(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022119039
(43)【公開日】2022-08-16
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
F24F 11/49 20180101AFI20220808BHJP
F24F 11/52 20180101ALI20220808BHJP
【FI】
F24F11/49
F24F11/52
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021015991
(22)【出願日】2021-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】萩原 弓子
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AB02
3L260BA57
3L260CB77
3L260DA02
3L260FC33
3L260GA02
3L260GA17
(57)【要約】
【課題】室内機の電源が断状態とされていた場合において、室内機の電源が断状態であることを利用者に報知して、利用者に電源を接続することを促すことができる空気調和機を提供する。
【解決手段】室内機2と、室内機2と遠隔で送受信可能なリモコン5とを備えた空気調和機において、室内機2は、室内機2に外部電源6が接続されているかの電源接続状態を検知する電源接続検知手段10とを備え、リモコン5は、記憶手段21と報知手段22と報知手段22に報知を指示するリモコン制御手段23とを備え、電源接続検知手段10が、電源接続状態が断状態となったことを検知すると、室内機2は、電源断検知情報を記憶手段21に送信し、リモコン制御手段23は、電源断検知情報が記憶手段21に記憶されている場合、電源接続状態が断状態であることを報知するよう報知手段22に指示する空気調和機。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内機と、前記室内機と通信可能な操作装置とを備え、前記操作装置の操作によって空調運転の開始と停止が可能な空気調和機において、
前記室内機は、前記室内機に外部電源が接続されているかの電源接続状態を検知する電源接続検知手段を備え、
前記操作装置は、前記室内機から送信される情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている情報を報知する報知手段と、前記報知手段に報知を指示するリモコン制御手段と、を備え、
前記電源接続検知手段が、電源接続状態が断状態となったことを検知すると、前記室内機は、電源接続状態が断状態となったことを示す電源断検知情報を前記記憶手段に送信し、
前記リモコン制御手段は、前記室内機から送信された前記電源断検知情報が前記記憶手段に記憶されている場合には、電源接続状態が断状態であることを報知するよう前記報知手段に指示し、前記報知手段は電源接続状態が断状態であることを報知することを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
前記電源接続検知手段が、前記室内機の電源接続状態が断状態となったことを検知した後に、前記室内機の電源接続状態が接続状態となったことを検知した場合は、前記室内機は電源接続状態が接続状態となったことを示す電源接続検知情報を前記記憶手段に送信し、
前記記憶手段は、前記電源接続検知情報を受信した場合は、記憶されている前記電源断検知情報を消去することを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記操作装置によって空調運転の開始に関する操作がされる際に、前記報知手段は電源接続状態が断状態であることを報知することを特徴とする請求項1または2に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記操作装置は、空調運転の開始時刻を設定するタイマを備え、前記タイマで設定された開始時刻に空調運転を開始するタイマ運転が可能である空気調和機であって、
前記タイマ運転を行う際に、前記記憶手段に前記電源断検知情報が記憶されている場合は、前記リモコン制御手段は、電源接続状態が断状態であることを報知するよう前記報知手段に指示することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項5】
暖房運転と冷房運転とのいずれかの運転モードに切り替えて運転すると共に、利用者が冷房運転を行なう期間と暖房運転を行う期間の間の期間である運転停止期間に、運転停止期間に入る前に運転した運転モードと異なる運転モードによる試運転を自動的に実施する自動試運転手段と、を備えた空気調和機であって、
前記試運転を自動的に実行する際に、前記記憶手段に前記電源断検知情報が記憶されている場合は、前記リモコン制御手段は、電源接続状態が断状態となっていることを報知するよう前記報知手段に指示することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項6】
前記自動試運転手段は、前記運転停止期間内であることを検出する運転停止期間検出部と、前記空気調和機が所定の時間だけ未操作であることを検出する未操作検出部とを備え、前記運転停止期間内で、かつ、前記空気調和機が所定の時間だけ未操作の時に前記試運転を実行することを特徴とする請求項5に記載の空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機であって、空気調和機の室内機の電源接続状態を判断し報知する制御に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、季節の変わり目に運転モードを変更した試運転を自動的に実施し、その結果を利用者に確実に報知する空気調和機が開示されている。この空気調和機は、外気温を検出する外気温検出部を備え、暖房運転と冷房運転とのいずれかの運転モードを切り替えて実行する空気調和機であって、利用者に空気調和機の状態を報知する報知部と、利用者が冷房運転を行なう期間と暖房運転を行う期間の間の期間である運転停止期間(オフシーズン期間)に、運転停止期間に入る前に運転した運転モードと異なる運転モードによる試運転を自動的に実施して利用者にその試運転結果を、報知部を介して報知する自動試運転手段を備えている。
【0003】
試運転を自動的に実施して利用者にその結果を報知することにより、空気調和機の運転が必要となるシーズン前に空気調和機の故障を発見できるため、故障が有ったとしてもシーズン前に故障を修理しておくことができる。
【0004】
一方、オフシーズン期間になると、待機電力削減を目的として利用者が室内機の電源プラグをコンセントから抜いて電源を断状態とする場合がある。また、オフシーズン期間中でない場合であっても、外出する場合、または、室内機が設置されている部屋を使用しない場合には、同じように待機電力削減を目的として電源を断状態とする場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された空気調和機の場合、電源が断状態とされていると試運転を自動で開始できないという課題があった。また、利用者が外出時に電源プラグをコンセントから抜いて電源を断状態とした場合に、外出中に電源が断状態であることを忘れてしまった利用者が、あるいは、電源を断状態とした利用者以外の利用者が、外出先からタイマ運転を設定した場合に、電源が断状態とされていることから、帰宅した時に初めて室内機が動作していないことに気づくことになる。そのため、ペットがいる場合などには、ペットがいるにもかかわらず空気調和機を動作させることができないという課題があった。
【0007】
また、室内機が設置されている部屋を使用しないために待機電力削減を目的として電源を断状態としていた場合、次に部屋を利用するときに室内機を動作させようとして運転ボタンをONにしても空気調和機が動作しないことから、利用者は空気調和機が故障していると誤解してしまう可能性があるという課題もあった。
【0008】
上記課題に鑑み、本発明の目的は、室内機に外部電源が接続されず室内機の電源が断とされた断状態であった場合において、利用者が空気調和機を動作させようとした際に、室内機の電源が断状態であることを利用者に報知して、利用者に電源を接続することを促すことができる空気調和機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、室内機と、室内機と通信可能な操作装置とを備え、操作装置の操作によって空調運転の開始と停止が可能な空気調和機において、室内機は、室内機に外部電源が接続されているかの電源接続状態を検知する電源接続検知手段を備え、操作装置は、室内機から送信される情報を記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶されている情報を報知する報知手段と、報知手段に報知を指示するリモコン制御手段と、を備え、電源接続検知手段が、電源接続状態が断状態となったことを検知すると、室内機は、電源接続状態が断状態となったことを示す電源断検知情報を記憶手段に送信し、リモコン制御手段は、室内機から送信された電源断検知情報が記憶手段に記憶されている場合には、電源接続状態が断状態であることを報知するよう報知手段に指示し、報知手段は電源接続状態が断状態であることを報知する空気調和機である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、室内機に外部電源が接続されず室内機の電源が断とさた断状態であった場合において、利用者が空気調和機を動作させようとした際に、室内機の電源が断状態であることを利用者に報知して、利用者に電源を接続することを促すことができる空気調和機を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係る空気調和機の制御ブロック構成図である。
【
図2】本発明の他の実施形態に係る空気調和機の自動運転の制御ブロック構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係る空気調和機の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0013】
図1は、本実施形態の空気調和機1の制御ブロック構成図である。
図2は、他の実施形態の空気調和機の自動運転の制御ブロック構成図である。
【実施例0014】
図1を参照して、空気調和機1について説明する。空気調和機1は、空調する室内に配置される室内機2と屋外に設置される室外機3とが冷媒配管4を介して接続されている。室内機2は、空気調和機1の空調運転を制御する図示しない室内機制御手段と、室内機2と送受信可能な操作装置としてのリモコン5を備えている。室外機3は、図示しない室外熱交換器と室外熱交換器に外気を送風するための送風機と、図示されない圧縮機、四方弁、室外機側膨張弁とを備えている。送風機はファンモータによって駆動する。室内機2は、図示しない室内熱交換器と、室内機側膨張弁及び室内ファンとを備えている。
【0015】
暖房運転時において、圧縮機で圧縮されて高温高圧になった冷媒は室内熱交換器を流れる。室内熱交換器を流れる高温高圧の冷媒は、室内ファンによって送風された室内の空気と熱交換することによって放熱し、高温高圧の冷媒と熱交換をした室内の空気は暖められる。室内熱交換器を通過して放熱された冷媒は室内機側膨張弁によって減圧され、減圧された冷媒は室外熱交換器を流れる。室外熱交換器を流れる冷媒は、送風機によって送風された外気と熱交換し吸熱する。吸熱した冷媒は圧縮機に戻り、再び、高温高圧に圧縮される。
【0016】
冷房運転の場合は、冷媒は四方弁の切り替えによって暖房運転と逆の流れをする。圧縮機で圧縮されて高温高圧になった冷媒は室外熱交換器を流れる。室外熱交換器を流れる高温高圧の冷媒は、送風機によって送風された外気と熱交換することによって放熱する。室外熱交換器を通過して放熱した冷媒は室内機側膨張弁によって減圧され、減圧された冷媒は室内熱交換器を流れる。室内熱交換器を流れる冷媒は、室内ファンによって送風された室内の空気と熱交換し吸熱する。室内熱交換器を流れる冷媒によって吸熱された室内の空気は冷却される。吸熱した冷媒は圧縮機に戻り、再び高温高圧に圧縮される。
【0017】
次に、
図1に基づいて空気調和機1の制御構成の概略を示す。空気調和機1は外部電源6と接続する室内機2を備え、外部電源6によって室内機2および室外機3に電力が供給され、空気調和機1は稼働する。リモコン5は、図示しない操作ボタンとしての運転ボタン、停止ボタン、温度設定ボタンを備えて、室内機2と送受信可能であり、操作ボタンの操作によって、室内機2に対して空調運転を指示する。リモコン5と室内機2の送受信は、無線によって行われるが、有線であっても構わない。無線による通信は、赤外線によって行われるが、ブルートゥース(登録商標)などによって行われても構わない。
【0018】
室内機2は、外部電源6に設けられたコンセント7に接続されるプラグ14を備えており、プラグ14がコンセント7に接続されている状態で空気調和機1に電力が供給される。プラグ14はコンセント7に対して抜き差しが可能である。プラグ14がコンセント7に対して差し込まれていれば、空気調和機1の電源接続状態が接続状態となり、プラグ14がコンセント7に対して抜かれていれば空気調和機1の電源接続状態が断状態となる。そのため、外出時、または、長期の間、空気調和機1を利用しないような場合は、プラグ14をコンセント7から抜くことによって、待機電力として空気調和機1が消費する電力の削減を行うことができる。
【0019】
室内機2は、室内機2からリモコン5へ信号(情報)を送信するための室内機送信部13と、プラグ14がコンセント7に差し込まれているかどうか、すなわち、室内機2に外部電源6が接続されているかどうかの電源接続状態を検知する電源接続検知手段10を備えている。電源接続検知手段10は、AC電圧検出部11と蓄電手段としての電源保持用コンデンサ12を備えており、AC電圧検出部11が、プラグ14がコンセント7に差し込まれているかどうかの電源接続状態を実際に検知する。AC電圧検出部11が電源接続状態の断状態または接続状態を検知した場合は、電源接続検知手段10は、断状態または接続状態を示す信号を室内機送信部13へ送信する。また、室内機2は、リモコン5から送信される信号を受信するための図示しない室内機受信部を備えている。
【0020】
電源保持用コンデンサ12は、プラグ14がコンセント7に差し込まれている状態において、外部電源6から供給される電力を蓄えており、停電時やプラグ14がコンセント7から抜かれた状態においても、電源接続検知手段10や図示しない室内機制御手段などに電力が供給されるようになっている。AC電圧検出部11は、プラグ14がコンセント7に対して差し込まれている、すなわち、空気調和機1の電源接続状態が接続状態であること、および、プラグ14がコンセント7に対して抜かれている、すなわち、空気調和機1の電源接続状態が断状態であること、を検知する。尚、本実施形態では、蓄電手段として電源保持用コンデンサ12を用いたが、蓄電手段は電源保持用コンデンサ12ではなく、乾電池などのバッテリであっても構わない。
【0021】
リモコン5は、室内機2から送信される信号(情報)を受信するためのリモコン受信部20、リモコン受信部20で受信した情報を記憶する記憶手段21、記憶手段21に記憶された情報の有無を検知すると共に後述する報知手段22へ報知を指示するリモコン制御手段23、記憶手段21に記憶された情報を報知する報知手段22、指定した時刻に空気調和機1の運転を開始させるタイマ運転の開始時刻を設定するタイマ25を、備えている。また、リモコン5は、室内機2へ信号を送信するための図示しないリモコン送信部を備えている。
【0022】
次に、プラグ14がコンセント7に対して抜かれた場合の空気調和機1の動作について説明する。プラグ14がコンセント7に対して抜かれる場合として、利用者が待機電力として空気調和機1が消費する電力の削減を目的として、例えば、冷房運転を行なう期間と暖房運転を行う期間の間の期間である運転停止期間にプラグ14を抜く場合、外出時に不在となるためプラグ14を抜く場合、または、室内機2が設置された部屋を長時間使用しないためにプラグ14を抜く場合などがある。
【0023】
プラグ14がコンセント7から抜かれると、電源接続検知手段10のAC電圧検出部11が、プラグ14が抜かれたことを検知する。AC電圧検出部11が、プラグ14が抜かれたことを検知すると、電源接続検知手段10は電源保持用コンデンサ12に蓄えられた電力を用いて、電源接続状態が断状態となったことを示す電源断検知情報を室内機送信部13へ送信する。室内機送信部13は、電源接続検知手段10から送信された電源断検知情報をリモコン受信部20へ送信する。リモコン受信部20は、室内機送信部13から送信された電源断検知情報を記憶手段21へ送信し、記憶手段21は、室内機送信部13から送信された電源断検知情報を記憶する。
【0024】
一方、プラグ14がコンセント7から抜かれた後に、プラグ14がコンセント7に差し込まれた場合、AC電圧検出部11は、プラグ14がコンセント7に差し込まれたことを検知する。AC電圧検出部11が、プラグ14がコンセント7に差し込まれたことを検知すると、電源接続検知手段10は、外部電源6の電力を用いて、電源接続状態が接続状態となったことを示す電源接続検知情報を室内機送信部13へ送信する。室内機送信部13は、電源接続検知手段10から送信された電源接続検知情報をリモコン受信部20へ送信する。リモコン受信部20は、室内機送信部13から送信された電源接続検知情報を記憶手段21へ送信し、記憶手段21は、室内機送信部13から送信された電源接続検知情報を受信した場合は、既に記憶されている電源断検知情報を消去する。
【0025】
利用者により、空調運転の開始に関する操作としてリモコン5の運転ボタンが操作された場合、リモコン制御手段23は、記憶手段21に電源断検知情報が記憶されているかどうかを確認し、記憶手段21に電源断検知情報が記憶されている場合は、報知手段22に対して電源接続状態が断状態であることを報知するよう指示する。電源接続状態が断状態であることを報知するよう指示を受けた報知手段22は、電源接続状態が断状態であることを音声により報知する。
【0026】
報知の方法は音声によるものではなく図示しない表示手段などに表示する方法であっても構わない。また、報知の方法は一回に限らず、間隔を置いて複数回報知する態様でも構わない。また、本実施形態では、リモコン5によって空調運転の開始に関する操作がされた場合に、リモコン制御手段23は、電源接続状態が断状態であることを報知するよう報知手段22に指示するが、記憶手段21が室内機送信部13から送信された電源断検知情報を記憶した際に、リモコン制御手段23は、電源接続状態が断状態であることを報知するよう報知手段22に指示する態様でも構わない。その場合、報知が音声で行われていれば、例えば、リモコン5の所在が不明であった場合には、プラグ14を抜くことによってリモコン5の所在を確認することができる。
【0027】
本実施形態の空気調和機1は、利用者によりプラグ14がコンセント7から抜かれた場合、リモコン5の報知手段22により、プラグ14がコンセント7から抜かれている状態であること、すなわち、電源接続状態が断状態であることを報知する。従って、例えば、プラグ14をコンセント7から抜いた利用者とは異なる他の利用者が、空調運転の開始に関する操作として、リモコン5の運転ボタンをONにしても空気調和機1は稼働しないが、リモコン5の報知手段22が、プラグ14がコンセント7から抜かれている状態であること報知するため、他の利用者が空気調和機1は故障していると誤解してしまうようなことを防ぐことができる。
【0028】
リモコン5は、インターネットを介して室内機2と送受信可能な端末装置、例えば、スマートフォンなどであっても構わない。インターネットを介して室内機2と送受信可能なスマートフォンを用いることによって、外出先から空調運転の開始を操作できる。外出する際に、利用者が待機電力として空気調和機1が消費する電力の削減を目的としてプラグ14をコンセント7から抜いて外出し、外出先から、空調運転の開始に関する操作として、スマートフォンにより後述するタイマ運転を設定した場合、既に、電源接続検知手段10は、電源接続状態が断状態となったことを示す電源断検知情報を室内機送信部13へ送信し、室内機送信部13は、電源接続検知手段10から送信された電源断検知情報を、操作装置としてのスマートフォンのリモコン受信部20へ送信しているため、記憶手段21に電源断検知情報が記憶されている。従って、利用者が外出先から、スマートフォンを用いて空調運転の開始に関する操作をした場合、リモコン制御手段23は報知手段22に対して電源接続状態が断状態であることを報知するよう指示する。これにより、利用者は外出先からプラグ14がコンセント7から抜かれていることを把握することができる。そのため、例えば、自宅でペットなどを飼っている場合には、すぐに帰宅してプラグ14をコンセント7に差し込むことによって、ペットが空調されていない環境で長い間放置されることを未然に防ぐことができる。
【0029】
次に、タイマ運転を行う場合について説明する。リモコン5は、空調運転の開始時刻を設定するタイマ25を備え、指定した時刻に空気調和機1の運転を開始させるタイマ運転が可能である。尚、タイマ25は、空調運転の開始時刻だけでなく、開始時期(日時)についても設定可能であり、例えば、6月1日の午前11時から冷房運転を開始させるといった設定も可能である。設定した開始時刻になると、リモコン制御手段23は空調運転の開始に関する操作としての空調運転指令を室内機2側へ送信し、空調運転指令を受けた室内機2は空調運転を開始する。
【0030】
リモコン制御手段23は、空調運転の開始に関する操作としての空調運転指令を室内機2側へ送信する前に、記憶手段21に電源断検知情報が記憶されているかどうかを確認し、記憶手段21に電源断検知情報が記憶されている場合は、報知手段22に対して電源接続状態が断状態であることを報知するよう指示する。例えば、タイマ25により空調運転の開始日時(例えば、6月1日の午前11時)が設定された場合、リモコン制御手段23は、空調運転の開始日時である6月1日の午前11時になると、空調運転の開始に関する操作としての空調運転指令を室内機2側へ送信するが、その前に、リモコン制御手段23は、記憶手段21に電源断検知情報が記憶されているかどうかを確認し、記憶手段21に電源断検知情報が記憶されている場合は、報知手段22に対して電源接続状態が断状態であることを報知するよう指示する。これにより、利用者がプラグ14をコンセント7に差し込むと、室内機2の電源接続検知手段10は、電源接続状態が接続状態となったことを検知し、電源接続状態が接続状態となったことを示す電源接続検知情報をリモコン5に送信する。電源接続検知情報の信号を受信したリモコン5はタイマ運転開始の指令を室内機2側へ送信し、タイマ運転を開始することができる。
【0031】
本実施形態では、リモコン5がタイマ運転の開始の指示を行っているが、リモコン5ではなく、室内機2がタイマ運転の開始の指示を行っても構わない。その場合、室内機2が図示しない室内機側のタイマを備えており、リモコン5から指示された空調運転の開始時刻を、室内機側のタイマで設定し、室内機側のタイマで設定された運転開始時刻になるとタイマ運転が開始される。タイマ運転が開始される際に、プラグ14がコンセント7から抜かれているとタイマ運転は開始できないが、プラグ14がコンセント7から抜かれた場合、上記したように、室内機2からリモコン5へ電源接続状態が断状態となったことを示す電源断検知情報が送信され、記憶手段21に電源断検知情報が記憶されているため、リモコン制御手段23は報知手段22に対して電源接続状態が断状態であることを報知するよう指示する。従って、利用者は、プラグ14がコンセント7に差し込まれていないことを把握することができるので、プラグ14をコンセント7に差し込むことによって、タイマ運転を開始することができる。尚、空調運転の開始に関する操作には、リモコン5の運転ボタンが操作される場合、リモコン5を用いてタイマ運転を設定する場合、タイマ運転により空調運転指令が室内機2側へ送信される場合が含まれる。
【0032】
次に他の実施形態として、最初の実施形態に示した発明を利用した実施形態について説明ずる。
図2は、他の実施形態である空気調和機100の自動運転の制御ブロック構成図である。尚、最初の実施形態に係る空気調和機1と共通する構成については、同じ符号を示す。
【0033】
空気調和機100は、暖房運転と冷房運転とのいずれかの運転モードを切り替えて実行すると共に、利用者が冷房運転を行なう期間と暖房運転を行う期間の間の期間である運転停止期間に、運転停止期間に入る前に運転した運転モードと異なる運転モードによる試運転を自動的に実施することができる。
【0034】
室外機3は、外気温を検出する外気温検出部30を備えている。操作装置としてのリモコン50は、冷房運転を行なう期間と暖房運転を行う期間の間の期間である運転停止期間に、運転停止期間に入る前に運転した運転モードと異なる運転モードによる試運転を自動的に実施する自動試運転手段としての自動試運転監視部26を備え、自動試運転監視部26は、運転停止期間内であることを検出する運転停止期間検出部27と、空気調和機100が所定の時間(例えば、10日間)だけ未操作であることを検出する未操作検出部28とを備えている。ここで、空気調和機100が所定の時間だけ未操作であることとは、例えば、空気調和機1を運転させる操作が連続して例えば10日間行なわれないことをいう。運転停止期間検出部27は、暖房時においては、気温が上昇して外気温検出部30で検出した気温が平均気温閾値以上になったとき、冷房時においては、気温が下降して外気温検出部30で検出した気温が平均気温閾値未満になったときを運転停止期間内であると判断する。未操作検出部28は、所定の時間だけ空気調和機100の運転が停止されている、つまり、所定の期間未操作であることを検出する。記憶手段21には、図示しない室内機制御手段が前回運転した運転モードが記憶されている。
【0035】
自動試運転監視部26は、運転停止期間検出部27によって運転停止期間内であることが検出され、かつ、未操作検出部28によって空気調和機100が所定の時間だけ未操作であることを検出された場合に、記憶手段21に記憶されている前回運転した運転モードと反対の運転モードで試運転を行うための指示をリモコン制御手段23に送信し、リモコン制御手段23は室内機2へ前回運転した運転モードと反対の運転モードで試運転を行うための指示を送信する。リモコン制御手段23は、室内機2へ前回運転した運転モードと異なる運転モードで試運転を行うための指示を送信する際に、記憶手段21に電源断検知情報が記憶されている場合、電源接続状態が断状態となっていることを報知するよう報知手段22に指示する。
【0036】
他の実施形態に係る発明によれば、試運転を自動的に実施することができる空気調和機において、待機電力削減として空気調和機1が消費する電力の削減を目的として、利用者が運転停止期間内にプラグ14をコンセント7から抜いていたとしても、電源接続状態が断状態となっていることを報知するので、利用者がプラグ14をコンセント7に差し込むことによって、自動試運転が実施されなくなってしまうことを未然に防ぐことができる。
【0037】
以上、限られた数の実施形態を参照しながら説明したが、権利範囲はそれらに限定されるものではなく、上記の開示に基づく実施形態の改変は、当業者にとって自明のことである。
1…空気調和機、2…室内機、3…室外機、4…冷媒配管、5…リモコン(操作装置)、6…外部電源、7…コンセント、10…電源接続検知手段、11…AC電圧検出部、12…電源保持用コンデンサ(蓄電手段)、13…室内機送信部、14…プラグ、20…リモコン受信部、21…記憶手段、22…報知手段、23…リモコン制御手段、24…バッテリ、25…タイマ、26…自動試運転監視部、27…運転停止期間検出部、28…未操作検出部、30…外気温検出部