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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022119367
(43)【公開日】2022-08-17
(54)【発明の名称】データ処理装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 13/00 20060101AFI20220809BHJP
【FI】
H04L13/00 305A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021016439
(22)【出願日】2021-02-04
(71)【出願人】
【識別番号】000232483
【氏名又は名称】日本電波工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】竹岸 滋
【テーマコード(参考)】
5K034
【Fターム(参考)】
5K034AA06
5K034HH14
5K034HH61
5K034HH63
5K034MM32
(57)【要約】
【課題】外部装置がデータ長を誤認識することを抑制する。
【解決手段】外部装置から受信した受信パケットデータに含まれる内容データを抽出し、抽出した内容データを変換装置へ送信する通信制御部181と、内容データが変換装置により変換された後の変換後データを取得する取得部182と、取得部182が取得した変換後データのデータ長を計数する計数部183と、変換後データを含む返送パケットデータであって、返送パケットデータのデータ長を示すデータ長情報を含む返送パケットデータを生成する生成部184と、生成部184が生成した返送パケットデータを外部装置に出力する出力部185と、を備える。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置から受信した受信パケットデータに含まれる内容データを抽出し、抽出した当該内容データを変換装置へ送信する通信制御部と、
前記内容データが前記変換装置により変換された後の変換後データを取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記変換後データのデータ長を計数する計数部と、
前記変換後データを含む返送パケットデータであって、当該返送パケットデータのデータ長を示すデータ長情報を含む返送パケットデータを生成する生成部と、
前記生成部が生成した前記返送パケットデータを前記外部装置に出力する出力部と、
を備える、データ処理装置。
【請求項2】
前記計数部は、前記取得部が前記変換装置から1バイトごとに取得した前記変換後データのデータ長を計数する、
請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記変換装置が前記内容データを暗号化することにより変換した後の前記変換後データを取得する、
請求項1又は2に記載のデータ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パケットデータを送受信するデータ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、データ長を示すデータ長識別子を含むデータを伝送装置からクライアント装置に転送する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-144778号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
外部装置から受信したデータを変換装置に転送することによりデータを変換し、変換後のデータを外部装置に転送するデータ処理装置においても、データ長を示すヘッダが設けられている。
【0005】
ところが、変換装置においてデータを変換する際にデータ長が変化した場合に、外部装置から受信したデータに含まれているヘッダをそのまま用いてしまうと、外部装置が、データ長を誤認識してしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、外部装置がデータ長を誤認識することを抑制することができるデータ処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様のデータ処理装置は、外部装置から受信した受信パケットデータに含まれる内容データを抽出し、抽出した当該内容データを変換装置へ送信する通信制御部と、前記内容データが前記変換装置により変換された後の変換後データを取得する取得部と、前記取得部が取得した前記変換後データのデータ長を計数する計数部と、前記変換後データを含む返送パケットデータであって、当該返送パケットデータのデータ長を示すデータ長情報を含む返送パケットデータを生成する生成部と、前記生成部が生成した前記返送パケットデータを前記外部装置に出力する出力部と、を備える。
【0008】
前記計数部は、前記取得部が前記変換装置から1バイトごとに取得した前記変換後データのデータ長を計数してもよい。前記取得部は、前記変換装置が前記内容データを暗号化することにより変換した後の前記変換後データを取得してもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、外部装置が、データ長を誤認識することを抑制するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態のデータ変換システムの概要を示す図である。
図2】データ処理装置の構成を示す図である。
図3】通信制御部によるデータの送受信の様子を示す。
図4】データ変換システムによるデータ変換の処理手順を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1の実施形態>
[データ変換システムの概要]
図1は、本実施形態のデータ変換システムSの概要を示す図である。データ変換システムSは、データ処理装置100、外部装置200及び変換装置300を備える。データ処理装置100は、例えば、コンピュータである。データ処理装置100は、外部装置200及び変換装置300に接続されている。データ処理装置100は、外部装置200と変換装置300との間のデータの送受信を中継する。
【0012】
外部装置200及び変換装置300は、例えば、コンピュータである。変換装置300は、外部装置200からデータ処理装置100を経由して受信したデータを所定の方法により変換する。例えば、変換装置300は、受信したデータを暗号化する。
【0013】
データ処理装置100は、外部装置200から受信パケットデータを受信する(図1中の(1))。データ処理装置100は、受信した受信パケットデータに含まれる内容データを抽出する。データ処理装置100は、抽出した内容データを変換装置300へ送信する(図1中の(2))。変換装置300は、受信した内容データを変換することにより、変換後データを生成する。データ処理装置100は、変換装置300から変換後データを取得する(図1中の(3))。データ処理装置100は、取得した変換後データのデータ長を計数する。データ処理装置100は、変換後データを含む返送パケットデータを生成する。データ処理装置100は、計数した変換後データのデータ長に基づいて、返送パケットデータのデータ長を算出する。
【0014】
データ処理装置100は、返送パケットデータのデータ長を示すデータ長情報を返送パケットデータのヘッダに含める。データ処理装置100は、生成した返送パケットデータを外部装置200へ出力する(図1中の(4))。このようにして、データ処理装置100は、返送パケットデータのデータ長が元の受信パケットデータのデータ長と異なる場合に、元の受信パケットデータのデータ長を返送パケットデータのデータ長として外部装置200が誤認識することを抑制することができる。
【0015】
[変換装置の構成]
図2は、データ処理装置100の構成を示す図である。データ処理装置100は、通信部11、ネットワークアダプタ12、信号変換回路13、信号変換回路14、コネクタ15、コネクタ16、記憶部17及び制御部18を備える。
【0016】
通信部11は、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して、外部装置200と通信する通信インターフェースである。通信部11は、複数の外部装置200と通信してもよい。図2の例では、通信部11は、ネットワークアダプタ12を介して、外部装置200と通信する。ネットワークアダプタ12は、例えば、LANアダプタである。
【0017】
信号変換回路13は、シングルエンド信号を差動信号に変換する。シングルエンド信号は、信号の電圧レベルでハイレベルとローレベルとが定まる信号である。差動信号は、二つの信号の電位差でハイレベルとローレベルとが定まる信号である。信号変換回路13は、制御部18が送信バッファ(不図示)に入力したデータをFIFO(First In, First Out)方式で取り出し、取り出したデータに対応するシングルエンド信号を差動信号に変換する。信号変換回路13は、コネクタ15を介して、変換した差動信号を変換装置300へ送信する。
【0018】
信号変換回路14は、変換装置300からコネクタ16を介して差動信号を受信する。例えば、信号変換回路14は、変換装置300から差動信号を1バイトごとに受信する。信号変換回路14は、差動信号を1バイト受信するごとに制御部18に割り込み信号を入力する。信号変換回路14は、受信した差動信号をシングルエンド信号に変換する。信号変換回路14は、変換したシングルエンド信号が示すデータを受信バッファ(不図示)に入力する。コネクタ15及びコネクタ16には、信号ケーブルが接続される。例えば、コネクタ15及びコネクタ16には、差動信号方式の信号ケーブルが接続される。
【0019】
記憶部17は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。記憶部17は、制御部18が実行するプログラムを記憶している。制御部18は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。また、制御部18は、FPGA(field-programmable gate array)であってもよい。制御部18は、記憶部17に記憶されたプログラムを実行することにより、通信制御部181、取得部182、計数部183、生成部184及び出力部185として機能する。
【0020】
通信制御部181は、通信部11及びネットワークアダプタ12を介して、外部装置200と通信する。通信制御部181は、信号変換回路13及びコネクタ15を介して、変換装置300と通信する。
【0021】
通信制御部181は、外部装置200から受信パケットデータを受信する。受信パケットデータは、例えば、TCP/IP通信のためのIPパケットデータである。通信制御部181は、受信した受信パケットデータに含まれる内容データを抽出する。通信制御部181は、抽出した内容データを変換装置300へ送信する。図2の例では、通信制御部181は、変換装置300へ送信するデータを格納する送信バッファに内容データを入力することにより、内容データを変換装置300へ送信する。
【0022】
図3(a)及び図3(b)は、データ処理装置100によるデータの送受信の様子を示す。図3(a)は、受信パケットデータに含まれる内容データを通信制御部181が変換装置300へ送信する様子を示す。図3(b)は、生成部184が返送パケットデータを生成する様子を示す。
【0023】
図3(a)の左側は、通信制御部181が外部装置200から受信した受信パケットデータを示す。受信パケットデータは、ヘッダ部、データ部及び終了部を含む。ヘッダ部は、例えば、受信パケットデータのデータ長を示すデータ長情報を含む。終了部は、データ部の終了位置を示す終了コードを含む。通信制御部181は、図3(a)の中央に示すように、受信パケットデータのデータ部に含まれる内容データを抽出する。通信制御部181は、抽出した内容データを変換装置300へ送信する。通信制御部181が変換装置300へ送信した内容データは、変換装置300により変換される(図3(a)の右側)。
【0024】
取得部182は、内容データが変換装置300により変換された後の変換後データを取得する。取得部182は、変換後データを1バイトごとに取得する。本明細書の例では、取得部182は、変換装置300が内容データを暗号化することにより変換した後の変換後データを取得する。取得部182は、信号変換回路14が受信バッファに入力した変換後データを取得するものとする。取得部182は、取得した変換後データを計数部183及び生成部184へ出力する。
【0025】
計数部183は、取得部182が取得した変換後データのデータ長を計数する。より詳しくは、計数部183は、取得部182が1バイトごとに取得した変換後データのデータ長を計数する。より詳しくは、計数部183は、受信バッファに格納されている変換後データのバイト数を計数することにより、変換後データのデータ長を計数する。また、信号変換回路14において差動信号からシングルエンド信号に変換された変換後データを取得部182が1バイト取得する度に、信号変換回路14から計数部183に割り込み信号が入力されてもよい。計数部183は、割り込み信号の入力回数を計数することにより、変換後データのデータ長を計数してもよい。計数部183は、計数した変換後データのデータ長を生成部184に通知する。
【0026】
[返送パケットデータの生成]
生成部184は、変換後データを含む返送パケットデータを生成する。返送パケットデータは、例えば、TCP/IP通信のためのIPパケットデータである。生成部184は、返送パケットデータのデータ長を示すデータ長情報を返送パケットデータに含める。
【0027】
図3(b)の左側には、生成部184が生成する返送パケットデータの例を示す。返送パケットデータは、ヘッダ部、データ部及び終了部を含む。生成部184は、計数部183が計数した変換後データのデータ長に基づいて、返送パケットデータのデータ長を算出する。生成部184は、取得部182が取得した受信パケットデータのヘッダ部を複製することにより、返送パケットデータのヘッダ部を生成する。生成部184は、受信パケットデータのデータ長を示す元のデータ長情報を返送パケットデータから削除し、算出した返送パケットデータのデータ長を示す新たなデータ長情報をヘッダ部に含める。
【0028】
生成部184は、取得部182が取得した変換後データ(図3(b)の中央)を返送パケットデータのデータ部に格納する。生成部184は、受信パケットデータの終了部を複製することにより、返送パケットデータの終了部を生成する。
【0029】
出力部185は、通信部11及びネットワークアダプタ12を介して、外部装置200と通信する。出力部185は、生成部が生成した返送パケットデータを外部装置200へ出力する。
【0030】
[データ変換システムによるデータ変換の処理手順]
図4は、データ変換システムSによるデータ変換の処理手順を示すシーケンス図である。図4の処理手順は、例えば、外部装置200がデータ処理装置100へパケットデータを送信することを指示する管理者の操作を受け付けたときに開始する。
【0031】
まず、データ処理装置100の通信制御部181は、受信パケットデータを外部装置200から受信する。通信制御部181は、受信した受信パケットデータのデータ部から内容データを抽出する。通信制御部181は、抽出した内容データを変換装置300へ送信する。変換装置300は、受信した内容データを変換することにより、変換後データを生成する(S11)。データ処理装置100の取得部182は、変換装置300から変換後データを取得する。計数部183は、取得部182が取得した変換後データのデータ長を計数する(S12)。
【0032】
生成部184は、変換後データを含む返送パケットデータを生成する(S13)。生成部184は、返送パケットデータのデータ長を示すデータ長情報を返送パケットデータに含める。出力部185は、生成部184が生成した返送パケットデータを外部装置200へ出力する。
【0033】
[第1の実施形態のデータ処理装置による効果]
生成部184は、返送パケットデータのデータ長を示すデータ長情報を返送パケットデータに含める。このようにして、生成部184は、変換装置300が内容データを変換する際にデータ長が変化した場合に、受信パケットデータのデータ長が返送パケットデータのデータ長であると外部装置200が誤認識することを抑制することができる。
【0034】
第1の実施形態によるデータ処理装置100が返送パケットデータのデータ長情報を正しく作成するか否かを管理者がテストする場合、受信パケットデータのデータ長の減少量が最大値となるケースと、受信パケットデータのデータ長の増加量が最大値となるケースと、受信パケットデータのデータ長の増加量又は減少量が最大値より小さな値となるケースとの3つのケースをテストすればよい。このため、データ処理装置100は、データ処理装置100をテストする管理者の作業負荷を比較的小さくすることができる。
【0035】
<第2の実施形態>
第1の実施形態では、データ処理装置100の計数部183が、変換後データのデータ長を計数する場合の例について説明した。これに対し、第2の実施形態では、外部装置200が変換後データのデータ長を変換前に推定する場合の例について説明する。
【0036】
変換装置300によるデータ変換の際のデータ長の増加量又は減少量は、受信パケットデータのデータ部に含まれる各種コマンドの種類や数によって定まる。外部装置200の記憶部(不図示)には、受信パケットデータの内容データとして含まれる可能性がある複数のコマンドの組み合わせと、これらの組み合わせを含む内容データのそれぞれを変換装置300によりデータ変換した際に内容データのデータ長が変化する増加量又は減少量とを関連付けた増減テーブルが記憶されている。
【0037】
外部装置200は、データ処理装置100へ送信する前の受信パケットデータの内容データに含まれるコマンドを全て特定する。外部装置200は、記憶部に記憶されている増減テーブルを参照して、特定したコマンドの組み合わせと一致するコマンドの組み合わせに増減テーブルにおいて関連付けられたデータ長の増加量又は減少量を特定する。
【0038】
外部装置200は、特定したデータ長の増加量又は減少量を示す変換後データ長情報を生成する。外部装置200は、受信パケットデータのデータ長を示す変換前データ長情報と、生成した変換後データ長情報とを受信パケットデータのヘッダ部に含める。
【0039】
変換装置300がこの受信パケットデータの内容データを変換した後、データ処理装置100の生成部184は、変換前データ長情報及び変換後データ長情報を含むヘッダ部を複製することにより、返送パケットデータのヘッダ部を生成する。このようにして、外部装置200は、返送パケットデータのヘッダ部に含まれる変換前データ長情報及び変換後データ長情報の両方を参照することにより、返送パケットデータのデータ長を把握することができる。
【0040】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0041】
11 通信部
12 ネットワークアダプタ
13 信号変換回路
14 信号変換回路
15 コネクタ
16 コネクタ
17 記憶部
18 制御部
100 データ処理装置
181 通信制御部
182 取得部
183 計数部
184 生成部
185 出力部
200 外部装置
300 変換装置
図1
図2
図3
図4