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  • 特開-補機取付け構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022120369
(43)【公開日】2022-08-18
(54)【発明の名称】補機取付け構造
(51)【国際特許分類】
   B60T 8/34 20060101AFI20220810BHJP
【FI】
B60T8/34
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021017214
(22)【出願日】2021-02-05
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】藤井 喜之
(72)【発明者】
【氏名】倉澤 和幸
【テーマコード(参考)】
3D246
【Fターム(参考)】
3D246GA17
3D246GB01
3D246GB04
3D246LA21A
(57)【要約】
【課題】 取付け部材の車両上下方向に対して直交する方向の寸法を縮小しつつ、より安定した状態で当該取付け部材を被取付け部材に取り付けることが可能な補機取付け構造を提供する。
【解決手段】 取付け構造Aは、車両用の補機40が搭載された台座部11と、台座部11から車両下方に垂れ下がる第1取付け部12とを有する取付け部材10と、第1取付け部12が取り付けられる第2取付け部22を有する被取付け部材20とを備える。第1取付け部12は、車両上下方向に対して直交する方向を向く第1取付け面を有する。第2取付け部22は、前記第1取付け面に対向する第2取付け面を有する。被取付け部材20は、第2取付け部22から前記第2取付け面が向く側に突出する張出部23を有する。張出部23は、前記第1取付け面の下縁を跨ぐ。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用の補機が搭載された台座部と、前記台座部から車両下方に垂れ下がる第1取付け部と、を有する取付け部材と、
前記第1取付け部が取り付けられる第2取付け部を有する被取付け部材と、を備え、
前記第1取付け部は、車両上下方向に対して直交する方向を向く第1取付け面を有し、
前記第2取付け部は、前記第1取付け面に対向する第2取付け面を有し、
前記被取付け部材は、前記第2取付け部から前記第2取付け面が向く側に突出する張出部を有し、
前記張出部は、前記第1取付け面の下縁を跨ぐことを特徴とする、補機取付け構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用の補機の取付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両用の補機の取付け構造の一例が開示されている。当該取付け構造は、補機(アンチスキッド装置のアクチュエータ)が搭載されたブラケットと、当該ブラケットが取り付けられる車両構造部材(エンジンマウントなど)とを備える。
【0003】
特許文献1に開示されている取付け構造は、車両構造部材に対向するブラケットの取付け面は、車両上下方向を向く。このため、ブラケットの車両上下方向に対して直交する方向の寸法が比較的大になる傾向となる。当該取付け構造は、車両の小型化を阻害する要因となり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-58933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述の事情に鑑み、取付け部材の車両上下方向に対して直交する方向の寸法を縮小しつつ、より安定した状態で当該取付け部材を被取付け部材に取り付けることが可能な補機取付け構造を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によって提供される補機取付け構造は、車両用の補機が搭載された台座部と、前記台座部から車両下方に垂れ下がる第1取付け部と、を有する取付け部材と、前記第1取付け部が取り付けられる第2取付け部を有する被取付け部材と、を備え、前記第1取付け部は、車両上下方向に対して直交する方向を向く第1取付け面を有し、前記第2取付け部は、前記第1取付け面に対向する第2取付け面を有し、前記被取付け部材は、前記第2取付け部から前記第2取付け面が向く側に突出する張出部を有し、前記張出部は、前記第1取付け面の下縁を跨ぐことを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明にかかる補機取付け構造によれば、取付け部材の車両上下方向に対して直交する方向の寸法を縮小しつつ、より安定した状態で当該取付け部材を被取付け部材に取り付けることが可能となる。
【0008】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面に基づき以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態にかかる補機取付け構造の右側面図である。
図2図1の部分拡大図である。
図3図2のIII-III線に沿う断面図である。
図4図1に示す補機取付け構造の作用効果を説明する部分拡大右側面図である。
図5図1に示す補機取付け構造の作用効果を説明する部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための形態について、添付図面に基づいて説明する。
【0011】
図1図5に基づき、本発明の一実施形態にかかる補機取付け構造(以下「取付け構造A」という。)について説明する。取付け構造Aは、車両用の補機40を車両構造部材に取り付けるために利用される。取付け構造Aにおいては、補機40は、車両の制動制御装置や横滑り防止装置などを作動するためのアクチュエータである。補機40は、車両のエンジンルームに配置される。したがって、取付け構造Aは、エンジンルームにおいて構成される。取付け構造Aは、取付け部材10および被取付け部材20を備える。
【0012】
ここで、説明の便宜上、これらの図において示されるuprを車両上方向、dwnを車両下方向、frを車両前方向、rrを車両後方向、rhを車両右方向、lhを車両左方向とする。以下の説明で、特記なく上下を用いる場合は、車両上下方向の上下を指す。特記なく前後を用いる場合は、車両前後方向の前後を指す。特記なく左右を用いる場合は、車両左右方向(車幅方向)の左右を指す。
【0013】
取付け部材10は、図1に示すように補機40を搭載している。取付け部材10は、被取付け部材20に取り付けられている。図1に示すように、取付け部材10は、台座部11、第1取付け部12およびストッパ部13を有する。台座部11には、補機40が搭載されている。台座部11は、座部111、支持部112および控え部113を有する。補機40は、座部111の上に搭載されている。支持部112は、座部111の後端から車両上方に起立し、その後車両後方に延びている。支持部112の後端は、エンジンルームに配置された車両構造部材にボルトなどで固定されている。当該車両構造部材は、たとえばサスペンションタワーである。控え部113は、座部111の車幅方向のいずれかの端から車両上方に起立している。控え部113は、補機40の側部に対向している。補機40は、座部111および控え部113に固定されている。
【0014】
図1に示すように、第1取付け部12は、台座部11から車両下方に垂れ下がっている。取付け構造Aにおいては、第1取付け部12は、台座部11の左端から垂れ下がっている。第1取付け部12は、取付け部材10を被取付け部材20に取り付けるために利用される。図3に示すように、第1取付け部12は、第1取付け面121および第1取付け孔122を有する。第1取付け面121は、車両上下方向に対して直交する方向を向く。取付け構造Aにおいては、第1取付け面121は、右側を向く。第1取付け孔122は、第1取付け面121が向く方向に第1取付け部12を貫通している。取付け構造Aにおいては、第1取付け孔122は、第1取付け部12を車幅方向に貫通し、かつ車両前後方向に延びる長孔である。
【0015】
図2に示すように、ストッパ部13は、第1取付け部12の下端から車両下方に突出している。ストッパ部13の下端は、後述する被取付け部材20の張出部23よりも車両下方に位置する。ストッパ部13は、張出部23に対して車両前方および車両後方のいずれかに位置する。取付け構造Aにおいては、ストッパ部13は、張出部23よりも車両前方に位置する。
【0016】
被取付け部材20には、図1に示すように、取付け部材10が取り付けられている。取付け構造Aにおいては、被取付け部材20は、エンジンルームに配置されたエンジンマウントである。エンジンマウントは、エンジンを支持している。被取付け部材20は、本体部21、第2取付け部22、張出部23および爪部24を有する。本体部21は、被取付け部材20の主要部をなす。第2取付け部22は、本体部21につながり、かつ取付け部材10の第1取付け部12が取り付けられる。取付け構造Aにおいては、第2取付け部22は、本体部21から車両後方に延びている。
【0017】
図2および図3に示すように、第2取付け部22は、第2取付け面221および第2取付け孔222を有する。第2取付け面221は、第1取付け部12の第1取付け面121に対向している。第1取付け部12を第2取付け部22に取り付けた際、第2取付け面221は、第1取付け面121に接触する。取付け構造Aにおいては、第2取付け面221は、左側を向く。第2取付け孔222は、第2取付け面221が向く方向に第2取付け部22を貫通している。取付け構造Aにおいては、第2取付け孔222は、第2取付け部22を車幅方向に貫通し、かつ車幅方向に沿って視て第1取付け部12の第1取付け孔122に重なっている。第1取付け孔122および第2取付け孔222に締結部材30が挿入されることによって、第1取付け部12が第2取付け部22に取り付けられる。締結部材30は、たとえばボルト・ナットである。
【0018】
図2および図3に示すように、張出部23は、第2取付け部22から第2取付け面221が向く側に突出している。取付け構造Aにおいては、張出部23は、第2取付け部22の第2取付け面221の下縁221Aにつながっている。この他、張出部23は、下縁221Aよりも車両上方に位置する構成でもよい。張出部23は、第1取付け部12の第1取付け面121の下縁121Aを跨ぐ。下縁121Aは、車両前後方向に延びている。第1取付け部12は、張出部23に接している。
【0019】
図2および図3に示すように、爪部24は、張出部23から車両上方に突出している。爪部24は、第2取付け部22から第2取付け面221が向く側に離れて位置する。張出部23は、第2取付け部22と爪部24とを連結している。
【0020】
次に、取付け構造Aの作用効果について説明する。
【0021】
取付け構造Aは、台座部11から車両下方に垂れ下がる第1取付け部12を有する取付け部材10と、第1取付け部12が取り付けられる第2取付け部22を有する被取付け部材20とを備える。第1取付け部12は、車両上下方向に対して直交する方向を向く第1取付け面121を有する。第2取付け部22は、第1取付け面121に対向する第2取付け面221を有する。これにより、第1取付け面121および第2取付け面221が車両上下方向に対して直交する方向(取付け構造Aにおいては車幅方向)に互いに重なる構成となるため、取付け部材10の当該方向の寸法が縮小される。
【0022】
被取付け部材20は、第2取付け部22から第2取付け面221が向く側に突出する張出部23を有する。張出部23は、第1取付け部12の第1取付け面121の下縁121Aを跨ぐ。これにより、取付け部材10を被取付け部材20に取り付ける際、張出部23が第1取付け部12を車両下方から保持するため、取付け部材10が被取付け部材20に対してより安定した姿勢をとることができる。以上により、取付け構造Aによれば、取付け部材10の車両上下方向に対して直交する方向の寸法を縮小しつつ、より安定した状態で取付け部材10を被取付け部材20に取り付けることが可能となる。
【0023】
取付け部材10は、第1取付け部12の下端から車両下方に突出するストッパ部13を有する。ストッパ部13の下端は、被取付け部材20の張出部23よりも車両下方に位置する。ストッパ部13は、張出部23に対して車両前方および車両後方のいずれかに位置する。本構成をとると、第1取付け部12を張出部23に保持させた際、取付け部材10が車両前後方向のいずれかの向き(取付け構造Aにおいては車両後方向き)にずれようとするとストッパ部13が張出部23に接触する。これにより、被取付け部材20に対する当該向きにおける取付け部材10の位置ずれが規制される。さらに図4に示すように、第1取付け部12を張出部23に保持させた際、取付け部材10が車幅方向の回りのいずれかの向き(取付け構造Aにおいては車両前方向き)に転倒しようとすると、ストッパ部13が張出部23に接触する。これにより、当該向きにおける取付け部材10の転倒が規制される。
【0024】
被取付け部材20は、張出部23から車両上方に突出する爪部24を有する。爪部24は、第2取付け部22から第2取付け面221が向く側に離れて位置する。本構成をとると、取付け部材10の第1取付け部12を張出部23に保持させた際、取付け部材10が車幅方向のうち第2取付け面221から離れる向きにずれようとすると第1取付け部12が爪部24に接触する。これにより、被取付け部材20に対する当該向きにおける取付け部材10の位置ずれが規制される。さらに図5に示すように、第1取付け部12を張出部23に保持させた際、取付け部材10が車両前後方向の回りのうち第2取付け面221から離れる向きに転倒しようとすると、第1取付け部12が爪部24に接触する。あわせて、ストッパ部13が第2取付け面221の下縁221Aに接触する。これにより、当該向きにおける取付け部材10の転倒が規制される。
【0025】
本発明は、先述した実施形態に限定されるものではない。本発明の構造により搭載される補機40は、車両の駆動および制御に関連するものであれば種別を問わない。取付け構造Aは、エンジンルーム以外に配置された車両構造部材においても適用可能である。さらに本発明の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0026】
A:取付け構造
10:取付け部材
11:台座部
111:座部
112:支持部
113:控え部
12:第1取付け部
121:第1取付け面
121A:下縁
122:第1取付け孔
13:ストッパ部
20:被取付け部材
21:本体部
22:第2取付け部
221:第2取付け面
221A:下縁
222:第2取付け孔
23:張出部
24:爪部
30:締結部材
40:補機
図1
図2
図3
図4
図5