(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022119561
(43)【公開日】2022-08-17
(54)【発明の名称】照明器具、及びバッグ
(51)【国際特許分類】
A45C 15/06 20060101AFI20220809BHJP
【FI】
A45C15/06
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021016784
(22)【出願日】2021-02-04
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】521054463
【氏名又は名称】井本 尚子
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】特許業務法人湘洋内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井本 尚子
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045CE07
3B045EA02
3B045EA06
3B045GA01
3B045GB01
3B045GC01
3B045GD01
3B045LA10
3B045LB04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】対象物に着脱可能な照明器具及びこのような照明器具を装着できるバッグを提供する。
【解決手段】対象物に着脱可能な照明器具1であって、ライト11部と、ライト部11に給電する本体部12と、を備える。本体部12は、本体部12をバッグ対象物に着脱可能に取り付けるための挟持部121を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物に着脱可能な照明器具であって、
ライト部と、
前記ライト部に給電する本体部と、を備え、
前記本体部は、該本体部を対象物に着脱可能に取り付けるための挟持部を有する
ことを特徴とする照明器具。
【請求項2】
請求項1に記載の照明器具であって、
前記本体部と無線通信するリモコンを備える
ことを特徴とする照明器具。
【請求項3】
請求項1または2に記載の照明器具であって、
前記本体部の挟持部は、前記本体部の筐体に着脱可能に設けられる
ことを特徴とする照明器具。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の照明器具であって、
前記本体部の挟持部は、外挟持部材の内側に内挟持部材が重なる重畳構造を有する重畳挟持部材で構成される
ことを特徴とする照明器具。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の照明器具であって、
対象物に前記ライト部を着脱可能に保持させるための保持部材を備える
ことを特徴とする照明器具。
【請求項6】
請求項5に記載の照明器具であって、
前記保持部材は、
前記ライト部を保持するための略筒状の保持部と、
対象物に着脱可能に取り付けるための挟持部と、を有する
ことを特徴とする照明器具。
【請求項7】
請求項6に記載の照明器具であって、
前記保持部と前記挟持部は、一体に形成される
ことを特徴とする照明器具。
【請求項8】
請求項6に記載の照明器具であって、
前記保持部と前記挟持部は、別体に形成され、着脱可能に一体化される
ことを特徴とする照明器具。
【請求項9】
請求項6~8のいずれか一項に記載の照明器具であって、
前記保持部材の挟持部は、外挟持部材の内側に内挟持部材が重なる重畳構造を有する重畳挟持部材で構成される
ことを特徴とする照明器具。
【請求項10】
請求項4または9に記載の照明器具であって、
前記重畳挟持部材は、前記外挟持部材及び前記内挟持部材の一方に設けられる係合突起と他方に設けられる係合溝を有する係合部を有し、
前記係合溝は、上下方向に延びる第1段部と、前記第1段部の一端と所定の角度で接続する第2段部とを有する
ことを特徴とする照明器具。
【請求項11】
請求項10に記載の照明器具であって、
前記係合溝は、前記第1段部の他端と所定の角度で接続する第3段部を有する
ことを特徴とする照明器具。
【請求項12】
照明器具を装着することができるバッグであって、
前記照明器具は、請求項1から11のいずれか一項に記載の照明器具である
ことを特徴とするバッグ。
【請求項13】
請求項12に記載のバッグであって、
前記バッグは、光を通す素材で形成されている
ことを特徴とするバッグ。
【請求項14】
請求項13に記載のバッグであって、
前記バッグは、光を通す度合いが異なる部分を有する
ことを特徴とするバッグ。
【請求項15】
請求項12~14のいずれか一項に記載のバッグであって、
前記バッグは、内側に前記ライト部を着脱可能に保持するための保持部材を有する
ことを特徴とするバッグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具、及びバッグに関する。
【背景技術】
【0002】
夜間や劇場等においてバッグの中から必要な物を取り出すための照明が欲しいことがある。一例として、バッグの内部に発光体を備え、開口時に点灯させる、内部照明装置付のバッグが提案されている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記バッグは、照明装置がバッグに一体に設けられている。そのため、複数のバッグを用途に応じて使い分ける場合等では、それぞれのバッグを照明装置が一体に設けられたものとする必要があり、コストが高くなる。また、照明装置の使う予定がない場合でも携帯しなければならず、その分だけバッグが重くなり、収容量が減ってしまう。
【0005】
上記バッグは、バッグの中を照らすようになっている。一方、深夜の赤ちゃんのお世話の場合等では、バッグの中から必要な物を取り出すだけでなく、授乳やおむつ替え、体温測定等の健康管理も行うので、周囲を照らす照明が更に必要となる。しかし、部屋の電気をつけてしまうと寝ている家族を起こしてしまい、赤ちゃんも覚醒してしまう。
【0006】
上記バッグは、開口時に点灯するもので、バッグが手元にある場合に好適である。一方、深夜の赤ちゃんのお世話の場合等では、バッグが少し離れた場所に置かれることがあり、バッグを手元に置くための照明が必要となる。
【0007】
本願発明は、上記課題の少なくとも一つを解決し、対象物に着脱可能な照明器具、及びこのような照明器具を装着できるバッグを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した少なくとも1つの課題を解決するために、本願発明の一態様に係る照明器具は、対象物に着脱可能な照明器具であって、ライト部と、前記ライト部に給電する本体部と、を備え、前記本体部は、該本体部を対象物に着脱可能に取り付けるための挟持部を有する。
【0009】
上記照明器具において、前記本体部と無線通信するリモコンを備えてもよい。
【0010】
上記照明器具において、前記本体部の挟持部は、前記本体部の筐体に着脱可能に設けられてもよい。
【0011】
上記照明器具において、前記本体部の挟持部は、外挟持部材の内側に内挟持部材が重なる重畳構造を有する重畳挟持部材で構成されてもよい。
【0012】
上記照明器具において、対象物に前記ライト部を着脱可能に保持させるための保持部材を備えてもよい。
【0013】
上記照明器具において、前記保持部材は、前記ライト部を保持するための略筒状の保持部と、対象物に着脱可能に取り付けるための挟持部と、を有してもよい。
【0014】
上記照明器具において、前記保持部と前記挟持部は、一体に形成されてもよい。
【0015】
上記照明器具において、前記保持部と前記挟持部は、別体に形成され、着脱可能に一体化されてもよい。
【0016】
上記照明器具において、前記保持部材の挟持部は、外挟持部材の内側に内挟持部材が重なる重畳構造を有する重畳挟持部材で構成されてもよい。
【0017】
上記照明器具において、前記重畳挟持部材は、前記外挟持部材及び前記内挟持部材の一方に設けられる係合突起と他方に設けられる係合溝を有する係合部を有し、前記係合溝は、上下方向に延びる第1段部と、前記第1段部の一端と所定の角度で接続する第2段部とを有してもよい。
【0018】
上記照明器具において、前記係合溝は、前記第1段部の他端と所定の角度で接続する第3段部を有してもよい。
【0019】
上述した少なくとも1つの課題を解決するために、本願発明の一態様に係るバッグは、照明器具を装着することができるバッグであって、前記照明器具は、上記いずれの照明器具である。
【0020】
上記バッグにおいて、前記バッグは、光を通す素材で形成されていてもよい。
【0021】
上記バッグにおいて、前記バッグは、光を通す度合いが異なる部分を有してもよい。
【0022】
上記バッグにおいて、前記バッグは、内側に前記ライト部を着脱可能に保持するための保持部材を有してもよい。
【発明の効果】
【0023】
本願発明によれば、対象物に着脱可能な照明器具、及びこのような照明器具を装着できるバッグを提供することができる。
【0024】
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本願発明に係る照明器具の実施形態の一例の構成を示す図である。
【
図2】
図1の照明器具の本体部の挟持部の他の例を示す図である。
【
図3】
図1の照明器具の保持部材の一例を示す図である。
【
図4】
図1の照明器具のライト部の他の例を示す図である。
【
図5】本願発明に係るバッグの実施形態の一例を示す図である。
【
図6】
図5のバッグの蓋部の内側の一例及び保持部材の他の例を示す図である。
【
図7】
図5のバッグの蓋部の内側の他の例を示す図である。
【
図12】重畳構造の挟持部材の一例を示す図である。
【
図13】重畳構造の挟持部材の係合部の一例を示す図である。
【
図14】重畳構造の挟持部材の係合部の他の例を示す図である。
【
図15】重畳構造の挟持部材の他の例を示す図である。
【
図16】重畳構造の挟持部材の係合部の他の例を示す図である。
【
図17】重畳構造の挟持部材の係合部の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に本願発明の実施形態の例を図面を用いて説明する。本願において、構成要素等の形状、位置関係等に言及する場合は、特に明示した場合及び原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。
【0027】
<照明器具>
図1~
図4は本願発明に係る照明器具の実施形態の一例を示す図で、
図1は照明器具の構成の一例、
図2は本体部の挟持部の他の例、
図3は保持部材の一例、
図4はライト部の他の例を示す図である。
【0028】
照明器具1は、対象物に着脱可能である。対象物は、一例として後述のバッグ2である。照明器具1は、バッグ以外のものに用いられてもよい。
【0029】
照明器具1は、ライト部11と、ライト部11と着脱可能に接続しライト部11に給電する本体部12とを備える。照明器具1は、さらに、リモコン13を備えてもよい。
【0030】
ライト部11は、チューブライト、ロープライト等と呼ばれるもので、ライト111と、接続端子112とを有する。一例として、ライト111は、透明または半透明の柔軟性を有するチューブ(ないし中空のロープ)の内部に、その延在方向に沿って、複数の光源(例えばLED素子)を配線とともに所定間隔で配設して構成される。光源のLED素子は、三原色LEDが用いられ、色を変えられるようになってもよい。言い換えれば、ライト111は、線状に構成され、可撓性を有し、所望の形状に折り曲げることができる。ライト111は、一例として、折り曲げ後の形状を保持可能に構成される。ライト111の断面形状は特に限定されず、円形や楕円形、多角形等であってもよいし、その他の形状であってもよい。
【0031】
ライト111は、一端の端部1111に電極端子が配設され、電力を受電するための接続端子112が着脱可能に接続される。接続端子112は、例えばUSB端子である。ライト111の他端1112は、自由端になっている。
【0032】
本体部12は、筐体120内に二次電池(例えば、リチウムイオン電池)等で構成される内部電源と、ライト111の接続端子112と電気的に接続可能なライト部端子を有する。本体部12は、外部電源と電気的に接続可能な充電端子と充電回路を有し、内部電源を充電可能になっている。本体部12は、筐体120の正面にライト部11を操作するための電源ボタン、明るさや色等の調整ボタンを有し、筐体120内にライト部11に対して動作制御及び電力制御を行うコントローラを有して、ライト部11のON/OFF制御、明るさや色の調整ができるようになっている。また、本体部12は、後述のリモコン13と無線通信(赤外線通信やBluetooth等)するための通信部を有する。
【0033】
本体部12は、該本体部12を対象物に着脱可能に取り付けるための挟持部121を有する。挟持部121は、一例として、筐体120の裏面に一体に設けられる。挟持部121は、弾性変形可能に形成され、対象物の一部を挟持できるようになっている。
【0034】
リモコン13は、本体部12と無線通信(赤外線通信やBluetooth等)するための通信部を有し、ライト部11のON/OFF、明/暗、色調整の操作ができるようになっている。リモコン13は、本体部12と同様に、筐体の裏面に挟持部131が一体に設けられ、対象物に着脱可能に取り付けられるようになってもよい。
【0035】
図2に示すように、一例として、本体部12は、挟持部121が筐体120に着脱可能に設けられる。より具体的には、筐体120及び挟持部121は、一方が磁石を有し、他方が磁性体を有して、磁力で吸引して当接するようになっている。筐体120において、磁石または磁性体(不図示)は裏面に設けられる。
【0036】
挟持部121は、一例として、ベース部1211と、ハンドル部1212と、接続部1213とを有する。ベース部1211は、直線状の板状部材で構成され、磁石または磁性体(不図示)を有する。磁石は、磁性体で構成されるベース部1211に内蔵されてもよいし、非磁性体で構成されるベース部1211の底面に露出するように設けられてもよい。ハンドル部1212は、屈曲形状の板状部材で構成され、先端部1212aを有する長板部が、この長板部と所定の角度を成す、基端部1212bを有する短板部より長く形成される。好ましくは、ハンドル部1212は、先端部1212aが波状の凹凸面を有し、他の部分よりも肉厚に形成される。
【0037】
接続部1213は、一例として、ベース部1211に突設されるベース側支持部1213aと、ハンドル部1212の屈曲部近辺に設けられるハンドル側支持部(不図示)と、これらに支持され、ハンドル部1212をベース部1211に回動可能に接続する軸部(不図示)とを有する。また、接続部1213は、ベース部1211の先端部1211aとハンドル部1212の先端部1212aとを接触するように付勢するばね(不図示)を有する。図示のように、このばね力に抗してハンドル部1212の基端部1212bをベース部1211の基端部1211bに接近させると、先端部1212aが先端部1211aを離れ、対象物の一部を挟めるようになる。
【0038】
なお、リモコン13も、同様に、挟持部131が筐体に着脱可能に設けられてもよい。
【0039】
図3に示すように、照明器具1は、一例として、対象物にライト部11を着脱可能に保持させるための保持部材3を1個以上備える。保持部材3は、対象物に取り付けるための取付部31と、ライト部11を保持するための保持部32とを有する。
【0040】
取付部31は、保持部材3の底面に設けられる。取付部31は、一例として、両面テープ等の貼付け部材により構成され、保持部材3は対象物に貼り付けて取り付けられる。取付部31は、一例として、磁石または磁性体を有して構成され、磁性体または磁石を有する対象物に吸着して取り付けられる。
【0041】
保持部32は、互いに対向する第1保持片321及び第2保持片322の2つの保持片と、両保持片の基端部を連結する連結部323とを有して、有底溝状に形成される。ライト部11は、保持部32の両保持片に挟まれて保持される。好ましくは、保持部材3は、弾性変形可能に形成され、第1保持片321及び第2保持片322が基端部間の間隔よりも先端部間の間隔が狭くなっている。
【0042】
図4に示すように、一例として、ライト部11は、自由端部1112が保持部32の長手方向に抜けるのを防止するための抜止部材113を有する。なお、抜止部材113は、後述の保持部材と合わせて用いることもできる。
【0043】
上記のように、照明器具1は、対象物に着脱可能に構成される。そのため、照明器具1は、所望のバッグに所望のときだけ装着して、簡便且つ効率的に使用できる。また、バッグ以外の物にも装着でき、多種の用途に使用できる。
【0044】
<バッグ>
図5~
図7は本願発明に係るバッグの実施形態の一例を示す図で、
図5(a)はバッグの蓋部を閉じた状態の一例、
図5(b)は蓋部を開いた状態の一例、
図6(a)は蓋部の内側の一例、
図6(b)は保持部材の一例、
図7は蓋部の内側の他の例を示す図である。
【0045】
バッグ2は、上記照明器具1を装着することができる。ここでは、バッグは、物を収容する入れ物を言い、バッグと言われるもの以外にも、ポーチと言われるものや収納ケースと言われるもの等も含む。
【0046】
バッグ2は、光を通す素材で形成される。このような素材は、材料自体が光を透過させるものであってもよいし、生地の織目等光を通過させる多数の開口を有するものであってもよいし、このような異なる素材を合わせた素材であってもよい。
【0047】
図5(a)に示すように、バッグ2は、光を通す素材で形成されるため、その内側に照明器具1を装着して点灯させると、バッグ2はランタンのように周囲を照らすことができる。これにより、深夜の赤ちゃんのお世話の場合等でも、部屋の電気をつけることなく、授乳やおむつ替え、体温測定等の健康管理等を行うことができる。
【0048】
バッグ2は、一例として、図示のように略直方体に形成され、上方に開口を有する胴部21と、その開口を閉じる蓋部22とを有する。一例として、バッグ2は、赤ちゃん用品を入れるもので、綿や麻等の織物の裏面にラミネート加工が施された素材が用いられ、防水性を有する。バッグ2は、例えば、Mサイズのおむつ5枚及びおしりふき1袋を収容できる程度の大きさのものである。
【0049】
図5(b)に示すように、一例として、照明器具1は、バッグ2の上部、ここでは蓋部22の内側に配置される。これにより、深夜等でもバッグの中を上方から照らして必要な物を探し出すことができる。
【0050】
バッグ2において、照明器具1は、好ましくは、蓋部22の内側にその内周に沿って配置される。これにより、バッグ2は中に物を収容した場合等でも全体的に光ることができる。バッグ2に用いられる照明器具1のライト部11の長さは、必要とする明るさ(光量)やバッグ2の素材、形状、大きさ等を考慮して設定される。
【0051】
バッグ2は、内側に、ここでは蓋部22の内側に、ライト部11を着脱可能に保持するための保持部材24を有する。保持部材24は、ライト部11の長さ等に応じて所定の数設けられる。一例として、ここでは、
図6(a)に示すように、保持部材24は蓋部22の内周に沿って辺毎に1つ設けられる。保持部材24に用いられる素材は、バッグ2の本体と同一素材であってもよいし、別素材であってもよい。
【0052】
保持部材24は、筒状に形成され、ライト部11はその内側を通して配置される。なお、バッグ2に前述の保持部材3が用いられてもよいが、上方の蓋部22にライト部11を配置する場合は、天井から吊るすようになるため、両保持片の間からライト部11が落ちてくる恐れがある。そのため、筒状の保持部材24を備えて、ライト部11を抱えるようにして保持し、ライト部11の落下を防止する。保持部材24は、一例として、蓋部22の縫い代等に縫い付けて取り付けられる。
【0053】
図6(b)に示すように、保持部材24は、筒形状が開閉できるように構成されてもよい。例えば、一端部241に面ファスナーのフック部(またはループ部)を、他端部242に面ファスナーのループ部(またはフック部)を設けた、面状の保持部材24を、両端部の間の部分(例えば中心部)で縫い代26に縫い付けて構成されてもよい。このように構成することで、保持部材24は、ライト部11を筒形状に通しにくい場合は、開いてライト部11に巻き付けることができる。なお、保持部材24の開閉に、面ファスナーの代わりに磁石と磁性体が用いられてもよい。
【0054】
図7に示すように、蓋部22の内側に、筒状の保持部材24の代わりに、または筒状の保持部材24とともに、ポケット状の保持部材25が縫い付けられてもよい。例えば、図示のように、ライト部11を、自由端部側を保持部材25に収容して保持し、反対側を保持部材24で外周を抱えて保持してもよい。
【0055】
バッグ2において、照明器具1の本体部12は、前述の挟持部121によって例えば内側に取り付けることができ、リモコン13は前述の挟持部131によって例えば外側に取り付けることができる。
【0056】
また、
図5に示すように、バッグ2は、外側にポケット23が設けられ、ポケット23内にリモコン13を収容してもよい。
【0057】
バッグ2は、リモコン13を備えることで、深夜の赤ちゃんのお世話の場合等、バッグ2が少し離れた場所に置かれるときであっても、リモコン13を手元に置くだけで、リモコン13でライト部11を点灯させてバッグ2の照明でその所在を確認し、バッグ2を用いて赤ちゃんの一連の世話をすることができる。
【0058】
図8はバッグの他の例を示す図で、
図8(a)は全体外形図、
図8(b)はライト部の配置の一例、
図8(c)はライト部の配置の他の例を示す図である。バッグ2は、一例として、キルティング素材で、縦長の筒状に形成される。バッグ2は、上方に開口を有する縦長の有底円筒状の胴部21と、その開口を閉じる蓋部22を有する。
【0059】
図8(b)に示すように、バッグ2は、一例として、照明器具1が蓋部22の内側にその内周に沿ってループ状に配置される。蓋部22におけるライト部11の配置箇所には、筒状の保持部材24が設けられる。
【0060】
図8(c)に示すように、バッグ2は、一例として、照明器具1が胴部21の内側にその長手方向に沿って略直線状に配置される。胴部21におけるライト部11の配置箇所には、筒状の保持部材24が縦長に設けられる。
【0061】
なお、バッグ2は、胴部21及び蓋部22の両方に保持部材を設けて、収容物や作業に必要な明るさ等に応じて、配置方法を変えられるようにしてもよい。
【0062】
図9はバッグの他の例を示す図である。バッグ2は、光を通す度合いが異なる部分を有してもよい。一例として、バッグ2は、奥行きが小さい横長の略直方体状に形成され、蓋部を有せず、胴部21の上面221及び側面222の一部にファスナーが設けられて開閉できるようになっている。
【0063】
バッグ2は、一例として、ここでは、上面221及び側面222が光を通す度合いが高い素材(例えば、シリコーン素材)で形成され、他の部分がこれより光を通す度合いが低い素材で形成される。バッグ2は、例えば、ライト部11が上面221及び側面222の正面223と交わる辺部の内側に配置され、主に上面221及び側面222からの光により周囲を照らすようになっている。
【0064】
なお、バッグ2に前述の保持部材3を用いる場合、一例として、保持部材24に替えて、取付部31を着脱するための磁性体または磁石を設ければよい。
【0065】
<保持部材の他の例>
図10及び
図11は保持部材の他の例を示す図で、
図10(a)、
図10(b)、
図11(a)、
図11(b)はその一例をそれぞれ示す図である。なお、
図10において、Xは左右方向、Yは上下方向、Zは長さ(奥行)方向を示すものとする(以下各図において同じ)。
【0066】
ライト部11の保持には、前述の保持部材3ないし保持部材24の代わりに、以下に記載の保持部材4が用いられてもよい。保持部材4は、対象物にライト部11を着脱可能に保持させることができ、且つ、保持部材4の取付け位置を簡便に変えることができる。保持部材4は、該保持部材4を対象物に着脱可能に取り付けるための挟持部41と、ライト部11を保持するための保持部42とを有する。保持部材4は、前述の保持部材24の代わりに用いる場合は、例えば、バッグ2の縫い代に取り付けて使用することができる。
【0067】
図10に示すように、保持部材4は、一例として、挟持部41と保持部42とが一体に形成される。一例として、
図10(a)に示すように、挟持部41は、互いに対向する第1挟持片411及び第2挟持片412の2つの挟持片と、両挟持片の基端部を連結する連結部413とを有する。両挟持片は、基端部間の間隔よりも先端部間の間隔が狭く形成される。挟持部41は、弾性変形可能に形成され、両挟持片の間で対象物の一部を挟持できる。
【0068】
保持部42は、連結部413の左右端部から両挟持片の反対方向(ここでは上方)にそれぞれ延出する略舌状の第1保持片421及び第2保持片422の2つの保持片を有する。両保持片は、一方が左端、他方が右端に位置し且つ一方が前方、他方が後方となるようにずらして配置される。両保持片は、可撓性を有し、折り曲げることができる。両保持片は、略直線状の開状態(図示の第1保持片421の状態)から、他方側に向かって下方に曲がる弓状の閉状態(図示の第2保持片422の状態)に変形することができ、変形後の状態を維持(保持)することができる。保持部42は、ライト部11の外周を両保持片が閉じて抱えるようにして保持する。
【0069】
一例として、
図10(b)に示すように、保持部材4は、挟持部41が
図10(a)のものと同様に形成され、保持部42が略筒状に形成される。保持部材4は、挟持部41と保持部42とが一体に形成され、保持部42の筒形状の一部が挟持部41の連結部413の一部ないし全部を兼ねる。保持部42は、図示のように筒形状の一部が切り欠かれていてもよい。また、保持部42は内周と外周が同心状であってもよいし、図示のように中心がずれて肉厚が不均一な形状であってもよい。保持部42は、好ましくは、少なくとも内周形状が、ライト部11の外周形状に応じた形状になっている。保持部42は、壁部424でライト部11を抱えるように保持する。
【0070】
図11に示すように、一例として、保持部材4は、挟持部41と保持部42とが別体に形成され、着脱可能に一体化される。例えば、挟持部41と保持部42とは、一方が磁石を、他方が磁性体を有し、吸着して一体をなす。保持部材4は、このように構成することで、ライト部11に保持部42を通してから、保持部42と挟持部41とを一体化させることができ、ライト部11の配置がしやすくなる。
【0071】
一例として、挟持部41は、第1挟持片411及び第2挟持片412の2つの挟持片と、両挟持片を連結する連結部413とを有し、弾性変形可能に形成され、両挟持片の間で対象物の一部を挟持する。保持部42は、略筒状に形成される。保持部42は、
図11(b)に示すように、筒形状の一部が切り欠かれていてもよい。保持部42は、ここでは略楕円筒状のものを図示しているが、他の形状であってもよい。好ましくは、挟持部41の連結部413の上面及びこれと当接する保持部42の外壁面の一部が平面に形成され、当接しやすくなっている。連結部413の上面及び保持部42の外壁面の一部は、互いに当接しやすい形状であればよく、一方が凸曲面、他方が凹曲面等であってもよい。
【0072】
<重畳構造の挟持部材(重畳挟持部材)>
図12~
図14は重畳構造の挟持部材の一例を示す図で、
図12(a)は斜視図、
図12(b)は開状態正面図、
図12(c)は閉状態正面図、
図13は係合部の一例を示す側面図、
図14は係合部の他の例を示す側面図である。前述の本体部12の挟持部121、リモコン13の挟持部131及び保持部材4の挟持部41は、以下に記載の重畳構造の挟持部材5(重畳挟持部材)により構成されてもよい。
【0073】
図12に示すように、挟持部材5は、外挟持部材51の内側に内挟持部材52が重ねられる重畳構造を有する。外挟持部材51及び内挟持部材52は、例えば合成樹脂により形成される。外挟持部材51及び内挟持部材52の一方または双方が、金属等他の材料で形成されてもよい。
【0074】
外挟持部材51は、外第1挟持片511及び外第2挟持片512の2つの互いに対向する挟持片と、両挟持片を基端部で連結する外連結部513を有して端面が略U字形状である。外挟持部材51は、両挟持片が基端部間の間隔よりも先端部間の間隔が狭く形成される。外挟持部材51は、両挟持片間の間隔が拡開できるように弾性変形可能に形成される。ここでは、外挟持部材51が
図12(b)のように両挟持片間の間隔が広がる状態を開状態と称し、
図12(c)のように両挟持片間の間隔が狭まる状態を閉状態と称する。
【0075】
外挟持部材51は、一例として、外連結部513に磁石が設けられる、または少なくとも外連結部513が磁性体で形成される若しくは外壁面に磁性体が設けられる。
【0076】
内挟持部材52は、内第1挟持片521及び内第2挟持片522の2つの互いに対向する挟持片と、両挟持片を基端部で連結する内連結部523を有して端面が略U字形状である。内挟持部材52は、両挟持片間の間隔が縮小できるように弾性変形可能に形成される。ここでは、内挟持部材52が
図12(b)のように両挟持片間の間隔が広がる状態を開状態と称し、
図12(c)のように両挟持片間の間隔が狭まる状態を閉状態と称する。
【0077】
図12(b)に示すように、挟持部材5は、外挟持部材51が上方にスライドすると、内挟持部材52の両挟持片間の間隔が広がって開状態となり、対象物を入れられる(押し込められる)ようになる。
図12(c)に示すように、外挟持部材51を下方にスライドすると、外挟持部材51の両挟持片が元の状態に戻って間隔が狭くなり、外挟持部材51の両挟持片の圧力により、内挟持部材52の両挟持片間の間隔が狭まって閉状態になって、内側に入れられた(押し込まれた)対象物を挟持するようになる。
【0078】
挟持部材5は、例えば、本体部やライト部等の構成部を対象物に取り付けるためのものであるが、これらの構成部が吊るされる態様等である場合は、対象物から滑り落ちやすくなる。これを抑制するため、挟持部材5は、内挟持部材52の両挟持片の先端部に、摩擦抵抗を大きくするための複数の凹部ないし凸部が設けられ、例えば先端部の内壁面が波状に形成される。
【0079】
また、挟持部材5は、本体部やライト部等の構成部が吊るされる態様等である場合は、外挟持部材51が上方に逆滑りして内挟持部材52が開いてしまう恐れがある。このような意図しない上方への逆滑りを防止するため、挟持部材5は、好ましくは、更に係合部を有する。挟持部材5の係合部は、外挟持部材51及び内挟持部材52の一方に設けられる係合突起と、他方に設けられる係合溝を有する。言い換えれば、挟持部材5は、外挟持部材51と内挟持部材52とが、意図せずに閉状態から開状態になることを防止するための係合部を有する。
【0080】
図13に示すように、一例として、挟持部材5は、外挟持部材51の両挟持片のそれぞれに係合突起514が設けられ、内挟持部材52の両挟持片のそれぞれに係合溝524が左右対称に設けられる。係合突起514は、外挟持部材51の両挟持片それぞれの内側壁面から内側に突出するように設けられる。係合溝524は、内挟持部材52の両挟持片それぞれの壁部を貫通するように設けられる。係合溝524は、上下方向に延びる第1段部524aと、第1段部524aの一端と所定の角度で接続する第2段部524bとを有する。一例として、ここでは、係合溝524は、第1段部524aの下端と略直角に第2段部524bの一端が連なる略L字形状である。
【0081】
挟持部材5は、開状態では係合突起514が係合溝524の第1段部524aの上端にあり、閉状態では外挟持部材51が下方(図示の矢印A)にスライドして係合突起514が第1段部524aの下端にあり、さらに、横方向(右方、図示の矢印B)にスライドすると、係合突起514が第2段部524bの他端で止まって係止し(係わり合って止まり)、外挟持部材51が上方へ逆滑りできなくなる(他方の側面ではこれと対称に現れる)。
【0082】
図14に示すように、一例として、挟持部材5は、外挟持部材51の両挟持片のそれぞれに係合溝514が設けられ、内挟持部材52の両挟持片のそれぞれに係合突起524が設けられる。係合突起524は、内挟持部材52の両挟持片それぞれの外側壁面から外側に突出するように設けられる。係合溝514は、外挟持部材51の両挟持片それぞれの壁部を貫通するように設けられる。係合溝514は、上下方向に延びる第1段部514aと、第1段部514aの一端と所定角度で接続する第2段部514bの2つの部分を有する。一例として、ここでは、係合溝514は、第1段部514aの上端と略直角に第2段部524bの一端が連なる略逆L字形状である。
【0083】
挟持部材5は、開状態では係合突起524が係合溝514の第1段部514aの下端にあり、閉状態では外挟持部材51が下方(図示の矢印A)にスライドして係合突起524が第1段部514aの上端にあり、さらに、横方向(右方、図示の矢印B)にスライドすると、係合突起524が第2段部514bの他端で止まって係止し、外挟持部材51が上方へ逆滑りできなくなる(他方の側面ではこれと対称に現れる)。
【0084】
なお、上記では、係合溝は、第2段部が水平方向、第1段部がこれと直交する垂直方向に延びる例を図示し説明したが、これらは一方又は双方が斜めに延びるものでもよいし、90度以外の角度で交差するものでもよい。また、第1段部は、直線状に延びる例を図示し説明したが、係合突起がスムーズにスライドできるものであれば、曲線状等でもよい。
【0085】
図15は重畳構造の挟持部材の他の例を示す図で、
図15(a)は外挟持部材の斜視図、
図15(b)は内挟持部材の斜視図、
図15(c)は全体の斜視図、
図15(d)は側面図である。
【0086】
挟持部材5は、必要なときだけ、外挟持部材51の内側に内挟持部材52を重ねて用いられてもよい。例えば、対象物の取付箇所の厚みが狭い場合に重ねて用いてもよい。外挟持部材51は、例えば、前述の本体部12の挟持部121、リモコン13の挟持部131ないし保持部材4の挟持部41である。これらは、内挟持部材と係合できるように、係合突起または係合溝が設けられる。
【0087】
ここでは、挟持部材5は、内挟持部材52の内連結部523の左右方向の幅が外挟持部材51の両挟持片の先端部間の間隔より狭く形成され、且つ、内挟持部材52が両挟持片間の間隔が狭まるように弾性変形可能に形成される。
【0088】
また、挟持部材5は、図示のように、係合溝524が設けられる内挟持部材52の外壁面に、内連結部523から係合溝524の上端まで延びる凹状の(内側に凹む)案内部525が左右対称に設けられる。なお、外挟持部材51側に係合溝514が設けられる場合は、凹状の案内部は、外挟持部材51の内壁面に、両挟持片の下端から係合溝514の下端まで延びるように設けられる。
【0089】
図15(d)に示すように、外挟持部材51の内側に内挟持部材52を重ねる場合は、例えば、外挟持部材51を下方(図示の矢印A)に押して、係合突起514を案内部525に沿って下方に移動させ、係合溝524内に嵌るようにする。その後の操作は、前述の
図12の重畳構造の挟持部材と同様である。
【0090】
図16~
図17はそれぞれ重畳構造の挟持部材の係合部の他の例を示す図である。挟持部材5は、前述のように、外挟持部材51を上方にスライドさせて開状態にしてから、開いた内挟持部材52の両挟持片の間に対象物の一部を押し込む。その際に、内挟持部材52が上方に動いて両挟持片間の間隔が狭くなってしまうことがある。このような意図しない滑り移動を防止するため、ここでは、係合溝に、更に第3段部を設ける。言い換えれば、挟持部材5は、外挟持部材51と内挟持部材52とが意図せずに開状態から閉状態になることを防止するための係合部を有する。
【0091】
具体的には、一例として、
図16に示すように、係合溝524が内挟持部材52に設けられる場合は、係合溝524は、さらに一端が第1段部524aの他端と所定の角度で接続する第3段部524cを有する。例えば、ここでは、所定の角度は90度で、係合溝524は略コ字形状である。これにより、係合突起514が第3段部524cの他端で止まって係止し、内挟持部材52が滑り移動できなくなる。
【0092】
一例として、
図17に示すように、係合溝514が外挟持部材51に設けられる場合は、係合溝514は、さらに一端が第1段部514aの他端と所定の角度で接続する第3段部514cを有する。例えば、ここでは、所定の角度は90度で、係合溝514は略コ字形状である。これにより、係合突起524が第3段部514cの他端で止まって係止し、内挟持部材52が滑り移動できなくなる。
【0093】
なお、以上に記載の保持部材や挟持部材は、上記以外の用途に用いられてもよい。
【0094】
なお、上記の記載に基づいて、当業者であれば、本願発明の追加の効果や種々の変形を想到できるかもしれないが、本願発明の態様は、上述した実施形態の例に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本願発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0095】
1 照明器具
11 ライト部
12 本体部
120 筐体
121 挟持部
13 リモコン
2 バッグ
24 保持部材
4 保持部材
41 挟持部
42 保持部
5 挟持部材(重畳挟持部材)
51 外挟持部材
52 内挟持部材