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▶ レッド・ブル・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツングの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022120089
(43)【公開日】2022-08-17
(54)【発明の名称】甘味付与用組成物
(51)【国際特許分類】
   A23L 27/00 20160101AFI20220809BHJP
   A23L 27/30 20160101ALI20220809BHJP
   A23L 2/00 20060101ALI20220809BHJP
   A23L 2/60 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
A23L27/00 F
A23L27/00 101A
A23L27/30 Z
A23L27/30 C
A23L2/00 B
A23L2/00 T
A23L2/60
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022093704
(22)【出願日】2022-06-09
(62)【分割の表示】P 2019535835の分割
【原出願日】2017-12-29
(31)【優先権主張番号】16207626.9
(32)【優先日】2016-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】15/395,432
(32)【優先日】2016-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510221733
【氏名又は名称】レッド・ブル・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】RED BULL GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ナハバガウアー,ヨーゼフ
(72)【発明者】
【氏名】ウルバン-クリク,マンフレート
(72)【発明者】
【氏名】ベーリンガー,フォルカー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】甘味知覚の開始が遅れず、かつ、任意には、苦い後味もしくはカンゾウ様の後味を有しないおよび/または口の感覚を鈍感もしくは乾いた感覚にしない低カロリー飲料を提供する。
【解決手段】甘味付与用組成物であって、a)0.1~30g/lの天然の甘味単糖と、b)40~110g/lの天然の甘味二糖と、c)30~220mg/lのルブソシドおよび/もしくは少なくとも1種のルブソシド誘導体または0.01mg/l~15mg/lのネオヘスペリジンまたは1~500mg/lの少なくとも1種の酵素処理ステビオール配糖体もしくはそれらの任意の混合物と、水とを含有する、甘味付与用組成物とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
甘味付与用組成物であって、
a)少なくとも1種の天然の甘味炭水化物、特にスクロースと、
b)少なくとも1種のステビア化合物、特にステビオール配糖体、レバウジオシド、およびそれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1種のステビア化合物と、
c)ルブソシドおよび/または少なくとも1種のルブソシド誘導体および/またはネオヘスペリジンおよび/またはタウマチンおよび/またはフロレチンおよび/またはトリロバチンおよび/またはモナチンおよび/またはヘスペレチンおよび/または少なくとも1種の酵素処理ステビオール配糖体、特にルブソシドまたは少なくとも1種のルブソシド誘導体またはネオヘスペリジンまたは少なくとも1種の酵素処理ステビオール配糖体またはそれらの任意の組み合わせと、
d)少なくとも1種のタンニン、特にタンニン酸ならびに/または少なくとも1種のタンニン酸誘導体またはタンニン酸および/もしくは少なくとも1種のタンニン酸誘導体を含有する組成物もしくは抽出物とを含有し、
前記成分d)、特にタンニン酸および/もしくは少なくとも1種のタンニン酸誘導体の量は、前記少なくとも1種のタンニン、特にタンニン酸および前記少なくとも1種のタンニン酸誘導体に基づいて、1mg/l~400mg/lの範囲、好ましくは10mg/l~300mg/lの範囲、より好ましくは25~250mg/lの範囲である、
かつ/または
前記成分b)と、前記成分c)、特にルブソシドおよび/もしくは少なくとも1種のルブソシド誘導体と、前記成分d)、特にタンニン酸および/もしくは少なくとも1種のタンニン酸誘導体との総重量に基づいて、前記成分b)の量は45~75wt-%の範囲であり、前記成分c)、特に前記ルブソシドおよび/もしくは少なくとも1種のルブソシド誘導体の量は2~40wt-%の範囲であり、かつ前記成分d)、特にタンニン酸および/もしくは少なくとも1種のタンニン酸誘導体の量は2~40wt-%の範囲であり、いずれの場合においても前記成分b)、c)、およびd)の合計は常に100wt-%になる、甘味付与用組成物。
【請求項2】
前記少なくとも1種の天然の甘味炭水化物、特にスクロースの量は、5~80g/lの範囲、好ましくは15g/l~70g/lの範囲、より好ましくは25~55g/lの範囲である、かつ/または
ルブソシドおよび/もしくは少なくとも1種のルブソシド誘導体の量は、20~200mg/lの範囲、好ましくは20mg/l~150mg/lの範囲、より好ましくは30~125mg/lの範囲である、請求項1に記載の甘味付与用組成物。
【請求項3】
a)少なくとも1種の天然の甘味炭水化物、特にスクロースと、
b)少なくとも1種のステビア化合物、特にステビオール配糖体、レバウジオシド、およびそれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1種のステビア化合物と、
c)ルブソシドおよび/または少なくとも1種のルブソシド誘導体および/またはネオヘスペリジンおよび/またはタウマチンおよび/またはフロレチンおよび/またはトリロバチンおよび/またはモナチンおよび/またはヘスペレチンおよび/または少なくとも1種の酵素処理ステビオール配糖体、特にルブソシドまたは少なくとも1種のルブソシド誘導体またはネオヘスペリジンまたは少なくとも1種の酵素処理ステビオール配糖体またはそれらの任意の組み合わせと、
d)少なくとも1種のタンニン、特にタンニン酸および/または少なくとも1種のタンニン酸誘導体と、
e)ナラ抽出物および/またはザクロ抽出物とを含有し、
特に、前記成分d)、特にタンニン酸および/または少なくとも1種のタンニン酸誘導体の量は、1mg/l~400mg/lの範囲、好ましくは10mg/l~300mg/
lの範囲、より好ましくは25~250mg/lの範囲である、特に請求項1または2に記載の甘味付与用組成物。
【請求項4】
前記成分b)と、前記成分c)、特にルブソシドおよび/または少なくとも1種のルブソシド誘導体と、前記成分d)、特にタンニン酸および/または少なくとも1種のタンニン酸誘導体との総重量に基づいて、前記成分b)の量は50~70wt-%の範囲、特に55~65wt-%の範囲であり、前記成分c)、特にルブソシドおよび/または少なくとも1種のルブソシド誘導体の量は5~35wt-%の範囲、特に10~30wt-%の範囲であり、かつ前記成分d)、特にタンニン酸および/または少なくとも1種のタンニン酸誘導体の量は5~35wt-%の範囲、特に10~30wt-%の範囲であり、いずれの場合においても前記成分b)、c)、およびd)の合計は常に100wt-%になる、先行する請求項のいずれか1項に記載の甘味付与用組成物。
【請求項5】
甘味付与用組成物であって、
a)アセスルファムおよび/またはアスパルテームと、
b)スクラロース、ならびに/または少なくとも1種のステビア化合物、特にステビオール配糖体、レバウジオシド、およびそれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1種のステビア化合物、ならびに/またはサッカリン、ならびに/またはシクラメートと、
c)ネオヘスペリジンおよび/またはタウマチンおよび/またはルブソシドおよび/または少なくとも1種のルブソシド誘導体および/またはフロレチンおよび/またはトリロバチンおよび/またはモナチンおよび/またはヘスペレチンと、
d)少なくとも1種のタンニン、特にタンニン酸ならびに/または少なくとも1種のタンニン酸誘導体またはタンニン酸および/もしくは少なくとも1種のタンニン酸誘導体を含有する組成物もしくは抽出物とを含有し、
前記成分d)、特にタンニン酸および/もしくは少なくとも1種のタンニン酸誘導体の量は、前記少なくとも1種のタンニン、特にタンニン酸および前記少なくとも1種のタンニン酸誘導体に基づいて、1mg/l~400mg/lの範囲、好ましくは10mg/l~300mg/lの範囲、より好ましくは25~250mg/lの範囲である、
かつ/または
前記成分a)、特にアセスルファムと、前記成分b)、特にスクラロースと、前記成分c)、特にネオヘスペリジンと、前記成分d)、特にタンニン酸および/もしくは少なくとも1種のタンニン酸誘導体との総重量に基づいて、前記成分a)の量は10~50wt-%の範囲であり、前記成分b)の量は15~65wt-%の範囲であり、前記成分c)の量は0.1~4wt-%の範囲であり、かつ前記成分d)の量は5~50wt-%の範囲であり、いずれの場合においても前記成分a、b)、c)、およびd)の合計は常に100wt-%になる、甘味付与用組成物。
【請求項6】
前記成分a)、特にアセスルファムと、前記成分b)、特にスクラロースと、前記成分c)、特にネオヘスペリジンと、前記成分d)、特にタンニン酸および/または少なくとも1種のタンニン酸誘導体との総重量に基づいて、前記成分a)の量は15~45wt-%の範囲、特に20~40wt-%の範囲であり、前記成分b)の量は20~55wt-%の範囲、特に30~45wt-%の範囲であり、前記成分c)の量は0.2~3wt-%の範囲、特に0.5~2wt-%の範囲であり、かつ前記成分d)の量は10~40wt-%の範囲、特に15~35wt-%の範囲であり、いずれの場合においても前記成分a)、b)、c)、およびd)の合計は常に100wt-%になる、請求項5に記載の甘味付与用組成物。
【請求項7】
前記成分b)は、スクラロース、サッカリン、およびシクラメートを含む、もしくはこれらからなる、または
前記成分b)は、少なくとも1種のステビア化合物、特にステビオール配糖体、レバウジオシド、およびそれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1種のステビア化合物、サッカリン、ならびにシクラメートを含む、もしくはこれらからなる、請求項5または6に記載の甘味付与用組成物。
【請求項8】
アセスルファムおよび/もしくはアスパルテームの量は25~250mg/lの範囲、好ましくは50~200mg/lの範囲、より好ましくは75~150mg/lの範囲である、かつ/または
スクラロースの量は20~750mg/lの範囲、好ましくは40mg/l~550mg/lの範囲、より好ましくは60~450mg/lの範囲である、かつ/または
ネオヘスペリジンの量は0.01mg/l~20mg/lの範囲、好ましくは0.1mg/l~15mg/lの範囲、より好ましくは1.0~10mg/lの範囲である、かつ/または
サッカリンの量は10mg/l~750mg/lの範囲、好ましくは20mg/l~500mg/lの範囲、より好ましくは30~400mg/lの範囲である、かつ/または
シクラメート(cylamate)の量は10mg/l~500mg/lの範囲、好ましくは50mg/l~300mg/lの範囲、より好ましくは75~200mg/lの範囲である、かつ/または
タウマチンの量は0.01mg/l~10mg/lの範囲、好ましくは0.05mg/l~5mg/lの範囲、より好ましくは0.1~2mg/lの範囲である、かつ/または
ルブソシドおよび/もしくは少なくとも1種のルブソシド誘導体の量は5~200mg/lの範囲、好ましくは10mg/l~150mg/lの範囲、より好ましくは20~125mg/lの範囲である、かつ/または
フロレチンの量は1~250mg/lの範囲、好ましくは5mg/l~200mg/lの範囲、より好ましくは10~150mg/lの範囲である、かつ/または
トリロバチンの量は0.1~250mg/lの範囲、好ましくは1mg/l~200mg/lの範囲、より好ましくは5~150mg/lの範囲である、かつ/または
モナチンの量は0.01mg/l~20mg/lの範囲、好ましくは0.1mg/l~10mg/lの範囲、より好ましくは0.05~5mg/lの範囲である、かつ/または
ヘスペレチンの量は1~750mg/lの範囲、好ましくは10mg/l~500mg/lの範囲、より好ましくは25~250mg/lの範囲である、先行する請求項のいずれか1項に記載の甘味付与用組成物。
【請求項9】
前記少なくとも1種のステビア化合物は、レバウジオシドA、レバウジオシドB、およびレバウジオシドDを含む、特にこれらからなる混合物であり、レバウジオシドA、レバウジオシドB、およびレバウジオシドDの総重量に基づいて、レバウジオシドAの量は80.0~99.0wt-%の範囲、特には85.0~95.0wt-%の範囲、より好ましくは86.0~94.3wt-%の範囲であり、レバウジオシドBの量は0.1~1.5wt-%の範囲、特には0.2~1.2wt-%の範囲、より好ましくは0.3~0.9wt-%の範囲であり、かつレバウジオシドDの量は0.9~18.5wt-%の範囲、特には4.8~13.8wt-%の範囲または5.4~13.1wt-%の範囲である、先行する請求項のいずれか1項に記載の甘味付与用組成物。
【請求項10】
レバウジオシドA、レバウジオシドB、およびレバウジオシドDの総重量に基づいて、レバウジオシドAの量は90.5~94.0wt-%の範囲であり、レバウジオシドBの量は0.2~1.0wt-%の範囲であり、かつレバウジオシドDの量は5.8~8.5wt-%の範囲である、
または
レバウジオシドA、レバウジオシドB、およびレバウジオシドDの総重量に基づいて、
レバウジオシドAの量は90.9~94.4wt-%の範囲であり、レバウジオシドB
の量は0.2~0.5wt-%の範囲であり、かつレバウジオシドDの量は5.4~8.6wt-%の範囲である、請求項1~9のいずれか1項に記載の甘味付与用組成物。
【請求項11】
甘味付与用組成物であって、
a)0.1~50g/lの、特に天然の甘味単糖からなる群より選択される、天然の甘味炭水化物と、
b)40~120g/lの、特に天然の甘味二糖からなる群より選択される、a)とは異なる天然の甘味炭水化物と、
c)30~300mg/lのルブソシドおよび/もしくは少なくとも1種のルブソシド誘導体または0.01mg/l~20mg/lのネオヘスペリジンまたは0.01mg/l~10mg/lのタウマチンまたは1~250mg/lのフロレチンもしくはトリロバチンまたは0.01mg/l~20mg/lのモナチンまたは1~750mg/lのヘスペレチンまたは少なくとも1種の酵素処理ステビオール配糖体もしくはそれらの任意の混合物、特にルブソシドおよび/または少なくとも1種のルブソシド誘導体および/またはネオヘスペリジンおよび/または少なくとも1種の酵素処理ステビオール配糖体とを含有する、甘味付与用組成物。
【請求項12】
a)0.5~30g/lの、天然の甘味単糖からなる群より選択される天然の甘味炭水化物と、
b)70~110g/lの、天然の甘味二糖からなる群より選択される天然の甘味炭水化物と、
c)40~220mg/lのルブソシドおよび/または少なくとも1種のルブソシド誘導体または0.1mg/l~15mg/l、好ましくは1.0~10mg/lのネオヘスペリジン、または0.05mg/l~5mg/l、好ましくは0.1~2mg/lのタウマチンまたは5mg/l~200mg/l、好ましくは10~150mg/lのフロレチンまたは1mg/l~200mg/l、好ましくは5~150mg/lのトリロバチンまたは0.1mg/l~10mg/l、好ましくは0.05~5mg/lのモナチンまたは10mg/l~500mg/l、好ましくは25~250mg/lのヘスペレチンとを含有する、請求項11に記載の甘味付与用組成物。
【請求項13】
前記少なくとも1種の天然の甘味炭水化物は、天然の甘味単糖、天然の甘味二糖、甘味糖アルコール、およびそれらの混合物からなる群より選択される、先行する請求項のいずれか1項に記載の甘味付与用組成物。
【請求項14】
前記甘味天然単糖は、フルクトース、グルコース、マンノース、ラムノース、キシロース、タガトース、ガラクトース、およびそれらの混合物からなる群より選択される、かつ/または
前記甘味天然二糖は、スクロース、ラクトース、マルトース、およびそれらの混合物からなる群より選択される、かつ/または前記甘味糖アルコールは、エリスリトール、グリセリン、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、ガラクチトール、およびそれらの混合物からなる群より選択される、かつ/または前記甘味天然二糖はスクロースである、請求項13に記載の甘味付与用組成物。
【請求項15】
ガランガル、カカオ、シナモン、レモン、レモン果汁濃縮物、コカ葉、オレンジ、オレンジ油、コーンミント、マツ、カルダモン、メース、クローブ、ライム、ライム油、ナツメグ、ナツメグ油、マスタードシード、マスタードシード油、カラメル、ローズマリー、コショウ、蜂蜜、ショウガ、バニラ、カンゾウ、カンゾウ抽出物、コーラナッツ、およびコーラナッツ抽出物、もしくはそれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1種のフレーバー材料をさらに含有する、かつ/またはタウリンおよび/もしくはカフェインをさらに含有する、先行する請求項のいずれか1項に記載の甘味付与用組成物。
【請求項16】
前記組成物は乾燥混合物であり、特に粉末および/または粒子形状を有する、先行する請求項のいずれか1項に記載の甘味付与用組成物。
【請求項17】
さらに水を含有する、請求項1~15のいずれか1項に記載の甘味付与用組成物。
【請求項18】
炭酸ガス入りでないもしくは炭酸ガス入りの飲料、特に清涼飲料もしくはエナジードリンクに、甘味を付与するための、または炭酸ガス入りでないもしくは炭酸ガス入りの飲料、特に清涼飲料もしくはエナジードリンクとしての、先行する請求項のいずれか1項に記載の甘味付与用組成物の使用。
【請求項19】
特に炭酸ガス入りの、飲料、特に清涼飲料またはエナジードリンクの調製における前駆物質としてのシロップを調製するための、請求項1~17のいずれか1項に記載の甘味付与用組成物の使用。
【請求項20】
特に炭酸ガス入りの、飲料を調製するための、請求項1~17のいずれか1項に記載の甘味付与用組成物の使用。
【請求項21】
請求項1~17のいずれか1項に記載の甘味付与用組成物を含有する、または請求項1~17のいずれか1項に記載の甘味付与用組成物からなる、飲料、特に炭酸ガス入りの飲料。
【請求項22】
前記飲料中におけるレバウジオシドA、B、およびDの組み合わせの濃度は、0.01~1.0g/lの範囲、好ましくは0.05~0.75g/lの範囲、より好ましくは0.1~0.6g/lの範囲である、かつ/または
前記飲料中における前記甘味天然炭水化物および前記甘味糖アルコールの組み合わせの濃度は、40g/l以下、好ましくは5g/l~35g/lの範囲、より好ましくは10g/l~25g/lの範囲である、請求項21に記載の飲料。
【請求項23】
清涼飲料、特にコーラフレーバーもしくはコーラフレーバータイプの清涼飲料、またはエナジードリンクであることを特徴とする、請求項21または22に記載の飲料。
【請求項24】
a)請求項1~17のいずれか1項に記載の甘味付与用組成物を提供する工程と、
b)水を提供する工程と、
c)前記工程a)および前記工程b)において提供された成分を混合する工程とを含む、請求項21~23のいずれか1項に記載の飲料を調製するためのプロセス。
【請求項25】
前記飲料に炭酸ガスを含ませる工程(工程d))をさらに含む、請求項24に記載のプロセス。
【請求項26】
水と混合するよりも前の前記甘味付与用組成物に、もしくは水と前記甘味付与用組成物とを含む混合物に、および/もしくは前記甘味付与用組成物と混合するよりも前の水に、少なくとも1種の増粘剤、少なくとも1種の甘味天然炭水化物、少なくとも1種の甘味糖アルコール、少なくとも1種の有機酸、および/もしくは少なくとも1種のフレーバー材料を添加する工程をさらに含む、かつ/または
前記甘味天然炭水化物および/もしくは少なくとも1種の甘味糖アルコールは、前記炭酸ガスを含ませる工程よりも前および/もしくは後に、水と前記甘味付与用組成物とを含む前記混合物に添加される、請求項24または25に記載のプロセス。
【請求項27】
使用であって、
i)ルブソシドおよび/または少なくとも1種のルブソシド誘導体および/またはネオヘスペリジンおよび/またはタウマチンおよび/またはフロレチンおよび/またはトリロバチンおよび/またはモナチンおよび/またはヘスペレチンおよび/または少なくとも1種の酵素処理ステビオール配糖体、特にルブソシドまたは少なくとも1種のルブソシド誘導体またはネオヘスペリジンまたは少なくとも1種の酵素処理ステビオール配糖体またはそれらの任意の組み合わせと、
ii)少なくとも1種のタンニン、特にタンニン酸ならびに/または少なくとも1種のタンニン酸誘導体またはタンニン酸および/もしくは少なくとも1種のタンニン酸誘導体を含有する組成物もしくは抽出物とを含む組み合わせの、使用であり、
特に飲料に関して、人工甘味料、特にステビア化合物の、甘味の残留を短縮するため、かつ前記人工甘味料の甘味知覚の時間的な開始を、天然の糖の甘味知覚の時間的な開始、特にスクロースの甘味知覚の時間的な開始へと移行させるための、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
記載
本発明は、甘味付与用組成物、ならびに甘味付与用シロップおよび飲料の調製のためのその使用、ならびに上記飲料の調製に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な清涼飲料は、通常、スクロース、グルコース、フルクトース、またはそれらの混合物といった天然の糖を多量に含有する。こうした天然の糖のカロリー量は、通常、3.6~3.9kcal/gの範囲である。清涼飲料などの飲料のカロリー量を低減するために、多くの試みがなされている。天然の糖をステビオール配糖体で置き換える試みもなされている。ステビオール配糖体のなかには、甘味付与力が、天然の糖であるスクロースの約240~400倍であるものがある。ステビオール配糖体は、植物ステビア(Stevia rebaudiana Bertoni)の葉抽出物に由来する。植物ステビアの葉は、4種の主要なステビオール配糖体、すなわちステビオシド(約5~10wt-%)、レバウジオシドA(約2~4wt-%)、レバウジオシドC(約1~2wt-%)、およびズルコシドA(約0.5~1wt-%)を含有する。植物ステビアの葉抽出物は、微量ながら、上記以外のステビオール配糖体として、レバウジオシドB、レバウジオシドD、およびレバウジオシドEも含有する。すべてのステビオール配糖体が共通して含有するアグリコンは、ステビオールであり、ステビオールはジテルペンのクラスに属する。
【0003】
残念なことに、ステビオール配糖体を用いて甘味付与された飲料には欠点がいくつかあり、多くの消費者は、従来の飲料のカロリー量よりも、こうした欠点を重要視する。ステビオール配糖体は、苦い後味および/またはカンゾウ様の後味を呈することが知られており、金属のような後味を呈する場合もある。さらに、甘味知覚がやや遅れるため、甘味が「残留」するともいわれる。また、ステビオール配糖体は、口の感覚を鈍感または乾いた感覚にすることもある。
【0004】
EP2519118号は甘味付与用組成物を開示しており、この甘味付与用組成物は、甘味料と、テルペン、フラボノイド、アミノ酸、タンパク質、ポリオール、他の周知の天然甘味料、セコダンマラン配糖体、およびそれらの類似体から選択される少なくとも1種の甘味増強剤とを含有する。好適な甘味増強剤には、ステビオシド、ステビオールビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドF、およびズルコシドAなどのステビア甘味料が含まれることが報告されている。組成物中における当該少なくとも1種の甘味増強剤の量は、当該少なくとも1種の甘味増強剤の甘味感知閾値レベルと同じか、それ未満でなければならない。また、当該少なくとも1種の甘味増強剤は、上記の少なくとも1種の甘味料とは別のものである。
【0005】
EP2386211号には、苦味、酸味、および/または渋味を有する物質の苦味、酸味、および/または渋味の味覚印象をマスキング、低減、または抑制するためのルブソシドの使用が記載される。ルブソシドを含有する組成物は、食品および医薬品に含まれるステビオシドおよびレバウジオシドAなどの化合物の苦味、酸味、および/または渋味の味覚印象をマスキング、低減、または抑制できる。
【0006】
また、WO2008/049256号は、甘味付与された消費可能品を記載している。この甘味付与された消費可能品は、a)少なくとも0.0001%の少なくとも1種の甘味料を含有し、当該甘味料は、スクロース、フルクトース、グルコース、高フルクトースコーンシロップ、コーンシロップ、キシロース、アラビノース、ラムノース、エリスリト
ール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、ネオテーム、スクラロース、サッカリン、またはそれらの組み合わせを含み、当該少なくとも1種の甘味料または甘味料の組み合わせの濃度は、甘味感知閾値よりも高い濃度であり、少なくともイソスイート(isosweet)から2%スクロースの濃度であり、さらに、b)ナリンジンジヒドロカルコン、モグロシドV、ラカンカ(swingle)抽出物、ルブソシド、キイチゴ属(rubus)抽出物、ステビオシド、およびレバウジオシドAからなる群より選択される少なくとも1種の甘味増強剤を含有する。各甘味増強剤の濃度は、それ自身の甘味感知閾値近傍であってよい。ナリンジンジヒドロカルコンの濃度は2~60ppm、ルブソシドの濃度は1.4ppm~56ppm、キイチゴ属抽出物の濃度は2ppm~80ppm、モグロシドVの濃度は0.4ppm~12.5ppm、ラカンカ抽出物の濃度は2~60ppm、ステビオシドの濃度は2~60ppm、かつレバウジオシドAの濃度は1~30ppmであってよい。
【0007】
上記以外にも多くの試みがなされており、ステビオール配糖体甘味料の有する、苦いおよび/もしくはカンゾウ様の後味、口の鈍感もしくは乾いた感覚、ならびに/または甘い後味といった、上述される欠点の克服を目的としている。
【0008】
たとえば、WO2012/073121A2号は、ステビア組成物からレバウジオシドCまたはズルコシドAまたはその両方を低減または除去することによって、ステビオール配糖体の有する苦い後味を低減または除去できると記載する。しかしながら、このようにレバウジオシドCおよび/またはズルコシドAを低減しても、苦い後味を確実には低減できないことが分かっている。また、レバウジオシドCまたはズルコシドAを含有しないステビア組成物であっても、消費者には、甘味知覚の開始が遅く感じられたり、場合によっては甘味知覚がさらに長く続いたりすることもある。
【0009】
WO2008/147726号は、a)尿素またはチオ尿素などの1種の甘味増強剤と、b)レバウジオシド化合物、スクラロース、アスパルテーム、またはアセスルファムカリウムなどの炭水化物甘味料、天然高効力甘味料、合成高効力甘味料、またはそれらの組み合わせを含む少なくとも1種の甘味料と、c)炭水化物、ポリオール、アミノ酸、またはそれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1種の甘味改善組成物とを少なくとも含む甘味料組成物によって、糖にさらに近いフレーバー特性が得られることを記載する。
【0010】
EP2474240A1号によれば、レバウジオシドDと、乳酸ならびに酒石酸およびクエン酸の一方または両方を少なくとも含む酸味料とを使用し、リン酸を使用しないことにより、苦い後味を呈さない新しい甘味付与飲料調製物が得られる。
【0011】
WO2011/146463A2号からは、ステビオール配糖体を含有する、ともすれば甘い組成物の有する苦さを、レバウジオシドDを天然の組成物中の含量よりも多く添加することによってマスキングできると解釈できる。
【0012】
EP2486806A1号は、84wt-%レバウジオシドAおよび16wt-%レバウジオシドDの混合物を使用した低カロリーのオレンジジュース飲料を開示する。従来のステビア抽出物により甘味付与した低カロリーのオレンジジュースとは異なり、官能評価において、スクロースに似た心地よい味と豊かな口の感覚とがあり、苦さも後味もないことを観察し得る。類似する成果が、ゼロカロリーの炭酸ガス入りの飲料についても報告されている。
【0013】
WO2008/112967A1号によれば、従来のステビオール配糖体を含有する飲料により生じる金属のような後味を、アニス酸の存在によりマスキングできる。
【0014】
そして、WO2012/109585A1号は、ステビオール配糖体の有する苦さ、甘い後味、およびカンゾウの風味などの特質は、レバウジオシドA、レバウジオシドB、およびステビオール配糖体の混合物を含有する甘味付与用組成物により、特に、混合物中の、ステビオール配糖体総量に対するレバウジオシドBの比率が、0.5%~約50%の範囲、より好ましくは約5%~約40%の範囲である場合に克服され得ることを開示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
標準的な天然甘味料であるスクロースは、特徴的な時間対強度甘味特性を有する。人工甘味料の中には甘味の開始がスクロースより早いものがあるが、ステビア化合物などほとんどの人工甘味料は、甘味の開始がスクロースよりも相当に遅く、さらには、甘味の残留がスクロースよりも相当に長く続く。ステビオール配糖体の使用に関して上述される欠点は、依然として、十分には克服されていない。したがって、天然甘味料の含有量を低減したまたは天然甘味料を含有しない飲料であって、甘味および香気特性が大幅に改善されたものを得ることが望まれる。
【0016】
したがって、甘味知覚の開始が遅れず、かつ、任意には、苦い後味もしくはカンゾウ様の後味を有しないおよび/または口の感覚を鈍感もしくは乾いた感覚にしない低カロリー飲料の提供が、依然として求められている。それゆえ、本発明の主な目的は、特に甘味の開始およびその残留時間の両方に関して、天然の糖に類似するまたはさらには天然の糖と本質的に同じ時間的甘味付与特性、すなわち天然の甘味付与特性を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の根底にある問題が、驚くことに、a)少なくとも1種の天然の甘味炭水化物と、b)少なくとも1種のステビア化合物と、c)ルブソシドおよび/または少なくとも1種のルブソシド誘導体および/またはネオヘスペリジンおよび/またはタウマチンおよび/またはフロレチンおよび/またはトリロバチンおよび/またはモナチンおよび/またはヘスペレチンおよび/または少なくとも1種の酵素処理ステビオール配糖体、特にルブソシドまたは少なくとも1種のルブソシド誘導体またはネオヘスペリジンまたは少なくとも1種の酵素処理ステビオール配糖体またはそれらの任意の組み合わせと、d)少なくとも1種のタンニン、特にタンニン酸ならびに/または少なくとも1種のタンニン酸誘導体またはタンニン酸および/もしくは少なくとも1種のタンニン酸誘導体を含有する組成物もしくは抽出物の、上記少なくとも1種のタンニン、特にタンニン酸および上記少なくとも1種のタンニン酸誘導体に基づく量とを含有する、第1の実施形態に係る甘味付与用組成物によって解決された。
【発明を実施するための形態】
【0018】
当該第1の実施形態に関して、当該第1の実施形態に係る組成物が水性組成物、特に飲料の形態である場合に、上記少なくとも1種のタンニン、特にタンニン酸ならびに/または少なくとも1種のタンニン酸誘導体またはタンニン酸および/もしくは少なくとも1種のタンニン酸誘導体を含有する組成物もしくは抽出物の量は、上記少なくとも1種のタンニン、特にタンニン酸および上記少なくとも1種のタンニン酸誘導体に基づいて、1mg/l~400mg/lの範囲、好ましくは10mg/l~300mg/lの範囲、より好ましくは25~250mg/lの範囲である。
【0019】
代替的にまたは同時に、甘味付与用組成物の当該第1の実施形態は、成分b)と、成分c)、特に上記ルブソシドおよび/または少なくとも1種のルブソシド誘導体と、成分d)、特にタンニン酸および/または少なくとも1種のタンニン酸誘導体との総重量に基づいて、成分b)の量が45~75wt-%の範囲であり、成分c)、特に上記ルブソシド
および/または少なくとも1種のルブソシド誘導体の量が2~40wt-%の範囲であり、かつ成分d)、特にタンニン酸および/または少なくとも1種のタンニン酸誘導体の量が2~40wt-%の範囲であり、いずれの場合においても成分b)、c)、およびd)の合計が常に100wt-%になることを特徴とする。この重量範囲は、当該第1の実施形態に係る組成物が乾燥混合物であり、特には粉末および/または粒子形状を有する代替実施形態に対して、特に適用できる。
【0020】
好ましい一実施形態によれば、甘味付与用組成物の第1の実施形態の上述された代替形態において、成分b)と、成分c)、特に上記ルブソシドおよび/または少なくとも1種のルブソシド誘導体と、成分d)、特にタンニン酸および/または少なくとも1種のタンニン酸誘導体との総重量に基づいて、成分b)の量は50~70wt-%の範囲、特に55~65wt-%の範囲であり、成分c)、特に上記ルブソシドおよび/または少なくとも1種のルブソシド誘導体の量は5~35wt-%の範囲、特に10~30wt-%の範囲であり、かつ成分d)、特にタンニン酸および/または少なくとも1種のタンニン酸誘導体の量は5~35wt-%の範囲、特に10~30wt-%の範囲であり、いずれの場合においても成分b)、c)、およびd)の合計は常に100wt-%になる。
【0021】
第1の実施形態に係る少なくとも1種の天然の甘味炭水化物は、特に、スクロースである。また、第1の実施形態に係る少なくとも1種のステビア化合物のうち、ステビオール配糖体、レバウジオシド、およびそれらの混合物からなる群より選択されるものが好ましい。
【0022】
本発明に係る甘味付与用組成物の第1の実施形態に係る成分c)の化合物のうち、ルブソシドおよび/または少なくとも1種のルブソシド誘導体が好ましく、ルブソシドが特に好ましい。
【0023】
本発明における意味において、タンニンは、ポリフェノール、特にいわゆる植物ポリフェノールを含んでよく、こうしたポリフェノールは、渋味の知覚を呈する。現在のところ、こうした渋味の知覚は、このポリフェノールとタンパク質との結合反応によって引き起こされる、またはこうした結合反応に関連する、と考えられている。たとえば、タンニン酸は卵白およびゼラチンを凝固させる。タンニンは、通常、フェニル環にフェノール性水酸基を2つまたは3つ有する。タンニンは、たとえば、ピロガロール型タンニンとカテコール型タンニンとに分類できる。さらに、タンニンは、たとえばエラグ酸および没食子酸に基づく、いわゆる加水分解性タンニンと、たとえばカテコールに基づく、縮合型タンニンとにも分類できる。本発明に係るタンニンは、上述される分類群のいずれに由来するものであってもよい。
【0024】
好適なタンニンは、たとえばプニカラギンおよびゲラニイン(geranii)などのエラジタンニン、加水分解性タンニンのクラスに属するガロタンニン、ならびにアストリンギンまたはレスベラトロールなどのスチルベノイドを含む。エラジタンニンは、通常、多様な数のヘキサヒドロキシジフェノイル(HHDP)単位と、糖部位に結合したガロイル単位および/またはサングイソルボイル(sanguisorboyl)単位とを含有する。タンニンの好適な代表例には、没食子酸エピガロカテキン、没食子酸エピカテキン、およびフロロタンニンも含まれる。
【0025】
タンニンは、たとえば、ナラ(oak)またはザクロ(pomegranate)の抽出物、特にザクロ果皮抽出物から得ることができる。たとえば、没食子酸は、没食子(gallnut)、スマック(sumac)、マンサク(witch hazel)、茶葉、ナラ樹皮中に見いだされる。
【0026】
少なくとも1種のタンニン、特にタンニン酸および/または少なくとも1種のタンニン酸誘導体を含有する組成物または抽出物は、ナラ、ザクロ、クリ(chestnuts)、没食子、またはミモザ(mimosa)の種子、樹皮、毬果、殻、および/または心材に由来するものであってよく、特にナラまたはザクロに由来するものであってよい。
【0027】
本発明における意味において、タンニン酸は、特に、ポリガロイルグルコースおよびポリガロイルキナ酸エステルを含み、特に、1分子当たりのガロイル部の数が2~12の範囲、特に3~12の範囲であり、たとえばデカガロイルグルコースである。したがって、本発明における意味において、タンニン酸は、たとえば、没食子酸分子とグルコースとから形成されると理解できる。タンニン酸は、通常、加水分解されてグルコースと没食子酸および/またはエラグ酸単位とになり得る。一般的に、タンニン酸という用語は、個々の化合物と、2つ以上の化合物の混合物との両方を意味する。
【0028】
酵素処理ステビオール配糖体は、シクロマルトデキストリングルカノトランスフェラーゼ(CGTase)などによって処理されたステビオール配糖体を含む。
【0029】
本発明の第1の実施形態に係る成分c)の化合物、特にルブソシドまたはルブソシド誘導体またはネオヘスペリジンまたは酵素処理ステビオール配糖体、さらにより具体的に、ルブソシドは、本発明の第1の実施形態に係る甘味付与用組成物を含有する製造物中に含有される上記甘味付与用組成物が実際に消費されるタイミングへと甘味知覚が移行するように本発明に係る組成物の開始時における甘味付与特性を改善するのに役立つことが見いだされている。ルブソシド(CAS No:64849-39-4)は、Rubus suavissimus S.Lee(甜茶(Chinese sweet leaf))の葉中に見いだされ得る。本発明における意味において、ルブソシドには、酵素処理ルブソシドも含まれ得る。
【0030】
当該第1の実施形態に係る甘味付与用組成物について、少なくとも1種の天然の甘味炭水化物、特にスクロースの量は、5~80g/lの範囲、好ましくは15g/l~70g/lの範囲、より好ましくは25~55g/lの範囲であることが好ましい。代替的に、または追加で、第1の実施形態に係る甘味付与用組成物において、ルブソシドおよび/または少なくとも1種のルブソシド誘導体の量は、20~200mg/lの範囲、より好ましくは20mg/l~150mg/lの範囲、特には30~125mg/lの範囲であることが好ましい。
【0031】
本発明の根底にある問題は、本発明に係る甘味付与用組成物の第2の実施形態とも称される、a)少なくとも1種の天然の甘味炭水化物、特にスクロースと、b)少なくとも1種のステビア化合物、特にステビオール配糖体、レバウジオシド、およびそれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1種のステビア化合物と、c)ルブソシドおよび/または少なくとも1種のルブソシド誘導体および/またはネオヘスペリジンおよび/またはタウマチンおよび/またはフロレチンおよび/またはトリロバチンおよび/またはモナチンおよび/またはヘスペレチンおよび/または少なくとも1種の酵素処理ステビオール配糖体、特にルブソシドまたは少なくとも1種のルブソシド誘導体またはネオヘスペリジンまたは少なくとも1種の酵素処理ステビオール配糖体またはそれらの任意の組み合わせと、d)タンニン酸および/または少なくとも1種のタンニン酸誘導体と、e)ナラ抽出物および/またはザクロ抽出物とを含有する甘味付与用組成物によっても解決された。
【0032】
本発明に係る甘味付与用組成物の第2の実施形態に係る成分c)の化合物のうち、ルブソシドおよび/または少なくとも1種のルブソシド誘導体が好ましく、ルブソシドが特に好ましい。
【0033】
本発明に係る甘味付与用組成物の当該第2の実施形態において、少なくとも1種の天然の甘味炭水化物、特にスクロースの量は、好ましくは5~80g/lの範囲、より好ましくは15g/l~70g/lの範囲、特には25~55g/lの範囲である。代替的に、または追加で、第2の実施形態に係る当該甘味付与用組成物において、ルブソシドおよび/または少なくとも1種のルブソシド誘導体の量は、好ましくは20~200mg/lの範囲、より好ましくは20mg/l~150mg/lの範囲、特には30~125mg/lの範囲である。そしてさらに、代替的に、または追加で、本発明に係る甘味付与用組成物の当該第2の実施形態において、タンニン酸および/または少なくとも1種のタンニン酸誘導体の総量は、好ましくは1mg/l~400mg/lの範囲、より好ましくは10mg/l~300mg/lの範囲、特には25~250mg/lの範囲である。
【0034】
本発明の根底にある問題は、本発明に係る甘味付与用組成物の第3の実施形態とも称される、a)アセスルファムおよび/またはアスパルテーム(aspartam)、特にアセスルファムと、b)スクラロース、ならびに/または少なくとも1種のステビア化合物、特にステビオール配糖体、レバウジオシド、およびそれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1種のステビア化合物、ならびに/またはサッカリン、ならびに/またはシクラメートと、c)ネオヘスペリジンおよび/またはタウマチンおよび/またはルブソシドおよび/または少なくとも1種のルブソシド誘導体および/またはフロレチンおよび/またはトリロバチンおよび/またはモナチンおよび/またはヘスペレチンと、d)少なくとも1種のタンニン、特にタンニン酸ならびに/または少なくとも1種のタンニン酸誘導体またはタンニン酸および/もしくは少なくとも1種のタンニン酸誘導体を含有する組成物もしくは抽出物とを含有する甘味付与用組成物によっても解決された。
【0035】
本発明に係る甘味付与用組成物の第3の実施形態に係る成分c)の化合物のうち、ネオヘスペリジンおよびルブソシドが好ましく、ネオヘスペリジンが特に好ましい。
【0036】
この第3の実施形態において、成分d)の量は、上記少なくとも1種のタンニン、特にタンニン酸および上記少なくとも1種のタンニン酸誘導体に基づいて、1mg/l~400mg/lの範囲、好ましくは10mg/l~300mg/lの範囲、より好ましくは25~250mg/lの範囲である。
【0037】
特に好ましくは、本発明の第3の実施形態に係るこの甘味付与用組成物は、a)アセスルファムおよび/またはアスパルテーム、特にアセスルファムと、b)スクラロースまたはサッカリンまたは少なくとも1種のステビア化合物、特にステビオール配糖体、レバウジオシド、およびそれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1種のステビア化合物と、c)ネオヘスペリジンと、d)少なくとも1種のタンニン、特にタンニン酸ならびに/または少なくとも1種のタンニン酸誘導体またはタンニン酸および/もしくは少なくとも1種のタンニン酸誘導体を含有する組成物もしくは抽出物とを含有し、当該第3の実施形態に係る組成物が水性組成物、特に飲料の形態である場合に、成分d)の量は、上記少なくとも1種のタンニン、特にタンニン酸および上記少なくとも1種のタンニン酸誘導体に基づいて、1mg/l~400mg/lの範囲、好ましくは10mg/l~300mg/lの範囲、より好ましくは25~250mg/lの範囲である。
【0038】
代替的に、または同時に、甘味付与用組成物の当該第3の実施形態は、成分a)、特にアセスルファムと、成分b)、特にスクラロースと、成分c)、特にネオヘスペリジンと、成分d)、特にタンニン酸および/または少なくとも1種のタンニン酸誘導体との総重量に基づいて、成分a)の量が10~50wt-%の範囲であり、成分b)の量が15~65wt-%の範囲であり、成分c)の量が0.1~4wt-%の範囲であり、かつ成分d)の量が5~50wt-%の範囲であり、いずれの場合においても成分a、b)、c)、およびd)の合計が常に合計して100wt-%になることを特徴としてもよい。
【0039】
好ましい一実施形態によれば、甘味付与用組成物の第3の実施形態の上述された代替形態において、成分a)、特にアセスルファムと、成分b)、特にスクラロースと、成分c)、特にネオヘスペリジンと、成分d)、特にタンニン酸および/または少なくとも1種のタンニン酸誘導体との総重量に基づいて、成分a)の量が15~45wt-%の範囲、特に20~40wt-%の範囲であり、成分b)の量が20~55wt-%の範囲、特に30~45wt-%の範囲であり、成分c)の量が0.2~3wt-%の範囲、特に0.5~2wt-%の範囲であり、かつ成分d)の量が10~40wt-%の範囲、特に15~35wt-%の範囲であり、いずれの場合においても成分a)、b)、c)、およびd)の合計が常に100wt-%になる。
【0040】
成分b)がスクラロース、サッカリン、およびシクラメートを含む、もしくはこれらからなる、または、代替的に、成分b)が、少なくとも1種のステビア化合物、特にステビオール配糖体、レバウジオシド、およびそれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1種のステビア化合物、サッカリン、ならびにシクラメートを含む、もしくはこれらからなる、本発明に係る甘味付与用組成物の第3の実施形態によれば、甘味付与特性の改善の点で特に好ましい結果が得られる、すなわち、甘味付与特性が、天然の糖の甘味付与特性(いわゆる天然の甘味付与特性)に近づく、またはさらには、これと本質的に同一となる。
【0041】
本発明の第3の実施形態に係る甘味付与用組成物の、特に水性組成物の形態、好ましくは飲料の形態において、アセスルファムおよび/またはアスパルテームの量は、好ましくは25~250mg/lの範囲、より好ましくは50~200mg/lの範囲、特には75~150mg/lの範囲である。代替的に、または追加で、本発明の第3の実施形態に係る当該甘味付与用組成物において、スクラロースの量は、好ましくは20~750mg/lの範囲、より好ましくは40mg/l~550mg/lの範囲、特には60~450mg/lの範囲である。さらに、代替的に、または追加で、本発明の第3の実施形態に係る当該甘味付与用組成物において、かつ第1および第2の実施形態の好ましい実施形態において、ネオヘスペリジンの量は、好ましくは0.01mg/l~20mg/lの範囲、より好ましくは0.1mg/l~15mg/lの範囲、特には1.0~10mg/lの範囲である。代替的に、または追加で、本発明の第3の実施形態に係る当該甘味付与用組成物において、サッカリンの量は、好ましくは10mg/l~750mg/lの範囲、より好ましくは20mg/l~500mg/lの範囲、特には30~400mg/lの範囲である。さらに、代替的に、または追加で、本発明の第3の実施形態に係る当該甘味付与用組成物において、シクラメートの量は、好ましくは10mg/l~500mg/lの範囲、より好ましくは50mg/l~300mg/lの範囲、特には75~200mg/lの範囲である。さらに、代替的に、または追加で、本発明の第3の実施形態に係る当該甘味付与用組成物において、かつ第1および第2の実施形態の好ましい実施形態において、タウマチンの量は、好ましくは0.01mg/l~10mg/lの範囲、より好ましくは0.05mg/l~5mg/lの範囲、特には0.1~2mg/lの範囲である。さらに、代替的に、または追加で、本発明の第3の実施形態に係る当該甘味付与用組成物において、ルブソシドおよび/または少なくとも1種のルブソシド誘導体の量は、好ましくは5~200mg/lの範囲、より好ましくは10mg/l~150mg/lの範囲、特には20~125mg/lの範囲である。さらに、代替的に、または追加で、本発明の第3の実施形態に係る当該甘味付与用組成物において、かつ第1および第2の実施形態の好ましい実施形態において、フロレチンの量は、好ましくは1~250mg/lの範囲、より好ましくは5mg/l~200mg/lの範囲、特には10~150mg/lの範囲である。さらに、代替的に、または追加で、本発明の第3の実施形態に係る当該甘味付与用組成物において、かつ第1および第2の実施形態の好ましい実施形態において、トリロバチンの量は、好ましくは0.1~250mg/lの範囲、より好ましくは1mg/l~200m
g/lの範囲、特には5~150mg/lの範囲である。さらに、代替的に、または追加で、本発明の第3の実施形態に係る当該甘味付与用組成物において、かつ第1および第2の実施形態の好ましい実施形態において、モナチンの量は、好ましくは0.01mg/l~20mg/lの範囲、より好ましくは0.1mg/l~10mg/lの範囲、特には0.05~5mg/lの範囲である。さらに、代替的に、または追加で、本発明の第3の実施形態に係る当該甘味付与用組成物において、ヘスペレチンの量は、好ましくは1~750mg/lの範囲、より好ましくは10mg/l~500mg/lの範囲、特には25~250mg/lの範囲である。
【0042】
本発明の第1、第2、および第3の実施形態に係る甘味付与用組成物において、少なくとも1種のステビア化合物は、好ましくは、レバウジオシドA、レバウジオシドB、およびレバウジオシドDを含む、特にこれらからなる混合物であり、レバウジオシドA、レバウジオシドB、およびレバウジオシドDの総重量に基づいて、レバウジオシドAの量は80.0~99.0wt-%の範囲であり、レバウジオシドBの量は0.1~1.5wt-%の範囲であり、かつレバウジオシドDの量は0.9~18.5wt-%の範囲である。
【0043】
また、本発明の第1、第2、および第3の実施形態に係る甘味付与用組成物において、少なくとも1種のステビア化合物は、好ましくは、レバウジオシドA、レバウジオシドB、およびレバウジオシドDを含む、特にこれらからなる混合物であり、レバウジオシドA、レバウジオシドB、およびレバウジオシドDの総重量に基づいて、レバウジオシドAの量は85.0~95.0wt-%の範囲であり、レバウジオシドBの量は0.2~1.2wt-%の範囲であり、かつレバウジオシドDの量は4.8~13.8wt-%の範囲である。
【0044】
さらに、本発明の第1、第2、および第3の実施形態に係る甘味付与用組成物において、いずれの場合においても、レバウジオシドA、レバウジオシドB、およびレバウジオシドDの総重量に基づいて、レバウジオシドAの量は86.0~94.3wt-%の範囲であり、レバウジオシドBの量は0.3~0.9wt-%の範囲であり、かつレバウジオシドDの量は5.4~13.1wt-%の範囲である。
【0045】
本発明の第1、第2、および第3の実施形態に係る甘味付与用組成物の特に好ましい一異形において、レバウジオシドA、レバウジオシドB、およびレバウジオシドDの総重量に基づいて、レバウジオシドAの量は90.5~94.0wt-%の範囲であり、レバウジオシドBの量は0.2~1.0wt-%の範囲であり、かつレバウジオシドDの量は5.8~8.5wt-%の範囲である、または
いずれの場合においても、レバウジオシドA、レバウジオシドB、およびレバウジオシドDの総重量に基づいて、レバウジオシドAの量は90.9~94.4wt-%の範囲であり、レバウジオシドBの量は0.2~0.5wt-%の範囲であり、かつレバウジオシドDの量は5.4~8.6wt-%の範囲である。
【0046】
レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドD、レバウジオシドC、レバウジオシドE、レバウジオシドF、ステビオシド、ズルコシド、ルブソシド、およびステビオールビオシドなどのステビオール配糖体は、JECFA(2010)Steviol Glycosides,FAO JECFA Monograph 10,FAO,Romeに指定されるHPLC-UVによって検知および測定できる。
【0047】
本発明の根底にある問題は、本発明に係る甘味付与用組成物の第4の実施形態とも称される、a)0.1~50g/lの、特に天然の甘味単糖からなる群より選択される、天然の甘味炭水化物と、b)40~120g/lの、特に天然の甘味二糖からなる群より選択される、a)とは異なる天然の甘味炭水化物と、c)30~300mg/lのルブソシド
および/もしくは少なくとも1種のルブソシド誘導体および/または0.01mg/l~20mg/l、好ましくは0.1mg/l~15mg/lの範囲、より好ましくは1.0~10mg/lの範囲のネオヘスペリジン、または0.01mg/l~10mg/l、好ましくは0.05mg/l~5mg/lの範囲、より好ましくは0.1~2mg/lの範囲のタウマチンまたは1~250mg/l、好ましくは5mg/l~200mg/lの範囲、より好ましくは10~150mg/lの範囲のフロレチンまたは0.1~250mg/l、好ましくは1mg/l~200mg/lの範囲、より好ましくは5~150mg/lの範囲のトリロバチンまたは0.01mg/l~20mg/l、好ましくは0.1mg/l~10mg/lの範囲、より好ましくは0.05~5mg/lの範囲のモナチンまたは1~750mg/l、好ましくは10mg/l~500mg/lの範囲、より好ましくは25~250mg/lの範囲のヘスペレチンまたは少なくとも1種の酵素処理ステビオール配糖体またはそれらの任意の混合物、特にルブソシドおよび/または少なくとも1種のルブソシド誘導体および/またはネオヘスペリジンおよび/または少なくとも1種の酵素処理ステビオール配糖体とを含有する甘味付与用組成物によっても解決された。
【0048】
本発明に係る甘味付与用組成物の第4の実施形態に係る成分c)の化合物のうち、ルブソシドおよび/または少なくとも1種のルブソシド誘導体が好ましく、ルブソシドが特に好ましい。
【0049】
上述される、本発明の第4の実施形態の異形は、特に好ましくは、a)0.5~30g/lの、天然の甘味単糖からなる群より選択される天然の甘味炭水化物と、b)70~110g/lの、天然の甘味二糖からなる群より選択される天然の甘味炭水化物と、c)40~220mg/lのルブソシドおよび/または少なくとも1種のルブソシド誘導体または0.1mg/l~15mg/l、好ましくは1.0~10mg/lのネオヘスペリジン、または0.05mg/l~5mg/l、好ましくは0.1~2mg/lのタウマチンまたは5mg/l~200mg/l、好ましくは10~150mg/lのフロレチンまたは1mg/l~200mg/l、好ましくは5~150mg/lのトリロバチンまたは0.1mg/l~10mg/l、好ましくは0.05~5mg/lのモナチンまたは10mg/l~500mg/l、好ましくは25~250mg/lのヘスペレチンとを含有する。
【0050】
本発明の第1~第4の実施形態に係る甘味付与用組成物において、少なくとも1種の天然の甘味炭水化物は、好ましくは、天然の甘味単糖、天然の甘味二糖、甘味糖アルコール、およびそれらの混合物からなる群より選択される。上記甘味天然単糖は、好ましくは、フルクトース、グルコース、マンノース、ラムノース、キシロース、タガトース、ガラクトース、およびそれらの混合物からなる群より選択され、上記甘味天然二糖は、好ましくは、スクロース、ラクトース、マルトース、およびそれらの混合物からなる群より選択される。また、上記甘味糖アルコールは、好ましくは、エリスリトール、グリセリン、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、ガラクチトール、およびそれらの混合物からなる群より選択される。
【0051】
本発明の第1~第4の実施形態に係る甘味付与用組成物に関して、スクロースを上記甘味天然二糖として使用することが特に好ましい。
【0052】
本発明の第1~第4の実施形態に係る甘味付与用組成物は、ガランガル(galangal)、カカオ(cocoa)、シナモン、レモン、レモン果汁濃縮物、コカ葉(coca leaf)、オレンジ、オレンジ油、コーンミント(corn mint)、マツ(pine)、カルダモン、メース(mace)、クローブ、ライム、ライム油、ナツメグ、ナツメグ油、マスタードシード、マスタードシード油、カラメル(caramel)、ローズマリー、コショウ、蜂蜜、ショウガ、バニラ、カンゾウ、カンゾウ抽出物、コーラナッツ(cola nut)、およびコーラナッツ抽出物、またはそれらの混合物からな
る群より選択される少なくとも1種のフレーバー材料をさらに含有できる。
【0053】
特に好ましい実施形態において、本発明の第1~第4の実施形態に係る甘味付与用組成物は、さらに、タウリンおよび/またはカフェインを含有する。このため、本発明の第1~第4の実施形態に係る甘味付与用組成物は、飲料、特に清涼飲料またはエナジードリンクに甘味を付与するために使用できる。
【0054】
興味深いことに、本発明に係る甘味付与用組成物は、容易に保管および輸送できて必要時に特に炭酸ガス入りの飲料の調製に使用できるシロップ形態の前駆組成物の調製にも好適である。
【0055】
本発明の根底にある問題は、本発明の第1~第4の実施形態のいずれかに係る甘味付与用組成物を含有する飲料によっても解決された。ここで、本発明の第1~第4の実施形態のいずれかに係る甘味付与用組成物は、既にそれ自体、水性組成物、特に飲料であり得
る。代替的に、本発明の第1~第4の実施形態のいずれかに係る当該甘味付与用組成物は、水を添加しない状態で、乾燥混合物であり、特に粉末および/または粒子形状を有し得る。しかしながら、たとえ本発明の第1~第4の実施形態のいずれかに係る甘味付与用組成物が水性組成物である場合であっても、依然として、たとえば市販用の飲料とするために、フレーバーまたは増粘剤などのさらなる材料を添加してよい。
【0056】
好ましい実施形態に係る好適な飲料は、当該飲料中におけるレバウジオシドA、B、およびDの組み合わせの濃度が、0.01~1.0g/lの範囲、好ましくは0.05~0.75g/lの範囲、より好ましくは0.1~0.6g/lの範囲(周囲温度および1バールにて測定)であることを特徴とする。
【0057】
また、本発明に係るこうした飲料は、好ましくは、当該飲料中における甘味天然炭水化物および甘味糖アルコールの組み合わせの濃度が、40g/l以下、好ましくは5g/l~35g/lの範囲、より好ましくは10g/l~25g/lの範囲(周囲温度および1バールにて測定)である。周囲温度は、本発明における意味において、室温、すなわち20℃~25℃の範囲の温度を意味し得る。
【0058】
本発明に係る飲料には、特に炭酸ガス入りの、清涼飲料およびエナジードリンクが含まれる。好適な清涼飲料にはさらにコーラフレーバーの清涼飲料も含まれ、コーラフレーバーの清涼飲料にはコーラフレーバータイプの清涼飲料も含まれる。また、こうした飲料は、本発明に係る甘味付与用組成物により甘味付与された場合、甘味知覚の開始が遅れず、または本質的に遅れず、逆に、調和のとれた甘味付与特性を呈し、苦い後味またはカンゾウ様の後味を有しない、または本質的に有しない。
【0059】
本発明の第1~第4の実施形態に係る甘味付与用組成物の別の利点として、甘味炭水化物および/または甘味糖アルコールなどの天然の糖を含有したとてもごく少量しか含有しない飲料を得られる、ということがある。
【0060】
また、本発明の第1~第4の実施形態に係る甘味付与用組成物は、たとえばエナジードリンクに使用される場合、クエン酸ナトリウム、グルクロノラクトン(glucoronolactone)、イノシトール、少なくとも1種のビタミン、たとえば、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンB6、ビタミンB12、リボフラビン、苛性カラメル(caustic caramel)、苛性亜硫酸カラメル(caustic sulfite caramel)、アンモニアカラメル(ammonia caramel)、亜硫酸アンモニアカラメル(sulfite ammonia caramel)、またはアスコルビン酸、またはそれらの混合物などの、さらなる材料を含有してよい。
【0061】
本発明に係る甘味付与用組成物は、飲料、特に清涼飲料またはエナジードリンクに、甘味を付与するために使用できる。本発明に係る甘味付与用組成物の使用によって得られる有益な効果は、特に、炭酸ガス入りの飲料についても得られる。
【0062】
本発明に係る問題は、a)本発明の第1~第4の実施形態に係る甘味付与用組成物を提供する工程と、b)水を提供する工程と、c)工程a)および工程b)において提供された成分を混合する工程とを含む方法によっても解決された。本発明に係るこのプロセスは、特に、当該飲料に炭酸ガスを含ませる工程(工程d))をさらに含む。
【0063】
別の一実施形態によれば、本発明に係るプロセスは、本発明の第1~第4の実施形態に係る甘味付与用組成物に、または水と本発明に係る甘味付与用組成物の1つとを含む混合物に、少なくとも1種の増粘剤、少なくとも1種の甘味天然炭水化物、少なくとも1種の甘味糖アルコール、少なくとも1種の有機酸、および/または少なくとも1種のフレーバー材料を添加する工程をさらに含んでよい。上述される成分は、本発明に係る当該甘味付与用組成物のいずれかと混合するよりも前の水に添加されてもよい。ここで、増粘剤、甘味天然炭水化物、甘味糖アルコール、有機酸、およびフレーバー材料について上述される定義は、一般的な情報の観点と、好ましい実施形態の観点との両方において適用できる。
【0064】
さらに、炭酸ガスを含ませる工程よりも前および/または後に、好ましくは、炭酸ガスを含ませる工程よりも前に、甘味天然炭水化物および/または少なくとも1種の甘味糖アルコールを、水と本発明に係る甘味付与用組成物の第1~第4の実施形態の1つとを含む混合物に添加することも可能である。
【0065】
本発明に係る甘味付与用組成物の第1~第4の実施形態、ならびに一実施形態における本発明に係る飲料、たとえば、清涼飲料またはエナジードリンクは、さらに、アミノ酸、着色剤、充填剤、加工デンプン、質感剤、防腐剤、酸化防止剤、乳化剤、安定剤、ゲル化剤、またはそれらの任意の混合物などの周知の添加剤を含有してよい。
【0066】
本発明により、驚くことに、甘味知覚の開始が遅れない甘味付与用組成物を入手できることが見いだされた。さらなる効果として、こうした甘味付与用組成物であって、苦い後味を有しないかつ/または金属のような後味をも有しない甘味付与用組成物とすることも可能である。また、驚くことに、本発明に係る甘味付与用組成物によって、さらには炭酸ガス入りの飲料によっても、天然の糖により甘味付与された飲料の有する香気または甘味付与特性に類似する香気または甘味付与特性を達成できることも見いだされた。さらに、驚くことに、本発明に係る組成物中に少なくとも1種のタンニン、特にタンニン酸および/またはタンニン酸誘導体が存在することによって、たとえばステビア化合物などの、人工甘味料の有する長時間持続する甘味知覚を短縮することができ、公知の高カロリー糖が通常有する甘味付与特性である天然または本質的に天然の甘味知覚が得られることも見いだされた。
【0067】
したがって、本発明に係る甘味付与用組成物を使用して調製される飲料、特に炭酸ガス入りの飲料、たとえば清涼飲料およびエナジードリンクは、カロリー量を相当に低減しながら甘味および香気特性を改善したものとすることができ、好ましい一実施形態においては、天然の糖および/または人工甘味料により甘味付与された従来の飲料の味とそれほど相違ない味を有するものとすることができる。また、このことは、消費者による甘味知覚が遅れないということを含む。さらに、本発明に係る甘味付与用組成物によって、不味いもしくは鈍い味を有しない、または口の感覚を不味い感覚もしくは鈍感にしない飲料を得ることができる。
【0068】
本発明における意味において、人工甘味料は、グルコースおよびスクロースなどの天然単糖および二糖甘味料といった天然甘味料とは異なる任意の甘味料を含んでもよい。
【0069】
本発明に係る飲料には、特に炭酸ガス入りの、清涼飲料およびエナジードリンクが含まれる。好適な清涼飲料にはさらにコーラフレーバーの清涼飲料も含まれ、コーラフレーバーの清涼飲料にはコーラフレーバータイプの清涼飲料も含まれる。また、こうした飲料は、本発明に係る甘味付与用組成物により甘味付与された場合、甘味知覚の開始が遅れず、または本質的に遅れず、逆に、調和のとれた甘味付与特性を呈し、苦い後味またはカンゾウ様の後味を有しない、または本質的に有しない。
【0070】
すなわち、本発明によれば、特に、ルブソシドおよび/または少なくとも1種のルブソシド誘導体および/またはネオヘスペリジンおよび/またはタウマチンおよび/またはフロレチンおよび/またはトリロバチンおよび/またはモナチンおよび/またはヘスペレチンおよび/または少なくとも1種の酵素処理ステビオール配糖体、特にルブソシドおよび/または少なくとも1種のルブソシド誘導体と、少なくとも1種のタンニン、特にタンニン酸および/またはタンニン酸誘導体とを組み合わせて使用すれば、ステビア化合物などの人工甘味料により甘味付与した、またはこうした人工甘味料の共使用により甘味付与した飲料であっても、開始時間、持続時間、すなわち残留の点について、また必要であれば甘味強度の点についても、時間的甘味特性がスクロースと幾分類似する飲料を入手できる。したがって、本発明は、ステビア化合物などが呈する開始の遅れをスクロースの方へと移行させる、すなわち結果的に開始を早めることができ、さらには残留作用を相当程度に抑制するのに役立つ。
【0071】
当業者により改変および変更が示唆される場合があるであろうが、出願人の意図するところは、すべての変更および改変を、当該技術に対する寄与の範囲内に妥当かつ高い確率で含まれるよう、本出願に保証される特許において具現化することである。本発明の、新規であると考えられる特徴は、付属の請求項中に詳細に記載される。詳細な説明および請求項中に開示される特徴は、それら単独で、またはそれらのあらゆる組み合わせにおいて、本発明を異なる実施形態にて実現するために必須であり得る。
【手続補正書】
【提出日】2022-06-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
甘味付与用組成物であって、
a)0.1~30g/lの天然の甘味単糖と、
b)40~110g/lの天然の甘味二糖と、
c)30~220mg/lのルブソシドおよび/もしくは少なくとも1種のルブソシド誘導体または0.01mg/l~15mg/lのネオヘスペリジンまたは1~500mg/lの少なくとも1種の酵素処理ステビオール配糖体もしくはそれらの任意の混合物と、
水とを含有する、甘味付与用組成物。
【請求項2】
c)1.0~10mg/lのネオヘスペリジンを含有する、請求項1に記載の甘味付与用組成物。
【請求項3】
特にエリスリトール、グリセリン、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、ガラクチトール、およびそれらの混合物からなる群より選択される、甘味糖アルコールをさらに含有する、請求項1または2に記載の甘味付与用組成物。
【請求項4】
前記甘味天然単糖は、フルクトース、グルコース、マンノース、ラムノース、キシロース、タガトース、ガラクトース、およびそれらの混合物からなる群より選択される、かつ/または
前記甘味天然二糖は、スクロース、ラクトース、マルトース、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1~3のいずれか1項に記載の甘味付与用組成物。
【請求項5】
ガランガル、カカオ、シナモン、レモン、レモン果汁濃縮物、コカ葉、オレンジ、オレンジ油、コーンミント、マツ、カルダモン、メース、クローブ、ライム、ライム油、ナツメグ、ナツメグ油、マスタードシード、マスタードシード油、カラメル、ローズマリー、コショウ、蜂蜜、ショウガ、バニラ、カンゾウ、カンゾウ抽出物、コーラナッツ、およびコーラナッツ抽出物、もしくはそれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1種のフレーバー材料をさらに含有する、かつ/またはタウリンおよび/もしくはカフェインをさらに含有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の甘味付与用組成物。
【請求項6】
炭酸ガス入りでないもしくは炭酸ガス入りの飲料、特に清涼飲料もしくはエナジードリンクに、甘味を付与するための、または炭酸ガス入りでないもしくは炭酸ガス入りの飲料、特に清涼飲料もしくはエナジードリンクとしての、請求項1~5のいずれか1項に記載の甘味付与用組成物の使用。
【請求項7】
特に炭酸ガス入りの、飲料、特に清涼飲料またはエナジードリンクの調製における前駆物質としてのシロップを調製するための、請求項1~5のいずれか1項に記載の甘味付与用組成物の使用。
【請求項8】
特に炭酸ガス入りの、飲料を調製するための、請求項1~5のいずれか1項に記載の甘味付与用組成物の使用。
【請求項9】
請求項1~5のいずれか1項に記載の甘味付与用組成物を含有する、または請求項1~5のいずれか1項に記載の甘味付与用組成物からなる、飲料、特に炭酸ガス入りの飲料。
【請求項10】
清涼飲料、特にコーラフレーバーもしくはコーラフレーバータイプの清涼飲料、またはエナジードリンクであることを特徴とする、請求項9に記載の飲料。
【請求項11】
前記飲料中におけるレバウジオシドA、B、およびDの組み合わせの濃度は、0.01~1.0g/lの範囲、好ましくは0.05~0.75g/lの範囲、より好ましくは0.1~0.6g/lの範囲である、請求項9または10に記載の飲料。
【請求項12】
a)請求項1~5のいずれか1項に記載の甘味付与用組成物を提供する工程と、
b)水を提供する工程と、
c)前記工程a)および前記工程b)において提供された成分を混合する工程とを含む、請求項9または10に記載の飲料を調製するためのプロセス。
【請求項13】
前記飲料に炭酸ガスを含ませる工程(工程d))をさらに含む、請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
水と混合するよりも前の前記甘味付与用組成物に、もしくは水と前記甘味付与用組成物とを含む混合物に、および/もしくは前記甘味付与用組成物と混合するよりも前の水に、少なくとも1種の増粘剤、少なくとも1種の甘味糖アルコール、少なくとも1種の有機酸、および/もしくは少なくとも1種のフレーバー材料を添加する工程をさらに含む、かつ/または
前記甘味糖アルコールは、前記炭酸ガスを含ませる工程よりも前および/もしくは後に、水と前記甘味付与用組成物とを含む前記混合物に添加される、請求項12または13に記載のプロセス。
【外国語明細書】