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特開2022-119678アルカリイオン水を用いた水素霧化システム
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  • 特開-アルカリイオン水を用いた水素霧化システム 図1
  • 特開-アルカリイオン水を用いた水素霧化システム 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022119678
(43)【公開日】2022-08-17
(54)【発明の名称】アルカリイオン水を用いた水素霧化システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 15/00 20060101AFI20220809BHJP
   C01B 3/02 20060101ALI20220809BHJP
   C01B 5/00 20060101ALI20220809BHJP
   C01B 3/00 20060101ALI20220809BHJP
   C25B 1/04 20210101ALI20220809BHJP
   C25B 9/00 20210101ALI20220809BHJP
【FI】
A61M15/00 Z
C01B3/02 H
C01B5/00 Z
C01B3/00 Z
C25B1/04
C25B9/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021016971
(22)【出願日】2021-02-04
(71)【出願人】
【識別番号】515358713
【氏名又は名称】永井 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100147740
【弁理士】
【氏名又は名称】保坂 俊
(72)【発明者】
【氏名】永井 秀明
【テーマコード(参考)】
4G140
4K021
【Fターム(参考)】
4G140AB01
4K021AA01
4K021BA02
4K021DC03
4K021DC07
(57)【要約】
【課題】ウィルスを不活化する手段を提供する。
【解決手段】本発明は、アルカリイオン水を用いた霧発生装置および水素発生装置を含み、前記霧発生装置で発生した霧と前記水素発生装置で発生した水素を混合したアルカリイオン水を用いた水素霧化システムであり、前記アルカリイオン水は水の電気分解により作製したアルカリ性の電界アルカリイオン水であり、前記アルカリイオン水のpHは12以上であり、前記霧発生装置で発生した霧はアルカリ性であり、前記霧発生装置で発生した霧のpHは12以上である。水素と霧を混合した水素混合ミスト導入管を吸入マスクに接続し、前記吸入マスクに口および/または鼻を当てて、口および/または鼻から霧および水素の混合した水素混合ミストを吸入可能にし、吸入した前記水素混合ミストは、口または鼻から気道を通して肺に到達し、口、鼻、気道、または肺に付着したウィルスを不活にする機能を有することを特徴とする。

【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルカリイオン水を用いた霧発生装置および水素発生装置を含む水素霧化システムであって、前記霧発生装置で発生した霧と前記水素発生装置で発生した水素を混合したアルカリイオン水を用いた水素霧化システム。
【請求項2】
前記アルカリイオン水は水の電気分解により作製したアルカリ性の電界アルカリイオン水であることを特徴とする、請求項1に記載のアルカリイオン水を用いた水素霧化システム。
【請求項3】
前記アルカリイオン水のpHは12以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載のアルカリイオン水を用いた水素霧化システム。
【請求項4】
前記霧発生装置で発生した霧はアルカリ性であることを特徴とする、請求項1~3のいずれかの項に記載のアルカリイオン水を用いた水素霧化システム。
【請求項5】
前記霧発生装置で発生した霧のpHは12以上であることを特徴とする、請求項4に記載のアルカリイオン水を用いた水素霧化システム。
【請求項6】
霧発生装置の霧の出口部または出口部に接続したミスト通管に水素発生装置から送りだされた水素を導入したことを特徴とする、請求項1~5のいずれかの項に記載のアルカリイオン水を用いた水素霧化システム。
【請求項7】
前記ミスト通管にさらに酸素または空気供給装置から送り出された酸素または空気を導入したことを特徴とする、請求項6に記載のアルカリイオン水を用いた水素霧化システム。
【請求項8】
水素と霧を混合した水素混合ミスト導入管を吸入マスクに接続し、前記吸入マスクに口および/または鼻を当てて、口および/または鼻から霧および水素の混合した水素混合ミストを吸入可能にしたことを特徴とする、請求項1~7のいずれかの項に記載のアルカリイオン水を用いた水素霧化システム。
【請求項9】
吸入した前記水素混合ミストは、口または鼻から気道を通して肺に到達し、口、鼻、気道、または肺に付着したウィルスを不活化する機能を有することを特徴とする、請求項8に記載のアルカリイオン水を用いた水素霧化システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルカリイオン水の霧および水素ガスを混合した水素(ガス)霧化システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年水素は水素自動車の燃料として注目されているが、水素を水に溶かした水素水が健康増進に有用であることが報告されている。たとえば、水素水を日常的に飲料すると細胞が若返るなどエイジングケアなどとして美容への効果だけでなく、様々な疾患への改善効果が認められ、一部の病院では治療の一環として水素の摂取等が取り入れられている。(特許文献1)
また、小さな水滴が集まった霧に水素ガスを混合した水素混合ミストを口や鼻から吸入することにより、口、のど、鼻、器官、肺等から水素を身体へ吸収することができ、血圧の低下、血糖値等の低減を期待でき、また、水素混合ミストを眼に接触することにより、眼の疲労を防止することも期待できる。(特許文献2)一方、アルカリイオン水は水の電気分解により陰極側で生成されるアルカリ性の水(電解水)である。このアルカリイオン水(電解アルカリイオン水ともいう)のうち、pH9~10の弱アルカリ性を示すアルカリイオン水(弱アルカリ性電解水)は胃腸症状改善効果等があり飲用水に用いられている。またpH11以上のアルカリ性を示すアルカリイオン水(強アルカリ性電解水)は除菌、消臭、洗浄用水に用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-22977
【特許文献2】特願2016-106116
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
2019年から始まった新型コロナウィルス(COVID19)は、世界中で多数の人が感染し、多くの人が死亡している。人間が新型コロナウィルスに感染すると、新型コロナウィルスはのど、気管、気管支を通って肺に入り、これらの呼吸器官で増殖して肺炎を引き起こして人間を重篤にし、果ては死に至ると言われている。新型コロナウィルスの基本構造はカブシドと呼ばれるたんぱく質の殻とウィルス核酸であり、エンベロープというウィルス粒子の最も外側にある膜状構造を有する。エンベロープはその大部分が脂質でできているため、アルカリ水溶液で容易に破壊することができる。従って、アルカリイオン水を用いて新型コロナウィルスを死滅させることは可能であるから、pH11以上のアルカリイオン水で除菌することは有効である。しかしながら、弱アルカリイオン水を飲むことはできるが、pH11以上の(強)アルカリイオン水を飲むことは一般的に困難である。さらに、気管支にアルカリイオン水を液体のまま入れることは不可能である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、アルカリイオン水の霧と水素ガスを混合した水素ガス霧化システムであり、新型コロナウィルスを不活化する手段を提供することであり、具体的には以下の特徴を有する。
(1)本発明は、アルカリイオン水を用いた霧発生装置および水素発生装置を含む水素霧化システムであって、前記霧発生装置で発生した霧と前記水素発生装置で発生した水素を混合したアルカリイオン水を用いた水素霧化システムであり、前記アルカリイオン水は水の電気分解により作製したアルカリ性の電界アルカリイオン水であり、前記アルカリイオン水のpHは12以上であることを特徴とし、さらに、前記霧発生装置で発生した霧はアルカリ性であり、前記霧発生装置で発生した霧のpHは12以上であることを特徴とする。
(2)本発明は、(1)に加えて、霧発生装置の霧の出口部または出口部に接続したミスト通管に水素発生装置から送りだされた水素を導入し、前記ミスト通管にさらに酸素または空気供給装置から送り出された酸素または空気を導入したことを特徴とする。
(3)本発明は、(1)および/または(2)に加えて、水素と霧を混合した水素混合ミスト導入管を吸入マスクに接続し、前記吸入マスクに口および/または鼻を当てて、口および/または鼻から霧および水素の混合した水素混合ミストを吸入可能にし、吸入した前記水素混合ミストは、口または鼻から気道を通して肺に到達し、口、鼻、気道、または肺に付着したウィルスを不活にする機能を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、アルカリイオン水を霧化して水素と混合させて水素混合ミストを作製し、その水素混合ミストを鼻または口から吸引して気道を通して肺へアルカリイオン性のミストを入れることができる。この結果、呼吸器に付着したウィルスを不活化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本発明の第1の実施形態を示す図である。
図2図2は、本発明の第2の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、アルカリイオン水の小さな水滴が集まった霧に水素ガスを混合したシステム(以下、水素霧化システムと記載)に関するものである。図1は、本発明の第1の実施形態(第1の実施形態)を示す図である。本発明の第1の実施形態における水素霧化システム10は、水素発生装置11、水素発生装置11で発生した水素を水素導入管(第1の水素導入管)15を通して導入する水素水容器17、水素水容器から集められた水素をさらに水素導入管(第2の水素導入管)19を通して、ミスト(霧)発生装置22から発生したミスト(霧)と混合させ、その霧と水素の混合ガス(水素混合ミストと称する)を口および/または鼻で吸入する吸入マスク23および吸入口24を含む。
【0009】
水素発生器11において、酸化カルシウム剤(CaO)およびアルミニウム(Al)を入れた水素発生剤ホルダー12を水素発生容器11に入れた後、水素発生容器(水素発生装置ともいう)11内に水を入れると、アルミニウム(Al)が水素発生反応促進剤になり水素(H2)が発生する。水素発生容器11にはキャップ13で蓋がされている。水素(H2)が発生すると水素は水素発生容器11の上部である蓋(キャップ)13の下部の空間に集まり、水素発生容器11のキャップ13の下部の空間の圧力が高まる。キャップ13には気体出口14が形成されており、水素発生容器11内の水素は気体出口14から押し出される。気体出口14には水素導入管15が接続されているので、気体出口14から押し出された水素は水素導入管15を通る。
【0010】
水素水容器17には水が入っており、その入り口は蓋25で閉じられており、蓋25と水素水容器17内の水の間には空間が存在する。水素導入管15は蓋25に形成された水素導入入口18に接続しており、さらに水素導入入口18は水素水容器17内の水素吸入管16に接続して、水素吸入管16は水素水容器17の水中に入って、水中に入れられた水素吸入管16の出口から水素水容器17の水中に出ていく。水素水容器17の水中に出た水素は、水素水容器17の上部の空間に集まり、水素水容器17の蓋25に形成された出口26から出ていく。水素水容器17の蓋25の出口26には第2の水素導入管19が接続し、この第2の水素導入管19の出口20はミスト(霧)発生装置22と吸入マスク23との接続部(接続管)27の水素入口21につながる。水素水容器17内に入れられた水は水素水となり、飲料できる。尚、水素水容器17を使用せず、水素発生容器11の気体出口14から出た水素を直接接続部(接続管)27へ接続しても良い。水素発生装置は上記の方法以外に水素を供給できる種々の方法でも良い。たとえば、水の電気分解で得られる水素でも良いし、高圧水素ボンベや液体水素からの水素供給でも良いし、メタノールやエタノール等のアルコール改質により発生した水素を用いる方法でも良い。
【0011】
第2の水素導入管19を通ってきた水素は接続部27の水素入口21から接続部27に入り、ミスト(霧)発生装置22から出てくる霧と混合して吸入マスク23の吸入口24から出ていく。吸入口24に口を開けて付けておけば、および/または鼻を付けておけば、口の中および/または鼻に霧と水素ガスとの混合ガス(正確に言えば、霧はガスではないので、水素混合ミスト(霧)またはスチーム水素と呼んでも良い)が入る。霧は口の中や喉の粘膜を適度に湿らせるが、水素はその湿った粘膜を通して身体の中に入り、血液状態を良好にする。また喉の奥の方の器官や肺などまで達した水素も身体の中に入り、血管や細胞を元気にさせる。特に水素は活性酸素と結合しやすいので、身体中の活性酸素を無害にさせて、老化現象を抑制できると考えられる。さらにはがん予防効果も期待できる。吸引口24に鼻をつけて鼻から水素を含む霧(霧と水素ガスとの混合ガス)を吸引すれば、鼻の粘膜からも水素を効率的に吸収できる。
【0012】
ミスト(霧)発生装置22にはアルカリイオン水が入っており、このアルカリイオン水がミスト(霧)となってミスト(霧)発生装置22からミスト(霧)導入管(ミスト通管ともいう)81に出ていく。アルカリイオン水をミスト(霧)にする方法は種々挙げることができる。たとえば、アルカリイオン水をミスト(霧)発生装置22内で温めて霧状にする方法(スチーム式)、あるいは、超音波によって水を微細な粒子にして放出して霧状にする方法(超音波霧化)、送風機により水を含んだ目の粗いスポンジ状のフィルターや不織布などに空気を通して霧状にする方法(気化式)、ポンプで圧縮された水をノズルから噴射してミスト(霧)を作り出す方式、圧縮された水と圧縮された空気の2つの流体をぶつけ合ってミスト(霧)を作り出す方式などがある。スチーム式等でミストが熱いときには適度な温度まで低下する冷却部を備えても良い。また、超音波無化や気化式の場合、適度な温度(たとえば、38℃~50℃)までたとえばヒーター(電熱線、赤外線等)等で温めるための温熱部をそなえても良い。適度な温度(たとえば、38℃~50℃)まで温めたミストは温熱ミストと呼ばれる。温熱ミストを用いることにより、人は楽に水素混合ミストを吸引することができる。尚、水素混合ミストにしてから吸入する前に温熱化しても良い。
【0013】
鼻または口から入った水素混合ミストは、呼吸に従い、のど(咽頭、喉頭)、左右に分かれた気管支を通って肺に入っていく。気管支は肺に入ると細かく枝分かれしていき、最終的に肺胞に至る。肺胞がたくさん集まった構造が肺である。水素混合ミストはアルカリイオン水を霧状にしたミストを含むのでアルカリ性を示す。鼻腔から気管支の表面を覆っている粘液と線毛に付着しているウィルスは、アルカリ性の水素混合ミストにより不活化する。たとえば、ウィルスは死滅するか無害化される。アルカリ性の水素混合ミストがウィルスの表面を覆い、ウィルスのエンベロープを破壊する。さらに、肺に入った水素混合ミストは多数の肺胞の隅々まで入っていくので、肺胞の表面等に付着したウィルスは、その表面を覆ったアルカリ性の水素混合ミストによりウィルスのエンベロープを破壊され、ウィルスは死滅するか無害化される。
【0014】
その結果、ウィルスが上気道から下気道、肺に感染してそれらの呼吸器を感染させて発症した炎症は回復される。水素はその分子が極めて小さいため呼吸器の隅々まで運ばれていくので、水素混合ミストのミスト(霧)も水素とともに呼吸器の隅々まで到達でき、ウィルスが呼吸器の奥まで侵入して付着したとしてもアルカリ性を有するミスト(霧)によりウィルスを撃退できる。アルカリイオン水のpHとそのミスト(霧)のpHとはほぼ一致する。pHが高く強アルカリ性であるほど新型コロナウィルスの不活化を促進できる。特にpHが11~12以上のアルカリイオン水(強アルカリイオン水)は効果的に新型コロナウィルスを不活化できる。pHが13以上であればその効果はさらに高くなる。本発明の水素混合ミストには水素が入っているので、肺等の呼吸器にpH11~12以上の強アルカリ性のミストが入っても水素により薄まるので、肺等の呼吸器への影響は殆どない。たとえば、水素がミスト中へ溶け込みその一部がイオン化してOH-を中和させるためと考えられる。このように、pH11~12以上の強アルカリ性のミストでも水素混合ミストにすれば肺の奥までアルカリ性ミストを吸引して運ぶことが可能であり、肺等の呼吸器に付着した新型コロナウィルスを不活化(死滅や無害化)することができる。
【0015】
図1に示す方法において、酸素または空気不足になる場合は、吸入マスク23の顔への当て方を緩くして、吸入マスク23の吸入口24の外側から空気を入れるようにして、空気の吸入量を調節すれば良い。あるいは、ミスト(霧)発生装置22へ酸素または空気(空気等)を導入できるようにしてその空気等の量を調整できるようにしても良い。図2は、本発明の別の実施形態(第2の実施形態)を示す図で、酸素または空気(空気等)を水素混合ミストへ混合させて、口または鼻から酸素(空気)含有水素混合ミストを吸入する装置を示す図である。具体的にはたとえば、図1に示す水素混合ミスト装置10に空気供給装置または酸素供給装置(以下、空気等供給装置)29を接続する。すなわち、吸入マスク23に入る前の接続部27に空気等供給装置29からの空気等(空気、酸素)を導く空気等導入管82を接続する。この装置により、水素混合ミストに空気等を混入した空気等含有水素混合ミストを口又は鼻から気道(上気道および下気道)を通して肺へ吸入することができる。空気等含有水素混合ミストには空気等が入っているので、酸欠になることもなく呼吸ができる。従って、連続してアルカリ性のミストを肺まで入れることができ、効率的にアルカリ性ミストを鼻、気道、肺等の呼吸器に付着したウィルスと接触させることができ、ウィルスの不活化を促進させることができる。
【0016】
本発明のアルカリイオン水を用いた水素霧化システムを吸引した新型コロナウィルス感染者は実際に症状が悪化することがなく短期間に新型コロナウィルスを不活化(PCR判定で陰性になり症状が回復)することができている。しかもpH11~12以上の強アルカリ性の水素混合ミストを吸入しても身体への影響は殆ど見られなかった。すなわち、本発明のアルカリイオン水を用いた水素霧化システムは新型コロナウィルスの不活化に極めて高い効果がある。水素は気道や肺等の身体表面から身体内部へ深く侵入して身体の健康増進に有効である(血圧低下、血圧安定化、血糖値低減、ストレス解消、老化防止、痴ほう症改善、ストレス改善、リラックス増大等の効果)が、ミストも水素とともに身体内部の少なくとも浅い部分まで到達できると考えられるので、たとえ新型コロナウィルスが身体内部へ入り込んでも、これらの新型コロナウィルスも不活化させることが期待できる。新型コロナウィルスの感染が進行するとレントゲン等で肺等が白くなり肺等の機能が低下するが、この現象は肺等の身体組織の酸性化よるものと言われている。本発明のアルカリ性を有する水素混合ミストでこれらの新型コロナウィルスに感染した肺等の身体組織と接触させることにより、アルカリ性ミストにより酸性化が阻止され中和されていき、白化した肺等の身体組織が回復するという効果もある。
【0017】
図1図2では、水素発生装置を手前にして水素にミストや空気等を混合させて水素混合ミストや空気等含有水素混合ミストを作製する方法を示したが、口や鼻で吸引する前で水素混合ミストになっていれば良いので、これらの混合順は種々変更しても特に問題ない。尚、水素を含まないアルカリイオン水をミストにしたものでも新型コロナウィルスの不活化に有効であり、これを呼吸器に入れても新型コロナウィルスを不活化できる。図1図2で示す吸入マスクは鼻および/または口を被い、水素混合ミストを鼻および/または口に入れるものであるが、吸入マスクを先の細い管状にして、鼻の穴に入れるようにして、または口に入れるようにしても良い。この場合は、鼻の患部、たとえばウィルスがいると思われる場所に直接水素混合ミストを吹きかけることもでき、あるいは。口の患部、たとえばウィルスがいると思われる場所(たとえば、喉チンコ)に直接水素混合ミストを吹きかけることもできる。さらには、内視鏡のようなフレキシブルな管を鼻または口から入れて、フレキシブルな管から鼻、口、のどや気道や肺の所望の場所に直接水素混合ミストを吹きかけることもできる。直接呼吸器(鼻、口、のど、気道(上気道や下気道)、気管支、肺胞等の肺の各部)にアルカリ性の水素混合ミストを直接吹きかけて、これらの患部に付着しているウィルスを効率良く不活化できる。内視鏡も一緒に入れることもできる(たとえば、内視鏡と水素混合ミスト管を一体にしたもの)ので、内視鏡で患部を見ながら確実に所望の患部へ水素混合ミストを直接吹きかけることもできる。また、本発明はスプレー式にもできるので、鼻や口にスプレー式に水素混合ミストを吹きかけることもできる。この場合も鼻や口の患部に直接スプレー状の水素混合ミストを吹きかけることができる。
【0018】
これまで、新型コロナウィルスの不活化に本発明のアルカリイオン水を用いた水素霧化システムが極めて有効であることを示してきた。本発明のアルカリイオン水を用いた水素霧化システムは新型コロナウィルス以外のエンベロープを持つウィルスにも極めて有効であると考えられる。たとえば、インフルエンザウィルス、各種コロナウィルス、B型肝炎ウィルス、C型肝炎ウィルス、エイズウィルスが挙げられる。これらのウィルスのエンベロープを破壊しウィルスを不活化することができる。尚、本明細書において、明細書のある部分に記載し説明した内容について記載しなかった他の部分においても矛盾なく適用できることに関しては、当該他の部分に当該内容を適用できることは言うまでもない。さらに、前記実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施でき、本発明の権利範囲が前記実施形態に限定されないことも言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明のアルカリイオン水を用いた水素霧化システムは、新型コロナウィルス以外のエンベロープを持つウィルスにも極めて有効である。
【符号の説明】
【0020】
10水素霧化システム、11水素発生装置、12水素発生剤ホルダー、13キャップ、
14気体出口、15(第1の)水素導入管、16水素吸入管、17水素水容器、
18水素導入入口、19(第2の)水素導入管、20出口、21水素入口、
22ミスト(霧)発生装置、23吸入マスク、24吸入口、25蓋、26出口、
27接続部、28バブラー、29空気等供給装置、30空気等含有ミスト混合気体導入口、
81ミスト導入管(ミスト通管)、82空気等導入管
図1
図2