(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022119920
(43)【公開日】2022-08-17
(54)【発明の名称】バルクMLCCコンデンサモジュール
(51)【国際特許分類】
H01G 2/02 20060101AFI20220809BHJP
H01G 2/06 20060101ALI20220809BHJP
H01G 2/10 20060101ALI20220809BHJP
H01G 4/228 20060101ALI20220809BHJP
H01G 4/40 20060101ALI20220809BHJP
H01G 4/38 20060101ALI20220809BHJP
H01G 13/00 20130101ALI20220809BHJP
H01G 4/30 20060101ALI20220809BHJP
H01C 13/00 20060101ALI20220809BHJP
H01C 13/02 20060101ALI20220809BHJP
H05K 1/03 20060101ALI20220809BHJP
H05K 3/30 20060101ALI20220809BHJP
H01L 25/07 20060101ALI20220809BHJP
H01L 25/18 20060101ALI20220809BHJP
H01L 25/065 20060101ALI20220809BHJP
H01L 25/16 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
H01G2/02 101E
H01G2/06
H01G2/10 K
H01G4/228 J
H01G4/40 A
H01G4/38 A
H01G13/00 391Z
H01G4/30 201H
H01G4/30 311Z
H01G4/30 513
H01G4/30 517
H01C13/00 T
H01C13/02
H05K1/03 610L
H05K1/03 610N
H05K1/03 610D
H05K3/30
H01L25/04 A
H01L25/04 Z
H01L25/08 Y
H01L25/16 A
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022087842
(22)【出願日】2022-05-30
(62)【分割の表示】P 2018529086の分割
【原出願日】2016-12-01
(31)【優先権主張番号】14/963,766
(32)【優先日】2015-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/264,305
(32)【優先日】2016-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511231986
【氏名又は名称】ケメット エレクトロニクス コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミラー ガレン ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】マコーネル ジョン イー.
(72)【発明者】
【氏名】バルティテュード ジョン
(72)【発明者】
【氏名】レナー ギャリー エル.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】多様な電子部品を含んで電子回路アセンブリに組み込むことができる特定の機能を提供する電子部品パッケージやモジュールを提供する。
【解決手段】第1導電性部分と第2導電性部分を含むキャリア部材であるフラットなリードフレーム4と、各電子部品が少なくとも1つの第1長手方向縁部を有する第1外部終端2
nと少なくとも1つの第2長手方向縁部を有する第2外部終端を含む多数の電子部品1
nとを含む電子部品パッケージ100であって、第1電子部品の第1長手方向縁部が第1インターコネクト部材により第1導電性部分に接続され、第1電子部品の第2長手方向縁部が第2インターコネクト部材により第2導電性部分に接続される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各電子部品が少なくとも1つの第1長手方向縁部を有する第1外部終端と、少なくとも1つの第2長手方向縁部を有する第2外部終端とを含む多数の電子部品と;
第1インターコネクトによって前記第1長手方向縁部に接続される第1キャリア部材と;
第2インターコネクトによって前記第1長手方向縁部に接続される第2キャリア部材と;
を含む、モジュール。
【請求項2】
前記第1キャリア部材は、前記第1インターコネクトにより各第1長手方向縁部に接続される、請求項1に記載のモジュール。
【請求項3】
前記キャリア部材は、フラットなメッキリードの各側に少なくとも1つの前記電子部品が配置されたフラットなメッキリードである、請求項1に記載のモジュール。
【請求項4】
前記第1キャリア部材はオフセットを含む、請求項1に記載のモジュール。
【請求項5】
前記オフセットは側面オフセットと水平オフセットとから選択される、請求項4に記載のモジュール。
【請求項6】
前記第1キャリア部材は丸形リードフレームとフラットリードとから選択される、請求項1に記載のモジュール。
【請求項7】
前記第1キャリア部材は少なくとも1つのフラット領域を含む、請求項6に記載のモジュール。
【請求項8】
前記第1キャリア部材は、スルーホールリード、表面実装リード、コンプライアントピンリードから選択される、請求項1に記載のモジュール。
【請求項9】
スルーホールアセンブリ用スタンドオフをさらに含む、請求項8に記載のモジュール。
【請求項10】
前記第1キャリア部材は、鉄材と非鉄材とから選択される材料を含む、請求項1に記載のモジュール。
【請求項11】
前記キャリア部材は基板である、請求項1に記載のモジュール。
【請求項12】
前記基板は、FR4、セラミック、ポリイミドからなる群から選択された材料を含む、請求項11に記載のモジュール。
【請求項13】
前記第1インターコネクト又は前記第2インターコネクトの少なくとも1つが、遷移的液相焼結法による導電性インターコネクト材料、導電性エポキシ樹脂、ポリマーはんだ、はんだからなる群から選択された、請求項1に記載のモジュール。
【請求項14】
前記電子部品は、コンデンサ、ダイオード、抵抗、バリスタ、インダクタ、ヒューズ、集積回路からなる群から独立に選択された、請求項1に記載のモジュール。
【請求項15】
前記電子部品の少なくとも1つがコンデンサである、請求項14に記載のモジュール。
【請求項16】
各前記電子部品がコンデンサである、請求項15に記載のモジュール。
【請求項17】
各前記コンデンサがMLCCである、請求項16に記載のモジュール。
【請求項18】
少なくとも2つの前記電子部品が異なるサイズを有する、請求項1に記載のモジュール。
【請求項19】
さらにカプセル化を含む、請求項1に記載のモジュール。
【請求項20】
2以上100以下の電子部品を含む、請求項1に記載のモジュール。
【請求項21】
第2行又は第2列に少なくとも1つの電子部品をさらに含み、隣接する長手方向縁部がインターコネクトによって取り付けられた、請求項1に記載のモジュール。
【請求項22】
第1導電性部分と第2導電性部分とを含むキャリア部材と;
各電子部品が少なくとも1つの第1長手方向縁部を有する第1外部終端と、少なくとも1つの第2長手方向縁部を有する第2外部終端とを備える多数の電子部品と;
第1電子部品の前記第1長手方向縁部が第1インターコネクトによって前記第1導電性部分に接続され、前記第1電子部品の前記第2長手方向縁部が第2インターコネクトにより前記第2導電性部分に接続される前記多数の電子部品の第1電子部品と;
を含む、モジュール。
【請求項23】
前記キャリア部材は基板である、請求項22に記載のモジュール。
【請求項24】
前記基板は、FR4、セラミック、ポリイミドからなる群から選択された材料を含む、請求項23に記載のモジュール。
【請求項25】
前記第1導電性部分は前記基板の導電性トレースである、請求項23に記載のモジュール。
【請求項26】
前記導電性トレースは直線状である、請求項25に記載のモジュール。
【請求項27】
前記導電性トレースは直線性を逸脱する、請求項25に記載のモジュール。
【請求項28】
前記導電性トレースに接続される異なるサイズの電子部品を含む、請求項27に記載のモジュール。
【請求項29】
前記キャリア部材は、鉄又は非鉄材の1組のリードからなる群から選択され、前記1組のリードの第1リードが前記第1導電性部分であり、前記1組のリードの第2リードが前記第2導電性部分である、請求項22に記載のモジュール。
【請求項30】
前記多数の電子部品のうち第2電子部品をさらに含み、前記第2電子部品の前記第1長手方向縁部が追加インターコネクトによって前記第1導電性部分に接続される、請求項22に記載のモジュール。
【請求項31】
前記多数の電子部品のうち第2電子部品をさらに含み、前記第2電子部品の前記第1長手方向縁部が追加インターコネクトによって前記第1電子部品の第2長手方向縁部に接続される、請求項22に記載のモジュール。
【請求項32】
前記多数の電子部品が行と列に配置され、前記列の隣接する電子部品が追加インターコネクトにより接続された隣接する長手方向縁部を有する、請求項22に記載のモジュール
。
【請求項33】
各前記電子部品が、コンデンサ、ダイオード、抵抗、バリスタ、インダクタ、ヒューズ、集積回路からなる群から独立に選択される、請求項22に記載のモジュール。
【請求項34】
前記電子部品の少なくとも1つがコンデンサである、請求項33に記載のモジュール。
【請求項35】
各前記電子部品がコンデンサである、請求項34に記載のモジュール。
【請求項36】
各前記コンデンサがMLCCである、請求項35に記載のモジュール。
【請求項37】
オーバモールドリードフレームや予備成形ハウジングをさらに含む、請求項22に記載のモジュール。
【請求項38】
2以上100以下の電子部品を含む、請求項22に記載のモジュール。
【請求項39】
各電子部品が、少なくとも1つの第1長手方向縁部を有する第1外部終端と、少なくとも1つの第2長手方向縁部を有する第2外部終端とを含む多数の電子部品を供給すること;
第1導体を前記第1導体と前記第1長手方向縁部との間の第1インターコネクトにより前記第1長手方向縁部に接触するように配置すること;
第2導体を前記第2導体と前記第2長手方向縁部との間の第2インターコネクトにより前記第2長手方向縁部に接触するように配置すること;及び
第1インターコネクトと第2インターコネクトの結合を加熱形成すること;
を含む、モジュールの形成方法。
【請求項40】
前記第1インターコネクトにより前記第1導体を各第1長手方向縁部に接合することを含む、請求項39に記載のモジュールの形成方法。
【請求項41】
前記第1導体は第1リードと基板の回路トレースからなる群から選択される、請求項39に記載のモジュールの形成方法。
【請求項42】
前記第1リードが、前記フラットメッキリードの各側上の少なくとも1つの前記電子部品を備えたフラットなメッキリードである請求項41に記載のモジュールの形成方法。
【請求項43】
前記第1リードがオフセットを含む、請求項41に記載のモジュールの形成方法。
【請求項44】
前記オフセットが側面オフセットと水平オフセットから選択される、請求項43に記載のモジュールの形成方法。
【請求項45】
前記第1リードが丸形リードとフラットリードから選択される、請求項41に記載のモジュールの形成方法。
【請求項46】
前記第1リードが少なくとも1つのフラット領域を含む、請求項45に記載のモジュールの形成方法。
【請求項47】
前記第1リードがスルーホールリードと表面実装リードから選択される、請求項41に記載のモジュールの形成方法。
【請求項48】
スルーホールアセンブリ用スタンドオフをさらに含む、請求項47に記載のモジュール
の形成方法。
【請求項49】
前記第1リードが鉄材及び非鉄材から選択される材料を含む、請求項41に記載のモジュールの形成方法。
【請求項50】
前記第1インターコネクトにより前記第1導体を各第1長手方向縁部に接合することを含む、請求項39に記載のモジュールの形成方法。
【請求項51】
前記第1インターコネクト又は前記第2インターコネクトの少なくとも1つが、遷移的液相焼結法導電性インターコネクト材料、導電性エポキシ樹脂、ポリマーはんだ、はんだからなる群から選択される、請求項39に記載のモジュールの形成方法。
【請求項52】
各前記電子部品が、コンデンサ、ダイオード、抵抗、バリスタ、インダクタ、ヒューズ、集積回路からなる群から独立に選択される、請求項39に記載のモジュールの形成方法。
【請求項53】
少なくとも1つの前記電子部品がコンデンサである、請求項52に記載のモジュールの形成方法。
【請求項54】
各前記電子部品がコンデンサである、請求項53に記載のモジュールの形成方法。
【請求項55】
各前記コンデンサがMLCCである、請求項54に記載のモジュールの形成方法。
【請求項56】
少なくとも2つの前記電子部品が異なるサイズを有する、請求項39に記載のモジュールの形成方法。
【請求項57】
カプセルの形成をさらに含む、請求項39に記載のモジュールの形成方法。
【請求項58】
2以上100以下の電子部品を含む、請求項39に記載のモジュールの形成方法。
【請求項59】
第2行又は第2列の少なくとも1つの電子部品を隣接する長手方向縁部間のインターコネクトと配置して前記インターコネクトの接合を形成することをさらに含む、請求項39に記載のモジュールの形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子部品のパッケージング技術に関する。より具体的には、本発明は多様な電子部品を含んで電子回路アセンブリに組み込むことができる特定の機能を提供する電子部品パッケージやモジュールに関する。より具体的には、本発明は電子回路取付け用の単一のカプセル化されたパッケージ内アレイにおいて、特に積層セラミックコンデンサ(MLCC)を含む多様な部品をリードや基板等の部品キャリア部材に取り付ける高温導電性インターコネクト部材の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品パッケージは、リードレスチップキャリア(LCCC)、プラスチックリード付きチップキャリア(PLCC)、TO-220等のトランジスタアウトライン、ボールグリッドアレイ(BGA),クワッドフラットパッケージ(QFP),シングルインラインパッケージ(SIP),デュアルインラインパッケージ(DIP)等の形で、集積回路のようなオーバーモールドされた単一のアクティブデバイスと共に存在する。より具体的には、コンデンサパッケージは積層セラミックコンデンサ(MLCC)として単一のMLCCを備えたアキシャルリード付きパッケージ及び単一のMLCCを備えたラジアルリード付きパッケージの形で存在する。アキシャル及びラジアルMLCCパッケージは既存のパッケージデザインのフォームファクタ要件を満たすことのできる単一MLCCの最大外形に基づく限界容量を有する。多様なコンデンサを含む他のコンデンサパッケージはMLCCスタックの形状で存在する。これらMLCCスタックパッケージはMLCCの外部終端の端部に付けられたリードを備えた多数の同一サイズ及び容量のコンデンサのMLCCを含んでいる。コンデンサスタックパッケージの合計の容量はスタックに使われている特定の部品の倍数となる。
【0003】
回路デザインの容量に対する要求が単一MLCCを超える場合、回路基板には多数のコンデンサを置く必要があるか又は異なる種類のコンデンサが選択されねばならない。過剰なコンデンサの載置は大きな回路基板スペースと余分なアセンブリ時間を必要とし、その両方が小型化と効率化への要求の流れに逆行する。代替のコンデンサを選択するとMLCCに備わる優れた電気性能が満たされず、しかもその優れた電気性能は近年の電子回路において通常望まれるものである。従って高容量かつ個別に配置される部品より少ない基板スペースで済み、アセンブリ時間が単一部品の配置に要する時間と同等のMLCCスタックパッケージが導入されている。しかしMLCCはスタックされているので各個のMLCCの終端が隣接するMLCCの外部終端の端部とインターフェイスするには、それらが同一のケースサイズである必要がある。リード付きMLCCスタックの場合、MLCC終端の端面に接続されるリードにインターフェイスするには、個々のMLCCサイズが同一である必要がある。
【0004】
MLCCは高振動及び/又は高温環境下に置かれると基板の屈曲によって亀裂が形成され故障状態に陥る。電子回路の設計においてリード付きMLCCパッケージがしばしば必要とされるが、その場合リードが基板のたわみをMLCCから隔てることでMLCCに到達する応力を軽減している。しかしながら、製造プロセスに固有のMLCCにおける上記リード取付けインターフェイス、サイズ、形状のバラツキによりリード付きスタックのアセンブリに対して制限がある。
【0005】
従って、基板応力を隔離し、所定の設置面積に対し高い容量を提供し、既存のデザインよりも制限が少ない製造を可能とする多様なリード付きMLCCパッケージが、制限されたスペース要件及び/又は過酷な環境下の回路レイアウトでの使用のためにさらに要望さ
れている。当業者はパッケージされる部品が共通のサイズであることを必要としない多様な単独部品を内蔵する電子部品パッケージを努力しつつもなお追求している。その技術の進歩をここに提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的はパッケージのフォームファクタのバラツキやパッケージ内の部品コンテンツのバラツキを許容する、特にMLCCを含む多様な部品を内蔵する電子部品パッケージの代替方法を提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は多数の積層セラミックコンデンサ(MLCC)を組み合わせてスタックアレイを形成する方法を提供し、現行の標準SMTアセンブリ技術と機器を使って取扱うことができる単一の大容量の部品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の具体的特徴は、異なる形状、サイズの部品が共通にパッケージされる一方、単一部品相当の設置面積を維持する電子部品パッケージを提供できることである。
【0009】
これらの利点は、理解されるように、各電子部品が少なくとも一つの第1長手方向縁部を有する第1外部終端及び少なくとも一つの第2長手方向縁部を有する第2外部終端を含む多数の電子部品からなるモジュールに備わっている。第1リードは第1インターコネクトによって第1長手方向縁部に接続され、第2リードは第2インターコネクトによって第2長手方向縁部に接続される。
【0010】
モジュールを形成する方法として別の実施例が提供される。その方法は:
各電子部品が少なくとも一つの第1長手方向縁部を有する第1外部終端及び少なくとも一つの第2長手方向縁部を有する第2外部終端を含む多数の電子部品を備え;
第1リードと第1長手方向縁部との間の第1インターコネクトにより第1長手方向縁部に接触するように第1のリードを配置し;
第2リードと第2長手方向縁部との間の第2インターコネクトにより第2長手方向縁部に接触するように第2のリードを配置し;及び第1インターコネクトと第2インターコネクトの接合を加熱形成することを含む。
【0011】
さらに別の実施例は、第1導電性部分及び第2導電性部分を含むキャリア部材及び各電子部品が少なくとも一つの第1長手方向縁部を有する第1外部終端及び少なくとも一つの第2長手方向縁部を有する第2外部終端を含む多数の電子部品を含むモジュールに提供される。第1電子部品の第1長手方向縁部は第1インターコネクトによって第1導電性部分に接続され第1電子部品の第2長手方向縁部は第2インターコネクトによって第2導電性部分に接続される。
【0012】
モジュールを形成する方法に提供されるさらに別の実施例は:
各電子部品が少なくとも一つの第1長手方向縁部を有する第1外部終端及び少なくとも一つの第2長手方向縁部を有する第2外部終端を含む多数の電子部品を備え;
第1導体と第1長手方向縁部との間の第1インターコネクトにより第1長手方向縁部と接触するように第1導体を配置し;
第2導体と第2長手方向縁部との間の第2インターコネクトにより第2長手方向縁部と接触するように第2導体を配置し;及び
第1インターコネクトと第2インターコネクトの接合を加熱形成することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施例の概略部分破断側面図である。
【
図2】本発明の実施例の概略部分破断端面図である。
【
図3】本発明の実施例の概略部分破断側面図である。
【
図4】本発明の実施例の概略部分破断底面図である。
【
図5】本発明の実施例の概略部分破断上面図である。
【
図6】本発明の実施例の概略部分破断端面図である。
【
図7】本発明の実施例の概略部分破断端面図である。
【
図8】本発明の実施例の概略部分破断上面図である。
【
図9】本発明の実施例の概略部分破断側面図である。
【
図10A】本発明のリードの概略部分破断図である。
【
図11】本発明の実施例の概略部分破断端面図である。
【
図12】本発明の実施例の概略部分破断上面図である。
【
図13】本発明の実施例の概略部分破断側面図である。
【
図14】本発明の実施例の概略部分破断側面図である。
【
図15】本発明の実施例の概略部分破断端面図である。
【
図17】本発明の実施例の概略部分破断側面図である。
【
図18】本発明の実施例の概略部分破断端面図である。
【
図19】本発明の実施例の概略部分破断側面図である。
【
図21】外部終端の長手方向セクションと端面セクションとが区分された電子部品の概略図である。
【
図27】本発明の実施例の概略部分破断端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は多様な部品を含む電子部品パッケージに関し、好ましくは共通の終端部を有する積層セラミックコンデンサ(MLCC)を含む受動部品に関する。より具体的には、本発明は部品のサイズ、形状、機能が異なってもよいが共通に終端する電子部品パッケージやモジュールに関する。
【0015】
電子部品の少なくとも一部の外部終端は、カプセル化/オーバーモールディングや電子回路アセンブリに使用するハウジングの予備成形リードフレームの有無にかかわらず、高温導電性インターフェイス部材や接着剤によりリードや基板の導電性トレース等のキャリア部材に共通に接続される。キャリア部材は表面実装部品(SMD)やスルーホール実装部品をプリント基板(PCB)に実装するために形成される。部品コンテンツ及びキャリア部材は特定の電子回路のデザイン要件を満たすカスタムパッケージデザインを提供するために変更が可能である。
【0016】
多数のMLCC等多数部品を共通の電子部品パッケージ内で組み合わせることにより、単一部品を使用する場合に利用できる数値を超えて容量等の機能を拡張するとともに、同等の単一個体の部品を使用する場合に比べて電子回路中の設置面積を減少できる。例えばMLCCを利用する場合パッケージの全体の容量は、パッケージ内のMLCCの数と各個のMLCCの容量で決まる。本発明はパッケージ内の電子部品の数や混合のバラツキのみならず同じパッケージ内の部品の外形サイズのバラツキについても許容する。これによっ
て、パッケージ内の機能を変える能力を高めてパッケージをデザインすることが可能となり、例えばMLCCを利用する場合に特有の全体容量を提供する無比の機会を与える。またこれにより、他の、好ましくは受動部品の使用が可能となり、所定の空間内で利用できる機能が拡張する。
【0017】
電子部品パッケージを形成するための部品取り付け方法は、その後の部品のハンドリングやアセンブリを行う間のパッケージの保全ために重要である。遷移的液相焼結法(TLPS)インターコネクト材料の形で高温インターコネクト部材を使用することにより、電子アセンブリとも呼ばれる電子部品パッケージが後続するオーバーモールディングやはんだ付けの高温プロセスに耐えることができ、それによって該電子部品パッケージが過酷な電子回路の環境に耐えることができる。高温はんだや導電性エポキシ樹脂等の他のインターコネクト材料も部品取り付けに使われるが、その適用範囲は制限される。個々の部品、特にMLCCを、MLCCの外部終端の端面に沿って接触させる従来技術の接触のさせ方ではなく、通常の表面実装型デバイス(SMD)と同じ方向付けで部品の外部終端の側面即ち長手方向面に接触させてキャリア部材に取り付けることによって、全ての部品が同じサイズである要件を無くす。この取付け方によって、多数のMLCC又は他の部品を個々の部品よりもパッケージの外形を小さくしてラジアルパッケージの形でアセンブルできる。これはリードが単一MLCCの終端の端面にはんだ付けされるラジアルパッケージの従来技術とは異なる。この取付け方によって、部品をリードフレーム又は基板の対向する両面にアセンブルすることも可能になる。本発明において、端面にリード又は基板が取り付けられていない長手方向の面にリード又は基板が取り付けられることが望ましい。
【0018】
米国特許第6,721,163;8,988,857;8,873,219;6,958,899;6,940,708号及び米国特許出願公開第20100243307号に記載のように、従来技術の多数のMLCCモジュールは主としてリードがコンデンサの終端に取り付けられるスタック形状である。これによりリードとのインターフェイスを強固にするためにコンデンサはサイズによって分類されることが必要になる。本発明は、リードが部品の外部終端の長手方向の面に取り付けられるので、コンデンサや他の集積部品をサイズで分類する必要性を無くしている。第2部品のスタックは第1部品の外部終端を介して終端するのでさらに部品をサイズで振り分ける必要がない。従来技術と異なり本発明はリードや基板の対向する両面で部品がアセンブルされるので、MLCCなどの多数の部品をパッケージングするためのより効率的な方法を提供する。本発明はさらに分類されていないサイズの部品をスタックし部品の向きを垂直方向にリード又は基板にアセンブルすることを可能にする。
【0019】
本発明の別の利点は、同じ電子部品パッケージ内に異なるケースサイズの部品をアセンブルしてモジュールの機能をより自由にできることである。本発明のさらなる利点は、MLCC、抵抗、バリスタ、インダクタ、ダイオード、ヒューズ、集積回路等のディスクリート電子部品の組合せを共通の電子部品パッケージの中に組み込んでカスタム電子モジュールを作れることである。電子部品の少なくとも1つが、MLCC、より好ましくは部品の全てがMLCCであることが好ましい。スマートコンデンサの従来技術は米国特許第8,904,609号及び8,264,816号に記載されるようにディスクリート部品を使用するのではなくアルミナ基板に印刷厚膜材料を組合せてヒューズと抵抗を形成する。他の従来技術は米国特許出願公開第20140238732,20140240941,20140240081,20140240942及び20140240885号等に記載のように、リードフレームを使ってMLCC付きヒューズを提供している。ディスクリート部品の使用はモジュールのデザインを複雑にすることなくパッケージのアセンブリの自由度を拡張可能にする。ディスクリート部品の数値は迅速かつ簡単に変更ができ、コストに大きな影響を与えることなく回路設計の要件を満たすことができる。
【0020】
本発明はさらに、現在の処理技術と市販のアセンブリ装置を使ったアセンブリ法を可能にする。これによってリーズナブルな投資コストと実施タイミングが可能になる。
【0021】
電子部品パッケージは、リードや基板等のキャリア部材に取り付けられる多数の部品及び好ましくは少なくとも1つのコンデンサを含み、スルーホール、コンプライアントピン、表面実装技術あるいは他のインターコネクト方法のいずれかを使って電子回路における取り付け方法を提供する。
【0022】
MLCCは第1外部終端に接触する第1平面内部電極層を含む。第2平面内部電極層は第1平面内部電極と交互に配置され、第2平面内部電極が第2外部終端と接触する。誘電体層は第1平面内部電極を第2平面内部電極から隔離する。第1及び第2平面内部電極の数及び部品外形サイズがデバイスの容量値を決定する。MLCCの製造と構造は当業者に周知なのでここでこれ以上の説明は必要ではない。
【0023】
本発明は様々な図面を参照して一体型の限定されない部品の形成について開示する。開示を通して同じ要素には同じ番号が付されている。
【0024】
本発明の一実施例を、
図1、2を参照して説明すると、
図1が電子部品パッケージ100の概略部分破断側面図を、
図2がその概略部分破断端面図を示す。電子部品1は個々にMLCC、抵抗、バリスタ、インダクタ、ダイオード、ヒューズ、又は集積回路を表し;外部終端2を含み、外部終端は少なくとも1つの長手方向縁部を備え、好ましくは部品のそれぞれの側に長手方向縁部を備える。インターコネクト部材3は、好ましくは遷移的液相焼結法(TLPS)による導電性インターコネクト材料から選択され、各電子部品の外部終端2の長手方向縁部に沿うことによってキャリア部材であるフラットなリードフレーム4を各電子部品の整列された外部終端に電気的に接続する。フラットリードフレームは、好ましくはメッキした鉄又は非鉄材からなる。リードフレームは、好ましくはスルーホールアセンブリ用スタンドオフ5を設けている。全体の電子部品パッケージは、好ましくはスタンドオフ5とリードフレーム4の端部を除いてカプセル化6されている。リードフレームの厚さは一定であっても良いし、又は、部品取り付け領域が薄くなるように加工や鋳造を行ってもよい。各個のMLCC部品の容量のバラツキに加え、多数のMLCCが使われる場合は、パッケージ内にアセンブルされる部品数は、電子部品パッケージに加えられてさらにパッケージ全体の機能を規定する、追加電子部品1
nによって変動する。
図1、2及び他の図面において、1
nによって表される追加の電子部品は、2から100までの整数を示す上付きの「n」が追加の電子部品の整数を示している。本発明の目的のため、長手方向縁部とは
図21に「L」として図示される好ましくは同一平面状の側面であり、
図21に「E」として図示される好ましくは平行ではあるが同一平面状ではない端面とは区別される。
【0025】
図3-6を参照する本発明の実施例において、一般的な電子部品パッケージ101の概略が表されている。
図3は該電子部品パッケージの部分破断側面図であり、
図4はその部分破断底面図であり、
図5はその部分破断上面図であり、
図6はその部分破断端面図である。
図3-6の各電子部品1は個別にMLCC、抵抗、バリスタ、インダクタ、ダイオード、ヒューズ、あるいは集積回路を表しており、それぞれの側に外部終端2を含み、外部終端2は、その長手方向縁部に沿って好ましくはTLPSから選択されたインターコネクト部材3により丸形リード11に電気的に接着される。
図6に示すように、長い方の長手方向面がリードであるキャリア部材に実装されても良いし、あるいは他の図が示すように短い方の長手方向面がリードに実装されても良い。丸形リード11として表されるキャリア部材は、好ましくは鋳造されたフラットな端子パッド12とスルーホールアセンブリ用スタンドオフ13とを備えるメッキされた鉄又は非鉄材である。スタンドオフと丸形リードの端部を除く全体の電子部品パッケージはカプセル化6されることが好ましい。パッケ
ージにアセンブルされる部品の数と種類は2から100まで変更でき、パッケージの全体容量を規定し、追加の機能を提供する。
【0026】
図7-9を参照する本発明の実施例において、一般的な電子部品パッケージ102の概略が表されている。
図7は該電子部品パッケージの概略部分破断端面を表し、
図8はその部分破断上面を表し、
図9はその部分破断側面を表す。各電子部品1はそれぞれの側に外部終端を有し、外部終端には少なくとも1つの長手方向縁部、好ましくはそれぞれの側に長手方向縁部を備える。1
2,1
4,1
mで表される1列の電子部品については、外部終端の長手方向縁部は、該外部終端2の長手方向縁部に沿って好ましくはTLPSから選択されたインターコネクト部材3によりリード19として表されるキャリア部材に電気的に接触する。1
1,1
3,1
nで表される次の列の電子部品については、その外部終端の長手方向縁部は前記第1列の電子部品の外部終端の隣接する長手方向縁部にインターコネクト部材により取り付けられる。リードは、スルーホールアセンブリ用スタンドオフ20を含むメッキされた鉄又は非鉄材からなるフラットなリードフレームであることが好ましい。スタンドオフとリードの端部を除く全体の電子部品パッケージは、コーティング、予備成形ハウジングのポッティング、又は当技術分野で周知の他のカプセル方式によりカプセル化6されることが好ましい。
図7-9で示すように、本発明の利点は、部品を垂直かつ水平に、行方向かつ列方向に、インターコネクトによって隣接する長手方向縁部を接合することによって、電子部品パッケージ内に含める部品の数を増やすことができる点にある。行および列の数はアセンブリに100個までの部品を含めることができる程大きく取れることが理解されるだろう。
図7-9に開示するスタンドオフの代わりに概略を
図10に示すようにリードに平行に伸びるフット15付きのリード19を使用する、電子部品パッケージ用表面実装リードを提供できる。別のオプションとして概略を
図10aに示すように機械的な取付けのためのコンプライアントピンリードを設けても良い。
【0027】
図11-13を参照して説明する本発明の実施例において、
図11が電子部品パッケージ103の概略部分破断端面図、
図12がその部分破断上面図、
図13がその部分破断側面図を表している。
図11-13において、サイズが異なる電子部品1が示されており、各部品は対向する両面に外部終端2を含み各外部終端は少なくとも1つの長手方向縁部好ましくは複数の長手方向縁部を備えている。側面オフセットリードフレーム22によって表されるキャリア部材は側面に段差を有するので、水平にスタックされた長さの異なる電子部品を段差に沿って配置できる。ここで定義する側面オフセットは、電子部品が実装される基板に平行な面におけるオフセットと定義される。側面オフセットリードフレームは
図10で説明されたフットが使えるとの理解のもとでオプショナルのスタンドオフ21とともに図示されている。それぞれの側の第1列の外部終端は側面オフセットリードフレームと好ましくはTLPSから選択されたインターコネクト部材3により外部終端2の長手方向縁部に沿って電気的に接触している。側面オフセットリードフレームは、同じ電子部品パッケージ内に異なるサイズの電子部品アレイを可能にする。スタンドオフとリードの端部を除く全体の電子部品はカプセル化6されることが好ましい。
図18に示す実施例において電子部品の短辺がリードフレーム63に実装され、リードフレームはフット64を有している。各実施例では、電子部品は長辺又は短辺のいずれかをキャリア部材に電気的に接触させるか又はその組み合わせで実装される。
図11,12,13,18及び他の図面で説明される実施例では、明確にするための具体的な図示はないが、追加の列及び行は外部終端の隣接する長手方向縁部をインターコネクト部材で接合することにより加えることができる。
【0028】
本発明の一実施例を、
図14、15を参照して説明する。
図14は電子部品パッケージ104の概略部分破断側面図であり、
図15は概略部分破断端面図である。
図14、15において、キャリア部材としての水平オフセットリードフレーム24は、異なる細部の電子部品を収容するために用いる。
図16は切り離した水平オフセットリードフレームの概
略側面図を示している。ここに定義する水平オフセットとは、電子部品が実装される基板に垂直な面のオフセットである。
【0029】
図17は本発明の一実施例の概略部分破断側面図であり、フラットなリードフレーム4として表されたキャリア部材は
図1に対して記載され、電子部品パッケージの電子部品の一部と電気的に接触するキャリア部材としての第2フラットリードフレーム41と組み合わされる。例えばリードフレーム4は異なる機能を有する各リードフレーム41により接地され得る。直にあるいは隣接する部品の長手方向縁部を介してリード4及び選択されたリード41と電気的に接触するように配置される追加の部品によって、追加の機能を組み込むことができることが理解されるであろう。
【0030】
本発明の利点は基板から垂直に伸びる各スタックが他のスタックによって高さの制限を受けないことである。
【0031】
別のオプションは
図18に示すように部品を短辺側終端を介してリードに実装することである。部品2はキャリア部材であるリードフレーム63のフラットな表面に接合される。接合用リードフレームがこのようにして小型化される。
【0032】
図19を参照して記載する本発明の一実施例において、キャリア部材である複数の水平オフセットリードフレームを使って多様な機能を備えた電子部品パッケージを形成する。
図19において電子部品パッケージ105が第1部品86を含み、水平オフセットリードフレームが各外部終端286、287と電気的に接触する。一方の水平オフセットリードフレーム81は第2部品87の外部終端289にも電気的に接触する。別の水平オフセットリードフレームは部品86の外部終端286及び部品88の外部終端291に電気的に接触する。水平オフセットリードフレーム82は部品87の外部終端290及び部品88の外部終端292に電気的に接触する。
図19から分かるように、オフセットの度合いは使用される部品に応じて変わり、従って利用できる部品の組合せ数は非常に大きくなる。それに限定されない例によれば、部品86がMLCC、部品87がダイオード、部品88が抵抗の場合、電子部品パッケージは
図20に示す電気配線
図89で準備できる。
【0033】
図22-24を参照して記載する本発明の一実施例において、
図22が上面図を表し、
図23が端面図を表し、
図24が側面図を表している。
図22-24において、電子部品1は一方に長手方向縁部を、好ましくは部品のそれぞれの側に長手方向縁部を備えた外部終端2を含む。インターコネクト部材3が第1列の各電子部品1の各外部終端2の長手方向縁部をキャリア部材である基板200の回路トレース202に電気的に接続する。次に続く列における各電子部品の各外部終端の長手方向縁部は、インターコネクト部材3により基板により近い隣接する外部終端に取り付けられる。従って電子部品は基板に平行に並ぶ行及び基板に垂直に並ぶ列として定義され、それによって小さな設置面積に多数の電子部品を収容できる。電子部品と反対側の基板上のはんだパッド204により基板が表面実装され、それによって単一部品として機能する多数の電子部品を有する標準表面実装アセンブリ用の単一の表面実装デバイスを提供する。
【0034】
本発明の一実施例を
図25の側面図を参照して説明する。
図25において、基板200で表されるキャリア部材はその両面に回路トレース202を有する。電子部品の外部終端2の第1列はインターコネクト部材3に電気的に接触し、各後続する列は
図22-24に対して説明したようにインターコネクト部材を介して基板により近い隣接する電子部品に取り付けられる。行及び列の数は基板のいずれの側においても大きくできることが明らかである。
【0035】
本発明の一実施例を
図26を参照して説明する。
図26において大きな第1電子部品1
1と小さな第2電子部品1
2が表されており、各電子部品の外部終端2間距離の相違を調整するために、回路トレース202の直線性を逸脱させている。スタック中の共通サイズの電子部品数をかなり大きくできるとともに、直線性を逸脱する回路トレースが多数の逸脱箇所を有することで回路トレースの長さに渡って数多くの部品サイズを調整できることは前述の説明から明らかである。
【0036】
図27に説明する本発明の一実施例において、上述の行列に配置された多様な電子部品からなる電子デバイス206は、基板200の回路トレース202を含むキャリア部材に取り付けられ、最下端の電子部品の外部終端2は、インターコネクト部材3を介して回路トレースに接着され電気的に接続されている。回路トレースに電気的に接触するピン208は、電子デバイスが第2基板にピン実装されることを可能にする。ピンを除く全体の電子デバイスはカプセル化6されても良いし、又は高温プラスチックオーバーモールドリードフレームに覆われても良い。
【0037】
キャリア部材は高温ガラス繊維強化ポリエステル(FRP)プリント回路基板(PCB)、セラミック(アルミナ)、ポリイミドラミネート、絶縁金属基板(IMS)、高温定格被メッキプラスチック、又は高温プラスチックオーバーモールドリードフレームの単一基板材料を含む。上記キャリア部材は部品スタック間に導体を提供する追加の機能を備え、従来技術に勝る利点を提供する。
【0038】
電子部品パッケージは好ましくはMLCCを含む多数の電子部品を含み、それらはスルーホール又は表面実装技術のいずれかによって電子回路への取り付けを可能とするキャリア部材へ取り付けられる。MLCCは第1外部終端と接触する第1平面内部電極層を含む。第2内部平面電極層は第1内部平面電極層と交互に配置され第2内部平面電極が第2外部終端と接触する。誘電体層が第1内部平面電極を第2層内部平面電極から隔てる。第1、第2層の内部電極の数と部品の外形サイズがデバイスの容量値を決定する。
【0039】
パッケージ内の多数のMLCCの組合せは単一のMLCCのデバイスを使用する場合の限度を超えて容量値を高め、しかも同等の単一のMLCCを使用する場合よりも電子回路内の設置面積が少なくて済む。パッケージの全体の容量値は電子部品パッケージ内のMLCCの数と個々のMLCCの容量値で決まる。パッケージ内のMLCCの数だけでなく同じパッケージ内のMLCCの外形サイズを変更することにより、パッケージの設計の自由度を高めることができ、パッケージの容量を変更して全体の容量値をより特有なものにする無比の機会を提供する。
【0040】
多数のMLCCデバイスの取り付け方法はその後の部品のハンドリングやアセンブリを行う間のパッケージの保全にとって重要である。遷移的液相焼結法インターコネクト材料(TLPS-IM)の形で高温インターコネクト部材を使用することにより、製品がオーバーモールディングやはんだ付けのような後続の高温プロセスに耐えることができ、高温の電子回路の環境にも耐えることができる。高温はんだや導電性エポキシ樹脂等の他のインターコネク材料もMLCCの取り付けに使用されるが適用範囲は狭まる。個々のMLCCを同じ向きにキャリア部材へ取り付ける場合にMLCC外部終端の端面に沿わせるのではなく、通常の表面実装部品(SMD)としてMLCC外部終端の側面即ち長手方向面に接触させることで全ての部品が同じサイズであることの必要条件がなくなる。この取り付け方法により基板キャリアの対向する両面で部品をアセンブルできる。MLCCアレイキャリアは他の通常の回路デザインと組み合わせて抵抗、ヒューズ、ダイオード等の他の電子部品を含めることができる。
【0041】
現在のMLCCアレイアセンブリ技術において、1つのリードを1つのコンデンサ終端の端面に取り付け、第2のリードを2番目のコンデンサ終端の端面に取り付けるのが普通
であるが、それによって材料コストが上がり、アセンブリ方法がより困難かつ高コストとなる。従って、デザインの自由度が高く材料及びアセンブリコストのかからないバルク(大容量)コンデンサモジュールを生産する方法が望まれている。
【0042】
本発明の一実施例は、外部終端に取り付けられる鉄又は非鉄リードフレームを除去しそれを高温ガラス繊維強化ポリエステル(FRP)又はガラス繊維強化エポキシ積層体(FR4)回路基板(PCB)、アルミナ等のセラミック、ポリイミドラミネート、絶縁金属基板(IMS)、又は多数の電子部品のスタックのキャリア及びスタックアレイへのインターコネクトの両方の役割を担う高温定格被メッキプラスチックのような単一のキャリア部材と置き換えることにより利点を提供する。単一キャリア部材は、第1スタック終端にインターコネクトする第1印刷導体と第2終端にインターコネクトする第2導体を含む。第1、第2の印刷導体は、第1、第2端子を電子回路へ接続するためにも使用される。最新技術の別の特徴は、アレイアセンブリの後にアレイパッケージをカプセル化又はオーバーモールディングする従来技術とは異なり、キャリア部材が、アレイアセンブリの前に高温プラスチック材料でオーバーモールドされた鉄リードフレームを含むことである。最新技術の利点は、大きなコンデンサアレイサイズ、即ち従来よりも大容量のパッケージサイズに対して改善された方法を提供することである。
【0043】
本発明の一実施例は、コンデンサがキャリア部材の対向する両面にアセンブルされ得る点で従来技術のメリットの多くを維持する。実施例は、部品がそのサイズが分類されることなくスタックされてキャリア部材にアセンブルされ、さらに部品は垂直方向にもなる。その最新技術は、異なるケースサイズの部品を同じモジュールに収めてモジュールの容量値の自由度を上げることができる。実施例は、パッケージの中にコンデンサ、抵抗、バリスタ、インダクタ、ダイオード、ヒューズ、集積回路(IC)等のディスクリート電子部品を組み合わせることでカスタム電子モジュールを生成できる。スマートコンデンサ形式の従来技術はディスクリート部品の使用やMLCCスタックキャリアとしてではなくアルミナ基板をプリント厚膜材料と組合せてヒューズと抵抗(米国特許8,904,609号,米国特許8,264,816号)を形成する。別の従来技術はリードフレームを使ってヒューズにMLCCを付ける(米国公開特許20140238732,20140240941,20140240081,20140240942,20140240885)。ディスクリート部品の使用はモジュールデザインを複雑にせずにパッケージのアセンブリの自由度を拡張可能にする。ディスクリート部品の数値は迅速にかつ簡単に変更ができ、コストに大きな影響を与えることなく回路設計の要件を満たすことができる。
【0044】
一実施例は、現在のSMTと部品のスルーホールプロセスアセンブリ技術及び普通に市販されているアセンブリ機器を利用してアセンブルする方法を可能とする。このアセンブリ方法によってリーズナブルな投資コスト、実施タイミングが実現する。
【0045】
アセンブリ方法は、リードフレームキャリア及び/又は部品供給用パレット装備、並びに、インターコネクト材料の塗布、部品の配置、検査実行、インターコネクト部材の硬化/リフロー/焼結、リードのトリミング/形成、及びアセンブリのカプセル化ができる市販されている機器等の標準的な機器とプロセスを使って容易に実施可能である。
【0046】
ここで使用するスルーホールアセンブリ用スタンドオフは、一定の深さを超えるスルーホールへの挿入に対し物理的バリアを提供する。
【0047】
過渡的液相焼結(TLPS)接着剤は、はんだとは区別される導電材料である。はんだは第1回のリフロー後に組成が変化しない合金である。TLPS材料は高温に晒される前の2以上の金属又は合金の混合物である。TLPS材料の第2の特徴は、材料の融点が材料の熱履歴に依存することである。TLPS材料は高温に晒される前の融点は低く、高温
に晒された後は高い融点を示す。最初の融点は低温の金属又は2つの低温の金属の合金によりもたらされる。2番目の融点温度は、低温の金属又は合金が高温の融点を有する金属と新しい合金を形成することでより高い融点を有する金属化合物を創出するときに形成された金属化合物の融点温度を表す。TLPS材料は接合される金属表面間に金属結合を形成する。錫/鉛又は鉛(Pb)フリーはんだとは異なり、TLPS導電性接着剤は金属化合物結合を形成する際に拡散しない。TLPSシステムの再加工は第2リフロー温度が高温であるために非常に困難である。
【0048】
導電性接着剤は、導電性金属、通常銀が充填されたポリマーを含み、特定温度範囲、一般的には150℃で硬化又はクロスリンクして接合される材料に対し機械的結合を形成する。その導電性はポリマーマトリックス内で相互に密着する金属粒子により創出され、1つの粒子から他の粒子への導電路を形成する。そのバインダは自然界において有機体なので、導電性接着剤は通常は約150℃から約300℃の範囲の比較的低い温度で機能する。導電性エポキシ樹脂は一旦硬化すると再加工できない。導電性エポキシ樹脂は硬化の際はんだが溶融する場合のように濡れたり流れたりしない。
【0049】
ポリマーはんだは、Pb/Sn合金システム又はSn/Sbのような鉛フリーシステムに基づく従来のはんだシステムからなり、それは洗浄剤として機能するクロスリンクポリマーと組合される。クロスリンクポリマーはエポキシ結合のようなクロスリンクポリマー結合を形成でき、それは金属の融解相の期間に形成されてはんだ合金と機械的ポリマー結合を形成する。ポリマーはんだの利点は、ポリマー結合がはんだの融点以上の温度で機械結合強度が増加することであり、そのためはんだ接合は、はんだの融点よりも約5℃から80℃上回る範囲の高い動作温度で行われることになる。ポリマーはんだは、同じペースト内で現在のはんだ合金にクロスリンクポリマーを組合せて加熱等によって硬化されると、金属結合と機械的結合の両方を生成し、高温でさらに高いはんだ接合強度をもたらす。しかし、温度の上限と接合強度は単に材料の物理的特性によってのみ増加されている。実用的な上限は300℃のままであるが、一方、過渡的液相焼結導電接着剤はより高い温度を実現できる。
【0050】
使用時、導電性接着剤及び導電性ポリマーは接着される片面にコーティングされる。例えば
図2を参照すると、導電性接着剤はキャリア部材又は長手方向縁部のいずれかに配置される。部品とキャリア部材はインターコネクトを挟んで配置され、その後加熱によって部品とキャリア部材間に接合を形成する。
【0051】
TLPSは、銅、銀、アルミニューム、金、プラチナ、パラジウム、ベリリウム、ロジウム、ニッケル、コバルト、鉄、モリブデン又はその混合や組合せから選択された過渡的液相焼結導電接着剤に使用することが適切な高温材料からなる。鉛(Pb)フリーの過渡的液相焼結接着剤は、高温成分として銀か銅のいずれかを低温成分として錫-ビスマス合金を使用することが望ましい。
【0052】
TLPSはさらに、錫、アンチモン、ビスマス、カドミウム、亜鉛、ガリウム、インジウム、テルリウム、水銀、タリウム、セレニウム、ポロニウム又はこれらの2つ以上の混合や合金から選択された低温材料からなる。過渡的液相焼結導電接着剤は、リードフレーム仕上げ、部品接続、又は両面間導電性金属結合を形成する内部電極のいずれかとして、銀、錫、金、銅、プラチナ、パラジウム、ニッケル又はこれらの組合せを含む表面仕上げと互換性がある。適切な外部リードやリードフレームの材料は、リン青銅、銅、これに限定されないがベリリウム銅等銅の合金,Cu194及びCu192を含み、それと共にリードフレームは42アロイ、コバールのような、しかしこれに限定されることのない鉄合金からなる。
【0053】
TLPSの特別な利点は、アセンブリの際に発揮されるその適応性である。高温成分と低温成分とが接着される層の1つに塗布される。
図2を参照すると、TLPSの成分がリード又は長手方向縁部のいずれかに塗布され加熱されると、該成分とリードとがその間のTLPSの成分と交わって接合を形成する。あるいは、TLPSの一方の成分がリードに塗布され、他方の成分が長手方向縁部に塗布され加熱されると、該成分とリードとが交わって接合を形成する。好ましい実施例では、TLPSの一方の成分が接着される一方の側、例えばリードに塗布され、TLPSの他方の成分が接着される他方の側、例えば外部終端に塗布される。該成分は接触し加熱されてTLPS結合を形成する。
【0054】
本発明はそれに限定されない好適な実施例を参照して記載されている。当業者はここに具体的に述べられなかった追加の実施例や改善点を実現するかもしれないが、それらは本発明の範囲に具体的には添付の特許請求の範囲に含まれる。
【手続補正書】
【提出日】2022-06-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各電子部品が少なくとも1つの第1長手方向縁部を有する第1外部終端と、少なくとも1つの第2長手方向縁部を有する第2外部終端とを含む多数の電子部品と;
第1インターコネクトによって前記第1長手方向縁部に接続される第1キャリア部材と;
第2インターコネクトによって前記第1長手方向縁部に接続される第2キャリア部材と;
を含む、モジュール。
【外国語明細書】