(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022119119
(43)【公開日】2022-08-16
(54)【発明の名称】車両の制御装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
B60W 40/13 20120101AFI20220808BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20220808BHJP
【FI】
B60W40/13
B60W60/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021016128
(22)【出願日】2021-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186015
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100211395
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】市川 洋光
【テーマコード(参考)】
3D241
【Fターム(参考)】
3D241CC01
3D241CC08
3D241CC17
3D241CE07
3D241CE08
3D241CE09
3D241DB05Z
3D241DB13Z
3D241DB35Z
3D241DB42Z
3D241DB46Z
(57)【要約】 (修正有)
【課題】タイヤに設置されたセンサからの情報を用いて車両を制御する技術の有用性を向上させることができる、車両の制御装置及び制御方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る制御装置は、車両の制御装置であって、タイヤに設置されたセンサからの第1情報を受信し、車体に設置されたセンサからの第2情報を受信する、通信部と、第1情報から輪重を推定し、第2情報から車重を推定し、輪重及び車重のいずれか一方に基づいて、前記車両を制御する、制御部と、を備える。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の制御装置であって、
タイヤに設置されたセンサからの第1情報を受信し、
車体に設置されたセンサからの第2情報を受信する、通信部と、
前記第1情報から輪重を推定し、
前記第2情報から車重を推定し、
前記輪重及び前記車重のいずれか一方に基づいて、前記車両を制御する、制御部と、
を備える、制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記輪重を用いて算出された所定の重量と、前記車重を用いて算出された前記所定の重量とが所定の差異範囲内にあるか否かを判定し、
所定の差異範囲内にあると判定された場合には、前記輪重に基づいて、前記車両を制御し、
所定の差異範囲内にないと判定された場合には、前記車重に基づいて、前記車両を制御する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、
車両モデルを用いて前記第2情報から前記車重を推定し、
前記車両モデルの学習を実施する、請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記車両モデルは、オブザーバモデルであって、
前記制御部は、前記車両モデルの学習に前記輪重を用いる、請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記車両モデルの学習を開始してから所定の期間、制限付き車両制御を実施する、請求項3又は4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記制限付き車両制御は、速度制限を設けた自動運転である、請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
車両の制御方法であって、
タイヤに設置されたセンサからの第1情報を受信することと、
車体に設置されたセンサからの第2情報を受信することと、
前記第1情報から輪重を推定することと、
前記第2情報から車重を推定することと、
前記輪重及び前記車重のいずれか一方に基づいて、前記車両を制御することと、
を含む、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の制御装置及び制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、タイヤに設置されたセンサからの情報を用いて車両を制御する技術が知られている。例えば、特許文献1には、タイヤに発生するタイヤ横力を検出し、タイヤ横力を用いて車両姿勢を制御する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、近年、タイヤに設置されたセンサからの情報を用いて車両を制御する技術の、更なる有用性の向上が望まれている。例えば、タイヤに設置されたセンサからの情報を使用できないような場合であっても、車両の制御を継続することが望まれている。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、タイヤに設置されたセンサからの情報を用いて車両を制御する技術の有用性を向上させることができる、車両の制御装置及び制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る制御装置は、車両の制御装置であって、タイヤに設置されたセンサからの第1情報を受信し、車体に設置されたセンサからの第2情報を受信する、通信部と、前記第1情報から輪重を推定し、前記第2情報から車重を推定し、前記輪重及び前記車重のいずれか一方に基づいて、前記車両を制御する、制御部と、を備える。
かかる構成によれば、制御装置は、タイヤに設置されたセンサからの情報に基づいて車両を制御できない場合であっても、車体に設置されたセンサからの情報に基づいて車両を制御することができる。これにより、当該制御装置は、タイヤに設置されたセンサからの情報を用いて車両を制御する技術の有用性を向上させることができる。
【0007】
本発明に係る制御装置では、前記制御部は、前記輪重を用いて算出された所定の重量と、前記車重を用いて算出された前記所定の重量とが所定の差異範囲内にあるか否かを判定し、所定の差異範囲内にあると判定された場合には、前記輪重に基づいて、前記車両を制御し、所定の差異範囲内にないと判定された場合には、前記車重に基づいて、前記車両を制御することが好ましい。かかる構成によれば、制御装置は、推定された輪重及び車重のうち、より車両の制御に適したものを選択して、車両の制御に使用することができる。
【0008】
本発明に係る制御装置では、前記制御部は、車両モデルを用いて前記第2情報から前記車重を推定し、前記車両モデルの学習を実施することが好ましい。かかる構成によれば、制御装置は、第2情報から推定される車重の精度を向上させることができる。
【0009】
本発明に係る制御装置では、前記車両モデルは、オブザーバモデルであって、前記制御部は、前記車両モデルの学習に前記輪重を用いることが好ましい。かかる構成によれば、制御装置は、オブザーバモデルの収束を早めることができ、車両モデルの学習を開始してから車両モデルの出力が安定するまでに要する時間を短くすることができる。
【0010】
本発明に係る制御装置では、前記制御部は、前記車両モデルの学習を開始してから所定の期間、制限付き車両制御を実施することが好ましい。かかる構成によれば、制御装置は、車両モデルを用いて推定される車重の精度が十分ではない期間における、車両の制御の安全性を向上させることができる。
【0011】
本発明に係る制御装置では、前記制限付き車両制御は、速度制限を設けた自動運転であることが好ましい。かかる構成によれば、制御装置は、車両の自動運転の安全性を向上させることができる。
【0012】
本発明に係る制御方法は、車両の制御方法であって、タイヤに設置されたセンサからの第1情報を受信することと、車体に設置されたセンサからの第2情報を受信することと、前記第1情報から輪重を推定することと、前記第2情報から車重を推定することと、前記輪重及び前記車重のいずれか一方に基づいて、前記車両を制御することと、
を含む。
かかる制御方法によれば、タイヤに設置されたセンサからの情報に基づいて車両を制御できない場合であっても、車体に設置されたセンサからの情報に基づいて車両を制御することができる。これにより、当該制御方法は、タイヤに設置されたセンサからの情報を用いて車両を制御する技術の有用性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、タイヤに設置されたセンサからの情報を用いて車両を制御する技術の有用性を向上させることができる、車両の制御装置及び制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態に係る車両制御システムを概略的に示す、概略図である。
【
図2】
図1に示される車両を下側から概略的に示す、概略図である。
【
図3】
図1に示される第1取得装置の構成を概略的に示す、機能ブロック図である。
【
図4】第1取得装置の動作を示すフローチャートである。
【
図5】
図1に示される第2取得装置の構成を概略的に示す、機能ブロック図である。
【
図6】第2取得装置の動作を示すフローチャートである。
【
図7】
図1に示される制御装置の構成を概略的に示す、機能ブロック図である。
【
図8】制御装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付している。本実施形態の説明において、同一又は相当する部分については、説明を適宜省略又は簡略化する。
【0016】
(車両制御システムの構成)
図1及び
図2を参照して、本実施形態に係る車両制御システム1の概要について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る車両制御システム1を概略的に示す、概略図である。
図1に示されるように、車両制御システム1には、第1取得装置2と、第2取得装置3と、制御装置4とが含まれる。
【0017】
車両制御システム1は、車両5の制御を実施するために用いられる。本実施形態において、車両5の制御は、車両5の完全又は部分的な自動運転を目的とする制御である。車両5の制御には、例えば、車両5の加速、減速、又は操舵など、車両5を運転するための制御が含まれる。ただし、車両5の制御には、ヘッドライト、フォグランプ、ウインカー、又はワイパーの制御など、車両5の運転を支援するための制御が含まれてもよい。
【0018】
車両5は、例えば、乗用車、トラック、バス、及び二輪車等の自動車である。ただし、車両5は、自動車に限られず、タイヤ6を有する任意の車両であってもよい。車両5は、任意のレベルで運転が自動化されている。自動化のレベルは、例えば、SAE(Society of Automotive Engineers)のレベル分けにおけるレベル1からレベル5のいずれかである。ただし、車両5は、運転手が全てを操作して運転すること(SAEのレベル0に相当)が可能であってもよい。
【0019】
図2に示されるように、車両5は、4つのタイヤ6A、6B、6C、及び6Dを有する。
図2は、
図1に示される車両5を下側から概略的に示す、概略図である。車両5において、それぞれ前輪であるタイヤ6A及び6Bは、互いに車軸52Aに取り付けられ、それぞれ後輪であるタイヤ6C及び6Dは、互いに車軸52Bに取り付けられている。以降の説明において、タイヤ6A~6Dを特に区別しない場合、単に、タイヤ6と総称する。また、車軸52A及び52Bを特に区別しない場合、単に、車軸52と総称する。
【0020】
再び
図1を参照して、タイヤ6は、例えば、空気入りタイヤである。かかる場合、タイヤ6は、ホイール7のリム71に装着され、規定内圧まで空気が充填される。ただし、タイヤ6には、空気に限られず、窒素等の気体、或いは液体又はゲル状物質等を含む、任意の流体が規定内圧まで充填されてもよい。本明細書では、タイヤ6がホイール7のリム71に装着された状態である場合、タイヤ6には、ホイール7のリム71も含まれるものとする。
【0021】
第1取得装置2は、タイヤ6に関する情報を取得する。第1取得装置2は、タイヤ6に設置されている。本実施形態では、第1取得装置2は、タイヤ6の内部空間に面するように、タイヤ6のトレッド部61の内周面に固定される。ただし、第1取得装置2が設置される位置は、トレッド部61の内周面に限られず、タイヤ6に関する情報を取得可能な任意の位置に設置されてもよい。例えば、第1取得装置2は、タイヤ6のトレッド部61を構成するゴムの中に、全体的に又は部分的に埋め込まれてもよい。或いは、第1取得装置2は、タイヤ6が装着されたホイール7のリム71に設置されていてもよい。
【0022】
本実施形態では、第1取得装置2は、車両5が有する複数のタイヤ6のそれぞれに1つずつ設置される。
図2に示されるように、第1取得装置2A、2B、2C及び2Dが、それぞれタイヤ6A、6B、6C及び6Dに設置されている。以降の説明において、第1取得装置2A~2Dを特に区別しない場合、単に、第1取得装置2と総称する。
【0023】
再び
図2を参照して、第2取得装置3は、車両5に関する情報を取得する。第2取得装置3は、車両5の車体51に設置されている。車両5の車体51は、タイヤ6及びホイール7以外の、車両5の任意の部分を含む。本実施形態では、第2取得装置3は、車両5の制御装置4の近傍に設置されている。ただし、第2取得装置3が設置される位置は、車両5の制御装置4の近傍に限られず、車両5に関する情報を取得可能な任意の位置に設置されてもよい。
【0024】
制御装置4は、車両5を制御する。制御装置4は、車両5の車体51に設置されている。制御装置4は、例えば、車両5のECU(Electronic Control Unit)である。しかしながら、制御装置4は、ECUに限られず、タイヤ空気圧監視システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)等の、車両5に設置された任意のコンピュータであってもよい。制御装置4による車両5の制御は、車両5を直接的に制御することであってもよく、或いは車両5を間接的に制御することであってもよい。例えば、制御装置4がECUである場合、制御装置4は、車両5のアクセル、ブレーキ、又はステアリング等に制御信号を送信して、車両5を直接的に制御してもよい。制御装置4がTPMSである場合、制御装置4は、車両5のアクセル、ブレーキ、又はステアリング等を制御するための制御信号を、車両5のECU等に送信することで、車両5を間接的に制御してもよい。
【0025】
なお、
図1及び
図2に示される車両5における、第1取得装置2、第2取得装置3、制御装置4、車軸52、タイヤ6、及びホイール7の位置及び数は一例であって、それらの用途等に応じて、それぞれ任意に定められてもよい。例えば、第1取得装置2は、車両5が備える全てのタイヤ6に設置されてもよく、或いは、一部のタイヤ6に設置されてもよい。
【0026】
次に、車両制御システム1の第1取得装置2、第2取得装置3、及び制御装置4について、詳細に説明する。
【0027】
(第1取得装置の構成)
図3を参照して、本実施形態に係る第1取得装置2の構成を説明する。
図3は、第1取得装置2の構成を概略的に示す、機能ブロック図である。
図3に示されるように、第1取得装置2は、取得部21と、通信部22と、記憶部23と、制御部24と、を備える。取得部21、通信部22、記憶部23、及び制御部24は、有線又は無線により互いに通信可能に接続されている。
【0028】
取得部21は、1つ以上のセンサを含む。これにより、取得部21は、タイヤ6に関する情報を取得する。取得部21に含まれるセンサは、例えば、ひずみセンサである。かかる場合、取得部21は、タイヤ6に関する情報として、タイヤ6のひずみ値を取得する。ただし、取得部21に含まれるセンサは、ひずみセンサに限られず、加速度センサ、角速度センサ又は圧力センサ等、任意のセンサとされてもよい。かかる場合、取得部21は、タイヤ6の加速度、角速度、振動数、又は圧力等の情報を、タイヤ6のひずみ値に加えて/代えて、タイヤ6に関する情報として取得してもよい。以降の説明において、タイヤ6に関する情報は、「第1情報」とも称される。なお、タイヤ6に関する情報は、ある時点における物理量である瞬間値あってもよく、或いは、ある期間における一連の物理量である連続値又は離散値であってもよい。タイヤ6に関する情報が連続値又は離散値である場合、タイヤ6に関する情報は、物理量の時系列変化を示す波形情報であってもよい。
【0029】
通信部22は、1つ以上の無線通信モジュールを含む。無線通信モジュールは、例えば、無線LAN(local area network)又はBluetooth(登録商標)等の通信規格に対応した通信モジュールである。これにより、第1取得装置2は、通信部22を介して、制御装置4等と無線通信することができる。通信部22は、無線通信モジュールに限られず、有線LAN通信モジュール等の有線通信モジュールを含んでもよい。
【0030】
記憶部23は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等である。記憶部23は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部23は、第1取得装置2の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部23は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、又は組み込みソフトウェア等を記憶してもよい。
【0031】
制御部24は、1つ以上のプロセッサを含む。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の汎用のプロセッサ、又は特定の処理に特化した専用のプロセッサ等であってもよい。制御部24は、プロセッサに限られず、1つ以上の専用回路を含んでもよい。専用回路は、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)であってもよい。
【0032】
制御部24は、上述した、第1取得装置2の機能を実現させるために、取得部21、通信部22、及び記憶部23等の構成要素を制御する。更に、制御部24は、第1取得装置2の機能として、処理を実施した時刻を取得し、或いは所定の時間間隔で処理を実施するために、RTC(リアルタイムクロック)又はタイマ等の計時機能を備えている。
【0033】
図4を参照して、制御部24により第1取得装置2の各機能を制御して実現される、第1取得装置2の動作について、説明する。
図4は、第1取得装置2の動作を示すフローチャートである。本動作は、第1取得装置2の制御方法に相当する。制御部24は、例えば、第1取得装置2の電源がオンにされた場合、或いは制御装置4から本処理を開始する制御命令を受信した場合に、本処理を開始する。
【0034】
ステップS101において、制御部24は、タイヤ6に関する情報(第1情報)を取得する。
【0035】
本実施形態では、制御部24は、取得部21に含まれるひずみセンサにより、タイヤ6に関する情報としてタイヤ6のひずみ値を取得する。制御部24は、取得したタイヤ6のひずみ値及びその取得時刻をタイヤ6に関する情報として記憶部23に記憶してもよい。
【0036】
ステップS102において、制御部24は、取得したタイヤ6に関する情報(第1情報)を送信する。
【0037】
具体的には、制御部24は、通信部22を制御して、取得したタイヤ6に関する情報を送信する。制御部24は、タイヤ6に関する情報とともに、第1取得装置2を一意に識別するための装置ID(identifier)を送信してもよい。本実施形態では、制御部24は、タイヤ6に関する情報が取得されるたびに、タイヤ6に関する情報を送信するものとする。ただし、制御部24は、所定の期間において取得された複数のタイヤ6に関する情報をまとめて送信してもよい。
【0038】
ステップS103において、制御部24は、本処理を継続するか否かを判定する。
【0039】
例えば、制御部24は、制御装置4から本処理を終了する制御命令を受信した場合に、本処理を終了する、即ち、本処理を継続しないと判定してもよい。制御部24は、本処理を継続すると判定した場合(ステップS103-Yes)、所定の時間間隔で、ステップS101からの処理を繰り返す。一方で、制御部24は、本処理を継続しないと判定した場合(ステップS103-No)、本処理を終了する。
【0040】
(第2取得装置の構成)
図5を参照して、本実施形態に係る第2取得装置3の構成を説明する。
図5は、第2取得装置3の構成を概略的に示す、機能ブロック図である。
図5に示されるように、第2取得装置3は、取得部31と、通信部32と、記憶部33と、制御部34と、を備える。取得部31、通信部32、記憶部33、及び制御部34は、有線又は無線により互いに通信可能に接続されている。
【0041】
取得部31は、1つ以上のセンサを含む。これにより、取得部31は、車両5に関する情報を取得する。取得部31に含まれるセンサは、例えば、加速度センサである。かかる場合、取得部31は、車両5に関する情報として、車両5の加速度を取得する。ただし、取得部31に含まれるセンサは、加速度センサに限られず、角速度センサ等、任意のセンサとされてもよい。かかる場合、取得部31は、第2取得装置3が設置された位置における角速度等の情報を、車両5の加速度に加えて/代えて、車両5に関する情報として取得してもよい。以降の説明において、車両5に関する情報は、「第2情報」とも称される。なお、車両5に関する情報は、ある時点における物理量である瞬間値あってもよく、或いは、ある期間における一連の物理量である連続値又は離散値であってもよい。車両5に関する情報が連続値又は離散値である場合、車両5に関する情報は、物理量の時系列変化を示す波形情報であってもよい。
【0042】
通信部32は、1つ以上の無線通信モジュールを含む。無線通信モジュールは、例えば、無線LAN又はBluetooth等の通信規格に対応した通信モジュールである。これにより、第2取得装置3は、通信部32を介して、制御装置4等と無線通信することができる。通信部32は、無線通信モジュールに限られず、有線LAN通信モジュール等の有線通信モジュールを含んでもよい。
【0043】
記憶部33は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等である。記憶部33は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部33は、第2取得装置3の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部33は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、又は組み込みソフトウェア等を記憶してもよい。
【0044】
制御部34は、1つ以上のプロセッサを含む。プロセッサは、例えば、CPU等の汎用のプロセッサ、又は特定の処理に特化した専用のプロセッサ等であってもよい。制御部34は、プロセッサに限られず、1つ以上の専用回路を含んでもよい。専用回路は、例えば、FPGA又はASICであってもよい。
【0045】
制御部34は、上述した、第2取得装置3の機能を実現させるために、取得部31、通信部32、及び記憶部33等の構成要素を制御する。更に、制御部34は、第2取得装置3の機能として、処理を実施した時刻を取得し、或いは所定の時間間隔で処理を実施するために、RTC又はタイマ等の計時機能を備えている。
【0046】
図6を参照して、制御部34により第2取得装置3の各機能を制御して実現される、第2取得装置3の動作について、説明する。
図6は、第2取得装置3の動作を示すフローチャートである。本動作は、第2取得装置3の制御方法に相当する。制御部34は、例えば、第2取得装置3の電源がオンにされた場合、或いは制御装置4から本処理を開始する制御命令を受信した場合に、本処理を開始する。
【0047】
ステップS201において、制御部34は、車両5に関する情報(第2情報)を取得する。
【0048】
本実施形態では、制御部34は、取得部31に含まれる加速度センサにより、車両5に関する情報として車両5の加速度を取得する。制御部34は、取得した車両5の加速度及びその取得時刻を車両5に関する情報として記憶部33に記憶してもよい。
【0049】
ステップS202において、制御部34は、取得した車両5に関する情報(第2情報)を送信する。
【0050】
具体的には、制御部34は、通信部32を制御して、取得した車両5に関する情報を送信する。制御部34は、車両5に関する情報とともに、第2取得装置3を一意に識別するための装置IDを送信してもよい。本実施形態では、制御部34は、車両5に関する情報が取得されるたびに、車両5に関する情報を送信するものとする。ただし、制御部34は、所定の期間において取得された複数の車両5に関する情報をまとめて送信してもよい。
【0051】
ステップS203において、制御部34は、本処理を継続するか否かを判定する。
【0052】
例えば、制御部34は、制御装置4から本処理を終了する制御命令を受信した場合に、本処理を終了する、即ち、本処理を継続しないと判定してもよい。制御部34は、本処理を継続すると判定した場合(ステップS203-Yes)、所定の時間間隔で、ステップS201からの処理を繰り返す。一方で、制御部34は、本処理を継続しないと判定した場合(ステップS203-No)、本処理を終了する。
【0053】
(制御装置の構成)
図7を参照して、本実施形態に係る制御装置4の構成を説明する。
図7は、制御装置4の構成を概略的に示す、機能ブロック図である。
図7に示されるように、制御装置4は、通信部41と、記憶部42と、制御部43と、を備える。通信部41、記憶部42、及び制御部43は、有線又は無線により互いに通信可能に接続されている。
【0054】
通信部41は、1つ以上の無線通信モジュールを含む。無線通信モジュールは、例えば、無線LAN又はBluetooth等の通信規格に対応した通信モジュールである。これにより、制御装置4は、通信部41を介して、第1取得装置2及び第2取得装置3等と無線通信することができる。通信部41は、無線通信モジュールに限らず、有線LAN通信モジュール等の有線通信モジュールを含んでよい。
【0055】
記憶部42は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等である。記憶部42は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部42は、制御装置4の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部42は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、又は組み込みソフトウェア等を記憶してもよい。
【0056】
制御部43は、1つ以上のプロセッサを含む。プロセッサは、例えば、CPU等の汎用のプロセッサ、又は特定の処理に特化した専用のプロセッサ等であってもよい。制御部43は、プロセッサに限られず、1つ以上の専用回路を含んでもよい。専用回路は、例えば、FPGA又はASICであってもよい。
【0057】
制御部43は、上述した、制御装置4の機能を実現させるために、通信部41及び記憶部42等の構成要素を制御する。更に、制御部43は、制御装置4の機能として、処理を実施した時刻を取得し、或いは所定の時間間隔で処理を実施するために、RTC又はタイマ等の計時機能を備えている。
【0058】
図8を参照して、制御部43により制御装置4の各機能を制御して実現される、制御装置4の動作について、説明する。
図8は、制御装置4の動作を示すフローチャートである。本動作は、制御装置4の制御方法に相当する。
【0059】
制御部43は、ステップS301~ステップS302において、タイヤ6に関する情報(第1情報)から輪重を推定する第1推定処理を実施する。
【0060】
ステップS301において、制御部43は、タイヤ6に関する情報(第1情報)を受信する。
【0061】
具体的には、制御部43は、通信部41を介して、第1取得装置2A~2Dから、それぞれタイヤ6A~6Dに関する情報を受信する。制御部43は、タイヤ6A~6Dに関する情報に含まれる、タイヤ6A~6Dのひずみ値及びその取得時刻を記憶部42に記憶する。制御部43は、タイヤ6A~6Dに関する情報を時系列データとして記憶部42に記憶してもよい。
【0062】
ステップS302において、制御部43は、タイヤ6に関する情報(第1情報)から輪重を推定する。ここで、タイヤ6の輪重は、タイヤ6が接する路面に対してタイヤ6から掛かる重量である。すなわち、タイヤ6の輪重は、車両5の総重量のうち、そのタイヤ6によって支えられている重量である。
【0063】
具体的には、制御部43は、タイヤ6に関する情報に含まれるタイヤ6のひずみ値を入力として、タイヤ6の輪重を出力とする推定アルゴリズムを記憶部42に予め記憶していてもよい。制御部43は、推定アルゴリズムを用いて、タイヤ6A~6Dのひずみ値から、それぞれタイヤ6A~6Dの輪重を推定する。ただし、タイヤ6に関する情報(第1情報)がひずみ値以外の情報を含む場合には、入力されるタイヤ6に関する情報に応じて、タイヤ6の輪重を推定可能な推定アルゴリズムが使用されてもよい。例えば、タイヤ6に関する情報が、第1取得装置2が設置された位置における加速度又は振動数を含む場合、加速度又は振動数からタイヤ6の輪重を推定する推定アルゴリズムが使用されてもよい。
【0064】
制御部43は、ステップS303~ステップS304において、車両5に関する情報(第2情報)から車重を推定する第2推定処理を実施する。
【0065】
ステップS303において、制御部43は、車両5に関する情報(第2情報)を受信する。
【0066】
具体的には、制御部43は、通信部41を介して、第2取得装置3から、車両5に関する情報を受信する。制御部43は、車両5に関する情報に含まれる、車両5の加速度及びその取得時刻を記憶部42に記憶する。制御部43は、車両5に関する情報を時系列データとして記憶部42に記憶してもよい。
【0067】
ステップS304において、制御部43は、車両5に関する情報(第2情報)から車重を推定する。ここで、車重は、車両5の総重量である。車両5の総重量には、車体51、タイヤ6、及びホイール7の重量に加え、車両5に搭載された乗員及び荷物の重量も含まれる。
【0068】
具体的には、制御部43は、車両モデルを用いて車両5に関する情報(第2情報)から車重を推定する。車両モデルは、車両5の運動又は状態を表す関数、数式、又はアルゴリズム等からなる物理モデルである。車両モデルは、車両5の運動方程式又は状態方程式等により構成されてもよい。或いは、車両モデルは、オブザーバモデル、統計モデル、又はニューラルネットワーク等により構成されてもよい。
【0069】
制御部43は、車両モデルの学習を実施してもよい。具体的には、制御部43は、車両5の運動又は状態表わす情報、或いは車両5の制御情報などの時系列データに基づいて、機械学習、深層学習(ディープラーニング)、又はパラメータ同定等を実施することにより、車両モデルで用いられるパラメータの設定又はチューニング等を実施して、車両モデルを構築又は更新する。
【0070】
本実施形態では、車両モデルは、例えば、オブザーバモデルである。一例として、車両モデルは、車両5の加速度と、エンジンの出力との関係を表したオブザーバモデルであってもよい。かかる場合、制御部43は、車両モデルを用いて、車両5に関する情報に含まれる車両5の加速度と現在のエンジンの出力との関係から、車両5の車重を推定する。他の例として、車両モデルは、車両5の加速度と、ステアリングシャフトの回転度合いとの関係を表したオブザーバモデルであってもよい。かかる場合、制御部43は、車両モデルを用いて、車両5に関する情報に含まれる車両5の加速度と現在のステアリングシャフトの回転度合いとの関係から、車両5の車重を推定する。
【0071】
制御部43は、車両モデルの学習に、第1推定処理により推定された輪重を用いてもよい。具体的には、車両モデルがオブザーバモデルである場合、車両モデルで推定する車両5の車重の初期値として、第1推定処理により推定された輪重から算出された車重を使用することができる。これによって、オブザーバモデルの収束を早めることができ、車両モデルの学習を開始してから車両モデルの出力が安定するまでに要する時間を短くすることができる。ただし、車両5に関する情報(第2情報)が加速度以外の情報を含む場合には、入力される車両5に関する情報に応じて、車両5の車重を推定可能な車両モデルが使用されてもよい。
【0072】
ステップS305において、制御部43は、輪重及び車重のいずれか一方に基づいて、車両5を制御する。
【0073】
具体的には、制御部43は、車両5の制御に用いる情報を選択するために、輪重を用いて算出された所定の重量Aと、車重を用いて算出された所定の重量Bとが所定の差異範囲内にあるか否かを判定してもよい。所定の重量A及び所定の重量Bは、例えば、車両5の車重である。かかる場合、制御部43は、第1推定処理によって推定された、タイヤ6A~6Dの輪重を合計した値を所定の重量Aとする。また、制御部43は、第2推定処理によって推定された、車両5の車重をそのまま所定の重量Bとする。制御部43は、所定の重量Aと所定の重量Bとが所定の差異範囲内にあるか否かを判定する。所定の重量Aと所定の重量Bとが所定の差異範囲内にあるか否かは、例えば、所定の重量A又は所定の重量Bのいずれか一方の値を基準として、他方の値がその上下10%以内の範囲に入っているか否かで判定されてもよい。ただし、所定の重量Aと所定の重量Bとが所定の差異範囲内にあるか否かの判定方法は、これに限られない。また、所定の重量A及び所定の重量Bは、車重に限られず、軸重又は輪重など、車両5に関する任意の重量とされてもよい。
【0074】
所定の重量Aと所定の重量Bとが所定の差異範囲内にあると判定された場合、制御部43は、第1推定処理により推定された輪重に基づいて、車両5を制御する。具体的には、制御部43は、タイヤ6A~6Dの輪重を用いて、車両5の自動運転を行ってもよい。所定の重量Aと所定の重量Bとが所定の差異範囲内にある場合には、制御部43は、推定された輪重及び車重の精度が同程度であると判定することができる。かかる場合、制御部43は、より詳細な情報である輪重を車両5の制御に使用する。
【0075】
一方で、所定の重量Aと所定の重量Bとが所定の差異範囲内にないと判定された場合、制御部43は、第2推定処理により推定された車重に基づいて、車両5を制御する。具体的には、制御部43は、車両5の車重を用いて、車両5の自動運転を行ってもよい。所定の重量Aと所定の重量Bとが所定の差異範囲内にない場合には、制御部43は、推定された輪重及び車重の精度が異なると判定することができる。かかる場合、制御部43は、より信頼性の高い車重を車両5の制御に使用する。これは、タイヤ6に設置された第1取得装置2が路面の凹凸による影響を受けやすいこと、或いは、第2取得装置3に比べて制御装置4との距離が離れている第1取得装置2の方が制御装置4との通信が不安定になりやすいことから、第2情報に比べて第1情報に精度低下又はデータ欠損が生じやすく、ひいては、車重に比べて輪重の信頼性が低くなるという前提に基づくものである。このように、制御部43は、推定された輪重及び車重のうち、より車両5の制御に適したものを選択して、車両5の制御に使用することができる。
【0076】
制御部43は、上述のとおり、輪重及び車重のいずれか一方に基づいて、車両5を制御する際に、車両5の制御の信頼性が十分ではないと考えられる場合には、制限付き車両制御を行ってもよい。制限付き車両制御は、例えば、速度制限を設けた自動運転である。かかる場合、制御部43は、所定の速度を超えないように、車両5の加速、減速、又は操舵を行ってもよい。或いは、制限付き車両制御は、車線変更、追い越し等の実施に制限を設けた自動運転であってもよい。制限付き車両制御は、上述したSEAにおける自動運転のレベルを下げることであってもよい。
【0077】
例えば、制御部43は、車両モデルの学習を開始してから所定の期間、制限付き車両制御を実施してもよい。ここで、車両5の車重は、車両5の停車中に、乗員の乗り降り又は荷物の積み下ろしが行われた際に変化することが考えられる。そのため、制御部43は、例えば、停車した車両5が再び走行を開始するために、サイドブレーキが解除されたタイミングで、車両モデルの学習を実施してもよい。この時、上述のとおり、車両モデルの学習を開始してから車両モデルの出力が安定するまでに所定の期間を要する場合がある。そのため、制御部43は、車両モデルの学習を開始してから所定の期間、制限付き車両制御を実施することで、車両モデルを用いて推定される車重の精度が十分ではない期間における、車両5の制御の安全性を向上させることができる。例えば、所定の期間は、1分以上5分以下の期間とされてもよい。
【0078】
上述した実施形態において、制御装置4の機能として説明された機能又は処理の全部又は一部は、プログラムにより実現され得る。プログラムは、コンピュータで読取り可能な非一時的記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読取り可能な非一時的記録媒体は、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又は半導体メモリである。プログラムの流通は、例えば、プログラムを記録したDVD(digital versatile disc)又はCD-ROM(compact disc read only memory)などの可搬型記録媒体を販売、譲渡、又は貸与することにより行われる。或いは、プログラムを所定のサーバのストレージに格納しておき、所定のサーバから他のコンピュータにプログラムを転送することにより、プログラムを流通させることができる。プログラムはプログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0079】
コンピュータのプロセッサは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラム又は所定のサーバから転送されたプログラムを、一旦、メモリに格納する。そして、プロセッサは、メモリに格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。プログラムには、プロセッサによる処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものが含まれる。例えば、プロセッサに対する直接の指令ではないがプロセッサの処理を規定する性質を有するデータは、「プログラムに準ずるもの」に該当する。
【0080】
以上述べたように、本発明の一実施形態に係る制御装置4は、車両5の制御装置4であって、通信部41と、制御部43と、を備える。通信部41は、タイヤ6に設置されたセンサからの第1情報(第1取得装置2で取得されたタイヤ6に関する情報)を受信し、車体51に設置されたセンサからの第2情報(第2取得装置3で取得された車両5に関する情報)を受信する。制御部43は、第1情報から輪重を推定し、第2情報から車重を推定し、輪重及び車重のいずれか一方に基づいて、車両5を制御する。かかる構成によれば、制御装置4は、タイヤ6に設置されたセンサからの情報に基づいて車両5を制御できない場合であっても、車体51に設置されたセンサからの情報に基づいて車両5を制御することができる。これにより、制御装置4は、タイヤ6に設置されたセンサからの情報を用いて車両5を制御する技術の有用性を向上させることができる。
【0081】
本発明の一実施形態に係る制御装置4では、制御部43は、輪重を用いて算出された所定の重量Aと、車重を用いて算出された所定の重量Bとが所定の差異範囲内にあるか否かを判定し、所定の差異範囲内にあると判定された場合には、輪重に基づいて、車両5を制御し、所定の差異範囲内にないと判定された場合には、車重に基づいて、車両5を制御することが好ましい。かかる構成によれば、制御部43は、推定された輪重及び車重の精度が同程度である場合には、車重よりも詳細な情報である輪重を車両5の制御に使用し、推定された輪重及び車重の精度が異なると判定された場合には、より信頼性の高い車重を車両5の制御に使用することができる。これにより、制御装置4は、推定された輪重及び車重のうち、より車両5の制御に適したものを選択して、車両5の制御に使用することができる。
【0082】
本発明の一実施形態に係る制御装置4では、制御部43は、車両モデルを用いて第2情報から車重を推定し、車両モデルの学習を実施することが好ましい。かかる構成によれば、制御装置4は、第2情報から推定される車重の精度を向上させることができる。
【0083】
本発明の一実施形態に係る制御装置4では、車両モデルは、オブザーバモデルであって、制御部43は、車両モデルの学習に輪重を用いることが好ましい。かかる構成によれば、制御装置4は、オブザーバモデルの収束を早めることができ、車両モデルの学習を開始してから車両モデルの出力が安定するまでに要する時間を短くすることができる。
【0084】
本発明の一実施形態に係る制御装置4では、制御部43は、車両モデルの学習を開始してから所定の期間、制限付き車両制御を実施することが好ましい。かかる構成によれば、制御装置4は、車両モデルを用いて推定される車重の精度が十分ではない期間における、車両5の制御の安全性を向上させることができる。
【0085】
本発明の一実施形態に係る制御装置4では、制限付き車両制御は、速度制限を設けた自動運転であることが好ましい。かかる構成によれば、制御装置4は、車両5の自動運転の安全性を向上させることができる。
【0086】
本発明の一実施形態に係る制御方法は、車両5の制御方法である。制御方法は、タイヤ6に設置されたセンサからの第1情報(第1取得装置2で取得されたタイヤ6に関する情報)を受信することと、車体51に設置されたセンサからの第2情報(第2取得装置3で取得された車両5に関する情報)を受信することと、第1情報から輪重を推定することと、第2情報から車重を推定することと、輪重及び車重のいずれか一方に基づいて、車両5を制御することと、を含む。かかる制御方法によれば、タイヤ6に設置されたセンサからの情報に基づいて車両5を制御できない場合であっても、車体51に設置されたセンサからの情報に基づいて車両5を制御することができる。これにより、当該制御方法は、タイヤ6に設置されたセンサからの情報を用いて車両5を制御する技術の有用性を向上させることができる。
【0087】
本発明を諸図面及び実施形態に基づき説明してきたが、当業者であれば本発明に基づき種々の変形及び修正を行うことが可能であることに注意されたい。したがって、これらの変形及び修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各実施形態又は各実施例に含まれる構成又は機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能である。また、各実施形態に含まれる構成又は機能等は、他の実施形態又は他の実施例に組み合わせて用いることができ、複数の構成又は機能等を1つに組み合わせたり、分割したり、或いは一部を省略したりすることが可能である。
【0088】
例えば、上述した実施形態において、制御装置4の機能又は処理として説明された機能又は処理の全部又は一部が、第1取得装置2又は第2取得装置3の機能又は処理として実現されてもよい。かかる場合、実施形態に係る制御装置4の機能又は処理を記述したプログラムを、第1取得装置2又は第2取得装置3が備えるメモリ等に記憶させ、第1取得装置2又は第2取得装置3のプロセッサ等によって当該プログラムを読み出して実行させてもよい。
【0089】
また、上述した実施形態において、制御装置4の機能又は処理として説明された機能又は処理の全部又は一部が、車両5の外部に設置されたサーバの機能又は処理として実現されてもよい。かかる場合、当該サーバが、SaaS(Software as a Service)等のサービスとして制御装置4の機能又は処理の全部または一部を提供してもよい。例えば、車両5の外部に設置されたサーバが、制御装置4として、上述した処理の全部又は一部を実施して、処理結果を車両5のECUに送信することで、車両5を間接的に制御してもよい。
【0090】
また、上述した実施形態において、車両5に関する情報(第2情報)から車重を推定するための車両モデルの学習が実施されるものとして説明した。しかしながら、車両モデルの学習に限られず、タイヤ6に関する情報(第1情報)から輪重を推定するための推定アルゴリズムの学習も実施されてもよい。かかる場合、タイヤ6に関する情報などの時系列データに基づいて、機械学習、深層学習(ディープラーニング)、又はパラメータ同定等を実施することにより、推定アルゴリズムで用いられるパラメータの設定又はチューニング等を実施して、推定アルゴリズムを構築又は更新してもよい。
【符号の説明】
【0091】
1:車両制御システム、 2(2A、2B、2C、2D):第1取得装置、 21:取得部、 22:通信部、 23:記憶部、 24:制御部、 3:第2取得装置、 31:取得部、 32:通信部、 33:記憶部、 34:制御部、 4:制御装置、 41:通信部、 42:記憶部、 43:制御部、 5:車両、 51:車体、 52(52A、52B):車軸、 6(6A、6B、6C、6D):タイヤ、 6A:トレッド部、 7:ホイール、 7A:リム