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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022118712
(43)【公開日】2022-08-15
(54)【発明の名称】手摺
(51)【国際特許分類】
   E04F 11/18 20060101AFI20220805BHJP
   A47K 4/00 20060101ALI20220805BHJP
   A47K 3/12 20060101ALI20220805BHJP
【FI】
E04F11/18
A47K4/00
A47K3/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022011084
(22)【出願日】2022-01-27
(31)【優先権主張番号】P 2021014862
(32)【優先日】2021-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2021170998
(32)【優先日】2021-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】506182309
【氏名又は名称】株式会社エスミー
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 誠
【テーマコード(参考)】
2D132
2E301
【Fターム(参考)】
2D132DA00
2D132GA04
2E301GG01
2E301GG03
2E301HH03
2E301HH08
2E301KK02
2E301KK04
(57)【要約】
【課題】使用者が容易に手摺部を掴むことができるようにすることを目的とする。
【解決手段】本発明は、使用者が手で掴む手摺部110と、手摺部110を壁10に取り付けるための取付部150と、を備える手摺100であって、手摺部110を掴む手と干渉しないように物品を配置させる配置部材170(171a~171c)を備えることを特徴とする。また、配置部材171a~171cは、物品を載置する載置部175、185b、185cを有し、載置部載置部175、185b、185cは、手摺部110を掴む手と干渉しないように位置する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者が手で掴む手摺部と、
前記手摺部を壁に取り付けるための取付部と、を備える手摺であって、
前記手摺部を掴む手と干渉しないように物品を配置させる配置部材を備えることを特徴とする手摺。
【請求項2】
前記配置部材は、前記物品を載置する載置部を有し、
前記載置部は、前記手摺部を掴む手と干渉しないように位置することを特徴とする請求項1に記載の手摺。
【請求項3】
前記配置部材は、物品を載置する載置部を有し、
前記載置部は、前記手摺部よりも上側に位置することを特徴とする請求項1に記載の手摺。
【請求項4】
前記手摺部は、前記壁と対向する側に前記配置部材が着脱可能に装着される被着脱部を有し、
前記配置部材は、
前記被着脱部に装着する着脱部と、
前記着脱部が前記被着脱部に装着した状態において、一部が前記手摺部と前記壁との間に位置し、前記着脱部と前記載置部とを連結する連結部と、を有することを特徴とする請求項3に記載の手摺。
【請求項5】
前記配置部材は、物品を載置する載置部を有し、
前記載置部は、前記手摺部よりも下側に位置することを特徴とする請求項1に記載の手摺。
【請求項6】
前記手摺部は、下側に前記配置部材が着脱可能に装着される被着脱部を有し、
前記配置部材は、
前記被着脱部に装着する着脱部を有することを特徴とする請求項5に記載の手摺。
【請求項7】
前記被着脱部は、上側に向かって凹んだ凹部と、前記凹部のうち前後方向の一方側に広くなった空間の下側に位置する抜止部とを有し、
前記着脱部は、前記凹部の開口に当接することで撓み、前記凹部内に至ることで撓みが解除されて前記抜止部に係止する係止部を有することを特徴とする請求項6に記載の手摺。
【請求項8】
前記着脱部は、前記配置部材を使用する姿勢とは異なる姿勢で前記被着脱部に装着され、前記配置部材を使用する姿勢に回動することで前記被着脱部から離脱できないことを特徴とする請求項4または6に記載の手摺。
【請求項9】
前記載置部は、平面視において、前記手摺部と重なり合って位置することを特徴とする請求項2ないし8の何れか1項に記載の手摺。
【請求項10】
前記配置部材は、前記手摺部の長手方向に沿って摺動可能であることを特徴とする請求項1ないし9の何れか1項に記載の手摺。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手摺に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、使用者の身体を支持するために手摺が用いられている。特許文献1には、左右方向に延びており、左右方向に垂直な断面において縦長状に形成された手すり本体部と、手すり本体部の上端部から後方に向かって突出した指掛け部とを備えた手すりが開示されている。また、この手すりは、左右方向に延びた複数の線材を前後方向に間隔を置いて配置し、各線材を複数の保持材で連結した棚材を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-35667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の手すりに備えられた棚材は手すりと壁との間に設けられていることから、棚材に配置した物品が手すりに近接している場合には、使用者が手すりに手を掛けるときに物品が邪魔になってしまい、手すりを容易に掴むことができないおそれがある。また、棚材にシャンプー容器等の物品を配置した場合には、容器のノズルからシャンプーが手すりに垂れ落ちしてしまい手すりが汚れてしまうことがある。
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、使用者が容易に手摺部を掴むことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、使用者が手で掴む手摺部と、前記手摺部を壁に取り付けるための取付部と、を備える手摺であって、前記手摺部を掴む手と干渉しないように物品を配置させる配置部材を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、使用者が容易に手摺部を掴むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】手摺が設置された浴室の外観の構成の一例を示す斜視図である。
図2】第1の実施形態の手摺の分解斜視図である。
図3】手摺の断面図である。
図4】手摺部の構成の一例を示す分解斜視図である。
図5】端部カバーの構成の一例を示す斜視図である。
図6】取付部の構成の一例を示す分解斜視図である。
図7】手摺を浴室の壁に取り付ける方法を説明するための図である。
図8】手摺を浴室の壁に取り付ける方法を説明するための図である。
図9】手摺を浴室の壁に取り付ける方法を説明するための図である。
図10】手摺を浴室の壁に取り付ける方法を説明するための図である。
図11】手摺を浴室の壁に取り付ける方法を説明するための図である。
図12】手摺を浴室の壁に取り付ける方法を説明するための図である。
図13】手摺を浴室の壁に取り付ける方法を説明するための図である。
図14】第2の実施形態の手摺本体の構成の一例を示す図である。
図15】第3の実施形態の手摺の分解斜視図である。
図16】手摺の断面図である。
図17】手摺部の構成の一例を示す分解斜視図である。
図18】第4の実施形態の手摺の断面図である。
図19】手摺部の構成の一例を示す分解斜視図である。
図20】第5の実施形態の手摺の分解斜視図である。
図21】配置部材を装着する方法を説明するための図である。
図22】配置部材を装着する方法を説明するための図である。
図23】第6の実施形態の手摺の分解斜視図である。
図24】手摺の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、実施形態に係る手摺について図面を参照して説明する。なお、説明を容易にするために、各図には必要に応じて、手摺が壁に取り付けられた状態を基準として、右側をR、左側をL、前側をFr、後側Rrとして示している。
【0009】
(第1の実施形態)
本実施形態に係る手摺100は、浴室の壁10に取り付けられる。手摺100は、使用者が手で掴むことで、座ったり立ったりする動作あるいは伝いながら歩く動作を容易に行うことができる。また、本実施形態の手摺100は、浴室で使用する物品等を配置することができる。
図1は、手摺100が設置された浴室の外観の構成の一例を示す斜視図である。図2は、手摺100の分解斜視図である。図3は、手摺100の断面図である。
手摺100は、手摺部110と、取付部150と、配置部材170とを備える。
【0010】
手摺部110は、使用者が手で掴むための部位である。
手摺部110は、左右方向に沿って延びており、浴室の浴槽11と洗い場12とに跨るように取付部150を介して壁10に取り付けられる。また、手摺部110は、使用者が洗い場12に座っている状態で掴み易いように洗い場12の床面から600~1000mm(ここでは略700mm)の高さに位置する。また、手摺部110は、浴室の壁10からの隙間が40mm~120mm(ここでは略60mm)離れて位置する。ただし、具体的な寸法は特に限定されるものではない。
【0011】
手摺部110は、左右方向の長さが浴室の大きさに応じて設定される。また、図3に示すように、手摺部110は、長手方向に沿って見たときに、上下方向の高さhが前後方向の厚みtに比べて長い略扁平状である。具体的に、手摺部110は使用者が掴み易いように前後方向の厚みtが25mm~50mm(ここでは略30mm)である。また、手摺部110は、配置部材170を着脱できる構造を含めるために、上下方向の高さhが70mm~150mm(ここでは略120mm)である。ただし、具体的な寸法は特に限定されるものではない。
【0012】
図4は、手摺部110の構成の一例を示す分解斜視図である。
本実施形態の手摺部110は、複数の部材が一体化するように結合されることで構成される。具体的に、手摺部110は、手摺本体111と、本体カバー131と、端部カバー141A、141Bとを有する。
【0013】
まず、手摺本体111は、手摺部110の主とする部分であり、使用者が体重を掛けても撓んだり曲がったりしないような剛性を有する材質が用いられる。手摺本体111は、例えば、アルミニウム合金製やガラス繊維入りの合成樹脂製であり、左右方向に沿って押し出し成形したり射出成形したりすることによって形成される。
手摺本体111は、手掛部112と、基部113と、配線部117と、第1の被着脱部120と、第2の被着脱部124と、被係合部127とを有する。
【0014】
手掛部112は、使用者が手を掛けて掴む部分である。手掛部112は、手摺本体111の上端に位置し、左右方向に沿って連続して形成される。手掛部112は、中空状に形成され、上端が上側に凸の半円状であり、上端から前後に離れて平行に垂下する一対の壁を有する。図3の二点鎖線に示すように、使用者は人差し指から小指が手掛部112のうち後側の壁に接触し、親指が前側の壁に接触し、手のひらが上端に接触するような状態で手掛部112を掴むことができる。なお、手掛部112は手で掴むのに適した形状であればよく、具体的な形状は特に限定されるものではない。
【0015】
基部113は、手摺部110を取付部150を介して壁10に取り付けるときに、ボルト201を壁10に向かって挿通させる部分である。基部113は、手掛部112の下側に位置し、左右方向に沿って連続して形成される。基部113は、手摺本体111の前面から後側に向かって凹んでいる一方、手掛部112の後側の壁から下側に向かって連続して形成される。したがって、基部113は、前後方向の厚みが手掛部112よりも薄く形成される。また、基部113は、複数の固定孔114と、複数の配線孔115とを有する。固定孔114および配線孔115は、プレス機で打ち抜いたり、切削加工したり、金型で射出成形したりすることで形成される。固定孔114は、前後方向に貫通すると共に左右方向に沿って長い長孔であり、固定部材としての後述するボルト201が挿通される。固定孔114は、左右に間隔をあけて基部113の全体に亘って複数、形成される。固定孔114を長孔にすることで、手摺部110を取付部150に対して取り付ける位置を左右方向に調整することができる。配線孔115は、左右方向に沿って長い長孔であり、後述するケーブル191が挿通される。配線孔115は、左右に間隔をあけて基部113の全体に亘って複数、形成される。配線孔115を長孔にすることで、ケーブル191を配線するときの自由度を向上させることができる。
【0016】
配線部117は、手摺本体111の長手方向に沿ってケーブル191を配線させる部分である。配線部117は、基部113と規制壁118とにより前後に囲まれて位置し、左右方向に沿って連続して形成される。規制壁118は、配線部117に配線されたケーブル191が、手摺本体111から前側に垂れ落ちないように前側から覆う。規制壁118は、基部113の前側に形成された凹みの下端から上側に向かって突出しており、左右方向に沿って連続して形成される。
【0017】
第1の被着脱部120は、配置部材170が着脱可能に装着される部分である。第1の被着脱部120は、手掛部112よりも下側であって、平面視において手掛部112と重なり合うように位置している。また、第1の被着脱部120は、第2の被着脱部124よりも上側に位置し、第2の被着脱部124に比べて配置部材170の後述する載置部175が手摺部110よりも上側になるような配置部材を装着するのに適している。また、第1の被着脱部120は、手摺部110を浴室の壁10に取り付ける施工時に限られず、施工後であっても、配置部材170を着脱することができる。また、第1の被着脱部120は、装着された配置部材170を適宜、所望する位置に手摺本体111の左右方向に沿って摺動させることができる。
【0018】
具体的に、第1の被着脱部120は、手摺本体111の後面から前側に向かって凹んだ凹部121と、凹部121の開口端のうち上端に位置する抜止部122とを有する。凹部121は、配置部材170の後述する着脱部172が挿入できるほどの大きさの空間であり、左右方向に沿って連続して形成される。凹部121は手摺本体111の後面に開口しており、配置部材170を凹部121の開口を通して浴室の壁10と手摺部110との間から第1の被着脱部120に対して着脱させる。抜止部122は、配置部材170の一部と当接することで配置部材170が第1の被着脱部120から意図せずに抜け出てしまうことを防止する。なお、第1の被着脱部120に対する配置部材170の着脱方法については後述する。
【0019】
また、第1の被着脱部120には凹部121の開口と対向する面に発光部190aを取り付けることができる(図3を参照)。発光部190aは、例えば、パッケージされたLEDを複数、左右に間隔をあけて貼り付けることで取り付けてもよく、LEDが長手方向に沿って間隔をあけて配置された帯状のLEDテープを貼り付けることで取り付けてもよい。第1の被着脱部120に取り付けた発光部190aは、凹部121の開口を通して浴室の壁10を照射することで間接的な照明となる。なお、配置部材170を透明あるいは半透明な材質にすることで、発光部190aからの光が配置部材170内を伝搬して配置部材170の外縁としての各端面から出射されるために、使用者は配置部材170の位置を容易に認識することができる。
【0020】
第2の被着脱部124は、配置部材170が着脱可能に装着される部分である。第2の被着脱部124は、手掛部112よりも下側であって、平面視において手掛部112と重なり合うように位置している。また、第2の被着脱部124は、第1の被着脱部120よりも下側に位置し、第1の被着脱部120に比べて配置部材170の後述する載置部185b、185cが手摺部110よりも下側になるような配置部材を装着するのに適している。また、第2の被着脱部124も同様に、手摺部110を浴室の壁10に取り付ける施工時に限られず、施工後であっても、配置部材170を着脱することができる。また、第2の被着脱部124は、装着された配置部材170を適宜、所望する位置に手摺本体111の左右方向に沿って摺動させることができる。
【0021】
具体的に、第2の被着脱部124は、手摺本体111の下面から上側に向かって凹んだ凹部125と、凹部125の開口端のうち前後に位置する一対の抜止部126とを有する。凹部125は、配置部材170の後述する着脱部182が挿入できるほどの大きさの空間であり、左右方向に沿って連続して形成される。凹部125は手摺本体111の下面に開口している。凹部125は、配置部材170を手摺本体111の左右方向の端部から第1の被着脱部120に対して着脱させる。抜止部126は、配置部材170の一部と当接することで配置部材170が第2の被着脱部124から意図せずに抜け出てしまうことを防止する。なお、第2の被着脱部124に対する配置部材170の着脱方法については後述する。
【0022】
また、第2の被着脱部124には凹部125の開口と対向する面に発光部190bを取り付けることができる(図3を参照)。発光部190bは、例えば、パッケージされたLEDを複数、左右に間隔をあけて貼り付けることで取り付けてもよく、LEDが長手方向に沿って間隔をあけて配置された帯状のLEDテープを貼り付けることで取り付けてもよい。第2の被着脱部124に取り付けた発光部190bは、凹部125の開口を通して浴室の床面を照射することで間接的な照明となる。なお、配置部材170を透明あるいは半透明な材質にすることで、発光部190bからの光が配置部材170内を伝搬して配置部材170の外縁としての各端面から出射されるために、使用者は配置部材170の位置を容易に認識することができる。
【0023】
被係合部127は、本体カバー131の後述する係合部133が係合される部分である。被係合部127は、第1の溝部128aと、第2の溝部128bと、突起部129とを有する。第1の溝部128aおよび第2の溝部128bは、手摺本体111の後面に固定孔114および配線孔115を挟んで上下に離れて位置し、左右方向に沿って連続して形成される。突起部129は、第2の被着脱部124の前端かつ下端から下側に突出する。突起部129は、手摺本体111の下端に位置し、左右方向に沿って連続して形成される。
【0024】
次に、本体カバー131は、手摺本体111を覆う部分である。本体カバー131は、手摺部110のうち使用者が実際に触れる部分であり、手摺本体111よりも低い熱伝導率の材質が用いられる。本体カバー131は、例えば、エラストマーや軟質のポリ塩化ビニル等の合成樹脂製であり、左右方向に沿って押し出し成形することによって形成される。本体カバー131は、例えば、端部カバー141A、141Bと同じ第1の色が施される。また、本体カバー131は、手摺本体111の表面の形状に沿うような略薄板状であり、左右方向に沿って連続して形成される。本体カバー131は、手摺本体111の表面のうち前面全体、上面全体、裏面の一部を外側から覆う。一方、図3に示すように、本体カバー131は、手摺本体111のうち第1の被着脱部120の開口および第2の被着脱部124の開口を覆わないように形成される。
【0025】
また、本体カバー131は、第1の撓み部132aと、第2の撓み部132bと、係合部133と、第1の薄肉部136と、第2の薄肉部137とを有する。
第1の撓み部132aおよび第2の撓み部132bは、外力によって撓ませたり直線状にしたり変形できる部分である。第1の撓み部132aおよび第2の撓み部132bは、手摺本体111の表面と対向する面に複数の凹部を形成することで、容易に変形させることができる。第1の撓み部132aおよび第2の撓み部132bは、左右方向に沿って連続して形成される。第1の撓み部132aは、手摺本体111のうち手掛部112の半円状の上端に沿うように撓み可能である。第2の撓み部132bは、後述する引っ掛け部135が手摺本体111の突起部129の後面に引っ掛かるように、屈曲するような状態に撓み可能である。
【0026】
係合部133は、手摺本体111の上述した被係合部127に係合する部分である。係合部133は、第1の突起部134aと、第2の突起部134bと、引っ掛け部135とを有する。第1の突起部134aおよび第2の突起部134bは、手摺本体111の第1の溝部128aおよび第2の溝部128bにそれぞれ挿入することで、本体カバー131が手摺本体111に係合する。第1の突起部134aおよび第2の突起部134bは、それぞれ手摺本体111の後面を覆う部分に位置し、左右方向に沿って連続して形成される。引っ掛け部135は、手摺本体111の突起部129の後面に引っ掛けることで、本体カバー131が手摺本体111に係合する。引っ掛け部135は、本体カバー131の端に位置し、左右方向に沿って連続して形成される。
【0027】
第1の薄肉部136および第2の薄肉部137は、厚みが本体カバー131の他の部分よりも薄い部分である。第1の薄肉部136および第2の薄肉部137は、第1の突起部134aと第2の突起部134bとの間で上下に離れた位置に、左右方向に沿って連続して形成される。第1の薄肉部136および第2の薄肉部137は、本体カバー131が手摺本体111に係合した状態では、手摺本体111の固定孔114および配線孔115に対して対向して位置する。第1の薄肉部136および第2の薄肉部137は、施工者が容易に孔を開けることができる。
【0028】
次に、端部カバー141A、141Bは、手摺本体111の左右両側の端部をそれぞれ覆う部分であり、手摺部110全体の美観を向上させる。端部カバー141A、141Bは、使用者が実際に触れる可能性がある部分であり、手摺本体111よりも低い熱伝導率の材質が用いられる。端部カバー141A、141Bは、例えば、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂製であり、射出成形によって形成される。端部カバー141A、141Bは、例えば、本体カバー131と同じ第1の色が施される。また、端部カバー141A、141Bは、左右対称な形状であり、以下では端部カバー141Aについて説明する。
【0029】
図5は、端部カバー141Aの構成の一例を示す斜視図である。
端部カバー141Aは、本体部142と、固定部146と、位置決め部148とを有する。
本体部142は、手摺本体111から離れるにしたがって壁10に向かうように平面視において湾曲して形成される。また、本体部142は、湾曲形状の中心となる鉛直方向に沿った中心線C1を通るように鉛直方向に切断したときの断面形状が、本体カバー131の外形と同じような略扁平状である。本体部142は斜め前側から見て、前面から側面に繋がる湾曲状の外観面を有する。端部カバー141Aを手摺本体111に取り付けた状態では、本体部142は本体カバー131の前面と、上面と、後面の一部とに対して略面一である。また、本体部142は、壁10と対向する側には使用者の指を掛けることができる凹部143を有する。凹部143は、端部カバー141Aを射出成形するときのヒケを防止するための肉抜きを兼ねることができる。
【0030】
また、本体部142は、端部カバー141Aを手摺本体111に取り付けた状態であっても、第2の被着脱部124に配置部材170を着脱させるために連通溝144を有する。連通溝144は、下面から上側に向かって凹んでおり、前後方向かつ鉛直方向に沿って切断したときの断面形状が、第2の被着脱部124の断面形状と略同じである。また、連通溝144は、本体部142の左右方向に沿って形成され、手摺本体111に対向する端面および湾曲状の外観面に開口している。連通溝144は、端部カバー141Aを手摺本体111に取り付けた状態では、手摺本体111の第2の被着脱部124と連通する。したがって、端部カバー141Aを手摺本体111に取り付けた状態であっても、連通溝144を通じて配置部材170を第2の被着脱部124に着脱させることができる。また、本体部142は、連通溝144に嵌め込み可能な抜止部材145を有する。抜止部材145は、第2の被着脱部124に装着した配置部材170が抜け出ないように連通溝144を閉塞する部材である。抜止部材145は、弾力性がある材質が用いられる。抜止部材145は、例えば、エラストマーや軟質のポリ塩化ビニル等の合成樹脂製である。抜止部材145は、連通溝144に嵌め込んだときに、本体部142の外観面と面一になるように一部が湾曲している。なお、端部カバー141Aを手摺本体111に簡単に取り付けることができる場合には、端部カバー141Aは連通溝144および抜止部材145を省略することができ、美観および清掃性を向上させることができる。
【0031】
固定部146は、端部カバー141Aを手摺本体111に固定するための部分である。固定部146は、第1の固定部147a、第2の固定部147bを有する。第1の固定部147aおよび第2の固定部147bは、手摺本体111に対向する端面から突出する。第1の固定部147aは、手摺本体111の手掛部112内に右側から嵌め込むことができるように略円柱状に形成される。また、第1の固定部147aは、固定部材としての後述するビス203を挿通させるために前後方向に沿った孔を有する。第2の固定部147bは、手摺本体111の第1の被着脱部120内に右側から嵌め込むことができるように略角柱状に形成される。また、第2の固定部147bは、ビス203を挿通させるための上下方向に沿った孔を有する。
位置決め部148は、端部カバー141Aを手摺本体111に位置決めするための部分である。位置決め部148は、手摺本体111に対向する端面から突出する。位置決め部148は、手摺本体111の基部113の前面の凹みに右側から嵌め込むことができるように略角柱状に形成される。
【0032】
次に、取付部150について説明する。取付部150は、手摺部110を浴室の壁10に取り付けるための部位である。
取付部150は、手摺部110の左右方向に間隔をあけて複数、配置される。取付部150を配置する間隔および数は、壁10の構造あるいは手摺部110の長さに応じて適宜、変更することができる。
【0033】
図6は、取付部150の構成の一例を示す分解斜視図である。
取付部150は、支持部材151と、筒状部材158と、止水部材161とを有する。
支持部材151は、手摺部110を主に支持する部材であり、複雑な形状を成形しやすい材質が用いられる。支持部材151は、例えば、ABS樹脂等の合成樹脂製であり、射出成形することによって形成される。
支持部材151は、前後方向に沿って長い略円柱状に形成される。支持部材151は、フランジ部152と、楔部153と、固定孔154と、配線孔155と、規制部157とを有する。フランジ部152は、支持部材151の前端に全周に亘って形成され、支持部材151の外周に嵌め込まれる筒状部材158の前端が当接する。楔部153は、フランジ部152に近接した位置で支持部材151の外周面に間隔をあけて複数、形成される。楔部153は、外周に嵌め込まれた筒状部材158の内周面に圧着されることで、嵌め込まれた筒状部材158が抜け出てしまうことを抑制する。固定孔154は、前後方向に貫通する孔であり、ボルト201が挿通される。固定孔154は、取付部150が手摺部110を支持している状態では、手摺部110の手摺本体111の固定孔114との間で本体カバー131の第1の薄肉部136を挟んで前後に対向する。また、固定孔154の前端には、施工者が本体カバー131に孔を開けることで生じるバリを回避するための座繰り部を有する。配線孔155は、固定孔154の下側の位置で前後方向に貫通する孔であり、後述するケーブル191が挿通される。配線孔155は、取付部150が手摺部110を支持している状態では、手摺部110の手摺本体111の配線孔115との間で本体カバー131の第2の薄肉部137を挟んで前後に対向する。また、配線孔155の下側の前端には、ケーブル191を配線孔115に導くための切欠部156を有する。規制部157は、固定孔154の左右両側の位置から前側に突出して形成される。規制部157は、手摺本体111の固定孔114に嵌合することで固定孔154に挿通されたボルト201を中心にして支持部材151が回転してしまうことを防止する。
【0034】
筒状部材158は、支持部材151の外周に嵌め込むことで取付部150の強度を向上させる部材であり、剛性が高く錆び難い材質が用いられる。筒状部材158は、例えば、ステンレス鋼等の金属製である。
止水部材161は、支持部材151の固定孔154や配線孔155に水が浸入することを防止する部材であり、弾力性のある材質が用いられる。止水部材161は、例えば、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)、エラストマー、軟質のポリ塩化ビニル等の合成樹脂製である。止水部材161は、略円板状であり、前後方向に沿って見て支持部材151あるいは筒状部材158と略同一の外径の円形である。止水部材161は、固定孔162と、配線孔163とを有する。固定孔162および配線孔163は、取付部150が手摺部110を支持している状態では、それぞれ支持部材151の固定孔154および配線孔155と連通する。止水部材161は、支持部材151に、例えば両面テープを用いて貼り付けられる。
【0035】
次に、配置部材170について説明する。配置部材170は、浴室に用いられる物品を手摺部110に近接して配置するための部材である。物品には、例えば、シャンプー用ディスペンサー、ソープ用ディスペンサー、ボディタオル、クレンジングオイル用ボトル、美容用品、ポータブルテレビ、タブレット端末、スピーカ、鏡、清掃用具等が含まれる。手摺100が配置部材170を備えることで、手摺100はラック付き手摺として機能する。本実施形態の配置部材170は、手摺部110を掴む手と干渉しないように物品を配置することができる。
【0036】
以下、配置部材170の構成について、図2および図3を参照して具体的に説明する。ここでは、配置部材170は、上側用の配置部材171aと、下側用の配置部材171b~171cとがある。
【0037】
上側用の配置部材171aは、物品を手摺部110よりも上側に配置することにより物品と手摺部110を掴んだ手とが干渉しないようにすることができる。上側用の配置部材171aは、手摺本体111に対して着脱可能に装着される。上側用の配置部材171aは、物品を配置しても変形せず、耐水性がある材質が用いられる。上側用の配置部材171aは、例えば、ABS樹脂やAS樹脂等の合成樹脂製であってもよく、異なる材質の部材を結合して一体化したものであってもよい。
【0038】
上側用の配置部材171aは、左右方向に沿って断面形状が略同一な形状、具体的には断面略コ字状である。上側用の配置部材171aは、着脱部172と、載置部175と、連結部176とを有する。
着脱部172は、手摺本体111の第1の被着脱部120に対して着脱する部分である。着脱部172は、略鉤状であり、第1の被着脱部120の凹部121内を左右方向に沿って摺動可能である。図3の拡大図に示すように、着脱部172は、上側の後端に当接部173を有する。また、着脱部172は、上下方向の高さL1が第1の被着脱部120の上下方向の開口高さS(図4を参照)よりも大きく、載置部175が略水平な姿勢では、当接部173が第1の被着脱部120の抜止部122の前面と当接することで着脱部172が第1の被着脱部120から離脱しない。一方、着脱部172は、前後方向の長さL2が第1の被着脱部120の上下方向の開口高さSよりも小さく、載置部175が鉛直方向に沿った姿勢では、着脱部172は第1の被着脱部120に対して着脱可能である。また、着脱部172は下側の前端に湾曲部174を有する。また、着脱部172は、下面に略半球状の凸部178が左右方向に間隔をあけて形成される。凸部178は凹部121の底面と当接することで、着脱部172が凹部121に対して密着するために配置部材171aの意図しない左右方向の摺動を防止することができる。
【0039】
載置部175は、物品を載置する部分である。載置部175は、上面が平らな略板状である。ここで、上側用の配置部材171aが第1の被着脱部120に装着された状態では、載置部175は手摺部110の上端よりも上側に位置する。したがって、載置部175に載置される物品と手摺部110を掴む手とは上下方向に離れることから、物品と手摺部110を掴む手とが干渉することを防止することができる。また、載置部175と手摺部110の上端との間の上下方向には距離T1として略30mm~100mmの空間がある。したがって、載置部175自体と手摺部110を掴む手とが干渉することを防止することができる。また、載置部175は、平面視において手摺部110と重なり合っている。したがって、例えば、載置部175にシャンプーボトル等を載置している場合であっても、シャンプーボトルから垂れ落ちた液体は載置部175が庇(ひさし)となるために、手摺部110上に垂れ落ちて汚れてしまうことを抑制することができる。なお、載置部175は、載置する物品に応じて適宜、大きさや形状等を設定することができる。
【0040】
連結部176は、着脱部172と載置部175とを連結する部分である。連結部176は、略水平方向に沿った水平部177aと略鉛直方向に沿った鉛直部177bとからなる略L字状である。鉛直部177bは、少なくとも一部が手摺部110と壁10との間に位置する。ここで、鉛直部177bと手摺部110の後端との間の前後方向には距離T2として略30mm~100mmの空間がある。したがって、連結部176と手摺部110を掴む手とが干渉することを防止することができる。また、鉛直部177bと手摺部110の後端との間に空間を有することで、上側用の配置部材171aを第1の被着脱部120に着脱させるときに、着脱部172を中心として上側用の配置部材171aを前側に回動することができる。
【0041】
下側用の配置部材171b~171cは、物品を手摺部110よりも下側に配置することにより物品と手摺部110を掴んだ手とが干渉しないようにすることができる。下側用の配置部材171b、171cは、手摺本体111に対して着脱可能に装着される。下側用の配置部材171b、171cは、上側用の配置部材171aと同様な材質が用いられる。
【0042】
下側用の配置部材171b、171cは、着脱部182と、載置部185b、185cと、連結部186とを有する。
着脱部182は、手摺本体111の第2の被着脱部124に対して着脱する部分である。着脱部182は、略T字状であり、第2の被着脱部124の凹部125内を左右方向に沿って摺動可能である。着脱部182は、第2の被着脱部124の一対の抜止部126の間の開口幅よりも大きいことから、抜止部126の上面に当接することで着脱部182が第2の被着脱部124から離脱しない。着脱部182は、手摺本体111の左右端部の端面から、あるいは端部カバー141A、141Bの連通溝144を通じて第2の被着脱部124に対して着脱可能である。
【0043】
載置部185b、185cは、物品を載置する部分である。載置部185bは、略フック状であり、物品を引っ掛けるように載置することができる。一方、載置部185cは、上面が平らな略板状である。ここで、下側用の配置部材171b、171cが第2の被着脱部124に装着された状態では、載置部185b、185cは手摺部110の下端よりも下側に位置する。したがって、載置部185b、185cに載置される物品と手摺部110を掴む手とは上下方向に離れることから、物品と手摺部110を掴む手とが干渉することを防止することができる。
連結部186は、着脱部182と載置部185b、185cとを連結する部分である。連結部186は、略鉛直方向に沿って形成される。
【0044】
次に、上述したように構成される手摺100を浴室の壁10に対して施工者が取り付ける方法について図7図12を参照して説明する。
まず、施工者は予め浴室のサイズに応じた長さに切断した手摺本体111および本体カバー131を用意し、本体カバー131を手摺本体111に係合させる。ただし、予め本体カバー131が手摺本体111に係合されると共に、端部カバー141A、141Bが手摺本体111の左右両側の端部に取り付けられていてもよい。また、施工者は予め手摺部110を取り付ける壁10に対してボルト201を挿通するための孔を左右に間隔をあけて穿設する。なお、取り付ける壁10に応じてボルト201に代えてタッピングネジを用いることができる。
【0045】
次に、図7に示すように、施工者は、本体カバー131を第1の撓み部132aが撓んだ状態から変形させることで、手摺本体111の基部113を露出させる。施工者は、固定孔114にボルト201を挿通させると共に、第1の薄肉部136を破断させて孔を開けることで、ボルト201を手摺部110の後面まで貫通させる。次に、施工者は、取付部150の固定孔154および止水部材161の固定孔162にボルト201を挿通させて、壁10の裏側からナット202(図3を参照)で固定する。同様に、施工者は他の位置でも取付部150を用いてボルト201をナット202で固定することで、手摺部110を壁10に取り付けることができる。
【0046】
次に、図8に示すように、施工者は、端部カバー141A、141Bの第1の固定部147aを手摺本体111の手掛部112内に嵌め込み、第2の固定部147bを手摺本体111の第1の被着脱部120内に嵌め込む。施工者は、後側からビス203を本体カバー131および手摺本体111の手掛部112を挿通させて第1の固定部147aの孔に固定する。また、施工者は、下側からビス203を第2の被着脱部124に挿通させて第2の固定部147bの孔に固定することで、端部カバー141A、141Bを手摺本体111の左右両側の端部に取り付けることができる。
【0047】
次に、図9に示すように、施工者は、本体部142に端部カバー141A、141Bの本体部142の連通溝144から下側用の配置部材171b、171cの着脱部182を差し込み、左右方向に沿って摺動させることで、連通溝144に連通する手摺本体111の第2の被着脱部124に装着することができる。その後、端部カバー141A、141Bの連通溝144に抜止部材145を嵌め込み、第2の被着脱部124に装着した下側用の配置部材171b、171cが抜け出ないようにする。なお、施工者は、着脱部182を第2の被着脱部124の凹部125内で左右方向に沿って摺動させることで、下側用の配置部材171b、171cの位置を左右方向に調整することができる。
【0048】
次に、図10に示すように、施工者は、上側用の配置部材171aの水平部177aが鉛直方向に沿った姿勢にした状態で、着脱部172を手摺部110の後側から第2の被着脱部120に近づけ、凹部121に挿入する。上述したように、着脱部172は長さL2が第1の被着脱部120の上下方向の開口高さSよりも小さいことから、着脱部172を凹部121に挿入することができる。その後、施工者は、着脱部172を中心として上側用の配置部材171aを矢印A方向に回動することで、二点鎖線で示すように当接部173が第1の被着脱部120の抜止部122の前面と当接することで、上側用の配置部材171aを手摺本体111の第1の被着脱部120に装着することができる。また、施工者は、上側用の配置部材171aの水平部177aが鉛直方向に沿った姿勢にした状態で、着脱部172を第1の被着脱部120の凹部121内で左右方向に沿って摺動させることで、上側用の配置部材171aの位置を左右方向に調整することができる。
【0049】
また、施工者は必要に応じて発光部190a、190bを第1の被着脱部120、第2の被着脱部124に取り付ける。
図11に示すように、施工者は、発光部190aを第1の被着脱部120の凹部121内の第1の被着脱部120の開口と対向する面に貼り付ける。また、施工者は、発光部190aに繋がるケーブル191を第1の被着脱部120の開口から引き出し、取付部150の支持部材151における切欠部156を経由させて配線孔155内に配線し、壁10まで導く。
図12に示すように、施工者は、発光部190bを第2の被着脱部124の凹部125内の第2の被着脱部120の開口と対向する面に貼り付ける。また、施工者は、発光部190bに繋がるケーブル191を第2の被着脱部124と第1の被着脱部120とを上下方向に連通する孔193と、第1の被着脱部120と配線部117とを上下方向に連通する孔194とを通して配線部117に引き出し、手摺本体111の配線孔115と本体カバー131に開けた孔とを経由させて取付部150の配線孔155内に配線し、壁10まで導く。
【0050】
図13は、発光部190a、190bに繋がるケーブル191の他の配線方法を説明するための図である。図13に示すように、手摺本体111は前面に凹状に形成された配線スペース130を有する。施工者は、発光部190aに繋がるケーブル191を図示しない孔を通して配線スペース130に引き出す。施工者は、発光部190bに繋がるケーブル191を図示しない孔を通して配線スペース130に引き出す。施工者は、配線スペース130のケーブル191を図示しない孔を通して配線部117に引き出した後、上述した配線経路と同様な経路で壁10まで導く。
【0051】
以上のようにして手摺100を浴室の壁10に対して取り付けることで手摺100の施工が終了する。なお、図1に示すように、施工者は、風呂蓋13を壁10に立て掛けた状態で引っ掛ける風呂蓋フック210を取り付けてもよい。このとき、手摺100の2つの取付部150は、風呂蓋13を支持するための支持部材を兼ねることができ、風呂蓋13を支持する支持部材を省略することができる。
【0052】
施工後、使用者は、配置部材170の着脱部172、182を第1の被着脱部120の凹部121、第2の被着脱部124の凹部125内で左右方向に沿って摺動させることで使い勝手が良い位置になるように配置部材170の位置を左右方向に調整することができる。
また、使用者は、新たに物品を配置したい場合には、上述した施工者により配置部材170を装着した方法と同様な方法で、配置部材170を第1の被着脱部120、第2の被着脱部124に追加して装着することができる。また、使用者は、配置部材170が不要になった場合には、上述した施工者により配置部材170を装着した方法と逆の工程で、配置部材170を第1の被着脱部120、第2の被着脱部124から離脱させることができる。
【0053】
以上のように構成される手摺100によれば、配置部材170により配置される物品は手摺部110を掴む手と干渉しないことから、使用者は物品に邪魔されることなく容易に手摺部110を掴むことができる。
また、配置部材170は、物品を載置する載置部175、185b、185cが手摺部110を掴む手と干渉しないことから使用者は容易に手摺部110を掴むことができる。
【0054】
また、載置部175は手摺部110の上端よりも上側に位置することから、載置部175に載置される物品と手摺部110を掴む手とは上下方向に離れるために、物品と手摺部110を掴む手とが干渉することを防止することができる。
また、載置部185b、185cは手摺部110の下端よりも下側に位置することから、載置部185b、185cに載置される物品と手摺部110を掴む手とは上下方向に離れるために、物品と手摺部110を掴む手とが干渉することを防止することができる。
【0055】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る手摺本体211について説明する。なお、以下では、本実施形態の手摺本体211のうち第1の実施形態と異なる点を中心に説明し、同様の構成については同一符号を付す等して適宜、説明を省略する。
【0056】
図14(a)は手摺本体211の構成の一例を示す断面図であり、図14(b)は手摺本体211の構成の一例を示す分解斜視図である。手摺本体211は、複数の部材が結合して構成される。具体的に、手摺本体211は、手摺部材220a、220bと、分割部材230a、230bと、補強部材240と、ジョイント部材250とを有する。
【0057】
手摺部材220a、220bは、例えば、ガラス繊維入りの合成樹脂製であり、射出成形することによって形成される。手摺部材220a、220bは、射出成形するときの金型の抜き方向が前後方向である。また、手摺部材220aと手摺部材220bは、同一の構成であり、射出成形できるように1つの手摺部材の左右方向の長さが例えば1000mm以下である。複数の手摺部材220a、220bを左右方向に沿って直列に連結したり、場合によっては切断したりすることで所望する長さの手摺本体211にすることができる。
【0058】
手摺部材220a、220bの基部113は、前面および後面にガイド溝221が左右方向に沿って形成される。ガイド溝221は、基部113に図示しない固定孔114を加工するときのガイドとなる溝である。更に、後面のガイド溝221は、取付部150の支持部材151の規制部157が嵌合される。
また、手摺部材220a、220bの基部113は、それぞれ左右両側の端面に複数の連結孔222を有する。連結孔222にジョイント部材250の後述する連結突起252を挿入することで、手摺部材220aと手摺部材220bとを連結することができる。
また、手摺部材220a、220bは、下端に分割部材230a、230bを連結するための上側に向かって凹んだ凹部223が形成される。凹部223は、左右方向に沿って連続して形成される。
【0059】
分割部材230a、230bは、例えば、ABS樹脂等の合成樹脂製であり、押し出し成形したり射出成形したりすることによって形成される。また、分割部材230aと分割部材230bとは、同一の構成であり、左右方向の長さが手摺部材220a、220bと同一の長さである。分割部材230a、230bは、配置部材170が着脱可能に装着される被着脱部124を有する。分割部材230a、230bを手摺部材220a、220bの凹部223に対してそれぞれ連結することで、手摺部材220a、220bの下側に被着脱部124が位置する。被着脱部124を手摺部材220a、220bとは別体で構成することにより、手摺部材220a、220bを射出成形する金型の製造コストを削減することができる。
【0060】
補強部材240は、例えば、アルミニウム合金等の金属製であり、DIN(Deutsches Institutfur Normung)レールを用いることができる。補強部材240は、左右方向から見て略ハット状に形成される。また、補強部材240は、前後方向に貫通すると共に左右方向に沿って長い固定孔241を有する。固定孔241は、左右に間隔をあけて補強部材240の全体に亘って複数、形成される。補強部材240は、左右方向に沿って直列に連結された手摺部材220aと手摺部材220bとに跨って、手摺部材220aと手摺部材220bのそれぞれ基部113に配置することで、手摺本体211全体の強度を向上させることができる。
【0061】
ジョイント部材250は、例えば、アルミニウム合金や亜鉛合金等の金属製であり、鋳造により形成される。ジョイント部材250は、左右方向の中央に略板状のジョイント本体部251と、ジョイント本体部251からそれぞれ左右方向に突出する連結突起252、253とを有する。連結突起252は手摺部材220a、220bの連結孔222にそれぞれ挿入され、連結突起253は手摺部材220a、220bの手掛部112内にそれぞれ挿入されることで、手摺部材220aと手摺部材220bとを連結することができる。
【0062】
以上のように構成される手摺本体211によれば、合成樹脂製にして複数の手摺部材220a、220bを直列に連結することから手摺の製造コストを削減することができる。また、補強部材240を複数の手摺部材220a、220bに跨って配置することで、手摺本体211全体の強度を向上させることができる。
【0063】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係る手摺300について説明する。なお、以下の説明では、上述した実施形態と異なる点を中心に説明する。
図15は、手摺300の分解斜視図である。図16は、手摺300の断面図である。
手摺300は、手摺部310と、取付部380と、配置部材390とを備える。
【0064】
手摺部310は、長手方向に沿って見たときに、上下方向の高さh1が前後方向の厚みt1に比べて長い略扁平状である。具体的に、手摺部310は使用者が掴み易いように前後方向の厚みt1が25mm~50mm(ここでは略30mm)である。また、手摺部310は、上下方向の高さh1が70mm~150mm(ここでは略84mm)である。ただし、具体的な寸法は特に限定されるものではない。
【0065】
図17は、手摺部310の構成の一例を示す分解斜視図である。
本実施形態の手摺部310は、手摺本体311と、本体カバー361と、端部カバー371A、371Bとを有する。
手摺本体311は、複数の部材が結合して構成される。具体的に、手摺本体311は、手摺部材320と、補強部材340a、340bと、ジョイント部材350とを有する。
【0066】
手摺部材320は、例えば、ガラス繊維入りの合成樹脂製であり、押し出し成形したり射出成形したりすることによって形成される。
手摺部材320は、手掛部322と、基部324と、抜止部326a、326bと、被着脱部334と、被係合部337とを有する。
【0067】
手掛部322は、手摺部材320の上端に位置し、左右方向に沿って連続して形成される。手掛部322は、上端が上側に凸の半円状であり、後端には前側に向かって凹んだ溝部323を有する。
基部324は、手掛部322の下側に位置し、左右方向に沿って連続して形成される。また、基部324は、手掛部322の後端から下側に向かって垂下した略板状に形成される。基部324は、前面および後面にガイド溝325が左右方向に沿って形成される。
【0068】
抜止部326a、326bは、空間を隔てて基部324の前側に位置し、左右方向に沿って連続して形成される。抜止部326a、326bはそれぞれ略板状に形成され、上下方向に離れた状態で対向する。抜止部326a、326bと基部324との間に形成された空間(手摺部材320内の空間)には左右方向に沿って補強部材340a、340bが挿入され、抜止部326a、326bは補強部材340a、340bが前側に抜け出ないように規制する。手摺部材320内の空間は、抜止部326aと抜止部326bとの間から開口する。
【0069】
被着脱部334は、手掛部322よりも下側であって、平面視において手掛部322と重なり合うように位置している。具体的に、被着脱部334は、手摺部材320の下端から上側に向かって凹んだ凹部335と、凹部335のうち前後方向の一方側(ここでは前側)に広くなった空間の下側に位置する抜止部336とを有する。凹部335は、配置部材390の後述する着脱部392a~392cが挿入できるほどの大きさの空間であり、左右方向に沿って連続して形成される。凹部335は、下端の開口から配置部材390を着脱させる。抜止部336は、配置部材390の一部と当接することで配置部材390が被着脱部334から意図せずに抜け出てしまうことを防止する。なお、被着脱部334に対する配置部材390の着脱方法については後述する。また、被着脱部334には凹部335の開口と対向する面に発光部190bを取り付けることができる(図16(a)を参照)。
【0070】
被係合部337は、第1の溝部338aと、第2の溝部338bとを有する。第1の溝部338aおよび第2の溝部338bは、被着脱部334の凹部335の開口を挟んで前後に離れて位置し、左右方向に沿って連続して形成される。
【0071】
補強部材340a、340bは、例えば、アルミニウム合金等の金属製であり、押し出し成形したり折り曲げ成形したりすることで形成される。補強部材340aと補強部材340bとは、同一の構成であり、両者を合わせた左右方向の長さが手摺部材320の左右方向の長さと略同一の長さである。補強部材340a、340bは、左右方向から見て略C字状であって、手摺部材320内の空間に配置できる大きさに形成される。また、補強部材340a、340bは、前後方向に貫通すると共に左右方向に沿って長い固定孔341を有する。固定孔341は、左右に間隔をあけて補強部材340a、340bの全体に亘って複数、形成される。補強部材340a、340bは、手摺部材320内の空間に左右方向に沿って配置することで、手摺本体311全体の強度を向上させることができる。なお、手摺部材320の左右方向の長さが短い場合には、一つの補強部材340aだけで構成することができる。
【0072】
ジョイント部材350は、例えば、アルミニウム合金、ステンレス鋼等の金属製であり、押し出し成形したり折り曲げ成形したりすることで形成される。ジョイント部材350は、左右方向から見て略コ字状であって、補強部材340a、340bの略C字状の内部の空間に配置できる大きさに形成される。また、ジョイント部材350は前後方向に進退する固定部材としての一対のネジ351が左右に間隔をあけて螺合されている。ジョイント部材350は、左右方向に沿って直列に配置された補強部材340aと補強部材340bとに跨って、補強部材340a、340bの略C字状の内部の空間に配置した状態でネジ351を螺合することで補強部材340aと補強部材340bとを連結することができる。なお、2つ補強部材340a、340bを連結する場合に限られず、3つ以上の補強部材を連結する場合でも同様にジョイント部材350を用いて連結することができる。
【0073】
図16(b)は、補強部材340aと補強部材340bとをジョイント部材350により連結した状態を示す図である。ここでは、補強部材340aのみを図示している。
ジョイント部材350の一方のネジ351を螺合することで、ネジ351の先端が補強部材340aの後側の縦壁面に当接し、更に螺合しつづけることでジョイント部材350全体がネジ351の軸線方向に沿って前側に向かって進む。最終的に、ジョイント部材350全体が前側に向かって進み、ジョイント部材350の上下の前端が補強部材340aの前側の上下の縦壁面に当接することで、ジョイント部材350が補強部材340aに固定される。同様に、ジョイント部材350の他方のネジ351を螺合することで、ジョイント部材350が補強部材340bに固定される。したがって、補強部材340aと補強部材340bとがジョイント部材350を介して連結される。
【0074】
次に、本体カバー361は、例えば、エラストマーや軟質のポリ塩化ビニル等の合成樹脂製であり、左右方向に沿って押し出し成形することによって形成される。本体カバー361は、手摺部材320の表面の形状に沿うような略薄板状であり、左右方向に沿って連続して形成される。本体カバー361は、手摺部材320の表面のうち前面全体、上面全体、後面の全体、下面の一部を外側から覆う。一方、図16(a)に示すように、本体カバー361は、手摺部材320のうち被着脱部334の凹部335の開口を覆わないように形成される。
【0075】
また、本体カバー361は、突起部362と、薄肉部363と、係合部364とを有する。
突起部362は、手摺部材320の手掛部322の溝部323に挿入される部分である。突起部362は、手掛部322の後面を覆う部分に位置し、左右方向に沿って連続して形成される。突起部362が手掛部322の溝部323に挿入されることで、本体カバー361が手摺部材320に対して位置決めされる。
薄肉部363は、厚みが本体カバー361の他の部分よりも薄い部分である。薄肉部363は、手摺部材320の後面を覆う位置に、左右方向に沿って連続して形成される。薄肉部363は、本体カバー361が手摺部材320に係合した状態では、手摺部材320のガイド溝325に対して対向して位置する。
【0076】
係合部364は、手摺部材320の被係合部337に係合する部分である。係合部364は、第1の引っ掛け部365aと、第2の引っ掛け部365bとを有する。第1の引っ掛け部365a、第2の引っ掛け部365bは、本体カバー361のそれぞれ前後の下端に位置し、左右方向に沿って連続して形成される。第1の引っ掛け部365aおよび第2の引っ掛け部365bは、手摺部材320の第1の溝部338aおよび第2の溝部338bにそれぞれ引っ掛けることで、本体カバー361が手摺部材320に係合する。
【0077】
次に、端部カバー371A、371Bは、手摺部310の左右両側の端部をそれぞれ覆うと共に、手摺部310を浴室の壁10に取り付けるための部位である。端部カバー371A、371Bは、例えば、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂製またはアルミニウム合金や亜鉛合金等の金属製であり、射出成形によって形成されたり鋳造により形成されたりする。端部カバー371A、371Bは、左右対称な形状である。
【0078】
次に、取付部380は、単数あるいは手摺部310の左右方向に間隔をあけて複数、配置される。取付部380を配置する間隔および数は、壁10の構造あるいは手摺部310の長さに応じて適宜、変更することができる。ただし、例えば手摺部310の長さが短くて端部カバー371A、371Bだけで手摺部310の荷重を支持できる場合には、取付部380を省略してもよい。取付部380は、第1の実施形態の取付部150の配線孔155を省略した構成である。
【0079】
次に、配置部材390は、複数の配置部材391a~391cが用意されている。
配置部材391a~391cは、物品を手摺部310よりも下側に配置することにより物品と手摺部310を掴んだ手とが干渉しないようにすることができる。配置部材391a~391cは、手摺部310に対して着脱可能に装着される。配置部材391a~391cは、AS樹脂やPMMA樹脂等の合成樹脂製であってもよく、異なる材質の部材を結合して一体化したものであってもよい。
【0080】
配置部材391a~391cは、着脱部392a~392cと、載置部395a~395cと、連結部397とを有する。
着脱部392a~392cは、手摺本体311の被着脱部334に対して着脱する。着脱部392a~392cは、被着脱部334の凹部335内を左右方向に沿って摺動可能である。着脱部392a~392cは、係止部393と、挿入部394とを有する。係止部393は、前側に向かって突出するフック状である。係止部393は、上端が前側に向かうにしたがって下側になるように傾斜している。また、係止部393は、前後方向の寸法が凹部335の開口の前後方向の寸法よりも小さい。一方、挿入部394は、上側に向かって延出する略板状である。挿入部394は、前後方向の寸法が凹部335の開口の前後方向の寸法よりも小さい。ここで、着脱部392aは、係止部393が一対の挿入部394の間に位置する。また、着脱部392b、392cは、一対の係止部393が着脱部392b、392cの左右方向の両端に位置し、挿入部394が一対の係止部393の間に位置する。
【0081】
載置部395a、395bは、上面が平らな略板状である。また、載置部395cは、前端から後側に向かって略U字状の複数(ここでは3つ)の切欠部396が形成された略板状である。切欠部396は、シャンプー用ディスペンサー等を前側から差し込んで引っ掛けるように載置する。配置部材391a~391cが被着脱部334に装着された状態では、載置部395a~395cは手摺部310の下端よりも下側に位置する。したがって、載置部395a~395cに載置される物品と手摺部310を掴む手とは上下方向に離れることから、物品と手摺部310を掴む手とが干渉することを防止することができる。
連結部397は、着脱部392と載置部395a~395cとを連結する部分である。
【0082】
次に、上述したように構成される手摺300を浴室の壁10に対して施工者が取り付ける方法について簡単に説明する。
まず、施工者は予め浴室のサイズに応じた長さに切断した手摺部材320、本体カバー361を用意する。また、予め手摺部材320、本体カバー361と同じ長さになるように、補強部材340aと補強部材340bとをジョイント部材350を介して連結する。次に、施工者は、補強部材340a、340bを手摺部材320内の空間に挿入すると共に、本体カバー361を手摺部材320に係合させる。更に、端部カバー371A、371Bを手摺本体311の左右両側の端部に取り付ける。
【0083】
次に、施工者は、本体カバー361の第1の引っ掛け部365aと第1の溝部338aとの係合を解除して、手摺部材320の抜止部326a、326bを露出させる。施工者は、補強部材340a、340bの固定孔341にボルト201を挿通させると共に、手摺部材320のガイド溝325および本体カバー361の薄肉部363を破断させて孔を開けることで、ボルト201を手摺部310の後面まで貫通させる。次に、施工者は、取付部380にボルト201を挿通させて、壁10の裏側からナット202で固定する。同様に、施工者は他の位置でも取付部380を用いてボルト201をナット202で固定することで、手摺部310を壁10に取り付けることができる。また、施工者は、端部カバー371A、371Bにボルトを挿通させて、壁10の裏側からナットで固定する。また、施工者は必要に応じて発光部190bを被着脱部334に取り付ける。
【0084】
次に、施工者は、配置部材391a~391cの着脱部392a~392cを下側から手摺部材320の凹部335に挿入する。このとき、着脱部392a~392cの係止部393の上端の傾斜した部位が凹部335の下端の開口(開口縁)に当接することで、係止部393が後側に撓む。係止部393が手摺部材320の凹部335内に至ることで、撓みが解除されて元の前側の位置に戻って抜止部336に係止し、配置部材391a~391cの着脱部392a~392cが被着脱部334に装着する。なお、施工者あるいは使用者は、配置部材391a~391cの着脱部392a~392cが被着脱部334に装着した状態で、係止部393が後側に撓むように係止部393の下側を後側に向かって押し込むことで、配置部材391a~391cを凹部335から離脱させたり、左右方向に摺動させたりすることができる。このようにして手摺300を浴室の壁10に対して取り付けることで手摺300の施工が終了する。
【0085】
以上のように構成される手摺300によれば、被着脱部334が一つで構成されることから手摺300の上下方向のサイズをコンパクトにすることができる。また、手摺部材320に配置部材391a~391cを容易に着脱させたり、容易に摺動させたりすることができる。
【0086】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態に係る手摺400について説明する。なお、以下では、本実施形態の手摺400のうち第3の実施形態と異なる点を中心に説明し、同様の構成については同一符号を付す等して適宜、説明を省略する。
【0087】
図18は、手摺400の断面図である。図19は、手摺部410の構成の一例を示す分解斜視図である。
手摺400は、手摺部410と、取付部380と、配置部材390とを備える。
手摺部410は、第3の実施形態の手摺部310の大きさと同様である。
【0088】
本実施形態の手摺部410は、手摺本体411と、本体カバー461と、開口カバー471と、端部カバー371A、371Bとを有する。
手摺本体411は、複数の部材が結合して構成される。具体的に、手摺本体411は、手摺部材420と、補強部材340a、340bと、ジョイント部材350とを有する。
【0089】
手摺部材420は、手掛部322と、基部324と、抜止部426a、426bと、被着脱部334と、被係合部437とを有する。
抜止部426a、426bは、空間を隔てて基部324の前側に位置し、左右方向に沿って連続して形成される。抜止部426a、426bはそれぞれ略板状に形成され、上下方向に離れた状態で対向する。抜止部426a、426bと基部324との間に形成された空間(手摺部材420内の空間)には左右方向に沿って補強部材340a、340bが挿入され、抜止部426a、426bは補強部材340a、340bが前側に抜け出ないように規制する。
なお、抜止部426bの前面には、後側に向かって掘り込まれるように形成された段状部427を有する。
【0090】
被係合部437は、溝部438aを有する。溝部438aは、手摺部材420の後面であって、基部324の下側に位置し、左右方向に沿って連続して形成される。
【0091】
次に、本体カバー461は、手摺部材420の表面の形状に沿うような略薄板状であり、左右方向に沿って連続して形成される。本体カバー461は、手摺部材420の表面のうち前面の一部、上面全体、裏面の一部を外側から覆う。
本体カバー461は、突起部362と、薄肉部363と、係合部464とを有する。
【0092】
係合部464は、第1の引っ掛け部465aと、第2の引っ掛け部465bとを有する。第1の引っ掛け部465a、第2の引っ掛け部465bは、本体カバー461のそれぞれ前後の下端に位置し、左右方向に沿って連続して形成される。第1の引っ掛け部465aを手摺部材420の溝部438aに引っ掛け、第2の引っ掛け部465bを手摺部材420内の空間に挿入された補強部材340a、340bの上側の縦壁に引っ掛けることで、本体カバー461が手摺部材420(手摺本体411)に係合する。
なお、第2の引っ掛け部465bの前面には、後側に向かって掘り込まれるように形成された段状部466を有する。
本体カバー461が手摺部材420(手摺本体411)に係合した状態では、手摺部材420内の空間は、本体カバー461の第2の引っ掛け部465bと、手摺部材420の抜止部426bとの間から開口する。
【0093】
開口カバー471は、本体カバー461の第2の引っ掛け部465bと、手摺部材420の抜止部426bとの間の開口(手摺部410の開口)を前側から覆う。開口カバー471は、本体部472と、着脱部473とを有する。
本体部472は、例えば、アルミニウム合金、ステンレス鋼等の金属製である。本体部472は、左右方向から見て略板状であって、手摺部410の開口を閉塞できる大きさに形成される。
着脱部473は、例えば、アルミニウム合金、ステンレス鋼等の金属製あるいは合成樹脂製であり、プレス成形したり射出成形したりすることによって形成される。着脱部473は、本体部472の後面に左右方向に間隔を空けて位置する。着脱部473は、フック状の一対の係止部474a、474bを有する。係止部474aと係止部474bとは上下に離れており、互いに近づく方向に変形することで元に戻ろうとする付勢力が生じる。係止部474aが本体カバー461の第2の引っ掛け部465bに係止し、係止部474bが抜止部426bに係止することで、開口カバー471が手摺部410の開口縁に係合する。
【0094】
次に、上述したように構成される手摺400を浴室の壁10に対して施工者が取り付ける方法について簡単に説明する。
まず、施工者は予め浴室のサイズに応じた長さに切断した手摺部材420、本体カバー461、開口カバー471を用意する。また、予め手摺部材420、本体カバー461、開口カバー471と同じ長さになるように、補強部材340aと補強部材340bとをジョイント部材350を介して連結する。次に、施工者は、補強部材340a、340bを手摺部材420内の空間に挿入すると共に、本体カバー461を手摺部材420に係合させる。更に、端部カバー371A、371Bを手摺本体411の左右両側の端部に取り付ける。
【0095】
次に、施工者は、手摺部410の開口を通して、補強部材340a、340bの固定孔341にボルトを挿通させると共に、手摺部材420のガイド溝325および本体カバー461の薄肉部363を破断させて孔を開けることで、ボルト201を手摺部410の後面まで貫通させる。次に、施工者は、取付部380にボルト201を挿通させて、壁10の裏側からナット202で固定する。同様に、施工者は他の位置でも取付部380を用いてボルト201をナット202で固定することで、手摺部410を壁10に取り付けることができる。
【0096】
次に、施工者は、開口カバー471を手摺部410の開口に向かって押し込む。このとき、開口カバー471の一対の係止部474a、474bが手摺部410の開口縁に当接することで、係止部474aと係止部474bとが互いに近づく方向に変形し、係止部474a、474bが手摺部410内の空間に至ることで、付勢力で元の位置に戻って、第2の引っ掛け部465b、抜止部426bに係止することで、開口カバー471が手摺部410の開口縁に係合し、手摺部410の開口が閉塞される。このとき、開口カバー471の本体部472の上端が段状部466に嵌り込み、本体部472の下端が段状部427に嵌り込むことで、本体カバー461、開口カバー471、手摺部材420のそれぞれ前面が略フラットになり、手摺400の美観を向上させることができる。一方、施工者は、押し込んだ方向とは反対方向に開口カバー471を引き離すことで、開口カバー471の係止部474aと係止部474bとが互いに近づく方向に変形して、係止部474a、474bが第2の引っ掛け部465b、抜止部426bとの間の係止が解除され、開口カバー471を手摺部410から取り外すことができる。また、施工者は、端部カバー371A、371Bにボルトを挿通させて、壁10の裏側からナットで固定する。その後、施工者は、第3の実施形態と同様に施工して、手摺400を浴室の壁10に対して取り付けることで手摺400の施工が終了する。
【0097】
以上のように構成される手摺400によれば、施工者は開口カバー471を手摺部410の開口に向かって押し込んだり引き離したりすることで、手摺部410の開口を容易に開放したり閉塞したりすることができる。したがって、手摺400の施工性を向上させることができる。
【0098】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態に係る手摺500について説明する。なお、以下では、本実施形態の手摺500のうち第3の実施形態と異なる点を中心に説明し、同様の構成については同一符号を付す等して適宜、説明を省略する。
図20は、手摺500の分解斜視図である。図21および図22は、手摺500の断面図である。
手摺500は、手摺部510と、取付部380と、配置部材570とを備える。
【0099】
本実施形態の手摺部510は、手摺本体511と、本体カバー361と、端部カバー371A、371Bと、被着脱部としての被着脱部材534とを有する。本実施形態の手摺本体511は、被着脱部を有しておらず、それ以外の構成は、第3の実施形態の手摺本体311と同様の構成である。
【0100】
被着脱部材534は、配置部材570が着脱可能に装着される部材であり、被着脱部として機能する。被着脱部材534は、手摺本体511から下側に離れており、平面視において手摺本体511と重なり合うように位置している。具体的に、被着脱部材534は、左右方向に長いバー状であり、左右方向の長さが手摺本体511と略同一の長さである。また、被着脱部材534は、左右方向から見て略円形であり、外径が10mm~26mmである。被着脱部材534は、例えば、ステンレス鋼等の金属製あるいはガラス繊維入りの合成樹脂製の中空状パイプである。被着脱部材534は、端部カバー371A、371Bにより左右方向から挟み込むことで手摺本体511と一体になるように壁10に取り付けられる。
【0101】
配置部材570は、複数の配置部材571a、571bが用意されている。
配置部材571a、571bは、手摺部510に対して着脱可能に装着される。配置部材571a、571bは、AS樹脂やPMMA樹脂等の合成樹脂製であってもよく、異なる材質の部材を結合して一体化したものであってもよい。
【0102】
配置部材571a、571bは、着脱部572a、572bと、載置部575a、575bと、連結部577a、577bとを有する。
着脱部572a、572bは、手摺部510の被着脱部材534に対して着脱する。着脱部572a、572bは、被着脱部材534の左右方向に沿って摺動可能である。着脱部572a、572bは、下側に開口する略フック形状あるいは略U字形状である。着脱部572a、572bは、後述するように配置部材571a、571bを使用する姿勢とは異なる姿勢で被着脱部材534に着脱でき、配置部材571a、571bを使用する姿勢に回動することで被着脱部材534から離脱しないように装着される。
配置部材571a、571bの着脱部572a、572bは、略フック形状あるいは略U字形状の内部の空間内に被着脱部材534を配置させるように着脱部572a、572bを吊り下げることで、配置部材571a、571bが被着脱部材534に装着される。
【0103】
ここで、配置部材571aの着脱部572aと、配置部材571bの着脱部572bとは形状が異なっている。
まず、配置部材571aの着脱部572aは、前部573a、上部573b、後部573cを有する。前部573aの上下方向の高さは、後部573cの上下方向の高さよりも低い。前部573aの下端の位置は、後部573cの下端の位置よりも上側に位置する。また、後部573cの下端に連結部577aが連結されており、前部573aの下端には何も連結されておらず着脱部572aの末端となっている。このように、配置部材571aの着脱部572aは、連結部577aから後部573c、上部573b、前部573aの順に連続しており、末端が前部573aである。
一方、配置部材571bの着脱部572bは、前部574a、上部574b、後部574cを有する。前部574aの上下方向の高さは、後部574cの上下方向の高さよりも高い。前部574aの下端の位置は、後部574cの下端の位置よりも下側に位置する。また、前部574aの下端には連結部577bが連結されているが、後部574cの下端には何も連結されておらず着脱部572bの末端となっている。また、後部574cの下側には、隙間を介して連結部577bが位置する。このように、配置部材571bの着脱部572bは、連結部577bから前部574a、上部574b、後部574cの順に連続しており、末端が後部574cである。
【0104】
載置部575a、575bは、上面が平らな略板状である。配置部材571a、571bが被着脱部材534に装着された状態では、載置部575a、575bは手摺本体511の下端よりも下側に位置する。したがって、載置部575a、575bに載置される物品と手摺本体511を掴む手とは上下方向に離れることから、物品と手摺本体511を掴む手とが干渉することを防止することができる。なお、載置部575a、575bは、載置部575a、575b上に水が溜まらないように、載置部575a、575bの先端に向かって水が流れるように前端が低くなるような僅かな傾斜面になっている。
【0105】
連結部577a、577bは、着脱部572a、572bと載置部575a、575bとを連結する部分である。連結部577a、577bは、略水平方向に沿った水平部578aと略鉛直方向に沿った鉛直部578bとからなる略L字状である。水平部578aは、配置部材571a、571bが被着脱部材534に装着したときに鉛直部578bを壁10に近づける機能を有する。鉛直部578bの後面には、後側に向かって突出する凸部579を有する。凸部579を常に壁10に当接させたり、配置部材571a、571bが後側に揺動したときに凸部579を壁10に当接させたりすることにより、配置部材571a、571bを安定した状態で装着することができる。
【0106】
次に、配置部材571aを被着脱部材534に装着する方法について図21を参照して説明する。
まず、施工者は、図21(a)に示すように、配置部材571aを使用する姿勢と異なる姿勢として、着脱部572aを後側、載置部575aを前側になるように保持する。このとき、配置部材571aは載置部575aの上面が略鉛直方向に沿った姿勢となる。施工者は、着脱部572aを被着脱部材534の後側に位置させた状態から、矢印A1に示すように、配置部材571aを前側に移動させることで、着脱部572aの開口を通して空間内に被着脱部材534が配置される。次に、施工者は、着脱部572aを中心にして矢印A2に示すように、配置部材571aを回動させる。
施工者が配置部材571aを回動させることにより、図21(b)に示すように、配置部材571aが使用する姿勢になるように被着脱部材534に装着することができる。なお、着脱部572aの前部573aの上下方向の高さHaを、手摺本体511と被着脱部材534との間の隙間Gよりも大きくすることにより、着脱部572aが手摺本体511と干渉して配置部材571aを使用する姿勢のまま被着脱部材534から離脱させることができない。また、壁10と連結部577aとの間の隙間が小さい場合にも配置部材571aを使用する姿勢のまま被着脱部材534から離脱させることができない。したがって、配置部材571aを装着する手順とは逆の手順でなければ配置部材571aを離脱させることができないために、意図せずに配置部材571aが離脱してしまうことを防止することができる。
【0107】
次に、配置部材571bを被着脱部材534に装着する方法について図22を参照して説明する。
まず、施工者は、図22(a)に示すように、配置部材571bを使用する姿勢と異なる姿勢として、着脱部572bを後側、載置部575bを前側になるように保持する。このとき、配置部材571bは載置部575bの上面が略鉛直方向に沿った姿勢となる。施工者は、着脱部572bを手摺本体511と被着脱部材534の間に挿通させた状態から、矢印A3に示すように、配置部材571bを下側に移動させることで、着脱部572bと連結部577bとの間の隙間を通して着脱部572bの空間内に被着脱部材534が配置される。次に、施工者は、着脱部572bを中心にして矢印A4に示すように、配置部材571bを回動させる。
施工者が配置部材571bを回動させることにより、図22(b)に示すように、配置部材571bが使用する姿勢になるように被着脱部材534に装着することができる。なお、着脱部572bの後部574cの上下方向の高さHbを、手摺本体511と被着脱部材534との間の隙間Gよりも大きくすることにより、着脱部572bが手摺本体511と干渉して配置部材571bを使用する姿勢のまま被着脱部材534から離脱させることができない。したがって、配置部材571bを装着する手順とは逆の手順でなければ配置部材571bを離脱させることができないために、意図せずに配置部材571bが離脱してしまうことを防止することができる。
【0108】
以上のように構成される手摺500によれば、配置部材571a、571bを後から被着脱部材534に着脱できると共に、配置部材571a、571bが意図せずに被着脱部材534から離脱してしまうことを防止することができる。
【0109】
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態に係る手摺600について説明する。なお、以下では、本実施形態の手摺600のうち第3の実施形態と異なる点を中心に説明し、同様の構成については同一符号を付す等して適宜、説明を省略する。
図23は、手摺600の分解斜視図である。図24は、手摺600の断面図である。
手摺600は、手摺部610と、取付部380と、配置部材670とを備える。
【0110】
手摺部610は、手摺本体611と、本体カバー361と、端部カバー371A、371Bとを有する。本実施形態の手摺本体611は、くびれ部633と、被着脱部634とを有し、それ以外の構成は、第3の実施形態の手摺本体311と同様の構成である。
【0111】
くびれ部633は、手摺本体611の下側に位置している。図24に示すように、くびれ部633は、前後方向の幅が小さく形成された部分である。くぶれ部633は、左右方向に沿って連続して形成される。本実施形態のくびれ部633は、左右方向から見て、手摺本体611の前面から後側に向かって湾曲した凹状であり、かつ手摺本体611の後面から前側に向かって湾曲した凹状である。ただし、くびれ部633の形状は限定されず、配置部材670が被着脱部634に装着できる形状であればどのような形状であってもよい。
【0112】
被着脱部634は、くびれ部633の下側であって、平面視において手掛部322と重なり合うように位置している。図24に示すように、被着脱部634は、くびれ部653よりも前後方向の幅が大きく形成された部分である。被着脱部634は、左右方向に沿って連続して形成される。本実施形態の被着脱部634は、左右方向から見て略円形の一部をなす形状である。ただし、被着脱部634の形状は限定されず、配置部材670が装着できる形状であればどのような形状であってもよい。
【0113】
配置部材670は、手摺部610に対して着脱可能に装着される。配置部材670は、AS樹脂やPMMA樹脂等の合成樹脂製であってもよく、異なる材質の部材を結合して一体化したものであってもよい。
配置部材670は、着脱部672と、載置部675と、連結部677とを有する。
着脱部672は、手摺部610の被着脱部634に対して着脱する。着脱部672は、被着脱部634の左右方向に沿って摺動可能である。着脱部672は、上側に開口する略C字形状であり、被着脱部634の外周を取り囲むように嵌合可能である。配置部材670の着脱部672は、略C字形状の内部の空間内に被着脱部634を配置させるように着脱部672を吊り下げることで、配置部材670が被着脱部634に装着される。
【0114】
載置部675は、上面が平らな略板状である。配置部材670が被着脱部634に装着された状態では、載置部675は手摺本体611の下端よりも下側に位置する。
連結部677は、着脱部672と載置部675とを連結する部分である。連結部677の後面には、後側に向かって突出する凸部679を有する。
【0115】
次に、配置部材670を被着脱部634に装着する方法について説明する。
施工者は、端部カバー371A、371Bを手摺本体611の左右両側の端部に取り付ける前に、配置部材670の着脱部672を被着脱部634に左右両側の一方から被着脱部634に嵌合させるように差し込むことで、配置部材670を被着脱部634に装着することができる。施工者は、着脱部672を被着脱部634の左右方向に沿って摺動させることで、配置部材670の位置を左右方向に調整することができる。
【0116】
以上のように構成される手摺600によれば、配置部材570の着脱部672と被着脱部634との嵌合状態を視認することができることから、施工者あるいは使用者は容易に配置部材670の位置を左右方向に調整することができる。
【0117】
以上、本発明を種々の実施形態および変形例を用いて説明したが、本発明は上述した実施形態および各変形例にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能であり、上述した実施形態および変形例を適宜、組み合わせてもよい。
上述した実施形態では、配置部材170が配置部材171a~171cである場合について説明したが、この場合に限られず、配置する物品に応じて適宜、形状を変更することができる。例えば、配置する物品がポータブルテレビ等の比較的に大きなものである場合には、載置部175、185a、185bの大きさを左右方向および前後方向に大きくして物品が安定して載置できるように変更してもよい。また、例えば、配置する物品が固形石鹸等のように滑り落ちやすいものである場合には、載置部175、185a、185bの外縁に落下防止用に立設した縁部を追加したり、水抜き穴を追加したりして変更してもよい。
【0118】
上述した実施形態では、上側用の配置部材171aの載置部175が平面視において手摺部110と重なり合っている場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、図3の二点鎖線に示す載置部179のように、前後方向の長さを載置部175よりも小さくすることで、載置部179が平面視において手摺部110と重なり合わないように構成してもよい。
上述した実施形態では、上側用の配置部材171aの載置部175が、手摺部110の上端よりも上側に位置する場合に説明したが、この場合に限られない。例えば、上側用の配置部材171aの載置部175と鉛直部177bとをなくし、水平部177aを載置部としてもよい。
【0119】
上述した実施形態では、上側用の配置部材171aは使用する姿勢とは異なる姿勢で着脱部172を第1の被着脱部120の凹部121に挿入した後、使用する姿勢に回動することで装着され、使用する姿勢では第1の被着脱部120から抜け出ないように構成する場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、上側用の配置部材171aも下側用の配置部材171b、171cと同様に、端部カバー141A、141Bの連通溝から手摺本体111の第1の被着脱部120に装着するように構成してもよい。
上述した実施形態では、下側用の配置部材171b、171cは端部カバー141A、141Bの連通溝144から手摺本体111の第2の被着脱部124に装着する場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、下側用の配置部材171b、171cも上側用の配置部材171aと同様に、使用する姿勢とは異なる姿勢で着脱部182を第2の被着脱部124の凹部125に挿入した後、使用する姿勢に回動することで装着され、使用する姿勢では第2の被着脱部124から抜け出ないように構成してもよい。
【0120】
上述した実施形態では、手摺部110、310、410を取り付ける対象が浴室の壁10である場合について説明したが、この場合に限られず、部屋、廊下、玄関、トイレ等をはじめとする屋内の壁であってもよい。
【符号の説明】
【0121】
10:壁 100、300、400、500、600:手摺 110、310、410、510、610:手摺部 111、211、311、411、511、611:手摺本体 120:第1の被着脱部 124:第2の被着脱部 334:被着脱部 131、361、461:本体カバー 141A、141B、371A、371B:端部カバー 150、380:取付部 170、390、570、670:配置部材 171a:上側用の配置部材 171b、171c:下側用の配置部材 172、392a~392c、572a、572b:着脱部 175、395a~395c、575a、575b:載置部 182:着脱部 185b、185b:載置部
図1
図2
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