(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022119807
(43)【公開日】2022-08-17
(54)【発明の名称】フェイスマスク用取り外し可能電池カートリッジ
(51)【国際特許分類】
A62B 18/08 20060101AFI20220809BHJP
【FI】
A62B18/08 D
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022078147
(22)【出願日】2022-05-11
(62)【分割の表示】P 2018554405の分割
【原出願日】2017-04-14
(31)【優先権主張番号】62/322,936
(32)【優先日】2016-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518120946
【氏名又は名称】スコット テクノロジーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SCOTT TECHNOLOGIES, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(72)【発明者】
【氏名】トンプソン, ダーリン カイル
(72)【発明者】
【氏名】バッサーニ, エリック ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】ウィルソン, グラハム ピーター
(72)【発明者】
【氏名】タッカー, カール エストコート
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185AA06
2E185BA07
2E185BA11
2E185CC32
(57)【要約】
【課題】新規な呼吸マスクを提供する。
【解決手段】個人用保護具製品(10)用の電源(12)と、電源(12)を呼吸マスク(10)などの個人用保護具製品に取り外し可能に結合する方法およびシステム。取り外し可能電池カートリッジ(12)は、呼吸器を取り付ける予定である、または取り付けている位置の下方の使用者の顎領域でマスク本体(14)に取り付けられる。このため、電源(電池カートリッジ(12))は使用者の邪魔にならず、使用者が手袋を着用しているときでも、マスク(10)からカートリッジ(12)を迅速かつ容易に着脱することができる位置にある。一実施形態において、マスク本体(14)は下面と、マスク本体下面に取り外し可能に結合可能である電源とを含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング部(25)を含むマスク本体(14)と、
前記マスク本体ハウジング部(25)に取り外し可能に結合可能な電源(12)と、
を備える呼吸マスク(10)。
【請求項2】
前記電源(12)が電池カートリッジ(12)であり、前記マスク(10)が前記マスク本体(14)に結合されるフェースプレート(16)をさらに備え、前記フェースプレート(16)が開口(24)を画定し、前記電池カートリッジ(12)が前記開口(24)から垂直に所定距離離れている、請求項1に記載の呼吸マスク(10)。
【請求項3】
前記電源(12)が電池カートリッジ(12)であり、前記マスク本体(14)が前記電池カートリッジ(12)の少なくとも一部を収容するサイズと構造を有する凹部(50)を画定する、請求項2に記載の呼吸マスク(10)。
【請求項4】
前記マスク本体ハウジング部(25)が第1面(28)と、前記第1面(28)に直交する第2面(30)とを有し、前記電池カートリッジ(12)が、前記電池カートリッジ(12)が前記マスク本体(14)に結合されたときに前記マスク本体ハウジング部(25)の前記第2面(30)と共面となる縁部(44)を含む、請求項3に記載の呼吸マスク(10)。
【請求項5】
前記電池カートリッジ(12)が、前記電池カートリッジ(12)が前記マスク本体(14)に取り付けられたときに、前記マスク本体ハウジング部(25)の前記第1面(28)と共面となる面(46)をさらに含む、請求項4に記載の呼吸マスク(10)。
【請求項6】
前記電池カートリッジ縁部(44)が第4縁部(44)であり、前記電池カートリッジ(12)が第1縁部(38)と、前記第1縁部(38)とは反対側を向いた第2縁部(40)と、前記第4縁部(44)とは反対側を向いた第3縁部(42)とをさらに含み、前記凹部(50)が、
前記電池カートリッジ(12)が前記マスク本体(14)に取り付けられたときに前記電池カートリッジ第1縁部(38)に接触するように構成される凹部第1壁(54)と、
前記電池カートリッジ(12)が前記マスク本体(14)に取り付けられたときに前記電池カートリッジ第2縁部(40)に接触するように構成される凹部第2壁(56)と、
前記凹部第1壁(54)の切欠き(82)と、
をさらに含む、
請求項4に記載の呼吸マスク(10)。
【請求項7】
前記電池カートリッジ(12)が、前記電池カートリッジ第1縁部(38)に突出部(80)をさらに含み、前記電池カートリッジ(12)が前記マスク本体(14)に取り付けられたときに、前記突出部(80)が前記凹部第1壁(54)の前記切欠き(82)に収容されるサイズと構造を有する、請求項6に記載の呼吸マスク(10)。
【請求項8】
前記電池カートリッジ(12)が前記電池カートリッジ第3縁部(42)に電気コネクタ(68)をさらに含む、請求項6に記載の呼吸マスク(10)。
【請求項9】
前記電池カートリッジ(12)が前記電池カートリッジ第2縁部(40)上のねじボス(72)と、前記電池カートリッジ第2縁部(40)に沿って延びるねじ凹部(74)とをさらに含み、前記ねじボス(72)とねじ凹部(74)がそれぞれねじ(76)を収容するサイズと構造を有する、請求項6に記載の呼吸マスク(10)。
【請求項10】
前記電池カートリッジ(12)が前記電池カートリッジ第2縁部(40)にラッチ機構(84)をさらに含む、請求項6に記載の呼吸マスク(10)。
【請求項11】
前記マスク本体(14)が前記ラッチ機構(84)と機械的に連通する解除機構(94)をさらに含み、前記解除機構(94)の始動により電池カートリッジ第2縁部(40)をマスク本体(14)から取り外すように構成される、請求項10に記載の呼吸マスク(10)。
【請求項12】
前記解除機構(94)が前記マスク本体(14)に沿って直線的に移動可能である、請求項11に記載の呼吸マスク(10)。
【請求項13】
前記ラッチ機構(84)が押圧可能突起(86)とバネ(88)とを含む、請求項11に記載の呼吸マスク(10)。
【請求項14】
前記ラッチ機構(84)が第1位置にあるときに前記押圧可能突起(86)が前記凹部第2壁(56)と係合し、前記ラッチ機構(84)が第2位置にあるときに前記押圧可能突起(86)が前記凹部第2壁(56)から解放される、請求項13に記載の呼吸マスク(10)。
【請求項15】
前記解除機構(94)を始動させると、前記押圧可能突起(86)がバネ(88)に抗して前記凹部第2壁(56)から離れるように直線移動する、請求項13に記載の呼吸マスク(10)。
【請求項16】
マスク本体(14)と、前記マスク本体(14)に取り外し可能に結合される電池カートリッジ(12)とを備える呼吸マスク(10)であって、
前記マスク本体(14)が、
第1面(28)と、
前記マスク本体第1面(28)に直交する第2面(30)であって、前記マスク本体第1面(28)が呼吸器を収容するサイズと構造を有する開口(24)を画定する、第2面(30)と、
前記マスク本体(14)の凹部(50)であって、凹部第1壁(54)と、前記第1壁(54)と向かい合う凹部第2壁(56)と、前記凹部第1壁(54)と前記凹部第2壁(56)との間を延びる凹部第3壁(58)と、前記凹部第1壁(54)、前記凹部第2壁(56)、および前記凹部第3壁(58)に接し、前記マスク本体第1面(28)に平行である凹部第4壁(60)とを有する凹部(50)と、
を含み、
前記電池カートリッジ(12)が、
前記電池カートリッジ(12)が前記マスク本体(14)に結合されたときに前記凹部第1壁(54)と接触するように構成される電池カートリッジ第1縁部(38)と、
前記電池カートリッジ第1縁部(38)とは反対側を向いた、前記電池カートリッジ(12)が前記マスク本体(14)に結合されたときに前記凹部第2壁(56)に接するように構成される電池カートリッジ第2縁部(40)と、
前記電池カートリッジ第1縁部(38)と前記電池カートリッジ第2縁部(40)との間を延び、前記電池カートリッジ(12)が前記マスク本体(14)に結合されたときに前記凹部第4壁(60)に接するように構成される電池カートリッジ第1面(46)と、
前記電池カートリッジ第1縁部(38)と前記電池カートリッジ第2縁部(40)との間を延び、前記電池カートリッジ(12)が前記マスク本体(14)に結合されたときに前記マスク本体第1面(28)と共面になるように構成される電池カートリッジ第2面(48)と、
を含む、呼吸マスク(10)。
【請求項17】
前記凹部(50)が前記凹部第1壁(54)に切欠き(82)をさらに含み、前記電池カートリッジ(12)が前記電池カートリッジ第1縁部(38)上に突出部(80)をさらに含み、前記電池カートリッジ(12)が前記マスク本体(14)に取り付けられたときに前記突出部(80)が前記切欠き(82)に収容されるサイズと構造を有する、請求項16に記載の呼吸マスク(10)。
【請求項18】
前記電池カートリッジ(12)が前記電池カートリッジ第2縁部(40)上にラッチ機構(84)と、前記ラッチ機構(84)と機械的に連通する解除機構(94)とをさらに含み、前記解除機構(94)が始動されると前記電池カートリッジ(12)が前記凹部(50)から外れる、請求項17に記載の呼吸マスク(10)。
【請求項19】
呼吸マスク(10)用の取り外し可能電池カートリッジ(12)であって、前記呼吸マスク(10)が第1面(28)と、前記第1面(28)に直交する第2面(30)とを有し、前記電池カートリッジ(12)が、
第1縁部(38)と、
前記第1縁部(38)とは反対側を向いた第2縁部(40)と、
前記第1縁部(38)と第2縁部(40)との間を延びる第1面(46)と、
前記第1縁部(38)と第2縁部(40)との間を延び、前記第1面(46)とは反対側を向き、前記電池カートリッジ(12)が前記マスク本体(14)に結合されたときに前記マスク第1面(28)と共面になるように構成される第2面(48)と、
前記マスク本体(14)に係合可能なラッチ機構(84)と、
を備える、取り外し可能電池カートリッジ(12)。
【請求項20】
前記電池カートリッジ(12)が、
前記第1縁部(38)と前記第2縁部(40)との間を延びる第3縁部(42)と、
前記第3縁部(42)とは反対側を向き、前記第1縁部(38)と前記第2縁部(40)との間を延び、前記電池カートリッジ(12)が前記マスク本体(14)に結合されたときに前記マスク第2面(30)と共面になるように構成される第4縁部(44)と、
をさらに備える、請求項19に記載の呼吸マスク(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
取り外し可能電池カートリッジ、呼吸マスクおよび方法および、特に、呼吸マスクへの取り外し可能電池カートリッジを含む呼吸マスク。
【背景技術】
【0002】
呼吸マスクなどの個人用保護マスクは、人が気体、蒸気、エアロゾル(たとえば、塵芥、ミストおよび/または生物学的薬剤)などの危険性物質に曝される環境で使用される。呼吸マスクには多様な種類およびサイズがあり、より安価な使い捨てマスクから交換可能な濾過カートリッジを含む、より高価な再利用可能なマスクにまで及ぶ。多数の呼吸マスクは、通信およびデータ転送装置などの電子装置を含み、これらの電子部品は動作させるための電源を必要とする。
【0003】
現在知られている電源は、かさばる、扱いづらい、またはマスクに装着することが困難であり、交換や再充電のためにマスクに容易に着脱されない。現在公知のシステムにおいて、電源は、マスクの頂部(使用者の頭部など)、マスクの頬側または側方側の領域に装着される、あるいは使用者の背部またはベルトに配線される。しかし、これらの位置では、電源によりマスクがさらにかさばり、使用者の動きを妨げる場合がある。また、現在既知の電源は、電源の交換や再充電の際に必要とされるマスクへの取り付けおよびマスクからの取外しが難しい。
【発明の概要】
【0004】
いくつかの実施形態は、呼吸マスク用取り外し可能電池カートリッジ、取り外し可能電池カートリッジを有する呼吸マスク、および取り外し可能電池カートリッジを呼吸マスクに取り付ける方法を有利に提供する。取り外し可能電池カートリッジは、顎領域でマスク本体に取り付けられる。このため、電源(取り外し可能電池カートリッジ)は使用者の邪魔にならず、使用者が手袋を着用しているときでも、マスクからカートリッジを迅速かつ容易に着脱することができる位置にある。
【0005】
一実施形態では、呼吸マスクはハウジング部を含むマスク本体と、マスク本体ハウジング部に取り外し可能に結合可能な電源と、を含む。
【0006】
実施形態の一態様において、電源が電池カートリッジであり、マスクがマスク本体に結合されるフェースプレートをさらに備え、フェースプレートが開口を画定し、電池カートリッジが開口から垂直に所定距離離れている。実施形態の一態様において、電源が電池カートリッジであり、マスク本体が電池カートリッジの少なくとも一部を収容するサイズと構造を有する凹部を画定する。実施形態の一態様において、マスク本体ハウジング部が第1面と、第1面に直交する第2面とを有し、電池カートリッジが、電池カートリッジがマスク本体に結合されたときにマスク本体ハウジング部の第2面と共面となる縁部を含む。
【0007】
実施形態の一態様において、電池カートリッジが、電池カートリッジがマスク本体に取り付けられたときに、マスク本体ハウジング部の第1面と共面となる面をさらに含む。
【0008】
実施形態の一態様では、電池カートリッジ縁部が第4縁部であり、電池カートリッジが第1縁部と、第1縁部とは反対側を向いた第2縁部と、第4縁部とは反対側を向いた第3縁部とをさらに含み、凹部が、電池カートリッジがマスク本体に取り付けられたときに電池カートリッジ第1縁部に接触するように構成される凹部第1壁と、電池カートリッジがマスク本体に取り付けられたときに電池カートリッジ第2縁部に接触するように構成される凹部第2壁と、凹部第1壁の切欠きと、をさらに含む。
【0009】
実施形態の一態様において、電池カートリッジが、電池カートリッジ第1縁部に突出部をさらに含み、電池カートリッジがマスク本体に取り付けられたときに、突出部が凹部第1壁の切欠きに収容されるサイズと構造を有する。
【0010】
実施形態の一態様において、電池カートリッジが電池カートリッジ第3縁部に電気コネクタをさらに含む。
【0011】
実施形態の一態様において、電池カートリッジが電池カートリッジ第2縁部上のねじボスと、電池カートリッジ第2縁部に沿って延びるねじ凹部とをさらに含み、ねじボスとねじ凹部がそれぞれねじを収容するサイズと構造を有する。
【0012】
実施形態の一態様において、電池カートリッジが電池カートリッジ第2縁部にラッチ機構をさらに含む。実施形態の一態様において、マスク本体がラッチ機構と機械的に連通する解除機構をさらに含み、解除機構の始動により電池カートリッジ第2縁部をマスク本体から取り外すように構成される。
【0013】
実施形態の一態様において、解除機構がマスク本体に沿って直線的に移動可能である。
【0014】
実施形態の一態様において、ラッチ機構が押圧可能突起とバネとを含む。
【0015】
実施形態の一態様において、ラッチ機構が第1位置にあるときに押圧可能突起が凹部第2壁と係合し、ラッチ機構が第2位置にあるときに押圧可能突起が凹部第2壁から解放される。
【0016】
実施形態の一態様において、解除機構を始動させると、押圧可能突起がバネに抗して凹部第2壁から離れるように直線移動する。
【0017】
一実施形態では、マスク本体と、マスク本体に取り外し可能に結合される電池カートリッジを備える呼吸マスクであって、マスク本体が、第1面と、マスク本体第1面に直交する第2面であって、マスク本体第1面が呼吸器を収容するサイズと構造を有する開口を画定する、第2面と、マスク本体の凹部であって、凹部第1壁と、第1壁と向かい合う凹部第2壁と、凹部第1壁と凹部第2壁との間を延びる凹部第3壁と、凹部第1壁、凹部第2壁、および凹部第3壁に接し、マスク本体第1面に平行である凹部第4壁とを有する凹部と、を含み、電池カートリッジが、電池カートリッジがマスク本体に結合されたときに凹部第1壁と接触するように構成される電池カートリッジ第1縁部と、電池カートリッジ第1縁部とは反対側を向いた、電池カートリッジがマスク本体に結合されたときに凹部第2壁に接するように構成される電池カートリッジ第2縁部と、電池カートリッジ第1縁部と電池カートリッジ第2縁部との間を延び、電池カートリッジがマスク本体に結合されたときに凹部第4壁に接触するように構成される電池カートリッジ第1面と、電池カートリッジ第1縁部と電池カートリッジ第2縁部との間を延び、電池カートリッジがマスク本体に結合されたときにマスク本体第1面と共面になるように構成される電池カートリッジ第2面と、を含む。
【0018】
実施形態の一態様において、凹部が凹部第1壁に切欠きをさらに含み、電池カートリッジが電池カートリッジ第1縁部に突出部をさらに含み、電池カートリッジがマスク本体に取り付けられたときに突出部が切欠きに収容されるサイズと構造を有する。実施形態の一態様において、電池カートリッジが電池カートリッジ第2縁部にラッチ機構と、ラッチ機構と機械的に連通する解除機構とをさらに含み、解除機構が始動されると電池カートリッジが凹部から外れる。
【0019】
一実施形態において、呼吸マスク用の取り外し可能電池カートリッジであって、呼吸マスクが第1面と、第1面に直交する第2面とを有し、電池カートリッジが、第1縁部と、第1縁部とは反対側を向いた第2縁部と、第1縁部と第2縁部との間を延びる第1面と、第1縁部と第2縁部との間を延び、第1面とは反対側を向き、電池カートリッジがマスク本体に結合されたときにマスク第1面と共面になるように構成される第2面と、マスク本体に係合可能なラッチ機構と、を備える。実施形態の一態様において、電池カートリッジが、第1縁部と第2縁部との間を延びる第3縁部と、第3縁部とは反対側を向き、第1縁部と第2縁部との間を延び、電池カートリッジがマスク本体に結合されたときにマスク第2面と共面になるように構成される第4縁部と、をさらに備える。
【図面の簡単な説明】
【0020】
添付図面とあわせて考察すると、以下の発明を実施するための形態を参照することによって、本実施形態のより完全な理解、並びにそれに付随する利点および特徴がより容易に理解されるであろう。
【0021】
【
図1】取り外し可能電池カートリッジを有する例示的な呼吸マスクを示す図である。
【
図2】部分的に取り外した状態における、取り外し可能電池カートリッジを備えた呼吸マスクの詳細図である。
【
図3】完全に取り外した状態における、取り外し可能電池カートリッジを備えた呼吸マスクの詳細図である。
【
図4】取り外し可能電池カートリッジの側面図である。
【
図5】ラッチ機構を有する取り外し可能電池カートリッジの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、取り外し可能電源と、取り外し可能電源、たとえば、マスクに容易に脱着される取り外し可能電池カートリッジを有する呼吸マスクとを有利に提供する。
【0023】
本開示に係る例示的な実施形態を詳細に説明する前に、構成要素は、適切な場合には図面において慣例的な記号によって表され、本明細書の説明の恩恵を受ける当業者にとって容易に明らかとなる詳細により本開示を不明瞭にしないように、本開示の実施形態を理解することに関連する特定の詳細のみを示していることが留意されるべきである。
【0024】
本明細書で使用される場合、「第1」、「第2」、「上部」、および「下部」などの関係を示す用語は、1つの実体または要素を別の実体または要素と単に区別するために、そのような実体同士もしくは要素同士の間の物理的もしくは論理的関係、または順序を必ずしも必要とするまたは意味することなく、使用される。
【0025】
別段に定義されていない限り、本明細書において使用されているすべての用語(技術的用語および科学的用語を含む)は、本開示が属する当業者に通常理解される意味と同じ意味を有する。さらに、本明細書で使用される用語は、本明細書の文脈および関連技術におけるそれらの意味と矛盾しない意味を有するとして解釈されるべきであり、本明細書で特にそう定義されない限り、理想的または過度に形式的な意味に解釈されないと理解されよう。
【0026】
次に、図面を参照すると、図面では、同様な参照呼称は同様な要素を示しており、本発明の原理にしたがって構築された取り外し可能電池カートリッジを有する個人用保護具製品の一実施形態が示され、全体が「10」で示されている。
図1を参照すると、個人用保護具製品は、気体、蒸気、エアロゾル(塵、霧、および/または生物剤などの)、および/または同様なものなどだがこれらに限定されない有害物質に使用者が曝される環境において使用者によって装着されるように構成された呼吸マスク10である。より詳細に後述する電池カートリッジ12に加えて、マスク10は概して、本体14と、本体14に結合されるフェースプレートまたは窓16と、本体14に結合され1つ以上のストラップ20を有するフェースシール18と、ベゼル22と、呼吸器(図示せず)へ取り付けるためのサイズと構造を有するフェースプレート16の開口24と、開口24と連通するノーズカップ26と、を含む。マスク10は、マスク10を使用するための条件および目的に応じて他の構成要素を含んでもよい。
【0027】
電池カートリッジ12はマスク本体14に取り外し可能に結合することができる。一実施形態において、電池カートリッジ12は、使用者がマスク10を着用するときに使用者の顎の近傍領域において開口24(および装着される場合は呼吸器)の下方の開口24から所定距離離れた位置、たとえばハウジング部25で、マスク本体14に結合されるように構成される。いくつかの実施形態では、ハウジング部25は、マイクロフォン、トランシーバ、無線通信ユニットなどのシステムの電子部品を収容または包含する。この位置では、電池カートリッジ12は使用者の動きを邪魔せず、マスクをかさばらせず、マスクへの着脱の際に扱いやすい。
【0028】
電池カートリッジ12は、高密度ポリエチレン(HDPE)のような硬質プラスチックなど、マスク本体14と同一の材料で構成してもよい。任意に、マスク本体14および/または電池カートリッジ12は、シリコーンゴム、熱可塑性エラストマー(TPE)、ゴム(天然または合成のいずれか)および/または他の材料のような、より低い硬度の追加材料でオーバーモールドされてもよい、あるいは該材料を含んでもよい。しかし、マスク本体14と電池カートリッジ12とは、電池カートリッジ12をマスク10から着脱する際に、その形状を維持するのに十分な剛性を有しているべきであると理解される。
図1~3に示す実施形態では、マスク本体14のハウジング部25は、マスク10の第1(または前)面28と第2(下)面30を画定し、第1面28が第2面30に直交する。別の言い方をすれば、第1面28と第2面30が交わってマスク本体14下縁32を画定することができる。本明細書で使用されるとき、「直交」という用語は、面同士が丸みを帯びた縁部で交じり合うか、あるいは鋭い角度の縁部で交わるかにかかわらず、90度で交わる面だけでなく、90度で交わる平面に位置する面も含む。さらに、本明細書で使用されるとき、「直交」という用語は、±10度内など許容公差内で相互に略直交する面も含む。下縁32は丸みを帯びていてもよいし、別の構造を有していてもよい。下縁32が丸みを帯びていても(および第1面28および/または第2面30が平坦でない、質感を有するなどであっても)、第1面28が位置する平面は第2面30が位置する平面に少なくとも実質的に直交するため、第1面28は第2面30に少なくとも実質的に直交すると言うことができる。マスク10が使用者によって着用されると、第1面28はほぼ使用者の顎から使用者の額まで延び、第2面30はほぼ使用者の顎から使用者の首まで延びる。第1面28は、をフェースプレート開口22の下側曲線を少なくとも部分的に囲むまたは追従する。
【0029】
一実施形態では、電池カートリッジ12は略矩形または台形であり、4つの縁部と2つの面を有する。たとえば、カートリッジ12は第1縁部38と、第1縁部38とは反対側を向いた第2縁部40とを含む。いくつかの実施形態において、第1縁部38と第2縁部40は平行にすることができるが、
図1~3に示す実施形態では、台形の斜めの対向側面のように、第1縁部38と第2縁部40は互いに対して傾斜していてもよい。非限定的例として、電池カートリッジ12は、第1縁部38と第2縁部40との間に延びる第3縁部42をさらに含み、第1縁部38と第2縁部40は、電池カートリッジ12を取り付けるマスクの種類、サイズ、および構造に応じて、(たとえば、
図5に示すように)水平から約10度~約40度の角度αで第3縁部42と交わってもよい。電池カートリッジ12は、第3縁部42とは反対側を向いた第4縁部44をさらに含む。第3縁部42は平坦であるが、一実施形態では、第4縁部44は湾曲している(たとえば、第3縁部42から離れるように湾曲する)。しかし、第4縁部44は、電池カートリッジ12がマスク本体第2面30と共面となるような形状を有していてもよいと理解される。すなわち、カートリッジ第4縁部44とマスク本体第2面30は、電池カートリッジ12がマスク本体14と結合されたときに連続面を画定することができる。本明細書で使用されるとき、「共面」という用語は、面間に判別可能な境界がない円滑面を有する完全な共面だけでなく、不規則な形状を有するが共通平面に位置する面や、許容公差内で共面である面も含む。
【0030】
電池カートリッジ12は第1面46と、第1面46とは反対側を向いた第2面48とを含む。第1面46と第2面48はそれぞれ、第1縁部38、第2縁部40、第3縁部42、および第4縁部44によって接合することができる。第1面46は平坦である一方、第2面48は、電池カートリッジ12がマスク本体第1面28と略共面になるような形状を有していてもよい。すなわち、カートリッジ第2面48とマスク本体第1面28は、電池カートリッジ12がマスク本体14に結合されたときに連続面を画定することができる。さらに、カートリッジ第2面48とカートリッジ第4縁部44との間の湾曲移行部、またはカートリッジ第2面48とカートリッジ第4縁部44が交わる縁部は、マスク下縁32の少なくとも一部を画定する。同様に、マスク本体第1面28とマスク本体第2面30との間の湾曲移行部、またはマスク本体第1面28とマスク本体第2面30が交わる縁部も、凹部50または電池カートリッジ12のいずれかの側でマスク下縁32の少なくとも一部を画定する。
【0031】
マスク本体14は、電池カートリッジ12の少なくとも一部を収容するサイズと構造を有する凹部50を含む、または凹部50を画定する。具体的には、凹部50はマスク本体ハウジング部25に画定されまたは含まれ、凹部50はマスク本体の第1面28と第2面30のそれぞれの少なくとも一部の凹部である。一実施形態において、凹部50は、第1縁部38、第2縁部40、第3縁部42、および第1面46を囲むサイズと構造を有しており、第44縁部44と第2面48のそれぞれの少なくとも一部は露出している。たとえば、第4縁部44と第2面48は完全に露出し、それぞれマスク本体第2面30とマスク本体第1面28と共面を成してもよい。この構成において、凹部50は、第1壁54(または第1側壁)、第1壁54と向かい合う第2壁56(または第2側壁)、第1壁54と第2壁56との間を延びる第3壁58(または天井)、および第1壁54、第2壁56、第3壁58の間を延び、それらの壁と境を成す第4壁60(または後壁)を含む、または画定する。第4壁60はマスク第1面28と平行である。本明細書で使用されるとき、「平行」という用語は、0度の公差の範囲内で平行な面だけでなく、±5度内などの許容公差内で相互に略平行である平面に位置する面も含む。電池カートリッジ12がマスク10に結合されると、電池カートリッジ12の第1縁部38が凹部第1壁54に接触し、電池カートリッジ12の第2縁部40が凹部第2壁56に接触し、電池カートリッジ12の第3縁部が凹部第3壁58に接触し、電池カートリッジ12の第1面46が凹部第4壁60に接触する。
【0032】
電池カートリッジ12は、呼吸マスクの電子部品を所定時間動作させることが可能な電源66を内部に有するハウジングである。たとえば、電源66は、1つ以上の電池(AAまたはAAA電池など)および/または1つ以上の電池(たとえば、1~8個の電池)の蓄電池を含むことができる。電池および/または蓄電池の非限定的な例は、アルカリ、ニッケル金属水素化物(NiMH)、リチウムイオン(Liイオン)などを限定なく含む。電池カートリッジ12は、電源66からマスクの電気部品に電力を移送する電気コネクタ68を含む。したがって、マスク本体14は、電池カートリッジ12の電気コネクタ68に嵌合または係合可能な対応する電気コネクタを含む。一実施形態では、電池カートリッジ12は、第3縁部42に第1電気コネクタ68を含み、マスク本体14は第3壁58(図示せず)に対応する第2電気コネクタを含む。
【0033】
次に
図2および
図3を参照して、電池カートリッジ12の取り付けについてより詳細に説明する。電池カートリッジ12は、当該技術において既知な任意の機構または装置を用いてマスク10に取り外し可能に結合可能である、または結合される。
図2および
図3に示すような一実施形態では、電池カートリッジ12は、ねじボス72と、カートリッジ第2縁部40に沿って延びる対応する線状ねじ凹部74とを含む。ねじ凹部74は半円形または少なくとも湾曲断面形状を有し、ねじボス72とねじ凹部74はともに、電池カートリッジ12をマスク本体14に結合するねじを収容するように構成される。たとえば、凹部第3壁58はねじ穴(図示せず)を含んでもよい。ねじボス72とねじ凹部74の形状はねじ76をねじ穴に誘導し、その後、使用者は、ねじ76がマスク本体14に対して締め付けられて、電池カートリッジ12がマスク本体14に確実に結合または搭載されるまで、第1方向(たとえば、時計回り)にねじ76を回転させる。一実施形態では、ねじ76は使用者が工具を使わずに回転させることができる蝶ねじである。別の実施形態では、ねじ76は蝶ねじ、六角ボルト、ビスなどの尖っていないねじである。別の実施形態では、ねじ76は細長い急速解除固定具である。
【0034】
電池カートリッジ12を取り外すには、使用者は、ねじ76がマスク本体14から離脱して電池カートリッジ12が解放されるまで、ねじ76を反対の第2方向(たとえば、反時計回り)に回転させる。
図2は、マスク本体14から部分的に離脱されたまたは取り外された電池カートリッジ12を示し、
図3は、マスク本体14から完全に離脱されてまたは取り外されて、ねじ76が解放された電池カートリッジ12を示す。ねじ76は
図3ではマスク10から取り外されているが、一実施形態では、ねじ76がマスク本体14から取り外されると、ねじ76はねじボス72内に保持される。
【0035】
電池カートリッジ12とマスク本体14の結合を簡易化するため、電池カートリッジ12はカートリッジ第11縁部38から延びる突出部80をさらに含む。凹部50は、突出部80を受け入れるサイズと構造を有する対応する切欠き82を含む。電池カートリッジ12をマスク本体14に結合するとき、カートリッジ第1縁部の突出部80が凹部切欠き82に挿入されることによって、電池カートリッジ12を凹部50内に部分的に着座させ、カートリッジ第2縁部40での結合のために電池カートリッジ12を位置合わせする。いったん突出部80が切欠き82内に納まると、カートリッジ第2縁部40が凹部50に挿入され、上述したようにねじ76が締め付けられる。
【0036】
次に、第2の取り付け機構の断面図である
図5および6を参照する。一実施形態では、電池カートリッジ12は、ばね式ラッチ機構84を使用してマスク本体14に取り外し可能に結合することができる。
図1~
図4に示す電池カートリッジと同様、
図5および
図6に示す電池カートリッジ12も、電池カートリッジ12とマスク10との結合を簡易化するように対応する凹部切欠き82に挿入可能な突出部80をカートリッジ第1縁部38に含む。電池カートリッジ12は、電池カートリッジ12内に少なくとも部分的に配置されて電池カートリッジ12内で直線的に移動可能である押圧可能突起86を含む。電池カートリッジ12は押圧可能突起86に結合され、接触し、または連通するバネ88をさらに含み、バネ88は押圧可能突起86の第1の直線方向への移動を付勢し、押圧可能突起86の第1の直線方向の逆の第2の直線方向への移動に抵抗する。たとえば、バネ88が圧縮されていないとき、押圧可能突起86の少なくとも一部がカートリッジ第2縁部40の開口90を通って延び、バネ88が圧縮されているとき、押圧可能突起86は電池カートリッジ12内に少なくとも実質的に位置する。凹部第2壁92は対応する開口92を有し、バネ88が圧縮されていないとき、押圧可能突起86の少なくとも一部が開口92を通って延び、電池カートリッジ12がマスク本体14に結合される。この構成において、ラッチ機構は電池カートリッジ12を凹部50内に保持しており、電池カートリッジ12は装着、結合、または係止された位置にあると言える。電池カートリッジ12は、マスク本体14の外面に沿って直線的に移動可能であり、押圧可能突起86と結合されるまたはそれ以外の形で機械的に連通され、使用者が迅速かつ容易に操作することができるフィンガスライドなどの解除機構94をさらに含む。一構成において、使用者は、解除機構94を第1方向にスライドさせてバネ88を圧縮し、電池カートリッジ12内の押圧可能突起86を後退させて、電池カートリッジ12をマスク本体14から連結または解除することができる。電池カートリッジ12をマスクに結合または係止するため、次に使用者は反対の第2方向に解除機構94をスライドさせる、または解除機構94を単に解放させて、バネ88を伸張させることによって、押圧可能突起86を凹部開口90内へ延在させることができる。すなわち、ラッチ機構84が第1位置にあるときには、押圧可能突起86が凹部第2壁56に係合し、ラッチ機構84が第2位置にあるときには、押圧可能突起86が凹部第2壁56から脱離する。
図2に示すように、解除機構94を始動すると、電池カートリッジ第2縁部40が凹部50から離脱する。次いで、電池カートリッジ第1縁部38の突出部80は切欠き82から離脱させて、電池カートリッジ12をマスク本体14から完全に取り外すことができる。
【0037】
本明細書で図示され記載されている取り付け機構に加えてまたはその代わりに、他の取り付け機構を使用してもよいと理解される。いずれの構成においても、使用者が手袋を着用している場合でも、取り付け機構により使用者は電池カートリッジ12を迅速かつ容易に着脱させることができる。非限定的例として、解除機構94は回転スイッチ、ボタンなどとすることができる。また、電池カートリッジ12をマスク10に固定する第2のまたはバックアップロックとして各種安全機構をさらに含めることができる。安全機構は、電池カートリッジ12がマスク10から不用意に取り外されるのを防止することができる。
【0038】
本明細書では、上記の説明および図面とあわせて、多くの様々な実施形態が開示されている。これらの実施形態のあらゆる組み合わせおよびサブコンビネーションを、文字どおりに記述し図示することは、過度の繰り返しおよび難読化になると理解されよう。したがって、すべての実施形態を任意のやり方および/または組み合わせで組み合わせることができ、図面を含む本明細書は、本明細書に記載された実施形態およびそれらを作成し使用する方法およびプロセスのすべての組み合わせ並びにサブコンビネーションの完全な記載説明を構築すると解釈され、それらの組み合わせまたはサブコンビネーションに対する特許請求の範囲を支援するものである。
【0039】
一実施形態では、呼吸マスクは、ハウジング部(25)を含むマスク本体(14)と、マスク本体ハウジング部(25)に取り外し可能に結合可能な電源(12)とを含む。
【0040】
実施形態の一態様において、電源(12)が電池カートリッジ(12)であり、マスク(10)がマスク本体(14)に結合されるフェースプレート(16)をさらに備え、フェースプレート(16)が開口(24)を画定し、電池カートリッジ(12)が開口(24)から垂直に所定距離離れている。実施形態の一態様において、電源(12)が電池カートリッジ(12)であり、マスク本体(14)が電池カートリッジ(12)の少なくとも一部を収容するサイズと構造を有する凹部(50)を画定する。実施形態の一態様において、マスク本体ハウジング部(25)が第1面(28)と、第1面(28)に直交する第2面(30)とを有し、電池カートリッジ(12)が、電池カートリッジ(12)がマスク本体(14)に結合されたときにマスク本体ハウジング部(25)の第2面(30)と共面となる縁部(44)を含む。
【0041】
実施形態の一態様において、電池カートリッジ(12)が電池カートリッジ(12)がマスク本体(14)に取り付けられたときに、マスク本体ハウジング部(25)の第1面(28)と共面となる面(46)をさらに含む。
【0042】
実施形態の一態様において、電池カートリッジ縁部(44)が第4縁部(44)であり、電池カートリッジ(12)が第1縁部(38)と、第1縁部(38)とは反対側を向いた第2縁部(40)と、第4縁部(44)とは反対側を向いた第3縁部(42)とをさらに含み、凹部(50)が、電池カートリッジ(12)がマスク本体(14)に取り付けられたときに電池カートリッジ第1縁部(38)に接触するように構成される凹部第1壁(54)と、電池カートリッジ(12)がマスク本体(14)に取り付けられたときに電池カートリッジ第2縁部(40)に接触するように構成される凹部第2壁(56)と、凹部第1壁(54)の切欠き(82)と、をさらに含む。
【0043】
実施形態の一態様において、電池カートリッジ(12)が、電池カートリッジ第1縁部(38)に突出部(80)をさらに含み、電池カートリッジ(12)がマスク本体(14)に取り付けられたときに、突出部(80)が凹部第1壁(54)の切欠き(82)に収容されるサイズと構造を有する。
【0044】
実施形態の一態様において、電池カートリッジ(12)が電池カートリッジ第3縁部(42)に電気コネクタ(68)をさらに含む。
【0045】
実施形態の一態様において、電池カートリッジ(12)が電池カートリッジ第2縁部(40)上のねじボス(72)と、電池カートリッジ第2縁部(40)に沿って延びるねじ凹部(74)とをさらに含み、ねじボス(72)とねじ凹部(74)がそれぞれねじ(76)を収容するサイズと大きさを有する。
【0046】
実施形態の一態様において、電池カートリッジ(12)が電池カートリッジ第2縁部(40)にラッチ機構(84)をさらに含む。実施形態の一態様では、マスク本体(14)がラッチ機構(84)と機械的に連通する解除機構(94)をさらに含み、解除機構(94)の始動により電池カートリッジ第2縁部(40)をマスク本体(14)から取り外すように構成される。
【0047】
実施形態の一態様において、解除機構(94)がマスク本体(14)に沿って直線的に移動可能である。
【0048】
実施形態の一態様において、ラッチ機構(84)が押圧可能突起(86)とバネ(88)とを含む。
【0049】
実施形態の一態様において、ラッチ機構(84)が第1位置にあるときに押圧可能突起(86)が凹部第2壁(56)と係合し、ラッチ機構(84)が第2位置にあるときに押圧可能突起(86)が凹部第2壁(56)から解放される。
【0050】
実施形態の一態様において、解除機構(94)を始動させると、押圧可能突起(86)がバネ(88)に抗して凹部第2壁(56)から離れるように直線移動する。
【0051】
一実施形態では、マスク本体(14)とマスク本体(14)に取り外し可能に結合される電池カートリッジ(12)を備える呼吸マスク(10)であって、マスク本体(14)が、第1面(28)と、マスク本体第1面(28)に直交する第2面(30)であって、マスク本体第1面(28)が呼吸器を収容するサイズと構造を有する開口(24)を画定する、第2面(30)と、マスク本体(14)の凹部(50)であって、凹部第1壁(54)と、第1壁(54)と向かい合う凹部第2壁(56)と、凹部第1壁(54)と凹部第2壁(56)との間を延びる凹部第3壁(58)と、凹部第1壁(54)、凹部第2壁(56)、および凹部第3壁(58)に接し、マスク本体第1面(28)に平行である凹部第4壁(60)とを有する凹部(50)と、を含み、電池カートリッジ(12)が、電池カートリッジ(12)がマスク本体(14)に結合されたときに凹部第1壁(54)と接触するように構成される電池カートリッジ第1縁部(38)と、電池カートリッジ第1縁部(38)とは反対側を向いた、電池カートリッジ(12)がマスク本体(14)に結合されたときに凹部第2壁(56)に接するように構成される電池カートリッジ第2縁部(40)と、電池カートリッジ第1縁部(38)と電池カートリッジ第2縁部(40)との間を延び、電池カートリッジ(12)がマスク本体(14)に結合されたときに凹部第4壁(60)に接触するように構成される電池カートリッジ第1面(46)と、電池カートリッジ第1縁部(38)と電池カートリッジ第2縁部(40)との間を延び、電池カートリッジ(12)がマスク本体(14)に結合されたときにマスク本体第1面(28)と共面になるように構成される電池カートリッジ第2面(48)と、を含む。
【0052】
実施形態の一態様において、凹部(50)が凹部第1壁(54)に切欠き(82)をさらに含み、電池カートリッジ(12)が電池カートリッジ第1縁部(38)に突出部(80)をさらに含み、電池カートリッジ(12)がマスク本体(14)に取り付けられたときに突出部(80)が切欠き(82)に収容されるサイズと構造を有する。実施形態の一態様において、電池カートリッジ(12)が電池カートリッジ第2縁部(40)にラッチ機構(84)と、ラッチ機構(84)と機械的に連通する解除機構(94)とをさらに含み、解除機構(94)が始動されると電池カートリッジ(12)が凹部(50)から外れる。
【0053】
一実施形態において、呼吸マスク(10)用の取り外し可能電池カートリッジ(12)であって、呼吸マスク(10)が第1面(28)と、第1面(28)に直交する第2面(30)とを有し、電池カートリッジ(12)が、第1縁部(38)と、第1縁部(38)とは反対側を向いた第2縁部(40)と、第1縁部(38)と第2縁部(40)との間を延びる第1面(46)と、第1縁部(38)と第2縁部(40)との間を延び、第1面(46)とは反対側を向き、電池カートリッジ(12)がマスク本体(14)に結合されたときにマスク第1面(28)と共面になるように構成された第2面(48)と、マスク本体(14)に係合可能なラッチ機構(84)と、を備える。
【0054】
実施形態の一態様において、電池カートリッジ(12)が、第1縁部(38)と第2縁部(40)との間を延びる第3縁部(42)と、第3縁部(42)とは反対側を向き、第1縁部(38)と第2縁部(40)との間を延び、電池カートリッジ(12)がマスク本体(14)に結合されたときにマスク第2面(30)と共面になるように構成される第4縁部(44)と、をさらに備える。
【0055】
他の実施形態として、以下を挙げることができる。
実施形態1
第1応答機用のヘッドギアは、面部と、面部に装着される電池パックとを備え、電池パックは手動で取り外し可能である。
【0056】
本明細書に記載された実施形態は、本明細書で具体的に図示し上述したものに限定されないことが当業者には理解されるであろう。加えて、上記でそれとは反対に言及されない限り、添付の図面のすべては縮尺どおりではないことに留意されたい。上記の教示を考慮して、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく、様々な改良およびバリエーションが可能である。
【符号の説明】
【0057】
10…マスク(個人用保護具製品)、12…電源(電池カートリッジ)、14…マスク本体。
【手続補正書】
【提出日】2022-06-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸マスク(10)であって、
ハウジング部(25)を含むマスク本体(14)であって、前記マスク本体ハウジング部(25)が第1面(28)と、前記第1面(28)に直交する第2面(30)とを有する、マスク本体(14)と、
前記呼吸マスクの電気部品に電力を移送する電気コネクタ(68)を含む電池カートリッジ(12)であって、前記電池カートリッジが、前記マスク本体ハウジング部(25)に取り外し可能に結合可能なラッチと、前記ラッチと機械的に連通する解除部とをさらに含み、前記解除部の始動により、前記電源を前記マスク本体から取り外すように構成され、前記電池カートリッジ(12)が、前記マスク本体(14)に結合されたときに前記マスク本体ハウジング部(25)の前記第2面(30)と共面となる縁部(44)をさらに含み、前記電池カートリッジ縁部(44)が第4縁部(44)であり、前記電池カートリッジ(12)が第1縁部(38)と、前記第1縁部(38)とは反対側を向いた第2縁部(40)と、前記第4縁部(44)とは反対側を向いた第3縁部(42)とをさらに含み、前記第3縁部(42)が前記電気コネクタ(68)を含む、電池カートリッジ(12)と、
を備える呼吸マスク(10)。
【請求項2】
前記マスク(10)が前記マスク本体(14)に結合されるフェースプレート(16)をさらに備え、前記フェースプレート(16)が開口(24)を画定し、前記電池カートリッジ(12)が前記開口(24)から垂直に所定距離離れている、請求項1に記載の呼吸マスク(10)。
【請求項3】
前記マスク本体(14)が前記電池カートリッジ(12)の少なくとも一部を収容するサイズと構造を有する凹部(50)を画定する、請求項2に記載の呼吸マスク(10)。
【請求項4】
前記電池カートリッジ(12)が、前記電池カートリッジ(12)が前記マスク本体(14)に取り付けられたときに、前記マスク本体ハウジング部(25)の前記第1面(28)と共面となる面(46)をさらに含む、請求項1に記載の呼吸マスク(10)。
【請求項5】
前記凹部(50)が、
前記電池カートリッジ(12)が前記マスク本体(14)に取り付けられたときに前記電池カートリッジ第1縁部(38)に接触するように構成される凹部第1壁(54)と、
前記電池カートリッジ(12)が前記マスク本体(14)に取り付けられたときに前記電池カートリッジ第2縁部(40)に接触するように構成される凹部第2壁(56)と、
前記凹部第1壁(54)の切欠き(82)と、
をさらに含む、
請求項3に記載の呼吸マスク(10)。
【請求項6】
マスク本体(14)と、前記マスク本体(14)に取り外し可能に結合される電池カートリッジ(12)とを備える呼吸マスク(10)であって、
前記マスク本体(14)が、
第1面(28)と、
前記マスク本体第1面(28)に直交する第2面(30)であって、前記マスク本体第1面(28)が呼吸器を収容するサイズと構造を有する開口(24)を画定する、第2面(30)と、
前記マスク本体(14)の凹部(50)であって、凹部第1壁(54)と、前記第1壁(54)と向かい合う凹部第2壁(56)と、前記凹部第1壁(54)と前記凹部第2壁(56)との間を延びる凹部第3壁(58)と、前記凹部第1壁(54)、前記凹部第2壁(56)、および前記凹部第3壁(58)に接し、前記マスク本体第1面(28)に平行である凹部第4壁(60)とを有する凹部(50)と、
を含み、
前記電池カートリッジ(12)が、
前記電池カートリッジ(12)が前記マスク本体(14)に結合されたときに前記凹部第1壁(54)と接触するように構成される電池カートリッジ第1縁部(38)と、
前記電池カートリッジ第1縁部(38)とは反対側を向いた、前記電池カートリッジ(12)が前記マスク本体(14)に結合されたときに前記凹部第2壁(56)に接するように構成される電池カートリッジ第2縁部(40)と、
前記電池カートリッジ第1縁部(38)と前記電池カートリッジ第2縁部(40)との間を延び、前記電池カートリッジ(12)が前記マスク本体(14)に結合されたときに前記凹部第4壁(60)に接するように構成される電池カートリッジ第1面(46)と、
前記電池カートリッジ第1縁部(38)と前記電池カートリッジ第2縁部(40)との間を延び、前記電池カートリッジ(12)が前記マスク本体(14)に結合されたときに前記マスク本体第1面(28)と共面になるように構成される電池カートリッジ第2面(48)と、
前記呼吸マスクの電気部品に電力を移送する電気コネクタ(68)と、
前記マスク本体に取り外し可能に結合可能なラッチと、
前記ラッチと機械的に連通する解除部であって、前記解除部の始動により、前記電池カートリッジを前記マスク本体から取り外すように構成される、解除部と、
を含む、呼吸マスク(10)。
【請求項7】
呼吸マスク(10)用の取り外し可能電池カートリッジ(12)であって、前記呼吸マスク(10)が第1面(28)と、前記第1面(28)に直交する第2面(30)とを有し、前記電池カートリッジ(12)が、
第1縁部(38)と、
前記第1縁部(38)とは反対側を向いた第2縁部(40)と、
前記第1縁部(38)と第2縁部(40)との間を延びる第1面(46)と、
前記第1縁部(38)と第2縁部(40)との間を延び、前記電池カートリッジ(12)の前記第1面(46)とは反対側を向き、前記電池カートリッジ(12)が前記呼吸マスク(10)に結合されたときに前記マスク第1面(28)と共面になるように構成される第2面(48)と、
前記呼吸マスクの電気部品に電力を移送する電気コネクタ(68)と、
前記呼吸マスク(10)に係合可能なラッチ(84)と、
前記ラッチと機械的に連通する解除部であって、前記解除部の始動により、前記電池カートリッジを前記呼吸マスクから取り外すように構成される、解除部と、
を備える、取り外し可能電池カートリッジ(12)。
【手続補正書】
【提出日】2022-08-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
【
図1】取り外し可能電池カートリッジを有する例示的な呼吸マスクを示す図である。
【
図2】部分的に取り外した状態における、取り外し可能電池カートリッジを備えた呼吸マスクの詳細図である。
【
図3】完全に取り外した状態における、取り外し可能電池カートリッジを備えた呼吸マスクの詳細図である。
【
図4】取り外し可能電池カートリッジの側面図である。
【
図5】ラッチ機構を有する取り外し可能電池カートリッジの断面図である。
【
図6】
ラッチ機構を有する取り外し可能電池カートリッジの断面図である。
【外国語明細書】