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  • 特開-マスク用曇り止め具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022119030
(43)【公開日】2022-08-16
(54)【発明の名称】マスク用曇り止め具
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20220808BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021015973
(22)【出願日】2021-02-03
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 〔電気通信回線を通じて公開〕 公開日:令和2年12月24日、公開したウェブサイトのアドレス:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000287.000019615.html(プレスリリース・ニュースリリース配信サービス、PRtimes) 〔電気通信回線を通じて公開〕 公開日:令和2年12月25日、公開したウェブサイトのアドレス:https://www.amazon.co.jp/dp/B08QRWMZX1(ECサイト、アマゾン) 〔電気通信回線を通じて公開〕 公開日:令和2年12月25日、公開したウェブサイトのアドレス:https://www.fots.jp/index.php/products/detail/334(自社ECサイト、B’fullオンラインショップ) 〔電気通信回線を通じて公開〕 公開日:令和3年1月7日、公開したウェブサイトのアドレス:https://twitter.com/pulcjp/status/1347108024935084033(情報交換サイト、ツイッター)
(71)【出願人】
【識別番号】513246861
【氏名又は名称】株式会社Bfull
(74)【代理人】
【識別番号】100135460
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 康利
(74)【代理人】
【識別番号】100084043
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 喜多男
(74)【代理人】
【識別番号】100142240
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 優
(72)【発明者】
【氏名】前田 直人
(57)【要約】
【課題】マスクの上縁部と顔との隙間を好適に閉塞することができ、何度でも使えるマスク用曇り止め具を提供する。
【解決手段】弾性変形自在な本体部を備え、本体部は、マスクMに装着された装着状態でマスクMのマスク本体部M1の上縁部をマスク本体部M1の表裏から挟持する中央クリップ部と、中央クリップ部から左右並列して所定方向に各々延出形成された一対の押圧部と、を備えており、押圧部がマスク本体部M1の表面に配置されるようにマスクMに装着され、かつ装着者がマスクMを装着した使用状態で、一対の押圧部が互いに離間する方向に拡開されることで本体部が弾性変形した際に発生する復元力に基づいてマスク本体部M1を装着者の顔面側へ押圧するマスク用曇り止め具1である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスクにおけるマスク本体部の上縁部に装着されて当該上縁部を装着者の顔に沿わせるマスク用曇り止め具であって、
弾性変形自在な本体部を備え、
前記本体部は、
前記マスク本体部の上縁部に装着された装着状態で当該上縁部を当該マスク本体部における表裏方向で挟持する中央クリップ部と、
前記中央クリップ部から左右並列して所定方向に各々延出形成された一対の押圧部と、
を備えており、
前記押圧部が、前記マスク本体部における装着者の顔側とは反対側となる表面に配置されるように前記マスクに装着され、かつ装着者が当該マスクを装着した使用状態で、前記一対の押圧部が互いに離間する方向に拡開されることで前記本体部が弾性変形した際に発生する復元力に基づいて前記マスク本体部の上縁部周辺が当該押圧部によって装着者の顔面側へ押圧されてなる
ことを特徴とするマスク用曇り止め具。
【請求項2】
前記中央クリップ部は、
当該中央クリップ部の上端部に設けられた基部と、
前記基部の中央部から所定長さにわたって垂下された内側支持部と、
前記基部における前記内側支持部の左右両側から、各々当該内側支持部と所定間隔を置いて所定長さにわたって垂下された一対の外側支持部と、
を備え、
さらに、前記押圧部は、各外側支持部から各々延出形成されており、
前記装着状態で、前記マスク本体部が、前記内側支持部の表側に配置されているとともに、前記内側支持部と前記外側支持部との間に形成されたマスク挿通空部に前記マスク本体部が挿通された状態で前記中央クリップ部が当該マスク本体部を挟持してなる
請求項1に記載のマスク用曇り止め具。
【請求項3】
前記内側支持部及び/又は前記外側支持部における前記マスク挿通空部に臨む位置には、前記装着状態で前記マスク本体部に当接するマスク本体部滑り止め手段が設けられている
請求項2に記載のマスク用曇り止め具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスクに装着されて使用されるマスク用曇り止め具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マスクを装着すると、鼻梁の左右から呼気が漏れてしまい、特に眼鏡をかけている使用者は眼鏡のレンズが曇ってしまう問題があった。そこで近年では、例えば特許文献1に開示されているマスクのように、マスクの上縁部と鼻と頬との間に形成された隙間を隙間閉塞シートにより閉塞して呼気の漏出を防止できるものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-203221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし上記の特許文献1に開示されているマスクのように、新しく所定のパーツ(部品)を追加する構成では、製造コストが増えてしまい、マスクの単価が高くなってしまう問題があった。また、上記の特許文献1に開示されているマスクのように隙間を閉塞することができる構成を備えていない汎用のマスクにあっては、市場に大量に流通しており、このような汎用マスクにも後から容易に適用できる製品が強く求められていた。
【0005】
そこで本発明は、マスクの上縁部と顔との隙間を好適に閉塞することができるマスク用曇り止め具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、マスクにおけるマスク本体部の上縁部に装着されて当該上縁部を装着者の顔に沿わせるマスク用曇り止め具であって、弾性変形自在な本体部を備え、前記本体部は、前記マスク本体部の上縁部に装着された装着状態で当該上縁部を当該マスク本体部における表裏方向で挟持する中央クリップ部と、前記中央クリップ部から左右並列して所定方向に各々延出形成された一対の押圧部と、を備えており、前記押圧部が、前記マスク本体部における装着者の顔側とは反対側となる表面に配置されるように前記マスクに装着され、かつ装着者が当該マスクを装着した使用状態で、前記一対の押圧部が互いに離間する方向に拡開されることで前記本体部が弾性変形した際に発生する復元力に基づいて前記マスク本体部の上縁部周辺が当該押圧部によって装着者の顔面側へ押圧されてなることを特徴とするマスク用曇り止め具である。
【0007】
かかる構成にあっては、前記使用状態で前記本体部の弾性変形によって発生する復元力に基づいて前記マスク本体部を装着者の顔面側へ押圧することができる。これによってマスク本体部の上縁部と顔面との間の隙間を閉塞することができ、呼気の漏出を好適に防止することができる。また本発明のマスク用曇り止め具は、マスクとは別体であってマスクを交換するごとに何度でも使用することができる利点もある。
【0008】
また、前記中央クリップ部は、当該中央クリップ部の上端部に設けられた基部と、前記基部の中央部から所定長さにわたって垂下された内側支持部と、前記基部における前記内側支持部の左右両側から、各々当該内側支持部と所定間隔を置いて所定長さにわたって垂下された一対の外側支持部と、を備え、さらに、前記押圧部は、各外側支持部から各々延出形成されており、前記装着状態で、前記マスク本体部が、前記内側支持部の表側に配置されているとともに、前記内側支持部と前記外側支持部との間に形成されたマスク挿通空部に前記マスク本体部が挿通された状態で前記中央クリップ部が当該マスク本体部を挟持してなる構成が提案される。
【0009】
ここで、かかる構成にあっては、前記使用状態において前記基部が主に弾性変形することとなる。そして、この弾性変形によって発生する復元力が前記マスク本体部を装着者の顔面側へ押圧する力となり、例えば、前記基部の太さや形状を適宜変更して成形等することによって、マスク用曇り止め具がマスク本体部を顔面へ押し付ける力を様々な大きさに定めることができる。このため、例えば、押圧部がマスク本体部を柔らかく押圧する製品や、逆に、強く押圧する製品を作製することが可能となる。さらに、前記内側支持部及び前記外側支持部がマスク本体部に引っ掛かることで曇り止め具がマスク本体部から落下しにくくなる。このため、装着者が、当該マスク用曇り止め部が装着されたマスクを顔に装着し易くなるという利点が生ずる。なお、例えば内側支持部の長さを長くするほど、当該マスク用曇り止め具はマスク本体部に引っ掛かりやすくなり、結果的に、マスク本体部に対するマスク用曇り止め具の保持力が向上することとなる。
【0010】
また、前記内側支持部及び/又は前記外側支持部における前記マスク挿通空部に臨む位置には、前記装着状態で前記マスク本体部に当接するマスク本体部滑り止め手段が設けられている構成が提案される。
【0011】
かかる構成とすることにより、例えば前記装着状態のマスク及びマスク用曇り止め具を装着者が装着する際において、マスク用曇り止め具がマスクから意図せず外れてしまうことをおり一層防止することができる。また、前記使用状態において、マスク用曇り止め具がマスクに対して意図せず位置ずれしてしまうことを抑制することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明のマスク用曇り止め具は、マスクの上縁部と顔との隙間を好適に閉塞することができる優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施例にかかるマスク用曇り止め具の使用状態を示す説明図である。
図2】実施例にかかるマスク用曇り止め具の斜視図である。
図3】実施例にかかるマスク用曇り止め具の正面図である。
図4】実施例にかかるマスク用曇り止め具をマスク本体部の上縁部に装着した状態を正面から示す説明図である。
図5】実施例にかかるマスク用曇り止め具をマスク本体部の上縁部に装着した状態を平面から示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明のマスク用曇り止め具を具体化した実施例を詳細に説明する。なお本発明は、下記に示す実施例に限定されることはなく、適宜設計変更が可能である。
【0015】
マスクMは、図1に示すように、使用者(適宜、装着者ともいう)の口部や鼻部を覆うシート状のマスク本体部M1と、マスク本体部M1の左右の端部に各々設けられた紐状の耳掛け部M2とを備えている。
【0016】
一方、マスク用曇り止め具1は、マスク本体部M1の上縁部に装着されるものであり、使用者がマスクMを装着した際には、マスク本体部M1の上縁部を装着者の顔の形状に沿って湾曲させて当該上縁部を顔に沿わせる機能を有する。すなわち、装着者の顔面にマスク本体部M1の上縁部を押し当てて隙間を閉塞することが可能であり、呼気の漏出を防止することができる。
【0017】
次に、マスク用曇り止め具1の構造について説明する。
【0018】
マスク用曇り止め具1は、図2図3に示すように、弾性変形自在な本体部10を備えている。
【0019】
さらに本体部10の中央部には、中央クリップ部20を備えており、この中央クリップ部20は、マスクMに装着された装着状態でマスク本体部M1の上縁部をマスク本体部M1における表裏方向で挟持する。
【0020】
詳述すると、中央クリップ部20は、左右方向に差し渡された基部21を備えている。また、基部21の中央部からは、杆状の内側支持部22が所定長さにわたって垂下されている。さらに、基部21における内側支持部22の左右両側からは、内側支持部22と所定間隔を置いて一対の外側支持部23が内側支持部22と略同じ所定長さにわたってそれぞれ垂下されている。
【0021】
そして、単一の内側支持部22と、左右一対の外側支持部23との間には、スリット状のマスク挿通空部24,24が形成されてなる。
【0022】
なお、内側支持部22には、マスク挿通空部24に向かって突出する滑り止め凸部25が複数形成されている。このように、マスク挿通空部24に臨むように配された滑り止め凸部25により、本発明にかかるマスク本体部滑り止め手段が構成される。
【0023】
また、中央クリップ部20からは棒状の押圧部30が、左右並列して所定方向(後方)に一対、各々延出形成されている。
【0024】
詳述すると、押圧部30は、左右一対の外側支持部23から外向きで左右方向に各々延出形成されている。
【0025】
上述のように構成されたマスク用曇り止め具1がマスク本体部M1の上縁部に装着された装着状態にあっては、図4図5に示したように、内側支持部22よりも表側にマスク本体部M1が位置するとともに、マスク挿通空部24にマスク本体部M1が挿通されて中央クリップ部20でマスク本体部M1の上縁部が挟持されることとなる。このとき、押圧部30は、マスク本体部M1の表面に配置される。そして装着者がマスクMを装着した使用状態では、一対の押圧部30,30が互いに離間する方向に拡開されることになり、これに伴って本体部10が弾性変形し、押圧部30,30を元の位置に戻そうとする復元力が発生する。そして、この復元力に基づいてマスク本体部M1は、押圧部30,30によって装着者の顔面に向かって押圧されることとなる。これにより、マスク本体部M1と装着者の顔面との隙間が閉塞される。
【0026】
なお、マスク用曇り止め具1は、マスクMとは別体で構成されているため、マスクMを他のマスクMに交換した場合でも、当該マスク用曇り止め具1を使い回すことができ、利便性に優れている。
【0027】
ところで、基部21の太さや長さを、適宜、変更することで、所要の復元力を発生させる仕様のマスク用曇り止め具1を提供することができる。
【0028】
また、内側支持部22及び外側支持部23の長さを十分に確保することで、装着状態でマスク用曇り止め具1がマスク本体部M1の上縁部から脱離しにくくなる。
【0029】
また、滑り止め凸部25が設けられて滑り止め凸部25とマスク本体部M1とが当接する構成とすることにより、マスク用曇り止め具1とマスク本体部M1とが相対的に位置ずれしてしまうことを抑制することができる。
【0030】
上記実施例において、各部の寸法形状は適宜自由に選択可能である。
【0031】
なお、上述の基部21及び内側支持部22における顔面側の部位には、緩衝材(クッション材)を貼着して装着時の触感を向上させてもよい。
【符号の説明】
【0032】
1 マスク用曇り止め具
10 本体部
20 中央クリップ部
21 基部
22 内側支持部
23 外側支持部
24 マスク挿通空部
25 滑り止め凸部
30 押圧部
M マスク
M1 マスク本体部
M2 耳掛け部
図1
図2
図3
図4
図5