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特開2022-119200内視鏡アセンブリ及びそれを有する内視鏡システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022119200
(43)【公開日】2022-08-16
(54)【発明の名称】内視鏡アセンブリ及びそれを有する内視鏡システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20220808BHJP
   A61B 1/313 20060101ALI20220808BHJP
   A61M 25/00 20060101ALI20220808BHJP
【FI】
A61B1/00 620
A61B1/00 682
A61B1/313
A61B1/00 R
A61M25/00 530
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022012094
(22)【出願日】2022-01-28
(31)【優先権主張番号】110136834
(32)【優先日】2021-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(31)【優先権主張番号】110201346
(32)【優先日】2021-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】522040687
【氏名又は名称】高 宏碩
(71)【出願人】
【識別番号】522040698
【氏名又は名称】張 錦標
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100210251
【弁理士】
【氏名又は名称】大古場 ゆう子
(72)【発明者】
【氏名】高 宏碩
(72)【発明者】
【氏名】張 錦標
【テーマコード(参考)】
4C161
4C267
【Fターム(参考)】
4C161AA24
4C161DD01
4C161GG15
4C161HH04
4C267AA02
4C267AA77
4C267BB02
4C267BB09
4C267BB11
4C267BB12
4C267BB19
4C267BB20
4C267BB26
4C267BB31
4C267BB39
4C267BB40
4C267BB48
4C267BB62
4C267CC07
4C267GG02
4C267HH08
4C267HH11
(57)【要約】
【解決手段】内視鏡アセンブリ(1)は、ベースモジュール(20)と、注射針(10)と、画像センシングユニット(21)と、を備えている。該ベースモジュール(20)は、照明入力端(22)を有している。該注射針(10)は、管状に形成され、該ベースモジュール(20)に連接されていると共に針軸(12)を有している。該針軸(12)は、その先端に形成されている斜面(121)を有している。該画像センシングユニット(21)は、該針軸(12)の内部において延伸している管部(213)と、該管部(213)の先端に連接されていると共に該針軸(12)の該斜面(121)と隣接している画像センサー(211)と、を有している。更に、通路(40)が、該管部(213)と該針軸(12)の内面との間に形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明入力端(22)を有しているベースモジュール(20)と、
前記ベースモジュール(20)に連接されていると共に針軸(12)を有しているものであり、且つ前記針軸(12)が前記針軸(12)の先端に形成されている斜面(121)を有している管状の注射針(10)と、
前記針軸(12)の内部において延伸している管部(213)と、前記管部(213)の先端に連接されていると共に前記針軸(12)の前記斜面(121)と隣接している画像センサー(211)と、を有しているものであり、且つ通路(40)が前記管部(213)と前記針軸(12)の内面との間に形成されている画像センシングユニット(21)と、を備えている、
ことを特徴とする、内視鏡アセンブリ(1)。
【請求項2】
前記注射針(10)の前記針軸(12)は、前記斜面(121)に形成されている端部穴(122)を更に有しており、
前記注射針(10)は、充填部材(102)を更に有しており、
前記注射針(10)は、前記充填部材(102)が前記通路(40)内に延伸する穿設状態と、前記充填部材(102)が前記通路(40)から取り外された注射状態と、の間に切り換えることができる、
請求項1に記載の内視鏡アセンブリ(1)。
【請求項3】
前記注射針(10)は、Yコネクタ(30)を更に有しており、
前記Yコネクタ(30)は、
前記ベースモジュール(20)及び前記針軸(12)にそれぞれ連接されていると共に前記通路(40)と流体的に連通している両端を有する第1の分岐管(31)と、
前記第1の分岐管(31)と連通していると共に、薬剤がそれを通って前記通路(40)内へ流入すること及び前記薬剤が前記端部穴(122)から放出されることができるように構成されている注射ポート(321)を有している第2の分岐管(32)と、を備えている、
請求項1及び請求項2のいずれか一項に記載の内視鏡アセンブリ(1)。
【請求項4】
前記注射針(10)が前記ベースモジュール(20)に着脱自在に連結されていて前記注射針(10)が取り替え可能である、
請求項1~3のいずれか一項に記載の内視鏡アセンブリ(1)。
【請求項5】
前記画像センサー(211)は、前記針軸(12)の軸と直交している端面を有しており、
前記針軸(12)の前記斜面(121)は、前記画像センサー(211)の前記端面に対して傾斜しており、
前記注射針(10)は、透明材料からなる上に前記画像センサー(211)の前方にあるように前記針軸(12)内に設けられている光学部品(214)を更に備えており、
前記光学部品(214)は、
前記針軸(12)の前記斜面(121)と隣接し且つ平行するように設けられていると共に、光を前記光学部品(214)へ導くことができるように構成されている入光側(131)と、
前記画像センサー(211)の前記端面と平行し且つ対向していると共に、光を前記入光側(131)から前記画像センサー(211)へ導くことができるように構成されている出光側(132)と、を有しており、
前記入光側(131)と前記出光側(132)とは、それらの間に鋭角を形成している、
請求項1~4のいずれか一項に記載の内視鏡アセンブリ(1)。
【請求項6】
前記光学部品(214)は、中空構造に形成されていると共に、前記入光側(131)と前記出光側(132)との間に内空間(134)を有しており、
前記出光側(132)は、前記入光側(131)に入射されて前記内空間(134)にて屈折された光を前記画像センサー(211)の前記端面と略直交となるように導くことができるように構成されている、
請求項5に記載の内視鏡アセンブリ(1)。
【請求項7】
前記入光側(131)は、段階状に形成されていると共に、間が隔たっている複数の第1の入射面(135)を有しており、前記複数の第1の入射面(135)は前記画像センサー(211)の前記端面と平行していると共に、前記針軸(12)の前記斜面(121)と平行する方向に配列されており、且つ各前記第1の入射面(135)は、長さが1マイクロメートル以下である、
請求項5及び請求項6のいずれか一項に記載の内視鏡アセンブリ(1)。
【請求項8】
前記ベースモジュール(20)は、光ファイバー集光器、マルチメディアインタフェース、LED光源の電源のうちのいずれか一者とすることができるように構成されているリレー機構(24)を更に有している、
請求項1~7のいずれか一項に記載の内視鏡アセンブリ(1)。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載のものであって前記ベースモジュール(20)には出力端(23)が更に備わっている内視鏡アセンブリ(1)と、
前記内視鏡アセンブリ(1)における前記ベースモジュール(20)の前記出力端(23)に連接されていると共に、データ接続を介して前記画像センシングユニット(21)に接続されているバス(2311)と、データ接続を介して前記バス(2311)に接続されているプロセッサ(2312)と、前記プロセッサ(2312)と電気的に接続されている表示パネル(2313)と、を有している出力ユニット(231)と、を備えており、
前記バス(2311)は、前記画像センサー(211)が捕捉した画像信号を送信することができるように設けられており、前記プロセッサ(2312)は、前記バス(2311)が送信した前記画像信号を受信し、且つ前記画像信号を処理することができるように設けられており、前記表示パネル(2313)は、前記プロセッサ(2312)が処理した前記画像信号を表示することができるように設けられている、
ことを特徴とする、内視鏡システム。
【請求項10】
前記出力ユニット(231)は、無線接続を介して前記内視鏡アセンブリ(1)における前記ベースモジュール(20)の前記出力端(23)に接続されている、
請求項9に記載の内視鏡システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡に関し、具体的には、内視鏡アセンブリ及び該内視鏡アセンブリを用いる内視鏡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の医療用内視鏡装置は、各種器具が取り付けられて、患者の体内を検査することができるように用いられるものである。胸腔鏡検査、腹腔鏡検査、腹腔鏡の胆管の手術、骨盤腹腔鏡検査といった種々の医療処置に係る要求に応じて、種々の内視鏡装置が開発されている。従来の内視鏡は、軟質管又は硬質管に取り付けられている画像センサーを備えていると共に、診断中に患者の体腔に挿入され得るものである。光源が内視鏡を介して提供されて画像センサーの周りを照らすことによって、画像データが取り込まれて観測者へ直接に送信されたり、医師が診断を行なうために使用される電子装置へ送信されたりされ得る。医師による診断中、患者に切開を行なって従来の内視鏡が患者の体腔内に延伸するようにし、また、従来の内視鏡が手術領域を見つけることができるように使用されて、外科医が診断に基づいて外科手術を実行することができる。次に、従来の内視鏡は、手術領域を継続的に観察することができる位置に固定され、そして注射針又は他の手術器具が従来の内視鏡と共に手術領域へ延伸するようにして、医師の診断に基づいて外科手術を実行する。該手術は、医療用注射(medical injection)、焼灼(cauterization)、又は外科的切除(surgical resection)などであり得る。しかし、限られた切開幅及び限られた患者の体腔空間のため、他の手術器具が内視鏡に対して干渉となり、また、他の手術器具を操作するとき、内視鏡が手術領域を観察する位置から外れる恐れがあり、そのため外科医が手術領域を見失って内視鏡の位置を再調整する必要がある。一方、外科手術に必要な他の手術器具や注射針は、何らかの方法で患者の体腔内に挿入しなければならなく、且つ内視鏡と同じ切開創を介して挿入された場合には切開創を更に広げることになり、又は患者に新たな切開を行なうことが必要となる。拡大された切開創は、大抵縫合する必要があり、且つ切開創のサイズと数が増えると、患者の術後の回復期間が長くなってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の目的は、従来技術の少なくとも1つの欠点を軽減することができる内視鏡アセンブリを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によると、内視鏡アセンブリは、ベースモジュールと、注射針と、画像センシングユニットと、を備えている。該ベースモジュールは、照明入力端を有している。該注射針は、管状に形成され、該ベースモジュールに連接されていると共に針軸を有している。該針軸は、その先端に形成されている斜面を有している。該画像センシングユニットは、該針軸の内部において延伸している管部と、該管部の先端に連接されていると共に該針軸の該斜面と隣接している画像センサーと、を有している。該管部と該針軸の内面との間には通路が形成されている。
【0005】
本発明によると、内視鏡システムは、上記の内視鏡アセンブリと、出力ユニットと、を備えている。該ベースモジュールには、出力端が更に備わっている。該出力ユニットは、該ベースモジュールの該出力端に連接されていると共に、データ接続を介して該画像センシングユニットに接続されているバスと、データ接続を介して該バスに接続されているプロセッサと、該プロセッサと電気的に接続されている表示パネルと、を有している。該バスは、該画像センサーが捕捉した画像信号を送信することができるように設けられている。該プロセッサは、該バスが送信した該画像信号を受信し、且つ該画像信号を処理することができるように設けられている。前該表示パネルは、該プロセッサが処理した該画像信号を表示することができるように設けられている。
【0006】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照する以下の実施形態の詳細な説明において明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に係る内視鏡システムの一実施形態の内視鏡アセンブリが示される模式的側面図である。
図2】該実施形態に係る内視鏡アセンブリの穿設状態での注射針が示される模式的一部拡大斜視図である。
図3】該実施形態に係る内視鏡アセンブリの注射状態での注射針が示される模式的一部拡大斜視図である。
図4A】該実施形態に係る内視鏡アセンブリの注射針が示される一部拡大断面図である。
図4B】該実施形態に係る内視鏡アセンブリの変化例が示される図4Aと同様の図である。
図5A】光源コンダクタの各種構成例が示される図である。
図5B】光源コンダクタの各種構成例が示される図である。
図5C】光源コンダクタの各種構成例が示される図である。
図6】該実施形態に係る画像キャプチャ及び表示に関するプロセスが示される模式的ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明をより詳細に説明する前に、適切と考えられる場合において、符号又は符号の末端部は、同様の特性を有し得る対応の又は類似の要素を示すために各図面間で繰り返し用いられることに留意されたい。
【0009】
図1図3図6は、本発明に係る内視鏡システムの一実施形態を示している。内視鏡システムは、内視鏡アセンブリ1と、出力ユニット231と、画像読取装置232と、グラフィックスプロセッサ233(図6を参照)と、を備えている。内視鏡アセンブリ1は、ベースモジュール20と、注射針10と、画像センサー211を有する画像センシングユニット21と、を備えている。
【0010】
図1及び図2に示されるように、ベースモジュール20は、照明入力端22と、照明入力端22に連接されている出力端23と、出力端23に連接されているリレー機構24と、を有している。出力ユニット231は、内視鏡装置20のベースモジュール40の出力端23に連接されている。照明入力端22は、画像センサー211へ延伸している光源コンダクタ101を受け入れることができるように構成されている。本実施形態では、リレー機構24は、光ファイバー集光器、マルチメディアインタフェース、LED光源の電源の一者とすることができるように構成されている。更に、該出力ユニット231は、無線接続を介してベースモジュール20の出力端23に接続され得る。この場合、リレー機構24は、付属の無線通信モジュールを有することができ、又は無線接続が不要である場合、従来の有線通信モジュールで代えることができる。出力ユニット231と画像読取装置232とグラフィックスプロセッサ233とは、リレー機構24を介して出力端23に接続され得る。しかし、いくつかの実施形態においては、リレー機構24が省略されることもできる。例えば、出力ユニット231は、ヘッドマウントディスプレイ(head-mounted display、略称:HMD)であることができ、それによって画像センシングユニット21が捕捉したライブ映像(live feed video)が、手術を行なっている外科医へ提供され得る。
【0011】
注射針10は、管状に形成されており、ベースモジュール20に連接されていると共に針軸12を有している。注射針10は、Yコネクタ30を更に有しており、また、針軸12は、Yコネクタ30に連接されていてYコネクタ30のベースモジュール20から離れる端部に配置されている。本実施形態では、該Yコネクタ30がベースモジュール20に着脱自在に連結されるので、該注射針10は取り替え可能である。従って、該注射針10が使い捨てられることができるので、使用後に該注射針10を殺菌する必要がなくなる。しかしながら、上記した構成は、本発明を限定するものではなく、他の実施形態において、代わりに注射針10がYコネクタ30に着脱自在に連結されてもよいことに留意されたい。
【0012】
該注射針10は、充填部材102を更に有している。管部213と針軸12の内面との間には通路40が形成されている。Yコネクタ30は、第1の分岐管31と、第1の分岐管31と連通している第2の分岐管32と、を備えている。第1の分岐管31は、ベースモジュール20及び針軸12にそれぞれ連接されている共に通路40と流体的に連通している両端がある。第1の分岐管31は、光源コンダクタ101を出力端22から針軸12内の画像センシングユニット21へ案内するものである。第2の分岐管32は、薬剤がそれを通して通路40内へ流入することができるように構成されている注射ポート321を有している。
【0013】
注射針10の針軸12は、自身の先端に形成されている斜面121と、斜面121に形成されている端部穴122と、を有している。通路40内へ流入した薬剤は、該端部穴122を通して放出することができる。本実施形態では、画像センサー211は、注射針10の軸と直交している端面を有している。針軸12の斜面121は、画像センサー211の端面に対して傾斜していると共に、患者の皮膚に容易に穴を開けることができるように鋭い先端120が形成されている。該鋭い先端120によれば、注射針10は、患者を穿刺するときに小さな創口で済み、そして創口が小さいことで術後の回復を容易にすることができ、縫合を行なう必要もない。例えば、該針軸12は、ステンレス鋼材より作成されたものであり、且つ外径が1.0ミリメートルから2.5ミリメートルへの範囲内にあるので、患者における創口が2.5ミリメートル以下となり、縫合する必要がなく、患者の回復を容易にすることができる。注射針10の長さは、40ミリメートルから450ミリメートルの範囲内にあり、且つ60ミリメートルから300ミリメートルの範囲内にあることが好ましい。
【0014】
図2及び図3に示されるように、画像センシングユニット21は、針軸12の内部において延伸している管部213を有し、画像センサー211は、該管部213の先端に連接されていると共に針軸12の斜面121と隣接している。本実施形態では、画像センサー211は、ファイバースコープ、電荷結合デバイス(charge-coupled device、略称:CCD)画像センサー、又は相補型金属酸化物半導体(complementary metal-oxide semiconductor、略称:CMOS)画像センサーのいずれか一者とする伝統的な光学カメラであることができるが、それらの例に限定されない。画像センサー211は、画像データを出力端23へ送信する前に該画像データを処理するためのプロセッサ(図示せず)を有することができる。
【0015】
図1図3に示されるように、注射針10は、充填部材102が通路40内に延伸する穿設状態と、充填部材102が通路40から取り外された注射状態と、の間に切り換えることができる。注射針10が上記の穿設状態で患者の皮膚に穿刺されれば、該患者の組織が注射針10の端部穴122に詰まって該患者に治癒しにくい不均一な傷が付くことが防止され得る。更に、そのような詰まりが引き起こされると、薬剤の端部穴122からの放出を妨げる恐れがあることにも留意されたい。一方、注射針10が注射状態にあると、注射針10は薬剤を手術領域に注射することができるように使用されることができ、そこで薬剤が注射針10の端部穴122から放出される。しかしながら、内視鏡アセンブリ1の他の実施形態において、軟質管(図示せず)が通路40を貫通して端部穴122から出るようにすることができ、よって、外科的洗浄液(例えば、生理食塩水)が手術領域を洗浄するように用いられ得る。同様に、該軟質管は、洗浄液及び他の体液を排出するための外科用排出管としても用いられ得る。更に、第2の軟質管(図示せず)が通路40を貫通するようにすることができ、よって、手術領域が洗浄されるように手術領域からの排液が行われ得る。あるいは、様々な外科手術に必要な他の手術器具や装置が、通路40を介して挿入され得る。
【0016】
図2図4A図4Bに示されるように、注射針10は、画像センサー211の前方にあるように針軸12内に設けられていると共に、鋭い先端120の下側にあって端部穴122と隣接している光学部品214を更に備えている。光学部品214は、画像センサー211が手術領域を解析することを補助するように用いられるものである。光学部品214が鋭い先端120の下側に設けられているので、注射針10が患者の皮膚に穿刺されると、光学部品214は身体組織に直接衝突しないよう収められているようになり、それで患者の組織の裂傷を防ぐことができる。従って、患者における傷がより均一になり、該傷の治癒が不均一な穿刺傷よりも比較的速くなり得る。更に、これは穿刺中に組織が画像センサー211の前に蓄積することを防ぐことに対して補助することができると共に、手術領域の鮮明な画像の維持を補助することもできる。光学部品214は、透明材料(例えば、ガラス又はプラスチック)から制作されたものであり、且つ針軸12の斜面121と隣接し且つ平行するように設けられていると共に、光を光学部品214へ導くことができるように構成されている入光側131を有している。光学部品214は、画像センサー211の端面と平行し且つ対向していると共に、光を入光側131から前記画像センサー211へ導くことができるように構成されている出光側132を更に有している。より詳しく言うと、該光学部品214は、斜角を付ける円錐台形状となり、それが斜面121と同じ勾配で斜角が付けられている(図4A図4Bを参照)。本実施形態では、光学部品214における入光側131と出光側132とは、それらの間に鋭角を形成している。
【0017】
本実施形態では、光学部品214は、中空構造に形成されていると共に、入光側131と出光側132との間に内空間134を有している。出光側132は、入光側131に入射されて内空間134にて屈折された光を画像センサー211の端面と略直交となるように導くことができるように構成されている。具体的に、光学部品214の中空構造は、光学部品214を通過して内空間134にて屈折される光に対する干渉を最小に抑えることができる。
【0018】
図4Bには、本発明に係る内視鏡アセンブリ1の他の実施形態が示されている。本実施形態では、入光側131は、段階状に形成されていると共に、間が隔たっている複数の第1の入射面135を有しており、当該複数の第1の入射面135は画像センサー211の端面と平行していると共に、針軸12の斜面121と平行するように配置されている。各第1の入射面135は、長さが1マイクロメートル以下である。本実施形態では、第1の入射面135がミクロンサイズのものであり、且つ斜面121と平行する方向に配置されているので、入射光の大部分が入光側131及び出光側132を垂直に通過し、そして画像センサー211に至り、それによって屈折による画像のゆがみを低減することができる。
【0019】
図2に示されるように、光源コンダクタ101は、照明入力端22から提供された光源を導くことができる。本実施形態では、光源コンダクタ101は、画像センサー211の周りに一周に配置されている複数の光ファイバの素線として構成されたものである。該複数の光ファイバの素線は、図5Cに示されるように、画像センサー211の周りに周回するように配置されることができ、或いは、図5A図5Bに示されるように、画像センサー211の一部の周りに部分的に集まるように配置されることもできる。他の実施形態では、光源コンダクタ101は、針軸12の斜面121と隣接するように設けられているLED光源(図示せず)であることができる。これらの実施形態では、針軸12を通る電線が該LED光源(図示せず)に電力を供給するために用いられる。
【0020】
図1図6に示されるように、出力ユニット231は、データ接続を介して画像センシングユニット21に接続されているバス2311と、データ接続を介してバス2311に接続されているプロセッサ2312と、プロセッサ2312と電気的に接続されている表示パネル2313と、を有している。バス2311は、画像センサー211が捕捉した画像信号を送信することができるように設けられており、プロセッサ2312は、バス2311が送信した画像信号を受信し、画像信号を処理することができるように設けられており、そして、表示パネル2313は、プロセッサ2312が処理した画像信号を表示することができるように設けられている。例として、患者の体腔内の画像が画像センサー211により捕捉され、そしてバス2311を介して送信され、医師が検査するために表示パネル2313に表示され、それで診断を実行することができる。本実施形態では、該出力ユニット231は、例えば、ブルートゥース(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、無線周波などを介して出力端23に無線接続されている。更に、該出力ユニット231は、表示装置、携帯型電子装置、又はVRヘッドセット(virtual reality headset)であることができる。例えば、外科医は、VRヘッドセットを出力ユニット231として着用して、画像センサー211が捕捉した画像信号を見ることができるが、これは用いられる表示パネル2313の形式を限定するものではない。
【0021】
画像読取装置232は、出力端23に接続され、画像センサー211に電気的に接続されている上に、画像センサー211が捕捉した画像信号を読み取るために用いられるものである。グラフィックスプロセッサ233は、出力端23に接続され、且つそれぞれ捕捉した画像信号を処理するための信号増幅器2331及び画像フィルタ2332を有している。
【0022】
上記したものをまとめると、注射針10及び画像センシングユニット21を備える内視鏡アセンブリ1によれば、該内視鏡アセンブリ1は、手術領域を観察しながら、手術領域に注射を直接に行なうことができる。従って、該内視鏡アセンブリ1は、便利に使用され得る。更に、穿設状態にある注射針10によれば、患者に付ける穿刺傷を清潔で均一なものとすることができ、注射状態にある注射針10によれば、手術器具を通路40を介して手術領域へ延伸させることができ、それによって2回目の切開や元の切開の拡大を行なう必要がなくなり、且つより少なくより小さな切開を付けることによって、患者の術後の回復期間を短縮することができ、本発明の目的を満たすことができる。
【0023】
上記の説明では、説明の目的のために、実施形態の完全な理解を提供するために多数の特定の詳細が述べられた。しかしながら、しかしながら、当業者であれば、一又はそれ以上の他の実施形態が具体的な詳細を示さなくとも実施され得ることが明らかである。また、本明細書における「一つの実施形態」「一実施形態」を示す説明において、序数などの表示を伴う説明は全て、特定の態様、構造、特徴を有する本発明の具体的な実施に含まれ得るものであることと理解されたい。更に、本説明において、時には複数の変化例が一つの実施形態、図面、又はこれらの説明に組み込まれているが、これは本説明を合理化させるためのもので、本発明の多面性が理解されることを目的としたものであり、また、一実施形態における一又はそれ以上の特徴あるいは特定の具体例は、適切な場合には、本開示の実施において、他の実施形態における一又はそれ以上の特徴あるいは特定の具体例と共に実施され得る。
【0024】
以上、本発明の例示的な実施形態及び変化例を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、最も広い解釈の精神及び範囲内に含まれる様々な構成として、全ての修飾及び均等な構成を包含するものとする。
【符号の説明】
【0025】
1 内視鏡アセンブリ
10 注射針
101 光源コンダクタ
102 充填部材
12 針軸
120 鋭い先端
121 斜面
122 端部穴
131 入光側
132 出光側
134 内空間
135 第1の入射面
20 ベースモジュール
21 画像センシングユニット
211 画像センサー
213 管部
214 光学部品
22 照明入力端
23 出力端
231 出力ユニット
2311 バス
2312 プロセッサ
2313 表示パネル
232 画像読取装置
233 グラフィックスプロセッサ
2331 信号増幅器
2332 画像フィルタ
24 リレー機構
30 Yコネクタ
31 第1の分岐管
32 第2の分岐管
321 注射ポート
40 通路
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6
【外国語明細書】