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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022119259
(43)【公開日】2022-08-17
(54)【発明の名称】プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/34 20060101AFI20220809BHJP
   G08G 1/005 20060101ALI20220809BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20220809BHJP
   G06Q 50/30 20120101ALI20220809BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20220809BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20220809BHJP
   G16Y 40/60 20200101ALI20220809BHJP
【FI】
G01C21/34
G08G1/005
G01C21/26 P
G06Q50/30
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/60
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021016238
(22)【出願日】2021-02-04
(71)【出願人】
【識別番号】518388498
【氏名又は名称】株式会社MaaS Tech Japan
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】日高 洋祐
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
2F129AA02
2F129AA03
2F129DD13
2F129DD15
2F129DD20
2F129EE23
2F129EE78
2F129EE79
2F129EE81
2F129FF02
2F129FF11
2F129FF15
2F129FF20
2F129FF62
2F129FF63
2F129FF65
2F129HH20
5H181AA14
5H181AA15
5H181AA22
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB13
5H181FF13
5H181FF14
5H181FF27
5H181MA28
5H181MA42
5L049CC42
(57)【要約】
【課題】地域の方針に応じた交通サービスを提案する。
【解決手段】プログラムがコンピュータを、或る地域において運行している複数種類の交通サービスそれぞれに対応付けて、交通サービスを提案する優先順位を含む優先情報を記憶する記憶手段50、ユーザから出発地及び到着地を含む移動要求を取得する取得手段52、出発地及び到着地の少なくとも一方が或る地域に含まれる場合、優先順位に基づいて交通サービスを抽出する抽出手段54、抽出された交通サービスをユーザに提案する制御手段56、として機能させる。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
或る地域において運行している複数種類の交通サービスそれぞれに対応付けて、交通サービスを提案する優先順位を含む優先情報を記憶する記憶手段、
ユーザから出発地及び到着地を含む移動要求を取得する取得手段、
前記出発地及び到着地の少なくとも一方が前記或る地域に含まれる場合、前記優先順位に基づいて交通サービスを抽出する抽出手段、
前記抽出された交通サービスを前記ユーザに提案する制御手段、
として機能させる、
プログラム。
【請求項2】
前記優先情報は、ユーザの属性に対応する優先順位を含み、
前記抽出手段は、前記移動要求を行ったユーザの属性に対応する優先順位に基づいて交通サービスを抽出する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記属性は、高齢者、妊婦、子育て中、障害者、運転免許証返納者の少なくとも1つを含む、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記移動要求は、利用日時を含み、
前記抽出手段は、前記優先順位に基づいて複数の交通サービスを抽出し、
前記取得手段は、前記抽出された複数の交通サービスを提供する交通機関から、前記利用日時において当該交通サービスが利用可能であるか否かの利用情報を取得し、
前記制御手段は、前記利用情報に基づき、利用可能な交通サービスであって前記優先順位が最も高い交通サービスを前記ユーザに提案する、
請求項1乃至3の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記取得手段は、前記ユーザから前記提案された交通サービスに対する利用要求を取得し、
前記制御手段は、前記利用要求があった交通サービスを提供する交通機関に、前記移動要求に基づく予約要求を送信する、
請求項1乃至4の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記優先情報は、複数の地域それぞれに対応する前記優先順位を含む、
請求項1乃至5の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項7】
或る地域において運行している複数種類の交通サービスそれぞれに対応付けて、交通サービスを提案する優先順位を含む優先情報を記憶する記憶手段と、
ユーザから出発地及び到着地を含む移動要求を取得する取得手段と、
前記出発地及び到着地の少なくとも一方が前記或る地域に含まれる場合、前記優先順位に基づいて交通サービスを抽出する抽出手段と、
前記抽出された交通サービスを前記ユーザに提案する制御手段と、
を備える情報処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ユーザが指定する探索条件に合致する経路(ルート)を提案する技術が知られている。
【0003】
これに関し、特許文献1には、出発地や目的地、利用日時、使用を許可する交通機関(例えば、飛行機や新幹線、特急線、路線バス等)、ルート表示の順序(例えば、所要時間が短い順や、運賃が安い順、乗り換え回数が少ない順、歩きが少ない(徒歩経路の距離が短い)順等を含む探索条件に合致する経路を提案する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4131745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、地域(例えば自治体)において交通サービスの利用に関する方針(例えば、環境負荷軽減、高齢者等を優先する、運転免許証の返納率を向上させる、混雑や渋滞の緩和、少ない交通サービスを有効活用する、消費促進等)がある場合であっても、当該方針に応じた経路を提案することはできなかった。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、地域の方針に応じた交通サービスを提案することができるプログラム及び情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第一態様に係るプログラムは、コンピュータを、或る地域において運行している複数種類の交通サービスそれぞれに対応付けて、交通サービスを提案する優先順位を含む優先情報を記憶する記憶手段、ユーザから出発地及び到着地を含む移動要求を取得する取得手段、前記出発地及び到着地の少なくとも一方が前記或る地域に含まれる場合、前記優先順位に基づいて交通サービスを抽出する抽出手段、前記抽出された交通サービスを前記ユーザに提案する制御手段、として機能させる。
【0008】
また、本発明の第二態様では、前記優先情報は、ユーザの属性に対応する優先順位を含み、前記抽出手段は、前記移動要求を行ったユーザの属性に対応する優先順位に基づいて交通サービスを抽出する。
【0009】
また、本発明の第三態様では、前記属性は、高齢者、妊婦、子育て中、障害者、運転免許証返納者の少なくとも1つを含む。
【0010】
また、本発明の第四態様では、前記移動要求は、利用日時を含み、前記抽出手段は、前記優先順位に基づいて複数の交通サービスを抽出し、前記取得手段は、前記抽出された複数の交通サービスを提供する交通機関から、前記利用日時において当該交通サービスが利用可能であるか否かの利用情報を取得し、前記制御手段は、前記利用情報に基づき、利用可能な交通サービスであって前記優先順位が最も高い交通サービスを前記ユーザに提案する。
【0011】
また、本発明の第五態様では、前記取得手段は、前記ユーザから前記提案された交通サービスに対する利用要求を取得し、前記制御手段は、前記利用要求があった交通サービスを提供する交通機関に、前記移動要求に基づく予約要求を送信する。
【0012】
また、本発明の第六態様では、前記優先情報は、複数の地域それぞれに対応する前記優先順位を含む。
【0013】
また、本発明の第七態様に係る情報処理装置は、或る地域において運行している複数種類の交通サービスそれぞれに対応付けて、交通サービスを提案する優先順位を含む優先情報を記憶する記憶手段と、ユーザから出発地及び到着地を含む移動要求を取得する取得手段と、前記出発地及び到着地の少なくとも一方が前記或る地域に含まれる場合、前記優先順位に基づいて交通サービスを抽出する抽出手段と、前記抽出された交通サービスを前記ユーザに提案する制御手段と、を備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、地域の方針に応じた交通サービスを提案することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第一実施形態に係る情報提供システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
図2図1に示すサーバ装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3図1に示すサーバ装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図4】優先情報に含まれる情報の一例を示す概略図である。
図5】第一実施形態に係る情報提供システムにおいて、図3に示す各機能手段が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6】第一端末装置の画面に表示される移動要求ページの一例を示す図である。
図7】第一実施形態において第一端末装置の画面に表示される情報提供ページの一例を示す図である。
図8】第二実施形態に係る情報提供システムにおいて、各機能手段が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9】第一端末装置の画面に表示される物流要求ページの一例を示す図である。
図10】第二実施形態において第一端末装置の画面に表示される情報提供ページの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しながら本発明の複数の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素及びステップに対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0017】
---第一実施形態---
まず、第一実施形態について説明する。
【0018】
<全体構成>
図1は、本発明の第一実施形態に係る情報提供システム1の全体構成の一例を示すブロック図である。
【0019】
図1に示すように、情報提供システム1は、サーバ装置10と、複数の端末装置12と、を備える。これらの装置は、インターネットや電話回線網等の通信ネットワークNTを介して互いに通信可能に構成されている。
【0020】
サーバ装置10は、情報提供に関する各種制御を行う情報処理装置(コンピュータ)である。このサーバ装置10は、端末装置12を介して、ユーザの要求に応じた各種サービスを提案する。
【0021】
端末装置12は、ユーザや管理者が操作する情報処理装置である。この管理者としては、交通サービス(ユーザを移動させるモビリティ)を提供する交通機関の管理者や、物流サービス(物品を移動させるモビリティ)を提供する物流機関の管理者等が挙げられる。ユーザや管理者は、この端末装置12を操作してサーバ装置10にアクセスする。これら端末装置12は、例えば、第一端末装置12Aと、第二端末装置12Bと、を含む。端末装置12としては、携帯電話やスマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等が挙げられる。
【0022】
第一端末装置12Aは、各ユーザが操作する装置である。
【0023】
第二端末装置12Bは、各機関の管理者が操作する装置である。
【0024】
<ハードウェア構成>
図2は、図1に示すサーバ装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0025】
図2に示すように、サーバ装置10は、制御装置20と、通信装置26と、記憶装置28と、を備える。制御装置20は、CPU(Central Processing Unit)22及びメモリ24を主に備えて構成される。
【0026】
制御装置20では、CPU22がメモリ24或いは記憶装置28等に格納された所定のプログラムを実行することにより、各種の機能手段として機能する。この機能手段の詳細については後述する。
【0027】
通信装置26は、外部の装置と通信するための通信インターフェース等で構成される。通信装置26は、例えば、端末装置12との間で各種の情報を送受信する。
【0028】
記憶装置28は、ハードディスク等で構成される。記憶装置28は、制御装置20における処理の実行に必要な各種プログラムや各種の情報、及び処理結果の情報を記憶する。
【0029】
なお、サーバ装置10は、専用又は汎用のサーバ・コンピュータなどの情報処理装置を用いて実現することができる。また、サーバ装置10は、単一の情報処理装置より構成されるものであっても、通信ネットワークNT上に分散した複数の情報処理装置より構成されるものであってもよい。また、図2は、サーバ装置10が有する主要なハードウェア構成の一部を示しているに過ぎず、サーバ装置10は、サーバが一般的に備える他の構成を備えることができる。また、複数の端末装置12のハードウェア構成も、例えば操作手段や表示装置等を備える他は、サーバ装置10と同様の構成を備えることができる。
【0030】
<機能的構成>
図3は、図1に示すサーバ装置10の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【0031】
図3に示すように、サーバ装置10は、機能的構成として、記憶手段50と、取得手段52と、抽出手段54と、制御手段56と、を備える。
【0032】
記憶手段50は、例えば、ウェブページ50Aと、機関情報50Bと、ユーザ情報50Cと、優先情報50Dと、を記憶する機能手段である。
【0033】
ウェブページ50Aは、ログインページや移動要求ページ等の複数のウェブページを含む。
機関情報50Bは、例えば日本全国にある交通サービスの経路(リンク)、駅やバス停等(ノード)の名前及びID、経路や駅等に関するダイヤ(出発時間や到着時間)、料金(運賃)、運行地域、連絡先等を含む。この交通サービスは、例えば、交通機関(鉄道事業者や路線バス事業者、タクシー事業者等)によって提供される。この交通サービスとしては、鉄道や路線バス等の固定路線(非デマンド型)によるモビリティや、乗合タクシー等の乗合デマンド型によるモビリティ、個別タクシー等の個別デマンド型によるモビリティ、自家用車、徒歩/自転車等のモビリティが挙げられる。なお、この交通サービスには、郵便物の集配を行う郵便車両や、宅配便の集配を行う宅配車両等を含んでもよい。この連絡先としては、例えば、交通機関から利用情報を取得するためのアクセス情報(例えば、メールアドレスやURL等)が挙げられる。
ユーザ情報50Cは、ユーザ毎の識別情報(ユーザID)に対応付けて、ユーザそれぞれのログインIDや、パスワード、ユーザ名、連絡先、属性等を含む。連絡先としては、電話番号や、メールアドレス、メッセージアプリケーションのユーザID等が挙げられる。属性は、例えば、高齢者(例えば65歳以上)、障害者、妊婦、子育て中、運転免許証返納者の少なくとも1つを含む。なお、この属性は、後述する移動要求に含まれていてもよい。
【0034】
図4は、優先情報50Dに含まれる情報の一例を示す概略図である。
【0035】
図4に示すように、第一実施形態では、優先情報50Dは、或る地域において利用可能な複数種類の交通サービスそれぞれに対応付けて、交通サービスを提案する優先順位(設定値)を含む。例えば、優先順位は、固定路線(鉄道、路線バス)、乗合デマンド型(乗合タクシー)、個別デマンド型(個別タクシー)、自家用車、徒歩/自転車に対して数値が設定されている。この優先順位は、例えば、自治体の管理者によって設定される。
また、優先情報50Dは、ユーザの属性に対応する優先順位を含む。また、優先情報50Dは、複数の地域それぞれに対応する優先順位を含む。
なお、優先順位は、地域において利用不可能な交通サービスや、利用を提案しない交通サービスである場合には「#N/A」を含む。
例えば、A町は、交通サービスの利用に関する方針が「環境負荷軽減」であり、ユーザ単位における排気ガスの排出量が少ない交通サービスから順番に高い優先順位が設定されている。また、例えば、B町は、交通サービスの利用に関する方針が「高齢者等を優先する」であり、属性が高齢者や妊婦、子育て中、障害者であるユーザに対しては、移動時間(待ち時間)が少ない交通サービスから順番に高い優先順位が設定され、その他の属性のユーザに対しては、移動料金が少ない交通サービスから順番に高い優先順位が設定されている。また、例えば、C町は、交通サービスの利用に関する方針が「運転免許証の返納率を向上させる」であり、属性が運転免許証返納者であるユーザに対しては、移動時間(待ち時間)が少ない交通サービスから順番に高い優先順位が設定され、その他の属性のユーザに対しては、移動時間や移動料金が少ない交通サービスから順番に高い優先順位が設定されている。また、例えば、D町は、交通サービスの利用に関する方針が「混雑や渋滞の緩和」と「少ない交通サービスを有効活用する」であり、多数のユーザが同時に乗車可能な交通サービスから順番に高い優先順位が設定されている。また、例えば、その他の地域、すなわち交通サービスの利用に関する方針が定められていない地域は、所定の順番による優先順位が設定されている。
【0036】
図3に戻って、取得手段52は、端末装置12から各種要求や各種情報を取得する機能手段である。第一実施形態では、取得手段52は、ユーザから移動要求を取得する。具体的には、取得手段52は、ユーザが操作する第一端末装置12Aから、ユーザの出発地及び到着地を含む移動要求(交通サービスの検索指示)を受け付ける。出発地は、ユーザが移動を開始する予定位置(住所や駅、バス停、施設等)である。到着地は、ユーザが移動を終了する予定位置である。また、移動要求は、交通サービスの利用日時(出発日時や到着日時)を含む。この利用日時は、現在日時以降の日時である。また、移動要求は、他にも、座席に着席できることや、車椅子が利用できること、ユーザが使用を許可する交通サービス等が含まれてもよい。
【0037】
また、取得手段52は、抽出手段54によって抽出された複数の交通サービスを提供する交通機関から、移動要求に含まれる利用日時及び制御手段56によって検索された経路において、当該交通サービスが利用可能であるか否かの利用情報を取得する。具体的には、取得手段52は、抽出手段54によって抽出された複数の交通サービスを提供する交通機関の第二端末装置12Bそれぞれから、移動要求に含まれる利用日時と経路に関する利用情報を受信する。この利用情報としては、デマンド型の交通サービスの予約可能情報や、固定路線の運行予定情報(運休情報)、徒歩や自転車の場合は天候情報(雨や積雪)が挙げられる。
【0038】
また、取得手段52は、ユーザから制御手段56によって提案された交通サービスに対する利用要求を取得する。具体的には、取得手段52は、ユーザが操作する第一端末装置12Aから、制御手段56によって提案された交通サービスに対する利用要求の送信を受け付ける。この利用要求は、例えば、提案された交通サービスを予約する予約指示である。
【0039】
抽出手段54は、ユーザに提案する交通サービスを抽出する機能手段である。第一実施形態では、抽出手段54は、優先情報50Dを参照して、移動要求に含まれる出発地及び到着地の少なくとも一方が或る地域に含まれる場合、当該或る地域に対応する優先順位に基づいて交通サービスを抽出する。具体的には、抽出手段54は、移動要求に含まれる出発地及び到着地がA町に含まれる場合、A町に対応する優先順位(徒歩/自転車、固定路線、乗合デマンド型、個別デマンド型の順)が上位である一又は複数の交通サービス(例えば、徒歩/自転車)を抽出する。
【0040】
また、抽出手段54は、移動要求を行ったユーザの属性に対応する優先順位に基づいて交通サービスを抽出する。具体的には、抽出手段54は、ユーザ情報50Cの属性を参照し、移動要求を行ったユーザの属性が高齢者、障害者、妊婦、又は子育て中である場合において、当該移動要求に含まれる出発地がB町に含まれるとき、B町の高齢者等の属性に対応する優先順位(個別デマンド型、乗合デマンド型、固定路線の順)が上位である複数の交通サービス(例えば、個別デマンド型、乗合デマンド型)を抽出する。
【0041】
制御手段56は、情報提供システム1の全体を制御する機能手段である。第一実施形態では、制御手段56は、抽出手段54によって抽出された交通サービスをユーザに提案する。具体的には、制御手段56は、機関情報50Bを参照して、移動要求に含まれる利用日時において当該抽出された交通サービスを利用する経路を検索し、当該交通サービスと移動経路を含む情報提供ページを生成する。続いて、制御手段56は、移動要求を行ったユーザの第一端末装置12Aにおいて当該情報提供ページを表示させる。
【0042】
また、制御手段56は、取得手段52によって取得された利用情報に基づき、利用可能な交通サービスであって、優先順位が最も高い交通サービスをユーザに提案する。具体的には、制御手段56は、優先情報50Dを参照して、当該利用情報において利用可能な交通サービスのうち、優先順位が最も高い交通サービスを含む情報提供ページを生成し、移動要求を行ったユーザの第一端末装置12Aにおいて当該情報提供ページを表示させる。
【0043】
また、制御手段56は、ユーザから利用要求があった交通サービスを提供する交通機関に、移動要求に基づく予約要求を送信する。具体的には、制御手段56は、取得手段52がユーザからの交通サービスに対する利用要求を取得した場合、当該交通サービスを提供する交通機関の第二端末装置12Bに、当該ユーザの移動要求に基づく予約要求を送信する。この予約要求は、例えば、移動要求(出発地や到着地、利用日時)や、ユーザ情報(ユーザIDやユーザ名、連絡先、属性等)を含む。この予約要求の送信により、ユーザは、交通サービスの利用を予約することができる。
【0044】
<処理の流れ>
図5は、第一実施形態に係る情報提供システムにおいて、図3に示す各機能手段が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。また、以下のステップの処理は、例えば、ユーザが第一端末装置12Aにおいて情報提供システムにログインした後、移動要求メニューを選択したタイミングで開始される。なお、以下のステップの順番及び内容は、適宜、変更することができる。
【0045】
(ステップSP10)
第一端末装置12Aは、サーバ装置10から、通信ネットワークNTを介してウェブページ50Aの移動要求ページを受信し、画面に表示させる。
【0046】
図6は、第一端末装置12Aの画面に表示される移動要求ページ100の一例を示す図である。
【0047】
図6に示すように、移動要求ページ100は、地点入力領域102と、利用日時入力領域104と、送信ボタン106と、が設けられている。地点入力領域102には、出発地と、到着地とを入力する入力欄が表されている。利用日時入力領域104には、ユーザが移動を予定している利用日(移動日)と、出発時間又は到着時間とを入力する入力欄が表されている。なお、この利用日や出発時間、到着時間が未入力である場合、現在日時に応じた移動要求が行われる。送信ボタン106は、ユーザにより各入力欄に入力された移動要求をサーバ装置10に送信するためのボタンである。
【0048】
図5に戻って、処理は、ステップSP12の処理に移行する。
【0049】
(ステップSP12)
取得手段52は、ユーザにより操作される第一端末装置12Aにおいて送信ボタンが押下されたことに基づき、出発地、到着地、及び利用日時を含む移動要求を取得する。そして、処理は、ステップSP14の処理に移行する。
【0050】
(ステップSP14)
抽出手段54は、移動要求を行ったユーザのユーザ情報50Cと、優先情報50Dとを参照して、一又は複数の交通サービスを抽出する。例えば、抽出手段54は、移動要求に含まれる出発地及び到着地の少なくとも一方がC町に含まれ、ユーザの属性が運転免許証返納者である場合、C町の運転免許証返納者に対応する優先順位(個別デマンド型、乗合デマンド型の順)が上位である複数の交通サービス(個別デマンド型、乗合デマンド型)を抽出する。そして、処理は、ステップSP16の処理に移行する。
【0051】
(ステップSP16)
制御手段56は、機関情報50Bを参照して、ステップSP14において抽出された一又は複数の交通サービスを利用する経路を検索する。そして、処理は、ステップSP18の処理に移行する。
【0052】
(ステップSP18)
取得手段52は、ステップSP14において抽出された一又は複数の交通サービスを提供する交通機関の第二端末装置12Bから、ステップSP12で取得した移動要求に含まれる利用日時及びステップSP16で検索された経路において、当該交通サービスが利用可能であるか否かの利用情報を取得する。そして、処理は、ステップSP20の処理に移行する。
【0053】
(ステップSP20)
制御手段56は、ステップSP18において取得された利用情報において利用可能な交通サービスであって、優先順位が最も高い交通サービスを含む一又は複数の交通サービスを提案する情報提供ページを生成する。例えば、制御手段56は、ステップSP14において抽出された個別デマンド型の交通サービスと乗合デマンド型の交通サービスのうち、個別デマンド型の交通サービスが利用不可であって、乗合デマンド型の交通サービスが利用可能である場合、乗合デマンド型の交通サービスと経路を含む情報提供ページを生成する。そして、処理は、ステップSP22の処理に移行する。
【0054】
(ステップSP22)
第一端末装置12Aは、サーバ装置10から、通信ネットワークNTを介してステップSP20において生成された情報提供ページを受信し、画面に表示させる。
【0055】
図7は、第一実施形態において第一端末装置12Aの画面に表示される情報提供ページ110の一例を示す図である。
【0056】
図7に示すように、情報提供ページ110は、交通サービス情報領域112と、利用ボタン114と、戻るボタン116と、が設けられている。交通サービス情報領域112には、情報提供システム1によって提案された交通サービス、すなわち利用可能な交通サービスであって優先順位が最も高い交通サービスや、利用日時、経路(ルート)が表されている。利用ボタン114は、提案された交通サービスに対する利用要求をサーバ装置10に送信するためのボタンである。戻るボタン116は、移動要求ページに遷移して、交通サービスを再検索するためのボタンである。
【0057】
図5に戻って、処理は、ステップSP24の処理に移行する。
【0058】
(ステップSP24)
取得手段52は、利用ボタンが押下されたことに応じて、第一端末装置12Aから情報提供ページに含まれる交通サービスに対する利用要求の送信を受け付ける。そして、処理は、ステップSP26の処理に移行する。
【0059】
(ステップSP26)
制御手段56は、ステップSP24において利用要求を受け付けた交通サービスを提供する交通機関に、ステップSP12において取得した移動要求に基づく予約要求を送信する。そして、処理は、図5に示す一連の処理を終了する。
【0060】
<効果>
以上、第一実施形態では、コンピュータを、或る地域において運行している複数種類の交通サービスそれぞれに対応付けて、交通サービスを提案する優先順位を含む優先情報を記憶する記憶手段50、ユーザから出発地及び到着地を含む移動要求を取得する取得手段52、出発地及び到着地の少なくとも一方が或る地域に含まれる場合、優先順位に基づいて交通サービスを抽出する抽出手段54、抽出された交通サービスをユーザに提案する制御手段56、として機能させる。
【0061】
この構成によれば、地域における優先順位に基づいて、ユーザに交通サービスを提案することができるため、地域の方針に応じた交通サービスを提案することができる。
【0062】
また、第一実施形態では、優先情報は、ユーザの属性に対応する優先順位を含み、抽出手段54は、移動要求を行ったユーザの属性に対応する優先順位に基づいて交通サービスを抽出する。
【0063】
この構成によれば、ユーザの属性に対応する優先順位に基づいて、当該ユーザに交通サービスを提供することができるため、地域におけるユーザの属性に関する方針に即した交通サービスを提案することができる。
【0064】
また、第一実施形態では、属性は、高齢者、妊婦、子育て中、障害者、運転免許証返納者の少なくとも1つを含む。
【0065】
この構成によれば、ユーザの各属性(高齢者、妊婦、子育て中、障害者、運転免許証返納者)の少なくとも1つに対応する優先順位に基づいて、当該ユーザに交通サービスを提供することができるため、地域におけるユーザの各属性に関する方針に即した交通サービスを提案することができる。
【0066】
また、第一実施形態では、移動要求は、利用日時を含み、抽出手段54は、優先順位に基づいて複数の交通サービスを抽出し、取得手段52は、抽出された複数の交通サービスを提供する交通機関から、利用日時において当該交通サービスが利用可能であるか否かの利用情報を取得し、制御手段56は、利用情報に基づき、利用可能な交通サービスであって優先順位が最も高い交通サービスをユーザに提案する。
【0067】
この構成によれば、抽出した複数の交通サービスから、利用可能な交通サービスであって優先順位が最も高い交通サービスを提案するため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0068】
また、第一実施形態では、取得手段52は、ユーザから提案された交通サービスに対する利用要求を取得し、制御手段56は、利用要求があった交通サービスを提供する交通機関に、移動要求に基づく予約要求を送信する。
【0069】
この構成によれば、ユーザは、提案された交通サービスを容易に予約することができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0070】
また、第一実施形態では、優先情報は、複数の地域それぞれに対応する優先順位を含む。
【0071】
この構成によれば、複数の地域それぞれにおける優先順位に基づいて、ユーザに交通サービスを提案することができるため、各地域の方針に応じた交通サービスを提案することができる。
【0072】
---第二実施形態---
次に、第二実施形態について説明する。
【0073】
第二実施形態では、ユーザに対して、物品(例えば商品)を輸送(例えば宅配)する物流サービスの提案を行う点で第一実施形態と異なる。すなわち、第二実施形態では、地域において物流サービスの利用に関する方針がある場合、当該方針に応じた物流サービスを提案することができる。なお、以下で説明しない第二実施形態に係る情報提供システムの構成及び機能は、第一実施形態に係る情報提供システムの構成及び機能と同様である。
【0074】
第二実施形態では、ウェブページ50Aは、物流要求ページを含む。
【0075】
また、第二実施形態では、機関情報50Bは、例えば日本全国にある物流サービスの経路(リンク)、物流拠点(ノード)の名前及びID、経路や物流拠点に関するダイヤ(発送時間や到着時間)、料金(配送料)、配送地域、配送可能品、連絡先等を含む。この物流サービスは、例えば、物流機関(配達業者や宅配業者、引っ越し業者等)によって提供される。物流サービスとしては、鉄道や空路等の固定路線(非デマンド型)による運送手段や、物流拠点から所定又は任意の場所へ輸送用自動車や自転車等で配送するデマンド型による運送手段等が挙げられる。なお、この物流サービスには、タクシーやバスを含んでもよい。この連絡先としては、例えば、物流機関から利用情報を取得するためのアクセス情報(例えば、メールアドレスやURL等)が挙げられる。
【0076】
また、第二実施形態では、優先情報50Dは、或る地域において運行している複数種類の物流サービスそれぞれに対応付けて、物流サービスを提案する優先順位(設定値)を含む。例えば、優先順位は、徒歩/自転車(デマンド型)、輸送用自動車(デマンド型)、固定路線(非デマンド型)に対して数値が設定されている。
なお、優先順位は、地域において利用不可能な物流サービスや、利用を提案しない物流サービスである場合には「#N/A」を含む。
【0077】
また、第二実施形態では、取得手段52は、ユーザから物流要求を取得する。具体的には、取得手段52は、ユーザが操作する第一端末装置12Aから、物品又はサービス提供者の発送地及び到着地を含む物品の物流要求(物流サービスの検索指示)を受け付ける。発送地は、物品の輸送を開始する予定位置(例えば、店舗や倉庫等)である。到着地は、物品の輸送を終了する予定位置(例えば、ユーザの自宅や知人宅等)である。また、物流要求は、物流サービスの利用日時(発送日時や到着日時)や品目(例えば、商品名や商品カテゴリ等)を含む。
【0078】
また、取得手段52は、抽出手段54によって抽出された複数の物流サービスを提供する物流機関から、物流要求に含まれる利用日時及び制御手段56によって検索された経路において、当該物流サービスが利用可能であるか否かの利用情報を取得する。具体的には、取得手段52は、抽出手段54によって抽出された複数の物流サービスを提供する物流機関の第二端末装置12Bそれぞれから、物流要求に含まれる利用日時と経路に関する利用情報を受信する。この利用情報としては、デマンド型の物流サービスの輸送可能情報や、固定路線の輸送予定情報(運休情報)、徒歩/自転車の場合は天候情報(雨や積雪)が挙げられる。
【0079】
また、取得手段52は、ユーザから制御手段56によって提案された物流サービスに対する利用要求を取得する。具体的には、取得手段52は、ユーザが操作する第一端末装置12Aから、制御手段56によって提案された物流サービスに対する利用要求の送信を受け付ける。この利用要求は、例えば、提案された物流サービスを予約する予約指示である。
【0080】
第二実施形態では、抽出手段54は、優先情報50Dを参照して、物流要求に含まれる発送地及び到着地の少なくとも一方が或る地域に含まれる場合、当該或る地域に対応する優先順位に基づいて物流サービスを抽出する。具体的には、抽出手段54は、物流要求に含まれる発送地及び到着地がA町に含まれる場合、A町に対応する優先順位(徒歩/自転車、固定路線、輸送用自動車の順)が上位である一又は複数の物流サービス(例えば、徒歩/自転車)を抽出する。
【0081】
また、抽出手段54は、物流要求を行ったユーザの属性に対応する優先順位に基づいて物流サービスを抽出する。具体的には、抽出手段54は、ユーザ情報50Cの属性を参照し、物流要求を行ったユーザの属性が高齢者、障害者、妊婦、又は子育て中である場合において、当該物流要求に含まれる到着地がB町に含まれるとき、B町の高齢者等の属性に対応する優先順位(輸送用自動車、徒歩/自転車、固定路線)が上位である複数の交通サービス(例えば、輸送用自動車、徒歩/自転車)を抽出する。
【0082】
第二実施形態では、制御手段56は、抽出手段54によって抽出された物流サービスをユーザに提案する。具体的には、制御手段56は、機関情報50Bを参照して、物流要求に含まれる利用日時において当該抽出された物流サービスを利用する経路を検索し、当該抽出された物流サービスを含む情報提供ページを生成する。続いて、制御手段56は、物流要求を行ったユーザの第一端末装置12Aにおいて当該情報提供ページを表示させる。
【0083】
また、制御手段56は、取得手段52によって取得された利用情報に基づき、利用可能な物流サービスであって、優先順位が最も高い物流サービスをユーザに提案する。具体的には、制御手段56は、優先情報50Dを参照して、当該利用情報において利用可能な物流サービスのうち、優先順位が最も高い物流サービスを含む情報提供ページを生成し、物流要求を行ったユーザの第一端末装置12Aにおいて当該情報提供ページを表示させる。
【0084】
また、制御手段56は、ユーザから利用要求があった物流サービスを提供する物流機関に、物流要求に基づく予約要求を送信する。具体的には、制御手段56は、取得手段52がユーザからの物流サービスに対する利用要求を取得した場合、当該物流サービスを提供する物流機関の第二端末装置12Bに、当該ユーザの物流要求に基づく予約要求を送信する。この予約要求は、例えば、物流要求(発送地や到着地、利用日時)や、ユーザ情報(ユーザIDやユーザ名、連絡先、属性等)を含む。この予約要求の送信により、ユーザは、物流サービスの利用を予約することができる。
【0085】
<処理の流れ>
図8は、第二実施形態に係る情報提供システムにおいて、各機能手段が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。また、以下のステップの処理は、例えば、ユーザが第一端末装置12Aにおいて情報提供システムにログインした後、物流要求メニューを選択したタイミングで開始される。なお、以下のステップの順番及び内容は、適宜、変更することができる。
【0086】
(ステップSP30)
第一端末装置12Aは、サーバ装置10から、通信ネットワークNTを介してウェブページ50Aの物流要求ページを受信し、画面に表示させる。
【0087】
図9は、第一端末装置12Aの画面に表示される物流要求ページ120の一例を示す図である。
【0088】
図9に示すように、物流要求ページ120は、地点入力領域122と、利用日時入力領域124と、品目入力領域126と、送信ボタン128と、が設けられている。地点入力領域122には、発送地と、到着地とを入力する入力欄が表されている。利用日時入力領域124には、ユーザが物品の輸送を予定している利用日(輸送日)と、物品の発送時間又は到着時間とを入力する入力欄が表されている。なお、この利用日や発送時間、到着時間が未入力である場合、現在日時に応じた物流要求が行われる。品目入力領域126は、ユーザが輸送を希望する物品の品目を入力する入力欄が表されている。また、品目入力領域126には、新たに品目を追加する追加欄が表されている。送信ボタン128は、ユーザにより各入力欄に入力された物流要求をサーバ装置10に送信するためのボタンである。
【0089】
図5に戻って、処理は、ステップSP32の処理に移行する。
【0090】
(ステップSP32)
取得手段52は、ユーザにより操作される第一端末装置12Aにおいて送信ボタンが押下されたことに基づき、発送地、到着地、利用日時、及び品目を含む物流要求を取得する。そして、処理は、ステップSP34の処理に移行する。
【0091】
(ステップSP34)
抽出手段54は、物流要求を行ったユーザのユーザ情報50Cと、優先情報50Dとを参照して、一又は複数の物流サービスを抽出する。例えば、抽出手段54は、物流要求に含まれる発送地及び到着地の少なくとも一方がC町に含まれ、ユーザの属性が運転免許証返納者である場合、C町の運転免許証返納者に対応する優先順位(輸送用自動車、徒歩/自転車、固定路線の順)が上位である複数の物流サービス(輸送用自動車、徒歩/自転車)を抽出する。そして、処理は、ステップSP36の処理に移行する。
【0092】
(ステップSP36)
制御手段56は、機関情報50Bを参照して、ステップSP34において抽出された一又は複数の物流サービスを利用する経路を検索する。そして、処理は、ステップSP38の処理に移行する。
【0093】
(ステップSP38)
取得手段52は、ステップSP34において抽出された一又は複数の物流サービスを提供する物流機関の第二端末装置12Bから、ステップSP32において取得した物流要求に含まれる利用日時及びステップSP36で検索された経路において、当該物流サービスが利用可能であるか否かの利用情報を取得する。そして、処理は、ステップSP40の処理に移行する。
【0094】
(ステップSP40)
制御手段56は、ステップSP38において取得された利用情報において利用可能な物流サービスであって、優先順位が最も高い物流サービスを含む一又は複数の物流サービスを提案する情報提供ページを生成する。例えば、制御手段56は、ステップSP34において抽出された輸送用自動車と徒歩/自転車のうち、輸送用自動車が利用可能であって、徒歩/自転車が利用不可である場合、輸送用自動車の物流サービスと経路を含む情報提供ページを生成する。そして、処理は、ステップSP42の処理に移行する。
【0095】
(ステップSP42)
第一端末装置12Aは、サーバ装置10から、通信ネットワークNTを介してステップSP40において生成された情報提供ページを受信し、画面に表示させる。
【0096】
図10は、第二実施形態において第一端末装置12Aの画面に表示される情報提供ページ130の一例を示す図である。
【0097】
図10に示すように、情報提供ページ130は、物流サービス情報領域132と、利用ボタン134と、戻るボタン136と、が設けられている。物流サービス情報領域132には、情報提供システム1によって提案された物流サービス、すなわち利用可能な物流サービスであって優先順位が最も高い物流サービスや、利用日時、配送経路(ルート)が表されている。利用ボタン134は、提案された物流サービスに対する利用要求をサーバ装置10に送信するためのボタンである。戻るボタン136は、物流要求ページに遷移して、物流サービスを再検索するためのボタンである。
【0098】
図8に戻って、処理は、ステップSP44の処理に移行する。
【0099】
(ステップSP44)
取得手段52は、利用ボタンが押下されたことに応じて、第一端末装置12Aから情報提供ページに含まれる物流サービスに対する利用要求の送信を受け付ける。そして、処理は、ステップSP46の処理に移行する。
【0100】
(ステップSP46)
制御手段56は、ステップSP44において利用要求を受け付けた物流サービスを提供する物流機関に、ステップSP32において取得した物流要求に基づく予約要求を送信する。そして、処理は、図8に示す一連の処理を終了する。
【0101】
<効果>
以上、第二実施形態では、コンピュータを、或る地域において運行している複数種類の物流サービスそれぞれに対応付けて、物流サービスを提案する優先順位を含む優先情報を記憶する記憶手段50、ユーザから発送地及び到着地を含む物品の物流要求を取得する取得手段52、発送地及び到着地の少なくとも一方が或る地域に含まれる場合、優先順位に基づいて物流サービスを抽出する抽出手段54、抽出された物流サービスをユーザに提案する制御手段56、として機能させる。
【0102】
この構成によれば、地域における優先順位に基づいて、ユーザに物流サービスを提案することができるため、地域の方針に応じた物流サービスを提案することができる。
【0103】
また、第二実施形態では、優先情報は、ユーザの属性に対応する優先順位を含み、抽出手段54は、物流要求を行ったユーザの属性に対応する優先順位に基づいて物流サービスを抽出する。
【0104】
この構成によれば、ユーザの属性に対応する優先順位に基づいて、当該ユーザに物流サービスを提供することができるため、地域におけるユーザの属性に関する方針に即した物流サービスを提案することができる。
【0105】
また、第二実施形態では、属性は、高齢者、妊婦、子育て中、障害者、運転免許証返納者の少なくとも1つを含む。
【0106】
この構成によれば、ユーザの各属性(高齢者、妊婦、子育て中、障害者、運転免許証返納者)の少なくとも1つに対応する優先順位に基づいて、当該ユーザに物流サービスを提供することができるため、地域におけるユーザの各属性に関する方針に即した物流サービスを提案することができる。
【0107】
また、第二実施形態では、物流要求は、利用日時を含み、抽出手段54は、優先順位に基づいて複数の物流サービスを抽出し、取得手段52は、抽出された複数の物流サービスを提供する物流機関から、利用日時において当該物流サービスが利用可能であるか否かの利用情報を取得し、制御手段56は、利用情報に基づき、利用可能な物流サービスであって優先順位が最も高い物流サービスをユーザに提案する。
【0108】
この構成によれば、抽出した複数の物流サービスから、利用可能な物流サービスであって優先順位が最も高い物流サービスを提案するため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0109】
また、第二実施形態では、取得手段52は、ユーザから提案された物流サービスに対する利用要求を取得し、制御手段56は、利用要求があった物流サービスを提供する物流機関に、物流要求に基づく予約要求を送信する。
【0110】
この構成によれば、ユーザは、提案された物流サービスを容易に予約することができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0111】
また、第二実施形態では、優先情報は、複数の地域それぞれに対応する優先順位を含む。
【0112】
この構成によれば、複数の地域それぞれにおける優先順位に基づいて、ユーザに物流サービスを提案することができるため、各地域の方針に応じた物流サービスを提案することができる。
【0113】
---変形例---
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。すなわち、上記の実施形態に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、上記実施形態及び後述する変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0114】
例えば、第一実施形態及び第二実施形態では、制御手段56は、地域に対応する優先順位に基づくサービス(交通サービス、物流サービス)を提案する場合を説明したが、サービスの利便性が高い順位(例えば、待ち時間、乗り換え回数、単位距離あたりの料金、移動距離等に応じた総合順位)に基づいて、提案するサービスを変更してもよい。例えば、制御手段56は、優先情報50Dにおけるサービスの優先順位の高さに応じたポイント(点数)と、経路検索したサービスの利便性が高い順位に応じたポイントとに応じて、サービスを提案する。具体的には、制御手段56は、優先情報50Dにおけるサービスの優先順位(値)と、経路検索したサービスの利便性が高い順位(値)とを加算し、当該加算された値が低いサービスを提案する。
【0115】
また、制御手段56は、ユーザがサービス(交通サービス、物流サービス)のパス(例えば、高齢者支援パスや、障害者支援パス、妊婦支援パス、子育て支援パス、運転免許証返納者支援パス、定期券等)を所持している場合、当該サービスを優先して提案してもよい。この場合、ユーザ情報50Cは、例えばユーザが所持する各種パスの情報を含む。
【0116】
また、第一実施形態及び第二実施形態では、制御手段56は、利用情報において利用可能なサービス(交通サービス、物流サービス)を含む情報提供ページを生成する場合を説明したが、例えば利用可能なサービスが存在しない場合は、別手段(代替手段)を提案してもよい。例えば、取得手段52は、移動要求においてユーザの移動目的を取得し、制御手段56は、当該移動目的に応じた別手段を提案する。具体的には、制御手段56は、移動目的が「通勤」である場合はシェアオフィスでの勤務を提案したり、移動目的が「通学」である場合は遠隔授業を提案したり、移動目的が「医療の受診」である場合は遠隔医療を提案したりする。また、例えば、取得手段52は、物流要求において物品の輸送目的を取得し、制御手段56は、当該輸送目的に応じた別手段を提案する。具体的には、制御手段56は、輸送目的が「食料品の配送」である場合は移動スーパーの利用を提案する。
【0117】
また、第二実施形態では、制御手段56は、物品を輸送する物流サービスを提案する場合を説明したが、サービス提供者(例えば、医師やマッサージ師、ホームヘルパー等)を移動させる交通サービス(モビリティ)を提案することとしてもよい。
【0118】
---付記---
[付記項1]
コンピュータを、
或る地域において運行している複数種類の物流サービスそれぞれに対応付けて、物流サービスを提案する優先順位を含む優先情報を記憶する記憶手段、
ユーザから発送地及び到着地を含む物品の物流要求を取得する取得手段、
前記発送地及び到着地の少なくとも一方が前記或る地域に含まれる場合、前記優先順位に基づいて物流サービスを抽出する抽出手段、
前記抽出された物流サービスを前記ユーザに提案する制御手段、
として機能させる、
プログラム。
[付記項2]
前記優先情報は、ユーザの属性に対応する優先順位を含み、
前記抽出手段は、前記物流要求を行ったユーザの属性に対応する優先順位に基づいて物流サービスを抽出する、
付記項1に記載のプログラム。
[付記項3]
前記属性は、高齢者、妊婦、子育て中、障害者、運転免許証返納者の少なくとも1つを含む、
付記項2に記載のプログラム。
[付記項4]
前記物流要求は、利用日時を含み、
前記抽出手段は、前記優先順位に基づいて複数の物流サービスを抽出し、
前記取得手段は、前記抽出された複数の物流サービスを提供する物流機関から、前記利用日時において当該物流サービスが利用可能であるか否かの利用情報を取得し、
前記制御手段は、前記利用情報に基づき、利用可能な物流サービスであって前記優先順位が最も高い物流サービスを前記ユーザに提案する、
付記項1乃至3の何れか1項に記載のプログラム。
[付記項5]
前記取得手段は、前記ユーザから前記提案された物流サービスに対する利用要求を取得し、
前記制御手段は、前記利用要求があった物流サービスを提供する物流機関に、前記物流要求に基づく予約要求を送信する、
付記項1乃至4の何れか1項に記載のプログラム。
[付記項6]
前記優先情報は、複数の地域それぞれに対応する前記優先順位を含む、
付記項1乃至5の何れか1項に記載のプログラム。
[付記項7]
或る地域において運行している複数種類の物流サービスそれぞれに対応付けて、物流サービスを提案する優先順位を含む優先情報を記憶する記憶手段と、
ユーザから発送地及び到着地を含む物品の物流要求を取得する取得手段と、
前記発送地及び到着地の少なくとも一方が前記或る地域に含まれる場合、前記優先順位に基づいて物流サービスを抽出する抽出手段と、
前記抽出された物流サービスを前記ユーザに提案する制御手段と、
を備える情報処理装置。
【符号の説明】
【0119】
10…サーバ装置(コンピュータ)、12…端末装置、50…記憶手段、52…取得手段、54…抽出手段、56…制御手段

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10