(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022118979
(43)【公開日】2022-08-16
(54)【発明の名称】喫煙用カートリッジ
(51)【国際特許分類】
A24D 1/20 20200101AFI20220808BHJP
A24D 1/18 20060101ALI20220808BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20220808BHJP
A24B 15/167 20200101ALI20220808BHJP
A24D 3/17 20200101ALI20220808BHJP
【FI】
A24D1/20
A24D1/18
A24F40/42
A24B15/167
A24D3/17
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021015865
(22)【出願日】2021-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】721008039
【氏名又は名称】Future Technology株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098707
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 利英子
(74)【代理人】
【識別番号】100135987
【弁理士】
【氏名又は名称】菅野 重慶
(74)【代理人】
【識別番号】100168033
【弁理士】
【氏名又は名称】竹山 圭太
(74)【代理人】
【識別番号】100161377
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 薫
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 龍志
【テーマコード(参考)】
4B043
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
4B043BB08
4B043BB25
4B045AA21
4B045AB07
4B045AB16
4B162AA03
4B162AA06
4B162AA07
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4B162AB01
4B162AB12
4B162AB14
4B162AB17
4B162AC08
4B162AC13
4B162AC17
(57)【要約】 (修正有)
【課題】エアロゾル発生用物質に茶葉等の多種多様な風味材を使用しているにもかかわらず喫煙の際に物質への十分な加熱が行われ、安定して良好な喫味を長く味わうことができる喫煙用カートリッジの提供。
【解決手段】口元側の端部にフィルター部材が配置され、他端にエアロゾル生成機構が配置されており、該エアロゾル生成機構が、シェル層内にエアロゾル発生用物質を含む物質が封入され、且つ、シェル層が熱で溶融、或いは、加熱要素で傷つけられて、シェル層内のエアロゾル発生用物質が放出する構成のカプセルを1個以上と、使用前は、加熱式喫煙具内に挿入した際に、前記カプセルを、前記加熱要素が接触或いは近接することになる位置に保持させるための部材として機能し、且つ、使用時は、前記カプセルのシェル層内から放出された前記エアロゾル発生用物質を含む物質を担持するための部材として機能する保持・担持部材とを有してなる喫煙用カートリッジ。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙時に、加熱要素を有する加熱式喫煙具内に挿入されて加熱して使用される、少なくとも、喫煙の際に口元側となる一端側にフィルター部材が配置され、他端側に、前記加熱によってエアロゾルを生じるエアロゾル生成機構が配置されてなる喫煙用カートリッジであって、
前記エアロゾル生成機構が、
シェル層内に、熱によってエアロゾルを生じるエアロゾル発生用物質を含む物質が封入されており、且つ、前記シェル層が、熱で溶融されて、或いは、前記加熱要素によって傷つけられて、シェル層内のエアロゾル発生用物質が放出するように構成されてなるカプセルを1個以上と、
使用前は、加熱式喫煙具内に挿入した際に、前記少なくとも1個のカプセルを、前記加熱要素が接触或いは近接することになる位置に保持させるための部材として機能し、且つ、使用の際には、前記少なくとも1個のカプセルのシェル層内から放出された前記エアロゾル発生用物質を含む物質を担持するための部材として機能する、保持・担持部材とを有してなることを特徴とする喫煙用カートリッジ。
【請求項2】
前記保持・担持部材が、繊維状、糸状、布状、粒子状、粉体状、顆粒状、細片状、薄片状、破片状、細管状、スポンジ状、多孔質体状、棒状及び板状からなる群から選ばれる少なくともいずれかの形状の生物由来の材料を含む材料で形成されている集合体、或いは、前記生物由来の材料を含む材料がバインダーを介して一体化されている集成体である請求項1に記載の喫煙用カートリッジ。
【請求項3】
前記生物由来の材料が、樹皮、蔓(つる)、野菜又は果物の外皮、ウッドチップ、おが屑、藁、萱、竹、籐、麻、葉、イ草、コーヒー、茶類、及び、果物からなる群から選ばれる少なくともいずれかの植物由来の材料を含む請求項2に記載の喫煙用カートリッジ。
【請求項4】
前記生物由来の材料が、貝殻、甲殻、魚の鱗、骨、皮革、肉、海綿、獣毛及び羽毛からなる群から選ばれる少なくともいずれかの材料を含む請求項2に記載の喫煙用カートリッジ。
【請求項5】
前記保持・担持部材が、粒子状、粉体状、顆粒状、繊維状、箔、糸状、細片状、薄片状、細管状、スポンジ状、多孔質体状、棒状及び板状からなる群から選ばれる少なくともいずれかの形状の無機材料を含む材料で形成されている集合体、或いは、前記無機材料を含む材料がバインダーを介して一体化されている集成体である請求項1に記載の喫煙用カートリッジ。
【請求項6】
前記無機材料が、珪藻土、パーライト、軽石、火山灰、活性白土、シラス、バーミキュライト、粘土鉱物、シルト、砂、礫、陶器、磁器、セラミックス、ガラス及び金属からなる群から選ばれる少なくともいずれかである請求項5に記載の喫煙用カートリッジ。
【請求項7】
前記保持・担持部材が、粒子状、粉体状、顆粒状、繊維状、細片状、薄片状、スポンジ状、多孔質体状、細管状、棒状及び板状からなる群から選ばれる少なくともいずれかの形状の合成樹脂製材料を含む材料で形成されている集合体、或いは、前記合成樹脂製材料を含む材料がバインダーを介して一体化された集成体である請求項1に記載の喫煙用カートリッジ。
【請求項8】
前記バインダーが、多糖類系高分子及びセルロース系高分子からなる群から選ばれる少なくともいずれかの増粘剤である請求項2又は請求項5又は請求項7のいずれか1項に記載の喫煙用カートリッジ。
【請求項9】
前記カプセルのシェル層内に封入されている、熱によってエアロゾルを生じるエアロゾル発生用物質が、少なくとも茶葉を原料としてなる、液状又は水あめ状の物質、粉状の物質或いは熱によって液状又は水あめ状になる物質のいずれかの物質を含む請求項1~8のいずれか1項に記載の喫煙用カートリッジ。
【請求項10】
前記カプセルは、その長径が1mm~5mmの粒状である請求項1~9のいずれか1項に記載の喫煙用カートリッジ。
【請求項11】
前記カプセルのシェル層内に封入されている、熱によってエアロゾルを生じるエアロゾル発生用物質を含む物質は、アロマ成分、茶葉成分、生理活性物質及びエアロゾルフォーマからなる群から選ばれる少なくともいずれかの喫味成分を含む請求項1~10のいずれか1項に記載の喫煙用カートリッジ。
【請求項12】
さらに、前記保持・担持部材のフィルター部材側の端部と、前記フィルター部材の口元側ではない端部との間に、支持部材或いは移送部材が配置されている請求項1~11のいずれか1項に記載の喫煙用カートリッジ。
【請求項13】
さらに、前記カプセルとは異なる、喫味増強成分を含む成分が封入されてなるカプセルが、前記フィルター部材内に配置されている請求項1~12のいずれか1項に記載の喫煙用カートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱することで生じるエアロゾル(気体)を吸うタイプの喫煙用カートリッジに関する。詳しくは、シェル層内に、例えば、喫味成分となる茶葉成分や香料成分などのニコチンを含まない風味材が封入されてなる、熱や機械的な力で壊れやすいカプセルを、カートリッジ内の、加熱される位置に1個以上配置させ、加熱によりエアロゾルを生じない、且つ、カプセル内より放出される風味材を担持できる材料で、前記カプセルを保持する構成としたことで、加熱によるエアロゾルの発生状態をより安定で経済的なものにした喫煙用カートリッジを提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
タバコ葉に含まれるニコチンによる健康被害や、ニコチン依存症の詳細が明らかになったことや、近年の健康志向もあって、従来の紙巻タバコに替わって喫煙の楽しみを与えるものとして、加熱式のタバコの開発及び利用が進んでいる。加熱式のタバコは、従来の紙巻タバコのように、ニコチンを含むタバコの葉に火をつけて燃やした際に出る煙を吸うのではなく、タバコの葉や、ニコチンを含まない非タバコ植物等を含むエアロゾル生成部材に、専用の加熱式喫煙具内のブレード等の加熱要素(発熱体)で熱を加え、熱で発生するエアロゾル(気体)を吸う方式のものである。本明細書では、内部に加熱要素が設けられている専用の加熱器具のことを加熱式喫煙具と呼び、該加熱式喫煙具内に挿入して使用される、加熱によって気体を発生させる喫煙具のことを「喫煙用カートリッジ」と呼ぶ。喫煙用カートリッジは、加熱式喫煙具に必須の消耗品である。なお、喫煙用カートリッジは、紙巻タバコと異なり、煙を吸うのではなく、加熱により生じたエアロゾルを吸うものであるが、本明細書では「喫煙」と呼ぶ。
【0003】
上記のように、加熱式のタバコは、従来の紙巻タバコとは全く異なる方式の喫煙具であり、近年、健康志向や多様な嗜好性に合致した様々な製品が、種々の面から開発されている。例えば、ニコチンを含まない非タバコ植物や、加熱芳香発生物質等を材料に用いたエアロゾル生成部材を有してなる、健康志向に合致し、しかも嗜好性に富んだエアロゾルを生じさせる喫煙用カートリッジが種々提案されている。本願出願人は、下記に挙げるように、健康志向と嗜好性とを満足させることが可能な、タバコ葉を用いず、非タバコ植物を構成成分に用いる製品を開発し、提案している。例えば、エアロゾル生成部材として、非タバコ植物を用い、エアロゾルフォーマ及び微結晶セルロースを含有した特定の棒状、短冊状の電子タバコ充填物についての提案(特許文献1参照)や、エアロゾル生成部材として、エアロゾルフォーマ、非タバコ植物及び結合剤を含む麺状体とした被加熱芳香発生体基材についての提案(特許文献2参照)をしている。いずれの場合も、加熱によってエアロゾルを生じさせるための充填物のエアロゾル生成部材は、非タバコ植物等のエアロゾルを生じさせる材料を用いてなる棒状や短冊状や麺状体の均一な材料が充填されて形成されている。
【0004】
また、特許文献3及び特許文献4では、エアロゾル発生システムに関し、エアロゾル生成部材を均一に加熱する手段が提案されている。具体的には、エアロゾル発生装置において、電気発熱体からの熱を吸収するための不燃性の多孔体を備え、該多孔体中に吸収された熱を利用して、使用時に、多孔体を通じて引き出される空気の加熱を行うことができる熱放散器を用いることの有用性についての提案がされている。そして、不燃性の多孔体として、熱伝導性がある金属や熱伝導性ポリマーや、ガラスファイバーやセラミックスやカーボンなどの熱貯蔵材料が使用されている。
【0005】
さらに、特許文献3及び特許文献4には、上記した特有の構成の特有の熱放熱器と併用するための加熱式エアロゾル発生物品についての提案がされている。加熱式エアロゾル発生物品は、管状の液体保持媒体の内腔内に、液体エアロゾル形成基体が収容された壊れやすいカプセルを置くこと、管状の液体保持媒体の内腔は、上記熱放熱器からの加熱された空気流路を提供するためのものであることが記載されている。そして、特有の構成の熱放散器を利用することで、従来の伝導加熱によって引き起こされるエアロゾル形成基体における局所的な高温領域、または「ホットスポット」の発生を低減させ、均一な加熱が容易になるとされている。管状の液体保持媒体は、吸水性ポリマー材料などの吸収材料が好ましいとされており、連続気泡発泡体などの繊維状ポリマー及び多孔性ポリマーを使用することが記載されている。これらの文献の技術で使用する液体エアロゾル形成基体は、ニコチンを含んでもよいとされており、加熱に伴い液体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含み、タバコ含有材料を含むことが好ましいとしたものであることからも理解できるように、これらの文献に記載の技術は、従来の紙巻タバコに近い喫味を味わうことのできる、紙巻タバコの代替品を提供することを主目的としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第6371928号公報
【特許文献2】特許第6705042号公報
【特許文献3】特表2019-525726号公報
【特許文献4】特表2019-521657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記した従来技術に対し、本発明者は、新たな喫味を追求して、前記した特許文献1及び2に記載された構成のカートリッジを用い、エアロゾルが発生する茶葉等の多種多様な風味材を用いたエアロゾル生成部材について検討している過程で、ブレード等の加熱要素をエアロゾル生成部材内に挿入して加熱した際に、エアロゾルの発生が安定して十分に行われない場合があることを見出した。特許文献3及び4に記載された喫煙システムでは、多孔体にて形成された熱放散器をカートリッジの上流に設け、加熱式喫煙具の加熱ブレードからの熱を多孔体を介して液体保持部材に伝えるよう構成されているため、液体保持部材に熱が伝わるには時間がかかってしまうという問題がある。また、液体保持部材に伝わる熱の温度が低下してしまうといった問題もあった。さらに、カートリッジに加えて、熱放散器が必要となり、構造が複雑化するといった問題があった。
【0008】
本発明者は、これらの問題は、従来の製品では、充填されている全てのエアロゾル生成部材に対して効率のよい加熱が行われていないことに起因しており、この点を改良し、より安定した状態で良好な喫味をより長く得られる喫煙用カートリッジ製品とできる簡便な手段の開発が必要であるとの認識をもった。
【0009】
したがって、本発明の目的は、エアロゾルの発生物質にニコチンを含むタバコ葉を使用せずに、エアロゾル発生用物質に茶葉等の多種多様な風味材を使用しているにもかかわらず、喫煙した際に物質への十分な加熱が行われ、安定して良好な喫味を長く味わうことができるエアロゾルの発生を可能にした喫煙用カートリッジを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的は、下記の構成の本発明の喫煙用カートリッジによって達成される。
[1]喫煙時に、加熱要素を有する加熱式喫煙具内に挿入されて加熱して使用される、少なくとも、喫煙の際に口元側となる一端側にフィルター部材が配置され、他端側に、前記加熱によってエアロゾルを生じるエアロゾル生成機構が配置されてなる喫煙用カートリッジであって、
前記エアロゾル生成機構が、
シェル層内に、熱によってエアロゾルを生じるエアロゾル発生用物質を含む物質が封入されており、且つ、前記シェル層が、熱で溶融されて、或いは、前記加熱要素によって傷つけられて、シェル層内のエアロゾル発生用物質が放出するように構成されてなるカプセルを1個以上と、
使用前は、加熱式喫煙具内に挿入した際に、前記少なくとも1個のカプセルを、前記加熱要素が接触或いは近接することになる位置に保持させるための部材として機能し、且つ、使用の際には、前記少なくとも1個のカプセルのシェル層内から放出された前記エアロゾル発生用物質を含む物質を担持するための部材として機能する、保持・担持部材とを有してなることを特徴とする喫煙用カートリッジ。
【0011】
上記喫煙用カートリッジの好ましい形態としては、下記が挙げられる。
[2]前記保持・担持部材が、繊維状、糸状、布状、粒子状、粉体状、顆粒状、細片状、薄片状、破片状、細管状、スポンジ状、多孔質体状、棒状及び板状からなる群から選ばれる少なくともいずれかの形状の生物由来の材料を含む材料で形成されている集合体、或いは、前記生物由来の材料を含む材料がバインダーを介して一体化されている集成体である上記[1]に記載の喫煙用カートリッジ。
[3]前記生物由来の材料が、樹皮、蔓(つる)、野菜又は果物の外皮、ウッドチップ、おが屑、藁、萱、竹、籐、麻、葉、イ草、及び、コーヒー、茶類、及び、果物からなる群から選ばれる少なくともいずれかの植物由来の材料を含む上記[2]に記載の喫煙用カートリッジ。
[4]前記生物由来の材料が、貝殻、甲殻、魚の鱗、骨、皮革、肉、海綿、獣毛及び羽毛からなる群から選ばれる少なくともいずれかの材料を含む上記[2]に記載の喫煙用カートリッジ。
【0012】
[5]前記保持・担持部材が、粒子状、粉体状、顆粒状、繊維状、箔、糸状、細片状、薄片状、細管状、スポンジ状、多孔質体状、棒状及び板状からなる群から選ばれる少なくともいずれかの形状の無機材料を含む材料で形成されている集合体、或いは、前記無機材料を含む材料がバインダーを介して一体化されている集成体である上記[1]に記載の喫煙用カートリッジ。
[6]前記無機材料が、珪藻土、パーライト、軽石、火山灰、活性白土、シラス、バーミキュライト、粘土鉱物、シルト、砂、礫、陶器、磁器、セラミックス、ガラス及び金属からなる群から選ばれる少なくともいずれかである上記[5]に記載の喫煙用カートリッジ。
【0013】
[7]前記保持・担持部材が、粒子状、粉体状、顆粒状、繊維状、細片状、薄片状、スポンジ状、多孔質体状、細管状、棒状及び板状からなる群から選ばれる少なくともいずれかの形状の合成樹脂製材料を含む材料で形成されている集合体、或いは、前記合成樹脂製材料を含む材料がバインダーを介して一体化された集成体である上記[1]に記載の喫煙用カートリッジ。
【0014】
[8]前記バインダーが、多糖類系高分子及びセルロース系高分子からなる群から選ばれる少なくともいずれかの増粘剤である上記[2]又は[5]又は[7]に記載の喫煙用カートリッジ。
【0015】
[9]前記カプセルのシェル層内に封入されている、熱によってエアロゾルを生じるエアロゾル発生用物質が、少なくとも茶葉を原料としてなる、液状又は水あめ状の物質、粉状の物質或いは熱によって液状又は水あめ状になる物質のいずれかの物質を含む上記[1]~[8]のいずれかに記載の喫煙用カートリッジ。
[10]前記カプセルは、その長径が2mm~5mmの粒状である上記[1]~[9]のいずれかに記載の喫煙用カートリッジ。
[11]前記カプセルのシェル層内に封入されている、熱によってエアロゾルを生じるエアロゾル発生用物質を含む物質は、アロマ成分、茶葉成分、生理活性物質及びエアロゾルフォーマからなる群から選ばれる少なくともいずれかの喫味成分を含む上記[1]~[10]のいずれかに記載の喫煙用カートリッジ。
[12]さらに、前記保持・担持部材のフィルター部材側の端部と、前記フィルター部材の口元側ではない端部との間に、支持部材或いは移送部材が配置されている上記[1]~[11]のいずれかに記載の喫煙用カートリッジ。
[13]さらに、前記カプセルとは異なる、喫味増強成分を含む成分が封入されてなるカプセルが、前記フィルター部材内に配置されている上記[1]~[12]のいずれかに記載の喫煙用カートリッジ。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、エアロゾルの発生物質として、加熱によってエアロゾルが発生する茶葉等の多種多様な風味材を原料に使用しているにもかかわらず、喫煙した際に、エアロゾルの発生物質に対し十分な加熱が行われることで、安定して良好な喫味を長く味わうことができるエアロゾルの発生を実現させた喫煙用カートリッジの提供が可能になる。本発明によれば、多種多様な風味材を、エアロゾル発生物質の原料として利用することができ、エアロゾル発生物質に対しての十分で且つ良好な加熱によって、安定して所望の喫味のエアロゾルを長く生じさせる製品の提供ができるので、多様な嗜好性にマッチした多彩な製品を適宜に設計し、実現することが可能になる。また、カプセル内から放出されるエアロゾル発生用物質を含む物質を担持するための保持・担持部材は、熱によってエアロゾルを生ずる必要がないので、例えば、植物や、海洋生物や、動物などの生物由来の天然材料や無機材料なども、その形状にとらわれることなく適宜に使用することもでき、そのように構成することで製品の材料コストを低減することも可能になる。また、喫煙用カートリッジは、加熱式タバコの消耗品であり、喫煙後に廃棄されるが、上記した生物由来の天然材料や無機材料などが使用できるので、本発明の喫煙用カートリッジは、廃棄処理にかかる負荷を低減できるという、地球環境保護の点でのメリットもある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1A】本発明の喫煙用カートリッジの一例の使用前の構成を説明するための、各部材を分解した模式図である。エアロゾル生成機構3と、フィルター部材4と、少なくともエアロゾルの移送機能をもつ移送部材6(支持部材や冷却部材としても機能するが、以下、「移送部材6」と呼ぶ)とを有する構成のカートリッジの例である。エアロゾル生成機構3は、カプセル1と、該カプセル1を使用前において保持する保持・担持部材2とで構成され、この例では、保持・担持部材2内にカプセル1が保持されている。また、下段は、この例のカートリッジのエアロゾル生成機構3のカプセル1と加熱要素のブレード9の位置関係を模式的に示す図である。
【
図1B】本発明の喫煙用カートリッジの別の一例の使用前の構成を説明するための、各部材を分解した模式図である。エアロゾル生成機構3と、フィルター部材4とを有する構成のカートリッジの例である。エアロゾル生成機構3は、カプセル1と、該カプセル1を使用前において保持する保持・担持部材2で構成されており、この例では、保持・担持部材2内にカプセル1が保持されている。
【
図2A】本発明の喫煙用カートリッジの別の一例の使用前の構成を説明するための、各部材を分解した模式図である。エアロゾル生成機構3と、フィルター部材4と、エアロゾルの移送部材6とを有する構成のカートリッジの例である。保持・担持部材2の端部に接するように、カプセル1を、保持・担持部材2に対面する移送部材6の端部に配置させた例である。
【
図2B】前記
図1Aにおけるエアロゾル生成機構3を構成する保持・担持部材2の形成材料を変えた場合の例である。
【
図3】カプセル1が、保持・担持部材2内に2個と、保持・担持部材2に対面する移送部材6の端部に1個保持された構成のカートリッジの例の分解した模式図と、この例のカートリッジを加熱式喫煙具内に挿入して使用した際における、加熱要素のブレード9の動きと、ブレード9によってカプセル1が加熱される状況を段階的に説明するための模式図である。
【
図4】上段に示した、エアロゾル生成機構3と移送部材6とフィルター部材4とを有する本発明の構成の喫煙用カートリッジについて、下段に、加熱式喫煙具内に挿入して加熱要素のブレード9で加熱した場合における、加熱状態を説明するための模式図を示した。(a)は、加熱前の喫煙用カートリッジにおけるブレード9を挿入する端部側のA-A断面図であり、ブレード9とカプセル1の位置関係と、加熱される方向を矢印で示したものである。(b)は、加熱中におけるA-A断面図であり、黒色で表示した部分が、加熱によってカプセル内から放出され、保持されたエアロゾル発生用物質の存在領域を模式的に示したものであり、この範囲に重なっている図中の網掛け部分は、ブレード9による加熱領域を模式的に示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の喫煙用カートリッジの好ましい実施の形態について説明する。しかし、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0019】
本発明の喫煙用カートリッジ10は、喫煙時に、内部に、ブレード等の加熱要素が設けられている加熱式喫煙具内に挿入されて加熱して使用される方式のものであり、
図1に示したように、少なくとも、喫煙の際に口元側となる一端にフィルター部材4が配置され、他端に、前記加熱によってエアロゾルが生じるエアロゾル生成機構3が配置されてなる。本発明の喫煙用カートリッジ10は、
図1A、
図2A、
図2B及び
図3に示したように、フィルター部材4とエアロゾル生成機構3との間に、エアロゾルの移送部材6が介在した構成のものであってもよい。エアロゾルの移送部材は、エアロゾルの冷却部材としても機能する。また、エアロゾルの移送部材とエアロゾル生成機構3との間に、さらに別に、エアロゾル生成機構3を支持するための支持部材(不図示)を有するものであってもよい。また、エアロゾルの移送部材が、エアロゾル生成機構3を支持するための支持部材として機能する構成としてもよい。以下、フィルター部材4とエアロゾル生成機構3との間に介在させる部材を、その代表例である「移送部材6」と呼ぶ。
【0020】
本発明の喫煙用カートリッジ10は、エアロゾル生成機構3が、下記のように構成されたものであることを特徴とする。すなわち、
図1~
図3に示したように、カプセル1が、少なくとも1個、下記に述べる機能を有する保持・担持部材2の特定の位置に配置されていることを要する。また、上記カプセル1は、シェル層内に、熱によってエアロゾルを生じるエアロゾル発生用物質を含む物質(ニコチンは含まない)が封入されており、且つ、前記シェル層が、熱で溶融されて、或いは、前記加熱要素によって傷つけられて、シェル層内のエアロゾル発生用物質が放出するように構成されてなることを要する。
【0021】
そして、本発明の喫煙用カートリッジ10を構成する該カプセル1は、保持・担持部材2によって、少なくとも1個が、喫煙カートリッジ10の、使用前と、使用時において、それぞれ、下記のように機能することができるよう構成されていることを要する。具体的には、まず、第1に、保持・担持部材2によって、製品の保管時や販売時などの、喫煙用カートリッジ10を使用する前におけるカプセル1の状態を、加熱式喫煙具内に喫煙用カートリッジ10を挿入した際に、加熱式喫煙具内のブレード等の加熱要素が、カプセル1に接触する状態になる、或いは、近接する位置にカプセル1を保持した状態になるように構成されていることを要する。加えて、第2に、保持・担持部材2は、加熱式喫煙具内に喫煙用カートリッジ10を挿入して使用した際に、上記カプセル1のシェル層内から放出された前記エアロゾル発生用物質を含む物質が含浸等されて、これらの物質を、加熱要素による加熱領域に良好に担持させるための部材として機能する構成のものであることを要する。以下、本発明の喫煙用カートリッジを構成する各部材について説明する。
【0022】
〔エアロゾル生成機構〕
エアロゾル生成機構3は、少なくとも1個のカプセル1と、使用前及び使用の際に該カプセル1に対して特有の機能を発揮する保持・担持部材2とを有してなることを特徴とする。以下、これらの部材について説明する。
【0023】
(カプセル)
本発明を構成するカプセルは、シェル層内に、熱によってエアロゾルを生じるエアロゾル発生用物質を含む物質が封入されたものである。本発明は、健康志向に合致した喫煙カートリッジの提供を目的としているため、エアロゾル発生用物質として、タバコ葉を用いた紙巻タバコに対する検討で明らかになっている高い依存性があるニコチンを含まない。本発明で好適に用いられるエアロゾル発生用物質としては、例えば、下記に挙げるような茶葉類から抽出される液状の物質(エキス)や、下記に挙げるような茶葉類を原料とした、例えば、抹茶のような粉末状の物質等が挙げられる。本発明のカートリッジを構成するカプセル内には、上記したように、茶葉類を原料とした液状や水あめ状の物質や、粉末等が収容されたものを使用することが好ましい。
【0024】
本発明を構成するエアロゾル発生用物質の原料に使用できる茶葉類としては、下記に挙げるような、嗜好品として愛用されている各種の茶類の葉が挙げられる。茶類は、お茶になる植物が異なることで別の風味のお茶になるだけでなく、同じ植物であっても、加工方法によって異なる風味のお茶になる。具体的な茶類としては、例えば、日本茶、紅茶、明日葉茶、甘茶、アマチャヅル茶、アロエ茶、イチョウ葉茶、ウーロン茶、ウコン茶、ウラジロガシ茶、エゾウコギ茶、オオバコ茶、カキオドシ茶、柿の葉茶、カミツレ茶、カモミールティ、河原決明茶、カリン茶、菊花茶、ギムネマ茶、グァバ茶、クコ茶、桑の葉茶、黒豆茶、ゲンノショウコ茶、玄米茶、ゴボウ茶、コンフリー茶、昆布茶、桜茶、サフラン茶、シイタケ茶、シソ茶、ジャスミン茶、しょうが茶、スギナ茶、セキショウ茶、センブリ茶、ソバ茶、タラノキ茶、タンポポ茶、甜茶、ドクダミ茶、杜仲茶、ナタマメ茶、ニワトコ茶、ネズミモチ茶、ハトムギ茶、ハブ茶、ビワの葉茶、プーアル茶、紅花茶、松葉茶、マテ茶、麦茶、メグスリノキ茶、ヨモギ茶、ユーカリ茶、羅漢果茶、ルイボスティ、ゴーヤ茶など、多彩な風味のもの知られている。本発明では、これらの茶葉類をいずれも使用でき、単独で或いはブレンドして使用することができる。
【0025】
本発明を構成するエアロゾル発生用物質の原料には、上記に挙げたような種々の茶葉類を使用することができる。本発明の喫煙用カートリッジを構成するカプセルは、シェル層内に、エアロゾル発生用物質として、これらの茶葉類から抽出した液状等の物質や、茶葉を粉砕した粉砕物などが封入してなるものが好適に用いられる。また、エアロゾル発生用物質が残留しているので、エアロゾル発生用物質を得る際の原料に、飲用後の茶殻を使用することも可能である。このようすれば、高価な茶類の茶殻などの再利用が可能になり、資源の有効活用にも寄与することができる。
【0026】
本発明を構成するカプセル内に封入するエアロゾル発生用物質の原料としては、上記に挙げたような茶葉類を用いることが好ましいが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、上記した茶葉類に加えて、上記した以外に、特許第6371928号公報に列挙されている、その他の非タバコ植物を適宜に用いることができる。また、原料となる非たばこ植物の使用部位は、エアロゾル発生用物質を得ることができれば特に限定されず、上記公報に記載されているように、葉、種子、実、茎、樹皮及び根などを、いずれも利用することができる。そして、これらの部位からの抽出した液状や水あめ状の物質や、これらの部位を、自然乾燥、加熱乾燥或いは凍結乾燥などの方法で乾燥させ、その後に粉砕してなる粉砕物や顆粒物等(本明細書では粉状と呼ぶ)を、カプセル内に封入するエアロゾル発生用物質として利用することができる。
【0027】
エアロゾル発生用物質を得ることができる原料となる非タバコ植物の具体的なものとしては、特許第6371928号公報に列挙されたものの中から、適宜に選択することができる。例えば、玉ねぎ、ゆり根、レンコン、生姜、山芋、サツマイモ、サトイモ、蕪、ゴボウ、人参、大根、ウド及びアスパラガス等の野菜類や、米類、麦類、トウモロコシ、豆類、キノコ類などの食用のものを好ましく使用することができる。本発明において重要なことは、使用する非タバコ植物が、加熱することで風味のあるエアロゾルを発生する物質を含むものである点である。加えて、喫煙した際に、エアロゾルとともに、微細な粉体等を喫煙者が吸い込んむことがあったとしても、安全性に問題がないものを、エアロゾル発生用物質を得るための原料に用いることである。
【0028】
エアロゾル発生用物質を得ることができる原料としては、その他に、例えば、各種の漢方薬の原料を用いることができる。本発明で用いることができる漢方薬としては、先に挙げた特許第6371928号公報に列挙されている各種の漢方薬をいずれも使用することができる。
【0029】
本発明で使用するカプセルは、そのシェル層が、加熱式喫煙具内に配置された加熱要素の熱で溶融されて、或いは、加熱式喫煙具内に配置された加熱要素によってカプセルが傷つけられて、シェル層内のエアロゾル発生用物質が放出するように構成されたものを用いる。このようなものとして、いわゆるシームレスカプセルと呼ばれているものが好適に利用できる。熱で容易に溶融するタイプのカプセルを用いる場合は、例えば、シェル層の材料に、ゼラチン(動物由来、魚由来)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、プルラン、加工澱粉などが好適に利用できる。これらの材料からなるカプセルは、医療用や食品用に広く用いられており、本発明の目的に応じたカプセルを、市場から容易に得ることができる。その他、シェル層の材料には、目的や必要に応じて、例えば、熱可塑性樹脂材料や熱硬化性樹脂材料等の合成樹脂材料を適宜に用いることもできる。
【0030】
本発明の喫煙用カートリッジを構成する、エアロゾル発生用物質を含む物質が封入されているカプセルの形状は、特に限定されず、例えば、球形状であっても楕円形状などであってもよい。具体的には、その長径が1mm~5mm程度の粒状のものを用いることができる。すなわち、本発明の喫煙用カートリッジは細身であり、その内径は、6.8mm以下であるので、カートリッジの内部に配置させるカプセルの大きさは、カートリッジの内径以内であって、カプセルの個数や、配置させる位置にもよるが、5mm以下、好適には4mm以下のもの、場合によっては1mm~2mm程度のものを用いるとよい。本発明の喫煙用カートリッジを構成するカプセルの数は、特に限定されず、少なくとも1個が、本発明の目的を達成できるように、加熱要素による加熱によってカプセルのシェル層内のエアロゾル発生用物質が放出される位置、或いは、シェル層が前記加熱要素によって傷つけられる位置に配置されていればよい。傷つけられる位置としては、例えば、カプセルのシェル層に、加熱要素のブレードが刺さるような位置や、シェル層の表面にブレードが接触するような位置にが挙げられる。また、例えば、
図3のように、粉末状の物質を封入したカプセルと、液状の物質を封入したカプセルを組み合わせて配置するなど、カプセルを複数用いてもよい。複数のカプセルを使用する場合、それぞれのカプセル内に封入されている「エアロゾル発生用物質を含む物質」は、同一であっても、それぞれが異なる構成のものであってもよい。
【0031】
本発明の喫煙用カートリッジおいて重要なことは、カプセル1の構成を、カプセル1のシェル層内部に、熱によってエアロゾルを生じるエアロゾル発生用物質を含む物質が封入されており、且つ、喫煙する際における加熱式喫煙具内のブレード等の加熱要素による加熱によって、シェル層が溶解して封入されたエアロゾル発生用物質が放出されるもの、或いは、シェル層が前記加熱要素によって傷つけられてシェル層内に封入されているエアロゾル発生用物質を含む物質が放出されるような構成のものとしたことである。
【0032】
さらに、本発明では、喫煙した際に、加熱要素による加熱によって、上記したようなカプセルから、封入されたエアロゾル発生用物質を含む物質が放出された際に、放出された物質が速やかに後述する保持・担持部材に担持するように構成したことを特徴とする。このため、カプセルが、保持・担持部材内に配置して保持された構成であっても、保持・担持部材の、移送部材と接する端部面に保持された構成であっても、いずれでもよい。重要なことは、加熱式喫煙具内のブレード等の加熱要素によってカプセルに封入されている物質が放出された際に、放出された物質が速やかに(直ちに)、保持・担持部材を構成する材料に含浸等されて、保持される構成としたことにある。
【0033】
本発明で使用するカプセル内には、「熱によってエアロゾルを生じるエアロゾル発生用物質を含む物質」が封入されていることを要する。例えば、前記したような茶葉類等から抽出したエキス或いは粉砕してなる、液状や水あめ状の物質や、茶葉類等の粉砕物などが封入されているものなどが挙げられる。本発明で使用される「エアロゾル発生用物質を含む物質」としては、茶葉等由来の物質に限らず、広範な材料を用いることができる。例えば、アロマオイル等のアロマ成分、香料、種々の生理活性物質及びエアロゾルフォーマからなる群から選ばれる風味成分が挙げられ、いずれも好適に用いることができる。これらの成分も、液状又は水あめ状や、或いは、粉状等で用いられる。本発明の喫煙用カートリッジにおいては、1個以上のカプセルが、そのシェル層内に、少なくとも、熱によってエアロゾルを生じるエアロゾル発生用物質を含む物質が封入されているものであればよい。例えば、茶葉類等から抽出したエキスを含む物質を適宜に封入してなるカプセルや、茶葉類等から抽出したエキスを用いることなく、アロマ成分、香料、種々の生理活性物質及びエアロゾルフォーマなどから選ばれる物質を適宜に封入してなるカプセルを好適に使用できる。本発明の喫煙用カートリッジは、複数のカプセルを用いてなる構成とすることができる。複数のカプセルは、封入されている物質や配合が同一であってもよく、勿論、封入されている物質が、それぞれに、種類や配合が異なる構成のカプセルを複数組合わせて使用することも本発明の好ましい形態である。
【0034】
本発明で使用することができるエアロゾルフォーマとしては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、トリエチレングリコール、乳酸、ジアセチン(グリセリンジアセタート)、トリアセチン(グリセリントリアセタート)、トリエチレングリコールジアセタート、クエン酸トリエチル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸メチル、ドデカンジオン酸ジメチル及びテトラデカンサンジオン酸ジメチルなどが使用できる。中でも、グリセリンやプロピレングリコールなどが好ましく用いられる。
【0035】
本発明で使用するカプセル内に封入させるその他の成分として、例えば、先に挙げた特許第6371928号公報に列挙されている、ハーブ類や、スパイス類や、漢方薬類や、食用果実類や、海藻類などを利用することができる。必要に応じて、熱によって生じたエアロゾルに、風味や清涼感を追加する添加剤として、例えば、ココア、コーヒー、紅茶等の飲料のエキスや、ハッカ油やメントールの粉末や液等を、カプセル内に適宜に封入することもできる。本発明が必須とする、熱によってエアロゾルを生じるエアロゾル発生用物質を含む物質が封入されているカプセルとは別に、熱によってエアロゾルを生じるエアロゾル発生用物質以外の、適宜な喫味成分(風味成分)や喫味増強成分のみが封入されてなるカプセルを併用することも、本発明の喫煙用カートリッジの好ましい形態である。
【0036】
(保持・担持部材)
先に述べたように、本発明を構成するエアロゾル生成機構3は、上記したような構成からなるカプセル1と、保持・担持部材2とを有することを必須の構成とし、該保持・担持部材2は、カプセル1を喫煙用カートリッジ内の所望の位置に保持し、その後の喫煙時にカプセル1内から放出される、液状や粉体などのエアロゾル発生用物質を含む物質を、速やかに、放出された位置及びその近傍に、安定して担持できる機能を有するものであればいずれでもよい。以下、保持・担持部材2について説明する。
【0037】
本発明者は、喫煙用カートリッジに対する、前記した本発明の技術課題について鋭意検討する過程で、ブレード等の加熱要素を使用してエアロゾル生成部材を加熱してエアロゾルを発生させる方式の従来の加熱式のタバコにおいて、エアロゾル生成部材の全てに対して、十分な加熱が行われていないことを見出した。具体的には、上記方式の喫煙用カートリッジでは、喫煙時に、エアロゾル生成部材に加熱されたブレード等の加熱要素が挿入されるが、その際に、加熱要素は、エアロゾル生成部材の中央の位置に挿入されるため、細身ではあるものの、充填されているエアロゾル生成部材の全てに熱が届きにくく、中央から遠い部分については加熱が不十分になることがわかった。
図4に模式的に示したが、
図4中の9は加熱要素のブレードを示しており、矢印は熱の伝播の方向を示しており、網掛けで示した部分が十分に熱が届き、エアロゾルが発生し得る領域である。外周に近い部分の充填物へは、ブレードからの熱の伝播が遅く、熱が届きにくい。
【0038】
このため、従来の喫煙用カートリッジは、エアロゾル生成部材は、その全てが均一な充填物で形成されているが、これらの充填物の全てからエアロゾルが発生することはできず、充填物のうち、加熱によってエアロゾルが発生する領域のみが使用されている。このことは、充填物を構成している資源の一部が十分に利用されずに、資源の無駄が生じていることを意味している。また、従来の喫煙用カートリッジを構成しているエアロゾル生成部材として用いられている充填物は、茶葉等を含む材料をバインダーを用いて特定の形状に加工したものが使用されているため、エアロゾル生成部材は充填物中に分散した状態で存在しており、加熱された領域においても、その存在率は希薄になっているという別の課題もある。
【0039】
このような従来の喫煙用カートリッジに対し、均一な充填物の全てからエアロゾルを発生させるためには、外周に近い部分の充填物まで十分に加熱する必要があり、そのためには、喫煙用カートリッジをより細身にする、加熱温度を高くする、加熱時間を長くして加熱領域を広げるなどの対策が考えられる。しかし、いずれも簡便な手段でなく、かえってエアロゾルの発生量が少なくなってしまったり、場合によってはエアロゾル生成部材が燃焼することが懸念され、安全上からも得策ではない。
【0040】
これに対し、本発明の喫煙用カートリッジは、
図4(a)、(b)に示したように、加熱をした際に、カプセルから、加熱素子の近傍のエアロゾルが発生する加熱領域に、エアロゾル発生用物質を含む物質が放出されて、且つ、その加熱領域にエアロゾル発生用物質が浸透等した状態で、高い存在率で十分に担持された状態(黒色で示した部分)になるように構成されている。このため、本発明の喫煙用カートリッジによれば、加熱手段やカートリッジの形状を変更することなく、エアロゾル発生用物質に対して無駄なく十分な加熱が行われて、エアロゾルの発生が、従来製品のように資源を無駄にすることなく行うことができる。
【0041】
このため、本発明の喫煙用カートリッジを構成する保持・担持部材は、エアロゾルを発生する材料である必要はなく、前記したカプセルを本発明で規定する所望の位置に保持することができ、且つ、加熱してカプセルから放出されたエアロゾル発生用物質を含む物質が、放出された位置やその近傍に、含浸或いは浸透、或いは、隣接する形成材料同士によって形成される隙間に保持されるなどして、十分に担持される状態にできるものであればよい。このため、本発明の喫煙用カートリッジを構成する保持・担持部材の形成には、生物由来の材料や、無機材料や、有機材料等、いずれのものも使用できる。その形状も、繊維状、糸状、布状、粒子状、粉体状、顆粒状、細片状、薄片状、破片状、細管状、スポンジ状、多孔質体状、棒状及び板状等、いずれのものも利用できる。また、これらの形状の材料を含む材料で形成されている集合体や、前記形状の材料を含む材料がバインダーを介して一体化されている集成体等、いずれのものも使用できる。
【0042】
本発明で利用できる生物由来の材料としては、例えば、樹皮、蔓(つる)、野菜又は果物の外皮、ウッドチップ、おが屑、藁、萱、竹、籐、麻、葉、イ草、及び、コーヒー、茶類、及び、果物からなる群から選ばれる少なくともいずれかの植物由来の材料が挙げられる。また、貝殻、甲殻、魚の鱗、骨、皮革、肉、海綿、獣毛及び羽毛からなる群から選ばれる、海洋或いは陸上の動物に由来する材料なども利用できる。例えば、麻や綿の材料は、軟化、溶融ともにせず、加熱要素による加熱に対して耐熱性を示すとともに、汎用の繊維製品であり、利用し易いといったメリットがある。また、繊維状のものを利用することで、加熱することによって放出されたエアロゾル発生用物質を繊維に速やかに担持させることができる。例示したように、本発明を構成する保持・担持部材は、基本性能として、加熱要素によって加熱された場合における耐熱性と、カプセル内から放出されたエアロゾル発生用物質を、放出された位置やその近傍の部材内に速やかに十分に担持することができるものであれば、いずれの材料も使用可能であるので、材料を選択する範囲は極めて広い。
【0043】
本発明で利用できる無機材料としては、例えば、珪藻土、パーライト、軽石、火山灰、活性白土、シラス、バーミキュライト、粘土鉱物、シルト、砂、礫、陶器、磁器、セラミックス、ガラス及び金属等が挙げられる。例えば、珪藻土とも呼ばれている珪質頁岩は、珪藻質泥(珪藻土)を根源とし、結晶化による硬質化が進んだ固く割れ易い頁岩であり、極めて高い吸放湿特性を示す機能性材料であることが知られている。珪質頁岩の有する吸放湿特性は、25%という高い水分吸収能を有することに加えて、吸収した水分を徐放して相対湿度を50~60%に自立的に制御できるという他の材料にない特性を有する。このため、本発明を構成する保持・担持部材に用いれば、喫煙時にカプセル1内から放出される、例えば、液状のエアロゾル発生用物質を含む物質を材料内に、速やかに且つ十分に吸収でき、その後に、加熱に加えて自立的にも徐放するので、安定してエアロゾルをより長く発生し続けることができる。
【0044】
本発明で利用できる有機材料としては、例えば、耐熱性に優れ、揮発成分が生じない合成樹脂等が挙げられる。先に述べたように、本発明の喫煙用カートリッジは加熱式タバコの消耗品であり、また、本発明の喫煙用カートリッジを構成する保持・担持部材は、特にエアロゾルを発生する材料である必要はないので、材料コストの点で有利であり、廃棄物処理の点でも有利な、生物由来の材料や無機材料を用いることが好ましい。また、加熱素子の熱が外部に放出されずに、できるだけ内部に熱が溜まるように、断熱性のある材料を用いることも好ましい。具体的には、例えば、綿、レーヨン、フリース、不織布材料、不織布フリース、織物材料、編物材料、ナイロン、発泡体、ポリスチレン、ポリエステル、ポリエステルフィラメント、ポリプロピレン、ポリエステルとポリプロピレンとの混紡、酢酸セルロース、紙などを挙げることができ、いずれも用いることができる。
【実施例0045】
以下に、好ましい実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。
(実施例1)
本実施例の喫煙用カートリッジは、
図1Aの(a)に記載した各部材を有してなる構成のものとした。具体的には、シェル層内のエアロゾル発生用物質が放出するように構成されてなるカプセル1を1個と、使用前の段階では、加熱式喫煙具内に挿入した際に、該カプセル1を所望の位置に保持させるための部材として機能し、且つ、使用する際には、カプセル1のシェル層内から放出された前記エアロゾル発生用物質を含む物質を担持するための部材として機能する、保持・担持部材2とを有してなるエアロゾル生成機構3と、少なくともエアロゾルの移送部材として機能する移送部材6と、口元側に配置されたフィルター部材4とが、この順に配列された状態で外装の紙製シート5で一体化されてなる。本実施例では、シート5としてタバコ紙を用い、また、フィルター部材4は、従来の紙巻タバコに用いられていると同様のものを用いた。
【0046】
本実施例で使用したカプセル1には、シェル層内に、お茶エキス、グリセリン、プロピレングリコール及びメントールが封入されている径が2mmの球状のものを使用した。お茶エキスとして、それぞれ、緑茶エキス(八女茶)を用いたカプセルと、紅茶エキス(アールグレイ)を用いたカプセルの2種類を用意し、同様の検討をした。該カプセルを保持させるための保持・担持部材2には、麻繊維を用いた。具体的には、麻糸の集合体を用いた。
【0047】
そして、カプセル1を、保持・担持部材2(集合体)の下記の位置に保持させた。具体的には、本実施例の喫煙用カートリッジを加熱式喫煙具内に挿入して使用した際に、
図1Aの(a)に示したように、その端部の中央から保持・担持部材2内に挿入させた加熱要素の加熱ブレード9が、(b)にあるように、前記カプセル1の側壁に接触する位置に配置し、保持させた。
【0048】
本実施例の喫煙用カートリッジでは、
図1Aの(a)に示したように、エアロゾルの移送部材であり、冷却部材としても機能する移送部材6を用いた。該移送部材6には、シリコーン樹脂製の複数の貫通孔が形成されているものを用いた。本実施例では、該移送部材6は、喫煙用カートリッジを加熱式喫煙具内に挿入した際に、前記した保持・担持部材2を喫煙用カートリッジの一方の端部に適宜に支持するための支持部材としても機能する。
【0049】
上記のようにして得た本実施例の、カプセル1内に封入したお茶エキスが異なる2種類の喫煙用カートリッジについて、加熱温度が200℃~350℃である加熱式喫煙具を用い喫煙して、それぞれ、喫味と、喫味の持続時間について調べた。その結果、いずれの場合も、メントールの香りと、それぞれのお茶由来の香りをほのかに感じる、心地よい喫味が得られることが確認できた。また、喫味の持続時間は、少なくとも15回の吸引でも、安定して上記の風味が感じられることを確認した。喫煙後、加熱式喫煙具内から喫煙用カートリッジを取出して、保持・担持部材2の部分を解体してみたところ、加熱ブレード9の周辺に焦げなどは認められず、広い範囲で、カプセル内に封入されていた成分が滲みでていることが確認できた。
【0050】
(実施例2)
本実施例の喫煙用カートリッジは、
図2Bに記載した各部材を有してなる構成のものとした。具体的には、カプセル1については、実施例1で用いた、緑茶エキスを用いたカプセル1と同じものを用い、該カプセル1に対する保持・担持部材2(集合体)として下記の構成のものを用いた以外は、実施例1の喫煙用カートリッジと同様の部材を用いて喫煙用カートリッジを調製した。本実施例では、保持・担持部材2として珪藻土を含んでなる粒状物を用いた。具体的には、珪質頁岩に粘土をバインダーとして加えて得た数ミリの造粒物を使用した。これとは別に、この造粒物を焼成した焼成物を用いた場合の2種類についても検討した。珪質頁岩は、珪藻質泥(珪藻土)を根源とし、結晶化による硬質化が進んだ固く割れ易い頁岩であり、極めて高い吸放湿特性を示す機能性材料である。珪質頁岩の有する吸放湿特性は、25%という高い水分吸収能を有することに加えて、吸収した水分を徐放して相対湿度を50~60%に自立的に制御できるという他の材料にない特性を有する。
【0051】
上記のようにして得た本実施例の喫煙用カートリッジについて、加熱温度が200℃~350℃である加熱式喫煙具を用い喫煙して、それぞれ、喫味と、喫味の持続時間について調べた。その結果、メントールの香りと、お茶由来の香りをほのかに感じる、心地よい喫味が得られることが確認できた。そして、喫味の持続性については、実施例1の喫煙用カートリッジの場合と比較して、本実施例の喫煙用カートリッジは、より安定した喫味がより長く継続して感じることができることを確認した。また、保持・担持部材2として、珪質頁岩に粘土をバインダーとして加えて得た造粒物を用いた場合よりも、造粒物を焼成した焼成物を用いた喫煙用カートリッジの方が、より長きに亘って、より安定した喫味を感じることができることがわかった。
【0052】
(実施例3)
本実施例の喫煙用カートリッジは、実施例2の喫煙用カートリッジの構成に、さらに、先に述べた保持・担持部材2によって保持されているカプセル1とは異なる、喫味増強成分を含む成分が封入されてなる別のカプセルが、フィルター部材4内に配置(不図示)されてなるものである。本実施例では、フィルター部材4内に配置させた別のカプセルとして、喫味増強成分としてメントールが封入されたものを用いた。そして、本実施例の喫煙用カートリッジについて、加熱温度が200℃~350℃である加熱式喫煙具を用い喫煙して、喫味と、喫味の持続時間について調べた。その結果、実施例1、実施例2の喫煙用カートリッジを用いて喫煙した場合に比較し、爽やかさのある喫味をより強く感じることができることを確認した。
【0053】
(実施例4)
本実施例の喫煙用カートリッジは、
図3に記載した各部材を有してなる構成のものとした。具体的には、基本構成を実施例1で用いた同様の各部材からなるものとし、カプセルを3個用い、
図3に示したように配置した構成とした。すなわち、本実施例では、保持・担持部材2の内部であって、喫煙時に、該保持・担持部材2の端部の中央から加熱要素の加熱ブレード9を挿入させた場合に、該ブレード9が、カプセル1-1と1-2のそれぞれの側壁に接する或いは接するほどに近接した位置になるように、これら2つのカプセルを配置した。そして、移送部材6の、保持・担持部材2と接する側の端部に、さらに1つのカプセル1-3を配置した。カプセル1-3が配置されるところは、ブレード9が挿入された場合、ブレード9の先端が到達する位置である。カプセル1-1と1-2は、実施例1で使用したと同様に、シェル層内に、緑茶エキス、グリセリン、プロピレングリコール及びメントールが封入されている径が1.5mmの球状のものを使用した。また、カプセル1-3には、シェル層内に、エアロゾル発生用物質のグリセリン及びプロピレングリコールが封入されている径が2mmの球状のものを使用した。
【0054】
上記のように構成された本実施例の喫煙用カートリッジを用いて喫煙すると、
図3に示したように、加熱されたブレード9が保持・担持部材2に挿入されると、
図3(b)に示したように、まず、麻糸の集合体からなる保持・担持部材2の麻繊維間に保持されているカプセル1-1と1-2のシェル層が、溶解或いは表面が傷ついて、次第に溶解或いは軟化して形が崩れ、シャル層内に封入されていたお茶エキス等のエアロゾル発生物質が放出される。放出されたエアロゾル発生用物質は、加熱ブレード9の近傍の、保持・担持部材2の構成材料である麻繊維内に含浸等するので、加熱ブレード9の近傍に速やかに担持された状態になる。この結果、エアロゾル発生用物質は、加熱ブレード9によって十分に加熱されるので、エアロゾルが効率よく生じることになる。さらに、加熱ブレード9が、保持・担持部材2の内部を進み、移送部材6の端部近傍に到達して停止すると、カプセル1-3のシェル層が、溶解或いはブレード9の先端によって傷つけられて、
図3(c)に示したように崩壊し、封入されていた物質が放出され、保持・担持部材2の、ブレード9の先端近傍の領域の麻繊維に含浸等して、速やかに担持される。このため、カプセル1-3内に封入されていたエアロゾル発生用物質も、加熱ブレード9によって、速やかに十分に加熱がされることになる。
【0055】
本実施例の喫煙用カートリッジは、カプセル1-1~1-3が上記のような挙動をすることで、カプセル1-1と1-2から放出されたお茶エキス等の物質によって発生したエアロゾルと、カプセル1-1~1-3から放出されたエアロゾルフォーマとが一体となって醸し出されたと考えられる、心地よい喫味が得られた。本実施例の喫煙用カートリッジを用いた喫煙によって得られる喫味は、カプセルを1個用いた実施例1の喫煙用カートリッジを用いた場合と比較して、より長期間に亘って、より強い風味を感じる喫煙ができることが確認された。
【0056】
上記した例では、カプセル1-1と1-2は保持・担持部材2に保持され、カプセル1-3は移送部材6に保持された構成としたが、該構成に替えて、カプセル1-1~1-3の全てを保持・担持部材2に保持する構成の喫煙用カートリッジを得た。そして、得られた喫煙用カートリッジを喫煙に用いた結果、この例の場合も、実施例1の喫煙用カートリッジを用いた場合と比較して、より長期間に亘って、より強い風味を感じる喫煙ができることが確認された。
【0057】
(実施例5)
本実施例の喫煙用カートリッジは、
図1Bに記載した保持・担持部材2とフィルター部材4で構成し、1個のカプセル1を、保持・担持部材2内の、加熱ブレード9を挿入した場合の到達点の近傍になる位置に配置した。保持・担持部材2の構成材料は、実施例1と同様に、麻糸の集合体とした。なお、カプセル1の封入物質は実施例1と同様である。本実施例の喫煙用カートリッジを用いて喫煙したところ、実施例1の喫煙用カートリッジを用いた場合と同様に、従来品に比較し、長期間に亘って喫味を得ることができた。
【0058】
(実施例6)
本実施例の喫煙用カートリッジは、実施例1で使用したカプセル1に替えて、シェル層内に、グリセリン、プロピレングリコール及びメントールを封入した径が2mmの球状のものを使用した以外は、実施例1と同様の構成とした。得られた喫煙用カートリッジを用いて喫煙したところ、実施例1の喫煙用カートリッジを用いた場合と比較して、より爽やかな香りの風味になり、従来品に比較して、長期間に亘って喫味を感じることができた。