(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022119950
(43)【公開日】2022-08-17
(54)【発明の名称】多管腔留置カテーテル
(51)【国際特許分類】
A61M 25/14 20060101AFI20220809BHJP
A61M 25/00 20060101ALI20220809BHJP
A61M 25/02 20060101ALI20220809BHJP
A61M 31/00 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
A61M25/14 512
A61M25/00 534
A61M25/02 500
A61M31/00
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022089471
(22)【出願日】2022-06-01
(62)【分割の表示】P 2019522543の分割
【原出願日】2017-10-19
(31)【優先権主張番号】15/335,133
(32)【優先日】2016-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516104098
【氏名又は名称】ケアフュージョン 2200,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドシ, パラク
(72)【発明者】
【氏名】マッシ, シェイナ
(72)【発明者】
【氏名】クルーガー, ジョン エー.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】遠位端まで延在する遠位長であって、患者の身体の空洞に留置するように構成される遠位長を伴うカテーテルを提供する。
【解決手段】カテーテル200の遠位長220は、遠位長220の長手方向部分を通して長手方向に延在する、第1の管腔202を含み、第1の管腔202は、遠位長220の第1の内径表面によって少なくとも部分的に画定されてもよい。遠位長220は、遠位長の長手方向部分を通して長手方向に延在する、第2の管腔204を含み、第2の管腔204は、遠位長220の第2の内径表面によって少なくとも部分的に画定されてもよい。第1の穿孔が、第1の管腔202の側壁を通して配置されてもよい。カフ222が、近位長の外部表面上に配置される。
【選択図】
図2-3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルであって、前記カテーテルは、
遠位端まで延在する遠位長であって、前記遠位長は、患者の身体の空洞に留置するように構成され、前記遠位長は、
前記遠位長の長手方向部分を通して長手方向に延在する第1の管腔であって、前記第1の管腔は、前記遠位長の第1の内径表面によって少なくとも部分的に画定される、第1の管腔と、
前記遠位長の長手方向部分を通して長手方向に延在する第2の管腔であって、前記第2の管腔は、前記遠位長の第2の内径表面によって少なくとも部分的に画定される、第2の管腔と、
前記第1の管腔の側壁を通して配置される第1の穿孔であって、前記第1の穿孔は、前記第1の管腔の出口を形成する、第1の穿孔と
を備える、遠位長と、
前記第1の管腔の近位長手方向部分と、前記第2の管腔の近位長手方向部分とを含む近位長と
を備え、
カフ要素が、前記近位長の外部表面上に配置される、カテーテル。
【請求項2】
前記近位長は、第1の管部と、第2の管部とを有する分岐長を含み、
前記第1の管腔は、前記第1の管部を通して長手方向に延在し、
前記第2の管腔は、前記第2の管部を通して長手方向に延在する、
請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記第1の管部は、注液手技のために構成される第1の弁を含み、前記第2の管部は、排液手技のために構成される第2の弁を含む、請求項2に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記遠位長の遠位端は、長手方向に離間される複数の穿孔を伴う前記第1の管腔を含み、前記穿孔の間の間隔は、遠位終端に近接するほど減少する、請求項1または2に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記遠位長の遠位端は、長手方向に離間される複数の穿孔を伴う前記第1の管腔を含み、前記穿孔の断面サイズは、遠位終端に近接するほど増加する、請求項1-4のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項6】
前記遠位長は、第1の遠位管部と、第2の遠位管部とを有する遠位分岐長を含み、前記第1の管腔は、前記第1の遠位管部を通して延在し、前記第2の管腔は、前記第2の遠位管部を通して延在する、請求項1-5のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項7】
前記第2の管腔の直径は、前記第1の管腔の直径の少なくとも2倍大きい、請求項1-6のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項8】
前記近位長は、注液ポートを含む第1の近位管部を含む、請求項1-7のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項9】
カテーテルであって、前記カテーテルは、
第1の管腔および第2の管腔と、
二重部分であって、前記二重部分の第1の内径表面は、前記第1の管腔の少なくとも一部の側壁を画定し、前記二重部分の第2の内径表面は、前記第2の管腔の少なくとも一部の側壁を画定し、前記二重部分の遠位長は、患者の身体の空洞に留置するように構成される、二重部分と、
前記二重部分の近位に位置する分岐長であって、前記分岐長は、第1の管部と、第2の管部とを含み、前記第1の管腔は、前記第1の管部を通して長手方向に延在し、前記第2の管腔は、前記第2の管部を通して長手方向に延在する、分岐長と
を備え、
前記第1の管腔は、注液管腔として構成され、前記第2の管腔は、排液管腔として構成される、カテーテル。
【請求項10】
前記二重部分の外部表面上に配置されるカフ要素をさらに備える、請求項9に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記第1の管部は、注液手技のために構成される第1の弁を含み、前記第2の管部は、排液手技のために構成される第2の弁を含む、請求項9または10に記載のカテーテル。
【請求項12】
前記二重部分の遠位端は、長手方向に離間される複数の穿孔を伴う前記第1の管腔を含み、前記穿孔の間の間隔は、遠位終端に接近するほど減少する、請求項9-11のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項13】
前記二重部分の遠位端は、長手方向に離間される複数の穿孔を伴う前記第1の管腔を含み、前記穿孔の間の間隔は、遠位終端に接近するほど減少する、請求項9-12のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項14】
前記第2の管腔の直径は、前記第1の管腔の直径の少なくとも2倍大きい、請求項9-13のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項15】
前記二重部分の遠位に位置し、第1の遠位管部と、第2の遠位管部とを有する第2の分岐長をさらに備え、前記第1の管腔は、前記第1の遠位管部を通して長手方向に延在し、前記第2の管腔は、前記第2の遠位管部を通して長手方向に延在する、請求項9-14のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項16】
前記第1の遠位管部は、前記第2の遠位管部よりも長い、請求項15に記載のカテーテル。
【請求項17】
方法であって、
遠位長を有するカテーテルを用いて排液手技を実施することであって、前記遠位長は、第1の管腔と、第2の管腔とを含み、前記排液手技は、
患者の身体の空洞内の第1の物質を前記第1の管腔の外部から第1の穿孔を通して前記第1の管腔の内部に移動させることと、
前記第1の管腔内の近位にある前記第1の物質を前記カテーテルの近位長に移動させることであって、前記カテーテルの近位長は、前記患者の身体の外側に位置する、ことと
を含む、ことと、
前記カテーテルを用いて注液手技を実施することであって、前記注液手技は、
前記第2の管腔内の遠位にある第2の物質を、前記近位長から、遠位長に移動させることであって、前記遠位長は、前記患者の身体の内側に位置する、ことと、
前記第2の物質を、前記第2の管腔の内部から、前記患者の身体内の前記第2の管腔の外部に放出することと
を含む、ことと
を含む、方法。
【請求項18】
前記近位長は、前記カテーテルの外部表面上の前記遠位長の近位端に配置されるカフ要素を含み、前記カフ要素は、前記患者の身体の内部と外部との間に障壁を提供するように構成される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記近位長は、第1の管部と、第2の管部とを有する分岐長を含み、
前記第1の管腔は、前記第1の管部を通して長手方向に延在し、
前記第2の管腔は、前記第2の管部を通して長手方向に延在する、
請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
前記カテーテルは、前記遠位長の遠位に位置する分岐長を含み、第1の遠位管部と、第2の遠位管部とを含み、前記第1の管腔は、前記第1の遠位管部を通して長手方向に延在し、前記第2の管腔は、前記第2の遠位管部を通して長手方向に延在する、請求項17-19のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2016年10月26日に出願された米国特許出願第15/335,133号に対する優先権を主張するものであり、該米国特許出願は、その全体が参照により本明細書中に援用される。
【0002】
本開示の実施形態は、排液機能および/または注液機能を伴う医療手技を実施するための方法およびデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
化学療法は、概して、癌細胞を破壊するための薬品または薬物の使用を指す。典型的には、化学療法薬は、点滴法を介してまたは経口的にカプセルを摂取することによって送達され、それによって、身体全体を通して薬物を分散させる。薬物の有毒な性質は、多くの場合、健康な細胞および癌細胞に影響を及ぼし、これは、吐き気、免疫系への損傷、疲労、および毛髪の喪失等の一連の不快な副作用をもたらし得る。
【0004】
近年、癌細胞が、化学療法薬の局所的な適用を用いて治療され得ることが見出されている。例えば、腹腔内温熱化学療法(「HIPEC」)と呼ばれる1つの手技では、腫瘍の外科的除去の直後に、温められた化学療法薬が、腹腔内に循環される。化学療法薬は、次いで、短時間の後、腹腔から除去され、身体組織の周囲への実質的損傷を防止する。効果的であるが、HIPECは、体腔への十分なアクセスを可能にする、侵襲性である外科手技の後にのみ、実施され得る。外科手技は、典型的には、めったに起こらないため、体腔へのアクセスは、概して、持続期間において限定されるため、局在的な適用を繰り返すことは、通常、不可能である。
【0005】
本背景に照らして、実質的侵襲性を伴わない薬剤の注入および排出のために体腔へのアクセスを提供する医療用デバイスが、有利であろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
ある側面において、本開示は、カテーテルであって、該カテーテルは、遠位端まで延在する遠位長を伴い、該遠位長は、患者の身体の空洞に留置するように構成される、カテーテルを提供する。遠位長は、遠位長の長手方向部分を通して長手方向に延在する第1の管腔を含んでもよく、第1の管腔は、遠位長の第1の内径表面によって少なくとも部分的に画定されてもよい。遠位長は、遠位長の長手方向部分を通して長手方向に延在する第2の管腔を含んでもよく、第2の管腔は、遠位長の第2の内径表面によって少なくとも部分的に画定されてもよい。第1の穿孔は、第1の管腔の側壁を通して配置されてもよく、第1の穿孔は、第1の管腔の出口を形成するように構成されてもよい。カテーテルの近位長は、第1の管腔の近位長手方向部分と、第2の管腔の近位長手方向部分とを含んでもよい。カフ要素が、近位長の外部表面上に配置されてもよい。
【0007】
近位長は、第1の管部と、第2の管部とを有する、分岐長を含んでもよく、第1の管腔は、第1の管部を通して長手方向に延在し、第2の管腔は、第2の管部を通して長手方向に延在する。
【0008】
第1の管部は、注液手技のために構成される、第1の弁を含んでもよく、第2の管部は、排液手技のために構成される、第2の弁を含んでもよい。
【0009】
遠位長の遠位端は、長手方向に離間される複数の穿孔を伴う第1の管腔を含んでもよく、穿孔の間の間隔は、遠位終端に近接するほど減少する。
【0010】
遠位長の遠位端は、長手方向に離間される複数の穿孔を伴う第1の管腔を含んでもよく、穿孔の断面サイズは、遠位終端に近接するほど増加する。
【0011】
遠位長は、第1の遠位管部と、第2の遠位管部とを有する、遠位分岐長を含んでもよく、第1の管腔は、第1の遠位管部を通して延在し、第2の管腔は、第2の遠位管部を通して延在する。
【0012】
第2の管腔の直径は、第1の管腔の直径の少なくとも2倍大きくてもよい。
【0013】
近位長は、注液ポートを伴う第1の近位管部を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、先行技術において公知であるような排液装置を図示する。
【
図2】
図2は、本開示による、二重管腔留置カテーテルのある実施形態を示す。
【
図3】
図3は、
図2の二重管腔留置カテーテルの遠位端の拡大図を示す。
【
図4】
図4は、本開示による、二重管腔留置カテーテルのための接合部のある実施形態を示す。
【
図5】
図5は、本開示による、二重管腔留置カテーテルおよび導入器を伴うシステムを示す。
【
図6】
図6は、本開示による、穿孔を伴う二重管腔留置カテーテルの遠位端の4つの実施形態の底面図を示す。
【
図7】
図7は、本開示による、二重管腔留置カテーテルの管腔によって注入される際のある物質の流動の図を示す。
【
図8】
図8は、本開示による、二重管腔留置カテーテルの第2の実施形態の管腔によって注入される際のある物質の流動の図を示す。
【
図9】
図9は、本開示による、二重管腔留置カテーテルの第3の実施形態の管腔によって注入される際のある物質の流動の図を示す。
【
図10】
図10は、本開示による、オフセットされた穿孔を伴う二重管腔カテーテルの遠位端のある実施形態を示す。
【
図11】
図11は、本開示による、二重管腔留置カテーテルの先端の実施形態を示す。
【
図12】
図12は、本開示による、ポートを伴う二重管腔留置カテーテルのある実施形態を示す。
【
図13】
図13は、本開示による、分離された遠位管部を有する分岐遠位長を伴う、カテーテルのある実施形態の遠位端を示す。
【
図14】
図14は、本開示による、分岐遠位長を伴う二重管腔留置カテーテルのある実施形態を示す。
【
図15】
図15は、本開示による、分岐遠位長を伴い、かつポートを含む、二重管腔留置カテーテルのある実施形態を示す。
【
図16】
図16は、本開示による、循環ポンプを伴う二重管腔留置カテーテルのある実施形態を示す。
【
図17】
図17A-Bは、それぞれ、本開示による、腹腔および臓器内に展開される、二重管腔留置カテーテルの2つの実施形態を示す。
【
図18】
図18は、本開示による、分離可能である管部および可変の管部長を伴う、二重管腔留置カテーテルのある実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施形態は、概して、同様の要素が、概して、同様の番号によって示される図面を参照して説明される。実施形態の種々の要素の関係および機能は、以下の詳述される説明を参照することによってより深く理解され得る。しかしながら、実施形態は、図面に図示されるものに限定されない。図面は、必ずしも縮尺通りではなく(相対的長さおよび他の比率が、本明細書における種々の図と同一またはそれと異なり得ることを含む)、ある事例では、例えば、従来の加工および組立等、本発明の実施形態の理解のために必要ではない詳細が、省略されている場合があることを理解されたい。
【0016】
図1に示されるタイプの排液デバイスを用いた医療排液手技が、実施され得る。装置100は、患者の身体内に取り付けられているように示され、排液容器114を含む。排液容器114は、弁60における近位管110によって遠位カテーテル12に除去可能に取り付けられる。弁60は、流体開存様式(2部品弁を含み得る)で、カテーテルをともに取り付けるための当技術分野において公知である任意の数の方法で構成されてもよく、遠位カテーテル12に取り付けられる近位部分は、近位管110から接続解除されるとき、自己シールするように構成されてもよい。遠位カテーテル12の近位端部は、患者に留置されて、すなわち、体壁21を通して、例えば、胸膜、腹膜、または他の身体管腔であり得る、体内空間23の中に配置されて示される。その近位部分は、カフ要素19と、体内空間23に示される穿孔18を含む、可撓性流体取入長14とを含む。本構造は、米国特許第5,484,401号(参照することによって全体として本明細書に組み込まれる)を参照して、かつ商標名PleurXとしてCareFusion(San Diego, CA)から販売される市販の製品を参照することによってより深く理解され得る。そのような方法を提供するために有用であり得る別の構造が、DeVries et al.の米国特許出願第2015/0174375号(参照することによって全体として本明細書に組み込まれる)に開示され、商標名PleurXとしてCareFusion(San Diego, CA)から販売される市販の製品を参照する。
【0017】
加えて、上記に説明される排液機能を実施し得るだけではなく、本デバイスの侵襲性を実質的に増加させることなく薬物を体腔に送達し得る単一の留置カテーテルを提供することが、有利であろう。
図2は、順次または同時を含む、排液機能および注液機能のうちの一方または両方を提供する、体幹腔に留置するように構成され得る、カテーテル200として描写される二重管腔留置カテーテルのある実施形態を示す。カテーテル200は、薬剤を投与し、流体(すなわち、薬物および浸出物)を排出するための長期間の胸膜アクセスのためのシリコーン多重管腔カテーテルであってもよい。カテーテル200は、患者が、在宅で排液および薬物投与を実施することを可能にし、および/または患者への最小限の不便を伴う経時的な複数の処置を可能にし得る。本デバイスは、とりわけ、肺線維症および悪性中皮腫、および肺転移を伴う癌を含む、悪性または良性の状態のための療法を送達するために使用されることができる。
【0018】
カテーテル200は、2つの管腔、すなわち、第1の管腔202と、第2の管腔204とを伴って描写される。第1の管腔202および第2の管腔204は、少なくとも、分岐長206および二重部分214の長手方向部分を通して長手方向に延在してもよい。第1の管腔202および第2の管腔204は、特定の機能のために構成されてもよい。例えば、第1の管腔202は、主に、ある物質(例えば、胸膜癒着に効果をもたらす薬剤または癌を治療するための薬剤)の、患者の身体内の標的面積への送達のために構成されてもよい一方、第2の管腔204は、主に、排液手技のために構成されてもよい。示されていないが、2つを上回る管腔が含まれ得ることが考えられる。(二重実施形態における)2つの管腔は、最も好ましくは、それらの個別の長さ全体にわたって平行であり、任意の長手方向部分に沿って同軸ではないが、一方または両方が、非円形の断面を有し、他方を部分的に囲繞してもよい。しかしながら、1つの好ましい実施形態は、それぞれ、円形の断面を有し、相互および二重部分の長手方向の中心軸に対して平行である、二重部分に沿った2つの管腔を含む。
【0019】
カテーテル200の近位端は、第1の管部208および第2の管部210を伴う分岐長206を含んでもよい。示されるように、第1の管腔202は、第1の管部208を通して延在してもよく、第2の管腔204は、第2の管部210を通して延在してもよい。少なくとも1つの例示的実施形態では、第1の管部208および第2の管部210は、長さ約4インチであってもよい(但し、任意の好適な長さもまた、使用され得る)。第1の管部208および第2の管部210の長さは、ほぼ同一または異なるものであってもよい。第1の管部208および第2の管部210は、接合部212で継合してもよい。患者に快適性を提供する可撓性シリコーンから作製され得る二重部分214は、接合部212から遠位に延在してもよく、それを通して長手方向に延在する2つの管腔202、204を含んでもよい。二重部分214は、2つの管腔202、204の少なくとも一部の側壁を実質的に画定する2つの内径表面を伴う、可撓性管様の構造であってもよい。カテーテル200の二重部分214は、任意の好適な長さ(少なくとも1つの例示的実施形態では、約16インチ等)を有してもよい。二重部分214の遠位長220は、患者の身体の中に一時的または恒久的に(例えば、非限定的な例示的実施形態では、約6~8週間の時間周期にわたって)設置されるように構成されてもよい。本明細書では、遠位長220は、患者の身体の中への進入のために設計される二重部分214の長さであってもよい一方、いわゆる、近位長は、概して、患者の身体の外部に留まるカテーテル200の長さ(二重部分214の長さと、分岐長206とを両方含む)であってもよい。
【0020】
第1の管部208および/または第2の管部210は、弁(またはポート)216、218と関連付けられてもよい。弁216、218が、それらの関連付けられる管腔の特定の機能のために構成され得ることが考えられる。例えば、第1の管部208は、薬剤または別の物質の送達のために構成され得る第1の弁216を含んでもよい。例示的弁は、CareFusion(San Diego, CA)によって販売されるTexiumおよびSmartsite弁を含む。第1の弁216は、例えば、シリンジ、加圧注入器、ポンプ、または注入のための任意の他の適切な手段等の好適な注液システムと関連付けられてもよい。第1の弁216が、医療従事者によってのみおよび/または概して医療施設においてのみ利用可能である対応する機器を用いてのみ動作可能(すなわち、開放可能)であるように設計され得ることが考えられ、これは、患者による、意図しないかつ不適切なアクセスを防止し得る。
【0021】
第2の管部210は、排液手技のために構成され得る、第2の弁218を含んでもよい。例示的な第2の弁218は、CareFusionによって商標名PleurXとして販売される弁であってもよく、真空瓶、他の吸引デバイス、排液バッグ、または同等物等の排液機器との併用のために設計されてもよい。第2の弁218が、医療従事者の存在を伴わず、患者によって動作可能であり得ると考えられる。有利には、第1の弁216と、第2の弁218とを有する、カテーテル200の説明される実施形態は、(1)医療従事者が、意図せずまたは不適切に第1の管腔202にアクセスする患者のリスクを伴わず、第1の管腔202を用いて必要に応じて患者の中に薬剤を注入し、(2)患者が、医療従事者の存在を伴わず、排液目的のために第2の管腔204にアクセスするための能力を同時に提供してもよい。弁216、218および/または管部208、210は、識別を容易にするために個々にマーキングされてもよい。
【0022】
カフ要素222が、遠位長220の近位端に位置してもよい。カフ要素222は、二重部分214の外部表面上に提供されてもよい。取り付けられると、少なくともカフ要素222の外径表面は、カテーテル200が身体に進入する場所またはその近傍における皮膚または他の組織(切開部の組織表面等)に接触し得る。いくつかの実施形態では、例えば、カフ要素222は、切開部を約1cm通過するように身体の中に埋設されてもよく、カフ要素222が、身体の外側に暴露されない場合があることが考えられる。カフ要素222は、組織の内方成長を促進することを可能にするようにテクスチャ加工または別様に構成されてもよい。経時的に、患者の皮膚または他の組織が、カフ要素222に固着され得、カフ要素222は、患者の身体の内部と外部との間にシールを提供し、それによって、感染および他の医学的合併症のリスクを低減させ得る。言い換えると、カフ要素222は、その天然表皮障壁の統合部分として、患者の皮膚の残部に連続および隣接するシールされる障壁の一部となり得る。カフ要素222は、Dacronまたは別の好適な材料から作製されてもよい。カフ要素222は、組織の内方成長との組み合わせにおいてまたはその代替物として使用されることになる、取付/シールのための接着剤または別の好適な手段を組み込んでもよい。カフに直接隣接する場所が、Krueger et al.の米国特許出願第15/169,410号(参照することによって全体として本明細書に組み込まれる)に説明されるような、患者の身体の中への微生物の定着およびそれに向かった移動を阻止し得る、マイクロテクスチャ加工された表面を含み得ることが考えられる。
【0023】
二重部分214は、体幹腔における展開に好適である可撓性および生体適合性材料から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、二重部分214は、少なくともカテーテル200の遠位端を患者の身体内の標的場所に誘導するように構成される形状記憶材料を含んでもよい。形状記憶材料は、それに対して形状記憶が課されながら、可撓性を可能にし得る、任意の適切な金属またはポリマー材料を含んでもよい。例えば、種々のニチノールおよび他の記憶金属化合物が、医療用デバイス分野において周知であり、一般的に使用されている。他の材料もまた、異なる形状への撓曲の後、ある形状(機械的、温度、および/または他の手段によって課される)を受け、それにデフォルトとして戻ることができる。記憶構成が、温度、制約からの解放に基づいて、および/または能動的手段によってとられ得る。二重部分214は、加えて、または代替として、蛍光透視法、超音波、磁気共鳴映像法、およびコンピュータ断層撮影、または別の好適な技術のうちの少なくとも1つによって患者の身体内で可視化可能であるように構成される、1つ以上の可視化マーカ215を含んでもよい。可視化マーカは、例えば、カテーテル200の展開の間、医療関係者を補助し得る。
【0024】
管腔202、204は、任意の好適な断面サイズを有してもよい。例えば、管腔202、204が円形の断面(
図3参照)を有するとき、管腔202、204の直径は、約0.030~約0.300インチ等、約0.005インチ~約1インチであってもよい。
図3によって最も詳細に示されるように、第1の管腔202および第2の管腔204は、異なる断面寸法を有してもよい。例えば、第1の管腔202の直径は、比較的に精密な注液手技に好適な直径(約0.050インチの直径等)であってもよく、第2の管腔204の直径は、比較的にあまり精密ではない排液手技の実施に好適(約0.100インチ等)であってもよい。第2の管腔204の直径(または他の断面寸法)は、第1の管腔202の直径(または他の断面寸法)より約1.5倍大きい、約2倍大きい、約3倍大きい、約4倍大きい等であってもよい。一例示的実施形態では、第1の管腔202の直径は、約0.044インチであってもよく(かつ第1の管腔202を形成する管の外径は、約0.063インチであってもよい)、第2の管腔204の直径は、約0.095インチであってもよく(かつ第2の管腔204を形成する管の外径は、約0.200インチであってもよい)、これは、ある医療用用途において、望ましい流率および壁厚を提供し得る。
【0025】
図4は、接合部212のある実施形態を詳細に示す。接合部212は、分岐長206および/または二重部分214を形成する管類からの別個の構成要素であってもよい(例えば、それは、第1の管部208、第2の管部210、および/または二重部分214から別個に形成され、次いで、それに取り付けられる構成要素であってもよい)。いくつかの実施形態では、二重部分214は、単に、2つの管が接点(接着剤の使用を通した、溶解を通した等の)(
図2参照)において相互に接続される点であってもよい。接合部212および/または二重部分214は、示されるように、断面において卵形であってもよいが、これは、要求されていない。しかしながら、2つの管腔202、204が提供されるとき、卵形断面を使用することは、比較的に小さい表面積および比較的に平滑かつ連続的な外周形状に起因して、有利であり得る。示されていないが、接合部は、バリウムストライプ等の視覚インジケータを含んでもよい。
【0026】
図5を参照すると、いくつかの実施形態では、二重部分214は、示されるように、ピンチ弁226を含み得る導入器224を通して指向されるように定寸または別様に構成されてもよい。例えば、二重部分214の外周は、商業的に入手可能な導入器224のチャネル内に嵌合するように構成(例えば、定寸)されてもよい。有利には、弁付き導入器224が、管腔202、204の両方を同時に制御してもよく、これは、例えば、医療機能が管腔202、204の同期化された機能を要求するとき、望ましくあり得る。導入器224は、導入されたデバイスを円周方向に包含する導入器の後続の除去が後に続く、体壁または他の構造を通した管状デバイスの導入のための、当技術分野においてすでに公知である任意のタイプの商業的に入手可能な分割可能導入器として構成されてもよい。
【0027】
図6は、少なくとも1つの管腔の側壁を通した穿孔326を伴う、二重管腔留置カテーテル300の遠位端の4つの実施形態の底面図を示す。穿孔326が、注液管腔(例えば、
図1-
図2の第1の管腔202)および/または排液管腔(例えば、
図1-
図2の第2の管腔204)等、カテーテル300の1つ以上の管腔のための入口および/または出口としての役割を果たし得る。いくつかの実施形態では、穿孔326は、入口または出口のみの役割を果たし得るが、他の実施形態では、開口部が、(例えば、
図2に示されるような)カテーテル300の遠位終端328に提供されてもよい。
図6の実施形態Aに示されるように、穿孔326は、カテーテル300の遠位端の長さに沿っておおよその一貫性を伴って離間されてもよい。また、描写されるように、穿孔326は、断面において円形ではなく楕円形であってもよいが、本開示では、特定の形状は、要求されない。穿孔はそれぞれ、示されるように、ほぼ同一のサイズであってもよい。穿孔はまた、それらを事実上、入口または出口の機能性のために一方向性にする、弁タイプ構成を有してもよい。
【0028】
カテーテル400は、実施形態Bによって描写されるように、等しくない間隔を伴う穿孔426を有してもよい。例えば、示されるように、穿孔426のそれぞれの間の間隔は、遠位終端428に近接するほど減少してもよい。有利には、本実施形態は、穿孔426が注液管腔と関連付けられるとき、薬剤の比較的に均一な分布を提供し得る。本実施形態の有利な特性が、
図7に関して下記により詳細に議論される。
【0029】
実施形態Cを参照すると、2つ以上の穿孔526のサイズが、カテーテル500の長さに沿って変動してもよい。例えば、示されるように、穿孔526のサイズは、遠位終端528に近接するほど増加してもよい。実施形態Bにおけるものと同様に、本実施形態は、穿孔526が注液管腔と関連付けられるとき、薬剤の比較的に均一な分布を提供し得、これは、
図7に関して下記により詳細に説明される。
【0030】
図6の実施形態Dによって表されるように、カテーテル600が、ノズルとして作用する断面形状を伴う穿孔626を有してもよい。有利には、ノズル様穿孔626は、薬剤または他の物質を、比較的に高速で患者の身体の中に注入し得、薬剤の流動を、精密に患者の身体内の標的場所上に集束させ得る。ノズル様穿孔626は、任意の好適な形状およびサイズであってもよい。さらに、本明細書に説明される2つ以上の形状、サイズ、および間隔特性が、任意の好適な様式で組み合わせられ、特定の機能のためにカテーテル600を最適化することができる。
【0031】
図7は、カテーテル700の第1の管腔702によって患者の身体の中に注入される際のある薬剤(例えば、薬または他の物質)の流動の図を示す。第1の管腔702を通して分注可能である薬剤は、硬化症誘発剤、治療薬、化学療法剤、遺伝子治療剤、および/または他の材料を含み得る。薬剤は、液体、溶液、懸濁液、ゲル、ペースト、またはその任意の組み合わせとして構成されてもよく、泡の形成および/または類似手段による発散によって、体腔を通した散乱を補助するように構成される発泡性材料(例えば、温度、液体接触、または他の手段によって活性化され得る、重炭酸ナトリウムおよびクエン酸または他の組み合わせ)を含み得る。薬剤の実施例は、タルク、硝酸銀、ブレオマイシン、および/または他の硬化症誘発剤を含み得る。加えて、または代替として、薬の実施例は、化学療法剤、抗生物質、小房形成分解化合物(例えば、組織プラスミノーゲン活性化因子、すなわち、tPA)、および/または他の材料を含み得る。体液(例えば、患者自身の血液、免疫療法または他の生物学的薬剤)は、本開示の方法および/または装置を用いて治療されている胸水または他の状態の治療処置を提供または向上させるために効果的であり得、したがって、本明細書では薬剤と見なされ得る。
【0032】
カテーテル700は、穿孔726を伴う第1の管腔702と、第2の管腔(これもまた、示されていない穿孔を含み得る)を含んでもよい。穿孔726はそれぞれ、ほぼ同一のサイズであってもよく、穿孔726のそれぞれの間の間隔もまた、ほぼ同一であってもよい。示されるように、流体730が管腔702を通して遠位に移動する際の流体流の物理特性に起因して、流体730は、(1)摩擦関連の圧力降下および(2)各出口(すなわち、各穿孔726)における管腔702から外への流率に対応する圧力の損失に起因する総圧力損失を被り得る。故に、流体730の注入圧力(本明細書では、穿孔726から放出する直前の管腔702内の流体730の圧力として定義される)は、各遠位に連続する穿孔726に対して減少するであろう。結果として、流体は、各遠位に連続する穿孔726に対して減少する流率で患者の中に注入され得る。本実施形態は、患者の身体内の異なる場所において薬剤の流率を変動させることが所望される場合、有利であり得る。
【0033】
図8は、第1および第2の管腔802、804を伴うカテーテル800の第2の実施形態による注液手技の図を示す。カテーテル800は、
図7のカテーテル700に類似するが、遠位方向に対して穿孔826の間の減少する間隔を伴う特徴を有するものとして描写される。本実施形態では、薬剤830の注入圧力は、薬剤830が比較的に均一に解放される(すなわち、穿孔826のそれぞれから外への流率は、あまり変動しない)ように、カテーテル800の長さに沿ってより一貫し得る。有利には、本実施形態は、患者の身体内の処置部位に、薬剤のより一貫した適用を提供し得る。
【0034】
図9は、(例えば、
図6の実施形態Cによって示されるような)カテーテルの各遠位に連続する穿孔のサイズを増加させることによって達成され得る、類似する効果を示す。カテーテル900(管腔902、904を伴う)は、サイズが遠位に増加する穿孔926を含んでもよい。本実施形態では、
図8の実施形態と比較されるとき、注入圧力が、遠位に連続する穿孔に対して比較的に高量を減少させるであろうが、穿孔から外への薬剤930の流率は、(1)注入圧力、および(2)穿孔のサイズ(および形状)の両方の関数である。故に、より大きな穿孔は、より高い注入流率を提供するであろう。穿孔のそれぞれのサイズは、流率がカテーテルの長さに沿って比較的に一貫し、それによって、有利には、薬剤の均一な分布を処置部位に提供するように最適化されることができる。穿孔926が、カテーテルの長さに沿って注入流率を意図的に変動させ、薬物の分布を制御された様式で変動させるように設計され得ることが考えられる。
【0035】
サイズおよび間隔および形状のバリエーションに関連する特性が、分離されて図示されているが、カテーテルは、注入される薬剤の望ましい分布を達成するために、種々のサイズと、種々の間隔との組み合わせを伴う穿孔を有してもよい。加えて、カテーテルの1つを上回る管腔は、穿孔に関連するこれらの説明される特性を組み込んでもよい。例えば、
図2のカテーテル200を参照すると、第1の管腔202および第2の管腔204のうちの一方または両方は、それらの間で異なるサイズと、異なる間隔とを有する穿孔を組み込んでもよい。
【0036】
さらに、
図10の実施形態によって描写されるように、カテーテル1000は、カテーテル1000の長手方向に対してオフセットされた穿孔1026、1027を含んでもよい。本特徴は、上記に説明される他の穿孔関連の特性のうちのいずれかと組み合わせられてもよい。有利には、薬剤は、半径方向に対して一貫して注入され、薬剤の分布をさらに向上させてもよい。本明細書に説明される穿孔関連の特性の利点は、主に、物質を注入することを参照して説明されるが、それらの同一の利点(または類似する利点)もまた、排液手技に対して適用されてもよい。
【0037】
上記に説明される穿孔に加えて、またはそれの代替として、カテーテルの1つ以上の管腔は、注入される薬剤(および/または排液)の特定の分布のために構成される遠位端を含んでもよい。
図11の実施形態Eを参照すると、遠位端1132は、薬剤または他の物質を高速で、かつ長手方向への高い集束を伴って注入するためのノズルとして作用するように構成される、テーパ状先端を含んでもよい。実施形態Bによって示されるように、遠位端1232は、先端1234がそれぞれ、薬剤が多くの異なる方向に注入されるように少なくとも1つの出口を含む、複数の先端1234を含んでもよい。先端1234が、可撓性であってもよく、そしてそれらが、例えば、カテーテルの展開の間、除去可能なシース(図示せず)によって保護され得ることが考えられる。複数の出口を伴うバルーン先端1334が、実施形態Cによって示されるように、遠位端1332上に含まれてもよい。バルーン先端1334は、カテーテルの少なくとも1つの管腔と流体連通してもよく、圧力下にあるとき(例えば、注入圧力が存在するとき)、膨張してもよい。
【0038】
図12は、
図2のカテーテル200に類似する二重管腔留置カテーテルであるが、ポート1450を伴い得る、カテーテル1400のある実施形態を示す。ポート1450は、それを通して注入され得る隔膜または他の膜を用いて患者の皮膚の真下に展開される医療器具であってもよい。隔膜は、針が皮膚および隔膜を穿通し、ポート1450の空洞にアクセスし得るように、患者の皮膚の表面近傍に位置してもよい。ポート1450の空洞は、ポート1450が医療従事者とカテーテル1400の注液管腔との間に界面を提供するように、カテーテル1400の注液管腔と流体連通してもよい。カテーテル1400の注液管腔は、上記に詳細に説明されるように、注入される薬剤または他の物質を、ポート1450から患者の身体内の標的場所に指向してもよい。カフ要素1422は、示されるように、接合部1412の近位に含まれてもよい。カフ要素1422が、接合部1412の遠位であり得ることもまた、考えられる。ポートを伴う実施形態が、下記により詳細に説明される。
【0039】
図13は、第1の遠位管部1540および第2の遠位管部1542として描写される、分離された遠位管部を有する分岐遠位長を伴う、カテーテル1500の遠位端を示す。遠位管部は、可撓性シリコーンから形成され、患者快適性を提供し得、いくつかの実施形態では、体腔の具体的な面積への展開のために形状記憶材料を含んでもよい。第1の遠位管部1540および第2の遠位管部1542は、二重部分1514から延在してもよい。注液管腔であり得る第1の管腔1502は、二重部分1514および第1の遠位管部1540を通して延在してもよい。同様に、排液管腔であり得る第2の管腔1504は、二重部分1514および第2の遠位管部1542を通して延在してもよい。
図13の描写される分岐遠位長は、本明細書に開示される実施形態のうちのいずれかと組み合わせられてもよい。
【0040】
例えば、
図14は、第1の遠位管部1640と、第2の遠位管部1642とを伴う分岐遠位長を有する、カテーテル1600を示す。分岐遠位長は、肺1662を囲繞する胸膜腔1660等の体腔内での展開のために構成されてもよい。カテーテル1600はまた、第1の近位管部1608と、第2の近位管部1610とを伴う分岐近位長を有する。第1の近位管部1608は、第1の近位管部1608から、二重部分1614を通して、第1の遠位管部1640まで延在し得る、第1の管腔を含んでもよい。第1の管腔は、上記に説明されるものに類似する注液管腔であってもよく、第1の遠位管部1640は、注入される薬剤の特定の分布を提供するための穿孔を伴う遠位端(例えば、
図7-10の穿孔および/または
図11の端部特徴)を含んでもよい。第1の弁1616は、第1の管腔へのアクセスを提供してもよい。第2の管腔は、上記に説明されるものに類似する排液管腔であってもよく、第2の遠位管部1642は、排液のために構成される穿孔および/または他の端部特徴を含んでもよい。第1の弁1616と異なる弁であり得る第2の弁1618は、第2の管腔へのアクセスを提供してもよい。カフ要素1622は、上記に説明されるように、二重部分1614(または別の部分)上に含まれてもよく、組織の内方成長を促進するために構成されてもよい。
【0041】
図14の実施形態は、体腔を通して流体を循環させる洗浄プロセスを提供するために有利であり得る。例えば、流体薬剤または他の流体は、第1の弁1616を通して、第1の近位管部1608における注液管腔の中に注入されてもよい。流体は、カテーテル1600の注液管腔を通して、それが描写される胸膜腔1660の中に注入される、第1の遠位管部1640の遠位端まで進行してもよい。第1の遠位管部1640は、取付の間、第2の遠位管部1642に対して比較的に高い場所に位置するように、胸膜腔において誘導されてもよい。したがって、流体は、少なくとも部分的に、引力の力によって、胸膜腔1660を通して、それぞれ、より低い場所に引動されてもよい(その途中にある肺1662と接触および/またはそれを通して進行する)。第2の遠位管部1642は、胸膜腔1660から流体を排出かつ除去するために、その比較的により低い場所に位置してもよい。第2の遠位管部1642の排液管腔が、流体の流動を促進するために吸引力を提供し得ることが考えられる。流体は、次いで、排液管腔を通して引動され、第2の弁1618を通して、第2の近位管部1610におけるカテーテル1600から退出してもよい。(
図2を参照して)上記により詳細に説明されるように、第1および第2の弁は、それらの特定の機能(例えば、排液または注液)のために構成される、異なる弁モデルであってもよい。
【0042】
図15は、
図14のカテーテル1600に類似するが、ポート1750を含む、カテーテル1700のある実施形態を示す。ポート1750は、患者の皮膚の外部表面1764の真下に位置してもよく、医療従事者とカテーテル1700の管腔(例えば、注液管腔)との間に界面を提供してもよい。ポート1750は、注液管腔と関連付けられる第1の近位管部1708上に位置してもよい。針または他のデバイス(図示せず)が、皮膚およびポート1750の隔膜を穿通し、次いで、第1の遠位管部1740の遠位端に流動し得る流体をポート1750の中に注入するために使用されてもよい。流体は、次いで、体腔を通して移動し、第2の遠位管部1742を通して排出され、弁1718を通してカテーテル1700から外に戻るように循環されてもよい。
【0043】
本実施形態は、近位管部(この場合、第1の近位管部1708)のうちの少なくとも1つを隠すために有利であり得る。さらに、それは、第1の近位管部1708が第2の近位管部1710と混同されないことを確実にし得、および/または第1の近位管部1708の注液管腔が患者に比較的にアクセス不可能なままであることを確実にし得る。第2の近位管部1710は、患者にアクセス可能なままであり得、医療従事者、患者、または別の人によって洗浄プロセスと別個である排液手技を実施するために分離されて使用されてもよい。ポート1750が、洗浄プロセスと別個である注液手技の間に利用され得ることもまた、考えられる。
【0044】
二重管腔カテーテル1800の別の実施形態が、
図16に示される。カテーテル1800は、
図14-15のカテーテル1600、1700に類似してもよいが、循環ポンプ1852を含んでもよい。循環ポンプ1852は、カテーテル1800の排液管腔から洗浄流体を受容し、次いで、その流体を注液管腔を通して体腔に戻すように循環させてもよい。本実施形態は、薬剤を体腔の特定の面積を通して複数回数循環させることが望ましい場合、有利であり得る。さらに、カテーテル1800を通して循環される流体は、薬剤の好適な濃度を伴う、薬剤と、体液または生理食塩水との好適な混合物であってもよい。循環ポンプ1852が、適切な数の洗浄処置が実施されるように、かつ各洗浄処置が適切な量の時間にわたって実施されるように、自動的にオンおよびオフにするようにプログラムされ得ることが考えられる。循環ポンプは、随意に、種々の透析機等において使用される、非常に選択的なフィルタに至る濾過要素、すなわち、所定の物質を、流体および/または流体媒介混合物から除去、置換、またはそれを流体および/または流体媒介混合物に添加するように構成される、物理的および/または化学的に選択的な結合要素および/または他の要素を含んでもよい。循環ポンプ1852が、患者および/または医療従事者によって制御され得ることが考えられる。いくつかの実施形態では、循環ポンプ1852は、ポンプコントローラにフィードバックを提供するセンサと関連付けられてもよい。
【0045】
本明細書において、二重管腔留置カテーテルの実施形態が、主に、胸膜腔内での動作を意図されたものとして説明されるが、本開示は、他の体腔と関連付けられるカテーテルもまた、網羅する。2つの非限定的な実施例が、
図17A-17Bに示される。
図17Aを参照すると、カテーテル1900は、腹腔1966内に展開されてもよい。上記に説明される他の実施形態の多くと同様に、カテーテル1900は、主に、流体(例えば、薬剤)の注入のために構成される第1の遠位管部1940と、主に、排液のために構成される第2の遠位管部1942とを含んでもよい。カテーテル1900は、患者の皮膚の下に留まるポート1950を伴う第1の近位管部1908と、展開されると、患者の身体から外部に延在する第2の近位管部1910とを含んでもよい。カフ要素1922は、示されるように、第2の近位管部1910上に位置してもよい。
【0046】
図17Bを参照すると、二重管腔カテーテル2000は、臓器2068(例えば、膀胱)と関連付けられてもよい。カテーテル2000は、例えば、それぞれ、注液および排液のために構成され、それぞれ、注液管腔2002および排液管腔2004と関連付けられる、第1および第2の近位管部2008および2010を伴う分岐長を有してもよい。二重部分2014が、近位管部から遠位に、シール要素2022まで、そしてそれを越えて、臓器2068の中に延在してもよい。シールが、二重部分2014が臓器2068に進入するところに作成され得ることが考えられる。例えば、臓器2068が膀胱であるとき、膀胱内からの流体が、患者の身体の他の面積に漏出しないように、膀胱または他の臓器2068の進入場所に、第2のおよび/またはさらに複数のシール要素を提供する必要があり得る。カテーテル2000は、分岐遠位端を伴わない状態で描写されているが、これは、要求されていない。示されるように、注入される流体は、同時の(または順次の(本実施形態および他の実施形態では))注液管腔2002を通した注液および排液管腔200を通した排液によって、臓器2068を通して循環されてもよい。
【0047】
図18は、分離可能または分割可能である管部を伴う、二重管腔留置カテーテルのある実施形態を示す。
図18を参照すると、カテーテル2100は、近位分岐長2106と、遠位分岐長2107と、その間の二重部分2114とを含んでもよい。カテーテル2100の二重部分2114は、分離可能または分割可能である、第1の管腔2102と、第2の管腔2104とを有してもよい。例えば、第1の管腔2102および第2の管腔2104は、それらが医療従事者によって引き離され得るように、比較的に弱い接続を介して接続されてもよい。これが二重部分2114の近位端において生じると、近位分岐長2106の長さが、増加し得、二重部分2114の長さが、減少し得る。同様に、これが遠位端において生じると、分岐遠位分岐長2107が、増加し得、二重部分2114の長さが、減少し得る。有利には、カテーテル2100は、したがって、特定の患者における特定の医療手技に対して調節可能である寸法を有してもよい。例えば、
図18のカテーテル2100は、製造施設においてではなく、展開の直前に医療従事者によって修正されてもよい。
【0048】
さらに、
図18によって描写されるように、近位分岐長2106の分岐管部は、異なる長さを有してもよい(同様に、遠位分岐長2107の管部の長さもまた、異なってもよい)。これらの管部の長さは、ある条件および機能のために最適化されてもよい。例えば、管部が、皮膚の下に留まり得るポートと関連付けられると、それは、患者の身体から外部に延在するであろう管部に対して短くてもよい。同様に、体腔内の比較的に遠隔の場所まで延在しなければならない管部は、内部の管部と比較されるとき、比較的に長くてもよい。管部の長さは、カテーテル2100の製造の間に形成されてもよい。医療従事者が、カテーテル2100の展開(管部のある長さへの切断の後、弁および/またはポート等のある構成要素を取り付けることを要求し得る)の前またはその間に管部のうちの1つ以上のものを適切な長さに切断するための能力を有し得ることもまた、考えられる。
【0049】
注液および/または排液手技の間、薬物の望ましい分布を提供するために、種々の作用が、使用されてもよい。例えば、本明細書に開示されるカテーテルの内部部分が、注入の間、振動または別様に移動するように構成されてもよく、および/またはデバイスが、患者の身体を振動させる(例えば、振動椅子)ように利用され得ることが考えられる。加えて、または代替として、注液管腔に接続されるポンプが、脈動注入圧力および/または脈動し得る排液管腔と関連付けられる真空力を提供してもよい。注入は、長い時間周期にわたって連続的であってもよく、またはそうでなくてもよい。いくつかの状況において、薬剤または他の流体の綿密な量を送達(および/または排出)するように設計される、単回使用のディスポーザブルポンプを使用することは、有利であり得る。ある薬物が、数分、数時間、または数日にわたって注入され、後の排液が続いてもよい(または、代替として、排液が、注液の間またはさらにその前に生じることができる)。さらに、異なる薬物タイプが、特定のシーケンスで注入されてもよい。注入される薬物は、固形または液体(ヒドロゲルを含む)であってもよく、加熱または冷却されてもよい。センサが、留置カテーテルと関連付けられ、患者、医療従事者、および/または自動化システムにフィードバックを提供し得る、あるパラメータ(例えば、身体または排出された流体内のそのような薬物の濃度)を測定してもよい。
【0050】
本明細書に開示される実施形態は、種々の医療手技を実施するための能力を提供するために有利であり得る。例えば、本明細書に説明される二重管腔留置カテーテルは、癌治療用の化学療法薬等の薬剤を体腔の中に注入し、次いで、それが健康な組織の周囲に実質的損傷をもたらし得る前に、その同一の薬剤を除去するための能力を提供し得る。この注液は、手術を伴わずに遂行されてもよく、繰り返し可能であり得る。故に、薬剤の量が、手技を繰り返すための能力に照らして最適化され得る。開示されるデバイスが、局所的な抗生物質適用、化学的な胸膜癒着の意図的な導入、免疫療法、または生物学的療法、または流体または他の物質の導入および/または除去を伴う任意の他の好適な手技等の他の局所処置のために利用され得ることもまた、考えられる。
【0051】
当業者は、異なる実施形態のために本明細書に説明される特徴が、相互、および/または現在公知であるまたは将来開発される技術と組み合わせられながら、ここに提示される請求項の範囲内に留まり得ることを含めて、本明細書に明示的に図示されない実施形態が、本発明の範囲内で実践され得ることを理解するであろう。例えば、開示される種々の物理的構造はまた、所望される硬化効果を助長する機械的刺激を提供し得、本明細書に開示される構造および構成要素は、相互または他の特徴と組み合わせられ得る。具体的な用語が、本明細書に採用されているが、それらは、一般的および説明の意味のみにおいて使用され、限定の目的のためではない。したがって、前述の詳述される説明が、限定ではなく例証として見なされることが意図される。そして、全ての均等物を含む以下の請求項は、本発明の精神および範囲を定義することが意図されていることを理解されたい。さらに、上記に説明される利点が、必ずしも本発明の唯一の利点ではなく、必ずしも、説明される利点の全てが、本発明の各実施形態を用いて達成されるわけではないであろうことが予期される。
【手続補正書】
【提出日】2022-06-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠位長の長手方向部分を通して長手方向に延在する第1の管腔であって、前記第1の管腔は、前記遠位長の第1の内径表面によって少なくとも部分的に画定される、第1の管腔と、
前記遠位長の長手方向部分を通して長手方向に延在する第2の管腔であって、前記第2の管腔は、前記遠位長の第2の内径表面によって少なくとも部分的に画定される、第2の管腔と、を備える遠位部分と、
前記第1の管腔と、前記第2の管腔とを備える近位部分と、
前記遠位部分と前記近位部分との間に設けて単一外壁を備える二重部分であって、前記単一外壁とは一つの連続する外壁が各管腔の外壁を形成していることであり、前記第1の管腔と前記第2の管腔を備え、前記第1の管腔と前記第2の管腔の両方が前記単一外壁の同じ外周によって囲まれた二重部分と、とを備えるカテーテルであって、
前記二重部分は、前記第1の管腔を備える狭い部分と、前記第2の管腔を備える広い部分とを有する非円形の断面形状を有する、カテーテル。
【請求項2】
前記近位部分は、第1の管部と、第2の管部とを有する分岐長を含み、
前記第1の管腔は、前記第1の管部を通して長手方向に延在し、
前記第2の管腔は、前記第2の管部を通して長手方向に延在する、
請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記第1の管部は、注液手技のために構成される第1の弁を含み、前記第2の管部は、排液手技のために構成される第2の弁を含む、請求項2に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記遠位部分の遠位端は、長手方向に離間される複数の穿孔を伴う前記第1の管腔を含み、前記穿孔の間の間隔は、遠位終端に近接するほど減少する、請求項1-3のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項5】
前記遠位部分の遠位端は、長手方向に離間される複数の穿孔を伴う前記第1の管腔を含み、前記穿孔の断面サイズは、遠位終端に近接するほど増加する、請求項1-4のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項6】
前記遠位部分は、第1の遠位管部と、第2の遠位管部とを有する分岐長を含み、前記第1の管腔は、前記第1の遠位管部を通して延在し、前記第2の管腔は、前記第2の遠位管部を通して延在する、請求項1-5のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項7】
前記第2の管腔の直径は、前記第1の管腔の直径の少なくとも2倍大きい、請求項1-6のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項8】
前記近位長は、注液ポートを含む第1の近位管部を含む、請求項1-7のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項9】
第1の遠位管部と第2の遠位管部を備える分岐遠位部と、
第1の近位管部と第2の近位管部を備える分岐近位部と、
前記遠位部分と前記近位部分との間に設けて単一外壁を備える二重部分と、を備えるカテーテルであって、前記単一外壁とは一つの連続する外壁が各管腔の外壁を形成していることであり、
第1の管腔が前記第1の遠位管部と、前記第1の近位管部と、前記二重部分とを通して延在し、第2の管腔が前記第2の遠位管部と、前記第2の近位管部と、前記二重部分とを通して延在し、
前記二重部分は、前記第1の管腔を備える狭い部分と、前記第2の管腔を備える広い部分とを有する非円形の断面形状を有する、カテーテル。
【請求項10】
前記第1の近位管部は、注液手技のために構成される第1の弁を含み、前記第2の近位管部は、排液手技のために構成される第2の弁を含む、請求項9に記載のカテーテル。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0051】
当業者は、異なる実施形態のために本明細書に説明される特徴が、相互、および/または現在公知であるまたは将来開発される技術と組み合わせられながら、ここに提示される請求項の範囲内に留まり得ることを含めて、本明細書に明示的に図示されない実施形態が、本発明の範囲内で実践され得ることを理解するであろう。例えば、開示される種々の物理的構造はまた、所望される硬化効果を助長する機械的刺激を提供し得、本明細書に開示される構造および構成要素は、相互または他の特徴と組み合わせられ得る。具体的な用語が、本明細書に採用されているが、それらは、一般的および説明の意味のみにおいて使用
され、限定の目的のためではない。したがって、前述の詳述される説明が、限定ではなく例証として見なされることが意図される。そして、全ての均等物を含む以下の請求項は、本発明の精神および範囲を定義することが意図されていることを理解されたい。さらに、上記に説明される利点が、必ずしも本発明の唯一の利点ではなく、必ずしも、説明される利点の全てが、本発明の各実施形態を用いて達成されるわけではないであろうことが予期される。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
カテーテルであって、前記カテーテルは、
遠位端まで延在する遠位長であって、前記遠位長は、患者の身体の空洞に留置するように構成され、前記遠位長は、
前記遠位長の長手方向部分を通して長手方向に延在する第1の管腔であって、前記第1の管腔は、前記遠位長の第1の内径表面によって少なくとも部分的に画定される、第1の管腔と、
前記遠位長の長手方向部分を通して長手方向に延在する第2の管腔であって、前記第2の管腔は、前記遠位長の第2の内径表面によって少なくとも部分的に画定される、第2の管腔と、
前記第1の管腔の側壁を通して配置される第1の穿孔であって、前記第1の穿孔は、前記第1の管腔の出口を形成する、第1の穿孔と
を備える、遠位長と、
前記第1の管腔の近位長手方向部分と、前記第2の管腔の近位長手方向部分とを含む近位長と
を備え、
カフ要素が、前記近位長の外部表面上に配置される、カテーテル。
[2] 前記近位長は、第1の管部と、第2の管部とを有する分岐長を含み、
前記第1の管腔は、前記第1の管部を通して長手方向に延在し、
前記第2の管腔は、前記第2の管部を通して長手方向に延在する、
[1]に記載のカテーテル。
[3] 前記第1の管部は、注液手技のために構成される第1の弁を含み、前記第2の管部は、排液手技のために構成される第2の弁を含む、[2]に記載のカテーテル。
[4] 前記遠位長の遠位端は、長手方向に離間される複数の穿孔を伴う前記第1の管腔を含み、前記穿孔の間の間隔は、遠位終端に近接するほど減少する、[1]または[2]に記載のカテーテル。
[5] 前記遠位長の遠位端は、長手方向に離間される複数の穿孔を伴う前記第1の管腔を含み、前記穿孔の断面サイズは、遠位終端に近接するほど増加する、[1]-[4]のいずれかに記載のカテーテル。
[6] 前記遠位長は、第1の遠位管部と、第2の遠位管部とを有する遠位分岐長を含み、前記第1の管腔は、前記第1の遠位管部を通して延在し、前記第2の管腔は、前記第2の遠位管部を通して延在する、[1]-[5]のいずれかに記載のカテーテル。
[7] 前記第2の管腔の直径は、前記第1の管腔の直径の少なくとも2倍大きい、[1]-[6]のいずれかに記載のカテーテル。
[8] 前記近位長は、注液ポートを含む第1の近位管部を含む、[1]-[7]のいずれかに記載のカテーテル。
[9] カテーテルであって、前記カテーテルは、
第1の管腔および第2の管腔と、
二重部分であって、前記二重部分の第1の内径表面は、前記第1の管腔の少なくとも一部の側壁を画定し、前記二重部分の第2の内径表面は、前記第2の管腔の少なくとも一部の側壁を画定し、前記二重部分の遠位長は、患者の身体の空洞に留置するように構成される、二重部分と、
前記二重部分の近位に位置する分岐長であって、前記分岐長は、第1の管部と、第2の管部とを含み、前記第1の管腔は、前記第1の管部を通して長手方向に延在し、前記第2の管腔は、前記第2の管部を通して長手方向に延在する、分岐長と
を備え、
前記第1の管腔は、注液管腔として構成され、前記第2の管腔は、排液管腔として構成される、カテーテル。
[10] 前記二重部分の外部表面上に配置されるカフ要素をさらに備える、[9]に記載のカテーテル。
[11] 前記第1の管部は、注液手技のために構成される第1の弁を含み、前記第2の管部は、排液手技のために構成される第2の弁を含む、[9]または[10]に記載のカテーテル。
[12] 前記二重部分の遠位端は、長手方向に離間される複数の穿孔を伴う前記第1の管腔を含み、前記穿孔の間の間隔は、遠位終端に接近するほど減少する、[9]-[11]のいずれかに記載のカテーテル。
[13] 前記二重部分の遠位端は、長手方向に離間される複数の穿孔を伴う前記第1の管腔を含み、前記穿孔の間の間隔は、遠位終端に接近するほど減少する、[9]-[12]のいずれかに記載のカテーテル。
[14] 前記第2の管腔の直径は、前記第1の管腔の直径の少なくとも2倍大きい、[9]-[13]のいずれかに記載のカテーテル。
[15] 前記二重部分の遠位に位置し、第1の遠位管部と、第2の遠位管部とを有する第2の分岐長をさらに備え、前記第1の管腔は、前記第1の遠位管部を通して長手方向に延在し、前記第2の管腔は、前記第2の遠位管部を通して長手方向に延在する、[9]-[14]のいずれかに記載のカテーテル。
[16] 前記第1の遠位管部は、前記第2の遠位管部よりも長い、[15]に記載のカテーテル。
[17] 方法であって、
遠位長を有するカテーテルを用いて排液手技を実施することであって、前記遠位長は、第1の管腔と、第2の管腔とを含み、前記排液手技は、
患者の身体の空洞内の第1の物質を前記第1の管腔の外部から第1の穿孔を通して前記第1の管腔の内部に移動させることと、
前記第1の管腔内の近位にある前記第1の物質を前記カテーテルの近位長に移動させることであって、前記カテーテルの近位長は、前記患者の身体の外側に位置する、ことと
を含む、ことと、
前記カテーテルを用いて注液手技を実施することであって、前記注液手技は、
前記第2の管腔内の遠位にある第2の物質を、前記近位長から、遠位長に移動させることであって、前記遠位長は、前記患者の身体の内側に位置する、ことと、
前記第2の物質を、前記第2の管腔の内部から、前記患者の身体内の前記第2の管腔の外部に放出することと
を含む、ことと
を含む、方法。
[18] 前記近位長は、前記カテーテルの外部表面上の前記遠位長の近位端に配置されるカフ要素を含み、前記カフ要素は、前記患者の身体の内部と外部との間に障壁を提供するように構成される、[17]に記載の方法。
[19] 前記近位長は、第1の管部と、第2の管部とを有する分岐長を含み、
前記第1の管腔は、前記第1の管部を通して長手方向に延在し、
前記第2の管腔は、前記第2の管部を通して長手方向に延在する、
[17]または[18]に記載の方法。
[20] 前記カテーテルは、前記遠位長の遠位に位置する分岐長を含み、第1の遠位管部と、第2の遠位管部とを含み、前記第1の管腔は、前記第1の遠位管部を通して長手方向に延在し、前記第2の管腔は、前記第2の遠位管部を通して長手方向に延在する、[17]-[19]のいずれかに記載の方法。
【外国語明細書】