(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022119214
(43)【公開日】2022-08-16
(54)【発明の名称】量子コンピュータのためのノイズ軽減回路及び対応する方法
(51)【国際特許分類】
G06N 10/20 20220101AFI20220808BHJP
【FI】
G06N10/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022015618
(22)【出願日】2022-02-03
(31)【優先権主張番号】63/145,039
(32)【優先日】2021-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/553,206
(32)【優先日】2021-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
2.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】522047446
【氏名又は名称】クオンティニュアム エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100147991
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 健一
(72)【発明者】
【氏名】コーリー・アンドリュー・バーンズ
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・クネーデル
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア・ジャイルズ
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・スワローズ
(72)【発明者】
【氏名】ジェレミー・エス・パークス
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン・ドミニー
(72)【発明者】
【氏名】レオナルド・アイ・アスカーランズ
(72)【発明者】
【氏名】デヴィッド・ジェームズ・フランソワ
(72)【発明者】
【氏名】アダム・ピー・リード
(72)【発明者】
【氏名】マヤ・ファブリカント
(57)【要約】
【課題】量子コンピュータの電極に信号を提供するための方法、装置、システム、又はコンピュータプログラム製品を提供すること。
【解決手段】例示的な実施形態において、システムは、信号生成器と、利得段と、フィルタ段とを含むノイズ軽減回路を含む。信号生成器は、複数の電圧源から構成され得る。コントローラは、信号生成器に信号を生成させ、信号は、ノイズ軽減回路を介して電極に提供されて、システムの少なくとも一部に機能を実行させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
量子コンピュータのイオントラップ内の電極に信号を提供するためのシステムであって、
第1の信号を生成するように構成された信号生成器であって、前記第1の信号が周波数掃引を含む、信号生成器と、
前記信号を増幅するように構成された利得段であって、前記利得段への入力が前記信号生成器の出力に接続される、利得段と、
前記信号をフィルタリングするように構成されたフィルタ段であって、前記フィルタ段への入力が前記利得段の出力に接続される、フィルタ段と、
前記第1の信号に応答して、前記フィルタ段の出力において応答を測定するように構成された変換器と
を含み、
前記信号生成器が、前記第2の信号を生成するようにさらに構成され、前記第2の信号が、測定された前記応答に基づいて、決定された予歪された波形によって予歪され、
イオントラップ内の電極が、前記第2の信号を受信するように構成される、システム。
【請求項2】
前記フィルタ段がアクティブフィルタ及びパッシブフィルタを含み、前記信号生成器が第1のデジタル-アナログ変換器及び第2のデジタル-アナログ変換器を含み、前記第2のデジタル-アナログ変換器がDCオフセット電圧を提供するように構成され、第1のデジタル-アナログ変換器が、前記予歪された第2の信号を提供するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記利得段の前記入力に接続された前記信号生成器の前記出力がスイッチを介して接続され、前記スイッチが前記利得段の前記入力への接続と前記変換器への接続との間で切り替わる、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2021年2月3日に出願された米国仮特許出願第63/145,039号の利益を主張するものであり、その内容全体は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]様々な実施形態は、量子コンピュータにおける信号ノイズを軽減するための装置、システム、及び方法に関する。例えば、いくつかの例示的な実施形態は、二重電圧源を含む信号生成器の使用、及び/又はイオントラップの電極に印加される信号のノイズを軽減するためのアクティブフィルタ及びパッシブフィルタを含むフィルタリングに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]様々なシナリオにおいて、電気コンポーネントを有する量子コンピューティングシステムは、複数の機能を実行するように構成され得、異なる機能は、異なる耐性を有し得る。これらの耐性には、様々な電気コンポーネントに印加される信号に存在するノイズの量、及び/又は信号によって電気コンポーネントに加えられ得る熱の量が含まれ得る。例えば、イオントラップは、電場と磁場の組合せを使用して、ポテンシャル井戸内の複数のイオンを捕捉することができる。イオンをイオントラップの一部を通って特定の方法で移動させるため、及び/又はイオントラップの特定の部分に含ませるために、様々な機能が実行され得る。これらの様々な機能は、電場と磁場の組合せを生成するために使用される信号のノイズ耐性、及び/又は電気コンポーネントの熱耐性が異なる場合がある。さらに、信号を生成するために使用される電気回路は、イオンに熱を加える回路コンポーネントを含み得る。このような従来のイオントラップの多くの欠陥は、努力、創意工夫、及び革新の実施を通じて、本発明の実施形態に従って構造化された解決策を開発することによって解決されており、その多くの例について本明細書で詳細に説明する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0004]例示的な実施形態は、量子コンピュータのためのシステム、方法、装置、コンピュータプログラム製品など、具体的には、量子コンピュータのためのノイズ軽減を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005]様々な実施形態は、量子コンピュータのイオントラップ内の電極に信号を提供するシステムを提供する。様々な実施形態において、システムは、信号生成器、利得段、フィルタ段、及び/又は変換器から構成され得る。様々な実施形態において、信号生成器は、第1の信号を生成するように構成され得、第1の信号は、周波数掃引を含む。様々な実施形態において、利得段は、信号を増幅するように構成され得、利得段への入力は、信号生成器の出力に接続される。様々な実施形態において、フィルタ段は、信号をフィルタリングするように構成され得、フィルタ段への入力は、利得段の出力に接続される。変換器は、第1の信号に応答してフィルタ段の出力において応答を測定するようにさらに構成され得る。信号生成器は、第2の信号を生成するようにさらに構成され得、第2の信号は、測定された応答に基づいて、決定された予歪された波形で予歪(pre-distort)される。様々な実施形態において、イオントラップ内の電極は、第2の信号を受信するように構成される。
【0006】
[0006]様々な実施形態において、フィルタ段は、アクティブフィルタ及びパッシブフィルタを含む。
[0007]様々な実施形態において、信号生成器は、第1のデジタル-アナログ変換器及び第2のデジタル-アナログ変換器を含む。
【0007】
[0008]様々な実施形態において、第2のデジタル-アナログ変換器は、DCオフセット電圧を提供するように構成される。
[0009]様々な実施形態において、第1のデジタル-アナログ変換器は、予歪された第2の信号を提供するように構成される。
【0008】
[0010]様々な実施形態において、利得段の入力に接続された信号生成器の出力は、スイッチを介して接続され、スイッチは、利得段の入力への接続と変換器への接続との間で切り替える。
【0009】
[0011]様々な実施形態において、フィルタ段は、ローパスフィルタを含む。
[0012]様々な実施形態において、フィルタ段は、バターワース応答を有するフィルタを含む。
【0010】
[0013]様々な実施形態において、イオントラップは、その中に捕獲された複数のイオンを有するように構成され、その中に捕獲された複数のイオンのうちの少なくともいくつかは、量子コンピュータの量子ビットとして使用される。
【0011】
[0014]様々な実施形態は、量子コンピュータの信号生成器によって生成された信号を予歪するための方法を提供する。様々な実施形態において、方法は、コントローラによって、信号生成器に第1の信号を生成させるステップを含み、第1の信号は、複数の周波数にわたる周波数掃引を含む。方法は、第1の信号をノイズ軽減回路に提供させるステップをさらに含み、ノイズ軽減回路はフィルタ段を含み、フィルタ段は、フィルタ応答に従って第1の信号をフィルタリングして、フィルタリングされた信号を提供するように構成される。方法は、フィルタリングされた信号を、変換器を用いて測定するステップと、信号生成器に第2の信号を生成させるステップとをさらに含み、第2の信号は、フィルタリングされた信号の測定値に基づいて予歪される。方法は、第2の信号を量子コンピュータのイオントラップの電極に提供させるステップをさらに含む。
【0012】
[0015]様々な実施形態は、量子コンピュータの信号生成器から信号を提供する方法を提供する。様々な実施形態において、方法は、コントローラによって、第1のスイッチを第1の位置にするステップを含み、第1のスイッチは、入力、並びに少なくとも第1の出力及び第2の出力を含み、第1の位置は第1の出力に対応し、第2の位置は第2の出力に対応し、第1のスイッチの第1の出力は変換器に接続され、第1のスイッチの第2の出力は利得段の入力に接続され、利得段は出力を含み、利得段の出力はフィルタ段の入力に接続され、フィルタ段の出力は変換器に接続される。方法は、コントローラによって、信号生成器に、第1の信号を生成して第1のスイッチに提供させるステップをさらに含み、第1の信号は、周波数掃引又はパルスを含む。方法は、変換器において、第1の信号の生成からの第1の応答を測定するステップをさらに含む。方法は、第1のスイッチを第2の位置にするステップをさらに含む。方法は、信号生成器に、第2の信号を生成して第2の位置にある第1のスイッチに提供させるステップをさらに含み、第2の信号は、周波数掃引又はパルスを含む。方法は、変換器において、第2の信号の生成からの第2の応答を測定するステップをさらに含む。方法は、第1の応答の測定値及び第2の応答の測定値に基づいて、周波数応答を決定するステップをさらに含む。方法は、信号生成器に、周波数応答に基づいて第3の信号を生成させるステップをさらに含み、第3の信号は、周波数応答に基づいて予歪される。方法は、第3の信号を量子コンピュータのイオントラップの電極に提供させるステップをさらに含む。
【0013】
[0016]様々な実施形態は、時間領域反射率計測測定(time-domain reflectometry measurement)のために、量子コンピュータの信号生成器から信号を提供するための方法を提供する。様々な実施形態において、方法は、第1のスイッチを第1のスイッチの第1の位置にするステップを含み、第1のスイッチは、第1のスイッチの入力、並びに少なくとも第1のスイッチの第1の出力及び第1のスイッチの第2の出力を含み、第1のスイッチの第1の位置は、第1のスイッチの第1の出力に対応し、第1のスイッチの第2の位置は、第1のスイッチの第2の出力に対応する。方法は、第2のスイッチを第2のスイッチの第1の位置にするステップをさらに含み、第2のスイッチは、少なくとも第2のスイッチの第1の入力及び第2のスイッチの第2の入力、並びに第2のスイッチの出力を含み、第2のスイッチの第1の位置は、第2のスイッチの第1の入力に対応し、第2のスイッチの第2の位置は、第2のスイッチの第2の出力に対応する。様々な実施形態において、第1のスイッチの第1の出力は、第2のスイッチの第1の入力に接続される。様々な実施形態において、第1のスイッチの第2の出力は利得段の入力に接続され、利得段は出力を含み、利得段の出力はフィルタ段の入力に接続され、フィルタ段の出力は第2のスイッチの第2の入力に接続され、第2のスイッチの出力は量子コンピュータのイオントラップに接続される。方法は、コントローラによって、信号生成器に第1の信号を生成させるステップをさらに含み、第1の信号はパルスを含む。方法は、変換器を用いて、第2のスイッチの出力において、第1の信号の生成からの第1の応答を測定するステップをさらに含み、第1の応答の測定は、時間領域反射率計測測定を含む。
【0014】
[0017]様々な実施形態は、時間領域反射率計測測定のために、量子コンピュータの信号生成器から信号を提供するための方法を提供する。いくつかの実施形態において、方法は、第1のスイッチを第1のスイッチの第2の位置にするステップを含み、第1のスイッチは、第1のスイッチの入力、並びに少なくとも第1のスイッチの第1の出力及び第1のスイッチの第2の出力を含み、第1のスイッチの第1の位置は、第1のスイッチの第1の出力に対応し、第1のスイッチの第2の位置は、第1のスイッチの第2の出力に対応する。方法は、第2のスイッチを第2のスイッチの第2の位置にするステップをさらに含み、第2のスイッチは、少なくとも第2のスイッチの第1の入力及び第2のスイッチの第2の入力、並びに第2のスイッチの出力を含み、第2のスイッチの第1の位置は、第2のスイッチの第1の入力に対応し、第2のスイッチの第2の位置は、第2のスイッチの第2の出力に対応する。様々な実施形態において、第1のスイッチの第1の出力は、第2のスイッチの第1の入力に接続される。様々な実施形態において、第1のスイッチの第2の出力は利得段の入力に接続され、利得段は出力を含み、利得段の出力はフィルタ段の入力に接続され、フィルタ段の出力は第2のスイッチの第2の入力に接続され、第2のスイッチの出力は量子コンピュータのイオントラップに接続される。方法は、コントローラによって、信号生成器に第1の信号を生成させるステップをさらに含み、第1の信号はパルスを含む。方法は、変換器を用いて、第2のスイッチの出力において、第1の信号の生成からの第1の応答を測定するステップをさらに含み、第1の応答の測定は、時間領域反射率計測測定を含む。
【0015】
[0018]様々な実施形態は、ノイズスペクトル密度測定のために、量子コンピュータの信号生成器から信号を提供するための方法を提供する。様々な実施形態において、方法は、第1のスイッチを第1のスイッチの第1の位置にするステップを含み、第1のスイッチは、第1のスイッチの入力、並びに少なくとも第1のスイッチの第1の出力及び第1のスイッチの第2の出力を含み、第1のスイッチの第1の位置は、第1のスイッチの第1の出力に対応し、第1のスイッチの第2の位置は、第1のスイッチの第2の出力に対応する。様々な実施形態において、第1のスイッチの第1の出力は、変換器に接続される。様々な実施形態において、第1のスイッチの第2の出力は利得段の入力に接続され、利得段は出力を含み、利得段の出力はフィルタ段の入力に接続され、フィルタ段の出力は第2のスイッチに接続され、第2のスイッチは、入力、並びに第1の出力及び第2の出力を含み、第2のスイッチの第1の出力は量子コンピュータのイオントラップに接続され、第2のスイッチの第2の出力は変換器に接続される。方法は、コントローラによって、信号生成器に第1の信号を生成させるステップをさらに含み、第1の信号はDC電圧を含む。方法は、変換器を用いて第1の応答を測定するステップをさらに含み、第1の応答の測定は、ノイズスペクトル密度測定を含む。
【0016】
[0019]様々な実施形態において、方法は、変換器によって、イオントラップ内の電極のノイズスペクトル密度を測定するステップをさらに含み、変換器への入力は、利得段の出力に接続され、利得段への入力は、イオントラップ内の電極に接続される。
【0017】
[0020]様々な実施形態において、電極は、その中に捕獲された複数のイオンを有するように構成され、その中に捕獲された複数のイオンのうちの少なくともいくつかは、量子コンピュータの量子ビットとして使用される。
【0018】
[0021]様々な実施形態は、イオントラップ内の電極に信号を提供するためのシステムを提供する。様々な実施形態において、システムは、波形生成器、変換器、及びスイッチから構成された信号生成器を含む。様々な実施形態において、波形生成器は、波形信号を生成するように構成される。様々な実施形態において、変換器は、デジタル-アナログ変換器であり、DC信号を生成するように構成される。様々な実施形態において、スイッチは、波形生成器の出力に接続されたスイッチの第1の入力と、変換器の出力に接続されたスイッチの第2の入力と、スイッチの出力とを有する。様々な実施形態において、信号生成器は、スイッチを第1の入力と第2の入力との間で移行させて、信号生成器の出力において波形信号とDC信号とを結合して、結合信号を生成するように構成される。システムは、結合信号を増幅するように構成された利得段をさらに含み、利得段の入力は、スイッチの出力に接続される。システムは、利得段の出力に接続されたイオントラップをさらに含み、イオントラップは、少なくとも1つの電極を含み、少なくとも1つの電極は、利得段の出力に接続される。
【0019】
[0022]様々な実施形態は、イオントラップ内の電極に信号を提供するためのシステムを提供し、様々な実施形態において、システムは、第1の信号を生成するように構成された信号生成器を含み、第1の信号は、周波数掃引を含む。システムは、第1の信号を増幅するように構成された利得段をさらに含み、利得段への入力は、信号生成器の出力に接続される。システムは、第1の信号をフィルタリングするように構成されたフィルタ段をさらに含み、フィルタ段への入力は、利得段の出力に接続される。システムは、第1の信号に応答してフィルタ段の出力において応答を測定するように構成された変換器をさらに含む。様々な実施形態において、信号生成器は、第2の信号を生成するようにさらに構成され、第2の信号は、第1の信号の測定された応答に基づいて予歪され、様々な実施形態において、イオントラップ内の電極は、第2の信号を受信するように構成される。
【0020】
[0023]様々な実施形態は、イオントラップ内の電極に信号を提供するためのシステムを提供し、様々な実施形態において、システムは、第1の信号を生成するように構成された信号生成器を含み、第1の信号は、周波数掃引を含む。システムは、第1の信号を増幅するように構成された利得段をさらに含み、利得段への入力は、信号生成器の出力に接続される。システムは、第1の信号をフィルタリングするように構成されたフィルタ段をさらに含み、フィルタ段への入力は、利得段の出力に接続される。システムは、サンプル段をさらに含み、サンプル段への入力は、フィルタ段の出力に接続される。システムは、第1の信号に応答してサンプル段の出力において応答を測定するように構成された変換器をさらに含む。様々な実施形態において、信号生成器は、第2の信号を生成するようにさらに構成され、第2の信号は、第1の信号の測定された応答に基づいて予歪され、様々な実施形態において、イオントラップ内の電極は、第2の信号を受信するように構成される。
【0021】
[0024]様々な実施形態は、イオントラップ内の電極に信号を提供するためのシステムを提供し、様々な実施形態において、システムは、第1の信号を生成するように構成された信号生成器を含み、第1の信号は、周波数掃引を含む。システムは、第1の信号を増幅するように構成された利得段をさらに含み、利得段への入力は、信号生成器の出力に接続される。システムは、第1の信号をフィルタリングするように構成されたフィルタ段をさらに含み、フィルタ段への入力は、利得段の出力に接続される。システムは、第1の信号に応答してフィルタ段の出力において応答を測定するように構成された変換器をさらに含む。システムにおいて、信号生成器は、第2の信号を生成するようにさらに構成され、第2の信号は、第1の信号の測定された応答に基づいて予歪される。様々な実施形態において、イオントラップ内の電極は、第2の信号を受信するように構成される。
【0022】
[0025]本発明をこのように一般的な用語で説明してきたが、次に添付図面を参照する。添付図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれているとは限らない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】[0026]様々な実施形態による例示的な量子コンピューティングシステムの概略図である。
【
図2】[0027]様々な実施形態による量子コンピュータの例示的なコントローラの概略図である。
【
図3】[0028]例示的な実施形態に従って使用され得る量子コンピュータシステムの例示的な計算エンティティの概略図である。
【
図4】[0029]様々な実施形態による例示的なノイズ軽減回路の概略図である。
【
図5】[0030]様々な実施形態による別の例示的なノイズ軽減回路の概略図である。
【
図6】[0031]様々な実施形態による例示的な信号生成器の概略図である。
【
図7】[0032]ノイズ軽減回路の様々な実施形態による別の例示的な信号生成器の概略図である。
【
図8】[0033]様々な実施形態による例示的なフィルタ段の概略図である。
【
図9】[0034]様々な実施形態による例示的なサンプル段の概略図である。
【
図10】[0035]様々な実施形態による例示的な較正回路の概略図である。
【
図11】[0036]例えば、予歪された波形を決定するために量子コンピュータのコントローラによって実行され得る様々なプロセス、手順、及び/又は動作の流れ図である。
【
図12】[0037]例えば、フィルタリングされた予歪された信号を電極に提供するために量子コンピュータのコントローラによって実行され得る様々なプロセス、手順、及び/又は動作の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[0038]次に、以下では、本発明のすべての実施形態ではなくいくつかの実施形態を図示した添付図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。実際には、本発明は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が、適用可能な法的要件を満たすように提供される。「又は」(「/」とも示される)という用語は、特に明記しない限り、本明細書では代替と接続詞の両方の意味で使用される。「例示の」及び「例示的な」という用語は、品質レベルを示すものではない例として使用される。「概して」及び「約」という用語は、特に明記しない限り、工学及び/もしくは製造の制限内並びに/又はユーザ測定能力の範囲内を指す。全体を通して、同様の数字は、同様の要素を指す。
【0025】
[0039]様々な実施形態において、信号を生成及び提供するための方法、装置、システム、コンピュータプログラム製品など、並びに量子コンピューティングシステムのためのノイズ軽減回路。例えば、信号は、(例えば、信号生成器によって)生成され、システムの電気コンポーネント(例えば、電極)に印加され得る。電気コンポーネントへの信号の印加は、システムに機能を実行させ得る。様々な実施形態において、システムは、電気コンポーネントに印加される信号に応じて、様々な機能を実行するように構成され得る。例示的な実施形態において、様々な機能の異なる機能は、印加される信号内の許容され得るノイズの量及び/又はノイズの周波数に関して、異なる要件を有し得る。様々な実施形態において、利得段は、信号を増幅するために使用され得、かつ/又はフィルタ段は、(例えば、信号生成器によって生成された)信号を、信号がシステムの電気コンポーネントに印加される前にフィルタリングするために使用され得る。フィルタ段は、アクティブフィルタ、パッシブフィルタ、又はアクティブフィルタとパッシブフィルタを含み得る。アクティブフィルタは、アクティブコンポーネント(例えば、オペアンプ、トランジスタなど)から構成され、これらのコンポーネントから決定される応答を有し得るフィルタである。さらに、アクティブフィルタは、(例えば、システムの動作中に)動的に変更され得る動作応答を有し得る動的フィルタであり得る。パッシブフィルタは、パッシブコンポーネント(例えば、レジスタ、コンデンサ、インダクタなど)のみを使用し、これらのコンポーネントから決定される応答を有するフィルタである。
【0026】
[0040]例示的な実施形態において、システムは、量子コンピュータである。例えば、システムは、複数の電極を含むイオントラップを含むトラップ型イオン量子コンピュータであり得る。量子コンピュータの電極への信号(例えば、電圧信号)の印加は、イオントラップに、イオントラップ内に捕獲された原子オブジェクト(例えば、イオン、原子など)の移動又は維持に対応する様々な機能を実行させることができ、原子オブジェクトは、イオントラップ内の様々な場所で捕獲され得る。例えば、ある機能は、原子オブジェクトをイオントラップ内のある場所からイオントラップ内の別の場所に輸送することであり得る。トラップ型イオン量子コンピュータ内の原子オブジェクトは、信号生成器(例えば、任意波形生成器(AWG:arbitrary waveform generator))によって生成されてトラップの電気コンポーネント(例えば、電極)に印加される信号(例えば、波形)を使用することによって、トラップの周りを物理的に移動する。これらのイオンを迅速に移動させるには、AWGは非常に高速な更新レートを必要とする。信号の生成のための制御回路は、原子オブジェクトに対して量子論理ゲートが実行され得るように原子オブジェクトをイオントラップ内の特定の場所に維持すること、2つの原子オブジェクトのイオントラップ内の位置を入れ替えること、2つの原子オブジェクトを共に近接するように移動させること、共に接近した2つの原子オブジェクトを互いに離間するように移動させることなどを含む他のゲート機能も制御する。
【0027】
[0041]各機能は、機能固有の耐性(例えば、ノイズ耐性、熱耐性)に関連し得る。例えば、機能に対応する機能固有のノイズ耐性に基づいて、機能に特定の応答が割り当てられ得る。さらに、ゲーティング中、ゲーティング動作の高い忠実度を維持するために、電極における電圧は、非常に安定し、かつ非常に低いノイズスペクトル密度(NSD:noise spectral density)である必要がある。
【0028】
[0042]イオントラップを含む例示的な量子コンピュータ
例示的な実施形態において、システムは、原子オブジェクト閉じ込め装置(本明細書では閉じ込め装置とも呼ぶ)であるか、又は原子オブジェクト閉じ込め装置を含む。例示的な実施形態において、閉じ込め装置は、イオントラップ(例えば、表面イオントラップ)である。例えば、イオントラップは、イオントラップ内の1つ又は複数の原子オブジェクト(例えば、イオン)の移動を制御する電位場を生成するように、電気信号(例えば、電圧)を受信するように構成された複数の電極を含み得る。
【0029】
[0043]1つ又は複数の原子オブジェクトの移動を制御するために実行される様々な機能は、異なる要件を有し得る。要件の一例は、電極に印加される電気信号内のノイズを制限することであり得、これは、電極に電気信号を印加することによって生成される電場及び/又は磁場内のノイズに関連する場合と関連しない場合がある。例えば、原子オブジェクトがイオントラップ内のある場所からイオントラップ内の別の場所に移動するという輸送機能を実行するためのノイズ要件は、第1のノイズ要件であり得、(例えば、原子オブジェクトが量子ビットである量子コンピュータのゲート動作が実行され得るように)原子オブジェクトをイオントラップ内の特定の場所に維持するためのノイズ要件は、第2のノイズ要件であり得る。例示的な実施形態において、第1のノイズ要件及び第2のノイズ要件は異なり得る。例えば、輸送機能を実行するとき、機能の性能は、約1MHzの周波数でのノイズに影響を受けやすい可能性がある。別の例では、維持機能を実行する(例えば、原子オブジェクトに対して量子論理ゲートが実行され得るように、原子オブジェクトをイオントラップ内の特定の場所に維持する)とき、機能の性能は、約250kHzの周波数でのノイズに影響を受けやすい可能性がある。したがって、維持機能の性能を最適化するように構成されたノイズ要件を使用して輸送機能を実行すると、輸送機能の性能の低下につながる。例えば、維持機能の性能を最適化するように構成されたノイズ要件を使用して輸送機能を実行すると、輸送機能が実行され得る速度及び/又は帯域幅が低下する。要件の別の例は、閉じ込め装置及び/又はシステムの電気コンポーネント内の原子オブジェクトによって生成される熱及び/又は原子オブジェクトが受ける熱を制限することであり得、そのためには、ノイズ軽減回路もしくは量子コンピュータ内の他の回路によって生成される熱及び/又はそれら回路の動作を通して生成される熱を、最適化又は低減する必要があり得る。例示的な実施形態において、ノイズ軽減回路によって生成される熱は、予歪された信号を使用することを含む、電気信号を成形又は調整することによって、最適化又は低減され得る。
【0030】
[0044]
図1は、例示的な実施形態による、閉じ込め装置(例えば、イオントラップ70)を含む例示的な量子コンピュータシステム100の概略図を提供する。様々な実施形態において、量子コンピュータシステム100は、計算エンティティ10、及び量子コンピュータ110を含む。様々な実施形態において、計算エンティティ10は、ユーザが(例えば、計算エンティティ10のユーザインターフェースを介して)量子コンピュータ110に入力を提供し、量子コンピュータ110からの出力を受信すること、見ることなど可能にするように構成される。様々な実施形態において、量子コンピュータ110は、コントローラ30と、閉じ込め装置(例えば、イオントラップ70)を封入するクライオスタット及び/又は真空チャンバ40と、1つ又は複数の操作源60とを備える。例示的な実施形態において、1つ又は複数の操作源60は、1つ又は複数のレーザ(例えば、光学レーザ、マイクロ波源など)を含み得る。例示的な実施形態において、操作源60によって生成されたビーム、パルス、フィールドなどは、1つ又は複数の光路66(例えば、66A、66B、66C)を介してイオントラップ70に提供され得る。様々な実施形態において、1つ又は複数の操作源60は、閉じ込め装置内の1つ又は複数の原子オブジェクトの制御された量子状態発展を操作するように、かつ/又は引き起こすように構成される。例えば、1つ又は複数の操作源60が1つ又は複数のレーザを含む例示的な実施形態において、レーザは、クライオスタット及び/又は真空チャンバ40内の閉じ込め装置に、1つ又は複数のレーザビームを提供し得る。様々な実施形態において、量子コンピュータ110は、1つ又は複数の電圧源50を備える。例えば、電圧源50は、複数の電圧ドライバ及び/もしくは電圧源、並びに/又は少なくとも1つのRFドライバ及び/もしくは電圧源を含み得る。例えば、電圧源50は、例えば、
図4の信号生成器410などの1つ又は複数の信号生成器を備え得る。電圧源50は、例えば、他の段と直列又は並列であり得る電気回路の1つ又は複数の段(例えば、利得段、フィルタ段、及び/又はサンプル段)を介して、閉じ込め装置(例えば、イオントラップ70)の対応する電位生成要素に電気的に結合され得る。利得段及び/又はフィルタ段は、量子コンピュータ110の量子ビットとして使用される原子オブジェクトを捕獲するイオントラップの電極に印加される信号を成形し得る。
【0031】
[0045]例示的なコントローラ
様々な実施形態において、閉じ込め装置(例えば、イオントラップ70)は、量子コンピュータ110に組み込まれる。様々な実施形態において、量子コンピュータ110は、量子コンピュータ110の様々な要素を制御するように構成されたコントローラ30をさらに備える。様々な実施形態において、コントローラ30は、電圧源50、クライオスタット及び/もしくは真空チャンバ40内の温度及び圧力を制御する極低温システム及び/もしくは真空システム、操作源60、並びに/もしくはクライオスタット及び/もしくは真空チャンバ40内の様々な環境条件(例えば、温度、湿度、圧力など)を制御する他のシステムを制御するように構成され得、かつ/又は閉じ込め装置内の1つ又は複数の原子オブジェクトの量子状態の制御された発展を操作する、かつ/もしくは引き起こすように構成され得る。例えば、コントローラ30は、閉じ込め装置内の1つ又は複数の原子オブジェクトの量子状態の制御された発展を引き起こして、量子回路及び/又はアルゴリズムを実行し得る。様々な実施形態において、閉じ込め装置内に閉じ込められた原子オブジェクトは、量子コンピュータ110の量子ビットとして使用される。
【0032】
[0046]
図2に示すように、様々な実施形態において、コントローラ30は、処理要素205、メモリ210、ドライバコントローラ要素215、通信インターフェース220、アナログデジタル変換器要素225などを含む様々なコントローラ要素を含み得る。例えば、処理要素205は、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、複合PLD(CPLD)、マイクロプロセッサ、コプロセシングエンティティ、特定用途向け命令セットプロセッサ(ASIP)、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、ハードウェアアクセラレータ、他の処理デバイス及び/又は回路などを含み得る。回路という用語は、完全にハードウェアの実施形態、又はハードウェアとコンピュータプログラム製品との組合せを指す場合がある。例示的な実施形態において、コントローラ30の処理要素205は、クロックを含み、かつ/又はクロックと通信状態にあり得る。
【0033】
[0047]例えば、メモリ210は、ハードディスク、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、MMC、SDメモリカード、メモリスティック、CBRAM、PRAM、FeRAM、RRAM、SONOS、レーストラックメモリ、RAM、DRAM、SRAM、FPM DRAM、EDO DRAM、SDRAM、DDR SDRAM、DDR2 SDRAM、DDR3 SDRAM、RDRAM、RIMM、DIMM、SIMM、VRAM、キャッシュメモリ、レジスタメモリなどのうちの1つ又は複数などの揮発性及び/又は不揮発性メモリストレージなどの非一過性メモリを含み得る。様々な実施形態において、メモリ210は、(例えば、量子ビットレコードデータストア、量子ビットレコードデータベース、量子ビットレコードテーブルなどにおける)量子コンピュータの量子ビットに対応する量子ビットレコード、較正テーブル、実行可能キュー、(例えば、1つ又は複数のコンピュータ言語、特殊化されたコントローラ言語などにおける)コンピュータプログラムコードなどを記憶し得る。例示的な実施形態において、(例えば、処理要素205による)メモリ210に記憶されたコンピュータプログラムコードの少なくとも一部の実行は、イオントラップ70の電極に信号を印加して信号に対応する機能を実行するための本明細書に記載の1つ又は複数のステップ、動作、プロセス、手順などを、コントローラ30に実行させる。
【0034】
[0048]様々な実施形態において、ドライバコントローラ要素215は、1つ又は複数のドライバ、及び/又は1つ又は複数のドライバを制御するようにそれぞれ構成されたコントローラ要素を含み得る。様々な実施形態において、ドライバコントローラ要素215は、ドライバ及び/又はドライバコントローラを含み得る。例えば、ドライバコントローラは、1つ又は複数の対応するドライバを、コントローラ30によって(例えば、処理要素205によって)スケジュールされ実行される実行可能命令、コマンドなどに従って動作させるように構成され得る。様々な実施形態において、ドライバコントローラ要素215は、コントローラ30が操作源60を動作させることを可能にし得る。様々な実施形態において、ドライバは、レーザドライバ、真空コンポーネントドライバ、イオントラップ70のイオントラップ電位を維持及び/もしくは制御するために使用される電極に印加される電流並びに/又は電圧の流れを制御するためのドライバ(例えば、電圧源50)、1つ又は複数の動的フィルタの動作応答を制御するためのドライバ(例えば、応答を選択するためにフィルタ段の回路(例えば、スイッチ又は減衰器)を作動させるようにコントローラによって制御され得るフィルタドライバ)、極低温及び/又は真空システムコンポーネントドライバなどであり得る。様々な実施形態において、コントローラ30は、1つ又は複数の光受信機コンポーネント、較正センサなどから信号を受信するように構成された1つ又は複数のアナログ-デジタル変換器要素225を備え得る。例えば、様々な実施形態において、コントローラ30は、カメラ、MEMカメラ、CCDカメラ、フォトダイオード、光電子増倍管などの1つ又は複数の光受信機コンポーネントから信号を通信及び/又は受信するための手段を備える。
【0035】
[0049]様々な実施形態において、コントローラ30は、計算エンティティ10とインターフェース及び/又は通信するための通信インターフェース220を備え得る。例えば、コントローラ30は、計算エンティティ10から実行可能命令、コマンドセットなどを受信し、量子コンピュータ110から(例えば、光学収集システムから)受信された出力、及び/又は計算エンティティ10への出力を処理した結果を提供するための通信インターフェース220を備え得る。様々な実施形態において、計算エンティティ10及びコントローラ30は、直接の有線接続及び/もしくは無線接続、並びに/又は1つ又は複数の有線ネットワーク及び/もしくは無線ネットワーク20を介して通信し得る。
【0036】
[0050]例示的な計算エンティティ
図3は、本発明の実施形態と併せて使用され得る例示的な計算エンティティ10の概略図を提供する。様々な実施形態において、計算エンティティ10は、ユーザが(例えば、計算エンティティ10のユーザインターフェースを介して)量子コンピュータ110に入力を提供し、量子コンピュータ110からの出力を受信すること、表示すること、分析することなど可能にするように構成される。計算エンティティ10は、1つ又は複数の有線ネットワークもしくは無線ネットワーク20を介して、かつ/又は直接の有線通信及び/もしくは無線通信を介して、量子コンピュータ110のコントローラ30と通信状態にあり得る。例示的な実施形態において、計算エンティティ10は、情報/データ、量子コンピューティングアルゴリズムなどを、コントローラ30が理解及び/又は実施できるコンピューティング言語、実行可能命令、コマンドセットなどに変換、構成、フォーマットすることなどが可能である。
【0037】
[0051]
図3に示すように、計算エンティティ10は、アンテナ312、送信機304(例えば、無線機)、受信機306(例えば、無線機)、並びに送信機304及び受信機306のそれぞれに信号を提供し、それぞれから信号を受信する処理要素308を含み得る。送信機304及び受信機306のそれぞれに提供され、それぞれから受信される信号は、コントローラ30、他の計算エンティティ10などの様々なエンティティと通信するための適用可能な無線システムのエアインターフェース規格に従ったシグナリング情報/データを含み得る。この点に関して、計算エンティティ10は、1つ又は複数のエアインターフェース規格、通信プロトコル、変調タイプ、及びアクセスタイプで動作することが可能であり得る。例えば、計算エンティティ10は、ファイバ分散データインターフェース(FDDI:fiber distributed data interface)、デジタル加入者回線(DSL:digital subscriber line)、Ethernet、非同期転送モード(ATM:asynchronous transfer mode)、フレームリレー、ケーブルによるデータサービスインターフェース仕様(DOCSIS:data over cable service interface specification)、又は任意の他の有線伝送プロトコルなどの有線データ伝送プロトコルを使用して通信を受信及び/又は提供するように構成され得る。同様に、計算エンティティ10は、汎用パケット無線サービス(GPRS:general packet radio service)、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS:Universal Mobile Telecommunications System)、符号分割多元接続2000(CDMA2000:Code Division Multiple Access 2000)、CDMA2000 1X(1xRTT)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA:Wideband Code Division Multiple Access)、世界移動体通信システム(GSM:Global System for Mobile Communication)、GSM進化型高速データレート(EDGE:Enhanced Data Rate for GSM Evolution)、時分割同期符号分割多元接続(TD-SCDMA:Time Division-Synchronous Code Division Multiple Access)、ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)、進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(E-UTRAN:Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)、エボリューションデータオプティマイズド(EVDO:Evolution-Data Optimized)、高速パケットアクセス(HSPA:High Speed Packet Access)、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA:High-Speed Downlink Packet Access)、IEEE802.11(Wi-Fi)、Wi-Fi Direct、802.16(WiMAX)、超広帯域(UWB:ultra wideband)、赤外線(IR:infrared)プロトコル、近距離通信(NFC:near field communication)プロトコル、Wibree、Bluetoothプロトコル、無線ユニバーサルシリアルバス(USB:wireless universal serial bus)プロトコル、及び/又は任意の他の無線プロトコルなどの様々なプロトコルのいずれかを使用して、無線外部通信ネットワークを介して通信するように構成され得る。計算エンティティ10は、このようなプロトコル及び規格を、ボーダゲートウェイプロトコル(BGP:Border Gateway Protocol)、動的ホスト構成プロトコル(DHCP:Dynamic Host Configuration Protocol)、ドメイン名システム(DNS:Domain Name System)、ファイル転送プロトコル(FTP:File Transfer Protocol)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP:Hypertext Transfer Protocol)、HTTPオーバTLS/SSL/Secure、インターネットメッセージアクセスプロトコル(IMAP:Internet Message Access Protocol)、ネットワークタイムプロトコル(NTP:Network Time Protocol)、簡易メール転送プロトコル(SMTP)、Telnet、トランスポートレイヤセキュリティ(TLS:Transport Layer Security)、セキュアソケットレイヤ(SSL:Secure Sockets Layer)、インターネットプロトコル(IP:Internet Protocol)、伝送制御プロトコル(TCP:Transmission Control Protocol)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP:User Datagram Protocol)、データグラム輻輳制御プロトコル(DCCP:Datagram Congestion Control Protocol)、ストリーム制御伝送プロトコル(SCTP:Stream Control Transmission Protocol)、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML:HyperText Markup Language)などを使用した通信のために使用することができる。
【0038】
[0052]計算エンティティ10は、これらの通信規格及びプロトコルを介して、非構造化付加サービス情報/データ(USSD:Unstructured Supplementary Service information/data)、ショートメッセージサービス(SMS:Short Message Service)、マルチメディアメッセージングサービス(MMS:Multimedia Messaging Service)、デュアルトーン多重周波数シグナリング(DTMF:Dual-Tone Multi-Frequency Signaling)、及び/又は加入者識別モジュールダイヤラ(SIMダイヤラ:Subscriber Identity Module Dialer)などの概念を使用して、他の様々なエンティティと通信することができる。計算エンティティ10は、例えば、そのファームウェア、ソフトウェア(例えば、実行可能命令、アプリケーション、プログラムモジュールを含む)、及びオペレーティングシステムに対する変更、アドオン、並びに更新をダウンロードすることもできる。
【0039】
[0053]計算エンティティ10は、1つ又は複数のユーザ入力/出力インターフェースを含むユーザインターフェースデバイス(例えば、処理要素308に結合されたディスプレイ316及び/又はスピーカ/スピーカドライバ、並びに処理要素308に結合されたタッチスクリーン、キーボード、マウス、及び/又はマイクロフォン)も備え得る。例えば、ユーザ出力インターフェースは、情報/データを表示又は可聴提示させるため、及び1つ又は複数のユーザ入力インターフェースを介した情報/データとの対話のために、計算エンティティ10上で実行される、かつ/又は計算エンティティ10を介してアクセス可能な、アプリケーション、ブラウザ、ユーザインターフェース、インターフェース、ダッシュボード、スクリーン、ウェブページ、ページ、及び/又は本明細書で互換可能に使用される類似の単語を提供するように構成され得る。ユーザ入力インターフェースは、キーパッド318(ハードもしくはソフト)、タッチディスプレイ、音声/発話もしくはモーションインターフェース、スキャナ、リーダ、又は他の入力デバイスなど、計算エンティティ10がデータを受信することを可能にするいくつかのデバイスのうちのいずれかを含むことができる。キーパッド318を含む実施形態において、キーパッド318は、従来の数字(0~9)及び関連するキー(#、*)、並びに計算エンティティ10を動作させるために使用される他のキーを含む(又はそれらを表示させる)ことができ、英字キーの完全なセット、又は英数字キーの完全なセットを提供するように有効化され得るキーのセットを含み得る。入力を提供することに加えて、例えば、ユーザ入力インターフェースを使用して、スクリーンセーバ及び/もしくはスリープモードなどのある特定の機能を有効化又は非有効化することができる。計算エンティティ10は、このような入力を通じて、情報/データ、ユーザ対話/入力などを収集することができる。
【0040】
[0054]計算エンティティ10は、揮発性のストレージもしくはメモリ322及び/又は不揮発性のストレージもしくはメモリ324を含むこともでき、これらは、埋め込まれてもよく、かつ/又は取り外し可能であり得る。例えば、不揮発性メモリは、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、MMC、SDメモリカード、メモリスティック、CBRAM、PRAM、FeRAM、RRAM、SONOS、レーストラックメモリなどであり得る。揮発性メモリは、RAM、DRAM、SRAM、FPM DRAM、EDO DRAM、SDRAM、DDR SDRAM、DDR2 SDRAM、DDR3 SDRAM、RDRAM、RIMM、DIMM、SIMM、VRAM、キャッシュメモリ、レジスタメモリなどであり得る。揮発性及び不揮発性のストレージ又はメモリは、計算エンティティ10の機能を実施するための、データベース、データベースインスタンス、データベース管理システムエンティティ、データ、アプリケーション、プログラム、プログラムモジュール、スクリプト、ソースコード、オブジェクトコード、バイトコード、コンパイル済みコード、解釈済みコード、マシンコード、実行可能命令などを記憶することができる。
【0041】
[0055]例示的なノイズ軽減回路
図4は、例示的な実施形態による例示的なノイズ軽減回路400を示す。様々な実施形態において、コントローラ30は、1つ又は複数の信号生成器410を制御して、信号(例えば、電圧信号)を生成させ、その信号を、異なる耐性及び/又は要件を有する複数の機能を実行するように構成されたシステムの電気コンポーネント(例えば、電極440)に印加する前に、電気回路(例えば、ノイズ軽減回路400)に印加させることができる。様々な実施形態において、ノイズ軽減回路400は、並列配置(図示せず)の各電極440のノイズ軽減回路400など、量子コンピュータ110の各電極440に提供され得る。他の様々な実施形態において、ノイズ軽減回路400は、量子コンピュータ110の複数の電極440(図示せず)に信号を提供し得る。ノイズ軽減回路400は、イオントラップ70の1つ又は複数の電極440に印加される信号を成形及び/又は調整するように構成され得る。
【0042】
[0056]上記のように、電極440への信号の印加は、イオントラップ70内に捕捉された原子オブジェクトに対して1つ又は複数の機能を実行させ得る電位場を生成させる。機能が異なれば、感度(ノイズ感度など)も異なり、したがって、耐性及び要件(例えば、ノイズ要件)も異なる。さらに、感度、耐性、又は要件は、実行される機能に関連し得る。したがって、ノイズ軽減回路400を使用して、ノイズの軽減を含め、1つ又は複数の信号生成器410の、電極440に印加される信号を成形及び/又は調整することができる。例示的な実施形態において、信号生成器410は、1つ又は複数の波形生成器を含み、この波形生成器は、例えば、任意波形生成器(AWG)又はデジタル-アナログ変換器(DAC:digital-to-analog converter)であり得る。
【0043】
[0057]例示的な実施形態では、
図4に示すように、ノイズ軽減回路400は、信号生成器410、利得段420、及びフィルタ段430を備える。いくつかの実施形態では、利得段420及び/又はフィルタ段430が省略されてもよい。代替として、段が省略されてもよく、1つ又は複数の追加の段が追加されてもよい。例えば、別の例示的な実施形態では、
図5に示すように、ノイズ軽減回路500は、サンプル段510を含み得る。
図5の例示的な実施形態では、サンプル段510は、フィルタ段の後に配置されているが、代替の実施形態では、フィルタ段430の前もしくは利得段420の前、又は1つ又は複数の他の段と並列であるなど、ノイズ軽減回路内の他の場所に配置され得る。様々な実施形態において、利得段420は、信号生成器410によって生成された信号に利得を適用する。
【0044】
[0058]様々な実施形態において、信号生成器410は、1つ又は複数の信号源(例えば、電圧源、電流源、任意波形生成器、デジタル-アナログ変換器など)から構成され得る。例示的な実施形態では、
図6に示すように、例示的な信号生成器600は、任意波形生成器(AWG)610、デジタル-アナログ変換器620、及びスイッチ630から構成され得、これらはそれぞれコントローラ30によって制御され得る。
図6の例示的な実施形態において、コントローラ30は、AWG610に信号を生成させる信号、及びDAC620に信号を生成させる信号を提供し得る。信号生成器600によって出力される信号は、コントローラがスイッチ630にAWG610又はDAC620のいずれかからの信号を選択させることによって生成され得る。したがって、AWG610及びDAC620からの信号は、AWG610からの信号とDAC620からの信号とを結合するように選択され得る。AWG610もしくはDAC620のいずれかからの信号の選択、又はそれぞれの出力からなる信号を生成するための切替えは、例えば、量子コンピュータ110の現在の機能又は位相に依存し得る。
【0045】
[0059]図示されていない代替の実施形態では、例えば、AWG610及びDAC620の出力を結合する代替の方式がある。例えば、スイッチ630は省略されてもよく、コントローラ30は、AWG610もしくはDAC620のいずれか、又はその両方から信号を生成させて、信号生成器の出力となる信号を生成することができる。代替の例では、AWG610及びDAC620を参照するためにサーボが使用され得(例えば、従来の積分回路又はDeboo積分回路)、バイアスTが使用され得、又は電圧加算器が使用され得る。代替として、又は追加として、スイッチ630は、例えば、出力信号を生成するために使用され得る加算器、分周器、又は平均回路によって置き換えられてもよい。さらに、信号生成器600は、3つ以上の信号源(図示せず)を含むことができ、加算器、分周器、又は平均回路とともに複数のスイッチが使用され得る。さらに、コントローラは、信号生成器600の出力として生成される信号が予歪及び/又は成形されるように、AWG610及びDAC620からの信号を制御することができ、予歪及び/又は成形は、ノイズ軽減回路又は下流回路に関して得られた測定値に基づき得る。信号源(例えば、AWG610及びDAC620)からの信号の結合は、同等に又は同等の時間量では結合されない場合がある。例えば、スイッチ630は、AWG610の信号を、DAC620の信号の時間の割合(例えば、25%)よりも大きい時間の割合(例えば、75%)で通過させてもよい。さらに、コントローラ30は、AWG610又はDAC620のいずれかに信号を生成させない場合がある。
【0046】
[0060]コントローラ30は、信号生成器410の各信号源が信号をどのように生成するかを制御することによって、信号生成器410に特定の信号を生成させ得る。したがって、信号生成器410によって生成される信号は、信号が提供される特定の電気回路及び/又は電極のために生成され得る。
【0047】
[0061]
図7は、参照番号710にある信号生成器410のさらなる実施形態を示す。信号生成器710は、AWG720及びDAC730、並びに利得段740を備える。
図7には示されていないが、利得段は、AWG720の後に配置されることが可能であり、又はAWG720とDAC730の両方が、信号生成器710内に独自の利得段を有することができる。
図7には、回路750及び回路760も示されており、これらは、同じ回路であっても、別個の回路であってもよい。例えば、回路750及び回路760は、電気接合であり得るか、代替として、それぞれが、2つの入力を1つの出力に結合するための(例えば、
図7では回路760で示す)スイッチ又は他の回路であり得る。
図7に示すように、回路760への入力は、利得段420の出力又は電極440への入力など、ノイズ軽減回路の後の段の出力とすることができ、これらは、
図7と同じ信号であるが、例えば、
図4又は
図5では異なる信号であり得る。
【0048】
[0062]様々な実施形態において、フィルタ段430は、複数の(例えば、2つ以上の)フィルタ(例えば、
図7には図示せず)を含み得、フィルタは、同じタイプのフィルタ又は異なるタイプのフィルタ(例えば、ローパスフィルタ、ハイパス、バンドパス、及び/又はバンドストップフィルタ)であり得る。さらに、各フィルタは、特定のフィルタ応答を備えた単一終端タイプ(例えば、バターワース、ベッセル、チェビシェフ、エリプティック、レグレンデなど)のフィルタであり得る。様々な実施形態において、(例えば、様々な応答を有する)様々なフィルタが使用され得る。フィルタは、アクティブフィルタ又はパッシブフィルタであり得る。
【0049】
[0063]
図8に示すような例示的な実施形態において、例示的なフィルタ段800は、アクティブフィルタ810及びパッシブフィルタ820から構成され得る。
図8には、単一のアクティブフィルタ810及び単一のパッシブフィルタ820が示されているが、例示的な実施形態では、フィルタ段に1つ又は複数のアクティブフィルタ及び1つ又は複数のパッシブフィルタがある。さらに、図示していないが、アクティブフィルタ及びパッシブフィルタは、様々な順序で配置され得る(例えば、アクティブフィルタの前にパッシブフィルタ)。
【0050】
[0064]フィルタ段800によって出力される信号のフィルタリングは、例えば、アクティブフィルタ810の出力及びパッシブフィルタ820の出力によって決定され得る。フィルタ段800のフィルタリングは、フィルタ段800から出力される信号が電極440の要件及び耐性を満たすようにすることであり、このフィルタリングは、例えば、ターゲットフィルタ機能であり得る。ターゲットフィルタ機能は、その構成極から構成され得、極の一部は、各フィルタ(例えば、アクティブフィルタ810、パッシブフィルタ820)に割り当てられる。例示的な実施形態において、実極、及び最も減衰不足である組の極がパッシブフィルタ820に割り当てられ、残りの極がアクティブフィルタ810に割り当てられる。この実施形態において、極のこの割当ては、減衰不足の応答が演算増幅器をクリッピングするのを防ぐことができ、非線形の挙動を低減する。極の割当てから、アクティブフィルタ810及びパッシブフィルタ820が決定され得る。代替の実施形態において、パッシブフィルタに割り当てられた極は、低周波数極であり得る。さらに、例示的な実施形態において、信号生成器410からの予歪された信号は、フィルタによって除去される信号の一部を含む予歪された信号を含み得る、フィルタ段800からの測定値に基づいて生成され得る。予歪された信号は、信号生成器410の信号源の能力に起因して一部を除去させるように生成され得る。
【0051】
[0065]例示的な実施形態において、アクティブフィルタ810は、ノイズ成形を提供し得、パッシブフィルタ820は、アクティブフィルタ810の演算増幅器から生じ得る残留ノイズを除去し得る。アクティブフィルタを含むコンポーネントの設計は、例えば、ノイズを最小限に抑えるレジスタを含み得る。さらに、アクティブフィルタ810の入力及び/又は出力でバッファ(図示せず)が使用され得る。入力でのバッファは、例えば、アクティブフィルタ810の低インピーダンスに対処し得る。出力でのバッファは、例えば、パッシブセクションを駆動するために使用され得る。
【0052】
[0066]例示的な実施形態において、パッシブフィルタ820は、無限大の出力インピーダンスが電極を駆動するように設計され得、入力インピーダンスは、インダクタ値が所望の値に一致するように選択され得る。
【0053】
[0067]したがって、コントローラ30は、特定の信号を提供するように信号生成器410を制御し得る。コントローラ30は、フィルタの動作応答を制御するようにフィルタ段430も制御し得る。フィルタ段430は、信号生成器410によって生成された信号を受信し、コントローラ30によって選択された動作応答に従って信号をフィルタリングし得る。次いで、フィルタリングされた信号は電極440に提供され、その結果、結果として生じる電位場を使用して機能を実行することができる。さらに、電極440に提供されるフィルタリングされた信号は、電極440への信号の印加から生じる電位場を介して実行される機能に必要な耐性(例えば、ノイズ耐性)内の適切なプロファイルを有する。
【0054】
[0068]
図5に示すような例示的な実施形態では、電極に提供される前の信号とともに、サンプル段510を使用することができる。サンプル段に入力される信号は、所望以上のノイズを有する可能性があり、電極上のノイズによって、電極の近傍で実行されるゲートの忠実度が低下する可能性がある。例えば、利得段420及び/又はフィルタ段430を省略した実施形態において、信号生成器の出力は、精密演算増幅器の出力よりも多くのノイズを有し得る。例えば、DACの出力は、数十から数百ナノボルト程度のノイズを有する可能性があるのに対して、精密演算増幅器は、数ナノボルト程度のノイズを有する可能性がある。いくつかの実施形態において、サンプル段510の使用により、電極440に対する機器ノイズスペクトル密度(NSD)の有害な影響が低減される可能性があり、また、より大きいフィルタ又は追加のフィルタが不要になる可能性がある。いくつかの実施形態において、サンプル段510の出力は、例えば、バッファとして機能することによってサンプリングを支援することができるアナログ-デジタル変換器に対するものであり得る。いくつかの実施形態において、サンプル段は、ノイズ又は回路複雑性を低減するためのバッファであり得る。いくつかの実施形態において、低減されるノイズは、信号生成器によって生成されるノイズであり得る。
【0055】
[0069]
図9は、例示的なサンプル段510の概略図を示す。例示的な実施形態において、サンプル段510は、スイッチ910、コンデンサ920(接地され得る)、及び演算増幅器930を備える。スイッチ910は、例えば、モード又は動作又は機能(例えば、輸送又はゲーティング)に基づいて、開放又は閉鎖され得る。スイッチ910は、例えば、JFET(図示せず)であり得る。JFETがオンに切り替えられると、コンデンサ920が充電され得る。コンデンサが充電されると、JFETは回路を閉鎖し、演算増幅器930は、サンプル段510の出力においてコンデンサの電圧を保持するコンデンサ920のためのバッファとして機能する。コンデンサは、例えば、コントローラ30からの入力に基づいて信号を生成し得るDACなどの電圧源によって充電され得る。
【0056】
[0070]フィードバック回路
電極に印加される信号の帯域幅が、ノイズ軽減回路によって制限される場合がある。例示的な実施形態では、帯域幅の制限を克服するために、信号生成器410によって生成された信号は、例えば、予歪を用いて成形され得る。これは、例えば、フィルタの遅延及び/又は減衰を克服する可能性がある。さらに、信号は、量子回路の処理を減少させる不要な熱を生成するおそれがあり、予歪された信号を使用することにより、この熱を減少させることができる。例示的な実施形態において、フィードバック回路は、生成される熱を減少させることができる信号など、予歪された信号の決定を可能にする。
【0057】
[0071]
図10は、フィードバック回路1000を含む例示的なノイズ軽減回路の概略図を示す。
図10に示す実施形態において、フィードバック回路1000を含む例示的なノイズ軽減回路は、追加のスイッチ(例えば、スイッチ1010及びスイッチ1020)並びに変換器1030から構成され得る。例示的な実施形態において、変換器1030は、アナログ-デジタル変換器である。スイッチ1010及びスイッチ1020は、例えば、1対Nスイッチ(例えば、1つの入力から2つの出力)又はN対1スイッチ(例えば、2つの入力から1つの出力)であり得る。さらに、スイッチ1010又はスイッチ1020は、N対1スイッチ及び1対Nスイッチなどの1つ又は複数のスイッチの組合せとすることができ、これにより、複数の入力のうちの1つを選択し、N個の出力のうちの1つで出力することができる。スイッチの使用により、ノイズ軽減回路の1つ又は複数の部分を分離することが可能になり、1つ又は複数の部分は、ノイズ軽減回路の較正、特性評価、又は診断に使用され得る。これは、
図10に示すように、スイッチの出力が変換器1030に入力されることによって行われ得る。変換器1030に入力された信号は、例えば、信号生成器410によって出力された信号の較正又はノイズ軽減回路の診断を可能にするノイズ軽減回路に関する特性を決定するために、アナログ信号からデジタル信号に変換され得る。
【0058】
[0072]
図10は2つのスイッチ(スイッチ1010及びスイッチ1020)を示しているが、追加の回路を分離するために追加のスイッチが存在してもよい。例えば、
図10を参照すると、利得段420とフィルタ段430との間にスイッチを配置して、フィルタ段430の分離を可能にすることができる。さらなる例として、サンプル段(
図10には図示せず)が存在する場合、サンプル段の前、後、又は前後のスイッチを使用して、サンプル段を分離することができる。サンプル段は、例えば、
図10のフィルタ段430の後であるがスイッチ1020の前に配置され得る。
【0059】
[0073]例示的な実施形態において、信号生成器410は、2つ以上の信号源を含み得る。コントローラ30は、信号生成器410の信号源のそれぞれから別個の信号を生成することができ、別個に又は異なる組合せで生成された各信号に関する特性(例えば、第1の75%を第1の信号源から、第2の25%を第2の信号源からとするデューティサイクル)を決定するために、スイッチ1010及びスイッチ1020を使用して、ノイズ軽減回路の一部分を分離し、信号を、ノイズ軽減回路の特定の段及び/又はコンポーネントを通るように又はその周辺へ方向付けることができる。
【0060】
[0074]
図11に示す例示的な較正ルーチンでは、回路の帯域幅の制限を克服し、ノイズを最小限に抑え、熱を最小限に抑えるために、信号生成器410によって出力される信号は、フィードバック回路1000を含むノイズ軽減回路の応答を測定して、信号生成器410によって生成すべき予歪された波形を決定することによって較正され得る。
【0061】
[0075]
図11は、例えば、信号生成器410によって生成され得る予歪された波形を決定するためにコントローラ30によって実行され得る例示的なプロセス、手順、動作などを示す流れ図を提供する。明確にするために、動的に成形されたノイズを伴う信号を単一の電極440に印加することに焦点を当てる。しかしながら、理解されるように、システムは、予歪された波形及び/又は異なる予歪された波形を有する信号が複数の電極440及び/又は他の電気コンポーネントに提供され得るように、複数の信号生成器410、複数の利得段、フィルタ段、及び/又はサンプル段を含み得る。
【0062】
[0076]ステップ/動作1110から開始し、
図10のフィードバック回路1000を含む例示的なノイズ軽減回路を使用して、動作スイッチ1010によって、信号生成器410の出力が変換器1030に入力されるように信号生成器410を分離することができる。
【0063】
[0077]ステップ/動作1120において、信号生成器410は、周波数の範囲にわたって第1の周波数掃引を生成することができる。周波数の範囲は、例えば、信号生成器410の特性によって、又は代替として、フィルタ段などのノイズ軽減回路の別の部分の特性によって決定され得る。例えば、フィルタ段の特性が、10kHz未満の周波数を有する信号のみを通過させるようなものである場合、第1の周波数掃引の上限は10kHzになり得る。代替として、信号生成器410が生成し得る周波数以外に、周波数掃引の周波数に制限がない場合もある。
【0064】
[0078]ステップ/動作1130において、変換器1030は、信号生成器410によって生成された第1の周波数掃引に対する第1の応答を測定する。変換器1030によるこの第1の測定値は、コントローラ30に提供され得る。
【0065】
[0079]ステップ/動作1140において、スイッチ1010及び1020は、ノイズ軽減電気回路を分離するように動作され得る。例えば、スイッチ1010は、信号生成器410の出力を入力として受信し、その信号を利得段420に出力するように動作され得、スイッチ1020は、フィルタ段430の出力を入力として受信し、その信号を変換器1030に出力するように動作され得る。この例におけるこのステップでは、信号生成器410の出力は利得段420にのみ送信され、フィルタ段430の出力は変換器1030にのみ送信される。代替の例では、2つ以上の利得段、又は2つ以上のフィルタ段、又はサンプル段がある場合、スイッチは、各段の出力が変換器1030に提供されるように各段を分離することができる。
【0066】
[0080]この例を続けると、ステップ/動作1150において、信号生成器410は、第1の周波数掃引と同じ信号であり得る第2の周波数掃引を生成する。第2の周波数掃引は、上述した電気回路の特性に基づいて制限される場合と制限されない場合がある。
【0067】
[0081]ステップ/動作1160において、変換器1030は、信号生成器410によって生成されて、
図10に示すようにスイッチ1010、利得段420、フィルタ段430、及びスイッチ1020を介して送信される第2の周波数掃引に対する第2の応答を測定する。変換器1030によるこの第2の測定値は、測定値を使用し得るコントローラ30に提供され得る。いくつかの実施形態において、コントローラは、第2の測定値を分析することができ(例えば、周波数領域分析)、第2の測定値は、予歪された波形を決定することなど、さらなる動作において使用され得る。さらに、変換器1030に提供される信号は小さくてもよく、変換器1030の前に追加の利得段(図示せず)が配置されてもよい。
【0068】
[0082]ステップ/動作1170において、第1の測定値及び第2の測定値を使用して、この例における電気回路で使用され得る予歪された波形を決定することができる。例えば、第2の測定値を第1の測定値で除算して、
図10に示す例では信号が電極440に入力される前に通過する電気回路である利得段420及びフィルタ段430の周波数応答を決定することができる。決定された周波数応答は、電気回路内で使用される物理コンポーネントの違いに起因して、電気回路の分析モデル又は理論モデルよりも改善されたものである。したがって、ノイズ軽減回路を通過する信号生成器410から生成された信号から生成され得る、かつ/又は信号生成器410から生成された信号のフィルタリング、増幅、及び/もしくは他の調整によって生成され得るノイズ並びに熱を軽減する予歪された波形を生成するために、決定された周波数応答を使用して、
図10のノイズ軽減回路で使用できる予歪された波形を決定することができる。
【0069】
[0083]
図12は、例えば、フィルタリングされた予歪された信号を電極に提供するために実行され得る様々なプロセス、手順、及び/又は動作の流れ図である。例示的な実施形態において、適用すべき予歪された波形を決定した後、ステップ1210において、信号生成器410は、予歪された波形を有する予歪された信号を生成する。ステップ1220として、予歪された信号は、利得段420に提供され、利得段420は、予歪された信号に利得を適用する。ステップ1230において、利得を有する予歪された信号が、信号をフィルタリングするためのフィルタ段430に提供される。ステップ1240において、フィルタリングされた予歪された信号は、1つ又は複数の電極440に提供される。
図12では、信号生成器410によって生成された予歪された信号を扱っているが、例示的な実施形態では、信号が予歪されない1つ又は複数の電極に信号を提供するために、同じステップが使用され得る。
【0070】
[0084]
図11で使用するための上記の周波数掃引の代替手段は、周波数掃引の代わりにDC電圧を使用することである。DC電圧を使用すると、ADCによって得られた測定値を使用して、ノイズ軽減回路のノイズスペクトル密度を測定することが可能になり得る。別の代替手段として、周波数掃引の代わりにパルスを使用することができる。別の代替手段として、信号は、周波数掃引、パルス、及び/又はDC電圧であり得る。
【0071】
[0085]様々な代替の実施形態において、信号(例えば、周波数掃引)が印加されるノイズ軽減回路の一部分の順序は、変化し得る。
[0086]さらに、フィードバック回路を使用して、ノイズ軽減回路の正常性を確認することもできる。段の正常性は、段又は段の一部分を分離し、分離された段全体の応答を測定することによって判断され得る。例えば、コンポーネントが故障した場合、ノイズ軽減回路から段を分離することにより、その段の応答を測定し、測定された応答を期待される応答(例えば、理論上の応答)又は以前に測定された応答と比較することが可能になり得る。ノイズ軽減回路の正常性をこのように確認することにより、診断が可能になり得る。いくつかの例示的な実施形態において、このような診断は、自動化され、定期的に実行され得る。
【0072】
[0087]さらなる実施形態では、フィードバック回路を使用して、時間領域反射率計測(TDR:time-domain reflectometry)を実行する。TDRは、回路の、他の方法ではアクセス不可能であり得る部分に関連した、インピーダンスを示し得る応答の測定を可能にし得る。さらに、TDRにより、ノイズ軽減回路の下流の回路(例えば、電極440)からの応答の測定が可能になり得、これにより、ノイズ軽減回路又は下流回路の正常性に関するフィードバックを提供することができる。ノイズ軽減回路400の一部又はすべてを分離してTDRを実行するために、スイッチ(例えば、
図10のスイッチ1010及びスイッチ1020)を使用することができる。ノイズ軽減回路の分離は、他の理由の中でもとりわけ、増幅器(例えば、利得段420)を分離するために有益であり得る。例えば、信号生成器410は、パルスを生成し得る。パルスは、利得段420及び/又はフィルタ段430などのノイズ軽減回路400の様々な段(又は段の一部)を介して送信され得るか、又はノイズ軽減回路400をバイパスし得る。パルスがコネクタ接合部を含むコンポーネント(例えば、段又は下流回路内のコンポーネント)を通過するとき、信号の反射が生成され得る。反射は、生成される際にテレメトリデータを提供することができ、これは、例えば、断線(open)もしくは故障したコンポーネント又は回路によるものであり得る。測定された反射の振幅及び分散の特性は、段、下流回路、段又は下流回路内のコンポーネント、及び接続の品質に関する洞察を提供する。これらの洞察の例には、インピーダンス測定、及び反射が生成された場所(例えば、故障したコンポーネントもしくは回路、断線した回路、又は断線した回路を作り出しているコンポーネントにおいて)が含まれる。
【0073】
[0088]さらなる実施形態では、フィードバック回路を使用して、ノイズスペクトル密度(NSD)を測定する。例えば、スイッチ1010を介して信号生成器410を変換器1030に接続し、信号生成器410の出力をDC電圧信号に設定して、信号生成器410のNSDを測定することができる。さらなる実施形態では、(信号生成器410又は利得段420又はフィルタ段430を接続せずに)電極440を変換器1030に接続することにより、電極440のNSDの測定が可能になる。イオントラップ70には2つ以上の電極440がある場合があり、これらの追加の電極に信号を提供する回路は、ノイズ軽減回路及び/又は電極440に物理的に近接していてもよい。電極440のNSD測定は、例えば、電極440に対して発せられる不要な信号があるかどうか、又は他の電極に信号を提供する回路間のクロストークについて測定することができる。
【0074】
[0089]代替の実施形態において、フィードバック回路は、周波数掃引を使用して応答を生成することを可能にし得る。例えば、スイッチ1010及びスイッチ1020を介して信号生成器410を電極440及び変換器1030に接続し、信号生成器410の出力を周波数掃引に設定して、電極(又は他の下流回路)の応答を測定することができる。応答は、例えば、特定の周波数で期待される応答の変化を測定することができる。このような変化は、例えば、コンポーネント又は回路の熱変動である可能性がある。
【0075】
[0090]システムの正常性を確認することで得られる洞察により、ダウンタイムを最小限に抑えることができ、システムのトラブルシューティングが向上する。代替として、又は追加として、正常性の確認は、例えば、システムがメンテナンスのために停止されている間に、又は別の例としてシステムの一部が分離されている間にシステムの正常性に対処するための洞察が学習され得るように、ランタイム時に実行され得る。正常性の確認により、確認から受信された応答に対処するためのリアルタイムの波形予歪が可能になる場合がある。さらに、応答から、システム内で測定された耐性(例えば、製造公差)を考慮し、使用中に発生する変動(例えば、熱変動)を補償するように、予歪された波形が決定及び生成され得る。
【0076】
[0091]代替の実施形態において、ノイズ軽減回路、電極、又は他の下流回路内のノイズは、近接している(例えば、同じ部屋又はシステムの代替部分にある)試験機器又は他の電気システム又は機械システムに起因して、変動する可能性がある。正常性確認は、他のシステムの使用が、例えば、コンポーネント、段(例えば、利得段420)、又は電極440などのシステムにおいてノイズを引き起こすことを明らかにし得る。例えば、TDR、NSD、又は周波数掃引を用いた正常性確認からのフィードバックを使用して、システム内で生じるノイズを補償するように信号を予歪することができる。追加として、又は代替として、コントローラ30が、信号生成器410に例えばシステムをオフにするための信号を生成させる、又はノイズ軽減回路もしくはフィードバック回路にシステムのノイズが発生している部分を分離させるときに調整することによって、ノイズが対処され得る。例えば、電極において動作が高い忠実度を必要とする場合、信号が生成される前に、システムを確認して、ノイズが許容範囲内にある(又は存在しない)と判断することができる。
【0077】
[0092]技術的な利点
様々な実施形態は、異なる耐性又は要件を有する異なる機能をシステムに実行させる信号を生成して、その信号をシステムに提供するという、技術的問題に対する技術的解決策を提供する。例えば、上記のトラップ型イオン量子コンピュータの例示的なシステムでは、輸送機能を実行するとき、機能の性能は、約1MHzの周波数などでのノイズに影響を受けやすい可能性があり、かつ/又は維持機能を実行する(例えば、原子オブジェクトに対して量子論理ゲートが実行され得るように、原子オブジェクトをイオントラップ内の特定の場所に維持する)とき、機能の性能は、約250kHzの周波数のノイズに影響を受けやすい可能性がある。信号のノイズ成形の従来の方法は、最も厳しいノイズ耐性を有する機能のノイズ耐性に基づいてすべての信号をフィルタリングすることを含む。しかしながら、維持機能の性能を最適化するように構成されたノイズ要件を使用して輸送機能を実行すると、輸送機能の性能の低下につながる可能性がある。例えば、維持機能の性能を最適化するように構成されたノイズ要件を使用して輸送機能を実行すると、輸送機能を実行できる速度及び/又は帯域幅が低下する。本明細書に提供する例示的な実施形態は、複数の機能に必要なノイズ要件及びノイズ耐性を満たす電極に信号を提供するためのノイズ軽減回路を提供することによる、これらの技術的問題に対する技術的解決策を説明している。したがって、例示的な実施形態は、システム性能の向上につながる技術的解決策を提供する。
【0078】
[0093]例えば、電極440の低ノイズ要件を満たすために、信号生成器410は、2つ以上の電圧源から構成され得、信号生成器410は、各電圧源の出力を結合することによって信号を生成し得る。2つ以上の電圧源からの信号のこの結合は、1つの電圧源を使用するシステムによって生成されるノイズを低減し得る。
【0079】
[0094]別の例では、電極440の低ノイズ要件を満たすために、フィルタ段430は、少なくとも1つのアクティブフィルタ及び少なくとも1つのパッシブフィルタから構成され得る。このフィルタ段430は、パッシブフィルタのみの場合よりも改善をもたらすことができ、パッシブフィルタのみの場合、量子コンピュータ110内の同等のパッシブフィルタに対して物理的に大きすぎる可能性のある、又は寄生損失が多すぎる、かつ/もしくは耐性が大きすぎる可能性のあるインダクタを必要とすることがある。また、このフィルタ段430は、アクティブフィルタのみの場合よりも改善をもたらすことができ、アクティブフィルタのみの場合、必要な耐性に対してあまりにも多くの残留ノイズを生成する演算増幅器を必要とすることがある。
【0080】
[0095]別の例では、ノイズ軽減回路においてフィードバック回路を使用することにより、信号の予歪された波形の決定が可能になり得る。予歪された波形は、ノイズ軽減回路の一部分から得られた測定値から決定され得、これにより、ノイズ軽減回路のこれらの一部分に信号を提供することから発生するノイズ及び/又は熱を最小限に抑えるための、予歪された波形を決定することが可能になる。
【0081】
[0096]結論
前述の説明及び関連する図面に提示される教示の利益を有する、本発明に関係がある当業者には、本明細書に記載されている本発明の多くの修正形態及び他の実施形態が着想されよう。したがって、本発明は、開示される特定の実施形態に限定されるものではなく、修正形態及び他の実施形態が添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。本明細書では特定の用語が使用されているが、これらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用されており、限定の目的では使用されていない。
【符号の説明】
【0082】
10 計算エンティティ
30 コントローラ
40 真空チャンバ
50 電圧源
60 操作源
66 光路
70 イオントラップ
100 量子コンピュータシステム
110 量子コンピュータ
205 処理要素
210 メモリ
215 ドライバコントローラ要素
220 通信インターフェース
225 アナログ-デジタル変換器要素
312 アンテナ
304 送信機
306 受信機
308 処理要素
316 ディスプレイ
318 キーパッド
322 揮発性のストレージ又はメモリ
324 不揮発性のストレージ又はメモリ
400 ノイズ軽減回路
410 信号生成器
420 利得段
430 フィルタ段
440 電極
500 ノイズ軽減回路
510 サンプル段
600 信号生成器
630 スイッチ
710 信号生成器
720 AWG
730 DAC
800 フィルタ段
810 アクティブフィルタ
820 パッシブフィルタ
910 スイッチ
920 コンデンサ
930 演算増幅器
1000 フィードバック回路
1010 スイッチ
1020 スイッチ
1030 変換器
【外国語明細書】