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特開2022-119838挿入装置位置決め誘導システム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022119838
(43)【公開日】2022-08-17
(54)【発明の名称】挿入装置位置決め誘導システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/01 20060101AFI20220809BHJP
   A61J 15/00 20060101ALI20220809BHJP
   A61B 5/103 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
A61M25/01
A61J15/00 A
A61B5/103
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022081109
(22)【出願日】2022-05-17
(62)【分割の表示】P 2017157241の分割
【原出願日】2017-08-16
(31)【優先権主張番号】62/376520
(32)【優先日】2016-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
2.SMALLTALK
(71)【出願人】
【識別番号】518313607
【氏名又は名称】エンヴィジョン メディカル リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ENVIZION MEDICAL LTD.
【住所又は居所原語表記】7 Ha’arad Street Tel Aviv 6971060 ISRAEL
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 桂子
(72)【発明者】
【氏名】ドロン ベッサー
(72)【発明者】
【氏名】ガイ ベン エズラ
(72)【発明者】
【氏名】ラン コーヘン
(72)【発明者】
【氏名】ヨアヴ ステイン
(72)【発明者】
【氏名】アミット コーヘン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】患者の移動又は位置に関係なく、及び較正を必要としない確実に操作可能な電磁位置決め誘導システムを提供する。
【解決手段】治療部位をカバーする電磁場を発生させるように構成された電磁場発生器と、被験者の向きを定める位置で治療部位の中に位置決めされるように構成された薄板形センサと、被験者の胴の上で治療部位の中に位置決めされるように構成された基準センサであって、基準座標系に対して少なくとも1つの第1の解剖学的位置及び1つの第2の解剖学的位置にマークを付けるように構成された登録センサと、該電磁場発生器を操作し、該薄板形センサ、基準センサ、及び登録センサから得られる信号を読み取り、電磁場発生器に対するその位置及び向きを計算し、被験者の胴並びに第1の解剖学的位置及び第2の解剖学的位置を表す3次元解剖学的マップを生成するように構成されたプロセッサを含む挿入装置位置決め誘導システム。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療部位をカバーする電磁場を発生させるように構成された電磁場発生器と、
被験者の向きを定める位置で前記治療部位の中に位置決めされるように構成された薄板形センサと、
前記被験者の胴の上で前記治療部位の中に位置決めされるように構成された基準センサであって、前記電磁場発生器に対する前記被験者の胴の前記位置及び前記向きを表す基準座標系を定めるように構成された前記基準センサと、
前記基準座標系に対して少なくとも1つの第1の解剖学的位置及び1つの第2の解剖学的位置にマークを付けるように構成された登録センサと、
前記電磁場発生器を操作し、前記薄板形センサ、前記基準センサ、及び前記登録センサから得られる信号を読み取り、前記電磁場発生器に対するその位置及び向きを計算するように構成された処理回路網であって、前記処理回路網は前記被験者の前記胴並びに前記第1の解剖学的位置及び前記第2の解剖学的位置を表す3次元解剖学的マップを生成するようにさらに構成され、前記処理回路網は、前記被験者の移動とは関係なく、並びに前記電磁場発生器の前記位置及び/又は前記向きの偏差とは関係なく、前記第1の解剖学的位置及び前記第2の解剖学的位置に関して前記挿入装置の遠位先端部分に位置する先端センサの位置、向き、及び/又は経路の前記3次元解剖学的マップ上で視覚化を容易にするようにさらに構成され、したがって医療処置の成功の判断が容易になる、処理回路網と
を備える、挿入装置位置決め誘導システム。
【請求項2】
前記基準センサが前記患者の胴の側面上に位置決めされるように構成され、これにより前記3次元解剖学的マップが前記被験者の前面の体の輪郭をさらに示す、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記3次元解剖学的マップが、前記薄板形センサに基本的に平行な前記被験者の前面上部図を示す、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記3次元解剖学的マップが、前記薄板形センサに基本的に垂直な前記被験者の側面図を示す、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記3次元解剖学的マップが前記被験者の軸方向図を示す、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記3次元マップを表示するように構成されたモニタをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記薄板形センサが前記被験者の上部胴体及び/又は首の下に位置決めされるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記登録センサが手動で操作されるように構成されたスタイラスである、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記挿入装置が胃腸管である、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の解剖学的位置が前記胸骨上の切欠きであり、前記第2の解剖学的位置が前記剣状突起であり、前記第1の解剖学的位置及び前記第2の解剖学的位置に対する前記胃腸管の経路表示が挿入の成功を示す、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
挿入装置を誘導するための方法であって、
電磁場発生器を活用し、治療部位に電磁場を印加することと、
被験者の向きを定める位置で前記治療部位の中に薄板形センサを位置決めすることと、
被験者の胴の上で前記治療部位の中に基準センサを位置決めすることであって、前記基準センサが前記電磁場発生器に対する前記被験者の胴の前記位置及び前記向きを表す基準座標系を定める、基準センサを位置決めすることと、
登録センサを活用し、少なくとも1つの第1の解剖学的位置及び1つの第2の解剖学的位置にマークを付けることと、
処理回路網を活用し、前記電磁場発生器を操作し、前記薄板形センサ、前記基準センサ、及び前記登録センサから得られる信号を読み取り、前記電磁場発生器に対するその位置及び向きを計算し、前記被験者の前記胴並びに前記第1の解剖学的位置及び前記第2の解剖学的位置を表す3次元解剖学的マップを生成することと、
前記3次元解剖学的マップ上に、前記被験者の移動とは関係なく、並びに前記電磁場発生器の前記位置及び/又は前記向きの偏差とは関係なく、前記第1の解剖学的位置及び前記第2の解剖学的位置に関して前記挿入装置の先端センサの位置、向き、及び/又は経路を表示することと
を含む、方法。
【請求項12】
前記3次元解剖学的マップ上に前記挿入装置の前記遠位先端部分の現在の位置、向き、及び/又は経路を表示し、このようにして医療処置の成功の判断を容易にすることをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記基準センサを位置決めすることが、前記患者の胴の側面でその位置決めし、これにより前記3次元解剖学的マップが前記被験者の体の輪郭をさらに示すことを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記3次元解剖学的マップが、前記薄板形センサに基本的に平行な前記被験者の前面上部図を示す、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記3次元解剖学的マップが、前記薄板センサに基本的に垂直な前記被験者の側面図を示す、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記3次元解剖学的マップが、前記被験者の軸方向図を示す、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記薄板形センサの位置決めすることが、前記被験者の上部胴体及び/又は首の下でのその位置決めすることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記登録センサが手動で操作されるスタイラスである、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記挿入装置が胃腸管である、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の解剖学的位置が前記胸骨上の切欠きであり、前記第2の解剖学的位置が前記剣状突起であり、前記第1の解剖学的位置及び前記第2の解剖学的位置に対する前記胃腸管の経路表示が挿入の成功を示す、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、挿入装置位置決め誘導システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
経腸栄養法は多くの場合それ以外に食事できない患者における栄養補給として使用される。多くの利点が経腸栄養法の早期開始と関連付けられているが、栄養チューブの置き違えは相対的に一般的であり、患者の不快症状及び合併症につながることがある。チューブがすでに挿入された後にだけチューブの位置を確認することは、栄養補給及び水和又は投薬の開始を遅延させる。経鼻栄養チューブの誘導設置のためのベッドサイド電磁(EM)システムが利用可能であり、栄養チューブの置き違えを回避するために処置中に医療スタッフによって活用されている。しかしながら、依然として医療処置中の重大なツール位置決めに強化された精度を提供する信頼できるリアルタイム追跡システムの必要性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
関連技術及び関連技術に関連する制限の上述の例は、排他的ではなく例示的となることを目的としている。関連技術の他の制限は、明細書を読み、図を検討すると当業者に明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以下の実施形態及び実施形態の態様は、適用範囲において制限的ではなく典型的且つ例示的であることが意図されるシステム、ツール、及び方法と併せて説明され、図解される。
【0005】
電磁位置決め誘導システムを使用する栄養チューブの挿入と多くの場合関連付けられる問題の1つは、通常動的である患者環境において信頼性を得ることが困難である点である。例えば、患者は多くの場合移動し、ベッドはある場所から別の場所に動かされる。したがって、本明細書では患者の移動又は位置に関係なく、及び較正を必要としない確実に操作可能な電磁位置決め誘導システムが提供される。
【0006】
いくつかの実施形態によると、治療部位をカバーする電磁場を発生させるように構成された電磁場発生器と、被験者の向き(具体的には、被験者の胸郭に垂直なベクトル)を定める位置で治療部位の中に位置決めされるように構成された薄板形センサと、被験者の胴の上で治療部位の中に位置決めされるように構成された基準センサであって、該電磁場発生器に対する被験者の胴の位置及び向きを表す基準座標系を定めるように構成された基準センサと、基準座標系に対して少なくとも1つの第1の解剖学的位置及び1つの第2の解剖学的位置にマークを付けるように構成された登録センサと、該電磁場発生器を操作し、薄板形センサ、該基準センサ、及び該登録センサから得られる信号を読み取り、該電磁場発生器に対してその位置及び向きを計算するように構成された処理回路網を含む挿入装置位置決め誘導システムが提供され、該処理回路網は、被験者の胴並びに第1の解剖学的位置及び第2の解剖学的位置を表す解剖学的マップを生成するようにさらに構成され、該処理回路網は、被験者の移動とは関係なく、並びに該電磁場発生器の位置及び/又は向きの偏差とは関係なく、第1の解剖学的位置及び第2の解剖学的位置に関して挿入装置の遠位先端部分に位置する先端センサの位置、向き、及び経路の3次元解剖学的マップで視覚化を容易にするようにさらに構成され、このようにして医療処置の成功の判断は容易になる。
【0007】
いくつかの実施形態では、基準センサは患者の胴の側面に位置決めされるように構成され、これにより3次元解剖学的マップは被験者の体の輪郭をさらに示す。いくつかの実施形態では、3次元解剖学的マップは薄板形センサに基本的に平行な被験者の前面上部の図を示す。いくつかの実施形態では、3次元解剖学的マップは薄板形センサに基本的に垂直な被験者の側面図を示す。いくつかの実施形態では、3次元解剖学的マップは被験者の軸方向図を示す。
【0008】
いくつかの実施形態では、システムは3次元マップを表示するように構成されたモニタをさらに含む。
【0009】
いくつかの実施形態によると、本明細書に開示される用語「解剖学的マップ」は、1つ若しくは複数の概略マップ、1つ若しくは複数の2次元解剖学的マップ、1つ若しくは複数の3次元解剖学的マップ、又はその任意の組合せを指してよい。いくつかの実施形態によると、本明細書に開示される用語「解剖学的マップ」は、それぞれが異なる図(例えば、前面図、前面上部図、側面図、軸方向図)を表すマップ(例えば、2、3、4以上)マップのグループを指してよい。
【0010】
いくつかの実施態様では、薄板形センサは、被験者の上部胴体及び/又は首の下に位置決めされるように構成される。
【0011】
いくつかの実施形態では、登録センサは手動で操作されるように構成されたスタイラスである。
【0012】
いくつかの実施形態では、挿入装置は胃腸管である。
【0013】
いくつかの実施形態では、第1の解剖学的位置は胸骨上の切欠きであり、第2の解剖学的位置は剣状突起である。いくつかの実施形態では、第1の解剖学的位置及び第2の解剖学的位置に対する胃腸管の経路の前面図表示は、挿入の成功を示す。いくつかの実施形態では、胃腸管の(前面図中の)表示されている経路が第1の解剖学的位置と第2の解剖学的位置との間の軸を横断する位置が挿入の成功を示す。いくつかの実施形態では、胃腸管の表示されている経路の実際の形状が挿入の成功を示す。
【0014】
いくつかの実施形態によると、挿入装置を誘導するための方法が提供され、方法は、電磁場発生器を活用し、治療部位に電磁場を印加することと、被験者の向きを定める位置で治療部位の中に薄板形センサを位置決めすることと、被験者の胴の上で治療部位の中に基準センサを位置決めすることであって、基準センサが電磁場発生器に対する被験者の胴の位置及び向きを表す基準座標系を定める基準センサを位置決めすることと、登録センサを活用し、少なくとも1つの第1の解剖学的位置及び1つの第2の解剖学的位置にマークを付けることと、処理回路網を活用し、該電磁場発生器を操作し、薄板形センサ、基準センサ、及び登録センサから得られる信号を読み取り、該電磁場発生器に対するその位置及び向きを計算し、被験者の胴並びに第1の解剖学的位置及び第2の解剖学的位置を表す解剖学的マップを生成することと、被験者の移動とは関係なく、並びに該電磁場発生器の位置及び/又は向きの偏差とは関係なく、第1の解剖学的位置及び第2の解剖学的位置に関して挿入装置の先端センサの位置、向き、及び/又は経路を解剖学的マップ上に表示することとを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、方法は、解剖学的マップ上の挿入装置の遠位先端部分の経路を表示するステップをさらに含み、このようにして医療処置の成功の判断を容易にする。
【0016】
いくつかの実施形態では、基準センサの位置決めすることは、患者の胴の側面でのその位置決めすることを含み、これにより解剖学的マップは被験者の体の輪郭をさらに示す。
【0017】
いくつかの実施形態では、薄板形センサの位置決めすることは、被験者の上部胴体及び/又は首の下でのその位置決めすることを含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、登録センサは手動で操作されるスタイラスである。
【0019】
いくつかの実施形態では、解剖学的マップは薄板形センサに基本的に平行な被験者の前面上部図を示す。いくつかの実施形態では、解剖学的マップは薄板形センサに基本的に垂直な被験者の側面図を示す。いくつかの実施形態では、解剖学的マップは被験者の軸方向図を示す。
【0020】
いくつかの実施形態では、挿入装置は胃腸管である。
【0021】
いくつかの実施形態では、第1の解剖学的位置は胸骨上の切欠きであり、第2の解剖学的位置は剣状突起である。いくつかの実施形態では、第1の解剖学的位置及び第2の解剖学的位置に対する胃腸管の経路表示は、挿入の成功を示す。いくつかの実施形態では、胃腸管の表示された経路が第1の解剖学的位置及び第2の解剖学的位置との間の軸を横断する位置は、挿入の成功を示す。いくつかの実施形態では、胃腸管の表示された経路の実際の形状は挿入の成功を示す。
【0022】
いくつかの実施形態では、電磁場発生器は患者と物理的に接触していない。いくつかの実施形態では、電磁場発生器は患者と物理的に接触しないように設計される。いくつかの実施形態では、電磁場発生器は、直接的又は間接的に患者と物理的に接触するように設計されていない。
【0023】
いくつかの実施形態では、プロセッサ/処理回路網は2つのユニット又は2つのサブユニットを含んでよい。第1は追跡調査全体を制御する(例えば、電磁場発生器を操作し、薄板形センサ、基準センサ、及び登録センサから得られる信号を読み取り、該電磁場発生器に対するその位置及び向きを計算するように構成される。第2は、第1のプロセッサからの計算された位置及び向きの情報を受信し、この情報を使用して、被験者の胴並びに第1の解剖学的位置及び第2の解剖学的位置を表す3次元解剖学的マップを生成し、被験者の移動とは関係なく、並びに電磁場発生器の位置及び/又は向きの偏差とは関係なく、第1の解剖学的位置及び第2の解剖学的位置に関して先端センサの位置、向き、及び/又は経路の3次元解剖学的マップ上での視覚化を可能にするように構成される。
【0024】
いくつかの実施形態によると、位置センサと呼ばれることもある先端センサは管/カテーテル/探り針の遠位末端に又は遠位末端に近接して位置決めされ、患者における管/カテーテル/探り針の遠位末端の位置を決定するのに役立つ。
【0025】
本明細書に説明されるシステム及び方法は、磁場センサ、インピーダンスセンサ、又は超音波センサ等のセンサ(例えば、位置センサ)を使用し、いくつかの実施形態に従って適用されてよい。いくつかの実施形態によると、位置センサ(例えば、先端センサ)は、処理回路網に要素の座標を示す信号を受信させるカテーテル/管/探り針に取り付けられた要素を指してよい。位置センサは、(例えば、電磁場発生器から)センサによって受け取られるエネルギーに基づいて処理回路網/制御ユニットに対する位置信号を生成する受信機を含んでよい。いくつかの実施形態によると、センサと処理ユニットとの間の通信は無線であってよい。
【0026】
本発明及びその実施形態のより多くの詳細及び特徴は、説明、及び添付図面に記載されてよい。
【0027】
特別の定めのない限り、本明細書で使用されるすべての技術的な用語及び科学的な用語は、本発明が属する技術の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に説明される方法及び材料に類似する又は同等の方法及び材料は本発明の実践又は試験に使用できるが、適切な方法及び材料は以下に説明される。矛盾がある場合は、定義を含む特許明細書が支配する。さらに、材料、方法、及び例は例示的にすぎず、制限的となることを目的としていない。
【0028】
典型的な実施形態が参照される図に示される。図に示される構成要素及び特徴の寸法は概して便宜的に且つ提示の明確さのために選ばれ、必ずしも原寸に比例して示されていない。図は以下に示される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】いくつかの実施形態に係る挿入装置位置決め誘導システムのブロック図である。
図2A】いくつかの実施形態に係る、病院の状況での挿入装置位置決め誘導システムを概略で示す図である。
図2B】いくつかの実施形態によると、図2Aの図の拡大部分を示す図である。
図2C】いくつかの実施形態によると、図2Aの図の側面図である。
図2D】いくつかの実施形態によると、異なる位置に位置するスタイラス、基準センサ、及び薄板形センサを使用し、マークを付けられる解剖学的位置を示す、病院の状況における挿入装置位置決め誘導システムを概略で示す図である。
図2E】いくつかの実施形態によると、異なる位置に位置するスタイラス、基準センサ、及び薄板形センサを使用し、マークを付けられる解剖学的位置を示す、病院の状況における挿入装置位置決め誘導システムを概略で示す図である。
図3A】いくつかの実施形態によると、挿入装置の設置の「ライブ」表示を示す図である。
図3B】いくつかの実施形態によると、挿入装置の設置の「再生」表示を示す図である。
図4】いくつかの実施形態によると、挿入医療装置の位置を誘導するための方法のステップのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本明細書に開示されるのは、挿入可能な医療装置(例えば、栄養チューブ等の管)の挿入を誘導するためのシステム及び方法である。開示されているシステムは、挿入装置位置決め誘導システムとして使用されてよい。システムは、挿入プロセスの間に挿入医療装置の位置を追跡し、リアルタイムで示すために使用されてよい。一例として、システムは、栄養チューブが被験者の体内に挿入されていくにつれて、栄養チューブの先端の位置を追跡し、示してよい。有利なことに、これは挿入処置を著しくより容易に且つより安全にし、管が正しい位置に挿入されることを確実にする。
【0031】
いくつかの実施形態によると、治療部位をカバーする電磁場を発生させるように構成された電磁場発生器と、被験者の向き(具体的には、被験者の胸郭に垂直なベクトル)を定める位置で治療部位の中に位置決めされるように構成された薄板形センサと、被験者の胴の上で治療部位の中に位置決めされるように構成された基準センサであって、該電磁場発生器に対する被験者の胴の位置及び向きを表す基準座標系を定めるように構成された基準センサと、基準座標系に対して少なくとも1つの第1の解剖学的位置及び1つの第2の解剖学的位置にマークを付けるように構成された登録センサと、該電磁場発生器を操作し、該薄板形センサ、該基準センサ、及び該登録センサから得られる信号を読み取り、該電磁場発生器に対するその位置及び向きを計算し、被験者の胴並びに第1の解剖学的位置及び第2の解剖学的位置を表す解剖学的マップを生成するように構成された処理回路網を含む挿入装置位置決め誘導システムが提供され、該プロセッサ/処理回路網は、被験者の移動とは関係なく、並びに該電磁場発生器の位置及び/又は向きの偏差とは関係なく、第1の解剖学的位置及び第2の解剖学的位置に関して挿入装置の遠位先端部分に位置する先端センサの位置、向き、及び経路の解剖学的マップで視覚化を容易にするようにさらに構成され、このようにして医療処置の成功の判断が容易になる。任意選択で、システムはマップを表示するように構成されたモニタをさらに含む。
【0032】
薄板形センサは、被験者の向き(具体的には、被験者の胸郭に垂直なベクトル)を定める位置での治療部位の中に位置決めされるように構成される。被験者の向き(具体的には、被験者の胸郭に垂直なベクトル)は、治療部位の中に位置決めされるように構成された薄板形センサによって示されてよい。非制限例では、薄板形センサは被験者の上部胴体及び/又は首の下に位置決めされるように構成される。
【0033】
被験者の胴の電磁場発生器に対する位置及び向きを表す基準座標系は、被験者の胴の上で治療部位の中に位置決めされるように構成された基準センサによって示されてよい。基準センサは、患者の胴の側面に位置決めされてよく、これにより解剖学的マップは被験者の体の輪郭をさらに示す。
【0034】
第1の解剖学的位置及び第2の解剖学的位置は、基準座標系に対して少なくとも第1の解剖学的位置及び第2の解剖学的位置にマークを付けるように構成された登録センサによって示されてよい。任意選択で、登録センサは手動で操作されるように構成されたスタイラスである。任意選択で、第1の解剖学的位置は胸骨上の切欠きであり、第2の解剖学的位置は剣状突起であり、胃腸管の第1の解剖学的位置及び第2の解剖学的位置に対する経路表示は、挿入の成功を示す。
【0035】
電磁場発生器は、被験者の体内に管を設置するための処置の持続時間を通して静的であってよい。係る場合、電磁場によってカバーされる部位は、被験者の体内に管を設置するための処置の持続時間を通して静的/一定である。有利なことに、静的な電磁場は表示の精度に貢献することがある。
【0036】
解剖学的マップは、薄板形センサに基本的に平行な被験者の前面上部図及び/又は薄板形センサに基本的に垂直な被験者の側面図及び/又は被験者の軸方向図を示してよい。
【0037】
電磁場発生器及びセンサの1つ又は複数を含む上述の電磁場追跡システムとしての使用に適したハードウェアの一例は、カナダ、オンタリオのNorthern Digital Inc.によるAurora(登録商標)システムである。
【0038】
以下の説明を通して、装置の異なる実施形態の類似する要素は、100の整数倍数分、異なる要素番号によって参照される。例えば、図1の電磁場発生器は番号102によって参照され、図1の電磁場発生器102に相当する図2の電磁場発生器は番号202によって参照される。
ここで、挿入装置位置決め誘導システム100のブロック図である図1が参照される。システム100は、少なくとも1つの関心のある部位103b(例えば、患者の胴等の治療部位)をカバーする電磁場103bを発生させるように構成された電磁場発生器102、
関心のある部位103b(通常、被験者の胴)の解剖学的マップ(図3A図3B)上の(挿入装置の遠位先端部分に位置する)先端センサの位置を示すために、センサ104、106、及び108等の複数の電磁センサを含む。システム100は、該電磁場発生器を操作し、薄板形センサ、基準センサ、及び登録センサから得られる信号を読み取り、該電磁場発生器に対するその位置及び向きを計算し、被験者の胴を表す解剖学的マップを生成するように構成されたプロセッサ110をさらに含む。プロセッサ110は、被験者の移動とは関係なく、並びに電磁場発生器102の位置及び/向きの偏差とは関係なく、事前に指定された解剖学的位置に関して先端センサの位置及び経路の解剖学的マップでの視覚化を容易にするように構成される。システム100は、プロセッサ110に動作可能なように接続され、解剖学的マップ上に、挿入部位の位置及び/又は挿入位置先端から挿入部位までの経路を表示するように構成されたモニタ112をさらに含む。いくつかの実施形態では、モニタ112は、オールインワンコンピュータの場合において等、プロセッサ110と統合されてよい。したがって、医療処置(例えば、肺とは対照的に胃に対する栄養チューブの挿入)の成功の判断が可能である。
【0039】
センサ108は、通常、被験者の向きを定める位置での治療部位の中に位置決めされるように構成された薄板形センサである。任意選択で、位置は被験者の姿勢を示す。薄板形センサ108は、任意選択で6DOF(自由度)の電磁センサである。薄板形センサ108は、任意選択で被験者のベッドに位置決めされ、ベッドの位置にマークを付けることによって被験者の姿勢にマークを付けるように構成される。代わりに、薄板形センサ108は被験者の体に取り付けられてよい。任意選択で、薄板形センサ108は被験者の背中の下に位置決めされる。任意選択で、薄板形センサ108は、被験者の上部胴体及び/又は首の下に位置決めされる。薄板形センサ108が被験者の背中に隣接して保たれる場合、薄板形センサ108は、被験者が横たわっているのか、自分の上半身を部分的に持ち上げられた状態で横たわっているのか、それとも座っているのかを示してよい。基準センサ108は、電磁場発生器102に関するその位置(XYZ軸)及び姿勢(ロール、ヨー、及びピッチ)の6軸を決定できる、例えば6‐DOF電磁センサであってよい。
【0040】
センサ104は、通常、被験者の胴に位置決めされるように構成された基準センサである。基準センサ104は、電磁場発生器に対する被験者の胴の位置及び向きを表す基準座標系を定めるように構成される。任意選択で、基準センサ104は、例えば患者の腋窩の真下等、患者の胴の側面で患者の皮膚に取り付けられてよい。係る場合、解剖学的マップは、被験者の体の輪郭をさらに示すことがある。基準センサ104は、例えば電磁場発生器102に関するその位置(XYZ軸)及び姿勢(ロール、ヨー、及びピッチ)の6軸を決定できる6‐DOF電磁センサであってよい。
【0041】
センサ106は、通常、被験者の体(例えば、被験者の胴)の上の少なくとも1つの第1の解剖学的(胸郭の)位置及び1つの第2の解剖学的(胸郭の)位置に位置決めされ、被験者の体(例えば、被験者の胴)の上の少なくとも1つの第1の解剖学的(胸郭の)位置及び1つの第2の解剖学的(胸郭の)位置にマークを付けるように構成された登録センサである。異なる解剖学的位置は、使用される処置のタイプ、挿入医療装置のタイプ等に応じてマークを付けられてよい。解剖学的位置のマーキングは、マーカー/(ステッカー等の)基準を取り付ける等、物理的であってよい。代わりに、解剖学的位置のマーキングは、仮想マーカー/基準を登録する等、仮想であってよい。実施形態に係るマーキングは、例えば非制限例では、被験者の胸骨上の切欠き及び被験者の剣状突起等、被験者の体の中の又は被験者の体の上の解剖学的位置の識別又は指定を容易にしてよい。
【0042】
任意選択で、登録センサ106は、スタイラスのオペレータによって識別される被験者の体の上で少なくとも1つの第1の解剖学的位置及び1つの第2の解剖学的位置にマークを付けるために手動で操作されるように構成されたスタイラスセンサである。マーキングは、いったんスタイラスセンサ106が患者の体の所望される点の上に位置決めされると、(例えば、GUIボタンを押すこと又は音声活性化によってであるが、これに限定されるものではない)ソフトウェアに示すことによって、単に例として行われてよい。マーキングは、プロセッサ110に通信され、プロセッサ110によって登録されてよい。
【0043】
システム100は、栄養チューブ等の挿入医療装置(不図示)と連動して機能するように構成される。挿入医療装置は、関心のある領域103bの中でのその追跡を可能にするために1つ又は複数のセンサを含んでよい。好ましくは、センサは挿入医療装置の先端に位置する。係る場合、プロセッサ110及びモニタ112は、挿入部位/標的部位につながる指定された解剖学的位置の間で挿入医療装置の先端の位置及び/又は前進を計算し、表示するように構成される。
【0044】
いくつかの実施形態によると、本明細書に使用されるように、用語「挿入装置」及び「挿入医療装置」は体内への挿入のために適応された任意の装置/ツールを指してよい。挿入装置は任意の医療挿入装置または医療手術装置であってよい。挿入医療装置の非制限例は
胃腸管(例えば、経鼻栄養チューブ)、気管内チューブ、気管カニューレ、胃管、カテーテル管、又は輪状甲状靭帯切開管等の栄養チューブを含む。挿入装置の他の例は技術で周知である。
【0045】
いくつかの実施形態によると、用語「処理回路網」及び「プロセッサ」は交互に用いられてよい。
【0046】
いくつかの実施形態では、挿入装置は管である。いくつかの実施形態では、管は栄養チューブである。いくつかの実施形態では、管は、経鼻胃栄養チューブ又は経鼻栄養チューブ等であるが、これに限定されるものではない胃/腸栄養チューブである。いくつかの実施形態によると、栄養チューブは、例えばその遠位端に等、その中に及び/又はその上に電磁センサを配置していることがある。
【0047】
ここで、いくつかの実施形態に従って、病院の状況で挿入装置位置決め誘導システム200を概略で示す図2A図2Eが参照される。図2Aは、いくつかの実施形態に従って病院の状況で挿入装置位置決め誘導システムを概略で示し、図2Bはいくつかの実施形態に従って図2Aの図の拡大部分を示し、図2Cはいくつかの実施形態に従って図2Aの図の側面図を示し、図2D図2Eは、いくつかの実施形態に従って、異なる位置に位置するスタイラス、(図2A図2Cに示されるような)基準センサ、及び薄板形センサを使用し、マークを付けられた解剖学的位置を示す、病院状況での挿入装置位置決め誘導システムを概略で示す。
【0048】
図1のシステム100と同様に、システム200は電磁場発生器202、及び複数の電磁センサ204、206、及び/又は208を含む。さらに、システム200は、電磁場発生器202によって発生する電磁場を検知する、及び/又は電磁場発生器202によって発生する電磁場と干渉するように構成された1つ又は複数の電磁センサを含んでよい挿入医療装置(不図示)と連動して機能するように構成される。任意選択で、システム200のモニタ212は、図1のプロセッサ110に相当するまたはプロセッサ110を含むコンピュータと統合される。
【0049】
いくつかの実施形態によると、電磁場発生器202は、電磁場が外部作業領域及び内部作業領域、つまり言い換えると(少なくとも鼻領域から十二指腸領域までの)上部胴体全体をカバーできるようにするための、患者に関する角度及び位置に位置決めされてよい。基準センサ204、薄板形センサ208、及びスタイラスセンサ206は、すべて電磁場発生器202によって作り出される場の下でカバーされる。栄養チューブの先端センサは、消化器系の内側で移動するように構成され、したがってその経路は追跡できる。基準センサ204は、例えば患者の腋窩の真下で、患者の皮膚に及び/又は患者の皮膚の上に取り付けられてよい。センサの取付けのために適した手段は、例えば、ステッカー、医療用接着剤等、技術で周知である。基準センサ204は、電磁場発生器202によって発せられる電磁場(不図示)に基づいて、電磁場発生器202に関する患者の位置(XYZ軸)及び姿勢(ロール、ヨー、及びピッチ)を検出するために役立ってよい。
【0050】
本明細書に説明されるように、薄板形センサ208は、被験者の向き(又は少なくとも治療されている体の部分の向き)を定める位置に位置決めされてよい。例えば、医療挿入処置が患者の胴に関与する場合、薄板形センサ208は図2Dに示されるように胴に平行に患者のベッド215の部分に位置決めされてよい。代わりに、図2Eに示されるように、薄板形センサ308は、少なくとも部分的に患者の背中とベッド215との間に挿入される。
【0051】
スタイラスセンサ206は、患者の皮膚上で1つ又は複数の解剖学的位置にマークを付けるために手動で操作されてよい。例えば、図2D及び図2Eは患者の胸郭上の(これらの図で「206a」及び「206b」として示される)2つの係る解剖学的位置のマーキングを示す。解剖学的位置206aは胸骨上の切欠き上にマークを付けられ、解剖学的位置206bは剣状突起上にマークを付けられる。マーキングはコンピュータに通信され、コンピュータによって登録されてよい。
【0052】
任意選択で、コンピュータは、基準センサ204、薄板形センサ208、並びに2つのマークを付けられた解剖学的位置206a及び206bの位置及び姿勢の信号を受信し、被験者の胴を表す解剖学的マークを計算し、その後医療処置が開始できる。栄養チューブの挿入を誘導する典型的な場合、栄養チューブの先端にはセンサが備えられる。任意選択で、コンピュータは、信号を受信し、センサの位置を計算する第2のプロセッサからセンサの実際の位置及び向きを受信する。任意選択で、コンピュータは、センサから信号を受信し、その物理的な位置を計算する第2のプロセッサから実際の位置及び向きを受信する。
【0053】
システム200は以下の通りに操作される。
【0054】
電磁場発生器202は、治療部位に電磁場を印加し、被験者の胴をカバーするために作動される。
【0055】
薄板センサ208/308は、例えば被験者の胴の真下のベッド上等、被験者の向き(又は少なくとも治療されている体の部分の向き)を定める位置で治療部位の中に位置決めされる。
【0056】
基準センサ204は、被験者の胴の上、好ましくは胴の側面上で治療部位の中に位置決めされる。基準センサ204は、電磁場発生器に対する被験者の胴の位置及び向きを表す基準座標系を定める。
【0057】
登録センサ206は、被験者の胴(例えば、胸骨上の切欠き及び剣状突起)上に2つの解剖学的位置にマークを付けるために使用される。
【0058】
プロセッサを活用し、胴及び2つの解剖学的位置を表す解剖学的マップを生成し、並びにモニタ212上に解剖学的マップ及び(栄養チューブの)先端センサの位置と経路を表示すること。先端センサの経路は、2つの解剖学的位置に関して、及び/又は2つの解剖学的位置の間及び胴の中心に沿って通る長手方向軸に関して表示されてよい。
【0059】
ここで、いくつかの実施形態に従って挿入装置の設置の「ライブ」表示の図を示す図3A、及びいくつかの実施形態に従って挿入装置の設置の「再生」表示の図を示す図3Bが参照される。係る表示は、モニタ212等のモニタに提示されてよい。左隅は一般的な情報及び患者の詳細を含み、図3Bの表示では再生制御も含む。
【0060】
先端の経路は概略で描かれ、介護人が、管が所望される位置に達するまで、管の挿入経路全体を視覚化できるようにする。任意選択で、並びに図3A及び図3Bに示されるように、矢印は経路の先端近くにあり、管が指している実際の方向を示す。係る矢印(複数可)は、ユーザが管を適切に挿入する(又は管がどこで及びどの方向に移動しているのかをよりよく理解する)のに役立つことがある。図3A及び図3Bの両方の表示は、患者の体の3つの図、つまりモニタの右上側に示される前面図、モニタの左下側に示される側面方向図、及びモニタの右下側に示される軸方向図を示す。いくつかの実施形態では、異なる及び/又は追加の図が示されてよい。
【0061】
挿入医療装置を挿入している介護人は、医療器具を体内の所望される位置に誘導するために、患者の体内に医療器具を手動で動かしながら、モニタ212上で表示を見ることができる。
【0062】
ここで、いくつかの実施形態に従って、挿入医療装置の位置を誘導するための方法のステップのフローチャートである図4が参照される。ステップ420は、治療部位に対する電磁場の印加を含む。任意選択で、図2の電磁場発生器202等の電磁場発生器は、電磁場が治療部位をカバーするように位置決めされる。図2A図2Dの薄板形センサ208等の薄板形センサは、被験者の向き(又は少なくとも治療されている体の部分の向き)を定める位置に位置決めされる(ステップ422)。図2A図2Dの基準センサ204等の基準センサは被験者の胴の上で治療部位の中で患者に位置決めされ、基準センサは電磁場発生器に対する被験者の胴の位置及び向きを表す基準座標系を定める(ステップ424)。任意選択で、基準センサは被験者の体の輪郭を示すように患者の胴の側面に位置決めされる。少なくとも第1の解剖学的位置及び第2の解剖学的位置は、登録センサを活用することによってマークを付けられる(ステップ426)。任意選択で、図2A図2Dのスタイラスセンサ206等のスタイラスセンサは、少なくとも第1の解剖学的位置及び第2の解剖学的位置(例えば、206a及び206b)にマークを付けるために手動で操作される。代わりに、1つ又は複数の登録センサは、少なくとも第1の解剖学的位置及び第2の解剖学的位置上に位置決めされる。任意選択で、第1の解剖学的位置は胸骨上の切欠きであり、第2の解剖学的位置は剣状突起である。基準センサ204、薄板形センサ208、ならびに2つのマークを付けられた解剖学的位置206a及び206bは、関心のある部位の中に存在する。ステップ420、422、及び424のそれぞれは同時に又は取替え可能な順序で実行されてよい。被験者の胴並びに第1の解剖学的位置及び第2の解剖学的位置を表す解剖学的マップは、プロセッサを活用することによって生成される(ステップ428)。解剖学的マップは、基準センサ204、薄板形センサ208、及び2つのマークを付けられた解剖学的位置206a及び206bから受信される信号に基づいて生成されてよい。挿入装置の先端センサの位置及び向きは、被験者の移動とは関係なく、並びに電磁場発生器の位置及び/又は向きの偏差とは関係なく、第1の解剖学的位置及び第2の解剖学的位置に関して解剖学的マップに表示される(ステップ430)。これは、すべてのセンサが電磁場発生器の検知体積の中に留まるときに達成できる。
【0063】
任意選択で、解剖学的マップは、薄板形センサに基本的に平行な被験者の前面上部図、薄板形センサに基本的に垂直な被験者の側面図、被験者の軸方向図を示す。任意選択で解剖学的マップは、第1の解剖学的位置及び第2の解剖学的位置206a及び206bに対する挿入された装置の位置を計算し、表示することによって、被験者の体内での(電磁場発生器によって発生する電磁場を検知する、及び/又は電磁場発生器によって発生する電磁場と干渉するように構成された電磁センサを有する)挿入装置の位置の視覚化を可能にする。任意選択で、計算することは、少なくとも基準センサ204及び薄板形センサ208から受信され、処置中に連続的に及び/又はリアルタイムで得られる信号に基づいて位置を正規化することを含んでよい。
【0064】
本発明は、システム、方法、及び/又はコンピュータプログラム製品であってよい。コンピュータプログラム製品は、プロセッサに本発明の態様を実施させるためにその上にコンピュータ可読プログラム命令を有する1つ(又は複数)のコンピュータ可読記憶媒体を含んでよい。
【0065】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行装置による使用のために命令を保持し、記憶できる有形装置であることがある。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば電子記憶装置、磁気記憶装置、光学記憶装置、電磁記憶装置、半導体記憶装置、又は前記のいずれかの適切な組合せであってよいが、これに限定されるものではない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の包括的ではないリストは以下、つまりポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、消去可能PROM(EPROM又はフラッシュメモリ)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ポータブルコンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリスティック、フロッピーディスク、命令がその上に記録されている機械的に符号化された装置、及び前記の任意の適切な組合せを含む。本明細書に使用されるコンピュータ可読記憶媒体はそれ自体、電波又は他の自由に伝搬する電磁波、導波管若しくは他の伝送媒体を通って伝搬する電磁波(例えば、光ファイバケーブルを通過する光パルス)、又はワイヤを通って伝送される電気信号等、一過性の信号であるとして解釈されるべきではない。むしろ、コンピュータ可読記憶媒体は非一過性(つまり、揮発性ではない)媒体である。
【0066】
本明細書に説明されるコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体からそれぞれのコンピューティング/処理装置に、又は外部コンピュータ若しくは外部記憶装置に、例えばインターネット、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、及び/又は無線ネットワーク等のネットワークを介してダウンロードできる。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータ、及び/又はエッジサーバを含んでよい。各コンピューティング/処理装置でのネットワークアダプタカード又はネットワークインタフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、それぞれのコンピューティング/処理装置の中のコンピュータ可読記憶媒体での記憶のためにコンピュータ可読プログラム命令を転送する。
【0067】
本発明の動作を実施するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、インストラクションセットアーキテクチャ(ISA)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はJava、Smalltalk、C++等のオブジェクト指向プログラミング言語及び「C」プログラミング言語若しくは類似するプログラミング言語等の従来の手続き型プログラミング言語を含む、1つ又は複数のプログラミング言語の任意の組合せで作成されるソースコード又はオブジェクトコードのいずれかであってよい。コンピュータ可読プログラム命令は、完全にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、部分的にユーザのコンピュータ上で、及び部分的にリモートコンピュータ上で、又は完全にリモートコンピュータ若しくはサーバ上で実行してよい。後者の状況では、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、若しくは広域ネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを通してユーザのコンピュータに接続されてよい、又は接続は(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用し、インターネットを通して)外部コンピュータになされてよい。いくつかの実施形態では、例えばプログラマブル論理回路網、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はプログラマブルロジックアレイ(PLA)を含む電子回路網は、本発明の態様を実行するために、電子回路網を個人化するコンピュータ可読プログラム命令の状態情報を活用することによってコンピュータ可読プログラム命令を実行してよい。
【0068】
本発明の態様は、本発明の実施形態に係る方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図及び/又はブロック図を参照して本明細書に説明される。フローチャート図及び/又はブロック図の各ブロック、並びにフローチャート図及び/又はブロック図のブロックの組合せは、コンピュータ可読プログラム命令によって実施できることが理解される。
【0069】
これらのコンピュータ可読プログラム命令は、マシンを作り出すために汎用コンピュータ、特殊目的コンピュータのプロセッサ、又は他のプログラム可能データ処理装置に提供されてよく、これによりコンピュータのプロセッサ又は他のプログラム可能データ処理装置を介して実行する命令は、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックで指定される機能/行為を実施するための手段を作成する。また、これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ、プログラム可能データ処理装置、及び/又は他の装置に特定の方法で機能するように命令できるコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてよく、これにより命令をその中に記憶させるコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックで指定される機能/行為の態様を実施する命令を含む製造品を含む。
【0070】
また、コンピュータ可読プログラム命令は、一連の操作ステップを、コンピュータ、他のプログラム可能装置又は他の装置で実行させてコンピュータ実装プロセスを作り出すためにコンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、又は他の装置にロードされてもよく、これによりコンピュータ、他のプログラム可能装置、又は他の装置で実行する命令は、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックに指定される機能/行為を実装する。
【0071】
図の中のフローチャート及びブロック図は、本発明の多様な実施形態に係るシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品の考えられる実装のアーキテクチャ、機能性、及び動作を説明する。この点で、フローチャート又はブロック図の各ブロックは指定された論理関数(複数可)を実装するための1つ又は複数の実行可能命令を含むモジュール、セグメント、又は命令の部分を表してよい。いくつかの代替実施態様では、ブロックで注記される機能は図中に注記される順序外で発生してよい。例えば、連続して示される2つのブロックは、事実上、実質的に同時に実行されてよい、又はブロックは関与する機能性に応じて時折逆順で実行されてよい。ブロック図及び/又はフローチャート図の各ブロック、並びにブロック図及び/又はフローチャート図のブロックの組合せが、指定された機能若しくは行為を実行する、又は特殊目的ハードウェア及びコンピュータ命令の組合せを実施する特殊目的ハードウェアベースシステムによって実装できることも留意される。
【0072】
本発明の多様な実施形態の説明は、図解のために提示されているが、包括的となる又は開示される実施形態に制限されることを目的としてない。多くの変更形態及び変形形態は説明される実施形態の範囲及び精神を逸脱することなく当業者に明らかになる。本明細書で使用される専門用語は実施形態の原理、実践的な用途、又は市場で見付けられる技術に優る技術的な改善を最もよく説明するために、又は当業者が本明細書に開示される実施形態を理解できるようにするために選ばれた。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図4
【手続補正書】
【提出日】2022-05-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入装置の位置決め誘導システムであって、
被験者の治療部位をカバーする電磁場を発生させるように構成された電磁場発生器であって、前記治療部位が前記被験者の上部胴体を含み十二指腸領域まで及ぶ、前記電磁場発生器と、
被験者の向きを定める位置で、前記電磁場発生器から発生する前記電磁場で覆われる前記治療部位の中に位置決めされるように構成された薄板形センサと、
前記被験者の胴の上で、前記電磁場発生器から発生する前記電磁場で覆われる前記治療部位の中に位置決めされるように構成された基準センサであって、前記電磁場発生器に対する前記被験者の胴の前記位置及び前記向きを表す基準座標系を定めるように構成された前記基準センサと、
前記基準座標系に対して少なくとも1つの第1の解剖学的位置及び1つの第2の解剖学的位置にマークを付けるように構成された登録センサであって、前記電磁場発生器から発生する前記電磁場で覆われた前記治療部位に配置される前記登録センサと、
前記電磁場発生器を操作し、前記薄板形センサ、前記基準センサ、及び前記登録センサから得られる信号を読み取り、前記電磁場発生器に対するその位置及び向きを計算するように構成された処理回路であって、前記処理回路は前記被験者の少なくとも前記治療部位の当初撮像モダリティ並びに前記第1の解剖学的位置及び前記第2の解剖学的位置を表す3次元解剖学的マップを生成するようにさらに構成され、前記処理回路は、前記被験者の移動とは関係なく、並びに前記電磁場発生器の前記位置及び/又は前記向きの偏差とは関係なく、前記第1の解剖学的位置及び前記第2の解剖学的位置に関して前記挿入装置の遠位先端部分に位置する先端センサの位置、向き、及び/又は経路の前記3次元解剖学的マップ上での視覚化を容易にするようにさらに構成され、したがって医療処置の成功の判断が容易になる、処理回路と
を備える、挿入装置の位置決め誘導システム。
【請求項2】
前記基準センサが前記被験者の胴の側面上に位置決めされるように構成され、これにより前記3次元解剖学的マップが前記被験者の前面の体の輪郭をさらに示す、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記3次元解剖学的マップが、前記薄板形センサに基本的に平行な前記被験者の前面上部図を示す、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記3次元解剖学的マップが、前記薄板形センサに基本的に垂直な前記被験者の側面図を示す、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記3次元解剖学的マップが前記被験者の軸方向図を示す、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記3次元解剖学的マップを表示するように構成されたモニタをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記薄板形センサが前記被験者の上部胴体及び/又は首の下に位置決めされるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記登録センサが手動で操作されるように構成されたスタイラスである、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記挿入装置が経鼻胃腸管である、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の解剖学的位置が胸骨上の切欠きであり、前記第2の解剖学的位置が剣状突起であり、前記第1の解剖学的位置及び前記第2の解剖学的位置に対する前記経鼻胃腸管の経路表示が挿入の成功を示す、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記挿入装置が栄養チューブである、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記基準センサが、ロール、ヨー、及びピッチを含む、前記電磁場発生器に対する前記被験者の胴の前記位置及び前記向きを表す基準座標系を定めるように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記基準センサおよび前記登録センサが、前記被験者の前記上部胴体の前面に配置される、請求項1に記載のシステム。