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特開2022-120040朝の無動状態を治療するための拍動性薬物送達系
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022120040
(43)【公開日】2022-08-17
(54)【発明の名称】朝の無動状態を治療するための拍動性薬物送達系
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/198 20060101AFI20220809BHJP
   A61K 45/06 20060101ALI20220809BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220809BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20220809BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20220809BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20220809BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20220809BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20220809BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20220809BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20220809BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20220809BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20220809BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
A61K31/198
A61K45/06
A61P43/00 121
A61K9/20
A61K9/14
A61K9/48
A61K47/38
A61K47/32
A61K47/10
A61K47/36
A61K47/12
A61K47/02
A61P25/16
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092712
(22)【出願日】2022-06-08
(62)【分割の表示】P 2019501566の分割
【原出願日】2017-07-11
(31)【優先権主張番号】PA201670516
(32)【優先日】2016-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(71)【出願人】
【識別番号】519007318
【氏名又は名称】コンテラ ファーマ エーピーエス
(71)【出願人】
【識別番号】516353342
【氏名又は名称】ソルラル ファーマ エーピーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ハンセン,ジョン,ボンド
(72)【発明者】
【氏名】トムセン,ミカエル,ソンダーガード
(72)【発明者】
【氏名】フラートン,アン,ヴィヴィアン
(72)【発明者】
【氏名】ホジガード,ベント
(72)【発明者】
【氏名】ニールセン,ピーター,ガドマンド
(57)【要約】      (修正有)
【課題】パーキンソン病患者におけるオフ時エピソードの治療のための医薬組成物を提供する。
【解決手段】i)レボドパおよびドパデカルボキシラーゼ阻害剤と、ii)所定の遅延時間に続いて前記レボドパおよび前記ドパデカルボキシラーゼ阻害剤のパルス放出をもたらす拍動性放出成分とを含む拍動性放出医薬組成物を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)レボドパおよびドパデカルボキシラーゼ阻害剤と、
ii)所定の遅延時間に続いて前記レボドパおよび前記ドパデカルボキシラーゼ阻害剤のパルス放出をもたらす拍動性放出成分と
を含む拍動性放出医薬組成物。
【請求項2】
i)レボドパを含む第1の拍動性放出成分であって、前記第1の拍動性放出成分が所定の遅延時間に続いてレボドパのパルス放出をもたらす、第1の拍動性放出成分と、
ii)ドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む第2の拍動性放出成分であって、前記第2の拍動性放出成分が所定の遅延時間に続いて前記ドパデカルボキシラーゼ阻害剤のパルス放出をもたらす、第2の拍動性放出成分と
を別々にまたは共に含む拍動性医薬組成物。
【請求項3】
i)レボドパを含む第1の拍動性放出成分であって、前記第1の拍動性放出成分が所定の遅延時間に続いてレボドパのパルス放出をもたらす、第1の拍動性放出成分と、
ii)ドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む第2の拍動性放出成分であって、前記第2の拍動性放出成分が所定の遅延時間に続いて前記ドパデカルボキシラーゼ阻害剤のパルス放出をもたらす、第2の拍動性放出成分と
を別々にまたは共に含む拍動性放出医薬組成物であって、
レボドパを含む前記第1の拍動性放出成分の遅延時間がドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む前記第2の拍動性放出成分の遅延時間よりも長い、拍動性放出医薬組成物。
【請求項4】
前記ドパデカルボキシラーゼ阻害剤がカルビドパ、ベンセラジド、メチルドパおよびDFMD(α-ジフルオロメチル-ドパ)、またはその薬学的に許容される誘導体からなる群から選択される、請求項1~3のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記レボドパがレボドパメチルエステルおよびXP21279などのレボドパプロドラッグを含むがこれらに限定されない、レボドパの薬学的に許容される誘導体と、重水素化レボドパなどの改変レボドパとを含む、請求項1~4のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記拍動性放出組成物がバルク侵食系および表面侵食系を含む、時間制御拍動性放出系である、請求項1~5のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記医薬組成物が医薬品剤形である、請求項1~6のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記医薬品剤形が固形剤形、経口剤形、および/または経口固形剤形である、請求項1~7のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記医薬組成物が多粒子剤形である、請求項1~8のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記医薬組成物が2つの剤形:
i)所定の遅延時間に続いてレボドパのパルス放出をもたらす第1の剤形と、
ii)所定の遅延時間に続いてドパデカルボキシラーゼ阻害剤のパルス放出をもたらす第2の剤形と
を別々にまたは共に含む多粒子剤形であって、
任意選択でレボドパを含む前記第1の剤形の遅延時間がドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む前記第2の剤形の遅延時間よりも長い、請求項1~9のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記多粒子剤形がカプセル、パウチ、小袋またはスティックパック中に包装される、請求項1~10のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項12】
i)前記拍動性放出成分の遅延時間が小腸の下部などの、小腸において前記レボドパおよび前記ドパデカルボキシラーゼ阻害剤を放出するよう調節され、かつ/または
ii)レボドパを含む前記第1の拍動性放出成分の遅延時間、およびドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む前記第2の拍動性放出成分の遅延時間が小腸の下部などの、小腸において前記レボドパおよび前記ドパデカルボキシラーゼ阻害剤を放出するよう調節される、
請求項1~11のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項13】
i)レボドパおよびドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む前記拍動性放出成分の遅延時間が2~8時間の間、2~3時間など、3~4時間など、4~5時間など、5~6時間など、6~7時間など、7~8時間などであり、
ii)レボドパを含む前記第1の拍動性放出成分の遅延時間が2~8時間の間、2~3時間など、3~4時間など、4~5時間など、5~6時間など、6~7時間など、7~8時間などであり、および/または
iii)ドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む前記第2の拍動性放出成分の遅延時間が2~8時間の間、2~3時間など、3~4時間など、4~5時間など、5~6時間など、6~7時間など、7~8時間などである、
請求項1~12のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項14】
レボドパを含む前記第1の剤形の遅延時間がドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む前記第2の剤形の遅延時間よりも5分~90分長い、ドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む前記第2の剤形の遅延時間よりも5~10分長いなど、10~15分長いなど、15~20分長いなど、20~25分長いなど、25~30分長いなど、30~35分長いなど、35~40分長いなど、40~45分長いなど、45~50分長いなど、50~55分長いなど、55~60分長いなど、60~65分長いなど、65~70分長いなど、70~75分長いなど、75~80分長いなど、80~85分長いなど、85~90分長いなどである、請求項1~13のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項15】
レボドパを含む前記第1の剤形の遅延時間がドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む前記第2の剤形の遅延時間よりも少なくとも5分長い、ドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む前記第2の剤形の遅延時間よりも少なくとも10分長いなど、少なくとも15分長いなど、少なくとも20分長いなど、少なくとも25分長いなど、少なくとも30分長いなど、少なくとも35分長いなど、少なくとも40分長いなど、少なくとも45分長いなど、少なくとも50分長いなど、少なくとも55分長いなど、少なくとも60分長いなどである、請求項1~14のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記医薬組成物が遅延期後2~5時間で測定される薬物負荷の70~100%を放出する、すなわち遅延期後2~5時間で測定されるレボドパおよび/またはドパデカルボキシラーゼ阻害剤の70~100%を放出する、請求項1~15のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記医薬品剤形が錠剤、ミニ錠剤、マイクロ錠剤、スフェア剤、ペレット剤、顆粒剤およびカプセル剤からなる群から選択される、請求項1~16のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項18】
前記医薬品剤形がコーティングを含む、請求項1~17のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項19】
前記医薬品剤形がコーティング錠剤、コーティングミニ錠剤、コーティングマイクロ錠剤、コーティングスフェア剤、コーティングペレット剤、コーティング顆粒剤およびコーティングカプセル剤からなる群から選択される、請求項1~18のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記医薬品剤形が可溶性で膨潤性のコアなどの、溶性コアと、コーティングとを含む、請求項1~19のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項21】
前記コーティングがフィルムコーティングである、請求項1~20のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項22】
前記コーティングが
i)半透不溶性コーティング、または
ii)破裂可能な不溶性コーティング
などの、不溶性コーティングである、請求項1~21のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項23】
前記不溶性コーティングがフィルム形成ポリマーおよび/または水不溶性ポリマーを含む、請求項1~22のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項24】
前記半透不溶性コーティングが水不溶性ポリマーと親水性ポア形成剤などの、ポア形成剤とを含む、請求項1~23のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項25】
前記フィルム形成ポリマーまたは水不溶性ポリマーと前記親水性ポア形成剤のコーティングの割合が約10/90、15/85、20/80、25/75または30/70である、請求項1~24のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項26】
前記フィルム形成ポリマーおよび/または水不溶性ポリマーがエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸セルロース、アクリルポリマー、腸溶性ポリマー、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル、シェラック、ワックスおよびエチルセルロース分散剤からなる群から選択される、請求項1~25のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項27】
前記ポア形成剤がポリビニルアルコール(PVA)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)およびポリエチレングリコール(PEG)からなる群から選択される、請求項1~26のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項28】
前記コーティングが可溶性コーティングである、請求項1~27のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項29】
前記医薬品剤形がレボドパおよび/またはドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含み所定の遅延時間に続いて前記レボドパおよび前記ドパデカルボキシラーゼ阻害剤のパルス放出をもたらすコーティング錠剤を含む、請求項1~28のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項30】
前記医薬組成物が
i)所定の遅延時間に続いてレボドパのパルス放出をもたらすレボドパを含むコーティング錠剤と、
ii)所定の遅延時間に続いてドパデカルボキシラーゼ阻害剤のパルス放出をもたらすドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含むコーティング錠剤と
を別々にまたは共に、含む多粒子剤形であって、任意選択でレボドパを含む前記コーティング錠剤の遅延時間がドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む前記コーティング錠剤の遅延時間よりも長い、請求項1~29のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項31】
前記コーティング錠剤がコーティングミニ錠剤である、請求項1~30のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項32】
前記コーティングミニ錠剤が圧縮されて錠剤を形成する、請求項1~31のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項33】
前記剤形がコアおよびコーティングを含むまたはコアおよびコーティングからなり、前記コアが
i)レボドパおよび/またはドパデカルボキシラーゼ阻害剤、
ii)超崩壊剤、
iii)1種または複数種の賦形剤、および
iv)任意選択で抗付着剤
を含む、請求項1~32のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項34】
前記第1の拍動性放出成分が
i)25~75重量%のレボドパ、25~30重量%など、30~35重量%など、35~40重量%など、40~45重量%など、45~50重量%など、50~55重量%など、60~65重量%など、65~70重量%など、70~75重量%などのレボドパと、
ii)15~50重量%の超崩壊剤、15~20重量%など、20~25重量%など、25~30重量%など、30~35重量%など、35~40重量%など、40~45重量%など、45~50重量%などの超崩壊剤と、
iii)10~50重量%の賦形剤、10~15重量%など、15~20重量%など、20~25重量%など、25~30重量%など、30~35重量%など、35~40重量%など、40~45重量%など、45~50重量%などの賦形剤と、
iv)0~2重量%の抗付着剤、0.25~0.50重量%などの抗付着剤、0.50~0.75重量%など、0.75~1.0重量%など、1.0~1.25など、1.25~1.50など、1.50~1.75重量%など、1.75~2.0重量%などの抗付着剤と
を含むまたはこれらからなるミニ錠剤コアと、
コーティングと
を含むコーティングミニ錠剤である、請求項1~33のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項35】
前記ミニ錠剤コアが1~5mgのレボドパ、1~1.25mgなど、1.25~1.5mgなど、1.5~1.75mgなど、1.75~2mgなど、2~2.25mgなど、2.25~2.5mgなど、2.5~2.75mgなど、2.75~3mgなど、3~3.25mgなど、3.25~3.5mgなど、3.5~3.75mgなど、3.75~4mgなど、4~4.25mgなど、4.25~4.5mgなど、4.5~4.75mgなど、4.75~5mgなどのレボドパを含む、請求項1~34のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項36】
前記第2の拍動性放出成分が
i)25~75重量%のドパデカルボキシラーゼ阻害剤、25~30重量%など、30~35重量%など、35~40重量%など、40~45重量%など、45~50重量%など、50~55重量%など、60~65重量%など、65~70重量%など、70~75重量%などのドパデカルボキシラーゼ阻害剤と、
ii)15~50重量%の超崩壊剤、15~20重量%など、20~25重量%など、25~30重量%など、30~35重量%など、35~40重量%など、40~45重量%など、45~50重量%などの超崩壊剤と、
iii)10~50重量%の賦形剤、10~15重量%など、15~20重量%など、20~25重量%など、25~30重量%など、30~35重量%など、35~40重量%など、40~45重量%など、45~50重量%などの賦形剤と、
iv)0~2重量%の抗付着剤、0.25~0.50重量%などの抗付着剤、0.50~0.75重量%など、0.75~1.0重量%など、1.0~1.25など、1.25~1.50など、1.50~1.75重量%など、1.75~2.0重量%などの抗付着剤と
を含むまたはこれらからなるミニ錠剤コアと、
コーティングと
を含むコーティングミニ錠剤である、請求項1~35のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項37】
前記超崩壊剤がデンプングリコール酸ナトリウムなどの架橋デンプン、クロスカルメロースナトリウムおよび低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC)などの架橋セルロース、クロスポビドンなどの架橋PVP(ポリビニルピロリドン)、架橋アルギン酸、大豆多糖類、ケイ酸カルシウム、ジェランガムおよびキサンタンガムからなる群から選択される、請求項1~36のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項38】
前記賦形剤が結合剤、液状結合剤、充填剤、固相担体、希釈剤、香料、溶解剤、滑沢剤、流動促進剤、懸濁剤、保存剤、抗付着剤、湿潤剤、崩壊剤および吸着剤またはそれらの組み合わせを含むまたはこれらからなる群の多くを含む、請求項1~37のいずれかに記載の医薬組成物。請求項1~37のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項39】
前記結合剤がアカシア、アルギン酸、カルボマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラゲナン、酢酸フタル酸セルロース、キトサン、コポビドン、デキストレート、デキストリン、デキストロース、エチルセルロース、ゼラチン、グアーガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCまたはヒプロメロース)、メチルセルロース、結晶セルロース(MCC)、ポロキサマー、ポリデキストロース、ポリエチレンオキシド、ポビドン、アルギン酸ナトリウム、ショ糖、デンプン、アルファ化デンプンおよびマルトデキストリンからなる群から選択される、請求項1~38のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項40】
前記賦形剤がアルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロースおよびゼラチンからなる群から選択される液状結合剤を含む、請求項1~39のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項41】
前記賦形剤が結晶セルロース(MCC)およびアルファ化デンプンなどの、結合剤および液状結合剤を含む、請求項1~40のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項42】
前記賦形剤が
i)5~25重量%の結合剤、5~7.5重量%など、7.5~10重量%など、10~12.5重量%など、12.5~15重量%など、15~17.5重量%など、17.5~20重量%など、20~22.5重量%など、22.5~25重量%などの結合剤と、
ii)1~20重量%の液状結合剤、1~2.5重量%など、2.5~5重量%など、5~7.5重量%など、7.5~10重量%など、10~12.5重量%など、12.5~15重量%など、15~17.5重量%など、17.5~20重量%などの液状結合剤と
を含む、請求項1~41のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項43】
前記抗付着剤がステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、モノステアリン酸グリセリン、硬化ヒマシ油、硬化植物油、中鎖グリセリド、パルミチン酸、ポロキサマー、ポリエチレングリコール、ステアリン酸および滑石からなる群から選択される、請求項1~42のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項44】
前記ミニ錠剤コアが
i)40~60重量%、45~55重量%などのレボドパと、
ii)20~40重量%、25~35重量%などのデンプングリコール酸ナトリウムと、
iii)5~25重量%、10~20重量%などの結晶セルロースと、
iv)1~20重量%、5~10重量%などのアルファ化デンプンと、
v)0.5~1.5重量%、1重量%などのステアリン酸マグネシウムと
を含むまたはこれらからなる、請求項1~43のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項45】
前記コーティングがミニ錠剤コアの重量を10~40重量%、10~12.5重量%など、12.5~15重量%など、15~17.5重量%など、17.5~20重量%など、20~22.5重量%など、22.5~25重量%など、25~27.5重量%など、27.5~30重量%など、30~32.5重量%など、32.5~35重量%など、35~37.5重量%など、37.5~40重量%など増加させるために塗布される、請求項1~44のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項46】
前記コーティングが錠剤コアの重量を1~20重量%、1~2.5重量%など、2.5~5重量%など、5~7.5重量%など、7.5~10重量%など、10~12.5重量%など、12.5~15重量%など、15~17.5重量%など、17.5~20重量%など増加させるために塗布される、請求項1~45のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項47】
レボドパを含む前記錠剤コアのコーティングの重量増加と、ドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む前記錠剤コアのコーティングの重量増加がドパデカルボキシラーゼ阻害剤より先にレボドパを放出させるために調節される、請求項1~46のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項48】
前記組成物が1種または複数種のさらなる医薬品有効成分を、別々にまたは共に、さらに含む、請求項1~47のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項49】
前記さらなる医薬品有効成分がドーパミン;ブロモクリプチン、ペルゴリド、プラミペキソール、ロピニロール、ピリベジル、カベルゴリン、アポモルフィネ、リスリド、およびその誘導体などのドーパミン受容体アゴニスト;例えばトルカポンおよびエンタカポンなどのカテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害剤;アポモルフィネ注射などのアポモルフィネ;アマンタジン(Symmetrel)などのNMDAアンタゴニスト;セレギリンおよびラサギリンなどのMAO-B阻害剤;セロトニン受容体モジュレーター;TRK-820((E)-N-[17-シクロプロピルメチル)-4、5α-エポキシ-3、14-ジヒドロキシモルフィナン-6β-イル)]-3-(フラン-3-イル)-N-メチルプロパー2-エナミド一塩酸塩)などのκオピオイド受容体アゴニスト;GABAモジュレーター;フルピルチンおよびレチガビンなどの神経カリウムチャネルのモジュレーター;グルタミン酸受容体モジュレーター;レボドパを含む即放性製品ならびにレボドパを含む制御放出性製品からなる群から選択される、請求項1~48のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項50】
前記医薬組成物および前記さらなる医薬品有効成分が同時に、別々にまたは順次投与される、請求項1~49のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項51】
パーキンソン病患者における朝の無動状態の治療での使用のための請求項1~50のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項52】
前記組成物が睡眠の前に投与される、パーキンソン病患者における朝の無動状態の治療での使用のための請求項1~51のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項53】
前記組成物が即放性レボドパ製品および/または徐放性レボドパ製品と組み合わせて投与される、パーキンソン病患者における朝の無動状態の治療での使用のための請求項1~52のいずれかに記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小腸でのカルビドパを含むレボドパ阻害剤およびドパ阻害剤の遅延バースト放出を可能にし、それによってパーキンソン病患者における朝の無動状態の処置改善を提供する拍動性薬物送達系に関する。
【背景技術】
【0002】
運動障害は、ドーパミン神経伝達の調節障害に起因することが多い。パーキンソン病(PD)はドーパミン神経伝達の調節機能障害に関連する運動障害の一例であり、ドーパミン神経細胞の進行性変性に起因する。失われたドーパミンを置き換えるために、PD運動症状は現在、経口レボドパ(L-ドパ、ドーパミンの前駆物質)で治療される。経口レボドパは、胃から排出され近位小腸で吸収される必要がある。レボドパは脳内でドーパミンに変換され、運動のために身体が必要とするまで、神経細胞中に貯蔵される。レボドパは、パーキンソン症状の治療において依然として最も有効な単一薬剤である。
【0003】
レボドパで治療を施される大部分のPD患者には、運動変動がある。L-ドパ投与後の症状の改善は「オン」と定義され、症状の再発、すなわちレボドパ血漿中濃度が減少する場合、は「オフ」と呼ばれる。オフ期は一般に、一定のレボドパ投与からの効果が早期に消える(ウェアリング・オフ)とき、または次のL-ドパ投与が作用発現の遅延(ディレイド・オン)を引き起こすとき、現れる。
【0004】
PDの運動合併症はレボドパでの数年の治療の後に起こると報告されており、それにより長時間応答が短時間応答に置き換わるようになり、オフ期が出現する。オフ期はいくつかの補助的薬物で治療され得るが、遅延された次のレボドパ投与の作用発現は、オフ期の持続期間をかなり増大し得る。
【0005】
朝の無動状態は最初のL-ドパの一日量の投与のディレイド・オンであり、ドーパミン作動性治療中の患者のほぼ60%に生じる。これは主に運動症状であるが、非運動症状の変動と関連することが最近判明した。
【0006】
朝の無動状態は、PD患者のクオリティ・オブ・ライフにかなり影響を及ぼすことがあり得、基本的な日常活動を行う能力を損なうことがある。
【0007】
標準的経口レボドパ治療は、その薬力学と薬物動態に関連する理由で、およびその短い半減期、不安定な消化管吸収、および血液脳関門を通過する競合的輸送のために、朝の無動状態の治療には不適切である。最初の戦略の1つは、長時間作用型の、制御放出性のレボドパ製剤を用いて、レボドパ血漿レベルを長引かせることに焦点を置く試みであった。それでもなお、胃排出の遅延のために、経口投与量のL-ドパは、小腸で吸収される前に長時間胃の中に残存し得る。別の手法は、溶液としてレボドパを投与して、胃通過時間を短縮し効果の発現を向上させることである。この手法は、変動が激しい一部の患者にとって有益であり得るが、錠剤と比較して液体レボドパの臨床的有用性は比較臨床試験では確認されていない。早朝無動症および夜間の運動性低下を治療するため、多くの患者は時々または必要に応じてL-ドパを使用している。しかし、効果の発現が遅いまたは予測不可能であるために、その臨床的有用性は限定される。
【0008】
皮下アポモルフィネ注射などの、非経口経路によるドーパミン療法の代替送達が、オン状態までの時間を短縮するためにオフ状態のPD患者により用いられる。しかし、障害をもつ重度のPD患者において早朝のペン型自己皮下注射は、煩わしいこともあり得る。レボドパの経鼻、経肺および舌下の製剤も入手可能である。
【0009】
レボドパはほとんどの場合、レボドパが脳に達し効果を発揮し得る前にその分解を阻止するカルビドパなどのドパデカルボキシラーゼ阻害剤と併用される。カルビドパは、レボドパの用量をはるかに低く(80%未満)でき、悪心嘔吐の副作用を減少させるのに役立つ。カルビドパ/レボドパ錠剤は、即放性(IR)および持続放性(ER)剤形で、ならびに舌下に配置される溶解性錠剤の剤形で入手可能である。小型で携帯型の輸液ポンプは、カルビドパとレボドパを直接小腸に直接送達する。
【0010】
ER複合製剤は長時間、血漿レボドパ濃度を治療濃度域に維持し、患者にとってより長いオン時間およびより良好な在宅管理と可動性を提供するが、ER製剤がジスキネジアまたは総疾病影響プロファイル(SIP)スコアを向上させることは確立されていない。
【0011】
ある症例では、レボドパに先だつカルビドパによる前処置は、同時投与と比較してレボドパ血漿AUCを増加させることが示唆されている(例えば、Leppertら,1988を参照されたい)。
【0012】
朝の無動状態はPD患者において最も多く、かつ最も初期の運動合併症の1つであり、パーキンソン病のほぼすべての病期に影響を及ぼす。パーキンソン病患者において夜間の睡眠パターンおよび朝の無動状態を安全で非侵襲的かつ準拠した方法で改善するためのアンメットメディカルニーズが依然として存在する。
【発明の概要】
【0013】
本発明者らは、レボドパおよびドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む現在の製剤の欠点を、これらの化合物の時限拍動性放出を可能にする組成物を提供することによって対処する医薬組成物を開発した。所定の遅延時間の後にカルビドパなどのドパデカルボキシラーゼ阻害剤の遅延バースト放出およびレボドパの遅延バースト放出を、好ましくはそれによりドパデカルボキシラーゼ阻害剤がレボドパの前に放出される時間で隔ててもたらし、パーキンソン病患者における朝の無動状態を治療する手段を提供する。
【0014】
開示される拍動性薬物送達を用いて、患者は夜間の睡眠パターンを向上でき、朝の完全な無動状態から解放され得る。さらに、そのような組成物は既存の市販されている即放性および制御放出性レボドパ製品とともに摂取されて、パーキンソン病のほとんどの患者に一日の用量範囲を与え得る。
【0015】
一態様は、
a.レボドパとドパデカルボキシラーゼ阻害剤と、
b.所定の遅延時間に続いて上記レボドパと上記ドパデカルボキシラーゼ阻害剤のパルス放出をもたらす拍動性放出成分と
を含む拍動性放出医薬組成物を提供することである。
【0016】
さらに一態様は、
a.レボドパを含む第1の拍動性放出成分であって、上記第1の拍動性放出成分が所定の遅延時間に続いてレボドパのパルス放出をもたらす、第1の拍動性放出成分と、
b.ドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む第2の拍動性放出成分であって、上記第2の拍動性放出成分が所定の遅延時間に続いて上記ドパデカルボキシラーゼ阻害剤のパルス放出をもたらす、第2の拍動性放出成分と
を別々に、または共に含み、
一実施形態において、レボドパを含む上記第1の拍動性放出成分の遅延時間がドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む上記第2の拍動性放出成分の遅延時間よりも長い、拍動性放出医薬組成物を提供することである。
【0017】
一実施形態において、上記ドパデカルボキシラーゼ阻害剤は、カルビドパ、ベンセラジド、メチルドパおよびDFMD(α-ジフルオロメチル-ドパ)、またはその薬学的に許容される誘導体からなる群から選択される。
【0018】
一実施形態において、上記医薬組成物は多粒子剤形である。
【0019】
一実施形態において、上記医薬組成物は、1種または複数種のさらなる医薬品有効成分を別々に、または共に含む。
【0020】
一実施形態において、上記医薬組成物は、パーキンソン病患者における朝の無動状態の治療で使用するためである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】レボドパ製品;A)標準即放性製品、B)標準制御放出性製品、およびC)提案する遅延拍動性製品の薬物動態プロファイルを示す。
図2】エチルセルロースフィルムでコーティングされた30%デンプングリコール酸ナトリウムを含むミニ錠剤(20~25%の重量増加)からのモデル化合物の放出を示す。遅延時間は25%コーティングで、3~5時間で、50%放出で達成された。データに多少のばらつきがある(実施例1を参照されたい)。
図3A】エチルセルロースフィルムでコーティングされた30%デンプングリコール酸ナトリウムを含むミニ錠剤(10~25%の重量増加)からのモデル化合物の放出を示す。ポア形成剤として10%PVAを加えた。遅延時間は15%コーティングで、3~5時間で、65%放出で達成された。データのばらつきは少ない(実施例2および3を参照されたい)。
図3B】エチルセルロースフィルムでコーティングされた30%デンプングリコール酸ナトリウムを含むミニ錠剤(10~25%の重量増加)からのモデル化合物の放出を示す。ポア形成剤として20%PVAを加えた。遅延時間は20%コーティングで、3~5時間で、70%放出で達成された。データのばらつきは少ない(実施例2および3を参照されたい)。
図4A】エチルセルロースフィルムでコーティングされた30%デンプングリコール酸ナトリウムを含むミニ錠剤(10~25%の重量増加)からのモデル化合物の放出を示す。ポア形成剤として10%HPMCを加えた。遅延時間は15%コーティングで、3~5時間で、50%放出で達成された。フィルム重量の増加は、緩慢な放出/低いバーストと相関し、ポア形成剤の増加は高いバースト放出と相関する。データのばらつきは低い(実施例4および5を参照されたい)。
図4B】エチルセルロースフィルムでコーティングされた30%デンプングリコール酸ナトリウムを含むミニ錠剤(10~25%の重量増加)からのモデル化合物の放出を示す。ポア形成剤として20%HPMCを加えた。遅延時間は20%コーティングで、3~5時間、75%放出で達成された。フィルム重量の増加は、緩慢な放出/低いバーストと相関し、ポア形成剤の増加は高いバースト放出と相関する。データのばらつきは低い(実施例4および5を参照されたい)。
図5】エチルセルロースフィルムでコーティングされた30%デンプングリコール酸ナトリウムを含むミニ錠剤(17.5~25%の重量増加)からのレボドパ放出を示す。ポア形成剤として20%HPMCを加えた。レボドパミニ錠剤からの放出は十分に制御されている(実施例9を参照されたい)。
図6】エチルセルロースフィルムでコーティングされた30%デンプングリコール酸ナトリウムを含むミニ錠剤(10~25%の重量増加)からのレボドパ放出を示す。ポア形成剤として20%HPMCを加えた。レボドパミニ錠剤からの放出は十分に制御されている。モデル化合物の放出からのデータは、同様の放出パターンを示すために含めた(実施例8を参照されたい)。
図7】エチルセルロースフィルムでコーティングされた10%デンプングリコール酸ナトリウムを含むミニ錠剤(10~25%の重量増加)からのレボドパ放出を示す。ポア形成剤として20%HPMCを加えた。低レベルの超崩壊剤を含むレボドパミニ錠剤からの放出は、十分に制御されず、不十分なバースト放出を示す(実施例10を参照されたい)。
図8】エチルセルロースフィルムでコーティングされた40%デンプングリコール酸ナトリウムを含むミニ錠剤(17.5~25%の重量増加)からのカルビドパ放出を示す。ポア形成剤として20%HPMCを加えた。カルビドパミニ錠剤からの放出は、十分に制御されている(実施例17を参照されたい)。
【発明を実施するための形態】
【0022】
一態様は、小腸においてレボドパおよびカルビドパなどのドパデカルボキシラーゼ阻害剤の時限拍動性放出を、好ましくはそれによりカルビドパなどのドパデカルボキシラーゼ阻害剤がレボドパより先にパルス放出される時間で隔てて、もたらす医薬組成物を提供することである。睡眠の前にそのような医薬組成物を経口摂取することにより、例えばパーキンソン病の患者における朝の無動状態を治療するための手段を提供する。
【0023】
パーキンソン病患者において胃運動性は一般にいくぶん遅れ、したがって医薬組成物が依然として小腸内にある間に5または6時間までの遅延放出が実行可能であることが認識されている。レボドパの全用量をバーストで小腸の下部に送達することはレボドパの吸収を向上させると思われる。この領域での生体吸収は、現在市販されているレボドパ製品では可能でなく、したがって新しい原理が、終夜のレボドパの普及を有する優れた新たな機会をパーキンソン患者に提供する。
【0024】
ヒトにおいてL-ドパまたはレボドパ(L-3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン)は、アミノ酸L-チロシンから合成される。L-ドパは神経伝達物質ドーパミン、ノルアドレナリンおよびアドレナリンの前駆物質であり、脳および中枢神経系による神経栄養因子放出を媒介する。L-ドパは、国際一般名レボドパで向精神薬として販売されており、商標名としては、Sinemet、Pharmacopa、Atamet、Stalevo、MadoparおよびProlopaが挙げられる。L-ドパは、パーキンソン病およびドーパミン応答性ジストニアの臨床治療で使用される。
【0025】
L-ドパは血液脳関門を通過し、そこで芳香族L-アミノ酸デカルボキシラーゼ(ドパデカルボキシラーゼ)によってドーパミンに変換される。またL-ドパは末梢神経系内でドーパミンに変換され過剰な末梢ドーパミンシグナル伝達および有害作用を引き起こすので、末梢ドパデカルボキシラーゼ阻害剤(DDCI)と同時投与することは標準的な臨床診療である。併用療法は、用量依存性を4~5倍減少させることによって、L-ドパの中枢作用を増強する。
【0026】
ドパデカルボキシラーゼ阻害剤としては、カルビドパ、ベンセラジド、メチルドパおよびDFMD(α-ジフルオロメチル-ドーパ)が挙げられる。
【0027】
単独で、またはL-ドパとの組み合わせでカルビドパを含有する医薬品は、Lodosyn(Aton Pharma)、Sinemet(Merck Sharp & Dohme Limited)、Pharmacopa(Jazz Pharmaceuticals)、Atamet(UCB)、Stalevo(Orion Corporation)、Parcopaの商標名であり、またはベンセラジドとの組み合わせ(複合薬はMadoparもしくはProlopaの商標名である)がある。
【0028】
単独で、またはL-ドパとの組み合わせでベンセラジドを含有する医薬品は、Madopar、Prolopa、Modopar、Madopark、Neodopasol、EC-Doparylなどの商標名である。メチルドパを含有する医薬品は、Aldomet、Aldoril、Dopamet、Dopegytなどの商標名である。
【0029】
拍動性薬物送達は、所定のオフ解除期、すなわち遅延時間、の直後の短時間内の特定量の分子の迅速かつ一過性の放出と定義される。
【0030】
拍動性薬物送達系(PDDS)は、薬物を適切な時間に、適切な作用部位でかつ適切な量で送達し、薬物は遅延時間後にパルス(またはバースト)として迅速かつ完全に放出される。これらの製品は、ある期間によって特徴づけられるシグモイド放出プロファルに従う。そのような放出パターンは、拍動性放出として知られている。これらの系は、夜間投与を必要とする時間薬理学的挙動を有する薬物にとって、および初回通過効果を示す薬物にとって有益である。潜在的な不利な点としては、薬物負荷能力が低いことおよび製造ステップが多数であることが挙げられる。
【0031】
遅延時間は、剤形が水性環境に置かれる時間と、この剤形から医薬品有効成分が放出され始める時間との間の時間として定義される。
【0032】
拍動性薬物送達系は、大まかに次の3つのカテゴリーに分類できる。
1)時間制御拍動性放出系(侵食性コーティング層を含有する送達系)
a.バルク侵食系。バルク浸食は、水の侵入が分解の速度よりも速いことを意味する。この場合、分解は、ポリマー試料全体にわたって起こり、臨界分子量に達するまで進行する。この時点で、分解産物は可溶化されるのに十分に小さくなり、その構造は顕著により多孔質で水和されるようになる。したがって、薬物が放出され得る前に遅延時間があり、臨界分子量に達するのに必要とされる時間に対応する。
b.表面侵食系。この種の系において、リザーバーデバイスは可溶性層または浸食性層でコーティングされ、それは経時的に溶解し、特定の遅延時間の後で薬物を放出する。この系が水性溶媒と接触すると、コーティングは遅延時間後に乳化する、または侵食する。それは、胃腸運動、pH、酵素および胃内滞留に依存しない。遅延時間および作用発現は、使用されるポリマーの厚さと粘度等級によって調節される。例としては、破裂可能なコーティング層を有する送達系、および放出制御プラグを有するカプセル型系が挙げられる。
a.コーティングは、噴霧コーティング(例えば、破裂フィルムコーティングもしくは侵食性フィルムコーティング)または圧縮コーティングであってよい。
2)刺激に誘発される拍動性放出系。刺激ベースの薬物送達系は、温度変化(温度応答性の拍動性放出)などの、生物学的環境によって誘発される刺激およびpH、酵素または他の化学物質などの化学的刺激(化学的刺激誘発型の拍動性放出)に応答して薬物を放出する。
3)外部調節される拍動性放出系。これらは、電気応答型送達系(高分子電解質から調製され、したがってpH応答性ならびに電気応答性である)、超音波刺激型拍動性放出、および磁気誘発型拍動性放出を含む。
【0033】
本明細書によって提供されるのは、レボドパおよびドパデカルボキシラーゼ阻害剤の時限拍動性放出をもたらす拍動性薬物送達系である。一実施形態において、拍動性薬物送達系は、レボドパおよびドパデカルボキシラーゼ阻害剤の時限拍動性放出のための医薬組成物である。
【0034】
医薬組成物および拍動性放出医薬組成物は、本明細書では同じ意味で用いられてよい。
【0035】
一態様において、
i)レボドパおよびドパデカルボキシラーゼ阻害剤と、
ii)所定の遅延時間に続いて上記レボドパおよび上記ドパデカルボキシラーゼ阻害剤のパルス放出をもたらす拍動性放出成分と
を含む拍動性放出型医薬組成物が提供される。
【0036】
一態様において、
i)レボドパを含む第1の拍動性放出成分であって、上記第1の拍動性放出成分が所定の遅延時間に続いてレボドパのパルス放出をもたらす、第1の拍動性放出成分と、
ii)ドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む第2の拍動性放出成分であって、上記第2の拍動性放出成分が所定の遅延時間に続いて上記ドパデカルボキシラーゼ阻害剤のパルス放出をもたらす、第2の拍動性放出成分と
を別々に、または共に含む拍動性医薬組成物が提供される。
【0037】
一実施形態において、レボドパを含む上記第1の拍動性放出成分の遅延時間は、ドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む上記第2の拍動性放出成分の遅延時間よりも長い。
【0038】
一態様において、
i)レボドパを含む第1の拍動性放出成分であって、上記第1の拍動性放出成分が所定の遅延時間に続いてレボドパのパルス放出をもたらす、第1の拍動性放出成分と、
ii)ドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む第2の拍動性放出成分であって、上記第2の拍動性放出成分が所定の遅延時間に続いて上記ドパデカルボキシラーゼ阻害剤のパルス放出をもたらす、第2の拍動性放出成分と
を別々に、または共に含み、レボドパを含む上記第1の拍動性放出成分の遅延時間がドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む上記第2の拍動性放出成分の遅延時間よりも長い、医薬組成物が提供される。
【0039】
一実施形態において、ドパデカルボキシラーゼ阻害剤はカルビドパ、ベンセラジド、メチルドパおよびDFMD(α-ジフルオロメチル-ドパ)、またはその薬学的に許容される誘導体からなる群から選択される。
【0040】
一実施形態において、ドパデカルボキシラーゼ阻害剤はカルビドパ、またはその薬学的に許容される誘導体である。
【0041】
一実施形態において、レボドパという用語はレボドパの薬学的に許容される誘導体も含む。
【0042】
一実施形態において、レボドパという用語はレボドパプロドラッグを含む。一実施形態において、レボドパという用語はレボドパプロドラッグのレボドパメチルエステルを含む。一実施形態において、レボドパという用語はレボドパプロドラッグXP21279を含む。
【0043】
一実施形態において、レボドパという用語は改変レボドパも含む。一実施形態において、レボドパという用語は重水素化レボドパ(重水素置換レボドパ)も含む。
【0044】
本発明の文脈で「薬学的に許容される誘導体」という用語は、薬学的に許容される塩を含み、それは患者に有害ではない塩を示す。そのような塩としては、薬学的に許容される塩基付加塩または酸付加塩、ならびに薬学的に許容される金属塩、アンモニウム塩およびアルキル化アンモニウム塩が挙げられる。薬学的に許容される誘導体としてはさらに、エステルおよびプロドラッグ、または活性化合物に生物学的に代謝され得る化合物の他の前駆体、または化合物の結晶形が挙げられる。
【0045】
一実施形態において、医薬組成物は、バルク侵食系および表面侵食系を含む、時間制御拍動性放出系である。
【0046】
一実施形態において、医薬組成物は医薬品剤形である。一実施形態において、医薬品剤形は多粒子剤形(複数単位剤形)である。
【0047】
多粒子剤形または複数単位剤形は、同様の薬物放出パターンを有し得る、または有する薬物粒子の個別単位、小単位、反復単位である。これらは拍動性薬物放出用に調整することができる。
【0048】
一実施形態において、医薬品剤形は複数の粒子を含む多粒子剤形であり、各粒子はレボドパおよび/またはドパデカルボキシラーゼ阻害剤の時限拍動性放出をもたらす。
【0049】
一実施形態において、医薬品剤形は、2種類の剤形:
i)所定の遅延時間に続いてレボドパのパルス放出をもたらす第1の剤形と、
ii)所定の遅延時間に続いてドパデカルボキシラーゼ阻害剤のパルス放出をもたらす第2の剤形と
を別々に、または共に含む多粒子剤形である。
【0050】
一実施形態において、医薬品剤形は、2種類の剤形:
i)所定の遅延時間に続いてレボドパのパルス放出をもたらす第1の剤形と、
ii)所定の遅延時間に続いてドパデカルボキシラーゼ阻害剤のパルス放出をもたらす第2の剤形と
を別々に、または共に含む多粒子剤形であり、
レボドパを含む上記第1の剤形の遅延時間がドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む上記第2の剤形の遅延時間よりも長い。
【0051】
一実施形態において、多粒子剤形はカプセル、パウチ、小袋またはスティックパック中に包装される。一実施形態において、レボドパを含む第1の剤形およびドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む第2の剤形はカプセル、パウチ、小袋またはスティックパック中に包装される。一実施形態において、カプセルは、ハードカプセルゼラチンなどのハードシェルカプセルである。
【0052】
一実施形態において、多粒子剤形は、
i)レボドパを含む第1の剤形を2~3、3~4、4~5、5~6、6~7、7~8、8~9、9~10、10~11、11~12、12~13、13~14、14~15、15~16、16~17、17~18、18~19、19~20、20~21、21~22、22~23、23~24、24~25、25~26、26~27、27~28、28~29、29~30、30~35、35~40、40~45、45~50、50~55、55~60、60~65、65~70、70~75、75~80、80~85、85~90、90~95、95~100、100~110、110~120、120~130、130~140、140~150、150~160、160~170、170~180、180~190、190~200含み、および
ii)ドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む第2の剤形を2~3、3~4、4~5、5~6、6~7、7~8、8~9、9~10、10~11、11~12、12~13、13~14、14~15、15~16、16~17、17~18、18~19、19~20、20~21、21~22、22~23、23~24、24~25、25~26、26~27、27~28、28~29、29~30、30~35、35~40、40~45、45~50、50~55、55~60、60~65、65~70、70~75、75~80、80~85、85~90、90~95、95~100、100~110、110~120、120~130、130~140、140~150、150~160、160~170、170~180、180~190、190~200含む。
【0053】
多粒子剤形における剤形の数は、医薬品有効成分の用量および剤形の大きさなどの要因によって決定される。
【0054】
一実施形態において、第1の剤形および第2の剤形などの医薬品剤形は、経口固形剤形である。一実施形態において、経口固形剤形は錠剤、ミニ錠剤、マイクロ錠剤、スフェア剤、ペレット剤、顆粒剤およびカプセル剤からなる群から選択される。
【0055】
一実施形態において、経口固形剤形はコーティングを含む。一実施形態において、経口固形剤形はコーティングと共にコアを含む。一実施形態において、コアは医薬品有効成分を含む。一実施形態において、コーティングは医薬品有効成分を含有しない。
【0056】
一実施形態において、経口固形剤形は、コーティング錠剤、コーティングミニ錠剤、コーティングマイクロ錠剤、コーティングスフェア剤、コーティングペレット剤、コーティング顆粒剤およびコーティングカプセル剤からなる群から選択される。
【0057】
一実施形態において、経口固形剤形は膨潤性で可溶性のコアを含む。
【0058】
一実施形態において、コーティングはフィルムコーティングである。
【0059】
一実施形態において、コーティングは半透性コーティング、例えば半透不溶性フィルムコーティングである。コアの膨潤により、医薬品有効成分が半透性フィルムコーティングを通って放出される。
【0060】
一実施形態において、コーティングは不溶性コーティングである。
【0061】
一実施形態において、コーティングは破裂可能なコーティングである。
【0062】
一実施形態において、コーティングは破裂可能な不溶性コーティングである。コア成分の膨張により、外側コーティングが破裂しバーストは含有成分を放出する。
【0063】
一実施形態において、コーティングは可溶性または侵食性のコーティングである。
【0064】
一実施形態において、経口剤形は、不溶性半透フィルムなどの不溶性フィルムでコーティングされた可溶性コアを含む。
【0065】
一実施形態において、医薬品剤形はコーティングミニ錠剤である。一実施形態において、医薬品剤形はコーティング錠剤などの錠剤である。一実施形態において、医薬品剤形は、錠剤に圧縮されたコーティングミニ錠剤を含む錠剤である。
【0066】
一実施形態において、コ―ティングは噴霧コーティング型である。一実施形態において、コーティングは圧縮コーティング型である。
【0067】
一実施形態において、外側コーティングはフィルム形成ポリマーを含む。一実施形態において、外側コーティングは水不溶性ポリマーを含む。一実施形態において、外側コーティングは親水性ポア形成剤などのポア形成剤をさらに含む。
【0068】
ミニ錠剤は、直径が≦3mmの錠剤であり、固体剤形のデザインにおける新しい傾向であり、それは嚥下障害および多剤併用などのいくつかの治療障害を克服し、かつ用量柔軟性および複合放出パターンなどのいくつかの治療効果も提供する。
【0069】
一実施形態において、ミニ錠剤は直径が3mm以下(≦)、≦2.5mmなど、例えば≦2mm、≦1.5mmなど、例えば≦1mmの錠剤である。一実施形態において、ミニ錠剤は直径が1~1.5mm、1.5~2mmなど、例えば2~2.5mm、2.5~3mmなどの錠剤である。一実施形態において、ミニ錠剤はおよそ2mmの直径を有する錠剤である。
【0070】
一実施形態において、医薬組成物は、好ましくはレボドパの第1の拍動性放出の遅延時間がドパデカルボキシラーゼ阻害剤の第2の拍動性放出の遅延時間もより長い時間でシフトされた、レボドパのシグモイド放出プロファルおよびドパデカルボキシラーゼ阻害剤のシグモイド放出プロファルをもたらす。
【0071】
拍動性放出成分の遅延時間は、小腸、例えば小腸の下部において上記レボドパおよび上記ドパデカルボキシラーゼ阻害剤を放出するよう調節される。
【0072】
一実施形態において、レボドパおよびドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む拍動性放出成分の遅延時間は2~8時間の間、例えば2~3時間、例えば3~4時間、例えば4~5時間、例えば5~6時間、例えば6~7時間、例えば7~8時間である。
【0073】
レボドパを含む第1の拍動性放出成分の遅延時間、およびドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む第2の拍動性放出成分の遅延時間は、小腸、例えば小腸の下部において医薬品有効成分を放出するよう調節されるのが好ましい。好ましくは、ドパデカルボキシラーゼ阻害剤は、小腸、例えば小腸の下部においてレボドパが放出されるより先に放出される。
【0074】
一実施形態において、レボドパを含む第1の拍動性放出成分の遅延時間は2~8時間の間、例えば2~3時間、例えば3~4時間、例えば4~5時間、例えば5~6時間、例えば6~7時間、例えば7~8時間である。
【0075】
一実施形態において、レボドパを含む第1の拍動性放出成分の遅延時間は3~6時間、例えば4~6時間、例えば3~5時間である。
【0076】
一実施形態において、レボドパを含む第1の拍動性放出成分の遅延時間は少なくとも2時間、例えば少なくとも3時間、例えば少なくとも4時間である。
【0077】
一実施形態において、ドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む第2の拍動性放出成分の遅延時間は2~8時間の間、例えば2~3時間、例えば3~4時間、例えば4~5時間、例えば5~6時間、例えば6~7時間、例えば7~8時間である。
【0078】
一実施形態において、ドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む第2の拍動性放出成分の遅延時間は3~6時間、例えば4~6時間、例えば3~5時間である。
【0079】
一実施形態において、ドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む第2の拍動性放出成分の遅延時間は少なくとも2時間、例えば少なくとも3時間、例えば少なくとも4時間である。
【0080】
一実施形態において、レボドパを含む第1の剤形およびドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む第2の剤形の遅延時間は時間においてシフトし、それによってレボドパを含む第1の剤形の遅延時間が最も長い。
【0081】
一実施形態において、レボドパが放出されるよりも先にデパカルボキシラ-ゼ阻害剤が放出されるように、レボドパを含む第1の剤形の遅延時間は、ドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む第2の剤形の遅延時間よりも長い。
【0082】
一実施形態において、レボドパを含む第1の剤形の遅延時間はドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む第2の剤形の遅延時間よりも5分~90分長く、ドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む第2の剤形の遅延時間よりも例えば5~10分、例えば10~15分、例えば15~20分、例えば20~25分、例えば25~30分、例えば30~35分、例えば35~40分、例えば40~45分、例えば45~50分、例えば50~55分、例えば55~60分、例えば60~65分、例えば65~70分、例えば70~75分、例えば75~80分、例えば80~85分、例えば85~90分長い。
【0083】
一実施形態において、レボドパを含む第1の剤形の遅延時間はドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む第2の剤形の遅延時間よりも90分~240分長く、ドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む第2の剤形の遅延時間よりも例えば90~100分、例えば100~110分、例えば110~120分、例えば120~130分、例えば130~140分、例えば140~150分、例えば150~160分、例えば160~170分、例えば170~180分、例えば180~200分、例えば200~220分、例えば220~240分長い。
【0084】
一実施形態において、レボドパを含む第1の剤形の遅延時間はドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む第2の剤形の遅延時間よりも少なくとも5分長く、ドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む第2の剤形の遅延時間よりも例えば少なくとも10分長い、例えば少なくとも15分長い、例えば少なくとも20分長い、例えば少なくとも25分長い、例えば少なくとも30分長い、例えば少なくとも35分、例えば少なくとも40分長い、例えば少なくとも45分、例えば少なくとも50分長い、例えば少なくとも55分、例えば少なくとも60分長い。
【0085】
一実施形態において、レボドパを含む第1の剤形の遅延時間はドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む第2の剤形の遅延時間よりもおよそ10分長く、例えばおよそ15分長い、例えばおよそ20分長い、例えばおよそ25分長い、例えばおよそ30分長い、例えばおよそ35分、例えばおよそ40分長い、例えばおよそ45分、例えばおよそ50分長い、例えばおよそ55分、例えばおよそ60分長い。
【0086】
遅延時間後に医薬品有効成分は医薬組成物または剤形から放出される。
【0087】
一実施形態において、レボドパを含む第1の剤形は、ドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む第2の剤形より先に放出される。
【0088】
一実施形態において、レボドパを含む第1の剤形は、ドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む第2の剤形より5~10分先に、例えば10~15分、例えば15~20分、例えば20~25分、例えば25~30分、例えば30~35分、例えば35~40分、例えば40~45分、例えば45~50分、例えば50~55分、例えば55~60分、例えば60~65分、例えば65~70分、例えば70~75分、例えば75~80分、例えば80~85分、例えば85~90分先に放出される。
【0089】
一実施形態において、医薬組成物は遅延期後2~5時間で測定される薬物負荷の70~100%を放出する、すなわち遅延期後2~5時間で測定されるレボドパおよび/またはドパデカルボキシラーゼ阻害剤の70~100%を放出する。
【0090】
一実施形態において、医薬組成物は、2~5時間で測定される薬物負荷の70~100%、2~5時間で測定される薬物負荷の例えば70~75%、例えば75~80%、例えば80~85%、例えば85~90%、例えば90~95%、例えば95~100%を放出する。
【0091】
一実施形態において、医薬組成物は、遅延期後2時間以内に薬物負荷の最大100%を放出する。一実施形態において、医薬組成物は、遅延期後2時間以内に薬物負荷の70%、例えば80%、例えば90%、例えば100%を放出する。一実施形態において、医薬組成物は、遅延期後2~5時間以内に、例えば2時間以内に、例えば3時間以内に、例えば4時間以内に、例えば5時間以内に薬物負荷の70%、例えば80%、例えば90%、例えば100%を放出する。
【0092】
コーティング錠剤
一実施形態において、医薬品剤形は、レボドパおよびドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含み所定の遅延時間に続いて上記レボドパおよび上記ドパデカルボキシラーゼ阻害剤のパルス放出をもたらす、1種または複数種のコーティング錠剤を含む。
【0093】
一実施形態において、医薬組成物は
i)所定の遅延時間に続いてレボドパのパルス放出をもたらすコーティング錠剤と、
ii)所定の遅延時間に続いてドパデカルボキシラーゼ阻害剤のパルス放出をもたらすコーティング錠剤と
を別々に、または共に含む多粒子剤形である。
【0094】
一実施形態において、レボドパを含む上記コーティング錠剤の遅延時間は、ドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む上記コーティング錠剤の遅延時間よりも長い。
【0095】
一実施形態において、コーティング錠剤は、医薬品有効成分と外側コーティングとを含む。
【0096】
コーティング錠剤は、コーティング錠剤およびコーティングミニ錠剤の両方を含む。一実施形態において、コーティング錠剤はコーティング錠剤である。一実施形態において、コーティング錠剤はコーティングミニ錠剤である。
【0097】
一実施形態において、コーティング錠剤は膨潤性で可溶性のミニ錠剤コアを含む。
【0098】
一実施形態において、コーティング錠剤は、半透性フィルムコーティングを含む。コアの膨潤により、医薬品有効成分が半透性フィルムを通って放出される。
【0099】
一実施形態において、コーティング錠剤は半透性フィルムコーティングを含むコーティングミニ錠剤である。ミニ錠剤コアの膨潤により、医薬品有効成分が半透性フィルムを通って放出される。
【0100】
一実施形態において、コーティング錠剤は、破裂可能な不溶性コーティングを含む。コア成分の膨張により、外側コーティングが破裂しバーストは含有成分を放出させる。
【0101】
一実施形態において、レボドパを含むコーティングミニ錠剤は、レボドパを含む膨潤性で可溶性のミニ錠剤コアと、外側半透性フィルムコーティングとを含む。
【0102】
一実施形態において、ドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含むコーティングミニ錠剤は、ドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む膨潤性で可溶性のミニ錠剤コアと、外側半透性フィルムコーティングとを含む。
【0103】
一実施形態において、レボドパを含むコーティング錠剤は、レボドパを含む膨潤性で可溶性の錠剤コアと、破裂可能な不溶性コーティングとを含む。
【0104】
一実施形態において、ドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含むコーティング錠剤は、ドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む膨潤性で可溶性の錠剤コアと、破裂可能な不溶性コーティングとを含む。
【0105】
一実施形態において、レボドパを含む錠剤コアは、
-レボドパ
-超崩壊剤、
-1種または複数種の賦形剤、および
-任意選択で抗付着剤
を含む、またはこれらからなる。
【0106】
一実施形態において、錠剤コアは、25~75重量%のレボドパ、例えば25~30重量%、例えば30~35重量%、例えば35~40重量%、例えば40~45重量%、例えば45~50重量%、例えば50~55重量%、例えば60~65重量%、例えば65~70重量%、例えば70~75重量%のレボドパを含む。
【0107】
一実施形態において、ミニ錠剤コアは、1~5mgのレボドパ、例えば1~1.25mg、例えば1.25~1.5mg、例えば1.5~1.75mg、例えば1.75~2mg、例えば2~2.25mg、例えば2.25~2.5mg、例えば2.5~2.75mg、例えば2.75~3mg、例えば3~3.25mg、例えば3.25~3.5mg、例えば3.5~3.75mg、例えば3.75~4mg、例えば4~4.25mg、例えば4.25~4.5mg、例えば4.5~4.75mg、例えば4.75~5mgのレボドパを含む。一実施形態において、ミニ錠剤コアは2.5~3.5mgのレボドパを含む。一実施形態において、ミニ錠剤コアは少なくとも2、例えば少なくとも2.5mgのレボドパを含む。
【0108】
一実施形態において、ドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む錠剤コアは、
-ドパデカルボキシラーゼ阻害剤、
-超崩壊剤、
-1種または複数種の賦形剤、および
-任意選択で抗付着剤
を含む、またはこれらからなる。
【0109】
一実施形態において、錠剤コアは、25~75重量%のドパデカルボキシラーゼ阻害剤、例えば25~30重量%、例えば30~35重量%、例えば35~40重量%、例えば40~45重量%、例えば45~50重量%、例えば50~55重量%、例えば60~65重量%、例えば65~70重量%、例えば70~75重量%のドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む。
【0110】
超崩壊剤は、錠剤の医薬品で用いられる薬剤であり、それは水分と接触すると錠剤を崩壊させて、その医薬物質を放出させる。
【0111】
一実施形態において、錠剤コアは、15~50重量%の超崩壊剤、例えば15~20重量%、例えば20~25重量%、例えば25~30重量%、例えば30~35重量%、例えば35~40重量%、例えば40~45重量%、例えば45~50重量%の超崩壊剤を含む。一実施形態において、錠剤コアは、少なくとも20重量%の超崩壊剤、例えば少なくとも25重量%、例えば少なくとも30重量%の超崩壊剤を含む。一実施形態において、錠剤コアはおよそ30重量%で超崩壊剤を含む。
【0112】
一実施形態において、超崩壊剤は、架橋デンプン、架橋セルロース、架橋PVP(ポリビニルピロリドン)、架橋アルギン酸、大豆多糖類、ケイ酸カルシウム、ジェランガムおよびキサンタンガムから選択される。
【0113】
一実施形態において、錠剤コアは、デンプングリコール酸ナトリウム(デンプングリコール酸ナトリウム)、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、クロスポビドンXL、クロスポビドンCLおよび低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC)からなる群から選択される1種または複数種の超崩壊剤を含む。一実施形態において、超崩壊剤はデンプングリコール酸ナトリウムである。
【0114】
賦形剤は、薬物の医薬品有効成分と調合される薬理学的に不活性(または化学的に不活性)な物質である。賦形剤は一般的に、医薬品有効成分を含有する製剤の嵩を増やすために用いられて(したがって、「増量剤」、「充填剤」または「希釈剤」と呼ばれることが多い)剤形を生成する際に原薬の簡便でかつ正確な調剤を可能にする。
【0115】
一実施形態において、錠剤コアは、10~50重量%の賦形剤、例えば10~15重量%、例えば15~20重量%、例えば20~25重量%、例えば25~30重量%、例えば30~35重量%、例えば35~40重量%、例えば40~45重量%、例えば45~50重量%の賦形剤を含む。
【0116】
一実施形態において、上記賦形剤は、結合剤、充填剤、固相担体、希釈剤、香料、溶解剤、滑沢剤、流動促進剤、懸濁剤、保存剤、抗付着剤、湿潤剤、崩壊剤もしくは吸着剤またはそれらの組み合わせとして作用する。
【0117】
一実施形態において、錠剤コアは、1種または複数種の充填剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、セルロース、酢酸セルロース、圧縮糖、デキストレート、デキストリン、デキストロース、エチルセルロース、フルクトース、イソマルト、ラクチトール、ラクトース、マンニトール、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マルトデキストリン、結晶セルロース(MCC)、ポリデキストロース、アルギン酸ナトリウム、ソルビトール、タルクおよびキシリトールからなる群から選択される充填剤を含む。
【0118】
一実施形態において、錠剤コアは、1種または複数種の結合剤、例えば、アカシア、アルギン酸、カルボマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラゲナン、酢酸フタル酸セルロース、キトサン、コポビドン、デキストレート、デキストリン、デキストロース、エチルセルロース、ゼラチン、グアーガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCまたはヒプロメロース)、メチルセルロース、結晶セルロース(MCC)、ポロキサマー、ポリデキストロース、ポリエチレンオキシド、ポビドン、アルギン酸ナトリウム、ショ糖、デンプン、アルファ化デンプンおよびマルトデキストリンからなる群から選択される結合剤を含む。
【0119】
一実施形態において、錠剤コアは1種または複数種の液状結合剤を含む。一実施形態において、ミニ錠剤コアは、アルファ化デンプン、HPMC、メチルセルロースおよびゼラチンからなる群から選択される1種または複数種の液状結合剤を含む。
【0120】
一実施形態において、錠剤コアは、5~25重量%の結合剤、例えば5~7.5重量%、例えば7.5~10重量%、例えば10~12.5重量%、例えば12.5~15重量%、例えば15~17.5重量%、例えば17.5~20重量%、例えば20~22.5重量%、例えば22.5~25重量%の結合剤を含む。
【0121】
一実施形態において、錠剤コアは、1~20重量%の液状結合剤、例えば1~2.5重量%、例えば2.5~5重量%、例えば5~7.5重量%、例えば7.5~10重量%、例えば10~12.5重量%、例えば12.5~15重量%、例えば15~17.5重量%、例えば17.5~20重量%の液状結合剤を含む。
【0122】
一実施形態において、ミニ錠剤コアは結晶セルロース(MCC)およびアルファ化デンプンを含む。
【0123】
一実施形態において、錠剤コアは、5~25重量%の結晶セルロース、例えば5~7.5重量%、例えば7.5~10重量%、例えば10~12.5重量%、例えば12.5~15重量%、例えば15~17.5重量%、例えば17.5~20重量%、例えば20~22.5重量%、例えば22.5~25重量%の結晶セルロースを含む。一実施形態において、ミニ錠剤コアは10~20重量%の結晶セルロ-スを含む。
【0124】
一実施形態において、錠剤コアは、1~20重量%のアルファ化デンプン、例えば1~2.5重量%、例えば2.5~5重量%、例えば5~7.5重量%、例えば7.5~10重量%、例えば10~12.5重量%、例えば12.5~15重量%、例えば15~17.5重量%、例えば17.5~20重量%のアルファ化デンプンを含む。一実施形態において、ミニ錠剤コアは、5~10重量%などの5~15重量%のアルファ化デンプンを含む。
【0125】
一実施形態において、錠剤コアは、抗付着剤を含み、例えば0.25~0.50重量%の抗付着剤、例えば0.50~0.75重量%、例えば0.75~1.0重量%、例えば1.0~1.25重量%、例えば1.25~1.50重量%、例えば1.50~1.75重量%、例えば1.75~2.0重量%の抗付着剤を含む。
【0126】
一実施形態において、抗付着剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、モノステアリン酸グリセリン、硬化ヒマシ油、硬化植物油、中鎖グリセリド、パルミチン酸、ポロキサマー、ポリエチレングリコール、ステアリン酸および滑石からなる群から選択される。一実施形態において、抗付着剤はステアリン酸マグネシウムである。
【0127】
一実施形態において、レボドパを含む錠剤コアは、
-25~75重量%のレボドパ、例えば25~30重量%、例えば30~35重量%、例えば35~40重量%、例えば40~45重量%、例えば45~50重量%、例えば50~55重量%、例えば60~65重量%、例えば65~70重量%、例えば70~75重量%のレボドパと、
-15~50重量%の超崩壊剤、例えば15~20重量%、例えば20~25重量%、例えば25~30重量%、例えば30~35重量%、例えば35~40重量%、例えば40~45重量%、例えば45~50重量%の超崩壊剤と、
-10~50重量%の賦形剤、例えば10~15重量%、例えば15~20重量%、例えば20~25重量%、例えば25~30重量%、例えば30~35重量%、例えば35~40重量%、例えば40~45重量%、例えば45~50重量%の賦形剤と、
-0~2重量%の抗付着剤、例えば0.25~0.50重量%の抗付着剤、例えば0.50~0.75重量%、例えば0.75~1.0重量%、例えば1.0~1.25重量%、例えば1.25~1.50重量%、例えば1.50~1.75重量%、例えば1.75~2.0重量%の抗付着剤と
を含む、またはこれらからなる。
【0128】
一実施形態において、レボドパを含む錠剤コアは、
-40~60重量%のレボドパと、
-20~40重量%の超崩壊剤と、
-10~30重量%の賦形剤と、
-0.5~1.5重量%の抗付着剤と
を含む、またはこれらからなる。
【0129】
一実施形態において、レボドパを含む錠剤コアは、
-40~60重量%、例えば45~55重量%のレボドパと、
-20~40重量%、例えば25~35重量%のデンプングリコール酸ナトリウムと、
-5~25重量%、例えば10~20重量%の結晶セルロースと、
-1~20重量%、例えば5~10重量%のアルファ化デンプンと、
-0.5~1.5重量%、例えば1重量%のステアリン酸マグネシウムと
を含む、またはこれらからなる。
【0130】
一実施形態において、ドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む錠剤コアは、
-25~75重量%のドパデカルボキシラーゼ阻害剤、例えば25~30重量%、例えば30~35重量%、例えば35~40重量%、例えば40~45重量%、例えば45~50重量%、例えば50~55重量%、例えば60~65重量%、例えば65~70重量%、例えば70~75重量%のドパデカルボキシラーゼ阻害剤と、
-15~50重量%の超崩壊剤、例えば15~20重量%、例えば20~25重量%、例えば25~30重量%、例えば30~35重量%、例えば35~40重量%、例えば40~45重量%、例えば45~50重量%の超崩壊剤と、
-10~50重量%の賦形剤、例えば10~15重量%、例えば15~20重量%、例えば20~25重量%、例えば25~30重量%、例えば30~35重量%、例えば35~40重量%、例えば40~45重量%、例えば45~50重量%の賦形剤と、
-0~2重量%の抗付着剤、例えば0.25~0.50重量%の抗付着剤、例えば0.50~0.75重量%、例えば0.75~1.0重量%、例えば1.0~1.25重量%、例えば1.25~1.50重量%、例えば1.50~1.75重量%、例えば1.75~2.0重量%の抗付着剤と
を含む、またはこれらからなる。
【0131】
一実施形態において、錠剤コアはカルビドパを含む。
【0132】
一実施形態において、コーティング錠剤は、顆粒化、圧縮およびそれに続くフィルムコーティングによって製造される。
【0133】
一実施形態において、コーティングミニ錠剤は圧縮されて錠剤を形成する。一実施形態において、コーティングミニ錠剤は、カプセル、パウチ、小袋またはスティックパック中に包装される。
【0134】
コーティング
外側コーティングを塗布して錠剤の重量をある程度まで増加させ、それによって物質の放出を遅延することが想定される。本明細書で定義する重量増加または重量増は、錠剤コア重量に対しての増加である。
【0135】
一実施形態において、外側コーティングは、ミニ錠剤コアの重量を10~40重量%、例えば10~12.5重量%、例えば12.5~15重量%、例えば15~17.5重量%、例えば17.5~20重量%、例えば20~22.5重量%、例えば22.5~25重量%、例えば25~27.5重量%、例えば27.5~30重量%、例えば30~32.5重量%、例えば32.5~35重量%、例えば35~37.5重量%、例えば37.5~40重量%増加させるために塗布される。一実施形態において、これは、レボドパを含むミニ錠剤コアと、ドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含むミニ錠剤コアに適用される。
【0136】
一実施形態において、外側コーティングは、ミニ錠剤コアの重量を17.5重量%~25重量%、例えば20~25重量%増加させるために塗布される。
【0137】
一実施形態において、外側コーティングは、ミニ錠剤コアの重量を少なくとも15重量%、例えば少なくとも17.5重量%、例えば少なくとも20重量%、例えば少なくとも22.5重量%、例えば少なくとも25重量%増加させるために塗布される。
【0138】
一実施形態において、外側コーティングは、ミニ錠剤コアの重量をおよそ15重量%、例えばおよそ17.5重量%、例えばおよそ20重量%、例えばおよそ22.5重量%、例えばおよそ25重量%、例えばおよそ27.5重量%、例えばおよそ30重量%増加させるために塗布される。
【0139】
一実施形態において、外側コーティングは、錠剤コア(ミニ錠剤ではない)の重量を1~20重量%、例えば1~2.5重量%、例えば2.5~5重量%、例えば5~7.5重量%、例えば7.5~10重量%、例えば10~12.5重量%、例えば12.5~15重量%、例えば15~17.5重量%、例えば17.5~20重量%増加させるために塗布される。一実施形態において、これは、レボドパを含む錠剤コアと、ドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む錠剤コアとに適用される。
【0140】
一実施形態において、外側コーティングは、本明細書の他の箇所で定義する所望の遅延時間を達成するために、レボドパを含む錠剤コアに塗布される。
【0141】
一実施形態において、外側コーティングは、本明細書の他の箇所で定義する所望の遅延時間を達成するために、ドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む錠剤コアに塗布される。
【0142】
一実施形態において、レボドパを含む錠剤コアの外側コーティングの重量増加および、ドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む錠剤コアの外側コーティングの重量増加は、本明細書に明記されるように、ドパデカルボキシラーゼ阻害剤より先にレボドパを放出させるために調節される。
【0143】
一実施形態において、レボドパを含む錠剤コアの外側コーティングの重量増加は、ドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む錠剤コアの外側コーティングの重量増加よりも高い。
【0144】
一実施形態において、レボドパを含む錠剤コアの外側コーティングの重量増加は、ドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む錠剤コアの外側コーティングの重量増加よりも1~25%程度高く、例えば1~2%程度、例えば2~3%程度、例えば3~4%程度、例えば4~5%程度、例えば5~6%程度、例えば6~7%程度、例えば7~8%程度、例えば8~9%程度、例えば9~10%程度、例えば10~11%程度、例えば11~12%程度、例えば12~13%程度、例えば13~14%程度、例えば14~15%程度、例えば15~16%程度、例えば16~17%程度、例えば17~18%程度、例えば18~19%程度、例えば19~20%程度、例えば20~21%程度、例えば21~22%程度、例えば22~23%程度、例えば23~24%程度、例えば24~25%程度高い。
【0145】
一実施形態において、コーティングは不溶性で破裂可能なフィルムである。
【0146】
一実施例において、コーティングは不溶性で半透性のフィルムである。
【0147】
一実施形態において、コーティングは半透性フィルムである。
【0148】
一実施形態において、コーティングはフィルム形成ポリマーを含む。
【0149】
一実施形態において、コーティングは水不溶性ポリマーを含む。
【0150】
一実施形態において、コーティングは、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸セルロース、アクリルポリマー、腸溶性ポリマー、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル、シェラック、ワックスおよびエチルセルロース分散剤の1種または複数種を含む。
【0151】
一実施形態において、コーティングはエチルセルロースを含む。
【0152】
一実施形態において、コーティングは、ポア形成剤、例えば親水性ポア形成剤をさらに含む。一実施形態において、ポア形成剤は、ポリビニルアルコール(PVA)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)およびポリエチレングリコール(PEG)からなる群から選択される。
【0153】
一実施形態において、コーティングは水不溶性ポリマーと、親水性ポア形成剤とを含む。
【0154】
一実施形態において、コーティングは、エチルセルロースと、ポア形成剤、例えば、PVA、HPMC、PVPおよびPEGから選択されるポア形成剤とを含む。一実施形態において、外側コーティングはエチルセルロースと、PVAとを含む。一実施形態において、外側コーティングはエチルセルロースと、HPMCとを含む。
【0155】
一実施形態において、コーティングは、5~40重量%のポア形成剤、例えば5~10重量%、例えば10~15重量%、例えば15~20重量%、例えば20~25重量%、例えば25~30重量%、例えば30~35重量%、例えば35~40重量%のポア形成剤を含む。一実施形態において、外側コーティングは10~30%の、例えば15~25重量%のポア形成剤を含む。
【0156】
一実施形態において、フィルム形成ポリマー(または水不溶性ポリマー)および親水性ポア形成剤のコーティングの割合は、約10/90、15/85、20/80、25/75または30/70である。
【0157】
一実施形態において、コーティングはおよそ80重量%のエチルセルロースと、およそ20重量%のHPMCとを含む。一実施形態において、外側コーティングはおよそ80重量%のエチルセルロースと、およそ20重量%のPVAとを含む。
【0158】
投与および投与量
本明細書に開示される医薬組成物は、治療を必要とする個体に薬学的有効量で投与されるのが好ましい。化合物または医薬品有効成分の治療有効量は、一定の疾患または運動障害およびその合併症の臨床症状を治療する、防止する、そのリスクを低下させる、軽減する、または部分的に抑制するのに十分な量である。特定の治療目的のための効果的な量は、運動障害の重症度および種類、ならびに対象の体重および全身状態に依存する。
【0159】
本開示による医薬組成物は、1日数回、例えば1日1~4回、例えば1日1~3回、例えば1日1~2回、例えば1日2~4回、例えば1日2~3回投与されてよい。特定の実施形態において、医薬組成物は1日1回、例えば1日2回、例えば1日3回、例えば1日4回投与される。
【0160】
投与は限られた期間に発生し得る、または投与は長期的であり、例えば診断の開始から長期的、例えば個体の生涯にわたりまたは個体が投与から効果を得る限り、すなわち運動障害があるとき、もしくは運動障害が発症するリスクが高まっている間であり得る。
【0161】
一実施形態において、医薬組成物は、運動障害がある限り、または運動障害を発症するリスクが高まっている限り、投与されることになる。
【0162】
本発明の医薬組成物の医薬品有効成分の各々の濃度、すなわち、i)レボドパおよびii)ドパデカルボキシラーゼ阻害剤は、各医薬品有効成分の適切な投与量を達成するために最適化される。
【0163】
一実施形態において、医薬組成物はレボドパを1投与量あたり1mg~1000mgの量で、例えば、1投与量あたり約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、50、100、150、200、250、300、400、500、600、700、800、900または1000mgのレボドパを含み、上記投与量は上記量のレボドパを含む1種または複数種の剤形からなり得る。
【0164】
同様に、一実施形態において医薬組成物はドパデカルボキシラーゼ阻害剤を1投与量あたり1~250mgの量で、例えば、1投与量あたり約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、50、75、100、125、150、175、200または250mgのドパデカルボキシラーゼ阻害剤をさらに含み、上記投与量は上記量のドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む1種または複数種の剤形からなり得る。
【0165】
特定の実施形態において、医薬組成物中のレボドパの量は約100mgであり、ドパデカルボキシラーゼ阻害剤、例えばカルビドパの量は約25mgである。
【0166】
一実施形態において、医薬組成物は
i)約100mgのレボドパを10~50錠のミニ錠剤中に、例えば20~40錠のミニ錠剤中に、例えば約33錠のミニ錠剤中に含む第1の剤形と、
ii)約25mgのカルビドパなどのドパデカルボキシラーゼ阻害剤を5~15錠のミニ錠剤中に、例えば約10錠のミニ錠剤中に含む第2の剤形と
を含む多粒子剤形である。
【0167】
朝の無動状態の治療
経口レボドパは一般的に、それが最初に開始されると、強力で信頼できる症状緩和をもたらす。しかし、この薬剤を何カ月または何年にもわたって摂取した後に、ほとんどのパーキンソン病患者は、レボドパに対し変動する応答を呈し始める。
【0168】
変動応答は、薬物がよく効きパーキンソン病の症状を制御する「オン」時と、薬物が効かない、または作用が遅れパーキンソン病の症状が十分に制御されない「オフ」時とに分かれる。朝の無動状態は「オフ」エピソードの一形態である。朝の無動状態の症状としては、朝の振戦、寡動、筋硬直、すくみ現象と転倒、および運動と歩行の困難が挙げられる。
【0169】
一態様は、パーキンソン病患者における朝の無動状態の治療での使用のための、本明細書で定義される拍動性放出医薬組成物を提供することである。
【0170】
一態様は、パーキンソン病患者における朝の無動状態の治療での使用のための
i)レボドパおよびドパデカルボキシラーゼ阻害剤と、
ii)所定の遅延時間に続いて上記レボドパと上記ドパデカルボキシラーゼ阻害剤のパルス放出をもたらす拍動性放出成分と
を含む拍動性放出医薬組成物を提供することである。
【0171】
一態様は、パーキンソン病患者における朝の無動状態の治療での使用のための
i)レボドパを含む第1の拍動性放出成分であって、上記第1の拍動性放出成分が所定の遅延時間に続いてレボドパのパルス放出をもたらす、第1の拍動性放出成分と、
ii)ドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む第2の拍動性放出成分であって、上記第2の拍動性放出成分が所定の遅延時間に続いて上記ドパデカルボキシラーゼ阻害剤のパルス放出をもたらす、第2の拍動性放出成分と
を別々に、または共に含み、任意選択で、レボドパを含む上記第1の拍動性放出成分の遅延時間がドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む上記第2の拍動性放出成分の遅延時間よりも長い、医薬組成物を提供することである。
【0172】
一態様は、パーキンソン病患者における朝の無動状態の治療用の薬物の製造のために、
i)レボドパを含む第1の拍動性放出成分であって、上記第1の拍動性放出成分が所定の遅延時間に続いてレボドパのパルス放出をもたらす、第1の拍動性放出成分と、
ii)ドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む第2の拍動性放出成分であって、上記第2の拍動性放出成分が所定の遅延時間に続いて上記ドパデカルボキシラーゼ阻害剤のパルス放出をもたらす、第2の拍動性放出成分と
を別々に、または共に含み、任意選択で、レボドパを含む上記第1の拍動性放出成分の遅延時間がドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む上記第2の拍動性放出成分の遅延時間よりも長い、医薬組成物の使用を提供することである。
【0173】
一態様において、パーキンソン病患者における朝の無動状態を治療する方法が提供され、方法は、
i)レボドパを含む第1の拍動性放出成分であって、上記第1の拍動性放出成分が所定の遅延時間に続いてレボドパのパルス放出をもたらす、第1の拍動性放出成分と、
ii)ドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む第2の拍動性放出成分であって、上記第2の拍動性放出成分が所定の遅延時間に続いて上記ドパデカルボキシラーゼ阻害剤のパルス放出をもたらす、第2の拍動性放出成分と
を別々に、または共に含み、任意選択で、レボドパを含む上記第1の拍動性放出成分の遅延時間がドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む上記第2の拍動性放出成分の遅延時間よりも長い、医薬組成物を投与することを含む。
【0174】
また、a)パーキンソン病患者における夜間の睡眠パターンを改善する方法、b)早朝のオフ期の誘発に関与する睡眠障害を軽減する方法、c)パーキンソン病患者にレボドパの普及を終夜もたらす方法、d)パーキンソン病患者におけるオフ時を短縮する方法、e)ドーパミン作用の夜間の低下を減少させる方法、および/またはf)パーキンソン病患者におけるオン時を延長する方法での使用のための本明細書で定義される医薬組成物も提供される。
【0175】
また、パーキンソン病患者における朝の無動状態に付随する運動症状および非運動症状を軽減する方法での使用のための本明細書で定義される医薬組成物も提供される。
【0176】
朝の無動状態に付随する主な非運動症状は、尿意切迫、不安、流涎、疼痛、抑うつ、四肢の知覚障害、およびめまい感である。
【0177】
朝の無動状態に最近関係付けられた他の症状としては、食後の腹部膨満感、腹部不快感、早期満腹感、悪心、嘔吐、体重減少、および栄養障害が挙げられる。
【0178】
本明細書で用いる場合、「治療」および「治療すること」という用語は、病態、疾患または障害と闘うための、患者の管理およびケアを指す。この用語は、患者が患っている所与の病態の全面的な治療、例えば、症状または合併症を軽減する、もしくは緩和するための、および/または病態、疾患もしくは障害を予防するための組成物の投与を含むと意図され、
「予防すること」は、病態、疾患または障害の発症を妨げるために患者の管理およびケアを指すと理解され、および症状または合併症の発症のリスクを防止する、または低下させるための組成物の投与を含む。治療される患者は、好ましくは哺乳動物、特にヒトである。
【0179】
「パーキンソン病」、「パーキンソン」および「PD」という用語は、黒質の大脳基底核での退行性変化、血管変化または炎症性変化から生じる、ドーパミン欠乏症によって特徴づけられる神経症候群を指す。この用語は、パーキンソン病に似ているが、パーキンソン病に起因し得る、または起因しないかもしれない、特定の抗精神病薬に起因するパーキンソン病様の副作用などの、症候群も指す。
【0180】
一実施形態において、上記組成物は治療有効量で投与される。本明細書で用いる場合、治療有効量は、一定の疾患または障害およびその合併症の臨床症状、特にパーキンソン病患者における朝の無動状態を治癒する、軽減する、防止する、そのリスクを低下させる、または部分的に抑制するのに十分な量を指す。
【0181】
一実施形態において、上記医薬組成物は睡眠の前に投与される。一実施形態において、上記医薬組成物は1日1回睡眠の前に投与される。
【0182】
一実施形態において、上記医薬組成物は就寝前に投与される。一実施形態において、上記医薬組成物は1日1回就寝前に投与される。
【0183】
一実施形態において、上記医薬組成物は、睡眠の4~0時間前に、例えば睡眠の4時間~3時間半前、例えば3時間半~3時間前、例えば3時間~2時間半前、例えば2時間半~2時間前、例えば2時間~1時間半前、例えば1時間半~1時間前、例えば1時間~45分前、例えば45分~30分前、例えば30分~20分前、例えば20分~15分前、例えば15分~10分前、例えば10分~5分前、例えば5分~1分前、例えば1分~0分前に投与される。
【0184】
一実施形態において、上記医薬組成物は、就寝の4~0時間前に、就寝の例えば4時間~3時間半前、例えば3時間半~3時間前、例えば3時間~2時間半前、例えば2時間半~2時間前、例えば2時間~1時間半前、例えば1時間半~1時間前、例えば1時間~45分前、例えば45分~30分前、例えば30分~20分前、例えば20分~15分前、例えば15分~10分前、例えば10分~5分前、例えば5分~1分前、例えば1分~0分前に投与される。
【0185】
一実施形態において、上記医薬組成物は、即放性レボドパ製品および/または制御放出性レボドパ製品との組み合わせで投与される。
【0186】
さらなる医薬品有効成分
一実施形態において、医薬組成物は1種または複数種のさらなる医薬品有効成分を別々に、または共にさらに含む。そのようなさらなる医薬品有効成分は、レボドパを含む第1の剤形中に、ドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む第2の剤形中に、または第3の剤形中に存在してよい。
【0187】
一実施形態において、さらなる医薬品有効成分は、ドーパミン;ドーパミン受容体アゴニスト、例えばブロモクリプチン、ペルゴリド、プラミペキソール、ロピニロール、ピリベジル、カベルゴリン、アポモルフィネ、リスリドおよびその誘導体;カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害剤、例えばトルカポンおよびエンタカポン;アポモルフィネ、例えばアポモルフィネ注射;NMDAアンタゴニスト、例えばアマンタジン(Symmetrel);MAO-B阻害剤、例えばセレギリンおよびラサギリン;セロトニン受容体モジュレーター;κオピオイド受容体アゴニスト、例えばTRK-820((E)-N-[17-シクロプロピルメチル)-4、5α-エポキシ-3、14-ジヒドロキシモルフィナン-6β-イル)]-3-(フラン-3-イル)-N-メチルプロパー2-エナミド一塩酸塩);GABAモジュレーター;神経カリウムチャネルのモジュレーター、例えばフルピルチンおよびレチガビン;ならびにグルタミン酸受容体モジュレーターからなる群から選択される。
【0188】
一実施形態において、医薬組成物は、レボドパの薬理学的に活性なレベルをおよそ1~8時間などの長時間、達成するために、即放特性および制御放出特性を有するレボドパを含む他の医薬組成物との組み合わせで投与される。これにより、現在使用されている製品と比較して、大多数のパーキンソン病患者にとって投与頻度が大幅に減少する。
【0189】
一実施形態において、医薬組成物は、レボドパを含む即放性製品と組み合わせて投与され、および/またはレボドパを含む制御放出性製品と組み合わせて投与される。
【0190】
一実施形態において、医薬組成物は、Sinemet、Pharmacopa、Atamet、Stalevo、Madopar、Prolopa、Parcopa、Lodosyn、Modopar、Madopark、Neodopasol、EC-Doparyl、Aldomet、Aldoril、DopametおよびDopegytからなる群から選択される1または複数の製品と組み合わせて投与される。
【0191】
一実施形態において、本明細書に開示される医薬組成物およびさらなる医薬品有効成分は、同時に、別々に、または順次投与される。
【0192】
部品の一式
本開示は、本明細書に記載の朝の無動状態の治療に有用である部品の一式も提供する。
【0193】
本開示による部品の一式は、朝の無動状態の治療、予防または軽減のための本明細書で定義される医薬組成物を含む。一式は、本明細書に記載の医薬組成物と1種または複数種のさらなる医薬品有効成分との同時投与、順次投与、もしくは個別投与を可能にする。
【0194】
実施例
実施例1
ラクトースをタンブルミキサー中で結晶セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、モデル化合物(ニコチン酸アミド)と5分間混合した。次に、ステアリン酸マグネシウムを加え、30秒間混合した。混合物を錠剤に圧縮した。各錠剤は6.6mgの錠剤重量と2mmの大きさを有し、0.28mgのモデル化合物をそれぞれ保持した。
錠剤の厚さは、およそ1.7mmであった。
【0195】
【表1】
【0196】
モデル化合物ミニ錠剤を流動床で、エチルセルロース系半透性フィルムでフィルムコーティングした。フィルム組成を下記の表に示す。325gのコア錠剤に対し、所望により錠剤重量を最高25.0%まで増加させてフィルムコーティングできるよう、生成損失のための10%の過剰を含め1000gのフィルム溶液を生成した。噴霧条件を、28~30℃の放出口空気温度に調節した。20%、23%および25%の所望の錠剤重量増に達するために、それぞれ、682.0g、784.9gおよび853.1gのフィルム溶液を塗布した。
【0197】
【表2】
【0198】
ミニ錠剤44錠を、USP2 Paddle装置(USP Paddle Dissolution Test Method)を使用して溶出について試験した。各容器に等張食塩水600mLを入れ、75rpmで回転させた。回収した試料を、分光光度計を用い260nmで定量した。結果を図2に示す。
【0199】
実施例2
実施例1からのミニ錠剤を流動床で、エチルセルロース系半透性フィルムでフィルムコーティングした。フィルム組成を下記の表に示す。325gのコア錠剤に対して、所望により錠剤重量を最高25.0%まで増加させてフィルムコーティングできるよう、生成損失のための10%の過剰を含め1000gのフィルム溶液を生成した。噴霧条件を、28~29℃の放出口空気温度に調節した。10%、15%、20%および25%の所望の錠剤重量増に達するために、それぞれ、341.3g、511.9g、682.5gおよび853.1gのフィルム溶液を塗布した。
【0200】
【表3】
【0201】
ミニ錠剤44錠を、USP2 Paddle装置を使用して溶出について試験した。各容器に等張食塩水600mLを入れ、75rpmで回転させた。回収した試料を、分光光度計を用い260nmで定量した。結果を図3Aに示す。
【0202】
実施例3
実施例1からのミニ錠剤を、以下のフィルム組成を用いて実施例2に記載のようにフィルムコーティングした。
【0203】
【表4】
【0204】
ミニ錠剤を、実施例2に記載のように試験し、その結果を図3Bに示す。
【0205】
実施例4
実施例1からのミニ錠剤を、以下のフィルム組成を用いて実施例2に記載のようにフィルムコーティングした。
【0206】
【表5】
【0207】
ミニ錠剤を、実施例2に記載のように試験し、その結果を図4Aに示す。
【0208】
実施例5
実施例1からのミニ錠剤を、以下のフィルム組成を用いて実施例2に記載のようにフィルムコーティングした。
【0209】
【表6】
【0210】
ミニ錠剤を、実施例2に記載のように試験し、その結果を図4Bに示す。
【0211】
実施例6
レボドパを1Lの高せん断ミキサー中で結晶セルロース、デンプングリコール酸ナトリウムおよびアルファ化デンプンと2分間混合した。精製水を、適度な湿分になるまで混合しながら3~4分かけてゆっくりと加え、次いで2分間、粒状化させた。生成した粒状体を40℃で終夜乾燥させ、0.6mmスクリーンでふるい分けした。
【0212】
【表7】
【0213】
生成したレボドパ粒状体をデンプングリコール酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムと混合した。
【0214】
【表8】
【0215】
混合物を圧縮して錠剤にした。各錠剤は錠剤重量6.15mgおよび大きさ2mmを有し、レボドパ2.8mgをそれぞれ保持した。錠剤の厚さは、およそ1.7mmであった。
【0216】
【表9】
【0217】
レボドパミニ錠剤を流動床で、エチルセルロース系半透性フィルムでフィルムコーティングした。フィルム組成を下記の表に示す。320gのコア錠剤に対して、所望により錠剤重量を最高25.0%まで増加させてフィルムコーティングできるよう、生成損失のための10%の過剰を含め900gのフィルム溶液を生成した。噴霧条件を、27~29℃の放出口空気温度に調節した。10%、15%、20%および25%の所望の錠剤重量増に達するために、それぞれ、336.0g、504.0g、672.0gおよび840.0gのフィルム溶液を塗布した。
【0218】
【表10】
【0219】
100mgのレボドパは、約35錠のミニ錠剤に相当する。
【0220】
実施例7
レボドパを1Lの高せん断ミキサー中で結晶セルロース、デンプングリコール酸ナトリウムおよびアルファ化デンプンと2分間混合した。精製水を、適度な湿分になるまで混合しながら3~4分かけてゆっくりと加え、次いで2分間、粒状化させた。生成した粒状体を40℃で終夜乾燥させ、0.6mmスクリーンでふるい分けした。
【0221】
【表11】
【0222】
生成したレボドパ粒状体をデンプングリコール酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムと混合した。混合物を圧縮して錠剤にした。各錠剤は錠剤重量6.4mg、大きさ2mmを有し、レボドパ3.0mgをそれぞれ保持した。錠剤の厚さは、およそ1.7mmであった。
【0223】
【表12】
【0224】
レボドパミニ錠剤を流動床で、エチルセルロース系半透性フィルムでフィルムコーティングした。フィルム組成を下記の表に示す。300gのコア錠剤に対して、所望により錠剤重量を最高25.0%まで増加させてフィルムコーティングできるよう、生成損失のための10%の過剰を含め900gのフィルム溶液を生成した。噴霧条件を、27~29℃の放出口空気温度に調節した。17.5%、20.0%、22.5%および25%の所望の錠剤重量増に達するために、それぞれ、551.3g、630.0g、708.8gおよび787.5gのフィルム溶液を塗布した。
【0225】
【表13】
【0226】
100mgのレボドパは、約33錠のミニ錠剤に相当する。
【0227】
実施例8
実施例6からのミニ錠剤を、USP2 Paddle装置を使用して溶出について試験した。100mgのレボドパに相当するミニ錠剤を、600mlの等張食塩液と75rpmを用いて各容器で試験した。回収した試料を、分光光度計を用い284nmで定量した。結果(実線)は、実施例5からの結果(点線)とともに図6に示され、モデル化合物と比較してレボドパからの同様の放出を示す。
【0228】
実施例9
実施例7からのミニ錠剤を、USP2 Paddle装置を使用して溶出について試験した。100mgのレボドパに相当するミニ錠剤を、600mlの等張食塩液と75rpmを用いて各容器で試験した。回収した試料を、分光光度計を用い284nmで定量した。結果を図5に示す。
【0229】
実施例10
レボドパを1Lの高せん断ミキサー中で結晶セルロース、デンプングリコール酸ナトリウムおよびアルファ化デンプンと2分間混合した。精製水を、適度な湿分になるまで混合しながら3~4分かけてゆっくりと加え、次いで2分間、粒状化させた。生成した粒状体を40℃で終夜乾燥させ、0.6mmスクリーンでふるい分けした。
【0230】
【表14】
【0231】
生成したレボドパ粒状体をデンプングリコール酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムと混合した。混合物を圧縮して錠剤にした。各錠剤は錠剤重量5.75mg、大きさ2mmを有し、レボドパ4.0mgをそれぞれ保持した。錠剤の厚さは、およそ1.6mmであった
【0232】
【表15】
【0233】
レボドパミニ錠剤を流動床で、実施例6に記載のように半透性フィルムでフィルムコーティングした。100mgのレボドパは、約44錠のミニ錠剤に相当する。
【0234】
ミニ錠剤を、実施例8に記載のように溶出について試験した。結果は図7に示され、超崩壊剤のレベルが低く不十分な対照放出および不十分なバースト放出を示す。
【0235】
実施例11
カルビドパを1Lの高せん断ミキサー中で結晶セルロース、デンプングリコール酸ナトリウムおよびアルファ化デンプンと2分間混合した。精製水を、適度な湿分になるまで混合しながら3~4分かけてゆっくりと加え、次いで2分間、粒状化させた。生成した粒状体を40℃で終夜乾燥させ、0.6mmスクリーンでふるい分けした。
【0236】
【表16】
【0237】
生成したカルビドパ粒状体をデンプングリコール酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムと混合した。混合物を圧縮して錠剤にした。各錠剤は錠剤重量6.90mg、大きさ2mmを有し、カルビドパ2.5mgをそれぞれ保持した。錠剤の厚さは、およそ1.9mmである。
【0238】
【表17】
【0239】
カルビドパミニ錠剤を流動床で、エチルセルロース系半透性フィルムでフィルムコーティングした。フィルム組成を下記の表に示す。300gのコア錠剤に対し、所望により錠剤重量を最高25.0%まで増加させてフィルムコーティングできるよう、生成損失のための10%の過剰を含め900gのフィルム溶液を生成した。噴霧条件を、27~29℃の放出口空気温度に調節した。10%、15%、20%および25%の所望の錠剤重量増に達するために、それぞれ、336.0g、504.0g、672.0gおよび840.0gのフィルム溶液を塗布した。
【0240】
【表18】
【0241】
25mgのカルビドパは、約10錠のミニ錠剤に相当する。
【0242】
実施例12
実施例11からのミニ錠剤を、USP2 Paddle装置を使用して溶出について試験した。25mgのカルビドパに相当するミニ錠剤を、600mlの等張食塩液と75rpmを用いて各容器で試験した。回収した試料を、分光光度計を用い284nmで定量した。
【0243】
実施例13
実施例7からの25%重量増までコーティングしたレボドパミニ錠剤33錠と、実施例11からのフィルムコーティングしたカルビドパミニ錠剤錠とを混合し、ハードシェルゼラチンカプセル、サイズ0に充填した。カプセルはレボドパ100mg+カルビドパ25mgの用量を保持し、有効成分は遅延時間後に放出され、カルビドパに続いてレボドパが放出される。
【0244】
実施例14
朝の無動状態、第I相PK試験
健常者におけるカルビドパとL-ドパを含有するいくつかの選択された試作製剤の単回投与の薬物動態特性および相対的バイオアベイラビリティを評価する、無作為、非盲検、交差試験。
【0245】
主要評価項目は、カルビドパとL-ドパを含有するいくつかの選択された試作拍動性放出製剤の単回投与の薬物動態(PK)特性および相対的バイオアベイラビリティを評価することである。
【0246】
以下の評価を行う:
・血漿からの濃度-時間データを用いて、最大血漿レベル(CmaxとTmax)を含む、L-ドパおよびカルビドパについて適用可能なPKパラメータを算出する。
【0247】
実施例15
朝の無動状態、第Ib相、有効性/安全性およびPK試験
朝の無動状態を呈するパーキンソン病患者におけるカルビドパおよびL-ドパを含有するいくつかの選択された試作製剤の単回投与の短期有効性および安全性ならびに薬物動態特性を評価する、無作為、二重盲式、プラセボ対照、交差試験。
【0248】
主要評価項目は、カルビドパおよびL-ドパを含有するいくつかの選択された試作拍動性放出製剤の単回投与の有効性(短時間)を評価することである。
【0249】
以下の評価を行う:
・カルビドパおよびL-ドパを含有する選択された試作製剤を用いる治療後に朝の無動状態が通常見られる(UPDRSスケールを用いて)午前の時間でのパーキンソン病症状の評価。
【0250】
実施例10
カルビドパを1Lの高せん断ミキサー中で結晶セルロース、デンプングリコール酸ナトリウムおよびアルファ化デンプンと2分間混合した。精製水中のアルファ化デンプン溶液を、適度な湿分になるまで混合しながら2~3分かけてゆっくりと加え、次いで1分間、粒状化させた。生成した粒状体をおよそ60℃のSTREA流動床で、水分活性が20%以下になるまで乾燥させ、1.4mmスクリーンでふるい分けした。
【0251】
【表19】
【0252】
生成したカルビドパ粒状体をデンプングリコール酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムと混合した。混合物を圧縮して錠剤にした。各錠剤は約7.20mgの錠剤重量、2mmの大きさを有し、カルビドパ2.6mgをそれぞれ保持した。錠剤の厚さは、およそ1.8mmであった。
【0253】
【表20】
【0254】
カルビドパミニ錠剤を流動床で、エチルセルロース系半透性フィルムでフィルムコーティングした。フィルム組成を下記の表に示す。300gのコア錠剤に対し、所望により錠剤重量を最高25.0%まで増加させてフィルムコーティングできるよう、生成損失のための5%の過剰を含め900gのフィルム溶液を生成した。噴霧条件を、27~29℃の放出口空気温度に調節した。15%、17.5%、20%、22.5%および25%の所望の錠剤重量増に達するために、それぞれ、441.0g、514.5g、588.0g、661.5gおよび735.0gのフィルム溶液を塗布した。
【0255】
【表21】
【0256】
25mgのカルビドパは、約10錠のミニ錠剤に相応する。
【0257】
実施例11
実施例16からのミニ錠剤を、USP2 Paddle装置を使用して溶出について試験した。25mgのカルビドパに相当するミニ錠剤を、600mlの等張食塩液と75rpmを用いて各容器で試験した。回収した試料を、分光光度計を用い284nmで定量した。結果を図8に示す。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2022-07-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)レボドパを含む第1の拍動性放出成分であって、前記第1の拍動性放出成分が、前記レボドパの放出が実質的にない2~8時間の所定の遅延時間に続いてレボドパのパルス放出をもたらすフィルムコーティングを備えた錠剤コアを含む、第1の拍動性放出成分と、
ii)ドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む第2の拍動性放出成分であって、前記第2の拍動性放出成分が前記ドパデカルボキシラーゼ阻害剤の放出が実質的にない2~8時間の所定の遅延時間に続いて前記ドパデカルボキシラーゼ阻害剤のパルス放出をもたらすフィルムコーティングを備えた錠剤コアを含む、第2の拍動性放出成分と
を別々にまたは共に含む拍動性医薬組成物であって、
任意選択でレボドパを含む前記第1の拍動性放出成分の遅延時間がドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む前記第2の拍動性放出成分の遅延時間よりも長い、拍動性放出医薬組成物。
【請求項2】
前記ドパデカルボキシラーゼ阻害剤がカルビドパ、ベンセラジド、メチルドパおよびDFMD(α-ジフルオロメチル-ドパ)からなる群から選択される、請求項に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記レボドパが、レボドパ、レボドパメチルエステルXP21279、および重水素化レボドパからなる群から選択される、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記医薬組成物が経口固形剤形である、請求項1~のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記医薬組成物が多粒子剤形である、請求項1~のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項6】
i)レボドパを含む前記第1の拍動性放出成分の遅延時間、およびドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む前記第2の拍動性放出成分の遅延時間が小腸の下部などの、小腸において前記レボドパおよび前記ドパデカルボキシラーゼ阻害剤をパルス放出するよう調節される、請求項1~のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項7】
レボドパを含む前記第1の拍動性放出成分の遅延時間が、ドパデカルボキシラーゼ阻害剤を含む前記第2の拍動性放出成分の遅延時間よりも5分~90分長い、請求項1~のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記医薬組成物がコーティング錠剤、コーティングミニ錠剤、コーティングマイクロ錠剤、コーティングスフェア剤、コーティングペレット剤、コーティング顆粒剤およびコーティングカプセル剤からなる群から選択される、請求項1~のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記医薬組成物が可溶性及び/又は膨潤性のコア、並びにコーティングを含む、請求項1~のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記医薬組成物が、不溶性コーティングを含む、請求項1~のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記不溶性コーティングが半透過不溶性コーティングまたは破裂可能な不溶性コーティングである、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記不溶性コーティングがフィルム形成ポリマーおよび/または水不溶性ポリマーを含み、任意選択で、前記フィルム形成ポリマーおよび/または水不溶性ポリマーがエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸セルロース、アクリルポリマー、腸溶性ポリマー、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル、シェラック、ワックスおよびエチルセルロース分散剤からなる群から選択される、請求項10又は11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記医薬組成物が、水不溶性ポリマーとポア形成剤とを含む半透不溶性コーティングを含み、任意選択で、前記ポア形成剤がポリビニルアルコール(PVA)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)およびポリエチレングリコール(PEG)からなる群から選択される、請求項1~12のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記医薬組成物が水溶性または浸食性のコーティングを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記医薬組成物が1種または複数種のさらなる医薬品有効成分を、別々にまたは共に、さらに含み、任意選択で、前記さらなる医薬品有効成分がドーパミン;ドーパミン受容体アゴニスト;カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害剤;アポモルフィネ;NMDAアンタゴニスト;MAO-B阻害剤;セロトニン受容体モジュレーター;κオピオイド受容体アゴニスト;GABAモジュレーター;神経カリウムチャネルのモジュレーター;グルタミン酸受容体モジュレーター;レボドパを含む即放性製品ならびにレボドパを含む制御放出性製品からなる群から選択される、請求項1~14のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項16】
パーキンソン病患者における朝の無動状態の治療での使用のための医薬組成物であって、任意選択で、前記医薬組成物が睡眠の前に投与される、請求項1~15のいずれかに記載の医薬組成物。