(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022118797
(43)【公開日】2022-08-16
(54)【発明の名称】掴線器
(51)【国際特許分類】
H02G 1/04 20060101AFI20220808BHJP
F16B 2/12 20060101ALI20220808BHJP
【FI】
H02G1/04
F16B2/12 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021015528
(22)【出願日】2021-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】591083772
【氏名又は名称】株式会社永木精機
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】織川 寛大
(72)【発明者】
【氏名】岩田 伸也
【テーマコード(参考)】
3J022
5G352
【Fターム(参考)】
3J022DA13
3J022EA34
3J022EB12
3J022EC14
3J022ED22
3J022FB12
3J022GA07
3J022GA17
3J022GB32
5G352BA02
(57)【要約】
【課題】操作性のよい掴線器を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様によれば、掴線器が提供される。この掴線器は、掴線部と、第1作動部と、第2作動部とを備える。掴線部は、閉口することで線状体を挟持可能に構成される。第1作動部が押動された場合、第1作動部と、第2作動部とが嵌合可能な状態に遷移する。嵌合可能な状態では、掴線部は、開口している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
掴線器であって、
掴線部と、第1作動部と、第2作動部とを備え、
前記掴線部は、閉口することで線状体を挟持可能に構成され、
前記第1作動部が押動された場合、前記第1作動部と、前記第2作動部とが嵌合可能な状態に遷移し、
前記嵌合可能な状態では、前記掴線部は、開口している、
もの。
【請求項2】
請求項1に記載の掴線器において、
前記第1作動部及び前記第2作動部のうち、一方が嵌合部を有するとともに、他方が被嵌合部を有し、
前記第1作動部が押動された場合、前記嵌合部と、前記被嵌合部とが嵌合可能な状態に遷移する、
もの。
【請求項3】
請求項2に記載の掴線器において、
前記第1作動部が押動された場合、前記第1作動部と、前記第2作動部とが前記嵌合可能な状態に遷移し、
前記嵌合可能な状態で、さらに前記第1作動部が押動された場合、前記被嵌合部と、前記被嵌合部とが嵌合した状態に遷移する、
もの。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の掴線器において、
前記第1作動部は、押動部と、支持部とを有し、
前記押動部と前記支持部との連結部分に、前記嵌合部又は前記被嵌合部が配設される、
もの。
【請求項5】
請求項4に記載の掴線器において、
前記押動部が押動された場合、前記嵌合部と、前記被嵌合部とが前記嵌合可能な状態に遷移する、
もの。
【請求項6】
請求項2~請求項5の何れか1つに記載の掴線器において、
前記被嵌合部は、凹状に形成される、
もの。
【請求項7】
請求項1~請求項6の何れか1つに記載の掴線器において、
前記掴線部は、第1掴線部と、前記第1掴線部に対向して配設された第2掴線部とを有し、
前記第1掴線部と、前記第2掴線部とが閉口することで前記線状体を挟持可能であり、
前記第1掴線部は、第3作動部を有し、
前記第3作動部と、前記第2掴線部との間を前記線状体が通過するとき、前記第3作動部は、前記第2掴線部から離反する方向に移動可能な、
もの。
【請求項8】
請求項1~請求項7の何れか1つに記載の掴線器において、
嵌合が解除された場合、前記掴線部は、閉口方向に移動する、
もの。
【請求項9】
請求項1~請求項8の何れか1つに記載の掴線器において、
前記第2作動部は、環状部を有する及び
もの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掴線器に関する。
【背景技術】
【0002】
電気工事や鉄道保守、果樹棚作成における張線作業を行う際は、ワイヤーや電線等の線状体を把持する掴線器を使用して作業を行うことが一般的である。特許文献1には、ボルトを回転させて電線を掴持する掴線器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、張線作業は高所で行われることも多く、感電のリスクも伴うため、活線作業を行う際は、迅速かつ安全に作業可能な操作性のよい掴線器が求められる。特に、作業用工具を取り付けた絶縁棒を使用して作業を行う間接活線工法により作業を行う場合、なおさら簡単な操作で扱うことが可能であることが望ましい。
【0005】
本発明では上記事情を鑑み、操作性のよい掴線器を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、掴線器が提供される。この掴線器は、掴線部と、第1作動部と、第2作動部とを備える。掴線部は、閉口することで線状体を挟持可能に構成される。第1作動部が押動された場合、第1作動部と、第2作動部とが嵌合可能な状態に遷移する。嵌合可能な状態では、掴線部は、開口している。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1の実施形態に係る掴線器1の正面図である。
【
図2】第1の実施形態に係る掴線器1の斜視図である。
【
図3】第1の実施形態に係る掴線器1の背面図である。
【
図4】第2の実施形態に係る掴線器1の正面図である。
【
図5】第2の実施形態に係る掴線器1の斜視図である。
【
図6】第2の実施形態に係る掴線器1の斜視図である。
【
図7】第2の実施形態に係る掴線器1の側面図である。
【
図8】第1作動部3と、第2作動部4とが嵌合していない状態の掴線器1を示す図である。
【
図9】第1作動部3と、第2作動部4とが嵌合可能な状態の掴線器1を示す図である。
【
図13】第1作動部3及び第2作動部4の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組合せ可能である。
【0009】
1.第1の実施形態
第1節では、第1の実施形態に係る掴線器1について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る掴線器1の正面図である。
図2は、第1の実施形態に係る掴線器1の斜視図である。
図3は、第1の実施形態に係る掴線器1の背面図である。
【0010】
1.1 全体構成
掴線器1は、本体2と、掴線部20と、第1作動部3と、第2作動部4とを備える。以下、これら具体的な構成要素についてさらに詳述する。
【0011】
<本体2>
図1、
図2及び
図3では、第1作動部3と、第2作動部4とが嵌合した状態の掴線器1が示される。
図1及び
図2に示されるように、本体2は、土台部24と、支軸部34と、第1掴線部21とを備える。土台部24は、ボルト45を挿通させるための穴を有しており、ボルト45によって、第2作動部4を回動可能に固定させている。支軸部34は、貫通穴と、ボルトとを有する。かかるボルトは、貫通穴を貫通するとともに、軸として利用可能であり、これによって支持部31を回動可能に固定する。さらに、本体2は、貫通部23を有している。押動部32は、貫通部23を通り抜けるとともに、貫通部23の内部を移動可能な押動部32が設けられている。第1掴線部21は、本体2に一体に配設されている。
【0012】
<掴線部20>
掴線部20は、第1掴線部21と、第1掴線部21に対向して配設された第2掴線部22とを有する。掴線部20は、上方に第1掴線部21が位置するとともに、下方に第2掴線部22が位置する。第2掴線部22は、支持部31に備えられ、ボルト221によって回動可能に固定されており、第2掴線部22は、支持部31の動作と連動して上下移動し、掴線部20が開閉可能となる。
【0013】
特に、掴線部20は、第1掴線部21と、第2掴線部22とが閉口することで線状体を挟持可能である。具体的には、第2掴線部22を、本体2の上方に配設された第1掴線部21の方向に動作させることにより、第1掴線部21と、第2掴線部22との間が閉口し、第1掴線部21と、第2掴線部22との間に差し入れた不図示の線状体を挟持可能である。
【0014】
また、
図2に示されるように、第1掴線部21の線状体挟持面211及び第2掴線部22の線状体挟持面222には、U字状の凹みが設けられていることが好ましく、かかる凹みは、刻刻を有することがより好ましい。これにより、掴線部20は、線状体が滑ることなく、しっかりと固定することができる。
<第1作動部3>
第1作動部3は、押動部32と、支持部31とを有する。押動部32と支持部31との連結部分には、嵌合部33を兼ねるボルトが配設され、支持部31と、押動部32をそれぞれ回動可能に固定している。
【0015】
支持部31は、支軸部34によって本体2に固定されており、支軸部34を支軸として、回動可能である。また、支持部31の上部には第2掴線部22がボルト221によって回動可能に固定されている。特に、支軸部34には、不図示のバネが備えられており、かかるバネによって、支持部31が反時計回りに回動するように付勢されている。
【0016】
押動部32は、作業者の操作により長手方向に移動可能であり、押動部32の動きに連動して、支持部31が回動し、さらに、支持部31の動きに連動して、第2掴線部22が移動する。具体的には、押動部32が力点、支持部31が支点、第2掴線部22が作用点として一連の動作が行われる。特に、作用点となる第2掴線部22では、押動部32が引動される力以上の力で、線状体を把持することが可能となる。
【0017】
<第2作動部4>
第2作動部4は、ボルト45によって、土台部24に回動可能に固定されている。第2作動部4は、凹状に形成される被嵌合部41を有する。かかる構成により、嵌合部33が、被嵌合部41に嵌り、第2作動部4は、第1作動部3を固定することができる。これによって、掴線部20を開口状態で固定することが可能になる。被嵌合部41における嵌合部33の入口部分である凹縁部42は、角が丸く加工されていることが好ましい。これにより、嵌合部33が被嵌合部41の入り口部分で引っかかることなく、滑らかに嵌合させることができる。
【0018】
また、第2作動部4は、環状部43を有することが好ましい。かかる環状部43は、貫通部44を有することにより、作業者の指やスティック等で引っ掛けて回動させることができる。なお、環状部43は、掴線器1の下方にあることが好ましい。これにより、上向作業をしている作業者が容易に第2作動部4を操作することができる。
【0019】
また、ボルト45の付近には、ネジ46が備え付けられている。
図3に示されるように、ネジ46は、第2作動部4が掴線器1の正面から見て時計回りに回転した場合、土台部24の側面と当接する。かかる構成により、押動部32が押動された場合に、第2作動部4の嵌合部33が被嵌合部41と嵌合することが可能となる。
【0020】
2.第2の実施形態
続いて、第2節では、第2の実施形態に係る掴線器1について説明する。ただし、第1の実施形態に係る掴線器1との共通部分についてはその説明を省略する。
図4は、第2の実施形態に係る掴線器1の正面図である。
図5は、第2の実施形態に係る掴線器1の斜視図である。
図6は、第2の実施形態に係る掴線器1の斜視図である。
図7は、第2の実施形態に係る掴線器1の側面図である。なお、第1の実施形態に係る掴線器1との共通の部位に関しては、同一の符号を付して説明する。
【0021】
図4、
図5及び
図6では、第1作動部3と、第2作動部4とが嵌合した状態の掴線器1が示される。
図4及び
図5に示されるように、第2の実施形態の掴線器1において、第1掴線部21は、第3作動部5を有する。第3作動部5は、ボルト51によって、第1掴線部21に上下にスライド可能な態様で固定されている。また、第3作動部5は、線状体の差込口である第1掴線部21と、第2掴線部22との間を覆うように位置する。
【0022】
第3作動部5と、第2掴線部22との間を線状体が通過するとき、第3作動部5は、第2掴線部22から離反する方向に移動可能である。ボルト51と、バネ固定部53との間には、圧縮した状態のバネ52が備えられている。バネ52は、例えば、圧縮コイルバネである。具体的には、作業者が第3作動部5の端部54及び端部55と、第2掴線部22の上部との間(以下、線状体差入口とよぶ)から、線状体を差し入れるとき、下方から押動されるのに伴いバネ52が圧縮し、第3作動部5は、第1掴線部21の方向に移動する。これにより、掴線部20が開口した状態でも、掴線部20に差し入れられた線状体が振動等により外れること防ぐことができる。
【0023】
また、
図6及び
図7に示されるように、第3作動部5の端部54及び端部55は、L字上に折れ曲がっており、折曲部分の角は丸く加工されていることが好ましい。これにより、第3作動部5と、第2掴線部22とのすき間を線状体が滑らかに通過することができる。
【0024】
3 嵌合機構
続いて、第2の実施形態に係る掴線器1を例に、掴線器1の嵌合機構を説明する。
図8は、第1作動部3と、第2作動部4とが嵌合していない状態の掴線器1を示す図である。
【0025】
同図に示されるように、第1作動部3と、第2作動部4とが嵌合していない状態では、掴線器1は、掴線部20が閉口した状態が保たれている。ここで、第1作動部3が矢印3aの方向に押動された場合、第1作動部3と、第2作動部4とが嵌合可能な状態に遷移する。具体的には、掴線器1は、押動部32が押動部32における長手方向に押動された場合、嵌合部33と、被嵌合部41とが嵌合可能な状態に遷移する。ここで、嵌合可能な状態では、掴線部20は、開口している。
【0026】
具体的には、第1作動部3に設けられた押動部32が矢印3aの方向に押動された場合、嵌合部33は第2作動部4の被嵌合部41の方向まで移動して凹縁部42と接し、嵌合部33と、被嵌合部41とが嵌合可能な状態に遷移する。
図9は、第1作動部3と、第2作動部4とが嵌合可能な状態の掴線器1を示す図である。
【0027】
また、押動部32を矢印3aの方向に押動すると、支持部31は、支軸部34を支軸として支持部31は時計回りに回転し、支持部31の上部に取り付けられた第2掴線部22が第1掴線部21から離反する方向に移動する。第2掴線部22が下方に移動するのに伴い、閉口していた掴線部20は開口する。
【0028】
嵌合可能な状態で、さらに第1作動部3が押動された場合、被嵌合部41と、被嵌合部41とが嵌合した状態に遷移する。被嵌合部41と、被嵌合部41とが嵌合した状態は、
図5に示される。これにより、第1作動部3を押動することで、第1作動部3に第2作動部4が嵌り、掴線部20が開口した状態を保ちながら固定される。換言すると、第1作動部3をワンプッシュするだけで、掴線器1を掴線部20の開口状態を保った状態に固定することができる。その結果、押動部32を押動し続けることなく、掴線部20の開口状態が保たれるので、線状体を掴線器1に取り付ける際、より容易に線状体を取り付けることが可能となる。
【0029】
第1作動部3と、第2作動部4との嵌合が解除された場合、支軸部34を支軸として、支持部31が反時計回りに回動するとともに、押動部32は矢印3bの方向に移動し、掴線部20は、閉口方向に移動する。ここで、かかる嵌合の解除に際し、指又はスティックによって、第2作動部4の環状部43を矢印4aの方向に引くことが好ましい。かかる操作は、下方に位置する作業者にとって、上向作業を行う作業者は、容易に嵌合の解除を行うことができ、より容易に線状体を把持することが可能となる。
【0030】
まとめると、作業者が押動部32を押動すると、閉口していた掴線部20が開口し、さらに押動すると掴線部20が開口した状態で掴線器1が保定される。このように、第1の実施形態及び第2の実施形態に係る掴線器1は、作業者が押動部32をワンプッシュするだけで、掴線部20が開口した状態で保定される。その結果、作業者は容易に線状体を掴線部20に差入れることができる。
【0031】
また、掴線部20に線状体を差し入れた後、環状部43を指やスティック等で引っ掛けて下方に引くだけで、嵌合部33と、被嵌合部41との嵌合が解除される。また、嵌合解除と連動して掴線部20が閉口し、線状体をしっかりと把持したまま固定することができる。その結果、作業者は、掴線器1を用いて、容易に線状体を把持する作業を行うことが可能となる。
【0032】
4.変形例
前述の各実施形態を以下の態様によって実施することもできる。以下、第1の実施形態及び第2の実施形態に係る掴線器1との共通の部位に関しては、同一の符号を付して説明する。
【0033】
4.1 変形例1
図10は、支持部31の変形例を示す図である。前述の実施形態では、支持部31と、押動部32との連結部分が、嵌合部33を兼ねていたが、
図10に示すように、嵌合部33と、前記連結部分が別個に備えられていてもよい。
【0034】
4.2 変形例2
図11及び
図12は、支持部31の変形例を示す図である。前述の実施形態では、第1作動部3に嵌合部33が備えられ、第2作動部4に被嵌合部41が備えられる例を示したが、
図11及び
図12に示されるように、第1作動部3に被嵌合部41が備えられてもよい。特に、
図12に示されるように、押動部32と支持部31との連結部分に、被嵌合部41が配設されてもよい。つまり、押動部32と支持部31との連結部分に、嵌合部33又は被嵌合部41が配設されていればよい。また、第2作動部4に嵌合部33が備えられてもよい。換言すると、第1作動部3及び第2作動部4のうち、一方が嵌合部33を有するとともに、他方が被嵌合部41を有すればよい。なお、
図11に示されるように、支持部31が環状部43を有してもよい。
【0035】
4.3 変形例3
図13は、第1作動部3及び第2作動部4の変形例を示す図である。前述の実施形態では、凹状の被嵌合部41と、嵌合部33とが嵌合することで、第1作動部3と、第2作動部4とを固定する例を示したが、
図13に示されるように、支持部31はタング35が備えられ、第2作動部4は、差込口を有するバックルとして機能してもよい。かかる場合、押動部32を長手方向(矢印3aの方向)に押動すると、タング35がバックルの差込口に差し込まれ、第1作動部3と、第2作動部4とが固定されてもよい。特に、第2作動部4は、不図示のバックル解除ボタンを備え、作業者が前記バックル解除ボタンを押下することで、固定が解除される態様であることが好ましい。このような構成により、作業者は簡単な操作で線状体を把持すること可能となる。
【0036】
4.4 変形例4
図14は、第2作動部4の変形例を示す図である。同図に示されるように、被嵌合部41の凹状部分が押動部32の方向に向くように固定されていてもよい。かかる場合、押動部32を押動し、嵌合部33と、被嵌合部41とを嵌合させたときと反対方向(矢印3bの方向)に引くだけで、嵌合を解除することができる。なお、第2作動部4は、環状部43を有さなくてもよい。
【0037】
4.5 変形例5
図15は、掴線器1の変形例の正面図である。
図16は、掴線器1の変形例の背面図である。第1の実施形態及び第2の実施形態における掴線器1では、第2作動部4が支持部31よりも正面側に配設され、第1作動部3と、第2作動部4とが掴線器1の正面側で嵌合する例を示したが、
図15及び
図16で示されるように、第1作動部3と、第2作動部4とが掴線器1の背面側で嵌合する態様でもよい。また、第2作動部4は、土台部24に固定されず、本体2の背面側に回動可能な態様で固定されてもよい。
【0038】
4.6 変形例6
図17は、掴線器1の変形例の正面図である。
図18は、掴線器1の変形例の背面図である。
図17及び
図18に示されるように、第2作動部4の代わりに第4作動部6を備えてもよい。第4作動部6は、ボルトによって本体2に固定され、貫通穴を有するとともに、貫通穴に回動可能に固定されたロック部61を備える。ロック部61は、押動部32が押動された状態で回動させると、支持部31又は押動部32を固定可能である。具体的には、ロック部61は、図示しない嵌合部又は被嵌合部を有しており、押動部32が押動された状態でロック部61を回動させると、支持部31及び押動部32の連結部分に配設された図示しない嵌合部又は被嵌合部と嵌合することで、支持部31又は押動部32を固定可能である。なお、ロック部61と嵌合する嵌合部又は被嵌合部は、前記連結部分ではなく、支持部31又は押動部32に備えられていてもよい。
【0039】
4.7 その他の実施形態
(1)前述の実施形態では、第2掴線部22が可動する例を示したが、第1掴線部21が可動可能であってもよく、第2掴線部22と、第1掴線部21との両方が対向する掴線部20の方向に可動することにより、線状体を挟持する態様でもよい。
(2)前述の実施形態では、押動部32が矢印3aの方向に押動されると、嵌合部33と、被嵌合部41が嵌合する態様を示したが、押動部32を押動させ、掴線部20を開口させた状態で、作業者が第2作動部4を移動させることにより、被嵌合部41が嵌合部33に嵌合する態様でもよい。
【0040】
本発明は、次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記掴線器において、前記第1作動部及び前記第2作動部のうち、一方が嵌合部を有するとともに、他方が被嵌合部を有し、前記第1作動部が押動された場合、前記嵌合部と、前記被嵌合部とが嵌合可能な状態に遷移する、もの。
前記掴線器において、前記第1作動部が押動された場合、前記第1作動部と、前記第2作動部とが前記嵌合可能な状態に遷移し、前記嵌合可能な状態で、さらに前記第1作動部が押動された場合、前記被嵌合部と、前記被嵌合部とが嵌合した状態に遷移する、もの。
前記掴線器において、前記第1作動部は、押動部と、支持部とを有し、前記押動部と前記支持部との連結部分に、前記嵌合部又は前記被嵌合部が配設される、もの。
前記掴線器において、前記押動部が押動された場合、前記嵌合部と、前記被嵌合部とが前記嵌合可能な状態に遷移する、もの。
前記掴線器において、前記被嵌合部は、凹状に形成される、もの。
前記掴線器において、前記掴線部は、第1掴線部と、前記第1掴線部に対向して配設された第2掴線部とを有し、前記第1掴線部と、前記第2掴線部とが閉口することで前記線状体を挟持可能であり、前記第1掴線部は、第3作動部を有し、前記第3作動部と、前記第2掴線部との間を前記線状体が通過するとき、前記第3作動部は、前記第2掴線部から離反する方向に移動可能な、もの。
前記掴線器において、嵌合が解除された場合、前記掴線部は、閉口方向に移動する、もの。
前記掴線器において、前記第2作動部は、環状部を有する及びもの。
もちろん、この限りではない。
【0041】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0042】
1 :掴線器
2 :本体
20 :掴線部
21 :第1掴線部
211 :線状体挟持面
22 :第2掴線部
221 :ボルト
222 :線状体挟持面
23 :貫通部
24 :土台部
3 :第1作動部
3a :矢印
3b :矢印
31 :支持部
32 :押動部
33 :嵌合部
34 :支軸部
35 :タング
4 :第2作動部
4a :矢印
41 :被嵌合部
42 :凹縁部
43 :環状部
44 :貫通部
45 :ボルト
46 :ネジ
5 :第3作動部
51 :ボルト
52 :バネ
53 :バネ固定部
54 :端部
55 :端部
6 :第4作動部
61 :ロック部