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特開2022-11910活性炭の再生方法及び活性炭の再生装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022011910
(43)【公開日】2022-01-17
(54)【発明の名称】活性炭の再生方法及び活性炭の再生装置
(51)【国際特許分類】
   B01J 20/34 20060101AFI20220107BHJP
   C01B 32/36 20170101ALI20220107BHJP
   C01B 32/39 20170101ALI20220107BHJP
   C01B 32/378 20170101ALI20220107BHJP
【FI】
B01J20/34 B
C01B32/36
C01B32/39
C01B32/378
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020113334
(22)【出願日】2020-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000175272
【氏名又は名称】三浦工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】505247867
【氏名又は名称】Jトップ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】大崎 和隆
(72)【発明者】
【氏名】松友 伸司
(72)【発明者】
【氏名】手嶋 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】仲喜 治一
【テーマコード(参考)】
4G066
4G146
【Fターム(参考)】
4G066AA05B
4G066GA04
4G066GA07
4G066GA08
4G066GA32
4G066GA39
4G146AA06
4G146AB01
4G146AD11
4G146AD33
4G146BD19
4G146CA06
4G146CA08
4G146CA09
4G146CA20
4G146DA05
4G146DA08
4G146DA23
4G146DA25
4G146DA27
4G146DA28
4G146DA46
(57)【要約】
【課題】活性炭を再生する際に用いる不活性ガスの使用量を従来よりも削減することが可能な活性炭の再生方法及び活性炭再生装置を提供する。
【解決手段】有機物が吸着した活性炭が充填された活性炭塔に不活性ガスを加熱して供給し、該加熱した不活性ガスを活性炭塔内に流通させるか、または、活性炭塔を直接加熱し、該加熱した活性炭塔内に不活性ガスを流通させて、活性炭を加熱し、再生する活性炭の再生方法であって、不活性ガス供給源から供給される不活性ガスを駆動流体とするエゼクタにより、活性炭塔から排出される不活性ガスの少なくとも一部を吸込んで、活性炭塔に循環し、活性炭の加熱に再利用する処理を実行する工程を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機物が吸着した活性炭が充填された活性炭塔に不活性ガスを加熱して供給し、該加熱した前記不活性ガスを前記活性炭塔内に流通させるか、または、前記活性炭塔を直接加熱し、該加熱した前記活性炭塔内に前記不活性ガスを流通させて、前記活性炭を加熱し、再生する活性炭の再生方法であって、
不活性ガス供給源から供給される不活性ガスを駆動流体とするエゼクタにより、前記活性炭塔から排出される前記不活性ガスの少なくとも一部を吸込んで、前記活性炭塔に循環し、前記活性炭の加熱に再利用する処理を実行する工程を有する、
活性炭の再生方法。
【請求項2】
前記活性炭を加熱し、再生する工程において、前記エゼクタに吸い込まれる前記不活性ガスに対し、前記エゼクタに吸い込まれる前段で、気体と液体とを分離する気液分離操作を施し、前記気体として分離された前記不活性ガスのみを前記エゼクタに吸い込んで、前記活性炭塔に循環し、前記活性炭の加熱に再利用する、
請求項1に記載の活性炭の再生方法。
【請求項3】
前記活性炭塔から排出される前記不活性ガスの少なくとも一部を吸込んで循環し、前記活性炭の加熱に再利用する処理の後に、
前記エゼクタによる前記不活性ガスの循環を停止すると共に、前記不活性ガス供給源から供給される不活性ガスのみを前記活性炭塔に対して供給する処理を実行する、
請求項1又は請求項2に記載の活性炭の再生方法。
【請求項4】
有機物が吸着した活性炭が充填された活性炭塔に不活性ガスを加熱して供給し、該加熱した前記不活性ガスを前記活性炭塔内に流通させて、前記活性炭を加熱し、再生する活性炭の再生方法であって、
前記不活性ガスの噴射部が前記活性炭の充填層の内部に位置する不活性ガス供給配管によって、前記不活性ガスが、前記活性炭の充填層の内部に直接供給される加熱工程を有し、
前記不活性ガス供給配管は、前記噴射部として、前記不活性ガスが前記活性炭の充填層内部を流れる方向と略垂直方向に延びる不活性ガス噴射管を有し、前記不活性ガスは前記不活性ガス噴射管において前記活性炭塔の不活性ガス排出口のある方向に噴射される活性炭の再生方法。
【請求項5】
前記不活性ガス噴射管は、前記活性炭塔の不活性ガス排出口と反対側に位置する前記活性炭の充填層の端面から不活性ガス排出口に向かって10%以内に位置する、請求項4に記載の活性炭の再生方法。
【請求項6】
有機物が吸着した活性炭が充填された活性炭塔に不活性ガスを加熱して供給し、該加熱した前記不活性ガスを前記活性炭塔内に流通させるか、または、前記活性炭塔を直接加熱し、該加熱した前記活性炭塔内に前記不活性ガスを流通させて、前記活性炭を加熱し、再生する活性炭の再生方法であって、
不活性ガス供給源から供給される不活性ガスを駆動流体とするエゼクタにより、前記活性炭塔から排出される前記不活性ガスの少なくとも一部を吸込んで、前記活性炭塔に循環し、前記活性炭の加熱に再利用すると共に、
前記不活性ガスの噴射部が前記活性炭の充填層の内部に位置する不活性ガス供給配管によって、前記不活性ガスが、前記活性炭の充填層の内部に直接供給される加熱工程を有し、
前記不活性ガス供給配管は、前記噴射部として、前記不活性ガスが前記活性炭の充填層内部を流れる方向と略垂直方向に延びる不活性ガス噴射管を有し、前記不活性ガスは前記不活性ガス噴射管において前記活性炭塔の不活性ガス排出口のある方向に噴射される活性炭の再生方法。
【請求項7】
前記不活性ガスは水蒸気である、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の再生方法。
【請求項8】
前記加熱工程において、前記活性炭に供給される不活性ガスの温度が、100℃以上600℃以下となるように、前記不活性ガスが加熱される、請求項7に記載の再生方法。
【請求項9】
活性炭を収容する活性炭塔と、
前記活性炭塔に不活性ガスを供給する供給ラインと、
前記供給ラインに配置され、前記活性炭塔に供給される不活性ガスを加熱する加熱手段、または、前記活性炭塔を直接加熱する加熱手段と、
前記活性炭塔から不活性ガスを排出する排出ラインと、
前記排出ラインから排出される前記不活性ガスの少なくとも一部を前記供給ラインに循環させる循環ラインと、
不活性ガス供給源から供給される不活性ガスを駆動流体とすると共に、前記活性炭塔から排出される前記不活性ガスの少なくとも一部を吸込んで、前記活性炭塔に循環するエゼクタと、を備える、活性炭の再生装置。
【請求項10】
活性炭を収容する活性炭塔と、
前記活性炭塔に不活性ガスを供給する供給ラインと、
前記供給ラインに配置され、前記活性炭塔に供給される不活性ガスを加熱する加熱手段と、
前記活性炭塔から不活性ガスを排出する排出ラインと、
前記不活性ガスの噴射部が前記活性炭の充填層の内部に位置する、不活性ガス供給配管と、を備え、
前記不活性ガス供給配管は、前記噴射部として、前記不活性ガスが前記活性炭の充填層内部を流れる方向と略垂直方向に延びる不活性ガス噴射管を有し、前記不活性ガスは前記不活性ガス噴射管において前記活性炭塔の不活性ガス排出口のある方向に噴射される、活性炭の再生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性炭の再生方法及び活性炭の再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、有機物が吸着した活性炭を再生させる方法として、活性炭を収容した活性炭塔に蒸気等の加熱ガスを供給して活性炭を加熱し、吸着した有機物を脱着したり活性炭を再賦活したりする方法が用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1は、吸着材として活性炭を含む吸着素子に吸着された有機物質を脱着するため、吸着素子に高温の加熱ガスを通流させる水処理装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-55712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、加熱ガスとして不活性ガスを用いて活性炭を再生する場合、当該活性炭の再生装置のランニングコストのうちガス代が占める割合が大きく、その使用量の削減が望まれている。
【0006】
本発明は、活性炭を再生する際に用いる不活性ガスの使用量を従来よりも削減することが可能な活性炭の再生方法及び活性炭再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、有機物が吸着した活性炭が充填された活性炭塔に不活性ガスを加熱して供給し、該加熱した前記不活性ガスを前記活性炭塔内に流通させるか、または、前記活性炭塔を直接加熱し、該加熱した前記活性炭塔内に前記不活性ガスを流通させて、前記活性炭を加熱し、再生する活性炭の再生方法であって、不活性ガス供給源から供給される不活性ガスを駆動流体とするエゼクタにより、前記活性炭塔から排出される前記不活性ガスの少なくとも一部を吸込んで、前記活性炭塔に循環し、前記活性炭の加熱に再利用する処理を実行する工程を有する、活性炭の再生方法に関する。
【0008】
また、前記活性炭を加熱し、再生する工程において、前記エゼクタに吸い込まれる前記不活性ガスに対し、前記エゼクタに吸い込まれる前段で、気体と液体とを分離する気液分離操作を施し、前記気体として分離された前記不活性ガスのみを前記エゼクタに吸い込んで、前記活性炭塔に循環し、前記活性炭の加熱に再利用することが好ましい。
【0009】
また、前記活性炭塔から排出される前記不活性ガスの少なくとも一部を吸込んで循環し、前記活性炭の加熱に再利用する処理の後に、前記エゼクタによる前記不活性ガスの循環を停止すると共に、前記不活性ガス供給源から供給される不活性ガスのみを前記活性炭塔に対して供給する処理を実行することが好ましい。
【0010】
また、本発明は、有機物が吸着した活性炭が充填された活性炭塔に不活性ガスを加熱して供給し、該加熱した前記不活性ガスを前記活性炭塔内に流通させて、前記活性炭を加熱し、再生する活性炭の再生方法であって、前記不活性ガスの噴射部が前記活性炭の充填層の内部に位置する不活性ガス供給配管によって、前記不活性ガスが、前記活性炭の充填層の内部に直接供給される加熱工程を有し、前記不活性ガス供給配管は、前記噴射部として、前記不活性ガスが前記活性炭の充填層内部を流れる方向と略垂直方向に延びる不活性ガス噴射管を有し、前記不活性ガスは前記不活性ガス噴射管において前記活性炭塔の不活性ガス排出口のある方向に噴射される活性炭の再生方法に関する。
【0011】
また、前記不活性ガス噴射管は、前記活性炭塔の不活性ガス排出口と反対側に位置する前記活性炭の充填層の端面から不活性ガス排出口に向かって10%以内に位置することが好ましい。
【0012】
また、本発明は、有機物が吸着した活性炭が充填された活性炭塔に不活性ガスを加熱して供給し、該加熱した前記不活性ガスを前記活性炭塔内に流通させるか、または、前記活性炭塔を直接加熱し、該加熱した前記活性炭塔内に前記不活性ガスを流通させて、前記活性炭を加熱し、再生する活性炭の再生方法であって、不活性ガス供給源から供給される不活性ガスを駆動流体とするエゼクタにより、前記活性炭塔から排出される前記不活性ガスの少なくとも一部を吸込んで、前記活性炭塔に循環し、前記活性炭の加熱に再利用すると共に、前記不活性ガスの噴射部が前記活性炭の充填層の内部に位置する不活性ガス供給配管によって、前記不活性ガスが、前記活性炭の充填層の内部に直接供給される加熱工程を有し、前記不活性ガス供給配管は、前記噴射部として、前記不活性ガスが前記活性炭の充填層内部を流れる方向と略垂直方向に延びる不活性ガス噴射管を有し、前記不活性ガスは前記不活性ガス噴射管において前記活性炭塔の不活性ガス排出口のある方向に噴射される活性炭の再生方法に関する。
【0013】
また、前記不活性ガスは水蒸気であることが好ましい。
【0014】
また、前記加熱工程において、前記活性炭に供給される不活性ガスの温度が、100℃以上600℃以下となるように、前記不活性ガスが加熱されることが好ましい。
【0015】
また、本発明は、活性炭を収容する活性炭塔と、前記活性炭塔に不活性ガスを供給する供給ラインと、前記供給ラインに配置され、前記活性炭塔に供給される不活性ガスを加熱する加熱手段、または、前記活性炭塔を直接加熱する加熱手段と、前記活性炭塔から不活性ガスを排出する排出ラインと、前記排出ラインから排出される前記不活性ガスの少なくとも一部を前記供給ラインに循環させる循環ラインと、不活性ガス供給源から供給される不活性ガスを駆動流体とすると共に、前記活性炭塔から排出される前記不活性ガスの少なくとも一部を吸込んで、前記活性炭塔に循環するエゼクタと、を備える、活性炭の再生装置に関する。
【0016】
また、本発明は、活性炭を収容する活性炭塔と、前記活性炭塔に不活性ガスを供給する供給ラインと、前記供給ラインに配置され、前記活性炭塔に供給される不活性ガスを加熱する加熱手段と、前記活性炭塔から不活性ガスを排出する排出ラインと、前記不活性ガスの噴射部が前記活性炭の充填層の内部に位置する、不活性ガス供給配管と、を備え、前記不活性ガス供給配管は、前記噴射部として、前記不活性ガスが前記活性炭の充填層内部を流れる方向と略垂直方向に延びる不活性ガス噴射管を有し、前記不活性ガスは前記不活性ガス噴射管において前記活性炭塔の不活性ガス排出口のある方向に噴射される、活性炭の再生装置に関する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、活性炭を再生する際に用いる不活性ガスの使用量を従来よりも削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1実施形態に係る活性炭の再生装置の構成を示す図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る活性炭の再生装置において、活性炭塔内の温度センサの設置個所を示す図である。
図3】従来技術に係る活性炭の再生装置での加熱試験における使用蒸気量と温度変化との関係を示すグラフである。
図4】本発明の第1実施形態に係る活性炭の再生装置での加熱試験における使用蒸気量と温度変化との関係を示すグラフである。
図5】本発明の第2実施形態に係る活性炭の再生装置に含まれる活性炭塔の構成を示す図である。
図6】従来技術に係る活性炭の再生装置に含まれる活性炭塔の構成を示す図である。
図7】本発明の第2実施形態に係る活性炭の再生装置での加熱シミュレーションにおける使用蒸気量と温度変化との関係を示すグラフである。
図8】従来技術に係る活性炭の再生装置での加熱シミュレーションにおける使用蒸気量と温度変化との関係を示すグラフである。
図9A】本発明の実施形態に係る活性炭塔の加熱手段の構成を示す図である。
図9B】本発明の実施形態に係る活性炭塔の加熱手段の構成を示す図である。
図9C】本発明の実施形態に係る活性炭塔の加熱手段の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
〔1 第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態である活性炭再生装置1について、図1図4を参照しながら説明する。
【0020】
〔1.1 実施形態の構成〕
図1は、本実施形態に係る活性炭再生装置1の構成を示す。活性炭再生装置1は、活性炭を収容する活性炭塔2と、上流側が不活性ガス供給源に接続され、活性炭塔2に不活性ガスを供給する不活性ガス供給ラインL1と、活性炭塔2から排出される不活性ガスが流通する不活性ガス排出ラインL2と、不活性ガス排出ラインL2を流通する不活性ガスの一部を不活性ガス供給ラインL1に循環させる循環ラインL3と、循環ラインL3と不活性ガス供給ラインL1との接続部分に配置され、循環ラインL3を流通する不活性ガスを吸込流体とし、不活性ガス供給源から供給される不活性ガスを駆動流体とするエゼクタ3と、上流側が循環ラインL3に接続される凝縮液排出ラインL4と、を備える。
【0021】
活性炭塔2は、活性炭を収容し、当該活性炭を用いたろ過により、原水に含まれる有機物を吸着ろ過する。なお、以降では、活性炭塔2を「ろ過塔2」とも呼称する。
【0022】
なお、この活性炭塔2としては、活性炭を収容でき、水や200℃以上の流体を流通させることができるものであれば特に限定されないが、活性炭の加熱効率を上げるため、ヒータ等の加熱機器や熱流体の供給配管、或いは金属棒等の熱伝導体を内包した固定床式でもよいし、ロータリーキルン等の流動床式であってもよい。或いは、複数の細管に活性炭を分割収容してモジュール化して一つのろ過塔とし、細管の外部からヒータや熱流体で活性炭を間接加熱できるようにしてもよい。また、当該活性炭塔2は、逆洗機構や通水方向の切替機能を備えているとよい。更に、このような活性炭塔2を並列又は直列で2塔以上設置した上でその他の構成部品を共通化し、適宜ラインを切替えて通水や再生のタイミングにおいて、メリーゴーランド方式等の時間差を設けて運用してもよい。
【0023】
図9A図9Cは、上記のように、活性炭塔2を直接加熱する方法の例を示す図である。例えば、図9Aに示すように、活性炭塔2の中に、枝分かれした加熱管23とスーパーヒータ24を設置し、当該スーパーヒータ24で、枝分かれした加熱管23を介して活性炭塔2の中に充填された活性炭25を加熱してもよい。
【0024】
或いは、図9Bに示すように、活性炭塔2の中に、セラミックヒータ、ハロゲンヒータ等の赤外線ヒータ26を設置すると共に、活性炭25の周囲を、アルミ等の赤外線反射材27で包囲することにより、活性炭塔2の中に充填された活性炭25を加熱してもよい。
【0025】
或いは、図9Cに示すように、活性炭25が充填された細管28に面ヒータ29を巻き付けたものをモジュール化し、このモジュール30と、給水・蒸気・処理水・廃蒸気の分配/集水部31とで活性炭塔2を構成することにより、活性炭25を加熱してもよい。
【0026】
或いは、図示はしないが、マイクロ波加熱や高周波誘電加熱により、活性炭塔2に充填された活性炭を加熱してもよい。
【0027】
活性炭塔2が、ヒータ等の加熱機器や金属棒等の熱伝導体を内包する場合、或いは、モジュール化した細管の外部からヒータや熱流体で活性炭を間接加熱する場合には、活性炭塔2を直接加熱することになり、不活性ガスの供給において不活性ガスを予め加熱しておかなくてもよく、不活性ガス供給ラインL1上に、後述のヒータ5等の不活性ガスを加熱する加熱手段を設置しなくてもよい。
【0028】
更に、当該活性炭塔2は、吸光度やpH、電気伝導度、温度、色度、濁度、臭気、表面張力、TOC、トレーサー等の監視システムを備えることにより、給水や処理水、排蒸気や凝縮液を継続又は断続的に監視しながら、各処理に移行するタイミングや、各処理の温度や時間等の処理条件をフィードバック制御できるようにしてもよい。
【0029】
また、この「活性炭」の種類としては特に限定されることはないが、比較的大きい細孔を多く有する活性炭は、有機物の吸脱着が容易となる。例えば、JIS K 1474 に規定されているメチレンブルー吸着能が250mL/g以上、更により好ましくは300mL/g以上の活性炭であることがより好ましい。
【0030】
この「活性炭」の原材料としては、流通性や汎用性の観点から、石炭、ヤシガラ、木材、繊維、樹脂が好ましく、再生後の微粉炭発生を極力抑えられる観点から、靱性の高い石炭を原材料としたコール炭とヤシガラを原材料としたヤシガラ炭がより適している。
【0031】
この「活性炭」の形状としては、活性炭塔2での通水や再生ガスの圧損を抑え、逆洗時の良好な展開性や流出防止効果を得られる観点から、粒状活性炭が好ましく、平均粒径が0.5mm以上の粒状活性炭であることがより好ましい。
【0032】
また、2種類以上の活性炭や、アルミナやシリカゲル、ゼオライト等の活性炭以外の吸着体を多段に充填、或いは混合して、活性炭塔2に収容してもよい。
【0033】
不活性ガス供給ラインL1は、第1不活性ガス供給ラインL11と、第2不活性ガス供給ラインL12とを備え、第1不活性ガス供給ラインL11と、第2不活性ガス供給ラインL12との間にはエゼクタ3が配置される。
【0034】
第1不活性ガス供給ラインL11には、上流から順に、圧力調整弁4と、第1流量計FM1と、第1圧力センサPS1とが配置されるとよい。
【0035】
圧力調整弁4は、不活性ガス供給源から供給される不活性ガスG1の、エゼクタ3への供給圧力を調整する弁である。圧力調整弁4には、不活性ガス供給源の圧力が変動してもエゼクタ3への供給圧力を一定にできる機構が備わることが好ましく、具体的には、減圧弁や、第1圧力センサPS1や第1流量計FM1の値を読み込みながら自動で開度を調節する比例弁等が挙げられる。
【0036】
なお、この「不活性ガス」としては、600℃未満で活性炭を分解させないものであればよく、水蒸気や窒素、二酸化炭素、希ガス、ボイラや焼却施設等から排出される排ガス等が挙げられるが、ガス単価やガス純度の観点から水蒸気がより適している。
【0037】
第1流量計FM1は、第1不活性ガス供給ラインL11を流通する不活性ガスG1の流量を測定する装置である。第1流量計FM1は、制御装置(不図示)に電気的に接続されている。制御装置は第1流量計FM1の測定値に基づいて不活性ガスG1の流量情報を取得するとよい。
【0038】
第1圧力センサPS1は、エゼクタ3の駆動側圧力として、駆動流体である不活性ガスG1のエゼクタ3への供給圧力を測定する装置である。第1圧力センサPS1は、制御装置に電気的に接続されているとよい。制御装置は第1圧力センサPS1の測定値に基づいて、エゼクタ3の駆動側圧力情報を取得するとよい。
【0039】
エゼクタ3は、循環ラインL3を流通する不活性ガスG6を吸込流体とし、第1不活性ガス供給ラインL11を流通する不活性ガスG1を駆動流体として、不活性ガスG2を、第2不活性ガス供給ラインL12に吐出するエゼクタである。より詳細には、エゼクタ3は、圧力調整弁4により、エゼクタ3への供給圧力が調整されて、第1不活性ガス供給ラインL11を流通する不活性ガスG1の流れにより、循環ラインL3を流通する不活性ガスG6を吸い込み、両者を混合して、不活性ガスG2として第2不活性ガス供給ラインL12に吐出する。
【0040】
なお、エゼクタ3に吸い込まれる不活性ガスG6に対し、エゼクタ3に吸い込まれる前段で、気体と液体とを分離する気液分離操作を施し、気体として分離された不活性ガスのみをエゼクタ3に吸い込んでもよい。
【0041】
第2不活性ガス供給ラインL12には、上流から順に、第2圧力センサPS2と、第2流量計FM2と、ヒータ5とが配置されるとよい。
【0042】
第2圧力センサPS2は、エゼクタ3の吐出側圧力として、吐出流体である不活性ガスG2のエゼクタ3からの吐出圧力を測定する装置である。第2圧力センサPS2は、制御装置に電気的に接続されているとよい。制御装置は第2圧力センサPS2の測定値に基づいて、エゼクタ3の吐出側圧力情報を取得するとよい。
【0043】
第2流量計FM2は、第2不活性ガス供給ラインL12を流通する不活性ガスG2の流量を測定する装置である。第2流量計FM2は、制御装置に電気的に接続されているとよい。制御装置は第2流量計FM2の測定値に基づいて不活性ガスG2の流量情報を取得するとよい。
【0044】
ヒータ5は、第2不活性ガス供給ラインL12を流通する不活性ガスG2を加熱する装置である。ヒータ5は、好ましくは、不活性ガスG2の温度が、100℃以上600℃以下となるように、加熱する。
【0045】
ヒータ5として、具体的には、カートリッジヒータ、フランジヒータ、赤外線ヒータ、テープヒーター、セラミックヒータ等の直接加熱装置、又は、誘導加熱装置、誘電加熱装置、マイクロ波加熱装置等の間接加熱装置が挙げられる。また、ヒータ5に対し、過加熱を防止するための温度センサや温度ヒューズ等の安全装置を取り付けてもよい。ヒータ5の取付位置は、不活性ガスを加熱でき、且つ、不活性ガスの循環流路内であればどこでもよいが、放熱を少なくするため活性炭塔2の上流側でより近い位置、或いは活性炭塔2の内部であることが好ましい。また、ヒータ5として、複数の加熱器を設置してもよい。
【0046】
循環ラインL3は、接続部J1において、不活性ガス排出ラインL2に接続される。不活性ガス排出ラインL2を流通する不活性ガスの一部である不活性ガスG3が循環ラインL3を流通する。また、残部の不活性ガスG4が、不活性ガス排出ラインL2において、接続部J1よりも下流側を流通した後、系外に排出される。循環ラインL3には、上流から順に、開閉弁6と、逆止弁7と、第3圧力センサPS3とが配置されるとよいが、開閉弁6と逆止弁7の順序は逆でもよい。
【0047】
循環ラインL3の開閉弁6よりも上流の接続部J2において、循環ラインL3に対し、凝縮液排出ラインL4が接続される。活性炭再生装置1で循環する不活性ガスには、不活性ガスとして使用した水蒸気、或いは加熱によって活性炭上から気化した水分や有機成分が含まれ、循環する不活性ガスが放熱などによって冷やされると、これら水分や有機成分の一部は凝縮液として液化する。凝縮液排出ラインL4は、当該凝縮液を排出するラインである。凝縮液排出ラインL4には、気液分離操作を施す装置としての気液分離装置8が配置されるとよい。
【0048】
気液分離装置8は、循環ラインL3を流通する不活性ガスG3に含まれる低沸点成分が凝縮して生じた凝縮液G5を排出し、かつ気体としての不活性ガスの排出を防ぐ装置である。気液分離装置8としては、気液分離操作を施す装置として重力式や遠心式、表面張力式などの各種セパレータやスチームトラップを使用してもよい。
なお、気液分離装置8は凝縮液排出ラインL4と一体化されていてもよい。
【0049】
開閉弁6は、循環ラインL3での不活性ガスG6の流通を制御するために開閉される弁である。より詳細には、循環ラインL3を流通する不活性ガスG3のうちの一部は凝縮液G5として排出されるが、開閉弁6は、その残部である不活性ガスG6の流通を制御するために開閉される弁である。開閉弁6を開くことにより、不活性ガス排出ラインL2を流通する不活性ガスの一部である不活性ガスG6が、循環ラインL3を流通し、活性炭再生装置1の系内で不活性ガスが循環する。一方で、開閉弁6を閉じることにより、不活性ガスG6は、循環ラインL3を流通せず、活性炭再生装置1の系内での不活性ガスの循環は停止する。
【0050】
逆止弁7は、循環ラインL3での不活性ガスG6の逆流を防ぐ弁である。
【0051】
第3圧力センサPS3は、循環ラインL3において、逆止弁7よりも後段に配置される。第3圧力センサPS3は、不活性ガスG6のエゼクタ3への吸込圧力を、エゼクタ3の吸込側圧力として測定する装置である。第3圧力センサPS3は、制御装置に電気的に接続されているとよい。制御装置は第3圧力センサPS3の測定値に基づいて、エゼクタ3の吸込側圧力情報を取得するとよい。
【0052】
〔1.2 実施形態の動作〕
活性炭再生装置1においては、有機物が付着された活性炭が充填された活性炭塔2に不活性ガスを加熱して供給し、加熱した不活性ガスを活性炭塔2内に流通させるか、または、活性炭塔2を直接加熱し、加熱した活性炭塔2内に不活性ガスを流通させて活性炭を加熱することにより、活性炭を再生する。
【0053】
とりわけ、活性炭再生装置1は、循環ラインL3を備え、循環ラインL3には、活性炭塔2から排出される不活性ガスの一部が、不活性ガスG3として流通する。更に、循環ラインL3と、不活性ガス供給源から供給される不活性ガスG1が流通する第1不活性ガス供給ラインL11との接続箇所にエゼクタ3が配置され、エゼクタ3は、不活性ガスG1を駆動流体とすることで、循環ラインL3を流通する不活性ガスG6を吸い込み、両者を混合して、不活性ガスG2として第2不活性ガス供給ラインL12に吐出する。不活性ガスG2は、第2不活性ガス供給ラインL12を経由して、活性炭塔2に供給される。
【0054】
これにより、活性炭の加熱に用いられた不活性ガスの一部を循環させて再度活性炭の加熱に用いることで、活性炭を再生する際に用いる不活性ガスの使用量を削減することが可能となる。また、不活性ガスの一部を循環させる手段として、エゼクタ3を用いることにより、電気的に作動させるブロワやポンプなどによって不活性ガスを循環させる場合に比べて電源装置や電気代が不要となる。
【0055】
なお、活性炭塔2を直接加熱する場合には、不活性ガスの供給において不活性ガスを予め加熱しておかなくてもよく、第2不活性ガス供給ラインL12上に不活性ガスを加熱する加熱手段(ヒータ5)は設置しなくてもよい。
【0056】
また、活性炭塔2から排出される不活性ガスの少なくとも一部を吸込んで循環し、活性炭の加熱に再利用する処理の後に、エゼクタ3による不活性ガスの循環を停止すると共に、不活性ガス供給源から供給される不活性ガスのみを活性炭塔2に対して供給する処理を実行してもよい。また、エゼクタ3による不活性ガスの循環による加熱と不活性ガス供給源から供給される不活性ガスのみによる加熱の操作を複数回繰り返してもよい。
【0057】
〔1.3 加熱試験〕
以下の試験条件で活性炭再生装置1の加熱試験を行った。
すなわち、活性炭塔2にろ材としての活性炭を400L充填し、活性炭の充填箇所に温度センサ(熱電対)TC1~TC14を設置した。図2は、温度センサの設置個所を示す。図2に示すように、活性炭塔2内において、活性炭の充填箇所のうち、水平方向中央部の浅い位置から深い位置まで等間隔に、温度センサTC1、TC3、TC5、TC7、TC9、TC11、TC13を設置した。また、活性炭の充填箇所のうち、活性炭塔2の外周部近傍の浅い位置から深い位置まで等間隔に、温度センサTC2、TC4、TC6、TC8、TC10、TC12、TC14を設置した。
【0058】
その後、活性炭塔2の所定の高さまで水を補水し、活性炭塔2内の水を自然落下させた。
【0059】
その上で、開閉弁6を閉じた状態で、駆動蒸気、すなわち図1の不活性ガス(蒸気)G1の供給量を50kg/hとするとともに、ヒータ5で、不活性ガス(蒸気)G2を400℃まで加熱し、温度センサ(熱電対)TC1~TC14で活性炭塔2内の温度を測定した。
温度センサ(熱電対)TC13と14の温度が100℃を示すと、排蒸気が活性炭塔2から排出され始め、この段階で開閉弁6を開き、循環蒸気、すなわち図1の不活性ガス(蒸気)G6の供給量を50kg/hとした。
なお、この場合、ヒータ5を経由して、活性炭塔2に供給される不活性ガス(蒸気)G2の供給量は100kg/hとなり、不活性ガス排出ラインL2から系外に排出される不活性ガス(蒸気)G4の排出量は、50kg/hとなる。
【0060】
一方、従来技術を示す比較例として、開閉弁6を閉じた状態で、図1の不活性ガス(蒸気)G1の供給量を100kg/hとするとともに、ヒータ5で、不活性ガス(蒸気)G2を400℃まで加熱し、温度センサ(熱電対)TC1~TC14で活性炭塔2内の温度を測定した。なお、この場合、ヒータ5を経由して、活性炭塔2に供給される不活性ガス(蒸気)G2の供給量は100kg/hとなり、不活性ガス排出ラインL2から系外に排出される不活性ガス(蒸気)G4の排出量も、100kg/hとなる。
【0061】
図3は、従来技術における使用蒸気量と各温度センサで測定された温度との関係を示す。なお、ここで「使用蒸気量」とは、第1流量センサFM1で測定される、不活性ガス(蒸気)G1の蒸気量の累積値である。
【0062】
図3に示すように、使用蒸気量が増加すると共に、活性炭塔2に堆積する活性炭の上層に設置した温度センサから順に、各温度センサで測定される温度が、略350℃まで上昇した後、グラフは略350℃のまま横ばいとなる。また、図3のグラフにおいては、使用蒸気量が略660kgになった時点で、活性炭塔2に設置された温度センサのうち、最下層に設置された温度センサである、TC13、TC14の温度が、略350℃に達する。
【0063】
一方、図4は、本実施形態における使用蒸気量と各温度センサで測定された温度との関係を示す。なお、図4において、「使用蒸気量」とは、図3と同様、第1流量センサFM1で測定される、不活性ガス(蒸気)G1の蒸気量の累積値であるが、これは、エゼクタ3の駆動側における積算蒸気量のことである。
【0064】
図4においても、図3と同様に、使用蒸気量が増加すると共に、活性炭塔2に堆積する活性炭の上層に設置した温度センサから順に、各温度センサで測定される温度が、略350℃まで上昇した後、グラフは略350℃のまま横ばいとなる。ただし、図4のグラフにおいては、使用蒸気量が略330kgとなった時点で、活性炭塔2に設置された温度センサのうち、最下層に設置された温度センサである、TC13、TC14の温度が、略350℃に達する。
【0065】
すなわち、本実施形態においては、活性炭塔2全体の温度が上がり切るために必要な使用蒸気量が、従来技術において必要な使用蒸気量の約半分であることが示された。
【0066】
〔1.4 第1実施形態が奏する効果〕
本実施形態に係る活性炭の再生方法は、有機物が吸着した活性炭が充填された活性炭塔2に不活性ガスを加熱して供給し、該加熱した不活性ガスを活性炭塔2内に流通させるか、または、活性炭塔2を直接加熱し、該加熱した活性炭塔2内に不活性ガスを流通させて、活性炭を加熱し、再生する活性炭の再生方法であって、不活性ガス供給源から供給される不活性ガスを駆動流体とするエゼクタ3により、活性炭塔2から排出される不活性ガスの少なくとも一部を吸込んで、活性炭塔2に循環し、活性炭の加熱に再利用する処理を実行する工程を有する。
【0067】
活性炭の加熱に用いられた不活性ガスの一部を循環させて再度活性炭の加熱に用いることにより、活性炭を再生する際に用いる不活性ガスの使用量を削減することが可能となる。また、不活性ガスを用いることにより、活性炭が発火点以上に加熱されても、活性炭が燃焼する事象は発生しない。また、不活性ガスを循環させる手段として電気的に作動させるブロアやポンプ等を利用する場合と比較すると、エゼクタ3を用いることにより、不活性ガスを循環させるための電源装置や電気代が不要となる。さらに、ブロアやポンプ等を用いる場合は摺動部の固着や電気部品の熱損傷などの故障リスク、漏電や過電流などの危険性が常に存在するが、エゼクタによる循環の場合はこれらのリスクは全く存在しない。また、循環ガスは加熱媒体や脱着有機物のキャリアとしての役割を担っているため、循環流路内で循環ガスが放熱したり、構成部材に熱を奪われたりすると、エネルギー効率の低下や脱着有機物の付着リスクを招く。そのため、循環流路内では放熱を抑制することが望ましいが、ブロアやポンプは構造が複雑で、且つ、電気部品の保護のため吸気や冷却が必要なため、断熱材を巻きにくく、寧ろ、無理に断熱してしまうと熱による電気部品の故障を招くが、エゼクタの場合は断熱も施すこともできるし、面ヒータなどで加熱を施すこともできる。
【0068】
なお、活性炭塔2を直接加熱する場合には、不活性ガス供給ラインL1上での放熱はほぼないため加熱効率を上げることができる。また、直接加熱された活性炭塔2に不活性ガスを流通させることで、加熱により脱着した有機物をろ過塔2の系外に排出することができる。
【0069】
また、活性炭を加熱し、再生する工程において、エゼクタ3に吸い込まれる不活性ガスG6に対し、エゼクタ3に吸い込まれる前段で、気体と液体とを分離する気液分離操作を施し、気体として分離された不活性ガスのみをエゼクタ3に吸い込んで、活性炭塔2に循環し、活性炭の加熱に再利用してもよい。
【0070】
不活性ガスによる活性炭の加熱において、活性炭に吸着していた水分や有機物が気化することで、活性炭塔2から排出される不活性ガスには水蒸気やガス状の有機物が含まれる。すなわち、仮に気液分離操作をしなかった場合、不活性ガスと一緒にガス状の有機物も循環してしまうことになり、活性炭から脱着させた有機物が再度活性炭塔2に導入され、活性炭へ再付着したり、エゼクタ3を含む循環配管系へ付着したりするリスクが生じる可能性がある。活性炭への有機物の再付着は脱着効率の低下につながり、循環配管系への有機物の付着は、活性炭再生装置1の長期運用への障害につながる。
また、エゼクタ3に吸い込まれる前に、循環ガスが放熱したり、構成部材に熱を奪われたりすることで、水蒸気やガス状有機物の一部は冷やされて凝縮・混合液となるが、ガス状のままの有機物もその混合液に一部溶け込ませることができる。
そこで、この現象を利用して、さらに気液分離操作を施すことにより、この混合液を分離・排出した上で不活性ガスを循環することで、不活性ガス中に含まれる有機物量を低減でき、上記のリスクを低減できる。
【0071】
また、活性炭塔2から排出される不活性ガスの少なくとも一部を吸込んで循環し、活性炭の加熱に再利用する処理の後に、エゼクタ3による不活性ガスの循環を停止すると共に、不活性ガス供給源から供給される不活性ガスのみを活性炭塔2に対して供給する処理を実行してもよい。
【0072】
不活性ガスを循環している間は、活性炭から脱着した有機物の一部も気化状態で循環することになるため、循環加熱のみで再生工程を終了し、活性炭塔2が冷却されてしまうと、活性炭塔2の中で気化している有機物が活性炭に再付着してしまう。
この点、不活性ガス供給源から供給される、純度の高い不活性ガスのみでろ過塔内のガスを置換することで、この問題を解決できる。さらにこの置換操作は、加熱途中でも複数回繰り返してもよく、そうすることで循環ガス中の有機物濃度を都度低減することができ、加熱途中での脱着有機物の再付着を抑制できる。
この純度の高い不活性ガスのみの供給は、不活性ガス供給源から供給するのではなく、高温状態にある活性炭に対して液体状態の水を噴霧して、不活性ガスとしての水蒸気を活性炭塔2内で発生させて供給してもよい。この場合、不活性ガス使用量をさらに低減できるとともに、噴霧された水が蒸発する際に蒸発潜熱を活性炭から奪うことで、活性炭の冷却を早めることで、ろ過処理に移行できる時間が早まり、ろ過塔の稼働性向上にも大きく寄与する。
更に、活性炭の発火温度(約250℃)を超えた加熱条件で再生を行なった場合、活性炭が冷えるにつれて負圧になることで、ろ過塔2内に空気が混入してしまうと、活性炭の発火を招く。一方、活性炭の発火温度以下で加熱した場合でも、不活性ガスを活性炭塔2に供給せずに自然冷却した際には、通常の吸着処理が可能となるまでの活性炭の冷却に時間を要する。
この点、不活性ガス供給源から供給される常温の不活性ガスのみを活性炭塔2に供給することによって、空気の混入を回避しつつ、活性炭の迅速な冷却を行うことが可能となる。
【0073】
また、不活性ガスは水蒸気であってよい。
【0074】
水蒸気を用いた加水分解により、活性炭に吸着している有機物を低分子化することが可能となり、低分子化により低沸点化、ひいては脱着効率の向上が可能となる。また、排蒸気や、排蒸気を凝縮した凝縮液中の有機物が低分子化されるため、微生物も有機物を栄養化しやすくなり、排蒸気や凝縮液の生分解性も向上して、生物処理が簡単になる。更には、処理に時間がかかり、管理も面倒で、広大な敷地が必要な生物処理の負荷低減が可能となる等、大型の排水処理設備は不要となる。
【0075】
また、加熱工程において、活性炭に供給される不活性ガスの温度が、100℃以上600℃以下となるように、不活性ガスが加熱されてもよい。
【0076】
不活性ガスが蒸気の場合、不活性ガスの温度を100℃未満とすると、水蒸気が凝縮する際に得られる凝縮熱伝達による加熱効果が得られないばかりか、一部液体状態の水が活性炭塔に導入されることとなり、活性炭の加熱効率低下を招く。不活性ガスの温度を100℃以上とすることにより、このような事象の発生を抑制することが可能となる。また、活性炭の加熱温度を600℃以下とすることにより、賦活化反応による活性炭の細孔特性の変化や消耗を抑制できる。
【0077】
本実施形態に係る活性炭の再生装置は、活性炭を収容する活性炭塔2と、活性炭塔2に不活性ガスを供給する不活性ガス供給ラインL1と、不活性ガス供給ラインL1に配置され、活性炭塔2に供給される不活性ガスを加熱するヒータ5、または、活性炭塔2を直接加熱する加熱手段と、活性炭塔2から不活性ガスを排出する不活性ガス排出ラインL2と、不活性ガス排出ラインL2から排出される不活性ガスの少なくとも一部を不活性ガス供給ラインL1に循環させる循環ラインL3と、不活性ガス供給源から供給される不活性ガスを駆動流体とすると共に、活性炭塔2から排出される不活性ガスの少なくとも一部を吸込んで、活性炭塔に循環するエゼクタ3と、を備える。
【0078】
活性炭の加熱に用いられた不活性ガスの一部を循環させて再度活性炭の加熱に用いることにより、活性炭を再生する際に用いる不活性ガスの使用量を削減することが可能となる。また、不活性ガスを用いることにより、活性炭が発火点以上に加熱されても、活性炭が燃焼する事象は発生しない。また、不活性ガスを循環させる手段として電気的に作動させるブロアやポンプ等を利用する場合と比較すると、エゼクタ3を用いることにより、不活性ガスを循環させるための電源装置や電気代が不要となる。さらに、ブロアやポンプ等を用いる場合は摺動部の固着や電気部品の熱損傷などの故障リスク、漏電や過電流などの危険性が常に存在するが、エゼクタによる循環の場合はこれらのリスクは全く存在しない。また、ブロアやポンプは構造が複雑で、且つ、電気部品の保護のため吸気や冷却が必要なため、断熱材を巻きにくく、寧ろ、無理に断熱してしまうと熱による電気部品の故障を招くが、エゼクタの場合は断熱も施すこともできるし、面ヒータなどで加熱を施すこともできる。
【0079】
〔2 第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態である活性炭再生装置1Aについて、図5図8を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、説明の簡略化のため、第2実施形態に係る活性炭再生装置1Aを構成する要素のうち、第1実施形態に係る活性炭再生装置1と同一の構成要素については、同一の符号を用いて示し、その説明を省略する。
【0080】
〔2.1 実施形態の構成〕
図5は、本実施形態に係る活性炭再生装置1Aの構成を示す。活性炭再生装置1Aは、活性炭再生装置1と異なり、循環ラインL3、循環ラインL3に設置される開閉弁6、逆止弁7、凝縮液排出ラインL4、凝縮液排出ラインL4に設置される気液分離装置8、エゼクタ3、第2流量計FM2、第2圧力センサPS2、第3圧力センサPS3を備えない。その代わりに、活性炭再生装置1Aは、活性炭塔2の中に、不活性ガス供給配管21を備える。
【0081】
不活性ガス供給配管21は、第2不活性ガス供給ラインL12に接続され、活性炭塔2の内部に向けて延びる延伸部21aと、延伸部21aの先に設置され、不活性ガスが活性炭の充填層を流れる方向と略垂直方向に延びる不活性ガス噴射管21bとを備える。
【0082】
不活性ガス噴射管21bは、活性炭の充填層の内部に位置すると共に、好ましくは、活性炭塔2の不活性ガス排出口と反対側に位置する活性炭の充填層の端面から不活性ガス排出口に向かって10%以内の位置に位置する。
【0083】
また、不活性ガス噴射管21bは、活性炭の充填層を流れる方向と略垂直方向に延びる形状であれば、どのような形状でもよく、例えば、管状、十字状、円盤状、任意の多角形の板状であってもよい。
【0084】
不活性ガス噴射管21bには、活性炭塔2の不活性ガス排出口方向に向けて、複数の穴が開いており、これらの穴から活性炭の充填層に向けて、不活性ガスが噴射される。ここで、「活性炭塔2の不活性ガス排出口方向に向けて」とは、不活性ガス噴射管21bに形成された複数の穴が、不活性ガス排出口に向かって真っすぐ開口する場合のみならず、おおよそ不活性ガス排出口に向かって開口することを含む。本実施形態においては、不活性ガス噴射管21bに形成された複数の穴は、不活性ガス噴射管21bが配置された位置から、不活性ガス排出口が形成された下方に向かって開口している。
【0085】
〔2.2 実施形態の動作〕
活性炭再生装置1Aにおいては、有機物が付着された活性炭が充填された活性炭塔2に不活性ガスを加熱して供給し、加熱した不活性ガスを活性炭塔2内に流通させるか、または、活性炭塔2を直接加熱し、加熱した活性炭塔2内に不活性ガスを流通させて活性炭を加熱することにより、活性炭を再生する。
【0086】
とりわけ、活性炭再生装置1Aにおいては、不活性ガス供給源から供給される不活性ガスが、ヒータ5で加熱された後、第2不活性ガス供給ラインL12により、不活性ガス供給配管21に供給される。不活性ガス供給配管21に供給された不活性ガスは、延伸部21aを経由した後、不活性ガス噴射管21bにより、活性炭の充填層の内部に噴射される。
【0087】
〔1.3 加熱シミュレーション〕
以下の条件で活性炭再生装置1Aの加熱シミュレーションを行った。
すなわち、第1実施形態に係る活性炭再生装置1と同様に、活性炭塔2にろ材としての活性炭を400L充填し、活性炭の充填箇所に温度センサ(熱電対)TC1~TC14を設置したことを想定する。
【0088】
その後、活性炭塔2の所定の高さまで水を補水し、活性炭塔2内の水を自然落下させたことを想定する。
【0089】
その上で、図5の不活性ガス(蒸気)G1の供給量を50kg/hとするとともに、ヒータ5で、不活性ガス(蒸気)G2を430℃まで加熱し、温度センサ(熱電対)TC1~TC14で活性炭塔2内の温度を測定することを想定する。なお、不活性ガス排出ラインL2から系外に排出される不活性ガス(蒸気)G4の排出量も、50kg/hとなる。
【0090】
図6は、活性炭再生装置1Aの比較例としての、従来技術に係る不活性ガス供給配管22を示す。不活性ガス供給配管22は、不活性ガス供給配管21と異なり、活性炭の充填層を流れる方向と略垂直方向に延びる不活性ガス噴射管21bを備えない。また、不活性ガス供給配管の端部は、活性炭塔2において、活性炭の充填層よりも上部の中空部分に位置する。更に、活性炭端面の局所的な部分に集中して不活性ガスが噴霧されないように不活性ガス供給配管22の側面に設けられた穴から、活性炭充填層上部の空間部に噴射される。
【0091】
図6に示す比較例においても、活性炭再生装置1Aと同様の加熱シミュレーションを行った。
【0092】
図7は、比較例における加熱シミュレーションの結果を示す。第1実施形態に係る加熱試験の結果と同様に、使用蒸気量が増加すると共に、活性炭塔2に堆積する活性炭の上層に設置した温度センサから順に、各温度センサで測定される温度が、略350℃まで上昇した後、グラフは略350℃のまま横ばいとなる。また、図7のグラフにおいては、使用蒸気量が略750kgになった時点で、活性炭塔2に設置された温度センサのうち、最下層に設置された温度センサである、TC13、TC14の温度が、略350℃に達する。すなわち、不活性ガス(蒸気)G2の温度(430℃)との差が80℃となっており、放熱による熱量の損失を示している。
【0093】
図8は、活性炭再生装置1Aにおける加熱シミュレーションの結果を示す。図8のグラフにおいては、使用蒸気量が略610kgとなった時点で、活性炭塔2に設置された温度センサのうち、最下層に設置された温度センサである、TC13、TC14の温度が、略430℃に達する。
【0094】
すなわち、本実施形態においては、比較例に比較して、活性炭塔2全体の温度が上がり切るために必要な使用蒸気量が、比較例において必要な使用蒸気量よりも少ないのみならず、活性炭塔2が達する温度は、比較例よりも高い。
【0095】
〔2.4 第2実施形態が奏する効果〕
本実施形態に係る活性炭の再生方法は、有機物が吸着した活性炭が充填された活性炭塔2に不活性ガスを加熱して供給し、該加熱した不活性ガスを活性炭塔2内に流通させて、活性炭を加熱し、再生する工程活性炭の再生方法であって、不活性ガスの噴射部が活性炭の充填層の内部に位置する不活性ガス供給配管21によって、不活性ガスが、活性炭の充填層の内部に直接供給される加熱工程を有し、不活性ガス供給配管21は、噴射部として、不活性ガスが活性炭の充填層内部を流れる方向と略垂直方向に延びる不活性ガス噴射管21bを有し、不活性ガスは不活性ガス噴射管21bにおいて活性炭塔2の不活性ガス排出口のある方向に噴射される。
【0096】
活性炭塔2の内側に不活性ガス供給配管21が配置されることで不活性ガスの供給流路が二層構造となって保温効果が得られる。これに加え、不活性ガスを活性炭層の内部に直接供給することにより、活性炭自身の断熱効果が得られる。
一方、従来技術に係る図6において、活性炭充填層上部の空間部に高温の不活性ガスが噴射されると、一層構造となっている空間部に高温の不活性ガスが滞留することになり、外気への放熱ロスが大きくなる。
放熱ロスが大きい従来技術に比較して、本実施形態に係る活性炭の再生方法は、不活性ガスからの放熱量を削減することが可能となる。すなわち、不活性ガスに与えられた熱量を活性炭に最大限に供給することで、活性炭を効率よく加熱できるため、活性炭を再生する際の不活性ガスの供給時間、延いては用いる不活性ガスの使用量を削減することが可能となる。また、不活性ガスを用いることにより、活性炭が発火点以上に加熱されても、活性炭が燃焼する事象は発生しない。また、不活性ガス供給配管21の先端部を不活性ガスが活性炭充填層内部を流れる方向と略垂直方向に延伸した構造とすると共に、不活性ガス噴射管21bから不活性ガス排出口のある方向に向かって不活性ガスを噴射することにより、前述した一層構造となっている空間部に高温の不活性ガスが流れることを抑制し活性炭を満遍なく加熱することが可能となる。加えて、活性炭がより高温となることで、有機物の脱着効率も上昇する。
【0097】
また、不活性ガス噴射管21bは、活性炭塔2の不活性ガス排出口と反対側に位置する活性炭の充填層の端面から不活性ガス排出口に向かって10%以内に位置するとよい。
【0098】
不活性ガス供給配管21の先端部を、不活性ガス排出口の反対側に位置させることにより、不活性ガス排出口に近い位置に設置した場合に比較して、活性炭の全体を加熱された不活性ガスが通過することで効率的に加熱することが可能となる。
また、不活性ガス噴射管21bが活性炭充填層の外に設置されると、前述の通りその外部空間に高温の不活性ガスが滞留し、放熱ロスが大きくなって加熱の非効率化が起こる。一方、不活性ガス噴射管21bが充填層の深部に設置されると、加熱された不活性ガスが通過しない活性炭層の領域が増えて加熱の非効率化が起こる。不活性ガス噴射管21bが、活性炭塔2の不活性ガス排出口と反対側に位置する活性炭充填層の端面から不活性ガス排出口に向かって10%以内に位置することで、加熱の非効率化が抑えられる。
【0099】
本実施形態に係る活性炭の再生装置は、活性炭を収容する活性炭塔2と、活性炭塔2に不活性ガスを供給する不活性ガス供給ラインL1と、不活性ガス供給ラインL1に配置され、活性炭塔2に供給される不活性ガスを加熱するヒータ5と、活性炭塔2から不活性ガスを排出する不活性ガス排出ラインL2と、不活性ガスの噴射部が活性炭の充填層の内部に位置する、不活性ガス供給配管21と、を備え、不活性ガス供給配管21は、噴射部として、不活性ガスが活性炭の充填層内部を流れる方向と略垂直方向に延びる不活性ガス噴射管21bを有し、不活性ガスは不活性ガス噴射管21bにおいて活性炭塔の不活性ガス排出口のある方向に噴射される。
【0100】
活性炭塔2の内側に不活性ガス供給配管21が配置されることで不活性ガスの供給流路が二層構造となって保温効果が得られる。これに加え、不活性ガスを活性炭層の内部に直接供給することにより、活性炭自身の断熱効果が得られ、活性炭塔2の上部や下部から不活性ガスを供給したために、上部や下部にある空間に高温の不活性ガスが滞留し、放熱ロスが大きい場合に比較して、不活性ガスからの放熱量を削減することが可能となる。また、不活性ガスに与えられた熱量を活性炭に最大限に供給することで、活性炭を効率よく加熱できるため、活性炭を再生する際の不活性ガスの供給時間、延いては用いる不活性ガスの使用量を削減することが可能となる。また、不活性ガスを用いることにより、活性炭が発火点以上に加熱されても、活性炭が燃焼する事象は発生しない。また、不活性ガス供給配管21の先端部を不活性ガスが活性炭充填層内部を流れる方向と略垂直方向に延伸した構造とすると共に、不活性ガス噴射管21bから、おおよそ不活性ガス排出口のある方向に向かって不活性ガスを噴射することにより、活性炭を満遍なく加熱することが可能となる。
【0101】
〔3 変形例〕
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限るものではない。また、本実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0102】
例えば、上記の第1実施形態において、活性炭再生装置1は、エゼクタ3と循環ラインL3とを備える構成を有する。一方、上記の第2実施形態において、活性炭再生装置1Aは、活性炭塔2の内部に、不活性ガス供給配管21を備える構成を有する。変形例として、これらの双方、すなわち、エゼクタ3、循環ラインL3、及び不活性ガス供給配管21の全てを備える構成としてもよい。また、不活性ガスが活性炭塔内を流れる方向も、図1図5では活性炭塔上部から下方向に流れるように示したが、下部から上方向でも良いし、横方向や斜め方向でもよい。また、図1図5では活性炭の再生に関わる構成のみ示したが、活性炭塔2は活性炭の再生処理専用装置であっても良いし、通水ラインや処理水ライン、逆洗ライン、各種水質監視センサ等を設けることで、活性炭の吸着作用による水の浄化処理と活性炭の再生処理の両方を実施できる装置としてもよい。
【符号の説明】
【0103】
1、1A 活性炭再生装置
2 活性炭塔
3 エゼクタ
4 圧力調整弁
5 ヒータ
6 開閉弁
7 逆止弁
8 気液分離装置
L1 不活性ガス供給ライン
L2 不活性ガス排出ライン
L3 循環ライン
L4 凝縮液排出ライン
L11 第1不活性ガス供給ライン
L12 第2不活性ガス供給ライン
FM1 第1流量計
FM2 第2流量計
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C