(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022119063
(43)【公開日】2022-08-16
(54)【発明の名称】活動報告情報共有装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/20 20120101AFI20220808BHJP
【FI】
G06Q50/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021016035
(22)【出願日】2021-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】515203631
【氏名又は名称】ユニファ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104776
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100119194
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 明夫
(72)【発明者】
【氏名】西川 具亨
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC34
(57)【要約】
【課題】 個人及び/又は集団の活動に関する資料に用いる画像を効率良く整理し活用できる活動報告情報共有装置、及びプログラムを提供する。
【解決手段】
個人及び/又は集団の活動を記録すると共に、活動の記録を、個人及び/又は集団の属する団体内、及び/又は、団体内外で共有するための活動報告情報を作成し管理する活動報告情報共有装置100が、被写体を撮影した画像を記録するための処理を行う画像管理部111と、1又は2以上の前記画像及び任意のコメントからなるイベントを示すイベント情報を記録するための処理を行うイベント管理部112と、1又は2以上の前記イベントからなるストーリーを示すストーリー情報を記録するための処理を行うストーリー管理部113と、を備え、ストーリー情報が、0又は1以上の他のストーリーへの参照を示す参照情報を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人及び/又は集団の活動を記録すると共に、該活動の記録を、前記個人及び/又は前記集団の属する団体、及び/又は、前記団体の内外で共有するための活動報告情報を作成し管理するための活動報告情報共有装置であって、
被写体を撮影した画像を記録するための処理を行う画像記録部と、
1又は2以上の前記画像及び任意のコメントからなるイベントを示すイベント情報を記録するための処理を行うイベント記録部と、
1又は2以上の前記イベントからなるストーリーを示すストーリー情報を記録するための処理を行うストーリー記録部と、
前記ストーリー情報を含む前記活動報告情報を作成し、該活動報告情報を、前記団体、及び/又は、前記団体の内外で共有可能な状態とする活動報告情報共有部とを備えたことを特徴とする活動報告情報共有装置。
【請求項2】
前記活動報告情報が、前記画像と、前記イベント情報と、前記ストーリー情報のいずれか一又は二以上を含むことを特徴とする、請求項1に記載の活動報告情報共有装置。
【請求項3】
前記ストーリー情報は、他の前記ストーリーへの参照、及び/又は、他のイベントへの参照、を示す参照情報を含み、
前記活動報告情報共有部は、前記参照情報に示された前記他のストーリー、及び/又は、前記参照情報に示された前記他のイベントを、前記団体、及び/又は、前記団体の内外で共有可能な状態とすることを特徴とする、請求項1又は2に記載の活動報告情報共有装置。
【請求項4】
コンピュータを請求項1~3のいずれかに記載の活動報告情報共有装置として機能させる、コンピュータ読み取り可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人及び/又は集団の活動に関する資料に用いる画像を効率良く整理することができる活動報告情報共有装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
保育園その他の児童福祉施設における観察記録の作成を支援する情報システムとして、例えば特許文献1の幼児の行動記録システムが知られている。この幼児の行動記録システムは、予め設定した所定のフォームに従って幼児毎の行動記録を編集するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
保育園その他の児童福祉施設では、日ごとの児童の活動内容等を記録した保育日誌や、月単位、年単位における児童の指導計画書、その他の資料を作成する業務が行われている。昨今、保育士の不足が社会問題として取り上げられており、保育士が作成する上記資料の作成を情報システムによって効率的に支援することが求められている。
【0005】
上記の保育日誌、指導計画書その他の資料は、保育する児童の活動に基づいて作成されるものであるが、文字だけの情報で記録したり情報の共有や活動の検討を行おうとしても、記録に多大な労力を要し、また詳細な内容を記録したり共有したりすることは難しい。そして、上記特許文献1に記載の発明は、保育士等の利用者が全ての情報を文字情報で入力し、記録・活用するものであるため、資料の作成を行う保育園の保育士や保育園に、煩雑な作業を強いてしまい、また、作成された資料に基づいて詳細な情報を共有したり活用したりすることが難しいという問題がある。
【0006】
この発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、保育園における保育日誌や指導計画書のような、個人及び/又は集団の活動に関する資料に用いる画像を効率良く整理し活用できる活動報告情報共有装置、及びプログラムを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するために、請求項1の発明に係る活動報告情報共有装置は、個人及び/又は集団の活動を記録すると共に、該活動の記録を、前記個人及び/又は前記集団の属する団体、及び/又は、前記団体の内外で共有するための活動報告情報を作成し管理するための活動報告情報共有装置であって、被写体を撮影した画像を記録するための処理を行う画像記録部と、1又は2以上の前記画像及び任意のコメントからなるイベントを示すイベント情報を記録するための処理を行うイベント記録部と、1又は2以上の前記イベントからなるストーリーを示すストーリー情報を記録するための処理を行うストーリー記録部と、前記ストーリー情報を含む前記活動報告情報を作成し、該活動報告情報を、前記団体、及び/又は、前記団体の内外で共有可能な状態とする活動報告情報共有部とを備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記活動報告情報が、前記画像と、前記イベント情報と、前記ストーリー情報のいずれか一又は二以上を含むことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成に加え、前記ストーリー情報は、他の前記ストーリーへの参照、及び/又は、他のイベントへの参照、を示す参照情報を含み、前記活動報告情報共有部は、前記参照情報に示された前記他のストーリー、及び/又は、前記参照情報に示された前記他のイベントを、前記団体、及び/又は、前記団体の内外で共有可能な状態とすることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、コンピュータ読み取り可能なプログラムであって、コンピュータを請求項1~3のいずれかに記載の活動報告情報共有装置として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の構成によれば、個人及び/又は集団の活動を、被写体を撮影した画像と、当該撮影した画像を1又は2以上含み、かつ、任意のコメントを合わせたイベントと、当該イベントを1又は2以上含み、かつ、0又は1以上のストーリーへの参照を含むストーリーの3段階の管理単位により管理する。また、前記ストーリー情報を含む活動報告情報を作成し、活動報告情報を、団体、及び/又は、団体の内外で共有可能な状態とする。この構成により、本発明に係る活動報告情報共有装置は、個人及び/又は集団の活動に関する資料に用いる画像を効率良く整理し活用できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施の形態に係る活動報告情報共有装置の全体的な構成を概念的に示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る活動報告情報共有装置における主要な論理データ構造を概念的に示すER図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係る画像、イベント、ストーリーを模式的に示す概念図である。
【
図4】本発明の実施の形態に係るストーリーやイベント相互間をリンクで結合させた状態を模式的に示す概念図である。
【
図5】本発明の実施の形態に係る、保育士の操作と活動報告情報共有装置の処理手順を模式的に示す図である。
【
図6】本発明の実施の形態に係る活動報告画面の構成を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0014】
[全体構成]
図1は、本発明の実施の形態に係る活動報告情報共有装置100全体の構成を概念的に示すブロック図である。なお、本実施の形態における活動報告情報共有装置100は、「団体」としての保育園の、園児の活動を記録する装置である。活動を記録する対象は、個々の園児でも良いし、複数人の園児が属するクラスやグループその他の集団でもよい。
【0015】
本実施の形態における活動報告情報共有装置100は、後述する利用者端末200に所定のサービスを提供するサーバである。本実施の形態において、活動報告情報共有装置100は、「画像記録部」としての画像管理部111と、「イベント記録部」としてのイベント管理部112と、「ストーリー記録部」としてのストーリー管理部113と、「活動報告情報共有部」としての活動報告管理部114と、「活動報告情報共有部」としての活動報告表示部115と、データベース120を備えている。
【0016】
本実施の形態における活動報告情報共有装置100は、周知のサーバ用コンピュータを用いて構成されている。本実施の形態では、コンピュータの二次記憶装置に所定のサービスを提供するプログラムが予め記憶されており、当該プログラムをメモリにロードしてCPUが実行することにより、当該コンピュータを活動報告情報共有装置100として機能させるものである。なお、活動報告情報共有装置100は、保育園や保育園の委託業者内にサーバシステムとして設置されていてもよいし、ネットワーク300上の多数のハードウェア資源を用いたクラウドシステムのような態様で構成されていてもよい。
【0017】
画像管理部111は、被写体を撮影した映像を記録する。本実施の形態では、後述するデータベース120に映像が記録される。画像管理部111に記録される画像は静止画でも動画でもよい。なお、画像管理部111は、周知の画像認識技術や画像解析技術を用いて、画像に含まれる人物や建物等を認識し、認識された人物名や建物名を属性情報として自動的に画像に付加する構成を備えていてもよい。もちろん、これらの属性情報は利用者の手動操作で画像に付加される構成でもよい。
【0018】
本実施の形態における活動報告情報共有装置100は、個人及び/又は被写体の活動を管理する単位として、「イベント」及び「ストーリー」という2つの情報を備えている。イベントは、1又は2以上の映像と、任意のコメントからなる情報であり、ストーリーは、1又は2以上のイベントと、0又は1以上の(後述する「リンク」によって関連付けられた)他のストーリーからなる情報である。
【0019】
前述のとおり、本実施の形態における活動報告情報共有装置100は保育園における園児の活動を記録する装置である。また、活動報告情報共有装置100は、記録した園児の活動に基づいて、保育園内(例えば園児の保育を担当する保育士と保育園管理者)のような団体の内部において、あるいは、保育士や保育園管理者と保護者との間のような団体の内外において、ネットワークコンピュータシステムを介したコミュニケーションを行うための装置である。活動報告情報共有装置100は、保育中の園児の変化や進展、或いは、行事における園児の行動を、1又は2以上の映像と任意のコメントによりイベントとして記録するために用いられる。また、活動報告情報共有装置100は、1又は2以上のイベントをストーリーとして管理することで、保育園における資料作成にイベントやストーリー単位で映像を使用するものである。前述のように、本実施の形態におけるストーリーは1又は2以上のイベントに加えて、0又は1以上のストーリーを含めることができる構成である。
【0020】
なお、本実施の形態の「イベント」や「ストーリー」の内容は後で詳述する。
【0021】
イベント管理部112は、前述の管理単位であるイベントを示すイベント情報を後述するデータベース120に記録する機能と、記録したイベント情報を、活動報告管理部114の要求に基づいてデータベース120から抽出して活動報告管理部114に送る機能等を備える。なお、本実施の形態において、一のイベントにどの映像が含まれるかは、後述する利用者端末200を介して利用者が指定する構成であるが、例えば、周知の画像認識技術を用いて、同一人物が撮影されている映像からイベントを生成するようにしてもよい。
【0022】
また、イベント管理部112は、周知の画像認識技術や画像解析技術を用いて、イベントを構成する画像に含まれる人物や建物等を認識したり、イベントを構成するコメントとしてのテキストから周知の文字認識技術を用いてキーワードを抽出したりすることや、認識された人物名や建物名やキーワード等を属性情報として自動的にイベントに付加する構成を備えていてもよい。もちろん、これらのキーワード抽出や属性情報の付加は利用者の手動入力で行われる構成であってもよい。
【0023】
ストーリー管理部113は、前述の管理単位であるストーリーを示すストーリー情報を後述するデータベース120に記録する機能と、記録したストーリー情報を、活動報告管理部114の要求に基づいてデータベース120から抽出して活動報告管理部114に送る機能等を備える。本実施の形態では、一のストーリーは1又は2以上のイベントと、0又は1以上の他のストーリーへの参照から構成されており、ストーリーに含まれるイベント及び他のストーリーは、当該イベント及び他のストーリーの順序とともに、ストーリー情報として記録される。
【0024】
なお、ストーリー管理部113は、周知の画像認識技術や画像解析技術を用いて、ストーリーを構成する画像に含まれる人物や建物等を認識したり、ストーリーを構成するコメントとしてのテキストから周知の文字認識技術を用いてキーワードを抽出したりすることや、認識された人物名や建物名や抽出されたキーワード等を属性情報として自動的にストーリーに付加する構成を備えていてもよい。もちろん、これらの属性情報は利用者の手動入力でストーリーに付加される構成であってもよい。
【0025】
活動報告管理部114は、所定の記録単位における個人及び/集団の活動を活動報告情報(例えば保育士の作成する日誌、週案、月案や、保育士と保護者とでネットワーク300を介して交信される連絡帳など)として後述するデータベース120に記録する機能と、記録した活動報告情報を、活動報告管理部114の要求に基づいてデータベース120から抽出して活動報告表示部115に送る機能等を備える。
【0026】
本実施の形態に置ける活動報告情報は、例えば一週間や一か月等の所定の記録単位における個人及び/集団の活動に基づく報告を行う際に用いる情報である。具体的には、活動報告情報は例えば下記(例1)~(例3)に例示するものが考えられる。
(例1)日誌:保育士がその日の保育を記録する帳票で、保育士間での情報共有、および行政からの監査時に用いる。週単位や月単位で記録する帳票などでもよい。
(例2)週案/月案:保育園内で用いられる、週ごと、月ごとなど、近い将来の保育園全体や各クラスごとの指導計画。日ごとの指導計画でもよい。
(例3)連絡帳:保育士と保護者とで共用される、保育や園児の日々の状況等を保育士と保護者とで相互に連絡するためのツール。
【0027】
活動報告管理部114は、活動報告情報を作成する際に、所定の条件に基づいて自動的に、あるいは利用者端末200における利用者の手動操作に基づいて、画像管理部111やイベント管理部112やストーリー管理部113にデータベース120に記録された画像、イベント、ストーリーの探索を行わせたり、探索結果を取得して活動報告情報に挿入して活動報告情報を作成したり、探索結果を活動報告表示部115に送って利用者端末200に表示させたりする機能を有する。
【0028】
なお、活動報告管理部114は、報告を行うために用いる情報のひな形のデータを管理し、利用者端末200からの要求に基づき、ひな形のデータをデータベース120から取得して利用者端末200に送信したり表示させたりしてもよい。また、活動報告管理部114は、利用者が利用者端末200から入力した情報(例えば、ひな形が、保育士が保育園に提出する日誌や週案や月案のひな形である場合、利用者端末200にテキスト入力された日誌や週案や月案に入力される文章の情報が該当する。)の解析(例えば文章認識技術による文章からのキーワードの抽出が該当する。)に基づいて、解析結果に適合するストーリーやイベントを記録されたストーリーやイベントから抽出して自動的に日誌や週案や月案のひな形に挿入するような構成を備えていてもよい。もちろん、ひな形に挿入するストーリーやイベントを利用者が手動操作で抽出してひな形に挿入する構成であってもよい。
【0029】
活動報告表示部115は、前述の活動報告管理部114により記録された活動報告情報や、活動報告管理部114が管理する活動報告情報のひな形や、活動報告管理部114が取得した画像、イベント、ストーリー等の情報を、後述する利用者端末200に表示する。活動報告表示部115による利用者端末200への情報の表示により、活動報告情報、ひな形、画像、イベント、ストーリー等を、保育園、及び/又は、保育園の内外(例えば保育士と保護者)とで共有可能な状態とすることができる。
【0030】
データベース120は、活動報告情報共有装置100が管理する情報を格納する。本実施の形態における活動報告情報共有装置100では、データベース120としてRDBMS(リレーショナル・データベース・マネージメント・システム)を用いている。前述の画像管理部111~活動報告表示部115は、必要に応じてデータベース120に対して情報の格納、更新、削除、取得その他の操作を行う。
【0031】
なお、本実施の形態における活動報告情報共有装置100は、情報を格納するデータストアとして、前述のようにRDBMSを用いたデータベース120を備えているが、データを格納する手段としては周知の技術を適宜用いてよい。例えば、RDBMSに代えて、或いはこれと合わせて、活動報告情報共有装置100が備えるHDDその他のストレージ装置に情報を配置するようにしてもよい。
【0032】
前述のとおり、本実施の形態における活動報告情報共有装置100はサーバ用途のコンピュータを用いて構成されているが、活動報告情報共有装置100に用いるコンピュータは適宜選択してよい。例えば、活動報告情報共有装置100として一般的なパーソナル・コンピュータを用いてよいし、或いは、タブレット・コンピュータ等の端末を用いて活動報告情報共有装置100を構成するようにしてもよい。活動報告情報共有装置100のハードウェア的な構成は、活動報告情報共有装置100に要求される性能、耐久性、信頼性その他に応じて任意に変更してよい。
【0033】
また、本実施の形態における活動報告情報共有装置100は、一台のサーバ用コンピュータを用いて構成されているが、活動報告情報共有装置100を二台以上のコンピュータにより構成するようにしてもよい。例えば、活動報告情報共有装置100を、画像管理部111~活動報告表示部115を備えるコンピュータと、データベース120を備えるコンピュータから構成するようにしてもよい。
【0034】
活動報告情報共有装置100を配置する場所についても、後述するネットワーク300を介して利用者端末200と通信が可能であればよく、例えばデータセンタ等の遠隔地に配置してもよい。
【0035】
活動報告情報共有装置100を二台以上のコンピュータにより構成する場合に、当該二台以上のコンピュータが同一の場所に配置されている必要はなく、また、利用者端末200と直接通信を行わないコンピュータが含まれている場合に、活動報告情報共有装置100を構成するコンピュータ群がLAN(ローカルエリアネットワーク)に接続されると共に、利用者端末200と通信するコンピュータをネットワーク300に接続するよう構成してもよい。
【0036】
利用者端末200は、後述するネットワーク300を介して活動報告情報共有装置100と通信するクライアント端末である。本実施の形態に置ける利用者端末200は、個人及び/又は集団の活動を静止画や動画の画像として撮影するカメラ201及び音声として録音するマイク202、表示手段及び操作手段として機能するタッチパネルディスプレイとしてのディスプレイ203を備えている。
【0037】
利用者端末200は、前述したように、個人及び/又は集団の活動を画像として撮影する装置を備える周知のコンピュータを用いて構成することができる。本実施の形態における利用者端末200は、スマートフォンやタブレットPCのような携帯端末を用いて構成している。
【0038】
ネットワーク300は、活動報告情報共有装置100と利用者端末200を通信可能に接続するネットワークである。本実施の形態におけるネットワーク300は、活動報告情報共有装置100と利用者端末200が使用するプロトコルによる通信が可能であれば、例えばインターネット等の広域ネットワークであってもよいし、局所的なローカル・エリア・ネットワーク(LAN)であってもよい。また、有線ネットワークであってもよいし、無線ネットワークでもよいし、これらを組み合わせたネットワークであってもよい。
【0039】
以上が、本実施の形態における活動報告情報共有装置100全体の構成である。次いで、本実施の形態における、活動報告情報共有装置100がデータベース120に記録する情報の構成について説明する。
【0040】
図2は、本実施の形態における、データベース120に格納される主要な情報の論理構成を示すER(エンティティ・リレーションシップ)図である。
図2で示すように、本実施の形態におけるデータベース120は、主要な情報として、画像エンティティE100と、イベントエンティティE200と、イベント・画像交差エンティティE300と、ストーリーエンティティE400と、ストーリー交差エンティティE500を備えている。
【0041】
画像エンティティE100は、前述の画像管理部111により記録された画像を示すエンティティである。画像エンティティE100の主要な属性として、画像を一意に識別する画像ID E101と、撮影者E102と、撮影日時E103と、画像のデータ形式を判別する画像種別E104と、画像のデジタルデータE105を備えている。
【0042】
イベントエンティティE200は、1又は2以上の画像と任意のコメントからなる情報の管理単位であるイベントを示すエンティティである。本実施の形態におけるイベントエンティティE200は、主要な属性として、イベントを一意に識別するイベントID E201と、イベント名E202と、イベント作成者E203と、イベント作成日時E204と、コメントE205を備えている。
【0043】
前述の通り、本実施の形態におけるイベントは、1又は2以上の画像と、任意のコメントからなる情報の管理単位である。イベントと1又は2以上の画像は、イベント・画像交差エンティティE300によって紐づけられる。
【0044】
イベント・画像交差エンティティE300は、イベントと画像の紐づきを示すエンティティであり、主要な属性として、紐づけられるイベントを一意に識別するイベントID E301と、紐づけられる画像を一意に識別する画像ID E302を備えている。イベント・画像交差エンティティE300により、イベントエンティティE200と画像エンティティE100は1対1~Nの関係で紐づけられる。また、イベントエンティティE200は属性としてコメントE205を備えており、一のイベントは、1又は2以上の画像と任意のコメントから構成される。なお、本実施の形態では、一のイベントは必ず1又は2以上の画像と紐づけられるが、いずれのイベントにも紐づけられない画像が存在し得るようにデータベース120が構成されている。
【0045】
ストーリーエンティティE400は、1又は2以上のイベントからなる情報の管理単位であるストーリーを示すエンティティである。本実施の形態におけるストーリーエンティティE400は、主要な属性として、ストーリーを一意に識別するストーリーID E401と、ストーリー名E402と、ストーリー作成者E403と、ストーリー作成日時E404を備えている。
【0046】
前述のように、本実施の形態におけるストーリーは、1又は2以上のイベントからなる情報の管理単位であり、かつ、0又は1以上の他のストーリーへの参照を含む構成である。当該構成を本実施の形態において示すエンティティがストーリー交差エンティティE500である。
【0047】
ストーリー交差エンティティE500は、主要な属性として、ストーリーを一意に識別するストーリーID E501と、順序E502と、当該ストーリー交差エンティティE500が、ストーリーに含まれるイベントを示すか、或いは、他のストーリーへの参照を示すかを判別する参照種別E503と、ストーリーに含まれるイベントを一意に識別する包含イベントID E504と、ストーリーが参照する他のストーリーを一意に識別する参照ストーリーID E505を備えている。
【0048】
本実施の形態では、ストーリーエンティティE400とストーリー交差エンティティE500が1対1~Nの関係で紐づけられるとともに、当該1~N個のストーリー交差エンティティE500には、必ず1個以上のイベントエンティティE220を包含するストーリー交差エンティティE500が存在するように構成される一方で、他のストーリーエンティティE400への参照を示すストーリー交差エンティティは存在していてもよいし、存在しなくてもよいように構成される。この構成により、本実施の携帯では、一のストーリーが1又は2以上のイベントと、0又は1以上の他のストーリーへの参照を備える情報としてデータベース120に記録される。
【0049】
また、ストーリー交差エンティティE500は属性として「順序情報」としての順序E502を備えており、一のストーリーと紐づけられるイベント及び他のストーリーは、当該順序E502により順序付けられている。
【0050】
なお、本実施の形態では、一のストーリーが0又は1以上のストーリーへの参照を有するが、当該参照先のストーリーとして自身のストーリーを設けることはできないように構成されている。すなわち、ストーリーエンティティE400と紐づくストーリー交差エンティティE500がストーリーへの参照を示す場合において、当該ストーリー交差エンティティE500のストーリーID E501と、参照ストーリーID E505は必ず異なる値となるように構成されている。
【0051】
また、本実施の形態では、ストーリーに含まれるイベントと、ストーリーが参照する他のストーリーの双方をストーリー交差エンティティE500により示しているが、データベース120をどのように構成するかは任意であり、例えば、ストーリーに含まれるイベントを示すエンティティと、ストーリーが参照する他のストーリーを示すエンティティを別個に設けるようにしてもよい。また、各エンティティ間の紐づきの制限は、データベース120の制約やトリガその他の機能を用いて実現してもよいし、イベント管理部112やストーリー管理部113のプログラムによって実現してもよい。
【0052】
[画像とイベントとストーリーの関係]
図3は、本実施の形態における画像と、イベントと、ストーリーとの関係、及び、後述するステップS5の処理を模式的に示す概念図である。以下、
図3に基づいて、本実施の形態の画像と、イベントと、ストーリーとの関係について詳述する。なお、
図3に示されたステップS5の内容は後述するのでここでは説明しない。
【0053】
[画像]
図3の(a)(b)に示す本実施の形態の画像400は、例えばスマートフォンのカメラやデジタルカメラで撮影した画像等である。画像400には静止画も動画も含まれ、いわゆる2D画像や3D画像等のコンピュータグラフィックスも含まれる。具体的には、画像400は、例えば保育園の保育士が園庭で遊ぶ園児を撮影した静止画や動画、また、保護者が自宅で食事をする自分の子供を撮影した静止画や動画、等が該当する。
【0054】
[イベント]
図3の(a)(b)に示す、本実施の形態のイベント500は、画像400に所定の属性情報が付加されたものである。具体的には、
図3に模式的に示すように、画像400(例えば園児が保育園の園庭で遊んでいる画像)に、人為的又は自動的に入力されたテキストのコメント600(保育士や保護者が「〇〇ちゃん、そとで元気にあそんでいるね。」等、園児の状況や個人の感想等を手動でテキスト入力したコメント)が付加されたものがイベント500に該当する。
【0055】
また、図示しないが、画像400に、自動的に付加された、画像の撮影日時や撮影場所、画像に写った被写体の人物の氏名や建物等の名称など、各種の属性情報が付加されたものがイベント500に該当する。なお、イベント500を構成する属性情報には、撮影時にカメラ(スマートフォンのカメラ等。図示せず。)が自動的に画像に付加する撮影日時の情報、イベント管理部112が画像解析の機能等によって自動的に付加する、写っている園児の氏名の情報等、前述のコメント以外の属性情報も含まれる。
【0056】
[ストーリー]
図3の(a)(b)に示す、本実施の形態のストーリー700は、上述のイベント500を用いて事象や現象等を表すための情報をいう。本実施の形態のストーリー700は、n個(n≧1)のイベント500
1,500
2,・・・500
nを関連付けて形成したものによって構成される。
図3の(a)(b)には、n個(n≧1)の画像400
1,400
2,・・・400
n、n個(n≧1)のコメント600
1,600
2,・・・600
n、によってイベント500
1,500
2,・・・500
nが形成され、それらのイベント500
1,500
2,・・・500
nが1のストーリー700を形成している状態を示している。
【0057】
本実施の形態のストーリー700は、例えば下記<第1のストーリー>や、<第2のストーリー>のようなもの(いずれも図示せず)が考えられる。
【0058】
<第1のストーリー:下記「第1のイベント」「第2のイベント」を関連付けたもの>
・第1のイベント:男の子が棚によじ登ろうとしている静止画の画像400に「棚によじ登ろうとしていたAくん。(危ない・・・!)」というコメント600がテキスト入力されたもの。
・第2のイベント:男の子の手と保育士の手で子供用の靴を持っている状態の静止画の画像400に「見守ってみると、実は友達のために、棚の上の靴を取ろうとしていたんだ!」というコメント600がテキスト入力されたもの。この画像400は、第1のイベントの画像400の撮影後に撮影されたものである。
・備考:第1のストーリーは、第1のイベントと第2のイベントに付加された属性情報(例えば、撮影日情報、撮影時間帯情報、被写体情報など)を用いて(例えば、撮影日が同じ、撮影時間帯が同じ、被写体の園児が同じ、という条件などを用いて)、ストーリー管理部113が第1のイベントと第2のイベントを自動的に関連付けて作成してもよいし、第1のイベントや第2のイベントを構成する画像400を撮影した保育士が、手動操作で第1のイベントと第2のイベントを関連付けて作成してもよい。
【0059】
<第2のストーリー:下記「第3のイベント」「第4のイベント」を関連付けたもの>
・第3のイベント:保育園の園庭に「うんどうかい」の看板が掲げられた静止画の画像400に「リレーで転んで負けてしまい、落ち込むヒヨコ組のみんな。」というコメント600がテキスト入力されたもの。
・第4のイベント:保育園の園庭で3人の園児が走っている動画の画像400に「でも、当日までみんなで協力して頑張っていたんだよ。」というコメント600がテキスト入力されたもの。この画像400は、第3のイベントの画像400の撮影前に撮影されたものである。
・備考:第2のストーリーも、第1のストーリーと同様、属性情報(例えば、撮影日の情報、撮影時間帯の情報など)を用いて、ストーリー管理部113が第1のイベントと第2のイベントを自動的に関連付けて作成してもよいし、第3のイベントや第4のイベントを構成する画像400を撮影した保育士が、手動操作で第3のイベントと第4のイベントを関連付けて作成してもよい。
【0060】
なお、本実施の形態において、作成されたストーリー700には属性情報が付加される。このストーリー700の属性情報は、テキスト入力されたストーリー700の名称、ストーリー700の作成日時、ストーリー700を構成するイベント500の属性情報の一部又は全部、等が考えられる。なお、ストーリー700の属性情報は、ストーリーの作成者が手動入力したものでもよいし、ストーリー管理部113が自動的に作成したものでもよい。
【0061】
[リンク]
図4は、本実施の形態のストーリーとイベントと「参照情報」としてのリンクとの関係を模式的に示す概念図である。本実施の形態におけるリンクとは、1以上のデータを相互に関連付けるためのデータをいい、通常は異なる複数のデータ同士を関連付けるが、1のデータを自ら関連付けるもの(この事例は本実施の形態で図示せず)でもよい。本実施の形態では、リンクは、データとしてのストーリー700やイベント500を関連付けの対象とする。
【0062】
図4には、ストーリー700
1(イベント500
1,500
2,500
3,500
4を含む)、ストーリー700
2(イベント500
5,500
6を含む)、ストーリー700
3(イベント500
7,500
8を含む)、ストーリー700
4(イベント500
9,500
10を含む)、ストーリー700
5(イベント500
11,500
12を含む)、ストーリー700
6(イベント500
13,500
14を含む)、が、リンク900
1,900
2,900
3,900
4,900
5で関連付けられた状態を模式的に示している。
【0063】
本実施の形態のリンク900
1~900
5には下記「第1」「第2」の2種類がある。
・第1:複数のストーリー同士を関連付けるリンク。
図4に示す、ストーリー700
1,700
2を関連付けるリンク900
1、ストーリー700
1,700
3を関連付けるリンク900
2がこれに該当する。
・第2:ストーリーと別のストーリー内に含まれたイベントとを関連付けるリンク。
図4に示す、イベント500
3とストーリー700
4を関連付けるリンク900
3、イベント500
4とストーリー700
5を関連付けるリンク900
4,ストーリー700
6と、ストーリー700
1に含まれたイベント500
2とを関連付けるリンク900
5、がこれに該当する。
【0064】
本実施の形態のリンク9001~9005は、関連性のあるストーリー7001~7006やイベント5001~50014の間に設定される。この関連性は、予め設定された所定の条件(例えば、名称やコメントのテキスト中に同じキーワードが含まれるもの、イベント5001~50014やストーリー7001~7006相互間に、概念的な関連性の高さに依存して数値で設定された遠近度情報が所定の値以上あるいは所定の値以下であるもの、同じ日時や近似した日時に撮影された画像を含むもの、同じ被写体が写った画像を含むもの、等)に基づいて、イベント管理部112が自動的に設定してもよいし、ストーリー7001~7006やイベント5001~50014の作成者が手動入力で設定してもよい。
【0065】
図示はしないが、本実施の形態におけるそれぞれのストーリー700
1~700
6に含まれるイベント500
1~500
14、たとえば、
図4のストーリー700
1に含まれるイベント500
1~500
5、ストーリー700
2に含まれるイベント500
8,500
8・・・、ストーリー700
1に含まれるイベント500
9~500
10・・・、も、図示せぬリンクによって関連付けられている。
【0066】
本実施の形態のリンク9001~9005は、関連付ける設定を行ったストーリー7001~7006同士、あるいはストーリー7001~7006とイベント5009~50010・・・、との一方又は双方の探索を容易に行うことを可能とする。
【0067】
例えば、ある特定のストーリー、例えばストーリー7001が指定された状態(例えばストーリー7001が利用者端末200のディスプレイ203に画像表示された状態)でリンク9001が指定されると、リンク9001によってストーリー7001に関連付けられたストーリー7002が探索されて、このストーリー7002がストーリー7001と併せてディスプレイ203に画像表示される。
【0068】
同様に、例えばストーリー7006が指定された状態(例えばストーリー7006が利用者端末200のディスプレイ203に画像表示された状態)でリンク9005が指定されると、リンク9005によってストーリー7006に関連付けられた(ストーリー7001に含まれる)イベント5002が探索されて、このイベント5002がストーリー7006と併せてディスプレイ203に画像表示される。
【0069】
上述の例において探索されたストーリー7002やイベント5002は、どのような態様でディスプレイ203に画像表示されてもよい。例えば、ストーリー7002やイベント5002は、元々ディスプレイ203に表示されていたストーリー7001やストーリー7006と並置された画像として、あるいはストーリー7001やストーリー7006と重ねて表示されたポップアップ(図示せず)上に画像表示されてもよい。また例えば、ストーリー7002やイベント5002は、サムネイルとしてディスプレイ203に表示されてもよい。
【0070】
なお、本実施の形態のリンク900
1~900
5は、一方向のみの探索(例えば、
図4においてリンク900
1~900
5に示された矢印方向のみの探索、すなわち、ストーリー700
6がディスプレイ203に表示された状態でリンク900
1を指定することでストーリー700
2を指定しディスプレイ203に表示させる探索がこれに該当する。)を行えるものでもよいし、双方向の探索(例えば、
図4において、ストーリー700
3がディスプレイ203に表示された状態でリンク900
1を指定することでストーリー700
1を指定しディスプレイ203に表示させる探索も行える態様がこれに該当する。)を行えるものでもよい。
【0071】
また、図示しないが、本実施の形態のリンク900
1~900
5は、3つ以上のストーリーやイベントを関連付ける構成(例えば、
図4においてリンク900
1がストーリー700
2とストーリー700
3とを関連付ける構成や、リンク900
1がストーリー700
2と(ストーリー700
3の中の)イベント500
9とを関連付ける構成、など。)ものであってもよい。また、本実施の形態のリンク900
1~900
5の探索は、ストーリー管理部113や活動報告管理部114の自動処理によって行われてもよいし、利用者端末200のディスプレイ203に表示されたリンク900
1~900
5の選択用アイコン(図示せず)が利用者の手動操作で選択されることで行われてもよい。
【0072】
なお、以下は説明の簡単のため、特に区別の必要がある場合を除き、画像4001,4002,・・・400n、イベント5001,5002,・・・50014、コメント6001,6002,・・・600n、ストーリー7001,7002,・・・7006、リンク9001,9002,・・・9005はそれぞれ画像400、イベント500、コメント600、ストーリー700、リンク900と記載する。
【0073】
[ストーリーやリンクを設定することの作用効果]
本実施の形態において、ストーリー700を作成したりリンク900を設定したりすることにより、以下の作用効果を奏することが考えられる。
【0074】
まず、ストーリー700を保育園内や保育園・保護者相互間などのコミュニケーションツールに活用することで、園児の保育状況や成長の状況について、微細な事項や見落とされがちな事項まで伝達したり情報を共有したりすることが容易になる。すなわち、画像400の組み合わせと画像400の状況を説明するテキストのコメント600を組み合わせることで、園児に起こる小さな変化や進展、行事の舞台裏の頑張り等の事象を可視化し、わかりやすい形で他者に伝達することを容易に行えるようになる。
【0075】
また、ストーリー700やイベント500にリンク900を設定することにより、利用者が端末の操作等によって一のストーリー700や一のイベント500を選択したときに、イベント管理部112の処理等により、そのストーリー700やそのイベント500にリンク900が設定された、関連性の高い他のストーリー700や他のイベント500を容易に抽出できる。これにより、イベント500やストーリー700を複数用いつつ、園児に起きる変化や進展などの事象をより詳細でわかりやすい形で他者に伝えることが可能となる。
【0076】
なお、上記の画像400、イベント500、ストーリー700、リンク900は例示であり、それらが上記の例示のみの構成に限定されることを意味するものではない。
【0077】
[処理手順]
図5は、本実施の形態の活動報告情報共有装置100の利用者としての保育士の行動と、行動に伴う活動報告情報共有装置100の処理手順を示す概念図である。
図5は左から右に向かって時間の経過を示し、保育士は活動報告情報共有装置100を用いて日誌W100を作成する。また、同図の一番左に示された(1)~(4)は、(1)保育士の行動の段階、(2)保育士の行動の内容、(3)行動が行われる時間や頻度、(4)行動の内容と活動報告情報共有装置100の処理手順、を示す。また、同図の(S1)~(S6)は、上記(1)~(4)に依存して行われる、利用者の活動報告情報共有装置100に対する操作と活動報告情報共有装置100の処理手順を示し、(S1)~(S6)は、以下のステップS1~ステップS6に対応する。
【0078】
以下、同図を参酌して活動報告情報共有装置100の処理手順を説明する。なお、
図5における保育士による日誌W100の作成は、活動報告情報共有装置100の利用態様の一例であり、活動報告情報共有装置100を用いるのは園児の保護者であってもよいし、活動報告情報共有装置100が日誌W100の作成以外の用途、例えば保護者の日記の作成や、保育士と保護者とが共用する連絡帳の作成等であってもよい。
【0079】
まず、保育士が日常の保育の中で園児の変化や成長に気づいたとき、保育士が所持する第1の利用者端末200(スマートフォン)のカメラ201で園児を静止画や動画の画像400として撮影する(ステップS1)。保育士は、撮影した画像400を第1の利用者端末200から第2の利用者端末210(タブレット)に送り、第2の利用者端末210のタッチパネル211を用いて、画像400に写った園児に関する状況や気づいたことを、コメント600としてテキスト入力する。これにより、撮影された画像400に基づくイベント500が作成される(ステップS2)。
【0080】
保育士は、園児の午睡時間帯や日誌W100の記録時に、毎日、作成したイベントを第3の利用者端末220(パーソナル・コンピュータ)に送る。利用者は、第3の利用者端末220のディスプレイに日誌作成画面(図示せず)を開き、この日誌作成画面(図示せず)においてイベント500を登録する。具体的には、作成されたイベント500は、利用者端末220から活動報告情報共有装置100に送信されて記録される。
【0081】
イベント500の記録に際し、活動報告情報共有装置100のイベント管理部112は必要な属性情報をイベント500に付加する。付加される属性情報は、例えば、画像400を撮影した保育士の氏名、撮影された日時や場所、コメント600から抽出されたキーワード情報、画像400に写った園児の氏名、等が該当する。なお、付加される属性情報は保育士が手動入力で付加してもよい。
【0082】
イベント管理部112に複数のイベント500が記録されたのち、保育士は随時(例えば週に2~3回)、記録されたイベント500に基づいてストーリー700を作成する(ステップS4)。具体的には、保育士は、イベント管理部112に記録されたイベント500を複数抽出し、それらを関連付けてストーリー700を生成する。生成されたストーリー700はストーリー管理部113に記録される。
【0083】
ストーリー700の記録に際し、活動報告情報共有装置100のストーリー管理部113は必要な属性情報をイベント500に付加する。なお、付加される属性情報は保育士が手動入力で付加してもよい。また、ストーリー700の記録に際し、ストーリー管理部113は、生成されたストーリー700と、予め設定されたリンク設定条件に適合する他のストーリー700や他のイベント500とをリンク900で関連付ける。また、ストーリー管理部113は、生成されたストーリー700に含まれるイベント500と、予め設定されたリンク設定条件に適合する他のストーリー700や他のイベント500との間もリンク900で関連付ける。なお、リンク900による関連付けは、保育士が手動操作で行ってもよい。
【0084】
ストーリーが生成されてストーリー管理部113に記録されたのち、保育士は、随時(例えば毎日)、保育園に保育記録を報告するための日誌W100を作成する(ステップS5)。
【0085】
図3の(a)に模式的に示すように、日誌W100の作成にあたり、活動報告情報共有装置100の活動報告管理部114は、保育士が利用者端末220から入力した日誌対象期間800(日誌の報告対象となる日。例えば、2021年2月1日の場合、開始日時T
1を「2021/02/01 00:00」とし、終了日時T
2を「2021/02/01 23:59」として設定される期間)の情報を取得する。
【0086】
図3の(b)に示すように、ストーリー管理部113は、この、開始日時T
1、終了日時T
2で特定される日誌対象期間800に該当する画像400、イベント500、ストーリー700を(画像管理部111、イベント管理部112、ストーリー管理部113によって)データベース120から抽出させ、利用者端末220のディスプレイ221に表示させる。この状態で、利用者端末220のディスプレイ221には、日誌W100のひな形W110と、
図3の(a)に例示するような、日誌W100に用いる画像400、イベント500、ストーリー700の候補が表示される。
【0087】
また、利用者端末220のディスプレイ221には、イベント管理部112が抽出した、日誌対象期間に該当するストーリー700やイベント500にリンク900で関連付けがされた他のストーリー700や他のイベント500が併せて表示されるように構成されていてもよい。
【0088】
なお、利用者端末220に表示される、日誌W100に用いるストーリー700やイベント500の候補は、保育士の手動操作で抽出されてもよい。
【0089】
図5に示すステップS1~S5までの処理により、活動報告管理部114は、
図6に模式的に示すような日誌W100を作成する。そして、活動報告表示部115は、作成された日誌W100を利用者端末200のディスプレイ221に表示させる。
【0090】
図6に示す日誌W100には、日誌W100の対象となる日時に起きた出来事等がテキスト入力され、また、ステップS5において抽出された、候補としてのストーリー700やイベント500のうち、保育士の手動操作や活動報告管理部114の処理(例えば、日誌W100のひな形W110に保育士が手動操作で入力したテキストを文字認識技術で解析してキーワードを抽出し、抽出されたキーワードに一致又は近似する属性情報を含むストーリー700やイベント500を選択し、選択されたストーリー700やイベント500を日誌W100のひな形W110中に埋め込む処理など)によって選択されたストーリー700が表示されている。
【0091】
日誌W100が完成し、保育士が利用者端末220から日誌W100のデータを活動報告情報共有装置100のデータベース120に記録すると、記録された日誌W100は他の保育士や保育園の管理者によってそれぞれの所持する利用者端末(図示せず)等によって閲覧が可能となる。保育士や保育園の管理者は、随時、日誌W100に埋め込まれたストーリー700からの発見を行うことも含め、対話を行いつつ、日誌W100に基づいた対話や協議を行う(ステップS6)。この、ステップS1~S6の手順が、活動報告情報共有装置100を用いる保育士や保育園の中で繰り返し行われることになる。
【0092】
[作成された日誌]
図6は、本実施の形態における活動報告情報共有装置100の活動報告管理部114において作成された、活動報告情報としての保育園の日誌W100(クラス日誌)を模式的に示す図である。この日誌W100は、表示態様の一例として、利用者端末220のディスプレイ221において表示された状態を示している。また、一例として、8月22日に、0歳児を保育する「ひよこ組」の担当保育士が、活動報告情報共有装置100を用いてクラス日誌として作成した日誌W100を示している。
【0093】
図6に示すように、日誌W100は、第1タイトルW101と、作成状態W102と、承認欄W103と、コメントW104と、第2タイトルW105と、画像欄W106と、記載事項欄W107と、備考欄W108と、指導計画欄W109を備えている。
【0094】
第1タイトルW101、及び、第2タイトルW105は、活動報告のタイトルが表示される項目であり、作成状態W102及び承認欄W103は、クラス日誌の作成の進捗と、当該進捗の各フェーズにおける承認の有無を表示する項目である。
【0095】
コメントW104は、作成した活動報告である日誌W100に対するコメントが表示されている。
【0096】
画像欄W106には、データベース120に記録された任意の画像400、イベント500、又はストーリー700がサムネイル表示される。画像欄W106は上記画像400、イベント500、又はストーリー700を任意に1又は2以上含むことができ、画像欄W106がイベント500又はストーリー700を含む場合には、当該イベント500又はストーリー700に含まれる画像400のサムネイル等が表示される。
【0097】
記載事項欄W107は、日誌W100を作成する保育士が記載した事項を表示する項目である。記載事項欄W107の備考欄W108は、該当日時(この場合は8月22日)の保育において起きた出来事や行ったこと等を保育士が利用者端末220からテキスト入力により記載する欄である。指導計画欄W109は、保育園の指針等により月ごとや週ごとに決められた指導計画が記載されて表示される欄である。
【0098】
図6の日誌W100は、画像欄W106に、画像400、コメント600を備えたイベント500を複数有するストーリー700がサムネイル表示されている。このストーリー700は、該当日時である8月22日という日時と、備考欄W108に保育士がテキスト入力した「午前中、クラス全員でお遊戯会の練習をした。」という記載と「8月22日(土)」という日誌対象日時の情報に基づき、活動報告管理部114がデータベース120から取得したものである。
【0099】
具体的には、活動報告管理部114は、保育士が利用者端末220から入力した日誌対象期間(
図3参照)について、開始日時T
1を「2021/08/21 00:00」とし、終了日時T
2を「2021/08/21 23:59」として、データベース120に記録された画像400、イベント500、ストーリー700を探索し、該当するストーリー700を抽出して画像欄W106に添付したものである。なお、ストーリー700は、利用者端末220上で保育士の手動操作で抽出されて画像欄W106に添付されたものであってもよい。
【0100】
本実施の形態に係る活動報告情報共有装置100は、個人及び/又は集団の活動を、被写体を撮影した画像400と、当該撮影した画像400を1又は2以上含み、かつ、任意のコメントを合わせたイベント500と、当該イベント500を1又は2以上含み、かつ、0又は1以上のストーリーへの参照を含むストーリー700の3段階の管理単位により管理する。この構成により、本実施の形態に係る活動報告情報共有装置100では、撮影した画像400を効率良く整理することができ、また、報告書その他の資料を作成する際において、撮影した画像400を効率よく使用して個人及び/又は集団の活動を資料内で表現できる。また、そのように作成した資料を保育園の園内や、保育園や保育士と保護者とに代表される保育園の内外で共有して情報の共有と活用に役立てることができる。これにより、個人及び/又は集団の活動に関する資料に用いる画像400を効率良く整理し活用できる。
【0101】
本実施の形態の説明は以上であるが、本発明の構成は上記実施の形態に限られるものではない。例えば、本実施の形態における活動報告情報共有装置100は「団体」としての保育園の「個人」及び/又は「集団」としての園児の活動を記録する装置であるが、活動を記録する対象であるはこれに限られない。例えば、「団体」が幼稚園、小学校、中学校等の教育機関で、「個人」及び/又は「集団」が園児、児童、生徒等であってもよいし、「団体」が企業や各種法人等で、「個人」及び/又は「集団」が社員、従業員、作業者、プロジェクトチーム等であってもよい。
【0102】
また、本実施の形態における利用者端末200はスマートフォンやタブレットPC等、カメラ201及びマイク202、ディスプレイ203を備えた携帯端末を用いているが、例えば、携帯端末に代えて、一般的な据え置き型のパーソナル・コンピュータと、デジタルカメラ等の撮影装置を組み合わせて利用者端末200としてもよい。同様に、利用者端末210,220を上記説明以外のスマートフォン、据え置き型のパーソナル・コンピュータ、タブレット等で構成してもよい。また、本発明に係る活動報告情報共有装置100の構成の一部を利用者端末200,210,220に設けてもよいし、活動報告情報共有装置100を、ネットワーク300を介したクライアント・サーバシステムではなくスタンドアロンのコンピュータシステムとして構成してもよい。
【0103】
その他の具体的な構成も本実施の形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0104】
100・・・活動報告情報共有装置
111・・・画像管理部(画像記録部)
112・・・イベント管理部(イベント記録部)
113・・・ストーリー管理部(ストーリー記録部)
114・・・活動報告管理部(活動報告情報共有部)
115・・・活動報告表示部(活動報告情報共有部)
120・・・データベース
200,210,220・・・利用者端末
300・・・ネットワーク
400,4001,4002,・・・400n・・・画像
500,5001,5002,・・・,50014,・・・,500n・・・イベント
600,6001,6002,・・・600n・・・コメント
700,7001,7002,・・・7006・・・ストーリー
900,9001,9002,・・・9005・・・リンク(参照情報)
E502・・・順序(順序情報)
W100・・・日誌(活動報告情報)