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特開2022-118888接続相判定装置、及び接続相判定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022118888
(43)【公開日】2022-08-16
(54)【発明の名称】接続相判定装置、及び接続相判定方法
(51)【国際特許分類】
   H02G 1/02 20060101AFI20220808BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20220808BHJP
【FI】
H02G1/02
H02J13/00 301A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021015698
(22)【出願日】2021-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】山本 周平
(72)【発明者】
【氏名】高田 和典
(72)【発明者】
【氏名】竹田 慎一朗
(72)【発明者】
【氏名】池上 良樹
(72)【発明者】
【氏名】横山 裕久
【テーマコード(参考)】
5G064
5G352
【Fターム(参考)】
5G064AC09
5G064CB06
5G064DA03
5G352AM05
(57)【要約】
【課題】変圧器の接続相を特定する。
【解決手段】接続相判定装置が、配電線及び配電線から分岐する電線が接続されている変圧器を含む画像を取得し、配電線及び配電線から分岐する電線が接続されている変圧器を含む撮影画像と、撮影画像の撮影方向又は撮影距離を特定する情報とが入力され、変圧器に接続している各電線の、配電線での相対的配置関係の情報を出力する学習済みモデルに、取得した画像及び当該画像の撮影方向又は撮影距離を特定する情報を入力することにより、取得した画像における配電線のうち変圧器に接続している各電線の、配電線での相対的配置関係の情報を出力し、出力された各電線の相対的配置関係の情報と、配電線を構成する各電線の相対的配置関係及び位相に関する情報とに基づき、取得した画像における配電線のうち変圧器に接続されている各電線の位相を特定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサ及びメモリを有し、
複数の電線からなる配電線及び当該配電線から分岐する電線が接続されている変圧器を含む画像を取得する画像取得部と、
複数の電線からなる配電線及び当該配電線から分岐する電線が接続されている変圧器を含む撮影画像と、前記撮影画像の撮影方向又は撮影距離を特定する情報とが入力され、前記変圧器に接続している各電線の、前記配電線での相対的配置関係の情報を出力する学習済みモデルに、前記取得した画像及び当該画像の撮影方向又は撮影距離を特定する情報を入力することにより、前記取得した画像における配電線のうち前記変圧器に接続している各電線の、前記配電線での相対的配置関係の情報を出力する接続線特定部と、
前記出力された各電線の相対的配置関係の情報と、前記配電線を構成する各電線の相対的配置関係及び位相に関する情報とに基づき、前記取得した画像における配電線のうち前記変圧器に接続されている各電線の位相を特定する接続相特定部と、
を備える、接続相判定装置。
【請求項2】
前記特定された各電線の相に基づき、前記取得した画像における変圧器と、当該変圧器に接続されている各電線の位相と、当該各電線の接続元の配電線の位相との対応関係を示す配線図を作成する接続相情報作成部を備える、
請求項1に記載の接続相判定装置。
【請求項3】
前記接続線特定部は、複数の電線からなる配電線及び当該配電線から分岐する電線が接続されている変圧器を含む撮影画像と、前記撮影画像の撮影方向又は撮影距離を特定する情報とが入力され、前記変圧器に接続している各電線の、前記配電線での相対的配置関係の情報及び当該変圧器の容量の情報を出力する学習済みモデルに、前記取得した画像及び当該画像の撮影方向又は撮影距離を特定する情報を入力することにより、前記取得した画像における配電線のうち前記変圧器に接続している各電線の、前記配電線での相対的配置関係の情報及び、当該変圧器の容量の情報を出力する、
請求項1に記載の接続相判定装置。
【請求項4】
前記画像取得部は、三相3線の配電線、当該配電線を架設する電柱、及び当該電柱の近傍で前記配電線から分岐する電線が接続されている変圧器を含む画像を取得し、
前記接続線特定部は、三相3線の配電線、当該配電線を支持する電柱、及び当該電柱の近傍で前記配電線から分岐する電線が接続されている変圧器を含む撮影画像と、前記撮影画像の撮影方向又は撮影距離を特定する情報とが入力され、前記変圧器に接続している各電線の、前記配電線における相対的な方角の情報を出力する学習済みモデルに、前記取得した画像及び当該画像の撮影方向又は撮影距離を特定する情報を入力することにより、前記取得した画像における配電線のうち前記変圧器に接続している各電線の、前記配電線での相対的な方角の情報を出力し、
前記接続相特定部は、前記出力された各電線の相対的な方角の情報と、前記配電線を構成する各電線の相対的な方角及び位相に関する情報とに基づき、前記取得した画像における配電線のうち前記変圧器に接続されている各電線の位相を特定する、
請求項1に記載の接続相判定装置。
【請求項5】
情報処理装置が、
複数の電線からなる配電線及び当該配電線から分岐する電線が接続されている変圧器を含む画像を取得する画像取得処理と、
複数の電線からなる配電線及び当該配電線から分岐する電線が接続されている変圧器を含む撮影画像と、前記撮影画像の撮影方向又は撮影距離を特定する情報とが入力され、前記変圧器に接続している各電線の、前記配電線での相対的配置関係の情報を出力する学習済みモデルに、前記取得した画像及び当該画像の撮影方向又は撮影距離を特定する情報を入力することにより、前記取得した画像における配電線のうち前記変圧器に接続している各電線の、前記配電線での相対的配置関係の情報を出力する接続線特定処理と、
前記出力された各電線の相対的配置関係の情報と、前記配電線を構成する各電線の相対的配置関係及び位相に関する情報とに基づき、前記取得した画像における配電線のうち前記変圧器に接続されている各電線の位相を特定する接続相特定処理と、
を実行する、接続相判定方法。
【請求項6】
前記情報処理装置が、
前記特定された各電線の相に基づき、前記取得した画像における変圧器と、当該変圧器に接続されている各電線の位相と、当該各電線の接続元の配電線の位相との対応関係を示す配線図を作成する接続相情報作成処理を実行する、
請求項5に記載の接続相判定方法。
【請求項7】
前記情報処理装置が、
前記接続線特定処理において、複数の電線からなる配電線及び当該配電線から分岐する電線が接続されている変圧器を含む撮影画像と、前記撮影画像の撮影方向又は撮影距離を特定する情報とが入力され、前記変圧器に接続している各電線の、前記配電線での相対的配置関係の情報及び当該変圧器の容量の情報を出力する学習済みモデルに、前記取得した画像及び当該画像の撮影方向又は撮影距離を特定する情報を入力することにより、前記取得した画像における配電線のうち前記変圧器に接続している各電線の、前記配電線での相対的配置関係の情報及び、当該変圧器の容量の情報を出力する、
請求項5に記載の接続相判定方法。
【請求項8】
前記情報処理装置が、
前記画像取得処理において、三相3線の配電線、当該配電線を架設する電柱、及び当該電柱の近傍で前記配電線から分岐する電線が接続されている変圧器を含む画像を取得し、
前記接続線特定処理において、三相3線の配電線、当該配電線を支持する電柱、及び当該電柱の近傍で前記配電線から分岐する電線が接続されている変圧器を含む撮影画像と、前記撮影画像の撮影方向又は撮影距離を特定する情報とが入力され、前記変圧器に接続している各電線の、前記配電線における相対的な方角の情報を出力する学習済みモデルに、前記取得した画像及び当該画像の撮影方向又は撮影距離を特定する情報を入力することにより、前記取得した画像における配電線のうち前記変圧器に接続している各電線の、前記配電線での相対的な方角の情報を出力し、
前記接続相特定処理において、前記出力された各電線の相対的な方角の情報と、前記配電線を構成する各電線の相対的な方角及び位相に関する情報とに基づき、前記取得した画像における配電線のうち前記変圧器に接続されている各電線の位相を特定する、
請求項5に記載の接続相判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続相判定装置、及び接続相判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
配電系統におけるフィーダ以下の高圧幹線では通常、三相3線式の配電路が設けられている。この三相3線配電線のうち選択された相の電線が各所の変圧器に接続し、この変圧器を介して低圧配電路へとさらに配電がなされる。
【0003】
ところで、配電系統では、三相配電線に発生する電圧不均衡を解消するため、必要に応じて各変圧器に接続される電線の配線を変更することで変圧器の位相(接続相)を変更する運用がなされている。電力事業者等は現状、これらの接続相を確認する場合、現場(柱上変圧器が設けられた電柱等)の写真や電子地図を検証し、又は保守員等による現場での目視確認によって配線状況を確認している。
【0004】
しかしながら、配電系統に多数存在する変圧器のそれぞれについて、手作業によってこのような確認を行うことは非常に煩雑でありコストもかかる。配電系統における接続相を容易に確認し、これを包括的に管理できるようにすることが望まれている。
【0005】
この点、画像処理技術を用いて、送電線を認識する技術が存在する。例えば、特許文献1には、撮像系によって得られた画像情報を縦及び横に配列して画像平面を構成する複数の画素に分割し、各画素に対応する画像情報の微小部分の明るさをデジタルデータに変換し、この変換したデジタルデータにもとづいて、縦方向に配列される画素列または横方向に配列される画素行から明るさの変化に一定の周期性がある部分を抽出し、この抽出を隣接する画素列または画素行において繰り返し行って、ほぼ同一の周期性が認められる部分を送電線と認識することを特徴とする送電線認識方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平05-342351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、本件で問題となっている三相配電線と変圧器の接続相との接続関係はより複雑であるため、より高度な技術を開発する必要がある。
【0008】
本発明はこのような背景に鑑みてなされたものであり、その目的は、変圧器の接続相を特定するための接続相判定装置、及び接続相判定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の目的を達成するための本発明の一つは、プロセッサ及びメモリを有し、複数の電線からなる配電線及び当該配電線から分岐する電線が接続されている変圧器を含む画像を取得する画像取得部と、複数の電線からなる配電線及び当該配電線から分岐する電線が接続されている変圧器を含む撮影画像と、前記撮影画像の撮影方向又は撮影距離を特定する情報とが入力され、前記変圧器に接続している各電線の、前記配電線での相対的配置関係の情報を出力する学習済みモデルに、前記取得した画像及び当該画像の撮影方向又は撮影距離を特定する情報を入力することにより、前記取得した画像における配電線のうち前記変圧器に接続している各電線の、前記配電線での相対的配置関係の情報を出力する接続線特定部と、前記出力された各電線の相対的配置関係の情報と、前記配電線を構成する各電線の相対的配置関係及び位相に関する情報とに基づき、前記取得した画像における配電線のうち前記変圧器に接続されている各電線の位相を特定する接続相特定部と、を備える、接続相判定装置とする。
【0010】
このように、本発明は、変圧器に接続している各電線の、配電線における相対的配置関係の情報を出力する学習済みモデルに、配電線及び変圧器を含む撮影画像の撮影方向又は撮影距離を入力することにより、撮影画像における配電線のうち変圧器に接続している各電線の、配電線における相対的配置関係の情報を出力し、出力された各電線の相対的配置関係の情報を用いて、撮影画像における配電線のうち変圧器に接続されている各電線の位相を特定する。このため、撮影画像とその撮影方向又は距離の情報を学習済みモデルに入力するだけで、その画像における変圧器の接続相を特定することができる。
【0011】
また、前述の目的を達成するための本発明の一つは、前記接続相判定装置であって、前記特定された各電線の相に基づき、前記取得した画像における変圧器と、当該変圧器に接続されている各電線の位相と、当該各電線の接続元の配電線の位相との対応関係を示す配線図を作成する接続相情報作成部を備える。
【0012】
本発明のように、変圧器、変圧器の接続相、及びその接続電線の接続元の配電線との対応関係を示す配線図を作成することで、ユーザは、配電系統に多数存在する変圧器のそれぞれについて接続相を確認することなく、配電系統全体における変圧器の接続相の全体を容易に管理することができる。
【0013】
また、前述の目的を達成するための本発明の一つは、前記接続相判定装置であって、前記接続線特定部は、複数の電線からなる配電線及び当該配電線から分岐する電線が接続されている変圧器を含む撮影画像と、当該撮影画像の撮影方向とが入力され、前記変圧器に接続している各電線の、前記配電線における相対的配置関係の情報及び当該変圧器の容量の情報を出力する学習済みモデルに、前記取得した画像及び当該増の撮影方向を入力することにより、前記取得した画像における配電線のうち前記変圧器に接続している各電線の、前記配電線における相対的配置関係の情報及び、当該変圧器の容量の情報を出力する。
【0014】
本発明のように、接続線特定部は、撮影画像を学習済みモデルに入力して変圧器の容量の情報を出力することで、ユーザは、変圧器の現地調査を行うこと無く変圧器の容量を知ることができる。
【0015】
また、前述の目的を達成するための本発明の一つは、前記接続相判定装置であって、前記画像取得部は、三相3線の配電線、当該配電線を架設する電柱、及び当該電柱の近傍で前記配電線から分岐する電線が接続されている変圧器を含む画像を取得し、前記接続線特定部は、三相3線の配電線、当該配電線を支持する電柱、及び当該電柱の近傍で前記配電線から分岐する電線が接続されている変圧器を含む撮影画像と、前記撮影画像の撮影方向又は撮影距離を特定する情報とが入力され、前記変圧器に接続している各電線の、前記配電線における相対的な方角の情報を出力する学習済みモデルに、前記取得した画像及び当該画像の撮影方向又は撮影距離を特定する情報を入力することにより、前記取得した画像における配電線のうち前記変圧器に接続している各電線の、前記配電線での相対的な方角の情報を出力し、前記接続相特定部は、前記出力された各電線の相対的な方角の情報と、前記配電線を構成する各電線の相対的な方角及び位相に関する情報とに基づき、前記取得した画像における配電線のうち前記変圧器に接続されている各電線の位相を特定する。
【0016】
本発明のように、電柱に架設されている三相3線の配電線及び電柱に付設されている変圧器の撮影画像を用い、学習済みモデルが、変圧器に接続している各電線の、配電線における相対的な方角の情報を出力することで、ユーザは、高圧幹線の三相3線の配電線から電柱付設の柱上変圧器を介して低圧幹線に配電されるといった典型的な配電系統において、各柱上変圧器の接続相を効率良く特定していくことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、変圧器の接続相を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施形態に係る接続相判定装置が備える機能の一例を説明する図である。
図2】本件画像の一例を示す図である。
図3】画像DBの一例を示す図である。
図4】地図データが記憶する情報の一例を説明する図である。
図5】三相配電線データの情報の一例を説明する図である。
図6】接続相判定装置のハードウェアの一例を示す図である。
図7】配線図作成処理の一例を説明するフロー図である。
図8】配線図の内容を表示した画面の一例を示す図である。
図9】モデル作成処理の一例を説明するフロー図である。
図10】教師データDBの一例を示す図である。
図11】接続線特定処理の一例を説明するフロー図である。
図12】接続相特定処理の一例を説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の一実施形態に係る接続相判定装置について、図面を参照しつつ説明する。
本実施形態の接続相判定装置は、変圧器(柱上変圧器等)を備える電柱の画像に基づき、当該電柱に架設されている三相配電線から分岐して変圧器に接続されている電線を特定し、その接続している電線の位相(変圧器の接続相)を特定する情報処理装置である。
【0020】
三相配電線を用いた配電系統においては、三相電線の各相間電圧に不平衡が生じるため、これを解消すべく配電線の各所において接続相を変更している場合がある。そこで、本実施形態の接続相判定装置は、各変圧器の接続相の特定を、保守員等による現地での電線の目視確認、又は電柱の撮影写真の詳細な分析といった繁雑な作業を行うことなく、効率良く行うための装置である。
【0021】
具体的には、接続相判定装置は、変圧器及び三相配電線を含んだ電柱の画像の特徴を機械学習により学習した学習済みモデル(以下、接続線特定モデルという)を用いる。接続線特定モデルは、上記電柱の画像の特徴量を、ディープラーニングにより機械学習することで構築される。接続線特定モデルは、本実施形態では、画像の画素情報が入力される入力層と、画素情報から画像の特徴量を抽出して出力する1又は複数の中間層(隠れ層)と、画像の特徴量から、変圧器に接続している各電線の三相配電線における相対的配置関係(電柱に架設されている三相配電線の各電線の、相対的な位置関係ないし方角)等を出力する出力層とを有するニューラルネットワークである。
【0022】
その後、接続相判定装置は、この相対的配置関係と、後述する三相配電線データ(三相配電線の相構成のデータ)とに基づき、変圧器の接続相を特定する。
【0023】
なお、接続線特定モデルにおけるニューラルネットワークとしては、例えば、CNN(Convolution Neural Network)、SVM(Support Vector Machine)、ベイジアンネットワーク、又は回帰木等を適用することが可能であるが、本実施形態では画像認識に適した手法であるCNNを前提とする。
【0024】
次に、接続相判定装置の詳細を説明する。
--接続相判定装置--
図1は、本実施形態に係る接続相判定装置が備える機能の一例を説明する図である。接続相判定装置1は、画像取得部11、モデル作成部13、接続線特定部15、接続相特定部17、及び接続相情報作成部19とを備える。
【0025】
また、接続相判定装置1は、各画像を記憶した画像DB50と、配電系統が設けられている地域の地図データ60と、三相配電線を構成する各電線の相対的配置関係及び位相に関する情報を記憶した三相配電線データ70とを記憶している。
【0026】
画像取得部11は、複数の電線からなる配電線及び当該配電線から分岐する電線が接続されている変圧器を含む画像(以下、本件画像という)を取得する。本実施形態では、本件画像は、三相3線の配電線、配電線を架設する電柱、及び電柱の近傍で配電線から分岐する電線が接続されている変圧器を含む画像である。本件画像は、接続線特定モデルを作成するために使用される画像(教師画像)、又は、変圧器の接続相を特定するための画像(判定画像)である。
【0027】
(本件画像)
図2は、本件画像の一例を示す図である。本件画像200は、所定位置に固定された電柱201を、所定距離離れた位置から、南西方向から北東方向に向かって所定仰角にて撮影した画像である。電柱201は、幹線である三相配電線205をその頂部にて支持している。三相配電線205は複数の電線205a、205b、205cからなり、各電線205a、205b、205cは所定方向に整列して配設されている。また、電柱201には変圧器207が付設されている。三相配電線205は、三相3線の配電線である(第1相、第2相、及び第3相の別は、本件画像のみからではわからず、後述する三相配電線データ70により特定可能である)。
【0028】
三相配電線205のうち二相(同図では、第2相の電線205b、及び第3相の電線205c)は、電柱201の近傍に設けられた三相配電線205上の分岐点209から分岐線211により分岐し、これらの分岐線211は変圧器207に接続している。変圧器207に接続しているこれらの二相が接続相である。
【0029】
同図の三相配電線205を構成する3線の、本件画像上の相対的配置関係は、第1相の電線205aが最も左側、第3相の電線205cが最も右側、第2相の電線205bがその中間である。一方、三相配電線205は南北方向に架設されているので、三相配電線205を構成する3線の実地での相対的配置関係は、第1相の電線205aが最も西側、第3相の電線205cが最も東側、第2相の電線205bがその中間である。
【0030】
ここで、各電柱201に対する変圧器207及び三相配電線205の配置関係が電柱201間で類似していることを考慮すれば、三相配電線205の3線の本件画像上の相対的位置関係(ここでは左右関係)と、撮影位置と被写体との間の位置関係(例えば、撮影方向、距離、仰角。ここでは、東西方向)とは一定の対応関係を有する。したがって、本件画像の撮影方向等が既知であれば、第1相の電線205a、第2相の電線205b、及び第3相の電線205cの相対的配置関係(西側、東側等の方角や、三相配電線205のうち変圧器207に接続する電線)を特定することができる。モデル作成部13は、このような相関関係を有する、様々な角度から撮影された本件画像(教師画像)を教師データとして用いて機械学習を行うことで、接続線特定モデルを作成する。
【0031】
次に、図1に示すように、接続線特定部15は、複数の電線からなる三相配電線及びこの三相配電線から分岐する電線が接続されている変圧器を含む本件画像と、この本件画像の撮影方向又は撮影距離を特定する情報とが入力され、変圧器に接続している各電線(本実施形態では、3線の配電線のうち2線)の、三相配電線上の相対的配置関係の情報(本実施形態では、相対的な方角の情報)を出力する学習済みモデルに、画像取得部11が取得した判定画像及びこの判定画像の撮影方向又は撮影距離を特定する情報を入力することにより、画像取得部11が取得した判定画像における配電線のうち変圧器に接続している各電線の、配電線での相対的配置関係の情報を出力する。
【0032】
また、接続線特定モデルは、変圧器の容量の情報を出力する。すなわち、接続線特定モデルは、三相配電線のうち変圧器に接続している各電線の、三相配電線上の相対的配置関係の情報及び変圧器の容量の情報を出力する。
【0033】
次に、接続相特定部17は、接続線特定モデルの出力結果を用いて、変圧器の接続相を特定する。すなわち、接続相特定部17は、接続線特定部15で出力された各電線の相対的配置関係の情報と、三相配電線データ70とに基づき、画像取得部11が取得した画像における三相配電線のうち変圧器に接続されている各電線の位相を特定する。
【0034】
接続相情報作成部19は、接続相特定部17により特定された各電線の相と、三相配電線データ70とに基づき、画像取得部11が取得した判定画像における変圧器と、変圧器に接続されている各電線の位相と、当該各電線の接続元の配電線の位相との対応関係を示す配線図を作成する。
【0035】
(画像DB)
図3は、画像DB50の一例を示す図である。画像DB50は、変圧器及び三相配電線を含む本件画像の情報を記憶している。画像DB50は、各画像のID51、各画像に撮影されている変圧器のID53、各画像の画像データ55、各画像の撮影日時57、各画像の撮影位置からの撮影方向59(例えば、角度の情報、東西南北等の方向の情報が設定される)、各画像の撮影位置61、各画像の撮影の仰角63、及び、撮影位置と被写体(画像に含まれる変圧器等の電力設備のうちいずれかの物体)との距離65の情報を含む。
【0036】
(地図データ)
図4は、地図データ60が記憶する情報の一例を説明する図である。地図データ60は、配電系統における三相配電線の配置を示した地図データであり、道路等のバックグラウンド61の情報と、電柱63又は開閉器65等の電力設備のID及び位置情報と、これらの電力設備の本件画像のID及び撮影位置67の情報とを含む。なお、同図では、紙面の上方向が北、紙面の下方向が南である。
【0037】
(三相配電線データ)
図5は、三相配電線データ70の情報の一例を説明する図である。同図に示すように、三相配電線データ70は、地図データ60に対応させたデータであり、三相配電線71を構成する各電線(第1相の電線71a、第2相の電線71b、及び第3相の電線71c)の相対的配置関係及び各位相に関する情報を記憶した配線図のデータである。三相配電線データ70は、三相配電線71が架設されている電柱73又は開閉器75等の電力設備の配置、及び、これらの電力設備に取り付けられている三相配電線71の配線の情報を含む。また、電柱73に付設されている変圧器72の情報を含む。
【0038】
同図の例では、変圧器72が付設されている電柱73に架設されて南北方向に伸びる三相配電線71のうち第1相の電線71aは最も西側に配置され、第3相の電線71cは最も東側に配置され、第2相の電線71bは第1相の電線71a及び第3相の電線71cの間に配置されている。
【0039】
なお、三相配電線71の所定のポイント77においては、当該三相配電線71の各電線の配置関係が変更されており、配置が変更された後の南側の三相配電線71では、第1相の電線71a及び第3相の電線71cの配置関係、すなわち変圧器の接続相は逆になっている。
【0040】
次に、図6は、接続相判定装置1のハードウェアの一例を示す図である。接続相判定装置1は、プロセッサ31、主記憶装置32、補助記憶装置33、入力装置34、出力装置35、及び通信装置36を備える。
【0041】
プロセッサ31は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、AI(Artificial Intelligence)チップ等を用いて構成されている。
【0042】
主記憶装置32は、プログラムやデータを記憶する装置であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、不揮発性メモリ(NVRAM(Non Volatile RAM))等である。
【0043】
補助記憶装置33は、例えば、SSD(Solid State Drive)、ハードディスクドライブ、光学式記憶装置(CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等)、ストレージシステム、ICカード、SDカードや光学式記録媒体等の記録媒体の読取/書込装置、クラウドサーバの記憶領域等である。補助記憶装置33には、記録媒体の読取装置や通信装置36を介してプログラムやデータを読み込むことができる。補助記憶装置33に格納(記憶)されているプログラムやデータは主記憶装置32に随時読み込まれる。
【0044】
入力装置34は、外部からの入力を受け付けるインタフェースであり、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、カードリーダ、ペン入力方式のタブレット、音声入力装置等である。
【0045】
出力装置35は、処理経過や処理結果等の各種情報を出力するインタフェースである。出力装置35は、例えば、上記の各種情報を可視化する表示装置(液晶モニタ、LCD(Liquid Crystal Display)、グラフィックカード等)、上記の各種情報を音声化する装置(音声出力装置(スピーカ等))、上記の各種情報を文字化する装置(印字装置等)である。なお、例えば、接続相判定装置1が通信装置36を介して他の装置との間で情報の入力や出力を行う構成としてもよい。
【0046】
入力装置34及び出力装置35は、ユーザとの間で情報の受け付けや情報の提示を行うユーザインタフェースを構成する。
【0047】
通信装置36は、他の装置との間の通信を実現する装置である。通信装置36は、インターネット等の通信ネットワークを介して他の装置との間の通信を実現する、有線方式または無線方式の通信インタフェースであり、例えば、NIC(Network Interface Card)、無線通信モジュール、USBモジュール等である。
【0048】
なお、接続相判定装置1は、その全部または一部が、例えば、クラウドシステムによって提供される仮想サーバのように、仮想化技術やプロセス空間分離技術等を用いて提供される仮想的な情報処理資源を用いて実現されるものであってもよい。また、接続相判定装置1によって提供される機能の全部または一部は、例えば、クラウドシステムがAPI(Application Programming Interface)等を介して提供するサービスによって実現してもよい。また、接続相判定装置1は、通信可能に接続された複数の情報処理装置を含むシステムとして構成してもよい。
【0049】
接続相判定装置1が備える前述の各機能は、接続相判定装置1のプロセッサ31が、主記憶装置32に格納されているプログラムを読み出して実行することにより、もしくは、接続相判定装置1を構成するハードウェア(FPGA、ASIC、AIチップ等)によって実現される。接続相判定装置1は、前述した各種の情報(データ)を、例えば、データベースのテーブルやファイルシステムが管理するファイルとして記憶する。
次に、接続相判定装置1が行う処理について説明する。
【0050】
--処理--
図7は、接続相判定装置1が行う処理である配線図作成処理の一例を説明するフロー図である。
【0051】
まず、接続相判定装置1のモデル作成部13は、画像DB50に基づき接続線特定モデルを作成する、モデル作成処理を実行する(s1)。
【0052】
そして、接続線特定部15は、作成した接続線特定モデルに対して、変圧器、電柱、及び三相配電線を含んだ判定画像並びに、判定画像の撮影方向及び撮影距離の情報を入力することで、変圧器に接続している各電線の、三相配電線における相対的配置関係の情報(以下、接続情報という)を、接続線特定モデルから出力し取得する(s3)。なお、撮影位置又は仰角の情報が入力されてもよい。
【0053】
そして、接続相特定部17は、s3で取得した接続情報と、三相配電線データ70とに基づき、判定画像における三相配電線(3線)のうち変圧器に接続されている電線(2線)の各位相(接続相)を特定する接続相特定処理を実行する(s5)。
【0054】
そして、接続相情報作成部19は、s7で特定した接続相に基づき、s3で取得した判定画像が示す変圧器と、当該変圧器の接続元の三相配電線(電柱近傍の三相配電線)と、当該変圧器に接続されている各電線の位相との関係を示す配線図を作成する(s7)。接続相情報作成部19は、この配線図を画面に表示する(s7)。
【0055】
(配線図)
図8は、配線図80の内容を表示した画面の一例を示す図である。配線図80は、三相配電線データ70をベースに作成された配線図であり、三相配電線81における各電線(第1相の電線81a、第2相の電線81b、及び第3相の電線81c)の配置方向及び各電線の位相と、三相配電線81が架設されている電柱83と、電柱83の近傍において三相配電線81の各電線81a、81b、81cのうち変圧器87に接続している電線89(89a、89b)(変圧器87の接続相)の情報とを含む。また、配線図80は、各変圧器87の容量の情報91を含む。
【0056】
ユーザは、この配線図を参照することで、配電系統の三相配電線のうちどの電線が各変圧器に接続しているか、すなわち各変圧器の接続相を容易に把握することができる。また、ユーザは、これらの変圧器の容量もあわせて知ることができる。
【0057】
以下、各処理の詳細を説明する。
【0058】
-モデル作成処理-
図9は、モデル作成処理の一例を説明するフロー図である。モデル作成処理は、例えば、ユーザから接続相判定装置1に所定の入力があった場合、又は所定のタイミング(所定の時刻、所定の時間間隔)に開始される。
【0059】
まず、モデル作成部13は、教師画像を取得する(s11)。具体的には、モデル作成部13は、画像DB50を取得する。
【0060】
そして、モデル作成部13は、取得した各教師画像に対してラベルデータ(正解ラベル)を設定することで、教師画像及びラベルデータの組である教師データを記録した教師データDB100を作成する(s13)。
【0061】
(教師データDB)
図10は、教師データDB100の一例を示す図である。教師データDB100は、例えば、ユーザがデータ入力することにより作成される。
【0062】
教師データDB100は、変圧器ごとの教師データを記憶しており、具体的には、変圧器のID105、変圧器に係る教師画像のデータ107、及び、教師画像の撮影条件109を含む入力用データ101と、変圧器に係る教師画像における配線、変圧器、又はその他の物体の領域111、変圧器の接続元の三相配電線における各電線間の相対的配置関係113(東西南北又は角度等で表される)、変圧器に接続している電線115、及び変圧器の容量117を含む正解データ103(ラベルデータ)とを含む。
【0063】
撮影条件109には、撮影位置からの被写体の撮影方向109a、仰角09b、撮影距離109c等の情報が設定されるが、これらに限られず、また、これらの情報の一部に情報が設定されていてもよい。また、撮影日時、撮影装置の仕様、又は撮影者といったその他の撮影条件の情報が含まれていてもよい。
【0064】
領域111には、例えば、教師画像における変圧器、三相配電線から変圧器への分岐線(高圧引き下げ線等)、分岐線が分岐している分岐点、がいし、又は高圧カットアウト等の特徴的な領域が設定される。
【0065】
続いて、図9のs15に示すように、モデル作成部13は、教師画像及び教師画像の相対位置の情報109を、接続線判定モデルに入力することで、教師画像に対応する各出力値又は中間値(正解データ103に対応する値)を取得する。なお、本処理を初回に実行する場合には、接続線判定モデルのハイパーパラメータ(次述)に予め初期値を設定しておく。
【0066】
モデル作成部13は、取得した各出力値又は中間値と、教師データDB100に登録されている各正解データ103とがそれぞれ近づくように、接続線判定モデルにおけるハイパーパラメータを最適化する(s17)。例えば、モデル作成部13は、ユニット(ニューロン)間の重み、又は活性化関数における係数等のハイパーパラメータを、逆誤差伝播法等の学習法を用いて調節する。以上でモデル作成処理は終了する。
【0067】
-接続線特定処理-
図11は、接続線特定処理の一例を説明するフロー図である。まず、接続線特定部15は、電柱、変圧器、及び三相配電線を含む判定画像を取得する(s31)。なお、接続線特定部15は、例えば、ユーザから判定画像の指定を受け付けてもよいし、配電系統の予め設置された固定カメラ等が撮影した画像を当該カメラ等から受信するようにしてもよい。
【0068】
また、接続線特定部15は、s31で取得した判定画像の撮影条件の情報(撮影方向、撮影距離、仰角等)を取得する(s33)。例えば、接続線特定部15は、画像DB50からこれらの情報を取得してもよいし、ユーザからこれらの情報の入力を受け付けてもよい。
【0069】
接続線特定部15は、取得した判定画像及び撮影条件の情報を接続線特定モデルに入力することにより、出力値(接続情報)を取得する(s35)。例えば、接続線特定部15は、三相配電線のうち変圧器に接続している電線(接続電線)、各接続電線の三相配電線における相対的配置関係、及び変圧器の容量を取得する。以上で接続線特定処理は終了する。
【0070】
-接続相特定処理-
図12は、接続相特定処理の一例を説明するフロー図である。まず、接続相特定部17は、三相配電線データ70を読みこむ(s51)。
【0071】
接続相特定部17は、接続線特定処理で用いた判定画像に係る変圧器72(以下、判定対象変圧器という)の接続元の三相配電線の、電柱近傍における各相の相対的配置関係を、三相配電線データ70に基づき特定する(s53)。
【0072】
具体的には、接続相特定部17は、判定対象変圧器に対応する電柱73が架設している(電柱73の近傍の)三相配電線71を特定すると共にその三相配電線71の第1相の電線71a、第2相の電線71b、及び第3相の電線71cの相対的配置関係(相対的な東西南北の方向等)を特定する。
【0073】
接続相特定部17は、判定対象変圧器の接続相を、s53で特定した各電線の位相に基づき特定する(s55)。
【0074】
具体的には、接続相特定部17は、s53で特定した三相配電線の各相の相対的配置関係と、s33で取得した接続情報により特定される接続電線の相対的配置関係とを対応させることで、変圧器の接続相を特定する。以上で接続相特定処理は終了する。
【0075】
以上のように、本実施形態の接続相判定装置1は、変圧器に接続している各電線の、配電線における相対的配置関係の情報を出力する学習済みモデルに、配電線及び変圧器を含む判定画像及び判定画像の撮影方向又は撮影距離の情報を入力することにより、判定画像における配電線のうち変圧器に接続している各電線の、配電線における相対的配置関係の情報を出力し、出力された各電線の相対的配置関係の情報を用いて、判定画像における配電線のうち変圧器に接続されている各電線の位相を特定する。このように、判定画像と判定画像の撮影位置の情報とを学習済みモデルに入力するだけで、判定画像における変圧器の接続相を特定することができる。これにより、ユーザは、変圧器の現地調査を行うこと無く変圧器の接続相を知ることができる。
【0076】
また、本実施形態の接続相判定装置1は、特定した接続相に基づき、変圧器、変圧器の接続相、及びその接続電線の接続元の配電線との対応関係を示す配線図を作成することで、ユーザは、配電系統に多数存在する変圧器のそれぞれについて接続相を確認することなく、配電系統全体における変圧器の接続相の全体を容易に管理することができる。
【0077】
また、本実施形態の接続相判定装置1は、判定画像を学習済みモデルに入力して変圧器の容量の情報を出力することで、ユーザは、変圧器の現地調査を行うこと無く変圧器の容量を知ることができる。
【0078】
また、本実施形態の接続相判定装置1は、電柱に架設されている三相3線の配電線及び電柱に付設されている変圧器の画像を用い、接続線特定モデルが、変圧器に接続している各電線の、配電線における相対的な方角の情報を出力することで、ユーザは、高圧幹線における三相3線の配電線から電柱付設の柱上変圧器を介して低圧幹線に配電される典型的な配電系統において、各柱上変圧器の接続相を効率良く特定していくことができる。
【0079】
以上の実施形態の説明は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に本発明にはその等価物が含まれる。
【0080】
例えば、本実施形態の接続線特定モデルは、一つのモデル(ニューラルネットワーク)として構成したが、複数のモデルから構成されるものとしてもよい。例えば、接続線特定モデルは、画像上の各電気設備(電柱、電線、及び変圧器等)の領域を出力する第1のモデルと、第1のモデルの出力値から、変圧器の接続線を特定する第2のモデルから構成されていてもよい。
【0081】
また、本実施形態の接続線特定モデルは、出力値として特定の一つの値を出力することを前提としたが、複数の出力値の候補をその確度と共に出力してもよい。
【0082】
また、本実施形態では、接続相判定装置1が接続線特定モデルを作成するものとしたが、他の情報処理装置が接続線特定モデルを作成し、接続相判定装置1がこれを取得するようにしてもよい。
【0083】
また、本実施形態では、接続相判定装置1が配線図を画面に表示するものとしたが、保守員等が保持する携帯端末等が接続相データを表示してもよい。
【0084】
また、本実施形態では、三相配電線を架設した設備として電柱を想定したが、それ以外の支持体、例えば鉄塔であってもよい。
【0085】
また、本実施形態では、電柱に付設されている変圧器を対象に接続相を決定するものとしたが、他の種類の変圧器(例えば、開閉器や電圧調整器に設けられる変圧器)の接続相を決定するものとしてもよい。
【0086】
また、本実施形態では、配電線は三相3線の配電線であるものとしたが、相数及び電線数はこれに限られず、配電線は、複数の相を有する線のうち一部が変圧器に接続されていればよい。
【0087】
また、本実施形態では、三相配電線が東西南北の方角等の情報にて相対的配置関係が特定されるものとしたが、三相配電線の各電線が鉛直方向に配置されている場合は、上下関係を相対的配置関係としてもよい。
【符号の説明】
【0088】
1 接続相判定装置、11 画像取得部、13 モデル作成部、15 接続線特定部、17 接続相特定部、19 接続相情報作成部、50 画像DB、60 地図データ、70 三相配電線データ、200 本件画像、201 電柱、205 電線、205a 電線、205b 電線、205c 電線、207 変圧器、209 分岐点、211 分岐線、51 画像のID、53 変圧器のID、55 画像データ、57 撮影日時、59 撮影方向、61 撮影位置、63 仰角、65 距離、61 バックグラウンド、63 電柱、65 開閉器、67 撮影位置、71 三相配電線、73 電柱、75 開閉器、71a 電線、71b 電線、71c 電線、72 変圧器、75 開閉器、77 ポイント、31 プロセッサ、32 主記憶装置、33 補助記憶装置、34 入力装置、35 出力装置、36 通信装置、80 配線図、81 三相配電線、81a 電線、81b 電線、81c 電線、83 電柱、87 変圧器、89 電線、91 容量の情報、100 教師データDB、105 変圧器のID、107 教師画像のデータ、109 撮影条件、109a 撮影方向、109b 撮影位置、109c 仰角、109d 距離、教師画像の撮影方向、101 入力用データ、111 領域、113 相対的配置関係、115 電線、117 容量、103 正解データ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12