(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022118794
(43)【公開日】2022-08-16
(54)【発明の名称】照明ユニット、外観検査システム
(51)【国際特許分類】
G01N 21/84 20060101AFI20220808BHJP
【FI】
G01N21/84 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021015522
(22)【出願日】2021-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】506225949
【氏名又は名称】株式会社ヴイ・エス・テクノロジ-
(74)【代理人】
【識別番号】100167645
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 一弘
(72)【発明者】
【氏名】角田 佳久
(72)【発明者】
【氏名】内藤 功
(72)【発明者】
【氏名】角田 航洋
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA11
2G051AB02
2G051BC01
(57)【要約】
【課題】 独自のハードウェアインターフェースを持つシステム構成機器を簡便に接続できる外観検査用照明ユニットおよびリトリガーをマスクする位置検査方法を提供する。
【解決手段】 照明手段4を駆動する電源部2及び照明手段4を制御する制御部3を備え、外部開放I/O端子7を装備してシステム構成機器の電源及び制御を共用する外観検査システムに用いる照明ユニット1である。搬送手段により搬送される被検査物品の位置を検出したトリガーセンサからのトリガー信号を、制御部が受信して、設定データに従って、照明手段の点灯開始時間(T1)、照明手段の点灯時間(W1)、撮像手段の露光開始時間(T2)、撮像手段の露光時間(W2)、トリガー信号マスク時間(W3)、照明手段及び撮像手段の駆動と停止、マスク処理を行う。なお、W2+T2<W1+T1<W3、関係に設定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明手段を駆動する電源部及び照明手段を制御する制御部を備える照明ユニットであって、外部開放I/O端子を装備して、外観検査システム構成機器の電源及び制御を共用する外観検査システムに用いる照明ユニット。
【請求項2】
被検査物品に光を照射する照明手段と、
前記照明手段から照射された照射光が被検査物品の外面で反射された反射光を映像信号に変換する撮像手段と、
前記照明手段の点灯開始時間(T1)及び点灯時間(W1)並びに前記撮像手段の露光開始時間(T2)及び露光時間(W2)の設定データを記憶する記憶部と、
トリガー信号を受信して、前記記憶部に記憶された設定データに基づき、照明手段の点灯及び撮像手段の露光を制御する制御部と、
前記撮像手段により取得された映像信号を検査画像とする画像処理部と、
を備える物品の外観検査システムであって、
前記記憶部には、式1の関係を満すトリガー信号マスク時間(W3)が設定データとして記憶されている
外観検査システム。
W2+T2<W1+T1<W3 (式1)
【請求項3】
被検査物品に光を照射する照明手段と、
前記照明手段から照射された照射光が被検査物品の外面で反射された反射光を映像信号に変換する撮像手段と、
前記照明手段の点灯開始時間(T1)及び点灯時間(W1)並びに前記撮像手段の露光開始時間(T2)及び露光時間(W2)の設定データを記憶する記憶部と、
トリガー信号を受信して、前記記憶部に記憶された設定データに基づき、照明手段の点灯及び撮像手段の露光を制御する制御部と、
前記撮像手段により取得された映像信号を検査画像とする画像処理部と、
を備える物品の外観検査システムであって、
前記記憶部には、式1の関係を満すトリガー信号マスク時間(W3)が設定データとして記憶されている
請求項1記載の照明ユニットを照明手段とする外観検査システム。
W2+T2<W1+T1<W3 (式1)
【請求項4】
搬送手段により搬送される物品の外観検査に用いる搬送物品の位置検査方法であって、
搬送手段により搬送される被検査物品の位置を検出したトリガーセンサからのトリガー信号を、制御部が受信するステップと、
制御部が、受信したトリガー信号に基づき、記憶部に記憶された照明手段の点灯開始時間(T1)、照明手段の点灯時間(W1)、撮像手段の露光開始時間(T2)、撮像手段の露光時間(W2)及びトリガー信号マスク時間(W3)の設定データを取り出すステップと、
制御部が、設定データに基づくトリガー信号マスク時間(W3)に従ってトリガー信号をマスクするステップと、
制御部が、設定データに基づく照明手段の点灯開始時間(T1)、照明手段の点灯時間(W1)、撮像手段の露光開始時間(T2)、撮像手段の露光時間(W2)に従って照明手段及び撮像手段を駆動するステップと、
制御部が、設定データに基づき、照明手段及び撮像手段の駆動を停止するステップと、
制御部が、トリガー信号マスク時間(W3)経過後に、トリガー信号マスク機能をリセットするステップと、
を含む、式1の関係を満たす搬送物品の位置検査方法。
W2+T2<W1+T1<W3 (式1)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、物品の外観検査に用いる照明ユニット、照明ユニットを用いた外観検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
物品の外観検査システム、例えば、搬送手段により搬送される容器、包装材等の外観検査システムにおいては、照明光を発光する光源、光源で発光された照明光を物品に照射する照明手段、照明光を照射した被検査物品からの反射光を受光して映像信号に変換する撮像手段、撮像手段で取得した映像信号から検査画像を作成する画像処理手段、画像処理手段を制御するための制御手段、被検査物品の位置をタイミングよく撮像するためのトリガーセンサ、搬送手段等の一連の動作を制御するPLC(プログラマブルロジカルコントローラ)など様々な機能を果たす種々の機器で構成されている。これら種々の機器(以下、「外観検査システム構成機器」という。)は、信号ケーブルで相互に接続することで外観検査システムを機能させている(特許文献1、2)。
【0003】
しかしながら、外観検査システム構成機器は、独自のハードウェアインターフェースを持つため、相互接続のためには複雑な接続が必要であり、外観検査システムを構築する上で大きな負担となるという問題がある。
【0004】
ところで、搬送手段により搬送される容器、包装材等の被検査物品の外観検査システムにおいては、トリガーセンサが被検査物品に付されたラベル等により誤作動して、本来トリガー信号を出力するタイミング以外にトリガー信号を再出力(以下、「リトリガー」という。)して、検査結果に影響があるという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018- 44890号公報
【特許文献2】特開2019-174172号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願発明は、独自のハードウェアインターフェースを持つ種々の外観検査システム構成機器を簡便に接続できる照明ユニットを提供することにある。また、前記照明ユニットを用いた外観検査システムを提供することにある。さらには、リトリガーに対応する位置検出機能を備えた外観検査システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明の課題は、以下の態様(1)乃至(4)により解決できる。具体的には、
【0008】
(態様1) 照明手段を駆動する電源部及び照明手段を制御する制御部を備える照明ユニットであって、外部開放I/O端子を装備して、外観検査システム構成機器の電源及び制御を共用する外観検査システムに用いる照明ユニットである。
照明手段を駆動する電源部及び照明手段を制御する制御部を備える照明ユニットに外部開放I/O端子を装備することで、独自のハードウェアインターフェースを持つ外観検査システム構成機器を、全て照明ユニットを基軸(ハブ)として制御できるとともに、外観検査システム構成機器の接続を簡便にできて外観検査システムの構築が容易となるからである。
また、照明ユニットの制御部を基軸とすることで、外観検査システム構成機器(例、CCDカメラ、照明、センサ等)は設定アプリケーションプログラムで設定を一元化でき、設定の簡素化と設定ミスの防止が可能となるからである。
さらに、照明ユニットの電源部を基軸とすることで、外観検査システム構成機器(例、CCDカメラ、照明、センサ等)は個別の電源を持つ必要がなくなり、外観検査システムが簡素となるからである。
そして、外部開放I/O端子を介して外観検査システム構成機器(エアシリンダ、回転警告灯)の制御、PLC及び前後工程装置への要求信号や完了信号などの通信が可能となるからである。
【0009】
(態様2) 被検査物品に光を照射する照明手段と、前記照明手段から照射された照射光が被検査物品の外面で反射された反射光を映像信号に変換する撮像手段と、前記照明手段の点灯開始時間(T1)及び点灯時間(W1)並びに前記撮像手段の露光開始時間(T2)及び露光時間(W2)の設定データを記憶する記憶部と、トリガー信号を受信して、前記記憶部に記憶された設定データに基づき、照明手段の点灯及び撮像手段の露光を制御する制御部と、前記撮像手段により取得された映像信号を検査画像とする画像処理部と、を備える物品の外観検査システムであって、前記記憶部には、式1の関係を満すトリガー信号マスク時間(W3)が設定データとして記憶されている(態様1)記載の照明ユニットを照明手段とする外観検査システムである。
W2+T2<W1+T1<W3 (式1)
トリガー信号マスク時間(W3)を設定することで、トリガーセンサが被検査物品に付されたラベル等により誤作動して検査結果に影響を及ぼすことを防げるからである。
【0010】
(態様3) 被検査物品に光を照射する照明手段と、前記照明手段から照射された照射光が被検査物品の外面で反射された反射光を映像信号に変換する撮像手段と、前記照明手段の点灯開始時間(T1)及び点灯時間(W1)並びに前記撮像手段の露光開始時間(T2)及び露光時間(W2)の設定データを記憶する記憶部と、トリガー信号を受信して、前記記憶部に記憶された設定データに基づき、照明手段の点灯及び撮像手段の露光を制御する制御部と、前記撮像手段により取得された映像信号を検査画像とする画像処理部と、を備える物品の外観検査システムであって、前記記憶部には、式1の関係を満すトリガー信号マスク時間(W3)が設定データとして記憶されている(態様1)記載の照明ユニットを照明手段とする外観検査システムである。
W2+T2<W1+T1<W3 (式1)
トリガー信号マスク時間(W3)を設定することで、トリガーセンサが被検査物品に付されたラベル等により誤作動して検査結果に影響を及ぼすことを防げるからである。
また、照明ユニットの制御部を基軸とすることで、外観検査システム構成機器(例、CCDカメラ、照明、センサ等)は設定アプリケーションプログラムの設定を一元化でき、設定の簡素化と設定ミスの防止が可能となるからである。
さらに、照明ユニットの電源部を基軸とすることで、外観検査システム構成機器(例、CCDカメラ、照明、センサ等)は個別の電源を持つ必要がなくなり、外観検査システムが簡素となるからである。
そして、外部開放I/O端子を介して外観検査システム構成機器(エアシリンダ、回転警告灯)の制御、PLC及び前後工程装置への要求信号や完了信号などの通信が可能となるからである。
【0011】
(態様4) 搬送手段により搬送される物品の外観検査に用いる搬送物品の位置検査方法であって、搬送手段により搬送される被検査物品の位置を検出したトリガーセンサからのトリガー信号を、制御部が受信するステップと、制御部が、受信したトリガー信号に基づき、記憶部に記憶された照明手段の点灯開始時間(T1)、照明手段の点灯時間(W1)、撮像手段の露光開始時間(T2)、撮像手段の露光時間(W2)及びトリガー信号マスク時間(W3)の設定データを取り出すステップと、制御部が、設定データに基づくトリガー信号マスク時間(W3)に従ってトリガー信号をマスクするステップと、制御部が、設定データに基づく照明手段の点灯開始時間(T1)、照明手段の点灯時間(W1)、撮像手段の露光開始時間(T2)、撮像手段の露光時間(W2)に従って照明手段及び撮像手段を駆動するステップと、制御部が、設定データに基づき、照明手段及び撮像手段の駆動を停止するステップと、制御部が、トリガー信号マスク時間(W3)経過後に、トリガー信号マスク機能をリセットするステップと、を含む、式1の関係を満たす搬送物品の位置検査方法である。
W2+T2<W1+T1<W3 (式1)
トリガー信号マスク時間(W3)を設定することで、トリガーセンサが被検査物品に付されたラベル等により誤作動して検査結果に影響を及ぼすことを防げるからである。
【発明の効果】
【0012】
本願発明によれば、独自のハードウェアインターフェースを持つ種々の外観検査システム構成機器を簡便に接続できる照明ユニットを提供できる。また、リトリガーに対応する位置検出機能を備えた外観検査システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本願発明の外観検査システムに用いる照明ユニットの実施態様を示す全体構成図である。
【
図2】公知の外観検査システムの全体構成を示す全体構成図である。
【
図3】本願発明の外観検査システムの実施態様を示す概略図である。
【
図4】本願発明の外観検査システムのシステム制御装置のシステム構成を示す構成図である。
【
図5】トリガーセンサを用いた外観検査におけるトリガー信号の誤作動について説明した模式図である。
【
図6】本願発明のリトリガー対策を採用した位置検査方法の概要を説明する模式図である。
【
図7】本願発明の位置検査方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本願発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。ただし、図面は実施形態の一例であり、これに限定されるものではない。
【0015】
(1)外観検査システムに用いる照明ユニットの構成
図1は、本願発明の照明ユニット1を用いる外観検査システム100の全体構成を示す全体構成図である。本願発明は、照明ユニット1にすべてのインターフェースを接続する照明ユニット1を基軸とする外観検査システム100である。
図1に示すように、本願発明の外観検査システム100に用いる照明ユニット1は、照明手段4を駆動する電源部2と、照明手段4を制御する制御部3と、外部開放I/O端子7を備えている。入出力手段5、撮像手段6は、USB、GigE(ギガビットイーサーネット)、丸形コネクタ等を介して照明ユニット1に接続されている。また、外部開放I/O端子7は、本願発明の外観検査システム100に照明ユニット1を組み込む場合に、用途に応じた外観検査システムとするための外観検査システム構成機器を接続するためのハードウェアインターフェースある。例えば、照明手段4及び撮像手段6を起動するトリガー信号を発信するトリガーセンサ8、外観検査システム100の全体制御を行うPLC(プログラマブルロジカルコントローラ)9、回転警告灯10、欠陥品を排除するためのエアシリンダ11、検査装置の前工程及び後工程に指令する前後工程指令装置12等である。これらの外観検査システム構成機器は、外部開放I/O端子7をハードウェアインターフェースとして、照明ユニット1に接続されている。
【0016】
外部開放I/O端子7を照明ユニット1に装備することで、外観検査構成機器の電源及び制御を照明ユニット1で一元的に管理できる。すなわち、トリガーセンサ8、回転警告灯10、欠陥品を排除するためのエアシリンダ11等を照明ユニット1の電源により起動することができ、照明ユニット1の制御部3によりトリガーセンサ8のスタート信号、回転警告灯10のON/OFFの制御および、外観検査システムの全体制御を行うPLC(プログラマブルロジカルコントローラ)9との通信により、検査開始や検査終了、OK/NGなどの制御が可能になる。
【0017】
汎用インターフェースであるUSB、GigE(ギガビットイーサーネット)は、内部にHUB(図示せず)を持つことで、制御部3への信号と撮像手段6への信号を切り分けることができる。これにより、照明ユニット1の電源部2に1つの配線で接続できるからである。
また、撮像手段6へ汎用インターフェースであるUSB、GigE(ギガビットイーサーネット)を介して電源供給することで、撮像手段6の動作不安定が解消する。
【0018】
一方、
図2は、公知の外観検査システム200を例示したものであり、その全体構成を示す全体構成図である。公知の外観検査システム200では、照明手段4を駆動する電源部2と、外観検査システム構成機器を駆動する電源部2とは分離されている。また、トリガーセンサ8と撮像手段6を接続する端子台7と、入出力手段5、外観検査システム200の全体制御を行うPLC(プログラマブルロジカルコントローラ)9、回転警告灯10、欠陥品を排除するためのエアシリンダ11、検査装置の前工程及び後工程に指令する前後工程指令装置12等を接続する端子台7は、別々に設けられている。制御信号の送受信及び電源供給のためのインターフェースは、統一されておらず、使用目的に合わせてその都度構築する必要があり、取扱が煩雑である。
【0019】
(2)外観検査システム
図3は、本願発明の実施態様を示す外観検査システム300の概略図である。外観検査システム300は、搬送手段31上に載置されて搬送される容器等の被検査物品32の外観を撮像手段6により撮像し、撮像画像から被検査物品32の欠陥検査を行うものである。外観検査システム300は、照明手段4、撮像手段6、トリガーセンサ8、システム制御装置30を備えている。
図3に示す実施態様では、照明手段4は、被検査物品32の上方から照明しているが、照射面は特に限定されるものではなく、側面から照明する態様であってもよい。トリガーセンサ8は、搬送方向において撮像手段6の前方の位置に設けられる。実施態様では、トリガーセンサ8は、フォトインタラプタタイプであり、対向する発光部と受光部を持ち、発光部からの光を物体が遮るのを受光部で検出することによって物体の有無や位置を判定する。具体的には、発光部から照射される光が被検査物品32に遮られたときに、信号を出力する。この出力信号により、システム制御装置30は、撮像手段6の露光開始時間及び露光時間並びに照明手段4の点灯開始時間及び点灯時間を制御する。
なお、照明手段4としては、被検査物品32、搬送手段31等の検査の態様により適宜選択できるが、面照明が好適に用いられる。また、撮像手段6も被検査物品32、搬送手段31等の検査の態様により適宜選択できるが、CCDエリアカメラが好適に用いられる。
【0020】
(3)システム制御装置
図4は、本願発明の外観検査システム300のシステム制御装置30のシステム構成を示す構成図である。実施態様では、電源部2及び制御部3を有する照明ユニット1を基軸としてシステムが構成されている。照明ユニット1には、照明手段4、入出力手段5、撮像手段6、記憶部33、画像処理部34が接続され、外部開放I/O端子7を介して、トリガーセンサ8、外観検査システムの全体制御を行うPLC(プログラマブルロジカルコントローラ)9、回転警告灯10、欠陥品を排除するためのエアシリンダ11等が接続されている。
入出力手段5は、操作情報を入力する入力部(キーボード、マウス等)と、出力部(ディスプレイ等)を有している。記憶部33は、撮像手段6の露光開始時間及び露光時間並びに照明手段4の点灯開始時間及び点灯時間の設定データ、撮像手段6により撮像した画像を処理する画像処理プログラム、被検査物品の欠陥判定プログラムが記憶されている。
【0021】
制御部3は、トリガーセンサ8から送信される信号により、被検査物品32が撮像手段6の前方に到達したことを検出し、電源部2に駆動信号を送信し、これにより照明手段4を駆動する。同時に、撮像手段6も駆動する。画像処理部34は撮像手段6により取得された映像信号を検査画像とする。
【0022】
(4)リトリガ―
図5は、トリガーセンサを用いて容器等の被検査物品32の外観検査を行う場合におけるトリガー信号の誤作動について説明した模式図である。リトリガーは、被検査物品32にラベルが付いている場合に、ラベル境界面からの反射光を受けてトリガーセンサ8がトリガー信号を誤発信するときに生じる。また、
図3に示す透過型トリガーセンサ8を用いた場合に、被検査物品32が透明体であるときに生じる。
【0023】
(5)位置検査方法
本願発明の位置検査方法は、搬送手段により搬送される物品の外観検査装置に用いる搬送物品の位置検査方法であって、トリガーセンサを用いて容器等の被検査物品32の外観検査を行う場合におけるトリガー信号の誤作動(リトリガー)を解決する手段として提案する位置検査方法である。
図6は、本願発明のリトリガー対策を採用した位置検査方法の概要を説明する模式図である。照明手段4及び撮像手段6が駆動している間は、トリガーセンサ8から信号出力がなされた場合であっても所定時間は、トリガー信号をマスクして、リトリガーによる検査結果への影響を排除するものである。
【0024】
図7のフローチャートを参照して、本願発明のマスク処理を採用した位置検査方法を説明する。
搬送手段により搬送される被検査物品32の位置は、トリガーセンサ8により検出され、制御部3は、トリガーセンサ8から発信されるトリガー信号を受信する(S001)。
制御部3は、受信したトリガー信号に基づき、記憶部33に記憶された照明手段の点灯開始時間(T1)、照明手段の点灯時間(W1)、撮像手段の露光開始時間(T2)、撮像手段の露光時間(W2)及びトリガー信号マスク時間(W3)の設定データを取り出す(S002)。
制御部3は、設定データに基づくトリガー信号マスク時間(W3)に従ってトリガー信号をマスクする(S003)。
制御部3は、設定データに基づく照明手段の点灯開始時間(T1)、照明手段の点灯時間(W1)、撮像手段の露光開始時間(T2)、撮像手段の露光時間(W2)に従って照明手段4及び撮像手段6を駆動する(S004)。
制御部3は、設定データに基づく照明手段4及び撮像手段6の駆動を停止する(S005)。
制御部3は、トリガー信号マスク時間(W3)経過後に、トリガー信号マスク機能をリセットする(S006)。
なお、照明手段の点灯開始時間(T1)、照明手段の点灯時間(W1)、撮像手段の露光開始時間(T2)、撮像手段の露光時間(W2)及びトリガー信号マスク時間(W3)の関係は、式1の関係を満たす。
W2+T2<W1+T1<W3 (式1)
【産業上の利用可能性】
【0025】
本願発明により、種々の外観検査システム構成機器を簡便に接続できる物品の外観検査装置を提供できる。
【符号の説明】
【0026】
1 照明ユニット
2 電源部
3 制御部
4 照明手段
5 入出力手段
6 撮像手段
7 外部開放I/O端子
8 トリガーセンサ
9 PLC
10 回転警告灯
11 エアシリンダ
12 前後工程指令装置
30 システム制御装置
31 搬送手段
32 被検査物品
33 記憶部
34 画像処理部
100,200,300 外観検査システム