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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022119033
(43)【公開日】2022-08-16
(54)【発明の名称】ストッパユニット
(51)【国際特許分類】
   E05F 5/02 20060101AFI20220808BHJP
   E05F 5/00 20170101ALI20220808BHJP
【FI】
E05F5/02 B
E05F5/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021015978
(22)【出願日】2021-02-03
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】502354834
【氏名又は名称】有限会社衣川木工所
(74)【代理人】
【識別番号】110000534
【氏名又は名称】弁理士法人真明センチュリー
(72)【発明者】
【氏名】衣川 正信
(57)【要約】      (修正有)
【課題】扉を施錠しやすくできるストッパユニットを提供する。
【解決手段】扉構造1は、扉3がグレビティヒンジを用いたスイングドアとして構成される。補助具6を操作して施錠する場合、その操作に伴って扉3が押されて回動してしまうと、デッドボルトがストライクに対して位置ずれし、扉3を施錠することが困難となる。扉構造1によれば、ストッパユニット10を備え、ローラ24と変位体130との当接により、扉3が回動することを規制可能とされる。これにより、デッドボルトがストライクに対して位置ずれすることを抑制して、両者を係合させやすくできる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体に配設される係合装置と、回動可能な扉に配設される被係合部材とを備え、
前記係合装置は、
本体と、
その本体に配設され、第1位置および第2位置の間で変位可能に構成される変位体と、
前記変位体を前記第1位置または前記第2位置に保持する保持手段と、を備え、
前記変位体は、
前記保持手段により前記第1位置に保持された状態では、前記扉が回動する際の前記被係合部材の軌跡上に一側が位置され、第1方向へ回動される前記扉が通過する際に前記被係合部材から前記一側が作用を受けることで、前記保持手段による保持が解除されて前記第2位置へ変位されると共に、前記保持手段により前記第2位置に保持され、
前記保持手段により前記第2位置に保持された状態では、前記扉が回動する際の前記被係合部材の軌跡上に他側が位置され、前記第1方向と反対方向となる第2方向へ回動される前記扉が通過する際に前記被係合部材から前記他側が作用を受けることで、前記保持手段による保持が解除されて前記第1位置へ変位されると共に、前記保持手段により前記第1位置に保持されることを特徴とするストッパユニット。
【請求項2】
前記本体は、開口を有する空間と、その空間に形成され、前記第1位置および前記第2位置の間で前記変位体が変位される際に前記変位体の外面を案内する案内面を備え、
前記変位体が前記開口を介して前記空間に取り付け可能および前記空間から取り外し可能に構成され、
前記保持手段は、前記本体または前記変位体の一方に配設される磁石と、前記本体または前記変位体の他方に配設される磁性体と、を備え、前記磁性体が前記磁石に吸着されることで、前記変位体が前記第1位置または前記第2位置に保持されることを特徴とする請求項1記載のストッパユニット。
【請求項3】
前記変位体の外面および前記本体の案内面が略同径の円弧状に形成されることを特徴とする請求項2記載のストッパユニット。
【請求項4】
前記本体に前記変位体を回転可能に軸支する軸を備え、
前記本体は、開口を有する空間を備え、
前記変位体は、前記空間に配設されることを特徴とする請求項1記載のストッパユニット。
【請求項5】
前記本体に前記変位体を連結する連結手段を備え、
前記本体は、開口を有する空間と、その空間に形成され、前記第1位置および前記第2位置の間で前記変位体が変位される際に前記変位体の外面を案内する案内面を備え、
前記連結手段は、前記本体または前記変位体の一方から突出される突出部と、前記本体または前記変位体の他方に形成され前記突出部を受け入れる受入部とを備えることを特徴とする請求項1記載のストッパユニット。
【請求項6】
前記変位体の外面および前記本体の案内面が略同径の円弧状に形成され、
前記連結手段の受入部が前記変位体の外面および前記本体の案内面と同心の円弧状に形成されることを特徴とする請求項5記載のストッパユニット。
【請求項7】
前記扉に配設され、前記被係合部材を回転可能に軸支する軸支部材を備え、
前記被係合部材は、軸方向視円形に形成され、前記被係合部材の外周面が前記変位体に当接されることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のストッパユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストッパユニットに関し、特に、扉を施錠しやすくできるストッパユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
スイングドアにグレビティヒンジを用いた扉構造が知られている(特許文献1)。この扉構造によれば、扉をその扉の正面または背面のどちらの側から押しても開けることができ、また、開けた後は、扉を自重により閉位置に自動的に復帰させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-199869号公報(例えば、段落0045,0046)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、本願出願人は、上記扉構造を介護施設や病院などに適用することを考案した。上記扉構造によれば、肘や肩を扉に押し当てることで、扉を開くことができるので、手指や掌を扉に触れさせることなく通過できる。よって、扉を通過するたびに手指や掌を消毒することを不要とできる。また、本願出願人は、施錠装置のサムターンに大型の補助具を装着し、その補助具を肘で操作可能とすることで、手指や掌をサムターンに触れさせることなく施錠できる構成を想到した(本願出願時に未公知)。
【0005】
しかしながら、上記扉構造では、扉の施錠が行い難いという問題点があった。即ち、肘だけで補助具を操作すると、補助具の操作に伴って扉が押されて回動してしまいやすい。そのため、施錠装置のデッドボルトがストライクに対して位置ずれし、両者を係合(施錠)させることが困難となる。
【0006】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、扉を施錠しやすくできるストッパユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために本発明のストッパユニットは、支持体に配設される係合装置と、回動可能な扉に配設される被係合部材とを備え、前記係合装置は、本体と、その本体に配設され、第1位置および第2位置の間で変位可能に構成される変位体と、前記変位体を前記第1位置または前記第2位置に保持する保持手段と、を備え、前記変位体は、前記保持手段により前記第1位置に保持された状態では、前記扉が回動する際の前記被係合部材の軌跡上に一側が位置され、第1方向へ回動される前記扉が通過する際に前記被係合部材から前記一側が作用を受けることで、前記保持手段による保持が解除されて前記第2位置へ変位されると共に、前記保持手段により前記第2位置に保持され、前記保持手段により前記第2位置に保持された状態では、前記扉が回動する際の前記被係合部材の軌跡上に他側が位置され、前記第1方向と反対方向となる第2方向へ回動される前記扉が通過する際に前記被係合部材から前記他側が作用を受けることで、前記保持手段による保持が解除されて前記第1位置へ変位されると共に、前記保持手段により前記第1位置に保持される。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載のストッパユニットによれば、変位体は、保持手段により第1位置に保持された状態では、扉が回動する際の被係合部材の軌跡上に一側が位置され、第1方向へ回動される扉が通過する際に被係合部材から一側が作用を受けることで、保持手段による保持が解除されて第2位置へ変位されると共に、保持手段により第2位置に保持され、保持手段により第2位置に保持された状態では、扉が回動する際の被係合部材の軌跡上に他側が位置され、第1方向と反対方向となる第2方向へ回動される扉が通過する際に被係合部材から他側が作用を受けることで、保持手段による保持が解除されて第1位置へ変位されると共に、保持手段により第1位置に保持されるので、扉をその扉の正面または背面のどちらの側から押しても開けることができる。
【0009】
この場合、保持手段による保持が解除されない程度の力で扉が押された場合には、被係合部材と変位体との当接により、扉の回動を規制できる。これにより、施錠時(例えば、肘による補助具の操作時)に扉が押されても、デッドボルトがストライクに対して位置ずれすることを抑制して、両者を係合させやすくできる。即ち、扉を施錠しやすくできる。
【0010】
請求項2記載のストッパユニットによれば、請求項1記載のストッパユニットの奏する効果に加え、本体は、第1位置および第2位置の間で変位体が変位される際に変位体の外面を案内する案内面を備えるので、変位体を本体に軸支するための軸を設けることを不要として、部品点数を削減できる。よって、その分、製品コストを削減できる。また、変位体が開口を介して空間に取り付け可能および空間から取り外し可能に構成されるので、変位体の交換や本体(空間)内部の掃除を容易に行うことができる。この場合、磁性体が磁石に吸着されることで、変位体が第1位置または第2位置に保持されるので、変位体が本体(空間)から不用意に脱落することを抑制できる。
【0011】
請求項3記載のストッパユニットによれば、請求項2記載のストッパユニットの奏する効果に加え、変位体の外面および本体の案内面が略同径の円弧状に形成されるので、変位体の変位量を確保して、変位体の一側および他側を被係合部材の軌跡上に確実に位置させることができる。また、変位体を本体に軸により軸支する場合と比較して、本体の開口の幅を抑制できる。
【0012】
請求項4記載のストッパユニットによれば、請求項1記載のストッパユニットの奏する効果に加え、本体に変位体を回転可能に軸支する軸を備え、本体は、開口を有する空間を備え、変位体は、空間に配設されるので、変位体の変位を案内するための案内面を本体に形成することを不要として、本体の形状を簡素化できると共に、変位体が本体(空間)から不用意に脱落することを抑制できる。
【0013】
請求項5記載のストッパユニットによれば、請求項1記載のストッパユニットの奏する効果に加え、本体に変位体を連結する連結手段を備え、連結手段は、本体または変位体の一方から突出される突出部と、本体または変位体の他方に形成され突出部を受け入れる受入部とを備えるので、変位体が本体(空間)から不用意に脱落することを抑制できる。
【0014】
請求項6記載のストッパユニットによれば、請求項5記載のストッパユニットの奏する効果に加え、変位体の外面および本体の案内面が略同径の円弧状に形成されるので、変位体の変位量を確保して、変位体の一側および他側を被係合部材の軌跡上に確実に位置させることができる。また、変位体を本体に軸により軸支する場合と比較して、本体の開口の幅を抑制できる。更に、変位体の外面および本体の案内面が略同径の円弧状に形成されるので、保持手段の構成の自由度を向上できる。
【0015】
請求項7記載のストッパユニットによれば、請求項1から6のいずれかに記載のストッパユニットの奏する効果に加え、扉に配設され、被係合部材を回転可能に軸支する軸支部材を備え、被係合部材は、軸方向視円形に形成され、被係合部材の外周面が変位体に当接されるので、変位体に当接された際に被係合部材を回転させることができる。よって、両者が当接される際の衝撃を抑制できると共に当接面の摩耗を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】(a)は、本発明の第1実施形態におけるストッパユニットを使用した扉構造の上面図であり、(b)は、扉構造の背面図である。
図2】(a)及び(b)は、扉構造の部分拡大斜視図である。
図3】(a)は、係合装置の上面図であり、(b)は、係合装置の正面図であり、(c)は、図3(b)のIIIc-IIIc線における係合装置の断面図であり、(d)は、図3(b)のIIId-IIId線における係合装置の断面図である。
図4】(a)は、ケースの上面図であり、(b)は、蓋の下面図であり、(c)は、変位体が取り外された状態における係合装置の断面図であり、(d)は、変位体の背面斜視図である。
図5】(a)から(d)は、扉構造の部分拡大上面図である。
図6】(a)及び(b)は、第2実施形態における係合装置の断面図であり、(c)は、ケースの上面図であり、(d)は、蓋の下面図であり、(e)は、変位体の背面斜視図である。
図7】(a)は、第3実施形態における係合装置の断面図であり、(b)は、図7(a)のVIIb-VIIb線における係合装置の断面図であり、(c)は、変位体の背面斜視図である。
図8】(a)は、第4実施形態における係合装置の断面図であり、(b)は、図8(a)のVIIIb-VIIIb線における係合装置の断面図であり、(c)は、ケースの上面図であり、(d)は、蓋の下面図である。
図9】(a)は、第5実施形態における係合装置の断面図であり、(b)は、図9(a)のIXb-IXb線における係合装置の断面図であり、(c)は、ケースの上面図であり、(d)は、蓋の下面図であり、(e)は、変位体の背面斜視図である。
図10】(a)及び(b)は、第6実施形態における扉構造の部分拡大上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1及び図2を参照して、本発明の第1実施形態におけるストッパユニット10について説明する。図1(a)は、本発明の第1実施形態におけるストッパユニット10を使用した扉構造1の上面図であり、図1(b)は、扉構造1の背面図である。図2(a)及び図2(b)は、扉構造1の部分拡大斜視図である。なお、図1及び図2では、扉3が閉位置に配置された状態が図示される。
【0018】
図1に示すように、本実施形態の扉構造1は、パネル2と、そのパネル2の開口部を閉じるための扉3と、その扉3をパネル2に対して開閉可能に支持するグレビティヒンジ4と、扉3を施錠するためのドア錠5と、そのドア錠5の操作部分を構成する補助具6と、扉3のストッパとして機能するストッパユニット10とを備える。
【0019】
扉構造1は、扉3がグレビティヒンジ4を用いたスイングドアとして構成され、正面3a又は背面3bのどちらから押されても扉3を背面側または正面側へ開くことができると共に、背面側または正面側のどちらへ扉3を開いた場合でも、グレビティヒンジ4の作用により、扉3が自重により閉位置に自動で復帰する(自閉する)ように構成される。
【0020】
ドア錠5は、扉3を閉位置において施錠するための装置であり、サムターンの回動操作により、扉3の戸先からデッドボルトを突出させ、その突出させたデッドボルトを、パネル2の縦枠に配設されたストライクに挿入(係合)させることで、扉3を施錠する(パネル2に対して回動不能とする)。なお、サムターンの逆方向への回動操作により、デッドボルトを没入させ、ストライクとの係合を解除することで、解錠が可能とされる。
【0021】
本実施形態では、ドア錠5には、サムターンに樹脂製の補助具6が配設され、操作可能な領域が拡大される。これにより、補助具6を肘で操作することができるので、指や掌をサムターンに触れさせることなく、扉3の施錠および解錠を行うことができる。
【0022】
一方で、サムターンを手指で握って操作する場合には、扉3の回動位置(前後位置)を調整できるが、肘だけで補助具6を操作する場合には、補助具6の操作に伴って扉3が奥側(操作者から見て前方、図1(a)及び図2(a)の矢印A方向)へ押されて回動してしまいやすい。そのため、デッドボルトがストライクに対して位置ずれし、両者を係合させる(デッドボルトをストライクに挿入する、即ち、扉3を施錠する)ことが困難となる。
【0023】
これに対し、扉構造1によれば、ストッパユニット10を備え、ローラ24と変位体130との当接により、扉3が奥側(補助具6を操作する操作者から見て前方)へ回動することを規制可能とされる(図2(a)参照)。これにより、デッドボルトがストライクに対して位置ずれすることを抑制して、両者を係合させやすくできる。このストッパユニット10の詳細構成について説明する。
【0024】
ストッパユニット10は、扉側ローラ20と、係合装置100とを備える。まず、扉側ローラ20について説明する。扉側ローラ20は、図2(a)に示すように、ベース21及びカバー22と、それらベース21及びカバー22に両端が保持される軸23と、その軸23に回転可能に軸支されるローラ24とを備え、扉3の戸先上部および戸先下部にそれぞれ配設される。
【0025】
軸23は、扉3の回動中心(グレビティヒンジ4の軸)と平行とされる。ローラ24は、軸方向視円形に形成され、その外周面が係合装置100の変位体130に当接される(図5参照)。よって、ローラ24が変位体130に当接される際に、ローラ24を回転させることができるので、ローラ24及び変位体130が当接される際の衝撃を抑制できると共に、両者の当接面(ローラ24の外周面および変位体130の内周面)の摩耗を抑制できる。なお、本実施形態では、ローラ24の直径が略38mmに設定される。
【0026】
次いで、図3及び図4を参照して、係合装置100について説明する。図3(a)は、係合装置100の上面図であり、図3(b)は、係合装置100の正面図であり、図3(c)は、図3(b)のIIIc-IIIc線における係合装置100の断面図であり、図3(d)は、図3(b)のIIId-IIId線における係合装置100の断面図である。図4(a)は、ケース110の上面図であり、図4(b)は、蓋120の下面図であり、図4(c)は、変位体130が取り外された状態における係合装置100の断面図であり、図4(d)は、変位体130の背面斜視図である。
【0027】
図3及び図4に示すように、係合装置100は、ケース110と、そのケース110の上面側に配設される蓋120と、それらケース110及び蓋120により形成される空間S1に配設される変位体130と、その変位体130の背面に配設される磁石140と、その磁石140が吸着される磁性体150と、その磁性体150を上記空間S1に配設するための配設部材160とを備え、扉3が閉位置にある状態において、扉側ローラ20(ローラ24)に対向するように、パネル2の縦枠の2か所に配設される。
【0028】
ケース110及び蓋120は、樹脂材料から形成され、ケース110の上面に蓋120が固着されることで、正面側に開口を有する空間S1がケース110及び蓋120の内部に形成される。ケース110の内形は、配設部材160の外形と略同一とされ(図3(c)参照)、ケース110と蓋120との間に挟み込まれることで、配設部材160が空間S1に固定される。
【0029】
ケース110は、空間S1の開口を挟んだ正面視左右両側にフランジ部が形成され、そのフランジ部がパネル2の縦枠に締結される(図2(a)参照)。これにより、空間S1の開口が扉3の戸先側を向き、変位体130の空間S1の開口から突出する部分がローラ24の軌跡上に位置される。
【0030】
ケース110及び蓋120には、案内面111,121が形成される。案内面111,121は、空間S1の開口側に内周面を向けた円筒面であり、変位体130の外周面132と同径に形成され、変位体130の外周面132が摺動可能とされる。即ち、案内面111,121に外周面132が案内されることで、変位体130が第1位置および第2位置の間で変位(回転)される(図5参照)。
【0031】
変位体130は、円筒面として形成される内周面131及び外周面132を備え、樹脂材料から上面視略三日月形に形成される。外周面132には、高さ方向中央部分に凹みが形成され、その凹みに磁石140が配設される。即ち、外周面132には、凹みが形成されていない領域に周方向に連続した領域が形成され、この領域が案内面111,121に案内される。なお、内周面131の直径(内径)は、ローラ24の直径(外径)よりも大きくされ、本実施形態では、略40mmに設定される。
【0032】
磁石140は、正面視矩形の板状に形成される永久磁石である。磁性体150は、磁石140が吸着可能な強磁性体の板(鉄板)であり、磁石140と所定間隔を隔てて対向配置される。磁性体150は、略V字状に折り曲げられ、空間S1の開口へ向けて凸となる姿勢で配設されると共に(図3(c)参照)、変位体130が変位(回転)する際の磁石140の軌跡上に位置される。よって、磁性体150が磁石140に吸着されることで、変位体130が第1位置または第2位置に保持(配置)される(図5参照)。
【0033】
なお、磁石140に磁性体150が対向配置されているので、それらの間に発生する吸着力を、変位体130を空間S1へ引き込む方向の力として常に作用させておくことができる。これにより、変位体130が変位(回転)される際に、その外周面132を案内面111,121に押し付けておくことができる。その結果、案内面111,121により外周面132の案内効果を確保させ、変位体130の変位(回転)を安定させることができる。
【0034】
ここで、変位体130は、外周面132(円筒面)の中心が空間S1の開口よりも外方に位置し、開口を介して空間S1に取り付け可能および空間S1から取り外し可能に構成される(図4(c)及び図4(d)参照)。よって、変位体130や磁石140が破損や摩耗した場合のそれらの交換や、変位体130の外周面132及び空間S1(案内面111,121)の掃除(埃や異物の除去)を、容易に行うことができる。一方、このように、着脱可能に構成されていても、磁石140及び磁性体150の間の吸着力を利用して、変位体130が空間S1の開口から不用意に脱落することを抑制できる。
【0035】
このように、本実施形態の係合装置100は、案内面111,121を利用して、変位体130を第1位置および第2位置の間で変位(回転)させることができる。即ち、変位体130をケース110及び蓋120に軸支するための軸を設けることを不要とできるので、部品点数を削減して、その分、製品コストを削減できる。
【0036】
次いで、図5を参照して、扉構造1の動作について説明する。図5(a)から図5(d)は、扉構造1の部分拡大上面図である。なお、図5(a)及び図5(d)では、変位体130が第1位置に配置された状態が、図5(b)及び図5(c)では、変位体130が第2位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
【0037】
図5(a)に示すように、変位体130が第1位置に配置(磁石140及び磁性体150の吸着により保持)された状態では、扉3が回動する際のローラ24の軌跡上に変位体130の一側(内周面131及び外周面132が交差する左右の稜線を含む部分の内の一方側、図5(a)右側)が位置(突出)される。
【0038】
変位体130が第1位置に配置された状態から扉3が矢印B方向(第1方向)へ回動されると、図5(b)に示すように、扉3が通過する際にローラ24から変位体130の一側が作用を受けることで、磁石140及び磁性体150の吸着による保持が解除され、変位体130が第2位置へ向けて変位(回転)されると共に、磁性体150が磁石140に吸着され、変位体130が第2位置に保持される。
【0039】
図5(c)に示すように、変位体130が第2位置に配置(磁石140及び磁性体150の吸着により保持)された状態では、扉3が回動する際のローラ24の軌跡上に変位体130の他側(内周面131及び外周面132が交差する左右の稜線を含む部分の内の他方側、図5(c)左側)が位置(突出)される。
【0040】
この状態(変位体130が第2位置に配置された状態)から扉3が矢印A方向(第2方向)へ回動されると、図5(d)に示すように、扉3が通過する際にローラ24から変位体130の他側が作用を受けることで、磁石140及び磁性体150の吸着による保持が解除され、変位体130が第1位置へ向けて変位(回転)されると共に、磁性体150が磁石140に吸着され、変位体130が第1位置に保持される。
【0041】
例えば、扉3の正面3a側にいる人がパネル2の開口部を通過して背面3b側へ移動する場合、変位体130が第1位置(図5(a)参照)又は第2位置(図5(c)参照)のどちらに配置されていても、扉3の正面3aを押せば、扉3が矢印B方向(第1方向)に回動可能とされ(図5(b)参照)、パネル2の開口部を通過して、扉3の背面3b側へ移動することができる。その後、扉3は自重で閉位置へ復帰(自閉)される(図5(c)参照)。
【0042】
この場合、変位体130は、図5(c)に示すように、第2位置に配置される。よって、扉3の背面3b側へ移動した人が扉3の施錠を行う際には、扉3の背面3bが矢印A方向へ押されても、その押す力が、磁石140及び磁性体150の吸着による保持が解除されない程度の力であれば、ローラ24と変位体130の他側との当接により、扉3の矢印A方向への回動を規制できる。これにより、施錠時(即ち、上記したように、肘による補助具6の操作時)に扉3が押されても、デッドボルトがストライクに対して位置ずれすることを抑制して、両者を係合させやすく(デッドボルトをストライクに挿入しやすく)できる。その結果、扉3を施錠しやすくできる。
【0043】
なお、扉3の背面3b側にいる人がパネル2の開口部を通過して正面3a側へ移動する際も、上記の場合と同様に、変位体130が第1位置(図5(a)参照)又は第2位置(図5(c)参照)のどちらに配置されていても、扉3の背面3bを押せば、扉3が矢印A方向(第2方向)に回動されるので(図3(d)参照)、パネル2の開口部を通過して、扉3の正面3a側へ移動することができる。その後、扉3は自重で閉位置へ復帰(自閉)され、変位体130は第1位置に配置される(図5(a)参照)。
【0044】
このように、扉構造1(ストッパユニット10)によれば、扉3を回動させて、パネル2の開口部を通過した際には、その通過した人が行う施錠をしやすくする位置(第1位置または第2位置)に変位体130を変位(回転)させておくことができる。即ち、パネル2の開口部を通過した人が扉3の背面3b側にいる場合には、変位体130が第2位置に配置(保持)され(図5(c)参照)、扉3の矢印A方向の回動を規制でき、パネル2の開口部を通過した人が扉3の正面3a側にいる場合には、変位体130が第1位置に配置(保持)され(図5(a)参照)、扉3の矢印B方向の回動を規制できる。よって、扉3の正面3aにドア錠5(補助具6)が配設される場合も、ストッパユニット10により扉3の施錠をしやすくできる。
【0045】
次いで、図6を参照して、第2実施形態における係合装置200について説明する。図6(a)及び図6(b)は、第2実施形態における係合装置200の断面図であり、図3(b)のIIIc-IIIc線およびIIId-IIId線における断面図にそれぞれ対応する。図6(c)は、ケース210の上面図であり、図6(d)は、蓋220の下面図であり、図6(e)は、変位体230の背面斜視図である。なお、上記第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0046】
図6(a)から図6(e)に示すように、第2実施形態における係合装置200は、ボール270を備え、そのボール270を介して、ケース210及び蓋220と変位体230とが連結される。即ち、ケース210及び蓋220と変位体230とには、ボール270を受け入れる受入部212,222,233がそれぞれ凹設される。
【0047】
受入部212,222は、案内面111,121と同心の円弧状に湾曲した溝として延設され(案内面111,121と同心の円環形状を所定の中心角で分断した形状に形成され)、その溝の断面形状がボール270の半球分の形状に略一致される。一方、受入部233は、ボール270の半球に略一致される凹みとして形成され、変位体230の上下の端面の複数か所(本実施形態では2か所)にそれぞれ形成される。
【0048】
係合装置200は、ケース210の受入部212と変位体230の受入部233との間、及び、蓋220の受入部222と変位体230の受入部233との間にそれぞれボール270を装着しつつ、蓋220をケース210に固着させることで組み立てられる。変位体230は、受入部233に保持されたボール270が受入部212,222に沿って転動されることで、第1位置と第2位置との間で変位(回転)可能とされる。
【0049】
この係合装置200によれば、ボール270を介して、ケース210及び蓋220と変位体230とが連結されているので、変位体230が空間S1の開口から脱落することを抑制できる。
【0050】
なお、ケース210及び蓋220の受入部212,222を半球状の凹みとし、変位体230の受入部233を案内面111,121(外周面132)と同心の円弧状に湾曲して延設される溝としても良い。
【0051】
次いで、図7を参照して、第3実施形態における係合装置300について説明する。図7(a)は、第3実施形態における係合装置300の断面図であり、図7(b)は、図7(a)のVIIb-VIIb線における係合装置300の断面図であり、図7(c)は、変位体330の背面斜視図である。なお、図7(a)図3(b)のIIIc-IIIc線における断面図に対応する。また、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0052】
図7(a)から図7(c)に示すように、第3実施形態における係合装置300は、変位体330に固着される軸370を備え、その軸370により、ケース310及び蓋320に変位体330が回転可能に軸支される。即ち、変位体330は、軸370を中心として、第1位置および第2位置の間を変位(回転)可能とされる。よって、変位体330の外周面132を案内するための案内面を省略することができる。従って、案内面を省略できる分、ケース310及び蓋320の形状を簡素化でき、製品コストを削減できる。
【0053】
本実施形態では、ケース310及び蓋320に一対の磁石240が配設されると共に、磁性体350が変位体330の外周面132から軸370と反対側へ向けて突出される。一対の磁石240は、軸370を中心として変位体330が変位(回転)される際の磁性体350の軌跡上に非平行(略V字状)に対向配置され、これら一対の磁石340の内の一方または他方に磁性体350が吸着されることで、変位体330が第1位置または第2位置に保持(配置)される。
【0054】
係合装置300は、ケース310及び蓋320の軸支孔に変位体330の軸370を挿通させつつ、蓋320をケース310に固着させることで組み立てられる。なお、ケース310及び蓋320に軸370を固着し、その軸370を軸支する軸支孔を変位体330に形成しても良い。
【0055】
次いで、図8を参照して、第4実施形態における係合装置400について説明する。図8(a)は、第4実施形態における係合装置400の断面図であり、図8(b)は、図8(a)のVIIIb-VIIIb線における係合装置400の断面図であり、図8(c)は、ケース410の上面図であり、図8(d)は、蓋420の下面図である。なお、図8(a)は、図3(b)のIIIc-IIIc線における断面図に対応する。また、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0056】
図8(a)から図8(d)に示すように、第4実施形態における係合装置400は、変位体430に固着される軸470を備え、その軸470を介して、ケース410及び蓋420と変位体430とが連結される。即ち、ケース410及び蓋420には、軸470を受け入れる受入部412,422がそれぞれ開口される。
【0057】
受入部412,422は、案内面111,121と同心の円弧状に湾曲した開口として延設され(案内面111,121と同心の円環形状を所定の中心角で分断した形状に形成され)、その開口の溝幅が軸470の直径に略一致される。
【0058】
係合装置400は、ケース410及び蓋420の受入部412,422に変位体430の軸470を挿通させつつ、蓋420をケース410に固着させることで組み立てられる。変位体430は、軸470が受入部412,422に沿って摺動されることで、第1位置と第2位置との間で変位(回転)可能とされる。
【0059】
この係合装置400によれば、軸470を介して、ケース410及び蓋420と変位体430とが連結されているので、変位体430が空間S1の開口から脱落することを抑制できる。
【0060】
なお、受入部412,422を開口ではなく凹部(溝)としても良い。また、ケース410及び蓋420に軸470を固着し、その軸470を受け入れる受入部(外周面132と同心の円弧状に湾曲した溝として延設されもの)を変位体430に形成(凹設)しても良い。
【0061】
次いで、図9を参照して、第5実施形態における係合装置500について説明する。図9(a)は、第5実施形態における係合装置500の断面図であり、図9(b)は、図9(a)のIXb-IXb線における係合装置500の断面図であり、図9(c)は、ケース510の上面図であり、図9(d)は、蓋520の下面図であり、図9(e)は、変位体530の背面斜視図である。なお、図9(a)は、図3(b)のIIIc-IIIc線における断面図に対応する。また、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0062】
図9(a)から図9(e)に示すように、第5実施形態における係合装置500は、複数(本実施形態では2個)のボールプランジャ570が配設部材560により空間S1に配設されると共に、そのボールプランジャ570のボール571が係合可能な一対の係合溝533が変位体530の外周面132に形成(凹設)される。
【0063】
ボールプランジャ570は、樹脂製のボール571と、ボール571に付勢力を付与するコイルスプリング572と、ボール571及びコイルスプリング572の間に介在されるカラー573と、これら各部材571,572,573を収容する円筒状の円筒ケース574とを備える。
【0064】
ボールプランジャ570のボール571は、変位体530が案内面111,121に案内されて変位(回転)する際の係合溝533の軌跡上に配置され、ボール571が一対の係合溝533の内の一方または他方に係合されることで、変位体530が第1位置または第2位置に保持(配置)される。
【0065】
係合装置500は、ケース510及び蓋520の受入部412,422に変位体530の軸470を挿通させると共に、ボールプランジャ570を配設部材560によりケース510に配設し、蓋520をケース510に固着させることで組み立てられる。
【0066】
磁石140,340を磁性体150,350に吸着させる構造では、変位体130~430の変位(回転)が停止される際に、磁石磁石140,340(又は磁石340を保持する金属製のケース)と磁性体150,350との衝突音が発生しやすいのに対し、係合装置500によれば、変位体530の変位(回転)が停止される際の衝突音の発生を抑制できる。
【0067】
次いで、図10を参照して、第6実施形態における扉構造6001について説明する。図10(a)及び図10(b)は、第6実施形態における扉構造6001の部分拡大上面図である。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0068】
ここで、図10(a)では、扉3の戸先上部に配設されるストッパユニット10が図示される一方、図10(b)では、扉3の戸先下部に配設されるストッパユニット10が図示される。また、図10(a)では、変位体130が第1位置に配置された状態が、図10(b)では、変位体130が第2位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
【0069】
第6実施形態における扉構造6001では、扉3の戸先上部の係合装置100と戸先下部の係合装置100とが上面視で同じ位置(重なる位置)に配設される一方、扉3の戸先上部の扉側ローラ20と戸先下部の扉側ローラ20とが上面視で互いに逆方向へオフセットして配設される。
【0070】
ここで、図10(a)及び図10(b)において、仮想線L1は、扉3及び係合装置100の幅方向(図10(a)及び図10(b)左右方向)中央を通る仮想線であり、仮想線Luは、扉3の戸先上部に配設される扉側ローラ20のローラ24における回転中心を通る仮想線であり(図10(a)参照)、仮想線Ldは、扉3の戸先下部に配設される扉側ローラ20のローラ24における回転中心を通る仮想線である(図10(b)参照)。扉3が閉位置にある状態(図10(a)及び図10(b)の状態)において、仮想線L1と仮想線Lu,Ldとが略平行とされる。
【0071】
仮想線Lu(扉3の戸先上部に配設される扉側ローラ20)は、図10(a)に示すように、仮想線L1に対して距離Wだけ扉3の正面3a側にオフセットして配設され、仮想線Ld(扉3の戸先下部に配設される扉側ローラ20)は、図10(b)に示すように、仮想線L1に対して、距離Wだけ扉3の背面3b側にオフセットして配設される。
【0072】
これにより、扉3の戸先上部に配設される係合装置100と戸先下部に配設される係合装置100とを互いに異なる状態(一方が第1位置に、他方が第2位置に、それぞれ保持された状態)とすることができる。よって、扉3の正面3a側への回動および背面3b側への回動のどちらの回動も、ローラ24と変位体130との当接により規制することができる。その結果、閉位置にある扉3が気圧差や風圧の影響を受けた場合でも、扉3を閉位置に維持しておくことができる。
【0073】
この扉構造6001の動作について説明する。図10(a)及び図10(b)に示す状態から、扉3が正面3a側へ回動され、その後、閉位置に自閉される一連の動作においては、扉3の戸先上部に配設される係合装置100の変位体130は、図10(a)に示す第1位置から変位(回転)されない。一方、扉3の戸先下部に配設される係合装置100では、扉3が正面3a側へ回動される際に、ローラ24が変位体130の他側(図10(b)左側の部分)に当接され、変位体130が図10(b)に示す第2位置から第1位置に変位(回転)されるが、その後、扉3が閉位置に自閉されると、ローラ24が距離Wだけ背面3b側にオフセットして配設されていることで、そのローラ24が変位体130の一側(図10(b)右側の部分)に当接され、変位体130が第1位置から図10(b)に示す第2位置へ変位(回転)される。
【0074】
同様に、図10(a)及び図10(b)に示す状態から、扉3が背面3b側へ回動され、その後、閉位置に自閉される一連の動作においては、扉3の戸先下部に配設される係合装置100の変位体130は、図10(b)に示す第2位置から変位(回転)されない。一方、扉3の戸先上部に配設される係合装置100では、扉3が背面3b側へ回動される際に、ローラ24が変位体130の一側(図10(a)右側の部分)に当接され、変位体130が図10(a)に示す第1位置から第2位置に変位(回転)されるが、その後、扉3が閉位置に自閉されると、ローラ24が距離Wだけ正面3a側にオフセットして配設されていることで、そのローラ24が変位体130の他側(図10(a)左側の部分)に当接され、変位体130が第2位置から図10(a)に示す第1位置へ変位(回転)される。
【0075】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0076】
上記実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。同様に、各構成の配設数は任意である。
【0077】
上記各実施形態では、係合装置100~500をパネル2の縦枠に埋設すると共に、扉側ローラ20を扉3の上部または下部に配設する場合を説明したが、係合装置100~500をパネル2の正面または背面に配設すると共に、扉側ローラ20を扉3の正面3a又は背面3bに配設しても良い。即ち、アウトセットの配設としても良い。
【0078】
上記各実施形態では、ローラ24が回転可能に軸支される場合を説明したが、ローラ24が回転不能に構成されていても良い。
【0079】
上記第1及び第2実施形態では、変位体130,230に磁石140を、ケース110,210に磁性体150を、それぞれ配設する場合を説明したが、磁石140と磁性体150の配設対象を逆としても良い。同様に、上記第3及び第4実施形態では、変位体330,430に磁性体350を、ケース310,410に磁石340を、それぞれ配設する場合を説明したが、磁石340と磁性体350の配設対象を逆としても良い。
【0080】
上記第1から第5実施形態では、ストッパユニット10を扉3の上部および下部に配設する場合を説明したが、扉3の上部または下部の一方のみに配設しても良い。
【0081】
上記第6実施形態では、仮想線L1,Lu間の距離Wと仮想線L1,Ld間の距離Wとが同一の寸法とされる場合を説明したが、これら仮想線L1,Lu間の距離Wと仮想線L1,Ld間の距離Wとを異なる寸法としても良い。
【符号の説明】
【0082】
2 パネル(支持体)
3 扉
21 ベース(軸支部材)
22 カバー(軸支部材)
23 軸(軸支部材)
24 ローラ(被係合部材)
100,200,300,400,500 係合装置
110,210,310,410,510 ケース(本体)
111 案内面
120,220,320,420,520 蓋(本体)
121 案内面
130,230,330,430,530 変位体
132 外周面(外面)
140,340 磁石(保持手段)
150,350 磁性体(保持手段)
212,412 受入部
222,422 受入部
233 受入部
270 ボール(連結手段、突出部)
370 軸
470 軸(連結手段、突出部)
533 係合溝(保持手段)
570 ボールプランジャ(保持手段)
S1 空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10