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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022120032
(43)【公開日】2022-08-17
(54)【発明の名称】多波長ライダー設計
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/481 20060101AFI20220809BHJP
【FI】
G01S7/481 A
【審査請求】有
【請求項の数】23
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022092651
(22)【出願日】2022-06-08
(62)【分割の表示】P 2019536019の分割
【原出願日】2018-01-02
(31)【優先権主張番号】62/440,818
(32)【優先日】2016-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/477,740
(32)【優先日】2017-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】522138308
【氏名又は名称】イノビュージョン インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】ジュンウェイ・パオ
(72)【発明者】
【氏名】イミン・リー
(72)【発明者】
【氏名】ルイ・チャン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】車両の別個の場所に配置されたライダースキャナの各々が、別のライダースキャナとは実質的に異なる空間範囲を走査することを可能にする。
【解決手段】光検知測距(ライダー)の走査を可能にする方法が、車両内に配置または収容されたシステムによって実行される。この方法は、第1のレーザ信号を受け取ることを含む。第1のレーザ信号は、第1の波長を有する。この方法は、第1のレーザ信号に基づいて第2のレーザ信号を生成することをさらに含む。第2のレーザ信号は、第2の波長を有する。この方法は、第2のレーザ信号に基づいて複数の第3のレーザ信号を提供することと;複数の第3のレーザ信号のうちの対応する第3のレーザ信号を、複数のライダースキャナのうちのそれぞれのライダースキャナへ送達することとをさらに含む。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光検知測距(ライダー)の走査を可能にする方法であって、該方法は、取付け物内に配置または収容されたシステムによって実行され、該方法は:
第1のレーザ信号を受け取ることであって、第1のレーザ信号は、第1の波長を有し、該第1の波長は、第1の複数のライダースキャナによって検出可能な波長範囲内にあり、第2の複数のライダースキャナによって検出可能な波長範囲外にある、受け取ることと;
第1のレーザ信号に基づいて第2のレーザ信号を生成することであって、第2のレーザ信号は、第2の波長を有し、該第2の波長は、第1の複数のライダースキャナによって検出可能な波長範囲外にあり、第2の複数のライダースキャナによって検出可能な波長範囲内にある、生成することとを含む、前記方法。
【請求項2】
第1のレーザ信号に基づいて複数の第3のレーザ信号を提供することと;
第2のレーザ信号に基づいて複数の第4のレーザ信号を提供することと;
複数の第3のレーザ信号のうちの対応する第3のレーザ信号または複数の第4のレーザ信号のうちの対応する第4のレーザ信号を、複数のライダースキャナのうちのそれぞれのライダースキャナへ送達することとをさらに含み、ここで、ライダースキャナの各々は、車両の別個の場所に配置され、したがってライダースキャナの各々は、別のライダースキャナとは実質的に異なる空間範囲を走査することが可能になる、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1の波長は約1550nmであり、第2の波長は約775nmである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第1のレーザ信号に基づいて第2のレーザ信号を生成することは、温度制御された周期分極ニオブ酸リチウム結晶を使用する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
第1の複数のライダースキャナによって検出可能な波長範囲は、InGaAsまたはSiGe系のアバランシェフォトダイオードによって検出可能な波長範囲を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
第2の複数のライダースキャナによって検出可能な波長範囲は、シリコン系のアバランシェフォトダイオードによって検出可能な波長範囲を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
第2のレーザ信号を生成する前に、第1のレーザ信号を変調することをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
光検知測距を可能にするシステムであって:
複数の光検知測距(ライダー)スキャナであって、該ライダースキャナの各々は、取付け物の別個の場所に配置され、したがってライダースキャナの各々は、別のライダースキャナとは実質的に異なる空間範囲を走査するように構成される、ライダースキャナと;
周波数修正器とを含み、該周波数修正器は:
レーザ源によって放出される第1のレーザ信号を受け取ることであって、第1のレーザ信号は、第1の波長を有し、該第1の波長は、第1の複数のライダースキャナによって検出可能な波長範囲内にあり、第2の複数のライダースキャナによって検出可能な波長範囲外にある、受け取ることと;
第1のレーザ信号に基づいて第2のレーザ信号を生成することであって、第2のレーザ信号は、第2の波長を有し、該第2の波長は、第1の複数のライダースキャナによって検出可能な波長範囲外にあり、第2の複数のライダースキャナによって検出可能な波長範囲内にある、生成することとを行うように構成される、前記システム。
【請求項9】
周波数修正器は:
周波数修正器に光結合された第1のスプリッタであって、第1のレーザ信号に基づいて複数の第3のレーザ信号を提供するように構成された第1のスプリッタと;
周波数修正器に光結合された第2のスプリッタであって、第2のレーザ信号に基づいて複数の第4のレーザ信号を提供するように構成された第2のスプリッタとを含み;
システムは:
複数のレーザ送達チャネルをさらに含み、該レーザ送達チャネルの各々は、複数の第3または第4のレーザ信号のうちの対応する第3または第4のレーザ信号を、複数のライダースキャナのうちのそれぞれのライダースキャナへ送達するように構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
車両とともに使用され、または車両内に一体化される、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
システムが配置または一体化される取付け物は:
ロボット;
セキュリティ監視を可能にする建物であって、複数のライダースキャナが建物の複数の場所に配置される建物;または
交通監視を可能にする道路であって、複数のライダースキャナが道路の複数の交差点もしくは場所に配置される道路のうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
システム内の異なるライダースキャナによって共用されるとき修正された周波数を有する第1のレーザおよび第2のレーザの複合構成を含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
レーザ源は、タイムインタリーブ式で共用されるように構成可能である、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
レーザ源は、複数の個々のライダースキャナの暗時に基づいてタイムインタリーブされるように構成可能である、請求項8に記載のシステム。
【請求項15】
レーザ源は、外部環境による個々の各ライダースキャナの優先順位に基づいてタイムインタリーブされるように構成可能である、請求項8に記載のシステム。
【請求項16】
コンピュータ実施方法であって:
光源および光検出器を有する光検知測距(ライダー)システム内で:
光源を使用して、第1の波長の第1のパルス信号および第1の波長とは異なる第2の波長の第2のパルス信号を伝送することであって、第1のパルス信号および第2のパルス信号は、同時または連続的に伝送される、伝送することと;
光検出器を使用して、第1のパルス信号または第2のパルス信号に対応する第1の帰還パルス信号を検出することと;
第1の帰還パルス信号の波長に基づいて、帰還パルス信号が第1のパルス信号に対応するか、それとも第2のパルス信号に対応するかを判定することと;
帰還パルス信号が第1のパルス信号に対応すると判定したことに従って、帰還パルス信号を受け取ったタイミングおよび第1のパルス信号を伝送したタイミングに基づいて、第1の範囲を判定することと;
帰還パルス信号が第2のパルス信号に対応すると判定したことに従って、帰還パルス信号を受け取ったタイミングおよび第2のパルス信号を伝送したタイミングに基づいて、第2の範囲を判定することとを含む、前記方法。
【請求項17】
第1のパルス信号および第2のパルス信号は、第1の時間間隔だけ分離される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
第1のパルス信号は、第1の振幅を有し、第2のパルス信号は、第1の振幅とは異なる第2の振幅を有する、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
第1の振幅は、第2の振幅より大きい、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
光源は、第1の波長の第1の利得特性と、該第1の利得特性とは異なる第2の波長の第2の利得特性とを有するファイバをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
光源を使用して、第2の波長の第3のパルス信号および第1の波長の第4のパルス信号を伝送することであって、第3のパルス信号は、第2の時間間隔だけ第2のパルス信号から分離され、第4のパルス信号は、第2の時間間隔とは異なる第3の時間間隔だけ第1のパルス信号から分離される、伝送することと;
光検出器を使用して、第3のパルス信号または第4のパルス信号に対応する第2の帰還パルス信号を検出することと;
第2の帰還パルス信号の波長に基づいて、第2の帰還パルス信号が第3のパルス信号に対応するか、それとも第4のパルス信号に対応するかを判定することと;
帰還パルス信号が第3のパルス信号に対応すると判定したことに従って、第3の帰還パルス信号を受け取ったタイミングおよび第3のパルス信号を伝送したタイミングに基づいて、第3の範囲を判定することと;
帰還パルス信号が第4のパルス信号に対応すると判定したことに従って、第2の帰還パルス信号を受け取ったタイミングおよび第1のパルス信号を伝送したタイミングに基づいて、第4の範囲を判定することとをさらに含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項22】
第3の時間間隔は、第2の時間間隔より大きい、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
光源は、第1の波長で第1のシードパルス信号を生じさせるように構成された第1のシードと、第2の波長で第2のパルス信号を生じさせるように構成された第2のシードとを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
光検出器は、第1の検出器および第2の検出器を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
2色光学系が、第1の波長の帰還パルスを第1の検出器へ誘導し、第2の波長の帰還パルスを第2の検出器へ誘導する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
分散素子が、第1の波長の帰還パルスを第1の検出器へ誘導し、第2の波長の帰還パルスを第2の検出器へ誘導する、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
第1の検出器および第2の検出器は、レンズを共用する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
光検知測距(ライダー)システムであって:
光源と;
光検出器と;
光源および光検出器に結合されたプロセッサと;
異なる波長のパルス信号を使用して物体までの範囲を検出するようにコンピュータプログラムによって符号化されたメモリとを含み、コンピュータプログラムは:
光源を使用して、第1の波長の第1のパルス信号および第1の波長とは異なる第2の波
長の第2のパルス信号を伝送することであって、第1のパルス信号および第2のパルス信号は、同時または連続的に伝送される、伝送することと;
光検出器を使用して、第1のパルス信号または第2のパルス信号に対応する第1の帰還パルス信号を検出することと;
第1の帰還パルス信号の波長に基づいて、帰還パルス信号が第1のパルス信号に対応するか、それとも第2のパルス信号に対応するかを判定することと;
帰還パルス信号が第1のパルス信号に対応すると判定したことに従って、帰還パルス信号を受け取ったタイミングおよび第1のパルス信号を伝送したタイミングに基づいて、第1の範囲を判定することと;
帰還パルス信号が第2のパルス信号に対応すると判定したことに従って、帰還パルス信号を受け取ったタイミングおよび第2のパルス信号を伝送したタイミングに基づいて、第2の範囲を判定することとを行うようにプロセッサによって実行可能な命令を含む、前記ライダーシステム。
【請求項29】
第1のパルス信号および第2のパルス信号は、第1の時間間隔だけ分離される、請求項28に記載のライダーシステム。
【請求項30】
第1のパルス信号は、第1の振幅を有し、第2のパルス信号は、第1の振幅とは異なる第2の振幅を有する、請求項28に記載のライダーシステム。
【請求項31】
第1の振幅は、第2の振幅より大きい、請求項30に記載のライダーシステム。
【請求項32】
光源は、第1の波長の第1の利得特性と、該第1の利得特性とは異なる第2の波長の第2の利得特性とを有するファイバをさらに含む、請求項28に記載のライダーシステム。
【請求項33】
コンピュータプログラムは:
光源を使用して、第2の波長の第3のパルス信号および第1の波長の第4のパルス信号を伝送することであって、第3のパルス信号は、第2の時間間隔だけ第2のパルス信号から分離され、第4のパルス信号は、第2の時間間隔とは異なる第3の時間間隔だけ第1のパルス信号から分離される、伝送することと;
光検出器を使用して、第3のパルス信号または第4のパルス信号に対応する第2の帰還パルス信号を検出することと;
第2の帰還パルス信号の波長に基づいて、第2の帰還パルス信号が第3のパルス信号に対応するか、それとも第4のパルス信号に対応するかを判定することと;
帰還パルス信号が第3のパルス信号に対応すると判定したことに従って、第3の帰還パルス信号を受け取ったタイミングおよび第3のパルス信号を伝送したタイミングに基づいて、第3の範囲を判定することと;
帰還パルス信号が第4のパルス信号に対応すると判定したことに従って、第2の帰還パルス信号を受け取ったタイミングおよび第1のパルス信号を伝送したタイミングに基づいて、第4の範囲を判定することとを行うようにプロセッサによって実行可能な命令をさらに含む、請求項28に記載のライダーシステム。
【請求項34】
第3の時間間隔は、第2の時間間隔より大きい、請求項33に記載のライダーシステム。
【請求項35】
光源は、第1の波長で第1のシードパルス信号を生じさせるように構成された第1のシードと、第2の波長で第2のパルス信号を生じさせるように構成された第2のシードとを含む、請求項28に記載のライダーシステム。
【請求項36】
光検出器は、第1の検出器および第2の検出器を含む、請求項28に記載のライダーシ
ステム。
【請求項37】
2色光学系が、第1の波長の帰還パルスを第1の検出器へ誘導し、第2の波長の帰還パルスを第2の検出器へ誘導する、請求項36に記載のライダーシステム。
【請求項38】
分散素子が、第1の波長の帰還パルスを第1の検出器へ誘導し、第2の波長の帰還パルスを第2の検出器へ誘導する、請求項36に記載のライダーシステム。
【請求項39】
第1の検出器および第2の検出器は、レンズを共用する、請求項38に記載のライダーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、「Frequency Modified Laser For Centralized Laser Delivery System In 3d Lidar Design And Fabrication」という名称の2016年12月30日出願の米国仮特許出願第62/440,818号、および「Frequency Modified Laser For Centralized Laser Delivery System In 3d Lidar Design And Fabrication」という名称の2017年3月28日出願の米国仮特許出願第62/477,740号の優先権を主張する。あらゆる目的で、これらの出願の内容を参照によって本明細書に組み入れる。
【0002】
本開示は、一般に、レーザ走査に関し、より詳細には、光検知測距(ライダー(LiDAR))システムにおける多波長光パルスの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
ライダーシステムは、光パルスを走査して、外部環境の画像またはポイントクラウドを作成する。いくつかの典型的なライダーシステムは、光源、パルスステアリングシステム、および光検出器を含む。光源は光パルスを生成し、これらの光パルスは、ライダーシステムから伝送されるとき、パルスステアリングシステムによって特定の方向に誘導される。この伝送光パルスは、物体によって散乱され、散乱光の一部は、帰還パルスとしてライダーシステムへ帰還する。光検出器は、この帰還パルスを検出する。光パルスが伝送されてから帰還パルスを検出するために費やす時間を使用して、ライダーシステムは、伝送光パルスの経路に沿って、物体までの距離を判定することができる。異なる経路に沿って多くの光パルスを使用することによって、周辺環境の画像またはポイントクラウドが作成される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の例は、光検知測距(ライダー)の走査を可能にする方法を対象とする。この方法は、車両内に配置または収容された集中型レーザ送達システムによって実行することができる。この方法は、第1の波長を有する第1のレーザビームを受け取ることを含む。第1の波長は、複数のライダースキャナによって検出可能な波長範囲外にある。この方法はまた、第1のレーザビームに基づいて第2のレーザビームを生成することを含む。第2のレーザビームは、第2の波長を有する。第2の波長は、複数のライダースキャナによって検出可能な波長範囲内にある。この方法は、第2のレーザビームに基づいて複数の第3のレーザビームを提供することと;複数の第3のレーザビームのうちの対応する第3のレーザビームを、複数のライダースキャナのうちのそれぞれのライダースキャナへ送達することとをさらに含む。各ライダースキャナは、車両の別個の場所に配置され、したがってライダースキャナの各々は、別のライダースキャナとは実質的に異なる空間範囲を走査することが可能になる。
【0005】
いくつかの実施形態では、システムの異なる場所に位置するライダースキャナに対して、検出範囲およびリフレッシュ速度に対するシステムの構成は異なる(たとえば、大幅に異なる)ことができる。いくつかの例では、レーザシステムは、複合的に構成することができる。いくつかのライダースキャナは、第1のレーザを受け取ることができ、いくつかのライダースキャナは、周波数修正された第2のレーザを受け取ることができる。この種
類の複合型レーザシステムでは、たとえば、第1のレーザによるライダースキャナ内の検出器は、応答波長範囲が異なるために第2のレーザに関連する光に応答しまたはそれを検出することができず;同様に、第2のレーザによるライダースキャナ内の検出器は、応答波長範囲が異なるために第1のレーザに関連する光に応答しまたはそれを検出することができない。そのような種類の構成では、単一のシステム内のライダースキャナ間のクロストークを低減または最小化することができる。
【0006】
さらに、いくつかの実施形態では、第1のレーザまたは第2のレーザからのレーザパワーは、各スキャナ間で固定の割合で分散させることに加えて、タイムインタリーブ式で共用することができる。各スキャナのデューティーサイクルは、360度走査でない場合は各スキャナの暗時または異なるシナリオにおける異なる優先順位に従って判定することができる。いくつかの実施形態では、ファイバのこの固有の非線形作用のために、所定の条件(たとえば、設計仕様)を満たすのにビーム品質および/またはビーム発散が必要とされる場合、単一モードファイバのコアサイズが制限されているため、レーザのピークパワーが制限される。この状況に対応するため、いくつかの例では、光パルスを送達するときにこのパワー限界を上回らないように、システムに局所パワーブースタを追加して、スキャナ位置におけるレーザパワーを増幅させることができる。以下の説明では、一例として車両を使用するが、集中型レーザ送達システムおよび複数のライダーは、ロボット、セキュリティ監視の目的で建物の複数の場所、または交通監視のために道路の交差点もしくは特定の場所などに配置または一体化することができる。
【0007】
本技術の別の実施形態では、光源および光検出器を有する光検知測距(ライダー)システムが、光源を使用して、第1の波長の第1のパルス信号と、第1の波長とは異なる第2の波長の第2のパルス信号とを伝送する。第1のパルス信号および第2のパルス信号は、同時または連続的に伝送される。光検出器は、第1のパルス信号または第2のパルス信号に対応する第1の帰還パルス信号を検出する。ライダーシステムは、第1の帰還パルス信号の波長に基づいて、帰還パルス信号が第1のパルス信号に対応するか、それとも第2のパルス信号に対応するかを判定する。帰還パルス信号が第1のパルス信号に対応すると判定したことに従って、ライダーシステムは、帰還パルス信号を受け取ったタイミングおよび第1のパルス信号を伝送したタイミングに基づいて、第1の範囲を判定する。帰還パルス信号が第2のパルス信号に対応すると判定したことに従って、ライダーシステムは、帰還パルス信号を受け取ったタイミングおよび第2のパルス信号を伝送したタイミングに基づいて、第2の範囲を判定する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】車両内に配置または収容された例示的な集中型レーザ送達システムおよび複数のライダースキャナを示す図である。
図1B】本開示の例によって複数のライダーによる走査を可能にする例示的な集中型レーザ送達システムのブロック図である。
図2】本開示の例による例示的な周波数修正器を示す図である。
図3】本開示の例による例示的なサーキュレータを示す図である。
図4A】本開示の例による別の例示的な集中型レーザ送達システムのブロック図である。
図4B】本開示の例による別の例示的な集中型レーザ送達システムのブロック図である。
図5】車両内に配置または収容された集中型レーザ送達システムによって実行される方法に対する例示的な流れ図である。
図6】例示的なライダーシステムを示す図である。
図7】本技術のいくつかの実施形態によって多波長を使用する様々な例示的なライダーシステムを示す図である。
図8】本技術のいくつかの実施形態によって多波長を使用する様々な例示的なライダーシステムを示す図である。
図9】本技術のいくつかの実施形態によって多波長を使用する様々な例示的なライダーシステムを示す図である。
図10】本技術のいくつかの実施形態によって多波長を使用する様々な例示的なライダーシステムを示す図である。
図11】本技術のいくつかの実施形態によって多波長を使用する様々な例示的なライダーシステムを示す図である。
図12】例示的な光源を示す図である。
図13】波長範囲に対するファイバ利得プロファイルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
例についての以下の説明では、説明の一部を形成する添付の図面を参照する。添付の図面では、実施することができる特有の例が、説明の目的で示されている。開示する例の範囲から逸脱することなく、他の例も使用することができ、構造上の変更を加えることもできることを理解されたい。
【0010】
現在、車両の近傍にある物体を検出するために、単一のライダースキャナが、典型的には自律車両の屋根の中または上に配置される。ライダースキャナは回転して、車両周辺の物体を検出するようにレーザビームを向ける。単一のライダースキャナの検出範囲および分解能では、満足のいくものではないことがあり、または完全自律運転のための要件を満たさないことがある。たとえば、単一のライダースキャナは、車両に対して特定の距離をあけて位置する物体を単に検出することはできるが、分解能および検出範囲の限界のため、物体のさらなる情報(たとえば、高さ、サイズなど)を提供することはできない。したがって、多くの場合、複数のライダースキャナを有することが所望される。
【0011】
車両上で複数のライダースキャナを実施する現在の技術は、各ライダースキャナが、その独自のレーザ源および光検出器を有することを必要とすることがある。この結果、ライダースキャナの数が増大するため、システムが高価になることがあり、またパワー効率の損失を招くことがある。したがって、単一のレーザ源から複数のライダースキャナへレーザ信号を提供することができる集中型レーザ送達システムが必要とされている。光伝送では、たとえば約1550nmの波長を有するレーザ信号に対して、レーザ信号の経路指定または送達を実行することができる。約1550nmの波長を有するレーザ信号は、長距離信号伝送およびデータ変調のために光電気通信で使用されることが多い。しかし、波長1550nmのレーザ信号を検出するには、高価なInGaAsアバランシェ光検出器(APD)を必要とする。InGaAsのAPDは、ライダースキャナ内で検出器としてより頻繁に使用される典型的なシリコンAPDより低い検出感度および品質を有することがある。いくつかの例では、InGaAsのAPDは、公称動作条件下で10-14W/sqrt(Hz)の典型的な雑音等価パワーおよび約10の固有のアバランシェ利得を有する。さらに、アレイInGaAs検出器は、容易に利用可能ではない。他方では、1550nmの波長帯では、パルスファイバレーザまたはファイバ結合レーザは、良好なビーム品質(たとえば、M<1.2)を有することができ;典型的なピークパワーは、約1~5nsから調整可能なパルス幅で約2kWとすることができる。さらに、1550nmの波長帯で動作するデバイスのファイバ結合の性質は、組立てプロセスにおいて位置合わせをほとんどまたはまったく必要とせず、それによって信頼性および頑健性を強化する。
【0012】
ライダーデバイスは、典型的には、約600~1000nm、またはより具体的には約760~940nmの波長帯の範囲内で動作する。この波長帯では、Si-APDおよびダイオードレーザが使用されることが多い。Si-APDは、InGaAsのAPDより良好な検出感度および限界検出を有し;比較的安価である。たとえば、Si-APDは、
公称動作条件下で約10-15W/sqrt(Hz)の典型的な雑音等価パワーおよび約100の固有アバランシェ利得を有することができる。また、Si-APDを使用することで、線形または2D検出器アレイを容易に形成することができる。いくつかの例では、Si系検出器のスペクトルは、400nm~1100nmとすることができる。さらに、このスペクトル範囲内で動作する典型的な高出力パルスダイオードレーザは、3つまたは4つの層からなる微小スタック構造で、905nmの波長および75Wの最大ピークパワーを有することができる。典型的なレーザパルス幅は、約5~50nsである。さらに、この波長帯内で動作する典型的な高出力パルスダイオードレーザは、その非点収差の性質のため、パルスファイバレーザまたはファイバ結合レーザのものより劣るレーザビーム品質(たとえば、Mは約30)を有することがある。
【0013】
したがって、データ変調および複数のライダースキャナへのレーザ信号の送達を実行するために高品質ファイバベースのレーザによって提供される波長1550nmのレーザ信号を使用しながら、高い検出感度を得るために約760~940nmの波長で動作する高品質Si-APDを使用することができる集中型レーザ送達システムが必要とされる。ファイバベースのレーザとSi-APDを組み合わせることで、3Dライダー性能を改善することができる。3Dライダースキャナは、物体または環境を検出および分析して、距離、形状、寸法、外見(たとえば、色)などの物体のデータを収集することができる。収集されたデータを使用して、デジタル3次元モデルを構築することができる。さらに、ファイバベースのレーザ源は、位置合わせ要件を大幅に低減させ、製造効率を改善することができる。さらに、修正された波長(たとえば、2分の1波長)を有するファイバベースのレーザを、アレイシリコン検出器と組み合わせることで、従来のライダー設計における機械的走査を回避または最小化することができるフラッシュ型ライダーを構築することも可能になる。さらに、集中型レーザ送達システムは、脆弱なモジュールまたはサブシステムを制御された環境内に配置することを可能にする柔軟なシステム区画を提供する。これにより、全体的なシステム要件が低減される。たとえば、レーザ光源は、車両の客室内に取り付けることができ;センサのレーザ光ステアリング部分を、屋根の上に取り付けることができ、フロントガラスの後ろに取り付けることができ、またはバンパー内に埋め込むことができる。
【0014】
図1Aは、車両100内に配置または収容された例示的な集中型レーザ送達システム101および複数のライダースキャナを示す。図1に示すように、集中型レーザ送達システム101および複数のライダースキャナ110A~F(集合的に、ライダースキャナ110)は、車両100内に配置される。いくつかの実施形態では、集中型レーザ送達システム101は、車両100に所定の位置で配置または一体化することができる。所定の位置は、たとえば、車両の中心とすることができ、したがって複数のライダースキャナ110A~Fは、集中型レーザ送達システム101の所定の位置の周りに均一に分散されてレーザ信号を受け取る。いくつかの例では、集中型レーザ送達システム101はまた、車両100の制御回路の近傍などの好都合な位置に配置することもできる。集中型レーザ送達システム101は、車両100の任意の所望の位置に配置することができることが理解される。
【0015】
いくつかの実施形態では、集中型レーザ送達システム101は、車両100の状態に応じて、複数のライダースキャナ110A~Fのうちの1つまたはそれ以上へレーザ信号を提供することができる。たとえば、車両100は、前方へ動いていることがあり、したがって車両100の前および両側に位置する物体を検出する必要があるが、車両100の後ろに位置する物体を検出する必要はないことがある。したがって、集中型レーザ送達システム101は、ライダースキャナ110A~Eにはレーザ信号を提供するが、車両100の後ろに位置する物体を検出するように構成されたライダースキャナ110Fには提供しない。別の例として、車両100は、後方へ動いていることがあり、車両100の後ろに
位置する物体を検出する必要があることがある。したがって、集中型レーザ送達システム101は、ライダースキャナ110Fへレーザ信号を提供することができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、集中型レーザ送達システム101は、1つまたはそれ以上のチャネル112A~F(集合的に、チャネル112)を使用して、レーザ信号を提供することができる。チャネル112は、たとえば、光ファイバチャネルとすることができる。チャネル112は、柔軟性を有することができ、したがって車両100の任意のライダースキャナへレーザ信号を経路指定または送達することを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、チャネル112は、単一モードファイバおよび/または多モードファイバを含むことができる。チャネル112は、任意の所望の波長(たとえば、約1550nm)を有するレーザ信号を伝送することができる。レーザ信号は、レーザビームを使用して情報を搬送する信号である。レーザ信号は、1つまたはそれ以上のレーザパルス、光子、またはビームを含むことができる。レーザ信号は、変調されていても変調されていなくてもよい。レーザ信号はまた、任意の波長およびパワーを有することができる。
【0017】
図1Bは、本開示の例による複数のライダーによる走査を可能にする例示的な集中型レーザ送達システム101のブロック図を示す。いくつかの実施形態では、集中型レーザ送達システム101は、変調器102、周波数修正器104、スプリッタ106、および複数のアイソレータ108A~Eを含む。変調器102は、レーザ源(図示せず)からレーザ信号132を受け取ることができる。いくつかの例では、レーザ信号132は、レーザ信号を伝送するチャネルの損失または吸収を低減または最小化するために特有の波長(たとえば、1550nm)を有することができる。レーザ信号132は、たとえば、パルスファイバレーザまたはファイバ結合レーザ(たとえば、ファイバ結合出力を有する自由空間バルクレーザ)によって提供される1550nmのパルスレーザを含むことができる。変調器102は、レーザ信号132の符号化を実行することができる。たとえば、変調器102は、オンオフキーイング(OOK)変調を実行することができる。レーザ信号132の符号化はまた、擬似ランダムビットシーケンス(PRBS)コードを使用して、ライダースキャナの耐干渉性を強化することができる。さらに、スプリッタ106は、電気的に制御することができる構成可能な光アドドロップマルチプレクサ(OADM)、光スイッチ、または光方向性結合器に置き換えることができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、変調器102は、たとえば振幅変調器、位相変調器、および/または偏波変調器を含む光変調器とすることができる。いくつかの例では、変調器102は、1つまたはそれ以上のポッケルスセルと、場合により偏波器などの追加の光学素子とを含む電気光変調器とすることができる。いくつかの例では、変調器102はまた、音響光変調器または磁気光変調器とすることができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、図1Bに示すように、変調は、レーザ信号132に対する変調器102によって実行することができ、したがって変調された信号をすべてのライダースキャナに提供することができる。いくつかの実施形態では、図3に示すように、変調は、個々の各チャネルによって対応するライダースキャナへ伝送されるレーザ信号上で実行することができる。その結果、個々の各チャネル内で伝送されるレーザ信号は、異なる符号化(たとえば、異なるPRBSコードを使用)を有し、それによってライダースキャナ間の耐干渉性をさらに強化する。図3については、後により詳細に説明する。
【0020】
図1Bを再び参照すると、周波数修正器104は、レーザ信号134(変調された信号)またはレーザ信号132(変調されていない信号)を受け取り;受け取ったレーザ信号の周波数(または波長)を修正することができる。たとえば、レーザ信号134は、光電気通信に使用される典型的な波長である1550nmの波長を有することができる。いくつかの例では、周波数修正器104は、レーザ信号134の周波数を2倍にする(すなわ
ち、波長を2分の1低減させる)ことができる。したがって、レーザ信号134が約1550nmの波長を有する場合、周波数修正器104は、約775nmの波長を有するレーザ信号136を生成することができる。いくつかの例では、レーザ信号136は、約775~785nmの範囲内の波長および約1.5kWのピークパワーを有することができる。
【0021】
図2は、温度制御された周期分極ニオブ酸リチウム(periodical poled lithium niobate)(PPLN)結晶202を含むことができる例示的な周波数修正器104を示す。PPLN結晶を使用して、周波数2倍化、差周波数生成、和周波数生成、4波混合、光パラメトリック発振、および/または他の非線形プロセスなどの非線形の波長変換を実行することができる。いくつかの実施形態では、PPLN結晶の温度を変化させることで、入力光子の位相整合条件を変動させることができ、それによりPPLN結晶における分極の周期性が変わる。たとえば、PPLNの温度を特有の温度に変化させることによって、周波数修正器104は、約1550nmの波長を有する入力レーザ信号に基づいて、約775nmの波長を有するレーザ信号を生成することができる。したがって、レーザ信号の周波数は、実質上2倍になる。上述したように、波長775nmのレーザ信号は、Si-APDの約600~1000nmの検出範囲内であり、したがってSi-APD系ライダースキャナによって検出することができる。いくつかの例では、PPLN結晶を使用する周波数修正は、ライダー走査を可能にするレーザ信号を提供する目的で許容または満足できる変換効率(たとえば、約500Wのピークパワーレベルで80~90%)を有することができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、周波数修正器104は、車両100内に提供されている温度制御された環境内に配置することができる。たとえば、PPLN結晶は、炉内に収納または分離することができ、炉の温度は、所定の温度または温度範囲に制御することができる。
【0023】
図1Bを再び参照すると、スプリッタ106が、修正された波長(たとえば、約775nm)を有するレーザ信号136を受け取り、レーザ信号136に基づいて、複数のレーザ信号138A~Eを生成することができる。たとえば、図1Bに示すように、スプリッタ106は、レーザ信号136を複数のレーザ信号138A~Eに分割することができ、これらのレーザ信号は各々、それぞれのアイソレータ108A~Eへ提供される。いくつかの実施形態では、スプリッタ106は、ビームスプリッタ(たとえば、ビームスプリッティングキューブ、ダイクロイックミラープリズム、またはミラーもしくはプリズムの任意の所望の配置)などの受動デバイスを含むことができる。スプリッタ106はまた、分割されたレーザ信号の増幅または強化を提供する能動デバイスを含むことができる。
【0024】
図1Bに示すように、いくつかの実施形態では、集中型レーザ送達システム101は、1つまたはそれ以上のアイソレータ108A~E(集合的に、アイソレータ108)を含むことができる。アイソレータ108A~Eの各々は、対応するレーザ信号138A~Eを受け取ることができ、それぞれ出力レーザ信号142A~Eを提供することができる。上述したように、レーザ信号138A~Eの各々は、変調および周波数修正された信号とすることができる。いくつかの例では、アイソレータ108A~Eは、レーザ信号を1方向のみに伝送することを可能にする。たとえば、アイソレータ108Aは、レーザ信号138Aをライダースキャナ110Aへ伝送することを可能にするが、レーザ信号または光がスプリッタ106へ後方移動することを阻止することになる。したがって、アイソレータ108Aは、レーザ信号または光の散乱または反射などの望ましくないフィードバックを防止することができる。いくつかの例では、アイソレータ108は、帰還信号を検出器へ送達することを可能にすることができる。アイソレータ108は、1つまたはそれ以上の偏波依存アイソレータ、偏波非依存アイソレータ、および/または任意の他のタイプの
アイソレータを含むことができる。たとえば、偏波依存アイソレータは、入力偏波器、ファラデー回転子、および出力偏波器を含むことができる。偏波非依存アイソレータは、入力複屈折ウェッジ(birefringent wedge)、ファラデー回転子、および出力複屈折ウェッジを含むことができる。
【0025】
図1Aおよび図1Bを参照すると、いくつかの実施形態では、レーザ信号142A~Eの各々をそれぞれのライダースキャナ110A~Eへ提供し、レーザ走査を実行して車両100周辺の物体を検出することができる。レーザ信号142A~Eは、それぞれのチャネル112A~Eを使用して提供することができる。上述したように、チャネル112A~Eは、たとえば、光ファイバチャネルとすることができる。チャネル112A~Eは、柔軟性を有することができ、したがって車両100のそれぞれのライダースキャナへレーザ信号142A~Eを経路指定または送達することを可能にすることができる。いくつかの例では、チャネル112は、メートルの範囲内の長さを有することができる。いくつかの例では、ライダースキャナ110は、走査光学系(たとえば、2重振動面ミラー、ポリゴンミラー、2軸スキャナ)、光検出器(たとえば、Si-APD、SiMP)、受信器エレクトロニクス、ならびに/または位置およびナビゲーションシステムを含むことができる。車両100の周囲の物体を検出するのに所望の空間距離/角度範囲の走査を可能にするために、任意の数のアイソレータ108、ライダースキャナ110、およびチャネル112を車両100内で使用することができることが理解される。
【0026】
図1Bおよび図3を参照すると、いくつかの実施形態では、1つまたはそれ以上のサーキュレータを集中型レーザ送達システム101とともに使用することができる。たとえば、1つまたはそれ以上のサーキュレータを、アイソレータ108とライダースキャナ110との間に配置することができる。サーキュレータは、3つまたは4つのポートからなる非可逆デバイス(たとえば、導波管サーキュレータ)とすることができ、あるポートに入ったレーザ信号が、順に次のポートへ伝送される。サーキュレータのポートとは、外部チャネルまたは導波管がサーキュレータに接続する点である。
【0027】
図3を参照すると、サーキュレータ310を使用して、同軸トランシーバを構築することができる。たとえば、図3に示すように、サーキュレータ310は、入力信号312を受け取ることができ、入力信号312は、レーザ信号142(図1Bに示す)とすることができる。サーキュレータ310は、入力信号312を次のポートへ循環させ、走査信号314を伝送して、ライダースキャナの検出範囲内の物体を検出することができる。走査信号314が物体に当たった後、自由空間光学系を介して帰還信号316を収集し、サーキュレータ310の別のポートで受け取ることができ、次いでサーキュレータ310は、帰還信号316を次のポートへ循環させ、さらなる処理のために信号318を検出器へ提供する。検出器は、Si-APDまたはシリコン光電子増倍管(silicon photo multiply tube)(SiPM)検出器とすることができる。SiPM検出器は、より短い波長(たとえば、約905nmの典型的なライダー適用波長より短い波長)に対して良好な応答性を有することができ、検出感度をさらに改善するために使用することができる。
【0028】
図1Bを参照すると、コンバイナ、光増幅器、および/または高速振幅/位相変調器などの様々な他の光学構成要素もまた、集中型レーザ送達システム101および/もしくはライダースキャナ110A内に配置することができ、または集中型レーザ送達システム101および/もしくはライダースキャナ110Aとともに使用することができることが理解される。
【0029】
たとえば、特定の状況下で、走査範囲要件のために余分のレーザパワーが必要とされるとき、ライダースキャナの近くの場所(たとえば、スキャナ110A~Eのうちの1つま
たはそれ以上の場所またはその近く)に、局所パワーブースタを追加することができる。
【0030】
図4Aは、本開示の例による別の例示的な集中型レーザ送達システム401のブロック図を示す。図4Aに示すように、集中型レーザ送達システム401は、スプリッタ406、複数の変調器402A~E(集合的に、変調器402)、複数の周波数修正器404A~E(集合的に、周波数修正器404)、および複数のアイソレータ408A~E(集合的に、アイソレータ408)を含むことができる。スプリッタ406、変調器402、およびアイソレータ408は、図1Bに関連して上述したものに類似のものとすることができ、したがって繰返し説明しない。
【0031】
いくつかの実施形態では、集中型レーザ送達システム401において、変調器402および周波数修正器404の前にスプリッタ406を配置することができる。たとえば、スプリッタ406は、レーザ信号432をレーザ源(図示せず)から受け取ることができ、レーザ源は、約1550nmの波長を有することができる。レーザ信号432に基づいて、スプリッタ406は、複数のレーザ信号434A~Eを生成することができ、レーザ信号434A~Eの各々は、それぞれ変調器402A~Eへ提供される。変調器402A~Eの各々の前にスプリッタ406を配置することによって、各ライダースキャナへ提供されるレーザ信号を個々に変調することができる。たとえば、それぞれの変調器402A~Eによって生成されるレーザ信号436A~Eの各々は、異なる符号化を有することができ、各ライダースキャナには、異なる符号化を有する(たとえば、異なる擬似ランダムビットシーケンス(PRBS)コードによって符号化される)レーザ信号を提供することができる。各ライダースキャナに対するレーザ信号を個々に符号化することで、ライダースキャナの耐干渉性を強化することができる。たとえば、隣接するライダースキャナ(たとえば、図1Aに示すライダースキャナ110Aおよび110B)は、部分的に重複する走査範囲を有することがあり、したがって望ましくない帰還信号が、隣接するライダースキャナによって受け取られることがある。これらの望ましくない帰還信号は、隣接するライダースキャナに干渉することがある。各ライダースキャナに対するレーザ信号を個々に符号化することによって、望ましくない帰還信号からの干渉を低減することができる。
【0032】
図4Aを参照すると、個々に変調されたレーザ信号436A~Eは、それぞれの周波数修正器404A~Eに提供することができる。周波数修正器404A~Eは、それぞれレーザ信号438A~Eを生成することができる。レーザ信号438A~Eは、レーザ信号436A~Eの波長とは異なる波長を有することができる。たとえば、レーザ信号436A~Eは、約1550nmの波長を有することができ、レーザ信号438A~Eは、約775nmの波長を有することができる。次いで、レーザ信号438A~Eをそれぞれアイソレータ408A~Eへ提供することができ、次にそれぞれのライダースキャナへ提供することができる。図4Aで、スプリッタ406は、たとえばOADM、スイッチ、または方向性結合器とすることができる。周波数修正器404A~Eは、システムおよび局所スキャナ要件に従って、定位置で維持することができ、または除去することができる。
【0033】
集中型レーザ送達システムは、集中型レーザ送達システム101または401に示す構成に加えて、様々な異なる構成を有することができることが理解される。たとえば、図4Bは、本開示の例による別の例示的な集中型レーザ送達システム451のブロック図を示す。図4Bで、スプリッタ456および変調器452A~Eの前に、単一の周波数修正器454を配置することができる。周波数修正器454は、ファイバベースのレーザ源によって提供される1550nmのレーザ信号を受け取り、約775~785nmの波長を有するレーザ信号463を生成することができる。この構成では、必要とされる周波数修正器の数を低減させながら、それでもなお個々の各ライダースキャナへ提供される各レーザ信号で、変調を実行することができる。さらに、スプリッタ456は、たとえば、電気的に制御することができる構成可能なOADM、光スイッチ、または光方向性結合器に置き
換えることができる。
【0034】
図5は、本開示の例による光検知測距(ライダー)の走査を可能にする例示的なプロセス500を示す。ブロック502で、第1のレーザ信号が受け取られる。いくつかの例では、第1のレーザ信号は、第1の波長(たとえば、約1550nm)を有し、第1の波長は、複数のライダースキャナによって検出可能な波長範囲(たとえば、600nm~1000nm)外にある。
【0035】
ブロック504で、第1のレーザ信号に基づいて第2のレーザ信号が生成される。いくつかの例では、第2のレーザ信号は、第2の波長(たとえば、約775nm)を有し、第2の波長は、複数のライダースキャナによって検出可能な波長範囲(たとえば、約600nm~約1000nm)内にある。いくつかの例では、複数のライダースキャナによって検出可能な波長範囲(たとえば、約600nm~約1000nm)は、シリコン系アバランシェフォトダイオードによって検出可能な波長範囲を含む。いくつかの例では、第2のレーザ信号を生成する前に、第1のレーザ信号が変調される。
【0036】
ブロック506で、第2のレーザ信号に基づいて、複数の第3のレーザ信号を提供することができる。第3のレーザ信号は、スプリッタを使用して提供することができる。ブロック508で、複数の第3のレーザ信号のうちの対応する第3のレーザ信号を、複数のライダースキャナのうちのそれぞれのライダースキャナへ送達することができる。いくつかの例では、ライダースキャナの各々は、車両の別個の場所に配置され、したがってライダースキャナの各々は、別のライダースキャナとは実質的に異なる空間範囲を走査することが可能になる。
【0037】
したがって上記によれば、本開示のいくつかの例は、光検知測距(ライダー)の走査を可能にする方法を対象とし、この方法は、車両内に配置または収容されたシステムによって実行され、この方法は:第1のレーザ信号を受け取ることであって、第1のレーザ信号は、第1の波長を有し、第1の波長は、複数のライダースキャナによって検出可能な波長範囲外にある、受け取ることと;第1のレーザ信号に基づいて第2のレーザ信号を生成することであって、第2のレーザ信号は、第2の波長を有し、第2の波長は、複数のライダースキャナによって検出可能な波長範囲内にある、生成することと;第2のレーザ信号に基づいて複数の第3のレーザ信号を提供することと;複数の第3のレーザ信号のうちの対応する第3のレーザ信号を、複数のライダースキャナのうちのそれぞれのライダースキャナへ送達することとを含み、ここで、ライダースキャナの各々は、車両の別個の場所に配置され、したがってライダースキャナの各々は、別のライダースキャナとは実質的に異なる空間範囲を走査することが可能になる。
【0038】
本開示のいくつかの例は、光検知測距を可能にするシステムを対象とし、このシステムは、車両内に配置または収容され、このシステムは:複数の光検知測距(ライダー)スキャナであって、ライダースキャナの各々は、車両の別個の場所に配置され、したがってライダースキャナの各々は、別のライダースキャナとは実質的に異なる空間範囲を走査するように構成される、ライダースキャナと;レーザ源によって放出される第1のレーザ信号を受け取るように構成された周波数修正器であって、第1のレーザ信号は、第1の波長を有し、第1の波長は、複数のライダースキャナによって検出可能な波長範囲外にあり;第1のレーザ信号に基づいて第2のレーザ信号を生成するように構成され、第2のレーザ信号は、第2の波長を有し、第2の波長は、複数のライダースキャナによって検出可能な波長範囲内にある、周波数修正器と;周波数修正器に光結合されたスプリッタであって、第2のレーザ信号に基づいて複数の第3のレーザ信号を提供するように構成されたスプリッタと;複数のレーザ送達チャネルであって、レーザ送達チャネルの各々は、複数の第3のレーザ信号のうちの対応する第3のレーザ信号を、複数のライダースキャナのうちのそれ
ぞれのライダースキャナへ送達するように構成される、複数のレーザ送達チャネルとを含む。
【0039】
また、多波長光パルスを使用して、ライダーシステムで他の利点を提供することもできる。いくつかのライダーシステムは、光の飛行時間を使用して、光の経路内にある物体までの距離を判定する。たとえば、図6に対して、たとえばレーザ送達システム(たとえば、ファイバレーザなどのレーザ源)、ビームステアリングシステム(たとえば、1つまたはそれ以上のミラーからなるシステム)、および光検出器システム(たとえば、1つまたはそれ以上の光学系を有する光子検出器)を含むライダーシステム600が、システム600のライダースキャナのステアリングによって判定される経路604に沿って、光パルス602を伝送する。光パルス602が物体606に到達すると、光パルス608が経路610に沿ってシステム600へ後方反射される。伝送光パルス602がライダーシステム600を離れたときから、帰還パルス608が再びライダーシステム600に到達するときまでの時間を測定することができる(たとえば、ライダーシステム内のプロセッサまたは他のエレクトロニクスによって)。この飛行時間を光の速度の知識と組み合わせて使用して、ライダーシステム600から物体606までの距離を判定することができる。加えて、多くの光パルスを誘導して外部環境を走査し、伝送角度ならびに物体とライダーシステムとの間の判定された距離を使用して、走査範囲(視野)内に含まれた周辺の画像を精密に表すことができる(たとえば、ポイントクラウドを作成することができる)。
【0040】
この図における点密度は、パルスの数を視野で割ったものに等しい。視野は固定されていると考えると、点密度を増大させるには、ライダーシステムがより高頻度でパルスを発するべきであり、言い換えると、より高い繰返し率のレーザが必要とされる。しかし、より高頻度のパルスを送ることによって、遠い物体からの帰還信号は、システムが次のパルスを発してから受け取られ、帰還が混ざり合う可能性があるため、ライダーシステムが検出することができる最も遠い距離が制限される。比較的遠い距離に対して十分な点密度を得るため、ライダーシステムは、500kHz~1MHzの繰返し率でレーザパルスを伝送する。パルスがライダーシステムへ帰還するのに費やす時間に基づいて、ライダーシステムが検出することができる最も遠い距離は、500kHzおよび1Mhzに対して、それぞれ300メートルおよび150メートルである。500kHzの繰返し率によるライダーシステムの点密度は、1MHzの場合の2分の1である。本開示は、高い点密度を有するライダーシステムおよび遠い距離にある物体を測定する能力を実現する実際的な方法を導入する。
【0041】
図7で、ライダーシステム600は、光パルス700を経路702に沿って伝送している。物体704は、光パルス706を経路708に沿ってライダーシステム600へ後方反射する。光パルス602および700が伝送される時間が近すぎる場合、問題が生じることがある。たとえば、光パルス602後、光パルス608が再びライダーシステム600で受け取られる前に、光パルス700が伝送された場合、帰還パルスが光パルス602から来たか、それとも700から来たかを明確にする必要がある。光パルス700が光パルス602後に伝送された場合でも、物体704が物体606より近い場合、光パルス608の前に光パルス706を受け取ることがある。したがって、ライダーシステム600は、物体までの距離(および場合により、方向)が判定される前に、どの伝送光パルスが帰還パルスを担っているかを判定しなければならない。
【0042】
本技術のいくつかの実施形態では、上記の問題は、異なる波長の光を使用することによって解決される。たとえば、図7で、ライダーシステム600は、光パルス602を第1の波長で伝送し、光パルス702を第1の波長とは異なる第2の波長で伝送する。場合によっては、ライダーシステム600は、上述した周波数修正器技法を使用して、多波長を生成することができる。他の場合、ライダーシステム600は、他の技法を使用して(た
とえば、複数のレーザ源を使用して)、異なるパルスに対して異なる波長を生成することができる。伝送パルスに対して異なる波長が使用されるとき、ライダーシステム600は、受け取ったパルスの波長を使用して、対応する伝送パルスを判定することができる。帰還光パルスの波長に基づいて、どの伝送光パルスが帰還光パルスに対応するかを判定する技法について、以下に説明する。
【0043】
場合によっては、光パルス602および光パルス700は、波長(たとえば、振幅、幅など)を除いて、実質上同じ他の特性を有するが、場合によっては、他の点では、光パルスが異なることが有利である。たとえば、図8で、2つの光パルス602および800は、異なる振幅(ならびに異なる波長)を有し、したがって帰還パルス802および608もまた、異なる振幅を有する。これはたとえば、ダイナミックレンジを必要とする応用例で有用である。高振幅および低振幅のパルスが、走査位置で伝送される(たとえば、物体までの推定距離が未知のとき)。より高い振幅の光パルスは、より低い振幅の光パルスに基づく帰還パルスと比較すると、遠く離れている物体からより強い対応する帰還パルス(検出器によってより容易に検出可能)を提供する。この反対も当てはまる。より高い振幅の光パルスに基づく帰還パルスと比較すると、より低い振幅の光パルスは、より近い物体より適度な対応する帰還パルス(検出器を飽和させない)を提供する。これにより、物体が近いか、それとも遠いかにかかわらず、帰還パルスはライダーシステム600の検出器によって検出可能な信号を生じさせるが、検出器を飽和させないことを確実にすることができる。異なる振幅の2つ(またはそれ以上)の光パルスが異なる波長を使用するため、ライダーシステム600は、どの伝送光パルスがどの帰還パルスに対応するかを明快に判定することができる。
【0044】
図8に関して説明するように、異なる振幅および/または波長の光パルスは、交番したり同じ方向に伝送されたりする必要はない。代わりに、これらの光パルスは、任意の有用な走査パターンで伝送することができる。たとえば、図9A~9Bで、光パルスの振幅は、物体までの予期される範囲に基づいて選択される。具体的には、図9A(ライダーシステム600の側面図)では、伝送光パルス800、900、および902はすべて、実質上同じ振幅を有しており、光パルス602がより高い振幅で伝送される前に、順に伝送される。光パルス800、900、および902は、異なる波長を有しても同じ波長を有してもよい(ただし概して、光パルス602の波長とは異なる)。次いでライダーシステム600は、この光パルスシーケンスを(たとえば、新しい走査方向に沿って)繰り返すことができ、または異なる光パルスシーケンスを(たとえば、新しい走査方向で物体までの新しい予期される範囲に基づいて)使用することができる。図9Aの側から見ると、光パルスはすべて、経路604に沿って伝送され、光パルス906、904、802、および608は、経路610に沿って受け取られる。上から見ると、ライダーシステム600は、これらのパルスを異なる方向に向けることができる(これらのパルスは異なる物体から反射することができる)。図9B(ライダーシステム600の上面図)で、光パルス602、800、900、および902は、それぞれ経路604a、604b、604c、および604dに沿って伝送される。高い振幅の光パルス602は、物体606に当たるまでに最も長い距離を有するため、経路604aに沿って伝送される。これらのパルスは、連続的に順次伝送されているように示されているが、これに該当する必要はない。たとえば、光パルス602および800を同時に伝送することができ、したがってこれらのパルスは重複する(これは、図8に示す構成にも同様に当てはまる)。
【0045】
帰還パルスの波長は、様々な技法を使用して判定することができる。たとえば、ライダーシステムの検出器は、帰還パルスの波長に関する情報を提供することができる。図10で、ライダーシステム600は、2つの検出器およびフィルタまたはミラーなどの1つまたはそれ以上の2色光学素子を使用して帰還パルスの波長を判定する検出器システムを含む。ライダーシステム600は、光パルス1004および1006を伝送する送信器10
02を含み、光パルス1004および1006は各々、異なる波長を有する。これらの光パルスは、物体1008から反射して、ライダーシステム600へ後方移動する光パルス1010および1012を生じさせる。2色素子1014が光パルス1010の波長に対して高い透過率を有するため、光パルス1010は2色素子1014を通って移動する。これにより、検出器1016(レンズ1017の後ろ)が光パルス1010を検出し、ライダーシステム600が帰還パルスの波長を判定することが可能になる。対照的に、2色素子1014は光パルス1012の波長に対して高い反射率を有するため、2色素子1014は光パルス1012を反射する。これにより、光パルス1014を検出器1018(レンズ1019の後ろ)へ反射し、ライダーシステム600が帰還パルスの波長を判定することが可能になる。図11は、検出器1016および1018の代替の構成を示す。2色素子を使用する代わりに、分散素子1100(たとえば、プリズムまたは格子)を使用して、光パルス1010および1012をそれぞれ検出器1016および1018へ誘導する。この構成では、両方の検出器がレンズ1102を共用しており、これにより検出器システムの全体的な複雑さおよびコストを低減させることができる。場合によっては、検出器1016および1018は、同じ検出器とすることができる(たとえば、同じ検出器の異なる部分を使用する)。
【0046】
図12は、パルス送信器(たとえば、ライダーシステム600の送信器1002、図6~11参照)の一部である例示的な光源1200を示す。光源1200は、シード1202を使用して、1つまたはそれ以上の波長(たとえば、1550nm)の最初の光パルスを生成し、これらの光パルスは、ファイバ1203を介して波長分割マルチプレクサ(WDM)1204へ提供される。ポンプ1206もまた、レーザパワー(980nmなどの異なる波長)を、ファイバ1205を介してWDM1204へ提供する。WDM1204の出力は、前置増幅器1208(1つまたはそれ以上の増幅器を含む)へ提供され、前置増幅器1208は、ファイバ1209を介してその出力をコンバイナ1210へ提供する。コンバイナ1210はまた、ファイバ1211を介してポンプ1212からレーザパワーを取得し、ファイバ1213を介してブースタ増幅器1214へパルスを提供し、ブースタ増幅器1214は、ファイバ1215に出力光パルスを生じさせる。次いで、出力光パルスは、ライダーシステムの1つまたはそれ以上の反射構成要素からなるシステム(たとえば、1つもしくはそれ以上のミラーおよび/または1つもしくはそれ以上の分散光学系などの他の光学構成要素からなるシステム)によって、外部環境を走査するように向けることができる。光源1200は、光源で使用されるファイバのファイバ利得プロファイル(たとえば、図8~9に関して説明した技法で使用する)に基づいて、異なる振幅のパルスを生じさせることができる。たとえば、図13は、異なる波長を有するパルスがどのように異なる特性を有するかを示す例示的なプロファイル利得を示す。したがって、ファイバは、異なる波長の2つのパルスの応答が所望の振幅比を有するように選択することができる。
【0047】
本開示の例について、添付の図面を参照して詳細に説明したが、様々な変更および修正が当業者には明らかであることに留意されたい。そのような変更および修正は、添付の特許請求の範囲に定義する本開示の例の範囲内に含まれると理解されたい。たとえば、集中型レーザ送達システムおよび複数のライダーについて、車両内に配置されるという文脈で論じたが、集中型レーザ送達システムおよび複数のライダーはまた、ロボット、セキュリティ監視の目的で建物の複数の場所、または交通監視のために道路の交差点もしくは特定の場所など、任意の他のシステムまたはデバイス内に配置することができる。たとえば、建物内では、セキュリティ監視の目的で3Dライダー走査を提供するために、建物の所望の各場所(たとえば、正面玄関、裏口、エレベータなど)に1つまたはそれ以上のライダースキャナを配置することができる。集中型レーザ送達システムは、複数のライダースキャナへレーザ信号を提供するために、中心の場所(たとえば、建物の制御室)に配置することができる。別の例では、交通状態を監視するために、道路の各交差点に1つまたはそ
れ以上のライダースキャナを配置することができ、集中型レーザ送達システムは、複数のライダースキャナへレーザ信号を提供するために、中心の場所(たとえば、交通制御センター)に配置することができる。
【0048】
例示的な方法、非一時的コンピュータ可読記憶媒体、システム、および電子デバイスについて、以下の項目に記載する:
1.光検知測距(ライダー)の走査を可能にする方法であって、この方法は、取付け物内に配置または収容されたシステムによって実行され、この方法は:
第1のレーザ信号を受け取ることであって、第1のレーザ信号は、第1の波長を有し、第1の波長は、第1の複数のライダースキャナによって検出可能な波長範囲内にあり、第2の複数のライダースキャナによって検出可能な波長範囲外にある、受け取ることと;
第1のレーザ信号に基づいて第2のレーザ信号を生成することであって、第2のレーザ信号は、第2の波長を有し、第2の波長は、第1の複数のライダースキャナによって検出可能な波長範囲外にあり、第2の複数のライダースキャナによって検出可能な波長範囲内にある、生成することとを含む、方法。
2.第1のレーザ信号に基づいて複数の第3のレーザ信号を提供することと;
第2のレーザ信号に基づいて複数の第4のレーザ信号を提供することと;
複数の第3のレーザ信号のうちの対応する第3のレーザ信号または複数の第4のレーザ信号のうちの対応する第4のレーザ信号を、複数のライダースキャナのうちのそれぞれのライダースキャナへ送達することとをさらに含み、ここで、ライダースキャナの各々は、車両の別個の場所に配置され、したがってライダースキャナの各々は、別のライダースキャナとは実質的に異なる空間範囲を走査することが可能になる、
項目1に記載の方法。
3.第1の波長は約1550nmであり、第2の波長は約775nmである、項目1または項目2に記載の方法。
4.第1のレーザ信号に基づいて第2のレーザ信号を生成することは、温度制御された周期分極ニオブ酸リチウム結晶を使用する、項目1~3のいずれか1つに記載の方法。
5.第1の複数のライダースキャナによって検出可能な波長範囲は、InGaAsまたはSiGe系のアバランシェフォトダイオードによって検出可能な波長範囲を含む、項目1~4のいずれか1つに記載の方法。
6.第2の複数のライダースキャナによって検出可能な波長範囲は、シリコン系のアバランシェフォトダイオードによって検出可能な波長範囲を含む、項目1~5のいずれか1つに記載の方法。
7.第2のレーザ信号を生成する前に、第1のレーザ信号を変調することをさらに含む、
項目1~6のいずれか1つに記載の方法。
8.光検知測距を可能にするシステムであって:
複数の光検知測距(ライダー)スキャナであって、ライダースキャナの各々は、取付け物の別個の場所に配置され、したがってライダースキャナの各々は、別のライダースキャナとは実質的に異なる空間範囲を走査するように構成される、ライダースキャナと;
周波数修正器とを含み、周波数修正器は:
レーザ源によって放出される第1のレーザ信号を受け取ることであって、第1のレーザ信号は、第1の波長を有し、第1の波長は、第1の複数のライダースキャナによって検出可能な波長範囲内にあり、第2の複数のライダースキャナによって検出可能な波長範囲外にある、受け取ることと;
第1のレーザ信号に基づいて第2のレーザ信号を生成することであって、第2のレーザ信号は、第2の波長を有し、第2の波長は、第1の複数のライダースキャナによって検出可能な波長範囲外にあり、第2の複数のライダースキャナによって検出可能な波長範囲内にある、生成することとを行うように構成される、システム。
9.周波数修正器は:
周波数修正器に光結合された第1のスプリッタであって、第1のレーザ信号に基づいて複数の第3のレーザ信号を提供するように構成された第1のスプリッタと;
周波数修正器に光結合された第2のスプリッタであって、第2のレーザ信号に基づいて複数の第4のレーザ信号を提供するように構成された第2のスプリッタとを含み;
システムは:
複数のレーザ送達チャネルをさらに含み、レーザ送達チャネルの各々は、複数の第3または第4のレーザ信号のうちの対応する第3または第4のレーザ信号を、複数のライダースキャナのうちのそれぞれのライダースキャナへ送達するように構成される、項目8に記載のシステム。
10.車両とともに使用され、または車両内に一体化される、項目8または9に記載のシステム。
11.システムが配置または一体化される取付け物は:
ロボット;
セキュリティ監視を可能にする建物であって、複数のライダースキャナが建物の複数の場所に配置される建物;または
交通監視を可能にする道路であって、複数のライダースキャナが道路の複数の交差点もしくは場所に配置される道路のうちの少なくとも1つを含む、項目8~10のいずれか1つに記載のシステム。
12.システム内の異なるライダースキャナによって共用されるとき修正された周波数を有する第1のレーザおよび第2のレーザの複合構成を含む、項目8~11のいずれか1つに記載のシステム。
13.レーザ源は、タイムインタリーブ式で共用されるように構成可能である、項目8~12のいずれか1つに記載のシステム。
14.レーザ源は、複数の個々のライダースキャナの暗時に基づいてタイムインタリーブされるように構成可能である、項目8~13のいずれか1つに記載のシステム。
15.レーザ源は、外部環境による個々の各ライダースキャナの優先順位に基づいてタイムインタリーブされるように構成可能である、項目8~14のいずれか1つに記載のシステム。
16.コンピュータ実施方法であって:
光源および光検出器を有する光検知測距(ライダー)システム内で:
光源を使用して、第1の波長の第1のパルス信号および第1の波長とは異なる第2の波長の第2のパルス信号を伝送することであって、第1のパルス信号および第2のパルス信号は、同時または連続的に伝送される、伝送することと;
光検出器を使用して、第1のパルス信号または第2のパルス信号に対応する第1の帰還パルス信号を検出することと;
第1の帰還パルス信号の波長に基づいて、帰還パルス信号が第1のパルス信号に対応するか、それとも第2のパルス信号に対応するかを判定することと;
帰還パルス信号が第1のパルス信号に対応すると判定したことに従って、帰還パルス信号を受け取ったタイミングおよび第1のパルス信号を伝送したタイミングに基づいて、第1の範囲を判定することと;
帰還パルス信号が第2のパルス信号に対応すると判定したことに従って、帰還パルス信号を受け取ったタイミングおよび第2のパルス信号を伝送したタイミングに基づいて、第2の範囲を判定することとを含む、方法。
17.第1のパルス信号および第2のパルス信号は、第1の時間間隔だけ分離される、項目16に記載の方法。
18.第1のパルス信号は、第1の振幅を有し、第2のパルス信号は、第1の振幅とは異なる第2の振幅を有する、項目16または17に記載の方法。
19.第1の振幅は、第2の振幅より大きい、項目18に記載の方法。
20.光源は、第1の波長の第1の利得特性と、第1の利得特性とは異なる第2の波長の第2の利得特性とを有するファイバをさらに含む、項目16~19のいずれか1つに記
載の方法。
21.光源を使用して、第2の波長の第3のパルス信号および第1の波長の第4のパルス信号を伝送することであって、第3のパルス信号は、第2の時間間隔だけ第2のパルス信号から分離され、第4のパルス信号は、第2の時間間隔とは異なる第3の時間間隔だけ第1のパルス信号から分離される、伝送することと;
光検出器を使用して、第3のパルス信号または第4のパルス信号に対応する第2の帰還パルス信号を検出することと;
第2の帰還パルス信号の波長に基づいて、第2の帰還パルス信号が第3のパルス信号に対応するか、それとも第4のパルス信号に対応するかを判定することと;
帰還パルス信号が第3のパルス信号に対応すると判定したことに従って、第3の帰還パルス信号を受け取ったタイミングおよび第3のパルス信号を伝送したタイミングに基づいて、第3の範囲を判定することと;
帰還パルス信号が第4のパルス信号に対応すると判定したことに従って、第2の帰還パルス信号を受け取ったタイミングおよび第1のパルス信号を伝送したタイミングに基づいて、第4の範囲を判定することと
をさらに含む、項目16~20のいずれか1つに記載の方法。
22.第3の時間間隔は、第2の時間間隔より大きい、項目21に記載の方法。
23.光源は、第1の波長で第1のシードパルス信号を生じさせるように構成された第1のシードと、第2の波長で第2のパルス信号を生じさせるように構成された第2のシードとを含む、項目16~22のいずれか1つに記載の方法。
24.光検出器は、第1の検出器および第2の検出器を含む、項目16~23のいずれか1つに記載の方法。
25.2色光学系が、第1の波長の帰還パルスを第1の検出器へ誘導し、第2の波長の帰還パルスを第2の検出器へ誘導する、項目24に記載の方法。
26.分散素子が、第1の波長の帰還パルスを第1の検出器へ誘導し、第2の波長の帰還パルスを第2の検出器へ誘導する、項目24に記載の方法。
27.第1の検出器および第2の検出器は、レンズを共用する、項目26に記載の方法。
28.光検知測距(ライダー)システムであって:
光源と;
光検出器と;
光源および光検出器に結合されたプロセッサと;
異なる波長のパルス信号を使用して物体までの範囲を検出するようにコンピュータプログラムによって符号化されたメモリとを含み、コンピュータプログラムは:
光源を使用して、第1の波長の第1のパルス信号および第1の波長とは異なる第2の波長の第2のパルス信号を伝送することであって、第1のパルス信号および第2のパルス信号は、同時または連続的に伝送される、伝送することと;
光検出器を使用して、第1のパルス信号または第2のパルス信号に対応する第1の帰還パルス信号を検出することと;
第1の帰還パルス信号の波長に基づいて、帰還パルス信号が第1のパルス信号に対応するか、それとも第2のパルス信号に対応するかを判定することと;
帰還パルス信号が第1のパルス信号に対応すると判定したことに従って、帰還パルス信号を受け取ったタイミングおよび第1のパルス信号を伝送したタイミングに基づいて、第1の範囲を判定することと;
帰還パルス信号が第2のパルス信号に対応すると判定したことに従って、帰還パルス信号を受け取ったタイミングおよび第2のパルス信号を伝送したタイミングに基づいて、第2の範囲を判定することとを行うようにプロセッサによって実行可能な命令を含む、ライダーシステム。
29.第1のパルス信号および第2のパルス信号は、第1の時間間隔だけ分離される、項目28に記載のライダーシステム。
30.第1のパルス信号は、第1の振幅を有し、第2のパルス信号は、第1の振幅とは異なる第2の振幅を有する、項目28または29に記載のライダーシステム。
31.第1の振幅は、第2の振幅より大きい、項目30に記載のライダーシステム。
32.光源は、第1の波長の第1の利得特性と、第1の利得特性とは異なる第2の波長の第2の利得特性とを有するファイバをさらに含む、項目28~31のいずれか1つに記載のライダーシステム。
33.コンピュータプログラムは:
光源を使用して、第2の波長の第3のパルス信号および第1の波長の第4のパルス信号を伝送することであって、第3のパルス信号は、第2の時間間隔だけ第2のパルス信号から分離され、第4のパルス信号は、第2の時間間隔とは異なる第3の時間間隔だけ第1のパルス信号から分離される、伝送することと;
光検出器を使用して、第3のパルス信号または第4のパルス信号に対応する第2の帰還パルス信号を検出することと;
第2の帰還パルス信号の波長に基づいて、第2の帰還パルス信号が第3のパルス信号に対応するか、それとも第4のパルス信号に対応するかを判定することと;
帰還パルス信号が第3のパルス信号に対応すると判定したことに従って、第3の帰還パルス信号を受け取ったタイミングおよび第3のパルス信号を伝送したタイミングに基づいて、第3の範囲を判定することと;
帰還パルス信号が第4のパルス信号に対応すると判定したことに従って、第2の帰還パルス信号を受け取ったタイミングおよび第1のパルス信号を伝送したタイミングに基づいて、第4の範囲を判定することとを行うようにプロセッサによって実行可能な命令をさらに含む、項目28~32のいずれか1つに記載のライダーシステム。
34.第3の時間間隔は、第2の時間間隔より大きい、項目33に記載のライダーシステム。
35.光源は、第1の波長で第1のシードパルス信号を生じさせるように構成された第1のシードと、第2の波長で第2のパルス信号を生じさせるように構成された第2のシードとを含む、項目28~34のいずれか1つに記載のライダーシステム。
36.光検出器は、第1の検出器および第2の検出器を含む、項目28~35のいずれか1つに記載のライダーシステム。
37.2色光学系が、第1の波長の帰還パルスを第1の検出器へ誘導し、第2の波長の帰還パルスを第2の検出器へ誘導する、項目36に記載のライダーシステム。
38.分散素子が、第1の波長の帰還パルスを第1の検出器へ誘導し、第2の波長の帰還パルスを第2の検出器へ誘導する、項目36に記載のライダーシステム。
39.第1の検出器および第2の検出器は、レンズを共用する、項目38に記載のライダーシステム。
図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2022-07-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光検知測距(ライダー)の走査のためのレーザ光を提供する方法であって:
物体内に取付けされたシステムにおいて、
第1の波長を有するレーザ信号を受け取り;
レーザ信号を分割して、複数の信号を生成し;
複数の信号の少なくともいくつかを変調し、ここで少なくとも2つの変調信号は異なる符号化を有し;
変調信号と、非変調信号があるときは非変調信号とを、物体上又は物体に近接して取付けられた複数のライダースキャナーに送達し、ここで複数の信号は、それぞれ複数のライダースキャナーに送達されることを含む、前記方法。
【請求項2】
複数のライダースキャナーの各々は、物体の別個の場所に配置されて、ライダースキャナーの各々が、別のライダースキャナーとは実質的に異なる空間範囲を走査するよう作動する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
レーザ信号を分割して、複数の信号を生成することが:
レーザ信号を分割して、複数の分割されたレーザ信号を得ること;及び
分割された信号を増幅して、複数の信号を生成することを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
複数の信号の少なくともいくつかを変調することが:
オンオフキーイング(OOK)変調符号化を使用して、複数の信号の少なくともいくつかを変調すること;及び
擬似ランダムビットシーケンス(PRBS)符号化を使用して、複数の信号の少なくともいくつかを変調することを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
複数の信号の少なくともいくつかを変調することが:
振幅変調、位相変調又は偏波変調のひとつ以上を使用して、複数の信号の少なくともいくつかを変調することを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
第2の波長を有するレーザ信号をレーザ源から受け取ること;及び
第2の波長を有するレーザ信号を修正して、第一の波長を有するレーザ信号を生成し、ここで第2の波長は、第1のタイプのライダースキャナによって検出可能な波長範囲外にあり、第2のタイプのライダースキャナによって検出可能な波長範囲内にあることをさらに含む、請求項1~5いずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
第1の波長は約775nmであり、第2の波長は約1550nmである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
第2の波長を有するレーザ信号を修正して、第一の波長を有するレーザ信号を生成することが、温度制御された周期分極ニオブ酸リチウム結晶を使用することを含む、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
第2のタイプのライダースキャナによって検出可能な波長範囲は、InGaAs又はSiGe系のアバランシェフォトダイオードによって検出可能な波長範囲を含む、請求項6~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
第1のタイプのライダースキャナによって検出可能な波長範囲は、シリコン系のアバランシェフォトダイオードによって検出可能な波長範囲を含む、請求項6~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
変調された信号(もしあれば変調されていない信号も)を送達することが、複数の光ファイバチャネルで実行され;
方法は、複数のライダスキャナーにより受け取られた帰還信号を検出することをさらに含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
光検知測距(ライダー)の走査を可能にするシステムであって:
各々が取付られる物体の別個の場所に配置される、複数のライダースキャナ;
第1の波長を有するレーザ信号を受け取り、レーザ信号を分割して複数の信号を生成するよう構成される、スプリッタ:
複数の信号の少なくともいくつかを変調し、少なくとも2つの変調信号は異なる符号化を有するように構成される、変調器;及び
各々のレーザ送達チャネルが、それぞれ、変調された信号(もしあれば変調されていない信号も)を複数のライダスキャナーのそれぞれのライダスキャナーに送達するように構成される、複数のレーザ送達チャネル;
を含む、前記システム。
【請求項13】
複数のライダスキャナーの各々は、別のライダースキャナーとは実質的に異なる空間範囲を走査するよう作動する、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
スプリッタは、一つ以上のビームスプリッティングキューブ又はダイクロイックミラープリズムを含む受動デバイスを含む、請求項12又は13に記載のシステム。
【請求項15】
スプリッタは、分割されたレーザ信号を増幅するように構成される能動デバイスを含む。請求項12~14のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項16】
変調器は、一つ以上のオンオフキーイング(OOK)変調符号化又は擬似ランダムビットシーケンス(PRBS)符号化を使用して、複数の信号の少なくともいくつかを変調するように構成される、請求項12~15のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項17】
変調器は、一つ以上の振幅変調、位相変調又は偏波変調を利用して複数のシグナルの少なくともいくつかを変調するように構成される、請求項12~16のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
第2の波長を有するレーザ信号をレーザ源から受け取り;
第2の波長を有するレーザ信号を修正して、第一の波長を有するレーザ信号を生成する(ここで第2の波長は、第1のタイプのライダースキャナによって検出可能な波長範囲外にあり、第2のタイプのライダースキャナによって検出可能な波長範囲内にある)ように構成される周波数修正器をさらに含む、請求項12~17のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項19】
周波数修正器は、温度制御された周期分極ニオブ酸リチウム結晶を含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
第2のタイプのライダースキャナによって検出可能な波長範囲は、InGaAs又はSiGe系のアバランシェフォトダイオードによって検出可能な波長範囲を含む、請求項18又は19に記載のシステム。
【請求項21】
第1のタイプのライダースキャナによって検出可能な波長範囲は、シリコン系のアバランシェフォトダイオードによって検出可能な波長範囲を含む、請求項18~20のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項22】
車両内に配置される、又は車両と一体化される、請求項18~20のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項23】
システムが取付けられる物体は:
ロボット;
セキュリティ監視を可能にする建物であって、複数のライダースキャナが建物の複数の場所に配置される建物;又は
交通監視を可能にする道路であって、複数のライダースキャナが道路の複数の交差点もしくは場所に配置される道路、のうちの少なくとも1つを含む、請求項12~22のいずれか1項に記載のシステム。
【外国語明細書】