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特開2022-120311カテーテル挿入補助装置及びカテーテルの留置方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022120311
(43)【公開日】2022-08-18
(54)【発明の名称】カテーテル挿入補助装置及びカテーテルの留置方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/01 20060101AFI20220810BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20220810BHJP
   A61B 1/05 20060101ALN20220810BHJP
   A61B 1/06 20060101ALN20220810BHJP
   A61B 1/273 20060101ALN20220810BHJP
   A61B 1/267 20060101ALN20220810BHJP
【FI】
A61M25/01
A61B1/00 652
A61B1/05
A61B1/06 531
A61B1/273
A61B1/267
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021017127
(22)【出願日】2021-02-05
(71)【出願人】
【識別番号】000147785
【氏名又は名称】フォルテ グロウ メディカル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】アイアット国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 進
(72)【発明者】
【氏名】唐澤 幸司
【テーマコード(参考)】
4C161
4C267
【Fターム(参考)】
4C161AA02
4C161AA13
4C161FF45
4C161FF47
4C161GG14
4C161LL02
4C267AA02
4C267AA31
4C267AA77
4C267BB32
(57)【要約】
【課題】栄養カテーテルを確実に食道や胃まで挿入する。
【解決手段】円筒状のカテーテルを患者の体内に挿入する際に用いられるカテーテル挿入補助装置において、前記患者の体内に挿入される挿入部を有する内視鏡と、前記内視鏡の挿入部を被覆するカバー部材と、前記カテーテルの内部に挿入された前記内視鏡の挿入部の先端が前記カテーテルの遠位端と一致した状態で、前記カバー部材と前記カバー部材により被覆された前記内視鏡の挿入部とを前記カテーテルの近位端側で固定する固定具と、を有することを特徴とする。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状のカテーテルを患者の体内に挿入する際に用いられるカテーテル挿入補助装置において、
前記患者の体内に挿入される挿入部を有する内視鏡と、
前記内視鏡の挿入部を被覆するカバー部材と、
前記カテーテルの内部に挿入された前記内視鏡の挿入部の先端が前記カテーテルの遠位端と一致した状態で、前記カバー部材と前記カバー部材により被覆された前記内視鏡の挿入部とを前記カテーテルの近位端側で固定する固定具と、
を有することを特徴とするカテーテル挿入補助装置。
【請求項2】
請求項1に記載のカテーテル挿入補助装置において、
前記内視鏡は、電子スコープ又はファイバースコープであることを特徴とするカテーテル挿入補助装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のカテーテル挿入補助装置において、
前記内視鏡の挿入部の外径に対するカテーテルの内径の比率は、1.3~3.7であることを特徴とするカテーテル挿入補助装置。
【請求項4】
請求項3に記載のカテーテル挿入補助装置において、
前記内視鏡の挿入部は、外径が0.5~3mmの円柱形状であることを特徴とするカテーテル挿入補助装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のカテーテル挿入補助装置において、
前記内視鏡に接続され、前記内視鏡により撮像された画像を表示する表示装置を有することを特徴とするカテーテル挿入補助装置。
【請求項6】
請求項1に記載のカテーテル挿入補助装置において、
前記固定具は、前記カテーテルの近位端に接続される管部材に設けられることを特徴とするカテーテル挿入補助装置。
【請求項7】
請求項6に記載のカテーテル挿入補助装置において、
前記管部材は、延在方向における一端が前記カテーテルの近位端に接続され、前記延在方向における他端に前記固定具が設けられた第1管部と、前記第1管部の前記延在方向における中央から分岐し、送風装置が接続される第2管部とを有し、
前記送風装置により前記管部材を介して前記カテーテルの内部に送り込まれた空気は、前記カテーテルの近位端から遠位端に向けて流れる過程で、前記カバー部材の先端近傍において渦状の流れを発生させて、前記カバー部材の先端に付着した汚れを除去することを特徴とするカテーテル挿入補助装置。
【請求項8】
内視鏡が有する挿入部にカバー部材を被覆する工程と、
前記カバー部材が被覆された前記内視鏡の挿入部を、患者に留置する円筒状のカテーテルの内部に、前記カテーテルの近位端側から挿入する工程と、
前記内視鏡の挿入部の先端が前記カテーテルの先端と一致するまで前記カテーテルの内部に挿入したときに、前記カバー部材により被覆された前記内視鏡の挿入部を前記カテーテルの近位端側に設けた固定具により固定する工程と、
前記内視鏡に接続された表示装置に表示される画像を確認しながら、前記内視鏡の挿入部が前記固定具により固定された前記カテーテルを患者に挿入する工程と、
前記カテーテルの先端が前記患者の体内の目的の部位まで挿入されたときに、前記カテーテルを留置する工程と、
前記固定具による前記カバー部材により被覆された前記内視鏡の挿入部の前記カテーテルへの固定を解除して、前記カバー部材により被覆された前記内視鏡の挿入部を前記カテーテルから抜去する工程と、
を含むカテーテルの留置方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カテーテル挿入補助装置及びカテーテルの留置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
患者の胃に栄養剤を供給する器具として、例えば鼻腔や口腔から胃まで挿入される栄養カテーテルなどの栄養摂取器具が挙げられる(特許文献1参照)。人体は、咽頭部の奥に、食道と気管とが近接して配置されている。人体は呼吸を行って空気中の酸素を肺で取り込むことから気管は通常開口している一方で、食道は塞がれている。したがって、栄養カテーテルを鼻腔や口腔から胃まで挿入する手技を行う際に、栄養カテーテルを食道ではなく気管に誤挿入することが問題となっている。
【0003】
栄養カテーテルを胃まで確実に挿入する方法として、例えばX線造影を行いながら挿入する方法が挙げられる。また、栄養カテーテルが胃に挿入されたか否かを確認する方法として、鼻腔から挿入された栄養カテーテルを用いて吸引を行い、採取される内容物のpHを測定する方法や、聴診器を用いて腹音(気泡音)を聴取する方法などが挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-89004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した栄養カテーテルは、先端にX線不透過部や、延在方向に沿って設けられたX線不透過線などを有する。したがって、X線造影を行いながらの栄養カテーテルの挿入は、食道や胃の位置だけでなく、挿入される栄養カテーテルの位置を確認できるという利点がある。しかしながら、X線造影にて得られるX線画像を誤読してしまい、栄養カテーテルを気管内に誤挿入する場合がある。また、栄養カテーテルを挿入するためだけに患者をX線造影室に移動させる必要があること、また、夜間のX線造影ができないなど時間的な制約があることが問題となる。
【0006】
また、栄養カテーテルを用いた吸引により採取される内容物のpHを測定する方法は、栄養カテーテルが胃まで挿入されていても胃の内容物を吸引できないこともあるため、内容物を用いたpHの測定を行うことができない場合がある。また、栄養カテーテルを挿入した患者が制酸薬を投与されている場合には、吸引された内容物が酸性にならないことがある。したがって、栄養カテーテルが胃まで挿入されているか否かを判断することが難しい。
【0007】
さらに、聴診器の腹音(気泡音)を聴取する方法では、栄養カテーテルが気管に誤挿入されている場合にも、栄養カテーテルが胃に挿入されている場合と同様の腹音が聴取できるため、栄養カテーテルが胃まで挿入されているか否かを判断することは難しい。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するために発明されたものであり、栄養カテーテルを確実に食道や胃まで挿入することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、第1の観点によると、円筒状のカテーテルを患者の体内に挿入する際に用いられるカテーテル挿入補助装置において、前記患者の体内に挿入される挿入部を有する内視鏡と、前記内視鏡の挿入部を被覆するカバー部材と、前記カテーテルの内部に挿入された前記内視鏡の挿入部の先端が前記カテーテルの遠位端と一致した状態で、前記カバー部材と前記カバー部材により被覆された前記内視鏡の挿入部とを前記カテーテルの近位端側で固定する固定具と、を有することを特徴とする。
【0010】
また、前記内視鏡は、電子スコープ又はファイバースコープであることを特徴とする。
【0011】
また、前記内視鏡の挿入部の外径に対するカテーテルの内径の比率は、1.3~3.7であることを特徴とする。
【0012】
また、前記内視鏡の挿入部は、外径が0.5~3mmの円柱形状であることを特徴とする。
【0013】
また、前記内視鏡に接続され、前記内視鏡により撮像された画像を表示する表示装置を有することを特徴とする。
【0014】
また、前記固定具は、前記カテーテルの近位端に接続される管部材に設けられることを特徴とする。
【0015】
また、前記管部材は、延在方向における一端が前記カテーテルの近位端に接続され、前記延在方向における他端に前記固定具が設けられた第1管部と、前記第1管部の前記延在方向における中央から分岐し、送風装置が接続される第2管部とを有し、前記送風装置により前記管部材を介して前記カテーテルの内部に送り込まれた空気は、前記カテーテルの近位端から遠位端に向けて流れる過程で、前記カバー部材の先端近傍において渦状の流れを発生させて、前記カバー部材の先端に付着した汚れを除去することを特徴とする。
【0016】
また、他の観点によると、カテーテルの留置方法において、内視鏡が有する挿入部にカバー部材を被覆する工程と、前記カバー部材が被覆された前記内視鏡の挿入部を、患者に留置する円筒状のカテーテルの内部に、前記カテーテルの近位端側から挿入する工程と、前記内視鏡の挿入部の先端が前記カテーテルの先端と一致するまで前記カテーテルの内部に挿入したときに、前記カバー部材により被覆された前記内視鏡の挿入部を前記カテーテルの近位端側に設けた固定具により固定する工程と、前記内視鏡に接続された表示装置に表示される画像を確認しながら、前記内視鏡の挿入部が前記固定具により固定された前記カテーテルを患者に挿入する工程と、前記カテーテルの先端が前記患者の体内の目的の部位まで挿入されたときに、前記カテーテルを留置する工程と、前記固定具による前記カバー部材により被覆された前記内視鏡の挿入部の前記カテーテルへの固定を解除して、前記カバー部材により被覆された前記内視鏡の挿入部を前記カテーテルから抜去する工程と、を含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、栄養カテーテルを確実に食道や胃まで挿入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】栄養カテーテル及び栄養カテーテル挿入補助装置の構成を示す図である。
図2】栄養カテーテルを留置する際の処理の流れを示すフローチャートである。
図3】(a)栄養カテーテル及びT字管の構成を示す図、(b)T字管を栄養カテーテルに接続した状態を示す図である。
図4】(a)電子スコープを保護カバーにより被覆される直前の状態を示す図、(b)保護カバーに被覆された電子スコープを示す図である。
図5】(a)保護カバーに被覆された電子スコープを栄養カテーテルに挿入する直前の状態を示す図、(b)保護カバーに被覆された電子スコープを栄養カテーテルに挿入した後の状態を示す図である。
図6】栄養カテーテルを留置した状態を示す断面図である。
図7】カテーテルの先端における空気の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係るカテーテル挿入補助装置の構成について、図面に基づいて説明する。
【0020】
図1に示すように、カテーテル挿入補助装置10は、例えば、栄養カテーテル100の挿入を補助する装置である。栄養カテーテル100は、例えば栄養剤を胃に供給するための栄養カテーテルである。栄養カテーテル100は、例えば、チューブ101とコネクタ102とから構成される。チューブ101は、例えばポリ塩化ビニルやポリブタジエンなどの合成樹脂製の円筒状の部材である。チューブ101は、内径D1(図5参照)は、例えばD1=1.4mmである。
【0021】
上述したチューブ101は、両端が開口されたチューブの他、一端が閉口されて、閉口された端部の外周面に開口が設けられたチューブなどが用いられる。以下では、チューブ101として、両端が開口されたチューブを用いた場合を説明する。
【0022】
コネクタ102は、チューブ101の長手方向における一端側に固着される。コネクタ102は、延在方向における両端部のうち、チューブ101に接続される一端部とは反対側の他端部の内周面にねじ部を有する。図示は省略するが、コネクタ102は、例えば注入ポンプに接続された接続チューブの一端部に接続される。なお、接続チューブの他端部は、例えば栄養剤が貯留されたコンテナ(ボトル、バッグなど)に接続される。
【0023】
栄養カテーテル100は、チューブ101の長手方向における両端部のうち、コネクタ102が固着される一端部とは反対側の他端部から、患者の鼻腔に挿入される。したがって、栄養カテーテル100の長手方向において、コネクタ102が固着される一端部を近位端、コネクタ102が固着される一端部とは反対側の他端部を遠位端と称する。
【0024】
カテーテル挿入補助装置10は、電子スコープ(請求項に記載の内視鏡に相当)15、保護カバー(請求項に記載のカバー部材に相当)16、表示装置17を含む。電子スコープ15は、長尺状で、患者の体内に挿入される挿入部15aの外径D2(図4参照)が例えばD2=1mmの円柱形状である。なお、電子スコープ15は、滅菌処理が施されている。なお、実施の形態では、内視鏡として電子スコープを用いた場合について説明しているが、ファイバースコープを用いてもよい。
【0025】
図示は省略するが、電子スコープ15は、挿入部15aの先端に対物レンズ、CCDなどの撮像素子や、LEDなどの照明装置を内部に有する。電子スコープ15は、先端とは反対側の端部に、例えば接続部15bを有している。接続部15bは、画像変換部18に接続されている。画像変換部18は、電子スコープ15の挿入部15aの先端内部に設けられた撮像素子や照明装置に給電を行う他、撮像素子から出力される電気信号を、画像信号に変換する。したがって、電子スコープ15を画像変換部18に接続すると、照明装置が発光して、電子スコープ15の先端から照明光が前方(電子スコープ15の長手方向において、電子スコープ15の先端から外方)に照射される。また、同時に、撮像素子が対物レンズを介して取り込まれた被写体光に基づく被写体画像(以下、画像)を撮像し、撮像に基づく電気信号を画像変換部18に出力する。
【0026】
なお、外径が1mmの電子スコープ15としているが、例えば耳鼻科などで使用される例えば挿入部の外径が2~3mmの電子スコープを用いることも可能である。
【0027】
ここで、電子スコープ15は、保護カバー16が装着(被覆)された状態で栄養カテーテル100に挿入される。したがって、栄養カテーテル100のチューブ101の内径D1と、電子スコープ15の挿入部15aの外径D2との比率(D2/D1)は、例えば1.3~3.7の範囲に設定される。なお、栄養カテーテル100は、内径D1が例えばD1=1~2.8mm(あるいは、0.6~4.1mm)の範囲のいずれかの値となるチューブ101が用いられる。したがって、栄養カテーテル100のチューブ101の内径D1や、電子スコープ15の挿入部15aの外径D3は、例えば栄養カテーテル100を挿入する部位、患者の性別や年齢、或いは健康状態などを鑑みて、上記比率の範囲となるように選択されることが望ましい。
【0028】
保護カバー16は、長手方向における一端側が閉口された筒状の部材である。保護カバー16は、合成樹脂製の部材である。ここで、保護カバー16は、一例として、カバー全体が透明または半透明の部材である。なお、保護カバー16は、電子スコープ15により撮像することができればよいので、閉口された先端部分が透明又は半透明とし、その他の部分が不透明とすることも可能である。
【0029】
保護カバー16は、電子スコープ15の挿入部15aの先端から所定の長さの範囲を被覆して、栄養カテーテル100の挿入時に、体液(唾液や鼻汁)などの汚れが電子スコープ15に直接付着することを防止する。なお、保護カバー16の内径D3は、電子スコープ15の外径D2よりも大きく設定される。保護カバー16の内径D3は、一例としてD3=1.1mmである。ここで、保護カバー16の内径D3は、電子スコープ15の挿入部15aの外径D2に合わせて設定される。なお、保護カバー16の外径や厚みについては詳細を省略しているが、保護カバー16の外径や厚みは、例えば電子スコープ15の挿入部15aが挿入される栄養カテーテル100の内径D1と、電子スコープ15の外径D2との差を考慮した上で設定されるものである。
【0030】
なお、保護カバー16は、長手方向における一端側が閉口された筒状の部材としているが、開口された他端にコネクタを固着することも可能である。コネクタを、保護カバー16の開口された他端に固着することで、電子スコープ15への装着及び取り外しの際に保護カバー16を直接把持することが防止され、また、保護カバー16の内部に電子スコープの挿入部15aを容易に挿入することが可能となる。
【0031】
表示装置17は、画像変換部18における画像変換処理により得られた画像信号に基づいた画像、すなわち、電子スコープ15により得られた画像を表示する。
【0032】
T字管25は、栄養カテーテル100のコネクタ102に、連結用コネクタ26を介して接続される。T字管25は、請求項に記載の管部材に相当する。T字管25は、本体31、トーイボーストバルブ(回転式止血バルブ(RHV))32、コネクタ部33,34を有する。本体31は、一方向に延びる第1管部31aと、第1管部31aの延在方向における中央部で、第1管部31aと直交するように接合される第2管部31bとを有する。
なお、T字管としているが、Y字管を用いてもよい。
【0033】
トーイボーストバルブ32は、本体31の第1管部31aの延在方向における一端部に配置される。トーイボーストバルブ32は請求項に記載の固定具に相当する。図示は省略するが、トーイボーストバルブ32は、回転操作部(不図示)を第1管部31aの延在方向を軸にして回転させることで、内部に設けたバルブ機構が流路を閉じ(ロックし)、回転操作部を一方向とは反対方向に回転させることで、内部に設けたバルブ機構が流路を開く(ロックを解除する)ものである。
【0034】
コネクタ部33は、第1管部31aの延在方向において、トーイボーストバルブ32が配置される一端部とは反対側の他端部に設けられる。コネクタ部33は、内周面にねじ部を有するコネクタである。コネクタ部33は、例えば連結用コネクタ26の一端部を接続する。連結用コネクタ26は、延在方向における両端部に外周面にねじ部を各々有するコネクタである。連結用コネクタ26は、延在方向における両端部のうち、コネクタ部33に接続される一端部とは反対側の他端部を、栄養カテーテル100のコネクタ102に接続される。
【0035】
コネクタ部34は、第2管部31bに配置される。コネクタ部34は、内周面にねじ部を有するコネクタである。コネクタ部34は、例えばシリンジ本体42に設けたコネクタ部42aに接続される。
【0036】
シリンジ41は、シリンジ本体42とプランジャ43とを有する。シリンジ41は、請求項に記載の送風装置として機能する。シリンジ本体42は、筒状の部材で、長手方向における一端部に設けられた筒先を、筒先の外周面にねじ部が形成されたコネクタ部42aとしている。シリンジ本体42は、コネクタ部42aをT字管25の第2管部31bのコネクタ部34に接続される。プランジャ43は、シリンジ本体42のコネクタ部42aが設けられる一端部とは反対側となる他端部からシリンジ本体42の内部に挿入される。プランジャ43は、シリンジ本体42に押し込む、又はシリンジ本体42から引き抜くことが可能である。例えばプランジャ43をシリンジ本体42に押し込むと、シリンジ本体42の内部に貯留された液体(例えば生理食塩水)や空気が、シリンジ本体42の筒先から送り出される。一方、プランジャ43をシリンジ本体42から所定量引き出すと、シリンジ本体42の筒先から、シリンジ本体42の内部に液体や空気が引き込まれる。
【0037】
なお、送風装置としてシリンジ41を例示しているが、T字管25を介して栄養カテーテル100の内部に空気を送り込めればよいので、シリンジ以外の送風装置を用いることも可能である。
【0038】
以下、栄養カテーテル100を患者に留置するときの処理の流れについて、図2に示すフローチャートを用いて説明する。
【0039】
ステップS101において、T字管25が栄養カテーテル100に接続される。図3(a)に示すように、栄養カテーテル100は未使用であり、栄養カテーテル100には、T字管25が接続されていない。したがって、T字管25が栄養カテーテル100のコネクタ102に接続される。図3(b)に示すように、T字管25と栄養カテーテル100の接続は、コネクタ部33に接続された連結用コネクタ26を栄養カテーテル100のコネクタ102に接続することで行われる。
【0040】
ステップS102において、保護カバー16が電子スコープ15に装着される。図4(a)に示すように、電子スコープ15の挿入部15aは、保護カバー16の開口された端部から、保護カバー16の内部に挿入される。そして、図4(b)に示すように、電子スコープ15の先端が保護カバーの16の他端側の閉口した部分に突き当たるまで保護カバー16に挿入される。なお、電子スコープ15の保護カバー16への挿入は、例えば電子スコープ15が接続された表示装置17において表示される画像を視認しながら実行され、表示装置17において表示される画像により明確な画像が得られた位置で、電子スコープ15の保護カバー16への挿入が停止される。
【0041】
ステップS103において、保護カバー16に被覆された電子スコープ15を栄養カテーテル100に挿入する。ステップS101において、栄養カテーテル100のコネクタ102には、T字管25が接続される。図5(a)に示すように、保護カバー16が被覆された電子スコープ15は、T字管25を介して栄養カテーテル100に挿入される。
保護カバー16が被覆された電子スコープ15の栄養カテーテル100への挿入は、例えば電子スコープ15が接続された表示装置17において表示される画像を視認しながら実行される。そして、表示装置17に表示される画像から、電子スコープ15の先端が栄養カテーテル100の遠位端に到達したと判断される(ステップS104の判定結果がYesとなる)と、電子スコープ15の栄養カテーテル100への挿入が停止される。一方、電子スコープ15の先端が栄養カテーテル100の遠位端に到達していないと判断される(ステップS104の判定結果がNoとなる)と、電子スコープ15の先端が栄養カテーテル100の遠位端に到達したと判断されるまで、電子スコープ15が栄養カテーテル100に引き続き挿入される。
【0042】
ここで、電子スコープ15の先端が栄養カテーテル100の遠位端に到達したか否かは、以下のように判断すればよい。電子スコープ15の視野角は一定であるから、電子スコープ15の先端が栄養カテーテル100の遠位端に到達していない場合、例えば表示装置17に表示される画像は、栄養カテーテル100の内壁面が含まれた画像となる。一方、電子スコープ15の先端が栄養カテーテル100の遠位端に到達した場合、例えば表示装置17に表示される画像は、栄養カテーテル100の内壁面が含まれていない画像となる。したがって、電子スコープ15により撮像される画像に、栄養カテーテル100の内壁面が含まれなくなったときに、電子スコープ15の先端が栄養カテーテル100の遠位端に到達したと判断すればよい。
【0043】
ステップS105において、電子スコープ15の栄養カテーテル100への挿入が停止された後に、T字管25のトーイボーストバルブ32がロックされる。トーイボーストバルブ32をロックすると、内部に収納されたバルブ機構が流路を閉じる方向に動作する。このとき、T字管25の第1管部31aには、保護カバー16により被覆された電子スコープ15が挿入されている。したがって、トーイボーストバルブ32のバルブ機構によって、保護カバー16により被覆された電子スコープ15が保護カバー16とともに、締め付け固定される。これにより、栄養カテーテル100の挿入前の準備が終了する。
【0044】
ステップS106において、電子スコープ15が締め付け固定された栄養カテーテル100は、患者の鼻腔から体内に挿入される。上述したように、栄養カテーテル100は、接続されたT字管25のトーイボーストバルブ32により、栄養カテーテル100に挿入された電子スコープ15を近位端側で締め付け固定している。したがって、図6に示すように、栄養カテーテル100の遠位端側から患者Aの鼻腔P1に挿入すると、電子スコープ15が栄養カテーテル100とともに、患者Aの体内に挿入される。患者Aの体内に挿入されると、電子スコープ15により患者Aの体内が撮像される。撮像された画像は、表示装置17に表示される。したがって、術者は、表示装置17に表示される患者Aの体内の画像を見ながら栄養カテーテル100を挿入し続ける。
【0045】
栄養カテーテル100の遠位端が咽頭P2に到達したときには、表示装置17には、開口されている気管P3の画像が表示される。したがって、術者は、患者Aに唾を飲み込むことを指示する。患者Aが唾を飲み込むと、気管P3が閉口し、食道P4が開口される。したがって、術者は、表示装置17を観察しながら、食道P4が開口されるタイミングで栄養カテーテル100を挿入する。
【0046】
栄養カテーテル100の遠位端側が食道P4へと挿入されると、表示装置17は、電子スコープ15により取得された食道P4の内部の画像を表示する。そして、表示装置17が電子スコープ15により取得された胃P5の内部の画像を表示することを受けて、術者は、栄養カテーテル100の遠位端が食道P4を通過し、胃P5の内部に到達したと判断する(ステップS107の判定結果がYes)。一方、表示装置17が電子スコープ15により取得された食道P4の内部の画像を表示している場合には、術者は胃P5の内部に到達していないと判断する(ステップS107の判定結果がNo)。この場合、表示装置17が電子スコープ15により取得された胃P5の内部の画像を表示するまで、栄養カテーテル100を鼻腔から体内へと挿入し続ける。
【0047】
栄養カテーテル100の遠位端が胃P5の内部に到達したと判断されると、栄養カテーテル100の体内への挿入が停止され、栄養カテーテル100の留置が行われる(ステップS108)。栄養カテーテル100を留置した後、ステップS109において、T字管25のトーイボーストバルブ32のロックが解除される。トーイボーストバルブ32のロックが解除されると、電子スコープ15の締め付け固定が解除される。これを受けて、電子スコープ15が栄養カテーテル100から抜去される。なお、栄養カテーテル100から抜去された電子スコープ15は、保護カバー16から取り外される。また、必要に応じて、栄養カテーテル100のコネクタ102に接続されたT字管25も取り外される。
【0048】
上述したように、栄養カテーテル100のチューブ101は、例えばポリ塩化ビニルなどの合成樹脂製であり、栄養カテーテル100を単体で鼻腔P1から患者Aの体内に挿入した場合、鼻腔内で屈曲しやすい。また、栄養カテーテル100は、巻き癖が付いていることが多い。したがって、栄養カテーテル100を単体で鼻腔P1から患者Aの体内に挿入した場合、栄養カテーテル100の先端が咽頭に到達した後、気管P3に誤挿入されやすい。一方、実施の形態によれば、栄養カテーテル100の内部には、保護カバー16が被覆された電子スコープ15が挿入されている。したがって、栄養カテーテル100を鼻腔P1から患者Aの体内に挿入するときには、栄養カテーテル100が屈曲しにくくなる。また、栄養カテーテル100のチューブ101に巻き癖が残存していたとしても、内部の保護カバー16が被覆された電子スコープ15により、一方向に延びた状態で保持される。したがって、栄養カテーテル100の先端が咽頭P2に到達した後、気管P3へと誤挿入されにくくなり、食道P4を介して胃P5まで確実に挿入することができる。
【0049】
また、栄養カテーテル100から抜去された電子スコープ15は、保護カバー16が取り外される。栄養カテーテル100の挿入時には、体液などの汚れは、保護カバー16に付着する一方で、保護カバー16に被覆された電子スコープ15には付着しない。したがって、手技後に保護カバー16が取り外された電子スコープ15は、洗浄や滅菌などの処理を行う必要はなく、そのまま使用することができる。
【0050】
上述したように、栄養カテーテル100は、遠位端が開口されている。栄養カテーテル100を鼻腔P1から患者Aの体内に挿入し、栄養カテーテル100の遠位端が胃P5まで到達する過程で、栄養カテーテル100の遠位端に体液などの汚れが付着する場合がある。保護カバー16に付着した体液などの汚れは、電子スコープ15の視野を遮蔽し、保護カバー16に付着した体液などの汚れによって視野が遮蔽された画像となり、表示装置17に表示された画像から、患者の体内を確認することはできない。
【0051】
栄養カテーテル100に接続されるT字管25の第2管部31bには、シリンジ41が接続されている。保護カバー16に付着した体液などの汚れによって視野が遮蔽された画像が表示装置17に表示されたときには、術者は、シリンジ41のプランジャ43をシリンジ本体42に押し込む。プランジャ43がシリンジ本体42に押し込まれると、シリンジ本体42の内部の空気がT字管25に流れ込み、栄養カテーテル100の遠位端に向けて流れる。このとき、栄養カテーテル100の遠位端に向けて流れる空気は、栄養カテーテル100の内壁面と、栄養カテーテル100に挿入された電子スコープ15を被覆する保護カバー16との間のドーナツ状の空間を流れた後、栄養カテーテル100の遠位端から外部に噴出する。
【0052】
栄養カテーテル100の遠位端から外部に噴出される空気の流れは、そのまま前方へ進む流れ(図7中C1)と、栄養カテーテル100の中心側に向けた渦状の流れ(図7中C2)と、栄養カテーテル100の外方に向けた渦状の流れ(図7中C3)である。これら空気の流れのうち、栄養カテーテル100の中心側に向けて流れる渦状の流れC2を利用することで、保護カバー16の先端に付着した体液などの汚れが除去される。これにより、電子スコープ15によって体内の画像が取得できる。
【0053】
ここで、プランジャ43をシリンジ本体42へと押し込むことで、保護カバー16に付着した体液などの汚れを除去するようにしているが、空気の代わりに、生理食塩水などを用いることも可能であるが、栄養カテーテル100の遠位端が食道P4まで到達していない場合、噴出される生理食塩水によって患者がむせることもあるので、保護カバー16の先端に付着した体液などの汚れが除去する場合、生理食塩水などの液体ではなく、空気を用いることが好適である。
【0054】
上記に説明した実施の形態では、遠位端が開口された栄養カテーテルを一例として例示しているが、遠位端が閉口され、遠位端近傍における外周面に開口を有するカテーテルに対しても採用することができる。遠位端が閉口されたカテーテルとしては、例えばチューブの遠位端がレンズやガラスなどにより遮蔽されているカテーテルの他、カテーテルの遠位端が閉口された部分が他の箇所よりも肉薄で、且つ該閉口された部分が透明又は半透明であるカテーテルなどが望ましい。
【0055】
なお、実施の形態では、栄養カテーテル100を鼻腔から胃まで挿入する場合を一例として説明しているが、体内の他の部位にカテーテルを留置する(あるいは挿入する)場合であっても、実施の形態と同様にして、カテーテルの内部にカバー部材で被覆した電子スコープを挿入した状態で、カテーテルを目的の部位に挿入することも可能である。
【0056】
<作用効果など>
実施の形態におけるカテーテル挿入補助装置10は、円筒状の栄養カテーテル100を患者の体内に挿入する際に用いられるカテーテル挿入補助装置10において、電子スコープ15と、電子スコープ15を被覆する保護カバー16と、栄養カテーテル100の内部に挿入された電子スコープ15の先端が栄養カテーテル100の遠位端と一致した状態で、保護カバー16と保護カバー16により被覆された電子スコープ15とを栄養カテーテル100の近位端側で固定するトーイボーストバルブ32と、を有する。
【0057】
これによれば、保護カバー16により被覆された電子スコープ15は、栄養カテーテル100の近位端側で保護カバー16とともに、トーイボーストバルブ32に固定されているので、栄養カテーテル100の患者の体内への挿入時に、栄養カテーテル100が遠位端側で弾性変形しても、栄養カテーテル100に対する電子スコープ15の位置ずれは発生することはない。また、保護カバー16により被覆された電子スコープ15は、栄養カテーテル100に挿入された状態で、栄養カテーテル100の近位端側で保護カバー16とともにトーイボーストバルブ32に固定されるので、栄養カテーテル100自身が有する巻き癖を、挿入される電子スコープ15及び保護カバー16により解消でき、同時に、栄養カテーテル100を患者の体内に挿入するときの栄養カテーテル100の強度を上げることができる。
【0058】
また、電子スコープ15は保護カバー16に被覆された状態で使用されるため、体液などの汚れが直接付着することがない。電子スコープ15は滅菌処理されているので、電子スコープ15を洗浄、消毒、滅菌処理しなくとも、繰り返し使用することができる。
【0059】
また、電子スコープ15の挿入部15aの外径に対する栄養カテーテル100の内径の比率は1.3~3.7である。
【0060】
これによれば、保護カバー16により被覆された電子スコープ15の挿入部15aを栄養カテーテル100の内部に挿入したときに、栄養カテーテル100の強度が向上して、栄養カテーテル100を患者の体内で折れ曲がり、栄養カテーテル100を適切に挿入できず、栄養カテーテル100の挿入をやり直すなどの事象を防止して、栄養カテーテル100を患者の体内に目的の位置まで確実に挿入することができる。
【0061】
また、電子スコープ15は、外径が0.5~3mmの円柱形状であることを特徴とする。
【0062】
これによれば、電子スコープ15だけでなく、栄養カテーテル100のチューブ101の外径を細くすることができるので、咽頭から食道へと挿入した後で食道が閉じられた状態において、患者が違和感を覚えることを低減することができる。
【0063】
また、電子スコープ15に接続され、電子スコープ15により撮像された画像を表示する表示装置17を有する。
【0064】
これによれば、栄養カテーテル100の挿入時に、患者の体内を確認しながら挿入することができる。すなわち、患者の体内に挿入した栄養カテーテル100の先端が、例えば咽頭などの部位に到達したときに、栄養カテーテル100の挿入を停止し、画像を確認した上で、栄養カテーテルを食道へと挿入することができる。その結果、栄養カテーテルの気管への誤挿入の発生を防止することができる。
【0065】
また、トーイボーストバルブ32は、栄養カテーテル100の近位端に接続されるT字管25に設けられる。
【0066】
これによれば、栄養カテーテル100にT字管25を接続することで、栄養カテーテル100の内部に挿入された電子スコープ15を、電子スコープ15を被覆する保護カバー16とともに固定できる。したがって、トーイボーストバルブ32を有する栄養カテーテルを新たに製造しなくとも、既存の栄養カテーテル100を使用して、栄養カテーテル100を患者の体内へと挿入し、挿入した栄養カテーテル100を留置することができる。また、栄養カテーテル100を留置した後は、T字管25を外せば、栄養カテーテル100を用いて栄養剤の投与を行うことができる。
【0067】
T字管25は、延在方向における一端が栄養カテーテル100の近位端に接続され、延在方向における他端にトーイボーストバルブ32が設けられた第1管部31aと、前記第1管部31aの延在方向における中央から分岐し、シリンジ41が接続される第2管部31bとを有し、シリンジ41によりT字管25を介して栄養カテーテル100の内部に送り込まれた空気は、栄養カテーテル100の近位端から遠位端に向けて流れる過程で、保護カバー16の先端近傍において渦状の流れを発生させて、保護カバー16の先端に付着した汚れを除去する。
【0068】
これによれば、保護カバー16の先端に付着した汚れの除去を簡易な構成で実行することができる。
【0069】
また、実施の形態におけるカテーテルの留置方法は、電子スコープ15に保護カバー16を被覆する工程と、保護カバー16が被覆された電子スコープ15を、患者に留置する栄養カテーテル100の内部に、円筒状の栄養カテーテル100の近位端側から挿入する工程と、電子スコープ15の先端が栄養カテーテル100の遠位端と一致するまで栄養カテーテル100の内部に挿入したときに、保護カバー16により被覆された電子スコープ15を栄養カテーテル100の近位端側に設けたT字管25により固定する工程と、電子スコープ15に接続された表示装置17に表示される画像を確認しながら、電子スコープ15がT字管25により固定された栄養カテーテル100を患者に挿入する工程と、栄養カテーテル100の先端が前記患者の体内の目的の部位まで挿入されたときに、栄養カテーテル100を留置する工程と、T字管25による保護カバー16により被覆された電子スコープ15の栄養カテーテル100への固定を解除して、保護カバー16により被覆された電子スコープ15を栄養カテーテル100から抜去する工程と、を含む。
【0070】
これによれば、保護カバー16により被覆された電子スコープ15は、栄養カテーテル100の近位端側で保護カバー16とともに、トーイボーストバルブ32に固定されているので、栄養カテーテル100の患者の体内への挿入時に、栄養カテーテル100が遠位端側で弾性変形しても、栄養カテーテル100に対する電子スコープ15の位置ずれは発生することはない。また、保護カバー16により被覆された電子スコープ15は、栄養カテーテル100に挿入された状態で、栄養カテーテル100の近位端側で保護カバー16とともにトーイボーストバルブ32に固定されるので、栄養カテーテル100自身が有する巻き癖を、挿入される電子スコープ15及び保護カバー16により解消でき、同時に、栄養カテーテル100を患者の体内に挿入するときの栄養カテーテル100の強度を上げることができる。
【0071】
また、電子スコープ15は保護カバー16に被覆された状態で使用されるため、体液などの汚れが直接付着することがない。したがって、電子スコープ自体が滅菌処理されているので、電子スコープ15を洗浄、消毒、滅菌処理しなくとも、繰り返し使用することができる。
【0072】
さらに、栄養カテーテル100の挿入時に、患者の体内を確認しながら挿入することができる。すなわち、患者の体内に挿入した栄養カテーテル100の先端が、例えば咽頭などの部位に到達したときに、栄養カテーテル100の挿入を停止し、画像を確認した上で、栄養カテーテル100を食道へと挿入することができる。その結果、栄養カテーテル100の気管への誤挿入の発生を防止することができる。
【符号の説明】
【0073】
10…カテーテル挿入補助装置
15…電子スコープ
16…保護カバー
25…T字管
32…トーイボーストバルブ
41…シリンジ
100…栄養カテーテル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7