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特開2022-119846自走式作業機及び自走式作業機の制御システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022119846
(43)【公開日】2022-08-17
(54)【発明の名称】自走式作業機及び自走式作業機の制御システム
(51)【国際特許分類】
   B62D 11/04 20060101AFI20220809BHJP
   A01D 34/64 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
B62D11/04 A
B62D11/04 Z
A01D34/64 M
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022081407
(22)【出願日】2022-05-18
(62)【分割の表示】P 2018136201の分割
【原出願日】2018-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】000171746
【氏名又は名称】株式会社ササキコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100086184
【弁理士】
【氏名又は名称】安原 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100167634
【弁理士】
【氏名又は名称】扇田 尚紀
(72)【発明者】
【氏名】甲地 重春
(72)【発明者】
【氏名】戸田 勉
(57)【要約】      (修正有)
【課題】被牽引作業機に特別な装置を搭載することなく、安全に旋回できる自走式作業機を提供する。
【解決手段】機体Lの進行方向左右側に設けられ駆動走行をさせる走行モータを有した走行部Dと、走行部の前方又は後方には、他の作業機Aを牽引させるための牽引部Pと、走行部を操作するための操作部Bであって、旋回モードを切り替えることが可能な信地旋回切替スイッチを有した操作部と、操作部から送られた信号を変換し、走行モータの回転を制御するため信号を処理する変換部制御装置Eと、牽引部は機体の他の作業機を牽引したときに旋回モードを切り替えるための牽引部切替スイッチと、を備え、変換部制御装置は、少なくとも信地旋回切替スイッチまたは前記牽引部切替スイッチのいずれか一方が作動すると旋回モードを切り替えるように制御する、ことを特徴とする自走式作業機。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体の進行方向左右側に設けられ駆動走行をさせる走行モータを有した走行部と、
前記走行部の前方又は後方には、他の作業機を牽引させるための牽引部と、
前記走行部を操作するための操作部であって、旋回モードを切り替えることが可能な信地旋回切替スイッチを有した操作部と、
該操作部から送られた信号を変換し、前記走行モータの回転を制御するため信号を処理する変換部制御装置と、
前記牽引部は前記機体の前記他の作業機を牽引したときに前記旋回モードを切り替えるための牽引部切替スイッチと、を備え、
該変換部制御装置は、少なくとも前記信地旋回切替スイッチまたは前記牽引部切替スイッチのいずれか一方が作動すると前記旋回モードを切り替えるように制御する、
ことを特徴とする自走式作業機。
【請求項2】
前記旋回モードは信地旋回モード又は超信地旋回モードを有し、少なくとも前記信地旋回切替スイッチまたは前記牽引部切替スイッチのいずれか一方が作動すると前記旋回モードを前記信地旋回モードに切り替える、
ことを特徴とする請求項1記載の自走式作業機。
【請求項3】
前記旋回モードは信地旋回モード又は超信地旋回モードを有し、前記信地旋回切替スイッチまたは前記牽引部切替スイッチのすべてが作動すると前記旋回モードを前記信地旋回モードに切り替える、
ことを特徴とする請求項1記載の自走式作業機。
【請求項4】
機体の進行方向左右側に設けられ駆動走行をさせる走行モータを有した走行部と、
前記走行部の前方又は後方には、他の作業機を牽引させるための牽引部と、
前記走行モータの回転を制御するため信号を処理する変換部制御装置と、
前記機体の旋回走行方式を切換えるための切換スイッチと、を備え、
該変換部制御装置は、前記切換スイッチによって旋回走行方式を信地旋回モード又は超信地旋回モードを選択すると、それぞれの旋回モードに切り替えるように制御する、
ことを特徴とする自走式作業機。
【請求項5】
前記切換スイッチは前記牽引部に設けられていて、前記牽引部に他の作業機が接続されると切替スイッチを作動させる、
ことを特徴とする請求項4記載の自走式作業機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自走式作業機及び自走式作業機の制御システムに係る。
【背景技術】
【0002】
作業機、とりわけ農作業に使用する作業機は、誰でも容易に扱えること求められている。また、作業機の操作においても同様に容易さが求められている。さらに、車両式の作業機を連結させて行うと複数の作業を同時に行えて効率が良いことが知られている。
左右に走行部を備え、その左右の走行部を操作して旋回する方式による作業機には、左右いずれか一方の走行部を旋回軸にして旋回する信地旋回と、機体のほぼ中心を軸にして旋回する超信地旋回が可能なものがある。そのような作業機においては、牽引時に旋回を行う場合は注意が必要である。
【0003】
作業機と被牽引作業機を有した作業機群の超信地旋回は、互いに干渉し合い、被牽引作業機に無理な旋回力及び側方への負荷が発生する。このため、超信地旋回による互いの干渉を避け、被牽引作業機に無理な負荷が発生しないように配慮する必要がある。
走行時の通常の信地旋回と超信地旋回の旋回モードを切り替える装置として特許文献1「特殊車両の走行制御装置」がある。同記載の「特殊車両の走行制御装置」は、「旋回モードを容易に切り替えることができ、また車両の積込み時には容易に走行速度を低下でき、さらに必要に応じて最高速度を容易に低下できる特殊車両の走行制御装置」からなる。
この装置は、機体を操作するジョイスティックコントローラに備えた旋回モード切替スイッチを操作することで、任意に旋回モードを切替える装置である。
【0004】
牽引しながら無理なく旋回を可能にする機構として、特許文献2記載の「牽引式作業機の車輪操舵装置」が開示されている。この「牽引式作業機の車輪操舵装置」は、トラクタにより被牽引作業機をオフセット牽引するとき、被牽引作業機のヨーイングが相殺されるように自動的に被牽引作業機の車輪舵角を操作するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9-71260公報(特許第2928749号公報)
【特許文献2】特開2003-246275公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1記載の「特殊車両の走行制御装置」は、作業者が旋回モード切替スイッチの操作を間違えると、超信地旋回モード状態で超信地旋回動作をする場合がある。この装置を有した先行車両に作業車を牽引させると、超信地旋回動作によって被牽引作業機に大きな負荷がかかり破損に至る問題がある。
特許文献2記載の「牽引式作業機の車輪操舵装置」は、被牽引側の作業機に車輪舵角を操舵する機構を搭載しているので、操舵機構によって被牽引作業機が高価になる問題がある。また、車輪舵角に関する信号を牽引させる車両に搭載したコンピュータと連繋させなくてはならないため、これもまた高価になる問題がある。
本発明は上記問題点に着眼してなされたものであり、被牽引作業機に特別な装置を搭載することなく、安全に旋回できる自走式作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、
機体の進行方向左右側に設けられ駆動走行をさせる走行モータを有した走行部と、
前記走行部の前方又は後方には、他の作業機を牽引させるための牽引部と、
前記走行部を操作するための操作部であって、旋回モードを切り替えることが可能な信地旋回切替スイッチを有した操作部と、
該操作部から送られた信号を変換し、前記走行モータの回転を制御するため信号を処理する変換部制御装置と、
前記牽引部は前記機体の前記他の作業機を牽引したときに前記旋回モードを切り替えるための牽引部切替スイッチと、を備え、
該変換部制御装置は、少なくとも前記信地旋回切替スイッチまたは前記牽引部切替スイッチのいずれか一方が作動すると前記旋回モードを切り替えるように制御する、
ことを特徴とする自走式作業機、
からなる。
【0008】
この発明は、更に、
前記旋回モードは信地旋回モード又は超信地旋回モードを有し、少なくとも前記信地旋回切替スイッチまたは前記牽引部切替スイッチのいずれか一方が作動すると前記旋回モードを前記信地旋回モードに切り替える、
からなる。
【0009】
この発明は、さらに、
前記旋回モードは信地旋回モード又は超信地旋回モードを有し、前記信地旋回切替スイッチまたは前記牽引部切替スイッチのすべてが作動すると前記旋回モードを前記信地旋回モードに切り替える、
ことを特徴とする自走式作業機、
からなる。
【0010】
この発明は、
機体の進行方向左右側に設けられ駆動走行をさせる走行モータを有した走行部と、
前記走行部の前方又は後方には、他の作業機を牽引させるための牽引部と、
前記走行モータの回転を制御するため信号を処理する変換部制御装置と、
前記機体の旋回走行方式を切換えるための切換スイッチと、を備え、
該変換部制御装置は、前記切換スイッチによって旋回走行方式を信地旋回モード又は超信地旋回モードを選択すると、それぞれの旋回モードに切り替えるように制御する、
ことを特徴とする自走式作業機、
からなる。
【0011】
この発明は、さらに、
前記切換スイッチは前記牽引部に設けられていて、前記牽引部に他の作業機が接続されると切替スイッチを作動させる、
ことを特徴とする自走式作業機、
からなる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によって、被牽引作業機に特別な装置を搭載することなく、安全に旋回できる自走式作業機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】この発明の実施の形態に係る実施例の平面図である。
図2】この発明の実施の形態に係る実施例の左側面図である。
図3】この発明の実施の形態に係る実施例の正面図である。
図4】この発明の実施の形態に係る実施例の送信機の正面図である。
図5】この発明の実施の形態に係る実施例の、昇降部最上昇移動時の昇降部詳細左側面中央断面図である。
図6】この発明の実施の形態に係る実施例の、昇降アームを一部断面し、弾性体を断面した、昇降部最上昇移動時の昇降部詳細正面図である。
図7】この発明の実施の形態に係る実施例の、自走式草刈機である自走式作業機と被牽引作業車との牽引部の平面図である。
図8】この発明の実施の形態に係る実施例の、自走式草刈機である自走式作業機と被牽引作業車との牽引部の左側面図である。
図9】この発明の実施の形態に係る実施例の、自走式草刈機である自走式作業機と被牽引作業車との牽引部の一部拡大平面図である。
図10】この発明の実施の形態に係る実施例の、自走式草刈機である自走式作業機と被牽引作業車との牽引部の一部拡大左側面図である。
図11】この発明の実施の形態に係る実施例の草刈機の制御の相関を示したブロック図である。
図12】この発明の実施の形態に係る実施例の前後進信号処理を表すフロー図である。
図13】この発明の実施の形態に係る実施例の超信地旋回信号の処理を表すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
この発明の実施例に係る自走式作業機及び自走式作業機の制御システムについて説明する。
Aは、自走式作業機である自走式草刈機である。自走式草刈機Aの平面図をあらわす図1において、図中左側が自走式草刈機Aの前方、右が後方、上が右側、下が左側である。
Bは、自走式草刈機Aにおける、操作部である送信機である。自走式草刈機Aは、送信機Bによって操作する。Jは受信機であり自走式草刈機A上に設置する。
【0015】
自走式草刈機Aには、中央に機体である本体部Lを設ける。本体部Lには、本体フレーム01、走行部Dを設ける。本体部Lの前部に、作業部Kを設ける。作業部Kには、2個の刈刃部Cを進行方向に向かって並べて設置する。本体部Lの左右には、走行部Dを設ける。本体部Lの後部には、牽引部Pを設ける。牽引部Pには、連結部91を介して、被牽引作業車を取り付ける。
Eは変換部制御装置であり、自走式草刈機Aの駆動、作動を制御する。Fは刈刃リフト部であり、走行部Dに取り付けた刈刃部Cを昇降する。
【0016】
走行部Dには、走行フレーム11を設ける。走行フレーム11は、自走式草刈機Aの進行方向両側に平行にそれぞれ設ける。12は駆動輪、13は従動輪である。12aは右駆動輪、12bは左駆動輪である。121は、駆動輪12の回転軸である。
駆動輪12は、走行フレーム11の後部に幅方向に取り付けた回転軸121に取り付ける。従動輪13は、走行フレーム11の前部に取り付ける。14は、転輪である。転輪14は、駆動輪12、従動輪13の間の走行フレーム11に取り付ける。
【0017】
走行部Dには、機体である本体部Lの進行方向左右側に、自走式草刈機Aに駆動走行をさせる走行モータ15を設ける。15aは右走行モータ、15bは左走行モータである。
走行モータ15は、左右駆動輪12の左右駆動軸にそれぞれ取り付ける。16は、クローラである。16aは右クローラ、16bは左クローラである。クローラ16は、左右の駆動輪12、転輪14、従動輪13間にそれぞれ架け渡す。
2個の走行モータ15a、15bを駆動して、各駆動輪12を駆動させクローラ16を駆動させ、転輪14、従動輪13を回転することで、自走式草刈機Aは、駆動走行する。
【0018】
21、22は、バッテリである。バッテリ21、バッテリ22は、それぞれ自走式草刈機Aに積載される。23は、電源スイッチである。電源スイッチ23は、バッテリ21、バッテリ22をそれぞれ入切して通電状態を切替える。
31は、切替スイッチである。切替スイッチ31は、自走式草刈機Aの走行部Dに積載する。切替スイッチ31には、右刈刃スイッチ32、左刈刃スイッチ33、非常停止スイッチ34、通常信地旋回/超信地旋回切替スイッチ38の各スイッチが設置される。右刈刃スイッチ32は、作業部Kに設けた右刈刃51aを駆動停止及び回転方向を選択するためのスイッチである。左刈刃スイッチ33は、作業部Kに設けた左刈刃51bを駆動停止及び回転方向を選択するためのスイッチである。非常停止スイッチ34は、緊急時に自走式草刈機Aの作動を停止させるためのスイッチである。通常信地旋回/超信地旋回切替スイッチ38は、スイッチを切り替えることで自走式作業機の旋回モードを通常の旋回状態である通常信地旋回モードと、通常信地旋回及び超信地旋回が可能な超信地旋回モードに選択が可能である。
【0019】
切替スイッチ31には、左刈刃運転ランプ35、右刈刃運転ランプ36、電源ランプ37の各ランプを設置する。左刈刃運転ランプ35は、左刈刃運転ランプの作動時に点灯して知らせる。右刈刃運転ランプ36は、右刈刃運転ランプの作動時に点灯して知らせる。
電源ランプ37は、自走式草刈機Aの電源の入切、自走式草刈機Aの作動状態を知らせるランプである。
これらランプは、変換部制御装置Eによって走行モータ15及び刈刃モータ51及びリフト部Fに設ける昇降モータ61を含む全ての駆動の異常を検知して停止した場合は点滅発光する。
【0020】
41は昇降支点、42は昇降支点軸、43は昇降アーム、44は支点部材である。支点部材44は、本体部Lに垂直方向に取り付け、昇降支点41、昇降支点軸42を取り付ける。43aは右昇降アーム、43bは左昇降アームであり、これらで刈刃リフト部Fを構成する。
昇降支点41は、自走式草刈機Aの走行部Dに幅方向に取り付ける。昇降支点軸42は、昇降支点41に取り付ける。昇降アーム43の一方は昇降支点軸42に取り付ける。
61は、昇降モータである。昇降モータ61は、基部は自走式草刈機Aの本体フレーム01上に取り付ける。62は出力軸である。昇降モータ61からは、出力軸62が突設される。出力軸62は、自走式草刈機Aの前後方向と平行に設置する。出力軸62にはピニオンギヤ63を取り付ける。
【0021】
64は、昇降ギヤである。昇降ギヤ64は、全体として扇形からなり、自走式草刈機Aの前後方向と垂直に設置する。昇降ギヤ64の基部には、自走式草刈機Aの前後方向と平行にギヤ旋回支点66を設け、本体部Lに取り付ける。昇降ギヤ64の扇形に広がった扇状部先端には、ラックギヤ65を設ける。
ピニオンギヤ63は、昇降ギヤ64に設けたラックギヤ65と噛み合わせる。
昇降モータ61が回転すると、昇降モータ61の出力軸62に取り付けられたピニオンギヤ63が回転する。ピニオンギヤ63の回転により、ピニオンギヤ63に噛み合った昇降ギヤ64の広がった端部に設けられたラックギヤ65を上下に移動する。ラックギヤ65の上下への移動により、昇降ギヤ64の基部に設けたギヤ旋回支点66を回動中心として昇降ギヤ64は回動する。
【0022】
図3に図示する641は、昇降ピンである。昇降ピン641は、ラックギヤ65の歯部近傍の下部で進行方向前方に向けて固着する。642は、ピンである。ピン642は、昇降支点41から作業部Kよりの昇降アーム43に幅方向に設ける。昇降ピン641は、ピン642を下方から支える。
図5図6に図示するように、昇降アーム43と本体フレーム01の間に、スプリング643を設置する。スプリング643は、昇降アーム43を上方に常に付勢していて、作業部Kの上昇動作を補助している。
【0023】
ラックギヤ65の上下への移動により、昇降ピン641も上下動する。ピン641は、ギヤ旋回支点66が回動することによる、ラックギヤ65の上下への移動と共に、昇降支点41を回動中心として、昇降アーム43を上下動させる。
昇降ピン641は、昇降アーム43が下方へ移動することを規制しているのみで、昇降アーム43の上方側への移動は自由である。
【0024】
刈刃リフト部Fである昇降部には、作業部Kを昇降自在にする昇降アーム43及び昇降モータ61を設ける。昇降アーム43の一端には、昇降支点軸42を有する昇降支点41を設けている。昇降アーム43は昇降支点41を回動軸にして上下動する。
【0025】
昇降ギヤ64は、昇降モータ61の回動により、ギヤ旋回支点66を回動軸として回動する。昇降ギヤ64の回動により、昇降ピン641も上下動する。昇降ピン641の上下動により、ピン642は、上下動する。ピン642の、上下動により、昇降アーム43は上下動する。刈刃部Cは、昇降アーム43の先端に取り付ける。
そのため、回動刈刃リフト部Fは、刃昇降支点軸42を回動中心として刈刃部Cを上下に昇降駆動し、昇降アーム43の先端は昇降される。
【0026】
作業部Kには、機体である本体部L及び走行部Dの前方に位置させて、作業をするための複数の作業モータである刈刃モータ51を設ける。51aは右刈刃モータ、51bは左刈刃モータである。この実施例では刈刃モータ51は、右刈刃用モータと左刈刃用モータの2個をそれぞれの回転軸を垂直にして、それぞれ進行方向左右に並べて刈刃部Cに設置する。
52は、刈刃基部である。刈刃基部52は、それぞれ刈刃モータ51の回転軸周囲に設置高さを変えて設ける。隣接する刈刃基部52の設置高さが異なるため、刈刃基部52相互が干渉することは無い。53は、刈刃である。刈刃53は、この実施例では、それぞれ刈刃基部52に等間隔に4個取り付ける。
【0027】
54は接地体である。接地体54は円盤状からなり、刈刃モータ51の刈刃53よりも下方の地面側に取り付ける。
55は、刈刃ハウジングであり、両方の刈刃基部52を覆うように、刈刃部Cに取り付ける。
刈刃モータ51を駆動することで、刈刃基部52を回転させ、刈刃53を回転駆動させる。
回転駆動した刈刃53によって、走行と共に刈刃ハウジング55内に侵入した地面上の草を刈取り、刈取った草は刈刃ハウジング55の後方から排出される。また、刈刃53は、接地体54より下方に下がることが無く、安定して地面上の草を刈る作業ができる。
【0028】
Hは、記憶部である。図11に示す記憶部Hは、変換部制御装置Eに設けられ、刈刃モータ51の負荷に応じた走行モータ15の電流、回転数、パルス数を予め設定した設定値を記憶する。
Gは、回転駆動制御部である。回転駆動制御部Gは、走行モータ15、前記刈刃モータ51、昇降モータ61の回転数、電流、パルス数を検出し検出値を変換部制御装置Eに出力すると共に、走行モータ15及び刈刃モータ51、昇降モータ61を前記変換部制御装置Eによって決定された回転数で出力させ駆動する。回転駆動制御部Gは、右走行モータ制御部G1、左走行モータ制御部G2、右刈刃モータ回転駆動制御部G3、左刈刃モータ回転駆動制御部G4、リフトモータ回転駆動制御部G5、を有し、それぞれ各モータ、走行モータ15、刈刃モータ51、昇降モータ61に近接して配置している。
回転駆動制御部Gは、変換部制御装置Eで制御する。
【0029】
受信機Jからの信号を受領する変換部制御装置Eは、操作部Bから送られた信号を変換し、走行モータ15及び前記刈刃モータ51の回転駆動、前記刈刃53、昇降モータ61の回転を制御するため信号を出力し上下昇降を制御する。記憶部H、変換部制御装置Eは、近接させて設置する。
変換部制御装置Eは、操作部Bから送られた信号を、走行モータ15及び作業モータ51及び昇降モータ61を動作させる出力信号に変換するパルス数変換部Mを備える。
図1図4に図示する操作部である送信機Bでは、走行部D及び作業部K及び昇降部Fを操作する。操作部である送信機Bにおいて、71は、旋回スイッチである。旋回スイッチ71は、送信機Bの旋回スイッチの動作範囲72内で回動する。
【0030】
73は、前後進スイッチである。前後進スイッチ73は、前後進スイッチの動作範囲74の範囲内で移動する。
75は、信地旋回切替スイッチである。信地旋回切替スイッチ75は、操作することで、左右のクローラ16a、クローラ16bのうち、片側のクローラを停止してもう一方のクローラだけを回転させ、停止側のクローラを軸としてその場で旋回させる通常信地旋回と、互いのクローラ16a、16bのいずれか一方を前進方向に回転させ、他方を後進方向に回転させることで、機体の中心を旋回軸として旋回させる超信地旋回とを切り換える
【0031】
図7乃至図10に図示する発明の実施例に係る牽引部Pについて説明する。
Qは、被牽引作業車である。被牽引作業車Qは、連結部91で、自走式作業機Aに連結する。連結部91は、牽引ピン92、牽引環93からなる。牽引環93は環状からなり、被牽引作業車Qの自走式作業機A側先端に取り付ける。牽引部Pは、自走式作業機A後部に連結部接続ピン97を介して取り付ける。牽引ピン92を、牽引環93に貫通することで、牽引部Pと、牽引環93を連結し固定する。
【0032】
95は、支点軸である。支点軸95は、牽引部Pの被牽引作業車Q側端部の下部に、牽引部Pの長手方向すなわち牽引方向と交差する方向、この実施例では長手方向と直角に取り付ける。
96は、牽引部切替スイッチである。牽引部切替スイッチ96は、通常の信地旋回と超信地旋回の切換スイッチである。牽引部切替スイッチ96は、牽引部Pの被牽引作業車Q側端部の上部に、取り付ける。961は、摺動ピンである。摺動ピン961は、牽引部切替スイッチ96の先端に取り付け、被牽引作業車Q側に常に付勢される。摺動ピン961は、先端を押圧することで自走式作業機A側に移動され引っ込む。
【0033】
94は、押圧部である。押圧部94は、図10に図示するように、断面L字型の板状態からなる。押圧部94の、断面L字型の短辺の自走式作業機A側端部は、支点軸95に取り付ける。そのため、支点軸95を回動中心として、押圧部94は回転し、押圧部94の断面L字型の板状態からなるL字型の長辺上端部は、自走式作業機A側と被牽引作業車Q側へ移動可能である。
押圧部94の被牽引作業車Q側から自走式作業機A側への移動により、押圧部94は摺動ピン961に接触して、摺動ピン961を自走式作業機A側へ移動する。押圧部94の自走式作業機A側から被牽引作業車Q側への移動により、摺動ピン961先端への押圧部94の押圧は無くなり、摺動ピン961の先端を被牽引作業車Q側へ摺動させる。
前記牽引部Pに設けられていている前記牽引部切替スイッチ96は、前記牽引部Pに他の作業機である被牽引作業車Qが接続されると、摺動ピン961を自走式作業機A側へ移動することで、牽引部切替スイッチ96を作動させる。
【0034】
この実施例では、押圧部94の作用により、自走式草刈機である自走式作業機Aの後部に設けた牽引部Pに、被牽引作業車Qを取り付けた時にON状態とされる機構を設けており、牽引接続部である牽引部Pの連結部91に、切替スイッチである牽引部切替スイッチ96が設けられている。
牽引部Pに被牽引作業車Qが連結されると、連結を感知した牽引部切替スイッチ96は制御部である変換部制御装置Eに感知信号を出力させて、通常の信地旋回モードになる。
【0035】
信地旋回とは、左右いずれかのクローラ16からなる走行部D(右クローラ16a、左クローラ16b)を停止させつつ、もう一方を回転させて行う旋回である。
超信地旋回とは、左右のクローラ16からなる走行部D(右クローラ16a、左クローラ16b)を互いに逆回転させて行う旋回、その場旋回である。
牽引部Pに被牽引作業車Qが連結されていないと、連結を感知した牽引部切替スイッチ96は制御部である変換部制御装置Eに感知信号を出力させないので、超信地旋回モードになる。
【0036】
通常の信地旋回モード及び超信地旋回モードの、旋回モードの切替パターンとしては、以下の(1)、(2)の2パターンの実施例がある。
(1)牽引部Pについての第1実施例
牽引部Pのみにスイッチ(牽引部切替スイッチ96)を搭載して、本体制御部である変換部制御装置E付近と図4に図示する操作部Bには、信地旋回モード及び超信地旋回モードの切替スイッチを設けない第1実施例である。
「被牽引作業車Qが連結されると、連結を感知した牽引部切替スイッチ96は制御部である変換部制御装置Eに感知信号を出力させて、通常の信地旋回モードになる」ように構成した。なお、図示はしていない。牽引部Pについての第1実施例は、構造が簡単となる。
【0037】
(2)牽引部Pについての第2実施例
本体制御部である変換部制御装置E付近と操作部Bと牽引P部のそれぞれにスイッチ(通常信地旋回/超信地旋回切替スイッチ38、信地旋回切替スイッチ75、牽引部切替スイッチ96)が搭載されていて、「少なくともいずれか1つのスイッチが作動すると、作動したスイッチは制御部である変換部制御装置Eに感知信号を出力させて、通常の信地旋回モードになる」ように構成した。図示する第2実施例である。
【0038】
自走式作業機Aを牽引に使用する場合と、自走式作業機Aを牽引に使用しない場合について、(1)牽引部Pについての第1実施例、(2)牽引部Pについての第2実施例それぞれについて説明する。
(自走式作業機Aを牽引に使用する場合)
(1)牽引部Pについての第1実施例
牽引部Pについての第1実施例では、被牽引車である被牽引作業車Qが連結を認識しているので、操作部Bの旋回スイッチ71のボリュームを最大又は最小方向へ回転させても、超信地旋回は行えない。
【0039】
(2)牽引部Pについての第2実施例
牽引部Pについての第2実施例では、上記(1)の動作に加えて、作業者によって任意で切換えるスイッチ(通常信地旋回/超信地旋回切替スイッチ38、信地旋回切替スイッチ75)で旋回モード切替できる。例えば、被牽引作業車Qが連結していなくても、通常信地旋回/超信地旋回切替スイッチ38、信地旋回切替スイッチ75を作業者の好みに応じて通常の信地旋回モードに切替えることで、超信地旋回は行えなくなる。
この通常の信地旋回モードは、操作部Bの旋回スイッチ71のボリュームを最大又は最小方向へ回転させても、超信地旋回は行えない状態となる。この状態では、図4に図示する操作部Bの操作不得手な作業者が操作しても、超信地旋回の様な機敏な動作にならないので、作業者が意図しない急旋回を防止できる。
【0040】
(自走式作業機Aを牽引に使用しない場合)
(1)牽引部Pについての第1実施例
牽引部Pについての第1実施例では、牽引部Pから被牽引作業機Qが外れると、牽引部Pのスイッチ96の検知信号がなくなるため、作業者が牽引部Pの切替スイッチ96を意識しなくても自動で旋回モードの切替ができる。被牽引作業機Qの非牽引時の自走式作業機Aは超信地旋回が可能になり、作業者の操作部Bの旋回スイッチ71の操作で自由に通常信地旋回と超信地旋回ができる。
【0041】
(2)牽引部Pについての第2実施例
牽引部Pについての第2実施例では、超信地旋回を可能にするためには、牽引部Pから被牽引作業機Qが外れていることと、本体制御部である変換部制御装置E付近と図4に図示する操作部Bのスイッチ(通常信地旋回/超信地旋回切替スイッチ38、信地旋回切替スイッチ75)のすべてが、超信地旋回可能なように切り換えられていないと、超信地旋回はできない。上記の自走式作業機Aを牽引に使用する場合の、(2)牽引部Pについての第2実施例同様、作業者が意図しない急旋回(超信地旋回)を防止できる。
【0042】
図11に図示するブロック図について変換部制御装置Eの関係を説明する。
送信機Bから操作信号が送信される。受信機Jでは、送信機Bからの操作信号を受領して前進/後退信号81、旋回信号82、刈刃ON/OFF信号83、リフト上げ/下げ信号84の各信号を、変換部制御装置Eのパルス数変換部Mに伝送する。パルス数変換部Mでは、送信機Bから操作信号として送られる周波数(パルス信号)を、モータの出力率に変換し出力する。この実施例では、送信機Bから送信される周波数は1100Hz乃至1900Hzとされ、1500Hzをモータの出力率の0%と定め、1100Hzをモータの出力率-100%、1900Hzをモータの出力率+100%と設定している。周波数と出力率は比例関係に設定している。パルス数変換部Mからは、信号を演算部Nに伝送する。
【0043】
変換部制御装置Eは、記憶部Hと演算部Nとパルス数変換部Mからなる。演算部Nは、
走行指示演算部E1と刈刃指示演算部E2とリフト指示演算部E3とからなる。
演算部Nは、送信部である操作部Bから送られ、パルス数変換部Mを介して変換された走行及び旋回及び昇降の出力信号が指定された出力値であるかを判断する。
記憶部Hは、演算部Nでの判断に応じて走行モータ15の走行モータ回転信号を記憶する。
【0044】
走行指示演算部E1は、右走行モータ制御部G1、左走行モータ制御部G2に接続してこれらを制御する。
刈刃指示演算部E2は、右刈刃モータ回転駆動制御部G3、左刈刃モータ回転駆動制御部G4に接続してこれらを制御する。
右走行モータ制御部G1は右走行モータ15aに、左走行モータ制御部G2は左走行モータ15bに、右刈刃モータ回転駆動制御部G3は右刈刃モータ51aに、左刈刃モータ回転駆動制御部G4は左刈刃モータ51bの各刈刃モータ51にそれぞれ接続してこれらを制御する。
【0045】
変換部制御装置Eは、右刈刃スイッチ32、左刈刃スイッチ33、非常停止スイッチ34、右刈刃運転ランプ36、左刈刃運転ランプ35、電源ランプ37、電源スイッチ23、通常信地旋回/超信地旋回切替スイッチ38にそれぞれ接続してこれらを制御する。
リフト指示演算部E3は、リフトモータ回転駆動制御部G5に接続してこれを制御する。リフトモータ回転駆動制御部G5は、昇降モータ(リフトモータ)61に接続される。
演算部Nは、記憶部H、パルス数変換部Mに接続してこれらを制御する。
【0046】
この発明の実施例に係る自走式作業機及び自走式作業機の制御の制御システムは、
機体である本体部Lの進行方向左右側に設けられ駆動走行をさせる走行モータ15を有した走行部Dと、前記走行部Dの前方又は後方には、他の作業機である被牽引作業車Qを牽引させるための牽引部Pと、前記走行部Dを無線通信によって操作するための操作部Bと、
該操作部Bから送られた信号を変換し、前記走行モータ15の回転を制御するため信号を処理する変換部制御装置Eと、前記機体Lの旋回走行方式を切換えるための牽引部切替スイッチである通常信地旋回/超信地旋回切替スイッチ96、を備える。
【0047】
前記変換部制御装置Eは、前記通常信地旋回/超信地旋回切替スイッチ38、牽引部切替スイッチである通常信地旋回/超信地旋回切替スイッチ96、操作部Bに備えた信地旋回切換スイッチ75によって旋回走行方式を通常信地旋回モード又は超信地旋回モードを選択すると、それぞれの旋回モードに切り替えるように制御する。
また、前記変換部制御装置Eは、前記通常信地旋回/超信地旋回切替スイッチ38、牽引部切替スイッチである通常信地旋回/超信地旋回切替スイッチ96、操作部Bに備えた信地旋回切換スイッチ75の内、少なくてもいずれか1つによって旋回走行方式を通常信地旋回モードを選択すると、旋回モードを通常信地旋回モードに切り替えるように制御する。
前記牽引部切替スイッチである通常信地旋回/超信地旋回切替スイッチ96は前記牽引部Pに設けられていて、前記牽引部Pに他の作業機である被牽引作業車Qが接続されると、通常信地旋回のみを可能にするようにスイッチを作動させる。
【0048】
図12に図示する前後進信号の処理についてあらわすフロー図について説明する。
「前後進信号の処理を開始」する。「受信機Jから前後進信号を取得」する。次いで、「パルス数を動作範囲(%)に変換」する。
次いで、「停止範囲内か否か」を判断する。
「停止範囲内」YESの場合は、「右走行モータ15a回転制御部G1へ停止を出力」し、「右走行モータ15aを停止」する。併せて、「左走行モータ15b回転制御部G2へ停止を出力」し、「左走行モータ15bを停止」する。次いで、「終了」する。
【0049】
「停止範囲内?」の判断がNOの場合は、「停止範囲超過乃至前進最大まで」か否かを判断する。
「停止範囲超過乃至前進最大まで」がYESの場合は、「記憶部HからΔFr、ΔFl、(旋回範囲%値)を取得」する。次いで、「右走行モータ15a前進方向へFr%、左走行モータ15b前進方向へFl%を代入」する。次いで、「右走行モータ回転駆動制御部G1へ、前進信号:Fr-ΔFr、左走行モータ回転駆動制御部G2へ、前進信号:Fl-ΔFlを出力」する。
【0050】
次いで、「右走行モータ15a過負荷」否かを判断する。
「右走行モータ15a過負荷」YESの場合は、「走行モータ15、刈刃モータ51、昇降(リフト)モータ61の全停止」として「終了」する。
「右走行モータ15a過負荷」NOの場合は、「左走行モータ15b過負荷」か否かを判断する。
「左走行モータ15b過負荷」がYESの場合は、「走行モータ15、刈刃モータ51、昇降(リフト)モータ61の全停止」として「終了」する。
「左走行モータ15b過負荷」NOの場合は、「右走行モータ15a、左走行モータ15bの出力値に応じて回転」し、「開始」に戻る。
【0051】
「停止範囲超過乃至前進最大まで」がNOの場合は、「停止範囲未満乃至後進最大まで」とする。次いで、「記憶部HからΔRr、ΔRl(旋回範囲%値)を取得」する。次いで、「右走行モータ15a後進方向へRr%、左走行モータ15b後進方向へRl%を代
入」する。次いで、「右走行モータ回転駆動制御部G1へ、後進信号:Rr-ΔRr、左走行モータ回転駆動制御部G2へ、後進信号:Rl-ΔRlを出力」する。
【0052】
次いで、「右走行モータ15a過負荷」否かを判断する。
「右走行モータ15a過負荷」YESの場合は、「走行モータ15、刈刃モータ51、昇降(リフト)モータ61の全停止」として「終了」する。
「右走行モータ15a過負荷」NOの場合は、「左走行モータ15b過負荷」か否かを判断する。
「左走行モータ15b過負荷」がYESの場合は、「走行モータ15、刈刃モータ51、昇降(リフト)モータ61の全停止」として「終了」する。
「左走行モータ15b過負荷」NOの場合は、「右走行モータ15a、左走行モータ15b出力値に応じて回転」し、「開始」に戻る。
【0053】
図13に図示する超信地旋回信号の処理についてあらわすフロー図について説明する。
「開始」する。次いで、「受信機からの旋回信号を取得」する。更に、パルス数を旋回範囲(%)に変換する。
次いで、「前後進直進範囲内?」かを、判断する。
「前後進直進範囲内?」がYESの場合は、「・右走行モータ旋回%に0を代入(ΔFr=0 ΔRr=0)・左走行モータ旋回%に0を代入(ΔFl=0 ΔRl=0)」する。
次いで、「ΔFr、ΔRr、ΔFl、ΔRlを記憶部に記憶」して、「開始」に戻る。
【0054】
「前後進直進範囲内?」がNOの場合は、「超信地旋回切替えスイッチON?」かを、判断する。
「超信地旋回切替えスイッチON?」がYESの場合は、「左右走行モータの旋回範囲%閾値を超信地旋回無しモードに変更」する。
【0055】
次いで、「前後進直進範囲内超過~右モータ減速での右旋回範囲内?」かを、判断する。
「前後進直進範囲内超過~右モータ減速での右旋回範囲内?」がYESの場合は、「右走行モータ旋回%値を代入(ΔFr%、ΔRr%)」する。次いで、「ΔFr、ΔRr、ΔFl、ΔRlを記憶部に記憶」して、「開始」に戻る。
「前後進直進範囲内超過~右モータ減速での右旋回範囲内?」がNOの場合は、「直進範囲内超過~左モータ減速での左旋回範囲内」としたうえで、「左走行モータ旋回%値を代入(ΔFl%、ΔRl%)」する。次いで、「ΔFr、ΔRr、ΔFl、ΔRlを記憶部に記憶」して、「開始」に戻る。
【0056】
「超信地旋回切替えスイッチON?」がNOの場合は、「左右走行モータの旋回範囲%閾値を超信地旋回有りモードに変更」する。
次いで、「前後進直進範囲内超過~右モータ減速での右旋回範囲内?」かを、判断する。
「前後進直進範囲内超過~右モータ減速での右旋回範囲内?」がYESの場合は、「右走行モータ旋回%値を代入(ΔFr%、ΔRr%)」する。次いで、「ΔFr、ΔRr、ΔFl、ΔRlを記憶部に記憶」して、「開始」に戻る。
【0057】
「前後進直進範囲内超過~右モータ減速での右旋回範囲内?」がNOの場合は、「右モータ減速での右旋回範囲超過~右モータ指示逆転での右超信地旋回まで」か、否かを判断する。
「右モータ減速での右旋回範囲超過~右モータ指示逆転での右超信地旋回まで」がYESの場合は、「右走行モータ旋回%値を代入(ΔFr%、ΔRr%)」する。次いで、「ΔFr、ΔRr、ΔFl、ΔRlを記憶部に記憶」して、「開始」に戻る。
【0058】
「右モータ減速での右旋回範囲超過~右モータ指示逆転での右超信地旋回まで」がNOの場合は、「直進範囲内未満~左モータ減速での左旋回範囲内?」か、否かを判断する。
「直進範囲内未満~左モータ減速での左旋回範囲内?」がYESの場合は、「左走行モータ旋回%値代入(ΔFl%、ΔRl%)」する。
次いで、「ΔFr、ΔRr、ΔFl、ΔRlを記憶部に記憶」して、「開始」に戻る。
「直進範囲内未満~左モータ減速での左旋回範囲内?」がNOの場合は、「左モータ減速での左旋回範囲超過~左モータ指示逆転での右超信地旋回まで」と判断した上で、「左走行モータ旋回%値代入(ΔFl%、ΔRl%)」する。
次いで、「ΔFr、ΔRr、ΔFl、ΔRlを記憶部に記憶」して、「開始」に戻る。
【0059】
自走式作業機の前や後ろに牽引式の作業機を取り付けて超信地旋回した場合、被牽引作業機の走行に問題が起きる。被牽引作業機は、旋回走行の軌跡範囲が無くなるため、横スベリ状態で旋回してしまう状態(走行部が地面を削る状態)となり、余分な動力や力が発生する。
被牽引作業機を連結した場合は超信地旋回をしない方が望ましいが、操作スイッチ作業者によって切換える方法では、間違って超信地旋回を行ってしまうことがある。
この発明の実施例では、牽引部に超信地旋回切換スイッチ96を設定し、被牽引作業機を取付けた場合に超信地旋回無しモードに切り替える事によって、作業者は旋回時に信地旋回のモードを気にする事無く、安心して作業ができる
【符号の説明】
【0060】
15 走行モータ
15a 右走行モータ
15b 左走行モータ
38 通常信地旋回/超信地旋回切替スイッチ
43 昇降アーム
51 刈刃モータ(作業モータ)
51a 右刈刃モータ(作業モータ)
51b 左刈刃モータ(作業モータ)
53 刈刃
61 昇降モータ(リフトモータ)
75 信地旋回切替スイッチ
96 牽引部切替スイッチ(通常信地旋回/超信地旋回切替スイッチ)
A 自走式草刈機(自走式作業機)
B 送信機(操作部)
C 刈刃部
D 走行部
E 変換部制御装置
F 刈刃リフト部(昇降部)
G 回転駆動制御部
H 記憶部
J 受信機
K 作業部
L 本体部(機体)
M パルス数変換部
N 演算部
P 牽引部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13