(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022118693
(43)【公開日】2022-08-15
(54)【発明の名称】高速、低歪み受信機回路
(51)【国際特許分類】
H03K 19/0175 20060101AFI20220805BHJP
H03F 3/45 20060101ALI20220805BHJP
H03K 19/0944 20060101ALN20220805BHJP
H03K 19/0185 20060101ALN20220805BHJP
【FI】
H03K19/0175 240
H03F3/45
H03K19/0944
H03K19/0185 210
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021162636
(22)【出願日】2021-10-01
(31)【優先権主張番号】63/144,969
(32)【優先日】2021-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/384,285
(32)【優先日】2021-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】599129074
【氏名又は名称】旺宏電子股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100093997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀佳
(72)【発明者】
【氏名】楊 尚輯
(72)【発明者】
【氏名】池 振聖
【テーマコード(参考)】
5J056
5J500
【Fターム(参考)】
5J056AA01
5J056BB02
5J056CC01
5J056CC02
5J056CC03
5J056DD13
5J056DD27
5J056DD28
5J056KK03
5J500AA12
5J500AC02
5J500AC04
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5J500AF10
5J500AF15
5J500AH10
5J500AH25
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5J500AK04
5J500AK06
5J500AK09
5J500AK11
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5J500AM08
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5J500AT01
5J500DN01
5J500DN14
5J500DN22
5J500DN23
5J500DN24
5J500DP02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】集積回路での使用に適した、高速動作が可能な低歪みの受信機回路を提供する。
【解決手段】受信機回路は、第1段の入力VIN及び第1段の出力OUTA、OUTBを有する第1段の回路であって、第1段の出力が第1段のコモンモード電圧を設定する、第1段の回路Pre-Ampと、第1段の出力に接続された第2段の入力及び第2段のコモンモード電圧を設定する第2段の出力を有する第2段の回路と、第2段の出力に接続された、トリップポイント電圧を有するバッファ回路と、を有する。第1段の回路は、第2段のコモンモード電圧がトリップポイント電圧と一致するように、第1段のコモンモード電圧を確立する回路素子を有する。第2段の回路は、自己バイアス増幅器を有する。
【選択図】
図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1段の入力および第1段の出力を有する第1段の回路であって、前記第1段の出力が第1段のコモンモード電圧を設定する、第1段の回路と、
前記第1段の出力に接続された第2段の入力、および第2段のコモンモード電圧を設定する第2段の出力を有する第2段の回路と、
トリップポイント電圧を有し、前記第2段の出力に接続されたバッファ回路と、を備え、
前記第1段の回路が、前記第2段のコモンモード電圧が前記トリップポイント電圧と一致するように、前記第1段のコモンモード電圧を設定するように構成された回路素子を有する、
受信機回路。
【請求項2】
前記第1段の入力上でシングルエンド信号を受信し、前記第1段の出力が差動対の信号である、請求項1に記載の受信機回路。
【請求項3】
前記第1段の回路が第1のパワードメインに配置され、前記第2段の回路が前記第1のパワードメインとは異なる第2のパワードメインに配置されている、請求項1に記載の受信機回路。
【請求項4】
前記第2段の回路が自己バイアス増幅器を有する、請求項1に記載の受信機回路。
【請求項5】
前記バッファ回路が、前記トリップポイント電圧を有するインバータを有し、前記第2段の出力に接続されている請求項1に記載の受信機回路。
【請求項6】
前記第1段の回路が、
第1および第2の整合抵抗器を介してドレイン側電源電圧ノードに接続されたドレイン、および電流源トランジスタに接続されたソースを有する差動対のトランジスタであって、前記差動対の第1のトランジスタが基準電圧に接続されたゲートを有し、前記差動対の第2のトランジスタが前記第1段の入力に接続されたゲートを有する、差動対のトランジスタと、
前記ドレイン側電源電圧ノードとソース側電源電圧ノードとの間に、基準抵抗器、第1のトランジスタ、および第2のトランジスタを直列状態で有する基準電流回路であって、前記第1のトランジスタが前記基準電圧に接続されたゲートを有し、前記第2のトランジスタが、前記基準抵抗器と前記第1のトランジスタとの間のノードに接続され、かつ前記電流源トランジスタのゲートに接続されたゲートを有する、基準電流回路と、
を有し、
前記第1段のコモンモード電圧を設定するように構成された前記素子が、前記基準抵抗器と、前記第1および第2の整合抵抗器を有する、
請求項1に記載の受信機回路。
【請求項7】
前記第2段の回路が自己バイアス増幅器を有する、請求項6に記載の受信機回路。
【請求項8】
前記第1段の出力が差動対の信号であり、前記第2段の回路が、
第1および第2のカレントミラートランジスタを介して第2のドレイン側電源電圧ノードに接続されたドレインを有し、前記第1段の出力の前記差動対の信号のそれぞれに接続されたゲートを有し、第2の電流源トランジスタに接続されたソースを有する、第2の差動対のトランジスタ、
を備える、請求項6に記載の受信機。
【請求項9】
前記第2の電流源トランジスタが、前記第2の差動対のトランジスタの前記トランジスタのうちの一方の前記ドレインに接続されたゲートを有する、請求項8に記載の受信機。
【請求項10】
前記第2のドレイン側電源電圧ノードと第2のソース側電源電圧ノードとの間の電圧差を設定するための電圧レギュレータを有する、請求項8に記載の受信機。
【請求項11】
前記第1段の出力が差動対の信号であり、前記第2段の回路が、
第1および第2のカレントミラートランジスタを介してドレイン側電源電圧に接続されたドレインを有し、前記第1段の出力の前記差動対の信号のそれぞれに接続されたゲートを有し、電流源トランジスタに接続されたソースを有する、差動対のトランジスタ、
を備える、請求項1に記載の受信機。
【請求項12】
前記電流源トランジスタが、前記差動対のトランジスタの前記トランジスタのうちの一方の前記ドレインに接続されたゲートを有する、請求項11に記載の受信機。
【請求項13】
前記ドレイン側電源電圧を生成するための電圧レギュレータを有する、請求項11に記載の受信機。
【請求項14】
第1および第2の整合抵抗器を介して第1のドレイン側電源電圧ノードに接続されたドレイン、および電流源トランジスタに接続されたソースを有する第1の差動対のトランジスタであって、前記第1の差動対の第1のトランジスタが基準電圧に接続されたゲートを有し、前記第1の差動対の第2のトランジスタが第1段の入力に接続されたゲートを有し、前記第1の差動対のトランジスタのドレインが第1段の出力として差動対の信号を提供する、前記第1の差動対のトランジスタと、
基準抵抗器、第1のトランジスタ、および第2のトランジスタを直列状態で有する、前記第1のドレイン側電源電圧ノードに接続された基準電流回路であって、前記第1のトランジスタが前記基準電圧に接続されたゲートを有し、前記第2のトランジスタが、前記基準抵抗器と前記基準電流回路の前記第1のトランジスタとの間のノードに接続され、かつ、前記第1の差動対のトランジスタに接続された前記電流源トランジスタのゲートに接続された、ゲートを有する、基準電流回路と、
第1および第2のカレントミラートランジスタを介して第2のドレイン側電源電圧ノードに接続されたドレインを有し、前記差動対の信号のそれぞれに接続されたゲートを有し、第2の電流源トランジスタに接続されたソースを有する、第2の差動対のトランジスタと、
前記第2の差動対のトランジスタのうちの一方の前記ドレインに接続されたバッファ回路と、
を備える受信機回路。
【請求項15】
前記第2の電流源トランジスタが、前記第2の差動対のトランジスタの第2のトランジスタの前記ドレインに接続されたゲートを有する、請求項14に記載の受信機回路。
【請求項16】
前記第2のドレイン側電源電圧ノードと第2のソース側電源電圧ノードとの間の電圧差を設定するための電圧レギュレータを有する、請求項14に記載の受信機回路。
【請求項17】
前記第1の差動対のトランジスタが第1のパワードメインに配置され、前記第2の差動対のトランジスタが前記第1のパワードメインとは異なる第2のパワードメインに配置されている、請求項14に記載の受信機回路。
【請求項18】
前記バッファ回路がトリップポイント電圧を有し、前記第2の差動対のトランジスタが前記トリップポイント電圧と一致するコモンモード電圧を有する、請求項14に記載の受信機回路。
【請求項19】
前記基準電流回路が、前記第2の差動対のトランジスタのうちの前記一方の前記ドレイン上の信号が前記トリップポイント電圧に一致する前記コモンモード電圧を有するように、前記差動対の信号の第1段のコモンモード電圧を確立するように構成された回路素子を有する、請求項18に記載の受信機回路。
【請求項20】
基準電圧および第1段の入力信号を受信し、前記基準電圧および前記第1段の入力信号に基づいて制御電圧を出力するように構成された第1の増幅器回路と、
前記第1の増幅器回路から前記制御電圧を受け取り、自己バイアス電圧を設定し、出力信号を提供するように構成された自己バイアス増幅器回路を備え、前記自己バイアス電圧が前記自己バイアス増幅器回路のカレントミラーに接続されている、
データ受信機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部ソースからデータを受信するための入力バッファで使用されるような、集積回路で利用される高速、低歪み受信機に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路は、多くの場合、毎秒ギガビットを超えるダブルデータレートDDR信号などの高速データ信号を受信するように構成されている。例えば、高速受信機は、チップ間でデータを通信するための伝送路に結合された集積回路の入力/出力ピンに接続することができる。
【0003】
データレートが高くなるにつれ、入力信号のパルス幅は、狭くなる。パルス幅は、立ち上がりエッジと立ち下がりエッジの両方が検出されるDDR信号などの一部のデータ信号の非常に重要な特性である。
図1に、基本的な受信機回路を示す。
図1の例では、受信機11は、基本的に比較器として構成されている。受信機11は、例えば、400ピコ秒(ps)のパルス幅を有する入力パルスを受信し、入力パルスを基準電圧Vrefと比較する。理想的には、受信機11の出力も400ピコ秒(ps)のパルス幅を有する。しかしながら、受信機の歪みにより、出力信号のパルス幅が異なる場合があり、例えば、本例では300psである。また、低い入力電圧V
ILおよび高い入力電圧V
IHで表されるパルスの大きさは、データレートが高くなるにつれて小さくなり、受信機の動作をより複雑にする。
【0004】
集積回路での使用に適した、高速動作が可能な、低歪みの受信機回路を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
受信機の歪みにより、出力信号のパルス幅が異なる場合があり、例えば、本例では300psである。また、低い入力電圧VILおよび高い入力電圧VIHで表されるパルスの大きさは、データレートが高くなるにつれて小さくなり、受信機の動作をより複雑にする。集積回路での使用に適した、高速動作が可能な、低歪みの受信機回路を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1段の入力および第1段の出力を有する第1段の回路であって、第1段の出力が第1段のコモンモード電圧を設定する、第1段の回路と、第1段の出力に接続された第2段の入力、および第2段のコモンモード電圧を設定する第2段の出力を有する第2段の回路と、第2段の出力に接続された、トリップポイント電圧を有するバッファ回路と、を有する受信機回路が説明される。第1段の回路は、第2段のコモンモード電圧がトリップポイント電圧と一致するように、第1段のコモンモード電圧を確立するように構成された回路素子を有することができる。
【0007】
本回路は、第1段の入力上でシングルエンド信号を受信し、第1段の出力を差動対の信号として提供することができる。
【0008】
第1段の回路は、第1のパワードメインに配置することができ、第2段の回路は、第1のパワードメインとは異なる第2のパワードメインに配置することができる。
【0009】
第2段の回路は、自己バイアス増幅器を有することができる。
【0010】
第1の差動対のトランジスタ、基準電流回路、第2の差動対のトランジスタ、およびバッファ回路を有する受信機回路が説明される。本例では、第1の差動対のトランジスタは、第1および第2の整合抵抗器を介して第1のドレイン側電源電圧に接続されたドレインと、電流源トランジスタに接続されたソースとを有する。第1の差動対の第1のトランジスタは、基準電圧に接続されたゲートを有し、第1の差動対の第2のトランジスタは、第1段の入力に接続されたゲートを有する。第1の差動対のトランジスタのドレインは、第1段の出力として差動対の信号を提供する。
【0011】
本例の基準電流回路は、ドレイン側電源電圧とソース側電源電圧との間に、基準抵抗器、第1のトランジスタおよび第2のトランジスタを直列状態で有する。第1のトランジスタは、基準電圧に接続されたゲートを有し、第2のトランジスタは、基準抵抗器と基準電流回路の第1のトランジスタとの間のノードに接続され、かつ第1の差動対のトランジスタに接続された電流源トランジスタのゲートに接続された、ゲートを有する。
【0012】
本例では、第2の差動対のトランジスタは、第1および第2のカレントミラートランジスタを介して第2のドレイン側電源電圧に接続されたドレイン、差動対の信号のそれぞれに接続されたゲート、および第2の電流源トランジスタに接続されたソースを有する。
【0013】
本例のバッファ回路は、第2の差動対のトランジスタの第1のトランジスタのドレインに接続されている。
【0014】
第2の電流源トランジスタは、第2の差動対のトランジスタの第2のトランジスタのドレインに接続されたゲートを有することができる。
【0015】
電圧レギュレータを用いて、第2のドレイン側電源電圧を生成することができる。
【0016】
基準電圧および第1段の入力信号を受信し、基準電圧および第1段の入力信号に基づいて制御電圧を出力するように構成された第1の増幅器回路(第1段)を含むデータ受信機が説明される。本例では、自己バイアス増幅器回路は、第1の増幅器回路から制御電圧を受け取り、自己バイアス電圧および出力信号を提供するように構成され、自己バイアス電圧が自己バイアス増幅器回路のカレントミラーに接続されている。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、集積回路での使用に適した、高速動作が可能な、低歪みの受信機回路を提供する。
【0018】
本発明の他の態様および利点は、以下の図面、詳細な説明、および特許請求の範囲を検討することで理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】従来の受信機の歪みを示すヒューリスティックな図である。
【0020】
【0021】
【
図3】プロセス、電圧、および温度のPVT変動に対する、
図2と同様の回路のパルス幅歪みを示すプロセスコーナグラフである。
【0022】
【
図4】PVT変動に対する、
図2と同様の受信機回路のコモンモード電圧と、インバータトリガポイントを比較したプロセスコーナグラフである。
【0023】
【
図5A】
図5Bと組み合わされて、本技術による2段受信機の回路図を提供する図である。
【
図5B】
図5Aと組み合わされて、本技術による2段受信機の回路図を提供する図である。
【0024】
【
図6A】
図5Aおよび
図5Bの回路の第2段と同様の自己バイアス増幅器のコモンモード電圧のモデリングを示す図である。
【
図6B】
図5Aおよび
図5Bの回路の第2段と同様の自己バイアス増幅器のコモンモード電圧のモデリングを示す図である。
【
図6C】
図5Aおよび
図5Bの回路の第2段と同様の自己バイアス増幅器のコモンモード電圧のモデリングを示す図である。
【0025】
【
図7A】本明細書で説明されるような受信機で使用可能な代替の抵抗器技術を示す図である。
【
図7B】本明細書で説明されるような受信機で使用可能な代替の抵抗器技術を示す図である。
【
図7C】本明細書で説明されるような受信機で使用可能な代替の抵抗器技術を示す図である。
【
図7D】本明細書で説明されるような受信機で使用可能な代替の抵抗器技術を示す図である。
【0026】
【
図8A】
図8Bと組み合わされて、差動対にpチャネルMOSトランジスタを使用する本技術による2段受信機の回路図である。
【
図8B】
図8Aと組み合わされて、差動対にpチャネルMOSトランジスタを使用する本技術による2段受信機の回路図である。
【0027】
【
図9】PVT変動に対する、
図5A~
図5Bと同様の受信機回路のコモンモード電圧とインバータトリガポイントを比較するプロセスコーナグラフである。
【0028】
【
図10】PVT変動に対する、
図5A~
図5Bと同様の回路のパルス幅歪みと、
図2と同様の回路のパルス幅歪みを比較するプロセスコーナグラフである。
【0029】
【
図11】本明細書に記載の受信機の一部の実施形態で使用することができる代替の第2段の回路の回路図である。
【0030】
【
図12】PVT変動に対する、
図5A-11と同様の回路のパルス幅歪みと、
図5A~
図5Bの回路のパルス幅歪みおよび
図2の回路のパルス幅歪みを比較したプロセスコーナグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図2は、1段演算増幅器で構成された例示的な受信機回路の回路図である。この回路は、ノード207における約1.3Vのドレイン側基準電圧VDDIOが低ドロップアウトLDO電圧レギュレータ205によって供給され、ソース側基準電圧がVSSノード201によって供給されるパワードメインに配備されている。LDO電圧レギュレータ205の電力は、本例では約2.35V~約3.6Vの間で変動することがある外部ドレイン側電圧基準VDD_EXTによって提供される。
【0032】
パワードメインは、ドレイン側基準ノード(または等価的にコレクタ側)において従来VDDまたはVCCと呼ばれている第1の電源電圧と、ソース側基準ノード(または等価的にエミッタ側)において従来VSSまたはVEEと呼ばれている第2の電源電圧と、を有する電圧源によって電力供給されるように構成された回路を含む。多くの場合、VSSまたはVEE電圧は、DC接地電圧である。一部のパワードメインでは、ソース側基準ノードをAC接地または他の電圧基準に接続することができる。集積回路によっては、複数のパワードメインを有するものもある。
【0033】
図2の回路は、カレントミラーとして構成された第1および第2のpチャネルMOSトランジスタ223および224を介してノード207に接続されたドレインを有する、第1の差動対のnチャネルMOSトランジスタ221、222を有する。第1および第2のpチャネルMOSトランジスタ223および224は、それらのゲートが互いに接続され、第1の差動対のトランジスタ221のドレインに接続されている。
【0034】
トランジスタ221のゲートは、基準電圧REFに接続されている。トランジスタ222のゲートは、高速データ信号を受信することができる入力ノードINに接続されている。
【0035】
トランジスタ221、222のソースは、互いに接続され、電流源トランジスタ225のドレインに接続されている。電流源トランジスタ225は、本例ではnチャネルMOSトランジスタであり、バイアス電圧BIASに接続されたゲートと、VSSノード201に接続されたソースとを有する。
【0036】
図2に、代表的なトランジスタ幅を示す。全体に、本例では、差動対のトランジスタ221および222のサイズ(例えば3μ)は同じであり、カレントミラートランジスタ223および224のサイズ(例えば3μ)は同じである。電流源トランジスタ225のサイズ(例えば6μ)は、差動対のトランジスタ221、222の幅の和に等しい。
【0037】
信号は、コモンモード電圧VCOMを有するノード209で生成される。コモンモード電圧VCOMは、入力データ信号の変動および他の回路要因の関数である。一般に、ノードINの入力データ信号が基準電圧REFよりも大きい場合、ノード209の信号はローであり、ノードINの入力データ信号が基準電圧REFよりも小さい場合、ノード209の信号はハイである。ノード209は、インバータ210の入力に接続され、その出力は、ノードOUTに出力信号を提供する第2のインバータ211に接続されている。インバータ210および211は、インバータを実装するために使用されるpチャネルおよびnチャネルのMOSトランジスタの幅を表す代表的なトランジスタサイズ(2μ/1μ)でラベル付けされている。
【0038】
上述したように、ノードOUTの出力信号は、ノードINの入力信号を表す。しかしながら、出力信号が歪むことがある。
【0039】
図3は、約-50℃~約105℃の温度範囲および約1.15V~約1.6Vの電源電圧範囲にわたって
図2と同様の回路のパルス幅歪みを示すプロセスコーナグラフである。本例の最大歪みは、400psのパルス幅を有する第1段の入力信号の場合、約219psである。
【0040】
図4は、約-50℃~約105℃の温度範囲および約1.15V~約1.6Vの電源電圧範囲にわたって、
図2の回路と同様のインバータ210のトリガポイントに対するコモンモード電圧VCOMを比較したプロセスコーナグラフである。これから明らかなように差は大幅に変化しており、プロセスコーナによっては0.4Vにもなる。
【0041】
図5Aおよび
図5Bは、低歪みの高速入力信号用の2段データ受信機を示す。第1段を
図5Aに示す。
【0042】
図5Aの回路は前置増幅器であり、出力の電圧レベルを第1段の入力信号に対してシフトさせることができる。前置増幅器は、差動対のnチャネルMOSトランジスタ502、503を有する。トランジスタ502は、抵抗R2を有する抵抗器512を介してノード500においてドレイン側基準電圧VCCQに接続されたドレインを有する。トランジスタ503は、抵抗R2を有する抵抗513を介してノード500においてドレイン側基準電圧VCCQに接続されたドレインを有する。トランジスタ502および503のソースは、nチャネルMOS電流源トランジスタ504のドレインに接続されている。電流源トランジスタ504のゲートは、ノード530で生成されたバイアス電圧に接続されている。
【0043】
トランジスタ502のゲートは、基準電圧Vrefに接続されている。トランジスタ503のゲートは、シングルエンド入力信号を受信する第1段の入力ノードVINに接続されている。
【0044】
前置増幅器はまた、ドレイン側電源ノード500とソース側電源ノード501との間に、抵抗R1を有する抵抗器531、nチャネルトランジスタ510、およびnチャネルトランジスタ511を直列状態で有する基準電流回路を含む。トランジスタ510は、そのゲートが基準電圧Vrefに接続されている。また、トランジスタ510は、トランジスタ502および503と同じ幅(例えば10μm)を有することができる。トランジスタ511は、そのゲートがノード530に接続されており、トランジスタ504とカレントミラー方式で配置されている。本例では、トランジスタ511は、第1の幅を有し、トランジスタ504は、第1の幅の2倍の第2の幅を有し、したがってトランジスタ511の2倍の電流を流す。
【0045】
前置増幅器は、ノードOUTAおよびOUTBにおいて第1段の出力を提供する。本例の出力は、抵抗R1とR2の比の関数であるコモンモード電圧を有する差動対の信号である。抵抗器512および513の抵抗は、同じ値R2であり、トランジスタ502、503は、同じサイズを有するため、ノードOUTAおよびOUTB上の信号のコモンモード電圧はほぼ同じである。抵抗器531の値R1は、ノード530の電圧を制御し、したがって、トランジスタ511を流れる電流の大きさを制御し、カレントミラー構成によって、電流源トランジスタ504の電流を制御する。ノードOUTAおよびOUTBにおける前置増幅器段のコモンモード電圧は、電流源トランジスタ504を流れる電流の関数である。したがって、前置増幅器段のコモンモード電圧は、抵抗R1とR2の比を調整することによって調整することができる。別の実施形態では、コモンモード電圧は、トランジスタ511と504の相対的なサイズを調整することによって調整することができる。別の実施形態では、コモンモード電圧は、トランジスタ511および504のサイズ、ならびに抵抗R1およびR2の調整を組み合わせることによって調整することができる。他の回路では、異なる回路素子を用いてコモンモード電圧を調整することがある。
【0046】
図5Aの前置増幅器回路は、第1のパワードメインに配備され、本例では、ノードVIN上の第1段の入力信号の電圧振幅に基づいて設定することができるドレイン側電源電圧VCCQを有する。
【0047】
図5Aに示される前置増幅器は、第2段のコモンモード電圧に影響を及ぼすことができるやり方で、第1段の入力信号に対してDCレベルをシフトさせることができる増幅器またはレベルシフタの一例であり、一部の実施形態では第2段のための第2段の入力信号のDCレベルを持ち上げることができる。
【0048】
図5Bは、高速受信機の第2段の回路図であり、
図5Aに示される第1段のノードOUTAおよびOUTBの出力は、第2段の第2段入力に接続されている。
【0049】
第2段の回路は、第1および第2のpチャネルMOSカレントミラートランジスタ621、622を介してドレイン側電源ノード607に接続されたドレインを有する、第2の差動対のnチャネルMOSトランジスタ623、624を備える。トランジスタ623および624のゲートは、
図5Aの第1段の回路のノードOUTAおよびOUTBからの差動対の信号のそれぞれに接続されている。トランジスタ623および624のソースは、ソース側電源ノード601に接続されたソースを有する、nチャネルMOS電流源トランジスタ625のドレインに共通に接続されている。カレントミラートランジスタ621および622ならびにそれらのゲートは、ノード630において互いに接続され、本例では、カレントミラートランジスタ623のドレインにも接続されている。本回路は、ノード630において自己バイアス電圧を設定する。さらに、ノード630は、電流源トランジスタ625のゲートに接続されている。
【0050】
本例では、ノード607におけるドレイン側電源電圧VDDIOは、約1.3Vであり、ドレイン側ノード607とソース側ノード601との間の電圧差を設定する低ドロップアウト電圧レギュレータなどの電圧レギュレータ605によって供給される。低ドロップアウト電圧レギュレータ605は、本例では、約2.35V~約3.6Vの範囲であってもよいVDD_EXTを受け取る。
【0051】
したがって、
図5Bの第2段の回路は、一部の実施形態では、
図5Aの第1段の回路とは異なるパワードメインに配備されている。
【0052】
トランジスタ624のドレイン上のノード631は、インバータ610への入力として接続されている。インバータ610の出力は、インバータ611の入力に印加され、インバータ611は、
図5Aの増幅器段のノードVINに印加される電圧を表す出力電圧OUTを提供する。また、ノード631は、トランジスタ621および622を含むカレントミラーのpチャネルトランジスタ622のドレインに接続されており、これが第2段の回路の自己バイアスに寄与する。
【0053】
インバータ610および611は、ノード631に対する出力負荷の影響を回避するためのバッファを提供する。バッファは、NORゲート、NANDゲート、ラッチなどの他のタイプの回路を使用して実装することができる。
【0054】
図では、差動対のトランジスタ623、624の代表的なトランジスタ幅(例えば3μm)、カレントミラートランジスタ621、622の代表的なトランジスタ幅(例えば3μm)、および電流源トランジスタ625の代表的なトランジスタ幅(例えば6μm)が示されている。また、インバータ610および611は、インバータを実装するために使用されるpチャネルおよびnチャネルのMOSトランジスタの幅を表す代表的なトランジスタサイズ(2μ/1μ)でラベル付けされている。
【0055】
図5Bの第2段の回路は、電流源トランジスタ625のゲートをノード630に接続することによる自己バイアス増幅器である。自己バイアスの結果として、ノード631のコモンモード電圧VCOMは、PVTの変動に対してインバータ(または他のバッファ入力)のトリガポイントに自然に追従する。インバータのトリガポイントに追従することによって、立ち上がり時間遅延と立ち下がり時間遅延の不一致に関連する歪みを低減することができる。すなわち、トリガポイントが変化すると、ノード631上の信号がトリガポイントに到達するのにかかる時間も変化し、立ち上がりエッジの場合には増加し、立ち下がりエッジの場合には減少する。したがって、これらのトリガの変動は、インバータの出力のパルス幅の変動という形で歪みを引き起こす。
【0056】
本例示的な回路では、第1段の回路は、第2段の回路のノード631においてコモンモード電圧VCOMを調整するために使用することができる回路素子を有する。
図5Aの例におけるこれらの素子は、値R2を有する抵抗器512および513、ならびに値R1を有する抵抗器531を有する。値R2およびR1は、ノード631のVCOMがインバータ610のトリガポイントと一致するように設定することができる。値R2およびR1は、シミュレーション、または集積回路設計のための電子設計自動化技術で知られている他の技術を使用して決定することができる。
【0057】
図6A~
図6Cは、
図5Bの自己バイアス増幅器が、PVTの変動に対してインバータ610のトリガポイントに追従するコモンモード電圧をどのように有することができるかを説明するために参照される。
図6Aでは、
図5Bの回路の回路素子は、同じ参照番号で示され、コモンモード電圧VCOMがトランジスタ624のドレインのノード631に対してラベル付けされている。信号OUTAのDCレベルが信号OUTBのDCレベルと等しい場合、この説明の目的で、回路を
図6Bに示す回路に縮小することができ、トランジスタ623/624は、2倍の幅を有する単一のトランジスタに合体され、トランジスタ621/622は、2倍の幅を有する単一のトランジスタに合体される。
図5Bの第2段の回路のコモンモード電圧VCOMが、
図5Aの前置増幅器回路の素子を設定することによって上記のように調整され、したがって、OUTAのコモンモードがVCOMと一致する場合、この説明の目的のために、回路を、幅6μmのpチャネルトランジスタ621/622および幅3μmのnチャネルトランジスタ623/624/625を含む
図6Cに示す回路に縮小することができる。結果として得られる回路は、その入力と出力が接続され、pチャネル幅とnチャネル幅の比が、インバータ610の比と一致し、それによってインバータのトリガポイントと一致する、2:1に等しいインバータである。このようにして、
図5Bの自己バイアス増幅器段のコモンモード電圧VCOMは、PVTの変動に対してインバータ610のトリガポイントに追従するはずである。
【0058】
図5Aの抵抗R1およびR2は、拡散抵抗、ポリシリコン抵抗、またはその他の受動抵抗部品を使用して実装することができる。
図7A~
図7Dは、代替の抵抗器の実施形態を示す。
図7Aに示すように、抵抗は、高電圧バイアスに接続されたゲートを有するnチャネルMOSトランジスタを使用して実装することができる。
図7Bに示すように、抵抗は、VSSに接続されたゲートを有するpチャネルトランジスタを使用して実装することができる。
図7Cに示すように、抵抗は、ゲートとドレインが接続されたダイオード構成のpチャネルトランジスタを使用して実装することができる。
図7Dに示すように、抵抗は、ゲートとドレインが接続されたダイオード構成のnチャネルトランジスタを使用して実装することができる。
【0059】
図8Aおよび
図8Bは、pチャネル差動対を用いた低歪みの高速入力信号用の2段データ受信機を示す。第1段を
図8Aに示す。
【0060】
図8Aの回路は、前置増幅器である。前置増幅器は、差動対のpチャネルMOSトランジスタ822、823を有する。トランジスタ822は、抵抗R2を有する抵抗器を介してノード801のドレイン側基準電圧(本例では接地)に接続されたドレインを有する。トランジスタ823は、抵抗R2を有する抵抗器を介してノード801のドレイン側基準電圧に接続されたドレインを有する。トランジスタ822および823のソースは、pチャネルMOS電流源トランジスタ824のドレインに接続されている。電流源トランジスタ824のゲートは、ノード830で生成されたバイアス電圧に接続されている。
【0061】
トランジスタ822のゲートは、基準電圧Vrefに接続されている。トランジスタ823のゲートは、シングルエンド入力信号を受信する第1段の入力ノードVINに接続されている。
【0062】
前置増幅器はまた、ノード801の第1のドレイン側電源電圧(本例では接地)とノード800の第1のソース側電源電圧(本例ではVCCQ)との間に、抵抗R1を有する抵抗器、pチャネルトランジスタ832、およびpチャネルトランジスタ831を直列状態で有する基準電流回路を含む。トランジスタ831は、そのゲートが基準電圧Vrefに接続されている。また、トランジスタ832は、トランジスタ822および823と同じ幅を有することができる。トランジスタ832は、そのゲートがノード830に接続されており、トランジスタ824とカレントミラー方式で配置されている。本例では、トランジスタ832とトランジスタ824は、同じトランジスタ幅を有する。
【0063】
前置増幅器は、ノードOUTAおよびOUTBにおいて第1段の出力を提供する。本例の出力は、抵抗R1とR2の比の関数であるコモンモード電圧を有する差動対の信号である。トランジスタ822および823のドレイン上の抵抗は、同じ値R2であり、トランジスタ822および823は、同じサイズであるため、ノードOUTAおよびOUTB上の信号のコモンモード電圧は、ほぼ同じである。値R1は、ノード830の電圧を制御し、したがって、トランジスタ832を流れる電流の大きさを制御し、カレントミラー関係を介して、電流源トランジスタ824を流れる電流の大きさを制御する。ノードOUTAおよびOUTBにおける前置増幅器段のコモンモード電圧は、電流源トランジスタ824を流れる電流の関数である。したがって、前置増幅器段のコモンモード電圧は、抵抗R1とR2の比を調整することによって調整することができる。別の実施形態では、コモンモード電圧は、トランジスタ832および824の相対的なサイズを調整することによって調整することができる。別の実施形態では、コモンモード電圧は、トランジスタ832および824のサイズ、ならびに抵抗R1およびR2の調整を組み合わせることによって調整することができる。他の回路では、異なる回路素子を用いてコモンモード電圧を調整することがある。
【0064】
図8Aの前置増幅器回路は、第1のパワードメインに配備され、本例では、ノードVIN上の第1段の入力信号の電圧振幅に従って設定することができる第1のソース側電源電圧VCCQを有する。
【0065】
図8Bは、高速受信機の第2段の回路図であり、
図8Aに示す第1段のノードOUTAおよびOUTBの出力は、第2段の第2段入力に接続されている。
【0066】
第2段の回路は、第1および第2のnチャネルMOSカレントミラートランジスタ926、927を介してノード901においてドレイン側電源電圧(本例では接地)に接続されたドレインを有する第2の差動対のpチャネルMOSトランジスタ922、923を備える。トランジスタ922および923のゲートは、
図8Aの第1段の回路のノードOUTAおよびOUTBからの差動対の信号のそれぞれに接続されている。トランジスタ922および923のソースは、ノード902において第2のソース側電源電圧に接続されたソースを有するpチャネルMOS電流源トランジスタ924に共通に接続されている。Nチャネルカレントミラートランジスタ926および927は、それらのゲートがノード930において互いに接続されており、本例では、トランジスタ922のドレインにも接続されている。本回路は、ノード930において自己バイアス電圧を設定する。さらに、ノード930は、電流源トランジスタ924のゲートに接続されている。
【0067】
本例では、ノード902のソース側電源電圧VDDIOは、約1.3Vであり、ソース側ノード902とドレイン側ノード901との間の電圧差を設定する低ドロップアウト電圧レギュレータなどの電圧レギュレータ910によって供給される。低ドロップアウト電圧レギュレータ910は、本例では、約2.35V~約3.6Vの範囲であってもよいドレイン側電源電圧VDD_EXTを受け取る。
【0068】
したがって、
図8Bの第2段の回路は、
図8Aの第1段の回路とは異なるパワードメインに配備されている。
【0069】
トランジスタ923のドレイン上のノード931は、インバータ911への入力として接続されている。インバータ911の出力は、インバータ912の入力に印加され、インバータ912は、
図8Aの増幅器段のノードVINに印加される電圧を表す出力電圧OUTを提供する。また、ノード931は、トランジスタ926および927を有するカレントミラーのnチャネルトランジスタ927のドレインに接続されており、これが第2段の回路の自己バイアスに寄与する。
【0070】
インバータ911および912は、ノード931に対する出力負荷の影響を回避するためのバッファを提供する。バッファは、NORゲート、NANDゲート、ラッチなどの他のタイプの回路を使用して実装することができる。
【0071】
データ受信機回路は、
図5A~
図5Bに示され、
図8A~
図8Bに示される代替形態は、基準電圧および第1段の入力信号を受信し、基準電圧および第1段の入力信号に基づいて、制御電圧(OUTA、OUTB)を出力するように構成された第1の増幅器回路と、第1の増幅器回路から制御電圧を受け取り、インバータ(610、611または911、912)への出力信号として、出力用の自己バイアス電圧(ノード631、931)を提供するように構成された自己バイアス増幅器回路であって、自己バイアス電圧が自己バイアス増幅器回路のカレントミラー(トランジスタ622、621または926、927)に接続されている、自己バイアス増幅器回路と、を備える。
【0072】
図9は、約-50℃~約105℃の温度範囲、および約1.15V~約1.6Vの電源電圧範囲にわたって、
図5A~
図5Bの回路のインバータ210についてトリガポイントに対するコモンモード電圧VCOMを比較したプロセスコーナグラフである。見ての通り、その差は、極めて小さく、最大差は約0.1Vである。これは、
図4に見られるような約0.4Vの変動に比べて驚くほど優れている。
【0073】
図10は、
図5A~
図5Bと同様の回路のパルス幅歪みと
図2と同様の回路のパルス幅歪みをPVT変動に対して比較したプロセスコーナグラフである。見ての通り、
図5A~
図5Bの回路のパルス幅歪みは、
図2の回路よりもはるかに小さい。このテストにおける
図5A~
図5Bの回路の最大歪みは、
図2の回路の最大約219psと比較して、わずか9.8psであった。
【0074】
図11は、第2段が自己バイアスを行わない、
図5A~
図5Bと同様の回路の第2段の代替実施態様(
図5A-11)の回路図である。
図11の図では、
図5Bに対して利用されたものと同じ参照番号がまた使用されており、再度説明されない。しかしながら、
図11の回路の電流源トランジスタ625のゲートは、
図5Aの前置増幅器段のノード530に接続されている。その結果、第2段の電流は、第1段の回路の基準電流回路(トランジスタ511を含む)の電流の関数として設定される。
【0075】
図12は、PVT変動に対する、
図5A-11と同様の回路、
図5A~
図5Bの回路、および
図2と同様の回路のパルス幅歪みを比較したプロセスコーナグラフである。見ての通り、
図5A-11の回路のパルス幅歪みは、
図2の回路よりもはるかに小さい。
【0076】
本明細書に記載の高速データ受信機は、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、RRAM、MRAM、PCRAMなどを有する多くのタイプのメモリ集積回路で使用することができる。
【0077】
毎秒ギガビットを超える高速回路に適した、入力信号の歪みが非常に低い高感度の入力受信機が説明されている。本明細書では、受信機の出力における増幅器に、インバータなどの出力バッファのトリガポイントに追従するコモンモード電圧を持たせることができる2段増幅器について説明している。これにより、立ち上がり遅延と立ち下がり遅延の不一致を低減して、入力信号の歪みを回避することができる。
【0078】
本発明は、上記に詳述された好ましい実施形態および例を参照することによって開示されているが、これらの例は、限定的な意味ではなく例示的な意味で意図されていることを理解されたい。当業者であれば、本発明の精神および以下の特許請求の範囲内にある修正および組合せを容易に想到することが企図される。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明の受信機回路は、高速動作が可能な、低歪みの集積回路での使用に適している。
【符号の説明】
【0080】
201、207、209、500、501、530、601、607、630、631、800、801、830、901、902、930、931、OUTA、OUTB:ノード
205:電圧レギュレータ
225:電流源トランジスタ
221、222、223、224、502、503、504、510、511、621、622、623、624、625、822、823、824、832、831、922、923、924、926、927:トランジスタ
512、513、531:抵抗器
605、910:電圧レギュレータ
210、211、610、611、911、912:インバータ
REF、Vref:基準電圧
IN、OUT:入力ノード
OUT:出力電圧
VIN:段入力ノード
BIAS:バイアス電圧
R1、R2:抵抗
【外国語明細書】