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特開2022-120143ヒト標本研究のための情報に基づく同意データの体系化、追跡、および使用のための方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022120143
(43)【公開日】2022-08-17
(54)【発明の名称】ヒト標本研究のための情報に基づく同意データの体系化、追跡、および使用のための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G16H 70/20 20180101AFI20220809BHJP
【FI】
G16H70/20
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022096399
(22)【出願日】2022-06-15
(62)【分割の表示】P 2021003263の分割
【原出願日】2016-11-18
(31)【優先権主張番号】62/256,756
(32)【優先日】2015-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.SMALLTALK
(71)【出願人】
【識別番号】518172299
【氏名又は名称】グローバル スペシメン ソリューションズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】アメリア ウォール ワーナー
(72)【発明者】
【氏名】マーク アンソニー コリンズ
(57)【要約】
【課題】ヒト標本研究のための情報に基づく同意データの体系化、追跡、および使用のための方法およびシステムの提供。
【解決手段】本明細書に説明される主題は、ヒト標本研究のための情報に基づく同意データの体系化、追跡、および使用のための方法、システム、およびコンピュータプログラム製品を含む。1つの方法によると、情報に基づく同意文書は、体系化され、同意規約は、標本に添付される。同意規約および同意規約に対する任意の変更は、追跡される。標本および関連付けられたデータの許可使用分析が行われ、私有および公的源から導出される世界的規制データを含む規制情報知識ベース(RIK)が提供される。同意書は、体系化された情報に基づく同意文書およびRIKを使用して自動的に生成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置またはシステムまたは方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2015年11月18日に出願された「A Method and System for Codification,Tracking,and Use of
Informed Consent Data For Human Specimen Research」という題名の米国仮特許出願第62/256,756号の優先権の利益を主張する。上記文献は、ここで参照することによってその全体として本明細書において援用される。
【0002】
(背景)
(技術分野)
本発明は、ヒト標本研究のための同意データに関し、より具体的には、ヒト標本研究のための情報に基づく同意データの体系化、追跡、および使用のための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
(関連技術の説明)
ヒト標本研究は、精密医療への経路における重要なステップである。臨床試験、調査研究、患者登録、および制度化されたバイオバンクの過程においてヒト対象から得られた標本の取得、分析、および保管は、新しい薬および診断の検索の成功要因である。臨床試験の過程で収集された標本は、高度に注釈が付けられ、試験転帰ならびに将来的生体医療研究(FBR)の両方のための豊富なリソースをもたらす。
【0004】
情報に基づく同意の形態における規制は、標本およびデータの取得、使用、分析、および破壊を統制する。患者および研究対象は、情報に基づく同意に署名し、標本に関連するデータの収集、保管、使用を可能にする。情報に基づく同意の入手ならびに標本および標本についてのデータに関連したその追跡は、試験活動および将来的生体医療研究の両方のための規制コンプライアンスに重要である。同意を適正に追跡できない結果は、規制上の罰金(金銭)、同意の適切な知識を伴わずに標本またはデータを使用する組織の信用の喪失、および生物学的リソースを使用して、将来的生体医療研究を遂行する能力の喪失の観点から深刻となり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
故に、ヒト標本研究のための情報に基づく同意データを管理するための改良された方法およびシステムの必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の簡単な要約)
本明細書に説明される主題は、ヒト標本研究のための情報に基づく同意データの体系化、追跡、および使用のための方法、システム、およびコンピュータプログラム製品を含む。本発明の一実施形態によると、ヒト標本研究のための情報に基づく同意データの体系化、追跡、および使用のための方法は、サーバによって、情報に基づく同意文書を体系化することと、サーバによって、同意規約を標本に添付することと、サーバによって、同意規約および同意規約に対する任意の変更を追跡することと、サーバによって、標本および関連付けられたデータの許可使用分析を行うことと、サーバによって、体系化された情報に基づく同意文書および規制情報知識ベース(RIK)を使用して、同意書を自動的に生成することであって、RIKは、私有および公的源から導出される世界的規制データを含む、こととを含んでもよい。
【0007】
いくつかの実施形態によると、サーバによって、情報に基づく同意文書を体系化することはさらに、機械学習を使用して、情報に基づく同意文書をクラスのセットに変換することを含んでもよく、クラスは、情報に基づく同意文書を機械作用可能フォーマットまたは規約のセットにエンコードし、規約は、患者が同意した標本およびデータを用いて行われる内容を定義する。
【0008】
いくつかの実施形態によると、サーバによって、情報に基づく同意文書を体系化することは、体系化の時点で効力のある普遍的世界、国、地域、および地方規制にリンクされ、かつそれらに基づいて行われてもよい。
【0009】
いくつかの実施形態によると、サーバによって、同意規約を標本に添付することは、同意プロファイルを標本および標本から導出されるデータにリンクすることを含んでもよい。
【0010】
いくつかの実施形態によると、サーバによって、同意規約を標本に添付することは、患者、収集施設、サンプルタイプ、国、および地域ベースで行われてもよい。
【0011】
いくつかの実施形態によると、サーバによって、同意規約を追跡することはさらに、標本に行われ得る内容に関する制限および/または患者の同意取消の有無における変更を動的に追跡することを含んでもよい。
【0012】
いくつかの実施形態によると、サーバによって、許可使用分析を行うことはさらに、具体的同意プロファイルに関する規約ベースのクエリを提供することを含んでもよい。
【0013】
いくつかの実施形態によると、サーバによって、許可使用分析を行うことはさらに、同意の観点からのリスクアセスメントを提供することを含んでもよい。
【0014】
いくつかの実施形態によると、RIKは、標本およびデータ収集のためのリスクベースのモデルを作成するために使用されてもよい。
【0015】
いくつかの実施形態によると、RIKはさらに、内部審査委員会(IRB)、倫理委員会、健医療当局、および同意承認に関わる他の組織の言動を学習することによって、リスクベースのモデルを通知してもよい。
【0016】
いくつかの実施形態によると、言動は、履行、承認の速度、地方および世界的規制の解釈、警戒のレベル、および経時的傾向のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0017】
いくつかの実施形態によると、サーバによって、同意書を自動的に生成することはさらに、所望の同意の概要、必要とされる同意のカテゴリ、および規制に基づいて、同意書を生成することを含んでもよい。
【0018】
いくつかの実施形態によると、世界的同意ランドスケープポータルは、世界的同意ランドスケープ分析を提供してもよい。
【0019】
いくつかの実施形態によると、世界的同意ランドスケープポータルは、高速視覚アセスメントまたはリスクを提供する視覚的インジケータを含んでもよく、視覚的インジケータまたはリスクは、フィルタとともに、マップ上にオーバーレイされ、異なるリスクカテゴリの双方向可視化を可能にする。
【0020】
本発明のさらに他の実施形態による、ヒト標本研究のための情報に基づく同意データの体系化、追跡、および使用のためのシステムは、規制情報知識ベース(RIK)を備えてもよく、RIKは、私有および公的源から導出される世界的規制データを含む。本システムはさらに、情報に基づく同意文書を体系化し、同意規約を標本に添付し、同意規約および同意規約に対する任意の変更を追跡し、標本および関連付けられたデータの許可使用分析を行い、体系化された情報に基づく同意文書およびRIKを使用して、同意書を自動的に生成するように構成される、プロセッサおよびメモリを伴う、サーバを備えてもよい。
【0021】
本発明のさらに他の実施形態によると、ヒト標本研究のための情報に基づく同意データの体系化、追跡、および使用のためのコンピュータプログラム製品は、情報に基づく同意文書を体系化するためのコンピュータコードと、同意規約を標本に添付するためのコンピュータコードと、同意規約および同意規約に対する任意の変更を追跡するためのコンピュータコードと、標本および関連付けられたデータの許可使用分析を行うためのコンピュータコードと、体系化された情報に基づく同意文書および規制情報知識ベース(RIK)を使用して、同意書を自動的に生成するためのコンピュータコードであって、RIKは、私有および公的源から導出される世界的規制データを含む、コンピュータコードとを備えてもよい。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
方法であって、
サーバによって、情報に基づく同意文書を体系化することと、
前記サーバによって、同意規約を標本に添付することと、
前記サーバによって、前記同意規約および前記同意規約に対する任意の変更を追跡することと、
前記サーバによって、前記標本および関連付けられたデータの許可使用分析を行うことと、
サーバによって、前記体系化された情報に基づく同意文書および規制情報知識ベース(RIK)を使用して、同意書を自動的に生成することであって、前記RIKは、私有および公的源から導出される世界的規制データを含む、ことと
を含む、方法。
(項目2)
サーバによって、情報に基づく同意文書を体系化することは、機械学習を使用して、前記情報に基づく同意文書をクラスのセットに変換することを含み、前記クラスは、前記情報に基づく同意文書を機械作用可能フォーマットまたは規約のセットにエンコードし、前記規約は、患者が同意した前記標本および前記データを用いて行われる内容を定義する、項目1に記載の方法。
(項目3)
サーバによって、情報に基づく同意文書を体系化することは、体系化の時点で効力のある普遍的世界、国、地域、および地方規制にリンクされ、かつそれらに基づいて行われる、項目1に記載の方法。
(項目4)
サーバによって、同意規約を標本に添付することは、同意プロファイルを前記標本および前記標本から導出されるデータにリンクすることを含む、項目1に記載の方法。
(項目5)
サーバによって、同意規約を標本に添付することは、患者、収集施設、サンプルタイプ、国、および地域ベースで行われる、項目1に記載の方法。
(項目6)
サーバによって、前記同意規約を追跡することは、前記標本に行われ得る内容に関する制限および/または患者の同意取消の有無における変更を動的に追跡することを含む、項目1に記載の方法。
(項目7)
サーバによって、許可使用分析を行うことは、具体的同意プロファイルに関する規約ベースのクエリを提供することを含む、項目1に記載の方法。
(項目8)
サーバによって、許可使用分析を行うことは、同意の観点からのリスクアセスメントを提供することを含む、項目1に記載の方法。
(項目9)
前記RIKは、標本およびデータ収集のためのリスクベースのモデルを作成するために使用される、項目1に記載の方法。
(項目10)
前記RIKはさらに、内部審査委員会(IRB)、倫理委員会、健医療当局、および同意承認に関わる他の組織の言動を学習することによって、前記リスクベースのモデルを通知する、項目1に記載の方法。
(項目11)
前記言動は、履行、承認の速度、地方および世界的規制の解釈、警戒のレベル、および経時的傾向のうちの1つ以上を含む、項目10に記載の方法。
(項目12)
サーバによって、同意書を自動的に生成することは、所望の同意の概要、必要とされる同意のカテゴリ、および規制に基づいて、前記同意書を生成することを含む、項目1に記載の方法。
(項目13)
世界的同意ランドスケープポータルは、世界的同意ランドスケープ分析を提供する、項目1に記載の方法。
(項目14)
前記世界的同意ランドスケープポータルは、リスクの高速視覚アセスメントを提供する視覚的インジケータを含み、前記リスクの視覚的インジケータは、フィルタとともにマップ上にオーバーレイされ、異なるリスクカテゴリの双方向可視化を可能にする、項目13に記載の方法。
(項目15)
システムであって、
規制情報知識ベース(RIK)であって、前記RIKは、私有および公的源から導出される世界的規制データを含む、RIKと、
プロセッサおよびメモリを伴う、サーバと
を備え、
前記プロセッサおよびメモリは、
情報に基づく同意文書を体系化することと、
同意規約を標本に添付することと、
前記同意規約および前記同意規約に対する任意の変更を追跡することと、
前記標本および関連付けられたデータの許可使用分析を行うことと、
前記体系化された情報に基づく同意文書および前記RIKを使用して、同意書を自動的に生成することと
を行うように構成されている、システム。
(項目16)
コンピュータプログラム製品であって、
前記コンピュータプログラム製品は、
情報に基づく同意文書を体系化するためのコンピュータコードと、
同意規約を標本に添付するためのコンピュータコードと、
前記同意規約および前記同意規約に対する任意の変更を追跡するためのコンピュータコードと、
前記標本および関連付けられたデータの許可使用分析を行うためのコンピュータコードと、
前記体系化された情報に基づく同意文書および規制情報知識ベース(RIK)を使用して、同意書を自動的に生成するためのコンピュータコードであって、前記RIKは、私有および公的源から導出される世界的規制データを含む、コンピュータコードと
を備える、コンピュータプログラム製品。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明のある実施形態による、ヒト標本研究のための情報に基づく同意データの体系化、追跡、および使用のための例示的同意体系化プロセスのステップを図示する、フローチャートである。
図2図2は、本発明のある実施形態による、ヒト標本研究のための情報に基づく同意データの体系化、追跡、および使用のための例示的同意追跡プロセスのステップを図示する、フローチャートである。
図3図3は、本発明のある実施形態による、ヒト標本研究のための情報に基づく同意データの体系化、追跡、および使用のための例示的許可使用分析プロセスのステップを図示する、フローチャートである。
図4図4Aおよび4Bは、本発明のある実施形態による、ヒト標本研究のための情報に基づく同意データの体系化、追跡、および使用のための例示的世界的同意ランドスケープポータルの描写である。
図5図5は、本発明のある実施形態による、ヒト標本研究のための情報に基づく同意データの体系化、追跡、および使用のための規制情報知識ベースと関連付けられた例示的コンポーネントおよび機能を図示する、ブロック図である。
図6図6は、本発明のある実施形態による、ヒト標本研究のための情報に基づく同意データの体系化、追跡、および使用のための機械駆動式の情報に基づく同意のビルダと関連付けられた例示的コンポーネントおよび機能を図示する、ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(詳細な説明)
本明細書に説明される主題は、ヒト標本研究のための情報に基づく同意データの体系化、追跡、および使用を管理するために設計されるシステムおよび方法を含む。概して、既存の情報に基づく同意文書は、新しいかつより有用な「体系化された」情報に基づく同意文書を生成するようにリバースエンジニアリングされ得る。本体系化された情報に基づく同意文書は、それが電子データベース内に記憶され、かつ読み出され得るように、機械可読および機械作用可能であってもよい。患者が、標本を提供すると、システムは、種々の情報を標本にリンクする、患者のための同意プロファイルを作成してもよい。その後、組織が、適用可能な同意規約および規制に準拠して、標本およびその関連付けられたデータを管理することを確実にするために、患者の同意および任意の変更(例えば、同意の取消)を追跡することがより容易になる。分析は、ウェブページまたは双方向アプリケーション等の双方向の視覚的ポータルを使用して、種々の粒度の検索に基づいてリスクの高速アセスメントまたは他の測定基準を提供することができる。最後に、システムは、同意書が、法的訓練を伴わない人々によって、非常に迅速かつ自動化された様式で組み立てられ得るように、所望の仕様に基づいて、新しい同意書を自動的に生成することを支援するために使用されてもよい。
【0024】
ここで図1を参照すると、本発明のある実施形態による、情報に基づく同意文書の例示的同意体系化プロセスのステップを図示する、フローチャートが、示される。ステップ100では、情報に基づく同意文書が、受信されてもよい。情報に基づく同意フォームまたは文書は、患者に、標本およびデータの使用に関して同意し得る許可内容を説明し得、そのような文書は、研究設定の間に構築され、内部審査委員会(IRB)によって精査および承認される。情報に基づく同意フォームは、世界および地方(国)規制ならびに施設の具体的必要性を考慮して書かれてもよい。
【0025】
ステップ102では、専門家アセスメント、自然言語処理、および機械学習の組み合わせが、情報に基づく同意文書の意味をクラスのセットに変換または「リバースエンジニアリング」するために使用されてもよい。これらのクラスは、情報に基づく同意文書を機械作用可能フォーマットまたは規約のセットにエンコードしてもよい。規約は、順に、その標本およびデータを用いて行われ得る内容の観点から患者が同意した内容を定義してもよい。体系化が、同意を追跡するプロセスにおける初期ステップであってもよい。単に、署名された同意書を標本にリンクする、従来の方法は、同意の自動化されたアセスメントを可能にせず、したがって、同意を読み取り、解釈し、措置を講じる人間に依拠するため、煩雑である。
【0026】
ステップ104では、1つ以上の同意カテゴリが、判定されてもよい。体系化は、普遍的世界、国、地域、および地方規制に基づいて実施されてもよく、したがって、体系化の時点で効力のある規制にリンクされてもよい。このように、例えば、2005年にその年の普遍的規約下で収集された標本は、それらの標本におけるある形態の分析の使用を制限するように規制が2007年に変更した場合でも、使用されてもよい。
【0027】
ステップ106では、同意規約が、データベースに書き込まれてもよい。例えば、体系化された情報に基づく同意文書は、より容易な処理のために、1つ以上の機械可読フォーマットで電子データベース内に記憶されてもよい。データベースおよびその使用の詳細は、以下により詳細に説明されるであろう。
【0028】
ステップ108では、同意体系化プロセスはまた、同意規約を標本に添付することを含んでもよい。例えば、システムは、患者、収集施設、サンプルタイプ、国および地域ベースで、同意規約を標本およびデータとともに統合してもよい。このように、患者の同意「プロファイル」は、標本およびその標本から導出されたデータに不可逆的にリンクされてもよい。さらに、任意のタイプのその親標本の任意の派生物はまた、同意プロファイルにリンクされてもよい。
【0029】
ここで図2を参照すると、本発明のある実施形態による、ヒト標本研究のための情報に基づく同意データの体系化、追跡、および使用のための例示的同意追跡プロセスのステップを図示する、フローチャートが、示される。同意規約およびそれらの規約に対する任意の変更、例えば、標本に行われ得る内容に関する制限の変更または患者の同意の取消の有無が、追跡されてもよい。動的同意追跡は、標本およびデータを使用する組織が常時準拠状態にあることを確実にし得る。
【0030】
ステップ200では、許可使用クエリが、まとめられてもよく、ステップ202では、クエリは、データベース204に提出されてもよい。例えば、クエリは、「患者Xからの組織標本の破壊日は?」を含んでもよい。
【0031】
ステップ206では、許可使用例が、同意使用プロファイルに基づいて分析されてもよい。例えば、同意使用プロファイルは、患者Xの組織サンプルが、2015年12月までに破壊されなければならないが、その日までFBRのために使用されることができることを示し得る。
【0032】
ステップ208では、許可ユーザ報告およびリスクアセスメントが、生成および提供されてもよい。
【0033】
ここで図3を参照すると、本発明のある実施形態による、ヒト標本研究のための情報に基づく同意データの体系化、追跡、および使用のための例示的許可使用分析プロセスのステップを図示する、フローチャートが、示される。本発明のいくつかの実施形態は、標本およびデータの許可使用ならびに具体的同意プロファイルに関する規約ベースのクエリの高速判定を可能にする。例えば、「ブラジルからのゲノム分析のために利用可能な組織サンプル」である。本明細書に説明される主題はまた、許可使用リスクの理解が重要な場合、標本およびデータが、分析、在庫検索、コホート作成、第三者からのサンプル取得、および他の相互作用の間にクエリまたはブラウジングされるとき、同意観点からの「リスクアセスメント」を提供してもよい。
【0034】
ステップ300では、患者同意プロファイルが、作成されてもよい。患者同意プロファイルは、そのヒトの標本および関連付けられたデータに関して患者が同意した内容に関する全ての詳細を示してもよい。標本収集およびデータ収集もまた、ステップ300において行われてもよい。これは、例えば、臨床試験、調査研究、患者登録、または診断の過程でヒト対象から得られた組織サンプル、略歴もしくは医療情報、または類似アイテムを収集することを含んでもよい。
【0035】
さらに、ステップ300では、同意データが、ロードされ、ステップ306では、同意プロファイルが変更されたかどうかが、判定される。該当する場合、同意プロファイルは、ステップ308において更新される。これは、患者がその同意を取り消したとき、またはその逆のとき、同意プロファイルを更新し、かつその同意に関する任意の詳細(例えば、時間、場所、様式)を調節することを含んでもよい。
【0036】
ここで図4Aおよび4Bを参照すると、本発明のある実施形態による、ヒト標本研究のための情報に基づく同意データの体系化、追跡、および使用のための例示的世界的同意ランドスケープポータルを図示する、ワイヤフレームが、示される。本発明のいくつかの実施形態は、世界的同意ランドスケープ分析を提供し、組織が、同意の観点から、試験実施、標本収集、および患者登録のリスクを迅速に判定することを可能にしてもよい。視覚的インジケータは、リスクの高速視覚アセスメントを提供し得る。世界的ランドスケープ分析は、フィルタとともに、マップ上にオーバーレイされたリスクのインジケータを用いてマップの形態で表され、異なるリスクカテゴリの双方向可視化を可能にしてもよい。
【0037】
世界的同意ランドスケープ分析は、実際の書面による同意規制ならびに各場所に関する情報を含む、同意ランドスケープについてのさらなる情報へのリンクを含有し、規制情報知識ベース(RIK)から導出されるリスクアセスメントを通知することに役立ち得る。例えば、図4Aから分かるように、地理的マップが、低、中、および高リスクの色コード化インジケータを用いて表示される。1つ以上のリスクフィルタが、より低いおよびより高いリスク限界がマップ上で表示されるように提供するために、リスクフィルタスライダを使用することによって調節されてもよい。
【0038】
図4Bでは、具体的規制情報が、例えば、データベース内にリンクされた関連規制情報を表示するために使用され得る、PDFファイルの形態でリンクされてもよい。
【0039】
ここで図5を参照すると、本発明のある実施形態による、ヒト標本研究のための情報に基づく同意データの体系化、追跡、および使用のための規制情報知識ベースと関連付けられた例示的コンポーネントおよび機能を図示する、ブロック図が、示される。
【0040】
本発明のいくつかの実施形態は、世界的規制の知識ベースを構築するために、私有および公的の両方の複数の源から導出されるデータを使用してもよい。例えば、規制データ500、IRB言動502、および組織内同意データ504が、機械学習ステップ506において処理されてもよい。RIK508は、機械学習506および統計的アプローチを使用して、例えば、ドイツのある領域内のゲノムサンプルの収集を試みる意思決定およびそのリスクの予測を通知するための規制情報を提供してもよい。
【0041】
RIK508はまた、標本およびデータ収集のためのリスクベースのモデルを作成するために、分析とともに使用されてもよい。そのようなモデルは、例えば、異なる領域において同意を記載および交渉するとき、決定サポートツールとして使用されてもよい。
【0042】
RIK508はまた、IRB、倫理委員会、健医療当局、および同意承認に関わる他の組織の言動を学習してもよく、これはさらに、リスクベースのモデルを通知する。例えば、RIK508は、リスクモデル510およびリスクアセスメント512を通知し、順に、世界規制ランドスケープ514を通知してもよい。そのような言動は、限定ではないが、履行、承認の速度、地方および世界的規制の解釈、過度に慎重を要するまたは制限的であるかどうか、経時的傾向、およびその他等である。
【0043】
ここで図6を参照すると、本発明のある実施形態による、ヒト標本研究のための情報に基づく同意データの体系化、追跡、および使用のための機械駆動式の情報に基づく同意のビルダと関連付けられた例示的コンポーネントおよび機能を図示する、ブロック図が、示される。本発明のいくつかの実施形態は、RIK606および体系化データベースを使用して、所望の同意の概要、必要とされる同意のカテゴリ、および規制等に基づいて、同意書を「フォワードエンジニアリング」してもよい。そのような同意書は、法的訓練を伴わない人々によって、非常に迅速かつ自動化された様式で組み立てられることができる。このように構築された同意書は、RIK606内の同意情報の組み立てられたコーパスから利益を享受する。
【0044】
例えば、第1の同意基準600、第2の同意基準602、および第3の同意基準604が、規制情報データベース606の中に入力されてもよい。RIK606は、フォワードエンジニアリングプロセス608のために使用されてもよい。
【0045】
ステップ610では、所望の同意の概要、必要とされる同意のカテゴリ、および規制に基づく同意書が、自動的に生成される。
【0046】
当業者によって理解されるであろうように、本発明の側面は、システム、方法、またはコンピュータプログラム製品として具現化され得る。故に、本発明の側面は、全体的にハードウェアである実施形態、全体的にソフトウェアである実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含む)、または本明細書で、全て、概して、「回路」、「モジュール」、もしくは「システム」と称され得るソフトウェアおよびハードウェアの側面を組み合わせる実施形態の形態を成し得る。その上さらに、本発明の側面は、その上に具現化されるコンピュータ可読プログラムコードを有する、1つ以上のコンピュータ可読媒体内で具現化されるコンピュータプログラム製品の形態を成し得る。
【0047】
1つ以上のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせが、利用され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読記憶媒体(限定ではないが、非一過性コンピュータ可読記憶媒体を含む)であり得る。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、限定ではないが、電子、磁気、光、電磁、赤外線、または半導体システム、装置、もしくはデバイス、または前述の任意の好適な組み合わせであり得る。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的実施例(非包括的リスト)は、以下:1つ以上のワイヤを有する電気的接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、消却プログラム可能読取専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読取専用メモリ(CD-ROM)、光記憶デバイス、磁気記憶デバイス、または前述の任意の好適な組み合わせを含むであろう。本明細書の文脈において、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスによって、またはそれらと関係しての使用のためのプログラムを含有または記憶し得る任意の有形的表現媒体であり得る。
【0048】
コンピュータ可読信号媒体は、例えば、ベースバンド内に、または搬送波の一部として、その中に具現化されるコンピュータ可読プログラムコードを伴う伝搬データ信号を含み得る。そのような伝搬信号は、限定ではないが、電磁気、光、またはそれらの任意の好適な組み合わせを含む、任意の様々な形状を成し得る。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではない、命令実行システム、装置、またはデバイスによって、またはそれらと関係しての使用のためのプログラムを通信、伝搬、またはトランスポートし得る、任意のコンピュータ可読媒体であり得る。
【0049】
コンピュータ可読媒体上で具現化されるプログラムコードは、限定ではないが、無線、有線、光ファイバケーブル、RF等、または前述の任意の好適な組み合わせを含む、任意の適切な媒体を使用して伝送され得る。
【0050】
本発明の側面に関する動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)、Smalltalk、C++、または同等物等、オブジェクト指向プログラミング言語と、「C」プログラミング言語または類似プログラミング言語等、従来の手続き型プログラミング言語とを含む、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書き込まれ得る。プログラムコードは、ユーザのコンピュータ上で全体的に、ユーザのコンピュータ上で部分的に、ユーザのコンピュータ上で部分的におよびリモートコンピュータ上で部分的に、スタンドアローンのソフトウェアパッケージとして、またはリモートコンピュータもしくはサーバ上で全体的に実行し得る。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ユーザのコンピュータに、ローカルエリアネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)を含む、任意のタイプのネットワークを通して接続され得、または接続は、外部コンピュータに(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用するインターネットを通して)行われ得る。
【0051】
本発明の側面が、本発明の実施形態による、方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品のフローチャート例証および/またはブロック図を参照して前述される。フローチャート例証および/またはブロック図の各ブロック、ならびにフローチャート例証および/またはブロック図内のブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実装され得ることが理解されるであろう。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサを介して実行する命令が、フローチャートおよび/またはブロック図のブロックまたは複数のブロックに規定される機能/作用を実装するための手段を生成するように、機械を製造するための汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに提供され得る。
【0052】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ可読媒体内に記憶される命令が、フローチャートおよび/またはブロック図のブロックまたは複数のブロック内に規定される機能/作用を実装する命令を含む、製造品を製造するように、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、または他のデバイスに、特定の様式で機能するように命令し得る、コンピュータ可読媒体内に記憶され得る。
【0053】
コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータまたは他のプログラム可能装置上で実行する命令が、フローチャートおよび/またはブロック図のブロックまたは複数のブロック内に規定される機能/作用を実装するためのプロセスを提供するように、コンピュータ、他のプログラム可能装置、または他のデバイス上で実施されるべき一連の動作ステップが、コンピュータ実装プロセスを生じさせるように、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、または他のデバイス上にロードされ得る。
【0054】
図内のローチャートおよび/またはブロック図は、本発明の種々の実施形態による、システム、方法、およびコンピュータプログラム製品の可能性として考えられる実装のアーキテクチャ、機能性、および動作を例証する。これに関して、フローチャートまたはブロック図内の各ブロックは、モジュール、セグメント、またはコードの一部を表し得、これは、規定される論理機能を実装するための1つ以上の実行可能な命令を備える。また、いくつかの代替実装では、ブロック内に留意される機能は、図内に留意される順序に従わずに発生し得ることにも留意されたい。例えば、連続して示される2つのブロックは、実際、実質的に、並列的に実行され得、またブロックは、時として、関与する機能性に応じて、逆の順序で実行され得る。また、ブロック図および/またはフローチャート例証の各ブロック、ならびにブロック図および/またはフローチャート例証内のブロックの組み合わせは、規定される機能または作用を実施する専用ハードウェアベースのシステム、または専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせによって実装され得ることにも留意されたい。
【0055】
本明細書に使用される専門用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本発明を限定することは意図されない。本明細書に使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確にそうでないことを示さない限り、複数形も含むことが意図される。さらに、「備える(comprises)」および/または「備える(comprising)」という用語は、本明細書に使用されるとき、所定の特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を規定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの存在または追加を除外しないことが理解されるであろう。
【0056】
以下の請求項における全ての手段またはステップの対応する構造、材料、作用、および均等物、さらに機能要素は、具体的に請求されるように、他の請求される要素と組み合わせた機能を実施するための任意の構造、材料、または作用を含むように意図される。本発明の説明は、例証及び説明を目的として提示されているが、開示される形式における発明に包括または限定されることは意図されない。多くの修正および変形例は、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、当業者に明白となるであろう。実施形態は、本発明の原則および実践的用途を最良に説明し、当業者が、熟慮される特定の使用に好適であるような種々の修正を伴う、種々の実施形態に関する発明を理解することを可能にするために、選定および説明された。
【0057】
本発明の種々の実施形態の説明が、例証の目的のために提示されたが、包括的であること、または開示される実施形態に限定されることを意図するものではない。多くの修正および変形例が、説明される実施形態の範囲および精神から逸脱することなく、当業者に明白となるであろう。本明細書で使用される専門用語は、市場に見出される技術に優る実施形態、実践的用途、もしくは技術的改良の原理を最良に説明するため、または他の当業者が本明細書に開示される実施形態を理解することを可能にするために選定された。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【外国語明細書】