ベルトコンベア装置92c,92dの搬送面92よりも下方に退避しており、所定のタイミングで、搬送面92の上方に突出するようになっている。このようにすれば、凍結保冷剤11を確実に整列させることができる。また、凍結保冷剤11をストッパ機構96で止めて、後方の凍結保冷剤11が来るまで待たせることにより、凍結保冷剤11を隙間なく整列させることができる。
【0036】
そして、各整列搬送部91は、ベルトコンベア装置92a~92d、はみ出し防止部材94及びストッパ機構96の動作を制御する1つの制御装置(図示略)を備えている。なお、本実施形態の整列搬送部91の制御装置は、上述した反転部71の制御装置と同じ制御装置であるが、反転部71の制御装置とは別の制御装置であってもよい。
【0037】
図11図12に示されるように、保冷剤ライン間移送装置101は、保冷剤整列ラインL1から宅配箱供給ラインL2に向けて凍結保冷剤11を整列状態を保ったまま移送する2列の移送ラインL4を有している。各移送ラインL4には、凍結保冷剤11に係止可能な2つの係止部102を同時に往復動させる移動機構103が設けられている。また、保冷剤ライン間移送装置101は、係止部102を上下動させる上下動アクチュエータ104と、係止部102を水平往復動させる水平アクチュエータ105と、動作を制御する制御装置(図示略)とを備えている。なお、保冷剤ライン間移送装置101の制御装置は、一方の係止部102を凍結保冷剤11の端縁に係止させた状態で搬送方向(宅配箱供給ラインL2側)に搬送させると同時に、もう一方の係止部102を搬送逆方向(保冷剤整列ラインL1側)に搬送させて戻す制御を行う。
【0038】
図13図14に示されるように、保冷シート全自動投入装置121は、宅配箱供給ラインL2によって搬送されてきた宅配箱31に対して、保冷シート122を宅配箱31の上側開口部32から投入する装置である。なお、宅配箱31内には、生鮮食料品や冷凍品などの商品S1が入っており、保冷シート122は、宅配箱31内の商品S1の保冷に用いられる。また、保冷シート全自動投入装置121は、一対の保冷シートマガジン151を備えている。両保冷シートマガジン151は、複数の保冷シート122を積層した状態で保存するためのものである。なお、保冷シート122は、作業者によって保冷シートマガジン151に供給される。
【0039】
図13に示されるように、保冷シート全自動投入装置121は、一対の補正案内部材152を備えている。両補正案内部材152は、保冷シート122の変形(反り)を補正しながら保冷シート122を投入位置T3(図13参照)側に案内するようになっている。なお、本実施形態では、宅配箱供給ラインL2の上流側(図13では右側)に位置する補正案内部材152が、保冷シート122を下流側(図13では左側)に向けて案内し、宅配箱供給ラインL2の下流側に位置する補正案内部材152が、保冷シート122を上流側に向けて案内するようになっている。また、補正案内部材152の基端部分は、側面視で湾曲形状をなしている。
【0040】
さらに、保冷シート全自動投入装置121は、それぞれの保冷シートマガジン151の下方に、第1突き出し部材154及び第2突き出し部材155を有している。第2突き出し部材155は、保冷シートマガジン151の設置面151a上に配置され、第1突き出し部材154は、第2突き出し部材155の上面155a上に配置されている。さらに、第1突き出し部材154の上部には、保冷シート122の端縁に当接する段差面154aが形成されている。なお、両突き出し部材154,155は、補正案内部材152側に移動することにより、補正案内部材152によって案内されている保冷シート122を投入位置T3側に突き出すようになっている。
【0041】
図13図14に示されるように、保冷シート全自動投入装置121は、補正案内部材152によって案内されてきた保冷シート122を、宅配箱31の上方位置にて水平な姿勢となるように支持する一対の保冷シート支持手段123を有している。各保冷シート支持手段123は、一対の下縁支持部材124と支持部材駆動手段125とを有している。両下縁支持部材124は、保冷シート122の両側下縁を載せて保冷シート122を両側から支持するローラ126群を有している。さらに、支持部材駆動手段125は、両下縁支持部材124を水平方向に移動させる機能を有している。
【0042】
また、各保冷シート支持手段123は、それぞれ4個の押圧部材128を備えている。各押圧部材128は、保冷シート122を下方に押圧して宅配箱31に投入するためのものである。また、4個の押圧部材128は、1枚の保冷シート122の上面122a(図14参照)における離間した4箇所を押圧するようになっている。
【0043】
そして、保冷シート支持手段123の制御装置(図示略)は、支持部材駆動手段125及び押圧部材128の動作を制御する。具体的に言うと、制御装置は、下縁支持部材124による保冷シート122の支持を解除する制御を行う。これにより、保冷シート122は、水平姿勢を維持した状態で落下して宅配箱31内に投入される。なお、本実施形態の保冷シート全自動投入装置121は、1つの宅配箱31に対して保冷シート122を1枚のみ投入している。
【0044】
図15図17に示されるように、保冷剤全自動投入装置111は、宅配箱供給ラインL2によって搬送されてきた宅配箱31に対して、保冷剤整列ラインL1から移送されてきた凍結保冷剤11を宅配箱31の上側開口部32から投入する装置である。なお、保冷剤全自動投入装置111に搬送されてきた時点で、宅配箱31内には、商品S1と保冷シート122とが入っている。また、保冷剤全自動投入装置111は、凍結保冷剤11を、宅配箱31の上方位置にて水平な姿勢となるように支持する一対の保冷剤支持手段112を有している。なお、保冷剤支持手段112は、保冷シート全自動投入装置121の保冷シート支持手段123とほぼ同様の構造を有している。さらに、保冷剤全自動投入装置111は、保冷剤支持手段112の下方位置にて宅配箱31を固定する宅配箱固定手段113(図15参照)を備えている。
【0045】
また、各保冷剤支持手段112は、凍結保冷剤11の投入位置T1,T2(図16(a)参照)のそれぞれにおいて、一対の下縁支持部材114と支持部材駆動手段115とを有している。両下縁支持部材114は、凍結保冷剤11の両側下縁を載せて凍結保冷剤11を両側から支持するローラ116群を有している。また、支持部材駆動手段115は、両下縁支持部材114を水平方向に移動させる機能を有している。
【0046】
図15図17に示されるように、各保冷剤支持手段112は、3個のストッパ部材117と8個の押圧部材118とを備えている。各ストッパ部材117は、凍結保冷剤11を投入位置T1,T2(図16(a)参照)にて位置決めするためのものである。各ストッパ部材117は、上下方向に進退し、凍結保冷剤11の外縁部に設けられた凹所12に係脱可能となっている。また、各押圧部材118は、ストッパ部材117によって位置決めされた凍結保冷剤11を下方に押圧して宅配箱31に投入するためのものである。押圧部材118は、1つの凍結保冷剤11の上面13における離間した4箇所を押圧するべく、1つの凍結保冷剤11に対して4個ずつ設けられている(図16(a)参照)。
【0047】
そして、保冷剤支持手段112の制御装置(図示略)は、支持部材駆動手段115、ストッパ部材117及び押圧部材118の動作を制御する。具体的に言うと、制御装置が、下縁支持部材114による凍結保冷剤11の支持を解除する制御を行うことにより、凍結保冷剤11は、水平姿勢を維持した状態で落下して宅配箱31内に投入される。なお、本実施形態の保冷剤全自動投入装置111では、1つの宅配箱31について2個の凍結保冷剤11の同時投入を行っているが、1つの宅配箱31について1個の凍結保冷剤11のみを投入することも可能である。
【0048】
図1に示されるように、空コンテナ段積装置131は、凍結保冷剤11が排出されて空になったコンテナ21(空コンテナ)を折り畳んで段積みする装置であり、空コンテナ排出ラインL3上に設けられている。空コンテナ段積装置131は、凍結保冷剤11が取り出された直後の空になったコンテナ21を折り畳む折り畳み手段132と、折り畳まれたコンテナ21を段積みする段積手段133(具体的には、ロボット等)と、折り畳み手段132及び段積装置133の動作を制御する制御装置(図示略)とを備えている。
【0049】
次に、上記のように構成した保冷剤全自動供給システム1の動作例を説明する。
【0050】
まず、凍結保冷剤11入りのコンテナ21(実コンテナ)を段積みしたコンテナ搬送台車141が段バラシ移載装置41(図2参照)に搬入されると、段バラシ移載装置41は、コンテナ21を自動的に段バラシして、保冷剤外し装置61のコンベア62上に自動的に載置する。具体的に言うと、まず、段バラシ移載装置41の制御装置は、水平移動用アクチュエータ43及び上下移動用アクチュエータ44に駆動信号を出力し、把持手段42を、最上段にある2個のコンテナ21を挟み込む位置に移動させる制御を行う。次に、制御装置は、把持手段42に駆動信号を出力し、把持手段42をコンテナ21の持ち手孔22に引っ掛ける制御を行う。そして、制御装置は、上下移動用アクチュエータ44に駆動信号を出力し、把持手段42に把持された2個のコンテナ21を上方に移動させる制御を行う。さらに、制御装置は、水平移動用アクチュエータ43に駆動信号を出力し、把持手段42に把持されたコンテナ21をコンベア62上に移動させる制御を行う。この状態において、制御装置が、把持手段42によるコンテナ21の把持を解除させる制御を行うことにより、コンテナ21がコンベア62上に載置される。その後、制御装置による上記の制御を繰り返し行うことにより、コンテナ搬送台車141上に段積みされている残りのコンテナ21が段バラシされる。
【0051】
なお、コンテナ21の段バラシにより空になったコンテナ搬送台車141は、空台車全自動段積装置51(図1参照)に搬入される。このとき、空台車全自動段積装置51の制御装置(図示略)は、コンテナ搬送台車141を自動的に持ち上げる制御を行う。そして、持ち上げたコンテナ搬送台車141の下側に次のコンテナ搬送台車141が配置されると、制御装置は、持ち上げたコンテナ搬送台車141を下ろす制御を行う。その後、次のコンテナ搬送台車141が空台車全自動段積装置51に搬入される度に、既に空台車全自動段積装置51にあるコンテナ搬送台車141を持ち上げて下ろす作業を繰り返し行うことにより、複数段のコンテナ搬送台車141が自動的に段積みされる。そして、コンテナ搬送台車141の段積みが完了すると、制御装置は、段積状態のコンテナ搬送台車141を自動的に排出させる制御を行う。
【0052】
また、上記した2つのコンベア62上のコンテナ21からは、保冷剤外し装置61(図4参照)によって凍結保冷剤11が自動的に外される。具体的に言うと、保冷剤外し装置61が備える複数の保冷剤押圧部材64は、通常時において、コンベア62の搬送面よりも下方に退避している(図4(b)参照)。このため、コンテナ21の搬送時に保冷剤押圧部材64が邪魔になることはない。
【0053】
そして、保冷剤外し装置61の制御装置(図示略)は、凍結保冷剤11を外す際に、保冷剤外し装置61に駆動信号を出力し、コンテナ21の底面に付着している凍結保冷剤11を、各保冷剤押圧部材64で突く制御を行う。このとき、保冷剤押圧部材64は、コンテナ21の孔部24の内壁面に接触することなく、孔部24を介してコンテナ21内に挿入される。このため、コンテナ21自体に物理的衝撃を与えることなく、凍結保冷剤11を突く作業を行うことができる。その後、コンテナ21は、保冷剤整列搬送装置70の反転部71に自動的に搬入される(図6参照)。
【0054】
反転部71にコンテナ21が搬入されると、反転部71の制御装置は、本体72が反転する前に、保冷剤出庫シャッター73による規制を行う。具体的に言うと、制御装置は、保冷剤出庫シャッター73に駆動信号を出力し、コンテナ21の開口部25が開いていれば、保冷剤出庫シャッター73によって開口部25を閉じる制御を行う。次に、制御装置は、反転装置74のモータ76に駆動信号を出力し、モータ76の回転軸76aを中心として、反転部71の本体72及びコンテナ21を上下反転させる制御を行う(図7(a)参照)。さらに、制御装置は、昇降装置75に駆動信号を出力し、上下反転した本体72及びコンテナ21を下方に移動させる制御を行う(図7(b)参照)。このようにすれば、コンテナ21の開口部25が整列搬送部91のベルトコンベア装置92aの上面に近付くため、複数の凍結保冷剤11を整列させやすくなる。また、反転部71の回転時において、本体72とベルトコンベア装置92aとの干渉を防ぐことができる。
【0055】
そして、制御装置は、本体72の反転が完了した状態で、保冷剤出庫シャッター73による規制を徐々に解除しながら複数の凍結保冷剤11を排出させる。具体的に言うと、制御装置は、保冷剤出庫シャッター73に駆動信号を出力し、閉じている保冷剤出庫シャッター73を徐々に開放させる制御を行う。これに伴い、コンテナ21の開口部25が徐々に開き、凍結保冷剤11がコンテナ21から1枚ずつ落下する(図7(c)参照)。そして、保冷剤出庫シャッター73及び開口部25が完全に開放されると、全ての凍結保冷剤11がベルトコンベア装置92a上に排出される(図7(d)参照)。この時点で、ベルトコンベア装置92aは停止した状態となっている。
【0056】
次に、整列搬送部91の制御装置は、ベルトコンベア装置92aに駆動信号を出力し、ベルトコンベア装置92a上の凍結保冷剤11を進行方向F1とは逆方向に移動させる制御を行う。これに伴い、各凍結保冷剤11は、徐々に傾斜した状態となる(図8(a)参照)。また、最も下流側にある凍結保冷剤11は、先端部が落下防止板77にもたれかかりながら徐々に倒れていくため(図8(b)参照)、凍結保冷剤11の急激な落下が防止される。その結果、各凍結保冷剤11は、ベルトコンベア装置92a上にてもたれ重なるような状態で載置される(図5図8(b)参照)。
【0057】
そして、整列搬送部91の制御装置は、コンテナ21から全ての凍結保冷剤11が排出されるまでの間に、はみ出し防止部材94の押圧部材128に駆動信号を出力し、押圧部材128のロッド183を上方に進出させてはみ出し防止板181を押し上げる制御を行う(図10(a)参照)。その結果、はみ出し防止板181が、回動軸181aを中心として回動して直立するため、移載位置A1の両脇への凍結保冷剤11のはみ出しが、はみ出し防止板181によって防止される。
【0058】
その後、整列搬送部91の制御装置は、ベルトコンベア装置92a~92dに駆動信号を出力し、ベルトコンベア装置92a~92d上の凍結保冷剤11を進行方向F1に移動させる制御を行う。また、反転部71の制御装置は、保冷剤出庫シャッター73に駆動信号を出力し、開いている保冷剤出庫シャッター73を閉鎖させる制御を行う。次に、制御装置は、昇降装置75に駆動信号を出力し、本体72及びコンテナ21を上方に移動させる制御を行う。
【0059】
そして、各凍結保冷剤11は、複数段のもたれ解消部材93a~93cを通過するのに伴ってもたれ重なり状態が解消され、各凍結保冷剤11が整列しながら搬送される。具体的に言うと、各凍結保冷剤11が最上段のもたれ解消部材93aに到達すると、もたれ解消部材93aは、他の凍結保冷剤11上に重なっている凍結保冷剤11(図9の破線部分を参照)の端縁に接触して進行方向F1とは逆方向に押圧するため、もたれ重なり状態が解消される。また、もたれ解消部材93aは、凍結保冷剤11を押圧しながら進行方向F1に揺動するため、凍結保冷剤11が引っ掛かりにくくなる。次に、各凍結保冷剤11が、もたれ解消部材93aよりも下流側にあるもたれ解消部材93bに到達すると、もたれ解消部材93bは、もたれ解消部材93aを通過したにもかかわらず、もたれ重なり状態が解消されなかった凍結保冷剤11(図9の破線部分を参照)の端縁に接触する。このもたれ解消部材93bは、接触した凍結保冷剤11を進行方向F1とは逆方向に押圧するため、もたれ重なり状態がさらに解消される。さらに、各凍結保冷剤11が、もたれ解消部材93bよりも下流側にあるもたれ解消部材93cに到達すると、もたれ解消部材93cは、もたれ解消部材93a,93bの両方を通過したにもかかわらず、もたれ重なり状態が解消されなかった全ての凍結保冷剤11(図9の破線部分を参照)の端縁に接触する。このもたれ解消部材93cは、接触した凍結保冷剤11を進行方向F1とは逆方向に押圧するため、もたれ重なり状態が完全に解消される。なお、もたれ解消部材93a~93cは、自重による凍結保冷剤11の押圧、という消極的な動作を行うものであるため、凍結保冷剤11の動きを予測できなくても、凍結保冷剤11を確実に押圧することができる。
【0060】
その後、各凍結保冷剤11がベルトコンベア装置92d上に移動してくると、各凍結保冷剤11は、それぞれ2本の押さえワイヤ部材95に自重で上から押さえられながら下流側に搬送される。これにより、各凍結保冷剤11のバタツキが防止される。
【0061】
そして、凍結保冷剤11が保冷剤整列ラインL1の終端にある保冷剤ライン間移送装置101に到達すると、保冷剤ライン間移送装置101は、保冷剤整列ラインL1から宅配箱供給ラインL2に向けて凍結保冷剤11を自動的に移送する(図11参照)。具体的に言うと、保冷剤ライン間移送装置101の制御装置は、一方の係止部102を上下動させる上下動アクチュエータ104に駆動信号を出力し、その係止部102を下方に移動させて凍結保冷剤11の端縁に係止させる制御を行う(図12参照)。次に、制御装置は、一方の係止部102を水平往復動させる水平アクチュエータ105に駆動信号を出力し、その係止部102を凍結保冷剤11の端縁に係止させた状態で搬送方向に搬送させる制御を行う。それと同時に、制御装置は、もう一方の係止部102を水平往復動させる水平アクチュエータ105に駆動信号を出力し、その係止部102を搬送逆方向に搬送させて戻す制御を行う。その後、係止部102で凍結保冷剤11を搬送方向に搬送させる作業と、係止部102を搬送逆方向に搬送させて戻す作業とを繰り返し行うことにより、凍結保冷剤11が整列状態を保ったまま搬送される。
【0062】
なお、宅配箱供給ラインL2によって搬送されてきた宅配箱31には、凍結保冷剤11が投入される前に、保冷シート全自動投入装置121によって保冷シート122が投入される(図13図14参照)。そこで、保冷シート全自動投入装置121の制御装置は、まず、それぞれの保冷シート支持手段123において、一対の下縁支持部材124が互いに近接した初期状態で予め待機させる制御を行う。
【0063】
次に、制御装置は、それぞれの保冷シートマガジン151の下方において、第1突き出し部材154を補正案内部材152側に移動させる制御を行う。その結果、第1突き出し部材154の段差面154aが、保冷シートマガジン151の最下層にある保冷シート122の後端縁に当接し、保冷シート122が補正案内部材152側に押圧される。そして、第1突き出し部材154に押圧された保冷シート122は、補正案内部材152に沿って斜め下方に案内される。このとき、保冷シート122の上面122a(図14参照)における中央部が補正案内部材152によって上方から押さえられることにより、保冷シート122の反り(変形)は徐々に補正されていく。そして、保冷シート122全体が第1突き出し部材154の下方に到達すると、制御装置は、第1突き出し部材154を停止させる制御を行うとともに、第2突き出し部材155を補正案内部材152側に移動させる制御を行う。これにより、第2突き出し部材155の先端面155bが、保冷シート122の後端縁に当接し、保冷シート122が投入位置T3(図13参照)側に押圧される。そして、保冷シート122が投入位置T3に搬入される際に、保冷シート122の両端部が一対の下縁支持部材124に支持されるため、保冷シート122の反りはさらに補正される。なお、第2突き出し部材155は、先端面155bが固定部材156(図13参照)に当接することによって停止する。
【0064】
そして、保冷シート122全体が投入位置T3に到達すると、保冷シート122は、一対の下縁支持部材124により、宅配箱供給ラインL2によって搬送されてきた宅配箱31の上方位置において、水平な姿勢となるように支持される(図14の実線部分を参照)。
【0065】
次に、保冷シート全自動投入装置121の制御装置は、一対の下縁支持部材124を互いに離間させる制御を行うとともに、複数の押圧部材128を下方に進出させて保冷シート122を下方に押圧する制御を行う(図14の点線部分を参照)。その結果、保冷シート122が、水平姿勢を維持した状態で落下して宅配箱31内に投入され、宅配箱31内の商品S1を覆うように商品S1上に載置される。
【0066】
その後、保冷シート122が投入された宅配箱31は、宅配箱供給ラインL2によって保冷剤全自動投入装置111に搬送される(図15参照)。そして、宅配箱31には、保冷剤全自動投入装置111によって凍結保冷剤11が投入される。そこで、保冷剤全自動投入装置111の制御装置は、一対の下縁支持部材114を互いに接近させる制御を行うとともに、ストッパ部材117を下方に進出させる制御を行う(図17参照)。その結果、凍結保冷剤11は、一対の下縁支持部材114により、宅配箱供給ラインL2によって搬送されてきた宅配箱31の上方位置において、水平な姿勢となるように支持される(図17参照)。また、ストッパ部材117が凍結保冷剤11の凹所12に係合するため、凍結保冷剤11が位置ずれしにくくなる。
【0067】
次に、制御装置は、一対の下縁支持部材114を互いに離間させる制御を行うとともに、複数の押圧部材118を下方に進出させて凍結保冷剤11を下方に押圧する制御を行う(図17参照)。その結果、凍結保冷剤11が各押圧部材118によって確実に押圧されるため、凍結保冷剤11は、水平姿勢を維持した状態で落下して宅配箱31内に投入され、宅配箱31内の商品S1及び保冷シート122を覆うようにして上側開口部32に形成された段差部33の底面上に載置される。
【0068】
また、保冷剤整列搬送装置70によって凍結保冷剤11が排出されて空になったコンテナ21(空コンテナ)は、空コンテナ排出ラインL3上の空コンテナ段積装置131に搬送される(図1参照)。具体的には、コンテナ21が空コンテナ段積装置131の折り畳み手段132に搬送されてくると、空コンテナ段積装置131の制御装置は、空になったコンテナ21を折り畳む制御を行う。その後、折り畳まれたコンテナ21は、ロボット等からなる段積手段133によって段積みされる。
【0069】
従って、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
【0070】
(1)本実施形態の保冷剤全自動供給システム1では、保冷剤整列搬送装置70が備える本体72によって凍結保冷剤11入りのコンテナ21を保持し、同じく保冷剤整列搬送装置70が備える反転装置74によって本体72を上下反転させることにより、コンテナ21内の凍結保冷剤11が自動的に排出される。しかも、保冷剤整列搬送装置70が備える保冷剤出庫シャッター73によって、コンテナ21からの凍結保冷剤11の落下が規制され、本体72の反転の完了後に保冷剤出庫シャッター73による規制が徐々に解除される。これにより、複数の凍結保冷剤11が保冷剤整列ラインL1上にてもたれ重なるような状態で載置されるため、凍結保冷剤11が自動的に保冷剤整列ラインL1上に整列される。よって、取り扱いが困難な凍結保冷剤11を、人手に頼らずに、素早くコンテナ21から取り出して保冷剤整列ラインL1上に整列させて搬送することができる。
【0071】
また、本実施形態では、保冷剤整列ラインL1を構成するベルトコンベア装置92a~92dによって、保冷剤整列ラインL1に載置された凍結保冷剤11が自動的に移載位置A1よりも下流側に搬送される。そして、移載位置A1よりも下流側に配置されたもたれ解消部材93a~93cが、他の凍結保冷剤11上に重なっている凍結保冷剤11に接触して押圧することにより、複数の凍結保冷剤11のもたれ重なり状態が自動的に解消される。その結果、取り扱いが困難な凍結保冷剤11を、人手に頼らずに、コンテナ21から取り出して素早く保冷剤整列ラインL1上に整列させて搬送することができる。
【0072】
(2)本実施形態のもたれ解消部材93a~93cは、進行方向F1に揺動可能な振り子構造を有している。この場合、もたれ解消部材93a~93cが揺動することで凍結保冷剤11が引っ掛かりにくくなるため、もたれ解消部材が完全に固定されて動かない構造である場合よりも、凍結保冷剤11のもたれ重なり状態を解消しやすくなる。また、もたれ解消部材93a~93cの動力が不要になるため、整列搬送部91、ひいては保冷剤全自動供給システム1の製作コストを低減できる。
【0073】
(3)本実施形態のもたれ解消部材93a~93cは、進行方向F1に沿って複数段(3段)配置されており、下流側に行くに従って高さが徐々に低くなっている。この場合、他の凍結保冷剤11上に重なっている凍結保冷剤11のうち、上段側のもたれ解消部材で押圧できなかったものを、下段側のもたれ解消部材で押圧できるため、凍結保冷剤11を確実に整列することができる。
【0074】
(4)本実施形態のはみ出し防止部材94では、はみ出し防止板181が回動可能になっている。この場合、はみ出し防止板181を回動させて倒れた状態(図10(a)の破線部分)にしておけば、昇降装置75によって本体72が下方に移動したときにおいて、本体72とはみ出し防止板181との干渉を防ぐことができる。
【0075】
(5)本実施形態のはみ出し防止部材94では、1枚のはみ出し防止板181に対して押圧部材182が1つのみ配置され、押圧部材182のロッド183が、はみ出し防止板181の裏面184における中央部を押圧する。この場合、押圧部材182が1つしかなくても、ロッド183の押圧力がはみ出し防止板181に偏りなく作用するため、はみ出し防止板181を確実に回動させることができる。
【0076】
なお、上記実施形態を以下のように変更してもよい。
【0077】
・上記実施形態の規制部材は、本体72を構成する天井部163の面方向にスライドすることにより、天井部163の開口部分を開閉する保冷剤出庫シャッター73であった。しかし、保冷剤出庫シャッター73は、本体72に取り付けられた回動軸を中心として回動することにより、天井部163の開口部分を開閉するものであってもよい。また、規制部材は、板状物であったが、板状とは別形状(例えば棒状)の部材からなっていてもよい。
【0078】
・上記実施形態の保冷剤整列搬送装置70は2列の整列搬送部91を有していたが、保冷剤整列搬送装置70は、整列搬送部91を1列のみ有していてもよいし、3列以上有していてもよい。なお、整列搬送部91を多くすれば、多数の凍結保冷剤11のもたれ重なり状態を解消しつつ多数の凍結保冷剤11を整列させながら搬送する作業を同時に行えるため、作業効率が高くなる。一方、整列搬送部91を少なくすると、保冷剤整列搬送装置70の製作コストを低減できるとともに、保冷剤整列搬送装置70の小型化を図ることができる。
【0079】
・上記実施形態のベルトコンベア装置92a~92dは、2つの整列搬送部91において共通のベルトコンベア装置であったが、整列搬送部91ごとに別々のベルトコンベア装置を設けてもよい。同様に、上記実施形態のもたれ解消部材93a~93cは、2つの整列搬送部91において共通のもたれ解消部材であったが、整列搬送部91ごとに別々のもたれ解消部材を設けてもよい。
【0080】
・上記実施形態の保冷剤整列ラインL1は、4つのベルトコンベア装置92a,92b,92c,92dによって構成されていた。しかし、保冷剤整列ラインL1は、3つ以下のベルトコンベア装置によって構成されていてもよいし、5つ以上のベルトコンベア装置によって構成されていてもよい。なお、ベルトコンベア装置が複数あれば、例えば最上流のベルトコンベア装置のみを正逆方向(進行方向F1及びその逆方向)に駆動可能とし、それ以外のベルトコンベア装置を進行方向F1のみに駆動可能とすることができる。
【0081】
・上記実施形態の保冷剤整列搬送装置70は3段のもたれ解消部材93a~93cを有していたが、保冷剤整列搬送装置70は、もたれ解消部材を1段または2段のみ有していてもよいし、4段以上有していてもよい。なお、もたれ解消部材を多くすれば、凍結保冷剤11のもたれ重なり状態を全て解消できる可能性が高くなる。一方、もたれ解消部材を少なくすると、保冷剤整列搬送装置70の製作コストを低減できるとともに、保冷剤整列搬送装置70の小型化を図ることができる。
【0082】
・上記実施形態のもたれ解消部材93a~93cは、進行方向F1に揺動可能な振り子構造を有しており、動力が不要となっていた。しかし、もたれ解消部材93a~93cは、モータ等のアクチュエータによって揺動するものであってもよい。また、もたれ解消部材93a~93cは、完全に固定されて動かない構造であってもよい。
【0083】
・上記実施形態のもたれ解消部材93a~93cは、下流側に行くに従って、ベルトコンベア装置92a~92dの搬送面92からの高さが徐々に低くなっていた。しかし、もたれ解消部材93a~93cは、搬送面92からの高さが互いに等しくてもよい。
【0084】
・上記実施形態のはみ出し防止部材92において、押圧部材182のロッド183は、倒れた状態にあるはみ出し防止板181を下側から上方に押圧するものであったが、この構成に限定されるものではない。例えば、ロッド183は、直立しているはみ出し防止板181を、同はみ出し防止板181の側方から移載位置A1側に押圧するものであってもよい。また、はみ出し防止板181は、完全に固定されて動かないものであってもよい。このようにすれば、押圧部材182が不要になる。
【0085】
・上記実施形態では、はみ出し防止部材92が備える押圧部材182が、ロッド183を有するエアシリンダであった。しかし、押圧部材182は、例えば、モータやボールネジ等の電動アクチュエータであってもよい。
【0086】
・上記実施形態において、保冷剤整列搬送装置70は、本体72、保冷剤出庫シャッター73及び反転装置74等からなる反転部71が省略されたものであってもよい。また、保冷剤整列搬送装置70は、反転部71が省略される代わりに、ベルトコンベア装置92a~92d及びもたれ解消部材93a~93c等からなる整列搬送部91が省略されたものであってもよい。
【0087】
・上記実施形態の保冷剤整列搬送装置70は、保冷剤整列ラインL1上に設けられていたが、保冷剤整列ラインL1上に設けられていなくてもよいし、保冷剤全自動供給システム1の一部を構成していなくてもよい。
【0088】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
【0089】
(1)請求項1,3,5のいずれか1項において、前記規制部材に、前記コンテナからの前記凍結保冷剤の急激な落下を防止するための落下防止部材が設けられていることを特徴とする保冷剤整列搬送装置。
【0090】
(2)請求項1,3,5のいずれか1項において、前記凍結保冷剤が排出されることで空になった前記コンテナを空コンテナ排出ラインに排出する空コンテナ排出機構を備えることを特徴とする保冷剤整列搬送装置。この構成によれば、コンテナを手動で空コンテナ排出ラインに排出する場合よりも作業が楽になる。
【0091】
(3)請求項2乃至4のいずれか1項において、前記ベルトコンベア装置は進行方向に沿って複数配列され、複数の前記ベルトコンベア装置のうち最上流に位置するベルトコンベア装置は、正逆方向に駆動可能であることを特徴とする保冷剤整列搬送装置。この構成によれば、複数の凍結保冷剤を、上手くもたれ重なった状態になるように載置することができる。
【0092】
(4)請求項2乃至4のいずれか1項において、前記整列搬送部は、前記凍結保冷剤の上面に接触することにより、前記凍結保冷剤を押さえる押さえワイヤ部材を備え、前記押さえワイヤ部材は、前記ベルトコンベア装置に対して上下動可能に取り付けられていることを特徴とする保冷剤整列搬送装置。
【0093】
(5)請求項2乃至4のいずれか1項において、前記もたれ解消部材は、進行方向に揺動可能な振り子構造を有していることを特徴とする保冷剤整列搬送装置。この構成によれば、もたれ解消部材が揺動することで凍結保冷剤が引っ掛かりにくくなるため、もたれ解消部材が完全に固定されて動かない構造である場合よりも、凍結保冷剤のもたれ重なり状態を解消しやすくなる。
【0094】
(6)請求項2乃至4のいずれか1項において、前記もたれ解消部材は、進行方向に沿って複数段配置されていることを特徴とする保冷剤整列搬送装置。
【0095】
(7)技術的思想(6)において、複数段の前記もたれ解消部材は、下流側に行くに従って高さが徐々に低くなっていることを特徴とする保冷剤整列搬送装置。
【0096】
(8)請求項2乃至4のいずれか1項において、前記整列搬送部は、通常時に前記ベルトコンベア装置の搬送面よりも下方に退避し、所定のタイミングで前記搬送面の上方に突出するストッパ機構を備えることを特徴とする保冷剤整列搬送装置。
【符号の説明】
【0097】
11…凍結保冷剤
21…コンテナ
70…保冷剤整列搬送装置
72…本体
73…規制部材としての保冷剤出庫シャッター
74…反転装置
75…昇降装置
91…整列搬送部
92a,92b,92c,92d…ベルトコンベア装置
93a,93b,93c…もたれ解消部材
94…はみ出し防止部材
A1…移載位置
L1…保冷剤整列ライン
図1
図2
図3
図4
図5
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