(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022119797
(43)【公開日】2022-08-17
(54)【発明の名称】網状反射材
(51)【国際特許分類】
G02B 5/12 20060101AFI20220809BHJP
G02B 5/128 20060101ALI20220809BHJP
A41D 31/32 20190101ALI20220809BHJP
A41D 31/14 20190101ALI20220809BHJP
A41D 31/18 20190101ALI20220809BHJP
A41D 31/00 20190101ALI20220809BHJP
A41D 13/01 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
G02B5/12
G02B5/128
A41D31/32
A41D31/14
A41D31/18
A41D31/00 502T
A41D13/01
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022077290
(22)【出願日】2022-05-10
(62)【分割の表示】P 2019511859の分割
【原出願日】2017-09-01
(31)【優先権主張番号】62/382,469
(32)【優先日】2016-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【弁理士】
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】ゴールド,アン シー.
(72)【発明者】
【氏名】グットマン,シルヴィア ジー.ビー.
(72)【発明者】
【氏名】ギルバート,トーマス ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルカー,コレイ ディー.
(72)【発明者】
【氏名】コッホ,ベルナルド エー.
(72)【発明者】
【氏名】コリガン,トーマス アール.ジェイ.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】長手方向及び幅方向のうちの少なくとも1つに拡張可能である網状反射物品を提供する。
【解決手段】反射材の複数のストランドを備える網状反射物品であって、反射材の複数のストランドは、反射材のブリッジ領域にて互いにくっついており、かつブリッジ領域間において反射材内に開口部を設けるように互いに分離可能であり、開口部は、可変的に拡張可能な面積を提供するように少なくとも1つの方向に拡張可能であり、反射材は、反射性の主面と非反射性の主面とを備え、開口部のそれぞれは、長手寸法と幅寸法とを有し、複数のストランドのそれぞれは、厚さを有し、網状反射物品は、長手方向及び幅方向のうちの少なくとも1つに拡張可能である網状反射物品が提供される。少なくとも2つの方向に拡張可能な網状反射物品も提供される。
【選択図】
図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射材の複数のストランドを備える網状反射物品であって、
前記反射材の複数のストランドは、前記反射材のブリッジ領域で互いにくっついており、かつ前記ブリッジ領域の間で反射材内に開口部を設けるように互いに分離可能であり、
前記開口部は、可変的に拡張可能な面積を提供するように拡張可能であり、
前記反射材は、反射性の主面と非反射性の主面とを備え、
前記開口部のそれぞれは、長手寸法と幅寸法とを有し、前記複数のストランドのそれぞれは、厚さを有し、
前記網状反射物品は、長手方向及び幅方向のうちの少なくとも一方に拡張可能である、網状反射物品。
【請求項2】
前記反射材の前記複数のストランドの間が第1の幅寸法となるように分離されると第1の反射輝度を提供し、前記反射材の前記複数のストランドの間が第2の幅寸法となるように分離されると第2の反射輝度を提供する、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記第1の反射輝度と前記第2の反射輝度との間の輝度の減少は、少なくとも約10%の輝度の減少から約90%の輝度の減少までであり、前記輝度の両方は、ASTM E810-03(2013)に従い、未洗濯の網状反射物品に対して実施したときに決定される、請求項2に記載の物品。
【請求項4】
前記第1の幅寸法から前記第2の幅寸法における開口面積の変化は少なくとも20%であり、前記第1の反射輝度と前記第2の反射輝度との間の輝度の前記減少は、少なくとも25%の輝度の減少から約90%の輝度の減少までであり、前記輝度の両方は、ASTM E810-03(2013)に従い未洗濯の網状反射物品に対して実施したときに決定され、更に、前記網状反射物品は、少なくとも5.5cm/sの透過性を有する、請求項2に記載の物品。
【請求項5】
接着剤層が配設された前記反射材の前記複数のストランドの間が第1の幅寸法となるように分離されると第1の反射輝度を提供し、接着剤層が配設された前記反射材の前記複数のストランドの間が第2の幅寸法となるように分離されると第2の反射輝度を提供する、請求項2に記載の物品。
【請求項6】
前記第1の幅寸法は前記第2の幅寸法よりも小さい、請求項3又は4に記載の物品。
【請求項7】
前記第1の反射輝度は、前記第2の反射輝度よりも高い、請求項6に記載の物品。
【請求項8】
非反射領域は、前記反射材の総表面積の少なくとも25%を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項9】
非反射領域は、前記反射材の前記総表面積の少なくとも50%を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項10】
前記反射材の前記反射性の主面に貼着されたキャリアテープを更に備える、請求項1に記載の物品。
【請求項11】
前記反射材の前記主面のうちの一方に配設された接着剤層を更に備え、前記接着剤層は、前記反射材の前記複数のストランド上に配設される、複数のストランドに分離可能である、請求項1に記載の物品。
【請求項12】
前記網状反射物品とは反対側の前記接着剤層の主面上fに配設された基材を更に備える、請求項2に記載の物品。
【請求項13】
前記基材は、エラストマー性である、請求項12に記載の物品。
【請求項14】
前記物品が拡張していない形態のときには第1の輝度、前記物品が拡張した形態のときには第2の輝度を有する、請求項12に記載の物品。
【請求項15】
前記物品が拡張していない形態のときには第1の透過性、前記物品が拡張した形態のときには第2の透過性を有する、請求項12に記載の物品。
【請求項16】
前記反射材は、光学フィルム、マイクロプリズムフィルム、及び微小球フィルムのうちの少なくとも1つから選択される、請求項1~15のいずれか一項に記載の物品。
【請求項17】
反射材内に開口部を設けるように互いに分離可能な前記反射材の複数の領域を備える、長手方向及び幅方向を有する網状反射物品であって、
前記反射材は、反射性の主面と非反射性の主面とを備え、
前記開口部のそれぞれは、長手寸法及び幅寸法を有し、
前記網状反射物品は、少なくとも2つの方向に拡張可能である、
網状反射物品。
【請求項18】
共通の交差部から径方向に延びる多数の前記複数の領域を更に備える、請求項17に記載の物品。
【請求項19】
前記反射材の前記複数の領域の間が第1の幅寸法となるように分離されると第1の反射輝度を提供し、前記反射材の前記複数の領域の間が第2の幅寸法となるように分離されると第2の反射輝度を提供する、請求項17又は18に記載の物品。
【請求項20】
前記第1の反射輝度と前記第2の反射輝度との間の輝度の減少は、約10%の輝度の減少から約90%の輝度の減少までであり、前記輝度の両方は、ASTM E810-03(2013)に従い未洗濯の網状反射物品に対して実施したときに決定される、請求項19に記載の物品。
【請求項21】
前記第1の幅寸法から前記第2の幅寸法における開口面積の変化は少なくとも20%であり、前記第1の反射輝度と前記第2の反射輝度との間の輝度の前記減少は、少なくとも25%の輝度の減少から約90%の輝度の減少までであり、前記輝度の両方は、ASTM E810-03(2013)に従い未洗濯の網状反射物品に対して実施したときに決定され、更に、前記網状反射物品は、少なくとも5.5cm/sの透過性を有する、請求項19に記載の物品。
【請求項22】
接着剤層が配設された前記反射材の前記複数の領域の間が第1の幅寸法となるように分離されると第1の反射輝度を提供し、接着剤層が配設された前記反射材の前記複数の領域の間が第2の幅寸法となるように分離されると第2の反射輝度を提供する、請求項19に記載の物品。
【請求項23】
前記第1の反射輝度は前記第2の反射輝度よりも高い、請求項21に記載の物品。
【請求項24】
前記反射材の前記反射性の主面に貼着されたキャリアテープを更に備える、請求項17に記載の物品。
【請求項25】
前記反射材の前記主面のうちの1つに配設された接着剤層を更に備え、前記接着剤層は、前記反射材の前記複数の領域上に配設される、複数の領域に分離可能である、請求項17に記載の物品。
【請求項26】
前記網状反射物品とは反対側の前記接着剤層の主面上に配設された基材を更に備える、請求項19に記載の物品。
【請求項27】
前記基材はエラストマー性である、請求項17に記載の物品。
【請求項28】
前記物品が拡張していない形態のときには第1の輝度、前記物品が拡張した形態のときには第2の輝度を有する、請求項25に記載の物品。
【請求項29】
前記物品が拡張していない形態のときには第1の透過性、前記物品が拡張した形態のときには第2の透過性を有する、請求項25に記載の物品。
【請求項30】
前記反射材は、光学フィルム、マイクロプリズムフィルム、及び微小球フィルムのうちの少なくとも1つから選択される、請求項17~29のいずれか一項に記載の物品。
【請求項31】
少なくとも長手寸法及び幅寸法を有する反射物品であって、
複数のスリットが形成された、光学フィルム、マイクロプリズムフィルム、微小球フィルム、又はこれらの組み合わせを備える反射層を備え、
前記複数のスリットは、スリット方向を有し、前記スリットのそれぞれは、前記スリット方向に沿って、上部方向と、反対の下部方向とを有し、前記スリット方向は、前記長手寸法又は前記幅寸法に少なくとも実質的に平行であり、前記複数のスリットは、前記スリット方向に垂直な軸線に関してオフセットした少なくとも2つの隣接するスリットを備え、前記反射物品が予め伸張された状態のときに、少なくとも2つの隣接するスリットの前記上部と前記下部は、前記スリット方向に沿って5mm以下離れている、
反射物品。
【請求項32】
前記反射物品が予め伸張された状態のときに、前記少なくとも2つの隣接するスリットの前記上部と前記下部は、前記スリット方向に沿って3mm以下離れている、請求項31に記載の物品。
【請求項33】
前記反射物品が予め伸張された状態のときに、前記少なくとも2つの隣接するスリットの前記上部と前記下部は、前記スリット方向に沿って1mm以下離れている、請求項31に記載の物品。
【請求項34】
前記反射物品が予め伸張された状態のときに、前記少なくとも2つの隣接するスリットの前記上部と前記下部は、前記スリット方向に沿って同一線まで延びる、請求項31に記載の物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
本開示は、その開示内容が参照により本明細書に援用される、2016年9月1日に出願のRETICULATED REFLECTIVE MATERIALという名称の米国仮特許出願第62/382,469号の優先権を主張する。
【0002】
本開示は、反射材に関し、より具体的には、防護衣類に使用するための網状反射材に関する。
【背景技術】
【0003】
反射材は、いくつかの例を挙げると、道路標識、ナンバープレート、履物、及び衣服用ワッペンを含む様々な用途で使用するために開発されてきた。反射材は、衣服の高視認性トリム材料として、着用者の視認性を高めるために使用されることが多い。例えば、反射材は、消防士、救助隊員、救急救命士等が着用する防護衣類に付加されることが多い。
【0004】
再帰反射性は、様々な方法で提供することができ、その方法には、コーティングされたアルミニウム層などの反射剤と協働する極小ガラスビーズ又は微小球の層の使用によるものを含む。ビーズは、バインダー層に一部埋め込むことができ、このバインダー層は、ビーズが大気中に一部露出するようにビーズを布地に保持する。ビーズの露出した部分に入る入射光は、ビーズによって反射剤上に集束され、この反射剤は、典型的にはバインダー層に埋め込まれたビーズの背後に配設されている。反射剤は入射光を、ビーズを通し反射させて戻し、光を入射方向とは反対の方向に、ビーズの露出した部分を通して出す。
【0005】
反射材は、夜間及び夕暮れ時に消防士及び救助隊員の視認性を高めるのに特に有用であり得る。しかしながら、一部の状況では、火災時、消防士の衣類は極端な温度に曝される場合があり、反射材が衣類の内部に熱を閉じ込めることになる。特定の条件下では、閉じ込められた熱によって不快感、又は更には消防士の皮膚の火傷に至る可能性がある。
【0006】
特に、反射材の下に集まった水分は、火災による極端な温度に曝されると、急激に膨張する可能性がある。消防士は、膨張した水分が反射材を素早く通過させられることができなければ、極端な温度に曝されるおそれがある。一部の場合では、これにより、反射材を有する衣類部分の下の消防士の皮膚が蒸気による火傷になる可能性がある。多孔反射材を含む従来の反射材は、一般に、この現象を示す。例えば、従来の多孔反射材としては、ニードルパンチ式穴、レーザーパンチ式穴、スリット、又は紙用パンチで作製した比較的大きな穴を有する標準的な反射性トリムが挙げられる。
【発明の概要】
【0007】
異なるレベルの輝度及び異なる程度の通気性又は空気/水分透過性を提供するために1つ以上の方向に拡張可能な反射物品に対する需要がある。概して、本開示は、上述の需要を満たす防護衣類に使用するための網状反射材について記載する。
【0008】
一態様においては、反射材の複数のストランドであって、反射材の複数のストランドは、反射材のブリッジ領域にて互いにくっついており、かつブリッジ領域の間で反射材内に開口部を設けるように互いに分離可能であり、開口部は、可変的に拡張可能な面積を提供するように拡張可能であり、反射材は、反射性の主面と非反射性の主面とを備え、開口部のそれぞれは、長手寸法と幅寸法とを有し、複数のストランドのそれぞれは、厚さを有し、網状反射物品は、長手方向及び幅方向のうちの少なくとも一方に拡張可能である、網状反射物品が設けられる。
【0009】
いくつかの実施形態では、物品は、反射材の複数のストランドの間が第1の幅寸法となるように分離されると第1の反射輝度を提供し、反射材の複数のストランドの間が第2の幅寸法となるように分離されると第2の反射輝度を提供する。いくつかの実施形態では、第1の反射輝度と第2の反射輝度との間の輝度の減少は、少なくとも約10%の輝度の減少から約90%の輝度の減少までであり、両輝度は、ASTM E810-03(2013)に従い、未洗濯の網状反射物品に対して実施したときに決定される。
【0010】
いくつかの実施形態では、第1の幅寸法から第2の幅寸法における開口面積の変化は少なくとも20%であり、第1の反射輝度と第2の反射輝度との間の輝度の減少は、少なくとも25%の輝度の減少から約90%の輝度の減少までであり、両輝度は、ASTM E810-03(2013)に従い未洗濯の網状反射物品に対して実施したときに決定され、更に、網状反射物品は、少なくとも5.5cm/sの透過性を有する。いくつかの実施形態では、物品は、接着剤層が配設された反射材の複数のストランドの間が第1の幅寸法となるように分離されると第1の反射輝度を提供し、接着剤層が配設された反射材の複数のストランド間が第2の幅寸法となるように分離されると第2の反射輝度を提供する。いくつかの実施形態では、第1の幅寸法は第2の幅寸法よりも小さい。いくつかの実施形態では、第1の反射輝度は、第2の反射輝度よりも高い。
【0011】
いくつかの実施形態では、非反射領域は、反射材の総表面積の少なくとも25%を含む。いくつかの実施形態では、非反射領域は、反射材の総表面積の少なくとも50%を含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、網状反射物品は、反射材の反射性の主面に貼着されたキャリアテープを更に備える。いくつかの実施形態では、網状反射物品は、反射材の主面のうちの一方に配設された接着剤層を更に備え、接着剤層は、反射材の複数のストランド上に配設される、複数のストランドに分離可能である。いくつかの実施形態では、網状反射物品は、網状反射物品とは反対側の接着剤層の主面上に配設された基材を更に備える。いくつかの実施形態では、基材はエラストマー性である。
【0013】
いくつかの実施形態では、物品は、物品が拡張していない形態のときには第1の輝度、物品が拡張した形態のときには第2の輝度を有する。いくつかの実施形態では、物品は、物品が拡張していない形態のときには第1の透過性、物品が拡張した形態のときには第2の透過性を有する。いくつかの実施形態では、反射材は、光学フィルム、マイクロプリズムフィルム、及び微小球フィルムのうちの少なくとも1つから選択される。
【0014】
別の態様においては、本開示は、反射材内に開口部を設けるように互いに分離可能な反射材の複数の領域を備える、長手方向及び幅方向を有する網状反射物品であって、反射材は、反射性の主面と非反射性の主面とを備え、開口部のそれぞれは長手寸法及び幅寸法を有し、網状反射物品は少なくとも2つの方向に拡張可能である、網状反射物品を設ける。いくつかの実施形態では、物品は、共通の交差部から径方向に延びる多数の複数の領域を更に備える。
【0015】
別の態様においては、本開示は、少なくとも長手寸法及び幅寸法を有する反射物品であって、複数のスリットが形成された、光学フィルム、マイクロプリズムフィルム、微小球フィルム、又はこれらの組み合わせを備える反射層を備え、複数のスリットはスリット方向を有し、スリットのそれぞれは、スリット方向に沿って、上部方向と、反対の下部方向とを有し、スリット方向は、長手寸法又は幅寸法に少なくとも実質的に平行であり、複数のスリットは、スリット方向に垂直な軸線に対してオフセットした少なくとも2つの隣接するスリットを備え、反射物品が予め伸張された状態のときに、少なくとも2つの隣接するスリットの上部と下部は、スリット方向に沿って5mm以下離れている、反射物品を設ける。
【0016】
いくつかの実施形態では、物品は、反射材の複数の領域の間が第1の幅寸法となるように分離されると第1の反射輝度を提供し、反射材の複数の領域の間が第2の幅寸法となるように分離されると第2の反射輝度を提供する。いくつかの実施形態では、第1の反射輝度と第2の反射輝度との間の輝度の減少は、約10%の輝度の減少から約90%の輝度の減少までであり、両輝度は、ASTM E810-03(2013)に従い、未洗濯の網状反射物品に対して実施したときに決定される。いくつかの実施形態では、第1の幅寸法から第2の幅寸法における開口面積の変化は少なくとも20%であり、第1の反射輝度と第2の反射輝度との間の輝度の減少は、少なくとも25%の輝度の減少から約90%の輝度の減少までであり、両輝度は、ASTM E810-03(2013)に従い未洗濯の網状反射物品に対して実施したときに決定され、更に、網状反射物品は、少なくとも5.5cm/sの透過性を有する。いくつかの実施形態では、物品は、接着剤層が配設された反射材の複数の領域の間が第1の幅寸法となるように分離されると第1の反射輝度を提供し、接着剤層が配設された反射材の複数の領域の間が第2の幅寸法となるように分離されると第2の反射輝度を提供する。いくつかの実施形態では、第1の反射輝度は、第2の反射輝度よりも高い。
【0017】
いくつかの実施形態では、網状反射物品は、反射材の反射性の主面に貼着されたキャリアテープを更に備える。いくつかの実施形態では、網状反射物品は、反射材の主面のうちの一方に配設された接着剤層を更に備え、接着剤層は、反射材の複数の領域上に配設される、複数の領域に分離可能である。いくつかの実施形態では、網状反射物品は、網状反射物品とは反対側の接着剤層の主面上に配設された基材を更に備える。いくつかの実施形態では、基材はエラストマー性である。
【0018】
いくつかの実施形態では、物品は、物品が拡張していない形態のときには第1の輝度、物品が拡張した形態のときには第2の輝度を有する。いくつかの実施形態では、物品は、当該物品が拡張していない形態のときには第1の透過性、当該物品が拡張した形態のときには第2の透過性を有する。いくつかの実施形態では、反射材は、光学フィルム、マイクロプリズムフィルム、及び微小球フィルムのうちの少なくとも1つから選択される。
【0019】
これら及び他の実施形態の更なる詳細については、添付の図面及び下記の説明において示す。他の特徴、目的及び利点は、説明及び図面から、かつ特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1A】多様なサイズ及び拡張の程度における菱形スリットパターンを有する本発明で開示される網状反射材を示す。
【
図1B】多様なサイズ及び拡張の程度における菱形スリットパターンを有する本発明で開示される網状反射材を示す。
【
図2A】多様なサイズ及び拡張の程度における菱形スリットパターンを有する本発明で開示される網状反射材を示す。
【
図2B】多様なサイズ及び拡張の程度における菱形スリットパターンを有する本発明で開示される網状反射材を示す。
【
図3A】多様なサイズ及び拡張の程度における菱形スリットパターンを有する本発明で開示される網状反射材を示す。
【
図3B】多様なサイズ及び拡張の程度における菱形スリットパターンを有する本発明で開示される網状反射材を示す。
【
図4A】多様なサイズ及び拡張の程度における菱形スリットパターンを有する本発明で開示される網状反射材を示す。
【
図4B】多様なサイズ及び拡張の程度における菱形スリットパターンを有する本発明で開示される網状反射材を示す。
【
図5A】網状反射物品の拡張を少なくとも1つの方向に与える非菱形スリットパターンを示す。
【
図5B】網状反射物品の拡張を少なくとも1つの方向に与える非菱形スリットパターンを示す。
【
図6A】網状反射物品の拡張を少なくとも1つの方向に与える2つの異なるサイズ及び/又は形状の開口部を有する網状反射物品を示す。
【
図6B】網状反射物品の拡張を少なくとも1つの方向に与える2つの異なるサイズ及び/又は形状の開口部を有する網状反射物品を示す。
【
図7A】網状反射物品の拡張を少なくとも1つの方向に与える3つの異なるサイズ及び/又は形状の開口部を有する網状反射物品を示す。
【
図7B】網状反射物品の拡張を少なくとも1つの方向に与える3つの異なるサイズ及び/又は形状の開口部を有する網状反射物品を示す。
【
図8A】網状反射物品の拡張を少なくとも1つの方向に与える非菱形スリットパターンを示す。
【
図8B】網状反射物品の拡張を少なくとも1つの方向に与える非菱形スリットパターンを示す。
【
図9A】網状反射物品の拡張を少なくとも1つの方向に与える3つの異なるサイズ及び/又は形状の開口部を有する網状反射物品を示す。
【
図9B】網状反射物品の拡張を少なくとも1つの方向に与える3つの異なるサイズ及び/又は形状の開口部を有する網状反射物品を示す。
【
図10A】網状反射物品の拡張を少なくとも1つの方向に与える非菱形スリットパターンを示す。
【
図10B】網状反射物品の拡張を少なくとも1つの方向に与える非菱形スリットパターンを示す。
【
図11A】網状反射物品の拡張を少なくとも1つの方向に与える非菱形スリットパターンを示す。
【
図11B】網状反射物品の拡張を少なくとも1つの方向に与える非菱形スリットパターンを示す。
【
図12A】多様なサイズ及び拡張の程度における菱形スリットパターンを有する本発明で開示される網状反射材を示す。
【
図12B】多様なサイズ及び拡張の程度における菱形スリットパターンを有する本発明で開示される網状反射材を示す。
【
図13A】網状反射物品の拡張を少なくとも1つの方向に与える3つの異なるサイズ及び/又は形状の開口部を有する網状反射物品を示す。
【
図13B】網状反射物品の拡張を少なくとも1つの方向に与える3つの異なるサイズ及び/又は形状の開口部を有する網状反射物品を示す。
【
図14A】網状反射物品の拡張を少なくとも1つの方向に与える非菱形スリットパターンを示す。
【
図14B】網状反射物品の拡張を少なくとも1つの方向に与える非菱形スリットパターンを示す。
【
図15A】網状反射物品の拡張を少なくとも1つの方向に与える2つの異なるサイズ及び/又は形状の開口部を有する網状反射物品を示す。
【
図15B】網状反射物品の拡張を少なくとも1つの方向に与える2つの異なるサイズ及び/又は形状の開口部を有する網状反射物品を示す。
【
図16A】網状反射物品の拡張を少なくとも2つの方向に与える2つの異なるサイズ及び/又は形状の開口部を有する網状反射物品を示す。
【
図16B】網状反射物品の拡張を少なくとも2つの方向に与える2つの異なるサイズ及び/又は形状の開口部を有する網状反射物品を示す。
【
図17A】径方向の拡張などの網状反射物品の拡張を少なくとも2つの方向に与える多数の複数の拡張可能な再帰反射領域を有する網状反射物品を示す。
【
図17B】径方向の拡張などの網状反射物品の拡張を少なくとも2つの方向に与える多数の複数の拡張可能な再帰反射領域を有する網状反射物品を示す。
【
図17C】径方向の拡張などの網状反射物品の拡張を少なくとも2つの方向に与える多数の複数の拡張可能な再帰反射領域を有する網状反射物品を示す。
【
図18A】網状反射物品の拡張を少なくとも2つの方向に与える2つの異なるサイズ及び/又は形状の開口部を有する網状反射物品を示す。
【
図18B】網状反射物品の拡張を少なくとも2つの方向に与える2つの異なるサイズ及び/又は形状の開口部を有する網状反射物品を示す。
【
図19A】網状反射物品の拡張を少なくとも3つの方向に与えるように収束する3つの異なるサイズ及び/又は形状の開口部を有する網状反射物品を示す。
【
図19B】網状反射物品の拡張を少なくとも3つの方向に与えるように収束する3つの異なるサイズ及び/又は形状の開口部を有する網状反射物品を示す。
【
図20】本発明で開示される再帰反射物品の断面図である。
【
図21A】開示されるいくつかの実施形態に見られるスリットパターンの特定の特性を例示する反射物品を示す。
【
図21B】開示されるいくつかの実施形態に見られるスリットパターンの特定の特性を例示する反射物品を示す。
【
図21C】開示されるいくつかの実施形態に見られるスリットパターンの特定の特性を例示する反射物品を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
概して、本開示は、防護衣類に使用するための網状反射材について記載する。材料は、高レベルの反射輝度を提供するものの、加熱された水分及び極端な温度への曝露は阻止するほどの適切な透過性を提供する不連続反射パターンを含んでもよい。
【0022】
一部の場合では、本開示は、衣類自体、すなわち、保護用装備の外部層又は外部シェルについて記載する。他の場合では、本開示は、防護衣類に付加され得る衣服ワッペンなどの物品について記載する。更に他の場合では、本開示は、外部シェル上の不連続反射パターン、並びにサーマルライナー及び水分バリアなどの付加的な層を含む保護用装備について記載する。
【0023】
本明細書では、用語「物品」及び「網状反射物品」は、互換的に使用される。
【0024】
本明細書で使用する場合、用語「エラストマー性」は、変形力が取り除かれるとその本来の形状を回復することができる任意の材料を含むことを意味する。
【0025】
本明細書で使用する場合、用語「反射性」は、所与の材料による光の方向転換を意味する。本明細書で使用する場合、用語「再帰反射」は、所与の材料から光源に向かって戻る光の反射を意味する。本明細書では、用語「反射性」及び「再帰反射性」は、互換的に使用される。
【0026】
本明細書で使用する場合、用語「網状」は、特定の箇所で接合された網のような構成のストランド又は領域を意味する。
【0027】
いくつかの実施形態では、本開示は、長手方向及び幅方向を有する反射材の複数のストランドを含む網状反射物品であって、反射材のブリッジ領域にて互いにくっついており、ブリッジ領域の間で反射材内に開口部を設けるように互いに分離可能であり、開口部は、可変的に拡張可能な面積を提供し、反射材は、反射性の主面と非反射性の主面とを備え、また、開口部のそれぞれは、長手寸法と幅寸法とを有し、複数のストランドのそれぞれは厚さを有し、また、網状反射物品は、少なくとも1つの方向に拡張可能である網状反射物品を提供する。
【0028】
本開示では、網状反射物品の拡張は、網状反射物品の開口部の面積の変化とみなされる。本発明で開示される網状反射物品は、1つ以上の方向に拡張されたときに異なる量の開口面積を提供することができる。網状反射物品が拡張されるにつれて開口面積の量が増加し、輝度の低下及び透過性の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、拡張は、網状反射物品を基材に取り付ける前に行うことができる。いくつかの実施形態では、拡張は、例えば、網状反射物品がアクティブウエア(active wear)の肘又は膝領域に取り付けられている場合など、ユーザの動きによって起こる。
【0029】
図1A、
図1B、
図2A、
図2B、
図3A、
図3B、
図4A、
図4B、
図5A、
図5B、
図8A、
図8B、
図10A、
図10B、
図11A、
図11B、
図12A、
図12B、
図14A、
図14B、及び
図20を参照すると、長手方向及び幅方向を有し、反射材20のブリッジ領域18にて互いにくっついており、反射材内に開口部22を提供するようにブリッジ領域18の間において互いに分離可能である、反射材20の複数のストランド16を含む、網状反射物品10であって、開口部22は可変的に拡張可能な面積を提供し、反射材20は反射性の主面24と非反射性の主面26を備え(
図20)、また、開口部22のそれぞれは長手寸法12と幅寸法14とを有し、複数のストランド16のそれぞれは厚さ15を有し、また、網状反射物品10は少なくとも1つの方向に拡張可能である、網状反射物品10が示されている。いくつかの実施形態では、拡張が網状反射物品10の長手寸法12に平行な軸線に沿って起こるように、拡張の方向は長手方向である。いくつかの実施形態では、拡張が網状反射物品10の幅寸法14に平行な軸線に沿って起こるように、拡張の方向は幅方向である。
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
いくつかの実施形態では、網状反射物品10は、網状反射物品10の拡張の量に応じた輝度の変化率を有する。例えば、網状反射物品10が拡張するにつれて輝度は低下する。網状反射物品10は、約10%から少なくとも約300%の範囲内において面積が拡張する。いくつかの実施形態では、網状反射物品10の拡張していない状態から網状反射物品10の拡張したバージョンへの輝度の変化率は、約90%から40%未満もの範囲の輝度の減少率である。いくつかの実施形態では、網状反射物品10は、接着剤層28(
図20)が配設された反射材20の複数のストランド16の間が第1の幅寸法となるように分離されると、第1の反射輝度を提供し、接着剤層28が配設された反射材の複数のストランド16の間が第2の幅寸法となるように分離されると、第2の反射輝度を提供する。これらの変化する輝度及び透過性は、網状反射物品10の多数回の洗濯前及び/又は洗濯後に評価され得る。いくつかの実施形態では、第1の幅寸法から第2の幅寸法における開口面積の変化は少なくとも20%であり、第1の反射輝度と第2の反射輝度との間の輝度の減少は、少なくとも25%の輝度の減少から約90%の輝度の減少までであり、両輝度は、ASTM E810-03(2013)に従い、未洗濯の網状反射物品に対して実施したときに決定され、更に、網状反射物品は、少なくとも5.5cm/sの透過性を有する。
【0034】
いくつかの実施形態では、第1の幅寸法は第2の幅寸法よりも小さい。いくつかの実施形態では、第1の反射輝度は第2の反射輝度よりも高い。いくつかの実施形態では、網状反射物品10の非反射領域は、反射材20の総表面積の少なくとも25%を含む。いくつかの実施形態では、網状反射物品10の非反射領域は、反射材20の総表面積の少なくとも50%を含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、網状反射物品10は、少なくとも、物品が伸張する前の1つのスリットと別のスリットとの関係によって説明され得る。いくつかの実施形態では、網状反射物品10は、物品が伸張する前、及び物品が伸張し、少なくとも部分的に、その予め伸張した状態に戻った後の1つのスリットと別のスリットとの関係によって説明され得る。明記されない場合、任意の重なり又は重なりのない程度は、少なくとも、網状反射物品が、例えば、予め伸張した状態に伸張される前に測定された重なりの程度を指す。特に、長手寸法12に垂直な軸線に対してオフセットした(又は幅寸法となるように垂直な軸線に対してオフセットした)スリットの重なりの程度である。
【0036】
隣接するスリットは、マイナスの重なり、重なりなし(例えば、隣接するスリットは実質的に同じ箇所にある)、又はある程度の重なりを有することができる。
図21A、
図21B及び
図21Cは、重なりの程度に関する3つの状態を示す。
図21A、
図21B及び
図21Cにおいて、重なりの程度は長手寸法に対して測定されるが、当業者であれば、重なりの程度は、幅寸法に対して、又は長手寸法及び幅寸法の両方に対するパターン(例えば、
図16A、
図16B、
図17A、
図17B、
図18A、
図18B、
図19A、及び
図19Cを参照)に応じて測定され得ることは理解するであろう。要約すると、重なりの程度は、記載の寸法(長手寸法、幅寸法、又は両方個々に、のいずれか)に少なくとも実質的に垂直な中線を画定し、隣接するスリットの終点をこの中線に関連付けることによって測定され得る。本明細書では長手寸法に対する測定のみを示すが、当業者であれば、本開示によって、幅寸法における重なりの程度をどのように測定するかについては理解するであろう。
【0037】
図21Aは、長手寸法12と平行に概ね配設されたスリット11a及びスリット11bを有する網状反射物品10を概略的に示す。中線200は、長手寸法12に対して実質的に垂直な又は垂直な(例えば、90度の角度の)想像線である。中線は、2つの隣接するスリット11a及び11bの反対端(例えば、第1のスリットの上端部及び第2のスリットの下端部)から等距離に位置するものと定義される。
図21Aに示される実施形態では、中線200は、スリット11aの上端部及びスリット11bの下端部から等距離である。この実施形態では、中線200は、スリット11aの最上点及びスリット11bの最下点(又はこの反対)を画定する。このような一実施形態のスリットは、同一線に向かって延びる、又は中線に向かって延びると描写され得る。多くの網状反射物品においてはスリットの繰り返しの性質のために、任意の1つの物品において画定され得る多くの中線がある。いくつかの実施形態では、任意の中線を用いて得られる寸法は、任意の他の中線のものと実質的に同一(製造公差内)である。
【0038】
図21Bは、長手寸法12と平行に概ね配設されたスリット11c及びスリット11dを有する網状反射物品10を概略的に示す。この実施形態では、2つの隣接するスリットは、スリット11cの最上点がスリット11dの最下点よりも高く、このためスリット11cとスリット11dが重なっているということで、長手寸法において重なっている。重なりの特定量は寸法mによって与えられ得る。
図21Bに示される実施形態では、重なりmは、何らかの量として与えられ得る。寸法mは絶対値であり、したがって、距離がスリット11cの上部から測定されるかスリット11dの下部から測定されるかは重要ではない。
【0039】
図21Cは、長手寸法12と平行に概ね配設されたスリット11e及びスリット11fを有する網状反射物品10を概略的に示す。
図21Cに見られるように、下部スリット11eの最上点と上部スリット11fの最下点との重なりはない。下部スリット11eの最上点と上部スリット11fの最下点が長手寸法において離れている距離は、寸法nによって与えられ得る。このタイプの構成はマイナスの重なりと呼ばれ得る。マイナスの重なりが大きい、例えば、隣接するスリットの上部点と最下点とが離れすぎているスリットパターンにおいては、相対的に言って、伸張されたときに網状再帰反射パターンは拡張しない、又は所望するほど拡張しない。拡張しない又は所望の量まで拡張しない網状再帰反射パターンは、所望の量を拡張するものとは同じ利点を含み得ず、例えば、より良好な再帰反射特性を、同じコストで、より広い面積にわたって与えることはできず、より低いコストで、同程度の又はより良好な再帰反射特性を同じである(the same are)にわたって与えることはできず、所望の透過性若しくは空気流又はこれらのいくつかの組み合わせを与えることはできない。
【0040】
いくつかの実施形態では、網状再帰反射物品は、5mm以下の寸法nを有するスリットパターンを含み得る。あるいは換言すると、上記で定義したように、任意の2つの隣接する(長手寸法に垂直な軸線においてオフセットした)スリットの最上点と最下点は互いに5mm以下離れている。いくつかの実施形態では、網状再帰反射物品は、3mm以下の寸法nを有するスリットパターンを含み得る。あるいは換言すると、任意の2つの隣接する(長手寸法に垂直な軸線においてオフセットした)スリットの最上点と最下点は互いから3mm以下にある。いくつかの実施形態では、網状再帰反射物品は、1mm以下の寸法nを有するスリットパターンを含み得る。あるいは換言すると、任意の2つの隣接する(長手寸法に垂直な軸線においてオフセットした)スリットの最上点と最下点は互いに1mm以下離れている。いくつかの実施形態では、上記で定義したように、網状再帰反射物品は、隣接するスリットの最上点及び最下点が中線から0mm(又は製造公差内離れ)得るスリットを含むことができる。
【0041】
ここで
図20を参照すると、キャリアテープ(図示せず)を反射材20の反射性の主面24に、反射性の主面24に沿って貼着することができる。いくつかの実施形態では、網状反射物品10は、反射材20の主面のうちの1つに配設された接着剤層28を更に備え、接着剤層28は、反射材20の複数のストランド16上に配設される、複数のストランドに分離可能である。網状反射物品10は、また、反射材20とは反対側の接着剤層28の主面上に配設された基材30に接着してもよい。いくつかの実施形態では、基材はエラストマー性である。
【0042】
本発明で開示される網状反射物品10は、拡張していない形態のときには第1の輝度、拡張した形態のときには第2の輝度を有する。本発明で開示される網状反射物品10は、拡張していない形態のときには第1の透過性、拡張した形態のときには第2の透過性を有する。本発明で開示される反射材20は、光学フィルム、マイクロプリズムフィルム、及び微小球フィルムのうちの少なくとも1つから選択される。
【0043】
ここで
図16A、
図16B、
図17A、
図17B、
図18A、
図18B、
図19A、
図19B及び
図20を参照すると、いくつかの実施形態では、網状反射物品100は1つより多い方向に拡張可能である。いくつかの実施形態では、網状反射物品100は、長手方向及び幅方向とを有し、反射材20内に開口部122を設けるように互いに分離可能な反射材20の複数の領域116を有し、反射材20は、反射性の主面24と非反射性の主面26とを備え、開口部122のそれぞれは、長手寸法112及び幅寸法114とを有し、網状反射物品100は少なくとも2つの方向に拡張可能である。
【0044】
いくつかの実施形態では、本発明で開示される物品100は、また、共通の交差部125から径方向に延びる多数124の複数の領域116を含む。いくつかの実施形態では、本発明で開示される物品100は、反射材20の複数の領域116の間が第1の幅寸法となるように分離されると第1の反射輝度を提供し、反射材20の複数の領域116の間が第2の幅寸法となるように分離されると第2の反射輝度を提供する。
【0045】
いくつかの実施形態では、網状反射物品100は、網状反射物品100の拡張の量に応じた輝度の変化率を有する。例えば、網状反射物品100が拡張するにつれて輝度は低下する。いくつかの実施形態では、網状反射物品100は、約10%~少なくとも約300%の範囲内において面積が拡張する。いくつかの実施形態では、網状反射物品100の拡張していない状態から網状反射物品100の拡張したバージョンへの輝度の変化率は、約90%から40%未満もの範囲の輝度の減少率である。いくつかの実施形態では、網状反射物品100は、接着剤層28が配設された反射材20の複数の領域116の間が第1の幅寸法となるように分離されると第1の反射輝度を提供し、接着剤層28が配設された反射材の複数の領域116の間が第2の幅寸法となるように分離されると第2の反射輝度を提供する。これらの変化する輝度及び透過性は、網状反射物品100の多数回の洗濯前及び/又は洗濯後に評価され得る。いくつかの実施形態では、第1の幅寸法から第2の幅寸法における開口面積の変化は少なくとも20%であり、第1の反射輝度と第2の反射輝度との間の輝度の減少は、少なくとも25%の輝度の減少から約90%の輝度の減少までであり、輝度の両方は、ASTM E810-03(2013)に従い未洗濯の網状反射物品に対して実施したときに決定され、更に、網状反射物品は、少なくとも5.5cm/sの透過性を有する。
【0046】
いくつかの実施形態では、本発明で開示される網状反射物品100は、接着剤層28が配設された反射材20の複数の領域116の間が第1の幅寸法となるように分離されると第1の反射輝度を提供し、接着剤層28が配設された反射材20の複数の領域116の間が第2の幅寸法となるように分離されると第2の反射輝度を提供する。いくつかの実施形態では、第1の反射輝度は第2の反射輝度よりも高い。
【0047】
再度
図20を参照すると、本発明で開示される網状反射物品100は、また、反射材20の反射性の主面24に貼着されるキャリアテープ(図示せず)を含む。いくつかの実施形態では、本発明で開示される網状反射物品100は、反射材20の主面のうちの1つに配設された接着剤層28を設け、接着剤層28は、反射材20の複数の領域116上に配設される、複数の領域に分離可能である。いくつかの実施形態では、本発明で開示される網状反射物品100は、網状反射材20とは反対側の接着剤層28の主面上に配設された基材30を含む。いくつかの実施形態では、基材はエラストマー性である。
【0048】
いくつかの実施形態では、本発明で開示される網状反射物品100は、拡張していない形態のときには第1の輝度、拡張した形態のときには第2の輝度を有する。いくつかの実施形態では、本発明で開示される網状反射物品100は、拡張していない形態のときには第1の透過性、拡張した形態のときには第2の透過性を有する。これらの変化する輝度及び透過性は、網状反射物品100の多数回の洗濯後に評価され得る。いくつかの実施形態では、有用な反射材20は、光学フィルム、マイクロプリズムフィルム、及び微小球フィルムのうちの少なくとも1つから選択される。
【0049】
いくつかの実施形態では、スリット11、21、31、ミシン目、又はこれらの組み合わせは、ロータリーダイカット、レーザーカット、超音波スリット加工等などの任意の既知の技術を用いて作製することができる。
【0050】
本開示の再帰反射物品は多様な商用物品に組み込み、商用物品に再帰反射性を付与することができる。好適な商用物品の例としては、標識、広告板、路面標示等などのディスプレイ物品、自転車、自動二輪車、列車、バス等などの輸送物品、並びにシャツ、セーター、スウェットシャツ、ジャケット、コート、ズボン、靴、靴下、手袋、ベルト、帽子、スーツ、一体型肌着、ベスト、バッグ、及びバックパック等などの衣服物品が挙げられる。本発明で開示される反射物品を使用することができる付加的な物品としては、キャンプ用品、ベビー用品、ペット用アクセサリ、玩具、電話アクセサリ、スポーツアクセサリ、ファッションアクセサリ等に有用な物品が挙げられる。本発明で開示される反射物品は、また、輪郭、パターン、シルエット、形状、線、パッチ、パネル、小間物(例として、パイピング、テープ、ボタン、ビンディング、ジッパー、トリム、レース)等などのロゴ、デザインに変換することができる。
【0051】
消防士の衣類、つまり、多層の消防士用上着は、蒸気透過性反射材を実装することによって大幅に改良することができる。従来の反射材が蒸気バリアを有するので、外部シェルから蒸気を逃がすことができない場合、高温蒸気が内方向に、着用者の皮膚の方に向けられ、着用者の蒸気火傷又は他の不快感の原因となる可能性がある。本明細書中に記載される技術は、反射領域及び非反射領域を画定する網状パターンで形成された反射材を提供することによってこの問題を解決する。この方式では、反射材を付加することで外部シェルの蒸気透過性は実質的に低下しない。
【0052】
多孔反射性トリム材料などの従来の反射性トリム材料を有する外部シェルを介した熱の減衰は、従来の反射性トリム材料を有しない領域の外部シェルを介した熱の減衰よりも大幅に小さい。したがって、防護衣類内に閉じ込められた熱は、消防士が所望する速度で冷却するほど十分に迅速に逃げることができない可能性がある。むしろ、多孔反射性トリム材料などの従来の反射材が存在することで、熱が防護衣類の内部に、より長時間にわたって閉じ込められたままになり、消防士が火災から離れた後でも消防士に不快感を与える原因となり得る。本明細書中に記載される技術は、不連続な蒸気透過性反射材を有する部分の衣類の熱の減衰を実質的に低下させない不連続な蒸気透過性反射材を設けることによってこの問題を解決する。この方式では、蒸気透過性反射材は、消防士の装備を構成する種々の層内の熱負荷を低減することができ、着用者に対する負の生理的影響を低下させることができ、着用者の火傷を生じさせる尤度を低下させることができる。
【0053】
本明細書中に記載される技術は、約25カンデラ/(ルクス*メートル2)を超える、又は更には、250カンデラ/(ルクス*メートル2)を超える反射輝度を有する網状蒸気透過性反射材を提供することができる。これら範囲内の輝度は、夜間及び夕暮れ時における着用者の視認性を大幅に向上させることができる。実際、これにより、夜間の自動車運転者から消防士をより見えるようにすることができるのみならず、より重要なことには、これら輝度範囲は上述の蒸気透過性及び熱崩壊特性をなお提供しながらも達成することができる。
【0054】
以下は、本発明で開示される網状反射物品の実施形態及び実施形態の組み合わせの非限定的な開示である。
【0055】
実施形態1.反射材の複数のストランドを備える網状反射物品であって、反射性の複数のストランドは、反射材のブリッジ領域にて互いにくっついており、かつブリッジ領域の間で反射材内に開口部を設けるように互いに分離可能であり、
開口部は、可変的に拡張可能な面積を提供するように拡張可能であり、
反射材は、反射性の主面と非反射性の主面とを備え、
開口部のそれぞれは、長手寸法と幅寸法とを有し、複数のストランドのそれぞれは、厚さを有し、
網状反射物品は、長手方向及び幅方向のうちの少なくとも1つに拡張可能である、網状反射物品。
【0056】
実施形態2.反射材の複数のストランド間が第1の幅寸法となるように分離されると第1の反射輝度を提供し、反射材の複数のストランド間が第2の幅寸法となるように分離されると第2の反射輝度を提供する、実施形態1に記載の物品。
【0057】
実施形態3.第1の反射輝度と第2の反射輝度との間の輝度の減少は、少なくとも約10%の輝度の減少から約90%の輝度の減少までであり、両輝度は、ASTM E810-03(2013)に従い、未洗濯の網状反射物品に対して実施したときに決定される実施形態2に記載の物品。
【0058】
実施形態4.第1の幅寸法から第2の幅寸法における開口面積の変化は少なくとも20%であり、第1の反射輝度と第2の反射輝度との間の輝度の減少は、少なくとも25%の輝度の減少から約90%の輝度の減少までであり、両輝度は、ASTM E810-03(2013)に従い未洗濯の網状反射物品に対して実施したときに決定され、更に、網状反射物品は、少なくとも5.5cm/sの透過性を有する、実施形態2に記載の物品。
【0059】
実施形態5.接着剤層が配設された反射材の複数のストランド間が第1の幅寸法となるように分離されると第1の反射輝度を提供し、接着剤層が配設された反射材の複数のストランド間が第2の幅寸法となるように分離されると第2の反射輝度を提供する、実施形態2に記載の物品。
【0060】
実施形態6.第1の幅寸法は第2の幅寸法よりも小さい、実施形態3及び4に記載の物品。
【0061】
実施形態7.第1の反射輝度は、第2の反射輝度よりも高い、実施形態6に記載の物品。
【0062】
実施形態8.非反射領域は、反射材の総表面積の少なくとも25%を含む、実施形態1に記載の物品。
【0063】
実施形態9.非反射領域は、反射材の総表面積の少なくとも50%を含む、実施形態1に記載の物品。
【0064】
実施形態10.反射材の反射性の主面に貼着されたキャリアテープを更に備える、実施形態1に記載の物品。
【0065】
実施形態11.反射材の主面のうちの1つに配設された接着剤層を更に備え、接着剤層は、反射材の複数のストランド上に配設される、複数のストランドに分離可能である、実施形態1に記載の物品。
【0066】
実施形態12.網状反射物品とは反対側の接着剤層の主面上に配設された基材を更に備える、実施形態2に記載の物品。
【0067】
実施形態13.基材はエラストマー性である、実施形態12に記載の物品。
【0068】
実施形態14.物品が拡張していない形態のときには第1の輝度、物品が拡張した形態のときには第2の輝度を有する、実施形態12に記載の物品。
【0069】
実施形態15.物品が拡張していない形態のときには第1の透過性、物品が拡張した形態のときには第2の透過性を有する、実施形態12に記載の物品。
【0070】
実施形態16.反射材は、光学フィルム、マイクロプリズムフィルム、及び微小球フィルムのうちの少なくとも1つから選択される、先行する実施形態のいずれか1つに記載の物品。
【0071】
実施形態17.反射材内に開口部を設けるように互いに分離可能な反射材の複数の領域を備える、長手方向及び幅方向を有する網状反射物品であって、
反射材は、反射性の主面と非反射性の主面とを備え、
開口部のそれぞれは、長手寸法及び幅寸法を有し、
網状反射物品は少なくとも2つの方向に拡張可能である、
網状反射物品。
【0072】
実施形態18.共通の交差部から径方向に延びる多数の複数の領域を更に備える、実施形態17に記載の物品。
【0073】
実施形態19.反射材の複数の領域の間が第1の幅寸法となるように分離されると第1の反射輝度を提供し、反射材の複数の領域の間が第2の幅寸法となるように分離されると第2の反射輝度を提供する、実施形態17又は18に記載の物品。
【0074】
実施形態20.第1の反射輝度と第2の反射輝度との間の輝度の減少は、約10%の輝度の減少から約90%の輝度の減少までであり、両輝度は、ASTM E810-03(2013)に従い未洗濯の網状反射物品に対して実施したときに決定される、実施形態19に記載の物品。
【0075】
実施形態21.第1の幅寸法から第2の幅寸法における開口面積の変化は少なくとも20%であり、第1の反射輝度と第2の反射輝度との間の輝度の減少は、少なくとも25%の輝度の減少から約90%の輝度の減少までであり、両輝度は、ASTM E810-03(2013)に従い未洗濯の網状反射物品に対して実施したときに決定され、更に、網状反射物品は、少なくとも5.5cm/sの透過性を有する、実施形態19に記載の物品。
【0076】
実施形態22.接着剤層が配設された反射材の複数の領域の間が第1の幅寸法となるように分離されると第1の反射輝度を提供し、接着剤層が配設された反射材の複数の領域の間が第2の幅寸法となるように分離されると第2の反射輝度を提供する、実施形態19に記載の物品。
【0077】
実施形態23.第1の反射輝度は第2の反射輝度よりも高い、実施形態21に記載の物品。
【0078】
実施形態24.反射材の反射性の主面に接着されたキャリアテープを更に備える、実施形態17に記載の物品。
【0079】
実施形態25.反射材の主面のうちの1つに配設された接着剤層を更に備え、接着剤層は、反射材の複数の領域上に配設される、複数の領域に分離可能である、実施形態17に記載の物品。
【0080】
実施形態26.網状反射物品とは反対側の接着剤層の主面上に配設された基材を更に備える、実施形態19に記載の物品。
【0081】
実施形態27.基材はエラストマー性である、実施形態17に記載の物品。
【0082】
実施形態28.物品が拡張していない形態のときには第1の輝度、物品が拡張した形態のときには第2の輝度を有する、実施形態25に記載の物品。
【0083】
実施形態29.物品が拡張していない形態のときには第1の透過性、物品が拡張した形態のときには第2の透過性を有する、実施形態25に記載の物品。
【0084】
実施形態30.反射材は、光学フィルム、マイクロプリズムフィルム、及び微小球フィルムのうちの少なくとも1つから選択される、実施形態17~29のいずれかに記載の物品。
【0085】
実施形態31.少なくとも長手寸法及び幅寸法を有する反射物品であって、
複数のスリットが形成された、光学フィルム、マイクロプリズムフィルム、微小球フィルム、又はこれらの組み合わせを備える反射層を備え、
複数のスリットはスリット方向を有し、スリットのそれぞれは、スリット方向に沿って、上部方向と、反対の下部方向とを有し、スリット方向は、長手寸法又は幅寸法に少なくとも実質的に平行であり、複数のスリットは、スリット方向に垂直な軸線に対してオフセットした少なくとも2つの隣接するスリットを備え、反射物品が予め伸張された状態のときに、少なくとも2つの隣接するスリットの上部と下部は、スリット方向に沿って5mm以下離れている、反射物品。
【0086】
本発明を以下の実施例によって更に説明するが、これらの実施例において記載される特定の材料及びそれらの量、並びに他の条件及び詳細は、本開示を不当に制限するものとして解釈されるべきではない。
【0087】
試験方法
材料の再帰反射性を測定するための試験方法
実施例における再帰反射性は、ASTM E810-03(2013)-同一平面幾何形状を用いた再帰反射性シート材の再帰反射係数の標準的試験方法に記載の試験基準を用いて測定した。結果は、cd/ルクス/m2の単位を表す再帰反射性の単位Raとして測定される。
【0088】
開口面積を決定するための試験方法
各拡張/網状フィルムの%開口面積は、拡張量を拡張/網状フィルムの最終幅で除することにより数学的に決定した。
【0089】
洗濯耐久性を測定するための試験方法
洗濯耐久性を、ISO6330 2A法(60C家庭洗濯)に従い測定した。再帰反射性を、洗濯前及び75洗濯サイクルの後に測定した。結果は、cd/ルクス/m2の単位を表す反射性の単位Raとして測定した。
【0090】
通気度測定用試験方法
通気性を、ASTM D737-04(2016)-Standard Test Method for Air Permeability of Textile Fabricsに従い測定した。結果は、cm/s(cfm/sq ft)として報告する。
【0091】
スリット及び拡張/網状反射フィルムを作製するための方法
スリット反射フィルムは、ロータリーダイカット及びレーザーカットを含む任意の多くの方法で作製することができる。以下の実施例で記載するスリットフィルムは、3M Company(St.Paul、Minnesota)から商品名「3M Scotchlite 8725 Silver Transfer Film」で入手可能な5cm(2インチ)幅の反射材をロータリーダイカットすることによって作製した。転写フィルムに開口部を設けた。開口部は直線の開口部形状を有し、長手方向の繰り返し部毎に1つの開口部、及び幅繰り返し部毎に2つの開口部を有する22mmの長手方向繰り返し部を有する。
【0092】
代替的に、400ワットCO2、9.36nmの波長共振器を有する、Preco Incorporated(Lenexa、Kansas)から商品名「Mini FlexPro Model LB2440」で市販されているレーザーカッタを用いたレーザーカットシステムにより、商品名「3M Scotchlite 8725 Silver Transfer Film」で市販されている反射材にスリットを入れることができる。電力設定はパルスモードで40~60%であった。幅約200マイクロメートルのスリットのアレイをレーザーで切除した。
【0093】
以下の実施例に記載される拡張/網状フィルムを、手動拡張/伸張プロセスを用いてダイカットフィルム又はレーザーカットフィルムを拡張させ、作製した。代替的に、拡張/網状フィルムは、スプレッダバーが備えられたニップロールを用いた自動プロセスにより作製してもよい。伸張の程度は、スリットフィルムに対するスプレッダバーのたわみ、スプレッダの湾曲の程度、及びスリットフィルムの張力によって制御される。伸張/網状フィルム材料は、その後、高トラクションニップロール上に送られ、そこで伸張/網状構成が保持され、その後、フィルムは剥離ライナー(3M Company(St.Paul、MN)から商品名「8403」で市販されているものなど)に積層され、7.6cm(3インチ)の厚紙芯に巻かれる。フィルムは、長手方向又は幅方向のみの拡張に限定されず、特定の構成では、径方向又は多方向に拡張させることができる。
【0094】
図1~
図15は、様々なスリットフィルムパターンを示し、「A」図は、スリットが入れられ、かつ非拡張/非網状状態のフィルムを示し、「B」図は、拡張/網状状態の同一フィルムパターンを示す。
【実施例0095】
実施例1
実施例1は、拡張/網状部のないスリットフィルムであり、手動で組み立てた再帰反射性フィルムを、接着剤層を有する織布又は基材に積層させることによって作製された。このスリット反射フィルムは、3M Company(St.Paul、Minnesota)から商品名「3M Scotchlite 8725 Silver Transfer Film」で市販されている5cm(2インチ)幅の反射フィルムをロータリーダイカットすることによって作製された。転写フィルムに、22mmの直線開口部形状で、長手方向に1回の繰り返しにつき1つの開口部、及び幅の繰り返し毎に2個の開口部で切り取った。開口部は2mm/2mmのストランド幅で分離された。長手方向ブリッジ領域は2mm/2mmであり、ブリッジ領域のオフセットは0%/50%であった。線が描かれた製品にスリットを入れた後、ペーパーライナーを取り外し(手動又は巻取りロールでライナーを剥がし)、ビーズのある側を、3M Companyから商品名「3M Polyester 8403」で市販されている剥離ライナーに交換した。スリットフィルムは、その後、Lauffenmule Textil GmbH(Lauchingen、Germany)から商品名「Lauffenmule fabric(#42040、65%ポリエステル/35%綿、215g/m2、色:Bugatti Royal #40228/2)」で市販されているものなどの綾織ポリエステル布地に加熱積層した。積層は、Stahls’Hotronix(Carmichaels、Pennsylvania)から商品名「Stahls’Hotronix Thermal Transfer Press STX20」で市販されているものなどの転写プレス機を用いて、177C(350F)、滞留時間20秒間、エアライン圧設定4で行った。
【0096】
サンプルを室温に冷却した後、剥離ライナーを取り外し、網状再帰反射物品を得た。
【0097】
表1に示す輝度(Ra)及び透過性の値を有する網状及び布地積層サンプルを、上述の洗濯耐久性を測定するための試験方法及び透過性を測定するための試験方法に従い試験した。
【0098】
開口部形状の、長手方向の繰り返しの値[mm]、長手方向の繰り返しの開口部の数、幅方向の繰り返しの開口部の数、ストランド幅[mm]、長手方向ブリッジ領域[mm]、ブリッジ領域のオフセット[%]、及び標準からの変更点を表2及び
図3に記載する。実施例1は、表2の
図4に対応する。
【0099】
実施例2
実施例2は、実施例1と同様にフィルムにスリットを入れ、その後、約24%の開口面積まで拡張する/網状にすることによって作製した。実施例1のスリットフィルムは、スリットフィルムをビーズ側を上にして置き、フィルムの端部を、3M Companyから商品名「3M Industrial Masking Tape」で市販されているものなどのマスキングテープで平坦面に固定し、スリットフィルムを平坦かつ直線に維持することにより手動で拡張させた。フィルムの下縁部は、所望のフィルム縁部幅で、テープをスリット開口部に平行に配置することで平坦面に固定した。フィルムを広げるために用いた剛性薄型平坦スプレッダバー(例えば、定規)は、スリットフィルムの上部に固定した。短い方の縁部にはトリミングを施した。スプレッダバーを平面内においてスリット方向に垂直な方向に引き、フィルムを所望の広がり距離に拡張させた。
【0100】
拡張したフィルムは、スプレッダバー縁部の上部に沿ってマスキングテープで固定した。3M Companyから商品名「3M Polyester Tape 8403」で市販されているものなどの剥離ライナーを、その後、フィルムの上部(ビーズ側)に適用し、ゴムローラで平坦に広げ、拡張形態を転写フィルムに接着させた。その後、拡張した網状フィルム材料を実施例1と同様に加熱積層した。
【0101】
サンプルを室温に冷却した後、剥離ライナーを取り外し、網状拡張反射物品を得た。サンプルは、その後、実施例1と同様に積層し、試験した。
【0102】
実施例3
実施例3は、実施例1と同様にフィルムにスリットを入れ、その後、実施例2と同様に約60%の開口面積まで拡張する/網状にすることによって作製し、その後、実施例1と同様に積層し、試験を行った。
【0103】
比較例C1:
比較例C1は、3M Companyから商品名「3M Scotchlite 8725 Silver Transfer Film」で市販されているものなどの5cm(2インチ)幅の転写フィルムからなり、キャリアテープが存在しないこと以外は実施例1に記載のように積層し、試験を行った。
【0104】
比較例C2:
比較例C2は、3M Companyから商品名「3M Scotchlite Reflective Material 5510 Segmented Home Wash Trim」で市販されているものなどの5cm(2インチ)幅の反射材からなり、実施例1と同様に積層し、試験を行った。比較例2は、反射材の連続シートを使用し、一部を切り取り、その後、これらを取り除くことで作製されることから、比較例2は、実施例1~3に用いた技術とは異なる技術を用いて作製した。比較例2は、拡張可能な反射材ではない。
【0105】
【0106】
【0107】
【0108】
いくつかの実装形態及び実施形態を記載してきた。例えば、反射領域及び非反射領域を有する網状蒸気透過性反射材について記載してきた。網状蒸気透過性反射材の熱崩壊及び蒸気透過性は、網状蒸気透過性反射材を含まない下地材の熱崩壊及び蒸気透過性と実質的に同一である。
【0109】
しかし、本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく、様々な変更を施すことができることは理解される。例えば、網状蒸気透過性反射材は、あらゆる衣類の一部として、衣類の反射性を提供するために、更にまた、衣類の適切な熱の減衰及び蒸気透過性を提供するために含むことができる。加えて、網状蒸気透過性反射材は、衣類又は物品を実質的に又は完全に覆うことができる。また、反射材は、日中の視認性を高めるために蛍光を発するように作製してもよい。加えて、代替的な方法を用いて網状蒸気透過性反射材を実現してもよい。例えば、材料上に適用される反射基材の様々な異なるグラフィックスクリーン印刷技術、電子デジタル印刷技術、プロッタカット、レーザーカット、若しくはダイカット、又は他の類似の技術を用いて網状蒸気透過性反射材を実現してもよい。したがって、他の実装形態及び実施形態は、以下の特許請求の範囲内である。
前記反射性の主面が、光学フィルム、マイクロプリズムフィルム、微小球フィルム、又はこれらの組み合わせを備える反射層を備える、請求項1ないし9のいずれかに記載の網状反射物品。