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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022119758
(43)【公開日】2022-08-17
(54)【発明の名称】表示装置および移動体
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20220809BHJP
   H04N 13/346 20180101ALI20220809BHJP
   H04N 13/363 20180101ALI20220809BHJP
   G09F 9/46 20060101ALI20220809BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20220809BHJP
   G02F 1/1347 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
G09G3/36
H04N13/346
H04N13/363
G09F9/46 Z
G09G3/20 612U
G09G3/20 631M
G09G3/20 641P
G09G3/20 642E
G09G3/20 680B
G09G3/20 680E
G09G3/20 680H
G02F1/1347
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022069528
(22)【出願日】2022-04-20
(62)【分割の表示】P 2020532390の分割
【原出願日】2019-07-22
(31)【優先権主張番号】P 2018141886
(32)【優先日】2018-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075557
【弁理士】
【氏名又は名称】西教 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】草深 薫
(72)【発明者】
【氏名】村田 充弘
(57)【要約】      (修正有)
【課題】コントラスト比を改善した表示装置および該表示装置を備える移動体を提供する。
【解決手段】第1の表示パネルと、第2の表示パネルと、コントローラと、第1の光学系とを備え、第1の表示パネルは、格子状に配列された複数の第1のサブピクセルを備える。第2の表示パネルは、複数の第1のサブピクセルと等ピッチで格子状に配列された複数の第2のサブピクセルを備える。コントローラは、画像データに基づいて、複数の第1のサブピクセルおよび複数の第2のサブピクセルを制御する。コントローラは、画像データから、移動体の前方に存在する移動物体およびその移動方向を示すマークの画像を表示する画像表示領域と、画像表示領域以外の画像非表示領域と、を検出し、第1の表示パネルに画像データに基づく画像を表示させ、画像非表示領域に対応する複数の第2のサブピクセルを、複数の第2のサブピクセルの最も暗い階調とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向及び該第1の方向に略直交する第2の方向に格子状に配列された複数の第1のサブピクセルを備える第1の表示パネルと、
前記第1の方向及び前記第2の方向に沿って、前記複数の第1のサブピクセルと等ピッチで格子状に配列された複数の第2のサブピクセルを備える第2の表示パネルと、
画像データに基づいて、前記複数の第1のサブピクセルおよび前記複数の第2のサブピクセルを制御するコントローラと、
第1の光学系と、を備え、
前記第1の表示パネルおよび前記第2の表示パネルは、
少なくとも利用者側に配置される一方が、透過型の表示パネルであり、
前記第1の表示パネルの法線方向において、前記複数の第1のサブピクセルの各々は、前記複数の第2のサブピクセルのいずれかと重ね合わさり、
前記第1の光学系は、利用者の視野内で前記複数の第1のサブピクセルおよび前記複数の第2のサブピクセルが互いに等しいピッチを有するように、前記第1の表示パネルに表示される画像を前記利用者の視野内に投影する、移動体に備わった表示装置であって、
前記コントローラは、前記画像データから、前記移動体の前方に存在する移動物体およびその移動方向を示すマークの画像を表示する画像表示領域と、前記画像表示領域以外の画像非表示領域と、を検出し、前記第1の表示パネルに前記画像データに基づく画像を表示させ、前記画像非表示領域に対応する前記複数の第2のサブピクセルを、前記複数の第2のサブピクセルの最も暗い階調とする、表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置であって、
前記第1の表示パネルは、前記複数の第1のサブピクセルに対応してカラーフィルタを備え、
前記第2の表示パネルは、カラーフィルタを有さない、表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載の表示装置であって、
前記画像データをラインごとに格納するラインバッファを備え、
前記コントローラは、前記ラインバッファを検索することにより、前記画像表示領域と前記画像非表示領域とを検出する、表示装置。
【請求項4】
請求項1または3に記載の表示装置であって、
前記コントローラは、前記画像表示領域に対応する前記複数の第2のサブピクセルを、前記複数の第2のサブピクセルの最も明るい階調とする、表示装置。
【請求項5】
請求項1、3および4のいずれか一項に記載の表示装置であって、
利用者の左右の眼の位置の情報の入力を受信可能な入力部を備え、
前記コントローラは、前記入力部で受信した前記利用者の前記左右の眼の位置の情報に基づいて、前記画像非表示領域に対応する前記複数の第2のサブピクセルを決定する、表示装置。
【請求項6】
請求項1から5の何れか一項に記載の表示装置であって、
前記第1の表示パネルを虚像として投影する第2の光学系を備える、表示装置。
【請求項7】
第1の方向及び該第1の方向に略直交する第2の方向に格子状に配列された複数の第1のサブピクセルを備える第1の表示パネル、前記第1の方向及び前記第2の方向に沿って、前記複数の第1のサブピクセルと等ピッチで格子状に配列された複数の第2のサブピクセルを備える第2の表示パネル、画像データに基づいて、前記複数の第1のサブピクセルおよび前記複数の第2のサブピクセルを制御するコントローラ、第1の光学系、並びに、前記第1の表示パネルを虚像として投影する第2の光学系を含み、前記第1の表示パネルおよび前記第2の表示パネルは、少なくとも利用者側に配置される一方が、透過型の表示パネルであり、前記第1の表示パネルの法線方向において、前記複数の第1のサブピクセルの各々は、前記複数の第2のサブピクセルのいずれかと重ね合わさり、前記第1の光学系は、利用者の視野内で前記複数の第1のサブピクセルおよび前記複数の第2のサブピクセルが互いに等しいピッチを有するように、前記第1の表示パネルに表示される画像を前記利用者の視野内に投影する表示装置を備え、
前記コントローラは、前記画像データから、前方に存在する移動物体およびその移動方向を示すマークの画像を表示する画像表示領域と、前記画像表示領域以外の画像非表示領域と、を検出し、前記第1の表示パネルに前記画像データに基づく画像を表示させ、前記画像非表示領域に対応する前記複数の第2のサブピクセルを、前記複数の第2のサブピクセルの最も暗い階調とする移動体。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2018年7月27日に出願された日本国特許出願2018-141886号の優先権を主張するものであり、この先の出願の開示全体をここに参照のために取り込む。
【技術分野】
【0002】
本開示は、表示装置および移動体に関する。
【背景技術】
【0003】
液晶パネルに表示される画像を、光学系を介して投影して、利用者に対して表示する表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7-287193号公報
【発明の概要】
【0005】
本開示の表示装置は、第1の表示パネルと、第2の表示パネルと、コントローラと、第1の光学系とを備え、移動体に備わっている。前記第1の表示パネルは、第1の方向及び該第1の方向に略直交する第2の方向に格子状に配列された複数の第1のサブピクセルを備える。前記第2の表示パネルは、前記第1の方向及び前記第2の方向に沿って、前記複数の第1のサブピクセルと等ピッチで格子状に配列された複数の第2のサブピクセルを備える。前記コントローラは、画像データに基づいて、前記複数の第1のサブピクセルおよび前記複数の第2のサブピクセルを制御する。前記第1の表示パネルおよび前記第2の表示パネルは、少なくとも利用者側に配置される一方が、透過型の表示パネルである。前記第1の表示パネルの法線方向において、前記複数の第1のサブピクセルの各々は、前記複数の第2のサブピクセルのいずれかと重ね合わさる。前記第1の光学系は、利用者の視野内で前記複数の第1のサブピクセルおよび前記複数の第2のサブピクセルが互いに等しいピッチを有するように、前記第1の表示パネルに表示される画像を前記利用者の視野内に投影する。前記コントローラは、前記画像データから、前記移動体の前方に存在する移動物体およびその移動方向を示すマークの画像を表示する画像表示領域と、前記画像表示領域以外の画像非表示領域と、を検出する。前記コントローラは、前記第1の表示パネルに前記画像データに基づく画像を表示させ、前記画像非表示領域に対応する前記複数の第2のサブピクセルを、前記複数の第2のサブピクセルの最も暗い階調とする。
【0006】
本開示の移動体は、表示装置を備える。表示装置は、第1の表示パネル、第2の表示パネル、コントローラ、第1の光学系および第2の光学系を含む。前記第1の表示パネルは、第1の方向及び該第1の方向に略直交する第2の方向に格子状に配列された複数の第1のサブピクセルを備える。前記第2の表示パネルは、前記第1の方向及び前記第2の方向に沿って、前記複数の第1のサブピクセルと等ピッチで格子状に配列された複数の第2のサブピクセルを備える。前記コントローラは、画像データに基づいて、前記複数の第1のサブピクセルおよび前記複数の第2のサブピクセルを制御する。前記第2の光学系は、前記第1の表示パネルを虚像として投影する。前記第1の表示パネルおよび前記第2の表示パネルは、少なくとも利用者側に配置される一方が、透過型の表示パネルである。前記第1の表示パネルの法線方向において、前記複数の第1のサブピクセルの各々は、前記複数の第2のサブピクセルのいずれかと重ね合わさる。前記第1の光学系は、利用者の視野内で前記複数の第1のサブピクセルおよび前記複数の第2のサブピクセルが互いに等しいピッチを有するように、前記第1の表示パネルに表示される画像を前記利用者の視野内に投影する。前記コントローラは、前記画像データから、前記移動体の前方に存在する移動物体およびその移動方向を示すマークの画像を表示する画像表示領域と、前記画像表示領域以外の画像非表示領域と、を検出する。前記コントローラは、前記第1の表示パネルに前記画像データに基づく画像を表示させ、前記画像非表示領域に対応する前記複数の第2のサブピクセルを、前記複数の第2のサブピクセルの最も暗い階調とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、一実施形態に係る表示装置の概略構成図である。
図2図2は、第1の表示パネルの複数の第1のサブピクセルの配置例を説明する図である。
図3図3は、第2の表示パネルの複数の第2のサブピクセルの配置例を説明する図である。
図4図4は、コントローラの概略構成を示すブロック図である。
図5図5は、第1の表示パネルに表示される画像の一例を示す図である。
図6図6は、第2の表示パネルに表示される画像の一例を示す図である。
図7図7は、両眼の位置に応じた制御を実行する一実施形態に係る表示装置の概略構成図である。
図8図8は、画像表示領域と画像非表示領域の一例を示す図である。
図9図9は、図8の画像表示領域および画像非表示領域に対応する複数の第2のサブピクセルの配置を説明する図である。
図10図10は、移動体に搭載された表示装置の配置および構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
従来の液晶パネルを用いる表示装置では、液晶パネルの背面から照明光を照射する。液晶パネルのコントラスト比は、一般的に1000:1程度のものが知られている。しかしながら、1000:1のコントラスト比では、最も暗い階調の画素を表示する際、照明光を十分に遮光することができないことがある。その結果、本来非表示とすべき最も暗い階調の画素が、利用者の眼にうっすらと白く見えることがある。
【0009】
本開示は、コントラスト比を改善した表示装置および該表示装置を備える移動体を提供する。
【0010】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いられる図は模式的なものである。図面上の寸法比率等は現実のものとは一致していない。
【0011】
図1に示すように、本開示の一実施形態において、表示装置10は、照射器11、第1の表示パネル12、第2の表示パネル13、コントローラ14、および、表示情報取得部15を含んで構成される。図1において、説明のため第1の表示パネル12および第2の表示パネル13の厚さ方向(後述するz方向)の寸法を大きく表示している。
【0012】
一実施形態において、照射器11、第1の表示パネル12、および、第2の表示パネル13は、利用者に対して表示される画像の画像光の光路に沿って、利用者から遠い側から、照射器11、第1の表示パネル12、第2の表示パネル13の順に配置される。
【0013】
照射器11は、第1の表示パネル12を面的に照射する。照射器11は、光源、導光板、拡散板、拡散シート等を含んで構成されてよい。照射器11は、光源により照射光を射出し、導光板、拡散板、拡散シート等により照射光を第1の表示パネル12の面方向に均一化する。照射器11は均一化された光を第1の表示パネル12の方に出射する。
【0014】
第1の表示パネル12は、例えば透過型の液晶表示パネルなどの表示素子を採用しうる。第1の表示パネル12は、公知の液晶パネルの構成を有してよい。公知の液晶パネルとしては、IPS(In-Plane Switching)方式、FFS(fringe field switching)方式、VA(Vertical Alignment)方式、および、ECB(Electrically Controlled Birefringence)方式等の種々の液晶パネルを採用しうる。第1の表示パネル12は、液晶層12a、液晶層12aを挟むように配置されるガラス基板12bおよび12c、ならびに、液晶層12aとガラス基板12cとの間に配置されたカラーフィルタ12dを含むことができる。第1の表示パネル12の画像を表示する表示領域は、液晶層12aとカラーフィルタ12dとの界面付近に位置するととみなすことができる。第1の表示パネル12の画像を表示する表示領域は、表示装置10のアクティブエリアと呼ぶことができる。アクティブエリアは、表示される実際の画像が表示される領域である。第1の表示パネル12は、さらに、配光膜、透明電極、および、偏向板等を含むことができる。配光膜、透明電極、および、偏光板等の配置および構成は、一般的な液晶パネルにおいて公知なので説明を省略する。なお、第1の表示パネル12は、カラーフィルタ12dを有さず、表示装置10をモノクロの表示装置としてもよい。
【0015】
図2は、第2の表示パネル13側から見た第1の表示パネル12の一部を、拡大して示す図である。第1の表示パネル12の表示領域は、第1の方向(x方向)および第1の方向に交わる第2の方向に沿って格子配列される複数の第1のサブピクセル21を含む。第2の方向は第1の方向に略直交する方向としうる。第1の方向(x方向)は、利用者の両眼の並ぶ方向に対応する。利用者が通常の着席または直立した姿勢で直接見るタイプの表示装置10において、第1の方向は利用者から観た横方向または左右方向とすることができる。第2の方向は利用者から観た縦方向または上下方向とすることができる。以下では、第1の方向をx方向、第2の方向をy方向として説明する。各図において、第2の表示パネル13から照射器11へ向かう方向に見て、x方向は右から左へ向かう方向として示す。y方向は、上から下へ向かう方向として示す。また、x方向およびy方向に直交し、利用者の眼の側に向かう光路に沿う方向をz方向とする。
【0016】
複数の第1のサブピクセル21は、x方向およびy方向に格子状に配列されている。一実施形態において、複数の第1のサブピクセル21は、x方向よりもy方向に長い。他の実施形態において、複数の第1のサブピクセル21は、y方向よりもx方向に長くてもよい。各複数の第1のサブピクセル21は、カラーフィルタ12dの色の配列に対応して、R(Red),G(Green),B(Blue)のいずれかの色を有する。図2には、説明のため、R,G,Bの文字が図示される。R,G,Bの3つの第1のサブピクセル21は、一組として1つのピクセル22を構成することができる。ピクセル22の一つが、説明のため図2において破線により囲んで示される。1つのピクセル22は、1画素と呼びうる。第1の表示パネル12は、複数のピクセル22を含む。1ピクセルのx方向の長さとy方向の長さとは、1:1に設定することができるが、これに限定されない。x方向は、例えば、1つのピクセル22を構成する複数の第1のサブピクセル21が並ぶ方向である。y方向は、例えば、同じ色の複数の第1のサブピクセル21が並ぶ方向である。
【0017】
第1の表示パネル12としては、透過型の表示パネルに加え、自発光型の表示パネル等他の表示パネルを使用することもできる。透過型の表示パネルは、液晶パネルの他に、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)シャッター式の表示パネルを含む。自発光型の表示パネルは、有機EL(electro-luminescence)、および無機ELの表示パネルを含む。第1の表示パネル12として、自発光型の表示パネルを使用した場合、照射器11は不要となる。
【0018】
第2の表示パネル13は、透過型の表示領域を有する表示素子を用いることができる。第2の表示パネル13は、第1の表示パネル12からの出力が第2の表示パネル13に入射するように配置される。第2の表示パネル13としては、液晶パネルを採用しうる。図1に示すように、第2の表示パネル13は、液晶層13a、ならびに、液晶層13aを挟むように配置されるガラス基板13bおよび13cを含む。第1の表示パネル12とは異なり、第2の表示パネル13はカラーフィルタを含まない。第2の表示パネル13の表示領域は、液晶層13aとガラス基板13cとの界面付近に位置するとみなすことができる。
【0019】
図3に示すように、第2の表示パネル13は、x方向及びy方向に沿って、格子状に配列された複数の第2のサブピクセル23を含む。複数の第2のサブピクセル23は、複数の第1のサブピクセル21と等ピッチで配列される。第1の表示パネル12および第2の表示パネル13は、第1の表示パネル12の法線方向に見たとき、複数の第1のサブピクセル21の各々が複数の第2のサブピクセル23のいずれかと重ね合わさるように、配置される。このようにすることにより、第1の表示パネル12および第2の表示パネル13に、ほぼ同一の形状寸法を有する表示パネルを使用することができるので、製造が容易となる。また、第1の表示パネル12の複数の第1のサブピクセル21と、第2の表示パネル13の複数の第2のサブピクセル23とが、1対1で対応するので、画像表示の際の演算量を低減でき、コントローラ14による表示装置10の制御が容易になる。
【0020】
第2の表示パネル13は、第1の表示パネル12に対してz方向に所定距離離れて配置される。第1の表示パネル12と第2の表示パネル13とは、一体として形成されてよい。例えば、第1の表示パネル12と第2の表示パネル13とは、光学的に透明な接着剤を用いて相互に固定される。光学的に透明な接着剤はOCA(Optical Clear Adhesive)を含む。
【0021】
第2の表示パネル13は、第2のサブピクセル23ごとに画像光の透過率を変更することができる。第2の表示パネル13は、特定の領域を通る画像光を、光強度を大きく低下させることなく透過させ、他の特定の領域を通る画像光を減光させることができる。ここで、「減光」は、ほぼ光を透過させない「遮光」をも含む。第2の表示パネル13は、光を透過させる領域の複数の第2のサブピクセル23を最も明るい階調とし、減光させる領域の複数の第2のサブピクセル23を最も暗い階調としうる。複数の第2のサブピクセル23の階調は、光の透過率と対応する。「最も明るい階調」は、第1の表示パネル12からの画像光の透過率が最も高い階調を意味する。「最も暗い階調」は、第1の表示パネル12からの画像光の透過率が最も低い階調を意味する。第2の表示パネル13は、光を透過させる領域と、減光させる領域との間で、可視光領域の光の透過率を、100倍以上、例えば約1000倍異ならせることができる。
【0022】
コントローラ14は、表示装置10の各構成要素に接続され、各構成要素を制御する。コントローラ14は、例えばプロセッサとして構成される。コントローラ14は、1以上のプロセッサを含んでよい。プロセッサは、特定のプログラムを読み込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサ、および特定の処理に特化した専用のプロセッサを含んでよい。専用のプロセッサは、特定用途向けIC(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)を含んでよい。プロセッサは、プログラマブルロジックデバイス(PLD:Programmable Logic Device)を含んでよい。PLDは、FPGA(Field-Programmable Gate Array)を含んでよい。コントローラ14は、1つまたは複数のプロセッサが協働するSoC(System-on-a-Chip)、およびSiP(System In a Package)のいずれかであってよい。コントローラ14は、記憶部を備え、記憶部に各種情報、または表示装置10の各構成部を動作させるためのプログラム等を格納してよい。記憶部は、例えば半導体メモリ等で構成されてよい。記憶部は、コントローラ14のワークメモリとして機能してよい。
【0023】
コントローラ14は、画像データに基づいて、第1の表示パネル12の複数の第1のサブピクセル21および複数の第2の表示パネル13の複数の第2のサブピクセル23を制御する。画像データは、後述する表示情報取得部15から取得することができる。画像データは、表示情報取得部15から取得した情報に基づいて、コントローラ14内で生成してよい。画像データは、文字および記号等を含んでよい。
【0024】
図4に示すように、コントローラ14は、画像データ生成部31、第1のラインバッファ32、コントラスト強調部33、および、第2のラインバッファ34を含む。
【0025】
画像データ生成部31は、表示情報取得部15から取得した画像データ、または、画像情報に基づいて、第1の表示パネル12に表示する画像の画像データを生成する。画像データ生成部31は、必要に応じて表示情報取得部15から取得した画像データの補間処理、間引き処理、明度等の調整を行う。その他、画像データ生成部31は、画像表示に必要な前処理を行う。
【0026】
画像データ生成部31は、生成された画像データを、第1のラインバッファ32にラインごとに格納する。第1のラインバッファ32は、第1の表示パネル12に表示される画像の1ライン分または複数ライン分のデータを保持するメモリである。第1のラインバッファ32にデータを書き込むことによって、各ラインの画像データが順次第1の表示パネル12に送信され、第1の表示パネル12に表示される画像が更新される。
【0027】
コントラスト強調部33は、第1のラインバッファ32を検索することによって、第1の表示パネル12に表示される複数の第1のサブピクセル21のうち、暗い階調の複数の第1のサブピクセル21の第1の表示パネル12上での座標位置を検索する。暗い階調は、複数の第1のサブピクセル21が表示可能な全ての階調のうち最も暗い階調としうる。暗い階調は、最も暗い階調に加え、これに準じる階調の画素を含んでよい。最も暗い階調に準じる階調は、例えば、最も明るい階調の100分の1の光の透過率の階調までを含んでよい。コントラスト強調部33は、検出した複数の第1のサブピクセル21の座標位置に基づいて、第2の表示パネル13に表示される画像を決定する。コントラスト強調部33は、決定された第2の表示パネル13の画像を第2のラインバッファ34に出力する。コントラスト強調部33により検索して得られた暗い階調の複数の第1のサブピクセル21の領域を、画像非表示領域とよぶ。また、画像非表示領域以外の領域を、画像表示領域とよぶ。
【0028】
第2のラインバッファ34は、第2の表示パネル13に表示される画像の1ライン分または複数ライン分のデータを保持するメモリである。第2のラインバッファ34にデータを書き込むことによって、各ラインの画像データが順次第2の表示パネル13に送信され、第2の表示パネル13に表示される画像が更新される。
【0029】
以下に、第1の表示パネル12の表示領域と第2の表示パネル13の表示領域との間隔が、第1の表示パネル12から利用者の両眼迄の距離に比べて十分に小さい場合が想定される。所定の条件を満たす場合、複数の第1のサブピクセル21から出射した画像光は、大部分がz方向に重ねて配置された複数の第2のサブピクセル23を通過して、利用者の眼に到達する。第2の表示パネル13と、利用者との間にレンズおよびミラー等の光学系が介在する場合は、光学系の屈折率を考慮して同様の条件を設定できる。
【0030】
この場合、コントラスト強調部33は、第1のラインバッファ32を検索して得られた画像非表示領域の複数の第1のサブピクセル21と、xy面内で同じ座標位置に位置する複数の第2のサブピクセル23を黒表示とすることを決定する。黒表示とは、複数の第2のサブピクセル23の階調のうち最も暗い階調、又は、それに準じる階調での表示を意味する。また、コントラスト強調部33は、画像表示領域の複数の第1のサブピクセル21と、xy面内で同じ座標位置に位置する複数の第2のサブピクセル23を最も明るい階調、又は、それに準じる階調とすることを決定する。
【0031】
一例として、自動車用の表示装置を想定する。第1の表示パネル12に、図5に示すように前方にサッカーボールが転がってきたことを示す警告画面を表示するものとする。この場合、サッカーボールとその移動方向を示す矢印は、画像表示領域41である。一方、それ以外の部分は画像非表示領域42である。
【0032】
コントラスト強調部33は、z方向に見たとき第1の表示パネル12の画像非表示領域42に含まれる複数の第1のサブピクセル21に重なる、第2の表示パネル13の複数の第2のサブピクセル23を黒表示とすることを決定する。また、コントラスト強調部33は、z方向に見たとき第1の表示パネル12の画像表示領域41に含まれる複数の第1のサブピクセル21に重なる、第2の表示パネル13の複数の第2のサブピクセル23を最も明るい階調で表示することを決定する。
【0033】
コントラスト強調部33は、決定された各第2のサブピクセル23の階調に従い、第2のラインバッファ34に、複数の第2のサブピクセル23の画像データを書き込む。図6において、第2の表示パネル13に表示される画像のうち、最も明るい階調で表示される複数の第2のサブピクセル23の領域が、第1領域43として表示される。また、最も暗い階調で表示される黒表示の複数の第2のサブピクセル23の領域が、第2領域44として表示される。
【0034】
これにより、利用者が視認する表示装置10の画像中の画像非表示領域42は、より暗く表示され、表示される画像のコントラストがより高くなる。例えば、第1の表示パネル12および第2の表示パネル13のコントラスト比が1000:1の場合、画像非表示領域42に黒表示の第2領域44を重ねることにより、コントラスト比を1000000:1とすることができる。また、第1の表示パネル12と第2の表示パネル13との間で、同一のサブピクセルの配列を有する表示パネルを用いることにより、複数の第1のサブピクセル21と対応する複数の第2のサブピクセル23の番地が一致する。したがって、コントローラ14は、複数の第1のサブピクセル21と複数の第2のサブピクセル23とを対応づけるための演算をすることを必要としない。したがって、コントローラ14をより簡単に構成することができ、且つ、コントローラ14の処理負荷を軽減することができる。
【0035】
次に、第1の表示パネル12の表示領域と第2の表示パネル13の表示領域との間隔が比較的広い場合が想定される。利用者の両眼の位置の変化、および、左眼Elと右眼Erとの間の眼間距離によって、複数の第1のサブピクセル21を出射した画像光が、xy面内の同じ座標位置の複数の第2のサブピクセル23を通らずに、利用者の左眼Elまたは右眼Erに到達することがある。そのような場合、利用者の左眼Elおよび右眼Erの位置に基づいて、第2の表示パネル13を制御することができる。一例として、図7に示す表示装置10Aについて説明する。
【0036】
表示装置10Aは、照射器11、第1の表示パネル12、第2の表示パネル13、コントローラ14、および、表示情報取得部15に加え、入力部16を含んで構成される。
【0037】
入力部16は、利用者の左眼Elおよび右眼Erの位置の情報を、検出装置17から受信することができる。入力部16は、電気コネクタまたは光コネクタを備え、検出装置17からの電気信号または光信号を受信可能に構成され得る。
【0038】
検出装置17は、利用者の眼の位置を検出し、表示装置10の入力部16に出力する。表示装置10は、検出装置17を含んでよい。検出装置17は、例えば、カメラを備えてよい。検出装置17は、カメラによって利用者の顔を撮影してよい。検出装置17は、カメラの撮影画像から左眼Elおよび右眼Erの少なくとも一方の位置を検出してよい。検出装置17は、1個のカメラの撮影画像から、左眼Elおよび右眼Erの少なくとも一方の位置を3次元空間の座標として検出してよい。検出装置17は、2個以上のカメラの撮影画像から、左眼Elおよび右眼Erの少なくとも一方の位置を3次元空間の座標として検出してよい。
【0039】
検出装置17は、カメラを備えず、装置外のカメラに接続されていてよい。検出装置17は、装置外のカメラからの信号を入力する入力端子を備えてよい。装置外のカメラは、入力端子に直接的に接続されてよい。装置外のカメラは、共有ネットワークを介して入力端子に間接的に接続されてよい。カメラを備えない検出装置17は、カメラが映像信号を入力する入力端子を備えてよい。カメラを備えない検出装置17は、入力端子に入力された映像信号から左眼Elおよび右眼Erの少なくとも一方の位置を検出してよい。
【0040】
検出装置17は、カメラに代えて、例えば、センサを備えてよい。センサは、超音波センサまたは光センサ等であってよい。検出装置17は、センサによって利用者の頭部の位置を検出し、頭部の位置に基づいて左眼Elおよび右眼Erの少なくとも一方の位置を推定してよい。検出装置17は、1個または2個以上のセンサによって、左眼Elおよび右眼Erの少なくとも一方の位置を3次元空間の座標として検出してよい。
【0041】
検出装置17は、左眼Elおよび右眼Erの一方のみの位置を検出した場合、利用者の眼間距離の情報または一般的な眼間距離の情報から、他方の眼の位置を推定しうる。他方の眼の位置の推定は、検出装置17ではなく、コントローラ14で行ってもよい。
【0042】
表示装置10Aはさらに、光学系18を含むことができる。光学系18は、第1の表示パネル12に表示される画像を利用者の視野に投影する。光学系18は、正の屈折力を有する反射光学素子および屈折光学素子の少なくとも何れか1つ以上を含んで構成されうる。コントローラ14は、利用者の左眼Elおよび右眼Erの位置に対する、光学系18による第1の表示パネル12および第2の表示パネル13の像倍率を考慮して、第1の表示パネル12および第2の表示パネル13を制御する。
【0043】
一実施形態において、光学系18は、利用者が所定の距離から見たとき、利用者の視野内で、複数の第1のサブピクセル21およびこれに対向して位置する複数の第2のサブピクセル23が互いに等しいピッチを有するように投影する。この場合、利用者からみて第1の表示パネル14が第2の表示パネル15より遠くに位置するのに関わらず、同じ仕様でサブピクセルが配列された第1の表示パネル12の表示領域と第2の表示パネル13の表示領域とは、同じ視野範囲を占める。このような要件を満たす光学系19は、幾何光学に基づいて設計することが可能である。
【0044】
このような光学系18を採用することにより、複数の第1のサブピクセル21および複数の第2のサブピクセル23の対応付けが容易となる。したがって、コントローラ14をより簡単に構成することができ、且つ、コントローラ14の処理負荷を軽減することができる。
【0045】
利用者の左眼Elおよび右眼Erの眼の位置によって、複数の第1のサブピクセル21から出射され、利用者の左眼Elまたは右眼Erに到達する画像光の光路が、z方向に見たとき複数の第1のサブピクセル21と重なる複数の第2のサブピクセル23を通らないことがある。また、利用者の左眼Elおよび右眼Erの眼間距離によって、同一の第1のサブピクセル21から出射した画像光の光路が、異なる複数の第2のサブピクセル23を通ることがある。そのような場合、コントラスト強調部33は、入力部16を介して検出装置17から受信した左眼Elおよび右眼Erの位置情報に基づいて、第2の表示パネル13の最も明るい階調とすべき第1領域43および最も暗い階調とすべき第2領域44を決定する。
【0046】
例えば、図8に示すように、第1の表示パネル12上に文字「o」が存在するとき、最も暗い階調以外の階調を有する複数の第1のサブピクセル21が占める領域を画像表示領域41とし、それ以外の領域を画像非表示領域42とする。この場合、コントローラ14は、第1の表示パネル12に画像を表示する第1のラインバッファ32から、最も暗い階調またはそれに準じる階調の複数の第1のサブピクセル21のアドレスを検索し画像表示領域41および画像非表示領域42を決定してよい。
【0047】
コントローラ14は、左眼Elおよび右眼Erの位置を考慮して第2の表示パネル13上で画像表示領域41に対応する第1領域43および画像非表示領域42に対応する第2領域44を決定する。例えば、コントローラ14は、複数の第2のサブピクセル23を通して左眼Elおよび右眼Erにより視認される第1の表示パネル12上の領域がともに画像非表示領域42のみの場合、その複数の第2のサブピクセル23を第2領域44に属するものと決定してよい。コントローラ14は、複数の第2のサブピクセル23を通して、左眼Elおよび右眼Erの少なくとも一方が、画像表示領域41を視認する場合、その複数の第2のサブピクセル23を第1領域43に属するものとして決定してよい。例えば、図9に示すように、第1領域43は、左眼Elおよび右眼Erの何れからも画像表示領域41が視認できるように、画像表示領域41よりもx方向に広い幅を有しうる。
【0048】
このように、コントローラ14が第1領域43および第2領域44を設定することにより、表示装置10は画像が表示されていない領域をより暗く表示することができるので、表示される画像のコントラストが向上する。また、検出装置17を設けて、利用者の眼の位置に応じて第1領域43および第2領域44を設定するので、異なる利用者の眼の位置および眼間距離に対応することができる。
【0049】
図10は、車両等の移動体50に搭載される本開示の表示装置の一実施形態であるヘッドアップディスプレイ51の概略構成を示す図である。ヘッドアップディスプレイ51は、HUD(Head Up Display)ともいう。ヘッドアップディスプレイ51は、表示装置52および検出装置53を含む。検出装置53は、移動体50の運転者である利用者の左眼Elおよび右眼Erの位置を検出して表示装置52に送信する。表示装置52は、照射器54、第1の表示パネル55、第2の表示パネル56およびこれらの構成要素を制御するコントローラを含む。照射器54、第1の表示パネル55、第2の表示パネル56およびコントローラは、図1の表示装置10の照射器11、第1の表示パネル12、第2の表示パネル13およびコントローラ14に類似に構成されるので、説明を省略する。
【0050】
表示装置52は、さらに、利用者の視野内に第1の表示パネル55に表示される画像を虚像60として投影する光学系を備える。光学系は、第1の光学部材57、第2の光学部材58および被投影部材59を含む。第1の光学部材57は、第1の表示パネル55から出射され第2の表示パネル56を透過した画像光を反射するミラーである。第2の光学部材58は、第1の光学部材57により反射された画像光を、被投影部材59に向けて反射するミラーである。第1の光学部材57および第2の光学部材58の双方または何れか一方は、正の屈折力を有する凹面鏡とすることができる。被投影部材59は、入射した画像光を利用者の左眼Elおよび右眼Erに向けて反射するとともに、利用者の前方から入射する光を透過させる半透明の部材である。被投影部材59として、フロントウインドシールドの一部が使用されることがある。また、被投影部材59として、専用のコンバイナが使用されることがある。第1の光学部材57、第2の光学部材58および被投影部材59は、第1の表示パネル55の表示領域(アクティブエリア)に表示される画像を利用者の視野内に虚像60を結像するように投影する。虚像60の表示される面は、利用者から見た見かけ上の表示面と呼ぶことができる。なお、光学系の構成は、ミラーを組み合わせたものに限られない。光学系は、ミラーとレンズ等を組み合わせる等の種々の構成が可能である。
【0051】
以上のような構成により、ヘッドアップディスプレイ51は、利用者の左眼Elおよび右眼Erの位置に応じて、利用者の視野内に画像を虚像60として投影することができる。この画像は、利用者に虚像60の表示位置に表示されているものと知覚される。また、図1の表示装置10および図7の表示装置10Aについて説明したのと同様に、ヘッドアップディスプレイ51は、画像が表示されていない領域をより暗く表示することができるので、画像のコントラストが向上する。
【0052】
本開示に係る構成は、以上説明してきた実施形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能である。例えば、各構成部、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0053】
例えば、表示装置10において、第1の表示パネル12は、照射器11と第2の表示パネル13との間に配置した。しかし、第1の表示パネル12は、照射器11との間で第2の表示パネル13を挟むように配置してよい。この場合、照射器11によって第2の表示パネル13が照射され、第2の表示パネル13から出射した第2の表示パネル13の出力が、光を透過させる透過型の表示領域を有する第1の表示パネル12に入射する。このように、第1の表示パネル12と第2の表示パネル13との位置を置き換えても、表示装置10は同様の作用、効果を有することができる。同様に、表示装置52においても、第2の表示パネル56を照射器54と第1の表示パネル55の間に配置することができる。
【0054】
本開示における「移動体」には、車両、船舶、航空機を含む。本開示における「車両」には、自動車および産業車両を含むが、これに限られず、鉄道車両および生活車両、滑走路を走行する固定翼機を含めてよい。自動車は、乗用車、トラック、バス、二輪車、およびトロリーバス等を含むがこれに限られず、道路上を走行する他の車両を含んでよい。産業車両は、農業および建設向けの産業車両を含む。産業車両には、フォークリフト、およびゴルフカートを含むがこれに限られない。農業向けの産業車両には、トラクター、耕耘機、移植機、バインダー、コンバイン、および芝刈り機を含むが、これに限られない。建設向けの産業車両には、ブルドーザー、スクレーバー、ショベルカー、クレーン車、ダンプカー、およびロードローラを含むが、これに限られない。車両は、人力で走行するものを含む。車両の分類は、上述に限られない。例えば、自動車には、道路を走行可能な産業車両を含んでよく、複数の分類に同じ車両が含まれてよい。本開示における船舶には、マリンジェット、ボート、タンカーを含む。本開示における航空機には、固定翼機、回転翼機を含む。
【0055】
本開示において「第1」および「第2」等の記載は、当該構成を区別するための識別子である。本開示における「第1」および「第2」等の記載で区別された構成は、当該構成における番号を交換することができる。例えば、第1方向は、第2方向と識別子である「第1」と「第2」とを交換することができる。識別子の交換は同時に行われる。識別子の交換後も当該構成は区別される。識別子は削除してよい。識別子を削除した構成は、符号で区別される。本開示における「第1」および「第2」等の識別子の記載のみに基づいて、当該構成の順序の解釈、小さい番号の識別子が存在することの根拠、大きい番号の識別子が存在することの根拠に利用してはならない。
【0056】
本開示は、以下の構成(1)~(8)の態様で実施可能である。
(1)第1の方向及び該第1の方向に略直交する第2の方向に格子状に配列された複数の第1のサブピクセルを備える第1の表示パネルと、
前記第1の方向及び前記第2の方向に沿って、前記複数の第1のサブピクセルと等ピッチで格子状に配列された複数の第2のサブピクセルを備える第2の表示パネルと、
画像データに基づいて、前記複数の第1のサブピクセルおよび前記複数の第2のサブピクセルを制御するコントローラと、を備え、
前記第1の表示パネルおよび前記第2の表示パネルは、
少なくとも利用者側に配置される一方が、透過型の表示パネルであり、
前記第1の表示パネルの法線方向において、前記複数の第1のサブピクセルの各々は、前記複数の第2のサブピクセルのいずれかと重ね合わさる、表示装置。
【0057】
(2)前記第1の表示パネルは、前記複数の第1のサブピクセルに対応してカラーフィルタを備え、前記第2の表示パネルは、カラーフィルタを有さない、構成(1)に記載の表示装置。
【0058】
(3)前記コントローラは、前記画像データから画像表示領域と画像非表示領域とを検出し、前記第1の表示パネルに前記画像データに基づく画像を表示させ、前記画像非表示領域に対応する前記複数の第2のサブピクセルを、前記複数の第2のサブピクセルの最も暗い階調とする、構成(1)または(2)に記載の表示装置。
【0059】
(4)前記画像データをラインごとに格納するラインバッファを備え、前記コントローラは、前記ラインバッファを検索することにより、前記画像表示領域と前記画像非表示領域とを検出する、構成(3)に記載の表示装置。
【0060】
(5)前記コントローラは、前記画像表示領域に対応する前記複数の第2のサブピクセルを、前記複数の第2のサブピクセルの最も明るい階調とする、構成(3)または(4)に記載の表示装置。
【0061】
(6)利用者の左右の眼の位置の情報の入力を受信可能な入力部を備え、前記コントローラは、前記入力部で受信した前記利用者の前記左右の眼の位置の情報に基づいて、前記画像非表示領域に対応する前記複数の第2のサブピクセルを決定する、構成(3)~(5)のいずれか1つに記載の表示装置。
【0062】
(7)前記第1の表示パネルを虚像として投影する光学系を備える、構成(1)~(6)のいずれか1つに記載の表示装置。
【0063】
(8)第1の方向及び該第1の方向に略直交する第2の方向に格子状に配列された複数の第1のサブピクセルを備える第1の表示パネル、前記第1の方向及び前記第2の方向に沿って、前記複数の第1のサブピクセルと等ピッチで格子状に配列された複数の第2のサブピクセルを備える第2の表示パネル、画像データに基づいて、前記複数の第1のサブピクセルおよび前記複数の第2のサブピクセルを制御するコントローラ、並びに、前記第1の表示パネルを虚像として投影する光学系を含み、前記第1の表示パネルおよび前記第2の表示パネルは、少なくとも利用者側に配置される一方が、透過型の表示パネルであり、前記第1の表示パネルの法線方向において、前記複数の第1のサブピクセルの各々は、前記複数の第2のサブピクセルのいずれかと重ね合わさる表示装置を備える移動体。
【符号の説明】
【0064】
10 表示装置
11 照射器
12 第1の表示パネル
12a 液晶層
12b,12c ガラス基板
12d カラーフィルタ
13 第2の表示パネル
13a 液晶層
13b,13c ガラス基板
14 コントローラ
15 表示情報取得部
16 入力部
17 検出装置
18 光学系
21 第1のサブピクセル
22 ピクセル
23 第2のサブピクセル
31 画像データ生成部
32 第1のラインバッファ
33 コントラスト強調部
34 第2のラインバッファ
41 画像表示領域
42 画像非表示領域
43 第1領域
44 第2領域
50 移動体
51 ヘッドアップディスプレイ
52 表示装置
53 検出装置
54 照射器
55 第1の表示パネル
56 第2の表示パネル
57 第1の光学部材
58 第2の光学部材
59 被投影部材
60 虚像
El 左眼
Er 右眼
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10