(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022119246
(43)【公開日】2022-08-17
(54)【発明の名称】ボックスパレットにおける上蓋パネルの取付構造
(51)【国際特許分類】
B65D 19/10 20060101AFI20220809BHJP
B65D 6/08 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
B65D19/10
B65D6/08 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021016219
(22)【出願日】2021-02-04
(71)【出願人】
【識別番号】592102892
【氏名又は名称】株式会社テイモー
(74)【代理人】
【識別番号】100106091
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直都
(74)【代理人】
【識別番号】100079038
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 彰
(74)【代理人】
【識別番号】100199369
【弁理士】
【氏名又は名称】玉井 尚之
(72)【発明者】
【氏名】細見 昌司
【テーマコード(参考)】
3E061
3E063
【Fターム(参考)】
3E061AA13
3E061AB04
3E061CA11
3E061CA22
3E061CA25
3E061DA05
3E061DB17
3E063AA08
3E063BA01
3E063BB01
3E063CA03
3E063CA25
3E063CB05
3E063CC03
3E063CD08
3E063DA05
3E063EE03
3E063FF03
3E063FF20
3E063GG10
(57)【要約】
【課題】ボックスパレットにおける着脱が容易な上蓋パネルの取付構造を提供する。
【解決手段】取付構造9は、所定間隔をおいて配置された第1垂直板部41および第2垂直板部42ならびに第1垂直板部および第2垂直板部の上縁部同士を連結する連結部43を有しており、第1垂直板部41がボックスパレット1の内側に位置するように所定の側壁パネル3の上縁部に上方から嵌め被せられている横断面逆U形のベース金具4と、第1垂直板部41に水平貫通状に形成されたネジ孔410にボックスパレット1の内側からねじ込まれてその先端で所定の側壁パネル3の上縁部と第2垂直板部42とを圧接させることで、ベース金具4を所定の側壁パネル3の上縁部に着脱自在に固定しているボルト5と、上蓋パネル2を、上方開口を塞ぐ水平な閉位置と所定の側壁パネル3の外面に沿う垂直下向きの開位置との間で回動可能となるように、ベース金具4にヒンジ結合しているヒンジ6とを備えている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面から見て方形となるように連結された4枚の側壁パネルと、前記4枚の側壁パネルの上縁によって形成された上方開口を塞ぐ上蓋パネルとを備えているボックスパレットにおいて、前記上蓋パネルを所定の側壁パネルの上縁部に開閉自在に取り付けるための取付構造であって、
所定間隔をおいて配置された第1垂直板部および第2垂直板部ならびに前記第1垂直板部および前記第2垂直板部の上縁部同士を連結する連結部を有しており、前記第1垂直板部に水平貫通状のネジ孔が形成されており、前記第1垂直板部が前記ボックスパレットの内側に位置するように、前記所定の側壁パネルの上縁部に上方から嵌め被せられている横断面逆U形のベース金具と、
前記ネジ孔に前記ボックスパレットの内側からねじ込まれてその先端で前記所定の側壁パネルの上縁部と前記第2垂直板部とを圧接させることにより、前記ベース金具を前記所定の側壁パネルの上縁部に着脱自在に固定しているボルトと、
前記上蓋パネルを、前記上方開口を塞ぐ水平な閉位置と前記所定の側壁パネルの外面に沿う垂直下向きの開位置との間で回動可能となるように、前記ベース金具にヒンジ結合しているヒンジとを備えている、ボックスパレットにおける上蓋パネルの取付構造。
【請求項2】
前記上蓋パネルが多数の網目を有するメッシュパネルからなり、
前記閉位置にある前記上蓋パネルの網目を通じて前記ボルトの頭部が回動操作されるのを防止しうるように、前記上蓋パネルにおける前記ボルトの頭部の上方付近にボルト操作防止カバーが取り付けられている、請求項1記載のボックスパレットにおける上蓋パネルの取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ボックスパレットにおける上蓋パネルの取付構造に関する。
【0002】
この明細書および特許請求の範囲において、
図1の上側を「上」、下側を「下」とし、同図の左上側を「右」、右下側を「左」といい、同図の左下側を「前」、右上側を「後」といい、
図3の上側を「上」、下側を「下」とし、同図の左側を「後」、右側を「前」といい、
図4の上側を「後」、下側を「前」とし、同図の左右をそれぞれ「左右」というものとする。
【背景技術】
【0003】
従来、上方開口箱型のメッシュ構造のパレット本体(下記特許文献1参照)と、パレット本体を施蓋するための上蓋パネルとを備えたボックスパレットがあった。
従来のボックスパレットにおいて、上蓋パネルの所定の縁部が所定の側壁パネルの上縁部に螺旋状の線材を介して枢着されることで、上蓋パネルは側壁パネルに対して回動自在に保持されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の従来のボックスパレットにおける上蓋パネルの取付構造において、上蓋パネルが側壁パネルの上端部に螺旋状の線材によって枢着されているため、上蓋パネルの着脱は容易ではなく、一度取り付けた上蓋パネルが破損した場合の交換も容易ではなく、さらに、パレット本体が折り畳み可能であっても、上蓋パネルが取り外せないために、ボックスパレットを折り畳むことができないという問題があった。また、上蓋パネルを開いて作業する場合、上蓋パネルがパレット本体から側方に飛び出すため、作業スペースが嵩むといった取り回し性の問題もあった。
【0006】
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、ボックスパレットにおいて、上蓋パネルを容易に着脱することができ、かつ、上蓋パネルを開けた際の上蓋パネルがパレット本体から側方へ飛び出すのを防止することができる上蓋パネルの取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上記の目的を達成するために、以下の態様からなる。
【0008】
1)平面から見て方形となるように連結された4枚の側壁パネルと、前記4枚の側壁パネルの上縁によって形成された上方開口を塞ぐ上蓋パネルとを備えているボックスパレットにおいて、前記上蓋パネルを所定の側壁パネルの上縁部に開閉自在に取り付けるための取付構造であって、
所定間隔をおいて配置された第1垂直板部および第2垂直板部ならびに前記第1垂直板部および前記第2垂直板部の上縁部どうしを連結する連結部を有しており、前記第1垂直板部に水平貫通状のネジ孔が形成されており、前記第1垂直板部が前記ボックスパレットの内側に位置するように、前記所定の側壁パネルの上縁部に上方から嵌め被せられている横断面逆U形のベース金具と、
前記ネジ孔に前記ボックスパレットの内側からねじ込まれてその先端で前記所定の側壁パネルの上縁部と前記第2垂直板部とを圧接させることにより、前記ベース金具を前記所定の側壁パネルの上縁部に着脱自在に固定しているボルトと、
前記上蓋パネルを、前記上方開口を塞ぐ水平な閉位置と前記所定の側壁パネルの外面に沿う垂直下向きの開位置との間で回動可能となるように、前記ベース金具にヒンジ結合しているヒンジとを備えている、ボックスパレットにおける上蓋パネルの取付構造。
【0009】
2)前記上蓋パネルが多数の網目を有するメッシュパネルからなり、
前記閉位置にある前記上蓋パネルの網目を通じて前記ボルトの頭部が回動操作されるのを防止しうるように、前記上蓋パネルにおける前記ボルトの頭部の上方付近にボルト操作防止カバーが取り付けられている、上記1)に記載のボックスパレットにおける上蓋パネルの取付構造。
【発明の効果】
【0010】
上記1)のボックスパレットにおける上蓋パネルの取付構造によれば、上蓋パネルの側壁パネルへの着脱を容易に行うことができるため、上蓋パネルが破損した場合の交換も容易となり、また、折り畳み可能なパレット本体から上蓋パネルを取り外してパレット本体を折り畳むことも可能となる。さらに、上蓋パネルが、ボックスパレットの上方開口を塞ぐ水平な閉位置と前記所定の側壁パネルの外面に沿う垂直下向きの開位置との間で回動可能となされているため、上蓋パネルを開けて作業を行う際も、上蓋パネルがパレット本体から側方に飛び出すことがなくなり、作業スペースが削減され、取り回し性も向上する。
【0011】
上記2)のボックスパレットにおける上蓋パネルの取付構造によれば、上蓋パネルがメッシュパネルである場合でも、上蓋パネルが閉位置にある時はボルトが操作されて上蓋パネルが取り外されることが防止されるため、上蓋パネルの着脱の容易さを保ったまま、防犯機能の向上が達成される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】この発明の実施形態に係るボックスパレットの全体斜視図である。
【
図2】
図1のボックスパレットにおける前側の上蓋パネルが開位置にある時の全体斜視図である。
【
図3】上蓋パネルの取付構造の要部を示す断面図である。
【
図4】上蓋パネルの取付構造の要部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明の実施形態に係るボックスパレットにおける上蓋パネルの取付構造について、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
図1および
図2に示すように、本発明の一実施の形態に係るボックスパレット(1)は、例えばフォークリフトやクレーン等の運搬手段で搬送可能な折り畳み自在に構成されたものであり、方形状の底パネル、および、底パネルの4辺にそれぞれ立設され、互いに連結された4枚の側壁パネル(3)によって形成される上方開口型のパレット本体(10)と、パレット本体(10)に上方から嵌め被せられて、パレット本体(10)の上方開口を塞ぐ上蓋パネル(2)から構成されている。
【0015】
詳細には、側壁パネル(3)は、その上縁および下縁を構成する長尺の枠材(31)、および上下の枠材(31)間に貼設されたメッシュパネルからなり、側壁パネル(3)の連結部には断面方形の角パイプ(32)が着脱可能に取り付けられている。
4枚の側壁パネル(3)はそれぞれ底パネルに対してボックスパレット(1)における内側方向に傾斜可能に取り付けられているとともに、4本の角パイプ(32)もそれぞれ所定の高さ位置で底パネルの4辺に沿う方向へ折り曲げ可能となされている。
組み立てられたパレット本体(10)の所定の向かい合う2枚の側壁パネル(3)を角パイプ(32)から取り外してボックスパレット(1)における内側方向に倒し、その上に起立している2枚の側壁パネル(3)の一方をその両端に取り付けられた角パイプ(32)とともにボックスパレット(1)における内側方向に倒し重ね、さらに、残る1枚の側壁パネル(3)をその両端に取り付けられた角パイプ(32)とともにボックスパレット(1)における内側方向に倒し重ねることで、パレット本体(10)は折り畳み可能となされている。
【0016】
また、角パイプ(32)は下端に土台が取り付けられていることが好ましい。土台が取付けられていることで、ボックスパレット(1)を床面上により安定して配置することが可能となる。さらに、角パイプ(32)はボックスパレット(1)の上面から上方にやや突出させられ、かつ、土台の下面に角パイプ(32)の上方突出部分が嵌め入れられる孔が設けられていることがより好ましく、この構成により複数のボックスパレット(1)をより安定して段積みすることが可能となる。
【0017】
底パネル、側壁パネル(3)、枠材(31)、角パイプ(32)および土台の素材については、パレット本体(10)としての使用に耐えうる強度および剛性を備えていれば特に限定されない。特に、側壁パネル(3)に貼設される面材はメッシュパネルに限定されず、面一の透明な樹脂パネル等でもよく、さらに、貼設される面材の強度や構成によっては、枠材(31)および角パイプ(32)が不要となる場合もある。
【0018】
上蓋パネル(2)は、前側の側壁パネル(3)の上縁部および後側の側壁パネル(3)の上縁部の所定の位置(この実施形態で4箇所)に取付構造(9)を介して回動可能に取り付けられている前側上蓋パネル(2a)および後側上蓋パネル(2b)から構成されている。前側上蓋パネル(2a)の後側の左右端部および後側上蓋パネル(2b)の前側の左右端部には、前後上蓋パネル(2a,2b)の閉位置において左右の側壁パネル(3)の上縁部に架け被せられて、前後上蓋パネル(2a,2b)がパレット本体(10)の上方開口を塞ぐ水平な閉位置から下方に落ち込むのを防止するための、落込防止用フック(21)が取り付けられていることが望ましい。
【0019】
上蓋パネル(2)は、前側上蓋パネル(2a)が先に閉じられ、その後、後側上蓋パネル(2b)が閉じられるようになされており、前側上蓋パネル(2a)の後端部の左右対称な位置に、前後上蓋パネル(2a,2b)の閉位置において後側上蓋パネル(2b)のメッシュ部分を受ける隙間防止用フック(22)が取り付けられていることが望ましい。
【0020】
また、後側上蓋パネル(2b)の前端部には後側上蓋パネル(2b)の上面から突出させられた後側施錠用フック(24)が、前側上蓋パネル(2a)の後端部には前側上蓋パネル(2a)の上面から突出させられた前側施錠用フック(23)が設けられ、前後上蓋パネル(2a,2b)の閉位置において前後施錠用フック(23,24)が上蓋パネル(2)上で向かい合うようになされていることが望ましい。前後上蓋パネル(2a,2b)の閉位置において向かい合う前後施錠用フック(23,24)を南京錠等で施錠することで、使用者の意に反して前後上蓋パネル(2a,2b)が開かれるのを防止することができる。
【0021】
次に、上蓋パネル(2)の取付構造(9)について、
図3および
図4を参照して説明する。
なお、この実施形態において取付構造(9)は、前側の側壁パネル(3)の上縁部に前側上蓋パネル(2a)を取り付けるために所定の箇所に2箇所、後側の側壁パネル(3)の上縁部に後側上蓋パネル(2b)を取り付けるために所定の箇所に2箇所、合計4箇所に設けられている。以下においては、前側の側壁パネル(3)の上縁部における左側に設けられた取付構造(9)を例に説明するが、他の3つの取付構造(9)についても同様または前後対称の構造を有するものとする。
【0022】
取付構造(9)はベース金具(4)、ボルト(5)、ヒンジ(6)およびボルト操作防止カバー(7)から構成されている。
詳細には、ベース金具(4)は横断面逆U形を有し、所定間隔をおいて配置された第1垂直板部(41)および第2垂直板部(42)ならびに第1垂直板部(41)および第2垂直板部(42)の上縁部どうしを連結する連結部(43)を有しており、第1垂直板部(41)に水平貫通状のネジ孔(410)が形成されており、第1垂直板部(41)がボックスパレット(1)の内側に位置するように、所定の側壁パネル(3)の上縁部に上方から嵌め被せられている。
第1垂直板部(41)および第2垂直板部(42)は、第1垂直板部(41)の前面に側壁パネル(3)の後面(ボックスパレット(1)における内面)が接し、かつ、第2垂直板部(42)の後面が側壁パネル(3)の前面(ここでは枠材(31)の前面)に接するようになされているのが好ましい。
【0023】
ボルト(5)は、ネジ孔(410)にボックスパレット(1)の内側から前方向にねじ込まれてその先端で側壁パネル(3)の上縁部(ここでは枠材(31))と第2垂直板部(42)とを圧接させることにより、ベース金具(4)を側壁パネル(3)の上縁部に着脱自在に固定している。ボルト(5)の形状は特に限定されないが、使用者が工具等を使用することなく手指でボルト頭部(51)を操作して簡単にベース金具(4)の着脱を行えるように、蝶ボルトを用いることが好ましい。
【0024】
ボルト操作防止カバー(7)は、上蓋パネル(2a)が閉位置にある時に上蓋パネル(2a)におけるボルト頭部(51)の上方付近を塞ぐように上蓋パネル(2a)に取り付けられた所定の大きさを有するプレートからなり、上蓋パネル(2a)の上方から手指や道具が侵入して、使用者の意に反してボルト頭部(51)が回動操作されるのを防止することができる。
【0025】
ヒンジ(6)は、ヒンジ(6)の一方の端部側にベース金具(4)に取り付けられ、他方の端部側にボルト操作防止カバー(7)を介して上蓋パネル(2a)が取り付けられ、さらに、ヒンジ(6)のヒンジ軸(61)が、左右方向の回動軸線となるように、かつ、側壁パネル(3)の上端から前方向および上方向にやや突出して配置されている。この構成により、上蓋パネル(2a)はパネル本体(10)の上方開口を塞ぐ水平な閉位置と側壁パネル(3)の外面に沿う垂直下向きの開位置との間で回動可能となされている。
【0026】
次に、このボックスパレット(1)においてパレット本体(10)に上蓋パネル(2)を着脱する操作を説明する。
【0027】
前側上蓋パネル(2a)の前縁部の所定の2箇所および後側上蓋パネル(2b)の後縁部の所定の2箇所に取付構造(9)を形成する。側壁パネル(3)および角パイプ(32)が底パネルから起立させられて使用可能状態となったパレット本体(10)の前側の側壁パネル(3)の上縁部に前側上蓋パネル(2a)の取付構造(9)のベース金具(4)を、後側の側壁パネル(3)の上縁部に後側上蓋パネル(2b)の取付構造(9)のベース金具(4)を上方から嵌め入れ、前側上蓋パネル(2a)および後側上蓋パネル(2b)を開いた状態でボルト(5)を締めて、ベース金具(4)を前後の側壁パネル(3)の上縁部に固定する。そして、荷物等の出し入れ完了後、前側上蓋パネル(2a)を閉位置にし、その後、後側上蓋パネル(2b)を閉位置にし、向かい合った前後施錠用フック(23,24)に南京錠で施錠を行う。前側上蓋パネル(2a)および後側上蓋パネル(2b)が閉位置にある時、ボルト操作防止カバー(7)が作用してボルト(5)の操作が防止されるので、南京錠が開錠されない限り、パレット本体(10)が開放されることはない。
【0028】
ボックスパレット(1)から荷物等を全て取り出し、折りたたんで収納する場合は、南京錠を開錠し、前側上蓋パネル(2a)のみ、または、後側上蓋パネル(2b)のみ、あるいは、前側上蓋パネル(2a)および後側上蓋パネル(2b)の両方を開け、荷物等を取り出す。ボックスパレット(1)内が空になった後、前側上蓋パネル(2a)および後側上蓋パネル(2b)を開けた状態で、全ての箇所の取付構造(9)のボルト(5)を緩め、ベース金具(4)を前後の側壁パネル(3)の上縁部から取り外す。そして、パレット本体(10)の所定の向かい合う2枚の側壁パネル(3)を角パイプ(32)から取り外してボックスパレット(1)における内側方向に倒し、その上に起立している2枚の側壁パネル(3)の一方をその両端に取り付けられた角パイプ(32)とともにボックスパレット(1)における内側方向に倒し重ね、さらに、残る1枚の側壁パネル(3)をその両端に取り付けられた角パイプ(32)とともにボックスパレット(1)における内側方向に倒し重ねて、収納する。なお、前側上蓋パネル(2a)および後側上蓋パネル(2b)は、前側上蓋パネル(2a)および後側上蓋パネル(2b)を側壁パネル(3)に取り付けた状態において側壁パネル(3)に沿う位置まで回動可能とされているので、パレット本体(10)に前側上蓋パネル(2a)および/または後側上蓋パネル(2b)を取り付けた状態でもパレット本体(10)の折り畳みは可能である。
【0029】
上蓋パネル(2)および取付構造(9)の素材や構成については、上記の機能を有するものであれば特に限定されない。上蓋パネル(2)は1枚のメッシュパネルから構成されるようにしてもよく、その場合、上蓋パネル(2)は所定の1枚の側壁パネル(3)の上縁部に上蓋パネル(2)を介して取り付けられ、上蓋パネル(2)における側壁パネル(3)への取り付け側と反対側の縁部、および、上蓋パネル(2)が取り付けられた側壁パネル(3)に対向する側壁パネル(3)の上縁部それぞれに施錠用フックを設け、上蓋パネル(2)の閉位置において施錠可能となるようにしてもよい。
【0030】
以上の通り、この発明のボックスパレット(1)における上蓋パネル(2)の取付構造(9)によれば、上蓋パネル(2)の側壁パネル(3)への着脱を工具等を使わず容易に行うことができるため、上蓋パネル(2)が破損した場合の交換も容易となり、また、折り畳み可能なパレット本体(10)から上蓋パネル(2)を取り外してパレット本体(10)を折り畳むことも容易になる。さらに、上蓋パネル(2)が、パレット本体(10)の上方開口を塞ぐ水平な閉位置と所定の側壁パネル(3)の外面に沿う垂直下向きの開位置との間で回動可能となされているため、上蓋パネル(2)を開けて作業を行う際も、上蓋パネル(2)がパレット本体(10)から側方に飛び出すことがなくなり、作業スペースが削減され、取り回し性も向上する。さらに、上蓋パネル(2)がメッシュパネルである場合でも、上蓋パネル(2)が閉位置にある時はボルト(5)が操作されて上蓋パネル(2)が取り外されることがボルト操作防止カバー(7)によって防止されるため、上蓋パネル(2)の着脱の容易さを保ったまま、防犯機能の向上が達成される。
【産業上の利用可能性】
【0031】
この発明は、例えば例えばフォークリフトやクレーン等の運搬手段で搬送可能なボックスパレットにおいて好適に用いられる。また、この発明は何ら上記の実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
【符号の説明】
【0032】
(1):ボックスパレット
(2):上蓋パネル
(2a):前側上蓋パネル
(2b):後側上蓋パネル
(23):前側施錠用フック
(24):後側施錠用フック
(3):側壁パネル
(31):枠材
(32):角パイプ
(4):ベース金具
(41):第1垂直板部
(410):ネジ孔
(42):第2垂直板部
(5):ボルト
(6):ヒンジ
(61):ヒンジ軸
(7):ボルト操作防止カバー
(9):取付構造
(10):パレット本体