(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022119154
(43)【公開日】2022-08-16
(54)【発明の名称】医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類方法、並びに、装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 6/03 20060101AFI20220808BHJP
【FI】
A61B6/03 375
A61B6/03 360D
【審査請求】有
【請求項の数】27
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021094195
(22)【出願日】2021-06-04
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】10-2021-0015166
(32)【優先日】2021-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
2.BLUETOOTH
3.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】520110216
【氏名又は名称】ヒューロン カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】キム,ドヒョン
(72)【発明者】
【氏名】ソン,スーファ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,スミン
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジン ス
(72)【発明者】
【氏名】リー,ソン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】コー,スン ヨン
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA22
4C093AA24
4C093DA04
4C093FF16
4C093FF17
4C093FF28
4C093FF37
(57)【要約】 (修正有)
【課題】閉塞が発生した脳血管の位置を検出し、病型を分類することにより、治療の方向性を決めることを支援する方法並びに装置及びシステムを提供する。
【解決手段】医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置は、患者の脳に関連する画像を収集する獲得部10と、収集された画像をもとに、患者が脳主幹動脈閉塞(Large Vessel Occlusion)患者であるか否かを判断する検出部20と、患者が脳主幹動脈閉塞患者である場合、脳主幹動脈閉塞の病型がEmbolism(塞栓症)であるか、或いはICAS(Intracranial Atherosclerosis、頭蓋内アテローム性動脈硬化症)であるかを判断する判断部30と、判断された脳主幹動脈閉塞の病型に応じて適用される治療の方向性情報を提供する診断部40と、を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一人の患者の脳に関連する画像を収集する獲得部と、
前記収集された画像をもとに、前記少なくとも一人の患者が脳主幹動脈閉塞(Large Vessel Occlusion)患者であるか否かを判断する検出部と、
前記少なくとも一人の患者が脳主幹動脈閉塞患者である場合、前記脳主幹動脈閉塞の病型がEmbolism(塞栓症)であるか、或いはICAS(Intracranial Atherosclerosis、頭蓋内アテローム性動脈硬化症)であるか否かを判断する判断部と、
前記判断された脳主幹動脈閉塞の病型に応じて異に適用される治療の方向性情報を提供する診断部と、を含む、医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置。
【請求項2】
前記獲得部は、前記少なくとも一人の患者の脳に関連する血管造影(Angiography)画像を収集し、
前記検出部は、前記血管造影(Angiography)画像のボクセル(voxel)情報を用いて前記少なくとも一人の患者が脳主幹動脈閉塞患者であるか否かを判断することを特徴とする、請求項1に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置。
【請求項3】
前記検出部は、
前記血管造影(Angiography)画像内において、前記少なくとも一人の患者の連続的なスライス(Serial slice)を考慮するためのRecurrent Neural Network(RNN)層(layer)及び前記血管造影(Angiography)画像内の特徴(feature)を抽出するためのConvolutional neural network(CNN)層(layer)を合成した形態の人工知能モデルアーキテクチャを利用して、前記少なくとも一人の患者が脳主幹動脈閉塞患者であるか否かを判断することを特徴とする、請求項2に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置。
【請求項4】
前記ICASの場合、動脈硬化が進行するにつれて、血管内の血流が減少され、前記減少した血流量を補うために、前記動脈硬化が進行している血管周辺の側副循環が発達し、
前記判断部は、前記側副循環が発達した第1のイベントが観察された場合、前記脳主幹動脈閉塞の病型をICASであると判断することを特徴とする、請求項1に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置。
【請求項5】
前記獲得部は、前記少なくとも一人の患者の脳に関連する灌流(Perfusion)画像及び拡散(diffusion image)画像を収集し、
前記判断部は、前記灌流(Perfusion)画像及び拡散(diffusion image)画像のうち少なくともいずれかを用いて前記第1のイベントが観察されるか否かを決めることを特徴とする、請求項4に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置。
【請求項6】
前記灌流(perfusion)画像内において、infarct core volumeと周辺cortex領域volume間の差が、予め指定された数値以上である第1の条件及び前記拡散(diffusion image)画像内において、infarctの病型がscattered pattern又はborder zone infarctの病型で示される第2の条件のうちの少なくとも一つが満たされる場合、
前記判断部は、前記第1のイベントが観察されたものと判断し、前記脳主幹動脈閉塞の病型をICASであると判断することを特徴とする、請求項5に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置。
【請求項7】
前記灌流(perfusion)画像内において、cerebral blood volume(CBV)の減少形態が示される第1の条件及び拡散(diffusion image)画像内で、infarctの病型がTerritorial infarct patternの病型で示される第2の条件のうち少なくともいずれかが満たされる場合、
前記判断部は、前記第1のイベントが観察されないものと判断し、前記脳主幹動脈閉塞の病型をEmbolismとして判断することを特徴とする、請求項5に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置。
【請求項8】
前記判断部は、
前記少なくとも一人の患者が脳主幹動脈閉塞患者である場合、前記脳主幹動脈閉塞の位置が後方循環(Posterior circulation、PC)に該当するか、或いは前方循環(Anterior circulation、AC)に該当するかを判断し、
前記脳主幹動脈閉塞の種類がBSO(Branching-site occlusion、分枝閉塞症)であるか、或いはTTO(Truncal-type occlusion、体幹型閉塞)であるかを判断し、
前記後方循環(PC)又は前方循環(AC)の第1判断と前記BSO又はTTOの第2判断をもとに、前記脳主幹動脈閉塞の病型を判断することを特徴とする、請求項1に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置。
【請求項9】
前記脳主幹動脈閉塞の位置が後方循環(PC)内に位置する場合、
前記判断部は、
前記脳主幹動脈閉塞の種類が前記BSOであれば、前記脳主幹動脈閉塞が前記Embolismであると判断し、
前記脳主幹動脈閉塞の種類が前記TTOであれば、前記脳主幹動脈閉塞が前記ICASであると判断することを特徴とする、請求項8に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置。
【請求項10】
前記脳主幹動脈閉塞の位置が前方循環(AC)内に位置する場合、
前記獲得部は、少なくとも一人の患者に関連する身体情報をさらに収集し、
前記ICASの場合、動脈硬化が進行するにつれて、血管内の血流量が減少され、前記減少した血流量を補うために、前記動脈硬化が進行する血管周辺の側副循環が発達し、
前記判断部は、前記側副循環が発達した第1のイベントが観察されるか否かを判断し、 前記判断部は、
前記身体情報、前記第1のイベントが観察されるか否かについての情報及び前記脳主幹動脈閉塞の種類が前記BSO又は前記TTOな情報を一緒に利用して、前記前記脳主幹動脈閉塞の病型を判断することを特徴とする、請求項8に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置。
【請求項11】
前記判断された脳主幹動脈閉塞の病型が前記ICASである場合、
前記診断部は、
1次的に血管形成術を用いた治療及び/又は抗血小板剤を用いた治療の方向性情報を提供することを特徴とする、請求項1に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置。
【請求項12】
前記少なくとも一人の患者にさらなる治療が必要な場合、
前記診断部は、
2次的に、血栓溶解剤を用いた治療、血栓除去術を用いた治療法、前記抗血小板剤以外の薬物を用いた治療、ステントを用いた治療、バルーン挿入による治療及びCounterpulsation(カウンターパルセイション)の治療の方向性情報のうち少なくともいずれかを提供することを特徴とする、請求項11に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置。
【請求項13】
前記少なくとも一人の患者に、前記血栓除去術を用いた治療が適用される場合、
予め指定された時間が経過すれば、前記血栓除去術を用いた治療を中断することを提案する情報を出力することを特徴とする、請求項12に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置。
【請求項14】
前記判断された脳主幹動脈閉塞の病型が前記Embolismである場合、
前記診断部は、
前記少なくとも一人の患者が軽症の患者であるか、重症の患者であるかを判断し、
前記軽症の患者である場合には、血栓溶解剤を用いた治療の方向性情報を提供し、
前記重症の患者である場合には、血栓除去術を用いた治療の方向性情報を提供することを特徴とする、請求項1に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置。
【請求項15】
前記診断部が提供する治療の方向性情報を予め指定された機関であって、有線及び/又は無線通信を基に転送する通信部、をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置。
【請求項16】
獲得部は、少なくとも一人の患者の脳に関連する画像を収集する第1段階と、
検出部が前記収集された画像をもとに、前記少なくとも一人の患者が脳主幹動脈閉塞(Large Vessel Occlusion)患者であるか否かを判断する第2段階と、
判断部が前記少なくとも一人の患者が脳主幹動脈閉塞患者である場合、前記脳主幹動脈閉塞の病型がEmbolism(塞栓症)であるか、或いはICAS(Intracranial Atherosclerosis、頭蓋内アテローム性動脈硬化症)であるか否かを判断する第3段階と、
診断部が前記判断された脳主幹動脈閉塞の病型に応じて異に適用される治療の方向性情報を提供する第4段階と、を含む、医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類方法。
【請求項17】
前記第1段階において、前記獲得部は、前記少なくとも一人の患者の脳に関連する血管造影(Angiography)画像を収集し、
前記第2段階において、前記検出部は、前記血管造影(Angiography)画像のボクセル(voxel)情報を用いて、前記少なくとも一人の患者が脳主幹動脈閉塞患者であるか否かを判断することを特徴とする、請求項16に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中検出及び病型分類方法。
【請求項18】
前記第2段階において、前記検出部は、
前記血管造影(Angiography)画像内において、前記少なくとも一人の患者の連続的なスライス(Serial slice)を考慮するためのRecurrent Neural Network(RNN)層(layer)及び前記血管造影(Angiography)画像内の特徴(feature)を抽出するためのConvolutional neural network(CNN)層(layer)を合成した形態の人工知能モデルアーキテクチャを利用して、前記少なくとも一人の患者が脳主幹動脈閉塞患者であるか否かを判断することを特徴とする、請求項17に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中検出及び病型分類方法。
【請求項19】
前記ICASの場合、動脈硬化が進行するにつれて、血管内の血流が減少され、前記減少した血流量を補うために、前記動脈硬化が進行される血管周辺の側副循環が発達し、
前記第3段階において、前記判断部は、前記側副循環が発達した第1のイベントが観察された場合、前記脳主幹動脈閉塞の病型をICASとして判断することを特徴とする、請求項16に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類方法。
【請求項20】
前記第1段階において、前記獲得部は、前記少なくとも一人の患者の脳と関連灌流(Perfusion)画像及び拡散(diffusion image)画像を収集し、
前記第3段階において、前記判断部は、前記灌流(Perfusion)画像及び拡散(diffusion image)画像のうち少なくともいずれかを用いて前記第1のイベントが観察されるか否かを決めることを特徴とする、請求項19に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出と病型分類方法。
【請求項21】
前記灌流(perfusion)画像内において、infarct core volumeと周辺cortex領域volume間の差が、予め指定された数値以上である第1の条件及び拡散(diffusion image)画像内で、infarctの病型がscattered pattern又はborder zone infarctの病型で示される第2の条件のうちの少なくとも一つが満たされる場合、
前記第3段階において、前記判断部は、前記第1のイベントが観察されたものと判断し、前記脳主幹動脈閉塞の病型をICASとして判断することを特徴とする、請求項20に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類方法。
【請求項22】
前記灌流(perfusion)画像内において、cerebral blood volume(CBV)の減少形態が示される第1の条件及び拡散(diffusion image)画像内で、infarctの病型がTerritorial infarct patternの病型で示される第2の条件のうちの少なくとも一つが満たされている場合、
前記第3段階において、前記判断部は、前記第1のイベントが観察されないものと判断し、前記脳主幹動脈閉塞の病型をEmbolismとして判断することを特徴とする、請求項20に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類方法。
【請求項23】
前記第3段階は、
前記判断部が、前記少なくとも一人の患者が脳主幹動脈閉塞患者である場合、前記脳主幹動脈閉塞の位置が後方循環(Posterior circulation、PC)に該当するか、或いは前方循環(Anterior circulation、AC)に該当するかを判断する第3-1段階と、
前記判断部が前記脳主幹動脈閉塞の種類がBSO(Branching-site occlusion、分枝閉塞症)であるか、或いはTTO(Truncal -type occlusion、体幹型閉塞)であるかを判断する第3-2段階と、
前記判断部が前記後方循環(PC)又は前方循環(AC)の第1判断と前記BSO又はTTOの第2判断をもとに、前記脳主幹動脈閉塞の病型を判断する第3-3段階と、を含むことを特徴とする、請求項16に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類方法。
【請求項24】
前記脳主幹動脈閉塞の位置が後方循環(PC)内に位置する場合、
前記第3-3段階において、前記判断部は、
前記脳主幹動脈閉塞の種類が前記BSOであれば、前記脳主幹動脈閉塞が前記Embolismであると判断し、
前記脳主幹動脈閉塞の種類が前記TTOであれば、前記脳主幹動脈閉塞が前記ICASであると判断することを特徴とする、請求項23に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類方法。
【請求項25】
前記脳主幹動脈閉塞の位置が前方循環(AC)内に位置する場合、
前記第1段階において、前記獲得部は、少なくとも一人の患者に関連する身体情報をさらに収集し、
前記ICASの場合、動脈硬化が進行するにつれて、血管内の血流量が減少され、前記減少した血流量を補うために、前記の動脈硬化が進行する血管周辺の側副循環が発達し、
前記第3-2段階において、前記判断部は、前記側副循環が発達した第1のイベントが観察されるか否かをさらに判断し、
第3-3段階において、前記判断部は、
前記身体情報、前記第1のイベントが観察されるか否かについての情報及び前記脳主幹動脈閉塞の種類が前記BSO又は前記TTOな情報を一緒に利用して、前記脳主幹動脈閉塞の病型を判断することを特徴とする、請求項23に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類方法。
【請求項26】
前記判断された脳主幹動脈閉塞の病型が前記ICASである場合、
前記第4段階は、
前記診断部が1次的に血管形成術を用いた治療及び/又は抗血小板剤を用いた治療の方向性情報を提供する第4-1段階と、
前記少なくとも一人の患者にさらなる治療が必要な場合、前記診断部が2次的に、血栓溶解剤を用いた治療、血栓除去術を用いた治療法、前記抗血小板剤以外の薬物を用いた治療、ステントを用いた治療、バルーン挿入による治療とCounterpulsation(カウンターパルセイション)の治療の方向性情報のうち少なくともいずれかを提供する第4-2段階と、を含むことを特徴とする、請求項16に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類方法。
【請求項27】
前記第4-2段階において、前記少なくとも一人の患者に、前記血栓除去術を用いた治療が適用される場合、
予め指定された時間が経過すると、前記血栓除去術を用いた治療を中断することを提案する情報を出力する第4-3段階と、をさらに含むことを特徴とする、請求項26に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類方法。
【請求項28】
前記判断された脳主幹動脈閉塞の病型が前記Embolismである場合、
前記第4段階は、
前記診断部が前記少なくとも一人の患者が軽症の患者であるか、重症の患者であるかを判断する第4-1段階と、
前記診断部が前記軽症の患者である場合には、血栓溶解剤を用いた治療の方向性情報を提供し、前記重症の患者である場合には、血栓除去術を用いた治療の方向性情報を提供する第4-2段階と、を含むことを特徴とする、請求項16に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類方法。
【請求項29】
前記第4段階後、
通信部が前記診断部が提供する治療の方向性情報を予め指定された機関であって、有線及び/又は無線通信を基に転送する第5段階をさらに含むことを特徴とする、請求項16に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類方法、並びに、装置及びシステム(ISCHEMIC STROKE DETECTION AND CLASSIFICATION METHOD BASED ON MEDICAL IMAGE、APPARATUS AND SYSTEM)に関する。さらに詳しくは、本発明は、脳主幹動脈閉塞(Large vessel occlusion)による虚血性脳卒中が疑われる患者を対象に獲得した医用画像及び患者の情報に基づいて、閉塞が発生した脳血管の位置を検出し、発生した脳主幹動脈閉塞の病型を分類することにより、医療人が患者に適した治療の方向性を決めることを支援する情報を算出し、提供する方法、並びに、装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
脳疾患、いわゆる脳血管疾患には、脳血管が破れる脳出血、脳血管が血栓などにより詰まる脳梗塞、脳血管が異常に膨らむ脳動脈瘤などがあり、脳出血と脳梗塞とをあわせて「脳卒中」という。
【0003】
このような脳疾患を診断するため、超音波診断、脳CT、脳MRI(Magnetic Resonance Imaging)などの非侵襲的手法が利用されている。
【0004】
前記超音波診断方法は、頸動脈超音波診断において頸動脈の粥状動脈硬化症の病変を非侵襲的に容易に診断することができる。また、経頭蓋超音波ドプラ法(transcranial Doppler)で頭蓋腔内の脳血流を測定し、臨床に応用する。
【0005】
前記脳CTを用いた診断方法は、出血性疾患の診断に適しており、近来、発達した技術であって、脳の血流状態、脳血管撮影をし、脳卒中患者の治療(特に、虚血性患者の治療)に大いに役立つ。
【0006】
前記脳MRIを用いた診断方法は、脳CTに比べて頭蓋骨による人工陰影の影響がないので、脳幹、小脳、側頭葉の部位の病巣を詳細に診断することができ、脳梗塞の早期発見、脳灌流状態の微細診断が可能であり、さらに脳血管の状態を綿密に診断することができることにより、脳組織の状態を診断するのに最も良い方法であるといえる。
【0007】
特に、脳卒中(Stroke)は、脳に血液を供給する血管が詰まったり破裂したりして脳損傷が来て、これが原因で身体障害が起こる疾患であり、且つ、世界で最も重要な死亡の原因でもあり、死亡に至らなくても、永久的な障害を引き起こすハイリスク疾患に分類される。
【0008】
従来、脳卒中は、主に高齢者の疾患として認識されてきたが、近来は30代、40代からでも脳卒中が頻繁に発症するにつれて、老年だけでなく、青壮年にも広範囲に起こりうる非常に危険な疾患として認識されている。
【0009】
このような脳卒中は、脳に血液を供給する血管が詰まることで発生する「虚血性脳卒中(ischemic stroke)」と、脳血管が破裂し、出血が起こる「出血性脳卒中(cerebral hemorrhage)」の2つの病型に区分されることができる。
【0010】
前記虚血性脳卒中は、脳卒中全体の約80%を占めており、虚血性脳卒中のほとんどは、凝固した血液の塊である血栓(thrombosis)が脳に酸素と栄養分を供給する血管を塞いで発生する。
【0011】
こうした虚血性脳卒中において、脳主幹動脈閉塞の病型を分類すると、塞栓症(Embolism、以下、「Embolism」と称する)と、頭蓋内アテローム性動脈硬化症(Intracranial Atherosclerosis、ICAS、以下、「ICAS」と称する)とに分けられる。
【0012】
まず、Embolismは、血流に乗って運ばれてきた数々の浮遊物が流れる血管腔の一部又は全部が塞がれた状態を表し、Embolismの原因となった物体を塞栓(embolus)と呼び、塞栓の中で最も多いのが心臓の中で作られた血栓である。
【0013】
次に、ICASは、血管の最も内側の膜(内皮)にコレステロールが沈着がし、血管内皮細胞が増殖し、血管が狭くなったり、塞がってしまったりし、その血管が末梢血流障害を引き起こす疾患をいう。
【0014】
すなわち、Embolismは、代表的に血栓などで血管の少なくとも一部が詰まり、血流障害を引き起こす疾患を表し、ICASは、動脈硬化によって血管が狭くなり、in situ thrombosisが発生し、血流障害を引き起こす疾患をいう。
【0015】
今日、患者に発症した脳主幹動脈閉塞の病型がEmbolismであるのか、ICASであるのかを区別せずに、1次的に閉塞が発症した時間を基準に3時間ないし4時間半以内に、血液凝固によって形成された塊を溶かす薬物処理剤である血栓溶解剤を用いた治療を試みたり、24時間以内に血栓除去術による治療が承認されている。
【0016】
しかし、ICASの場合、血栓溶解剤を用いた治療をすると、体内で血小板がさらに凝集してしまい、24時間の間、抗血小板薬剤を用いた治療が難しくなり、1次的に施された血栓溶解療法がかえって状態を悪化させてしまうなどの問題が発生する。
【0017】
また、Embolismの場合、血栓除去術などを通じて血栓を除去することで、問題を解決することができるのに対し、ICASの場合には、血栓を除去してからも動脈硬化による狭窄が残っているので、後続措置が必要であるが、これら2つの病型が同じであるので、医療人が手術前に脳主幹動脈閉塞の病型を事前に把握することが難しく、術後に当該状況や後続措置が必要であるということを把握できないなどの問題点も存在した。
【0018】
したがって、前記のような従来の問題点を解消するために、脳主幹動脈閉塞による虚血性脳卒中が疑われる患者を対象に、閉塞が発生した脳血管の位置を検出し、発生した脳主幹動脈閉塞の病型を分類することで、医療人が分類された閉塞の病型とマッチングする適した治療の方向性を決めることを支援する方法、装置及びシステムの開発が求められているのが実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】大韓民国特許登録番号10-1992057号(2019年6月24日公告)
【特許文献2】大韓民国特許登録番号10-1754291号(2017年7月6日公告)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明は、前述した従来の問題点を解消するために、医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類方法、並びに、装置及びシステムを提案する。
【0021】
具体的に、本発明は、脳主幹動脈閉塞(Large vessel occlusion)による虚血性脳卒中が疑われる患者を対象に獲得した医用画像と患者情報に基づいて、閉塞が発生した脳血管の位置を検出し、発生した脳主幹動脈閉塞の原因を分類することにより、医療人が患者に適した治療の方向性を決めることを支援する情報を算出し、提供する方法、装置及びシステムを提供する。
【0022】
また、本発明は、閉塞が発生した脳血管の位置周辺に側副循環形成による効果が医用画像内に存在するか否かを判断することにより、発生した脳主幹動脈閉塞の病型を分類することができる方法、装置及びシステムを提供する。
【0023】
また、本発明は、閉塞が発生した脳血管の位置が後方循環(Posterior circulation、PC)に該当する場合には、閉塞血管の枝分かれ部が詰まっているか、或いは通っているかを区別して、当該部位がBSO(Branching site occlusion)であるか、或いはTTO(Truncal type occlusion)であるかを区別することにより、発生した脳主幹動脈閉塞の病型を分類することができる方法、装置、及びシステムを提供する。
【0024】
また、本発明は、閉塞が発生した脳血管の位置が前方循環(Anterior circulation、AC)に該当する場合には、当該部位がBSO(Branching site occlusion)/TTO(Truncal type occlusion)情報、側副循環の形成情報と患者の身体情報を一緒に利用することで、発生した脳主幹動脈閉塞の病型を分類することができる方法、装置、及びシステムを提供する。
【0025】
また、本発明は、発生した大脳主幹動脈閉塞の病型がEmbolismである場合とICASである場合とに分けて、医療従事者が手術前に脳主幹動脈閉塞の病型を事前に把握し、患者に適した治療の方向性を決めることを支援する方法、装置及びシステムを提供する。
【0026】
なお、本発明において解決しようとする技術的課題は、以上で述べた技術的課題に制限されず、言及していないもう1つの技術的課題は、以下の記載から、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0027】
前記技術的課題を達成するための本発明の一態様である医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置は、少なくとも一人の患者の脳に関連する画像を収集する獲得部と、前記収集された画像をもとに、前記少なくとも一人の患者が脳主幹動脈閉塞(Large Vessel Occlusion)患者であるか否かを判断する検出部と、前記少なくとも一人の患者が脳主幹動脈閉塞患者である場合、前記大脳主幹動脈閉塞の病型がEmbolism(塞栓症)であるか、或いはICAS(Intracranial Atherosclerosis、頭蓋内アテローム性動脈硬化症)であるか否かを判断する判断部と、前記判断された大脳主幹動脈閉塞の病型に応じて異に適用される治療の方向性情報を提供する診断部と、を含むことができる。
【0028】
また、前記獲得部は、前記少なくとも一人の患者の脳に関連する血管造影(Angiography)画像を収集し、前記検出部は、前記血管造影(Angiography)画像のボクセル(voxel)情報を用いて、前記少なくとも一人の患者が脳主幹動脈閉塞患者であるか否かを判断することができる。
【0029】
また、前記検出部は、前記血管造影(Angiography)画像内において、前記少なくとも一人の患者の連続的なスライス(Serial slice)を考慮するためのRecurrent Neural Network(RNN)層(layer)、及び前記血管造影(Angiography)画像内において特徴(feature)を抽出するためのConvolutional neural network(CNN)層を合成した形態の人工知能モデルアーキテクチャを利用して、前記少なくとも一人の患者が脳主幹動脈閉塞患者であるか否かを判断することができる。
【0030】
また、前記ICASの場合、動脈硬化が進行するにつれて、血管内の血流量が減少され、前記減少した血流量を補うために、前記動脈硬化が進行する血管周辺の側副循環が発達し、前記判断部は、前記側副循環が発達した第1のイベントが観察された場合、前記大脳主幹動脈閉塞の病型をICASであると判断することができる。
【0031】
また、前記獲得部は、前記少なくとも一人の患者の脳に関連する灌流(Perfusion)画像及び拡散(diffusion image)画像を収集し、前記判断部は、前記灌流(Perfusion)画像及び拡散(diffusion image)画像のうち少なくともいずれかを用いて、前記第1のイベントが観察されるか否かを決めることができる。
【0032】
また、前記灌流(perfusion)画像内において、infarct core volumeと周辺cortex領域volume間の差が、予め指定された数値以上である第1条件及び前記拡散(diffusion image)画像内において、infarctの病型がscattered pattern又はborder zone infarctのような病型で示される第2条件のうち少なくともいずれかが満たされる場合、前記判断部は、前記第1のイベントが観察されたものと判断し、前記脳主幹動脈閉塞の病型をICASと判断することができる。
【0033】
また、前記灌流(perfusion)画像内において、cerebral blood volume(CBV)の減少形態が示される第1条件及び前記拡散(diffusion image)画像内において、infarctの病型がTerritorial infarct patternの病型で示される第2条件のうち少なくともいずれかが満たされる場合、前記判断部は、前記第1のイベントが観察されないものと判断し、前記脳主幹動脈閉塞の病型をEmbolismであると判断することができる。
【0034】
また、前記判断部は、前記少なくとも一人の患者が脳主幹動脈閉塞患者である場合、前記大脳主幹動脈閉塞の位置が後方循環(Posterior circulation、PC)に該当するか、或いは前方循環(Anterior circulation、AC)に該当するか否かを判断し、前記脳主幹動脈閉塞の種類がBSO(Branching-site occlusion、分枝閉塞症)であるか、或いはTTO(Truncal -type occlusion、体幹型閉塞)であるかを判断し、前記後方循環(PC)又は前方循環(AC)の第1判断と前記BSO又はTTOの第2判断をもとに、前記脳主幹動脈閉塞の病型を判断することができる。
【0035】
また、前記脳主幹動脈閉塞の位置が後方循環(PC)内に位置する場合、前記判断部は、前記脳主幹動脈閉塞の種類が前記BSOであれば、前記脳主幹動脈閉塞が前記Embolismであると判断し、前記脳主幹動脈閉塞の種類が前記TTOであれば、前記脳主幹動脈閉塞が前記ICASであると判断することができる。
【0036】
また、前記脳主幹動脈閉塞の位置が前方循環(AC)内に位置する場合、前記獲得部は、少なくとも一人の患者に関連する身体情報をさらに収集し、前記ICASの場合、動脈硬化が進行するにつれて、血管内の血流量が減少され、前記減少した血流量を補うために、前記動脈硬化が進行する血管周辺の側副循環が発達し、前記判断部は、前記側部循環が発達した第1のイベントが観察されるか否かを判断し、前記判断部は、前記身体情報、前記第1のイベントが観察されるか否かについての情報及び前記脳主幹動脈閉塞の種類が前記BSO又は前記TTOの情報を一緒に利用して、前記大脳主幹動脈閉塞の病型を判断することができる。
【0037】
また、前記判断された大脳主幹動脈閉塞の病型が前記ICASである場合、前記診断部は、1次的に血管形成術を用いた治療及び/又は抗血小板剤を用いた治療の方向性情報を提供することができる。
【0038】
また、前記少なくとも一人の患者にさらに治療が必要であれば、前記診断部は、2次的に血栓溶解剤を用いた治療、血栓除去術を用いた治療、前記抗血小板剤以外の薬物を用いた治療、ステントを用いた治療、バルーン挿入による治療及び/又はCounterpulsation(カウンターパルセイション)治療の方向性情報のうち少なくともいずれかを提供することができる。
【0039】
また、前記少なくとも一人の患者に、前記血栓除去術を用いた治療が適用された場合、予め指定された時間が経過すれば、前記血栓除去術を用いた治療を中断することを提案する情報を提供することができる。
【0040】
また、前記判断された大脳主幹動脈閉塞の病型が前記Embolismである場合、前記診断部は、前記少なくとも一人の患者が軽症の患者であるか或いは重症の患者であるかを判断し、前記軽症の患者の場合には、血栓溶解剤を用いた治療の方向性情報を提供し、前記重症の患者である場合には、血栓除去術を用いた治療の方向性情報を提供することができる。
【0041】
また、前記診断部が提供する治療の方向性情報を予め指定された機関に有線及び/又は無線通信をもとに転送する通信部をさらに含むことができる。
【0042】
一方、前記技術的課題を達成するための本発明のもう一つの一態様である医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類方法は、獲得部が少なくとも一人の患者の脳に関連する画像を収集する第1段階と、検出部が前記収集された画像をもとに、前記少なくとも一人の患者が脳主幹動脈閉塞(Large Vessel Occlusion)患者であるか否かを判断する第2段階と、判断部が前記少なくとも一人の患者が脳主幹動脈閉塞患者である場合、前記大脳主幹動脈閉塞の病型がEmbolism(塞栓症)であるか、或いはICAS(Intracranial Atherosclerosis、頭蓋内アテローム性動脈硬化症)であるかを判断する第3段階と、診断部が前記判断された大脳主幹動脈閉塞の病型に応じて異に適用される治療の方向性情報を提供する第4段階とを含むことができる。
【0043】
また、前記第1段階において、前記獲得部は、前記少なくとも一人の患者の脳に関連する血管造影(Angiography)画像を収集し、前記第2段階において、前記検出部は、前記血管造影(Angiography)画像のボクセル(voxel)情報を用いて、前記少なくとも一人の患者が脳主幹動脈閉塞患者であるか否かを判断することができる。
【0044】
また、前記第2段階において、前記検出部は、前記血管造影(Angiography)画像内で前記少なくとも一人の患者の連続的なスライス(Serial slice)を考慮するためのRecurrent Neural Network(RNN)層(layer)及び前記血管造影(Angiography)画像内において、特徴(feature)を抽出するためのConvolutional neural network(CNN)層を合成した形態の人工知能モデルアーキテクチャを利用して、前記少なくとも一人の患者が脳主幹動脈閉塞患者であるか否かを判断することができる。
【0045】
また、前記ICASの場合、動脈硬化が進行するにつれて、血管内の血流量が減少され、前記減少した血流を補うために、前記動脈硬化が進行する血管周辺の側副循環が発達し、前記第3段階において、前記判断部は、前記側副循環が発達した第1のイベントが観察された場合、前記大脳主幹動脈閉塞の病型をICASであると判断することができる。
【0046】
また、前記第1段階において、前記獲得部は、前記少なくとも一人の患者の脳と関連する灌流(Perfusion)画像及び拡散(diffusion image)画像を収集し、前記第3段階において、前記判断部は、前記灌流(Perfusion)画像及び拡散(diffusion image)画像のうち少なくともいずれかを用いて前記第1のイベントが観察されるか否かを決めることができる。
【0047】
また、前記灌流(perfusion)画像内において、infarct core volumeと周辺cortex領域volume間の差が、予め指定された数値以上である第1条件及び前記拡散(diffusion image)画像内において、infarctの病型がscattered pattern又はborder zone infarctの病型で示される第2条件のうち少なくともいずれかが満たされる場合、前記第3段階において、前記判断部は、前記第1のイベントが観察されたものと判断し、前記脳主幹動脈閉塞の病型をICASであると判断することができる。
【0048】
また、前記灌流(perfusion)画像内において、cerebral blood volume(CBV)の減少形態が示される第1条件と拡散(diffusion image)画像内において、infarctの病型がTerritorial infarct patternの病型で示される第2条件のうち少なくともいずれかが満たされる場合、前記第3段階において、前記判断部は、前記第1のイベントが観察されないものと判断し、前記脳主幹動脈閉塞の病型をEmbolismであると判断することができる。
【0049】
また、前記第3段階は、前記判断部が前記少なくとも一人の患者が脳主幹動脈閉塞患者である場合、前記大脳主幹動脈閉塞の位置が後方循環(Posterior circulation、PC)に該当するか、或いは前方循環(Anterior circulation、AC )に該当するかを判断する第3-1段階と、前記判断部が前記脳主幹動脈閉塞の種類がBSO(Branching-site occlusion、分枝閉塞症)であるか、或いはTTO(Truncal-type occlusion、体幹型閉塞)であるかを判断する第3-2段階と、前記判断部が前記後方循環(PC)又は前方循環(AC)の第1判断と、前記BSO又はTTOの第2判断をもとに、前記脳主幹動脈閉塞の病型を判断する第3-3段階とを含むことができる。
【0050】
また、前記脳主幹動脈閉塞の位置が後方循環(PC)内に位置する場合、前記第3-3段階において、前記判断部は、前記脳主幹動脈閉塞の種類が前記BSOであれば、前記脳主幹動脈閉塞が前記Embolismであるものと判断し、前記脳主幹動脈閉塞の種類が前記TTOであれば、前記脳主幹動脈閉塞が前記ICASであるものと判断することができる。
【0051】
また、前記脳主幹動脈閉塞の位置が前方循環(AC)内に位置する場合、前記第1段階において、前記獲得部は、少なくとも一人の患者に関連する身体情報をさらに収集し、前記ICASの場合、動脈硬化が進行するにつれて、血管内の血流量が減少され、前記減少した血流量を補うために、前記動脈硬化が進行する血管周辺の側副循環が発達し、前記第3-2段階において、前記判断部は、前記側副循環が発達した第1のイベントが観察されるか否かを判断し、第3-3段階において、前記判断部は、前記身体情報、前記第1のイベントが観察されるか否かについての情報及び前記脳主幹動脈閉塞の種類が前記BSO又は前記TTOの情報を一緒に利用して、前記前記大脳主幹動脈閉塞の病型を判断することができる。
【0052】
また、前記判断された大脳主幹動脈閉塞の病型が前記ICASである場合、前記第4段階は、前記診断部が1次的に血管形成術を用いた治療及び/又は抗血小板剤を用いた治療の方向性情報を提供する第4-1段階と、前記少なくとも一人の患者にさらなる治療が必要な場合、前記診断部が2次的に、血栓溶解剤を用いた治療、血栓除去術を用いた治療法、前記抗血小板剤以外の薬物を用いた治療、ステントを用いた治療、バルーン挿入による治療及び/又はCounterpulsation(カウンターパルセイション)の治療の方向性情報のうち少なくともいずれかを提供する第4-2段階と、を含むことができる。
【0053】
また、前記第4-2段階において、前記少なくとも一人の患者に、前記血栓除去術を用いた治療が適用される場合、予め指定された時間が経過すると、前記血栓除去術を用いた治療を中断することを提案する情報を提供する第4-3段階と、をさらに含むことができる。
【0054】
また、前記判断された大脳主幹動脈閉塞の病型が前記Embolismである場合、前記第4段階は、前記診断部が前記少なくとも一人の患者が軽症の患者であるか、或いは重症の患者であるかを判断する第4-1段階と、前記診断部が前記軽症の患者である場合には、血栓溶解剤を用いた治療の方向性情報を提供し、前記重症の患者である場合には、血栓除去術を用いた治療の方向性情報を提供する第4-2段階と、を含むことができる。
【0055】
また、前記第4段階後、通信部が前記診断部が提供する治療の方向性情報を予め指定された機関に有線及び/又は無線通信を基に転送する第5段階と、をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0056】
本発明は、医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類方法、並びに、装置及びシステムを提供するものであって、前述したような従来の問題点を解消することができる。
【0057】
具体的に、本発明は、脳主幹動脈閉塞(Large vessel occlusion)による虚血性脳卒中が疑われる患者を対象に獲得した医用画像と患者情報に基づいて、閉塞が発生した脳血管の位置を検出し、発生した脳主幹動脈閉塞の病型を分類することで、医療人が患者に適した治療の方向性を決めることを支援する情報を算出し、提供する方法、装置、及びシステムを提供することができる。
【0058】
また、本発明は、閉塞が発生した脳血管の位置周辺に側副循環形成による効果が医用画像内に存在する否かを判断することにより、発生した脳主幹動脈閉塞の病型を分類することができる方法、装置、及びシステムを提供することができる。
【0059】
また、本発明は、閉塞が発生した脳血管の位置が後方循環(Posterior circulation、PC)に該当する場合、当該部位がBSO(Branching site occlusion)であるか、或いはTTO(Truncal type occlusion)であるかを区別することで、発生した大脳主幹動脈閉塞の病型を分類することができる方法、装置、及びシステムを提供することができる。
【0060】
また、本発明は、閉塞が発生した脳血管の位置が前方循環(Anterior circulation、AC)に該当する場合、当該部位がBSO(Branching site occlusion)/TTO(Truncal type occlusion)情報、側副循環形成情報及び患者の身体情報を一緒に利用することにより、発生した脳主幹動脈閉塞の病型を分類することができる方法、装置、及びシステムを提供することができる。
【0061】
また、本発明は、発生した大脳主幹動脈閉塞の病型がEmbolismの場合とICASである場合とに分けて、医療従事者が手術前に脳主幹動脈閉塞の病型を事前に把握し、患者に適した治療の方向性を決めることを支援する方法、装置及びシステムを提供することができる。
【0062】
なお、本発明で得られる効果は、以上で述べた効果に限定されず、言及していないもう一つの効果は、以下の記載から本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【
図1】本発明に関連して、医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置のブロック構成図の一例を示すものである。
【
図2】
図1で説明する医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置の具体的な構成まで含むブロック構成図の一例を示すものである。
【
図3】本発明が提案する医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類方法の全過程を説明するフローチャートの一例を示すものである。
【
図4】脳主幹動脈閉塞の病型をEmbolism又はICASに分類することができる過程に関連して、側副循環形成による効果が画像内に存在するか否かを用いる方法のフローチャートを示すものである。
【
図5】
図4に関連して、閉塞が発生した脳血管の位置周辺に側副循環形成による効果が医用画像内に存在するので、ICASとして分類する過程を説明するフローチャートである。
【
図6】
図4に関連して、閉塞が発生した脳血管の位置周辺に側副循環形成による効果が医用画像内に存在しないので、Embolismとして分類する過程を説明するフローチャートである。
【
図7】閉塞が発生した脳血管の位置がPCに該当する場合、当該部位がBSOであるか、或いはTTOであるかを区別することにより、発生した脳主幹動脈閉塞の病型を分類する方法を説明するフローチャートである。
【
図8】閉塞が発生した脳血管の位置がACに該当する場合、BSO/TTOの情報、側副循環の形成情報、及び患者の身体情報を一緒に利用することにより、発生した脳主幹動脈閉塞の病型を分類する方法を説明するフローチャートある。
【発明を実施するための形態】
【0064】
以下、図面を参照して、本発明の好ましい一実施形態について説明する。
【0065】
なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定せず、本実施形態において説明される全構成が、本発明の解決手段として、不可欠であるとは言えない。
【0066】
以下、本発明の好ましい実施形態による医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類方法、装置、及びシステムが添付された図面を参照にして、詳細に説明する。
【0067】
医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置
図1は、本発明に関連して、医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置のブロック構成図の一例を示すものである。
【0068】
本発明に係る医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置1は、獲得部10、検出部20、判断部30、及び診断部40を含むことができる。
【0069】
まず、獲得部10は、診断しようとする対象の脳を撮影し、医用画像を獲得する装置である。
【0070】
また、本発明に係る獲得部10は、患者に関連する身体情報を獲得することもできる。
【0071】
まず、獲得部10は、脳CT、MRIなど様々な医用画像を撮影する撮影装置から画像を獲得することができる。獲得部10が収集する画像は、造影増強コンピュータ断層撮影画像(Contrast-enhanced computed tomography、CECT)、Magnetic Resonance Image(MRI)などを含むことができる。
【0072】
具体的には、獲得部10は、患者に関連するDICOM情報、血管造影(Angiography)画像情報、灌流画像(Perfusion image)情報、拡散画像(diffusion image)情報などを収集することができる。
【0073】
さらに、本発明に係る獲得部10は、性別、年齢、血圧、発症時間などの患者に関連する身体情報を獲得することも可能である。
【0074】
次に、検出部20は、獲得部10が収集した画像情報に基づいて、画像処理を行い、患者の脳に虚血(Ischemia)が存在するか否かを判断し、虚血(Ischemia)が存在する場合、脳主幹動脈閉塞(Large Vessel Occlusion)患者であるか否かを判別する。
【0075】
検出部20は、脳主幹動脈閉塞(Large Vessel Occlusion)患者であるか否かを判別するにあたり、獲得部10が収集した脳(Brain)angiography画像データのvoxel情報を使用することができる。
【0076】
また、検出部20は、2D又は3D angiography画像において、脳主幹動脈閉塞(Large Vessel Occlusion、LVO)領域を検出するための人工知能モデルアーキテクチャを利用することもできる。
【0077】
次に、判断部30は、脳主幹動脈閉塞(Large Vessel Occlusion、LVO)領域が検出された場合、当該脳主幹動脈閉塞がEmbolismであるか、ICASであるかを判断する。
【0078】
このとき、判断部30は、Embolismであるか、ICASであるかを判断するにあたり、側副循環形成による効果が画像内に存在するか否かを利用することができる。
【0079】
また、判断部30は、閉塞が発生した脳血管の位置が後方循環(Posterior circulation、PC)に該当する場合、当該部位がBSO(Branching site occlusion)であるか、或いはTTO(Truncal type occlusion)であるかを区別することにより、発生した脳主幹動脈閉塞の病型を分類することもできる。
【0080】
また、判断部30は、閉塞が発生した脳血管の位置が前方循環(Anterior circulation、AC)に該当する場合、BSO/TTO情報、側副循環形成情報、及び患者の身体情報を一緒に利用することにより、発生した脳主幹動脈閉塞の病型を分類することもできる。
【0081】
次に、診断部40は、発生した脳主幹動脈閉塞の病型がEmbolismの場合とICASの場合とに分けて、医療関係が患者に適した治療の方向性を決めることを支援する情報を提供することができる。
【0082】
図2は、
図1で説明した医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置の具体的な構成まで含むブロック構成図の一例を示すものである。
【0083】
図2を参照すれば、獲得部10は、医用画像獲得部11と、患者情報獲得部12を含むことができる。
【0084】
医用画像獲得部11は、脳CT、MRIなどさまざまな医用画像を撮影する撮影装置から画像を獲得するが、造影増強コンピュータ断層撮影画像(Contrast-enhanced computed tomography、CECT)、Magnetic Resonance Image(MRI)などを収集することができる。
【0085】
前述したように、医用画像獲得部11は、虚血性脳卒中が疑われる患者に関連するDICOM情報、Angiography画像情報、灌流画像(Perfusion image)情報、拡散画像(diffusion image)情報などを収集することができる。
【0086】
また、患者情報獲得部12は、虚血性脳卒中が疑われる患者の性別、年齢、血圧、発症時間などの患者に関連する身体情報を獲得することもできる。
【0087】
患者情報獲得部12から収集した身体情報は、閉塞が発生した脳血管の位置が後方循環(Posterior circulation、PC)に該当する場合、Embolismであるか、ICASであるかを判断するにあたり、使用することができる。
【0088】
次に、検出部20は、画像処理部21とLVO検出部22を含むことができる。
【0089】
まず、画像処理部21は、前処理、画像処理などの機能を提供することができる。
【0090】
画像処理部21は、獲得した画像を基に人工知能アルゴリズムに従って非出血(No hemorrhage)と出血(Hemorrhage)を区分することができ、前処理部された医用画像を正規化し、予めセッティングされた標準的なマスクテンプレートを利用し、関心領域を分割し、抽出することも可能である。
【0091】
画像処理部21は、獲得部10から収集された画像でのノイズを除去する動作を実行することができる。
【0092】
また、画像処理部21は、Co-registration機能を提供することができ、Co-registration機能は、解剖学的な構造物の並べ替えのために画像を並べ替えたものであって、画像撮影時の被験者の動きによる傾きや脳の形の違い等による個体内又は個体間の画像を空間的に並べ替えるものである。
【0093】
また、画像処理部21は、画像において脳構造以外の部分を除去するための機能を提供するスカル-ストリッピング(Skull-stripping)機能を提供することもできる。
【0094】
また、画像処理部21は、人工知能(AI)をベースに出血(Hemorrhage)の病型を学習し、分類することもできる。
【0095】
また、画像処理部21は、前処理された医用画像を正規化し、予めセッティングされた標準的なマスクテンプレートを利用して関心領域を分割し、抽出することができる。
【0096】
画像処理部21は、医用画像において関心領域を分割し、抽出するための標準的なマスクテンプレート(Mask Template)をセッティングすることができる。
【0097】
例えば、画像処理部21は、複数の健常者と脳疾患の患者から獲得された複数の医用画像を収集し、2次元と3次元の正規化画像を生成し、3次元正規化画像に基づいてボクセル(Voxel)の設定に応じて、特定の軸を基準にSlicingして2次元の正規化画像を生成することができる。
【0098】
また、画像処理部21は、診断対象の医用画像を正規化する機能を提供することができる。
【0099】
例えば、画像正規化部32は、診断対象の原本の医用画像に非正規バイアスを訂正し(Non-uniform bias correction)、空間的配置(Spatial align)を使用し、登録(Co-registration)し、標準的定位空間(Standard stereotaxic space)を適用し、空間的正規化(Spatial normalization)を実行する過程を介して画像を正規化することができる。
【0100】
また、画像処理部21は、正規化された医用画像の標準マスクテンプレートを適用して関心領域を分割し、抽出する機能を提供することができる。
【0101】
一方、LVO検出部22は、非出血(No hemorrhage)の患者に虚血(Ischemia)が存在する場合、脳主幹動脈閉塞(Large Vessel Occlusion)患者であるか否かを判別する。
【0102】
LVO検出部22は、正規化された医用画像に標準マスクテンプレートを適用して分割し、抽出された関心領域を受け取り、非出血(No hemorrhage)の患者に虚血(Ischemia)が存在するか否かを判断するようになる。
【0103】
もし、非出血(No hemorrhage)の患者に虚血(Ischemia)が存在する場合、LVO検出部22は、脳主幹動脈閉塞(Large Vessel Occlusion)患者であるか否かを判別する。
【0104】
LVO検出部22は、脳(Brain)angiography画像データのvoxel情報を用いて、虚血(Ischemia)が存在する場合、脳主幹動脈閉塞(Large Vessel Occlusion、LVO)患者であるか否かを判別することができる。
【0105】
また、LVO検出部22は、2D又は3D angiography画像において、LVO領域を検出するための人工知能モデルアーキテクチャを利用することができる。
【0106】
ここで、モデルアーキテクチャは、患者のSerial sliceを考慮するためのRecurrent Neural Network(RNN)層と特徴を抽出するためのConvolutional neural network(CNN)層を合成する形態になることができる。
【0107】
また、LVO検出部22は、各患者のCTA画像からLVOの該否、LVO位置、LVO病型分類に対するOutputを算出することができる。
【0108】
ここでは、算出されるアウトプット(Output)は、3D Cerebral artery reconstruction、Cerebral arteryの標準3D Atlasとco-registrationなどを含むことができる。
【0109】
さらに虚血(Ischemia)が存在する患者が脳主幹動脈閉塞(Large Vessel Occlusion)患者であるか否か、及びLVOの位置と模様に関する情報を算出することもできる。
【0110】
一方、判断部30は、ICAS/Embolism判断部31、前方循環(Anterior circulation、AC)/後方循環(Posterior circulation、PC)判断部32及びBSO(Branching site occlusion)/TTO(Truncal type occlusion)判断部33を含むことができる。
【0111】
まず、ICAS/Embolism判断部31は、検出部20を介して、脳主幹動脈閉塞(Large Vessel Occlusion、LVO)領域が検出された場合、その脳主幹動脈閉塞がEmbolismであるか、ICASであるかを判断する機能を提供する。
【0112】
本発明に係るICAS/Embolism判断部31は、Embolismであるか、ICASであるかを判断するにあたり、側副循環形成による効果が画像内に存在するか否かを利用することができる。
【0113】
代表的に、本発明に係るICAS/Embolism判断部31は、灌流画像(Perfusion image)情報及び拡散画像(diffusion image)情報をもとにEmbolismとICASとを区別することができる。
【0114】
ICASの場合、動脈硬化が進む間、血管が詰まり、且つ血流量が減少し、これを補うために、当該動脈硬化が進行する血管周辺の側副循環が発達するようになる。
【0115】
したがって、ICASの場合、拡散(diffusion)画像において、infarctの病型がscattered pattern又はborder zone infarctの病型で示され、灌流(perfusion)画像ではinfarct core volumeと周辺cortex領域volume間のコントラストが予め指定された数値以上の非常に大きな違いを示すようになる。
【0116】
すなわち、ICAS/Embolism判断部31は、このような側副循環形成による効果が画像内に存在することを利用して、ICASを判断することができる。
【0117】
また、Embolismの場合には、通常の血管において血栓によって詰まった状態にあるので、Embolism発生位置周辺の側副循環は発達しない。
【0118】
したがって、Embolismの場合、拡散(diffusion)画像においてTerritorial infarct patternが観察され、灌流(perfusion)画像においてcerebral blood volume(CBV)の減少形態が観察される。
【0119】
すなわち、ICAS/Embolism判断部31は、側副循環形成による効果が画像内に存在しないことを用いて、Embolismを判断することができる。
【0120】
ICAS/Embolism判断部31は、人工知能の分類モデルを適用して、Inception-V1をbase networkに3D Convolutional neural network(CNN)アーキテクチャを構成し、脳(Brain)拡散(diffusion)、灌流(perfusion)画像のvoxelデータに対する特徴を学習することができ、これを基に脳血管閉塞(LVO)の発生原因を詳細に分類することも可能である。
【0121】
また、ICAS/Embolism判断部31は、閉塞が発生した脳血管の位置が後方循環(Posterior circulation、PC)に該当する場合、当該部位がBSO(Branching site occlusion)であるか、或いはTTO(Truncal type occlusion)であるかを区別することにより、発生した脳主幹動脈閉塞の病型を分類することもできる。
【0122】
したがって、AC/PC判断部32は、閉塞が発生した脳血管の位置が後方循環(Posterior circulation、PC)に該当するか、或いは前方循環(Anterior circulation、AC)に該当するかを判断することができる。
また、BSO/TTO判断部33は、当該部位がBSO(Branching site occlusion)であるか、或いはTTO(Truncal type occlusion)であるかを区別する機能を提供することができる。
【0123】
また、ICAS/Embolism判断部31は、閉塞が発生した脳血管の位置が前方循環(Anterior circulation、AC)に該当する場合、BSO/TTO情報、側副循環形成情報、及び患者の身体情報を一緒に利用することにより、発生した脳主幹動脈閉塞の病型を分類することもできる。
【0124】
一方、診断部40は、ICAS診断部41とEmbolism診断部42を含むことができる。
【0125】
診断部40は、発生した脳主幹動脈閉塞の病型がEmbolismの場合と、ICASの場合とに分けて、医療人が患者に適した治療の方向性を決めることを支援する情報を提供することができる。
【0126】
Embolism診断部42は、発生した脳主幹動脈閉塞の病型がEmbolismの場合、患者の状態が軽度であるか、重症であるかを判断する。
【0127】
もし、軽症の患者の場合、Embolism診断部42は、血栓溶解剤を用いた治療の方向性を医療人に推薦することができる。
【0128】
また、重症の患者の場合、Embolism診断部42は、血栓除去術を適用した治療の方向性を医療人に推薦することができる。
【0129】
一方、ICAS診断部41は、発生した脳主幹動脈閉塞の病型がICASである場合、Embolism診断部42と異なり、1次的に血管形成術を用いた治療及び/又は抗血小板剤を用いた治療の方向性を医療人に推薦することができる。
【0130】
このような1次治療において大きな効果が示されなかった場合、ICAS診断部41は、2次的に血栓溶解剤を用いた治療及び/又は血栓除去術を用いた治療の方向性を医療人に推薦することができる。
【0131】
近来は、患者に発症した脳主幹動脈閉塞の病型がEmbolismであるか、ICASであるかを区別せず、1次的に閉塞が発症した時間を基準に3時間ないし4時間半以内に、血液凝固によって形成された塊を溶かす薬物処理剤である血栓溶解剤を用いた治療を試みたり、血栓除去術による治療が行われたりするが、ICASの場合、血栓溶解剤を用いた治療をすれば、体内で血小板がさらに凝集され、24時間の間、抗血小板剤を用いた治療が難しくなり、1次的に行われた血栓溶解療法がかえって状態を悪化し得る等の問題が発生する。
【0132】
また、Embolismの場合、血栓除去術などを通じて血栓を除去すると、問題が解決されるのに対し、ICASの場合には、血栓を除去してからも動脈硬化による狭窄が残っているので、後続措置が必要であるが、医療人が手術前に脳主幹動脈閉塞の病型を事前に把握することが難しく、術後に該当状況及び後続措置が必要であるということを 把握できないなどの問題点も存在する。
【0133】
したがって、発生した脳主幹動脈閉塞の病型がEmbolismの場合と、ICAS場合とに分けて、ICAS診断部41及びEmbolism診断部42が医療関係が患者に適した治療の方向性を決めることを支援する情報を提供することにより、前記問題点を解消することができる。
【0134】
具体的には、本発明は、脳主幹動脈閉塞による虚血性脳卒中が疑われる患者を対象に、閉塞が発生した脳血管の位置を検出し、発生した脳主幹動脈閉塞の病型を分類することで、医療人が分類された閉塞の病型にマッチングされた適した治療の方向性を決めることを支援する方法、装置、及びシステムを基に従来の問題点を効率的に解消することができる。
【0135】
また、診断部40が提供する情報は、有無線通信を基に患者と関連病院などの外部機関に提供することができる。
【0136】
外部機関(3次病院など)への情報伝達は、図示していないが、通信部を介して行われることができ、通信部は、有線通信、近距離通信又は遠距離通信を介して、該当情報を予め指定された外部(例えば、病院など)に転送することができる。
【0137】
ここで使用することができる遠距離通信技術としては、WLAN(Wireless LAN)(Wi-Fi)、Wibro (Wireless broadband)、Wimax(World Interoperability for Microwave Access)、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)などを利用することができる。
【0138】
また、近距離通信(short range communication)の技術としては、ブルートゥース(Bluetooth)、RFID(Radio Frequency Identification)、赤外線通信(IrDA、infrared Data Association)、UWB(Ultra-Wideband)、ZigBeeなどを用いることができる。
【0139】
医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類方法
図3は、本発明が提供する医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類方法の全過程を説明するフローチャートの一例を示すものである。
【0140】
図3を参照すれば、まず第一に、獲得部10は、診断しようとする対象の脳を撮影した医用画像及び患者と関連する身体情報を獲得する段階(S1)が実行される。
【0141】
S1段階で、獲得部10のうち、医用画像獲得部11は、脳CT、MRIなどさまざまな医用画像を撮影する撮影装置から画像を獲得するが、造影増強コンピュータ断層撮影画像(Contrast-enhanced computed tomography、CECT)、Magnetic Resonance image(MRI)などを収集することができ、虚血性脳卒中が疑われる患者に関連するDICOM情報、Angiography画像情報、灌流画像(Perfusion image)情報、拡散画像(diffusion image)情報などを収集することができる。
【0142】
また、S1段階で、獲得部10のうち、患者情報獲得部12は、虚血性脳卒中が疑われる患者の性別、年齢、血圧、発症時間などの情報、患者に関連する身体情報を獲得することもでき、ここで収集された身体情報は、閉塞が発生した脳血管の位置が後方循環(Posterior circulation、PC)に該当する場合、Embolismであるか、ICASであるかを判断するにあたり、使用することができる。
【0143】
次に、検出部20の画像処理部21を介してAI検出モデルを適用して(S2)、脳主幹動脈閉塞(Large Vessel Occlusion)患者であるか否かを判断する(S3)する過程が行われる。
【0144】
S2及びS3の段階で、非出血(No hemorrhage)の患者が虚血(Ischemia)が存在する場合、 LVO検出部22は、人工知能をベースに脳主幹動脈閉塞(Large Vessel Occlusion)患者であるか否かを判別する。
【0145】
S2及びS3の段階では、LVO検出部22は、脳(Brain)angiography画像データのvoxel情報を用いて、虚血(Ischemia)が存在する場合、脳主幹動脈閉塞(Large Vessel Occlusion、LVO)患者であるか否かを判別することができる。
【0146】
また、LVO検出部22は、2D又は3D angiography画像では、LVO領域を検出するための人工知能モデルアーキテクチャを利用することができる。
【0147】
ここで、モデルアーキテクチャは、患者のSerial sliceを考慮するためのRecurrent Neural Network(RNN)層と特徴を抽出するためのConvolutional neural network(CNN)層を合成する形態とすることができる。
【0148】
また、S2及びS3の段階では、LVO検出部22は、各患者のCTA画像からLVOであるか否か及びLVO位置、LVO病型分類に対するOutputを算出することができ、ここで、算出されたアウトプット(Output)は、 3D Cerebral artery reconstruction、Cerebral arteryの標準3D Atlasとco-registrationなどを含むことができる。
【0149】
さらに、虚血(Ischemia)が存在する患者が脳主幹動脈閉塞(Large Vessel Occlusion)患者であるか否か及びLVOの位置及び形状に関する情報を算出することもできる。
【0150】
脳主幹動脈閉塞(Large Vessel Occlusion)患者と判断される場合、S3の段階後には、ICAS/Embolism判断部31が、当該脳主幹動脈閉塞がEmbolismであるか、ICASであるかを判断する段階(S4)が行われる。
【0151】
S4段階では、ICAS/Embolism判断部31は、Embolismであるか、ICASであるかを判断するにあたり、側副循環形成による効果が画像内に存在するか否かを利用することができる。
【0152】
また、ICAS/Embolism判断部31は、閉塞が発生した脳血管の位置が後方循環(Posterior circulation、PC)に該当する場合、当該部位がBSO(Branching site occlusion)であるか、或いはTTO(Truncal type occlusion)であるかを区別することにより、発生した脳主幹動脈閉塞の病型を分類することもできる。
【0153】
また、ICAS/Embolism判断部31は、閉塞が発生した脳血管の位置が前方循環(Anterior circulation、AC)に該当する場合には、BSO/TTO情報、側副循環形成情報及び患者の身体情報を一緒に利用することにより、発生した脳主幹動脈閉塞の病型を分類することもできる。
【0154】
S4段階後、診断部40は、発生した脳主幹動脈閉塞の病型がEmbolismである場合とICASである場合とに分けて、医療人が患者に適した治療の方向性を決めることを支援する情報を提供することができる。
【0155】
具体的には、ICAS診断部41は、発生した脳主幹動脈閉塞の病型がICASである場合、ICASに対応する診断及び治療の情報を医療人に提供することができる(S5)。
【0156】
また、Embolism診断部42は、発生した脳主幹動脈閉塞の病型がEmbolismである場合、Embolismに対応する診断及び治療の情報を医療人に提供することができる(S6)。
【0157】
一方、図示していないが、S5段階及び/又はS6段階後、診断部40が提供する情報は、有無線通信を基盤として、患者と関連病院などの外部機関に伝達することができる。
【0158】
外部機関(3次病院など)への情報伝達は、図示していないが、通信部を介して行われることができ、通信部は、有線通信、近距離通信又は遠距離通信を介して、該当情報を予め指定された外部(例えば、病院など)に転送することができる。
【0159】
以下では、S4段階に関連して、ICAS/Embolism判断部31がEmbolismであるか、ICASであるかを判断する方法と、S5段階及びS6段階に関連して、診断部40が脳主幹動脈閉塞の病型がEmbolismである場合とICASである場合とに分けて、治療の方向性を決めることを支援する方法について図面を参照して、より具体的に説明する。
【0160】
側副循環形成による効果が画像内に存在するか否かを利用して、脳主幹動脈閉塞の病型をEmbolism又はICASに分類する方法
図4は、脳主幹動脈閉塞の病型をEmbolism又はICASに分類することができる過程に関連して、側副循環形成による効果が画像内に存在するか否かを利用する方法のフローチャートを示すものである。
【0161】
図4を参照すると、S3段階後、LVOが存在すれば、ICAS/Embolism判断部31は、側副循環形成による効果が画像内に存在するか否かを判断することができる。
【0162】
ICASの場合、動脈硬化が進行する間、血管が詰まり、且つ血流が減少され、これを補うために、当該動脈硬化が進行する血管周辺の側副循環が発達するようになる。
【0163】
したがって、ICAS/Embolism判断部31は、このような側副循環形成による効果が画像内に存在することを利用して、ICASを判断することができる(S31)。
【0164】
図5は
図4に関連して、閉塞が発生した脳血管の位置周辺に側副循環形成による効果が医用画像内に存在し、ICASに分類する過程を説明するフローチャートである。
【0165】
図5を参照すると、ICAS/Embolism判断部31は、灌流画像(Perfusion image)情報及び拡散画像(diffusion image)情報をもとにEmbolismとICASとを区別することができる(S21)。
【0166】
前述したように、ICASは、動脈硬化が進行する間、血管が詰まり、血流が減少され、これを補うために、当該動脈硬化が進行する血管周辺の側副循環が発達するようになり、拡散(diffusion)画像でinfarctの病型がscattered pattern又はborder zone infarctの病型で示されるa-1の段階が観察されることができる(S22)。
【0167】
また、灌流(perfusion)画像では、infarct core volumeと周辺cortex領域volume間のコントラストが予め指定された数値以上の非常に大きな違いを示すa-2段階が観察されることができる(S23)。
【0168】
このとき、ICAS/Embolism判断部31は、拡散(diffusion)画像でinfarctの病型がscattered pattern又はborder zone infarctの病型で示されるa-1段階及び/又は灌流(perfusion)画像でinfarct core volumeと周辺cortex領域volume間のコントラストが予め指定された数値以上の非常に大きな違いを見せるa-2段階が観察される場合、側副循環形成による効果が画像内に存在するものと判断し(S24)、これを基にICASを判断することができる(S31)。
【0169】
また、Embolismの場合には、通常の血管から血栓によって詰まる状態であるので、Embolism発生位置周辺の側副循環は発達しない。
【0170】
したがって、ICAS/Embolism判断部31は、側副循環形成による効果が画像内に存在しないことを利用してEmbolismを判断することができる(S32)。
【0171】
図6は、
図4に関連して、閉塞が発生した脳血管の位置周辺に側副循環形成による効果が医用画像内に存在しないEmbolismに分類する過程を説明するフローチャートである。
【0172】
図6を参照すると、ICAS/Embolism判断部31は、灌流画像(Perfusion image)情報及び拡散画像(diffusion image)情報をもとにEmbolismとICASとを区別することができる(S21)。
【0173】
前述したように、Embolismの場合、正常な血管において血栓によって詰まる状態にあるので、Embolism発生位置周辺の側副循環は発達しておらず、Embolismの場合、拡散(diffusion)画像でTerritorial infarct patternが示されるb-1段階が観察されることができる(S25)。
【0174】
また、灌流(perfusion)画像でcerebral blood volume(CBV)の減少形態が示されるb-2段階が観察されることができる(S26)。
【0175】
したがって、ICAS/Embolism判断部31は、拡散(diffusion)画像でTerritorial infarct patternが示されるb-1段階及び/又は灌流(perfusion)画像でcerebral blood volume(CBV)の減少形態が示されるb-2段階が観察される場合、側副循環形成による効果が画像内に存在していないものと判断し(S27)、これを基にEmbolismを判断することができる(S32)。
【0176】
一方、ICAS/Embolism判断部31は、人工知能の分類モデルを適用して、Inception-V1をbase networkで3D Convolutional neural network(CNN)アーキテクチャを構成し、脳(Brain)拡散(diffusion)、灌流( perfusion)画像のvoxelデータに対する特徴を学習することができ、これを基礎に大脳の血管閉塞(LVO)の発生原因を詳細に分類することも可能である。
【0177】
閉塞が発生した脳血管の位置がPCに該当する場合、当該部位がBSOであるか、或いはTTOであるかを区別することにより、脳主幹動脈閉塞の病型を分類する方法
図7は、閉塞が発生した脳血管の位置がPCに該当する場合、当該部位がBSOであるか、或いはTTOであるかを区別することにより、発生した脳主幹動脈閉塞の病型を分類する方法を説明するフローチャートである。
【0178】
図7を参照すると、ICAS/Embolism判断部31は、閉塞が発生した脳血管の位置が後方循環(Posterior circulation、PC)に該当する場合、当該部位がBSO(Branching site occlusion)であるか、或いはTTO(Truncal type occlusion)であるかを区別することにより、発生した脳主幹動脈閉塞の病型を分類することができる。
【0179】
閉塞が発生した脳血管の位置が後方循環(Posterior circulation、PC)に該当する場合、ほとんどの患者がBSO(Branching site occlusion)の位置である場合には、Embolismが表示され、TTO(Truncal type occlusion)の位置である場合は、ICASが示される。
【0180】
特に、BSO-embolism及びTTO-ICASの組み合わせは、東洋でより明確に表れている。
【0181】
したがって、閉塞が発生した脳血管の位置が後方循環(Posterior circulation、PC)に該当する場合(S11)には、当該部位の位置がBSOであるか、或いはTTOであるか(S12)を基に、容易にEmbolismとICASとを区別することができある(S13)。
【0182】
このため、AC/PC判断部32は、閉塞が発生した脳血管の位置が後方循環(Posterior circulation、PC)に該当するか、或いは前方循環(Anterior circulation、AC)に該当するかを判断することができる。
【0183】
また、BSO/TTO判断部33は、当該部位がBSO(Branching site occlusion)であるか、或いはTTO(Truncal type occlusion)であるかを区別する機能を提供することができる。
【0184】
閉塞が発生した脳血管の位置がACに該当する場合、BSO/TTO情報、側副循環形成情報及び患者の身体情報を一緒に利用することにより、発生した脳主幹動脈閉塞の病型を分類する方法
一方、閉塞が発生した脳血管の位置が前方循環(Anterior circulation、AC)に該当する場合には、後方循環(Posterior circulation、PC)と同様に、ほとんどの患者において、BSO(Branching site occlusion)位置である場合には、Embolismが示され、TTO(Truncal type occlusion)位置である場合には、ICASが示される。
【0185】
しかし、前方循環(Anterior circulation、AC)は、後方循環(Posterior circulation、PC)と比較してBSO-embolism及びTTO-ICAS確率が低く判断されるので、追加の情報を活用して、脳主幹動脈閉塞の病型を分類しなければならない。
【0186】
図8は、閉塞が発生した脳血管の位置がACに該当する場合、BSO/TTO情報、側副循環形成情報、及び患者の身体情報を一緒に利用することにより、発生した脳主幹動脈閉塞の病型を分類する方法を説明するフローチャートある。
【0187】
図8を参照にすれば、ICAS/Embolism判断部31は、閉塞が発生した脳血管の位置が前方循環(Anterior circulation、AC)に該当する場合(S41)、当該部位がBSOであるか、TTOであるかを判断し(S42)、当該部位周辺に側副循環形成による効果が画像内に存在するか否かを判断する(S43)。
【0188】
それから、ICAS/Embolism判断部31は、S1段階で獲得した患者の身体情報、S42段階で獲得したBSO/TTO情報とS43段階で獲得した側副循環形成情報を一緒に利用(S44)することで、発生した脳主幹動脈閉塞の病型を分類することができる。
【0189】
すなわち、EmbolismとICASのとき、異に現れる身体情報に第1加算点を付与し、BSO-embolism及びTTO-ICAS確率に対する第2加算点を付与し、
図4~
図6にて説明したように、側副循環形成による効果が画像内に存在する場合にICAS確率を高める方向の第3加算点を付与し、第1加算点、第2加算点及び第3加算点を総合的に利用して、発生した脳主幹動脈閉塞の病型がEmbolismであるか、或いはICASであるかを判断することができる。
【0190】
脳主幹動脈閉塞の病型がEmbolismである場合、医療人が患者に適した治療の方向性を決めることを支援する方法
診断部40は、発生した脳主幹動脈閉塞の病型がEmbolismの場合とICASの場合とに分けて、医療人が患者に適した治療の方向性を決めることを支援する情報を提供し、Embolism診断部42は、発生した脳主幹動脈閉塞の病型がEmbolismである場合、Embolismに対応する診断及び治療情報を医療人に提供することができる。
【0191】
まず、Embolism診断部42が、Embolismと判断された患者が軽症の患者であるか、重症の患者であるかを判断する過程が行われる。
【0192】
もし、軽症の患者の場合、Embolism診断部42は、血栓溶解剤を用いた治療の方向性を医療人に推薦することができる。
【0193】
また、重症の患者の場合、Embolism診断部42は、血栓除去術を適用した治療の方向性を医療人に推薦することができる。
【0194】
また、発生した脳主幹動脈閉塞の病型がEmbolismであり、血栓を除去すれば、ほとんどの治療が終了することがあるので、血栓がきれいに除去されなかった場合でも、時間をかけて血栓がさらに除去されるように、より積極的な手術措置が試みられることができる。
【0195】
これに対し、ICASの場合には、血栓を除去した後も、さらなる治療が必要であり、動脈硬化による血栓の除去がうまく行われず、血管が破れるなどの問題が発生することがあるので、Embolismに比べて積極的な除去措置は自制する必要がある。
【0196】
それから、Embolism診断部42が提供する情報は、有無線通信を基に患者と関連病院などの外部機関に提供することができる。
【0197】
外部機関(3次病院など)への情報伝達は、図示していないが、通信部を介して行われることができ、通信部は、有線通信、近距離通信又は遠距離通信を介して、当該情報を予め指定された外部(例えば、病院など)に転送することができる。
【0198】
脳主幹動脈閉塞の病型がICASである場合、医療人が患者に適した治療の方向性を決めることを支援する方法
近来は、患者に発症した脳主幹動脈閉塞の病型がEmbolismであるか、ICASであるかを区別せず、1次的に閉塞が発症した時間を基準に3時間ないし4時間半以内に、血液凝固によって形成された塊を溶かす薬物処理剤である血栓溶解剤を用いた治療を試みたり、血栓除去術による治療が行われたりするが、ICASの場合、血栓溶解剤を用いた治療をすれば、体内で血小板が凝集され、24時間の間、抗血小板薬剤を用いた治療が難しくなり、1次的に進行した血栓溶解治療がかえって状態を悪化し得る等の問題が発生する。
【0199】
また、Embolismの場合、血栓除去術などを通じて血栓を除去すると、問題を解決することができるが、ICASの場合には、血栓を除去した後にも、動脈硬化による狭窄が残っているので、後続措置が必要であるが、医療人が、手術前に脳主幹動脈閉塞の病型を事前に把握することが難しく、術後に当該状況及び後続措置が必要であるということを 把握できないなどの問題点も存在する。
【0200】
したがって、発生した脳主幹動脈閉塞の病型がEmbolismである場合とICASの場合とに分けて、ICAS診断部41及びEmbolism診断部42が医療人が患者に適した治療の方向性を決めることを支援する情報を提供することにより、前記の問題点を解消することができる。
【0201】
ICAS診断部41は、発生した脳主幹動脈閉塞の病型がICASである場合、Embolism診断部42とは異なり、1次的に血管形成術を用いた治療及び/又は抗血小板剤を用いた治療の方向性を医療人に推薦することができる。
【0202】
これらの1次治療で大きな効果が見られなかった場合、ICAS診断部41は、2次的に血栓溶解剤を用いた治療及び/又は血栓除去術を用いた治療の方向性を医療人に推薦することができる。
【0203】
これに加えて、ICASではEmbolismとは異なり、様々な2次的治療が適用されることができる。
【0204】
薬物治療として、治療薬物としては、抗血小板剤に加えて、交感神経効能薬、スタチンなどが使用されることができる。
【0205】
次に、ステントを用いた2次治療が適用されることができる。一次治療法として使用されている薬物療法の限界を克服するための代替手段としてステントを用いた治療が適用されることができる。
【0206】
その他の療法としては、下行大動脈にバルーンを挿入して下に流れる血管を塞いで上行血流を増加させる機序を利用した治療法、下肢にバンドを使って瞬間的に締め付けることで血流が脳に向かうように継続的に繰り返すCounterpulsation (カウンターパルセイション)治療法などもさらに使用することができる。
【0207】
以後、ICAS診断部41が提供する情報は、有無線通信を基に患者と関連する病院など外部機関に伝達されることができる。
【0208】
外部機関(3次病院など)への情報伝達は、図示していないが、通信部を介して行われることができ、通信部は、有線通信、近距離通信又は遠距離通信を介して、当該情報を予め指定された外部(例えば、病院など)に転送することができる。
【0209】
本発明による効果
本発明は、医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類方法、装置、及びシステムを提供することで、前述した従来の問題点を解消することができる。
【0210】
具体的には、本発明は、脳主幹動脈閉塞(Large vessel occlusion)による虚血性脳卒中が疑われる患者を対象に獲得した医用画像及び患者情報に基づいて、閉塞が発生した脳血管の位置を検出し、発生した脳主幹動脈閉塞の病型を分類することで、医療人が患者に適した治療の方向性を決めることを支援する情報を算出し、提供する方法、装置、及びシステムを提供することができる。
【0211】
また、本発明は、閉塞が発生した脳血管の位置周辺に側副循環形成による効果が医用画像内に存在するかを判断することにより、発生した脳主幹動脈閉塞の病型を分類することができる方法、装置、及びシステムを提供することができる。
【0212】
また、本発明は、閉塞が発生した脳血管の位置が後方循環(Posterior circulation、PC)に該当する場合、当該部位がBSO(Branching site occlusion)であるか、或いはTTO(Truncal type occlusion)であるかを区別することで、発生した脳主幹動脈閉塞の病型を分類することができる方法、装置、及びシステムを提供することができる。
【0213】
また、本発明は、閉塞が発生した脳血管の位置が前方循環(Anterior circulation、AC)に該当する場合、当該部位がBSO(Branching site occlusion)/TTO(Truncal type occlusion)情報、側副循環形成情報及び患者の身体情報を一緒に利用することにより、発生した脳主幹動脈閉塞の病型を分類することができる方法、装置、及びシステムを提供することができる。
【0214】
また、本発明は、発生した脳主幹動脈閉塞の病型がEmbolismの場合とICASである場合とに分けて、医療従事者が手術前に脳主幹動脈閉塞の病型を事前に把握し、患者に適した治療の方向性を決めることを支援する方法を、装置及びシステムを提供することができる。
【0215】
一方、本発明より得られる効果は、以上で述べた効果に限定されず、言及していないもう一つの効果は以下の記載から、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解されることができる。
【0216】
上述した本発明の実施形態は、様々な手段を介して具現されることができる。例えば、本発明の実施形態は、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、ソフトウェア又はそれらの組み合わせなどにより具現されることができる。
【0217】
ハードウェアによる具現される場合、本発明の実施形態による方法は、一つ又はそれ以上のASICs(Application Specific Integrated Circuits)、DSPs(Digital Signal Processors)、DSPDs(Digital Signal Processing Devices)、PLDs(Programmable Logic Devices)、FPGAs(Field Programmable Gate Arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどにより具現されることができる。
【0218】
ファームウェアやソフトウェアによる具現の場合、本発明の実施形態に係る方法は、以上で説明した機能又は動作を行うモジュール、手続き又は関数などの形態で具現されることができる。ソフトウェアコードは、メモリユニットに保存され、プロセッサによって駆動されることができる。前記メモリユニットは、前記プロセッサの内部又は外部に位置し、既に公知された多様な手段により、前記プロセッサとデータを送受信することができる。
【0219】
上述したように、開示された本発明の好ましい実施形態に対する詳細な説明は、当業者が本発明を具現し、実施できるように提供された。前記では、本発明の好ましい実施形態を参照して説明したが、当該技術分野における熟練した当業者は、本発明の範囲から逸脱しない範囲内で、本発明を多様に修正及び変更させることができることを理解できるであろう。例えば、当業者は、上述した実施形態に記載された各構成を相互に組み合わせる方式で利用することができる。したがって、本発明は、ここに示された実施形態に制限するものでなく、ここに開示された原理と新規な特徴と一致する最も広い範囲を付与するものである。
【0220】
本発明は、本発明の精神及び必須の特徴を逸脱しない範囲で他の特定の病型で具体化することができる。したがって、前記の詳細な説明は、あらゆる面で制限的に解釈されてはならず、例示的なものとして考慮されるべきである。本発明の範囲は、添付された請求項の合理的な解釈によって決定されるべきであり、本発明の等価的範囲内でのすべての変更は、本発明の範囲に含まれる。本発明は、ここに示された実施形態に制限されるものではなく、ここで開示された原理と新規な特徴と一致する最も広い範囲を付与するものである。また、特許請求の範囲で明示的な引用関係にない請求項等を組み合わせて実施形態を構成したり、出願後の補正により新規な請求項として含むことができる。
【手続補正書】
【提出日】2021-12-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一人の患者の脳に関連する画像を収集する獲得部と、
前記収集された画像をもとに、前記少なくとも一人の患者が脳主幹動脈閉塞(Large Vessel Occlusion)患者であるか否かを判断する検出部と、
前記少なくとも一人の患者が脳主幹動脈閉塞患者である場合、前記脳主幹動脈閉塞の病型がEmbolism(塞栓症)であるか、或いはICAS(Intracranial Atherosclerosis、頭蓋内アテローム性動脈硬化症)であるか否かを判断する判断部と、
前記判断された脳主幹動脈閉塞の病型に応じて異に適用される治療の方向性情報を提供する診断部と、を含み、
前記判断部は、
前記少なくとも一人の患者が脳主幹動脈閉塞患者である場合、前記脳主幹動脈閉塞の位置が後方循環(Posterior circulation、PC)に該当するか、或いは前方循環(Anterior circulation、AC)に該当するかを判断し、
前記脳主幹動脈閉塞の種類がBSO(Branching-site occlusion、分枝閉塞症)であるか、或いはTTO(Truncal-type occlusion、体幹型閉塞)であるかを判断し、
前記後方循環(PC)又は前方循環(AC)の第1判断と前記BSO又はTTOの第2判断をもとに、前記脳主幹動脈閉塞の病型を判断することを特徴とする医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置。
【請求項2】
前記獲得部は、前記少なくとも一人の患者の脳に関連する血管造影(Angiography)画像を収集し、
前記検出部は、前記血管造影(Angiography)画像のボクセル(voxel)情報を用いて前記少なくとも一人の患者が脳主幹動脈閉塞患者であるか否かを判断することを特徴とする、請求項1に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置。
【請求項3】
前記検出部は、
前記血管造影(Angiography)画像内において、前記少なくとも一人の患者の連続的なスライス(Serial slice)を考慮するためのRecurrent Neural Network(RNN)層(layer)及び前記血管造影(Angiography)画像内の特徴(feature)を抽出するためのConvolutional neural network(CNN)層(layer)を合成した形態の人工知能モデルアーキテクチャを利用して、前記少なくとも一人の患者が脳主幹動脈閉塞患者であるか否かを判断することを特徴とする、請求項2に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置。
【請求項4】
前記ICASの場合、動脈硬化が進行するにつれて、血管内の血流量が減少され、前記減少した血流量を補うために、前記動脈硬化が進行している血管周辺の側副循環が発達し、
前記判断部は、前記側副循環が発達した第1のイベントが観察された場合、前記脳主幹動脈閉塞の病型をICASであると判断することを特徴とする、請求項1に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置。
【請求項5】
前記獲得部は、前記少なくとも一人の患者の脳に関連する灌流(Perfusion)画像及び拡散(diffusion image)画像を収集し、
前記判断部は、前記灌流(Perfusion)画像及び拡散(diffusion image)画像のうち少なくともいずれかを用いて前記第1のイベントが観察されるか否かを決めることを特徴とする、請求項4に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置。
【請求項6】
前記灌流(perfusion)画像内において、infarct core volumeと周辺cortex領域volume間の差が、予め指定された数値以上である第1の条件及び前記拡散(diffusion image)画像内において、infarctの病型がscattered pattern又はborder zone infarctの病型で示される第2の条件のうちの少なくとも一つが満たされる場合、
前記判断部は、前記第1のイベントが観察されたものと判断し、前記脳主幹動脈閉塞の病型をICASであると判断することを特徴とする、請求項5に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置。
【請求項7】
前記灌流(perfusion)画像内において、cerebral blood volume(CBV)の減少形態が示される第1の条件及び前記拡散(diffusion image)画像内で、infarctの病型がTerritorial infarct patternの病型で示される第2の条件のうち少なくともいずれかが満たされる場合、
前記判断部は、前記第1のイベントが観察されないものと判断し、前記脳主幹動脈閉塞の病型をEmbolismとして判断することを特徴とする、請求項5に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置。
【請求項8】
前記脳主幹動脈閉塞の位置が後方循環(PC)内に位置する場合、
前記判断部は、
前記脳主幹動脈閉塞の種類が前記BSOであれば、前記脳主幹動脈閉塞が前記Embolismであると判断し、
前記脳主幹動脈閉塞の種類が前記TTOであれば、前記脳主幹動脈閉塞が前記ICASであると判断することを特徴とする、請求項1に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置。
【請求項9】
前記脳主幹動脈閉塞の位置が前方循環(AC)内に位置する場合、
前記獲得部は、少なくとも一人の患者に関連する身体情報をさらに収集し、
前記ICASの場合、動脈硬化が進行するにつれて、血管内の血流量が減少され、前記減少した血流量を補うために、前記動脈硬化が進行する血管周辺の側副循環が発達し、
前記判断部は、前記側副循環が発達した第1のイベントが観察されるか否かを判断し、
前記判断部は、
前記身体情報、前記第1のイベントが観察されるか否かについての情報及び前記脳主幹動脈閉塞の種類が前記BSO又は前記TTOな情報を一緒に利用して、前記脳主幹動脈閉塞の病型を判断することを特徴とする、請求項1に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置。
【請求項10】
前記判断された脳主幹動脈閉塞の病型が前記ICASである場合、
前記診断部は、
1次的に血管形成術を用いた治療の方向性情報及び抗血小板剤を用いた治療の方向性情報のうち少なくともいずれかを提供することを特徴とする、請求項1に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置。
【請求項11】
前記少なくとも一人の患者にさらなる治療が必要な場合、
前記診断部は、
2次的に、血栓溶解剤を用いた治療、血栓除去術を用いた治療、前記抗血小板剤以外の薬物を用いた治療、ステントを用いた治療、バルーン挿入による治療及びCounterpulsation(カウンターパルセイション)の治療の方向性情報のうち少なくともいずれかを提供することを特徴とする、請求項10に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置。
【請求項12】
前記少なくとも一人の患者に、前記血栓除去術を用いた治療が適用される場合、
予め指定された時間が経過すれば、前記血栓除去術を用いた治療を中断することを提案する情報を出力することを特徴とする、請求項11に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置。
【請求項13】
前記判断された脳主幹動脈閉塞の病型が前記Embolismである場合、
前記診断部は、
前記少なくとも一人の患者が軽症の患者であるか、重症の患者であるかを判断し、
前記軽症の患者である場合には、血栓溶解剤を用いた治療の方向性情報を提供し、
前記重症の患者である場合には、血栓除去術を用いた治療の方向性情報を提供することを特徴とする、請求項1に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置。
【請求項14】
前記診断部が提供する治療の方向性情報を予め指定された機関であって、有線通信及び無線通信のうち少なくともいずれかを基に転送する通信部、をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置。
【請求項15】
獲得部は、少なくとも一人の患者の脳に関連する画像を収集する第1段階と、
検出部が前記収集された画像をもとに、前記少なくとも一人の患者が脳主幹動脈閉塞(Large Vessel Occlusion)患者であるか否かを判断する第2段階と、
判断部が前記少なくとも一人の患者が脳主幹動脈閉塞患者である場合、前記脳主幹動脈閉塞の病型がEmbolism(塞栓症)であるか、或いはICAS(Intracranial Atherosclerosis、頭蓋内アテローム性動脈硬化症)であるか否かを判断する第3段階と、
診断部が前記判断された脳主幹動脈閉塞の病型に応じて異に適用される治療の方向性情報を提供する第4段階と、を含み、
前記第3段階は、
前記判断部が、前記少なくとも一人の患者が脳主幹動脈閉塞患者である場合、前記脳主幹動脈閉塞の位置が後方循環(Posterior circulation、PC)に該当するか、或いは前方循環(Anterior circulation、AC)に該当するかを判断する第3-1段階と、
前記判断部が前記脳主幹動脈閉塞の種類がBSO(Branching-site occlusion、分枝閉塞症)であるか、或いはTTO(Truncal-type occlusion、体幹型閉塞)であるかを判断する第3-2段階と、
前記判断部が前記後方循環(PC)又は前方循環(AC)の第1判断と前記BSO又はTTOの第2判断をもとに、前記脳主幹動脈閉塞の病型を判断する第3-3段階と、を含むことを特徴とする医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類方法。
【請求項16】
前記第1段階において、前記獲得部は、前記少なくとも一人の患者の脳に関連する血管造影(Angiography)画像を収集し、
前記第2段階において、前記検出部は、前記血管造影(Angiography)画像のボクセル(voxel)情報を用いて、前記少なくとも一人の患者が脳主幹動脈閉塞患者であるか否かを判断することを特徴とする、請求項15に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類方法。
【請求項17】
前記第2段階において、前記検出部は、
前記血管造影(Angiography)画像内において、前記少なくとも一人の患者の連続的なスライス(Serial slice)を考慮するためのRecurrent Neural Network(RNN)層(layer)及び前記血管造影(Angiography)画像内の特徴(feature)を抽出するためのConvolutional neural network(CNN)層(layer)を合成した形態の人工知能モデルアーキテクチャを利用して、前記少なくとも一人の患者が脳主幹動脈閉塞患者であるか否かを判断することを特徴とする、請求項16に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類方法。
【請求項18】
前記ICASの場合、動脈硬化が進行するにつれて、血管内の血流が減少され、前記減少した血流量を補うために、前記動脈硬化が進行される血管周辺の側副循環が発達し、
前記第3段階において、前記判断部は、前記側副循環が発達した第1のイベントが観察された場合、前記脳主幹動脈閉塞の病型をICASとして判断することを特徴とする、請求項15に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類方法。
【請求項19】
前記第1段階において、前記獲得部は、前記少なくとも一人の患者の脳に関連する灌流(Perfusion)画像及び拡散(diffusion image)画像を収集し、
前記第3段階において、前記判断部は、前記灌流(Perfusion)画像及び拡散(diffusion image)画像のうち少なくともいずれかを用いて前記第1のイベントが観察されるか否かを決めることを特徴とする、請求項18に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類方法。
【請求項20】
前記灌流(perfusion)画像内において、infarct core volumeと周辺cortex領域volume間の差が、予め指定された数値以上である第1の条件及び前記拡散(diffusion image)画像内で、infarctの病型がscattered pattern又はborder zone infarctの病型で示される第2の条件のうちの少なくとも一つが満たされる場合、
前記第3段階において、前記判断部は、前記第1のイベントが観察されたものと判断し、前記脳主幹動脈閉塞の病型をICASとして判断することを特徴とする、請求項19に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類方法。
【請求項21】
前記灌流(perfusion)画像内において、cerebral blood volume(CBV)の減少形態が示される第1の条件及び前記拡散(diffusion image)画像内で、infarctの病型がTerritorial infarct patternの病型で示される第2の条件のうちの少なくとも一つが満たされている場合、
前記第3段階において、前記判断部は、前記第1のイベントが観察されないものと判断し、前記脳主幹動脈閉塞の病型をEmbolismとして判断することを特徴とする、請求項19に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類方法。
【請求項22】
前記脳主幹動脈閉塞の位置が後方循環(PC)内に位置する場合、
前記第3-3段階において、前記判断部は、
前記脳主幹動脈閉塞の種類が前記BSOであれば、前記脳主幹動脈閉塞が前記Embolismであると判断し、
前記脳主幹動脈閉塞の種類が前記TTOであれば、前記脳主幹動脈閉塞が前記ICASであると判断することを特徴とする、請求項15に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類方法。
【請求項23】
前記脳主幹動脈閉塞の位置が前方循環(AC)内に位置する場合、
前記第1段階において、前記獲得部は、少なくとも一人の患者に関連する身体情報をさらに収集し、
前記ICASの場合、動脈硬化が進行するにつれて、血管内の血流量が減少され、前記減少した血流量を補うために、前記動脈硬化が進行する血管周辺の側副循環が発達し、
前記第3-2段階において、前記判断部は、前記側副循環が発達した第1のイベントが観察されるか否かをさらに判断し、
第3-3段階において、前記判断部は、
前記身体情報、前記第1のイベントが観察されるか否かについての情報及び前記脳主幹動脈閉塞の種類が前記BSO又は前記TTOな情報を一緒に利用して、前記脳主幹動脈閉塞の病型を判断することを特徴とする、請求項15に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類方法。
【請求項24】
前記判断された脳主幹動脈閉塞の病型が前記ICASである場合、
前記第4段階は、
前記診断部が1次的に血管形成術を用いた治療の方向性情報及び抗血小板剤を用いた治療の方向性情報のうち少なくともいずれかを提供する第4-1段階と、
前記少なくとも一人の患者にさらなる治療が必要な場合、前記診断部が2次的に、血栓溶解剤を用いた治療、血栓除去術を用いた治療、前記抗血小板剤以外の薬物を用いた治療、ステントを用いた治療、バルーン挿入による治療及びCounterpulsation(カウンターパルセイション)の治療の方向性情報のうち少なくともいずれかを提供する第4-2段階と、を含むことを特徴とする、請求項15に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類方法。
【請求項25】
前記第4-2段階において、前記少なくとも一人の患者に、前記血栓除去術を用いた治療が適用される場合、
予め指定された時間が経過すると、前記血栓除去術を用いた治療を中断することを提案する情報を出力する第4-3段階と、をさらに含むことを特徴とする、請求項24に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類方法。
【請求項26】
前記判断された脳主幹動脈閉塞の病型が前記Embolismである場合、
前記第4段階は、
前記診断部が前記少なくとも一人の患者が軽症の患者であるか、重症の患者であるかを判断する第4-1段階と、
前記診断部が前記軽症の患者である場合には、血栓溶解剤を用いた治療の方向性情報を提供し、前記重症の患者である場合には、血栓除去術を用いた治療の方向性情報を提供する第4-2段階と、を含むことを特徴とする、請求項15に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類方法。
【請求項27】
前記第4段階後、
通信部が前記診断部が提供する治療の方向性情報を予め指定された機関であって、有線通信及び無線通信のうち少なくともいずれかを基に転送する第5段階をさらに含むことを特徴とする、請求項15に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類方法。
【手続補正書】
【提出日】2022-04-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一人の患者の脳に関連する画像を収集する獲得部と、
前記収集された画像をもとに、前記少なくとも一人の患者が脳主幹動脈閉塞(Large Vessel Occlusion)患者であるか否かを判断する検出部と、
前記少なくとも一人の患者が脳主幹動脈閉塞患者である場合、前記脳主幹動脈閉塞の病型がEmbolism(塞栓症)であるか、或いはICAS(Intracranial Atherosclerosis、頭蓋内アテローム性動脈硬化症)であるか否かを判断する判断部と、
前記判断された脳主幹動脈閉塞の病型に応じて異に適用される治療の方向性情報を提供する診断部と、を含み、
前記判断部は、
前記少なくとも一人の患者が脳主幹動脈閉塞患者である場合、前記脳主幹動脈閉塞の位置が後方循環(Posterior circulation、PC)に該当するか、或いは前方循環(Anterior circulation、AC)に該当するかを判断し、
前記脳主幹動脈閉塞の種類がBSO(Branching-site occlusion、分枝閉塞症)であるか、或いはTTO(Truncal-type occlusion、体幹型閉塞)であるかを判断し、
前記後方循環(PC)又は前方循環(AC)の第1判断と前記BSO又はTTOの第2判断をもとに、前記脳主幹動脈閉塞の病型を判断し、当該病型の判断において、前記脳主幹動脈閉塞の位置が前方循環(AC)内に位置する場合は、側副循環形成情報を一緒に利用することを特徴とする医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置。
【請求項2】
前記獲得部は、前記少なくとも一人の患者の脳に関連する血管造影(Angiography)画像を収集し、
前記検出部は、前記血管造影(Angiography)画像のボクセル(voxel)情報を用いて前記少なくとも一人の患者が脳主幹動脈閉塞患者であるか否かを判断することを特徴とする、請求項1に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置。
【請求項3】
前記検出部は、
前記血管造影(Angiography)画像内において、前記少なくとも一人の患者の連続的なスライス(Serial slice)を考慮するためのRecurrent Neural Network(RNN)層(layer)及び前記血管造影(Angiography)画像内の特徴(feature)を抽出するためのConvolutional neural network(CNN)層(layer)を合成した形態の人工知能モデルアーキテクチャを利用して、前記少なくとも一人の患者が脳主幹動脈閉塞患者であるか否かを判断することを特徴とする、請求項2に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置。
【請求項4】
前記脳主幹動脈閉塞の位置が前方循環(AC)内に位置する場合、
前記判断部は、動脈硬化が進行している血管周辺の側副循環が発達した第1のイベントが観察された場合、前記脳主幹動脈閉塞の病型をICASであると判断することを特徴とする、請求項1に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置。
【請求項5】
前記獲得部は、前記少なくとも一人の患者の脳に関連する灌流(Perfusion)画像及び拡散(diffusion image)画像を収集し、
前記判断部は、前記灌流(Perfusion)画像及び拡散(diffusion image)画像のうち少なくともいずれかを用いて前記第1のイベントが観察されるか否かを決めることを特徴とする、請求項4に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置。
【請求項6】
前記灌流(perfusion)画像内において、infarct core volumeと周辺cortex領域volume間の差が、予め指定された数値以上である第1の条件及び前記拡散(diffusion image)画像内において、infarctの病型がscattered pattern又はborder zone infarctの病型で示される第2の条件のうちの少なくとも一つが満たされる場合、
前記判断部は、前記第1のイベントが観察されたものと判断し、前記脳主幹動脈閉塞の病型をICASであると判断することを特徴とする、請求項5に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置。
【請求項7】
前記灌流(perfusion)画像内において、cerebral blood volume(CBV)の減少形態が示される第1の条件及び前記拡散(diffusion image)画像内で、infarctの病型がTerritorial infarct patternの病型で示される第2の条件のうち少なくともいずれかが満たされる場合、
前記判断部は、前記第1のイベントが観察されないものと判断し、前記脳主幹動脈閉塞の病型をEmbolismとして判断することを特徴とする、請求項5に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置。
【請求項8】
前記脳主幹動脈閉塞の位置が後方循環(PC)内に位置する場合、
前記判断部は、
前記脳主幹動脈閉塞の種類が前記BSOであれば、前記脳主幹動脈閉塞が前記Embolismであると判断し、
前記脳主幹動脈閉塞の種類が前記TTOであれば、前記脳主幹動脈閉塞が前記ICASであると判断することを特徴とする、請求項1に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置。
【請求項9】
前記脳主幹動脈閉塞の位置が前方循環(AC)内に位置する場合、
前記獲得部は、少なくとも一人の患者の性別、年齢、血圧又は発症時間を含む身体情報をさらに収集し、
前記判断部は、動脈硬化が進行している血管周辺の側副循環が発達した第1のイベントが観察されるか否かを判断し、
前記判断部は、
前記身体情報、前記第1のイベントが観察されるか否かについての情報及び前記脳主幹動脈閉塞の種類が前記BSO又は前記TTOの情報を一緒に利用して、前記脳主幹動脈閉塞の病型を判断することを特徴とする、請求項1に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置。
【請求項10】
前記判断された脳主幹動脈閉塞の病型が前記ICASである場合、
前記診断部は、
血管形成術を用いた治療の方向性情報及び抗血小板剤を用いた治療の方向性情報のうち少なくともいずれかを提供することを特徴とする、請求項1に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置。
【請求項11】
前記診断部は、
血栓溶解剤を用いた治療、血栓除去術を用いた治療、前記抗血小板剤以外の薬物を用いた治療、ステントを用いた治療、バルーン挿入による治療及びCounterpulsation(カウンターパルセイション)の治療の方向性情報のうち少なくともいずれかをさらに提供することを特徴とする、請求項10に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置。
【請求項12】
前記少なくとも一人の患者に、前記血栓除去術を用いた治療が適用される場合、
予め指定された時間が経過すれば、前記血栓除去術を用いた治療を中断することを提案する情報を出力することを特徴とする、請求項11に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置。
【請求項13】
前記判断された脳主幹動脈閉塞の病型が前記Embolismである場合、
前記診断部は、
前記少なくとも一人の患者が軽症の患者であるか、重症の患者であるかを判断し、
前記軽症の患者である場合には、血栓溶解剤を用いた治療の方向性情報を提供し、
前記重症の患者である場合には、血栓除去術を用いた治療の方向性情報を提供することを特徴とする、請求項1に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置。
【請求項14】
前記診断部が提供する治療の方向性情報を、有線通信及び無線通信のうち少なくともいずれかを介して、外部に送信する通信部、をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置。
【請求項15】
獲得部は、少なくとも一人の患者の脳に関連する画像を収集する第1段階と、
検出部が前記収集された画像をもとに、前記少なくとも一人の患者が脳主幹動脈閉塞(Large Vessel Occlusion)患者であるか否かを判断する第2段階と、
判断部が前記少なくとも一人の患者が脳主幹動脈閉塞患者である場合、前記脳主幹動脈閉塞の病型がEmbolism(塞栓症)であるか、或いはICAS(Intracranial Atherosclerosis、頭蓋内アテローム性動脈硬化症)であるか否かを判断する第3段階と、
診断部が前記判断された脳主幹動脈閉塞の病型に応じて異に適用される治療の方向性情報を提供する第4段階と、を含み、
前記第3段階は、
前記判断部が、前記少なくとも一人の患者が脳主幹動脈閉塞患者である場合、前記脳主幹動脈閉塞の位置が後方循環(Posterior circulation、PC)に該当するか、或いは前方循環(Anterior circulation、AC)に該当するかを判断する第3-1段階と、
前記判断部が前記脳主幹動脈閉塞の種類がBSO(Branching-site occlusion、分枝閉塞症)であるか、或いはTTO(Truncal-type occlusion、体幹型閉塞)であるかを判断する第3-2段階と、
前記判断部が前記後方循環(PC)又は前方循環(AC)の第1判断と前記BSO又はTTOの第2判断をもとに、前記脳主幹動脈閉塞の病型を判断し、当該病型の判断において、前記脳主幹動脈閉塞の位置が前方循環(AC)内に位置する場合は、側副循環形成情報を一緒に利用する第3-3段階と、を含むことを特徴とする医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置の作動方法。
【請求項16】
前記第1段階において、前記獲得部は、前記少なくとも一人の患者の脳に関連する血管造影(Angiography)画像を収集し、
前記第2段階において、前記検出部は、前記血管造影(Angiography)画像のボクセル(voxel)情報を用いて、前記少なくとも一人の患者が脳主幹動脈閉塞患者であるか否かを判断することを特徴とする、請求項15に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置の作動方法。
【請求項17】
前記第2段階において、前記検出部は、
前記血管造影(Angiography)画像内において、前記少なくとも一人の患者の連続的なスライス(Serial slice)を考慮するためのRecurrent Neural Network(RNN)層(layer)及び前記血管造影(Angiography)画像内の特徴(feature)を抽出するためのConvolutional neural network(CNN)層(layer)を合成した形態の人工知能モデルアーキテクチャを利用して、前記少なくとも一人の患者が脳主幹動脈閉塞患者であるか否かを判断することを特徴とする、請求項16に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置の作動方法。
【請求項18】
前記脳主幹動脈閉塞の位置が前方循環(AC)内に位置する場合、
前記第3段階において、前記判断部は、動脈硬化が進行している血管周辺の側副循環が発達した第1のイベントが観察された場合、前記脳主幹動脈閉塞の病型をICASとして判断することを特徴とする、請求項15に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置の作動方法。
【請求項19】
前記第1段階において、前記獲得部は、前記少なくとも一人の患者の脳に関連する灌流(Perfusion)画像及び拡散(diffusion image)画像を収集し、
前記第3段階において、前記判断部は、前記灌流(Perfusion)画像及び拡散(diffusion image)画像のうち少なくともいずれかを用いて前記第1のイベントが観察されるか否かを決めることを特徴とする、請求項18に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置の作動方法。
【請求項20】
前記灌流(perfusion)画像内において、infarct core volumeと周辺cortex領域volume間の差が、予め指定された数値以上である第1の条件及び前記拡散(diffusion image)画像内で、infarctの病型がscattered pattern又はborder zone infarctの病型で示される第2の条件のうちの少なくとも一つが満たされる場合、
前記第3段階において、前記判断部は、前記第1のイベントが観察されたものと判断し、前記脳主幹動脈閉塞の病型をICASとして判断することを特徴とする、請求項19に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置の作動方法。
【請求項21】
前記灌流(perfusion)画像内において、cerebral blood volume(CBV)の減少形態が示される第1の条件及び前記拡散(diffusion image)画像内で、infarctの病型がTerritorial infarct patternの病型で示される第2の条件のうちの少なくとも一つが満たされている場合、
前記第3段階において、前記判断部は、前記第1のイベントが観察されないものと判断し、前記脳主幹動脈閉塞の病型をEmbolismとして判断することを特徴とする、請求項19に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置の作動方法。
【請求項22】
前記脳主幹動脈閉塞の位置が後方循環(PC)内に位置する場合、
前記第3-3段階において、前記判断部は、
前記脳主幹動脈閉塞の種類が前記BSOであれば、前記脳主幹動脈閉塞が前記Embolismであると判断し、
前記脳主幹動脈閉塞の種類が前記TTOであれば、前記脳主幹動脈閉塞が前記ICASであると判断することを特徴とする、請求項15に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置の作動方法。
【請求項23】
前記脳主幹動脈閉塞の位置が前方循環(AC)内に位置する場合、
前記第1段階において、前記獲得部は、少なくとも一人の患者の性別、年齢、血圧又は発症時間を含む身体情報をさらに収集し、
前記第3-2段階において、前記判断部は、動脈硬化が進行している血管周辺の側副循環が発達した第1のイベントが観察されるか否かをさらに判断し、
第3-3段階において、前記判断部は、
前記身体情報、前記第1のイベントが観察されるか否かについての情報及び前記脳主幹動脈閉塞の種類が前記BSO又は前記TTOな情報を一緒に利用して、前記脳主幹動脈閉塞の病型を判断することを特徴とする、請求項15に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置の作動方法。
【請求項24】
前記判断された脳主幹動脈閉塞の病型が前記ICASである場合、
前記第4段階は、
前記診断部が血管形成術を用いた治療の方向性情報及び抗血小板剤を用いた治療の方向性情報のうち少なくともいずれかを提供する第4-1段階と、
前記診断部が血栓溶解剤を用いた治療、血栓除去術を用いた治療、前記抗血小板剤以外の薬物を用いた治療、ステントを用いた治療、バルーン挿入による治療及びCounterpulsation(カウンターパルセイション)の治療の方向性情報のうち少なくともいずれかをさらに提供する第4-2段階と、を含むことを特徴とする、請求項15に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置の作動方法。
【請求項25】
前記第4-2段階において、前記少なくとも一人の患者に、前記血栓除去術を用いた治療が適用される場合、
予め指定された時間が経過すると、前記血栓除去術を用いた治療を中断することを提案する情報を出力する第4-3段階と、をさらに含むことを特徴とする、請求項24に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置の作動方法。
【請求項26】
前記判断された脳主幹動脈閉塞の病型が前記Embolismである場合、
前記第4段階は、
前記診断部が前記少なくとも一人の患者が軽症の患者であるか、重症の患者であるかを判断する第4-1段階と、
前記診断部が前記軽症の患者である場合には、血栓溶解剤を用いた治療の方向性情報を提供し、前記重症の患者である場合には、血栓除去術を用いた治療の方向性情報を提供する第4-2段階と、を含むことを特徴とする、請求項15に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置の作動方法。
【請求項27】
前記第4段階後、
通信部が前記診断部が提供する治療の方向性情報を予め指定された機関であって、有線通信及び無線通信のうち少なくともいずれかを基に転送する第5段階をさらに含むことを特徴とする、請求項15に記載の医用画像に基づく虚血性脳卒中の検出及び病型分類装置の作動方法。