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  • 特開-支持具及び電流計測センサ 図1
  • 特開-支持具及び電流計測センサ 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022119365
(43)【公開日】2022-08-17
(54)【発明の名称】支持具及び電流計測センサ
(51)【国際特許分類】
   H02G 15/064 20060101AFI20220809BHJP
   G01R 15/18 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
H02G15/064
G01R15/18 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021016437
(22)【出願日】2021-02-04
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】松山 真稔
(72)【発明者】
【氏名】橋本 和文
【テーマコード(参考)】
2G025
5G375
【Fターム(参考)】
2G025AA04
2G025AB14
5G375AA02
5G375CB31
5G375CB58
5G375DA32
5G375DB04
(57)【要約】
【課題】電流計測用のコイルを終端接続部の絶縁筒の周囲に安定して支持できるようにする。
【解決手段】支持具100が、周方向に沿ってリング状に形成されているとともに、外周から内周まで至る切欠き101aを有し、前記外周と前記内周との間において周方向に延びるスリット101bを有するフレキシブルなリング101と、前記スリット101bよりも前記リング101の外周側において、前記周方向に配列される複数のフック102と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周方向に沿ってリング状に形成されているとともに、外周から内周まで至る切欠きを有し、前記外周と前記内周との間において前記周方向に延びるスリットを有するフレキシブルなリングと、
前記スリットよりも前記リングの外周側において、前記周方向に配列される複数のフックと、を備える支持具。
【請求項2】
前記リングは、電気機器に対して電力ケーブルを接続するための終端接続部を構成する筒状のアダプターを取り囲むとともに、前記アダプターの外周の下端に設けられたフランジ上に載置され、
前記スリットには、前記周方向に配列された複数のボルト頭部が挿入され、
前記フックは、前記フランジの外周から垂下するとともに、前記アダプターの下に連結された絶縁筒の周囲に位置し、
前記フックには、前記絶縁筒の周囲に巻かれたロゴスキーコイルが掛けられている
請求項1に記載の支持具。
【請求項3】
電気機器に対して電力ケーブルを接続するための終端接続部を構成する筒状のアダプター及びその下に連結された絶縁筒の内側において上下に延びるとともに、前記アダプター及び前記絶縁筒の内側においてシールド層が剥ぎ取られた前記電力ケーブルの電流を計測する電流計測センサであって、
ロゴスキーコイルと、支持具とを備え、
前記支持具は、
周方向に沿ってリング状に形成されているとともに、外周から内周まで至る切欠きを有し、前記外周と前記内周との間において前記周方向に延びるスリットを有するフレキシブルなリングと、
前記スリットよりも前記リングの外周側において、前記周方向に配列される複数のフックと、を有し、
前記リングは、前記アダプターを取り囲むとともに、前記アダプターの外周の下端に設けられたフランジ上に載置され、
前記スリットには、前記フランジ上において前記周方向に配列された複数のボルト頭部が挿入され、
前記フックは、前記フランジの外周から垂下するとともに、前記絶縁筒の周囲に位置し、
前記フックには、前記絶縁筒の周囲に巻かれた前記ロゴスキーコイルが掛けられている
電流計測センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持具及び電流計測センサに関する。
【背景技術】
【0002】
電力系統内に設置されるガス絶縁開閉装置等の電気機器には、終端接続部を介して電力ケーブルが接続されている(例えば、特許文献1参照)。電力ケーブルは、導体芯の外周に順に内部半導体層、絶縁体層、外部半導体層、シールド層及びシースを被覆したものである。終端接続部は、軸方向に連結されるとともに電力ケーブルの端部が挿入される筒状のブッシング、アダプター、絶縁筒及び保護金属管と、電力ケーブルの末端で露出した導体芯に接続される導体引出棒と、ブッシング内において電力ケーブルに外装されるストレスリリーフコーンと、を備える。
【0003】
電気機器の遮断操作或いは充電操作に伴って、サージが電気機器に発生する。また、雷或いは地絡等の影響によっても、サージが発生する。サージは絶縁破壊の要因となり、設備の寿命に影響を及ぼす。そこで、サージの発生を検出するべく、電力ケーブルの導体芯に流れる電流を観測することが行われている(例えば、特許文献2参照)。電流の計測には、ロゴスキーコイルが用いられる。しかし、ロゴスキーコイルを電力ケーブルの周囲に巻いただけでは、電力ケーブルの導体芯に流れる電流、特にサージによる過大電流を正確に計測することができない。これは、導体芯に流れる電流のサージ成分がシールド層に抜け出てしまうため、導体芯を流れる電流のサージ成分による磁場をロゴスキーコイルによって捕捉することが難しいためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-231654号公報
【特許文献2】特開2007-020301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように終端接続部の内部では、電力ケーブルの端部が段剥ぎ処理されており、シールド層も剥ぎ取られている。そこで、終端接続部の絶縁筒の周囲にロゴスキーコイルを巻けば、ロゴスキーコイルを用いて電力ケーブルの導体芯を流れる電流を計測することができる。しかしながら、ロゴスキーコイルの固定に問題がある。つまり、終端接続部の絶縁筒の外周面には突起物等が設けられていないため、その絶縁筒の周囲に巻いたロゴスキーコイルを安定して支持することができない。
【0006】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、電流計測用のコイルを終端接続部の絶縁筒の周囲に安定して支持できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するために、支持具が、周方向に沿ってリング状に形成されているとともに、外周から内周まで至る切欠きを有し、前記外周と前記内周との間において前記周方向に延びるスリットを有するフレキシブルなリングと、前記スリットよりも前記リングの外周側において、前記周方向に配列される複数のフックと、を備える。
【0008】
好ましくは、前記リングは、電気機器に対して電力ケーブルを接続するための終端接続部を構成する筒状のアダプターを取り囲むとともに、前記アダプターの外周の下端に設けられたフランジ上に載置され、前記スリットには、前記フランジ上において前記周方向に配列された複数のボルト頭部が挿入され、前記フックは、前記フランジの外周から垂下するとともに、前記アダプターの下に連結された絶縁筒の周囲に位置し、前記フックには、前記絶縁筒の周囲に巻かれたロゴスキーコイルが掛けられている。
【0009】
以上の課題を解決するために、電気機器に対して電力ケーブルを接続するための終端接続部を構成する筒状のアダプター及びその下に連結された絶縁筒の内側において上下に延びるとともに、前記アダプター及び前記絶縁筒の内側においてシールド層が剥ぎ取られた前記電力ケーブルの電流を計測する電流計測センサであって、ロゴスキーコイルと、支持具とを備え、前記支持具は、周方向に沿ってリング状に形成されているとともに、外周から内周まで至る切欠きを有し、前記外周と前記内周との間において前記周方向に延びるスリットを有するフレキシブルなリングと、前記スリットよりも前記リングの外周側において、前記周方向に配列される複数のフックと、を有し、前記リングは、前記アダプターを取り囲むとともに、前記アダプターの外周の下端に設けられたフランジ上に載置され、前記スリットには、前記フランジ上において前記周方向に配列された複数のボルト頭部が挿入され、前記フックは、前記フランジの外周から垂下するとともに、前記絶縁筒の周囲に位置し、前記フックには、前記絶縁筒の周囲に巻かれた前記ロゴスキーコイルが掛けられている。
【0010】
以上によれば、切欠きがリングの外周から内周に至るので、アダプターをリングによって取り囲むことができる。リングがフランジ上に載置されると、ボルト頭部がスリットに挿入されるため、フランジ上へのリングの据わりが良い。このようなリングに複数のフックが周方向に設けられ、絶縁筒の周囲に巻かれたコイルがこれらフックに掛けられているため、コイルを絶縁筒の周囲に安定して支持することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、コイルを絶縁筒の周囲に安定して支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】支持具及びロゴスキーコイルの斜視図である。
図2】支持具及びロゴスキーコイルの使用態様を示す斜視図である。
図3】終端接続部の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているところ、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0014】
[支持具及びロゴスキーコイルの使用態様の概要]
図1は、支持具100及びロゴスキーコイル120の斜視図である。図2は、支持具100及びロゴスキーコイル120の使用態様を示す斜視図である。図2に示すように、支持具100を電力ケーブル10の終端接続部1に装着して、支持具100を用いてロゴスキーコイル120を電力ケーブル10の終端接続部1の周囲に支持する。そして、ロゴスキーコイル120を用いて終端接続部1内の電力ケーブル10の電流を計測する。まず、図3を参照して、終端接続部1及び電力ケーブル10について説明する。なお、以下の説明において上から下に向かう向きが重力の働く向きである。
【0015】
[終端接続部及び電力ケーブル]
図3は、電力ケーブル10の終端接続部1の部分断面図である。
終端接続部1は、ガス絶縁開閉装置(GIS:Gas Insulated Switchgear)等の電力機器に電力ケーブル10の端部11を接続するものである。電力ケーブル10の端部11とは、後述のように段剥ぎ処理された部分をいう。
電力機器は上側のケースと下側の点検室3を有する。ケースの内部空間は、ケースの底板2によって点検室3から仕切られている。ケースの内部空間には、電気絶縁性に優れた六フッ化硫黄ガスが充填されている。
終端接続部1は底板2に形成された連通孔2aに通されており、終端接続部1の上部はケース内に位置し、終端接続部1の下部は点検室3内に位置するよう終端接続部1が電力機器に設置されている。なお、底板2は、接地されている。
【0016】
電力ケーブル10はCVケーブルである。電力ケーブル10は、導体芯12と、導体芯12の外周に順に被覆された内部半導体層(図示略)、絶縁体層13、外部半導体層14、シールド層15及びシース16と、を有する。ここで、上述の通り、電力ケーブル10の端部11は段剥ぎ処理されている。具体的に、電力ケーブル10の末端へ向かって順にシース16、シールド層15、外部半導体層14、絶縁体層13及び導体芯12が露出するように、シース16、シールド層15、外部半導体層14、絶縁体層13及び内部半導体層が剥ぎ取られている。図3に示す電力ケーブル10は1本の導体芯12を有するものであるが、これに代えて、複数の導体芯を有する複芯の電力ケーブルを採用してもよい。
【0017】
終端接続部1は、導体引出棒20と、ブッシング30と、ストレスリリーフコーン40と、押付装置50と、アダプター60と、絶縁筒70と、保護金属管80と、を有する。
【0018】
ブッシング30、アダプター60、絶縁筒70及び保護金属管80は、上下方向を軸方向としてその軸の周りの筒状体である。ブッシング30、アダプター60、絶縁筒70及び保護金属管80の上端及び下端は開口している。ブッシング30及び絶縁筒70は電気絶縁性を有し、アダプター60及び保護金属管80は導電性を有する。ブッシング30、アダプター60、絶縁筒70及び保護金属管80は、軸方向において、これらの順に上から連結されている。ブッシング30、アダプター60、絶縁筒70及び保護金属管80の軸の周りの方向を周方向という。
【0019】
ブッシング30の外周の下端にはフランジ31が設けられている。また、アダプター60の外周の上端にもフランジ61が設けられている。これらフランジ31,61が互いにボルト等により固定される。これにより、ブッシング30の下端がアダプター60の上端に連結される。アダプター60のフランジ61は底板2の連通孔2aの周囲において底板2上に固定され、アダプター60は連通孔2aを通じて底板2の下方に突出している。なお、アダプター60は、底板2を介して接地されている。
【0020】
アダプター60の外周の下端には、フランジ62が設けられている。フランジ62は周方向に配列された通し穴を有する。ボルト63は、フランジ62の通し穴を通って絶縁筒70に螺旋付けられている。すなわち、フランジ62は、ボルト63によって絶縁筒70の上端に締結されている。ボルト63の頭部は、フランジ62上において周方向に間隔を置いて配列されている。
【0021】
絶縁筒70の下端は、周方向に配列されたボルト(図示略)によって、保護金属管80の上端に設けられたフランジ81に締結されている。保護金属管80は接地されている。
【0022】
電力ケーブル10の端部11は、保護金属管80の下側から保護金属管80、絶縁筒70、アダプター60及びブッシング30に挿入されている。保護金属管80の下端の開口近傍では、保護テープ82が保護金属管80及び電力ケーブル10に巻き付けられている。保護テープ82により、保護金属管80の下端の開口が封止されている。電力ケーブル10のシールド層15は、絶縁筒70内及びその上側では剥ぎ取られており、シールド層15よりも内側の部分が露出している。よって、図2に示すように絶縁筒70の周囲に巻かれたロゴスキーコイル120を用いて電力ケーブル10の電流を計測することができる。なお、シールド層15は保護金属管80を介して接地されている。
【0023】
図1に示すように、導体引出棒20はブッシング30の内側からブッシング30の上端の開口を通って上方へ突出し、留め具21によってブッシング30の上端に固定されている。ブッシング30内において導体引出棒20は、電力ケーブル10の露出した導体芯12に連結されている。
【0024】
ストレスリリーフコーン40は、ブッシング30に嵌め込まれているとともに、電力ケーブル10の露出した絶縁体層13に外装されている。ストレスリリーフコーン40は、ブッシング30、アダプター60、絶縁筒70及び保護金属管80の内側に設けられた押付装置50によって上方へ押されて、ブッシング30の内周のコーン面に押し付けられている。
【0025】
[支持具]
図1及び図2を参照して、支持具100について説明する。
支持具100はリング101及び複数のフック102を備える。
【0026】
リング101は、周方向に沿って延びるフレキシブルなリング状部材であって、より具体的には軸方向に薄い厚みを有したシート材又は薄板材である。リング101は例えばゴム弾性体からなる。リング101は、リング101の外周からリング101の内周まで至る切欠き101aを有することによって、C字型に成している。リング101がフレキシブルであるため、切欠き101aを周方向及び軸方向に拡げることができる。そのため、図3に示す終端接続部1のアダプター60を切欠き101aに通すことができるとともに、図1に示すようにアダプター60をリング101によって囲うようにリング101を設置することができる。
【0027】
リング101の外周と内周との間には、周方向に延びるC字型のスリット101bがリング101の厚み方向に貫通するよう形成されている。図2に示すようにリング101がフランジ62上に敷かれると、ボルト63の頭部がスリット101bに挿入される。そのため、フランジ62上へのリング101の据わりが良い。また、何れかのボルト63の頭部がスリット101bの周方向の端に当接することによって、リング101が不意に周方向に大きく動くことがない。
【0028】
複数のフック102は、スリット101bよりもリング101の外周側においてリング101に設けられている。具体的には、これらフック102は、周方向に間隔を置いてリング101の外周に設けられている。これらフック102とリング101は、一体形成されている。フック102がリング101の外周から軸方向に延びて、フック102の先端部がリング101の径方向外方へ曲げられて、リング101の方へ折り返されている。
【0029】
図2に示すようにリング101がフランジ62上においてアダプター60に取り囲むと、フック102がフランジ62の外周から垂下して、フック102の折り返し部が絶縁筒70の周囲に位置する。なお、フック102は、絶縁筒70の外周面に接してもよい。
【0030】
[ロゴスキーコイル]
ロゴスキーコイル120は、空芯の巻き線(図示略)及び戻り線(図示略)がシース121に収容されたものである。ロゴスキーコイル120の両端部が連結具122によって連結され、ロゴスキーコイル120が輪状に形作られる。ロゴスキーコイル120の一方の端部は連結具122から取り外すことができる。
【0031】
このロゴスキーコイル120は、絶縁筒70の周囲に巻かれて、フック102に掛けられている。ロゴスキーコイル120は、電力ケーブル10の電流のレベルに対応したレベルの誘導起電力を発生させる。ロゴスキーコイル120は出力ケーブル123を介して積分器に接続されており、ロゴスキーコイル120の誘導起電力のレベルを表す電圧信号が積分器によって積分される。積分器の出力信号のレベルが電力ケーブル10の電流のレベルに比例する。積分器の出力信号が表示器若しくは記録装置又はこれらの両方に入力される。表示器は、積分器の出力信号に基づく計測電流の値を表示する。記録装置は、積分器の出力信号に基づく計測電流の値を記録する。
【0032】
ここで、ロゴスキーコイル120と支持具100の組み物、つまり、輪状のロゴスキーコイル120が支持具100のフック102に掛けられたものを電流計測センサという。
【0033】
[支持具及びロゴスキーコイルを用いた電流計測方法]
リング101を変形させて、リング101の切欠き101aを拡げる。その切欠き101aにアダプター60を通して、アダプター60をリング101によって取り囲む。そして、フック102をフランジ62の外周の外側に位置させながら、リング101をフランジ62上に載置して、フック102をフランジ62から垂下させる。そうすると、これらフック102によって絶縁筒70が取り囲まれる。リング101をフランジ62上に載置する際には、ボルト63の頭部をスリット101bに挿入する。
【0034】
ロゴスキーコイル120の一方の端部を連結具122から取り外す。そのロゴスキーコイル120を絶縁筒70に一周巻き付けて、ロゴスキーコイル120の一方の端部を連結具122に連結する。輪状になったロゴスキーコイル120をフック102に掛ける。また、ロゴスキーコイル120の形を整えて、ロゴスキーコイル120の形状を円形にする。
【0035】
以上のように支持具100によってロゴスキーコイル120を絶縁筒70の周囲に支持したら、ロゴスキーコイル120を用いて電力ケーブル10の電流を計測する。電流の計測が終了したら、ロゴスキーコイル120の一方の端部を連結具122から取り外すとともに、ロゴスキーコイル120をフック102から取り外す。次に、リング101をフランジ62から持ち上げて、リング101の切欠き101aにアダプター60を通して、リング101をアダプター60の周りから取り外す。
【0036】
[有利な効果]
(1) 支持具100は、終端接続部1の外形を利用して、終端接続部1に装着される。つまり、リング101が筒状のアダプター60の周囲に巻かれているとともにフランジ62上に載置され、ボルト63の頭部がリング101のスリット101bに挿入されている。よって、終端接続部1の外面を加工することなく、支持具100を用いてロゴスキーコイル120を絶縁筒70の周囲に支持することができる。
【0037】
(2) 複数のフック102がフランジ62から垂下して、フック102の先端の折り返し部が絶縁筒70の周囲に位置し、絶縁筒70の周囲に巻かれたロゴスキーコイル120がこれらフック102に掛けられている。よって、ロゴスキーコイル120を粘着テープ等によって絶縁筒70の外周面に貼り付けなくても、ロゴスキーコイル120を絶縁筒70の周囲に安定して支持することができる。
【0038】
(3) リング101がアダプター60の周囲を取り囲んでいるため、リング101、アダプター60及び電力ケーブル10を同心状に配置することができる。このようなリング101に複数のフック102が周方向に設けられ、これらフック102にロゴスキーコイル120が掛けられている。そのため、フック102の列、ロゴスキーコイル120及び電力ケーブル10を同心状に配置することができる。そうすると、ロゴスキーコイル120から電力ケーブル10の中心までの距離を一様にすることができ、もって導体芯12の電流を安定して正確に測定することができる。
【0039】
(4) リング101にスリット101bが形成され、ボルト63の頭部がスリット101bに挿入される。そのため、リング101がフランジ62上に安定して載置され、ロゴスキーコイル120の重みによるリング101の型崩れ及び位置ずれを抑えられる。よって、ロゴスキーコイル120を絶縁筒70の周囲に安定して支持することができる。
【0040】
(5) スリット101bが周方向に延びて、C字状に成している。そのため、ボルト63の数に関わらず、これらボルト63の頭部をスリット101bに挿入することができる。
【0041】
(6) リング101が切欠き101aを有して、C字状に成している。そのため、終端接続部1を分解せずともリング101をアダプター60の周囲に装着したり、リング101をアダプター60の周囲から取り外したりすることができる。よって、支持具100を別の終端接続部にも用いることができる。
【0042】
(7) リング101がフレキシブルなため、リング101を折り畳める。よって、支持具100をコンパクトにして収納することができる。
【0043】
(8) リング101とフック102が一体形成されているため、支持具100を取り扱いやすい。
【符号の説明】
【0044】
1…終端接続部
60…アダプター
61…フランジ
63…ボルト
70…絶縁筒
100…支持具
101…リング
101a…切欠き
101b…スリット
102…フック
120…ロゴスキーコイル
図1
図2
図3