(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022119902
(43)【公開日】2022-08-17
(54)【発明の名称】制御可能な展開可能カテーテル
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20220809BHJP
A61B 5/287 20210101ALI20220809BHJP
【FI】
A61B18/14
A61B5/287 200
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022086211
(22)【出願日】2022-05-26
(62)【分割の表示】P 2020528417の分割
【原出願日】2018-11-28
(31)【優先権主張番号】62/591,278
(32)【優先日】2017-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/743,389
(32)【優先日】2018-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511177374
【氏名又は名称】セント・ジュード・メディカル,カーディオロジー・ディヴィジョン,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー ケー. オルソン
(72)【発明者】
【氏名】リシ マンダ
(72)【発明者】
【氏名】トラビス ダーレン
(72)【発明者】
【氏名】トロイ ティー. テッグ
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン エム モナハン
(72)【発明者】
【氏名】ルッセル ディー. ターウェイ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】組織構成の変化に良好に対応し、治療用に組織との十分な接触を提供する。
【解決手段】細長い医療デバイスであって、展開可能構成と折り畳まれた構成とを有する展開可能構造と、展開可能構造に操作可能に接続され、選択的移動制限器をさらに含むハンドルと、遠位ハブに接続された偏位制御部材であって、展開可能構造の剛性を第1剛性から第2剛性に調節するように構成されると共に、選択的移動制限器が偏位制御部材と接続し偏位制御部材の長手方向移動を制限する場合に、第1剛性又は第2剛性を維持するように構成された偏位制御部材と、を備え、偏位制御部材は、選択的移動制限器が偏位制御部材と接続されていない場合に自由に移動するように構成される、細長い医療デバイス。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い医療デバイスであって、
展開可能構成と折り畳まれた構成とを有する展開可能構造と、
前記展開可能構造に操作可能に接続され、選択的移動制限器をさらに含むハンドルと、
遠位ハブに接続された偏位制御部材であって、
前記展開可能構造の剛性を第1剛性から第2剛性に調節するように構成されると共に、
前記選択的移動制限器が前記偏位制御部材と接続して前記偏位制御部材の長手方向移動を制限する場合に、前記第1剛性又は前記第2剛性を維持する
ように構成された前記偏位制御部材と、
を備え、
前記偏位制御部材は、前記選択的移動制限器が前記偏位制御部材と接続されていない場合に自由に移動するように構成される、細長い医療デバイス。
【請求項2】
前記展開可能構造は、複数のスプラインを備え、
前記複数のスプラインの各々は、スプライン近位端及びスプライン遠位端を含む、請求項1に記載の細長い医療デバイス。
【請求項3】
近位ハブをさらに備え、複数の前記スプライン近位端の各々が前記近位ハブと接続される、請求項2に記載の細長い医療デバイス。
【請求項4】
前記偏位制御部材は、剛性材料、半剛性材料、及び可撓性材料のうちの1つ又は複数を備える、請求項1に記載の細長い医療デバイス。
【請求項5】
前記剛性材料はポリマーを備え、前記半剛性材料はポリマーを備え、前記可撓性材料は金属又はポリマーを備える、請求項4に記載の細長い医療デバイス。
【請求項6】
磁気センサをさらに備える、請求項1に記載の細長い医療デバイス。
【請求項7】
前記磁気センサは前記遠位ハブに接続される、請求項6に記載の細長い医療デバイス。
【請求項8】
前記磁気センサは近位ハブに接続される、請求項6に記載の細長い医療デバイス。
【請求項9】
前記展開可能構造のそれぞれが、複数の相互作用要素をさらに備える、請求項1に記載の細長い医療デバイス。
【請求項10】
前記複数の相互作用要素は、複数のスプラインの各々に均等に分配される、請求項9に記載の細長い医療デバイス。
【請求項11】
前記複数の相互作用要素は、前記複数の相互作用要素の各々に不均一な間隔で配置される、請求項9に記載の細長い医療デバイス。
【請求項12】
前記複数の相互作用要素のうちの1つ又は複数が、スプライン近位端に近接して配置される、請求項9に記載の細長い医療デバイス。
【請求項13】
前記複数の相互作用要素は、電極、エネルギー送達要素、熱電対、力センサ、歪みゲージ、歪みセンサ、位置センサ、バイオセンサ、診断センサ、治療センサ、化学センサ、発光センサ、音響センサ、超音波センサ、エネルギー受信及び/又は測定センサ、磁気コイル又はセンサ、熱電素子のうちの1つ又は複数をさらに備える、請求項9に記載の細長い医療デバイス。
【請求項14】
前記複数の相互作用要素の1つ又は複数は、電極をさらに備える、請求項9に記載の細長い医療デバイス。
【請求項15】
前記複数のスプラインの1つ又は複数のスプライン遠位端部が、第1スプライン形状及び第2スプライン形状を備える、請求項2に記載の細長い医療デバイス。
【請求項16】
展開可能構造を有するカテーテルの使用方法であって、
複数のスプラインを備える前記展開可能構造を有する前記カテーテルを、体内に未展開形状で配置することと、
剛性が第1剛性である前記展開可能構造を、前記未展開形状から展開形状に展開することと、
偏位制御部材を使用することによって、前記展開可能構造の剛性を第1剛性から第2剛性へ調整することと、
を備える、方法。
【請求項17】
前記展開形状は、第1展開形状、第2展開形状、又は第3展開形状をさらに備える、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記調整することが、前記偏位制御部材の移動を制限することをさらに備える、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
医療デバイスであって、
各々がスプライン近位端及びスプライン遠位端を有する複数のスプラインと、前記スプライン遠位端の各々が接続される遠位ハブと、磁気センサと、を備える前記展開可能構造と、
前記遠位ハブに連結された偏位制御部材であって、前記展開可能構造の剛性を第1剛性から第2剛性に調整するように構成されると共に、前記第1剛性又は前記第2剛性を維持するように構成された前記偏位制御部材と、
前記偏位制御部材と係合して、前記偏位制御部材の長手方向の動きを制限するクランプと、を備える医療デバイス。
【請求項20】
前記システムはハンドルをさらに備え、前記ハンドルは前記クランプを含む、請求項19に記載の医療デバイス。
【請求項21】
前記偏位制御部材は、前記展開可能構造の前記剛性を、前記第1剛性から前記第2剛性に調整するための手段である、請求項19に記載の細長い医療デバイス。
【請求項22】
前記クランプは、第1部分と第2部分とを備え、
前記第1部分は固定位置にあり、
前記第2部分は前記第1部分に対して移動可能であって、前記偏位制御部材との係合を可能にする、請求項19に記載の細長い医療デバイス。
【請求項23】
前記クランプは、第1部分と第2部分とを備え、
前記第1部分及び前記第2部分は、前記偏位制御部材との係合を可能にするように移動可能である、請求項19に記載の細長い医療デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は2018年10月9日に出願された米国仮出願第62/743,389号(389号出願)の優先権を主張し、本出願は、2017年11月28日に出願された米国仮出願第62/591,278号(278号出願)の優先権を主張する。389号出願及び278号出願は共に、本明細書に完全に開示されているものとして参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、カテーテルベースの心臓電気生理学マッピング及び治療のためのシステム及び装置に関する。特に、本開示は、マッピング及び治療用の制御可能な展開可能バスケットカテーテルに関する。
【背景技術】
【0003】
電気生理学カテーテルは例えば、異所性心房頻拍、心房細動、及び心房粗動を含む心房性不整脈のような状態を補正するために、種々の診断及び/又は治療医学的処置において使用される。不整脈は、不規則な心拍数、同期した房室収縮の消失及び血流の停滞を含む様々な危険な状態を作り出し、様々な病気や死に至ることさえある。
【0004】
典型的には、処置において、カテーテルは患者の血管系を通して、例えば、患者の心臓まで操作され、マッピング、アブレーション、診断、又は他の治療及び/又は処置のために使用され得る1つ又は複数の電極を運ぶ。意図された部位に到達すると、治療は、高周波(RF)アブレーション、冷凍アブレーション、レーザ、化学薬品、高強度集束超音波などを含むことができる。アブレーションカテーテルは、このようなアブレーションエネルギーを心臓組織に付与して、心臓組織に損傷を作り出す。この損傷は望ましくない電気経路を破壊し、それによって、不整脈につながる漂遊電気信号を制限又は防止する。容易に明らかなように、このような処置は処置部位への操作中及び処置部位でのカテーテルの正確な制御を必要とし、これは、常に、ユーザのスキルレベルの関数であり得る。
【0005】
身体内の所望の部位にカテーテルを配置するために、カテーテル(又は導入器)に組み込まれた機械的操縦機構を使用するなど、何らかのタイプのナビゲーションを使用することができる。いくつかの例では、医療従事者が機械的操縦機構を使用してカテーテルを手動で操作及び/又は運転することができる。
【0006】
患者の血管系を通るカテーテルが前進するのを容易にするために、ナビゲーションシステムが使用され得る。そのようなナビゲーションシステムは、例えば、身体内のカテーテル(及び同様のデバイス)の位置及び向きを決定し、身体の特徴をマッピングすることができる電界ベースの位置決め及びナビゲーションシステムを含むことができる。様々な治療法が、様々な形状及びサイズで、カテーテルによって組織に提供されることができる。組織構成の変化に良好に適応し、治療用に組織との十分な接触を提供するために、遠位バスケット構成などの構造上に、複数の可撓性スプライン要素と結合された複数のセンサを有し、組織をマッピング及び/又は治療のために組織に接触することが重要である。複数の可撓性スプライン要素の剛性を変化させる能力は、バスケット又は他の可撓性構造の有用な構成(例えば、処置のための、組織とのより多くの接触など)を可能にし得る。
【0007】
上述した説明は、本願の技術分野を例示することのみを意図しており、請求の範囲を否定するものとして解釈されるべきではない。
【発明の概要】
【0008】
本開示は、少なくとも1つの実施形態において、展開可能構成と折り畳まれた構成とを有する展開可能構造と、展開可能構造に操作可能に接続されたハンドルであって選択的移動制限器をさらに含むハンドルと、遠位ハブに接続された偏位制御部材であって、展開可能構造の剛性を第1剛性から第2剛性に調節するように構成されると共に、選択的移動制限器が偏位制御部材と接続し偏位制御部材の長手方向の移動を制限する場合に、第1剛性又は第2剛性を維持するように構成された偏位制御部材を備え、偏位制御部材は、選択的移動制限器が偏位制御部材と接続されていない場合に自由に移動するように構成される。
【0009】
別の実施形態では、展開可能構造を有するカテーテルを使用方法は、複数のスプラインを備える展開可能構造を有するカテーテルを、未展開形状で体内に配置することと、第1剛性を有する展開可能構造を未展開形状から展開形状に展開することと、偏位制御部材を使用することによって、展開可能構造の剛性を第1剛性から第2剛性に調整すること、を備えてよい。
【0010】
別の実施形態では、システムは、複数のスプラインを含みそれぞれのスプラインがスプライン近位端及びスプライン遠位端を有するバスケットと、各スプライン遠位端が遠位ハブに連結される遠位ハブと、磁気センサと、遠位ハブとに連結された偏位制御部材であって、バスケットの剛性を第1剛性から第2剛性に調整し、第1剛性又は第2剛性を維持するように構成される偏位制御部材と、偏位制御部材と係合し、偏位制御部材の長手方向移動を制限するクランプ機構と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の実施形態による、医療デバイス及び医療用位置決めシステムを示すシステム図である。
【0012】
【
図2】本開示の実施形態による、1つ又は複数の診断及び/又は治療機能を実行するように設計されたカテーテルシステムの概略図である。
【0013】
【
図3A】本開示の実施形態による、複数のリング電極を含むバスケットを有するカテーテルの遠位端部の等角図である。
【0014】
【
図3B】本開示の実施形態による、複数のスプラインを備えるバスケットを含むカテーテルの等角図であり、1つ又は複数のスプラインは、それぞれのスプラインの近位部に位置する1つ又は複数の電極を含む。
【0015】
【
図4】本開示の実施形態による、バスケットの遠位位置に配置された2つの磁気センサを含む複数のスプラインを備えるバスケットを含むカテーテルの遠位部の側面図である。
【0016】
【
図5A】本開示の実施形態による、バスケットの近位位置に配置された2つの磁気センサを含む複数のスプラインを備えるバスケットを含むカテーテルの遠位部の遠位端部の側面図である。
【0017】
【
図5B】本開示の実施形態による、バスケットの近位位置に配置された2つの磁気センサを含む、
図4Aのカテーテルの遠位端部の側面図である。
【0018】
【
図6A】本開示の実施形態によるカプラを示しており、カプラの近位端の断面図である。
【
図6B】本開示の実施形態によるカプラを示しており、カプラの側面図である。
【
図6C】本開示の実施形態によるカプラを示しており、カプラの遠位端の断面図である。
【0019】
【
図7】本開示の実施形態による、カテーテルと共に使用するための複数のルーメンを含むカテーテルの断面図である。
【0020】
【
図8A】本開示の実施形態による、複数のスプラインと、バスケットが第1構成のバスケットを有する偏位制御部材とを備えるバスケットを含むカテーテルの遠位端部の側面図である。
【0021】
【
図8B】本開示の実施形態による、第2構成の
図6Aのカテーテルの側面図である。
【0022】
【
図8C】本開示の実施形態による、第3構成における
図6Aのカテーテルの側面図である。
【0023】
【
図9A】本開示の実施形態による、バスケット及び偏位制御部材を有するカテーテルの遠位端部の部分断面図である。
【0024】
【
図9B】本開示の実施形態による、複数のスプラインと偏位制御部材とを備えるバスケットを含む、
図3と同様のカテーテルの遠位端部の側面図である。
【0025】
【
図10A】本開示の実施形態による、偏位制御部材の長手方向の移動を制限及び/又は防止するためのクランプ機構の等角図であり、
図9Aは第1位置におけるクランプ機構を示す。
【
図10B】本開示の実施形態による、偏位制御部材の長手方向の移動を制限及び/又は防止するためのクランプ機構の等角図であり、
図9Bは第2位置におけるクランプ機構を示す。
【0026】
【
図11A】本開示の実施形態による、細長い医療デバイスの長手方向の移動を制限及び/又は防止するためのクランプ機構を含む、細長い医療デバイスを制御するためのハンドルの一部の断面図である。
【0027】
【
図11B】本開示の実施形態による、長形医療デバイスの長手方向の移動を防止するための
図10Aのクランプ機構の一部の等角図である。
【0028】
【
図11C】本開示の実施形態による、細長い医療デバイスの長手方向の移動を防止するための
図11A~
図11Bの機構の等角図である。
【0029】
【
図12A】本開示の実施形態による、カテーテル用の2つのスプラインの側面図であって、2つのスプラインの各々は、第1スプライン形状を有する。
【0030】
【
図12B】本開示の実施形態による、スプラインの近位部と組織との間の接触を増加させるための第2スプライン形状を有する、カテーテル用の2つのスプラインの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
ここで複数の図を参照すると、同じ参照番号は、様々な図において同一又は類似の特徴を示しており、
図1は、身体12内で医療デバイスをナビゲーションするためのシステム10の一実施形態を示す。図示する実施形態では、医療デバイスは、身体12から離して分解された心臓に入るように概略的に示されたカテーテル14を備える。カテーテル14は、この実施形態では、身体12内の心臓組織16の治療に使用される、潅注型高周波(RF)アブレーションカテーテルとして示されている。しかしながら、システム10は、診断又は治療のために身体12内で使用される多種多様な医療デバイスと関連する用途を見出され得ることを理解されたい。例えばシステム10は、例えば、電気生理学的カテーテル、マッピングカテーテル、心臓内超音波検査(ICE)カテーテル、又は異なるタイプのアブレーションエネルギー(例えば、冷凍アブレーション、超音波など)を使用するアブレーションカテーテルをナビゲートするために使用されてよい。さらに、システム10は、心臓組織16以外の身体12の部分の診断又は治療に使用される医療デバイスをナビゲートするために使用され得ることが理解されるべきである。システム及び構成要素のさらなる説明は2013年3月15日に出願された米国特許出願第13/839,963号に含まれ、これは、本明細書に完全に開示されているものとして、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0032】
さらに
図1を参照すると、アブレーションカテーテル14は、生理食塩水といった生体適合性潅流液をポンプ20を通して送達する流体供給源18に接続されており、ポンプ20は、例えば、図示されるような流体供給源18からの重力送り供給をそなえた定速のローラーポンプ又は容量可変シリンジポンプを含んでよい。カテーテル14はまた、RFエネルギーを送達するために、アブレーション発生器22に電気的に接続されている。カテーテル14は、ハンドル24と、ハンドル24の近位端にあるケーブルコネクタ又はインターフェース26と、近位端30と、遠位端32と、1つ又は複数の電極34を有するシャフト28とを含んでよい。コネクタ26は、ポンプ20及びアブレーション発生器22から延びる導管又はケーブル用の、機械的、流体的、及び電気的な接続を提供する。カテーテル14はまた、温度センサ、追加の電極、及び対応する導体又はリード線などといった、本明細書に図示されていない他の従来の構成要素を含んでもよい。
【0033】
ハンドル24は医師がカテーテル14を保持するための場所を提供し、ハンドル24はさらに、身体12内でシャフト28を操縦又は案内するための手段を提供してもよい。例えば、ハンドル24は、カテーテル14を通ってハンドル24からシャフト28の遠位端32まで延びる1つ又は複数のプルワイヤの長さを変化させるための手段を含んでよい。ハンドル24の構造は様々であってよい。
【0034】
シャフト28は、ポリウレタンといった従来の材料から作られてよく、シャフト28は、導電体、流体、又は外科用ツールを収容及び/又は輸送するように構成された1つ又は複数のルーメンを画定してよい。シャフト28は、従来の導入器を通って、身体12内の血管又は他の構造に導入されてよい。シャフト28は、ガイドワイヤ又はプルワイヤ、又は遠隔制御誘導システムを含む当技術分野で公知の他の手段を使用して、組織16といった所望の位置に身体12を通って操縦又は案内されてよい。シャフト28はまた、流体(潅注流体及び体液を含む)、薬剤、及び/又は外科用ツールもしくは器具の輸送、送達、及び/又は除去を可能にしてよい。シャフト28を身体12内の領域に導入するために、任意の数の方法が使用され得ることに留意されたい。これには、導入器、シース、ガイドシース、ガイド部材、ガイドワイヤ、又は他の類似の装置が含まれてよい。説明を容易にするために、「導入器」という用語が、全体を通して使用される。
【0035】
システム10は電界ベースの位置決めシステム36、磁界ベースの位置決めシステム38、ディスプレイ40、及び電子制御ユニット(ECU)42(例えば、プロセッサ)を含んでもよい。例示的なシステム構成要素の各々は、以下でさらに説明される。
【0036】
電界ベースの位置決めシステム36及び磁界ベースの位置決めシステム38は、カテーテル14及び身体12内の同様のデバイスの位置及び向きを決定するために提供される。身体12内のカテーテル14及び同様の装置の位置及び向きは、システム36及び/又はシステム38によって決定されてよい。システム36は、例えば、ミネソタ州セントポールのセントジュードメディカル社(St.Jude Medical, Inc.)によって販売され、例えば、その開示されている全体が、参照により本明細書に完全に組み込まれる「Method and Apparatus for Catheter Navigation and Location Mapping in Heart」という名称の米国特許第7,263,397号に記載されているEnSite(商標)NavX(商標)システムを備えてもよい。システム36及び38は例えば、ミネソタ州セントポールのセントジュードメディカル社(St.Jude Medical, Inc.)によって販売されているEnSite Precision(商標)システムを備えてよい。システム36は、低振幅電気信号が胸郭を通過すると、身体12が分圧器(又は電位差計又は加減抵抗器)として作用するという原理に基づいて動作し、それにより、カテーテル14上の1つ又は複数の電極34で測定される電位又は電界強度は、オームの法則及び(例えば、冠状静脈洞内の)基準電極に対する相対的な位置関係を使用して、一対の外部パッチ電極に対する電極したがってカテーテル14の位置を決定するのに使用されてよい。
【0037】
図1に示される構成では、電界ベースの位置決めシステム36は、3対のパッチ電極44をさらに含み、3対のパッチ電極44は、3次元座標システム46内のカテーテル14の位置を決定するのに使用される電気信号を生成するために提供される。電極44はまた、組織16に関するEPデータを生成するのに使用されてよい。身体12内に軸特有の電界を生成するために、複数のパッチ電極は、身体12の対向する表面上に配置され(例えば、胸部と背中、胸部の左側と右側、ならびに首と脚)、ほぼ直交するx軸、y軸、及びz軸を形成する。基準電極/パッチ(図示せず)は、典型的には胃の近くに配置され、基準値を提供し、ナビゲーションシステム用の座標システム46の原点として作用する。
【0038】
図1に示される例示的なシステム36によれば、複数のパッチ電極は、右側パッチ44X1、左側パッチ44X2、首部パッチ44Y1、脚部パッチ44Y2、胸部パッチ44Z1、及び背中パッチ44Z2を含み、各パッチ電極は、スイッチ48(例えば、多重スイッチ)及び信号発生器50に接続される。複数のパッチ電極44X1、44X2は第1軸(x軸)に沿って配置され、複数のパッチ電極44Y1、44Y2は第2軸(y軸)に沿って配置され、複数のパッチ電極44Z1、44Z2は第3軸(z)に沿って配置されている。正弦波電流は、複数のパッチ電極の各対を通って送られ、カテーテル14に関連付けられた1つ又は複数の位置センサ(例えば、リング電極34、又はカテーテルシャフト28の遠位端32の近くに配置された先端電極)の電圧の測定値が得られる。測定された電圧は、複数のパッチ電極から複数の位置センサまでの距離の関数である。測定された電圧は、基準電極における電位と比較され、ナビゲーションシステムの座標システム46内の位置センサの位置が決定される。
【0039】
この例示的な実施形態における磁界ベースの位置決めシステム38は、磁界を使用して、身体12内のカテーテル14の位置及び向きを検出する。システム38は、メディガイド社(MediGuide,Ltd.)によって入手可能に製造され、例えば、その開示全体が本明細書に完全に開示されているものとして参照により本明細書に組み込まれる、「Medical Imaging and Navigation System」という名称の、米国特許第7,386,339号に一般的に示され、開示されている、GMPSシステムを含んでよい。このようなシステムでは、身体12内に磁界を生成し、磁界の強度、向き、及び周波数を制御するように、直交して配置された3つのコイル(図示せず)を有する磁界発生器52が用いられてよい。磁界発生器52は、患者の上方又は下方(例えば、患者テーブルの下)に、又は別の適切な位置に配置されてよい。磁界はコイルによって生成し、カテーテル14に関連付けられた1つ又は複数の位置センサ(図示せず)に関する電流又は電圧の測定値が得られる。測定された電流値又は電圧値は、コイルからセンサまでの距離に比例し、それによって、システム38の座標システム54内のセンサの位置の決定がすることができる。
【0040】
ディスプレイ40は、医師に情報を伝達するために提供され、診断及び治療を補助する。ディスプレイ40は、1つ又は複数の従来のコンピュータモニタ又は他のディスプレイデバイスを備えてよい。ディスプレイ40は、医師に対してグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を提示してよい。GUIは、様々な情報を含んでよく、様々な情報は、例えば、組織16の幾何学的形状の画像、組織16に関連する電気生理学的データ、様々な複数の電極34の経時的な電圧レベルを示すグラフ、カテーテル14及び他の医療デバイスの画像、組織16に対するカテーテル14及び他のデバイスの位置を示す関連情報を含む、情報であってよい。
【0041】
ECU42は、カテーテル14、アブレーション発生器22、及び磁界ベースの位置決めシステム38の磁気発生器52を含むシステム10の様々な構成要素の動作を制御するための手段を提供する。ECU42はまた、組織16の幾何学的形状、組織16の電気生理学的特性、及び組織16と身体12に対するカテーテル14の位置及び向きを決定するための手段を提供してよい。ECU42はまた、ディスプレイ40を制御するのに使用されるディスプレイ信号を生成するための手段を提供する。
【0042】
カテーテル14が身体12内、および電界ベースの位置決めシステム36によって生成された電界内を移動すると、複数の電極34の電圧測定値が変化し、それによって、電界内及びシステム36によって確立された座標システム46におけるカテーテル14の配置が示される。複数のリング電極34は、従来のインターフェース(図示せず)を通って、ECU42に複数の位置信号を伝達する。
【0043】
図2は、本開示の一実施形態による、展開可能構造11を採用するカテーテルシステム10Aの概略図である。カテーテルシステム10Aはハンドル14Aの一部であるアクチュエータ13と、ハンドル14Aの近位に配置されたコネクタ15と、を含み、コネクタ15は、Ensite(商標) NavX(商標)(別名Ensite(商標)「Classic」、及びEnsite(商標) Velocity(商標)として示されるEnsite(商標)システムの新しいバージョン)というブランド名で入手可能であり、セントジュードメディカル社(StJude Medical、Inc.)から入手可能なシステムのような、視覚化、ナビゲーション、及び/又はマッピングシステム(図示せず)への電気的接続を実行するためのコネクタ15である。ハンドル14Aは、一方向設計、二方向設計、又は任意の他の適切な設計を有してよく、本出願人に譲渡され、その開示全体が参照により組み込まれる米国特許第8,676,290号でより詳細に説明されるように、展開可能構造11を操縦するように構成されてよい。アクチュエータ13(例えば、ボタン、レバー、ノブなど)は、展開可能構造11の特徴(例えば、サイズ、形状、剛性など)を制御するための制御要素と係合するために使用されてよい。
【0044】
カテーテルシステム10Aはまた、導入器17を含んでよく、導入器17は、例えば、別の長い導入器の止血弁を通して、細長いカテーテル本体19を患者の身体内に送達するために使用され得るハンドル14Aの遠位に位置する。細長いカテーテル本体19は、導入器17から延びてよい。細長いカテーテル本体19は、1つ又は複数のルーメンを有する細長い管状構造物を備えてよい。細長いカテーテル本体19は、可撓性又は屈曲可能であってよい。細長いカテーテル本体19は、任意の適切な構造物であってよく、当業者に公知の任意の適切な材料によって作られてよい。細長いカテーテル本体19は、任意の外径を有してよいが、一般に、患者の身体の血管への挿入用に構成されてよく、いくつかの実施形態では約8フレンチ未満であってよい。細長いカテーテル本体19は、任意の厚さの外壁を有してよいが、一般に、プルワイヤ、リードワイヤ、センサケーブル、及び特定の用途において必要とされ得る任意の他のワイヤ、ケーブル、及び/又はチューブを収容するように、1つ又は複数のルーメンが、細長いカテーテル本体19内に配置されるように構成されてよい。ハンドル14A、コネクタ15、導入器17、及び細長いカテーテル本体19は、特定の用途の美的又は機能的必要性によって決定されるように容易に変更できてよい。
【0045】
展開可能構造11は、細長いカテーテル本体19の遠位部21から延びるように構成される。展開可能構造11は、心臓内カテーテルシステム10Aに関連して記載され、図示されているが、展開可能構造11は、例えば、結石回収バスケット、遠位保護デバイス、腎動脈切除デバイス、スネア、及び他の回収デバイスなど、またこれらに限定されずに、他のタイプの医療デバイスに関連して用いられてもよい。
図3Aから
図5B、及び
図8Aから
図8Bに関連して以下でさらに詳細に説明されるように、展開可能構造11は、複数の電極を支持するように構成されてよく、半径方向外向きに展開可能であり半径方向内向きに折り畳み可能であるように構成されてよい。
【0046】
図3Aは、本開示の実施形態による、複数のリング電極を含むバスケットを有する細長い医療デバイスの遠位端部の等角図である。細長い医療デバイス60A(即ち、カテーテル60A)は、細長い医療デバイス60Aの遠位端部に配置されたバスケット62Aを含んでよい。バスケット62Aは、遠位ハブ64Aと、複数のスプライン66Aと、偏位制御部材68Aと、を備えてよい。複数のスプライン66Aのそれぞれは、複数の相互作用要素70Aを含んでよく、ここで、70AXは、
図3Aの例示的な構成に示されるように、複数の相互作用要素70A1、70A2、70A3・・・等の個々の相互作用要素を表してよい。
【0047】
複数の相互作用要素は、例えば、電極、エネルギー送達要素、熱電対、力センサ(例えば、組織の接触及び/又は組織に及ぼされる全ての力を記録する)、歪みゲージ、歪みセンサ、位置センサ、バイオセンサ(例えば、生物学的応答を電気信号に変換することができるセンサ)、診断センサ、治療センサ、化学センサ(例えば、薬物/化学物質の送達及び/又は監視が可能)、発光センサ、音響センサ、超音波センサ、エネルギー受信及び/又は測定センサ、磁気コイル又はセンサ、熱電素子、又は他のセンサを含んでよい。複数の相互作用要素は、電源、コントローラ(例えば、
図1のECU42)、アブレーション発生器(例えば、
図1のアブレーション発生器22)、
図1の位置決めシステム36及び/又は38)、又は、例えば、治療を提供し、信号を生成、増幅、受信、及び/又は処理するために使用される他の装置に、(例えば、複数の導電性電気配線、配線などによって)電気的に接続されてよい。
【0048】
複数の相互作用要素70Aの間隔は、等しくても等しくなくてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、全ての複数の相互作用要素70Aは、複数の相互作用要素70Aのそれぞれとの間で等しい距離(例えば、各電極の間に1mmの距離)を有してよい。他の実施形態では、間隔が複数の相互作用要素70Aの間で変化してもよい(例えば、いくつかの複数の電極70Aの間が1mmで、他の複数の相互作用要素70Aの間が2mm)。複数の相互作用要素70Aのそれぞれの間の間隔の典型的な範囲は、約0.5mmから2mmであってよい。複数の相互作用要素の狭い間隔(即ち、より接近した相互作用要素、相互作用要素間のより短い/より少ない距離など)は、接触マッピング配置と比較して相互作用要素がさらに離れていてよい(相互作用要素間の長い/より長い距離)非接触マッピングと比較して、例えば、接触マッピングに使用されてよい。
【0049】
複数の相互作用要素70Aの各々の間の間隔は、各スプライン66Aに沿って変化してよく、及び/又はスプライン毎に異なってよい。例えば、複数の相互作用要素70Aの一実施形態(図示せず)では、第1スプライン上に第1間隔パターン(A)を、第2スプライン上に第2間隔パターン(B)を有してよく、間隔パターンが他の全てのスプラインと交互であってよい(A-B-A-B・・・)。別の例では、スプライン/間隔パターンがA-B-C-A-B-C等の構成を有することを可能にする第3の間隔パターン(C)を含んでよい。複数の相互作用要素66A用の任意の適切な数の間隔パターンは、異なる間隔パターンを有するスプラインの任意の実行できる組み合わせ/配置(例えば、A-A-A-B-B-BやA-A-B-B-C-C等)で可能である。
【0050】
複数の相互作用要素70Aの分布は、実施形態間で変化してもよい。例えば、一つの実施形態では、スプライン66Aの遠位部に配置された複数の相互作用要素70Aを多く含んでよく、スプライン66Aの近位部に配置された複数の相互作用要素70Aを少なく含んでよい(例えば、
図2B)。別の実施形態(図示せず)では、スプライン66Aの第1分布パターンは、スプラインの遠位部に4つの相互作用要素(即ち、遠位スプライン相互作用要素)を有し、スプライン66Aの赤道部(例えば、遠位スプライン端と近位スプライン端間の中間点に近接する箇所)に4つの相互作用要素(即ち、赤道スプライン相互作用要素)を有し、さらにスプライン66Aの近位部に4つの相互作用要素(即ち、近位スプライン相互作用要素)を有してよい。別の分布パターンでは、スプライン66Aの遠位部及び赤道部のみに4つの相互作用要素70Aを含んでもよい。さらに別の分布のパターンでは、スプライン66Aの遠位部に4つの相互作用要素、赤道部に4つの相互作用要素、近位部に2つの相互作用要素としてもよい。スプライン上の相互作用要素の異なる分布パターンの任意の適切な組み合わせは、身体内の様々な生理学的特徴に適応するよう使用されてよい。
【0051】
各スプライン66Aは、スプライン66Aの近位部に配置される1つ又は複数の近位スプライン相互作用要素(
図3Aには図示されておらず、例えば、
図3Bの70prox参照のこと)を有してよい。1つ又は複数の近位スプライン相互作用要素(例えば、70prox)は、治療(例えば、アブレーション)用のバスケット62Aの近位端の近位で、組織(例えば、窩交差(フォッサクロッシング)する右心房/左心房間の隔壁のような心臓壁)と接触することを容易にし得る。さらなる情報については、以下の
図3B及び関連する説明を参照されたい。
【0052】
複数の相互作用要素70Aの各々は、適切な任意のタイプの電極であってよい。例として、(例えば
図3Aに図示されているような)リング電極及び/又は(例えば
図3Bに示されているような)プリント電極であってよい。複数の相互作用要素70Aは、複数の電極のタイプの組み合わせを含んでよい(例えば、すべてがリング電極、すべてがプリント電極、2つの混合物、及び/又は他の構成/タイプの電極及び/又は他の相互作用要素であってよい)。複数のリング電極は、スプライン66Aの周りを全て(例えば、スプラインの一部の全周を覆うように)、又はスプライン66の周りの一部を覆ってよく、通常、複数のリング電極はスプライン66Aから分離した要素であって、スプライン66A上に配置される。複数のプリント電極は、例えば、付加的な製造、印刷プロセス、又は他の何らかの同様の方法によって、スプライン66A上に材料を堆積させることによって形成されてよい。複数のプリント電極は、スプライン66Aに配置される基板にも配置されてよい。複数のプリント電極の各々は、複数のリング電極の各々と同様に、スプライン66Aの一部において、スプライン66Aの円周の全体を覆ってよく、又は円周の一部のみを覆ってもよい。複数の相互作用要素のタイプの混合物を、単一のスプラインに含めてよい(例えば、本明細書で説明されるリング電極とプリント電極との任意の組合せが使用されてよい)。
【0053】
複数の相互作用要素の各々は、任意の適切なサイズ(即ち、長手方向の長さ、幅など)であってよい。一実施形態では、約1mmの複数の相互作用要素のそれぞれの長手方向の長さ(スプラインの長軸に沿って測定されるようなセンサの長さ)を有してよい。別の実施形態では、異なる長手方向長さを有する相互作用要素の混合物を有してよい(例えば、いくつかの相互作用要素は長さ1mm、他の相互作用要素は長さ約1.5mm、さらに他の相互作用要素は長さ約2mmなど)。各相互作用要素の長手方向の長さは、約0.1mmから5.0mmの範囲であってよい。
【0054】
バスケット62Aは、第1形状及び第2形状を有してよい。第1形状は、未展開構成であってよく、未展開構成は、バスケット62Aを身体内の場所へ送達するためにカテーテル又は他の細長い医療デバイスの内側に適合することが可能である。
図3Aに示される第2形状は、展開構成であってよい。バスケット62Aの展開/未展開は、プルワイヤ又は他の同様の機構によって制御されてよく、及び/又は自己起立性の材料(例えば、ニチノール)の使用によって制御されてよい。バスケット62Aの形状は、プルワイヤ又は他の展開機構を用いて達成される構成に応じて変化してよい。偏位制御部材68は、長手方向に移動してよく、これによりバスケット62Aの形状が変化する。偏位制御部材68は、バスケット62Aの特定の形状/構成を支持するために使用されてよい。偏位制御メカニズムについてのさらなる説明は、
図8A~
図8Cを含めて、以下に見出される。
【0055】
偏位制御部材68Aは、バスケット62Aの一部分(例えば、遠位ハブ64A)と連結することができる偏位制御部材遠位端72と、制御機構(例えば、
図1のハンドル24の一部分及び/又は
図2のハンドル14Aの一部分)と連結することができる偏位制御部材近位端(
図3Aには図示せず)とを有してよい。偏位制御部材68Aは、剛性要素(例えば、チューブ)、半剛性要素(例えば、可撓性チューブ)、又は可撓性要素(例えば、ポリマー及び/又は金属ケーブル、ストリングコード、又は同様の要素)であってよい。偏位制御部材68Aは、潅注流体(図示せず)用の適したルーメンを含んでよい。偏位制御部材68Aはまた、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願第2017/0065227号に見られるものと同様のポートを含む、1つ又は複数の潅注ポート(不図示)を含んでよい。
【0056】
図3Bは、本開示の実施形態による、複数のスプラインを備えるバスケットを含むカテーテルの等角図であり、1つ又は複数のスプラインは、それぞれのスプラインの近位部に位置する1つ又は複数の相互作用要素を含む。細長い医療デバイス60B(即ち、カテーテル60B)は、1つ又は複数の相互作用要素70Bを有する複数のスプライン66Bを備えるバスケット62Bを含んでよく、それぞれのスプライン66Bの近位部に位置する複数の相互作用要素70proxを含む。前述したバスケット62A(
図3A)と同様に、バスケット62Bはまた、偏位制御部材(不図示)を含んでよく、複数のスプライン66Bは、遠位ハブ64Bと接続してよい。
【0057】
上述のように、1つ又は複数の相互作用要素70proxは、1つ又は複数のスプライン66Bの近位部に配置され、治療(例えばアブレーション)のために組織(例えば、窩交差(フォッサクロッシング)する右心房/左心房間の隔壁のような心臓壁)とバスケット62Bの近位端の近位部で接触することを容易にする。
図3Bに示す例示的な複数の相互作用要素70Bは、複数のプリント相互作用要素を含むことができるが、本明細書で説明するように、任意の適切なタイプの電極が使用されてよい。
【0058】
図4は、本開示の実施形態による、複数のスプラインと、バスケットの遠位位置に配置された2つの磁気センサとを備えるバスケットを含むカテーテルの遠位部の側面図である。カテーテル60Cの遠位部は、遠位ハブ64C、スプライン66C、及び偏位制御部材68Cを含んでよく、遠位ハブは、2つの磁気センサ74をさらに備える。
【0059】
図4に示す実施形態は、遠位ハブ64Cに接続されたセンサ管76内に2つの磁気センサ74(
図4において1つの磁気センサが、視界から隠されている)を含む。磁気センサ74はコントローラ(例えば、
図1のECU42)に接続されたワイヤ対78(例えば、ツイストワイヤ対)を有してよい。磁気センサ72は、マッピングシステム(例えば、
図1の磁場ベースの位置決めシステム38)においてカテーテル60Cを追跡することを可能にすることができる。一実施形態では、カテーテルからの位置データは、メディガイド社(Mediguide Ltd.)から販売されているgMPSシステムを使用して得られてよく、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、「Medical Imaging and Navigation System」と題する米国特許第7,386,339号に一般的に示され説明されている。
【0060】
偏位制御部材68Cは、
図4に示すように、センサ管76を通過し、遠位ハブ64Cと接続してよい。別の実施形態(図示せず)では、偏位制御部材68はセンサ管76を通過せずに遠位ハブ64Cと接続することができる。偏位制御部材68Cは、剛性要素(例えば、チューブ)、半剛性要素(例えば、可撓性チューブ)、又は可撓性要素(例えば、ポリマー及び/又は金属ストリング又はコード)であってよい。偏位制御部材の動作及び機能のさらなる説明は以下に見出される(例えば、
図8A~
図8C及び関連する説明を参照のこと)。
【0061】
遠位ハブ64Cは、複数のスプライン開口80を含んでよい。複数のスプライン66Cの各々は、複数の遠位ハブスプライン開口80の1つを通って、遠位ハブ64Cと接続することができる。簡単にするために、
図4に示す実施形態は、遠位ハブ64Cに接続された2つのスプライン66Cのみを示す。
図4の複数の遠位ハブスプライン開口80のうちのいくつかは、対応する複数のスプライン66Cが省略されているため開いている。遠位ハブ64Cは、任意の適切な材料(例えば、ポリマー、金属)であってよい。遠位ハブ64Cは、細長い医療デバイス(例えば、シース又は導入器)内に嵌合するようなサイズの直径を有してよい。これは、バスケット62Cが細長いデバイスから展開されることを可能にし得る(例えば、バスケット62C(その一部のみが
図4に示されており、例えば、
図2A~
図2Bのバスケット62A及び62Bを参照のこと)は、細長いデバイスから前方に押し出され、及び/又は細長いデバイスはバスケット62Cに対して引き戻される)。
【0062】
複数の遠位ハブスプライン開口80は、種々のスプラインサイズを収容するように、及び/又はスプライン66Cが遠位ハブスプライン開口80内で移動(例えば、ピボット、スライド等)できるようにサイズが決められてよい。複数のスプライン66Cの各々は、スプライン開口80内で移動してよく、例えば、バスケット(例えば、
図3A~
図3Bのバスケット62A、62B)の展開中、及び/又はバスケット形状の調節中(例えば、本明細書に記載されるような偏位制御部材を使用して)、又はカテーテル60Cの使用中の他の適切な時間の間に、スプライン開口80内で移動してよい。
【0063】
図5Aは、本開示の実施形態による、バスケットの近位位置に配置された2つの磁気センサを含む複数のスプラインを備えるバスケットを含むカテーテルの遠位部の遠位端部の側面図である。カテーテル60Dは、遠位ハブ64D及び近位ハブ82と、複数のスプライン66Dと、偏位制御部材68Dとを含んでよく、近位ハブ82は、磁気センサ74Bをさらに備える。
図5Aに示される実施形態は、センサ管内に2つの磁気センサ74B(1つの磁気センサは
図5Aにおいて視界から隠されている)を含み、この実施形態において、2つの磁器センサ74Bは、近位ハブ82と一体化されている。いくつかの実施形態(図示せず)では、センサ管及びハブは、別個の要素が組み合わせられてよい(例えば、
図4を参照されたい)。さらに他の実施形態(図示せず)では、センサ管及び/又はハブが細長いシャフト(例えば、カテーテル)の遠位端の一部であってもよい。
【0064】
複数のスプライン66Dの各々は、スプライン遠位端84とスプライン近位端86とを有してよい。スプライン遠位端84は、遠位ハブ64Dと接続することができ、スプライン近位端86は、近位ハブ82と接続することができる。本明細書で説明されるように、複数のスプライン遠位端84の各々は、複数の遠位ハブスプライン開口80Bのうちの1つを通って遠位ハブ64Dと接続してよい。
図5Bに示すように、複数のスプライン66Dの各々は、スプライン近位端86において、スプライン直線部88を含んでよい。スプライン直線部88は、近位ハブ82の、線A-Aによって表される長軸と整列させてよい。他の実施形態(図示せず)では、近位ハブは、遠位ハブがスプライン近位端と接続することを可能にする開口部(例えば、
図4の遠位ハブ64Cと同様)、又は他の適切な構成を含んでよい。
【0065】
近位ハブ82は、中央ルーメン(即ち、開口部であって、
図5Aでは見えない)を含んでよく、近位ハブ82のいくつかの実施形態は、カプラ(
図5Aでは見えない)を含んでよい。中央ルーメン及び/又はカプラに関するさらなる情報は、
図6A~
図6C及び関連する説明に見出すことができる。偏位制御部材68Dは、近位ハブ82の中央ルーメンを通過してよい。制御ワイヤ、電気ワイヤ、流体ルーメンなどを含む他の要素(
図5Aには図示せず)もまた、例えば、中央ルーメン内に配置されてよい。
【0066】
複数の磁気センサ74Bは、一対のワイヤ78B(例えば、ツイストワイヤ対)によってコントローラ(例えば、
図1のECU42)及び/又は他の電気デバイスに接続されてよい。複数の磁気センサ74Bは、マッピングシステムにおいてカテーテルを追跡することを可能にしてよい。
【0067】
図5Bは、本開示の実施形態による、バスケットの近位位置に配置された2つの磁気センサを含む
図5Aのカテーテルの遠位端部の側面図である。上述したように、
図5Bは、近位ハブ82と一体化されたセンサ管内に2つの磁気センサ74Bを含む。
【0068】
近位ハブ82は、カテーテルシャフトの遠位端の内側、又はカテーテルシャフトの遠位端の外側に配置されてよく、カテーテルシャフトの遠位端(図示せず)と接続されてよい。いくつかの実施形態では、近位ハブは、複数の磁気センサ74B用の複数の集積センサ管76B(図示せず)を含んでよい。
【0069】
図6A~
図6Cは、本開示の実施形態によるカプラを示している。
図6Aは、カプラの近位端の断面図である。
図6Bは、カプラの側面図である。
図6Cは、カプラの遠位端の断面図である。カプラ90は、本体92と、近位端94と、遠位端96とを備えてよい。遠位端96は、スプライン(例えば、
図5Bのスプライン66D)の近位端と結合するように構成された複数の結合位置98(即ち、溝、スロットなど)を含んでよい。
【0070】
いくつかの実施形態では、近位ハブ82は、カプラ90を含んでよい。偏位制御部材(例えば、偏位制御部材68D)及び他のアイテム(例えば、制御ワイヤ、ルーメン、電気ワイヤ等)は、カプラ90の中央開口99を通過することができ、偏位制御部材をカプラ90から独立して移動させることができる。近位端は、シャフト又は他の細長い医療デバイス(例えば、
図1のシャフト28及び/又は
図2の細長いカテーテル本体19)と接続されてよい。
【0071】
図7は、本開示の実施形態による、カテーテルと共に使用するための複数のルーメンを含むカテーテルの断面図である。カテーテル100は、第1ルーメン102及び2つの第2ルーメン104を備えてよい。第1ルーメンは、ピーナッツのような形状であってよい(例えば、2つの円形断面が接続される形状)。第1ルーメンは、カテーテル100上の遠位位置から近位位置に接続するために、センサ、相互作用要素、又は同様の複数のデバイス及び/又は流体(例えば、生理食塩水)のためのワイヤなどの、複数の様々な要素を包含(即ち、包含管)、又は収容するための1つ又は複数の管(図示せず)を含んでよい。
【0072】
図8Aは、本開示の実施形態による、複数のスプラインと、第1構成のバスケットを有する偏位制御部材とを備えるバスケットを含むカテーテルの遠位端部の側面図である。カテーテル60Eは、カテーテル60Eの遠位端部に配置されるバスケット62Eを備えてよい。バスケット62Eは、遠位ハブ64Eと、複数のスプライン66Eと、偏位制御部材68Eとを備えてよい。本明細書に記載する他の実施形態と同様に、複数のスプライン66Eの各々は、複数の相互作用要素(
図8Aには不図示だが、例えば、
図3Aの複数の相互作用要素70Aであって、70xが複数の相互作用要素701、702、703などの個々の相互作用要素を表すことができる)を含んでよい。
【0073】
本明細書で説明するように、複数の相互作用要素70Aの間隔は、等しくても等しくなくてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、複数の相互作用要素70Aの全ては、複数の相互作用要素70Aのそれぞれの間に等しい距離(例えば、各電極の間に1mmの距離)を有してよい。他の実施形態では、間隔は、複数の相互作用要素70の間で変化してもよい(例えば、複数の相互作用要素70Aのいくつかの間で1mmであって、他の複数の相互作用要素70の間で2mmであってよい)。いくつかの実施形態では、複数の相互作用要素70Aの各々の間の間隔は、各スプライン66Eに沿って変化してよく、及び/又はスプライン毎に異なってもよい。また、本明細書で説明するように、複数の相互作用要素70Aの分布は、実施形態間で変化してよい。
【0074】
バスケット62Eは、第1展開形状、第2展開形状、及び第3展開形状を有してよい。バスケット62Eは、第1展開形状のための直径D1(即ち、幅)と、第2展開形状のための直径D2(
図8B参照)と、第3展開形状のための直径D3(
図8C参照)とを有してよく、D1はD2よりも大きく、D2はD1よりも大きい。バスケット62Eはまた、身体内の位置への送達のために、バスケット62Eがカテーテル又は他の細長い医療デバイスの内側に適合することを可能にする未展開形状(即ち、展開されていない構成。不図示)を有してよい。バスケットの未展開形状の直径は、D3未満である。第2展開形状及び第3展開形状は、
図8B及び8Cに示されており、関連する説明を参照されたい。
【0075】
バスケット62Eの展開/未展開は、プルワイヤ又は他の同様の機構によって、及び/又は自己起立性の材料(例えば、ニチノール)の使用によって制御されてよい。バスケット62Eの形状は、プルワイヤ、偏位制御部材68E、及び/又は他の展開機構のいずれか1つを使用して達成される構成に応じて変化してよい。
【0076】
偏位制御部材68Eは、バスケット62Eの一部(例えば、遠位ハブ64E)に接続され得る偏位制御部材遠位端と、制御機構(例えば、
図1のハンドル24の一部及び/又は
図2のハンドル14A)に連結され得る偏位制御部材近位端(
図8Aには図示せず)と、を有してよい。偏位制御部材68Eは、剛性要素(例えば、チューブ)、半剛性要素(例えば、可撓性チューブ)、又は可撓性要素(例えば、ポリマー及び/又は金属ケーブル、ストリングコード、又は同様の要素)であってよい。
【0077】
偏位制御部材68Eは、長手方向に移動してよく、これはバスケット62Eの形状が変化する要因となってよい。偏位制御部材68Eは、バスケット62Eの所望の形状/構成を支持するために使用されてよい。例えば、偏位制御部材68Eは、バスケット62Eが、特定の展開形状を維持するのを支持する(即ち、剛性(rigidity)や、剛性(stiffness))ことができる。
図8Aに示す実施形態では、偏位制御部材68Eは、バスケット62Eを支持して、第1展開形状の幅D1(カテーテル60Eの長軸に対する幅)を維持してよい。偏位制御部材68Eの支持なしでは、バスケット62Eは、「柔軟な」構造(即ち、剛性が低下し、より柔軟になる)を有することができ、「柔軟な」構造は、スプライン66Eの剛性(rigidity)のみによって制御されるバスケット62Eの剛性(stiffness)でバスケット62Eを浮かせることを可能にする。偏位制御部材68Eの調整は、複数のスプライン66E及び/又は遠位ハブ64Eが組織に接触するときにバスケット62Eのさらなる偏位を可能にし得る(例えば、遠位ハブ64Eは、より移動することができ、カテーテル60Eに及ぼされる力及びスプライン/バスケットの材料特性に応じて、スプライン遠位端及びスプライン近位端がより大きな運動範囲を有することを可能にする)。
【0078】
カテーテル60Eが展開されると、バスケット62Eは組織(例えば、
図1の心臓組織16)に接触するように押されてよく、バスケット62Eの複数のスプライン66Eは、バスケットを接触された組織よりも大きくすることを可能にしてよい(例えば、バスケットが肺静脈よりも大きい)。スプライン66Eはまた、バスケット62Eが、接触された組織の構成に応じて、対称又は非対称であることを可能にしてよい。偏位制御部材68Eは、使用中いつでも、ユーザが望むように、バスケットの剛性(stiffness)/剛性(rigidity)(即ち、剛性プロファイル)を変更するために係合されてよい(また、形状も、プッシュ/プルワイヤ及びその他の制御メカニズムと共に変化させてよい)。例えば、偏位制御部材68Eが係合されない/使用されない際には、バスケット62Eは、第1剛性プロファイルを有してよく、偏位制御部材68Eが完全に係合し、バスケット62Eに最大の支持を提供する際には、バスケット62Eは、第2剛性プロファイルを有してよい。偏位制御部材によって提供される支持におけるさらなる変形は、バスケットのさらなる剛性プロファイル(例えば、第3剛性プロファイル、第4剛性プロファイルなど)を可能にすることができる。
【0079】
医師が、(例えば、偏位制御部材68Eがバスケット62Eの剛性(stiffness)/剛性(rigidity)を制御するために使用されていないときに)下端で剛性を使用することができ、バスケット62Eがより柔らかく、及びより剛性(stiff)が低く/より剛性(rigid)が低くなることを可能にする臨床シナリオが存在してよい。このことによって、小さい直径は、ナビゲートすることが容易であり、(例えば、組織とソフトに並置する間に)バスケットが組織を損傷しにくいので、バスケットのより安全な送達/操作性が可能になり得る。バスケット62Eが所望の位置に配置されると、スプライン66Eとスプライン66Eに近接する組織との間の最適な表面接触(例えば、スプライン上の相互作用要素と組織との間の最適な接触)のために、バスケット62Eの直径が増大されてよい。
【0080】
図8Bは、本開示の実施形態おける、第2構成の
図8Aのカテーテルの側面図である。上述したように、
図6Bに示すバスケット62Eの第2展開形状の直径D2は、第1展開形状用の直径D1(
図8Aに示す)よりも大きくてよく、第3展開形状用の直径D3(
図8C参照)よりも小さくてよい。第2展開形状は、偏位制御部材68Eと、スプライン66Eの構造と(例えば、ニチノールなどの形状記憶材料によって提供される)、プッシュ/プルワイヤ又は他の制御機構とののうちの1つ又は複数の任意の組み合わせを使用することによって達成されてよい。
【0081】
偏位制御部材68Eが解放された状態(例えば、緩んでいる状態、つまりバスケット62Eの形状を支持及び/又は制御するために使用されていない状態)で、カテーテルはバスケット62Eを組織に接触させるように押されてよく、組織接触によって提供される抵抗によって、バスケット62Eの形状を変化させることができる(例えば、現在のサイズよりも大きくたわむ(例えば、
図8A参照))。バスケット62Eの展開されたサイズは、いくつかの起こりうる組織との並置の機会を容易にし、組織への損傷に関する安全性の要素を提供し得る。
【0082】
偏位制御部材68Eが係合された状態(例えば、バスケット62Eの形状を支持及び/又は制御するために使用される状態)で、カテーテルは、所望に応じて組織と係合するために、よりかたい(firmer)/よりかたい(stiffer)構成で組織内に押し込まれてよい。
【0083】
図8Cは、本開示の実施形態による、第3構成における
図8Aのカテーテルの側面図である。上述したように、
図8Cに示すバスケット62Eの第3展開形状の直径D3は、(
図8Aに示す)第1展開形状用の直径D1よりも小さくてよく、第2展開形状用の直径D2(
図8B参照)よりも小さくてよい。第3展開形状は、偏位制御部材68Eと、スプライン66Eの構造(例えば、ニチノールなどの形状記憶材料によって提供される)と、プッシュ/プルワイヤ又は他の制御機構とのうちの1つ又は複数の任意の組み合わせを使用することによって達成されてよい。偏位制御部材72Eが係合されると(即ち、バスケット62Eに支持/剛性を提供すると)、バスケット62Eの直径及び/又は剛性は、心臓特徴に対する位置決めを補助するように変更されてよく、直径及び/又は剛性は、バスケット62Eの一部と組織との間の接触を最適化するように再び変更されてよい。
【0084】
図9Aは、本開示の実施形態による、バスケット及び偏位制御部材を有するカテーテルの遠位端部の部分断面図である。カテーテル60Fは、バスケット62F内に複数のスプライン66Fを備えてよい。スプライン66Fの遠位端は、遠位ハブ64Fと接続してよい。
図9Aに示されるように、偏位制御部材72Fの遠位端は、遠位ハブ64Fと接続してよく、偏位制御部材72Fの近位端(
図9Aには不図示)は、シャフト(例えば、
図1のシャフト28及び/又は
図2の細長いカテーテル本体19)の一部分に配置され、ハンドル(例えば、
図1のハンドル24、及び/又は
図2のハンドル14A)又は他の何らかの近位制御機構と接続してよい。
【0085】
偏位制御部材72Fは、ポリイミド(PI)チューブ、ブレード補強材を備えるPIチューブ、ステンレス鋼ワイヤダウンPIチューブの内径を備えるPIチューブなどを含む、任意の適切な材料を含んでよい。加えて、偏位制御部材72Fの任意の部分(例えば、偏位制御部材72Fの外面、ワイヤに近接する内面など)は、移動を促進する(摩擦の低減など)ためのコーティングを備えてよい。
【0086】
図9Aに示すバスケット62Fの構成は、
図8Bに示され上述した構成と同様としてよい。上述のように、偏位制御部材72Fは、バスケット62Fの支持/剛性の量を操作するために望ましいように、係合又は解放されてよい。
【0087】
図9Bは、本開示の実施形態による、複数のスプラインと偏位制御部材とを備えるバスケットを含むカテーテルの遠位端部の側面図である。カテーテル60Gは、バスケット62Gに複数のスプライン66Fを含んでよい。複数のスプライン66Fの遠位端は、遠位ハブ64Gと接続してよい。
図9Bに示されるように、偏位制御部材72Gの遠位端は遠位ハブ64Gと接続してよく、偏位制御部材72Fの近位端(
図9Bには示されていない)はシャフト(例えば、
図1のシャフト28及び/又は
図2の細長いカテーテル本体19)の一部分に配置されてよく、ハンドル(例えば、
図1のハンドル24及び/又は
図2のハンドル14A)又は他の何らかの近位制御機構と接続してよい。本明細書に記載されるように、バスケット62Gはまた、遠位ハブ64Gに接続される磁気センサ74Gを含んでよい。磁気センサ74Gは、ワイヤ対78Gを含んでよい。
【0088】
本明細書に記載されるように、偏位制御部材72Gは、
図9Bに示されるバスケット62Gの第3展開形状を形成するために使用されてよい(
図8Bのバスケット62Eの構成と同様であり、上記で説明される)。バスケット62Gの形状は、偏位制御部材68Gと、複数のスプライン66Gの構造と(例えば、ニチノールなどの形状記憶材料によって提供される)、及びプッシュ/プルワイヤ又は他の制御機構とのうちの1つ又は複数の任意の組み合わせを使用することによって達成されてよい。偏位制御部材72Gが係合される(即ち、バスケット62Gに支持/剛性を提供する)と、バスケット62Gの直径及び/又は剛性は、心臓特徴に対する位置決めを補助するように変更されてよく、直径及び/又は剛性はバスケット62Gの一部と組織との間の接触を最適化するように再び変更されてよい。
【0089】
図10A及び
図10Bは、偏位制御部材の長手方向の移動を制限及び/又は防止するための移動制限器の等角図であり、
図10Aは本開示の実施形態による、第1位置における移動制限器を示し、
図10Bは第2位置におけるクランプ機構(即ち、クランプ)を示す。移動制限器(即ち、クランプ機構)110は、第1クランプ要素112と第2クランプ要素114とを備えてよい。第1クランプ要素112及び第2クランプ要素114は、偏位制御部材72Hに近接してよい。
【0090】
図10Aに示されるように、第1クランプ要素112と第2クランプ要素とは、第1位置(即ち、中立位置、開位置、ロック解除位置等)を有してよく、第1位置では、偏位制御要素72Hがクランプ機構110を通って自由に移動する。偏位制御部材72Hは、第1クランプ要素112と第2クランプ要素114との一方、又は第1クランプ要素112と第2クランプ要素114との両方と接触していない。この開位置は、第1クランプ要素112又は第2クランプ要素114のいずれかの移動、又は第1クランプ要素112及び第2クランプ要素114の両方の移動によって達成されてよい(即ち、クランプ要素114の1つ又は複数の部分が移動可能である)。
【0091】
図10Bは、第2位置(即ち、閉位置、ロック位置など)におけるクランプ機構110を示し、第2位置では、偏位制御部材72Hがクランプ機構110を通って自由に動くことができない。クランプ機構は、摩擦及び/又は物理的変形を使用して、偏位制御部材72Hの移動を防止してよい。第1クランプ要素112及び第2クランプ要素114の一部は、偏位制御部材72Hと第1クランプ要素112と第2クランプ要素114との間の摩擦(例えば、コーティング、リッジ、テクスチャ等)を増加させるように処理されてよい。
【0092】
閉位置は、「完全な」閉鎖と、「部分的な」閉鎖とを含んでよく、完全な閉鎖は偏位制御部材の長手方向の動きを阻止し、部分的な閉鎖は長手方向の動きを制限する(例えば、関係するクランプ力に応じて、ある程度の滑りが生じ得る)。
【0093】
クランプ機構110をどのように使用することができるかの一実施形態を、以下に示す。
【0094】
ユーザは、ハンドル(例えば、
図1のハンドル24)を使用して直線運動又は回転運動を生成し、偏位部材(例えば、偏位部材72H)の前方運動(即ち、縦方向への運動)を生成することができる。偏位部材の前方運動は、クランプ機構が偏位部材の周囲で閉じられる(即ち、
図10B参照のように、偏位部材に接触して固定される)場合に生じる。クランプ機構が開いている場合(例えば、
図10A)、偏位部材は、開いたクランプ機構内で自由に前後に移動することができる。
【0095】
レバーを作動させる(例えば、ハンドル上でレバーを移動及び/又は回転させる)と、クランプ機構が閉じ、偏位部材の動きが、本明細書に記載されるように、バスケットのプロファイル(即ち、形状)を移動及び変更することが可能になり得る(例えば、
図8Cに示されるように、小さな直径でバスケットを細長くする、又は
図8Aに示されるように、バスケットの長さを短くし、直径を大きくする)。レバーを放すと、バスケットが公称寸法(例えば、
図8B)に戻り、偏位部材が自由に動くために解放することができる。
【0096】
図11Aは、本開示の実施形態による、細長い医療デバイスの長手方向移動を防止するための選択的移動制限器を含む、細長い医療デバイスを制御するためのハンドルの一部の部分断面図である。ハンドル部120は、第1クランプ要素124及び第2クランプ要素126と、親指レバー128と、クランプ機構122及び親指レバー128と接続された親指レバー係合ポスト130と、を含む選択的移動制限器(即ち、クランプ機構)122を含んでよい。
【0097】
ユーザは、親指レバー128を移動してよく(例えば、親指レバー128を、線A1-A2によって表される縦軸に方向において、左(A1に向かって)にスライドしてよい)、そのことによって今度は、親指レバー係合ポスト130を同じ方向に移動させ、これによって、クランプ機構122が(例えば、矢印Aによって示されるように)移動することができる。クランプ機構122のこの移動は、第1クランプ要素124及び第2クランプ要素126を偏位制御部材72Iと係合させ、線A1-A2で表される縦軸に沿った偏位制御部材72Iの移動を、防止及び/又は制限することができる。
【0098】
図11Bは、本開示の実施形態による、細長い医療デバイスの長手方向の移動を制限及び/又は阻止するための、
図11Aのクランプ機構の等角図である。上述し、
図11Aに示すように、クランプ機構122は、第1クランプ要素124と第2クランプ要素126とを含んでよい。線A1-A2と整列した長軸に沿ったクランプ機構の移動は、第1クランプ要素124及び第2クランプ要素126を偏位制御部材72Iと係合させ、偏位制御部材72Iの移動を防止及び/又は制限してよい。第1クランプ要素の移動は、
図11Bに示される矢印Aによって示されるように生じてよい。
【0099】
本明細書に記載されるように、クランプ機構のいくつかの実施形態は、第1クランプ要素124及び第2クランプ要素126の両方の移動を含んでよい(ここでは
図11Bに示される。
図11B及び関連する説明を参照のこと。)
【0100】
図11Cは、本開示の実施形態による、細長い医療デバイスの長手方向移動を防止するための、
図11Aから
図11Bのクランプ機構の一部の等角図である。
【0101】
図12Aは、本開示の実施形態による、第1スプライン形状を有する複数のスプラインを備えるバスケットを含むカテーテルの一部の側面図である。カテーテル60Jは、
図12Aに示されるように、遠位ハブ64J及び複数のスプライン66Jを備えてよい(2つのスプライン66Jが示されており、この図からは追加のスプラインは省略されている)。複数のスプライン66Jの各々は、
図12Aに示すように第1スプライン形状を有してよく、スプラインは、1つ又は複数の曲線部を含む。曲線部はそれぞれ、
図12Aに示すように、同じ半径を有してよい(例えば、2つのスプライン66Jの側面図は、本質的に円を形成する)。
【0102】
図12Aに示される複数のスプラインの形状は、遠位ハブ64Jがカテーテル60Jの第1部分になることを可能にする。第1部分は、カテーテル60Jが遠位に移動されるときに、組織140A(例えば、心内膜組織)に接触するためのカテーテル60Jの第1部分である。複数のスプライン66Jの湾曲部分の湾曲は、スプライン66J上の相互作用要素(
図12Aには図示せず、本明細書では
図3A~
図3Bの相互作用要素70A、70Bなどで説明される)が相互作用要素到達範囲142(例えば、142A、142B、142C)の領域を有することを可能にしてよい。相互作用要素到達範囲142の領域は、スプライン上の相互作用要素の数及び/又は配置に応じて、
図12Aに示す領域よりも大きくても小さくてもよい。
【0103】
図12Aに見られるように、相互作用要素の数及び/又は配置と組み合わせられた複数のスプライン66Jの湾曲は、心内膜組織140Aと電極到達範囲142Aの領域の遠位部との間の、たとえあったとしても、多くの接触を可能にしない。心内膜組織140Aと相互作用要素との間の接触は、例えば、スプラインの形状を変化させることによって(例えば、プッシュ/プルワイヤ及び/又は偏位制御部材を使用してカテーテルのバスケットのサイズを調節することによって(一例として
図8A~C及び関連する説明を参照のこと)、又は遠位方向の力を増加させることによって)、増加されてよい。カテーテルに加わるさらなる遠位方向の力は、組織を変形させ、電極到達範囲142Aの領域との接触を増加させる原因となりうる。しかしながら、過剰な追加の遠位力はまた、遠位ハブ64Jによる組織損傷を引き起こし得る。
【0104】
同様に、
図12Aに示される複数のスプライン66Jの湾曲(例えば、スプライン全体に対して1つの半径)は、相互作用要素の数及び/又は配置と組み合わされて、心内膜組織140A及び電極到達範囲142Cの領域の近位部分との接触を、たとえあったとしても、ほぼ可能にしない。上述のように、スプラインの形状を変えること、及び/又は付加的な力(この場合、付加的な近位力)を使用することは、近位相互作用要素(
図12Aには示されておらず、例えば、
図3Bの電極70proxを参照のこと)と心内膜組織140Bとの間の接触を増大させ得る。
【0105】
図13Bは、本開示の実施形態による、複数のスプラインの近位部と組織との間の接触を増加させるための、第2スプライン形状を有する複数のスプラインを備えるバスケットを含むカテーテルの一部の側面図である。カテーテル60Kは
図12Bに示すように、遠位ハブ64Kと複数のスプライン66K(2つのスプライン66Kが示されており、この図からは追加のスプラインは省略されている)とを含んでよい。複数のスプライン66Kの各々は、
図12Bに示すように第1スプライン形状を有することができ、スプラインは1つ又は複数の湾曲部を含む。複数の湾曲部は特に、スプラインの遠位部(例えば、ハブ64Kに近接する部分)及びスプラインの近位部において、異なる半径を有してよい(例えば、2つのスプライン66Kの側面図は、略円を形成する)。湾曲部の複数の半径は、スプラインの一部、即ち、スプライン上の相互作用要素の一部が、最初に組織に接触することを可能にしてよい。遠位スプライン部及び/又は近位スプライン部の量が多いほど(即ち、より平坦であるほど)組織に対して平行であり、相互作用要素の量が多いほど組織と接触し得る。例えば、遠位に動かされると、カテーテル60K上の相互作用要素は、スプラインの近位部における電極到達範囲142Cの領域で組織140B(例えば、心内膜組織)に接触し得る。
【0106】
本明細書中に記載されるように、カテーテルの形状を変化させること(例えば、プッシュ/プルワイヤ及び/又は偏位制御部材を使用してカテーテルのバスケットのサイズを調節すること(
図8A~C及び関連する議論を例として参照のこと))は、より多数の相互作用要素と組織140Bとの間の接触を可能にし得る。
【0107】
導入器へのカテーテルを検出するための装置の少なくとも1つの実施形態が特定の程度で上記に記載されているが、当業者は本開示の精神又は範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に多数の変更を行うことができる。全ての方向の参照(例えば、上部、下部、上向き、上向き、左、右、左向き、右向き、最上部、底部、より上方に、より下方に、垂直、水平、時計回り、及び反時計回り)は本開示の読者の理解を助けるために識別目的のためにのみ使用され、特に本開示の位置、向き、又は使用に関して限定を作り出すものではない。接続に関する言及(例えば、取り付け、結合、接続など)は広義に解釈されるべきであり、要素の接続間の中間部材、及び要素間の相対運動を含むことができ、また、混合物又は同様の構成の一部である要素を含むこともできる。したがって、結合参照は、2つの要素が直接接続され、互いに固定された関係にあることを必ずしも推論しない。上記の説明に含まれるか、又は添付の図面に示されるすべての事項は、例示的なものにすぎず、限定するものではないと解釈されるべきであることが意図される。詳細又は構造の変更は、添付の特許請求の範囲に定義される本開示の精神から逸脱することなく行うことができる。
【0108】
本明細書では、様々な装置、システム、及び/又は方法の様々な実施形態について説明される。本明細書に記載され、添付の図面に示される実施形態の全体的な構造、機能、製造、及び使用の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載されている。しかしながら、実施形態はそのような具体的な詳細なしに実施されてもよいことが、当業者に理解されるであろう。他の例では、本明細書で説明される実施形態を曖昧にしないように、周知の動作、部品、及び要素は詳細には説明されていない。当業者であれば、本明細書に記載され図示された実施形態が非限定的な例であることを理解するため、本明細書に開示された具体的な構造及び機能の詳細は代表的なものであってもよく、必ずしも実施形態の範囲を限定するものではなく、実施形態の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ定義されることを理解することができる。
【0109】
本明細書全体を通して使用される、「様々な実施形態」、「いくつかの実施形態」、「一実施形態」、「実施形態」などの言及は、実施形態に関連して説明された特定の機能、構成、又は特徴が少なくとも一つの実施形態に含まれることを意味している。したがって、本明細書全体を通して出現する、「様々な実施形態において」、「いくつかの実施形態において」、「一実施形態において」、又は「一つの実施形態において」などの語句は、必ずしもすべて同じ実施形態を指しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造又は特質が、一つ以上の実施形態において任意の適当な方法で組み合わせられてよい。したがって、一つの実施形態に関連して図示又は説明された特定の特徴、構造、又は特性は、組み合わせが非論理的又は非機能的ではないならば、他の一つ又は複数の実施形態の特徴、構造、又は特性と、限定されることなく、全体的又は部分的に組み合わせられてよい。
【0110】
本明細書全体にわたって使用される「近位」及び「遠位」という用語は、患者を治療するために使用される器具の一端を操作する臨床医に関連して使用されてよいことが理解されるであろう。「近位」という用語は、臨床医に最も近い器具の部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から最も遠くに位置する部分を指す。簡潔さ及び明瞭さのために、「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」などの空間に関する用語が、図示された実施形態に関して本明細書で使用され得ることが理解されるであろう。しかし、外科用器具は様々な向き及び位置で使用することができ、これらの用語は限定的かつ絶対的であることを意図していない。
【0111】
その全体又は一部が参照により本明細書に組み込まれると言われている特許、出版物、又は他の開示物は、組み込まれた資料が本開示に記載されている既存の定義、ステートメント、又は他の開示物と矛盾しない範囲でのみ、本明細書に組み込まれる。したがって、必要な範囲で、本明細書に明示的に記載される開示は、参照により本明細書に組み込まれているいかなる矛盾する資料に取って代わる。参照により本明細書に組み込まれると言われている資料又はその一部は、本明細書に記載されている既存の定義、ステートメント、又は他の開示物と矛盾する場合、組み込まれた資料と既存の開示物との間に矛盾が生じない範囲でのみ組み込まれる。
【手続補正書】
【提出日】2022-06-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気生理学的カテーテルであって、
制御機構を備えるハンドルと、
前記ハンドルに接続されるカテーテルシャフト近位端とカテーテルシャフト遠位端とを備えるカテーテルシャフトと、
複数の細長いスプラインと遠位ハブとを備える展開可能構造であって、
複数の前記細長いスプラインのそれぞれは、形状記憶材料及び相互作用要素と、スプライン近位端及びスプライン遠位端のそれぞれと、を備え、
複数の前記スプライン近位端のそれぞれは、前記カテーテルシャフト遠位端に接続され、
複数の前記スプライン遠位端のそれぞれは、前記遠位ハブに接続される、前記展開可能構造と、
前記遠位ハブに接続される偏位制御部材であって、
前記制御機構は、前記偏位制御部材を介して、前記遠位ハブに駆動的に接続されるとともに、前記カテーテルシャフト遠位端に対する前記遠位ハブの位置を選択的に変更し、前記展開可能構造の展開量を選択的に変更するように操作可能であり、
前記展開可能構造の形状は、前記形状記憶材料と前記カテーテルシャフト遠位端に対する前記遠位ハブの位置の組み合わせによって形成される、前記偏位制御部材と、
を備える、
電気生理学的カテーテル。
【請求項2】
前記形状記憶材料は、ニチノールを含む、請求項1に記載の電気生理学的カテーテル。
【請求項3】
前記形状記憶材料は、複数の前記細長いスプラインのそれぞれに、自己起立性を生じさせる、請求項1に記載の電気生理学的カテーテル。
【請求項4】
複数の前記相互作用要素のそれぞれは、電極を備える、請求項1に記載の電気生理学的カテーテル。
【請求項5】
それぞれの電極は、前記スプライン上に材料を堆積させることによって形成される、請求項4に記載の電気生理学的カテーテル。
【請求項6】
それぞれの電極は、スプラインの周りの一部に延びる、請求項5に記載の電気生理学的カテーテル。
【請求項7】
それぞれの電極は、それぞれのスプラインの全周で延びるリング電極を備える、請求項4に記載の電気生理学的カテーテル。
【請求項8】
前記偏位制御部材は、潅注流体ルーメンを備える、請求項1に記載の電気生理学的カテーテル。
【請求項9】
前記偏位制御部材は、1つ又は複数の潅注ポートを備える、請求項8に記載の電気生理学的カテーテル。
【請求項10】
前記遠位ハブは、2つの磁気位置センサを備える、請求項1に記載の電気生理学的カテーテル。
【請求項11】
前記電気生理学的カテーテルは、2つの磁器位置センサ及び前記遠位ハブに接続されるセンサ管をさらに備え、
前記センサ管は、前記2つの磁気位置センサを収容する、
請求項1に記載の電気生理学的カテーテル。
【請求項12】
前記偏位制御部材は、前記センサ管を通過する、請求項11に記載の電気生理学的カテーテル。
【請求項13】
前記スプライン遠位端のそれぞれは、前記遠位ハブに対する前記スプライン遠位端のピボットを収容するように、前記遠位ハブに接続される、請求項1に記載の電気生理学的カテーテル。
【請求項14】
前記電気生理学的カテーテルは、近位ハブをさらに備え、
前記スプライン近位端のそれぞれは、前記近位ハブを介して前記カテーテルシャフト遠位端に接続される、
請求項1に記載の電気生理学的カテーテル。
【請求項15】
前記近位ハブは、複数の結合特徴を備え、
複数の前記結合特徴のそれぞれは、複数の前記スプライン近位端の一つと接続されるように構成される、
請求項14に記載の電気生理学的カテーテル。
【請求項16】
複数の前記結合特徴のそれぞれは、複数の前記スプライン近位端の一つを収容する形状を有する、請求項15に記載の電気生理学的カテーテル。
【請求項17】
前記電気生理学的カテーテルは、前記近位ハブに収容される二つの磁気センサをさらに備える、請求項14に記載の電気生理学的カテーテル。
【請求項18】
前記偏位制御部材は、前記近位ハブを通過する、請求項17に記載の電気生理学的カテーテル。
【請求項19】
前記制御機構は、前記制御機構に対する前記偏位制御部材の動きを妨げるように操作可能な移動制限器を備える、請求項1に記載の電気生理学的カテーテル。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0111
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0111】
その全体又は一部が参照により本明細書に組み込まれると言われている特許、出版物、又は他の開示物は、組み込まれた資料が本開示に記載されている既存の定義、ステートメント、又は他の開示物と矛盾しない範囲でのみ、本明細書に組み込まれる。したがって、必要な範囲で、本明細書に明示的に記載される開示は、参照により本明細書に組み込まれているいかなる矛盾する資料に取って代わる。参照により本明細書に組み込まれると言われている資料又はその一部は、本明細書に記載されている既存の定義、ステートメント、又は他の開示物と矛盾する場合、組み込まれた資料と既存の開示物との間に矛盾が生じない範囲でのみ組み込まれる。以下の項目は、出願時の特許請求の範囲に記載の要素である。
(項目1)
細長い医療デバイスであって、
展開可能構成と折り畳まれた構成とを有する展開可能構造と、
前記展開可能構造に操作可能に接続され、選択的移動制限器をさらに含むハンドルと、
遠位ハブに接続された偏位制御部材であって、
前記展開可能構造の剛性を第1剛性から第2剛性に調節するように構成されると共に、
前記選択的移動制限器が前記偏位制御部材と接続して前記偏位制御部材の長手方向移動を制限する場合に、前記第1剛性又は前記第2剛性を維持する
ように構成された前記偏位制御部材と、
を備え、
前記偏位制御部材は、前記選択的移動制限器が前記偏位制御部材と接続されていない場合に自由に移動するように構成される、細長い医療デバイス。
(項目2)
前記展開可能構造は、複数のスプラインを備え、
前記複数のスプラインの各々は、スプライン近位端及びスプライン遠位端を含む、項目1に記載の細長い医療デバイス。
(項目3)
近位ハブをさらに備え、複数の前記スプライン近位端の各々が前記近位ハブと接続される、項目2に記載の細長い医療デバイス。
(項目4)
前記偏位制御部材は、剛性材料、半剛性材料、及び可撓性材料のうちの1つ又は複数を備える、項目1に記載の細長い医療デバイス。
(項目5)
前記剛性材料はポリマーを備え、前記半剛性材料はポリマーを備え、前記可撓性材料は金属又はポリマーを備える、項目4に記載の細長い医療デバイス。
(項目6)
磁気センサをさらに備える、項目1に記載の細長い医療デバイス。
(項目7)
前記磁気センサは前記遠位ハブに接続される、項目6に記載の細長い医療デバイス。
(項目8)
前記磁気センサは近位ハブに接続される、項目6に記載の細長い医療デバイス。
(項目9)
前記展開可能構造のそれぞれが、複数の相互作用要素をさらに備える、項目1に記載の細長い医療デバイス。
(項目10)
前記複数の相互作用要素は、複数のスプラインの各々に均等に分配される、項目9に記載の細長い医療デバイス。
(項目11)
前記複数の相互作用要素は、前記複数の相互作用要素の各々に不均一な間隔で配置される、項目9に記載の細長い医療デバイス。
(項目12)
前記複数の相互作用要素のうちの1つ又は複数が、スプライン近位端に近接して配置される、項目9に記載の細長い医療デバイス。
(項目13)
前記複数の相互作用要素は、電極、エネルギー送達要素、熱電対、力センサ、歪みゲージ、歪みセンサ、位置センサ、バイオセンサ、診断センサ、治療センサ、化学センサ、発光センサ、音響センサ、超音波センサ、エネルギー受信及び/又は測定センサ、磁気コイル又はセンサ、熱電素子のうちの1つ又は複数をさらに備える、項目9に記載の細長い医療デバイス。
(項目14)
前記複数の相互作用要素の1つ又は複数は、電極をさらに備える、項目9に記載の細長い医療デバイス。
(項目15)
前記複数のスプラインの1つ又は複数のスプライン遠位端部が、第1スプライン形状及び第2スプライン形状を備える、項目2に記載の細長い医療デバイス。
(項目16)
展開可能構造を有するカテーテルの使用方法であって、
複数のスプラインを備える前記展開可能構造を有する前記カテーテルを、体内に未展開形状で配置することと、
剛性が第1剛性である前記展開可能構造を、前記未展開形状から展開形状に展開することと、
偏位制御部材を使用することによって、前記展開可能構造の剛性を第1剛性から第2剛性へ調整することと、
を備える、方法。
(項目17)
前記展開形状は、第1展開形状、第2展開形状、又は第3展開形状をさらに備える、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記調整することが、前記偏位制御部材の移動を制限することをさらに備える、項目16に記載の方法。
(項目19)
医療デバイスであって、
各々がスプライン近位端及びスプライン遠位端を有する複数のスプラインと、前記スプライン遠位端の各々が接続される遠位ハブと、磁気センサと、を備える前記展開可能構造と、
前記遠位ハブに連結された偏位制御部材であって、前記展開可能構造の剛性を第1剛性から第2剛性に調整するように構成されると共に、前記第1剛性又は前記第2剛性を維持するように構成された前記偏位制御部材と、
前記偏位制御部材と係合して、前記偏位制御部材の長手方向の動きを制限するクランプと、を備える医療デバイス。
(項目20)
前記システムはハンドルをさらに備え、前記ハンドルは前記クランプを含む、項目19に記載の医療デバイス。
(項目21)
前記偏位制御部材は、前記展開可能構造の前記剛性を、前記第1剛性から前記第2剛性に調整するための手段である、項目19に記載の細長い医療デバイス。
(項目22)
前記クランプは、第1部分と第2部分とを備え、
前記第1部分は固定位置にあり、
前記第2部分は前記第1部分に対して移動可能であって、前記偏位制御部材との係合を可能にする、項目19に記載の細長い医療デバイス。
(項目23)
前記クランプは、第1部分と第2部分とを備え、
前記第1部分及び前記第2部分は、前記偏位制御部材との係合を可能にするように移動可能である、項目19に記載の細長い医療デバイス。
【外国語明細書】